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92.3 1 涼宮ハルヒの消失(アニメ映画)

2010年2月6日
★★★★★ 4.2 (5143)
22637人が棚に入れました
クリスマスを間近に控え、嬉々としてクリスマスパーティーの準備を進めるハルヒと、彼女に引きずられるキョン。彼が過ごしていたそんな日常は、ある日突然終わりを告げる。クラスメートと話が合わない。教室の様子が昨日までと明らかに違う。なにより、後ろの席にハルヒがいない。それどころか、その席に座っていたのはキョンを殺そうとして長門に消滅させられた朝倉だった。キョンは他のSOS団員を探しに教室を飛び出したが…。

声優・キャラクター
平野綾、杉田智和、茅原実里、後藤邑子、小野大輔、桑谷夏子、松岡由貴、白石稔、松元惠、あおきさやか
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

世界を選ぶということ

アニメーション制作:京都アニメーション
監督:武本康弘、総監督:石原立也、脚本:志茂文彦、
キャラクターデザイン、超総作画監督:池田晶子
作画監督:西屋太志、音楽:神前暁、
原作・脚本協力:谷川流

どのような世界を望むのか。
安定をいちばんに考える人もいるし、
楽しさを重視する人もいる。
それは、人それぞれだろう。
ただ、自分にとっての「大切な世界の形」は、
誰もがイメージできるはずだ。

『涼宮ハルヒの消失』は、
キョンが世界を選択し、
そのために必死であがき続ける物語。
目指すことはひとつだけだ。
自分が好きだった世界を取り戻すこと。
そのために、色々な想いを抱えたまま
真っ直ぐな気持ちで走り出す。

{netabare}いままでの世界に戻るため、
キョンが最後の仕事をする直前に
葛藤するシーンでは、強烈に心を揺さぶられた。
「常識」と「非常識」の狭間で、自分の選択が
本当に正しかったのかどうかで迷うキョン。
ハルヒが消失した世界のほうが
自分にとっては幸せだったのかもしれないとも考える。
しかし、最後にはその考えも完全に振り切る。
自分の心の深部にまで潜り、明快な答えを出す。
「(いままでの世界が)楽しかったに
決まってるじゃねぇか!」と。{/netabare}

正しいかどうかということだけでは
測れないことが世の中にはある。
人々は好き勝手なこと言う。
そんなときに私たちは何を信じたらいいのか。
キョンが選択のときに頼ったもの。
それは自分の皮膚感覚、手ざわりのようなものだった。

自分にとっての世界は、自分で選択できる。
ただし、自分自身の力で何かを掴み取るしかないのだ。
そして手に入れるためには、痛みを感じることもある。
長門の想いを振り切ることは、それまでの経緯を考えると
キョンにとって辛い決断だった。

『涼宮ハルヒの消失』はストーリーの深みの部分や、
息もつかせぬ展開、細やかな演出などを含めて
とても優れた作品だと思う。
{netabare}また、鑑賞するときの視点として、
キョン側からはもちろん、
長門側の視点で作品を観ることによって、
もうひとつの味わいを楽しめる。{/netabare}

作画や美術面も素晴らしい。
音楽もこだわりが感じられ、
サウンドトラックは、繰り返し聴いた。
エリック・サティの『ジムノペディ』は、
実写映画で使い古された感はあるものの、
この作品にとても合っていたと思う。
オーケストラによる神前暁の劇中曲も素晴らしく、
手がかりを発見してキョンが走るときに
流れる『涼宮ハルヒの手がかり』や
キョンが葛藤するときの『READY?』など、
物語と一体となって心に沁みる。

作品の問題点を挙げるとすると、
最低でもテレビシリーズの1~6話と
「笹の葉ラプソディー」を観るか、
原作のそれに該当する部分を読んでいないと、
理解できない部分が出てきてしまうことだ。
映画に込められたものを全部理解するためには、
「エンドレスエイト」を含めた全話を観る必要がある。
{netabare}やはり、長門がこれまでやってきたことを
テレビシリーズで感じないと、
半分くらいしか想いのせつなさを
感じることができないだろう。{/netabare}
ただ、そんな時間が必要でも映画を観てしまえば、
とても瑣末なことに思えてしまう。
京都アニメーションのスタッフが
それぞれ素晴らしい仕事をした作品だ。
(2019年8月17日初投稿)

投稿 : 2022/09/24
♥ : 74

ねこmm。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

「何が起こってるんだ!?」  【ねこ's満足度:96pts】

『なぜなら俺は、SOS団の団員その一だからだ』

『わたしはあなたに会ったことがある』

この映画のキャッチコピーです。
この作品を一言で表せと言われたら、この二つしかないでしょう。
それほど見事なキャッチコピーだと思います。

そう、この物語には二つの大きなテーマが存在しました。
『主人公キョンの二つの決意』と『宇宙人長門有希の想い』。

この二つのテーマが、150分を超える上映時間を全く感じさせない見事な演出と、
目を見張るほどの映像美によって綴られていきます。まさに京アニの真骨頂。
今までの物語はこの「消失」の為のものと言っても過言ではありません。
まさにアニメ版ハルヒの集大成といえる大作です。

ちなみにこの作品で長門人気が急上昇したとか。
わたしはメガネない方が好きなんだけど・・・(笑)。
というよりも長髪ハルヒが可愛すぎました。大好きです。

あと最後に、杉田さん本当にお疲れ様でしたm(__)m

投稿 : 2022/09/24
♥ : 93

チヒロ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

観終わったあとに余韻の残る、名作アニメ映画でした。

感動の超大作だった。

全く期待していなかったし、金儲けで作られた映画みたいに思ってたけど、ここは素直に謝ろうと思う。

おもしろかった! マジで感動した。
ストーリーもすごく良かった。驚いた。いやまぁ、あまりの驚きにレビューを書いてしまうくらい驚いたし感動したし、記憶に残った。

そして良い映画を観終わった後にだけ感じる、その世界から抜け出せない、なんとも言えない余韻が残った。

こんなにクオリティーが高く、余韻の残るアニメ映画は、自分的には秒速5センチメートル以来だと思う。

涼宮ハルヒの憂鬱の特徴である、未来人、宇宙人、超能力者。そしてハルヒ。

この原作の舞台設定が存分に活かされていた。

長門。正直あまり注目していないキャラではあったけど、好きになりました。

約3時間ある映画ですが、最初の30分くらいから、どっぷり世界に引きずり込まれ、あっという間に終わってしまいました。

TVシリーズを観たときには感じませんでしたが、この映画で涼宮ハルヒの憂鬱という世界観が、好きになりました。

これだけ印象的だと、なかなか忘れることはできないでしょうが、いつか、忘れた頃にもう一度みたいと思える「アニメをみて良かった。」と思わせてくれる、数少ない名作だと、個人的には思いました。

投稿 : 2022/09/24
♥ : 43

91.7 2 映画けいおん!(アニメ映画)

2011年12月3日
★★★★★ 4.3 (2996)
15177人が棚に入れました
「放課後リターンズ!」「けいおん!」は、いつでも進行形!!あの大人気TVシリーズが遂に映画化!TVシリーズでは描かれなかった、桜が丘高校在学中の軽音部5人の繰り広げるゆるやか部活ライフを描く。卒業を控えた軽音部3年生 唯、澪、律、紬の4人は、いつもどおり部室でお茶したり、バンドの方向性を話し合ったり?とゆるやかな時間を送っていた。そんなある日、教室で同級生たちが「卒業旅行」を企画していることを知り、唯たちも卒業旅行に行こうということになる。そのことを聞いた梓も参加することになり、各自、候補地の希望を出す中、くじ引きの 結果「ロンドン」へ行くことに決定!ガイドブック等旅行の準備をしながら、各自、ロンドンへの思いをはせる。

声優・キャラクター
豊崎愛生、日笠陽子、佐藤聡美、寿美菜子、竹達彩奈、真田アサミ、米澤円、藤東知夏、永田依子

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ファンには嬉しい大満足の劇場版でした( *・ω・)ノ

■けいおん!!!3期を期待せずにはいられなくなっちゃいますね‥…━━ *  m(゚▽゚* ) ホシニネガイヲ・・・
まさか、生まれて初めて公開初日に映画を観に行くことになるなんて思ってもいなかったです!
それだけ期待もしてたし、好きな作品のひとつだったんですよね(^ー^* )フフ♪
そしていざ劇場へ||ヽ(*゚▽゚*)ノミ|Ю ワタシノセキハドコ♪
上映時間116分・・・「けいおん!」らしさがたっぷり詰まったあっという間の至福の時間でした
♪⌒ヽ(*゚O゚)ノ
 
劇場版でも、監督に山田尚子さん、脚本に吉田玲子さん、キャラデザに堀口悠紀子さんといった主要どころが女性スタッフ中心に制作されているので、キャラのちょっとした行動や仕草、思考や感性が等身大の女子高生として描かれているところは相変らずでとっても好感がもてました。
それと劇場版「けいおん!」の予告PVでも知らされていたように、卒業旅行で海外へ行く事になるのですけど、ちゃんと海外でも彼女達の「らしさ」が生かされているので、なんだかとっても安心しちゃましたw
それと京都アニメーションの安定感抜群な作画は「これぞプロの仕事」って感じで改めて感心させられちゃいました(゚∇^d) グッ!!

劇場版「けいおん!」はTVシリーズで培ってきた良いところを、背伸びさせずにそのまま詰め込みましたって印象なのです。
TVシリーズの延長線上で違和感なく楽しむ事ができるので、ティータイムに紅茶を飲んで
C=(^◇^ ; ホッ!っとするような感覚にさせてくれました♪
いつもでもどこでも変わらない「け」「い」「お」「ん」「ぶ」が観られるのが劇場版「けいおん!」の良い所なのでしょうね(*゚▽゚)ノ
けいおんファンにとって劇場版「けいおん!」は間違いなく大成功といえる作品だとおもいます!
まだ「けいおん!」を観たことないっていう方は是非TVアニメシリーズを観てから視聴することをお薦めします♪

アタシσ(゚-^*)にとって色々懐かしい気持ちにさせてくれるのが「けいおん!」って作品なので文句なしで観て良かったです(*^o^*)
学生時代の友達との思い出、バンド仲間との時間、海外で知り合いにバッタリ会ったときの感動などなどw
家に帰った後に愛用の楽器たちと戯れたことは言うまでもありません《《《《♪♪(*´▽`*)ノ゛

そういえば、漫画は唯ちゃん達の卒業組みとあずにゃん達の高校生組みが並行してそれぞれ連載中なのでアニメ化を否応なしで期待せずにはいられないですよね♪
また新しい「けいおん」と出逢えることを楽しみにしてます☆⌒ヽ(*'、^*)

2011.12.04・第一の手記

投稿 : 2022/09/24
♥ : 80

VAЯOSH さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

一度は観るべし。時間があるなら二度観るべし。

最近のアニメで名作と言えばこの「けいおん!」は
必ずと言っていいほどノミネートするでしょう☆

そこまで人気や期待、たくさんの視聴者や興味を持つ人々。
今となっては、大幅な年齢層の人々がこの「けいおん」を
一度は耳にしたことがあるであろう...

さてさて、本題の劇場版についての感想ですが
僕はこの作品を時間がなくて一度しか視聴することが
出来ませんでしたが、、、簡潔にすごく笑えました!!

その笑いには元気をくれる。力をくれる。
そんな笑いを与えてくれました。

舞台は高校の卒業旅行としてロンドンへ行くstoryとなっています!!(。・ω・。)
唯ちゃん、りっちゃんは始まってそうそうから
暴走してくれましたwwww
いきなり劇場内から「wwwwwwwwwwwwwwwwwww」の声が(笑)

また、この映画の見やすさとしましては
初めて「けいおん!」を観る方でも普通に楽しめます。
というのは、いきなり映画を観て「え??なんだこの話。」
というようにTV放送を観てないと内容が掴めない。
といった事がないんですねコレが☆(ゝω・)v

それに加えて、TV放送を観てきた方も今回は卒業旅行ということでTV放送の話の続編という形になっておりますので
今まで観てきた方にももちろんお楽しみ頂ける作品となっております!!

現代のアニメ業界において、なくてはならない作品だと思います( ´∀`)bグッ!
なので是非とも皆さん、観たことない方は一度観るべし。
観たことある人も、もう一度観る価値はあります。
「けいおん!」を楽しんでください☆

投稿 : 2022/09/24
♥ : 14
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

けいおんシリーズの魅力が詰まってる。元気のないときに見ようc(-。-,,)c)~

原作未読。
けいおん1期、2期ともに視聴済み。

1期レビュー→ http://www.anikore.jp/review/408583
2期レビュー→ http://www.anikore.jp/review/413114

劇場版は時系列でいうと、けいおん2期の終盤間際、23~24話の辺りです。
どのようにして24話につながったのか、裏話が描かれています。
視聴後、もう一度、けいおん2期の終盤を見直したくなりました。


けいおんは「日常の中にある楽しさ」がテーマだと考えています。
その日常の中で、「山」となるイベントが含まれています。
その中でも最も大きいであろう山が丁寧に描かれています。

イベントですから、正確には日常ではなく非日常です。
しかし、日常の延長線上にある「ちょっと大きな日常」といってもいいくらい、自然なキャラクターの姿が表現されています。
キャラクターの細かいしぐさ、テーブルの上に置かれた小物、背景のいたずら書き。
そんなさりげない描写ですら、楽しい日常を感じさせてくれます。

「ああ、またボケやツッコミをしながら壁に落書したんだろうなぁ」
「今日あったことをぐだぐだ話しながらお菓子の包み紙で遊んだんだろうなぁ」

なーんて想像してしまいます。

みんなの仲の良さが伝わってきます。
本当に楽しそうです。
こちらまで楽しくなってきます。
何ていえばいいんでしょう。
ペットのしぐさに癒やされる感じでしょうか?
{netabare}あずきゃっとc(-。-,,)c)~{/netabare}

日常の枠をギリギリこえない、楽しさがテーマの物語。
そして、感動も忘れていません。

「けいおんシリーズの魅力とはこういうものだ!」とうまく伝わった作品だと思います。

投稿 : 2022/09/24
♥ : 93

90.8 3 劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケール(アニメ映画)

2017年2月18日
★★★★★ 4.1 (1125)
6845人が棚に入れました
2022年。天才プログラマー・茅場晶彦が開発した世界初のフルダイブ専用デバイス≪ナーヴギア≫―― その革新的マシンはVR(仮想現実)世界に無限の可能性をもたらした。それから4年……。
≪ナーヴギア≫の後継VRマシン≪アミュスフィア≫に対抗するように、一つの次世代ウェアラブル・マルチデバイスが発売された。≪オーグマー≫。
フルダイブ機能を排除した代わりに、AR(拡張現実)機能を最大限に広げた最先端マシン。
≪オーグマー≫は覚醒状態で使用することが出来る安全性と利便性から瞬く間にユーザーへ広がっていった。
その爆発的な広がりを牽引したのは、、≪オーディナル・スケール(OS)≫と呼ばれる≪オーグマー≫専用ARMMO RPGだった。
アスナたちもプレイするそのゲーム に、キリトも参戦しようとするが……。

声優・キャラクター
松岡禎丞、戸松遥、伊藤かな恵、竹達彩奈、日高里菜、高垣彩陽、沢城みゆき、平田広明、安元洋貴、山寺宏一、神田沙也加、井上芳雄、鹿賀丈史
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

『SAO will return』

言わずと知れた大人気アニメ『ソードアート・オンライン』の劇場版。

劇場版ならではの一足飛び感は否めませんが、SAOファンなら誰でも、満足のいく作品でしょう。
SAO未視聴の方は、TV版の1期・2期を視聴してからの視聴をお勧めします。

ラストの一言。否応なしに第3期への期待が高まりますよね!

以下は重度のネタバレを含みますので、未視聴の方は飛ばして下さい。m(__)m
{netabare}本当に重度のネタバレを含みますので、未視聴の方は飛ばして下さいね。m(__)m
{netabare}
序盤は無双状態のアスナと対照的に消極的なキリト。

中盤、記憶を奪われたアスナが戦闘不能状態になると、アスナを救うため立ち上がるキリト。
二人の大事な物を取り戻すため・・・。
やはり、キリトが無双になると一気に物語が盛り上がる。

終盤は劇場版ならではのオールスター総出演。
場所は旧アインクラッドの100層。要するに、SAOのアインクラッドってことだよね?

アスナが記憶を奪われたきっかけと同じ、シリカの絶体絶命のピンチ。
戦意を取り戻したアスナが駆けつけ、シリカを救出する。
 ~すでに目頭が熱い!~
ここで、ユイのチートパワーが炸裂!
ALO、GGOの仲間たちが、ゲームの垣根を越えて、陸続と集まってくる。
SAO時代の装備に戻ったキリトたち。
ユイ「シノンさんの分はオマケです」
 ~ユイの一言に、思わず頬が緩む~
そして全員一丸となった怒涛の攻撃!
 ~これを見たかったんだ!~
そしてキリトとアスナの共闘。
そして・・・。

アスナの背中をユウキが押す!
 ~何回見ても涙が止まらない!~

ついに、SAO完全攻略!
{/netabare}{/netabare}

最後に一言。直葉ちゃん。いつの間にか、{netabare}我が地元に{/netabare}合宿にきていたんですね!(笑)

投稿 : 2022/09/24
♥ : 62
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

バーチャルリアリティ

SAO事件から4年後。
次世代マルチデバイス「オーグナー」発売。
フルダイブ機能から拡張現実機能へ。
ARは覚醒状態で使用できる大きな利点を持ち、
オーディナルスケールは世間を席捲している。
AIアイドルユナの人気も過熱している。

アインクラッド編の総決算の物語です。
原作者自らの映画オリジナル脚本。
オールスターキャストでファンには嬉しい。

当初はAR戦闘に慣れていない為、
あまり乗り気ではないキリトですが、
旧SAOのボスモンスターが、
戦闘イベントに登場するとの噂もあり、
アインクラッドの面々と参加する運びとなる。

映画版は大成功だと感じています。
シナリオに緩みがなく、
戦闘シーンや音響効果が最大限活かされ、
ファンサービスも盛り沢山。
娯楽作品としては王道で優秀な作品です。

「順位」が全てのこの世界。
{netabare}ここにあるのは影あってこその光だということ。
華々しく活躍するプレイヤーの影で、
名も無きプレイヤーは命を落として死んで行く。
たくさんの想いが背景にあるのでしょう。
これが悲しい事件の顛末。{/netabare}

仮想が現実を侵食する。
もうそんな時代が始まっています。

アリシゼーション編に繋がる物語、
シリーズ最高到達点はここにあるのかも知れない。

投稿 : 2022/09/24
♥ : 81
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

アスナを褒めよ~ 讃えよ~ 

2018.06.16記

総集編みたいなのでなくて良かった。

1期、2期を受けての劇場版という流れなので一見さんお断りにはなるかと思います。
逆に、もとからのファンにはうれしいサービス描写がところどころあるので、TV版視聴済みの方には満足できる内容となってます。


■SAO 1期
 アインクラッド編 1話~14話
 フェアリィ・ダンス編 15話~25話
■SAOⅡ 2期
 ファントム・バレット編 1話~14話
 キャリバー編 15話~17話
 マザーズ・ロザリオ編 18話~24話
■劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-


フェアリィ・ダンス編や2期のファントムバレット編よろしくデスゲームを生き残った人/死んじゃった人に絡んだストーリー展開を見せるというSAO必勝のパターンでした。
TV版を受けてそれと同等かそれ以上の面白さを提供してくれる劇場版に該当しますね。1期2期視聴済みの方は必見です。


特に物語のクライマックスであるラスボス戦は作画/BGM/戦闘展開全てにおいてパーフェクト。

■ラスボス戦
{netabare}アスナ登場シーンは震えた。ホント震えた。目玉に刺した剣を引っこ抜いてスロウカットで振り向くシーンを何回リピート再生したかわかりません。{/netabare}
{netabare}マザーズロザリオ発動シーンも震えた。アスナがカッコよすぎて困る。ユウキ(2期参照)の想いがしっかりとアスナに受け継がれていること誰もが自覚できた名カットでしょう。{/netabare}

ラスボス戦!これだけでもお腹いっぱいになりますよ。



-----
2018.09.12追記
《配点を修正》


そういえば、劇場版ヒロインのユナ役である神田沙也加さんはナイスキャスティングですね。
アナ雪でもそうでしたが、歌唱力があって声の演技もできる役回りをさせたらかなり適任なんじゃないかと思います。
もともと声優さんたち軒並み歌が上手いところですが、一段階上の歌唱力かと。



-----
2019.09.08追記
《配点を修正》 -0.1


視聴時期:2018年3月 配信



2018.06.16 初稿
2018.09.12 追記/配点修正
2019.09.08 追記/配点修正

投稿 : 2022/09/24
♥ : 57

90.6 4 天空の城ラピュタ(アニメ映画)

1986年8月2日
★★★★★ 4.2 (2324)
13971人が棚に入れました
ある夜、飛行中の飛行客船を、航空海賊の一団が襲撃する。政府特務機関に捕らわれ客船に乗っていた少女シータは、混乱に紛れて特務機関の指揮官であるムスカ大佐を気絶させると、彼の懐から青い石のペンダントを奪い取る。窓を伝って逃げようとするが、海賊に見つかり、驚いた拍子にシータは客船から転落してしまう。雲間を落ちていく中、気を失った彼女の胸にかかっていたペンダントの青い石が突然光を放ち、シータは光に包まれゆっくりと降下していった。鉱山町で働く少年パズーは、青い光とともに空からゆっくりと降りてきたシータを助け、自宅にかくまう。一夜明けパズーは、シータの行方を追う空賊や政府からシータを守り逃走を図る。

声優・キャラクター
田中真弓、よこざわけい子、初井言榮、寺田農、常田富士男、永井一郎、糸博、鷲尾真知子、神山卓三、安原義人、亀山助清、槐柳二、TARAKO
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

「天空の城ラピュタ」天空のジブリ大博覧会に行って来ました

私が あにこれで5つ星を付けている宮崎駿 監督作品「天空の城ラピュタ」「風の谷のナウシカ」この2作は同点首位、監督のなかでも1、2を争うほど好きな作品です。

映画公開から何十年もたちますが全く色褪せない名作ですね。
日本アニメ映画を代表する冒険ファンタジーではないでしょうか。

思い入れがあるシーンは幾つもあります
物語の幕開け…

ヒロインのシータが飛行船から落下
一瞬の静寂の音を聴き
ピアノ旋律で始まる音に引き込まれます...
ラピュタの文明や衰退の絵が印象的でイメージを掻き立てられます。

序々に盛り上がる その旋律に心揺さぶられ、高まる期待で胸がいっぱいになる
そんな始まりを告げるにふさわしい曲です。

天空の城ラピュタ
ラピュタという伝説の空中都市に憧れた幼きあの日を思い出しました。

目の前にある大きな入道雲、その雲の向こうには きっと何かがそこにあるのではないか
そんな風に思って空を眺めたものです。
今では、入道雲を見る度に作品を思い出して また会いたくなります。

ラピュタを背景に流れる「君をのせて」
物語を回想させるのに これ以上の曲は無いかもしれません…

父さんが残した 熱い想い

母さんがくれた あのまなざし

地球は回る君を隠して

輝く瞳 きらめく灯火

地球は回る 君をのせて

いつかきっと出逢う 僕らをのせて...


幾度もこの作品を観てきましたが
興奮と感動へと いつでも連れていってくれるのです。

熱い想いが この作品のメッセージ
出会えたことに感謝します。


ネタバレはありませんがレビューではないので閉じます。
【三鷹の森ジブリ美術館 2015.2.28】
{netabare}
今回は美術館内での天空の城ラピュタの部分だけ書きます。
ジブリ美術館は主に天空の城ラピュタと となりのトトロの展示が多いように思えます。

太陽が降り注ぎ、青空が眩しいこの日、美術館の らせん階段を登る私 この瞬間はいつも心が高鳴るのです。

その理由は屋上にロボット兵が待っているからなんです♪
圧倒的な存在感で この美術館を見守っているかのようです!

外なので写真撮影が出来るこの場所。大人気なロボット兵との2ショットは一瞬の駆け引きです♪

離れた場所にはムスカがラピュタを操っていたあの石も置かれています。

一番好きな場所は監督の作業机のある部屋です。
コルクボードに貼ってあるシータやパズー、監督の構想段階のラピュタには目が釘付けになります!

