ビアンキ さんの感想・評価

4.7
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態：観終わった

多分5年、10年後も…

レンタルでちまちま17話くらいまで視聴し、その後アニマックスでの放送を録画、ダビングし、さっき見終わった。

中二&ロボット&ダークヒーローアニメ


本作の魅力を書いていく、と同時に本作が何故、特に「中高生に受けたのか」を考えてみた。


本作の主人公:ルルーシュは天才的な頭脳を持つ、チェスの得意なブリタニア人の学生である。

ルルーシュは「ギアス」と呼ばれる、「誰に対しても自分の言うことを聞かせ、実行させる」能力を得て、
神聖ブリタニア帝国に支配された日本で、ブリタニアに反逆を起こす。


このルルーシュの「反逆」、戦い方や戦術、あるいは作戦の根回しこそが本作の肝、面白さの根幹だと言っていい。
非常にエンターテイメント性に富んでおり、スピード感ある「音楽」と、絵コンテの切り方で流れるように、いや、雪崩れさせるように視聴者を魅了する。



手始めに主人公はブリタニア軍対日本の「日本人であろうとする人々」の小規模な戦いに、ギアスを使い「ナイトメア」と呼ばれるロボットを奪い、日本側に加勢する。

ルルーシュは日本側の人員をチェスの駒のように動かし、策を立て、戦場という「チェスの盤上」を文字通り破壊し、地面を崩す。

基本的に空を飛べないナイトメアは「盤上」に空いた穴に落ち、敵のナイトメア(駒)はなす術なく壊れ、潰れていく。

その後も主人公は、ギアスと策と「日本人であろうとする人々(駒)」をうまいこと使い、
ブリタニアへの「反逆」を次々成功させ、
そして仮面とマントをつけ「ゼロ」と名乗り、
自分が長となる軍隊「黒の騎士団」を結成する。

そして主人公と「黒の騎士団」は仲間を少しずつ増やし、
更なる規模の戦闘を続けていき、
ある高い目標を目指して、
本作はハイテンポにハイスピードに進んでいく。



…主人公は天才な上、ギアスという特殊能力を持っているとは言え「学生」である。
そして、ブリタニア軍や「日本人であろうとする人々」の大半は「大人」である。

要するに本作は「学生が大人に」抗う、反抗する物語とも見てとれる。
気に入らないブリタニア人(大人)は殺し、
気に入った、あるいは自分に好意的なブリタニア人、日本人(大人)はひざまずかせ、自分の駒にする。
そしてその駒をゲーム感覚で動かし、自分のために戦わせ、自分は高みで嘲笑う。

…少々偏りすぎたことを書いてしまったかもしれないが、
これ「一部の反抗期の中高生の理想、妄想」そのものですわ。

上記ほどドぎつい妄想でなくても、「気に入らない大人達(親なども含め)は死ねばいいのに」などと思ったことのある中高生は少なくないと思う。
そんな層の中の、オタク気質な中高生からも本作は人気を得た。

その上、「反逆」「仮面」「マント」「テロリスト」「ギアス」と言った中二病、いや、中高生が喜びそうな単語や要素をふんだんに入れた上、

中高生の視聴者が入りやすい、
可愛らしく、ちょっとエロいヒロイン達や、主人公もそうだが美少年、イケメン達が沢山登場する学園パートまで盛り込まれている。

一部の中高生にとっては本ッッッ当に最高のエンターテイメントだと思う。

「理想」という魅力の塊の「雪崩」に視聴者を巻き込むように
のめり込ませ、
そして離さない。

中高生に対して本作はそれほど強力な魅力を持っている。



しかし 本作品は中高生以外にも多くのファンをもっている。


本作の、日本が「ブリタニア」という国に突如侵略、支配され植民地化し、
自らを「日本人」と呼称することが許されず 、
「イレブン」という名で「管理、差別」されているというショッキングな設定。
この設定で本作は第1話から視聴者を引き込んだ。

そして毎回毎回、本当に「次が見たい！」という良いところで次回へ続く。

前述のエンターテイメント性に富んだルルーシュの戦い方や戦術もそうだが、本作は非常に
「引き」が上手い。
ここが、本作が中高生以外をも巻き込めた、
最大の理由であり、魅力だと思う。


可愛らしく、ちょっとエロいヒロイン達や
美少年、イケメンたちは
さっきも書いた通り中高生にも受けたが、
性別を問わず多くの「中高生ではない」アニメファンにとっても魅力的に見えたのだろう。
本作のシナリオを差し置いてキャラクター人気もすごい。

未だにフィギュアなどのグッズが出るほどに。



主人公は基本的に「ゼロ」という仮面を被り、
ダークヒーロー、テロリストに「なりきって」戦争という名のゲームに興じる。

しかしそのゲームに自分の知っている人間(クラスメイトや友人)がいると、
主人公は「ゼロ」というダークヒーローから、「ルルーシュ」という学生に戻ってしまい、
「今、どうするべきか」の判断がつかなくなり、一気に弱気になる。

ここは賛否の別れそうな点だろう。
無慈悲に人間を殺すテロリストであろうと、「学生」であることを捨てきれないルルーシュは、
視聴者が中高生くらいの若い層であれば、感情移入する大きな要因となり、多くが共感すると思う。

しかし、ある程度年をとった一部の方からみると、大量に人を殺したテロリストでありながら、知人をも無慈悲に殺せないルルーシュには、不満、怒り、あるいは「若さ」を感じると思う。

これはルルーシュというキャラクターや、本作そのものに賛否がある大きな要因の一つだと私は思っている。


他にも、
盛り上げこそ凄いが、戦術が
地盤を崩し、その勢いで雪崩込むように攻撃する以外にない。
ワンパターン。

と言った批判もある。

私は本作を楽しめたが、これはその通りだと思う。



本作はDVDのセールス上で見ても、大ヒット作の１つで今現在でも高い人気を誇る作品である。

しかし本作は「名作」ではないのかもしれない。と私個人は感じる。

じゃあ何なのかと考えた結果、こう結論付けた。

「人気作」

本作はアニメ、特に深夜アニメのメイン視聴者である、中高生に多大な人気を得た。
そして「今現在でも」中高生に大人気である。

少なくともあと5年、10年くらいは「行ける」、
人気作であり続けるコンテンツであると断言する。

ハイテンポ&ハイスピードで進む、素晴らしいエンターテイメントであると、そして上記の通り「人気作」であると評価する。

纏まりのない上、読み辛い変な感想文、お読みいただきありがとうございます。