なばてあ さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
双対性をまぶす実体変化
原作未読。
これぞスピンアウト!・・・という感じの味付けの薄さ。そうデザートなのにメインディッシュよりもずっと美味な『超電磁砲』シリーズがおかしいのであって、『一方通行』は『禁書目録』という本編に対するまっとうなスピンアウト感満載の仕上がりになっている。有り体にいうと、アクセラレータという千両役者を引きずり出すには舞台が貧相すぎる。
作画もいうほど、良くないと思う。触手の動きもちょっと雑さが目立つ。でもそれよりもなによりも、この作品はただただエステルを愛でるのが正しい味わい方にちがいない。キャラとしてはまちがいなくかわいいし、性格もちゃんとこの世界のなかでワンオフの座標を獲得している。とはいえ、エステル以外のポジティブ要素が皆無なので、なんとも。
死霊術士の設定やシスターズの記憶といった要素それ自体の素性はおもしろく、2020年現在でもしっかりリアリティを練り上げることができるだけの重さと深さがあったはずなんだけど、脚本とコンテでそのクオリティを活かしきれていなくて、結果、『とある』っぽい軽さと味気なさだけが印象に残る。
衝撃:★
独創:★
洗練:★★☆
機微:★
余韻:☆