天井から吊るされていたのはパズーが持っていた羽ばたく模型飛行機
幼い頃、空を飛ぶ事に憧れを持っていた監督。
パズーは監督だったのでしょうか…

館内の壁を飾るワンポイント
光のキラキラ ステンドグラス**

私が見つけたのはラピュタは「シータとパズーにタイガーモス号の」「天空の城ラピュタ」の2枚でした♪

お花、花瓶etc♪美術館のあちらこちらに夢がつまっています。
そんな夢のファンタジー空間でした♪
{/netabare}
【ジブリの大博覧会 2016.7.28】
{netabare}
強い陽射しが肌に じりじり感じる夏の日
天空のフロアで開催している『ジブリの大博覧会~ナウシカからマーニーまで』
六本木ヒルズ52階へと行ってきました。

やっぱり私、宮崎駿WORLDを感じられる場所って大好きです♪
同じジブリファンに会えるのもなんだか嬉しいし

入口からこれまでのジブリ作品のポスターがお出迎え
どの作品も見慣れたポスターです。

そこを抜けると部屋があり
入場者をカウンターから待つトトロが
『え、・・かわいい~♡』
後ろに秘密そうな場所があったので覗きに行ってみると、、
暗めの階段の先には まっくろくろすけがいっぱい♪

つい見逃してしまうような、このさりげなさ
これはきっと・・監督の遊び心ですね。
ファンタジックな空間に胸のどきどきが止まりません。

壁一面に展示しているポスターの原案や新聞の広告

棚や壁いっぱい、そして天井にまで ジブリグッズが並べられた展示部屋はまるでおもちゃ箱の中にいるみたい

時間を忘れて お気に入り作品の もしかしてかなりレアなんじゃないかな~?と思うグッズを探してみました♪

結果。「天空の城ラピュタジュース」を見つけた時はなんだか嬉しくなりました♪

そして次の部屋にはなんと
リアルサイズ?のネコバスが愛嬌のある笑顔で待っています。
額の行き先が「六本木」になっています。
この場所が目的地みたいですね。
あれ?よく見ると「木」の文字が上下逆さま~

取り敢えず毛並みを触りながらふわふわなネコバスに乗車します。

そして、座る!!
『わぁ~、、、』って声が出るくらいに
沈んで、やわやわむにゅむにゅもふもふ
そんなネコバスの柔らかい座り心地♪
何度も遊んじゃいました・・♡


そして最後は「空飛ぶ機械展」
大きな天井の高いホールには

「天空の城ラピュタ」に登場する巨大な船の模型が飛んでいます。
写真OKということでパシャパシャ
もう、大満足。

トトロに癒されたり、素敵なスケッチやネコバスに遭遇したりドキドキが沢山
そんな贅沢ジブリ時間
お土産とパンフレットを手にいれて
夏の素敵な思い出のひとつになりました。

最後に…
ミュージアムカフェ
パズーのあの目玉焼きの乗ったパズーパン(勝手に命名)や
記念パフェがあるので召し上がった方は報告&感想欲しいです♡

是非、心響くジブリの歩みを振り返る旅には天空の大博覧会へ。
9月11日(日)まで開催しているみたいですよ。

今日も読んでくれてありがとうでした*^^*
{/netabare}

投稿 : 2022/09/24
♥ : 112

ぱるうらら さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ラピュタはジブリ最高傑作。

このアニメ(映画)は、私にとってジブリ最高傑作であると思います!
どんな世代でも見ることの出来るであろう最高の世界観・話の設定そして演出を私達に見せてくれたラピュタ…。
この作品こそ、例えどれだけ時が経ったとしても後世に名を残すことだろう。と言うより語り継ぐべき映画だと思います!


私が『天空の城ラピュタ』から思った事は...
人間は科学技術を発展させることで生活の快適さを求め(例えば、新しい資源を求めるため宇宙へ向かい、地上から離れたり)富・名誉を得ようとするが、それが人間たちの醜い争いや自然破壊につながってゆく。
そしてヒトは新天地(ここでは空)や大きな力に目が眩み、それらを手にしようとする。
競争で一歩先に進み、大きな力を手にしたヒトはその力を振るって暴走し、邪魔なもの(人間や自然)を何でもかんでも傷つけてしまう。
しかし、どれだけ大きな力を手にしたとしても、大地を離れ、武器を取り、ヒトを傷つけ、力に溺れる者は滅びてしまうのである。
つまり、人間は地上で自然や生き物たちと共存して生きていくものだということです。
もっと簡単に言えば、『自然を大切に、皆仲良く』です。

「土に根を下ろし 風と共に生きよう 種と共に冬を越え 鳥と共に春を歌おう」というシータが詠い上げた詩から連想しました。

制作者の意図は、もっと簡単に『愛』や『絆』、『命』をこのアニメのテーマにしようとしたのかもしれませんが…。


私がこのアニメで素晴らしいと思った事は、天空に漂う古代都市が存在するという設定。そしてその都市の外見・内部;空中廊下やラピュタの中心部に位置する大樹、その巨大な根、苔の茂り具合、ラピュタ内部の正方形の石が漂うあの空間等々。
また、主人公達が途中から乗船することとなった空賊たちが所有するあの飛行船も、そのもののデザインや生活が出来るスペースがあるという設定が非常に良かったです。
私は空にまつわる設定が大好きです。LAST EXILEもしかり...。 そう、宙は男のロマンなのです。

ムスカの名セリフも若干残虐性がありますが、記憶に残るとても印象に残る台詞でした。
「見ろ、人がゴミのようだ!!」これはおそらく二度と忘れない台詞でしょう。
ムスカの代名詞とも呼べるこの台詞は例えラピュタを見たことがない人でも一度は耳にしたことががあるというほどの知名度。それだけこの言葉にはインパクトがあるのでしょうね。



私的には今のところはまだラピュタに勝るジブリ作品はないと思っております。
ジブリの中ではもはや旧作に位置づけられる『となりのトトロ』、『蛍の墓』、『魔女の宅急便』など、そして2000年代に入り『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』等も素晴らしい作品だと思いますが、やはり『天空の城ラピュタ』が一番です!!


ジブリ作品の中での最も古いこの『天空の城ラピュタ』。
12月10日の再放送をしっかりと視聴したのですが、やはりいつ見ても素晴らしい出来のアニメ映画であるな、と視聴する間も口を開け感嘆しながら見ていましたw

これからもラピュタに続くような新たな名作をスタジオ・ジブリには作って欲しいものです。

投稿 : 2022/09/24
♥ : 44

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

夢とロマンに溢れる名作

ジブリの最高傑作の作品ですね!!

◆何回見てもワクワクします・・・
ある日、空から女の子が降ってきたらどんな気持ちになるでしょうか?
この大空の向こうに我々の知らない天空の城があるとしたらどう思いますか?
この作品は純粋な冒険心をすごく掻き立てられる作品です。
また、純粋無垢なヒロインとその子を守ろうとする主人公は見ていてすごく好感が持てました。

◆声優陣は・・・
パズー  :田中真弓(ドラゴンボールのクリリン)
シータ   :横沢啓子(ドラえもんのドラミ)
マ・ドーラ :初井言榮
ムスカ   :寺田農
他、実は「林原めぐみ」も出演しています。

◆音楽は・・・
主題歌の「君にのせて」は名曲中の名曲、劇中に流れる音楽もこの作品の世界観に十分マッチして、最高の雰囲気を出しています。

◆総評・・・
冒頭の主人公とヒロインとの運命の出会い、さらわれたヒロインを命がけで助けようとするスピィーディ且つ迫力あるアクション、神秘的な天空の城の伝説とその城を探す冒険心、そしてその果てに待っているものは・・・。
夢と憧れと希望、儚い寂しさ、野心と人間の愚かさ、などが非常によく描かれていて、童心に返って何度見ても楽しめる作品でした。
文句なしのオール5の評価とさせていただきます。

投稿 : 2022/09/24
♥ : 31

90.6 4 君の名は。(アニメ映画)

2016年8月26日
★★★★★ 4.1 (2419)
10976人が棚に入れました
新海誠監督による長編アニメーション。

千年ぶりとなる彗星の来訪を一ヶ月後に控えた日本。
山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は憂鬱な毎日を過ごしていた。
町長である父の選挙運動に、家系の神社の古き風習。
小さく狭い街で、周囲の目が余計に気になる年頃だけに、都会へのあこがれを強くするばかり。

「来世は東京のイケメン男子にしてくださーい!!!」

そんなある日、自分が男の子になる夢を見る。
見覚えのない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の町並み。
念願だった都会での生活を思いっきり満喫する三葉。

一方、東京で暮らす男子高校生、瀧も奇妙な夢を見た。
言ったこともない山奥の町で、自分が女子高校生になっているのだ。

繰り返される不思議な夢。そして、明らかに抜け落ちている、記憶と時間。
二人は気付く。

「私/俺たち、入れ替わってる!?」

いく度も入れ替わる身体とその生活に戸惑いながらも、現実を少しずつ受け止める瀧と三葉。
残されたお互いのメモを通して、時にケンカし、時に相手の人生を楽しみながら、状況を乗り切っていく。
しかし、気持ちが打ち解けてきた矢先、突然入れ替わりが途切れてしまう。
入れ替わりながら、同時に自分たちが特別に繋がっていたことに気付いた瀧は、三葉に会いに行こうと決心する。

「まだ会ったことのない君を、これから俺は探しに行く。」

辿り着いた先には、意外な真実が待ち受けていた…。

出会うことのない二人の出逢い。
運命の歯車が、いま動き出す

声優・キャラクター
神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子、悠木碧、島﨑信長、石川界人、成田凌、谷花音
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

世界はきっと美しい

新海誠監督作品。

希望が持てないとき、漠然と不安なとき、
繰り返し見たくなる前向きで素敵な物語だ。

売上や動員数ばかり話題になりますが、
映像クリエイターからすれば、
思春期というものは創作の大きな源泉です。
初々しくも華やかな青春を、
美麗な風景とともにまとめ上げた手腕は、
評価に値すると思います。
多くの大人達もどこか自分に合わせ、
追体験できたのが大きかったのでしょう。

少年少女は生きる上で、
きっと喜怒哀楽の純度が高い。
強く生きること深く愛すること。
その一瞬をフィルムに収める。
少女の全力疾走はいつだって感動しますね。

糸守町の歴史と組み紐の教え。
宮水神社に伝わる伝統儀礼と御神体。
{netabare}夢の中で入れ替わった2人は、
不思議な体験を通じ心の距離を近づける。{/netabare}
古来より継承されてきたものが引力となる。
素敵な出逢いが訪れますよう願おう。

留めておくのが難しい、
儚くて透明なその美しい一瞬を、
まだ美しいと感じれる自分がいて良かった。

投稿 : 2022/09/24
♥ : 165
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

夢の儚さを越えて二人は繋がる。

見終わった後、私は夢から覚めて、まどろんだ時ようなな気持ちになりました。

あのシーンの背景が良かったとか、あそこのスピード感が最高だったとか。
でも、その記憶は、強く「覚えていよう」と思い、まるでこれは面白い夢から覚めた時と同じじゃないかと。

でも、人の記憶は曖昧で、全ての良いシーンを覚えておこうと思っても、次第にディテールが失われていきます。
やがて夢の記憶は、「面白い夢をみた」に代わり、そして夢をみた事をも忘れていく。

時間に対して夢の中の記憶はあまりにも儚い。

この作品はそんな弱い繋がりで繋がった瀧君と三葉の物語です。



感想
{netabare}

【演出】
二人の入れ替わり生活が始まるときに曲が入り場面の切り替わりのスピード感は新海監督らしい演出。

二人の入れ替わり生活とは別に強く印象に残っているのは
時間が100倍速になった感じで都会の光や信号が光を放つシーン。
これは時間の経過を示しているのでしょうが
その綺麗さが強烈に印象付けられました。

また、夢の中の出来事という作品の設定のように
幻想的な美しさが視聴者を夢と現実の境界線に引き込んでくれます。

三葉の人生が瀧に見えたときのシーンもグッと来ました。何でだろう?
人の生き死にに涙もろいのかな。
あのシーンは母親との直接的な繋がり(へその緒)や親との別れ、家族の濃い「人と人の繋がり」を感じてしまったからでしょうかね。

【展開】
「瀧君、覚えてない…?」という三葉のシーンは本当に胸が痛くなりました。
3年後の瀧君にとってはずっと前から繋がっていた。三葉にとってはようやく繋がった。
だけど瀧君はこのときはまだ知らない、三葉は不審そうにこちらを警戒する瀧君に思いを伝えられない。
「二人が会えた」「繋がった」という嬉しさと同時に
勇気がでずに思いを伝えられない三葉の姿に自分を重ねてしまいました。



【キャラ考察】
瀧君がクレーターの上で君の名は!と涙ながらに叫んだ気持ちがわかってしまう。
大切な人に会いたいと、思いが募ると、苦しくて、吐き出したいなにかが心のなかにたまってきて、自然と涙が出てくるんですね。

三葉の境遇について
母親を幼い頃に亡くしていて、それをきっかけに父親が神職をやめて離ればなれとなっています。
離れて暮らしながらも、政治というなにかと目立つ仕事をしている父親のせいで
学校で本人の意思とは関係なく少し浮いてしまう三葉。
そんな狭い村社会に嫌気が差してどこかに逃げたい気持ちでいる時に起こる入れ替わり。
三葉にとって入れ替わりは逃避になり得た(まさに夢に逃げる)のですが
突然終わる入れ替わりは、夢の終わりであり、それは自分の逃げ場所がなくなったともいえます。
夢の続きが見たくて。そういう気持ち(逃避)、わかります。
東京にいるはずの瀧君に会いに行き、あの日々の続きがみたい。
でも、せっかく会いに行ったのに瀧君は三葉のことを知らなくて、繋がりの喪失を感じてしまった。
(ですか、ここで過去と未来を繋ぐ糸を渡したシーンの懸命さや、その糸が忘れかけた瀧君と三葉を繋げてくれた意味を持つアイテムであることの重要性が「繋がった!」と嬉しさを感じさせます)

その後の三葉の行為は、瀧君への思いをたちきりたくての髪を切る行為だったのでは。(切るということは思いや繋がりをたちきりたいための行為?)(夢の終わりが夏祭りの近くの日、つまり、一般的には夏の終わり近くです。夏の終わりの儚さと夢の終わりの儚さをかけているのではないでしょうか)

また、三葉が夏祭り前に暗い部屋で涙を流すシーンには、喪失感を感じ、失恋等のなにかを失う出来事を思わせました。


その後の彗星の衝突により、三葉は現実の問題と向き合い乗り越えることができました。
瀧君の残した「すきだ」が現実と向きあう最後の勇気をくれたのかもしれません。

そして、瀧くんにとっては、一生忘れられない体験であり
忘れられない繋がりだったのではないでしょうか。
それが記憶がなくなっても四年後も繋がりを求めていた理由かもしれません。
忘れたくないと思っても忘れてしまう、だけどどこかでおぼえているその繋がりのことを。
だから、これはなくなってほしくないという、繋がりの肯定なのではないかな。
【美術】
新海監督の作品は見たり見なかったりなのですが、背景の綺麗さは今作もすばらしかったです。
田舎のゆったりとした風景にはそこに溶け込めそうな気分にさせてくれました。まるで、その場所が自分の帰る場所のような。

都会の朝の風景はどこか孤独だけどエネルギーを感じます。
夕方の忙しそうな風景には少し寂しさがあって、早く帰りたいな、そんな気持ちにさせてくれます。

季節感も夏に始まり、春に終わるという、季節ごとの綺麗な風景を描いてましたね。

最後に桜さく路地の階段で二人が出会うシーンも、優しさと暖かさをリアルに感じてとてもよかったです。


【記憶が失われる設定について】
多くの人がここについて指摘してきました。
ですが、私はレビューの最初に書きました通り、夢だから、でストンと納得しています。
作中で夢をフォローしているシーンがあるのは覚えていますか?
三葉の祖母が三葉(瀧くん)に「三葉、お前、今夢を見ているな」と言う印象的なシーンです。
また、三葉も「夢の中で見たあの人の名前が思い出せない」と言い、友人を困惑させます。
それはそうでしょう。普通のひとはそんなことを非常時でも平常時でも口に出したりしません。
共通認識として「夢の中の内容は忘れやすい」ということがあるからです。
ですので、スマートフォンの中の日記が消えていくあの表現や、
二人が御神体のクレーターで出会うシーンが、
夢と現実の境界線が曖昧な時間や場所を表現していて
見た人間も、夢と現実の境界線にいるようなそういう作品だと思っています。

【朝、目が覚めるとなぜか泣いている】
印象的な導入のセリフです。
二人の繋がりを失ってしまったことを自分の中のどこかが泣いている。
そして、それにとりつかれているようになってしまっている。
私はそうやってどこかに繋がりを探すような感情を現す言葉は知りませんが
自分のどこかに、よく似た感情があると確信があります。
それが、私の心にズキズキとした胸騒ぎを起こしてくれます。

【総評】
色々書きましたが、瀧君と三葉のような10代の気持ちや考え方を上手く描いています。
君の名は。でとめていますが、これは相手への問ですよね。
相手の名前を知らないからこそ尋ねる(訪ねる)。
そして相手の事を知りたいからこそたずねる。
相手の事を知りたいという感情をエネルギーにして伝えてくる作品でした。

また、人と人の繋がりを感じる、もしくは、心の中のどこかにあるつながりを求める感情を肯定する物語だったとまとめさせていただきます。

【蛇足】
三年前の瀧君と三葉が東京でであったとき、二人の糸はどう繋がったのか、一瞬はまりかけました。
二人の糸は絡みあって大きなわっかを作った。そんな思いです。でも始まりはどこかよりも、今と未来の彼らが気になって(笑)

キービジュアルの瀧と三葉が東京の坂で振り返って見つめる絵って
ラストの5年後の二人を、であった頃の高校生の姿に置き換えているのかも?
これが「出会い」の絵なのか「再会」の絵なのかちょっと気になって面白い。

幻想的で儚さのある二人の奇跡の繋がりと、現実の繋がり。
ラストで二人の繋がりを現実の繋がりにすることで生まれる嬉しさ。
なぜだろうか?多分、二人が求めていたその繋がりは、人間が奇跡を信じたい気持ちの肯定だからでしょうか?

{/netabare}

ストーリー考察?(繋がりを軸にストーリーを考えてみました。)
{netabare}
三葉の祖母が、糸に例えて人と人の繋がりを話しました。繋がって、絡みあって、離れて、近づいて、また繋がっていく。その繋がることを結びという。

瀧と三葉の関係もまたそうでした。夢で繋がって、入れ替わりを繰り返して二人の糸は絡みあう。
入れ替わりは突然になくなる。突然糸が切れたように。
三葉のいる場所は時間を越えて遠く離れた場所だった。
真実を目にした時、三葉との思い出は一瞬で消えていき、崖から突き落とされたようなスピードで二人の距離は離れていく。(二人の距離が明確に離れていくことに儚さや悲しさを感じました)
でも、瀧は「そこにいかなくちゃいけない」という自分でもわからない使命感に押され御神体のある場所へ
三葉のいるかもしれない場所へ近づいて行く。(確信のない行動です。しかし、そこには記憶という曖昧な繋がりよりも、もっと深いところでの繋がりを感じます)

そしてまた入れ替わり、二人はお互いを自分の体で出会う。
今まで顔を合わせて話したかったことをいいあって、笑う。(ようやく、もがいてもがいた結果、出会えたという喜びを感じます)

互いの姿が見えなくなって、名前を忘れた瀧は叫ぶ。
「君の名前は!」忘れちゃいけない大切な人を思い出せない苦しさで一杯になる。(本気で相手の事を求めるシーン、記憶がなくなっても、もっと深いところからの欲求です)

名前は思い出せない。でも誰かが大切なことは覚えてて
誰かが思ってくれていることが「すきだ」という言葉からわかる。だから三葉はやりとおせた。

そして時が流れ、あの時間の記憶もなく、あるのはかすかな心残り。
どこかに大切な繋がりがあるような。

冬が終わり春が来る。
二人はまた近づく、自分の中の心残りの先にある繋がりを探して。
そして出会い、ずっと探し続けてきた繋がりだと信じて問いかける。「君の名前は」。
(最初のシーンと繋がる。どこかに特別な繋がりがあるという不思議な感覚。ラストはなんとなくわかるという感情の肯定が、とても心地いい)
{/netabare}


2018年1月3日 地上波放送を見て。
{netabare}
本当は追記する予定はありませんでした。
でも、見たら、自分の中に生まれた何かを書きたい衝動を抑えられなくて、
書こうと思いました。

今回の再視聴で感じたのは、
繋がりが消えることの悲しさでしょうか。
どこか身近に感じていた、繋がりの断絶。
私が繋がりの断絶を感じたのは、福島なんですが、
レビューを社会派にする気はないので詳細は伏せます。

それは、人間の営みの断絶であったり、人の関係の断絶。
繋がりが消えてしまうことへの悲しさ、つらさ。
そういったものが多分糸守町の消滅、三葉と瀧の入れ替わりの終わり、
そういった作品世界の出来事から、私はいつも感じていたこと、
繋がりの断絶を感じていました。

繋がりの断絶と同時に、繋がりを求める声も同時に感じました。

三葉が瀧に会いに東京に出た時も、瀧が三葉の名前を忘れて叫んだ時も、
繋がりを求めるその行動、その思いが、私には、
無くした繋がりを取り戻したい気持ちを感じて、
どうしようもなく、泣いてしまいました。
(すこし安っぽい表現ですが、実際少し泣いてます。
多分泣いた理由は、登場人物達と同じ理由で、
繋がりを求めたから、でしょうかね。
多分これが、共感何でしょうね。初めて実感出来たかも)

こんな瀧君のセリフがありました。
「今はもうない街の風景に、何故ここまで胸を締め付けられるのだろう」
心のどこかで糸守に繋がりを感じている瀧君。
私も、どこかで知らない街の知らない人の営みに、
繋がりは感じないまでも、営みの中にある繋がりを見て、
親近感を感じたりするのです。
それは人と人の繋がり、人と土地の繋がり、繋がりの中で生まれた営み、
そういったものを、私は求めているのだろうし、
大切にしたいし、失いたくないと思うのです。

だから、この作品を再視聴して、このレビューは、
完全に私の感想であるのですが、
私が求めていた繋がりを描いてくれているし、
私が恐れている繋がりの断絶も描いてくれている。

だから、私は、この作品が好きなんでしょうね。



{/netabare}

投稿 : 2022/09/24
♥ : 133

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

空前の大ヒットも頷ける完成度を差し置いて劇場で笑い転げるヲタクとはオイラのこと~ぼくらタイムフライヤー_時を駆け上がるクライマー~IMAX観ました

新海誠監督が手掛けた5本目の長篇作品


東京の大都会に住む男子高校生、立花瀧
山深い田舎町に住む女子高校生、宮水三葉
1200年振りに地球を訪れるという巨大彗星の到来を一ヵ月後に控えたある日、瀧が目覚めるとそこには見知らぬ自分と知らない天井、見知らぬ家族と知らない町があった
同じように三葉もまた、想像すら出来ていなかった大都会で朝を迎える
ただ一つ確かなことは、自分の身体が見知らぬ異性のものだということだけ
瀧と三葉は全く原因がわからぬまま不定期にお互いの身体と心が入れ替わってしまうことに気付いた
お互いの生活に干渉しないよう、日記で連絡を取り合うことにした二人
田舎育ちの三葉は憧れの都会に想いを馳せ、自由気ままに過ごす
一方の瀧も他人のそれも異性の身体だということを忘れ好き勝手してしまう
周りからはまるで人が変わったようだ(笑)と思われ少しずつ人間関係に変化も起きる
瀧が好意を抱く先輩との仲を、三葉が瀧に変わって取り持ったことで瀧には良い事尽くめの大団円かに思えたが、次の日の三葉はある決心をしていた
そして彗星到来の10月4日、瀧は記憶から消えていた重大な事実に気付く・・・


