てぶくろ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:今観てる
テーマや狙いに対するアプローチは良い、でも起きている事象とキャラに対する踏み込みがもう一歩だけ足りない。
第6話視聴しました。
{netabare} 今話は言うなればギャグ回というか箸休め的な一話であり、中身も母娘のハートウォーミングな内容でした。
本作品のストロングポイントである「見やすい」に特化した一話だったように思います。
では、本編です。
スランプに陥った花音を慮り、一先ずDMに来た楽曲制作依頼者と話してみる一行。
いや、匿名シンガーやってんのにホイホイ人と会うなよ笑
みー子さんに対して「設定が甘い」とまひるが言及していましたが、甘さについてはどっこいどっこいなのであんまりギャグになっていませんね。
それから、ハロウィンライブでの件を持ち出され否応なしに楽曲提供を引き受けることになったわけなんですが…
これ、みー子さんは何を根拠にあの時の仮面少女とJELEEを結びつけたんでしょうね?
いや まぁ、みー子さんからすると歌声しか判断基準がないので、たまたま回ってきたJELEEの楽曲を聞いて、チャンネルのページに移り、過去の動画を見つけ、聞き比べて確信を得たってことなんでしょうか?
みー子さんはすごく耳が良いんですね!
その後、みー子さんには小学生の娘がいることがわかり、その子と木村ちゃんが誰かを推すことについて話したりするんですが、正直 この亜璃恵瑠ちゃんの心境の変遷が都合よく扱われすぎだと思います。
亜璃恵瑠ちゃんは少し前まで暗い性格で、お母さんを見て気持ちが楽になり明るくなったそうですが、そのきっかけが いつもと変わらないお母さん ということなら、何故そもそも暗い性格になってしまったんでしょうか?
まぁこれは最悪、生来の性格がそうであったから として飲み込むとしても、その後の 周りにからかわれる事でお母さんや自分が変なのではないか と思い詰める様子を見せるのはさすがに物語として恣意的に誘導し過ぎなような気がします。
さっき、人ってこんなにも考えずに喋ってもいいんだ という知見を得たって話はどこいってん。
上げる演出の為にわざと下げる を繰り返しているように思います。
木村ちゃんが返答するターンでは、第2話では大して深堀りされなかった事に対する補足がなされるのかと思いきや、当たり障りのない台詞かつJELEEとして活動してみたことが活かされているわけでもない台詞で肩透かしを食らってしまいました。
場面変わって、あっという間にライブ当日となりました。
亜璃恵瑠ちゃんはお友達と初詣に行ってからライブに来るそうです。
これなんでわざわざ初詣にしたんでしょうね? 作中時間は冬休みも終わった1月の4周目突入間近くらいだと思うんですが、どうしても花園神社をもう一度出したかったんでしょうか?
