「化物語(TVアニメ動画)」

総合得点
92.1
感想・評価
13384
棚に入れた
47383
ランキング
25
ネタバレ

RFC さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

シュール シューラー シューレスト

のっけから出鱈目なタイトルで失礼いたしました。
シュールはフランス語が元になっているらしいので、
英語の比較級・最上級は当てはまりません。

書店に行くたびにちらほら目に付いていたので、気にはなっていました。
化物+物語なんて言葉遊びのようなタイトルも含めて。

【作品概要】
 主人公の阿良々木暦(あららぎこよみ)は高校3年生。
 作中の時系列で、今作が始まる少し前に吸血鬼化してしまっています。
 大きく環境が変わってしまった彼の前に、さまざまな怪異が寄ってきます。

【作品に対する感想】
 いきなりパンチラから始まります。
 しかも異様にあざとく見せつけており、視聴者に媚びるような作品か?
 と1話切りどころかアバン切りするところでした。
 しかし、ここで切らなくて本当によかったと思います。
 この作品はとにかく「極端」で「異色」で「徹底的」です。
 だからこそ魅力的だと思います。
 お勧めできる人は、カテゴライズ出来ません。合う人は合うとしか。
 
 ただ、メッセージ性の強い作品とは思います。
 何を受け取るかも人それぞれとは思いますが。
 
1)物語
 5つの物語で構成されています。
 暦が各物語のヒロインと出会い、その怪異にかかわる問題を解決していきます。
 物語の根幹はシリアスなんですが、暦やヒロインたちのやり取りが
 面白過ぎてたびたび爆笑させられます。
 
  元々小説が原作で、そのテキストの情報量をなるべくアニメに
 持ち込もうとしたのか、ものすごくしゃべる量が多いです。
 禅問答のようなくどい言い回しやシャレの効いた言い回しが多く、
 私はそこに魅力を感じました。

2)声優
 よくあれだけ噛まずに話せるなと、声優の凄さを感じる作品でした。
 特に「にゃにゃめ(以下略)」
 そしてオーディオコメンタリーは凄まじいです。
 普通アニメのコメンタリーは声優がちょっとした裏話をだらだら
 しゃべっているものが多い気がしますが、この作品は違います。
 コメンタリーが本編を喰うのではないかというくらいの勢いです。
 
 しかしみゆきちさんになんてきわどい(というかアウト)なこと
 言わせてるんですか!この作品は!
 

3)キャラ
 極端なキャラが揃ってます。
 極端に幼女スキーな暦
 極端にツンデレなひたぎ
 極端にいじられキャラの真宵
 極端にBLでエロの神原
 極端に恥ずかしがり屋の撫子
 極端にいい人すぎる羽川さん

 私としては羽川さんが凄い好きです。ブラックも含めて。
 ガハラさんも魅力的ですが、実際にいたら相手するのが大変そうです。
 神原さんはあんな友達いたら、めっちゃ楽しそうです。

4)作画
 ものすごく斬新でした。
 時折実写の動画、静止画を混ぜてきます。
 モブキャラゼロです。徹底的に無駄な要素は省いています。
 建造物はなんと言いますか、幾何学的で、ペーパークラフトを
 見てるみたいです。
 あと、記号的な表現が凄く多いです。
 道路標識、漢字、などなど
 ボケや突っ込みの際は藤子不二雄画になるのも際どいところです。

 無機的な色の無い世界に、極端なキャラが乗っていることで、
 化物語の独特の空気が醸成されているんでしょうね。

5)音楽
 OPはキャラソンです。
 各物語のヒロインが歌っています。
 特にお気に入りはつばさキャットのOP,sugar sweet nightmare。
 一気にテンション上がりました。
 
 なお作中のBGMは結構淡々としたものです。
 作画の無機質感をさらに助長しています。

6)印象深いシーン
 どのシーンも斬新過ぎて印象深いのですが、敢えて挙げるなら・・・。
{netabare}
①羽川さんのあざとすぎるパンチラ
 羽川さんがあざといんじゃなくて、製作陣があざといんです。
 この作品は徹底的にやるぞという宣戦布告だったのかもしれません。
 と、視聴後に思いました。

②ひたぎが暦の口の中をホッチキスでとめたシーン
 観てる方が痛かったくらいの衝撃でした。
 パンチラ→吸血鬼との戦い→文化祭の打ち合わせ→文房具虐待
 初視聴の際はいったい何なんだこの作品は?と混乱していましたね。

③記号化されたひたぎの母
 気持ち悪い表現を平気で使ってきますね。
 後から考えると、ひたぎが母の事を考えるのをやめたことを、
 映像上記号化することで表現してたのかなとも感じました。

④レイニーデビルVS暦
 まよいマイマイが馬鹿エロで、ちょっと切ないお話だったのが、
 急転直下ドラゴンボールとなりました。
 グロい流血シーンをピンクとかに差し替えたりしてました。
 この辺は化物語らしさですね。
 吸血鬼じゃなかったら絶対死ぬと分かる見てて痛い暴力シーンでした。

⑤撫子手ブラブルマ
 これもここまでやるかといった極端なシーン。
 神原の「裸に全く興味ないのはかえって失礼では?」
 という指摘は中学生と高校生の間の大きな溝ではないかと勝手に
 思ってます。中学生はまだ見られて恥ずかしいが強くて、
 高校生くらいになるとちょっとそのあたりが変わってくるのかと。
 その辺はどうなんでしょうか?

⑥ひたぎ・暦 初デート
 全く予想だにしない展開。もはや地獄の監獄。
 観てる方の胃が痛くなるような、それでいて笑ってしまう。
 アニメを見ていて味わなかったことがない痛キモチイイ感覚でした。
 
 でもここまでの凍結地獄の後でもいい話に持っていくあたりは
 流石ですね。というか、そのための地獄だったのでしょうか?
 「これが私の全部」…にキュンとしました。
 
⑦猫の誘惑と暦の宣言
 一見ハーレム要素を含んでそうな登場人物の相関図ですが、
 命を賭けてもガハラを愛すと言い切った暦が凄い。
 バカエロ要素も凄いこの作品ですが、こういった意志の強さが
 垣間見えるのも作品の魅力かもしれません。
{/netabare}

投稿 : 2016/08/02
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サンキュー:

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