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「もののけ姫(アニメ映画)」

総合得点
90.5
感想・評価
2046
棚に入れた
13279
ランキング
53
★★★★★ 4.2 (2046)
物語
4.2
作画
4.3
声優
3.9
音楽
4.2
キャラ
4.1

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もののけ姫の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:----

ジブリを象徴する傑作

宮崎アニメの中でも、殊に怒り、憎しみを含めた凶暴な本能を際立たせている。個人的に内容が似ている作品であるナウシカと異なるのは、人間と自然という対立構造がよりハッキリしている事だ。かつてナウシカによって再び結ばれた大地との絆は、再び人間によって壊された。怒りと憎しみの連鎖を断ち切ろうとするアシタカの姿は、かつてのナウシカを思わせるものがある。
最終的に双方の関係が改善されたのかはわからない、しかし、人間と自然、怒りや憎しみを超えて、獣神-命そのもの-は、「生きろ」と言ってくれた。命は、獣神の静かな佇まいの様に、存在し続けるのだ。

投稿 : 2023/07/22
閲覧 : 94
サンキュー:

4

ネタバレ

マーティ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

生きろ そなたは美しい

 全135分。

 ジブリであまり見返してなかった作品ですね。というのも、結構グロ要素、ダークな要素が多い。トトロやラピュタだったら金曜ロードショーで頻繁に放送されますが、もののけ姫はあまり放送されていなかったような?そんな印象。

 だけど、普遍性のある、非常に優れた作品です。特に作中で頻繁に語られている「生きろ。」という言葉はシンプルなんですけど非常に重みのある言葉です。

 思えば、この映画が放映されたのは1997年。エヴァンゲリオンが流行った時期と近い。当時はまだ僕は生まれていないのでよくわからないのですが、いろんな事件があり人々は希望が持てずにいた時代かと思われます。実際作中でも身売りにあった女性やハンセン病にかかり世間から見捨てられた人々が登場します。ヒロインのサンは狼に育てられた女の子ですし。
 ただどんな状態であろうと人は一人ひとり生きている。「共に生きよう!」というわけですね。

 改めてジブリ映画のクオリティの高さを思い知らされました。すばらしい作品でした!

 これにて感想を終わります。ここまで読んでくださりありがとうございました。

投稿 : 2022/10/10
閲覧 : 119
サンキュー:

12

ネタバレ

栞織 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

宮崎監督の本気

ジブリについて久しぶりに感想を書きます。

この作品、最近岡田斗司夫さんがいろいろ動画でコメントしていて、私も楽しく拝見させてもらっていますが、サンやカヤの男女の恋愛については、特に作画はそこまで考えて描いていないのじゃないかと思っています。しかしサンがエボシの子供だったとか、モロやシシ神に捧げものとして捨て子に出されたという説は、説得力があるなと思って見ています。おそらくそういう裏設定でセリフは書かれているものと思います。

とにかく宮崎監督はこの作品ではかなり博学な知識を惜し気もなく投入して描かれておられて、こちらがそこまで知らない事が多い事に気づかされます。そのひとつがサンの衣装で、私は初めて見た時は民俗学的にこの衣装に違和感を覚えたのですが、今はそうでもありません。アイヌよりももっと北の北方系狩猟民族風で、しかし日本の南方の出雲地方にいる感じに合わせたものと思って見ています。そしてそういう、アニメ界をよく知らない人にも合わせた一般人向けのものにもなっているのですが、当時のアニメ界を見ていて感じたことは、この作品は「The八犬伝」と「ガンダムW」の間に起きたある騒動に取材して作られているという事です。

「ガンダムW」の池田監督は、「サムライトルーパー」を手掛けておられて、それは南総里見八犬伝を下敷きにしたものでした。しかしそれは、特撮作品ぽく作られており、本当の滝沢馬琴の描いたものとはほど遠いものでした。そんな中、「天空戦記シュラト」などのスタッフを中心に、「トルーパー」の後に「The八犬伝」が作られました。それは「ガンダムW」放映直前に完結し、滝沢馬琴の話にかなり忠実に作られた作品でした。そしてその中に、サンのような毛皮の歌舞伎のかぶりものをかぶった、犬山道節という一種の美形キャラが登場します。言いたくないのですが、この毛皮のかぶりものと「サムライトルーパー」の「輝煌帝伝説」の真田遼の野球少年のようなTシャツの衣装が、サンのデザインの元になっていると思います。それらは、どちらも八犬伝というくくりでくくることができます。

それに対して、敵対するエボシは、扇の模様の衣装を着ています。これは一見道節の仇討ちの相手の扇谷定正の名前から取られた風ですが、本当はそうではないのでしょう。あのタタラ場は、当時アニメ界を席巻していた「ガンダムW」や「エヴァンゲリオン」などの、「The八犬伝」や「サムライトルーパー」を全否定する作品を作っていた側を暗示していると思います。そういう「揺れ戻し」がアニメ界全体に起きていました。おそらく戦前の教科書に掲載されていた八犬伝を否定したい、戦中派の人々が、その気勢をあげて起きた出来事だと思います。そのような「国策」に乗っ取った八犬伝を持ち上げるな、と言いたかったのでしょう。

しかし私は言いたいのです。滝沢馬琴の描いたもともとの八犬伝は、そのような物語ではありません。「The八犬伝」でもその片鱗は出てきます。主人公の信乃は信じていた者に何度も裏切られるという展開になっています。それは主君への忠義を説くような物語ではありません。忠義忠君というのは江戸時代らしい「建前」で、本当はそのような事が目的で書かれた作品ではないと思います。戦前はその「建前」の部分だけ拝借し、国策として利用したのです。

宮崎監督はおそらくその事を知っていたのではないでしょうか。サンたちを良き者として描いているからです。もちろんそのような見方で「もののけ姫」を見る事は、正当ではないと思います。しかし当時私はそう思い、なんとも言えない気持ちでいました。そしてこういった事は、あの岡田斗司夫さんは、決して口にはしない事です。

投稿 : 2022/02/24
閲覧 : 169
サンキュー:

6

ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 2.5 音楽 : 4.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

凄いけど…モヤモヤします。

【概要】

アニメーション制作:スタジオジブリ
1997年7月12日に公開された133分間の劇場版作品。
監督は、宮崎駿。

【あらすじ】

室町の戦国乱世の時代。東北のエミシの末裔の村に17歳の男・アシタカがいた。
アシタカはエミシの一族の王の地位を継ぐよう育てられた存在であったが、
村を襲ってきたタタリ神を討ったときに引き換えに死の呪いを受けてしまった。
タタリ神の正体は人間と争い深い憎しみを持つ西国のイノシシの神であり、
アシタカは呪いを解く方法を求めて、大カモシカに乗って村を出て西へと旅立った。

旅をするアシタカは、通りすがりの村を襲い略奪をする地侍を返り討ちにしたり、
ジコ坊という歯抜けの僧侶と一時期旅路を共にして別れた後に、
渓流で負傷した行き倒れの二人の男を救助。
その折に向こう岸に三匹の巨大な山犬ととも行動する野性的な娘のサンと目が合う。

3名が森を通り抜ける途上で、アシタカは森の神であるシシ神を目撃する。
やがて森を抜けて、男たちが住んでいるタタラの村にたどり着いた一行。

そこは、強い指導力を持ったエボシという女性に率いられた女尊男卑の集落。

女と傷病者を手厚く保護して、女を労働力として精鉄を生業としている傍らで、
仕事と住むところと食事を与えられて賑やかに日がな暮らしているものの、
命がけの場所に次々と送り込まれる男どもの生命の扱いは軽い。

