「ニンジャバットマン(アニメ映画)」

総合得点
68.7
感想・評価
39
棚に入れた
184
ランキング
1951
★★★★☆ 3.9 (39)
物語
3.4
作画
4.3
声優
4.0
音楽
3.7
キャラ
3.9

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ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

バットマンもびっくり「ジャパニーズジョーク」

アメコミのアニメシリーズは昔から日本が制作していることが多く、「タートルズ」「トランスフォーマー」「スポーン」などは日本のアニメ会社が絡んでいる。

なかでもとりわけ絶大な人気を誇る1992年に制作された「バットマン」のアニメシリーズはティムバートン版の実写バットマンの世界観を下敷きとしてダークでシリアスな作風で今もなお人気のあるアニメである。

そんなバットマンを今度は日本を舞台にして制作された本作品は、「ポプテピピック」で人気を博した神風動画と「キルラキル」や「グレンラガン」などの昭和のようなコテコテのアニメの脚本で知られる劇団新幹線の中島かずきさんが参加した日本製のアメコミアニメ映画である。

何故、バットマンが「忍者」にならなければならないのか?と疑問に思う人は多いだろうが、実はバットマンは1980年代に一度コミックでリメイクされており、それまでのノワール探偵映画の主人公の設定だけでなく、空手や柔道なども体得し、東洋哲学と文化の中で修行したという設定が加わったのである。
それはこのリメイクバットマンの原作を担当した漫画家フランクミラーが日本の漫画や時代劇好きで知られており、小池一夫の「子連れ狼」や黒澤明の「七人の侍」の世界観をアメコミに入れたことにより空前の大ヒットを記録したからである。それはクリストファーノーラン版の「バットマン・ビギンズ」でも語られており、渡辺謙がバットマンの師匠役として登場したことも密接に関連している。そう。。アメリカンヒーロー「バットマン」はアメリカ人にとって「忍者」でもあるという奇妙な関係だ。

本作はそういった経緯にあやかって制作され、日本を舞台にしたので王道の富士山はもちろん、日本アニメのお家芸「合体ロボット」なんかも出てくるわ。。。後半はいかにも中島さんの得意とする「ノリと熱さだけあれば合理性はすっとばして良い」といった脚本である。それが本国アメリカで賛否両論を巻き起こしたわけだが、従来のアメコミファンからすると無理矢理な設定改変や辻褄の合わなさ。合理性の欠けた決着という「日本のアニメスタイル」が気に食わなかったのだろう。

バットマンは元々、1930年代~40年代に流行ったギャング映画や探偵映画などの「ノワール」作品である。1980年代に人気が復活したのも60年代以降のお子様ノリの方向から一気に「大人向けのシリアスドラマ」へと切り替わったからである。そういったバットマンファン層からすると本作は容易に受け入れがたい作品なんだと思う。ちなみに自分も「そっち」側の人間である。

日本のアニメや漫画はアメコミと違って実はギャグやパロディが主体である。日本の漫画ほど性的で滑稽な独自の進化を果たしたのは特殊なのである。エロ漫画にしろBLにしろこんなにもあっけらかんとした取り扱いの仕方は国際標準ではないことだけ覚えておいたほうが良い。

投稿 : 2019/09/02
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