『言の葉の庭』が全国東宝系で大きく展開し成功を収めたことから、遂に全国約300館での上映となった新海誠監督にとって最大の大作となった今作
キャラデザはZ会のCMでタッグを組んだ田中将賀
作画監督は元ジブリの安藤雅司
音楽は挿入歌から劇伴に至るまでオイラが中高生の頃に(ごく一部ではあるがw)一世を風靡したバンド、RADWIMPSが担当


声優陣には瀧役に声優経験豊富な若手演技派、神木柳之介
三葉役には『舞妓はレディ』の上白石萌音
その脇を固めるのは長澤まさみ、市原悦子といった豪華俳優
さらに悠木碧、島崎信長、石川界人といった豪華声優
そして『I LOVE スヌーピー』でいい芝居をしてくれた谷花音、とキャスティングにもかなり力が入っているのがわかりますね
身体が入れ替わった時の芝居は聴きどころですb


単純に少しアニメに詳しい人なら、将賀さんのキャラデを見て『あの花。』の絵だ!観に行こう!という気持ちになってくれるでしょうし、本編が始まるとすぐ「夢灯篭」という楽曲に合わせてOPアニメみたいなのも流れる
オイラは初見観た時このOPが「めちゃくちゃダセェ!」と思ってしまったのですがwやはり深夜アニメなどに慣れ親しんだ世代にとっては心を掴む取っ掛かりになっているのでしょう
ああ、ちなみに今は「夢灯篭」もOPも好きですよ?w


そして序盤はそれこそ深夜のラノベアニメのラブコメタッチで物語が進む
キャラの表情もコロコロ変わり、身振り手振りの作画も非常に丁寧
中身が入れ替わった男女の微妙な違いを作画で表現する、言葉にすれば簡単ですがこれを見事にやってのけた作画陣には最大級の賛辞を贈りたい
ジブリが崩壊し、『攻殻機動隊ARISE』と『アニメ(ーター)見本市』が完結した等、作画スタッフの足並みが綺麗に揃ったのが大きかったでしょう
尚且つ、新海作品お得意の美しい光と色と街並みが、このアリエナイ話にリアリティと説得力を醸し出す
制作中は当然完成していなかったバスタ新宿がちゃんと描かれてるのも凄い


後半はミスリードで張ったミステリアスな伏線をスペクタクルと共に回収しつつ、所謂新海節が炸裂する内容なのですが、まあとにかくメジャーかマイナーかで言えばメジャー路線な作品に作ったことです
今日までの大ヒットがソレを裏付けてますね、明らかにこれまで新海のシの字も知らんかった人たちが劇場を訪れているのです
実際オイラが鑑賞オフ会を開いたら半分の参加者は新海作品初体験でした
こうなると昔からのファンは遂に資本主義の犬となったか新海よーとかワケのワカランことを言い出す輩が湧いてくるもんです
まあ、言いたい事はわからんでもない


ただオイラはこう考える
【新海ファンこそ、この映画は10倍楽しく見れる】


そう、今作が初見でもなんも問題無い
でも今作、新海誠がこれまで積み上げてきたものがほぼ全て詰め込まれたいわば集大成なのです


『彼女と彼女の猫』から続くゆっくりとしたモノローグでの幕開け
『ほしのこえ』では恋人達が時間差で引き裂かれていく様を描いていました
『雲の向こう約束の場所』では田舎町と都会に分かれて物語が交錯していましたね
これを同時並行させたのが『クロスロード』
「何も無い」という田舎風景を印象付ける画作りは相変わらず上手い、これは『桜花抄』
2時間に1本しかない電車はまさに『星を追う子ども』
朝食と通学風景から始まるのもそう
真っ二つに裂ける彗星は『コスモナウト』のH2Aロケットの発射ですね、意味合いは逆だけど
挿入歌に合わせて映像を積み上げていくのは『秒速5センチメートル』や『クロスロード』で魅せた技
コミカルなタッチで進む前半は『猫の集会』のお茶目な演出を思い出しました
東京、特に都会の象徴として新宿を描きたがるのは『言の葉の庭』が顕著
同じく、途中での雨描写は秀逸でした
主役二人の生活感の違いを描写する様子は『大成建設』や『だれかのまなざし』の経験が大いに生きてるでしょう
いやしかし瀧くんが面接を受けてるのが大成建設だったのには笑いましたね
宮水神社のご神体がある湿原を見下ろす描写は、さしずめ地下世界アガルタのフィニス・テラですね
瀧くんのお父さんが井上和彦だったのでもしやおまえは森崎なのか?
そもそもファンタジーかSFかと思えば途中からロードムービーになってしまう辺りはまさに『星を追う子ども』のソレ
『ほしのこえ』で膝を抱えるミカコ然り、『雲の向こう、約束の場所』で足の指にてんとう虫がとまるサユリ然り、靴の型取りに足を差し出すユキノ然り、美女の足に拘る新海作品、今作では東京で歩きつかれた三葉に注目したい
思えば新海映画とはずっと男女のすれ違いを描いてきましたが、今作は「顔も名前も身体も私生活すらも知り尽くした二人がまるで会えない」という究極的なすれ違いをしてるのが面白い


ほんとそう、新海映画を知れば知るほどこの作品にのめり込んでいけるのは間違いないでしょう

“花澤香菜が演じる古文の先生”が恐らく別の世界線なんでしょうが「ユキちゃん」という名前だった時、周りが静まり返っている劇場でオイラは一人笑ってましたさーせんw
良い映画か否かという以前に、ある種のネタ映画として最初から最後まで笑いながら(時に笑い泣きしながら)観れましたねb


まあ強いて言うならラストシークエンスはちょっと引っ張りすぎたようにも思いますが、「なんでもないや」という楽曲の持つエピックなキックのリフレインとウィスパーボイスのボーカルに思わず感極まってしまう
なにより『秒速』を知っているとあのすれ違い方は辛いものを思い出させる(笑)
そう、この厨二病全開な内容に対して厨二病をこじらせてしまったバンドの日本代表とも言うべきRADWIMPSの音楽が見事に調和してるのが今作の評価を押し上げてるポイントでもあります
まさにクサイ内容にはクサイ音楽
『ここさけ』でも言いましたが単体では正直目も当てられないような詩の主題歌が、割とすんなり入ってきてしまうまさに映像マジックですねこりゃ


今作を受け入れられない人、良い意味で厨二病を卒業出来たんだと思います
誇らしく思ってください
オイラ?は、駄目ですね
この映画を面白いと思ってしまったのでアラサーになっても心はまだティーンエイジャーのようです(笑)

























~TOHOシネマズ新宿のIMAXデジタル版観ました~
IMAXというのは実にビル三階分ほどの高さと20メートル以上の横幅を持つスクリーンに二台の映写機で投影する現代における最大級規格の映像フィルムです
人間の視覚を上回る大きさのため観る、というより観回す感じになります
さらに劇場によっては12.1chの音響システムもそなえており音の迫力も通常の規格とは異なります


そもそも普通の規格で作られた作品をIMAXにするってことは拡大して引き伸ばす、ってことですからオイラは最初この『君の名は。IMAX版』は反対の立場でした
それにアニメって視覚的情報量が実写より多いので単純に疲れそう、だとも思いましたし


しかし実際鑑賞してみると新海作品特有の美麗背景が大きく引き伸ばされてるにも関わらず全く精細さを欠いてないんですよ
むしろ画面の中に描かれる糸守町や新宿の風景に吸い込まれていくようでした
だから鑑賞、というよりはむしろ体感、に近い感じでした


音響の方ですが意図的に音圧を上げてるようでしたがどちらかと言うと山びことかそういった反響音がクリアに聴こえるようになったという印象です
挿入歌がやたらデカイ音で、それもどっか独立した別chから出てるっぽくてやたら大きく感じたのですが、肝心の挿入歌より手前にいるはずのセリフが少々聴き取り辛くなった気がしましたので、これはちょっと好み分かれそうです


初見の方にはあんまりオススメしません
先にも言ったとおり、情報量に加え目で追う作業が加わるのでストーリーに集中し辛くなります
ただリピーターには一見の価値があることでしょう
アニメにIMAX不要、と言いたいところですが新海作品のIMAX化に関しては歓迎できますねb

投稿 : 2022/09/24
♥ : 42

90.2 6 風の谷のナウシカ(アニメ映画)

1984年3月11日
★★★★★ 4.2 (1922)
12393人が棚に入れました
極限まで発達した人類文明が「火の七日間」と呼ばれる最終戦争を引き起こし、瘴気(有毒ガス)が充満する「腐海」と呼ばれる菌類の森や獰猛な蟲(むし)が発生した。それから千年余り、拡大を続ける腐海に脅かされながら、わずかに残った人類は、古の文明の遺物を発掘して利用しつつ、細々と生きていた。腐海のほとりにある辺境の小国「風の谷」は、大国トルメキアの戦乱に巻き込まれる。風の谷の族長ジルの娘であるナウシカは、運命に翻弄されながらさまざまな人々と出会い、自分自身と世界の運命、太古より繰り返されて来た人の営みに向き合い、大国と小国、そして腐海と人類との共生の道を探っていく。

声優・キャラクター
島本須美、納谷悟朗、松田洋治、永井一郎、榊原良子、家弓家正、辻村真人、京田尚子

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ジブリの初作品

やはりジブリは初期の頃の作品の方が素晴らしいですね。
腐海とそこに生きる生態系の斬新な世界観から、人間と自然の共存についてのテーマや人間の愚かさなどを明確にこの作品は表現されていて良かったです。
ワクワク、イキイキするような展開はなくシリアスで暗い内容ではありますが、見ていてこの作品の世界観に引き込まれました。
また主人公の女の子にすごく好感が持てます。
無鉄砲なところもあるけれど、純粋で強く優しく思いやりがあってまさに聖女。
声優が「めぞん一刻の管理人さん」の人っていうのも良いキャスティングでした。
生物達がちょっと気持ち悪い・・・。

投稿 : 2022/09/24
♥ : 11
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

風の谷の伝説のナウシカ

「風の谷のナウシカ」原作既読
原作の壮大な物語の一部を切り取って映画化した作品です。

久石 譲さんの美しい音、旋律は風の谷のナウシカの完成度を完璧なまでに高めてくれています...

終末後の世界...
「腐海」と呼ばれる人間が住むことの出来ない毒の森が広がる世界は独創性に満ち溢れ圧倒されます。

腐海の毒が届かない「風の谷」に住むヒロインのナウシカ。

自然を愛し蟲の心を理解する彼女は腐海も含めた、この世界全体の共存を望み進むべき道を探します。

ナウシカは目に映るものばかりにとらわれず、自分の信じたものを大切にし、そして大切なものを守れる強さを持つ。
そんな優しさと強さを併せ持つナウシカは私の永遠の憧れ、私の中で不動のNo.1ヒロインです!

{netabare}
共存や人々の争いの終結の願い、 平和を身を挺(てい)して訴えるナウシカに何度泣かされたことでしょう。


腐海と人類を結ぶ架け橋。古の伝説の救世主としてこの世界に再び蘇った彼女の姿は、美しく、涙なくしては見られません。
{/netabare}

風の谷のナウシカの音楽は久石 譲さんが担当。やはり宮崎 駿さんと久石 譲さんのコンビは素晴らしい。


~久石 譲in武道館~
連れていってもらえたのは幸運でした。エントランスに「宮崎 駿」さんから久石 譲さんへ贈られた華やかな祝スタンドの花があり興奮しました!

久石 譲さんのピアノを聴き、音色、曲、同時に流されたジブリの映像に魅了されました。
音楽に対する情熱を目の前で受けとめ鳥肌が止まりませんでした。

中でも「風の伝説」「鳥の人」には特に強い思い入れがあります。
幻想的な光景が目の前に浮かび上がるようで、時に激しく素晴らしい曲です。
ストーリー、音楽共に長年に渡り愛され続けていくことでしょう…
このような素晴らしい作品を世に生み出してくれて本当にありがとうございます!

「思い入れ5つ星作品です!!」

投稿 : 2022/09/24
♥ : 113
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

優しさと怒り、心の強さと弱さ

何回目の視聴なのかわからない、金曜ロードショーでの視聴。

【自然と人間の対立?】
現実世界では自然破壊により人間に自然は奪われていっているばかりで、自然は人間ではないので悲しみや怒りは存在しません。この世界では明確な自然の怒りが、自然を破壊しようとする人間に対して示されます。それにより生まれる人間の腐海への憎しみが常態化した世界になっています。
{netabare} しかし、実は腐海はかつて人間の汚染した土地を綺麗にしているという事実があり、人間は腐海と共生していくべきではないか、という道が示されます。
{/netabare}
また、この世界では人間が生存可能な土地を巡り戦争が続いていて戦争により自然の怒りを買い、土地が腐海にのまれることが頻発しています。結果的に合理的でない人間と人間の対立、戦争の愚かしさがみえてきます。

【優しさと怒りの対立】
{netabare}
ナウシカの特殊な特技は「虫の怒りを静める」というものです。ですが、その特技の根底には腐海と共生できるという考え方からくる虫への優しさがあるからこそ、虫の怒りを静められると思うのです。
ナウシカの優しさに対し、対立する怒りとは。それは、前述した人間の腐海に対する怒りや恐れ、王蟲の人間に対する怒りです(そこには生存領域を脅かす人間への恐怖が存在しているのかもしれません)。
腐海への恐れや人間への憎しみに借られた人間が起こした王蟲の風の谷への誘導作戦は、女性たちの哀れみや慈愛により放たれたナウシカは風の谷へ向かうことができました。

子供の王蟲が怒りで我を忘れて酸の海に入ろうとするのをナウシカは止め、そこで王蟲はナウシカに優しさを向けます。また、その子供王蟲とナウシカをはね飛ばしてしまう王蟲の軍勢はナウシカの自己犠牲により、その怒りを静めました。自己犠牲まで出来る蟲へのナウシカの優しさは、ある種の人間の理想なのかもしれません。優しさを実行する事は精神的強さが必要です。その強さに人は憧れを感じ、その簡単ではない優しさの結果に尊さを感じるのだと思いました。

そしてナウシカも自分の中にある怒りの強さに恐怖しています。人を殺してしまうほどの感情。
自分の中の怒りに恐怖していたナウシカが怒り狂った王蟲の軍勢の前に立つ。この時のナウシカは聖人のように怖さがなかったでしょうか?私は、ナウシカは怖かったんじゃないか?と思います。幼い頃に子供の王蟲が連れていかれるのをみて「殺さないで」というナウシカから、死への恐怖、別れへの恐怖はあったと思います。

ですが、自分の中の恐怖に打ち勝ち、あの場所にたったんじゃないでしょうか。打ち勝てた理由は、幼い頃から変わっていない、蟲と仲良くなりたい、共生出来るという思いがあったからだと思ってます。
恐怖によって生まれる憎しみや怒りが弱さなら、慈しみの心からくる優しさは強さであるという事を感じました。そういった感情を感じれるからこそ、「風の谷のナウシカ」は共感を得られるのかもしれません。
{/netabare}

【総評】
何度も見ているはずなんですが上手く言葉に出来ない感動がこの作品にはあります。

巨神兵の活躍のシーンや巨大な飛行機、戦闘機のドッグファイトなどが子供の頃は楽しみでした。

神秘的な腐海の姿や空を気持ちよく飛ぶナウシカのシーンも心地いい雰囲気があって好きです。

大人になって見てみると、苦手だったナウシカの幼少期のシーンも、ナウシカを説明するのに大切なシーンだなと少し感動しました。

ナウシカのように優しく強い人になってほしいと思いが伝わって来ました。何度でも機会があれば見返したい作品です。

投稿 : 2022/09/24
♥ : 51

90.1 7 もののけ姫(アニメ映画)

1997年7月12日
★★★★★ 4.2 (2011)
13067人が棚に入れました
エミシの隠れ里に住む少年アシタカは、村を襲った「タタリガミ」に呪いをかけられる。ただ死を待つより、己の運命を「曇りなき眼」で見定めるため、はるか西方の地を目指して旅立つ。そこでアシタカが見たものは、森を切り拓いて鉄を作るタタラの民とその長エボシ、森を守る山犬一族、そして山犬と生きる人間の少女サンであった。アシタカはその狭間で、自分が呪われた理由を知る。やがて、森を守ろうとする動物たちと、その長「シシ神」を殺そうとする人間達の壮絶な戦いが始まる。

声優・キャラクター
松田洋治、石田ゆり子、田中裕子、上條恒彦、西村雅彦、島本須美、小林薫
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

生命の息吹

宮崎駿の最高傑作は!?と問われれば、
どう答えようかと考えてみる。

若い頃に照葉樹林文化に触れた宮崎氏が、
集大成として15世紀を舞台に選んだのは、
アニミズムが衰退し、
神から貨幣へと信仰の対象を変え、
日本人の精神性に根差した自然観に、
変革が起こったのだと確信したからでしょう。
土地に根差した信仰を捨て、
現代に通じる価値観が生まれ始める。
森は本来、不気味なものの象徴であり、
幾多の生命を育む場所であったはずが、
時代の流れとともにその価値も薄れていく。
この作品からは「慈愛」と「凶暴」さを併せ持つ、
「森」が本来の形で写されています。

主人公アシタカに主体性はなく、
サンはまともなコミュニケーションを取れない。
過去作に比べ魅力の乏しい主人公とヒロイン。
宮崎氏がここで描きたかったのは、
ジゴ坊とエボシではないでしょうか!?
{netabare}ジゴ坊は天子様の命でシシ神の首を追う、
帝はシシ神の絶対的な力を手に入れ国を統べる。
森の神に対する反逆、草木は枯れ生命は衰退する。{/netabare}
自然との共生を描く物語の結末はご存知の通りですが、
制作時の宮崎氏の苦闘は「生きろ!」ではなく、
「滅びよ!」に傾いてはいなかったのかと感じます。

聖なる場所としての森と生命を、
鮮烈に見事に描き切ったこの作品を、
彼の最高傑作に推したいと思います。

投稿 : 2022/09/24
♥ : 101
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てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

「正義の反対はまた別の正義」という言葉があるけれど……

ジブリ作品。

主人公のアシタカは、自分の住む村を襲撃したタタリ神から、死の呪いを受けてしまう。
そのまま村に居続けるわけにはいかなくなり、旅に出たアシタカ。
旅先で、山を開拓して村の近代化を進めるエボシ、そして、山犬に育てられた少女のサンに出会う。


「正義の反対はまた別の正義」

よく聞くフレーズですが、もののけ姫にも該当するんじゃないでしょうか。

人間と森の対立。
でも別にケンカしているわけではない。
ただ、住む世界や価値観が異なるだけ。

人間側の代表エボシ。
憎まれ役ですが、彼女は自分の住処(タタラ場)を盛り上げ、男女の差別を無くし、立派な人間社会を作り上げようとしています。
森側は古来からあるがまま、自分の住む森を守り続けようとしている。
両者とも決して悪ではないんですよね。

それぞれは単に自分達の世界を守ろうとしている。
それだけで対立が生まれる。
これこそが「正義の反対はまた別の正義」に当てはまると思うんです。

森側の代表であるサンと、森の呪いを受けるアシタカがその間を取り持つ。

そんな構図に、日本的なアニミズム文化が加わり、引き込まれる世界観が生まれ、ジブリの演出力によって素敵な映画に仕上がっているとのだと思います。

{netabare}
さて、映画はそこで終了していますが…。
それは一時的なものにすぎないと思うんです。
ストーリーの中で「人間同士の争い」「森に住むもの同士の争い」も描かれています。

小さな二人が大きな対立を抑えた。
それ自体は大きな功績です。

しかし、そのあとに待っているものは小さな対立の連続。
やがて森は浸食され、人間の台頭する世界になっていく。
それは避けられない運命だと考えると、少し悲しい余韻が残ります。
{/netabare}

投稿 : 2022/09/24
♥ : 91
ネタバレ

Tuna560 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

『もののけ姫』作品紹介と総評+考察「宮崎駿の自然観②」

こちらも言わずと知れた宮崎駿監督の代表作の一つ。
そして、私にとってのNo.1ジブリ作品です。

(あらすじ)
エミシの隠れ里に住む少年アシタカは、村を襲った「タタリ神」に死の呪いをかけられる。ただ死を待つより、己の運命を見定めるため、はるか西方の地を目指して旅立つ。
そこでアシタカが見たものは、山林を開拓して鉄を作るタタラの民とその長エボシ御前、森を守る山犬一族、そして山犬として生きる人間の少女サンであった。アシタカはその狭間で、自分が呪われた理由を知る。やがて、森を守ろうとするもののけたちと、もののけの長「シシ神」を殺そうとする人間の壮絶な戦いが始まる。(wikipedia参照)

この作品までのジブリ作品は西洋風ファンタジーか現代日本を舞台にしたものが多かったのですが、本作はそれまでの世界観とは一線を画す”純和風”なものとなっています。この世界観は私にとっても新鮮に感じ、またこの作品に引き込まれた第一要因でもあります。

作画に関しても非の打ち所がないように思います。特に、”シシ神の森”の自然描写は非常に素晴らしい。
森の中を見渡した俯瞰風景から苔や草木のアップの描写まできめ細やかに描かれ、美しくもあり神秘的でもある自然が表現されています。劇場で観たときは本当に「その森の中に迷い込んだのではないか?」という感覚に陥った事を、今でもよく覚えています。

作品のテーマが複数並立している事も本作の特徴ですかね。そのなかでも、『風の谷のナウシカ』でも描かれた「人間と自然の共生」、そして「神秘主義と合理主義の対立」という2つのテーマにとても惹かれました。
本作では各キャラの思想・立場がある程度細分化され、その衝突や対立をメインに描かれています。
簡単に分けるとすれば、下記になりますね。
 ・自然との共生を重んじる(アシタカ/エミシの村)
 ・自然そのもの(サン/シシ神の森)
 ・発展の為には自然をも搾取(エボシ御前/タタラ場)

では、ここからは『風の谷のナウシカ』のレビューでも述べた”自然観”を絡めながら、特に”エボシ御前/タタラ場”の視点でこの2つのテーマを掘り下げながら考察していきたいと思います。考察テーマは「合理主義による自然観の変容」です。


{netabare}・合理主義と自然観
まず始めに「合理主義とは何か?」について簡単に説明をします。
”合理主義”というのは、”感覚や経験よりも、理性や論理を元に認識を行う”態度の事です。主に哲学の分野で発達し、後の近代科学の発展に多大な影響を与えた主義でもあります。哲学と近代科学を並列して記す事に疑問を感じる方もいると思いますが、実はこの2つは密接に関わっているのです。

ここでいう哲学は”西洋哲学”の事を指します。哲学と言えば「人間を考える学問」という認識が強いかと思いますが、中世ヨーロッパの哲学は”神(唯一絶対神)”を考える学問でした。そして、”神の痕跡”を探す為に神が創ったとされる”人間や自然”を観察対象とし、偉大な神の摂理を紐解こうとしたのです。そこで成立したのが”合理主義”です。感覚的に信じられていた”神”を物理的・論理的に証明しようとしたのです。しかし、皮肉にも証明されたのは”神”ではなく”物理的原理”でした。

具体例を挙げるとすれば、イギリスの哲学者アイザック・ニュートンでしょう。彼は”観察出来る物事の因果関係を示すという哲学”の解釈を展開し、万有引力の法則を提示しました。月と地球の動きを観察しその法則を導き出したのです。証明されたのはやはり”物理的原理”でした。そして、彼のこの解釈方法が近代科学(科学的合理主義)を発展させたのです。

合理主義に根ざした哲学が近代科学の発展を導いたのですが、その元を振り返れば”神を知る為に人間や自然を客観的に観察する”ことが原因だと言えます。それすなわち、その根底には”西洋的自然観”が存在したと言う事が出来ます。つまり、”西洋的自然観→哲学(合理主義)→近代科学(科学的合理主義)”の順に派生したと考える事が出来ますね。これが”合理主義と自然観”の関係です。


・『もののけ姫』の中に見られる合理主義
ここまで読んで「純和風な『もののけ姫』に西洋的な思想の成り立ちの話がどう関係するのか?」とお思いの方もいるかと思いますが、あながち関係のない話でもありません。本作中の重要なアイテムとして西洋近代文明を象徴する物が登場しているからです。それは「石火矢(鉄砲)」です。(作中では「明からの伝来物」という説明がありましたが、その性質は合理主義を具現化した物として描かれています。)

