「ドラえもん のび太と夢幻三剣士(アニメ映画)」

総合得点
66.4
感想・評価
81
棚に入れた
503
ランキング
2816
★★★★☆ 3.6 (81)
物語
3.7
作画
3.5
声優
3.7
音楽
3.6
キャラ
3.7

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ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ダーク版?藤子・F・不二雄先生。

【概要】

アニメーション制作:シンエイ動画
1994年3月12日に公開された99分間の劇場アニメ。
原作は、藤子・F・不二雄が『月刊コロコロコミック』
にて連載していた「大長編ドラえもんシリーズ」作品。

監督は、芝山努。

【あらすじ】

夢の中では正義のヒーローとなっていい気になっていた、のび太は。
現実ではママや先生に叱られて、生きづらさに泣いていた。

せめて夢の中だけでもスネ夫やジャイアンやしずかにかっこいいところを見せたい、
と、のび太は帰宅するやいなやドラえもんに泣きついては、
現実逃避はもっと惨めになるだけと諭された。

その後、行方不明になったのび太を傷つけてしまったと後悔して捜索するドラえもん。
ドラえもんの心配を他所に、見つかったのび太はケロリとしていた。

夢の中の世界で楽しく遊ばせてくれるとのドラえもんの言質を取った、のび太。

まるで映画の中に入り込んだみたいに自分がキャラクターとして世界を楽しめる、
「気ままに夢見る機」とアクセサリー・セット。その道具で夢を楽しんで、
翌朝を迎えたのび太は、学校に向かう途中に宿題をやってなかったのに気づき、
学校の裏山で始業前に大急ぎで宿題を始めるが全くわからない。

そのとき一時的に頭のよくなる知恵の木の実をくれた謎の男にのび太は下校中に再会。
謎の男はあんなものよりもっと素晴らしい力を「夢幻三剣士」の世界で授かると言う。

帰宅後にドラえもん宛の未来デパートのダイレクトメールで、
新発売の夢カセット、「夢幻三剣士」が薦められてるのを聞いて、
ドラえもんにおねだりするのび太。

高額につき十二回分割払いで購入した、「夢幻三剣士」の世界は、
妖霊大帝オドロームに率いられている魔物たちに侵略されているユミルメ国があり、
のび太は救国の伝説の英雄ノビタニヤンとなって冒険を始める。

ドラえもん、ジャイアン、スネ夫、しずかも物語の登場人物となって、
ノビタニヤンとか関わっていくのだが、現実ののび太と変わらない状態での、
旅の始まりは都合よく気持ちの良い活劇のようなものでもなかった。

【感想】

大長編ドラえもんの第15作目。

夢の世界で大冒険はドラクエ6を思い出す設定ですがこっちが先です。
夢カセットなる未来の道具で行っていることは、
「SAO」などのVRMMO作品の先駆者に思えます。

悪い魔王を倒して世界に平和を取り戻す王道RPGストーリーですが、
夢の世界で、のび太やしずかが塵となって本当に◯んじゃうシーンがあったりして、
子供向けのアニメとしては、「デビルマン」の頃の昭和アニメに通じた、
殺伐さとおどろおどろしい不気味さが随所にあったと思います。

普段のTVシリーズの合間の大長編シリーズは日常に回帰するハッピーエンドがお約束ですが、
伏線?や映像に仕掛けがあり、「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」
にも共通する夢と現実の境目をあやふやにした不気味さのある世界を、
藤子・F・不二雄先生は構築してみたかったのではないか?と想像をしてみますが、
お話的には一見は変哲も無い勧善懲悪的な冒険活劇に終わってしまって、
仕掛けが隠し味程度になってしまったこと。映画の展開の一部とラストシーンには、
やりたいのに纏めきれなかったことの名残があります。

もし作者がこの映画公開の2年後にお亡くなりにならなければ、
想定したテーマを再利用した新作品を描いて欲しかったです。
と、惜しいと思うところがある作品でした。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2024/04/26
閲覧 : 36
サンキュー:

12

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