鉄を狙う侍たち、もののけ達が拓かれた森を自然の姿に戻そうとするのに対抗するために
タタラの村は、石火矢(鉄砲)を製造して武装して戦っている。

自然への畏れを持たず自然を破壊して鉄を作り、人間の住む世界を広げて生きようとする、
そのタタラの村に生きる人々の暮らしと、エボシに縋る感情の現実を知りながらも、
自然の神々の怒りを買わない生き方が出来ぬものかとエボシに忠告をするアシタカ。

だが、神殺しをして人間の時代を作ろうとするエボシにアシタカの声は届かなかった。
その夜、サンがエボシを殺そうとして村を襲撃する。

驚異的な身体能力を持ち暴れるつサンではあったが、エボシもまた強くて刃が届かず、
(元から強かったが)呪いで人ならざる力を持つアシタカによって、
両者の争いを力づくで止められてしまう。

腹を殴られて気を失ったサンを担いでタタラの村から出ていくアシタカであるが、
サンに殺された村人もいることから、アシタカはに石火矢で撃たれて腹を貫通してしまう。

人に捨てられて、自然を壊す人間への憎しみに染まっていたサンではあったが、
争いでも憎しみでもないアシタカのとある一言に動揺してしまったことから、
瀕死の重傷のアシタカを生かすために行動を起こして、次第に心を開いていくのだった。

【感想】

商売をする時は、政治と野球と宗教の話はするな!が常識ではありますが、

映画監督や劇作家や小説家などには自分の思想を作品に盛りたがる人達がいますね。
芸能人にしても、ラサール石井や松尾貴史など反権力の姿勢を隠さない方が多数。

邦画の、『新聞記者』や『パンケーキを毒見する』は、反政権思想が土台にありますし、

著名なグルメ漫画の『美味しんぼ』では、朝日新聞みたいな主張を長年垂れ流した挙げ句に、
東日本大震災で目覚めた?原作者の雁屋哲が原子力発電に対する見解の主張のために、

被災地入りした山岡士郎が「第604話 福島の真実その22」で原因不明の鼻血を流したのが、
“放射線を浴びると鼻血が出る”との福島への風評被害の拡大の懸念が問題視されて、
2014年5月を最後に休載をして打ち切り同然に掲載誌から消えたままです。

アニメや実写を問わずに、思想を持って社会問題を抉ったり、
作者の思う“人間の真実”を描いた作品を「考えさせられる」と尊ぶ人らもいますが、
著名なクリエイターが作品でそれを描いたからと、それらはプロパガンダであり、
素晴らしいことを言っている“高尚なもの”として単純に受け止めずに、
内容次第では、「はい!そうですね!でも自分はこういう意見がある!」
で丁度いいと自分は思います。

40歳の1981年当時は満面の笑みの写真とともに、
アニメージュにてロリコンの美学を熱心にコメントしていた人間だったのが、
後に白ヒゲの紳士然としたアニメの巨匠監督に転身した宮崎駿氏は、

環境問題や日本の国防などに極めて強い関心と思想を持つ理想主義者であり、
日本共産党中央委員会の発行する日刊機関紙の『しんぶん赤旗』に寄稿するガチの人でして、

数年前には中国の軍事的脅威を認めながらも平和憲法が抑止力になると絶対視していて、
何があっても戦争をしてはいけない!(防衛線に関して熱弁)
日本は地震が多い国だから原子力発電所を無くすべきだ!(震災後に主張)

と理想に偏った発言内容を頭に入れながら、この『もののけ姫』を観てみますと、
宮崎駿氏の価値感や世界観を表明する作品となっていますね。

それは、人類の科学文明の発達が人の生活を豊かにすれば、
さらに利便性を求めて自然環境を破壊したり、利権を巡って戦争が生じる。
(経済発展が資源の乱獲と環境破壊と直結している中国の現状が一番近いですね!)

残酷で汚い戦に明け暮れる欲深く愚かな人間の浅ましい破滅的な姿を描きながらも、
漫画版のナウシカで、欲を捨てて浄化されたような穏やかで無害な人間は、
それは人ではないと、ナウシカの怒りによって全否定させていることもあり、
人間が生きている事自体が罪であるように語りながらも、必死に生きていくしか無い、
自然に抗う人の姿を完全には否定せずに、人間が自然と共存して歩むのを理想としながら、
人類は自然の前では小さな存在であること、自然への畏れを忘れるなという話。

旧約聖書の『創世記』中に登場する、『ノアの方舟』『バベルの塔』で、
人間の傲慢さが神からの怒りを買って天罰を受ける話にも似た、
スケール感のある話も併せての壮大っぽい物語。

宮崎駿監督の記念すべき作品である、『未来少年コナン』では、
冷戦当時のアメリカ人の少年の原作話から、
地球の人口が大激減した架空の未来の話にアレンジするしたなど、
アニメを使って考えを語るときは、現実社会をそのまま当てこすることを避けて、
架空の世界設定を構築して、自分の主義主張をオブラートに包んだ寓話性を用いるなど、
思想の根っこはどうであれ、フィクションの創作姿勢は自制がありますね。

宮崎駿監督がジブリの数多のアニメーターを率いて、
20億円の巨費を投じたハイクオリティのセルアニメ映像に更なる付加価値となったのかな。

鈴木敏夫氏がプロデューサーとなって、
日テレや電通や徳間書店らのバックアップでイメージアップに務めた、宮崎駿ブランドの確立。
TVアニメとは比較にならない金・人・時間を注ぎ込んで作り上げた豪華なアニメーション。

リバイバル上映分も併せて興行収入202億円とジブリでは歴代2位。
11回のTV放送と実績もクオリティもすごい作品ではあるのでしょうけど、
それはそれとして個人的には面白くはなかったかな。

山窩やエミシ、差別問題など日本の歴史資料を読み解いて、上手く構築されているものの、
固くてユーモアの薄い物語を和らげているはずの登場人物の描き方が好きではないのですよ。

・アシタカが婚約者のカヤから今生の別れの形見の品として貰った小刀を、
 あっさりと新しい別の女(サン)にプレゼントする薄情さ。
・自然を守る立場のサンも彼女の人間としての機微がよくわからない。
・タタラの村の若妻のトキは夫の甲六をいつも詰り続けながら、
 若くてかっこいいアシタカに色目を使う。
・夫の甲六はただのボンクラで良いところが一つもない。
・エボシはクシャナ殿下の再利用。
・タタラの村で飯を口の中に入れたまま延々口を開けて喋り続ける中年男。

ジブリがイキイキと描いたはずの人間らしさが今の自分の価値感だとよくわからない。
多分それは様々なアニメなどの物語に触れた影響で、
ジブリの人間の描き方が画一的にしか思えなくなったのかもしれませんね。

サン役の石田ゆり子、甲六役の西村雅彦など、
俳優の演技もアニメ向けとは言えずに、特に西村雅彦の棒読みが酷い。
宮崎監督は石田ゆり子に厳しく演技指導したそうですが、声優でない役者に、
声だけで微妙なイントネーションの違いに拘って何度もリテイクさせるのなら、
餅は餅屋で役になりきって声を出せる声優を使えばいいじゃん。
役者個人の個性や表情などで魅せる舞台やTVドラマとは勝手が違うよ!