まず物語の発端としては、石火矢に撃たれた”タタリ神”がエミシの村を襲う所から始まります。”タタリ神”は元々は猪神で山を守る主神でしたが、製鉄に必要な薪を求め森林破壊をしていたエボシ御前(タタラ集)と対立し、石火矢の前に破れたのでした。石火矢の登場により国内の人間と自然の勢力均衡が大幅に変わり、生態系の破壊を可能にしたのです。

エボシ御前は石火矢により強大な理想国家を造る事を目的としていたのですが、それに必要な鉄を量産する為には多大な自然資源が必要だったのです。山を崩し、森林を破壊すると勿論”自然(神)”の怒りを買う事になります。しかし、”自然を屈服させる力”を得たエボシ御前は、自らの目標の為に”神”を討伐する道を選ぶのです。

つまり、エボシ御前が得た力とは”合理主義によって生まれた近代科学”、彼女が目標としていたのは”近代国家”の建立だったのです。したがって、本作では”近代人と古来の日本人”との対立がメインに描かれていたのだと私は考えました。


・何故「日本」が舞台なのか?
では、本作も『風の谷のナウシカ』と同様に「”日本的自然観と西洋的自然観”の比較が描かれているのか?」と思いがちですが、実は少し違います。なぜなら”西洋的自然観”は本作では描かれていないからです。

本作の舞台は日本ですので、人と人が対立するのは勿論日本人同士になります。登場人物が全員日本人であれば、西洋的自然観は必然的に登場しません。では、何が描かれているか?それは、考察テーマにも挙げた「自然観の変容」だと思います。

近代科学を手に入れ、近代国家の建立を目指したエボシ御前とタタラ集は、神と崇めていたはずの自然に対し破壊行為や討伐を行いました。しかし、これは”西洋的自然観”の為ではなく”近代科学(科学的合理主義)”のためです。もともと備わっていた”日本的自然観”に”科学技術や合理主義”といった近代文明が組み込まれ、いわゆる”ハイブリッド型自然観”へと変容したのだと考えられます。

実は、この”ハイブリット型自然観”は、近現代の日本人の自然観と同じものだと言えます。日本の近代化に拍車が掛かったのは明治維新後ですが、維新で活躍した志士に多大な影響を与えた佐久間象山の言葉を記した『語録』にこんな言葉があります。「東洋の道徳、西洋の芸」。つまり、日本人の道徳はそのままに、西洋の技術だけを取り込んで近代化を成そうというものです。結果、日本は日本的観念はそのままに近代化を果たしたのです。

”古来の日本的自然観”と”ハイブリッド型自然観”の対立。これを描く為に舞台を日本にしたのではないかと思います。


・私が感じた宮崎監督からのメッセージ
『風の谷のナウシカ』のレビューでも述べましたが、宮崎監督が根ざしているのは”日本的自然観”です。もっと言えば、照葉樹林文化論によって確立された”森林文化”に根ざしているので、”古来の日本的自然観”の立場の方だと言えます。

本作で”古来の日本的自然観”と”ハイブリッド型自然観”の対立を描いたのだとすれば、勿論前者を訴えかけると思われます。しかし、劇中でアシタカがサンに投げかけた最後のセリフを聞いて、違うメッセージがあるのではないかと感じました。

「共に生きよう」
このセリフを最後に持って来た事に意味があると思いました。

サンはシシ神の森で、アシタカはタタラ場で。それぞれ違った価値観や自然観を持った環境で”共に生きよう”と投げかけたのです。どちらかを選んで暮らすのではなく、お互いの根ざした観念を失くさないように別々に暮らす事を選んだのではないでしょうか。”自分とは違う”からといって矯正を強いるのではなく、多様な価値観や自然観を持った者同士であっても”共生する術がある”という事を伝えたかったのではないかと感じました。

これは、そっくりそのまま現代の日本人にも当てはまるセリフに思います。
現代の日本人の大半は”ハイブリッド型の自然観”の基で育ったと思いますが、元を正せば”古来の自然観”も持ち合わせているのです。その2つの自然観と”共に生きてほしい”というメッセージが込められていたのではないでしょうか。

”矯正”ではなく”共生”。響きは同じですが、意味はこんなにも違うのですね。


さて、実はもう1作宮崎監督の自然観が伺える作品が残っております。
今度はその作品で”人間と自然”との関わり方について考察していきたいと思います。(続く){/netabare}

(記述:3/12)

投稿 : 2022/09/24
♥ : 46

90.1 7 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(アニメ映画)

2020年9月18日
★★★★★ 4.4 (466)
2167人が棚に入れました
――あいしてるってなんですか?かつて自分に愛を教え、与えようとしてくれた、大切な人。会いたくても会えない。永遠に。手を離してしまった、大切な大切なあの人。代筆業に従事する彼女の名は、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」。人々に深い、深い傷を負わせた戦争が終結して数年が経った。世界が少しずつ平穏を取り戻し、新しい技術の開発によって生活は変わり、人々が前を向いて進んでいこうとしているとき。ヴァイオレット・エヴァーガーデンは、大切な人への想いを抱えながら、その人がいない、この世界で生きていこうとしていた。そんなある日、一通の手紙が見つかる……。

声優・キャラクター
石川由依、浪川大輔

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

上映してくれてありがとう 感動を与えてくれてありがとう

この劇場版は、世界の多くの人たちが待ち望んでいました。
様々な困難にもめげずに、この劇場版を完成された監督、スタッフ、関係者の皆様、ありがとうございます。


この映画は現代と過去の二つで物語が進行します。

現代での物語の主人公は、デイジー・マグノリア。どこかで聞いたことのある名前が含まれていると思いませんか?
そうです。デイジーは、テレビアニメの第十話で登場したあの少女の孫娘。

お婆さんが亡くなった後、デイジーはおばあさんが最も大切にしていた宝物(ひいばあさんからの手紙)を知り、その手紙を代筆したヴァイオレットに興味を持ちます。
ヴァイオレットのことを調べるうちに、デイジーは彼女の不思議な魅力に魅かれていきます。
やがてデイジーはライデンに行き、愛してるを知るようになったヴァイオレットのその後の足跡をたどるのです。

それと同時に、過去の物語が始まります。もちろん主役はヴァイオレットです。
とても感動する内容です。涙が出てきます。
ぜひとも劇場へ足を運んでください。「見て良かった」と、きっと思いますよ。

デイジーの声の役を諸星すみれさんがやってられました。諸星すみれさんは第十話でもあの少女の声の役をされた方です。
それだけで私は感動しました。


科学技術が進歩し、今では電話やEメール、LINEで遠くの人と気軽に話せるようになりました。
でも、心がこもった話を私たちはしているでしょうか? 相手の気持ちに寄り添った話をしているでしょうか?
特にEメールやLINEは気軽に発信できるので、つい相手の心を傷つけたりすることがあります。

手紙は不便だからこそ、時間をかけて相手の心に寄り添う内容を書けるのかもしれません。
そして手紙は、受け取った人が宝物として大切に保存しておくことができます。

もちろん、EメールやLINEも保存が可能ですが、いつの間にか削除されることが多いような気がします。
大切なEメールやLINEは、特別な場所に格納して一生の宝物にしたいですね。


この映画は、本来は2020年1月に公開されるはずでした。
しかし、2019年7月に、不幸な出来事が発生し、多くの社員の方々が亡くなり、京都アニメーションは存続の危機に立たされました。
それでも京都アニメーションの方々の努力と沢山の人たちの支援により、2020年4月を目指して製作が続けられました。
すると今度は新型コロナウィルスの影響で、またしても製作が困難になり、上映が延期となりました。

でも、なんとしてでも完成させるという信念を持ち続けた京都アニメーションさんのたゆまぬ努力により、2020年9月、ようやく上映されることになったのです。

上映してくれてありがとう。感動を与えてくれてありがとう。
これが私の今の気持ちです。

投稿 : 2022/09/24
♥ : 70
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101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

心と時代の火傷が癒やされていく……(ドルビーシネマ版・体験談追記)

【ドルビーシネマ版・体験記】

先日、京都MOVIXにてドルビーシネマ版で再鑑賞。
(大河ドラマ史跡探訪の寄り道)

色域の広さ、コントラストの幅を最大化した映像。
128個の音源により実現したサウンドの360°空間移動による臨場感溢れる音響。
が特徴の映像規格。

嵐の後のエカルテ島の朝焼けは、よりグラデーションが美しく、
光源処理も眩しく鮮やかに。
ライデンの夜景と花火は、通常は同じ黒に見える暗闇の中に、
描き分けられた家屋や夜空の明度の違いがハッキリと伝わり、より味わい深く。
紅葉シーズンの京都に匹敵する絶景が巨大スクリーンいっぱいに広がり、
私も景色で泣いているのか、物語で泣いているのか分らない状態にw


鳥や虫の音、床が軋む音も含む多彩な足音。
など環境音も芸が細かい本作ですが、立体音響により一層リアルに。
今回は空気が流れる微かな音までシッカリ聞こえて驚愕しました。

音が繊細なだけじゃなく、単純に音を振動として人体に伝えるパワーも強く、
心臓の奥まで突き動かされるような音響で、
私は終始、心拍のリズムがおかしかったですw

主題歌「WILL」等も生オーケストラ演奏級の大迫力でした♪

何より恐れ入るのが、誤魔化しの効かないこの規格で
むしろ本領を発揮するだけの手間とコストを京アニがかけていたという事実。

ひょっとすると本作の映像ソフト化では
Ultra HDブルーレイ版の展開等もあるのかもしれません。

私も音響までは無理でも、再生プレイヤーくらいは検討してみましょうか……。



以下、2020.9.21初回投稿


【物語 4.5点】
シリーズ集大成となる本作。メインシナリオ自体は単純。

だが、このシンプルな愛の話が成就するまで
主人公ヴァイオレットや周囲の人々の揺れ動いて来た心の曲折を、
最後まで丹念に描き切ることで“【不変】で【普遍】の愛の物語”が花開く。

時系列前後、TVアニメ版エピソードの延長線導入など、
脇にトリッキーなプロットも組んで来るが、

彼女とその想いは時代を越えて確かに存在していたこと。
手紙じゃなきゃ伝えられない事もあるが、大切なのは想いを伝える意志。

といった王道を整備、補強する材料として的確にシナリオがチョイスされ機能している。


【作画 5.0点】
元々、心情を気象現象等に投影する背景美術、アニメーション表現を追求してきた本シリーズ。

いよいよヴァイオレットの感情も開花し猛威を振るう本作では、
天候描写等も、何もここまで作画カロリーMAXにしなくても良いのに
という位の極致に到達。


京都アニメーションはさらにえげつなくなって帰って来ました♪


手元の描写に、顔に出さない心情を吐露させる表現も目立った本作。
ヴァイオレットの義手も、序盤でネジを締め直して調節する描写が入り、
来る感情表現に向けて準備万端。

失われた後で補った偽りの手でも、手紙をタイプすることはできるし、
{netabare}指切りやサムズアップ{/netabare}だってできちゃうんです👍


何より成長したヴァイオレットの笑顔が本当に素敵です。


通常の泣きアニメでは、
外部から露骨に泣かせに来る涙腺攻撃だけ警戒していれば良いのですが、
本作の場合は、心情から背景まで一体となった
ハイレベルな表現に琴線を触れられた心の奥底から
溢れ出て来る感情により、涙腺が内部から崩壊させられる感じ。

ふとしたシーンの何気ない風景や表情にすら、グラッと来るから油断できません。
このパターンで涙腺決壊したら、
以降はずっと涙が氾濫しっぱなしになると思われます。

ファンの間ではハンカチより大型タオルの持参が推奨されていますが、
決して大げさではないと思います。
自身の涙腺耐久度等に応じて備えましょう。


【キャラ 4.5点】
すっかり喜怒哀楽が豊かになったヴァイオレット。
「あいしてる」や、ギャグも少しは分るようになった模様。
但しギャグセンスは『ターミネーター2』のT-800(演:シュワちゃん)レベルでしょうか?w
今後の成長を温かく見守りましょう♪

消息が気になる少佐については、{netabare}心を閉ざしてしまった青年として、
兄・ディートフリートとの関係も含めて掘り下げられる。
それにしても本作のディートフリート兄さんは汚名返上して、
さらに高性能なツンデレとして
ハートを全部持って行きそうな勢いを感じますw{/netabare}


人々との出会いがヴァイオレットの感情を育む。
シリーズのキャラ作りの基本線は本作でも踏襲され、
ヴァイオレットの背中に最後の一押し。

今回は新たな依頼主として{netabare}病気療養中の少年・ユリスが登場。
TVアニメ版のアンのエピソードの、死んでも想いが残る手紙という美談に対して、
生きているうちに想いを伝えなくても良いのか?{/netabare}
という反証材料を提供し、物語の洗練に寄与。


戦乱の時代に武器として傷つけ傷付いて来た少女を、
平和になった時代が恋する乙女として再生させた。

本作は世界が「あいしてる」を取り戻す物語でもあるのです。

【声優 4.5点】
ヴァイオレット役の石川 由依さんが感情を振り切った熱演をする傍ら。

ディートフリート役の木内 秀信さん。
それと{netabare} ギルベルト役の浪川 大輔さんに、ユリス役の水橋 かおりさん。{/netabare}
この辺りの男性役が、憎まれ口で本音を包み隠してしまう素直になれない男共を好演。


誰かさんは女の子を持ったら身が持たない。いや男の子も……。
などと愚痴っておりますがw

本作については、男の私から見ても、男の方が断然、面倒臭いですw


【音楽 4.5点】
足音だけで何種類あるんだろう?と感心させられる、
多彩かつ繊細な効果音、環境音は健在。


私は田舎で選択肢がありませんでしたが、
これから鑑賞される方は、音響にはこだわって欲しいと思います。


劇伴はEvan Call氏の続投。吹き荒れる感情の大嵐に寄り添うべく、
ドイツの映画音楽専用スタジオで収録した音源を提供する本気度。

主題歌はTRUE「WILL」こちらも作曲・Evan Call氏。
相変わらず壮大なオーケストラにも押し負けないパワフルなボーカルで、
作品のキーワードを押さえた歌詞を歌い上げる。
「帰ろ~うか♪ 帰~ろうよ♪」帰宅ソングの新定番が誕生♪
TRUEさんは他に{netabare}本シリーズのボーカルアルバムより
「未来のひとへ」がオーケストラVerでED曲に起用。{/netabare}

また、同じく{netabare}茅原 実里さんの「みちしるべ」もEvan Call氏の劇伴と、
歌詞にマッチしたクライマックスシーンと化学反応し輝きを放つ。{/netabare}

投稿 : 2022/09/24
♥ : 59
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

最後の手紙(2回目感想を追記)

下手な言葉を使うとネタバレしそうなので、ポスターのキャッチコピーを一部引用しました^^;

 TV版本編の初放送は2018年で初視聴も同時期でした。。

===劇場版:初見での感想===
 2020年9月19日(土)、劇場版本編を観覧。
 (★舞台挨拶ライブビューイング付き)

全国の劇場で舞台挨拶が見られるとのことで、
予定を繰り上げて、あわてて劇場に行きました。

でも、TV版本編を少しでも復習してから、行くべきでした。。
2年の月日は自分にはちょっと長かった。。
ヴァイオレットへの愛情は忘れようがない。
そんな変な自信を持っていましたが、いかんせん物語の詳細をとどめておけるほどの記憶力は、現在の自分には持ち合わせていない事を突き付けられました。。トホホ

いよいよ物語の主人公、ヴァイオレット本人のストーリーが幕を開けます・・

■{netabare}
 ヴァイオレットには幸せになってもらわないと・・
 ひょっとして、社長とくっつくのかなぁ・・

なんて思ってたら、

 まさかと思うけど、少佐の兄?

と思ってしまうような展開でした。。

でもその上を行く、まさか・・・
少佐が生きていたとは、ね。
TV版完走時は死んだと思ってたから、
外伝も感動したんだけど。。

途中辺りから、

 え。ひょっとして生きてる?

てな展開。
ぶっちゃけ、ダマされた、という思いもw

いや・・・でも・・
これで、よかった。

思えばTV版を観ている時、実は少佐は生きていたというストーリーを妄想していたんでした。ちょっと忘れてました。
ヴァイオレットが幸せになる道は、それしかないですよね。

でもでも・・
少佐の生存がわかるシーンの感動が薄いせいか、
その分、ラストに至るまで延ばす延ばすw

 なんだよ、少佐・・
 ナニ自虐的になってんだ、そういうキャラ?
 てめ、ヴァイオレットを泣かすんじゃねーw
 身元を引き受けた責任と、
 何より「愛してる」と言った責任、
 男ならキッチリとりやがれw

てな展開は、個人的にはストレス展開でした。
いやわかりますよ。
その後の感動のための前フリだろうってことは。

でも、それならそれなりの想いの爆発に共感したかった。。
少佐が走り出した時って、なんか自分的には動機づけが弱かったんですよね。。
ドア越しにしゃべった時以上の動機が感じられなかったというか。。
だから、ラストの感動シーンも、ちょっとモヤモヤして感情移入しきれなかった。

さすがに、ラストシーンは感動的でした。
ただ、あんな遠い岸からのあんな掠れたような声が聞こえるのか、とか
ヴァイオレットは義手重いはずなのに泳げるの、とか
細かいところが気になって、これまた感動ボルテージ上昇の阻害要因となってしまいました。。トホホ

躊躇なく海に飛び込んだヴァイオレット、男っぽい。
惚れ直しそうw

そんな彼女も、ようやく・・本当にようやく、たどり着いた少佐の胸では・・ただただ・・泣き崩れるしかなく・・


さて・・
ここで触れずにはおけませんね。
ツイッターにも出ています。
舞台挨拶での石立監督の言葉。

 ~{netabare}
  ヴァイオレットが書いた手紙には、
  セリフに出なかった一文がある。
  これが、少佐をヴァイオレットの元に
  駈け出させた。。

  というもの。

  なんでしょうね。。
  気になる。。
  「あいしてる」かな。
  でもそれはドア越しに言ってたような。

  てかこれ、セリフにしてくれれば
  もっともっと感動できただろうに。。
 {/netabare}~

にしても、ポスター、いい絵ですね♪
ネタバレしそうですがw

でも・・

ああ・・完結してしまった><
(ホントはこれをタイトルに書きたかった)

もっと引き延ばして何作か出してくれてから、こういう結末になるんだと思ってました・・
原作はどうなんでしょう・・

未来からヴァイオレットを過去の人物として振り返る作りは、個人的にはあまり好きとは言えず、どうせなら子孫も見せて欲しかったけど・・

エンドロール後の1ショットは、救われました。
これで、よしとしましょう。

過去だからお幸せに、と言えないのはもどかしい。

ならば・・

良かったね、ヴァイオレット。

{/netabare}■

そう、エンドロールは最後まで、観ないとですね♪

ちなみに劇場で配布された、入場者プレゼントは
~{netabare}「ヴァイオレット・エヴァーガーデン if」{/netabare}~でした。

あ、3種類の短編小説ランダム配布って公式に書いてた。。
急いては事を仕損じる。
ゆっくり読もう。。


===劇場版:二回目の感想===

京アニはご存知のとおり寄付金を受け取ってくれません。
感謝の心、支援の心を込めて、再度劇場へ行きました。
TV版を観直した後、今度は目線を変えて。

その目線とは、ヴァイオレットであり、ギルベルト。
初見ではどうしてもホッジンズ社長というか保護者目線になってしまいましたが、この物語は、二人の物語であり、その目線で観るのは必定かと。

~{netabare}
まずは、1期を再視聴したことで1期を思い出させるシーンがとても胸に響きました。手紙が空を舞うシーンとか主要エピソードとか。
特にアンのエピソードは一番涙を堪えるのが大変だったかも。

感激は初見ほどではありませんでしたが、ギルベルトの気持ちが何となく理解できました。
愛するが故、自分はヴァイオレットにふさわしくない、と。
これは初見でもわかってはいましたが、わかって1期を観なおすと、彼はヴァイオレットを預かり戦場に送ったことをとても後悔していて、結果ヴァイオレットの両腕を失わせ、たとえ自分が生き永らえたとしても、自分の愛を貫くことは資格がないと考えても仕方がないかもしれない、と思えました。
彼がヴァイオレットに会えないと言ったのも、会ってしまえばその信念も揺らぎかねないからで、つまりそれだけヴァイオレットを愛しているからに他なりません。

ヴァイオレット目線で観ると・・・
心からの願いが叶えられないと知り、本当に切なくつらい日々を過ごして。
それが会えるかも知れないとわかり、本当にうれしくて。
でもやはり会えないことになり、とても悲しくて。
それでも生きていてくれたことが、やはりうれしくて。
最後に追いかけてきてくれたことが、最高にうれしくて。
この目線で観るのはとても切ない・・・

むしろ、ラブコメ風に・・・
「このまま会えないまま、どっちか結婚して、その後に会うことになってたらどうするのよ!ギルベルトおおおー!!」
と罵ってあげても良かったのにww

でも、やはりこれは二人の愛のストーリー。
これで、良かった・・

最後に、手紙の一文の考察を。
~{netabare}
映画の冒頭では、sincerelyの文字が出ます。
意味は「心から」かと。

また本シリーズは物語の最後にタイトルが出ます。
本劇場版では「あいしてる」。
つまり・・・
『心から 愛しています』
これが、ヴァイオレットからの、愛する人への最後の手紙の、最後の一文だったのではないでしょうか。

振り返ってみると、ヴァイオレットはドア越しでは「愛してる」は言っていません。彼はその事実を知らず、ただ父親のように慕っているものと勘違いしていたのかも知れません。
だから、この一言が、彼をヴァイオレットの元へ駆け出させたのだと、私は思っています。
{/netabare}~

いつか、ネタ明かしがされる事を期待します。


蛇足ではありますが・・
病院で亡くなる男の子のシーン・・
音がデカ過ぎて感情移入の邪魔になる思いでした。
もっと静かな曲か、むしろセリフのみでも良かったかと。
{/netabare}~

はぁ・・切なくて息が詰まりそう。
この劇場版と、1期・Extra・外伝で無限ループに陥りそうです・・

 制作:京都アニメーション
 監督:石立太一
 脚本:吉田玲子

 2020/09/19 閉館直前のMOVIX利府にて初視聴。
 2020/10/05 同じ映画館にて二回目視聴。


■余談
劇場内で完全新作ARIAの予告編が流れてました・・脚本が同じく吉田さんかな?と思ったら・・

 総監督・脚本:佐藤順一
 監督:名取孝浩
 アニメーション制作:J.C.STAFF

ほへ・・
ストレスフリーの世界でホッとしたい・・
違う作品の話ですみません^^;

投稿 : 2022/09/24
♥ : 55

89.6 9 時をかける少女(アニメ映画)

2006年7月15日
★★★★☆ 4.0 (3997)
20895人が棚に入れました
東京の下町にある高校に通う女子高生・紺野真琴は、ある日踏切事故にあったのをきっかけに、時間を過去に遡ってやり直せるタイムリープ(時間跳躍)能力に目覚めてしまう。最初は戸惑いつつも、遅刻を回避したり、テスト問題を事前に知って満点を取ったりと、奔放に自分の能力を使う真琴。そんなある日、仲の良い2人の男友達との関係に、微妙な変化が訪れていく。

声優・キャラクター
仲里依紗、石田卓也、板倉光隆、原沙知絵、谷村美月、垣内彩未、関戸優希

MKT さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

夏に見たい青春アニメ

この映画がきっかけで奥華子さんのガーネットに完全にハマりました(笑)

☆時をかける少女 / ガーネット
http://www.youtube.com/watch?v=b_Y4XXkJDW0

いやぁ なんとも言えない切ない余韻が残るエンディングでした。
まさに夏に見たい青春アニメという感じです。

タイムリープで過去に戻れるかぁ。
俺ならいつに戻るかな?
小学生からやり直したいなんて欲は言わないから、
去年の夏に戻りたいかなぁ・・・。

でも戻れないしなぁ。

過去になんて戻れないこそ、後悔の無いように人生楽しんで行こう!と改めに思い返すきっかけになりました☆

投稿 : 2022/09/24
♥ : 20
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

どうしようもなく、時は過ぎ去っていく

アニメーション製作:マッドハウス
監督:細田守、脚本:奥寺佐渡子、音楽:吉田潔
キャラクターデザイン:貞本 義行、原作: 筒井康隆

子供から大人になるとき、私たちは色々な痛みや哀しみを経験する。
そのことによって、私たちは屈託のない気持ちのままでは
いられなくなってしまう。
それは「良し悪し」ではなく、誰もがいつかは通る道だ。
ただ15歳のときに通る人がいれば、
40歳まで通らない人もいる。大人になるということは、
何か大きな洗礼が必要なのかもしれない。