ここで亜璃恵瑠ちゃんは同級生の男の子に絡まれてしまいライブに間に合わなくなってしまいますが、亜璃恵瑠ちゃんは思ったよりギリギリのタイムスケジュールで行動しているんですね。
男の子のコメントを見て察したキウイちゃんの「同級生の悪意だと思います。学校ってそういう場所なので…」という台詞、みー子さんに状況を理解させるための圧縮された良い台詞だと思うんですが…
傍若無人な小学生時代を過ごし、そのノリが中学校では通用せず出とちり、その後自分の好みを相手に押し付けるだけの交友術が災いし居場所をなくし、高校に上がっても環境を変えようとせず勝手に引きこもり、親友に対して虚言を弄して見栄を張っていた、何から何まで自業自得な子が、果たして学校生活というものをどれだけ理解しているんでしょうね。
その後、飛び出して行ってしまったみー子さんの代理としてステージに立つことになった花音たち。
ステージパフォーマンスと衣装もあいまってとても新鮮でした。
意外だったのは、会場にほぼ満員くらいのお客さんが入り、熱狂的なファンもついていることです。
これは別のアイドル作品でも書いたことがあるんですが、事務所ライブでキチンと集客ができるアイドルをクビにする理由ってなんなんですかね。
吹っ切れたみー子さんは秘密を暴露し、曲もバズることができめでたしめでたしとなりました。
最初にも書いたようにハートウォーミングな話だったように思います、みー子さんには小学生のアンチコメントよりも戦わなくてはいけないより恐ろしく厳しい現実があるとは思いましたが。
でも…なんかほんと、ずーーっと周りが悪いですね この作品。 引き出しが少ねぇって。
世間の目やいわゆる「現実」が、打破するもの 乗り越えていくもの ではなくただの「悪者」でしかないのは非常に歯痒いです。
ただまぁ大人になるとこの作品のように周りの所為ばっかりにする話には中々恥ずかしくてできませんが、それを乗り越え 彼女たちの目線に立った等身大のストーリーに仕上げているんだという点で見ればとても良いと思います。
{/netabare}
第3話まで視聴しました。
{netabare} 映像は文句無しにキレイでよく動いていて、キャラクターの可愛らしさを後押しし、共感性の高いテーマと音楽の要素で、全体がポップでキャッチーで取っ付きやすくなっていると思います。
ですが…何故かこの作品を 面白い! 彼女たちのこれからに目が離せない! 彼女たちのやりとりをもっと見ていたい! とは断言できない妙なモヤモヤが残ります。
非常に俗っぽい言い方にはなりますが、この作品はバズりたくて仕方が無く 世間が好きそうなものを集め 広いターゲット層に全力で媚びてみている そんな印象です。
もちろん、オリジナルアニメなので世間ウケを意識することはとても重要なことだと思うのですが、その気持ちだけが先行しなんとなくの人物描写で進行してしまっているように感じます。
個人的に一番引っかかっているのは、まひるです。
第1話にて、主人公が行動を起こす際にセルフツッコミを多用するのは話作りにおいて弱腰であるように思います。 行動の一つ一つに保険を張っていると言いますか…。
意図的にまひるはすぐに自分を客観視し冷めた言葉を自分にかけてしまう性格である と示しているなら別に構いません。
ですが、その割にまひるってモーションがブリブリしてますよね?
売り物の靴下に話しかけていたり、鼻をつままれ手をバタバタしていたり などです。
なんというか、提示されているキャラ設定と画面内のキャラの動きに齟齬があるように感じます。
他にも例をあげるなら
まわりからどう見られるかに過敏な子が、電話しながら買い物したりしますかね?
対人関係があまり上手では無さそうなフリを作っておいて、初対面の花音相手にいきなりくだけた感じのジョークをかましているのはどういうつもりなん? とかもあります。
それと、まひるの人格形成エピソードについて。
壁画を自慢しようとしたら、友人から「変な絵」と言われてしまい、絵を描くのをやめてしまいとさ。
悪くはないんですが、発想の1個目って感じがして弱く感じてしまいます。
何気ない他人の一言が影響を与えたとしたいなら、その後の「上から落書きしちゃう?」とかの台詞はちょっとやり過ぎの欲張り過ぎだと思います。
そんなにわざとらしくしなくてもw
ていうか友達2人はまひるが絵を描くことこの時から知ってるはずなので、余計に言わされてる感が強いんですよね。
あと、自分で黒歴史だと言っているのに 海月ヨル のアカウントを残しているのは何故?
少なくともこの思いっきり顔が出ている投稿は削除するんじゃないのか?
