「異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する ~レベルアップは人生を変えた~(TVアニメ動画)」

総合得点
64.9
感想・評価
254
棚に入れた
679
ランキング
3506
★★★★☆ 3.1 (254)
物語
2.8
作画
3.3
声優
3.3
音楽
3.2
キャラ
3.0

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ネタバレ

タック二階堂 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 1.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

※ただしイケメンに限る。

詳細は公式でも。

このクソ長タイトルで、異世界で無双する話。また「なろう」かよと思いきや、カクヨム出身でした。ただまあ、カクヨムも小説家になろうと同じようなコンセプトのサイトなので、ほぼ「なろう異世界」モノですね。制作はミルパンセ。はい「蜘蛛ですが、なにか?」を担当した制作会社です。

んで、なろうっぽいカクヨムの異世界モノ、制作がミルパンセということで、まったく期待しないで初回を視聴しました。

=====初回視聴後、所感です。
{netabare}{netabare}
太っていて醜いため、中学校でいじめられ、家では親や弟、妹に疎まれている主人公・天上優夜。たまたま不良グループに絡まれている女の子を見て、助けるために割って入ります。しかし、返り討ちに遭ってボロボロ。怪我だらけのまま、一人ひっそりと暮らす自宅に帰ります。

優夜は誰からも相手にされない孤独な少年でしたが、ただ1人、彼の味方になってくれるおじいちゃんがいました。おじいちゃんは「常に笑顔で、人に優しく接するように」と優夜に諭していました。そんなおじいちゃんも亡くなり、その遺産は優夜へ相続されることに。そんなことを許さない両親でしたが、おじいちゃんの根回しで遺産をぶんどることができず、両親は弟と妹を連れて出ていってしまいました。

なにもかも理不尽。そんな世の中に優夜が怒りの拳を洗面台の鏡にぶつけ、さらに壁を殴ると、そこには隠し扉が。中には、おじいちゃんが海外で集めてきた怪しげな物品がたくさんあり、謎の扉を開けると異世界につながっていました。

そこではステータスやレベルの概念があり、元は賢者の隠れ家といった家にある最強の武器を使い、襲ってくる魔物を撃破。みるみるレベルアップをする優夜でした。
{/netabare}
というお話。

まず、作画に関して。「蜘蛛」でも作画崩壊をし、イメージが非常によろしくないミルパンセ。ただ、初回だけ見たら「ちくしょう。ミルパンセはダメとか言われて悔しい。本気出してやんよ」といったところで、けっこう気合の入った作画でしたよ。まあ、あのキャラデザは好き嫌いあるでしょうけど。たとえるなら「アマガミ」とか、そのへんのキャラっぽい印象。要はギャルゲっぽい感じですね。

で、話としては、とにかく優夜が悲惨な人生を送っているということをしっかりと描いてくるんですよね。ここをしっかり掘り下げることで、カタルシスが大きくなるわけで。この構成、演出も悪くないです。面白そうと感じさせることに成功しています。

まあ、ステータスのポップアップ画面がぼんぼん出てきたり、しゃべりはしないもののチュートリアルっぽいのが説明してくれたりと、あーなろうっぽい異世界モノだなと辟易する部分はあるけど、これはまあ飲み込むことのできる設定ではあります。

ただ、どうしても飲み込めない部分があります。

それは、レベルアップに伴って優夜が長身イケメンに「進化の実」することです。

いやあのさあ…
じゃあなに? ここから始まる現実世界無双もさ「※ただしイケメンに限る」なわけ?

なんのために主人公をデブで醜いキャラにしたんですかね。そのキャラが強くなって、その姿がカッコイイという女子キャラが増えていくのが醍醐味なんじゃないの? 強くなってイケメンに変身したらいじめてた奴らを見返せました、って、誰がそんなストーリーを見たいと思うのか。

これはもう、100%原作のせいなので、ミルパンセは頑張っていると思いますよ、とりあえず初回は。まあ、イケメンになった意味があるのかもしれないので、もう少し追ってみますが、イケメンが現実世界を蹂躙していく物語のままだったら離脱します。
{/netabare}
=====第2話視聴後、追記です。
{netabare}
ま、懸念していた通りのクッソ甘々なイージーモードで成り上がり。スガシカオがEDで歌ってる「ハチミツ」って、そういう意味か。甘すぎて見てられないですわ。

不良グループから助けただけで、超エリート校への編入が認められる。しかも学費もタダ。ゲームみたいな異世界でレベル上げたらイケメンになって、学校中の女子から熱い眼差し。それどころか、助けた美女と放課後にデート。もちろん、街中の女子から熱い眼差し…

不遇ななろう読者が描く妄想を具現化したようなストーリー。んで、編入前に、もう少しレベル上げとこうって異世界へ。今度は異世界の美女(姫様か何かかな)を助けますよっと。これはあれかな? 現実世界と同じようなシチュエーションをリンクさせましたよって?