理由づけて職業声優をほぼ一掃して、俳優など芸能人をキャスティングする一環で、
「声優の前に俳優、芝居の基本ができてないと意味が無い」と演技に一家言を持つ、
これまで宮崎アニメの常連だった、舞台俳優出身で大ベテランの名優の永井一郎氏すら排除して、
似たような役どころに上条恒彦氏を起用するとかあったりで、
TVアニメとの差別化で特別感を出そうとする姿勢。

また、TVアニメの予算の低さと納期の厳しさに苦言を呈していた宮崎駿監督ですが、
どこもかしこもがジブリ方式でアニメを作っていたら極端に本数が減りますし、
お金がかかりすぎて業界の身が持たないです。

お金と時間をたっぷり使った大作志向アニメを芸術と考えてのこだわりが、
娯楽としてTVシリーズのアニメを作ってる会社とのギャップを発生させていますね。

そもそも、アニメーター個人の作業量が一ヶ月で20秒とジブリの生産ペースが特殊すぎて、
TVアニメ制作では使い物にならないレベルで期日内に枚数を描けない極端に手の遅い、
他所のアニメ会社でつぶしが利かないアニメーターばかり作ってしまう関係で、
拘束費で予算が簡単に吹っ飛んでしまうジブリの制作環境は、
他所のアニメ会社のお手本になりえないです。

商業アニメの常識の枠にとらわれない環境を動かすのは宮崎・高畑の両巨頭と、
彼らに仕えるスタッフという図式で、トップの個に頼りすぎた組織づくりが、
後継者が育たなかったのも無理もないところですね。

『天空の城ラピュタ』『魔女の宅急便』『紅の豚』などを楽しんでいた自分が、
商業的な戦略で大事にしてきた巨匠イメージを壊せなくなった作品作りが窮屈に思えてきて、
このころから宮崎駿監督作品というかジブリそのものが特殊すぎて純粋に楽しめなくなったですね。

それに、思想の押し付けや説教臭さをこのころからジブリ映画から強く感じるようになったのが、
急に楽しくなくなった一因ですね。そういう部分が持ち味の作風に転向したのでしょうけど、
自分は、しかめっ面をして議論するためではなくて、
見てる側としてあくまで笑ったり感動したりで楽しむためにアニメを見ていますので。

宮崎駿監督が“巨匠”になるために、捨てたもの、変えたものを強く意識せざるを得ない、
21世紀のジブリ作品を心からは楽しめていない自分の、ジブリに対する転換点でしたね。

今の劇場アニメの多くは、そういった大作・巨匠主義みたいなものから外れていて、
とっくの昔に娯楽方面に寄っていて、その点でアニメの未来に安堵しつつありました。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2021/12/16
閲覧 : 342
サンキュー:

47

ネタバレ

フィコンパ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

あれから約20年位か

観たのは学生の頃ですね。最初は自分の呪いを解く事だったアシタカ、そして両者の話を聞いて、今生きている生命(人も動物もまた違う生き物も)を全て助けようとする強引な願いですが、叶ったので良かったでしょう。

投稿 : 2020/08/15
閲覧 : 199
サンキュー:

7

ネタバレ

Jun さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

戦後日本人の原罪観

アシタカに将来子孫がいるのかどうかは作中語られないが、間違いなく、イノシシを殺した呪いは令和時代の現在まで続いている。日本人は何かを殺し、何かを手にした。そんな罪を自分は知らないと言っても、呪いが消えるわけではない。

それならみんなどうしたらよかったのかという答えを示してくれない作品。どうしたらみんなしあわになったんだろうか。残念だけど何回見ても答えは出ない。

シシガミは形を失い、森は長い再生の時を必要とし、たたらばは焼け落ち、侍、僧兵も陣を引いただけ。戦争は終わったが人同士と森の三巴の対立構造は何も変わっていない。

アシタカの生きねばという原初の命題と、サンに会いに行くという約束だけが、物語でなし得た。

この物語ほど視聴後の快感のない大作はない。

投稿 : 2020/02/13
閲覧 : 247
サンキュー:

13

ネタバレ

USB_DAC さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

解決策や希望など、そもそも描かれていない

物語:
先ず圧倒的な情報量と思想的な奥深さが、この作品にはあります。しかもこ
の環境破壊などと言う解決不能なテーマに対して、良心的な救済や宗教的な
カタルシスなどは一切無い。解決策は自分で良く考えろと言う訳ですね。

確かにそうです。明確な解決策を理解して実行していれば現代の環境問題な
どとうの昔にバランスが取れている筈ですから。文明の発展にブレーキを掛
けて迄、人類は環境の改善に進もうとはしないし、そもそも現代生活を送る
だけで絶望的な環境に一歩一歩近づいている。そうなる前に皆でやれること
をやれ、きっとそう言うことなのだと思います。例えそれが気休めでも、最
善を尽くせば進行を遅らすくらいは出来ると。

因みに、その後に監督が発表された詩集に記されてる「アシタカ聶記」の内
容に、それを匂わせるメッセージがあります。興味がある方は是非。

作画:
わずか数分のカットに1年7か月も制作に掛けたという、蠢く祟り神の描写。
1秒間に24枚必要とされるコマの多さと手書きへの拘りは、驚きを超え感
動すら覚えます。呪われた紋様一匹一匹に命を吹き込むそれは、まさに「も
ののけ」の住まう世界。とにかく冒頭から圧倒される映像でした。そしてイ
ノシシの群れが走るシーンもまたナウシカのオームの群れを彷彿とさせ、と
ても迫力があるものでした。

声優:
アシタカ役はナウシカでアスベルを演じたお馴染みの松田治洋さん。真直ぐ
で男らしいアシタカそのものでとても魅力的な声です。そしてエボシ役を演
じた田中裕子さんもまたクールで頭脳明晰、民を束ねる頭目に相応しい演技
だったと思います。その他キャストもとても役にハマった演技をされていた
と思いました。

音楽:
日本を代表するカウンターテナーの米良さんが歌う主題歌「もののけ姫」。
彼の美しい歌声はもとより、監督が作詞されたというこの短い詩を読み解く
と、矢尻を向けた対象への生と死の葛藤と、欲にまみれることを恐れ戸惑う
アシタカの優しい心を感じることが出来ます。また、この曲をバックに犬神
とアシタカが語り合うシーンは何度見ても胸が熱くなります。

キャラ:
慈悲深い犬神に命を救われ一族として育てられたサン。森を侵した過ちから
逃れる為に生贄として親から捧げられ、人としての人生を奪われた。そして
森を守護する母の娘として気高く、そして優しく育った彼女はまさしく「も
ののけ姫」。誠実なアシタカと並び、その壮絶な彼女の生き様は圧倒的な存
在感があります。



[あらすじ]
{netabare}
人々が生きていくために他の命を狩る行為。そこに欲望というものがあって
はならない。古来から人々はそのことを知り伝え、絶つ命を尊び、そして神
を祀り、村の掟としてそれを守ってきた。

飛礫を食らわせた人間への憎しみに震え、悍ましい祟り神と化したナゴの神
を迎え撃つアシタカヒコ。見事打ち倒すものの右腕を祟りに蝕まれ呪われた
者と化してしまう。それは時に爆発的な力を与える代わりに、彼の命を奪い
やがて死に至るもの。

村では英雄と称される傍ら、禁忌を犯し不浄な神に呪われた者として名を変
えられ、大切な髷を切り落とし、掟に従いヤックルと共に二度と戻らぬ覚悟
でこの村を去って行く。そして老巫女に言われた通り不穏な気配を察し、こ
の目でそれを確かめんと西の国を目指す。

もののけ姫であるサンもまた、生贄として神に捧げた生き子でありながら犬
神の哀れみで生き長らえ、民にとっては禁忌を犯す者として恐れられる。

そして女人禁制である多々良場で盛りの女性に鞴を踏ませ、鉄の神である金
屋子の神に抗い、毒の飛礫を作っては山神の命をつけ狙うエボシ。

互いが同じ神に抗う身でありながら、アシタカは共に生きる道を探り、片や
サンはシシ神を崇め、人間は森を汚す生き物と忌み嫌う。一方で呪われし者
を村に匿い、優しさで民を束ね敬われるものの、山神に愛する夫を奪われた
エボシは毒の飛礫を作り、森に手を掛け神々を憎む。

