ストライプがーる さんの感想・評価

4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

切ない…

このストーリーは
涙無しには観られません。

四月一日の決意と
百目鬼の切ない愛が詰まった素敵で
切ない内容でした。


あだゆめ＝籠(ロウ)
籠の中を選んだのは四月一日自身…。

百目鬼は四月一日と共に生きていく事を
もし、四月一日が「オレ(百目鬼)をえらんでくれたら…」一緒に生きていく、
四月一日の人生を背負う覚悟があり、迷わず一緒に歩んでいこうとした
のにも関わらず…

その百目鬼の決意とは裏腹に、
四月一日は「侑子さん」を選んでしまう。
そぅ、侑子さんを待つこと＝永い孤独を選ぶ。＝籠…

「また…俺も選択しなくてはいけないのか。」
と百目鬼は悲しそうな顔をする。


それでも
百目鬼は四月一日が大切だから、
四月一日を大切に思っている者同士の小羽と結婚し、
その子供に、そのまた子供に…と代々、四月一日を見守っていく、ずっとずっと、という道を選択した。


四月一日も
心から百目鬼を大切に思っているが…
大切であるからこそ…幸せになってもらいたい。
自分のせいで百目鬼に人生を棒にふってほしくない…と思っていたのに、

百目鬼はずっと四月一日を一番に考えている。
変わらず、普遍である。


その現れとして、
大学では古典神学的な…四月一日の仕事を少しでも手助けできるよぅな、理解できるようになるために、自分の進路を昔とは変えていった。


きっと百目鬼は
四月一日の人に無意識のうちに
おせっかいをせずにはいられない性分と
弱さを隠そうとする強がりな所に…次第に惹かれていったのかもしれない。

初めは嫌悪の仲だったのに、四月一日と関わるうちに
「俺が守ってやらないと…」と思うようになっていったのだろう。

たしかに、
なにか人間らしからぬ力を持ちつつも、
一番人間らしく、とても繊細な四月一日には
私も回を増す事にトキめかずにはいれませんでした。

ですが、
私個人としては
最後に悲しく四月一日の気持ちを知っていながら消えてしまった侑子さんよりも
ずっとどんな時も四月一日の気持ちを考えてくれている百目鬼を
「選んで」欲しかったですね。

その
四月一日の
百目鬼への思いがEDに込められているのかな…
というのを思わせる歌詞でした。

映像は
アニメよりも綺麗です。
桜が特に…。


「咲いてもまた美しく、
散ってもなお更に美しい」

これは侑子さんを花に例えているのかな?
それとも
百目鬼の気持ち、ずっと思い続ける気持ちを表しているのかな…と感じました。


百目鬼のいっぱいの愛を切なく感じられるovaでした。
春夢記とは違う、
２段くらい大人びた四月一日と
切ない決意をした変わらぬ百目鬼の
まあ酸っぱぃ人間模様の見られる内容でした。


百目鬼を直視するのが後半はできませんでしたね。

もがいて生きてこそ、人(ヒト)なり、
ということを学べる一作です。

違うルートであっても
懸命に生きる。

そんな「決意」
の現れがしっかりと伝わる作品でした。