『時をかける少女』は、真琴が子供から大人になる物語だ。
そういう視点で作品を見ると、テーマがより鮮明になる。
最初の真琴は、ただの子供だ。
とても明るく屈託のない性格が、多くの人から愛されている。
彼女は「今」の生活がとても気に入っていた。
「今」がずっとずっと続けばいいと思っていた。

{netabare} ある日、真琴は偶然に時間を戻す能力を身につける。
それによって夏休み前の楽しいひとときを繰り返せるようになる。
失敗してもやり直せる。考えなければならないことが起こったときは、
その問題が自分には起こらないようにしてしまう。
何が起こってもやり直せる世界は、とても居心地が良かった。 {/netabare}
しかし「今」という時を先延ばしにしたことで、
真琴の周りの環境は大きく変化していく。
多くの人の歴史が変わり、自分自身を含め、
たくさんの人が傷ついてしまう。
また、どれほど時間を戻しても取り戻せないものもある。
それは、いくつもの偶然が重なった瞬間だけに存在する、
人の気持ちだった。

未来は少しのことがきっかけで大きく変わってしまうこともある。
だからこそ、「今」という時間のなかで起こる出来事に、
真剣に向き合って考えることの大切さに真琴は気付く。

この作品はタイムリープの部分などで難点があるとは思う。
しかし、真琴の想いは、とても上手く表現できている。
誰かのために必死になって走る真琴の姿は魅力的だ。
そして奥華子の曲がシーンと絶妙に重なって、深く心に残った。
(2018年12月4日初投稿)

忘れられないシーン(2018年12月5日追記)
{netabare} 私はこの作品が大好きで何度もリピートしているのだが、
雀犬さんのレビューを読んで色々思い出したことがあったので、
少し追記したいと思う。

ひとつは、やはり坂道で転がっていくシーン。
ここは動きとともにとても印象的だ。
止め絵やスローモーションを効果的に使って、
転がってボロボロになっていく様子は衝撃的だった。
新海誠監督の『君の名は』にも同じようなシーンがあって、
観たとき、これは明らかに時かけのパクりだろうと思っていたら、
どこかのインタビューで監督が、あっさりと認めていた。
それほどインパクトのある良いシーンだった。

次にスクランブル交差点のシーン。
全てが止まったお互いの姿が見えない人込みのなかで、
真琴はこれからやりたいことについて、
千昭を探しながら会話を交わす状況がとてもせつない。
人込みのなかで、声だけが響くシチュエーションは
観ている者の心を動かすほどの哀しみを感じさせる。

また、奥華子の曲が流れる最後の跳躍のシーンも忘れられない。
時間を遡るなかで転校生としてクラスに来た千昭が喧嘩をしたこと、
仲良くなった功介と3人で雨の日にひとつの傘に入って
帰ったこと、千昭が真琴に告白をしたことなど、
これまでの色々なことを思い出していく。

そして、ラストの河原のシーン。
実写映画で使われるような望遠での固定カメラ。
煌めく川が流れ、車が左右にゆっくりと走っている。
真琴のそばを自転車が通り過ぎる。
どうしようもなく過ぎ去っていく時間のなかで、
ふたりが別離を迎えるシーンには心を揺さぶられた。
監督のこだわりがとてもよく分かる絵作りで、
これをやりたかったから、監督は作品を作ったのではないかと
思えてしまうほどの名シーンだ。
良い映画には、こういう心に刻まれるシーンが
たくさんあるものだと再認識させてくれた。 {/netabare}

投稿 : 2022/09/24
♥ : 89

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

時を越えても良い作品なのですね!!

「時をかける少女」ってタイトルだけは昔から良く耳にしていたのですが、原田知世さんの映画を含
め、今までまったく見た事がありませんでした!!
アニメ化されてからも、観た記憶はなかったので、よし、観てみようと思って視聴を開始・・・・
(^・ω・^).....ンニュニュ?デジャブ!?
無機質で嫌な予感を感じさせる、商店街の機械仕掛けの音楽隊!!
・・・・・なんか知ってるよこれw
どうやら、ふとつけたテレビでちょうど放送されてた所をそのまま観たのだと思いますね♪
まったくもって覚えていなかったので、面白くなかったのかなぁ~などと考えながら見ることになっ
たのです♪
 
物語は、真琴(まこと)・千昭(ちあき)・功介(こうすけ)の仲良し3人組がいつものように野球をした
り、ごくごく普通の学校生活を送るはずだったのです。
でも、この日はちょっと不幸な1日だったのですね♪プリンを食べ損ねたり、家庭科で油に引火させ
たり・・・それだけでは終わらずに、帰り道に死を覚悟するような踏み切り事故に遭ったのです!!
その瞬間にタイムリープに目覚めた日でもあったのです♪
タイムリープを手にした日からの真琴の日常が劇的に変わって行くのですよ!!
 
■「時をかける少女」で外せないポイント♪\_(*゚▽゚)
・黒板に書かれた「time waits for no one」観終わった後でこの意味の重みを感じてくださいね♪
・真琴と千昭の関係に注目!!親友から恋心に変わるタイミングってどこだったのでしょうか?
 友達の友梨との会話なんかもヒントになりますね-(・0・。)
・魔女おばさんの言葉に注目!!「待ち合わせに遅れてきた人がいたら・・・」この言葉に真琴がとった
 行動とは・・・
・千昭の言葉「未来で待っている」に込められた想いとは・・・o( ̄ー ̄;)ゞううむ
 その後、真琴が功介言った「実はやることが決まったんだ」に答えが見え隠れしますね♪
 
色々突っ込み所は満載でしたけど、人間観察が好きな人ならきっと楽しめたはずですよ♪
タイムトリープ後の世界で微妙に違っている人間模様をぜひ堪能してみてください、そして、真琴の
心理描写を絶妙に表現・演出している所も、全体を通して注目して欲しいですね♪
何気なくすごしている、何気ない時間って、良く考えたら取り戻せないのですよね(゚-゚*)(。。*)ウンウン
「時は金なり」って言う言葉がありますが、まさに、時間は貴重であり有効なものであるから、無駄
に費やしてはいけないよって、改めて時間の尊さを教えられたような気がするのです♪
そんな貴重な時間を割いても、観て損はない作品だと思いますよo(`⌒´*)oエッヘン!
 
最後に、主題歌:ガーネットの歌詞は真琴の気持ちが込められていて、観おわった後に改めて聞くと
改めてジーンとなれますよ♪歌詞が千秋の言った言葉のネタバレにもなっているからなのかもw

投稿 : 2022/09/24
♥ : 42

89.4 10 ルパン三世 カリオストロの城(アニメ映画)

1979年12月15日
★★★★★ 4.2 (1215)
7922人が棚に入れました
人口三千五百、世界一ちっぽけなカリオストロ公国の田舎道をボロ車でドライブしていたルパンと次元はクラリスという美女を助けた。彼女はカリオストロ公国・大公家に残された最後の娘で、カリオストロ伯爵は彼女を強制的に妻に迎え、公国の権力をひとり占めにしようと狙っていた。クラリスはルパンに助けられたが、再度捕えられてしまう。

声優・キャラクター
山田康雄、増山江威子、小林清志、井上真樹夫、納谷悟朗、石田太郎、島本須美

ぶっかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

やっぱ☆5になっちゃったわw

はい、もう誰もがご存知の大泥棒三代目さんですね
TV放送でも何回もやってる。むしろ何回やってるのか教えて欲しい!
で、ここで一つ考えてみましょう
皆さんルパンの何を知ってますか?
「まともに知ってるのコレだけでした」って人、手ぇ挙げてみましょうか

……。。。シーン

意外とこれが、結構いると思うんです 
むしろほとんどが、そうなんじゃないでしょうか
思う所は多々あるでしょうが、これが『ルパン三世』の事実です
そして、この事実こそが『カリオストロ』の凄さを物語ります
これを除いた、ルパンシリーズに触れている人間が、実際の認識より遙かに少ないにも拘らず
キャラクターとして彼等一味は、現代に完全なる立場を築いています

常々思っていたのですが、実際に作品に触れた人の数に対して
彼等の今の立ち位置は明らかに異常です
が_しかし、『カリオストロ』に触れた人の数と、触れた結果どうなったかを想像した時
これがいきなり腑に落ちる
つまり、この作品には彼等の立ち位置の矛盾を、腑に落とすだけのチカラがある。
もうこの際ですからはっきり言いましょう…
他シリーズも見ていますが、私にとって『ルパン三世』とはこれだけです
宮崎駿の手腕によって、類を見ない完成度を誇る作品ですから
視聴に費やした時間が無駄になることはありません
無駄になったとしたら、それは作品のせいではありません
そう言うことだと、私は思います




投稿 : 2022/09/24
♥ : 23

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ロマンスを感じます

「スタジオジブリ」制作ということもあって、ルパンアニメというよりはルパンのキャラクターを使ったジブリアニメといった作品。
アクションは「ルパン」、ヒロインは「風の谷のナウシカ」、世界観とストーリー展開や悪役に「天空の城ラピュタ」といったような要素を感じ、ルパンアニメとしてもジブリアニメとしても最高傑作の名の相応しい作品になっています。
この作中のルパンはいつものルパンさはあまりなく、紳士的ヒーローでとてもかっこ良いルパンが見れました。
またいくつかの名シーンや主題歌の「炎のたからもの」はとても感動しロマンスに酔いしれました。

投稿 : 2022/09/24
♥ : 13

ワタアメ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ルパンとパヤオがであった・・・

まあ言わずもがな最高ですよね。ってより元々ルパンが最高でそこにジブリっつう味の素足したら、あっこれけっこう旨くない!?ねえやってみ。ほらかけろって1回でいいからさ!なっなっ そういう事です。まあ2回かけたんですけどね。
ルパンはカリオストロ。っていうあなた。これをきっかけにルパンシリーズを見てください。シリーズ1だけでも良いものですよ。そうすると1年に1回ある新作ルパンのTVショーがより楽しくなると思います。
とっつあ~ん

投稿 : 2022/09/24
♥ : 3

88.9 11 魔女の宅急便(アニメ映画)

1989年7月29日
★★★★☆ 4.0 (1568)
10947人が棚に入れました
魔女の娘は13歳になると家を出て、よその町で一年修行するという掟があった。13歳になった魔女の娘・キキは、掟にならい黒猫・ジジと共に港町・コリコに降り立った。パン屋の女主人に気に入られ、店先を借りて宅急便を開業することにしたキキ。そこには新しい生活と喜び、失敗と挫折、人力飛行機に熱中する少年トンボとの出会いが待っていた。

声優・キャラクター
高山みなみ、佐久間レイ、山口勝平、加藤治子、戸田恵子、関弘子、信澤三惠子
ネタバレ

イシカワ(辻斬り) さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

幸せな子供の夢・輝く未来日記

記載されているレビューに対する反論・論戦を行いたい人は、メッセージ欄やメールで送りつけるのではなく、正しいと思う主張を自らのレビューに記載する形で行ってもらいたい。したくない時、受諾しない時は以降の文章を読み進めないこと。受諾する方のみ文面を読んでもらいたい。参考になったと思うときのみ、参キューしてほしい。

ストーリー
草原で寝っ転がっている魔女の少女は、ラジオで天気予報を聞きながら青空に流れていく雲を見ていた。
魔女の子は十三歳になったら、一年間は外に出て修行をする習わしがある。その大事な決断は、明日も明後日も天気が良いでしょうという、天気予報の放送からあっさり決められた。
そんな話を聞いていなかった父親は、娘とキャンプするための道具を車に積んで自宅に帰ってきたというのに、もう決めたから、の一言で努力がフイになってしまう。
会話からわかるのだが、どうも一ヶ月も予定より早く出発する気になったらしいのだ。
かといって父親は労力が無駄になったことを別段怒るでもなく、なにやら古めかしい電話で、これからうちのキキが旅立つことになったので、とあちこちにかけている様子。
母親と老婆が話しているシーンでも情報提供がある。魔女の人口は減り続けている。母親から魔女の薬の作り方も学ばないキキは自前で空を飛ぶこと以外、何も覚えていないらしいのだ。
魔女としての訓練などからっきしだというのに、夜中に見送りに集まってきた人たちも、両親も心配などまったくしていない。田舎の人たちの暖かさがある。
元気に送り出すのに、
「GO!GO!キキ!」
と一斉に応援エールで送り出す。
箒にまたがって飛び上がったキキは、どうやら空を飛ぶことも決してうまくはない様子である。あちこちの樹にぶつかりながら、どうにか飛んで、見送る人々の視界から消えていった。
さて、どうなることやら。

純真で元気の良い田舎娘の魔女の子が、都会の華やかさに憧れる。都会で自立しようとしている多くの少女たちと同じく、十三歳という若さで大きな街に一人住まいをしながら、仕事をみつけて自活するのである。キキは覚悟の甘さや認識の浅さから挫折するが、それを様々な人々の出会いによって乗り越えていく。
この物語は経済的な自立ではなく、精神的な自立や成長がテーマだと思ってよいだろう。
よくある魔法少女ものは、苦もなく願望を現実にしてしまう手立てとして魔法を用いるが、駿監督はそのような便利な力として設定していない。
誰でも何かしらある才能の一種としての魔法があるだけだ。そう考えると、一見して突拍子もない空を飛ぶ才能も、等身大の少女像としての才能ではないだろうか。
キキという少女は、ナウシカのようにみんなを幸せにしたいヒロインではない。まず第一に自分が幸せになりたいと願う極普通の考えの持ち主だ。これもまた、過去のヒロインのように品の良いお嬢様であったり、トイレに行くシーンなど想像できないような、男性の理想像としてのヒロインではなく、やはり等身大の少女像として描かれている。
ファンタジーとうまく結合させて見せつつも、行き過ぎた力を持った、いわばオーバーパワーを見せ所とする少年少女ものとは一線を画する作りとなっているのが特徴だ。
ファンタジーをもちいる理由が、人々の願望を描いてみせて注目を浴びるという目的ではなく、等身大の少女の一部としての扱う形になっている。
それでも、十分なヒット作にできる思想の表れが見どころといえるだろう。


かなり蛇足的な個人の感想
(別段読まなくても問題ない上に、多少ネタバレしている)
{netabare}
もう何度視聴したのだろう。花や草木で覆われた美しいキキの家。お婆さんと話すキキのお母さん。列車に行き先を任せて考えもしないキキ。
小生が両親なら、その場で止めにかかるだろう。もう少し魔女らしい特技を身に付けてからでも遅くない。13歳の女の子をたった一人で行かせるなんて……そう思うのだが、都会といっても東京が舞台ではないし、暗がりに変質者もいない。おっかなびっくりしながらでも、幸運続きで成り立っていく。
現実はともかく、子供に夢を与えたい。
そう思う宮崎監督の想いが込められている。
自分がキキの傍にいたならどうするのかを考えると、情けないかぎりだ。
最初の家探しのとき、小生ならばなんとアドバイスをしただろう。保証人の書類だの、敷金礼金・月額いくらまでなら大丈夫かだの、ペットが飼える部屋だの、その年齢で働かせてくれる職場だの、無闇やたらとテンパッて、きっとキキ本人よりも焦りまくってしまっていただろう。
キキが挫折したときの、オソノさんの優しさはあっさりとしているようでいて深い。小生ならどうしただろう?
散々理屈を捏ね回し、へぼ探偵のように原因を考え抜いてキキを不安にさせ、理由をつけて自宅に帰してしまうだろう。
トンボにつっけんどんな態度に出てしまうキキのことを考える。
小生はどういう言葉をかけるだろう。親切ごかしてらしい言葉を並べ立て、大人風でも吹かせて友人になるよう勧めるだろう。そしてキキの気持ちを逆撫でして、却って失敗してしまうに違いない。
考えれば考えるほど、駄目な大人の典型にしかなれない。
一緒にいて日記を書いていたら、完全にバカヤロウ日記ができあがる。
ただ一つ良いところがあるとすれば、観衆に囲まれていいるとき、万歳と叫んでも声が掻き消されて間抜けさが際立たないことだろうか。

自らの人格を考えると、呆れ果てたやつである。

その他。
キキがジジと会話ができなくなるラストを見て、子供から大人になったので会話できなくなった、程度の初見見解だったが、いま見るともっと変わった内容に感じている。
ジジとのコミュニケーションは、キキ個人の幼い魔女の世界を容認してくれる存在としての会話だった。ラストになると、社会という大きな枠組の中に受け入れられることによって、ジジとの会話は不要になってしまったのではないかと思えるのである。

{/netabare}



追記
レビューに記載された言論を規制したい人は、個人の意見を以てするのではなく、あにこれの法的論拠に基づいて規約に記載する必要がある。
運営諸氏に連絡し、説得し、規制を規約に付け加えてもらうこと。

投稿 : 2022/09/24
♥ : 28
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

ジブリの名作。ジブリ美術館日記

タイトル 「宮崎アニメ」

ストーリー知っていても
何度見ても素敵な気持ちになれる。
すごい作品ですね。

上記は2014年4月私が初めてここで書いたレビューです。

閲覧目的で始めたあにこれ。カラーの棚が欲しいためにレビューを書いたのですが初めてThank Youをいただき、レビューを真剣に書いてみようかなと考え直し今に至ります。
私が今ここでレビューを書き、皆さんとお話をしているのは魔女の宅急便のレビューを書いたのがきっかけなんですね!

最近私が作ったランキングの男性キャラ、女性キャラ、曲TOP10全てにジブリが入っています。宮崎作品への特別な思い入れの証拠です。

2015年2月28日にジブリ美術館に久しぶりに行ったのでこれを機会に追記としてレビューを書こうと思います。

「魔女の宅急便」
おちこんだりもしたけれど、私はげんきです

キャッチコピーであり好きな言葉。キキがパン屋さんのカウンターで店番をしている代表的なポスターに、このキャッチコピーの文字を見るとなぜだか心にしみます。
遠回しではなく、ストレートな言葉だからなのでしょうか

人の心を動かせる言葉の力素晴らしいですね...

サントラを聴くと...
海に浮かんだ街、海の見える街、石畳の街には白い鳥が飛び赤くおっきいリボンで黒いお洋服がよく似合うキキと黒猫ジジのやり取り、好奇心旺盛で空を飛ぶことに憧れているトンボ。パン屋さんのおそのさんと旦那さん、森に住む絵かきの友人
皆が浮かんできます...

「ルージュの伝言」、「やさしさに包まれたなら」大切な歌でいつ聴いても純粋な気持ちに戻れます。

私が海外旅行が趣味になったきっかけもキキが空から見たあの街、
異国の憧れを私もあの時見たからなのかなと思います。

キキは魔女になるための修行を通し色々な人と出会います。
見守ってくれる大人や、友達に囲まれ、大人への階段を上り始めます。
成長していくなか挫折を経験し、そして生きるために本当に大切な事を学ぶのです。
何度見ても飽きず、色褪せない心に残る素晴らしい名作です。
本当に大切な作品です!


三鷹の森ジブリ美術館 2015.2.28日行きました。
レビューではないので閉じます。

{netabare}
今回は魔女の宅急便の部分だけ書きます。三鷹の森の名前だけあり森?にあります。
外のオブジェ以外写真撮影出来ないので目と心にしっかり焼き付けます。
まず受付には大きなトトロがお出迎え可愛いです+.(**´∀`*)♡

入ってすぐの天井には素敵な太陽とキキがホウキで飛んでる絵があり
ステンドグラスになっているジジにも会えます。美術館に沢山あるステンドグラスにはこだわりを感じます。
この日は晴天でした太陽の陽を通したステンドグラスは床にきれいな色をつけていました。
天候や時間によっても見え方が違うのでしょうなんか素敵です..

魔女の宅急便好きな方は館内にあるキキとワンちゃんのステンドグラスの丸い窓を見つけて下さいね♡

一番好きな場所は監督の作業机のある部屋です。スケッチがコルクボードに沢山貼ってあります。
イメージを形にする途中。。なのでしょうか?
見入ってしまいます。

それから背景画が展示している部屋。海の見える街の世界本当に素晴らしい

「麦わらぼうし」というカフェで+.(*’v`*)スイーツをいただきました♡
ラテと一緒にグラノーラ入りのモカケーキ♪店内も可愛い♪ちょとした驚きもあるんですよ♡
ヒントは窓です♪

ジブリの映画で見たことがあるような建物、ジブリの世界感が漂うここはやっぱり特別な場所です。
まるでファンタジーの世界に紛れ込んだみたいな気分です。
この空間にいて感じとれた大切なもの...
それは私の宝物ですね....
{/netabare}

投稿 : 2022/09/24
♥ : 76

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

心がウキウキするアニメ

この作品は何度見てもいいですよね~。
平凡なストーリーではあるけれど、何故かとても心が引き付けられます。

◆この作品の概要は・・・
13歳になった魔法使いの女の子が独り立ちとして、人間世界に降りて宅急便というお仕事をしながら成長していく日常のお話。

◆世界感がとても素晴らしい・・・
ヨーロッパの様な街並とそのイメージにマッチした音楽がより一層この作品にいい雰囲気を加えています。

◆声優陣は・・・
「名探偵コナン」でおなじみのお二人がキャスティング。
キキ(女画家も)役には「コナン役を演じている高山みなみ」、トンボ役には「工藤新一役の山口勝平」が演じています。
この二人のがこの作品の作風にとってもマッチした演技を見せてくれました。

◆豆知識・・・
実はこの作品の続編が小説で発行していますよ。

投稿 : 2022/09/24
♥ : 27

88.8 12 ノーゲーム・ノーライフ ゼロ(アニメ映画)

2017年7月15日
★★★★★ 4.1 (815)
4843人が棚に入れました
それは一切の争いが禁じられ、全てがゲームで決まる
《盤上の世界(ディス・ボード)》が
創造されるはるか以前の出来事。
世界を統べる唯一神の座をめぐり、終わりの見えない大戦が続いていた時代。
天を裂き、地を割り、星さえも破壊し尽くさんとする凄惨な戦争は、
戦う力を持たない人間たちに理不尽な死を撒き散らしていた。
強大な力を持つ様々な種族に追いやられ、
存亡の危機に瀕する人間を率いる若きリーダーの名はリク。
一人でも多くの人間が明日を迎えるために心を砕き、
擦り減らす日々が続くある日、リクは打ち捨てられた森霊種(エルフ)の都で
機械仕掛けの少女・シュヴィと出会う。
機械には持ち得ぬ心に興味を持ってしまったことでエラーを起こしてしまい、
仲間たちから廃棄されてしまったシュヴィは、エラーを修正するため、
リクに《人間の心》を教えてほしいと頼むのだが……。
これは六千年以上もの昔に紡がれた
《最も新しい神話》へと至る《最も古き神話》。
記録にも記憶にも残らない、誰にも語られることのない物語が今、幕を開ける——。

声優・キャラクター
松岡禎丞、茅野愛衣、日笠陽子、田村ゆかり、井口裕香、能登麻美子、沢城みゆき、釘宮理恵
ネタバレ

みむう さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

みんなジブリール嫌いにならないであげてね(´・ω・`)

僕は小説でも読んで映画でも見ました。
{netabare}神が生まれる前のお話なので空白の二人が出てこないと聞いていたので「つまらないんじゃね?」と思いながら小説を読んでみるとあらビックリ
面白さがあるいつものノゲノラでした。そこにシュヴィとの別れのシーンで感動という要素が入りとても良い作品だなと思いました。
映画では声優さんが演じているのでより臨場感あふれるものに。大スクリーンで見るのと小説で読むのはまた違った面白さがありました。
あとシュヴィ倒したからってジブリールを嫌いにならないであげてね!
今はいいやつだから!{/netabare}
2期が来ることを期待します!

