「花田少年史(TVアニメ動画)」

総合得点
73.7
感想・評価
194
棚に入れた
956
ランキング
967
★★★★☆ 4.0 (194)
物語
4.3
作画
3.7
声優
4.0
音楽
3.9
キャラ
4.1

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ネタバレ

ビアンキ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

知る人ぞ知る感動の名作アニメ

10月25日、ちょっと手を加えた。


1年前、カートゥーンネットワークで全話視聴

今から2年ぐらい前にNHKで見た「スノーマン」以来、
とんでもない名作を見たと感じた。


1970年前後、日本。
主人公:花田一路はいたずら大好きな小学3年生のわんぱく小僧。

ある日もいたずらをし母親から叱られ、
母親を挑発し、追いかけてくる母親から自転車で逃げた。
その先でトラックにはねられて、頭に9針縫う大怪我をしてしまう。

頭がハゲになって、縫い目が出来た事以外は何も変わらないはずだった。

しかし その怪我をした日から一路は、幽霊を見て、幽霊と喋ることができるという、
お化け大嫌いの一路にとって非常にありがたくない能力を得てしまった。

そして一路は、自分の元に来る幽霊たちの依頼を(嫌々ながら)受けて、
その結果少しずつ人間的に成長していく。
品のなさと感動を持った一作


基本的に1話から数話で1つのシナリオが完結する。

話の流れとしては
一路が幽霊と出会い、
幽霊からの依頼を嫌々ながら受け、
一路が幽霊に従って行動し、
成仏出来ない理由の核心に一路が触れると、幽霊の回想が入る。
回想が終わると物語はクライマックス、一路は感動的な「奇跡」を見て、幽霊は成仏する。
で、主人公は家に帰って「帰りが遅い!」と母に叱られて終わり。

例外もあるが、大体こんな流れである。

一見ワンパターンな流れに見えるが、
さまざまな要因が、この物語をワンパターンにしていない。
非常に面白い。


ワンパターンにならない大きな理由はいくつかある


・ギャグ、品のなさ、下品さ

言葉としてもモノとしても結構良く出てくる「ちんちん 」「うんち」「おっぱい」
そして主人公の言葉の間違い、そしてその間違いがほかのキャラクターに伝わった時の掛け合いの面白さ。
ギャグでない時のセリフ回しも面白い。

こういった間の抜けたギャグが作品全体の緩急を作り、
クライマックスの際の感動を作品全体の影で支えている。



・依頼者となる幽霊のキャラ
どのキャラも見た目、性格共に特徴的で記憶に残りやすい。

第2話の若くして亡くなり、幽霊になった
ゆきおばけ

第5話:全裸で登場、浮気ぐせおじさん
ちんちんじじい

第15~17話:初登場時は生きていて、途中で死んでしまい依頼者となるそろばん塾の厳しい先生
ゴンパチ

第22~25話に登場する最後の依頼者
りんこ

…など
紹介していない依頼者も含め、
どの依頼者も一癖あって、それぞれ何かに対して一途で
とても魅力的である。

この依頼者たちの性格やバリエーションは、作品全体の大きな魅力であり
本作がワンパターンにならない大きな理由でもあると思う。



・音楽
1エピソードごとの、奇跡のようなクライマックスは
絵的な見せ方自体も非常に美しいが、
そういった部分で流れる音楽も非常に美しい音色で、
もうすでに感動的なシーンをより感動的に演出する。
これは流れる、涙が。

クライマックスではないシーンの音楽も耳に残る曲
で良い、ドタバタしていて、明るくて。

オープニング、エンディング曲は洋楽。
1970年代の日本を舞台にした作品、ということでミスマッチ・合ってないとする声もあるが、
少なくとも曲調は合ってると思う。
私個人は好きだ。

歌詞に関しては、私英語苦手なんで分からない。
合った歌詞なんだろうか?



・上述の物語の流れの説明でも触れたが
本作、クライマックスに至るまでに長い回想が入る。
これがシナリオ的に非常に面白い上、
クライマックスまでの「溜め」に、うまいこと作用している。
ワンパターンにならない理由としても、
作品そのものの魅力としても、
この回想の面白さは大きいだろう。



・幽霊ということは、つまり人間の死が絡む。
本作は、そんな暗くなりそうな部分を抱えていながら暗くなっていない。

大きな要因は主人公だ。
明るく下品で馬鹿で純粋なわんぱく小僧、
主人公:花田一路のキャラクターが本作を暗くしない、させない。

今まで私が書いてきた感じだと、
依頼者の幽霊の方が目立っているように思えるかもしれない。
しかし本作は「花田少年史」なのである。

このキャラクターがいなかったら本作は
「明るく下品な感動物語」
にはなっていなかっただろう。

主人公はあくまで花田一路。
当然といえば当然だ、本作は「花田少年史」なのだから。



・本作の作画は2002年制作、放送のものとしては非常にクオリティが高い。
よく動き、崩れない。

色はデジタル初期の作品のため、ややどぎついがまぁ仕方ない、
こういうのも味だ、味。


キャラクターデザインに癖がある、というだけで見ないのはもったいない「名作」だと評価する。

纏まりのない下手くそな文章、お読みいただきありがとうございます。


2015年5月23日、初投稿。

投稿 : 2015/10/25
閲覧 : 535
サンキュー:

10

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