明日は明日の風 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
普通ではない体を持った女子たちの日常を描いた学園日常青春ストーリー
原作既読。
ヴァンパイアの小鳥遊ひかり、デュラハンの町京子、雪女の日下部雪の高校一年生と、サキュバスで先生の佐藤早紀絵、大学時代には亜人を研究しようとしていた生物の先生である高橋鉄夫が織り成す高校生の日常を描いた作品。日常といっても、主要な女子4人は普通ではありませんので、ちょっと趣向の違う日常といったほうが良いかもしれません。
この作品では、いわゆる亜人は普通に存在しています。過去には亜人を迫害するような時期もあったらしいのですが、亜人に対する法も整えられ、普通の人と同じ生活をしています。それでも亜人たちには亜人たちの思いや悩みがあり、高橋先生と語ることで前に進んでいくといった内容です。
4人の亜人たちは個性的です。
ひかりはとにかく明るい(ただし、お馬鹿)。ヴァンパイアであることは気にしないし、誰とでも打ち解けられる。物事をはっきりいえる仲間思いで強い性格の持ち主。でも、かなりのおっちょこちょいのノーテンキなせいで、周りに迷惑をかけることも。
町はいたってまじめな優等生。世界に3人しかいないと言われるデュラハンの一人で、顔ばかりに集中されがちだが実はナイスボディーの持ち主。しかし、優しすぎる性格のために気後れすることもあり、積極性にも欠けていた。高橋先生と出会い、前向きになっていった。{netabare}高橋先生が好きで、ほめられたい一身でテストで学年1位になったことも。{/netabare}
雪は田舎から出てきた女の子。田舎とは違い、雪女であることを気にしてしまい、他人との交わりに恐怖していた。高橋やひかりたちと交わることによってその気持ちはほぐれ、変わっていく。実は笑いが大好きな明るい子だった。
早紀絵ことサッキーはサキュバスで、ちょっとでも色香を出すと男たちを淫夢させてしまうことから、目立たないように振舞っている。しかも、近所には家がないような所に住んでしまうくらい徹底している。高橋によって、それまで卑屈にしていたところを解き放たれ、普通でいいのだと思うようになる。亜人3人娘のよきアドバイザーでもある。
この4人の理解者となる高橋先生。実は亜人に興味があって、亜人とはどんな性格をし、どんな特徴があり、どんな存在なのかを知りたくて亜人たちと語るのだが、それが亜人たちへのアドバイスになったり、問題の解決になったりしていく。いつのまにか亜人たちから信頼され、よき理解者のようになっていった。けっこう悩んだりもして、逆に亜人たちにたちに救われることもある。
亜人とはなにか、普通の人とは何が違い、違うことで何かあるのか、彼女たちは何を悩んでいるのか、普通の子達はどう接すればよいのか、こういったこと考えさせる要素もありますが、この作品をそのように難しい作品と捉えては損すると思います。あくまでも一要素であって、亜人たちと高橋先生の語ることで発生する日常生活を描いたものと軽く見たほうが良いと思います。イメージとしてはOPの曲を聴けばつかめるような気がします。岡田マリーの詩に曲が合います。
作画は青春ものを感じるような淡い感じが出ていて、乱れることもなく良いです。最終回のプールでの水しぶきはきれいで、力入れているのが伝わりました。
原作のストックが無いので近いうちの2期は期待できませんが、いつかは見たいものです。
連続したストーリーはありません。一話完結でまとめられます。原作では飛び飛び描かれているものを、その回にあわせて再構成しています。原作のイメージを丁寧に描いており、原作好きな人にも納得の仕上がりです(個人的には)。作画も柔らかく、女の子たちの表情も豊かに描かれています。OPも、EDも良い感じでまとめられており、まさに青春ものといった作品だと思います。柔らかい感じの作品を見たいなという方にお勧めです。