「AIの遺電子(TVアニメ動画)」

総合得点
64.9
感想・評価
135
棚に入れた
377
ランキング
3506
★★★★☆ 3.2 (135)
物語
3.2
作画
3.1
声優
3.3
音楽
3.2
キャラ
3.2

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たナか さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 3.5 作画 : 2.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

SF(そうはならんやろ・フィクション)

ブラックジャック風味な古典SFお約束大全。
アニメの出来が悪いのはEDで納得。

SF=スペオペかサイバーパンクを求めるとコレジャナイ不可避。
近未来アクションでも美少女が死ぬやつでもない珍しいSFアニメ。
そのうえ今時では珍しいモヤモヤとスッキリしないタイプのやつ。

超高度AI「MICHI」の設計思想により作為的に欠点を抱えるヒューマノイドはコピーや人格操作が可能な点で人間よりもか弱き社会的弱者であり、人口の一割程度に人数を制限されている永遠のマイノリティ。ヒューマンドラマがメインな本作ではここにスッキリした回答を用意してないだろうし、あっても古典の範囲内で済ませると思う。母親の件は次作のREDに続くので解決はしない。

SF
攻殻やサイコパスみたいなやつなら「未来の話されてもわかんねえよ」ってことにはならない。AKIRAもそうだけど「理解できる話」にしないと連載ネームが通らない。今の常識では考えられない「ありえなさ」に直面することがSFのキモだったはずだが、現在では「ありえないやつ」や「意味がわからんこと」や「わからなくてもいいこと」なんかが溢れてる。誰しもが技術の便利さに飲みこまれてしまう他ないだろうから、まだ考える時間のあるうちから「人間らしさとは」を問い続けてみようという試みなのかもしれない。知らんけど。

モヤモヤガバガバ
実写ではこういうモヤモヤガバガバ系は一定の人気はあるが、アニメは「重箱の隅から隅まで全部わからないといけない」ので、この手はもとからアニメに向いてない。やはり破綻しようがないきららしか勝たんということか。これで投げっぱなしと言われるなら最初から細部を語る気が一切ない「CUBE」とか「プラットフォーム」はどれだけ売れててもアニメ化は不可能だな。

12
過去回の補足説明と次作への繋ぎのみ。一応まとめときましたよ的な。
須藤の戦いはこれからだ!

次作のREDは紛争地隊の貧困層の子供から電脳剥ぎ取ってコピーして自爆特攻させるとかマンガチックなストーリーなのでまだアニメ向きかな。ここまでAIの発展した現在ではSFリテラシーなど関係なくそうはならんやろにしかならない。コストの概念を無視するのはいかにも少年誌のレベル感だとしても、子供が見てもドローンでええやんとなるでしょう。

正直原作からしてSFとしてもそこまで面白さはないというか色々調整ミスってると思う。だがキャラものではないSF漫画がアニメ化されたことの意味はあったと思う。来年は藤子不二雄大先生のSF「TPぼん」がアニメ化されるらしい。近未来ガンアクションでも美少女ロボが死ぬやつでもない地味なキャラのSF漫画。今作はそこまでの繋ぎとか踏み台としての存在意義はあったとは思う。今作と比較すればいかに藤子不二雄がすごいのかがわかるはず。それは見方を間違えないようがないところ。キャラの魅力ガー感情移入ガー説明不足ガーとか言わせないもんね。見る前から「そういうのじゃない」てのが画面だけでわかる。しずかちゃんを性的消費的観点で見れるマニアックな感性の人もいるみたいですが多様性ってのは俺の権利を保障しろではなくヘンなやつがいてもいいってことでしょう。

読み返せるのが前提の小説や漫画と違ってアニメは初見一発で全部わからないといけないという風潮はあったが、サブスクで気軽に周回視聴も可能になった現在では作品の幅がってきた的な感じかな。アニメは誰でも初見で一発で完全に理解できる話でないといけないという強いこだわりをお持ちの人には相性が悪いか。

投稿 : 2023/10/07
閲覧 : 267
サンキュー:

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