「塔の上のラプンツェル(アニメ映画)」

総合得点
65.8
感想・評価
100
棚に入れた
677
ランキング
3079
★★★★☆ 3.9 (100)
物語
3.8
作画
4.1
声優
3.8
音楽
3.9
キャラ
3.9

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ネタバレ

無毒蠍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

愛と冒険の3Dファンタジー!王道が良いほうに作用しているので視聴者の望んだ展開がやってきて安心して観てられます。

視聴したのはBDですが3D作品のBDも素晴らしく綺麗ですね!
キャラクターや草木に水や建物などあらゆる映像が美しかったです。
あ、ラプンツェル役の声優さんは中川翔子さんこと、しょこたんだったんですね。
特に気にならなかったのでお上手だったと思います。
歌うシーンは違う人が担当したみたいですが。

王国のプリンセスとしてこの世に誕生し、
歌うと光る不思議な髪を持つ少女ラプンツェル。
その力は傷を治したり若返らせたりと絶大なのですが
特異体質ゆえに産まれてすぐゴーテルという女に誘拐されてしまうのです。
それ以来18年もの間ラプンツェルはまわりに人気のない塔の上で生活させられ、
ゴーテルはラプンツェルの力で若さを保っていましたが
フリンという盗賊がゴーテルの留守中に塔に忍び込み、
ラプンツェルと出会ってしまったことで物語は動き出します。

ラプンツェルは18年も幽閉されてるわけだけど
ゴーテルのことを本当の母親だと思ってるので健気で明るく可愛い女の子でした。
もし彼女が最初から真実を知っていたとしたらもっと暗い話になってたかもしれませんね。
髪の毛は切ってしまうと切った部分だけ力を失うみたいで
ラプンツェルの髪は18年分の長さになっていて生活に支障をきたすレベルです(笑)
ただアクションシーンでは長い髪をうまく使って状況を打開したり
ロープの代わりにしたりと意外と役立つ場面もあるんですよ!

ゴーテルは18年ラプンツェルと一緒にいるのですが
それだけ長く一緒に暮らしてれば愛情が出てきてもおかしくないですよね…
でもゴーテルにそういった心情はないように思いました。
あくまで自身の若さを保つためにラプンツェルに偽りの優しさを振りまいてる印象。
そもそも塔の上で生活してるのはラプンツェルのみで
ゴーテルはどこか別の場所に住んでるみたいです、
用があるときだけ訪問する感じかな。

まぁ18年ゴーテルにこれといって逆らうことなく生きてきたラプンツェルですが
そんな彼女にも夢があるみたいで自分の誕生日になると
毎年必ずお空を飛んでくる明かり…灯篭流しのお空Ver.みたいなやつ?
塔を出てそれを間近で見るのが彼女の夢なのです。
実はその明かりはラプンツェルの無事を祈り王国から流されてるものなのですが
まぁ明かりを見たいから外に出たいなんて願いを聞き入れるゴーテルじゃないですよね。
あまりにしつこいラプンツェルに「一生外には出さない!」みたいな本音まで言っちゃいます。
これだけ長いこと一緒にいても自分のことしか考えておらず愛情のかけらもないキャラクターですね。
彼女がラプンツェルのためにする事ってすべてご機嫌取りでしかなく、
つまりはそれも含めて自分のためになってるのです。

そんなときに塔に侵入してきた盗賊のフリン。
ラプンツェルはフリンに明かりまでのガイドを頼みますが
何を隠そうフリンは王国からティアラを盗み出し絶賛指名手配中(笑)
明かりまでということは王国に舞い戻るということでつまりフリン絶体絶命なのであります。
このフリンというキャラクターは一見情けなく、軟派な男ですがそこそこアクションもいけますし、
何より行動力があるので外の世界を知らないラプンツェルにとっては
とても頼りになる男だったんじゃないでしょうか。

盗み出したティアラをラプンツェルに隠されてるので、
素直に従うフリンですが内心ではすごく嫌そうでした。
そんなフリンが徐々にラプンツェルと距離を縮め悪党相手に
奮闘していくのも王道ではありますがやはり面白いと思います。
盗賊なんてやってるくらいなんでダメな男なんですが
そういうやつがたまに見せる善行というのには
ラプンツェルの光る髪と同じくらいの輝きがあると思います。
まぁフリンが憎めないキャラしてるというのが大きいですけど…

ディズニーといえばミュージカルシーンですが
この作品ではミュージカル要素は薄かったかもしれません。
正直、あまり印象に残ってないんですよね…
でも髪の力を使うときは歌いますし、
それ以外でもここぞという時には歌って踊りますので安心してください。

尺は100分という長編なんだけど体感的には短く感じました。
それはおそらく物語をギュッと凝縮した丁寧で贅沢な物語構成だからかもしれません。
明かりが流されるのが翌日ということで塔を出てから1日だけの冒険を描いた作品なんです。
なので色々なことが起こるというよりは、
限られた出来事にスポットを当てた凝縮された物語構成といえるでしょう。

そう考えるとロマンティックですね、
出会って1日の男女がお互いに恋をして命を賭して助け合うのですから。

最終的にラプンツェルは本当の両親である王と王妃と再会できるのですが
そこはあまり重要視されてないような気がしました。
物語の発端とオチの役割を担ってたように感じましたね。

何も外の世界を知らなかったラプンツェルだけど
塔の外に出た一番の収穫は「愛」を知ったことじゃないかな。
嫌味のない作品なので比較的大衆向けの作品だと思います。
ちょっとした幸福気分を味わいたい人におすすめです!

【A80点】

投稿 : 2014/06/14
閲覧 : 450
サンキュー:

6

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