やがてこの者達を巻き込みながら大きな争いが起きる。手練れであるジコ坊
達の策にハマり、多くの犠牲を払い敗れ去る山神と乙事主。我を忘れた乙事
主はシシ神の首を狙う人間とは知らず戦士が戻ったと喜び、其奴等が化けた
イノシシ共を引き連れ、祟り神と化しながらシシ神の元へと向かう。

その後、乙事主に飲まれたサンを救い出す犬神。そこに生と死を司るシシ神
が現れる。しかし戦に傷つき祟り神と化した乙事主と犬神には命は与えるこ
とは無かった。それはただひたすら憎しみに駆られ、我を失う哀れな者への
神の思し召しであるかのように。

シシ神の首を撥ねるエボシ。それを見てサンは怒り狂う。犬神は残された命
を振り絞りエボシの右腕を食らう。そしてエボシを助けるアシタカが許せぬ
も、シシ神の首を取り戻すためならと彼に手を貸すサンと山犬。

奪われた首を求めて多々良場を目指すデイダラボッチと化したシシ神。触れ
る物全ての命を奪い、次第に朽ち果てる大地。その後、アシタカとサンによ
り首を取り戻したその神は、朝陽と共に新たな命を大地に芽吹かせる。

やがて目を覚まし、この地で生きることを決意するアシタカと再び山へと戻
るサン。「共に生きよう」きっといつか解り合うことは出来ると頷く二人。

幽かに残されたアシタカへの呪いの傷跡。それは村人への大切な戒めとなり、
神に生かされた証として永遠に人々の心に刻まれる。
{/netabare}

[感想]

文明の発展と共に失っていく自然の恵みとその調和。そして人類がこの世に
いる限り、永遠と繰り返される破壊と創成。その問題を見事に表現し提起し
た作品だと思います。

宮崎駿監督が照葉樹林文化論をこよなく愛し、ペンネームを使い時に啓蒙活
動を行っていることはあまりに有名な話です。そして、叶精二氏が記された
「もののけ姫」の基礎知識という記事に以下の様な一節があります。

”太古の日本が覆われていた照葉樹林。それは温暖な気候と水分を多く含む
地にしか発生しない。その最大の特徴は森の蘇生力である。いくら樹を伐っ
ても砂漠化はせず、人間が手を加えなければ、数十年で元の森林に戻ってし
まうのだ。「産業や文明が崩壊した後に森になる」という『風の谷のナウシ
カ』以降の宮崎監督作品のイメージは、ここに原点がある。”

朽ち果てた大地に一瞬で新たな息吹が目覚めるという描写は、実際は人々が
一切手を加えず、数十年、または数百年掛けてやっと取り戻せるものなので
す。今後二人が共に理解し合い森を守っていったとしても、次の世代、また
その次の世代で漸く叶う長い道のり。だからこそ人は私利私欲に囚われず常
にこの二人の様に語らい、失われたものに対して残された可能性を信じ、常
に最善を尽くす努力が必要なのだと思います。

しかし15世紀頃と思われるこの舞台の後は、激しい戦火の時代がやってく
ることになる。それを承知の上で彼等に「生きろ」と語っている訳です。来
るべき困難な時代に彼等はどう立ち向かうべきなのか。それは今の時代に置
き換えても同じなのかも知れません。そのことを改めて考えさせられる、と
ても深い作品です。



以上、拙い感想でした。


2019.11.04  初回投稿
2019.11.05  誤字修正

投稿 : 2019/11/05
閲覧 : 321
サンキュー:

19

ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

もののけ姫 レビュー

毎回登場人物の動きから感想を書いているので、今回は私なりに見た世界設定から感想を書こうとおもいます。

まず、始まりの場所、アシタカの村(エミシの村)。この村は大和の国との争いの後蝦夷に逃げ込んだとされる一族で、争いから500年、一族も老いてきており、緩やかな死に向かっているとされています。

エミシは、実際に存在した蝦夷の人々で、アシタカが海を越える描写がなかったことから、北海道ではなく東北に位置していた蝦夷の民族だったとは思うのですが、あまり蝦夷に詳しくはないので、それ以上はよしておこうと思います。

彼らの文明レベル的に想像されるのは、外界との接続を500年遮断しているために、新しい血が入ってきていないのではないか、という事。
彼らの文明は、髪型、信仰、鉄の普及、衣食住の生活スタイルが、後のストーリーで登場するたたら場や侍(たたら場に敵対する武士勢力)に比べてかなり遅れていることが伺えます。そこには、あらゆる外界の訪問者を拒絶したか、または入ってこれないような土地に住んでいたと思われます。文明レベルが上がらないのと同時に、外界からの影響が何かしらあって一族が弱体化したか、血が濃くなったから弱くなったか。エミシの村に住むカヤは、アシタカを「あに様」とよぶが、許嫁であり、近親での結婚が多かったのかもしれません。(実の兄弟ではないが、兄弟で呼び合うような近い存在として生まれ育った想像がされます)


次は、たたら場を中心とする、本作の舞台となる人間社会。まず、たたら場は、川に面して砂鉄を取る拠点かつ砦になっています。たたら場を構成する建築材のほとんどが木でできており、たたら場に面した山の斜面の木がとりつくされていることが伺えます。この斜面が、猩猩と呼ばれる物の怪が木を植えても狩られるという場所だと思われます。斜面の木を伐りすぎると、土砂崩れの可能性が高まるのですが、あそこまで徹底的に木をなくすのは、なにか破壊を象徴させる意図を感じてなりませんが、いずれにしろ、鉄を取るために、森を切り取ったという意味を感じると思います。
さて、たたら場の中に入っていきますと、大きな炉によって砂鉄を溶かしています。砂鉄は外の川に面した場所で、土と砂鉄を振り分けています。
炉の温度について、たたら場で働く女性たちが気にしているのは、炉の温度の低下によって、鉄が炉内で固まると、詰まって取り出せなくなり、炉自体が使えなくなってしまうからだと思われます。
あの炉で鉄を取り出すという行為に用いられる、燃料としての木の量は、石炭のないあの時代では計り知れないものがあり、鉄を作るという行為自体に膨大な木を必要とする意味で、家を作るだけで森を切り崩すわけではないという意味が入っているんでしょう。

たたら場で目に付くのは、牛飼い、タタラ者、石火矢衆などの部隊という戦略。アシタカの住む村では、男衆であるとか、男女で役割が異なるくらいの人の分け方しかなかったのですが、人の能力や修練を積んだ人間を集めて、集団的行動を取らせる違いがあります。これはアシタカの村との時代の差もあるのでしょうが、人の多さによる役割分担を決めておかないと、機能しない、村と国の違いを表しているのではないかなと思います(事実、ラストシーンで「ここを良い村にしよう」とエボシ御前に言わせるあたり、村と国の違いを事前に描きたかったのではないでしょうか)。

さらに米を輸入するという部分にも着目してみます。たたら場の人間は、自分で食料を自然から調達もしくは農作物で調達することができない。アシタカの村はできる。ここにおいて、文明が発達することで得られた便利さと失ったものがあるのかも。自分で農作物を作ることで、自然と向き合い、自然と戦ったり恩恵を受けたりする過程を踏むことが、国と村の差として示しているかもしれないですね。
自作から離れたたたら場の人々は、自然とニュートラルに接する場所がなくなり、自然をただの敵と考える思想に若干染まっているのではないのかと見て取れる気がします。

