てとてと さんの感想・評価

3.8
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

ジャンプ往年のモテモテラブコメ。魅力的だけど尺不足ゆえか浅い

00年代少年ジャンプを代表する学園ラブコメ。15分枠で全24話。原作既読だけど内容あまり覚えていない。
感想はOVA及びオリジナルDVDアニメを除外してTVアニメ版のみ。
※作品データベース様より転載

【良い点】
ぶっ飛んだファンタジー要素の無い、(比較的)リアル寄りの学園ラブコメとして親しみやすい内容。1話辺りが短くて見やすい。
作風は少年漫画よりもギャルゲーぽい感じ、ギャルゲー原作よりは学園青春ドラマ路線、普通に見えて、意外と他に見ない。
良くも悪くもベタ。捻りが無く、素直に学園ラブコメ見せてくれる。
多少の修羅場はあれど、基本的に純愛路線なのも好印象。主人公も優柔不断ではあるが誠実さは本物。悪い印象はあんまり無い。
あと、00年代の学園物らしい雰囲気感じられるのも良かった。
ニセコイなどの2010代以降のアニメと比較して、絵柄も含めて良くも悪くも素朴な印象あり、好ましい。

東西南北ヒロインたちの可愛さは申し分ない。四者四葉の魅力あり。
自分的に北大路さつき、南戸唯ちゃんが好み。
さつきちゃんは勝ち気で素直になれないからのデレ、唯ちゃんはあざとい妹キャラ。非常に可愛かった。
感情表現が素直なふたりの方が可愛かった印象。掛け合いの楽しさ的にも北と南が絡む回に面白い話が多い。(特に13話)
雪の日にかくれんぼして震える唯ちゃん抱きしめる16話は特に良かった。
17,18話の切ないバレンタイン回も中々。

キャラデザはこの時代のアニメとして申し分ない。
適度なお色気シーンもおいしい。
意外に露骨なラッキースケベが少ない点もいい。

(2021年視点だけど)豪華声優陣。

【悪い点】
素朴な内容で尖った見所は乏しい。外連味としては1話の懸垂告白がピーク。

尺不足でラブコメとしては内容が浅い。原作の持ち味の大半を活かせず。
ヒロインたちも掘り下げや交流の過程が雑なままに好感度上がってたり、展開の不自然さが目立つ。
これが萌えコメディーなら別に構わないが、本作は割と真面目なラブコメなので、ラブコメ部分の雑さは評価下がる。
ヒロインの心情面ではさつきが比較的良かった一方、西野つかさはイマイチ。東城綾もメイン扱いと思いきや地味なままで終わった感。

また、メインヒロインが誰だか作品としての軸が分かりづらい。
この点は元々、誰が本命か?と惑わせる狙いなんだろうけど、アニメ版は肝心のラブコメ部分が雑なので機能していなかった。
アニメ版で判断すると、北大路さつきがメインヒロインに見えた。しかしメインではないので結局報われず気の毒。

後続のニセコイ程露骨にハーレム萌えをやらない真面目な作風で、萌え方面の楽しみどころが少ない。
キャラクターも可愛いんだけど地味でもある。

中途半端なラスト。話もさることながら、ヒロインが誰も報われず後味もよくない。
学園ドラマとして、映画製作が縦軸として機能しなかった。

【総合評価】4～5点
内容はイマイチだけど、見やすい学園ラブコメとしては悪くはない感じ。
尺の制約で劣化にしかならないのなら、いっそオリジナルで萌えコメディーに徹した方が良かったかも。
その路線なOVAやオリジナルDVDは割と好評なのを見るに…
評価は好意的に見たいが「普通」