「俺物語!!(TVアニメ動画)」

総合得点
75.3
感想・評価
1180
棚に入れた
6138
ランキング
803
★★★★☆ 3.8 (1180)
物語
3.8
作画
3.7
声優
3.8
音楽
3.6
キャラ
4.0

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ネタバレ

れのん。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

でも、はじめて会ったときから、うちの心は猛男くんにしかうごかない!!

 原作既読

 2015年4月~9月
 監督 浅香守生 シリーズ構成 高橋ナツコ  キャラクターデザイン 濱田邦彦
 制作 マッドハウス
 原作 河原和音(別冊マーガレット連載中 作画 アルコ)

 レビュアーさんに勧められてみはじめた。
 前半、超人的猛男(cv 江口拓也さん)の恋愛物語が痛快で、すっかりはまった。少女漫画原作で、このいかつさ全開なのが、むちゃくちゃ笑える。そして、幼稚園のときの劇、「泣いた赤鬼」のエピソードはすごくいい(2話)。

 後半はすこし、自分の苦手なタイプの少女漫画風?の恋愛要素が多いように感じて、みるのがしんどくなってしまった。原作漫画を読んだ時点で、途中から(アニメ後半にあたる部分)、自分にはあわないと感じていたので、アニメ後半が自分にあわなかったのは予想通りだった。たとえば、クリスマス回(オサムと菜々子の話)など、自分には、ちょっとみるのが苦痛だった。
 ただし後半でも、西城さん(cv 前田玲奈さん、ニケ姫ですね)の話はとてもよかった。けなげなキャラは、男女にかかわらず好きなので(真島太一とか、藤宮さんとか)^^

 恋愛ものでは、ストーリーをドラマチックに盛り上げるため、なにか障害が設定されている場合が多いと思う。
 しかし、この作品では、 {netabare}はじまったばかりの3話で互いに告白してカップル成立。{/netabare} しかも猛男と大和さん(cv 潘めぐみさん)の関係は、抜群に安定している。しいて障害と言えば、猛男の強烈無比なキャラ設定かも知れないが、それも、やまとさんの熱い想いで最初からのりこえられてしまっている。登場人物が皆いい人で、ヒロインはピュアで好感度が高く敵ができそうにない。
 なので、最終話まで、たいした障害がおこらない。他のカップルならどろどろになりそうな展開でも、猛男&大和さんカップルは安心してみていることができる。結局、猛男のみごとな漢ぶりと大和さんの猛男くんへの不動の愛を再確認して、そのエピソードは終わる。

 作画については、ときどき、さすがにこれはちょっとと思った。
 原作の絵をどうアニメ化するか、もうすこし考えてほしいと思ったのは自分だけだろうか。

 たとえば11話 俺の海。
 後半~最後の方は少しましだったけど、あまりにも残念。
 たしかに原作の絵も、モブの描き方とか、大和さんの友達たちのへのへのもへじ化とか、あんな感じだが、アニメ化にあたってはもう少し工夫してほしかったな。

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 このアニメは徹底していて、前半、1話の痴漢事件にはじまり、2話の鉄筋落下、4話の火事、そのあとも、水難、山での遭難と、ゆくところゆくところ災難が降りかかるのがお約束のパターン。それを必ず超人猛男が解決しちゃうので、安心して痛快なギャグとして笑ってみることになる。普通なら疫病神だが、とにかく猛男は超人なので、どんな災難もものともしない。 {netabare}
 山で遭難して普通なら万事休すなのに、猛男といっしょなので、大和さんはぜんぜん平気で安心しきっている。
 翌朝、無事に生還した喜びより、やまとさん、「猛男くんとずっといっしょにいたから、はなれるのちょっとさびしいな。。」{/netabare}

 猛男が反射的に人を助けてしまうのは日常茶飯事。
 人を助ける際に何の迷いもない。
 (例、5話 こどもが川に!!  → 見た瞬間、すでに猛男は川に飛び込んでいる)
 猛男の親友すな(cv 島﨑信長さん)は、猛男が目の前でどれほど人を助けても、たんたんとしている。

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 この手でやまとを、幸せにするんだぁ!!
 やまと! 好きだぁ!

 猛男の何度でもくりかえされるモノローグ、「好きだ!」で、自分は不覚にも保坂を思い出してしまった。

 大違いである。

 猛男の「好きだ!」は安定感抜群の両想いで、彼はきわめてまともに大和さんが好きなのである。

 猛男は「俺は、にぶい」と自覚している。そのとおりである。
 3話、{netabare}大和さんが勝負服着てきているのに、猛男はTシャツ。徹底してる。
  「なんだ、気のせいか、きょうは異常に可愛く見えるな。。。」
  おい! さすがにこれは気づいてやれ、猛男! とつっこみたくなる・・・{/netabare}

 猛男のすばらしさは、彼が肉体的に超人であるばかりでなく、その人柄が誠実無比であることだ。
 大和さんの友達たちが猛男についてひどい話をしているのを聞いたとき(4話)、猛男は大和さんに言う、
 「ひとはそれぞれだ」
 ・・・これは印象に残る言葉だ。 
 このアニメをみた後、自分は、人間関係でちょっといやなことがあったときなど、この言葉を心の中で思い出すようになった。