2話にして、一気に陳腐になりました。
作画がいいという声が多いけれども、まあ背景作画はいいけど、キャラデザこれ作画がいいっていうのかなぁ…。なんていうか、不気味の谷一歩手前って感じしますけど。街中、みんな同じような顔。

やっぱ、なろうですねぇ。次回で判断しますよ。
{/netabare}
=====第3話視聴後、追記です。
{netabare}
すごく迷いどころなんですよね。
今回はリアルパートのほうがメインだったわけですが、たまたま洋服を買いに行ったら、撮影に巻き込まれる話。んで、大手芸能事務所が主人公を抱え込みたいという思惑が働くという、なんかアイドルの子どもに転生する話みたいなノリになってきました。

で、異世界パートのほうも助けた姫様が生命の危機に陥ったくせに、主人公に会いたいからって危険な森に再度訪れるというバカみたいな展開。

くだらないんですけどね。くだらないんだけど、なんか見せられる力はあるというかね。

自分を冷めさせるために、あえてツッコミ入れてみますが、なんの脈絡もなく「あー、このシャツもずっと着てるなー。そろそろ新しい服を買わないとなー」って、ショッピングモールに買いに行くんですけど、なんだろう。展開させるために主人公をむりやり行動させるのやめてもらっていいですか。

異世界の姫様もそう。上でも書いたけど、主人公に会って「私と結婚してください」を言わせたいために、わざわざ命の危険があった森に行くという展開。むりやりなんですよね。

こういう出来事を起こすためにキャラを動かすというのが、こちらに透けて見える展開というのは、それはね、みんな知ってますよね。せーの「ご都合主義」。

ご都合主義は、そりゃありますよ、創作物なんだから。でも、それをそれと感じさせないように工夫するのが創作でしょ。基本がボーイミーツガールからのハーレムという、うんざりするような「なろう」なので、そこに持っていくための腐心というのは難しいとは思います。それは同情するけど、それを諦めてエイヤーって作るのは、ちょっと思考停止なんじゃないんでしょうか。

うむ。冷静になりました。
次で、次で取捨選択します。
{/netabare}
=====第4話視聴後、追記です。
{netabare}
くっだらねえなという言葉が視聴後に口から出ていました。
今回の話に関しては、荒唐無稽もさることながらオール茶番という。

家族だから見捨てられないという一言だけで、これだけのことを画策した弟妹が土下座して涙を流すという。

校庭にバイクで乗り込む不良グループ。いつの時代の話ですか。「スクール☆ウォーズ」の時代の方ですか、作者さんは。

とにかく、なにか行動を起こすたびに「ゆうすげゆうすげ(ユウヤくんすげえ)」。相も変わらず「駄なろう」を一本道で進んでいますよ。でもね、考えたんです。

じゃあ、「ドラゴンボール」の悟空と何が違うんだい? と。

荒唐無稽な圧倒的パワーで正義を行使していく。それに周囲が驚く。子供向け漫画では王道ですよね。パッケージとか放送時間帯が大きなお友達を対象にしているからツッコミが止まらないだけであって、小学生向けなら全然アリなんじゃないかと。

「アンパンマン」とか、そのへんが好きなら楽しめる作品だと思います。
{/netabare}
=====第5話視聴後、追記です。
{netabare}
なんだろう。ツッコミ入れながら観るにしても、ちょっとなぁ。ていうか、作り手側がツッコミどころをあえて強調している感じなんだもん。「普通に作ったら糞アニメまっしぐらなら、あえてツッコませようか」って感じが透けて見えるというかね。

犬を犬のまま次週に引っ張るなよ。
CV:東山奈央さんなんだし、どーせ美少女化するんだべ?

ていうか、犬!
そんだけ強いなら、なんで最初にボコボコにやられたんですか。
主人公との出会わせたいがためでしょ。

ドロップアイテムが風呂ってなんだよ。
ホント、なろう異世界の主人公って、和食にこだわったり、風呂に入りたがったり、マヨネーズ作りたがったり、ワンパターンなんですよ。

犬の散歩に行っただけで、道々で女が「見てあの人、すごいイケメン」とか、言うわけねえだろ。挙句の果てにヒロインが登場して、「すごい絵面。イケメンと美女とワンちゃん」ってなんだよ。

ていうか、作者はどういう人生を送ってきたら、こんな作品を書こうと思うのか、小1時間問い詰めたくなります。

というわけで、まあ酷い作品ではありますが、これでもマシなほうっていうんだから、なろう異世界のレベルは推して知るべしってところでしょうね。
{/netabare}
=====第6話視聴後、追記です。
{netabare}
ひっでえなホントに。
まあ、ミルパンセの作画も微妙ではあるんだけど、そんな作画の微妙さなど吹っ飛ばすレベルのストーリーのひどさ。

森の中で穴を見つけて入ってみると、そこには賢者の書が。なんの思い入れもないはずの主人公に、賢者の霊が「君には私と違って幸せになってもらいたい」と、魔術回路をあげちゃう。

もうね、インスタントラーメンより簡単に魔法が使えるようになったどー!