まひるは没個性なのに共感性が薄いキャラに仕上がっているように思います。
他キャラについて。
花音については、第1話で「ヨルって結構普通なんだね」と言っていて、小学生のときにちょろっと絵を描いていただけの子に何をそんな期待することがあるんや?とは思いましたが、彼女はそういう役回りなのでこれでいいと思います。
それよりも、15歳の女の子のところに記者が突撃取材とかするかなぁ? 暴行って言ってもそこまで過激なものでもないやろうし、ちょっとしたことでも騒がれる程人気ならまひるが知らないっていうのも違和感よなぁとかそっちの方が気になりました。
木村ちゃんについては、橘ののかと山ノ内花音の両方を推すことにしたそうですが、そのきっかけとなったものはよくわかりませんでした。
昔した約束を覚えていてくれた というのはただファンとして嬉しいことでしかなく、別に表現者としての山ノ内花音に何か感銘を受けたとか、根っこの部分に橘ののかを感じたとかでもなかったのが非常に残念です。
キウイちゃんはエピソードがまひると付随していることや順番で一番損をしているように思います。
新しい環境で上手く馴染めず引きこもりへ…という気持ちは理解できるんですが、正直 まひる木村ちゃんと続くと、あぁはいはい また周りの所為ね と思ってしまいました。
現実ならままあることなんでしょうけど、フィクションとしては面白味にかけます。
踊りの部分とか感動的っちゃそうですけど、でも元はと言えば自己紹介でやらかして、その後自分の好みを相手に押し付けてばっかりのキウイちゃんの自業自得だしな…とか、まひるはこの2年間こっちの誘いは全部断るくせに友達とファミレス行った話とかをしてくるキウイちゃんを一度も不審に思ったことはないのか? とか色々考えてしまいます。
キャラクターの内情を描くのが不得手な本作品ですが、この先関係性が深まっていき何か化学反応を起こすでしょうか次回に期待です。
{/netabare}
第4話視聴しました。
{netabare} 今話は順当過ぎる程に花音についての掘り下げ回となりました。
それと同時になんだかこの作品の底も見えてしまった、そんな一話でした。
では、本編です。
どうやら、前回発表したMVは再生数一万回を突破したようです。
まひるは「一本目で一万いったら充分じゃない?」と事も無げに言いますが、充分どころの話じゃなくないか!?
チャンネル登録者数2人だったアカウントでいきなりオリジナル楽曲出して、一万回、充分すぎるって!
個人的に、この一万回という数字はそれほど荒唐無稽な話ではないと思っています。
なぜなら、この結果って竜ヶ崎ノクスによる宣伝効果の賜物ですよね?
別に活動が順調な滑り出しをしていることは構わないんですが、ここでまひるが「さすが、キウイちゃんが宣伝してくれただけのことはあるね」とか、花音が「まぁキウイちゃんのファンが見てくれたからね…でもまぁまずは知ってもらう事が大事!」などの何故こうなっているかを自覚している台詞が必要だったと思います。
その後、花音のサンフラワードールズに対するなかなか一言では言い表せない感情が露わになったなったり、プロデューサーがお母さんであることなどが明かされました。
花音は第1話でまひるに対し「ヨルって結構普通なんだね」という印象的な台詞を残していましたが、この感じから察するに花音も結構普通そうですね。
キウイちゃんと木村ちゃんが花音と帰ってくるとまひるが部屋の掃除をし、シチューを作って待っていました。
自炊をしなさそうな2人の家にシチューの食材があるわけねぇだろ、と考えてしまうと なんかとりあえず家事ができたらキャラの株があがるだろっていう安易な発想のもとこんな事しているんだろうなと邪推してしまいます。
食後には互いに秘密の暴露大会が始まりました。
キウイちゃんについては前回でも思っていましたが、中学デビューで失敗したなら高校は知り合いいなさそうなとこに行くとかは出来なかったんですかね?