投稿 : 2022/09/24
♥ : 9

くまくまちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

涙が止まりません・・・

 映画館は苦手で、暗いとすぐ眠くなり、過去には気付いたら終わっていたなんてことも度々あり、行くかどうしようか悩んでいました。
 最初の20分間ぐらいは、睡魔との戦いです。2度ほど落ちかけましたが、主人公リクとオートマタの少女との出会いからは、眠気が飛んでしまいました。
 舞台挨拶で松岡さん達が「ネタバレできないけど、とにかく泣ける。スタッフ達は4回見ても泣き続け涙が止まらない。」と言っていました。ノーゲームには、楽しくコミカルなイメージしかなかったので、何を言っているのか、さっぱり分かりませんでした。ポスターの雰囲気ではなんとなく戦闘シーンとかあるんだろうなとは思っていましたが、とてもシリアスで切ない恋物語で純愛ストーリーでした。
 恥ずかしいから絶対に泣かないと決意して観ていましたが、後半は、とにかく涙が溢れ出て、ハンカチがビショビショになりました。隣の男性は鼻水垂らして泣いているし、隣の女性もすすり泣いているし、とにかく館内の皆が同じ気持ちを共有しているんだなとヒシヒシと感じられる素晴らしい時間でした。
 素敵な作品に出合えて感謝です。ヨガに行ったときに感じる、心洗われるような気分に浸れる秀作だと思います。

投稿 : 2022/09/24
♥ : 24
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

私の「感動したら負け」クリード(信条)を易々とクリアされてしまった!

この劇場版を見るまでは、異世界ファンタジー/異世界召喚ものジャンルで一番出来の良い作品は、『ソードアート・オンライン』シリーズで、対抗馬は『Re:ゼロから始める異世界生活』、そして『ノーゲーム・ノーライフ』は3番手かな、と何となく思っていたのですが訂正します。

①キャラクター&世界観設定の練り込み具合
②シナリオ自体の面白さ&作品から受ける感動ないし感銘の度合い

・・・を総合して考えると、同ジャンルでは、劇場版までを含めた『ノーゲーム・ノーライフ』が№1と考えます。

なお、上記3シリーズはいずれも原作未完(※アニメももちろん未完)であり、今後の展開次第で私の個人的評価もまた変わってくると思いますが、現時点で制作・放送(ないし配信・上映)されたアニメ作品を視聴した限りでは、個人的には本シリーズの今後に一番のポテンシャルを感じました。
というのも・・・

◆《トンデモ異世界ファンタジー》の顔をした《想定外の感動作》

本作は榎宮祐氏のラノベが原作ですが、アニメ制作スタッフは本年(2018年)の話題作『宇宙よりも遠い場所』(略称『よりもい』)とほぼ同じ方々です(監督・シリーズ構成・アニメーション制作会社が同じ)。
以前レビューした通り、その『よりもい』は“感動する”作品と事前に何度も聞いており、それなりに期待して視聴を始めたのですが、途中から「あれ?これハズレだな・・・」と気づき始めて、結局そのまま視聴し終えてしまいました。

因みに、英語表現だと“楽しむ”は have fun もしくは enjoy と能動態ですが、“感動する”は be moved と受動態となるのが通例で、私の場合も、アニメ作品は確かに大いに「楽しみたい」(※能動態)のだけれども、「はい、ここ泣くところですよ」みたいな制作側の誘導に簡単に引っかかって「感動させられ」(※受動態)たくないな・・・という拘(こだわ)りが以前からずっとあります。

⇒個人的に、これを「感動したら負け」クリード(信条)と呼んでいます笑。

私がアニメを見るときに一番大切にしている信条で、この「感動の壁」を超えるシーンに思いがけず出くわしてしまうと、その作品の個人評価が ★★ 4.5 を超えてきて、私の「お気に入り」作品の座に昇る可能性が出てきます。
(※実際には、この後さらに、その感動が「一時的なもの」に過ぎないのか、それとも「今後も継続的に感動できるもの」なのか、という厳格審査を実行するので、結局 ★ 4.2~4.4 程度の個人評価に留まる作品が大半ですが)

・・・で、本作なのですが、TVシリーズの時の視聴経験から、「はっちゃけた面白さには十分期待できると思うけど、感動できるタイプの作品ではないだろう・・・」と、さほど期待せずに見始めたところ、全体の2/3くらいを見終えたところで、思いもかけない《こころの震え》を覚えてしまい、「え?こんな作品に感動しちゃっていいの?」とビックリして、見終えて直ぐに、それが果たして正当な感動なのか、更に数回繰り返し視聴して自分に問いただしてみました。

結論からいうと、やっぱり本作は、

<1> よくあるような、音楽や演出などの技巧を凝らして視聴者の一時的な感動を喚起するタイプの作品(=一過性の感動しかない作品)ではなくて、
<2> 一見フザケた装いにも拘わらず、視聴者の感動が一時的なものでは決してない(=繰り返し見てもやはり確りと感動出来るくらいに)緻密に計算された設定&シナリオを備えた作品である、

・・・と思いました。

※なお、この「感動」には、前作であるTVシリーズ『ノーゲーム・ノーライフ』(※但し時系列的には劇場版の6.000年前の話)の事前視聴が、絶対必要とはいわないまでも、やはりある方がずっと良いと思うので、以下、併せて同TVシリーズの各話も再評価します。

《まとめ》
とにかく本作については、前作となるTVシリーズの、とくに第2-3話で、主人公たちの悪フザケに閉口して視聴を打ち切ってしまう方が多く発生している感じですが、そのTVシリーズが急に面白くなるのが第6話(ジブリール回)で、そのあとは最終話まで休みなしに駆け抜ける痛快さをもった《面白作》、そしてこの劇場版までくれば、視聴前は思ってもみなかった心の震えに出遭える《感動作》と思うので、これから初めて本シリーズを見始められる方は、何とか我慢してこの劇場版迄たどり着いて欲しいです。


◆制作情報
{netabare}
原作ラノベ      榎宮祐(『MA文庫J』2012年4月-刊行中)
監督         いしづかあつこ
シリーズ構成     花田十輝
脚本         花田十輝、あおしまたかし、下山健人、榎宮祐
キャラクターデザイン 榎宮祐(原案)、大舘康二(TVシリーズ)、田﨑聡(劇場版)
音楽         SUPER SWEEP(TVシリーズ)、藤澤慶昌(劇場版)
アニメーション制作  MADHOUSE{/netabare}


◆作品別評価

(1) 『ノーゲーム・ノーライフ』(TVシリーズ)  ★ 4.4   (2014年) ※計12話
(2) 『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』(劇場版) ★★ 4.7  (2017年) ※約1時間45分(4~5話相当)
----------------------------------------------------------------------------
  総合                    ★★ 4.5         ※計16~17話相当


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============= ノーゲーム・ノーライフ (2014年4-6月) ==============
{netabare}
第1話 素人《ビギナー》 ★ 対テト戦(チェス)
第2話 挑戦者《チャレンジャー》 ☆
第3話 熟練者《エキスパート》 ☆ 対クラミー戦1(チェス)
第4話 国王《グランドマスター》 ☆ 続き
第5話 駒並べ《ウィークスクエア》 ☆
第6話 一手《インタレスティング》 ★★ 対ジブリール戦(具象化しりとり)
第7話 死に手《サクリファイス》 ★ 希望の鍵
第8話 起死回生《フェイクエンド》 ★★ 種の駒、※特殊ED
第9話 解離法《スカイ・ウォーク》 ★ 対クラミー戦2(オセロ)
第10話 指向法《ブルー・ローズ》 ★★ 対いづな戦(テレビゲーム)
第11話 誘導法《キリング・ジャイアント》 ★★ 続き ※OP「おねがい☆すにゃいぱー」
第12話 収束法《ルール・ナンバー・10》 ★★ 続き、対巫女戦(コイン・トス){/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)5、★(良回)3、☆(並回)4、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.4

OP 「This game」
ED 「オラシオン」


============= ノーゲーム・ノーライフ ゼロ (2017年7月) ===========

全1話 ★★ 4.7 {netabare}TVシリーズより6,000年前に星杯(スーニアスター)を巡る古き神々&15種族の戦争を終結させた人類(イマニティ)の少年(リク)と機械種族(エクスマキナ)の少女型個体(シュビ)の物語{/netabare} ※1時間45分

主題歌 「THERE IS A REASON」

投稿 : 2022/09/24
♥ : 29

88.4 13 さよならの朝に約束の花をかざろう(アニメ映画)

2018年2月24日
★★★★★ 4.3 (597)
3231人が棚に入れました
一人ぼっちが 一人ぼっちと出会った

出会いと別れが紡ぐ永遠の一瞬

少女はその時 愛にふれた

『あの花』『ここさけ』の岡田麿里、初監督作品。

声優・キャラクター
石見舞菜香、入野自由、茅野愛衣、梶裕貴、沢城みゆき、細谷佳正、佐藤利奈、日笠陽子、久野美咲、杉田智和、平田広明
ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

時の流れが織りなす母子の愛と別れの物語

世界観:9
ストーリー:8
リアリティ:9
キャラクター:8
情感:10
合計:44

【あらすじ】
人里離れた土地に住み、ヒビオルと呼ばれる布に日々の出来事を織り込みながら静かに暮らすイオルフの民。10代半ばで外見の成長が止まり数百年の寿命を持つ彼らは、“別れの一族”と呼ばれ、生ける伝説とされていた。
両親のいないイオルフの少女マキアは、仲間に囲まれた穏やかな日々を過ごしながらも、どこかで“ひとりぼっち”を感じていた。そんな彼らの日々は、一瞬で崩れ去る。イオルフの長寿の血を求め、レナトと呼ばれる古の獣に跨りメザーテ軍が攻め込んできたのだ。
虚ろな心で暗い森をさまようマキア。そこで呼び寄せられるように出会ったのは、親を亡くしたばかりの“ひとりぼっち”の赤ん坊だった。少年へと成長していくエリアル。時が経っても少女のままのマキア。同じ季節に、異なる時の流れ。変化する時代の中で、色合いを変えていく二人の絆――。
ひとりぼっちがひとりぼっちと出会い紡ぎ出される、かけがえのない時間の物語。
(公式サイトより抜粋)

【視聴経緯】
特に好きなシリーズとかではなかったものの、あにこれでの評価が良かったので劇場まで足を運んできました。もう少し後ならリズと青い鳥が観れたのにと思ったタイミングでしたが(あまり自由が利かないので)、結果的には本作を劇場で観ることができて本当に良かったです。

【未視聴者に向けて】
個人的にもこの評価点は劇場版の尺での最高値ですし、滅多に超えない4.7のハードルを越えているので、私の評価点に概ね共感を持たれている方は、おそらくは楽しめると思います。なので、特に先入観を入れることも必要なく見ることをおすすめしたいと思います。

【ネタバレなしでいくつか見どころや注意点を教えてほしい方に向けて】
(ネタバレはありませんが、何も情報はいらないという方のために閉じておきます)。
{netabare}作画の水準が非常に高いのがまずは見どころです。ヒビオルの塔の内装、様々なシーンの空と雲や、雪景色、煙の出ている町の風景、などが特に印象に残っています。

映画の2時間の間に、たまに飛び飛びで時が流れます。テロップなどはないので、言葉等で気づく必要があります。国家間の戦争等も描かれますが、中心は主人公マキアと縁あって育てることとなったエリアルとの母と子の愛情、人間関係の変遷がむしろ中心として描かれているのが一番の見どころです。

女性のほうが感動できるかもしれないと思うのと、男女共通で、それなりに人生経験のある大人のほうが感動できると思います。

劇場版となると、観客を笑わすコメディが入ることがありますが、本作は皆無。ひたすらシリアスなので、シリアスが苦手な方は楽しめないかもしれません。

注意点としては、若干、専門用語があります。ヒビオルが代表例でしょうか、織物のことと思って見ていると、違った表現をされたりします。織物にメッセージのようなものを記録できるようで、それが広めの言葉として使われることがあるように思いました。イオルフは主人公の種族(エルフ的な)、レナトは竜のことです。

また、最初は、マキア以外のイオルフのキャラの見分けがつきにくくて混乱するかもしれません。紛らわしいのはレイリア、長老、クリムの3人でしょうか。長老は序盤以降は出てきませんので、女性はレイリア、男性がクリムと思えば多分大丈夫かと。{/netabare}

【ネタバレを含む感想】(視聴した方のみどうぞ)
{netabare}
本作の表面上のテーマはプラスティック・メモリーズに近いように思いました。プラメモはギフティア(人間そっくりのロボット)の寿命のほうが短く、ギフティアとの間で思い出を作る意味があるのか、というテーマでしたが、本作は主人公のほうが何百年の寿命を持つイオルフであり、別れの一族と呼ばれ、人を愛せば本当の独りになるという教えに背いて、人間を愛することに意味があるのか、という話と捉えれば、その類似性がわかると思います。

プラメモは設定が甘すぎで、作品としては泣けるラブコメ萌えアニメ(私はお気に入りですが)といった感じでしたが、本作は壮大なファンタジー世界で重厚さがありました。時代としては中世~近代をモデルとしつつ、大きな破綻は見当たらず、無理なく世界に入っていけました。

ちょうど、今シーズン(2018冬)ではヴァイオレット・エヴァーガーデンが放映されていますが、京アニの大作と比較しても、作画面でも劣っていないどころか、個々の画では上回っていますし、戦争の表現とキャラクターの乗せ方はこちらのほうが自然で成功しています。

外見の成長が止まる(老いない)という点も、声優の声や演技を変えなくて良い、主人公の外見の美しさを維持できるという面で非常に優れた設定と言えるでしょう。

ストーリーは、2時間映画で描き切るにはそもそも大きな物語なので、若干駆け足になったところや、最終盤の東京マグニチュードを想起させる回想シーンは少し強調しすぎだったように思いました。時の流れを使った表現は、P.A.WORKSの得意技で、もちろん良いシーンではあったのですが。

それから、リアリティ面にも響いたのが、レイリアの飛び降りシーン。ようやく我が子と対面して、直前では子供を抱きたいと言ってクリムを拒絶していたこともあったのに、なぜスルーなんだと。竜に助けられたのも見ていた時には全く偶然と思いましたしね。後から考えると、レイリアは「あなたたちのことはヒビオルに織らない」と生きることを前提の発言をしているので、レイリアにはマキアが竜で助けにきてくれたのが見えていたと解釈するのでしょうね。それでも、竜に乗れる保証はない状況で飛び降りれるレイリアは凄すぎです。

母子の愛情は、母からの無償の愛にも感動しましたが、子の側のその受け取り方、成長に応じた関係性の変化なども心情描写とともに細やかに描かれていました。お互いの思いの行き違いで、エリアルは、マキアのことを母親とは思っていないなどと言って、家から出ていってしまいます。そして、仕事に就き、結婚もして父親になるというところで二人は再会。

マキアが何て呼ばれてもいいと言った後の、エリアルが「母さん!」と叫ぶシーンは、本作屈指の名場面だったと思います。母親でいることを貫いてきたマキアにとって、本来は嬉しい言葉ですが、相手は父親になった大の大人。子離れをしなければならないと思ったのか、複雑な表情をして別れを選びます。

情感面の話、実は中盤まではそこまで盛り上がりがありませんでした(ほっこりの状態が長かったのですが、その時点でも近くの男が泣いている様子で、今の泣きポイントだったの? と思っていました←後から考えると2回目とかだったのかも)。しかし、終盤は怒涛の追い上げで、結果的には久しぶりに涙腺崩壊しました。

エリアルの死期に立ち会ったマキアは、いまだ妖精のような美しさで神々しかったです。生活感もしっかり感じさせる地に足をついた物語でしたが、最後に神話になったような、充足感に満ちた作品に映りました。

タイトルの約束の花はタンポポで、タンポポの花言葉には「真心の愛」などあるのですが、綿毛は「別離」。別れは、現在の場所から巣立っていく人に贈る前向きな言葉にもなります。マキアの最後のシーンの言葉にも表れていましたが、別れを力強く肯定することがこの作品のメッセージと受け取りました。

岡田麿里氏の初監督作品というのも話題でしたね。同氏が脚本を手掛けた作品では、あの花、ここさけ、(全話でなければ、)とらドラ!、さくら荘、絶園のテンペスト、凪あす、花咲くいろは、など見てきていますが、個人評価を調べてみると、3.8~4.5と凡作はゼロ、並作すらほとんど出さない優良クリエイターさんです。スタッフに恵まれたことももちろんあるでしょうが、いきなりこのレベルの作品を送り出してくるとは…。今後のご活躍を期待しています。{/netabare}

【ネタバレを含む感想2】(2回目鑑賞後)
{netabare}同じ映画を2度も劇場で見たのは初めてです。自身で高評価をつけながら、調整すべきか考えていたのと、1度ではわからない場所があったので。

情報を何も入れずに見た初回と比べると、かなり理解できました。疑問点や新たな発見について、箇条書きにしてみます。

<なぜレイリアはダイブしたのか>
{netabare}初見時の一番の疑問点でした。直前まで、子供に執着を感じさせる発言をしていたので。
まず、ダイブ直前にマキアが「レイリア、跳んで!」と叫んでいて、建物と思える白壁に大きな影が動く描写がありました。レイリアがそれを確認できていたかはまだよくわかりませんでしたが、それに気づいていて、死のうと思って跳んだわけではないのでしょう。

一瞬のうちにメドメルと別れを選んだ理由は容易に消化できるものではないですが、成長の早さを見て、既に子供の成長過程において、自分の存在が意味を持っていない(ヒビオルに織られていない)ことを悟ったということでしょうか。事実、メドメルは母が飛び去っても泣きもしなかった、そういう関係性になってしまっていたわけで、自分だけが一方的に子供に依存する関係になりたくないと思ったのではないでしょうか。

「私のことは忘れて! 私も忘れるから」と気丈な発言をしながら、レナトの上では忘れられるわけないというマキアの言葉に涙する形で締められていましたから。{/netabare}

<イオルフの一族はどうなったのか、レイリア以外の捕らえられた女性は?>
{netabare}レイリアとマキア以外の女性がどうなったのかは描かれていません。

メザーテ軍が襲撃時に「抵抗するならいっそ切り捨てて構わない」と言っているので、抵抗して殺された者も多数いたのではないかと思います。連れ去られた他のイオルフたちは、あえて描かなかったのだと思います。

エンドロール後に一枚絵で、滅んでいないことを示していました。{/netabare}

<クリムについて>
{netabare}本作で一番救われないキャラクターがクリムでしょう。しかし、時の流れがあらゆる関係性を変えていく本作において、その変化に抗った存在として仕方のない結末でした。初見時にはマキアに恨み節を吐いたり、レイリアと心中しようとしたりする、仲間とは思えないキャラでしたが、2回目では、彼があらゆる手で恋人を奪還しようとしていて(別の作品であれば、イオルフの正義のヒーローとして描かれたでしょう)、美しい悲劇に同情します。{/netabare}

<シーンが飛び飛びでわかりにくい>
{netabare}2回見るとほとんど違和感がなくなりました。初見時はマキアを連れ去ったのが誰なのかわかりませんでしたが、クリムでしたね。でも、そこからマキアの髪を切るまで何をしていたのかはいまだによくわかっていませんが。

初回で全て理解するのは難しいのは減点要素ですが、劇場の尺まで徹底的に無駄を削ったのも、芸術性を重視する私にとっては良かったです。必要なシーンは描けていたと思うので。{/netabare}

<バロウが長老の子どもである説について>
{netabare}「外の世界で出会いに触れたなら、誰も愛してはいけない、愛すれば、本当のひとりになってしまう」とマキアに話していた長老。イオルフの掟だと思っていましたが、レイリアかクリムの言葉では、よく長老が言っていたことという表現だったと思います。

そして、イオルフの集落にいなかったイオルフであるバロウ。彼はマキアのことを知っていて、その後、メザーテでマキアのことを助けてくれ、ラシーヌと呼ぼうとした後に長老と言い直したり、最後にも登場します。

そこで、バロウは長老の子どもという説があります。直接的に描かれている場所はありませんが、裏設定としてその可能性は十分にあると思います。長老の愛した人は悲劇に遭い、子供もイオルフの集落に受け入れられなかったことを想像すると、より深い物語性を感じられます。{/netabare}

<マキアとエリアルの恋愛感情について>
{netabare}これも、人によって全く捉え方が違うようです。私は両者とも恋愛感情に至らなかったと思っています。酔っぱらったエリアルがキスをせがむシーンはありましたが、子どもの頃にしていたのはおでこのキスなので。お互いにお互いの関係性がよくわからなくなってきていたことの表れのひとつと捉えています。{/netabare}

他にも、ラングやイゾル視点でも心情描写がされていたり、2回見ても満足できる作品でした。{/netabare}

(参考評価推移:5.0→5.1)
(2018.3劇場にて鑑賞)

<2018.7.28追記>
遅ればせながら、上海国際映画祭におけるアニメーション最優秀作品賞(金爵奨)の受賞、おめでとうございます!

本作は円盤購入を考えていますが、10月26日発売とのこと。結構引っ張りますね…。
映画のパンフレットがすぐに売り切れになってしまい、後日、P.A.WORKSのネットショップで追加販売されたようですが、私が気づいた時(数日で)には完売とどっぷり嵌ったファンが多数いるようで。かく言う私もその一人でして、円盤購入(縮刷版劇場パンフレット)でゲットしようかなと思っています。

<2019.1.9追記>
2018作品ランキングの1位にした作品で、レンタル開始後に視聴された方の評価を見るに過大評価だったかなと思ったりもしましたが(私は作品の芸術性を評価しているので、物語が完成された作品(短いほうが有利)が点数は高くなりやすい)、やっぱり本作は大好きでして。115分でこれだけのものが創作されたこと、マリーをはじめ制作陣に感服です。

テーマはわかりやすいし、ストーリーも言葉にすれば単純で、ラストがどうなるかもすぐに予測できるものです。しかし、登場人物の人間関係の変化や、マキアとレイリアの対比等を巧みに使った設定があり、演出も全体的に素晴らしいです。

心情描写の好きな方や、シリアスな作品が好きな方におすすめ。私は感動をウリに宣伝するつもりがありません。{netabare}最終盤の回想シーン{/netabare}により涙を強要してくる作品と言われる節がありますが、そんなところは付随的な部分で。

例えば、{netabare}幼児のエリアルに当たってしまい(育児における悩みあるあるです。もぞもぞ虫遊びの使い方も良かった)、出て行ったエリアルを探して見つかった時の安堵(大雨で水嵩が増した水路を映すシーンでマキアの恐怖を共感){/netabare}といった場面だけでも込み上げるものがあります。

初見の方の多くは{netabare}レイリアのダイブが理解不能となっていそうですが、自分が思い続けてきた子の中に、自分が存在しないことがわかる場面なんて容易に想像できないし、仮にあれが身投げであったとしても、説明できなくはないかなと。{/netabare}

ファンタジーが舞台ながら、人間にとって普遍的なもの(「愛」が当てはまると思いますが、尊く重たいもの)を扱っていて考えさせられつつ、視聴後に心が洗われるような作品。いや、あまり視聴のハードルを高めたくないので、むしろ感動できるよ!と軽く薦めるべきなのか(笑)

本作は視聴者が少ないのが残念でもったいないので。

<2019.1.28追記>
今回は、購入していた円盤を最近視聴したことに加え、以下のレビューを読んで思うところがあったので追記します。既に視聴している方は参考に読まれてはいかがかと思います。

「ナナメ読みには最適の日々」
⇒http://ishimori-t.hatenablog.com/entry/2018/03/16/085105

{netabare}私が理解したところを大まかに言うと、本作は「物語についての物語」であり、物語の語り手であるイオルフが語られる側の人間と関りを持つ構造になっている、というレビューなのですが、結構説明できていて、こんな見方があるのかと唸ってしまいました。

本作は物語を創る職業である脚本家の岡田麿里氏が、全てを出してほしいと言われて監督を志願し、創り上げた作品です。物語の語り手を暗に登場させている可能性はあり得ますし、作者は世界の生みの親ですから、それが親子の関係により描かれるのは自然です。ついでに、クリエイター側に共感できる私が惹かれた理由の説明にもなっています。

まず、ヒビオルについて。本作は色々と独創的なモチーフがあって、流し見しようものならすぐについていけなくなる危険があるのですが(このわかりにくさが評価を下げる一因となっている)、その最たるものがヒビオルです。これを削らず、ネーミングも一般的にせず、物語で何度も登場させ、エンドロールでヒビオルを織るシーンを流した作者の意図は考えられるべきでしょう。