で、現実世界へ。
校外学習でキャンプへ。リュックがないとかでみんなでデパートに買い物に行きます。で、ゲーセンでUFOキャッチャー無双。なんでも、商品の弱点を見られるから、どこを動かせば落とせるかわかるんだって。ただ、この無駄なシーンが何のためにあるかって、ラストでヒロインに渡したカワウソのブローチのためなんよね。

不自然極まりない伏線もどきは続きます。
ひとしきり買い物&ゲーセンで遊んだ一行。男子はカフェでお茶。女子は、わざわざ別の階のファッションフロアでお買い物。ここで男女を分けるのはね、このあとのデパートの火事で3人の女子を逃げ送れさせるためなんですよね。

で、ここからも不自然な描写のオンパレード。
いや、13階以上の鉄筋コンクリート造のデパートが、そんな簡単に火が回るかっての。柱が倒れるような描写あったけど、なんですかね、このデパートは木造建築なのかしら?

助けに行く主人公。炎でいっぱいの建物内。じゃあ、魔法を使って体の周りに水と空気の膜をまといますよ。

いや、水の魔法で消せよ。

逃げ道がないからと、床をぶち抜いて1回まで降りますよ。もう好きにしてくだせえ…

で、3人を助けることができてホッと一息。んで、消防団員にお説教を食らう面々。あのさあ。「彼女、お借りします」でもあったけど、人命がかかっているのに救急搬送もしないで当該者たちをお説教する消防団員とかいねえっての。この手の描写があったら、訴えてもいいと思うよ。

これが原作通りだとしたら、いったいどんな人生を経て、こんな小説を書いたのか作者に小一時間問い糾したいですよ。いくら虚構のお話としても、現実味がなさすぎる。

ネタ枠としても微妙だし、そろそろ判断する時期かもしれないですね。
{/netabare}
=====第7話視聴後、追記です。
{netabare}
どこまで原作準拠だかわかりませんが、仮にこの通りの内容なら、何でアニメ化されるほど売れたのかさっぱり理解できないです。

超エリート校の校外学習が、山にほっぽり出されて食うものはてめえで採れとか言われるんです。釣り竿支給だって。なんというバカな学校なんでしょうか。そのへんの草を摘んで食えだってさ。いちおう食えるかどうか先生が確認するけど、もしあたったら保険の先生が面倒見ますだって。

バッカじゃないの?

んでまあ、主人公が川に入って素手で魚を捕りまくり。すげえすげえ。
あとはまあ、異世界サイドでお風呂のサービス回ですよ。

さて、どうしたものか。
バカアニメとして観続けるか、離脱するか悩みどころです。
{/netabare}
=====最終話視聴後、感想です。
{netabare}
うん。ミルパンセは頑張ったんじゃないでしょうか。作画は、まあ好き嫌いはありそうですが、一昔前のギャルゲーのようなキャラデザが最終話まで崩れませんでした。

驚かされたのは、ED主題歌にスガシカオを起用したこと。なにもこんな作品に……という気持ちもなくはないですが、なんにせよ打てる手はすべて打つという制作陣の姿勢はよかったと思います。

それだけに、なんというか、罪深いよなあと。

原作の枯渇というのか、それとも「なろう系異世界モノ」枠(これはカクヨムですが)というのが毎クール、業界には存在でもするのか、こんなテンプレまみれで無自覚系俺TUEEEEEの作品をアニメ化しなきゃいけないんでしょうかねぇ。

異世界で無双するだけに飽き足らず、現実世界でも最強になるというのは新機軸ではありますが、単に無自覚系の俺TUEEEEEの範囲が広がっただけに過ぎません。

最後の締め方もひどかったねぇ。やっつけ感がハンパない。刺客として襲ってきた新キャラが現実世界の学校に転校してくるとか、あんだけ主人公を毛嫌いしていた弟妹がやってきてニコッとか、しかもそれがサイレントのダイジェスト。雑に片付けましたって感じ。

玉石混交だった「なろう系異世界モノ」も、そろそろ石ばっかりになってきましたね。まあ、石だろうなと思って拾ったんで、そこを嘆いても仕方ないのですが…
{/netabare}

投稿 : 2023/06/30
閲覧 : 699
サンキュー:

3

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