まにわに さんの感想・評価
3.4
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
怪獣全ALL百科
その昔、怪獣ばかりを集めた厚手の小冊子を装丁が取れるまで眺めていたので、こういう作品は見るからに楽しい。
{netabare}感想については、1話で、存在しないものを存在させようとする意気込みを感じる、とか思ったものだが。
中盤あたりから、これを機に映画のほうをざっとだが目を通すようになり、もう元の気持ちでこれを見ることができなくなったというか。
見た映画は、54'と55'と62'~75'までの15作品と61'モスラ、84'版に16'版、一応56'ラドンと、念のために99'版。ついでに17'アニメ3部作。
そのせいで、特異点=各作品、破局=各作品を渡る整合性のなさ、でしか話を見れなくなってしまい、これらがこの本編中で納得できるように描かれているのか、もはや判断がつかなくなってしまった。
ネタ元がわかるのは、変に気を揉むことがなくなるが、全ての作品を見たわけではないので、腑に落ちないことがあると元ネタがあると考えてしまい、実際その可能性が高く、途中からの中途半端な予備知識は良し悪しだったと思う。
破局とその回避については、この作品中での整合性で話がまとまった感はある。
ゴジラシリーズの終焉のこともとれるが、結果的にそうなるかもしれないが、一作品のテーマとするには荷が重い。シリーズ中の怪獣を全部出演させることでもいいが、モスラが出ないことが示されて破局確定。終盤には、そもそもの破綻の元がO.D(Oxygen Destroyer)にあると云わんばかりに、O.Dを不発に終わらせる。
途中まで本命と思われたのが、「破局の回避=全ての作品の世界観を統一すること」で、存在したラドンに興味を示さない神野銘が、眼前の問題を解決するより破局の回避を訴えたのは、それがあり得ないことだからで、もしもそれができたのなら途轍もなく壮大な話になっていたのだろう。
もちろんそれは不可能なわけだが、その不可能たらしめているのが、JJの登場するメガロ回と言っていい。
他がオカルトの部類なのに、なぜかこれだけファンタジーとしか言いようのないことを仕出かしている。ちなみに、私が見た全作品中、最も笑ったのがこれのシートピアが出た瞬間である。
だから、全作品の要素を盛り込むのに、まずはここから手をつけるのは正解だと思うし、不可能を見越しつつ、今回できなかったことは続編があれば不可能ではないかもという終わり方にしたのだと推測される。
なにより、ゴジラを扱うにあたって、ここをメインに据えたのは、いい趣味をしていると思う。
最後に、この作品にシリーズ用のタイトルをつけるとしたら、『シートピアの逆襲』{/netabare}