ヒビオルは単なる美しい布というだけではなく、言葉を織り込むことができます。縦糸は流れゆく月日(時間)、横糸は人の生業(出来事)ということで、日々を紡いでいくという設定です。初見時の感想において、私はヒビオルをイオルフそれぞれの「日記」(自分史)のようなものと受け取りましたが、これを脚本家(P)それぞれの「物語」と訳してみます。

高値で売れるので、イオルフの民はこの機織りを生業としているように描かれていますが、ヒビオルと同様の織物がイオルフ以外に作れない説明はないですし、教えればエリアルのように人間にも織ることが可能です。

この点、脚本家は物語の語り手であり、物語ることを生業としている。物語の世界とは一線を画し、当然、物語世界の住人よりも長く生きることができると当てはめて解釈することができ、前述のレビューのとおり、禁忌との関係で捉えることも可能です。マキアの神出鬼没さも、語り手側ゆえかもしれません。

マキアはエリアルと出会い、彼を私のヒビオルと言います。初見時の解釈(=日記)ではここを理解できず、大事な物という意味もあるのだろうとうやむやにしましたが、マキアにとっての物語と読むとスムーズです。その後、マキアが織物であるヒビオルを織るシーンは削られておりほとんどなく、エリアルが成長するまでの時間を共に過ごし、終盤手前の再会時に、自分を織りあげたのはエリアルだと言います。

ここを訳すと、マキアのヒビオル=エリアルを主人公とした物語=マキア自身、となり、物語の作者は、自らが生み出した物語によって、作者自身が作り上げられているという関係性を表わしていることになります。岡田氏がそのような意図を込めていたかはわかりませんが、岡田氏にとって自身が創った物語は自身の人生の一片であり、そこに関係した存在(物語世界を含む)への感謝を作品に乗せていることは推察されます。

ヒビオルのエンドロールは、この作品が物語の物語であることの暗喩であるとも、この物語が続いていくことを単に表現したとも、視聴者も各自の物語を紡いでくださいというメッセージとも、自由に捉えられるように思いました。

様々な視点で解釈ができる作品ですね。個人的には、結局のところ脚本家にとどまらず、視聴者自身が自分の人生における物語をヒビオルに当てはめて視聴することを許容している作品だと思います。

ついでにレナトという名の竜について。これも、単に竜などの名称を使わなかったことに意味があるはず。

レナトは、「生まれ変わる、再生する」を意味するラテン語「レナトゥス」に起源を持ち、古代ローマ初期よりキリスト教徒が用いてきた名前から連想され、古代から神聖とされた存在の象徴として命名されたとも考えられます。
{/netabare}

<2019.3.8追記>
今週月曜に有楽町のマルイで開催されているさよ朝展を見てきました。一部、撮影可能だったので美しい背景美術等、カメラにおさめてきました。
劇場では完売していたグッズなどの販売もあって、クリアファイルを購入させていただきました。

さて、ネット上のレビューで私が最も共感したもののリンクを掲載して、取りあえず本レビューは終了としたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。(リンク切れだったので修正しました(2019.9.16))

「『さよならの朝に約束の花をかざろう』を観て、「"物語"とは何か」について考えた」{netabare}
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886369977/episodes/1177354054886374977
{/netabare}

<2020.3.20追記>[New!]
公開から2年以上経ちましたが、いまだに予告編PVを見たり、Yahooのリアルタイム検索で「さよ朝」を検索しています。遅れて視聴した方の反応は概ね良好で、ドリパス(リクエスト投票数が多くなった映画を劇場で上映するもの→https://www.dreampass.jp/m361183)では今年2月に上映を達成したところ、既にまた7位まで上がってきています。
劇場で鑑賞したい方はお見逃しなく(本作は劇場をおすすめします)。

投稿 : 2022/09/24
♥ : 77
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

いのちを紡ぐ

P.A.WORKS制作、
岡田麿里、監督・脚本作品。

人里離れた土地でヒビオルと呼ばれる布に、
日々の出来事を織り込みながら静かに暮らす。
10代半ばで、外見の成長が止まり、
数百年の寿命を持つイオルフの民の物語。

幻想的な世界でありながら、
緻密な構成と書き込みの密度が高く、
臨場感あふれる世界観に圧倒されます。
見た目はさほど変化せず悠久の時を生きる、
イオルフの少女マキアは運命に翻弄されて行く。

愛すれば、やがて1人になる。
この道はきっと「孤独」に繋がる。
{netabare}肯定されるべき感情がここではそうならない。
死なない身体とはそういうことだろう。
多くの別れを見送って、
それでも時は立ち止まらずに進んで行く。{/netabare}

いのちを繋ぐこと、紡ぐこと、
懸命に生きる人々の呼吸に満ちている。
愛すると言うこと、子を育てること。
{netabare}躊躇いはやがて尊い「生」の肯定へと至る。
生きるということはそれ自体が学ぶことだ。{/netabare}
きっと物語は終わらないだろう。

そうだ、愛して良かったのだ。

投稿 : 2022/09/24
♥ : 82
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

時を越えて君を愛してみた

岡田麿里初監督作品 / 劇場版オリジナルアニメ


ふと映画を観たくなったもので。
『あのはな』地上波再放送中。2019年夏期『荒ぶる季節の乙女どもよ。』でシリーズ構成担当中。新作映画『空の青さを知る人よ』も控えてる。氏の作品の露出が多くなってる最中で手を出してみました。

映画は引き算の作業。TVシリーズと比べ尺の関係で観客に解釈を委ねるものが少なくありません。こちらは想像と妄想の翼をいくらでも広げることができますし、鑑賞にあたってはフラットな視点で楽しむことが肝要かと思います。
とりわけ、「泣ける」「感動した」との評は処し方が難しい。「泣ける」「感動した」は感想を持ちよって共有するのに適していて、鑑賞前の指標とするのはあまり得策ではないと個人的には思ってます。想像と妄想の翼が上手く広がらなくなる恐れがあることが理由です。
なんのことはありません。要はこれまでよく失敗をしてきましたよ!ってことです。ハードル上がりまくってませんか?これw


そして『さよ朝』は劇場版の良いところである “ 説明がうるさくない ”ことを満喫できた作品です。
これからの方は、“めっちゃ綺麗な映像”“物語を邪魔しない劇伴”“キャラに合う声優の選択”。この3点において高いレベルの作品である、を理由に鑑賞の優先順位を上げて良いと思います。


中身はファンタジー。イオルフという長命種族の少女マキア(CV石見舞菜香)とその息子で人間のエリアル(CV入野自由)を中心とした物語です。
親子の愛。愛あるが故の葛藤に心を揺さぶられますが、おそらく監督が描きたかったかもしれない


 “ 時間は有限であるからこその尊さ ”


に説得力を持たせるには齢400年余のファンタジー設定は不可欠でした。ゴリゴリのCG使った実写でも不可能ではありませんが、アニメだからこそ成立し得る傑作といって差し支えないかと思います。

丁寧に親子の感情の揺れを綺麗な映像に落とし込みながら、私達が無為に過ごしているかもしれない“時間”について思いを馳せるところまで踏み込んだ内容となっています。

大切に想う者同士を隔てるもの。それは互いの残された時間の差。


 あなたは先逝く者にどんなことを伝えたいのだろうか?
 あなたは先逝く身としてどんなことを伝えたいのだろうか?
 あなたは残される者として何を自分に留めておくのだろうか?
 あなたは残される者へのどんな想いを胸に抱き旅立つのだろうか?


けっして軽くない題材を扱いながらわりと俯瞰的に捉えた抑えめ演出だったことが意外であり印象に残りました。あの岡田さんがってやつです。


ファンタジー大作。とりわけ実写だとアクロバティックにドラマティックになりがちなわけで、もし『さよ朝』が仰々しい演出全開だったら持ち味がだいぶ削がれてしまったことでしょう。
そんな繊細なバランスの上に成り立った115分。お薦めです。





※以下ネタバレ所感

“ 時間 ”に絞って本編の良かったところ


■機を織る民

{netabare}中島みゆき『糸』。ap bank bandがフェスでカバーしてブレイクしたあまりにも有名なこの曲。映画冒頭で脳裏をよぎった人は私だけではありますまい。
「縦の糸はあなた 横の糸は私」と二人の繋がりを唄い、ハッピーエンドを示唆して閉じる名曲です。
これだけでも深みはあり一本映画ができそうですが、…といってたらホントに2020年に『糸』から着想を得て一本封切られるみたいですw

本作ではさらに

{netabare}「縦糸は流れ行く月日 横糸は人のなりわい」{/netabare}

時間軸の要素を入れて織り成し加減が複雑になります。というより「あなたと私」を見せてさらに「時間と私たち」を見せる仕様。筋が通ります。
長老ラシーヌ(CV沢城みゆき)がメザーテ軍人イゾル(CV杉田智和)に対し「布を織り日々を織る単調な繰り返し」と言ったイオルフの生活はいわば

“縦糸は日々を織る 横糸は布を織る”

とも置き換えられるでしょう。布=人のなりわいです。“ヒビオル(布)”がマキアにとってどれほどの意味を持っていたのか察して余りありますね。
ヒビオルがいろんなとこで暗喩的に使われてました。いいっす。まじいいっす。{/netabare}

そしてよく115分に纏められたなというくらいの壮大さ。



■体感時間の差異

物語のテーマが“流れゆく月日と人のなりわい”だとしたら、その時間と人を描くための主たる要素となったのが“体感時間の差異”でしょう。

{netabare}レイリア(CV茅野愛衣)とクリム(CV梶裕貴)の行き違いなんかがそう。

レイリアの意に反して交わらざるを得なかった人間だ、とのクリムの見立ても間違っていません。同一種族でまた平和なあの頃にと思う彼を責められはしないのです。
レイリアが経験してクリフが経験できなかったこと。それは自分より寿命の短い人間つまり娘メドメル(CV久野美咲)を愛するという体験です。

映画冒頭から劇中の時間はおおむね20年経過してた頃合いでしょうか。イオルフと人間との間には時間の捉え方にずれがあります。
イオルフ、ここではクリムにとっては瞬間であったろう20年間。目の前で最愛の人をさらわれたのはついこの間という感覚のまま、そしておそらくレイリアの心境の変化を理解できぬまま斃れたクリムがただただもの悲しいのでした。
人間のライフサイクルさえ知っていればレイリアへの声のかけ方も違うものになってたでしょう。{/netabare}


{netabare}イオルフのレイリアは人間の子を宿しました。
イオルフのマキアは人間の子を育てました。
人間のディタ(CV日笠陽子)は人間の子を産み育てました。

3つの異なるタイプの母親が登場します。ずっぷり関わったマキア。娘を拠り所に孤独を慰めたレイリア。私たちとおんなじディタ。

異なる体感時間を持ってようが、いくら孤独を恐れようが、母から子への眼差しはとことん暖かいことに普遍性を感じます。
イオルフに感情の起伏がないように見えたのは寿命の長さが関係しているはずですね。時間は限りあるからこそってやつです。{/netabare}



■別れが来るから 情が移るから

{netabare}愛する人を必ず先に見送らなければならない(単身者向け)

我が子を必ず先に見送らなければならない(家族持ち向け)

彼女もいない俺はどうすりゃいいんだー(・。・; ・・・という話ではありません。
出会いがあれば別れがあるわけであります。
そのつらい別れを自分が経験することが確定しているとわかりきってるのに踏み込みますか?踏み込めますか?を突きつけられる作品でもあります。

作品で出された答えは明快です。

 A 踏み込むでしょう!

時間は有限であるからこそ人は一生懸命生きるのだよ、ってね。{/netabare}

{netabare}そのメッセージは明快かつ前向きです。
ハーフのバロウ(CV平田広明)さんの締めが良い!

「(長老は)笑うだろうよ。おまえが苦しいだけじゃない別れを教えてくれたことが嬉しくってな。」{/netabare}





繰り返し観たいと思える作品でした。

 感動したか? 
 泣けたか?

いにしえのドラゴン“レナト”よろしく赤目病に罹ったかのように目を真っ赤にはらしてたかと。
こういった時間という縦軸で魅せる作品に自分はめっぽう弱いのです。






■オマケ
・ヒビオルは高級品に納得

{netabare}エリアルと出会った時に彼を包んだヒビオルを時は流れて看取る時にかけてあげてましたがものすごく耐久性良いですね。{/netabare}


・配役ミス?

杉田さんが出てくると真面目なところもそうでなく見えてしまい残念な気持ちに。沢城さんと掛け合うとさらにその思いを強くしますね~



視聴時期:2019年9月

--------
2020.03.18
≪配点を修正≫ +0.1



2019.09.15 初稿
2020.03.18 配点修正
2021.08.14 修正

投稿 : 2022/09/24
♥ : 71

88.3 14 劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ(アニメ映画)

2013年4月20日
★★★★★ 4.1 (2560)
13382人が棚に入れました
「狂気のマッドサイエンティスト」を自称し、いまだ厨二病をひきずる大学生・岡部倫太郎。秋葉原の片隅、「未来ガジェット研究所」で偶然、過去へと送信できるメール「Dメール」を発明してしまったことから、彼とその仲間たちは世界規模の大事件に巻き込まれることになる。

「シュタインズ・ゲート」は、タイムパラドックスにより引き起こされる悲劇と、それに立ち向かう仲間たちの絆を描く物語である。

声優・キャラクター
宮野真守、花澤香菜、関智一、今井麻美、後藤沙緒里、小林ゆう、桃井はるこ、田村ゆかり
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

紅莉栖祭り!ヽ(=´▽`=)ノ

SG世界線に到達してからちょうど1年後の8月。
α世界線とβ世界線を漂流していた記憶がフラッシュバックする岡部倫太郎。
SG世界線とα世界線・β世界線との記憶が混在した岡部倫太郎は突如SG世界線から消失する。


*映画のDVDが12月3日に決定~★^^
*それまで待てません・・・!
*当然初回限定盤買いまふ♪


■劇場版
{netabare}
映画版、すごい迫力でした。
さすがの宮野さん(*´∇`*)
そしてフラッシュバックするα・β世界線での惨劇も迫力大です。

そしてそして、フェイリス・ニャン・ニャンの{netabare}「見つめながらまぜまぜ」 {/netabare}の破壊力は超絶www


映画版は、くりすが大活躍でした。アニメ版では、岡部がタイムリープして世界線を漂流しましたが、今回は立場が逆で、くりすがタイムリープして世界を変えようとしています。くりす派の私としお腹一杯です^^


岡部を取り戻す方法は{netabare}2005年にタイムスリップして岡部のファーストキスをくりすが奪う{/netabare}ことでした。


{netabare}鳳凰院凶真の設定を教えたのが、くりすということ{/netabare}になったので、「過去を変えずに結果を変える」という条件は満たせたか難しいところですが、結果として {netabare} 岡部=鳳凰院凶真{/netabare}は変わらないのでOK?


今回、岡部を取り戻す方法を見つけるのはかなり難しかったですね。


というのもアニメ版と異なり、{netabare} 「Dメールを送って過去を変えた結果、世界線が変わり、その結果、まゆしーが死んでしまう」というような因果関係{/netabare}がなかったからですね^^;


とはいえ、岡部が消えてしまった原因は {netabare} 未来から来た鈴{/netabare}があっさりと教えてくれたので、岡部を取り戻す方法は、 {netabare}①岡部の混線した記憶を消すか、②SG世界線の強烈な記憶を上書くか{/netabare}に絞られて、劇中では後者の方法をとることになったみたいです。


最終的にとった行動は {netabare} 2005年にタイムスリップして岡部のファーストキスをくりすが奪う{/netabare}ことでしたが、これは{netabare}①ファーストキスを奪われた=強烈な記憶を植え付ける、とともに②SG世界線をα・β世界線と異なる世界線として岡部にきちんと認識させる{/netabare}ことにもなってるんですかね。

というのも、{netabare} くりすが2005年に来ている{/netabare}ことは、α・β世界線では起こりえないはずだからですね^^


色々考えながら劇場版楽しめました^^
まだ原作やってないので原作買おうかなぁ
{/netabare}

■DVD
やっと発売されましたDVD。初回限定盤を買いました~^^
{netabare}
劇場版はニヤニヤ展開が多いですね^^
そしてアニメ24話分を知っているとグッとくるシーンが多いです。
やっぱり「目を見ながらまぜまぜ」は名シーンです(笑)^^

ドラマCD「現存在のアポステリオリ」でのダルと鈴羽の会話シーンは思わずクスリとしてしまいました。

劇場版以外にもたっぷり楽しめる特典版です^^
{/netabare}

投稿 : 2022/09/24
♥ : 162

ももくさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

この作品が批判される意味がわからない、本当にすばらしい作品です!!

レビューがあまり良くなかったので期待せずに観に行きましたが・・・

「すばらしい!」

観に行こうか悩んでいる人がいれば絶対に見たほうが良いと勧める!!!




ネタバレを避けたいので・・・ぼんやりと。

良い点は

◆物語がアニメ版同様きちんと練られている◆

アニメを見たときからストーリーが神だと思っていたので、その部分が劇場版でも劣っていなかったから良かった~!話の運び方もアニメと似てる気がするなー


悪い点は

◆説明が足りて無さ過ぎる◆

難しめの話なので私は理解するのに時間も説明ももっと必要だなぁ・・・。映画見て時間経ってから理解が徐々に追いついていくのは私が馬鹿だからなのか・・・??





笑いあり感動あり絶望あり(!)のシュタゲらしい作品。
とりあえず「すばらしい!」の一言に尽きる。
とある魔術のインなんとかさんの映画の100倍面白いw

もう一回観に行きたいなー。

投稿 : 2022/09/24
♥ : 17

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

プロットはすごく良かったと思うのですけどぉ・・・

まず注意したいのが原作やテレビシリーズを知らない人が観ても1ミリの得にもならない仕様であることです
オカリンと共に壮絶なループの繰り返しを経てその先に待つシュタインズ・ゲート世界線へと辿り着いた者だけが観ることを許される映画だということをご承知下さい










2011年8月
Dメールやタイムリープマシンを巡る事件から1年、秋葉原の未来ガジェット研究所では帰国した牧瀬紅莉栖を迎えるパーティーが開かれていた
しかし事件の真相をただ一人記憶する特異点、「リーディングシュタイナー」の持ち主である岡部倫太郎は、1年前の壮絶な時間旅行の経験からなのか、かつて体験したいくつもの世界線の様子が突然フラッシュバックする異変に苦しんでいた
初めは妄想か白昼夢だと気を落ち着かせる岡部だが徐々に現実との区別がつかなくなっていき重症化してしまう
しかしそれは虚構などではなく並行するいくつもの世界線が見せた別の現実
それらが特異点である岡部に負荷となって集中し、「岡部のいない世界=r世界線」へと岡部を強烈に引き込もうとする力だった
リーディングシュタイナーの片鱗である「デジャヴ」という形で別の世界線での体験を記憶していた牧瀬紅莉栖はただ一人異変に気付き、封印されていたタイプリープマシンを完成させ岡部の消失を喰い止めるべく孤軍奮闘する・・・










と、プロットだけなぞるとすごくwktkモノの傑作
特にオカリンの人格形成にまつわる過去のターニングポイントに、実は某人物が関わっていたことが明かされるところなど良く考えたものです
ただ残念に、単に映画として雑だったと感じてます


前半はオカリンのモノローグで始まっておきながら、後半では主人公はすっかり紅莉栖へバトンタッチしてしまっており、のめり込み感を削いでいる
尺が90分もあった割りに肝心要のオカリンの過去への伏線の弱さ
オカリンと紅莉栖以外のラボメンの出番が少ないなど


ハッキリさせたいのですが、多くの方が心配なされている蛇足だったか?という点は否定しておきます
ただ結局シュタゲの面白さって伏線の回収、回収、また回収ってところだったじゃないですか?
2年近く待たされていることと劇場版であるということもあって期待値が高かっただけに、落胆する部分も多々あったというのが正直な気持ちです


ええ、ですがギャグパートはよかったですよw
それと紅莉栖と鈴羽のやりとりも聞き所


ファンなら必視、というほど大袈裟な言い方も出来ないのですが「完全新作オリジナルストーリー」と大見得切っただけあって先にも言った通りお話のプロットは悪くなかったです
でも先日ぱるたんに「花いろ、AURA、シュタゲ、観るならどれ?」と聞かれた時「花いろ観ろ」と即答してしまいましたw
暇なら是非全部観てあげて(爆

投稿 : 2022/09/24
♥ : 54

88.2 15 耳をすませば(アニメ映画)

1995年7月15日
★★★★☆ 4.0 (1422)
9676人が棚に入れました
読書好きの中学3年の月島雫は、父の勤める図書館へよく通うが、自分の読む本を全て先に借りて読んでいる「天沢聖司」の名前に気がつく。その天沢聖司が同級生だと知るのに時間はかからなかったが、天沢聖司のことが何かと気になる雫。
ある日、図書館への道で変な猫を見つけ、その猫を追いかける。猫は小さなアンティークショップ「地球屋」へ入っていき、雫は店で老人・西司朗と出会う。西老人は聖司の祖父で、彼は地下の工房でヴァイオリンを作っていた。聖司はヴァイオリン職人になるためにイタリアへ留学したいという夢を持っていた。確固たる目標を持っている聖司に比べて、何をするべきかが分からない雫。雫は自分の夢を求め、物語を書き始める。

声優・キャラクター
本名陽子、高橋一生、立花隆、室井滋、露口茂、小林桂樹
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

懐かしかったり、心が痛くなったり

2017年の金曜ロードショー冬のジブリ三作品もこれで終わりです。
{netabare}
この作品は三回ほどしかみたことのないのですが、
そのときは、「よく分からない」というのが、正直な感想でした。
もしくは、恋愛の部分や綺麗なシーンだけを楽しんでいたのか…


では、少し大人になって、この作品をみたわけですが、
主人公雫の中学生時代の青春が描かれていて、
意味がわからなかったことも、少し理解できたように思えます。

カントリーロードの歌を聞くと、どこかノスタルジックで、暖かく、
帰りたいような気持ちになります。
そして、バイオリンを弾く聖司と雫が一緒に歌うシーンが楽しげで、
大人になってもこの思い出を雫はずっと覚えているのだろうなと、
それほど、大切な時間のように感じました。

何故天沢聖司を雫が好きになるのかわからなかったのですが、
素敵な人という想像から、実は意地悪な同級生で、
目標が決まっている少し大人びた感じの印象にかわっていきます。
貸し出しカードの中の理想の憧れから嫌悪の対象、
そして現実的な憧れに雫の中で聖司の立ち位置が変わっていくのがわかりました。

雫が小説を書く理由についても、憧れの人に少しでも近づきたいという気持ち、
自分になにかないかという悩みのなかにある不安定な状態、
小説という自分の好きな事に関わりたいという願望…色んな思いか重なって、
夢中で書いていたのですね。

そして、現実を差し置いて自分がなりたいものになろうとする雫を少しだけ家族が諌めて、
止めはしないという優しさ。
「人と違う生き方はしんどいぞ」と父親は雫を止めはしないけど、
雫のやりたい事へ覚悟をしなさいというその言葉、
普通のお父さん像を持ちつつ理想的な父親を示したように見えます。

そして、今回こういうことだったのかと感動したのは、
雫が小説を辛い状態で書ききったこと。父親の言った通り、しんどい事になった。
好きな人は側にいない、今まで一緒だった姉はいない、
自分の能力の限界を感じながらも、迫る締め切り。
少し広くなった部屋で寝転がりぼーっとするその姿には、
ぎりぎりで保っている感情を感じました。
それでもやめることは自分の才能を諦めてしまうから、やめたくない。
時間がない中で書ききった小説は支離滅裂だと自覚するような作品。

雫作品を映像化したシーンでは、雫の心の浮き沈みがはっきりと現れています。
最初はバロンが「行こう!~してしまう前に!」と、
せかすように作品世界に飛び込んでいく主人公は、
まさに小説書きに夢中になっている雫の心を表しています。
また、主人公が見つけたと思ったその宝石がネズミだったのは、
自分の才能を無我夢中で探していた雫が、
自分の中にある「自分は才能がないんじゃないか」という恐怖の現れではないでしょうか。

不安をずっと抱きながら書ききった物は、支離滅裂、絶対駄目だと思ってい0たのに、
古道具屋の西さんは「よく頑張りましたね、あなたは素敵です。」といってくれた。
自分がもう書くことを続けられない、才能がないという恐怖からやっと解放されて、号泣。
ようやく雫が泣いた理由がわかった気がします。

そして、才能に向き合うその姿に、自分の中学生時代を思い出して心がいたくなりました。
雫ほどちゃんと向き合っている人はそうはいないでしょう。
自分の限界を知って、次になにをすべきかわかった雫はとても大きな成長をしていますね。

{/netabare}

総評
何になりたかったわからなかった雫が、熱中するものを見つけて、
大きな成長を遂げるその姿に、同じく何になりたかったのかわからなかった時期を重ねて、
心が痛くなったり、少し甘くて青い恋愛劇に恥ずかしさを感じながらも、
楽しくみれる作品でした。

そして、カントリーロードに感じる、ノスタルジックな雰囲気が、
心を穏やかにしてくれて、青春時代の思い出のような作品だと感じました。

投稿 : 2022/09/24
♥ : 60

りんご さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

お前を乗せてこの坂上るって決めたんだ!

