ざんば さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
面白いけど楽しめなかった。
物語は魔女のいる魔法の世界なのに
油断しているとファンタジーじゃないように思えるほど
中世ヨーロッパに魔法をうまく組み込んでいるし
細部まで丁寧に世界観が作りこまれていると感じる。
作画もそれに応えて中世ヨーロッパの雰囲気を表現していると思う。
キャラもしっかり立ってるので
マリアとジョセフのラブコメは爽やかで初々しくて微笑ましいし
{netabare}エゼキエルが心を開いていく過程も温かくて好きだ。{/netabare}
それに処○やら童○やらの下ネタも多いが、ねちっこくなくて心地いい。
しかしただ単に、ほのぼのしてるだけでなく
戦争と人間の関係、人間の醜態などのシリアスな場面も
しっかりと描ききっているように思える。
だから飽きることもなかったし、次話が気になって仕方がなかった。
物語の構成も12話で尺不足を感じることはなかったし
綺麗に収めているので最終回も爽やかに見終えることが出来た。
・・・だけど、物語の中核となっている宗教観。
これは私が日本人だからか、どうしても理解できない。
なぜそこまで神は絶対だ、と信じられるのかが分からない。
キリスト教はそういうものだと思ってもどこか腑に落ちない。
それにマリア側の言い分が全面的に正しいとは思えないし
キリスト側も間違っているとは思えない。
「どっちも自分が正しいと思っているよ。
戦争なんてそんなもんだよ。」
-ドラえもん-
こんなドラえもんの言葉が思い浮かんできたりもした。
そんなことを考えていたら
作品自体を心の底から楽しむことはできなくなっていた。
もっと宗教や哲学を私が知ってたならもっと楽しめたんじゃないか?
と、無知な自分を知ってちょっと悲しくもなった。
でもこの作品は良作だということ、それだけは分かる。
ここまで無駄のない丁寧な作品はそうそうないと思う。
ただ、私が心から楽しむことが出来なかっただけで・・・
そういう意味ではかなり残念な作品となりました。
余談
{netabare}思ったまま書いたら堅苦しくなったw
だからここにこっそりどうでもいい話を。
12話のタイトルを見てKANの「愛は勝つ」が
頭に流れてきたのは自分だけではないはず・・・
最後に愛は勝つ!!{/netabare}