さて、次は、もののけ姫の住む、シシ神の森について。
森というのは、本来はコミュニティではありませんよね。
ですが、人語を介すような物の怪と呼ばれる者たちが、そこに同種族の者たちで集まり、他種族の動物と共存するコミュニティを形成しています。
種族としては、山犬、猩猩、猪。そして、信仰対象としてのシシ神。
シシ神の森がコミュニティとして認識されているのは、もののけ姫が、姫という役割を負っていることからも、ある程度の社会として、エボシ御前には見られているのだと思います。
猪が滅びゆく種族、一族という点において、アシタカの村と状況が似ており、アシタカの行動にも幾ばくかの影響を与えているかもしれません。

乙事主に関しては、海を渡ってきたことが示されており、もののけ姫の世界と外界との接続をしめしています。たたら場で言えばエボシ御前などの支配層が帝との繋がりを持っており、外界の世界設定を広げて見ると、エボシがどこから来たのか、何故たたら場に戻らずにシシ神討伐を続けたのかなどの理由、世界状況がまた詳しくわかってくるのでしょうね。

物の怪というのが、人語を介するという点では、人間によって生まれた存在というのがわかります。動物なら、サンと動物たちは人語でコミュニケーションを取れず、やはり物の怪というのは人間のエゴの視点からそう見えているだけのように思えます。
物の怪は、そもそもは森に暮らす者たちであり、「物の怪」という言葉が持つ、人間に敵対する存在というポジションは、人間たちが与えたものではないでしょうか。
大和によって元の生活圏を追われたエミシの一族の末裔であるアシタカという立場だからこそ、人間によって森(生活圏)を奪われる物の怪の立場を保とうとする、共に生きる道を探そうとしたのかもしれません。

アシタカは呪いのために、村から旅立たされており、村を守ったのに見送りもなく追いだされるという理不尽を感じた心を持っているのですが、決して彼は自分のいた場所を否定していません。エミシの村の近くにもコダマのいる森があり、アシタカのシシ神の森への接し方はそこに倣ったものです。彼は掟に従うという村からの仕打ちに傷つきながらも、自分の村で習った自然に対するしつけや教育を基盤に、森と人がともに生きる答えを出したのだと思います。
アシタカの序盤で印象的なのは「里に下りたのは間違いだった」という、人と接する事を極端に避ける事です。これは、エミシの村が外界の人間と接触することを避けてきたことを示しているように感じます。
しかし、アシタカはその後もたたら場で人と接触しており、彼は彼なりに、エミシの村と違う道を選ぶことを意識していたのだと私は思います。かつて大和と戦い、外界と断絶することを選んだエミシを全肯定するのではなく、彼は外界との共存という道を選んだのではないのでしょうか。だから、彼はエミシの村に帰ることはなかったのかもしれません。

世界観設定について、私の見方を書かせていただきました。シシ神に住む物の怪のコミュニティと、たたら場に住む人間のコミュニティの対立に、なぜあのような道をアシタカが選び干渉したのか、なんとなく今回新しい事を感じれたと思います。

また、作品の魅力は、アシタカの「そなたは美しい」などの強いセリフ、シシ神に傷は癒されても呪いを解いてもらえなかったアシタカの絶望感、もののけ姫が屋根から落ちた後に刀を曲げながら進むアシタカの強い怒りを表現した映像、奇妙かつ神秘的なシシ神の森の持つ強度のある世界観など、総合力の高い作品だからこそ、今まで言葉にしづらく、しかしながらも私の記憶に深く刻まれた作品なのだと思います。

アシタカの呪いについてや、もののけ姫に関することなど、考えられる事、もっと詰められることはまだまだあるのでしょうが、それはまた、次の視聴時の楽しみに取っておきます。

投稿 : 2019/08/16
閲覧 : 366
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35

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前田定満 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

隠れた最も重要な言葉とは。

スタジオジブリの中でも人気の高い「もののけ姫」。
世界観、メッセージ性、また作画も素晴らしいです。

この映画の最大こ魅力はメッセージ性です。
お話としては森社会と人間社会の対立です。
タタリ神に呪いをかけられたアシタカが呪いを解く方法、
そして大猪がなぜタタリ神になったのか。
その謎を解くために旅に出ます。
手がかりとなったのはシシ神とシシ神の森。
そしてその森を抜けてたどり着いたエボシの納めるタタラ場。
鉄作りで賑わっています。

もののけ姫を初めて観た子供の頃は
森を脅かす人間(エボシ)を圧倒的に悪役として観ていました。
しかし大人になって観るとエボシは国を治めるリーダー性、病人にも優しくかなりの人格者です。
また人々の生活なども考えると木を切るのは、
人間側からしたらやむを得ない。

特に建築の面から日本では圧倒的に木材が有利なため、
木を切るなというのは建築関係の人からすると厳しいです。

ただし木というのは生き物で命があり、木には無数の生物が暮らしています。
八百万の神という神道の教えでも
木には神様が宿るし
キリスト教の教えでも生き物は神が作り出したもので
神聖なものです。

そんな森は森社会だけでなく人間からしても重要な存在です。
両方の対立を止めてまずは自分だけでも森と共に生きる。
アシタカは森と人間を繋ぐ存在になろうとします。


ではどうやったら森と共に生きることができるのでしょうか。
そのきっかけのひとつになる言葉の一つが「感謝」です。
「感謝」という言葉がこのもののけ姫における隠れた最も重要な言葉であると私は思います。
何に感謝するのでしょうか。
それはシシ神と生命、森を守るものなどです。
私はあの映画で人間に最も欠けていたものがこの「感謝」だとおもいます。

森の木を切って開拓しそれを使って生活しているのに
当たり前に存在するものという認識で
さらには森をも支配しようとしました。

我々人間は森に助けられているのだということを忘れてはならなかったのです。
森だけではありません。
日常においても日々手を差し伸べてくれる人達。
当たり前に存在するけども実はなくてはいきていけないもの。
日常には数多く存在します。
私の知り合いのおじさんで電波関係の仕事をしています。
そのおじさんが「僕らの仕事はあまり感謝されない」と言っていました。
この携帯、スマホなども電波関係の人が一生懸命にやってくれたから使えているのです。
あにこれを使えるのも使えるように努力して支えてくれる方がいるから使えている。

「感謝」
当たり前の言葉だけれど
決して忘れてはならない最も大切な言葉であることを気づかされた気がします。


アシタカの言葉を引用して
「(感謝を忘れず)共に生きよう!」

投稿 : 2019/04/13
閲覧 : 394
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14

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※アニをた獣医師() さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

人であるか、獣であるか。

この物語は、サンがアシタカを通して少しずつ人と心通わせることができるかもということと同時に同じくらい、共存することの難しさが描かれています。
ただ、アシタカはそれを諦めずに、人と獣、どちらのサンも受け入れようとする。
どちらが幸せかということを考えさせられます。
今までの暮らしをとるか、変化していくことをとるか。自分達にも言えるでしょう。

↓ 自分の二人をみた感想。


サンとアシタカ、いいよねぇ~♪
よくできた物語だとおもう。少しグロくて見辛いかもしれないけど見て損はない!
不思議な物語となっております♪

まあ、初めて見たときアシタカTUEEEEEって思ったw
アシタカとサンはお似合いだよね♪最後の終わらせ方は想像力を書き立てさせるよね、考えちゃうよ後日談(笑)

サンとアシタカが次第に打ち解けていくとかもすごく良くて、これぞツンデレ!(つんの方が強いかな!)
って感じがするんだな!
もうあれだよね。かわいすぎてね~…

これに求めるのは後日談すごくみたい!

