「マジきゅんっ!ルネッサンス(TVアニメ動画)」

総合得点
61.9
感想・評価
87
棚に入れた
382
ランキング
5038
★★★★☆ 3.5 (87)
物語
3.3
作画
3.5
声優
3.5
音楽
3.5
キャラ
3.5

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ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

それはまるで、「ヒカルの碁」の「悪手を好手に変える一手のような」

好評価→酷評→更なる好評価、と、自分的に珍しい流れを辿った作品。最終話で一気にまくられる感覚は心地よく、これまでの「乙女ゲーム原作」では一番楽しめたアニメになりました。

「星フェス(文化祭)の成功」を縦軸のストーリーにし、横軸としてはヒロインが男性陣を一人一人攻略していく、乙女ゲームらしい王道展開。その攻略が丁寧で、なかなかの好印象。恋愛というより、友情に近い感じでしたが(だから男性視聴者にも受け入れやすい)。

と、思っていたんですが、9話(星フェス本番)で評価を一気に落とすハメに。なんだあの雑なアートセッションは? 詳しくは各話感想にありますが、正直(9話~11話は)残念でした。→この酷評を後に反省しますw

でも、12話からの流れは良かったです。順風満帆にきていた小花にアクシデント。葛藤。若干のご都合主義ながらもクライマックスをしっかり作り上げ、作品をまとめにいっていましたね。ここまで男性陣をちゃんと攻略してきたことが生き、それぞれの心の中にちゃんと小花への思いがあることが分かりました。

(最終話を見終わって)。なるほど、小花を助けることが本当の星フェスであり、本当のアートセッションなんですね。であるならば、9話の雑なアートセッションにも意味があったし、おそらく多くの視聴者が思っていた「茨姫だから、どうせ帝歌のキスで目覚めるんでしょ?」っていう予想をしっかり裏切る良シナリオ。それはまるで、「ヒカルの碁」での進藤ヒカルの得意技、「悪手を好手に変える」ような展開(皆さん知っているかなw)で、私は見事にハマってしまいました。これには、脱帽。ナイスシナリオ。はやとちり批判すみませんm(__)m お詫びに評価を3→4に変えます(笑)

実は視聴中、もう一点不満があり、「メインの帝歌の攻略が雑じゃない?」というものでした。が、これも結果的には良かった(私のはやとちり不満)。もし最後を「帝歌のキス」にもっていくなら、この指摘は正しいですが、「皆の力で小花を救う」という今回のラストに繋げるなら、やはり一人の攻略を強くし過ぎるのはむしろマイナス。結果的にはナイスバランスだったということ。

ラストシーンも秀逸。暗闇の中に明るさを残す小さな教会。その外観だけを見せつつ徐々にフェードアウトする絵。会話だけを聞かせる演出。「次は何やる?」という問いかけに対して、真っ先に「クリスマス、みんなでやりたい」と言ったのが墨ノ宮であることに、感動。ワイワイはしゃぐ面々。それを嗜めるでもなく、「では、次の委員会で決めましょう」という帝歌。うん、良いお父さんに成長したな(笑) ラストのラストは、皆の笑い声を徐々に絞るというもの。いつかは来る卒業の寂しさを出しつつ、目前の明るい未来を感じさる、余韻のあるラストでした。

このシーンに集約されるよう、各個人の成長はもとより、それぞれの関係性、絆の深まりを見せる王道青春モノとしての良さがある作品でした。それでいて、部分部分ではちゃんと乙女ゲーしてたしね。

小花と帝歌の恋愛は物足りない感じだったけど、絆+恋愛は13話だとキツイ(汗) まあ多分、来年の星フェスでくっつくはずだから、そこは想像力で補いましょうw

【各話感想(好評価→酷評→更なる好評価という流れが分かりますので、良ければ読んでやって下さい。制作に騙されている浅はかなレビュアーが、ここにいますからw)】
{netabare}
第1話
魔法芸術?を、使えるようになるまでがエライ早いな。まあ、今のところ普通に観られてます♪ とりあえず、視聴継続!

