Ｂハウス さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態：観終わった
ネガティヴとポジティブそして恋
レビュー４００作品目が本作というのは個人的に嬉しい
ラブコメ作品が乱立してた２０２３年４月期
小学生二人のボーイミーツガールだが
設定に関してのうまさを感じる名作だと思う
小学五年生の西村茜は内気でおとなしい性格と
大きな目に髪で片方隠れているという容姿から
周りの生徒達に「死神」と呼ばれていじめられていた
そこに現れたのが転校してきた高田太陽
社交的で誰とでも気さくに話ができる彼に
周りから茜の事は「死神だから近付くと呪われる」と言われる
しかし太陽は「死神と言われるなんてかっこいい
僕も死神になりたいから友達になりたい」と言って
茜にグイグイ迫っていく
初めは自分を面白半分で相手しているのだろうと
一歩引いた目で見ていた茜だが
夏休みに墓参りで出会った際
母親が亡くなったから死神と呼ばれるのかもと打ち明けると
自分はどうして死神と気安く呼んでしまったのかと号泣する
そこで太陽の誠実さと素直さを感じることで
茜の中に友達としての信頼とほのかな恋ごころが芽生えるのだった
この設定というと私度々レビューで書いている
「こどものおもちゃ」が似た構図ではあるけれど
少女漫画原作なので「花より男子」テイストなタッチに対して
こちらはガンガン連載もあって茜のネガティブなイメージを
太陽がことごとく覆すポジティブな切り返しが
基本的なパターンとして描かれている
いじめっ子の構図もある意味ギャグ要素の面が強く
太陽のポジティブぶりに毎回キレる感じがお約束
茜の友達として現れる大地と海美は
いい意味でマイペースであり大人びているかな
タンクトップしか興味ないだけの大地と
ふたりの恋心をいち早く理解する海美の差は大きいけど
太陽と友達になったことで茜自身も変化が起きる
夏休みの計画を太陽に引っ張られる形で計画立てられ
運動会では自発的に頑張ろうと奮闘し
家に招待する際に倒れるくらい力入れておもてなしをする
太陽の存在がなければ彼女はずっと影だったし
運動会のリレーで思い切っていじめられていた
すみれに走って欲しいなんて多分なかった
このエピソードによってすみれは茜を知ることになり
太陽への恋心を見せる茜といい意味でライバルに
なったなと
もう一つ挙げると二人の両親もいいね
太陽のお母さんは骨折した息子の事を
泣いて謝る茜に勝手にやったことと言って笑うあたりは
この母にしてこの子ありだしｗ
茜のお父さんは内向的な性格を心配して
いつもお弁当に味玉を複数作って
友達が一人でもできればと応援している
キャラクターの動かし方や役割が
無職転生並みにしっかり作り込んでいるのは素直にすごい
最終回はバレンタインエピソードを出さず
アニオリの展開でさらりと締めているが
６年生編が進んだら続き見たい
余談
本作の最大の強みは小原好美さんでしょうな
シャミ子と同じく声質でキャラの魅力が増していた
まぁ〜毎回顔を赤らめるシーンも個人的にはかわいかったが