ジブリはいろいろなことを教えてくれるよね。
いつか自然と人間がわかりあえる日が来るといいな…

投稿 : 2018/10/26
閲覧 : 302
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10

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みそ汁ソムリエ さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.5
物語 : 1.5 作画 : 1.5 声優 : 1.5 音楽 : 1.5 キャラ : 1.5 状態:観終わった

全く面白いと思わない

ドラマチックな展開もなく、終わり方も浅くて余韻がない。
何も心に響く要素がなく退屈だった。
なぜ評価されてるのか全く理解することが出来ない作品のひとつ。

投稿 : 2018/08/24
閲覧 : 311
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3

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バンバン さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

人間と自然のつきあい方

自然をテーマに含む宮崎駿のアニメとしてはナウシカと似たように見えますが、ナウシカがあくまで人類を主題に置いているのに対し、もののけ姫では徹底して人間vs自然の二項対立です。そして自然の猛威の前に人間がただひれ伏すなんてバカはしません。人間が普通に自然をぶっ壊し、そのしっぺ返しを喰らうという、歴史の中で何度も繰り返された構図をストーリー上で見事に再現してみせています。

人間とは不思議な生き物で、自然から生まれてきた種の癖に生きていく上で徹底的に自然を排除して自分好みの環境を作り上げ閉じこもるんですよね。しかし命を繋ぐには自然の恵みが不可欠というジレンマにある。その回答として、ラストでタタラバの人々は自然を排除する工業社会を捨てることを選びます。でもこれは現代では到底ありえない選択。じゃあ際限なく自然を食いつくして良いのかと言うと良い訳がない。サンのように野生の生活をするのかっていうとそれも論外です。つまりアシタカの言葉通り、「人間は人間の世界で、自然は自然のままで」生きて、折り合いをつけるしかないということ。これまた現実ではそう上手くいってないんですけどね。

最後のシーンでは自然の強靭な回復力が暗示されます。余韻の残る締め方ですが、かつて近畿の山々を禿山にしたりと、回復力をいいことに自然破壊をやらかしてきたのは他ならぬ日本人であることを忘れてはいけないですね。同じことが繰り返されるかもしれない。ただ手放しでハッピーエンドとはいかんのです。

投稿 : 2018/07/09
閲覧 : 270
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6

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ベル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

年齢関係ないなって思いました。

私が初めて観たジブリ作品で、確か5歳の時に観たと思います。
{netabare} その当時は難しい言葉は分からなく、まなこって何だって感じでした。
ですが幼いながらも壮大な自然や久石譲さんの音楽には凄く魅了されリピートして観ていたと記憶しています。

最近になって急にまた観たくなり観たところ、変わらなく引き込まれるところもありましたが、以前より知識が増えたことでストーリーにも引き込まれ、自然の尊さ、人間の愚かさ儚さなどなど、見る度により好きだなと思える作品でした。
恐らく歳を取ってもまた何度か観させていただくと思います。

私はラストの青空の下、アシタカにサンが微笑んでいるシーンが特に好きです。{/netabare}

投稿 : 2018/03/22
閲覧 : 231
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6

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こっとん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

魂の作品ですね

テーマが深いです。トトロやラピュタなどの、幼少期、少年期に感じるワクワク感に包まれた作品とはまた違った大人のアニメだと思います。

投稿 : 2018/02/28
閲覧 : 300
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2

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ロリルス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

一応見終わりました

すみません。日本語が下手くそで、二回かけて、しかも二回目に字幕でようやくセリフ聞き取りました。
高評価と言われたものだから、ちょうど午後暇だし、見ようかと思って見ました。
最初気になったのは、声優さんの声ですね。ちょっと調べた結果によると、宮崎さんほど有名な映画監督は新人さんに目を配りますね。だから、主人公の声がなんだか感情込め足りないと思っています。だから違和感とでもちょっとだけします。
前見たとなりのトトロと同じ、別にすごい思いはしません。少しだけ理を捉えた気がするけど、イマイチだった。僕の鈍い頭をすみません_(;3 _/∠)ゞ
これをきっかけとして、少し戦の残酷さや人類と自然万物の付き合いの複雑さを一段理解してきました。ありがたいことですね。勉強にます。
たぶん、ほかのコメントさん言ってのとおり、間を置いて再び見返したほうがいいかもしれません。

ちなみに、最初の祟り神グロっ((((;°Д°;))))
こだまなら、見るほど妙な可愛く見えてきました

以上です

投稿 : 2017/05/27
閲覧 : 233
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3

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狗が身 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

醜く美しい命。

僕にとってジブリ作品は、映像は凄いけどストーリーはあんまり面白くない。という認識なんだけど、本作は例外というか、別格。凄すぎる。
『千と千尋の神隠し』みたいに、ゴチャゴチャした画面の中で細かい動きの多いことがジブリ作品の特長。本作はそれに加えて場面転換に静のショットが多く用いられていて、これがとにかく美しいんだ。ウットリとしてしまうぐらい…。
この作品からは、宮崎氏の「描く!!」という情熱がビシビシ伝わってくる。とんでもない熱量を持った作品だ。

本作はいくつかのテーマを込めて構想・制作されたらしく、確かにそれらテーマをストーリーや映像、キャラクターから感じ取ることができるね。
だけど重要なのはそこではなくて、本作はただひたすらに「テーマを映像に描き起こす」というその一点のみに終始していることなんじゃないかと思う。自然や生き物の美醜をガッツリと描いているのもそういうことだろうし。

例えば、ストーリーの終盤で神秘主義と合理主義の対立が根付いた自然と人間の戦いは、獅子神を討ち取ったことで双方の破滅の危機という予想外の展開を迎える。
アシタカの活躍で最悪の結末は免れたけど、結局問題自体は何一つ解決してはいない。
アシタカというキャラクターは問題を喚起する人物であって、本作のテーマに答えを提示するキャラクターではないんだよね。(アシタカの問いに明確な答えを出した者も、本作にはいない)
こういう問題は、簡単に答えを出してしまうと綺麗事を並べただけの作品になってしまっていたかもしれないし、視聴者一人一人に答えを委ねた本作の結末は、非常に良い終わり方だと思う。

それから、他のジブリ作品と比べてアクション面の凄さも本作の特長の一つだね。
アシタカの殺陣シーンのことも勿論含まれるけど、生き物が血を吐き出したり人の腕が飛んだり、頭が無くなったり…。こういう暴力的なシーンを容赦無く描いているから、具体的で、且つ前述した通り宮崎氏の圧巻の描き込みによって、作品に対してしっかりとリアリティーが感じられる。


本作を観る前と観終わった後だと、本作のキャッチコピーである「生きろ」というたった三文字から感じる重みが全く変わってくる。
これって、凄いことなんじゃないかな~…。

投稿 : 2017/05/05
閲覧 : 306
サンキュー:

25

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Sfsxu80854 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

さすがジブリ!

自然と人間の関係について深く、深く、深く考えさせられた。人間の醜さを思い知った。自分も自然のために何かしたいと思った。

投稿 : 2017/03/09
閲覧 : 205
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3

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k-papa さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 2.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

基本ラピュターですよねぇ。

時代劇なのかしら。

青年と女の子が出会う物語。

青年はとある事情で旅する。
そこで虐げられた女の子と出会う。

えっ、なんか違いますか?