高校時代、好きな人が自転車で私を後ろに乗せて上り坂を立ちこぎした時、これを真似て言われた時はときめいた。

人生の分岐点を迎える前に、この作品をきちんと理解していれば良かった。
考える時に考えないと、後戻りできない。
やりたいことを見つけたら、夢見るだけじゃなくて、どうしたら実現できるのか、それは現実的なのか、ちゃんと考えなきゃダメだった。

ただの恋物語じゃない。
自分の生き方をこの歳で考えられるってすごく大人だと思う。

あ、そうそう。鍋焼きうどんがおいしそうだよね。

投稿 : 2022/09/24
♥ : 10
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

目をすませば

ジブリ作品。
原作は漫画なんですね。
初めて知りました。


主人公は中学生の月島雫(つきしましずく)。
本の虫の彼女は、図書カードに、天沢聖司(あまさわせいじ)の名前を見つける。
どんな人物なのかと思いを馳せる雫。
ある日、ふとした巡り合わせで、彼と出会うことになる。
甘酸っぱい青春恋愛ストーリー。


詩を書いてみたり、街を旅してみたり。
歌を歌ってみたり、夢をもってみたり。
恋愛してみたり、恋愛してみたり。

初めて見たのは、私も中学生のころだったかな。
「リア充爆発しろ」なんて思っていました(そんな言葉はなかったけど)。

青春しまくってるんだもん。
そんな姿を見てだれがいい気分になるんだと。
描写がリアルなだけに、登場キャラへ嫉妬していたんですね。


ところが今見返すと「若いっていいなぁ」という感想に。
やりたいことを全力でやっている姿が輝いて見えます。

全111分の中で、ピョンピョンと青春の階段を駆け上がっていく。
あどけなさを残しながらも、{netabare}将来を誓い合う{/netabare}というオチ。
非現実的な調子の良さが心地よく感じます。
登場人物を「他人」ではなく「自分の代理」として見られるようになったからだと思います。


嫉妬から同調へ。
そんなふうに視点や観点は変わっていくものだと気づかされた作品でした。

投稿 : 2022/09/24
♥ : 70

88.1 16 聲の形(アニメ映画)

2016年9月17日
★★★★★ 4.1 (1443)
7097人が棚に入れました
聲の形」は、聴覚の障害を持つ少女・西宮硝子と、彼女へのいじめに加担していた過去を持つ少年・石田将也の物語で、2人の衝突や再会を通して、孤独や絶望、愛などが描かれている。

声優・キャラクター
入野自由、早見沙織、悠木碧、小野賢章、金子有希、石川由依、潘めぐみ、豊永利行、松岡茉優
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

障がい、いじめ、生と死、そして母の愛

原作未読。
劇場でも視聴しましたが、いろいろと考えさせられることの多い作品だったため、繰り返し視聴してからレビューしたいと思い、BD購入後のこのタイミングでレビューします。

【初めに】
この作品は多くの方に見て欲しい作品です。
高校生の恋愛物語なんかじゃありません。
障がい、いじめ、生と死、母の愛・・・。重いテーマを次々と投げかけてくる作品です。
そして、見終わった後、色々と考えさせられる作品です。

様々な思いの中で、少しずつ成長していく石田将也、西宮硝子、西宮結絃、そして植野直花が見どころです。

【物語】
これだけ重いテーマをよくも2時間の枠に収めたな!と感心するくらい良くできていると思います。
時間の都合上、少々強引な展開もありましたが、それをマイナス要素とするのは酷でしょう。

【作画】
京アニですからね、全く問題無いでしょう!(笑)
特に花火のシーンは鳥肌ものでした。

【声優】
なんといっても早見沙織さんでしょう。
硝子が言葉を発する度に鳥肌が立つほどの怪演。
{netabare}小学生のころ、将也と取っ組み合いの喧嘩をした硝子が発した言葉が、最初に劇場で視聴した時には理解できませんでした。
BDで繰り返し視聴をして、『頑張って!』と聞こえた時には感動しました。{/netabare}

将也の少年時代を演じた松岡茉優さんに賛否があるようですが、私はとても良かったと思いました。

【音楽】
THE WHOの「MY GENERATION」は良かった。
aikoの主題歌は好みが分かれるかも・・・。

【キャラ】
「植野直花」
一見、理に適っているようなことを言ってはいるが、実は一番自分勝手・・・に見えるキャラ。
高校生になった硝子の立場から見れば一番の敵キャラだし、『嫌い』って人が多いだろうな?
実は私もそうだったし・・・。
それだけに、最後の{netabare}手話{/netabare}には感動した。
良かった。ちゃんと成長してるじゃん!

「将也の母」
私の印象は、子供には甘いけど、責任感の強い母親。
{netabare}硝子いじめの謝罪の際、片耳から流血しながら、声も荒げずに「明日からいい子にするんだよ、ね」は衝撃的だった。
硝子の母と植野の喧嘩を止めたシーンも良かった。{/netabare}

「硝子の母」
私の印象は、子供に厳しく、だけど誰よりも子供を愛する母親。
{netabare}重度の聴覚障害のある硝子を普通学級に通わせるとか、小学生には酷なんじゃないかと思った。
しかし、硝子は聴覚に障害があるだけで、知能に障害がある訳ではない。
愛娘の将来の事を考え抜いて出した、苦渋の決断だったんだと思った。

それは、後半のシーンからもうかがえる。
高校生になった将也が硝子を一緒にいるところを見かけると問答用無用にビンタ。
そして、硝子を責める植野にも問答用無用にビンタ。
愛娘を守るためには手段を選ばずに全力で立ち向かっていく母親の姿だと思った。{/netabare}

【最後に】
極力ネタバレ無しでと思っていたんですけど、結局ネタバレだらけになってしまいました。スミマセン。
ネタバレついでに、最後に少しだけ付け加えたいと思います。

{netabare}この作品を視聴して、本当に色々なことを考えさせられました。

【障がいを持つ人とどう接するのが正解なのか?】
本作の硝子のように聴覚障害を持つ人との接し方。
将也や佐原のように手話を覚える?
  それができれば一番いいんだろうけど・・・。
  現実には、手話を知らない人が多いんじゃないかな?
  もちろん私もその一人。
「大きな声でゆっくり話せば分かるんだから」と言った植野。
  これも決して間違いではないと思っている自分がいる。

大事なことは相手の立場に立つことだと思う。
ただ、優しく接すればいいというわけでもないのだと思う。

【これって「いじめ」ですか?】
いじめがダメなんてことは、誰しも理解していることだと思う。
だけど、どうだろう?
『私の職場(学校)ではいじめなんてありません!」
そう断言できる人は少なくないと思う。だけど、
『誰かを無視したり、悪口言ったりとかありません!』 
そう断言できる人がどれだけいるだろう?
悪口・陰口くらいなら、恐らく多くの人が身に覚えがあるのでは?
『悪口・陰口くらい誰でもやってるよね?このくらいなら”いじめ”じゃないよ』

それではなぜ、佐原は不登校になったのだろう?

【母親の愛ってすごい】
将也の母、硝子の母。
タイプは全く違うけど、子供に対する愛情と責任感の強さは計り知れない。
謝罪のためにピアスを引きちぎった将也の母親。
同じく謝罪のために、公衆の面前で土下座をした硝子の母親。
どちらも本当に立派だと思った。

そして、何より、自分の身の回りの人に同じようなことをさせてはならないと思った。{/netabare}

投稿 : 2022/09/24
♥ : 140

Dkn さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

誰かが感動にむせび泣く涙は冷や汗になって流れ落ちる

聲の形を観るにあたって視点をどこに持っていき多数派が経験しない境遇を掴むかが難しいと思われるのですが、
自身に置き換えるとそれは“コンプレックス”。生きていれば誰にだって“当たり前”にあるものだと思います。
身体的特徴・肉親との関係・性への恐怖心・嗜好・学歴・人種・生まれ・性別、イジメや差別の行く末も然りです。

肉親や他人が“毎日自分のコンプレックスについて熱く口論している”そんな世界を想像してください。
目立つアナタは学校や会社、道行く人々から向けられる奇異の目、励ましや憐憫の言葉に晒されるでしょう。

「西宮は優しいからああしているわけでも、強いから、弱いから、といったわけでもないんです。
彼女は、彼女なりにたくさん考えた結果、ああするしかない、というだけなんだと思います。」

作者がインタビューでこう答えたそうです。これが彼女の当たり前だったのでしょうか。

実際にいろんなハンディキャップを抱える人達や高齢者を介助する人達がいる現場において人間を起こす方法や、
車いすの押し方、様々な器具の用途や正しい使い方など、最低限の知識を身につけるより最優先事項があります。
介護・介助において、まず彼らが学ぶことは相手を「お客様」では無く「利用者」と呼び、客として扱わない事。
他人に体を預ける利用者を不安にさせず寄り添いながら安心感を与えてコミュニケーションを取らなければならず、
マニュアル通りではなく個人個人に対し状況や状態を鑑みて、人としての尊厳を蔑ろにするような態度や行動を
取らないことが大前提であり小児科医や助産婦など、職業柄心構えを身につける方々も同じ雰囲気があります。

当たり前だと思うかもしれませんが、その当たり前が世間に浸透していないのは本作に対して議論が行われたり
特筆すべき事項だと取り上げ、感動できる作品と持ち上げられる現状を考えれば一目瞭然ではないかと思います。


難しい題材に焦点を当て一流の演出と人の心を揺さぶる手法を用いた映像作品は洗練され美しく彩られました。

“本作自体がコンプレックスになる”映画として。

気弱な少年がスパイダーマンに憧れるように、盲目の侠客がバッサバッサと悪を斬る姿を格好いいと思うような、
当事者側の人間が顔を曇らせず笑顔になれる映画ではなく、関係のない人間が感銘と感動を得る為の映画は、
原作を読んでいた時の感覚より数枚フィルターがかかり、メッセージ性や丁寧な音と画で美しく完成しました。
映画として完成度が高く年間で最高評価に近いことも納得です。多くの人が素晴らしいと感じたでしょう。
当事者たちの気持ちを置き去りにして。

聲の形を特筆すべき作品だと受け取られるのが今の現状で世間の認識なのでしょうが、映画の話でなく常識として、
“当たり前”に生きてる人に対し涙を流したり感動することが無いのと同じく、この気持ちは人を傷つけます。
本作は仕方有りません、メッセージ性と感銘を受けるよう作ってあるのだからそれは嘘でも非常識でもない。


他人の感動に水を差したくはないが綺麗な世界に冷や汗しか出なかった。机上の空論を言っても仕方ないけれど、
叶うならいつか本作に感動も感銘も無く、当たり前に捉えられるそんな世の中になればいいと願っています。

投稿 : 2022/09/24
♥ : 50

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

天使じゃないキャラ達による視聴者が救われる物語

2016年公開の劇場版アニメ 129分

原作 大今良時 監督 山田尚子 脚本 吉田玲子 音楽 牛尾憲輔
総作画監督 西尾太志 音響監督 鶴岡陽太 制作 京都アニメーション

オープニングテーマ The Who 「MY GENERATION」
エンディングテーマ aiko 「恋をしたのは」

舞台は岐阜県大垣市 岐阜県養老町の養老天命反転地

繋がりたいけど繋がらない、伝えたいけど伝わらないというディスコミュニケイション。

全体を通して描かれるのは、主人公「石田将也」の心のさまよい。
道徳と言う現実を知る以前の幼き日に犯してしまった罪に対する葛藤はついには自分を押しつぶすが・・

能面の様に張り付いた笑顔の下に、障害を持って生きることに立ち向かい続ける少女「西宮硝子」。

社会的に難しいが、今描かなくてはならない重大なテーマに取り組んだスタッフの本気こそが見どころ。
普通はエンターティメント作品としては邪道ではあるが、
あえて、物語よりも前面に押し出すことで視聴者とのディスコミュニケーションを回避する。
これは間違って伝わってはいけない物語であるという決意が感じられる。

Shape of Voice と言うタイトルで全世界に発信する小さくとも揺るがない物語として、
自分も揺るがない満点評価としました。

この作品の最も重要な要素は音である。
前作「響けユーフォニアム」で音響監督の鶴岡氏と対立的な立場であったといわれる山田尚子監督は、
鶴岡音響監督を全幅の信頼の元、「聲の形」を名作に仕上げました。
声優に関しては吉田玲子氏と共に厳しい指導で一切の無駄な音を排除し形ある言葉だけを選びました。
そして、雑音と共に響くバッハのインヴェンション。
アンドレイ・タルコフスキーの作品にも迫るほどの完成度。

それ以上に重要かもしれない要素があります。
無表情で厳しい現実を甘くデコレートしたアニメ特有の技術。
これが、自分のタイトルにつながります。
救われるのは視聴者の魂であるのです。
「けいおん」「たまこラブストーリー」は「聲の形」に昇華されました。
まったく山田尚子さんという人はアニメ監督になるために生まれてきたような天才でした。

音響技術によって再現された「西宮硝子」に聴こえる異質の音。
これが優しい世界に触れたように感じられる演出は見事の一言です。

障害者は常に他人に傷つけられ続けているのです。
それならば、自分が選ぶべき行動は?
考えてみてください。本当に救われるのは誰なのかを。

投稿 : 2022/09/24
♥ : 61

88.1 16 冴えない彼女の育てかた Fine(アニメ映画)

2019年10月26日
★★★★★ 4.3 (446)
2164人が棚に入れました
ある春の日、安芸倫也は桜舞う坂道で運命的に出会った少女・加藤恵をメインヒロインにした同人ゲームを制作することを思いつく。美術部に所属していながら、同人イラストレーターとして活動する澤村・スペンサー・英梨々と、学年一位の優等生でありながら、ライトノベル作家として活躍している霞ヶ丘詩羽を誘い、blessing software を結成。やっとのことで一作目を発表した――。英梨々と詩羽は大作ゲーム『フィールズ・クロニクル』を開発するために、人気クリエイターの紅坂朱音のもとへ。blessing software 代表の倫也はサークル活動を継続し、副代表の恵とともに新作の開発を開始した。イラストレーターに後輩・波島出海を起用、プロデューサーを出海の兄・伊織へ依頼し、氷堂美智留と彼女のバンド icy tail とともに新作の開発を進めるが……。英梨々と詩羽の大作はどうなるのか? 倫也と恵の関係に異変が? はたして blessing software の新作の行方は?

声優・キャラクター
松岡禎丞、安野希世乃、大西沙織、茅野愛衣、矢作紗友里、赤﨑千夏、柿原徹也
ネタバレ

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

これが本当のメインヒロイン

原作未読

いやぁー面白かったw

お話のざっくり概要
サークルで冬コミに向けてギャルゲー制作お話
1期2期で陰に潜んでた加藤恵が
その真の最終形態へ変貌!つ…強すぎるヒロイン力
あ~胸がキュンキュンするんじゃ~
だいたいそんな感じ

集大成となっているので1期2期を楽しめた方は
絶対に楽しめる内容になっていると思います。

見せ場の作画も凄い気合が入ってて綺麗だった
松岡さんの演技は相変わらずキモいけどw
なんていうかその分、シリアスな所が際立って
恵の可愛さを引き立てたように思います。

感想
{netabare}
まさかの冒頭からの飯テロ…
そして浮気をバラされるというテロwww
なんてか恵の満面の笑顔は少し怖いよね(苦笑)
うん。
お二人のスタッフロールは大分下になってたww

合鍵…朝食…
つーか、もう既に嫁だよね?

フィーネみてて思ったのは
1期2期と違い恵の表情バリエーションの多さ
それだけ感情を表に出すようになったって事かな
ハッキリ言わないめんどくささがリアリティあって
更に恵を愛おしい存在に押し上げてますね~

しかし、あの高坂茜というおばさん、劇場で
オ〇ニー、オ〇ニー連呼しすぎじゃないですかねw
隣に座ってた女性の方の反応が気になって
妙にソワソワしちゃうでしょw

涙の作画はどれも渾身の出来ですね。
恵のセリフで特に印象的だったのは
「特別じゃないから、いいと思った」
ってのです。めちゃくちゃ恵らしいと思った。

特別じゃないから自然に好きになって
好きになったから倫也に自分の他に特別があるのを
大切にしてあげたい気持ちと
自分を特別に思って欲しいという
両方の感情で揺れてます。切なくて愛おしくて
本当に本当のメインヒロインでした!

しかしスタッフロール後のドッキリには見事に
引っかかりましたw

え!?別れちゃうの??って困惑しました…
…ラブストーリーは突然にが流れるまではw
さらっと自分をメインヒロインに据えようとするw
その後の10秒ぐらいの下りとか
ウタハさん最後まで冴えカノらしさを貫きましたね

最後は笑顔で終われる良い構成でした~
{/netabare}

えーと、もともと恵は凄い可愛いかったですけど
ほんとにフィーネでは完全ヒロインですw
是非、劇場でキュンキュンして下さい♪

投稿 : 2022/09/24
♥ : 43

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ラブコメ

<2019/11/4 追記>
映画館で配布された小冊子(原作者による超短編 第2話)読んで評点引き上げました。
↓の方で「物語はご都合主義でイマイチ」とか書いちゃいましたけど、原作の方はそこら辺もっと掘り下げてるのかも、と思えて。
原作読んでみようかな。

<2019/11/4 初投稿>
あにこれで軒並み高評価なので重い腰あげて観てきました。
映画館で映画見るのはいつ以来だろう?

テレビ版は二期まで視聴済み。
といっても本放送で観ただけなのでかなり忘れており。

始まってすぐ
「あれ?どういう状況なんだっけ?」
「このパワハラ姉さんはどういう人だっけ?」
「あれ?下の名前で呼び合ってるけどそんな関係だっけ?」
とクエスチョンマークだらけに。

それでもなんとか思い出して楽しんできました。

一期のレビューでも書きましたが
「冴えない彼女」という新しいヒロイン像が秀逸ですね。
気がついたら人ん家に居つく「ぬらりひょん」ヒロイン。
その魅力は余すところなく発揮されてたのではないでしょうか。

ところで映画館の帰りのエレベーターで
「加藤って面倒だよね。だから推しにできない」
とか盛り上がってる高校生ぐらいの男の子たちがいました。
彼らを横目に
「ラブコメではその面倒くささが美味しいのにわかってないなー」
と秋刀魚のハラワタの旨みのようなこと思ったり。
そう思ってしまうぐらいラブコメとしては◎でした。

ゲーム制作の物語そのものははっきりご都合主義で今ひとつなんですが、まあ観て欲しいのはそこじゃないんだろうな。
(私がギャルゲとかコミケとかに無縁なせいかもしれませんが)

映像は相変わらず綺麗です。

最後のエンドロール。
使用楽曲に「ラブストーリーは突然に」が入っててあれ?
とか思ってたら・・・ちょっと笑かされました。
使い古されたバラエティのコントのよう 笑。

やはり映画館で映画観ると楽しいですね。
良い一日になりました。。

投稿 : 2022/09/24
♥ : 37

KANO さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

素晴らしいの一言

先日初見でTVシリーズを観てからの鑑賞

内容は触れませんが、素晴らしいの形容詞だけで充分だと思います。
3人のヒロインキャラ、特に恵ですがそれぞれの良さ、可愛らしさがしっかり描かれており、視聴者のツボも細かい部分も含めて押さえられています。
2期の終わり方に少し物足りなさを感じたので私にとっては尚更良かったです。完結編のお手本だと思います。

TVシリーズの続きという位置付けでしょうが、理解しやすく言えば、劇場版の為のTVシリーズと言っても過言では無い仕上がりだと思います、これだけ満足の行く作品を作られた、制作スタッフの方々に感謝です(^^)

私にとっては今年一番ぐらいの満足感を味合わせて頂きました。

投稿 : 2022/09/24
♥ : 21

88.0 18 となりのトトロ(アニメ映画)

1988年4月16日
★★★★☆ 4.0 (1612)
11123人が棚に入れました
小学3年生のサツキと5歳になるメイは、お父さんと一緒に都会から田舎の一軒屋にと引っ越してきた。それは退院が近い入院中のお母さんを、空気のきれいな家で迎えるためだった。近くの農家の少年カンタに「オバケ屋敷!」と脅かされたが、事実、その家で最初に二人を迎えたのは、“ススワタリ"というオバケだった。ある日、メイは庭で2匹の不思議な生き物に出会った。それはトトロというオバケで、メイが後をつけると森の奥では、さらに大きなトトロが眠っていた。そして、メイは大喜びで、サツキとお父さんにトトロと会ったことを話して聞かせるのだった。

声優・キャラクター
日髙のり子、坂本千夏、雨傘利幸、糸井重里、島本須美、北林谷栄、高木均
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

夢だけど夢じゃない!となりのトトロ

子供の時にだけ あなたに訪れる
不思議な出会い....

幼き日に出会ったとなりのトトロ。その出会いは思い出せない程...生まれる前から知っていたような、そんな気さえしてしまうのは...ノスタルジアが共存する不思議な魅力に溢れた作品だからなのでしょうか...

メイ、サツキたち家族の引っ越し先の庭には緑の夏草が広がり、清々しい夏の香りがしそうな自然にあふれていました。

新しい家を探索する二人の生き生きとした好奇心旺盛で豊かな表情やダイナミックな仕草を見ていたら

つぎつぎと新しいなにかを見つけ、引き寄せるパワーを感じずにはいられません。
{netabare}
妹のメイが迷いこんだ茂みの先、みどりのトンネルの先にある場所。そんな日常の風景の中にあった落とし穴のような場所で不思議なくらい自然にトトロと出会うシーンお気に入りです。

メイ、サツキとトトロの不思議な時間

バス停でトトロの持つ傘に落ちた雨の雫の音が弾け、傘で奏でた雨粒での合唱。

夜中、不思議な躍りでトトロが草の芽をパッと成長させ、トトロとともに空へのさんぽ。大きな木のてっぺんでオカリナを吹いていたシーン。
お気に入りのシーンは幾つでも思い浮かびます。
{/netabare}

トトロを大人になり視聴して改めて思うのはこんなにも心を動かされる作品なんだということ

メイ、サツキが出会い感じたあの夏の冒険。夢だけど夢じゃない...

大人に成長した私を幼い頃の純粋な気持ちに引き戻し大切にしていた気持ちをよみがえさせるのです。

宮崎駿監督の ファンタジーは素晴らしい。色褪せず、いつも私の心にある、そんな大切な作品です。

そして昔から変わらない想い。トトロって本当にとても可愛いんです!

投稿 : 2022/09/24
♥ : 90

レイルトレーサー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

子葉の前で何度両手を合わせて上に突き上げたことか…

僕の中ではこれぞジブリという感じがする作品です。
「見なければ人生損する」という言葉はあまりすきじゃないのですが、この作品に対しては思わずつかってしまいます。

一番すごいと思うところは、視聴者の心を完全にトトロの世界に引き込んでしまうところで、子供の頃はちょっと草むらを探せばトトロがいるような気さえしていました。
そんなところがまさに
――いつでも隣にいる気がする――
『となりのトトロ』という題名もすごいと思います。

成長してからみると、田舎、自然の素晴らしさ美しさもわかるような作品だと思いました。

とにかくどんな人にでも一度は見てもらいたい作品です。
(実は、『まっくろくろすけ』という『すす』をあそこまで可愛いキャラクターにしたところに魅了されていたりも…)

投稿 : 2022/09/24
♥ : 8
ネタバレ

ひげ さんの感想・評価

★★★