「91Days(ナイティーワンデイズ)(TVアニメ動画)」

総合得点
76.7
感想・評価
825
棚に入れた
3923
ランキング
671
★★★★☆ 3.7 (825)
物語
3.8
作画
3.6
声優
3.7
音楽
3.6
キャラ
3.7

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ネタバレ

アニメ大好き さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ドラマ的アニメ。考えれば考えるほど奥が深い作品だとわかる。

もしかしたら「薄い内容だなぁ。最終回も意味がわからなかったし」と辛辣な評価をする人がいるかもしれませんが、色んな方の考察を読むと非常に奥が深い作品であることがわかります。視聴者の考察ありきの作品なので何となくで見て終わってしまうだけならこの作品の良さは5割程しか伝わっていません。「わかりやすく面白いアニメ」が好まれる時代ですが、みなさんが仰る通り、このアニメは完全に大人向けです。

{netabare}何より一番面白いと思ったのは人によって話の捉え方がまったく違うところ。ネロはアヴィリオを撃ち殺したのか?また、撃ち殺したとすればそれはバネッティファミリーの1人の“ドン”としてなのか、それともアヴィリオの“友人”としてなのか…etc 挙げればキリがありません。途中までの解釈が違えば、少し違った色の出る話になります。

また、それを考える時にヒントになるのがキャラの細かい表情(目の動きなどにも注目)、さりげない行動、景色の描写など。焚火の火が消え、ネロの顔が月明りに照らされる描写はその時の彼の心を表していたように思えました。

そして背景知識を知っていればもっと楽しめるという工夫がなされているのも面白いですね。例えばゴリアテがでてきてアヴィリオがパイン缶を投げたシーンは、ダビデがゴリアテを倒す時に投石具を用いたという旧約聖書を連想した方もいるかもしれません。アヴィリオがダビデに例えられていると考えてみると、1話で出てきたローレスの教会のステンド・グラスはダビデとヨナタンの友情を表し、それをアヴィリオとネロに当てはめることができるのではないでしょうか。

あと一番感心したのは、このアニメは他のものと比べて圧倒的に魅せ方がうまいというところ。ドラマ性のあったシーンの1つ目に、アヴィリオがコルテオを撃ち殺す場面が挙げられます。殺された家族の復讐のために生きている“兄弟”を撃ち殺すことになったアヴィリオの心情は計り知れません。コルテオが「これで邪魔する者はいなくなる」と言ったのは自分のことも含めてなんでしょうね。その後の「だって俺達、」という言葉に続いて1話で出てきたジェスチャーを出してきたのは良かったです。間もあけずアヴィリオが撃ったのはコルテオの口から“兄弟”という言葉を聞くと辛くて撃てなくなりそうだったからかな、とも思いました。

2つ目のシーンに、アヴィリオが「だったらあの時俺を殺してればよかったろ」と泣いてしまうところ。あの一言にアヴィリオの7年間の辛さが集約されており、ネロが“先に引き金を引いたのは俺達だった”と過去を振り返るところですね。ネロが死に場所を求めるようにどうして自分だけ殺さなかったのか、とアヴィリオを責め立ている。それはあの時自分だけ生き延びてしまったアヴィリオも同じだったんでしょうね。今までツンツンしていたキャラがあんな風に泣けるのを見てアヴィリオはまだたったの15歳なんだ、と実感しました。{/netabare}

どんなアニメにもそれぞれの良さが必ずどこかにあるものですが、この作品はアニメというよりドラマ的に見た方がいいかもしれませんね。

投稿 : 2016/10/14
閲覧 : 163
サンキュー:

9

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