何度もTV放送しているし、内容を説明する気はあまりございません。

なんか不足しているな?
駿さん、特異のメカ物が不足。

紅の豚とか、風立ちぬとか生き生きしていたでしょう。

なんでしょうね。
ラピュターぽいんですね。
最後はちょっと違うけど。

なんか説教臭い作品です。

投稿 : 2017/02/08
閲覧 : 208
サンキュー:

3

ネタバレ

臭なぎツヨシ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

アシタカチャラ男説

ストーリーも全ていいですね、さすが宮崎駿。
細かい所ここがだめとか全くわかりませんが、一つだけ許せないのが、序盤に思いを寄せてるであろう村娘からネックレス的なものをもらい、それをサンに俺からのプレゼントみたいに渡してるのを見て、あ、こいつ村の娘何人か転がしてきたなと感じどうもアシタカを心から好きになれませんでした。

投稿 : 2017/01/30
閲覧 : 182
サンキュー:

3

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kFNFM66461 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

なぜかスッキリしない

キャラクターが個性的で魅力満点。作画も素晴らしく森のシーンは森の匂いが伝わってきそうなほどだった。ストーリーはシリアスで重く、世界観にどっぷり漬かって満足・・・のはずが、なぜかスッキリできない。
そもそも設定がいろいろ暗すぎて、ラストのカタルシス(圧倒的な死の力から逃れることができ、多少は希望のある未来を感じさせている)が足りないのかもしれないが。

投稿 : 2016/03/06
閲覧 : 289
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0

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はちこ風味 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ジブリ最高の一角

消えることのない作品とはこれのことだろう。
作り込みがすごすぎる。
欠点がみつからない。
見つけようとも思えない。
日本を代表するアニメといって間違いない。
国内に見たことのない人は少ないだろう。
日本よりも海外にもっと知っていただきたい。
そんな作品である。

投稿 : 2016/02/09
閲覧 : 239
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5

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lalalacola さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

何度見てもいい作品

自分はもののけ姫が大好きです。
毎回見て新しい発見があり、
どこか心が思い知らされるところがあります。
感動的で人間、生物、自然の関係をじっくり考えさせられます。

アシタカの旅人という肩書きがあるおかげで
人間、生物、自然のすべての視点から客観的に物語りが味わえて
自分が人間の強欲さをどう見ているのか、
どう考えているのかがとても分かります。

意味深くとても好ましい作品です。
ぜひ見てください。

投稿 : 2016/01/25
閲覧 : 244
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4

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こっくん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

宮崎作品

あらすじ

エミシの村に住む少年アシタカは、村を襲ったタタリ神と呼ばれる化け物を退治して、右腕に死の呪いを受けてしまう。タタリ神の正体は、何者かに鉄のつぶてを撃ち込まれたイノシシだった。人を憎んでタタリ神になったのだ。アシタカは呪いを絶つため、イノシシが来た西の地へと旅立つ。
旅の果てに、アシタカは山奥で倒れている人を助ける。彼らの村はタタラ場と呼ばれる、鉄を作る村だった。そこを治めているのはエボシという女だ。エボシは、石火矢と呼ばれる火砲を村人に作らせ、山に住む"もののけ"や、村の鉄を狙う侍たちから村を守っていた。イノシシに鉄のつぶてを撃ち込んだのも彼女だという。鉄を作るために自然を破壊する彼らは、"もののけ"達を追いつめていたのだ。アシタカは、これ以上憎しみを広めるなとエボシに忠告するが、村人達にとってのエボシは、生きる希望を与えてくれる女性でもあった。
そのエボシの命を、"もののけ姫"が狙いにくる。その正体は山犬に育てられた人間の娘、サンだった。窮地に陥ったサンをアシタカは救うが、同時に彼は瀕死の重傷を負ってしまう。倒れながらもアシタカは、生きろ、とサンに語りかけるが、人を憎むサンは聞く耳を持たずに、助けてくれたアシタカを殺そうとする。しかし、アシタカから美しいと言われたサンは、動揺して思いとどまる。
サンはアシタカをシシ神の前に連れて行く。シシ神は生と死をつかさどる神だ。シシ神はアシタカの傷を癒し、それを見たサンはアシタカを生かすと決める。サンはアシタカを介抱するうちに、しだいに彼に心を開いていく。アシタカも、森と人が争わずに済む道は無いのかと、思い悩む。
そのころタタラ場には、エボシにシシ神殺しをさせようとする、怪しげな装束の男達が集結していた。シシ神の首には不老不死の力があるのだ。タタラ場を出発したエボシ達は、人間との最終決戦を行おうとするイノシシの大群と大戦争をはじめる。ところが、エボシが留守にしたタタラ場は、鉄を狙っている侍の集団に襲われてしまうのだった。
アシタカはエボシに戦いをやめて村に帰るよう伝えるが、エボシはかまわずシシ神殺しに向ってその首をとる。するとシシ神の体から不気味な液体が大量に飛び散り、それに触れた者たちは死に、木は枯れてしまう。やがて液体は津波のような勢いで山を埋め尽くし、森は枯れ果てて、タタラ場も壊滅してしまうのだった。サンは森が死んだと絶望し、人間に対する憎しみを爆発させる。しかし、アシタカはまだ望みはあるとサンを説得し、二人は協力してシシ神の首をシシ神に返す。
シシ神は首を取り戻したが、朝日を浴びると地に倒れて消えてしまう。その風が吹き抜けると、枯れ果てた山には僅かながらにも緑が戻った。アシタカの腕の呪いも消えている。それは、生きろ、ということなのだろうか。アシタカは好きだが人間を許すことはできないと言うサンに、アシタカは、それでも互いの世界で共に生きようと語る。エボシもタタラ場の村人達に、新たに良い村を作りなおそうと語りかけるのだった。

投稿 : 2016/01/15
閲覧 : 202
サンキュー:

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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

おもしろい

何度観たか分からんくらい観た。
次に起こることや結末を知っていても、観始めたら観るのを止める気になれない恐ろしい作品。
構図と力関係、アシタカの葛藤など、作品の主軸が理解しやすい。キャラ立ちが良い。演出が絶妙で惹きつけられる。作画も良好。これらが自分にとっては良いように作用しているように思える。

腕が飛んじゃうシーンは、ジブリにしては良くやったなぁ、と思う。
ただ、やろうと思えば幾らでもえげつない事をやれるはずなのだが、それを敢えてやろうとしないところに、ジブリの余裕を見た気がした。

どうやら興収193億くらい行ったらしい。ジブリの『もののけ姫はこうして生まれた』っつーメイキングに於ける、鈴木Pの形相は凄まじかった。興味があれば、そちらもどうぞ(笑)

【ジブリ映画興行収入ランキング】
http://matome.naver.jp/odai/2135425069451138301

投稿 : 2015/12/11
閲覧 : 173
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ざんば さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

サンキューはいりません。

*前置き
{netabare}もののけ姫は、紅の豚、天空の城ラピュタに並ぶ
私の中でのジブリTOP3。

しかし、もののけ姫といえば、
世界的にも知らない人は少ないであろう超々々々有名作。
そんな作品に私なんぞがレビュー、もしくは考察しようとも
二番煎じ、いや何千何万もしかしたら何億煎じになることでしょう。

そこで、宮崎駿監督の歴史観に強い影響を与えた
網野善彦氏の談話を引用させていただくことにしました。
これは、もののけ姫の劇場パンフレットに掲載されていたものです。

これで、もののけ姫の世界観を
より楽しめることが出来たなら幸いと思います。{/netabare}
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「自然」と「人間」、二つの聖地が衝突する悲劇

この話を室町時代に設定して作られたのは、まさしく宮崎さんの眼力で、十分に熟慮された上でのことでしょう。自然は怖いもので、山や森は神様が住む聖地なのだというとらえ方が崩れはじめたのが室町時代からで、これは歴史的な事実といってもよいと思います。

日本列島の社会は、非常に古い時代から山の木を切って、厖大な量の木材を消費しています。もちろん農業のためだけではなく、焼きもの(陶器)を焼く、この映画に登場するように鉄を作る、炭を作る、塩を作る、家屋を作る、こうしたことの全てに大量の木が使われているのです。その上、平安時代末期以降、木材の輸出までしている。

それだけの木を使った結果、確かに山の木は減り、山全体が荒れていますけれど、それでもなお山はまだ残っている。これは大変なことだと思います。どういうふうにしていたのかはよくわかっていませんが、そのとき、その場所に則したやり方で、木を伐ったら、新しく植える。自然を殺したままでは終らさない、森や山を生かしつづけていく方法と知恵を、むかしの人たちが持っていた形跡があります。それはまさしく森の神のタタリを含め、自然に対する畏敬があったから行われてきたのだと思います。