立北高校は中高一貫の私立校っぽいので、高校から心機一転としやすいと思うんですけどね。
それも込みで虚栄を張ってしまったってことなんでしょうか。
というか、そもそも高校デビューで失敗したで良かったような…。
木村ちゃんの秘密は、歌が苦手なことだそうです。
先生にまで止められたことがショックだったようで、「まるで、私が変だって世界に決められちゃったみたいで…」と語ります。
…いや、音程が合ってないんだから、そりゃ変だろ。
楽曲の理解や表現について食い違いがあるというならまだ分かりますが、音程が合っているか外れているかっていう段階の問題で個人の解釈なんか入ってこねぇよ。
お前が外してるんだから、お前が変だよ。
その後夜を徹して作業した結果、曲とMVが完成しました。
1日徹夜して完成するなら、ちゃんとスケジュール立てていれば来週の水曜日までなんて余裕だったんじゃないですかね?w
全員満身創痍な感じでしたが、キウイちゃんは意外と健康的なタイプの引きこもりなんでしょうか。
仮眠をして起きるとどうやらバズっているらしいです。
どういう理由でバズっているかはまだ定かではありませんが、やっぱりなんか軽いですね。
創作活動においての産みの苦しみも無く、注目してもらうための工夫もない、でも結果だけは転がり込む。
非常に素敵なファンタジーだと思います。
ファンタジーならファンタジーで大いに結構なんですが、一丁前に現代的なテーマ性がありますよ みたいな顔をしているのが問題なんでしょうね。
次回に期待です。
{/netabare}
第5話視聴しました。
{netabare} 今話は まひる というキャラを主人公に据えた本作品にとっては避けては通れない、チェックポイント的な話だったように思います。
では、本編です。
前回の 引き であったバズっている要因は、やはりアクシデント的なものだったようです。
今話のような、ひょんな事でバズってしまった でもちゃんと中身も聞いてもらえているから前向きに考えよー! ということを印象付けたいなら、どうして一曲目から一万回再生の好調な滑り出し にしてしまったんでしょうね。
順調に増える再生回数に浮かれるまひるでしたが、「イラストだけしょぼくね?」というコメントを見つけてしまいます。
本作品の性質とは逆なコメントですね。
ショックを受けるまひるは追い打ちとして、有名絵師による二次創作を喰らってしまいます。
花音は自虐モードになってしまったまひるを、俺が信じるお前を信じろ!というグレンラガン構文を用いて励まします。
少し元気を取り戻したまひるでしたが、「私より上手い人が描かないでよ、邪魔だな」という気持ちを抱えていることがわかります。
まひるが自分より上手い絵師に対してや、二次創作を喜ぶ花音に対して嫉妬の感情を持ち、その本音をしまい込んでいる様子は ことなかれ主義で相手に本音を明かすことを怖がるまひるらしいと思いました。
思っていたんですが、その後電車内で人目も憚らず急に花音に「あの人と私どっちが上手いと思ってるの?」と瞳孔開きながら詰問し始めていて、またまひるの事を掴みそこなった感じがします。
「めんどくさいね」って言っておけば何でも成立するわけじゃありませんよ?
その後、悔し泣きながら絵を描くまひるの様子はとても印象的なシーンでした。
ですが…その…まひるは絵の上手さについてこだわっていますけど、そこを取りあげてしまうとさ…圧倒的に絵に対してかけてきた時間が違うやんって話になってしまうような気がするんですよね。
10歳を境に精力的に描くのをやめたっていう長期的な点でもそうですし、この2曲目に関しては徹夜の大急ぎで仕上げてたやん。
そして、その後渾身の絵と共に3曲目を発表したわけなんですが…
根本的な画力で悩んでいた子が、たかだか2週間弱の頑張りでそこそこ納得できる画力を手に入れとても素敵な絵が描けました! となってどうするよ。
ここで必要だったのは、あくまでもまひるの技術の上達ではなく、曲や歌詞に対しての理解度 ひいては花音に対する理解度を深めようとする姿勢、今回のイラストにどういうメッセージ性をつけるのかという葛藤、そしてJEELEの楽曲を表現することについては誰にも負けたくない という気概だったように思います。
こうしたようにもう一歩だけ踏み込むことを止め、初詣にてほっぺにチュー のような見栄えだけを意識した演出に尺を割くから内容が薄まってしまうんだと思います。
一応、次回に期待です。
{/netabare}