「ガンダム Gのレコンギスタ(TVアニメ動画)」

総合得点
57.5
感想・評価
382
棚に入れた
1502
ランキング
6805
★★★★☆ 3.2 (382)
物語
2.8
作画
3.5
声優
3.3
音楽
3.4
キャラ
3.2

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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 2.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

冒険(環境問題)(経済)

ガンダムの産みの親である富野由悠季が15年振りに手掛けたTV版ガンダム作品。
放送当時は物凄く期待しいた。
映像、音楽は既に素晴らしかったし最近のメカ重視のガンダム作品にはない斬新なデザインのMSが好印象、そして何よりあの富野由悠季監督作品だったからだ。
しかし、中盤から話が悪い意味で分かりにくくなってしまい残念な作品になってしまった。
作画、音楽、声優など表面上は良好なのだが肝心の中身がお座なり。

ではレビューに移る。
この作品のテーマは冒険、環境問題、経済である。
冒険と環境問題は富野由悠季監督作品には何度か取り入れられているテーマだ。
しかし、経済は初めてである。(富野由悠季監督自身も最近のインタビューでロボットアニメでテーマが経済という作品はは初めてだと思うと言っている。)
ただ、話と舞台設定が分かりにく過ぎて環境問題と経済のテーマが薄く感じてしまい結局のところ冒険しているだけなアニメになってしまっているように見えた。
では、何故ここまで話が分かりにくいのか?
大きな理由としてはキャラクターが頻繁に組織間を行き交うからだ。
しかも陰謀とか心理描写などの組織間を行き交う動機が不透明で視聴者には全く分からない。
前の回では行動を共にしていた仲間が次の回では敵になっているという展開なんてザラ。
これによりシナリオ、キャラは正直破綻していると言っても良いだろう。
だが、別に観ていて苦痛になる訳ではない。
まずこの作品、映像作品として物凄く面白い。
キャラクターの細かい動きや仕草が丁寧に描かれている。
しかもこれの良い所がキャラクターをアップに映しているカットでなく全体を映している場面でこういったシーンが散見出来るのだ。
これにより最近のアニメにありがちなわざとらしい演出になっていない。
メカアクションは作画自体のクオリティーは勿論、それに演出が素晴らしく目が離せない。
ビームや発光しているシーンなどの色遣いも綺麗でカッコ良さよりも美しさを感じる。
音楽も全体的に素晴らしい。
BGMの使い方も上手いし曲単体のクオリティーも素晴らしい。
数年前のガンダム作品だが今でもサントラにはお世話になっている。
声優の芝居も良好である。
主人公ベルリの石井マークは賛否両論あるようだが。
現に最初の方からかなり声変わってるし。
マクロスFのランカみたいに歌唱力と共に成長していくキャラなら違和感ないが普通のアニメ作品だと正直違和感がある。
ただ、自分の言う良好な声優の芝居というのはこの作品の女性キャラ(メインキャラほぼ全員)のことだ。
本当に声が自然なのだ。
富野監督は以前から演技するなと言っているがこの作品の女性キャラ(メインキャラほぼ全員)はこの指導の完成形であると感じている。
男性キャラも良好だと思うが女性キャラの方で自分は圧倒されてしまった。
またマイナスな点戻るがガンダム作品として納得いかないのはこの作品が∀の後であるというところだ。
テーマを伝えるには確かに∀の後という方が伝え易いかもしれない。
しかし、この作品にはクンタラという食糧難時代に食用とされていた人類の子孫がキャラクターとして登場しその差別が作中の世界にも根付いている。
宇宙世紀0223年が舞台のG-SAVIOURという作品では食糧難によって戦争が起こる。
そのため∀の後まで差別があるのは違和感があるし何より∀ではクンタラという専門用語が出てこない。
それと最後に補足するが先にシナリオとキャラが破綻していると言ったがシナリオはテーマは良いしキャラ自体は好感が持てる。
富野由悠季監督が脚本も担当しているため癖のある台詞回しによるキャラの会話は面白い。
それに吉田健一さんのキャラデザでビジュアル面は良いし、個性付け自体は出来ていたと思う。


まとめると傑作になれるポテンシャルはある作品だったが描写不足だらけで凡作以下になってしまった勿体ない作品である。
そのため、劇場5部作には期待している。

投稿 : 2020/01/22
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