ところがそうした自然に対する恐れよりも人間の富に対する欲望の方が強くなってくるのが室町期ごろからで、それとともに、そうした知恵がだんだんなくなってくるのではないかと思います。

これからのべることは、あくまでも私自身の勝手な解釈ですが、この映画ではそうした自然の恐ろしさをシシ神の森を出すことで表現しています。そこにサンという女の子を住まわせたのは、宮崎さんが山の神様が女性であることをよくご存知で、意識的に設定されたのでしょうね。本当はもっとみにくい神といわれているのですが、それをかわいらしい女の子にして、シシ神の森を自然そのもののアジール(世俗の世界から緑の切れた聖域、自由で、平和な領域)として描かれたのではないかと思います。

これに対して、その森に戦いを挑むタタラ場の頭領・エボシは、衣装からすると白拍子、遊女だと思いますが、宮崎さんは金屋子神(かなやこがみ)という製鉄や鉄器を扱う人たちの神様が女性であることを意識されてこのエボシを設定されたのではないかと思います。金屋子神が女性だったということは、私も最近『へるめす』(終刊号)という雑誌に山本ひろ子さん(日本思想史家)が書かれた論文を読んで気がついたことですが、白い鷺に乗って飛んで来る女性の神様なのです。そしてそのエボシが率いるタタラ場を、宮崎さんは人為的なアジールとして描かれたのだと思います。

なぜかといいますと、あのタタラ場には世俗の世界で賤しめられ、疎外・抑圧された人たちが集まり、自由、活発に生きているからです。女性たちや牛飼いをはじめ、覆面をして鉄砲を作っている人たち(私の理解するところでは「非人」、この映画の舞台設定である室町時代には、穢(けが)れをキヨメる力を持つ人たちと言われていた)が活き活きと動いている。しかもその場を作ったのは遊女のごとき女性だったわけで、ここは世俗の縁の切れた自由で聖なる世界、小さな都市として設定されています。

この覆面の人たちは当時の社会の一部から「業」を背負っており、「穢れ」「悪」と関わりある人びとととらえられはじめているのですが、宮崎さんはそうした人たちと僧侶の姿をして鉄砲を持つ「悪党」ともいうべき集団(映画では石火矢衆)を結び付け、「穢れ」「悪」をむしろプラスの強い力として描かれており、それと同時に、人間の「業」のからむ問題、我々人間が直面している問題が、想像を絶する深刻さを持つ問題なのだということを仰りたかったのだと思います。映画の冒頭に出てきたタタリ神、アシタカの腕にまとわりついた「業」そのものと、それは通底しているのではないかと感じました。

そして人間の「業」、われわれの直面しているたやすく解決できない問題を、宮崎さんは山の神が率いる自然のアジールと、金屋子神が率いる人為的なアジールを正面から戦わせることによって描かれたのだと思います。
人間にとって救いの場として設定された人為的なアジールが、本来その根源であったはずの自然のアジールと衝突せきるを得ないということは、これまでの程度の生き方ではわれわれ人間にはもはや救いがないということを意味します。いまや本当の人間らしい生き方は何かを、われわれは自分たちの頭で考え、生活そのものの中で追求しなけれはなりません。

バブルが崩壊し、人間と自然との関係が深刻な事態になっている現在、この映画を宮崎さんが作られた意味はそこにあるのだと思います。その意味で非常に現代的な映画だと思います。自然のアジールと人為的アジールがぶつかり、それぞれに傷を負い破綻する。しかしなおそれを越えるものがありうるのだということを宮崎さんは仰ろうとしたのだと思います。

もう一つ深読みをすれば、「ヤマト」では解決できないということですよね。この場合の「ヤマト」は国家、「日本国」のことです。「日本国」という国家はさまざまな問題を非常に割り切った形で解決しようとしています。宮崎さんはそういう割り切り方では、今、我々がぶつかっている大きな問題を解決しえないということを仰りたかったのではないでしょうか。と同時に、そうした国家の割り切り方に安易に従っていることがとんなに危険で怖いことなのかについても、警鐘を発しておられるのだと思います。

そう考えてみますと、二人の女性、女神の戦いに、日本国 ― 「ヤマト」の外部のエミシが調停役に入り、将来に希望を見いだそうとしている設定も、非常に面白いと思います。

(もののけ姫劇場パンフレットより)

投稿 : 2015/11/20
閲覧 : 368
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15

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lord さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

見ていた思い出が・・・

家にもののけ姫のビデオだけあって子供ときには
何度も見ていた思い出があります。
けど、結構怖かった気がします。
だって、シシ神の首とか怖いと思いませんか?

投稿 : 2015/11/09
閲覧 : 195
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0

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ValkyOarai さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ものの~け達だけ~♪ カウンターテナー一閃

憎しみから争いは生まれるのだろうか
ジブリはいろいろと考えさせられます

森を侵す人間たちと神々との対立を背景として、
狼に育てられた「もののけ姫」と呼ばれる少女サンとアシタカとの出会い

神を信じるかどうかは皆次第だ

投稿 : 2014/10/14
閲覧 : 306
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5

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37111 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

自然がどうとか

環境問題とかに訴えるのはもういいから。

冒険活劇、エンターテイメントを見たい。

投稿 : 2014/10/14
閲覧 : 230
サンキュー:

3

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AR15 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

劇場でみた最後の宮崎アニメ

カリオストロで宮崎監督をしり、ナウシカ、ラピュタでファンになり
トトロでなんとか維持、魔女宅、紅の豚で下がった評価に歯止めがかかるか?…と期待していたのですが…

村(文明)と生きる人間と自然の対立というか、融和の難しさみたいな物を訴えたかったんだろうなぁ…というのは分かるんですが…

まぁ、説教臭くなっちゃってます。

作画はさすがに力入ってますので、一回は観てもいいかも

投稿 : 2014/09/13
閲覧 : 280
サンキュー:

2

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*水蓮* さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

生きろ

ジブリの中で一番好きなのはだんとつこのもののけ姫ですね。
制作者から見る者に伝えたいと思われることがとてもはっきりしているからです。
自然を害する人間たちへの森の怒り。
人は自然と共に生きていかなければならないということ。

サンやアシタカ、シシガミ、たたら場の人々を通してくり広げられる物語から、これらのことが心に直接突き刺さってきました。
とても考えさせられるアニメでした。

投稿 : 2014/08/30
閲覧 : 180
サンキュー:

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もののけ姫のストーリー・あらすじ

エミシの隠れ里に住む少年アシタカは、村を襲った「タタリガミ」に呪いをかけられる。ただ死を待つより、己の運命を「曇りなき眼」で見定めるため、はるか西方の地を目指して旅立つ。そこでアシタカが見たものは、森を切り拓いて鉄を作るタタラの民とその長エボシ、森を守る山犬一族、そして山犬と生きる人間の少女サンであった。アシタカはその狭間で、自分が呪われた理由を知る。やがて、森を守ろうとする動物たちと、その長「シシ神」を殺そうとする人間達の壮絶な戦いが始まる。(アニメ映画『もののけ姫』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
1997年7月12日
制作会社
スタジオジブリ
Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%AE%E3%81%91%E5%A7%AB

声優・キャラクター

松田洋治、石田ゆり子、田中裕子、上條恒彦、西村雅彦、島本須美、小林薫

スタッフ

原作:宮崎駿、 監督:宮崎駿、脚本:宮崎駿、プロデューサー:鈴木敏夫、作画:安藤雅司、美術:山本二三/黒田聡/田中直哉/武重洋二/男鹿和雄、音楽:久石譲

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