「残響のテロル(TVアニメ動画)」

総合得点
82.0
感想・評価
2152
棚に入れた
11374
ランキング
371
★★★★☆ 3.7 (2152)
物語
3.7
作画
3.9
声優
3.7
音楽
3.7
キャラ
3.6

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

深く潜る

テロリストの少年たちに偶然まきこまれた少女。共犯者とする事で口封じを目論む少年たち。
孤独で不安定で心細いシルエット、いつ散ってもいいように芯だけは強く、しかし散るには咲かせつくしてからという刃のような意思を細い体に隠し持つ。


緩急つけながらのカメラワークに魅せられます。
とにかく作画のフィット感が手厚いですね。
肩を掴まれて揺さぶられている時の力の持っていかれ方、ふっと息を着く時の微細な表情。
細かく滑らかに動くってだけじゃなくて、反動や重みすら含ませる動きの流れに脱帽です。普段何を見てたらこう描けるんでしょう。

あと、オッサンキャラクターの描き分けが本当にうまいですね。
顔の中のパーツ率の違いに、体格のバランスの違いに、服(ワイシャツセンス)もみんな違う。凝ってますね〜




総評:
全体の作品を包む退廃的なスタイリッシュさは完成度が高かったです。中心的な登場人物の数が少なく、彼らの本当の望みは素朴なものだったということが伝わりやすい、シンプルなお話でした。
途中から話は大きいのに妙にこじんまりした印象になったのは、この火曜サスペンスのようなまとまりの良さのせいでしょうか。
この作品で設定されている悪や不正は、顔が見えるようでいて抽象的なので、あまり憎しみは伝わらず、歴史の影となった存在の切なさだけが残るお話でした。

しかし人が死ななければオッケーなテロってかなり雑では…って、現実の花火大会の事故の後遺症で苦しんでいる人のニュース見て思ってしまいました。


愛される凡人リサに意地悪だった、エキセントリックな女ハイブさん。
意地悪なのは、羨ましさもあったのかもしれませんね。
あんたなんか普通に生きられるくせにって。「優しいお母さん」の事とかいじって責めてましたね。リサは強くなれたのかな。


各話感想
{netabare}
第2話
共犯者、ということは何かさせるつもりなのか。向いてなさそうなオドオドした少女リサですが。
オイディプス、スピンクスの伝説を調べるのが漫画喫茶の漫画っていうのが新鮮でした。
そう難しい話はまだ出て来てないのに、動きの美しさに見とれてたら、色んな情報を聞き漏らしてました。

第3話
謎解き対決で今回は柴崎が勝つ。アララ勝っちゃった、とやや残念になってしまいました。
柴崎の過去が少し出てきて。家族を、社会を護る立場である、少年達と正反対の位置に居るようでいて、どこかアウトロー。くっついてる同僚のデブ(←スミマセン、本人が自称してるんだよー^^;)君のモラトリアムな態度にちょっと和ませられます。
ツエルブとリサは二人っきりで何してたんだろ?ミステリアス。
独特の、深く無音の水面下に潜るような感覚がありますね。

第4話
柴崎のシワの濃い顔はいいですね。
今回は、リサの周りでモブの女たちの会話が印象的にさざめいてました。

ゲームように都市で展開されるテロ。どこか面白がっている口元の一般市民。死者が出てないからですかね。死者を出さずにテロを行うのが指針であるようで。爆弾は、演出のために設置しているということ?誰も殺さず世界を壊す。復讐したい相手たちもチラリと見えてきました。

第6話
日本国内の事件になぜ、って作品内でも警察が反発してましたが、FBIが割り込んできて捜査の主導に。六カ所村の再処理施設からプルトニウム盗んだのと同一犯だからだ、って言い訳がついていましたが。そんな風に現実の汚染水漏れもどうにかしにきてくれたらいいのに。
セブンとツエルブと出自を同じくするFBIのエキセントリックな彼女が、個人的な確執…妄執?からゲームを仕掛けにくる。大層なようで、こじんまりしてきたような…。

止められる気満々で怪我人出さずにテロをしようとしていた二人と、一般人が多少傷物になっても二人を追い詰めようとするFBI。
どっちも、死者が出なければいいというのはかなり雑なような。

出自が同じなら、復讐したいのも同じなんじゃないのかな。このチェスゲームで、アンタやるわね!おまえもな!って一緒に組むのかな。


8話 ハイブは単に知覚才能を持て余しているから、張り合える二人(とくに眼鏡の方)が欲しいってことかな。面倒なやつですね。
リサに対し姑のようになってます。
「アンタみたいな何処の馬の骨とも蟻以下ともしれないオンナにあの子たちはやれないヨッ!」的な。なんかやり返してやれ、リサ〜

9話 柴崎の独自捜査で引退政治家から聴き込み、施設の概要がつまびらかに。蓮舫さんが追求して潰してそうな施設ですね。
この引退政治家、“私たちのかつての罪が追って来たのかもしれない…”って戦前の若かりし頃の罪事でも語ってるかのよーな口調ですが、実際はたかだか7、8年前の話…って、アンタ今とあんまり歳かわらないじゃん!最近の話では〜?

ツエルブはいい子ですね。もっと裏のある子なのかと思っていましたが、ただとても優しい。望むものも多くは無くて、きっと素朴なもの。

10話 ハイブは、余命がわかっていて、最期に本当の自分を知っていてくれるアイツに会いたかったってだけだったのかな。
不器用なやつ…。{/netabare}


リサのモデル
{netabare}公式のインタビューで、キャラデザの中澤一登さんが「監督のリサのイメージは某NHKの連ドラの女優さんで、でも自分の中のその女優さんのイメージともまた誤差があって…」というようなことが書かれてました。誰だろう?連ドラの女優さん。
かなり前からこの作品の構想や企画はあったそうなので(「坂道のアポロン」以前からだそう)最近ではなさそう。
あまり健康的なタイプでなさそうだし、あまちゃんじゃないよなー。と、歴代ヒロインリストをググって見てて(暇人…)骨格では多部未華子、榮倉奈々、宮崎あおい…?じつはよーく考えないと私は見分けがつかない。{/netabare}

投稿 : 2014/09/29
閲覧 : 260

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