第2話
墨ノ宮回。良い奴だね、墨ノ宮。最後にちゃんと部屋を掃除してたし(よく壁の墨とれたなw)。「明るい光」って、書体が可愛すぎるだろ(笑) 墨ノ宮の部屋に「千客万来」と貼ってあるのは制作の遊び心かなw

第3話
順風満帆な小花に、初めての挫折ですね。アンチョビと青汁とクリームってw エエェーー、天井突き破ったぁーー(笑)

第4話
庵条瑠衣に、「先輩は歩いていても、セクシーバスケしてても、キラキラが出てて、ダンスになってました」と言った小花の言葉は何気に深い。つまり、ダンスをやめたと思っていても、もう人生そのものにダンスが染み付いていたってことですもんね。

第5話
奏音回。奏音はこれまでの登場人物(男)で一番マトモで良い奴ですね! どこかで、「裏があるのでは?」と期待wしてましたが、最後までちゃんと良い奴でした(笑)

第6話
土筆もね、は「光の画家」と言われた印象派の「クロード・モネ」からとってるんでしょう。ん? じゃあ彫刻の帯刀凛太郎は、詩人で彫刻家の「高村光太郎」でしょうか(私は知識がないけど、他の登場人物にもモデルはいるのかな)。モノクロが得意なんだけど本当は色彩画を描きたいもねを、光と色彩の表現に長けたモネに重ねたのは、分かりやすい隠喩だったね。次週は、凛太郎回になるのだろうけど、文学好きとしては、高村光太郎との共通点があるかが気になるな。あるとすれば、親(高村光雲)へのコンプレックスや確執とかかな?

第7話
あ、あの看板を1ヶ月で作っただってぇ……!? って、そんなに凄いか(笑) 普通の文化祭レベルやん(笑) 親じゃなくて、祖父だったか。凛太郎……切なかったが、超展開でしたねw パティシエって、芸術家のジャンルなんかい(笑) てか、そんなに簡単に彫刻から乗り換えて良いのかい?

第8話
あと数話をかけて、帝歌を丁寧に攻略するのかな? てか、アートセッションの練習場面あったけど、何? みんなでバラバラのことを連続でやるだけ? てっきり、みんなでなんか一つの作品を作る(共同製作的なやつ)かと思ってた(汗)

第9話(酷評)
なんと、これだけ引っ張ったアートセッションを、音楽といつもの武空術という力業だけで片付けるとは(苦笑) ホントにこのアニメは「芸術」になんかこれっぽっちも興味がないんですね。ただの装置のひとつ。なんだったら体育大学が舞台で体育祭でも同じ事をやれたね。なんか、がっかり。そこ(アートセッション)はこだろうよ、ちゃんと魅せようよ。ここまで楽しく観てこられたのに、雑さにがっかりです。

Bパートのダンスの流れ、綺麗で感動的でそこは良いんだけど、やっぱり急過ぎる気がする。何が問題で、何でそれが解決されて、んで帝歌がデレるまでが早過ぎる(雑な)ように感じた。この9話、2話に分けてじっくり描いても良かったのでは? てかこの後何がやりたいの?

第10話
水着回。ん? こっから日常系に流していくの? これって、7話とか8話にやったらダメだったの?

第11話(やや酷評)
逆ハーレムバリバリになり、なんか、この作品が大事にしてきた、「一人一人を大切にする姿勢」「個々の悩み」が蔑ろにされている感じ。評価できません。ラスト、小花に事件が! って、王子様のキスで元に戻る流れ? 星フェスを雑にしてまでやりたかったのは、コレかって感じ。

第12話
冒頭は、小花の心象世界かな? 「眠れる森の美女(茨姫)」をテーマにしてるので、やはりキスで元に戻るのかな? う~ん、芸術に没頭するあまり危険になるから、生徒の身を案じて学園を追放って、逆効果じゃ? 魔法芸術が学園生活に依存しているならともかく、校長の「(退学後も)魔法芸術の使用は控えて下さい」って言葉からも、魔法芸術はいつでもどこでも使用できることが伺える。なら、(それだけ芸術に没頭しやすい素養があるなら)退学後も自分で自分の魔法芸術を追求していけば、結果は同じでは? だったら、目の届く範囲においておき、自分をコントロールする術を身につける教育をするべきでは?

ただ、ここからの流れは良かった。小花によって救われてきた面々が、今度は小花のために力を尽くす。定番ですが胸熱の展開です♪

第12話
な~るほど、ここ(小花を助けること)が本当の星フェス、本当のアートセッションなわけですね。であれば、9話の雑なアートセッションにも意味があったし、おそらく多くの視聴者が思っていた、「茨姫だから帝歌のキスで目覚めるんでしょ?」という予想を、良い意味で裏切る形に。とはいえ、アートセッション自体はやはり、(ただの個人プレーの連続という)雑さがありましたが、展開が良かったんで許しましょうw
{/netabare}

ここで一句

【怒っても 途中で切るの 良くないね】

(小学生レベルかw)。お粗末さまでした。アニメの見方が、少しだけ変わりそうです。

投稿 : 2016/12/28
閲覧 : 488
サンキュー:

21

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