 猛男が、自分についてひどい悪口を言われているのに、「俺の心配はいらん。傷ついたのはおまえだろう」と、大和さんを思いやるのは、やっぱり漢の中の漢である。

5話、{netabare}大和さんがなにか猛男に言いにくいことで悩んでいるのをみて、猛男はものすごく悩む。
 このとき、すな姉(cv 井上喜久子さん)が「彼氏に言えないことかもよ?二股とか浮気とか、他に好きな人ができたとか・・・」というのだが、それに対する猛男の答えはあまりにもすばらしい。
 猛男は、たんたんと漢らしくこう言うのである。
 「例えそうだとしても問題ない。やまとが悩んでいることの方が問題なんだ」 {/netabare}


 このアニメは、人がどれだけ見た目で判断しているのか気づかせてくれる。
 見た目ではもてそうにないブサメンの猛男に、美人ではないにしても不釣り合いなほど可愛いやまとさん・・・、とみえる。
 しかし!、
 実は、恋愛市場でもレアなのは、大和さんでなく猛男の方である。
 見た目は男女とも大事ではあろうけど、それだけではない。
 このアニメは、イケメンだけで世の女性すべてが恋に落ちるわけではないという、あたりまえのことを確認できる説得力をもっている。

 すなの場合も、イケメンという見た目よりむしろ、見た目ではわからない誠実かつ繊細な人柄こそ素晴らしい。

 すな自身、幼い日に引っ越してきた頃、その繊細さから不安感をもっていたが、猛男に出会って救われたのである。なので、一見この二人の友情は、すなが猛男を支えている面ばかりが目立つけれども、すなも猛男に癒され支えられている。

 ただ・・・・、二人の友情は素晴らしいが、さすがに{netabare}ファーストキスで大和さんを傷つけないよう練習したいと、すなに「キスさせてくれ」という猛男には、爆笑だ。 {/netabare}

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 恋する大和さんは、普通に絵になる。
 それに対して恋する猛男は、見た目でギャグになってしまって絵にならないかも。しかし、心の目で見ればこれほど美しいものはない。

 大和さんが顔を赤らめる描写が可愛い。彼女自身はそう思っていないのだが、純情無比である。
 6話でのやまとさんの悩み。 {netabare}
 「私、猛男くんといっしょにいると、すごくさわったり手をつないだりしたいんです。 私、猛男くんといると、よこしまな気持ちになるんです こんなこと言ったら、猛男くん、ぜったいひくし・・」 {/netabare}
…… なんとピュアな大和さん ♡

 それに答える、すな姉がまた、素晴らしい・・ {netabare}
 「なにいってるの、猛男はそんなやわな漢じゃないし。そんなことでひくような漢じゃない。何があっても、全力で受けとめようとしてくれる漢だよ」

 そして、泣いているやまとさんのところに全力疾走してきた猛男に、やまとさんは、
 「うち、猛男くんと手つなぎたい。あと、ときどきくっついたりとかもしたいなぁ♡ 猛男くんが思うような、純情な女の子じゃなくてごめん」{/netabare}


 ・・・純情もここまで来ると、感動してしまう。

 原作者は、猛男とやまとさんの恋愛物語を、ギャグではあるが、女性の視点と経験からみごとに描いているように感じた。

 cv の 江口拓也さん & 潘めぐみさんの声と演技が素晴らしいと思った。江口さんも潘さんも、どこからあんな声出るんだろう^^

 自分がいちばん感動したのは、9話である。{netabare}
 このエピソードでは、すなの繊細なところが描かれる。
 すなは、猛男には来るなと言って、父親の手術を一人で待っている。すなは口に出しては言えなかったが、不安や自責の念に苦しんでいる。
 一方、猛男はすなが頑張って計画してくれた誕生日デート中。でも、どうしてもすなのところに行きたくなり、やまとさんに事情を話す。

 やまと「なんでそんなだいじなこと、黙ってたの。早く行かなきゃ! 猛男くんがいてくれたら心強いよ、絶対!」
 猛男「やまと、ありがとう!」 → 全力疾走。
 病院の廊下で、猛男に心の内を話して、すなは涙をながす。その背中をぽんとたたく猛男。手術は成功する。
 そして、待合室で一人で折り鶴を折って待っているやまとさん。手術の成功を聞き、
 「ありがとう、きょうはうち、最高の誕生日だったよ!」と、笑顔で涙を流す。
 大和さんを駅で見送った後、すなと猛男は夕陽の「けつのまつ」へ。
 すなは言う。
 「(幼い頃)こっちに越してくる前は、夕陽が沈むのを見るのは不安だった。まぁ、でも、こっち来てからは、不安だったことないわ。」{/netabare}

 猛男がすなにとってどれほど大きな存在か、さりげなく伝わってくる。
 

 猛男は、あれだけキュンキュンいちゃいちゃしながら、硬派であり続けている。
 原作でもアニメでも、みごとなつなわたりに成功していると感じた。
 これが、このアニメの浄化力の源泉である。

 10話 {netabare} ピクニックに行った猛男と大和さんの、お約束の遭難。
 山中で二人きりになるが、このとき、猛男のまわりに小動物たちがあつまってくる。。。 もうこうなってくると、猛男くん、もの凄く強いけど、仏様のようだ・・・{/netabare}


 やまとさんの、いちばん萌えたセリフ ♡ {netabare}

ちがうのー、
  猛男くんに言わないでー 
  寝てる猛男くんに、うちがいろいろしてることは言わないでー (//・_・//){/netabare}


・・・・・・・・・・・・

 最終話、ラストはよかったです。

投稿 : 2015/11/19
閲覧 : 278
サンキュー:

27

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