ダークファンタジーで戦いなTVアニメ動画ランキング 10

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のダークファンタジーで戦いな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月07日の時点で一番のダークファンタジーで戦いなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

計測不能 1 ダークファンタジーで戦いなアニメランキング1位
ゴブリンスレイヤーⅡ(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (132)
294人が棚に入れました
「俺は世界を救わない。ゴブリンを殺すだけだ」 辺境のギルドには、ゴブリン討伐だけで銀等級(序列三位)にまで上り詰めた稀有な存在がいるという......。 冒険者になって、はじめて組んだパーティがピンチとなった女神官。 それを助けた者こそ、ゴブリンスレイヤーと呼ばれる男だったーー

声優・キャラクター
梅原裕一郎、小倉唯、東山奈央、中村悠一、杉田智和、上坂すみれ、井口裕香、内田真礼、日笠陽子、松岡禎丞

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

俺は世界を救わない。ゴブリンを殺すだけだ――

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期と劇場版「ゴブリンスレイヤー GOBLIN’S CROWN」は視聴済です。
ゴブリンって、RPGゲームをプレイしたことの無い方でも恐らく名前くらいは知っているという最底辺のモンスターという認識が一般的です。
かく言う私も本作或いは、「灰と幻想のグリムガル」を視聴するまでは世間一般と同じ認識でした。

ですが、単体での戦闘力は低くても群れを成し、統率された戦闘部隊となると話は別です。
これは人間に例えても同じことが言えるので、筋の通った理屈だと思います。

だけどゴブリンに対する世間一般の認識があまりにも浸透し過ぎていることから、大抵の冒険者はゴブリンを格下の弱い相手だと思ってします。
所謂、油断ってヤツです。

この物語では、この油断に警鐘を鳴らす作品であると思っています。
しっかりと準備をして臨まなければ何が起こるか分からない。
そして一度相手の策略にハマってしまったら…心身に大きな傷を負ってしまう、或いは2度と戻れなくなるという状況が待っているということ…

これって、私たちの仕事に対しても同様の事が言えると思うんですよね。
そういう意味でも私にとっては興味深い作品でした。


「俺は世界を救わない。ゴブリンを殺すだけだ」

辺境のギルドには、ゴブリン討伐だけで
銀等級(序列三位)にまで
上り詰めた稀有な存在がいるという……。

冒険者になって、はじめて組んだ
パーティがピンチとなった女神官。

それを助けた者こそ、
ゴブリンスレイヤーと呼ばれる男だった。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

相変わらず緊張感のある良い作画…
と思ったら、第1期と第2期ではアニメーション制作会社が変更されていたようです。
第1期はWHITE FOXさんで、第2期はライデンフィルムとwikiに記載されていました。

どちらも名高い制作会社だと思いますが、WHITE FOXさんはここ最近あまり活動されておらず、2023年は一つの作品も世に輩出しなかったようです。

色々と想像しちゃいますよね~
例えばリゼロの第3期を一生懸命準備しているとか、「無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜」の制作に伴い、新たなアニメーション制作会社を立ち上げているので、そちらの加勢に行ってたりとか…
どちらも私が視聴を楽しみにしている作品だから、こういう発想になるんでようけれど^^;

この作品の物語はシンプルです。
ゴブリンスレイヤー一行が、各地に生息しているゴブリンを殲滅するというものです。
行く先々に違いがあるので、背景や人との出会いに変化があるくらい…

ですが、その分ゴブリンとの戦闘シーンはとても秀逸だと思います。
ゴブリンも手を変え品を変え襲ってくるので、単にゴブリンとの戦闘と言っても決して視聴者を飽きさせることはありません。

そして何より気になること…
ゴブリンの暗躍の全容が見えないんです。
特に気になるのがゴブリンスレイヤーが寝泊まりしている牧場の牛飼娘…
彼女の存在だけが異質に見えて仕方ありません。

ギルドに所属している冒険者は、多少なりとも自身を外敵から守る術を心得ています。
ですが、牛飼娘は戦闘力皆無である上、人里離れたところに住んでいるので、ゴブリンスレイヤーを温かく迎える姿を見る度にホッとしてしまいます^^;

そういえば、この作品ってキャラ名がありませんよね。
女神官とか、妖精弓手など…
無くても困りはしませんが、あった方が愛着が湧くと思うんですけどね^^;

もしかすると呼び方が皆さん違う事が起因になっているのでしょうか。
例えば、ゴブリンスレイヤーの事を、妖精弓手は「オルクボルグ」と呼ぶし、鉱人道士は「かみきり丸」、蜥蜴僧侶は「小鬼殺し殿」ですからね~。
この自由さもそれぞれの種族の持ち味なんでしょうけれど。

あと、もう一つの見どころといえば、ゴブリンスレイヤーを取り巻く色恋のお話でしょうか^^
段々、対抗馬が増えてきましたよね。
女神官、牛飼娘、受付嬢に剣の乙女…
勿論、ゴブリンが跋扈しているうちは中々進展は無いと思いますが、どうなるんでしょうね。
こちらの顛末も楽しみです。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、Miliさんによる「Entertainment」
エンディングテーマは、中島由貴さんによる「霞の向こうへ」
Miliさんの楽曲は今回も格好良かったです~

1クール全12話の物語でした。
今回もしっかり堪能させて頂きました。
気になるのは、やはり続編制作の事になります。
続き、メッチャ見たいんですけど…
続報を楽しみに待っていますね。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

やはり面白い。世界とゴブリン、神の関係は?大司教が大活躍。

 やっぱり面白い…神とサイコロ。作品の2重世界的な雰囲気が3人の冒険者の登場で徐々に垣間見えてきました。1期では確かお祭りみたいな場面で一瞬でてきてよくわからない存在でした。とはいえまだ全然わかりませんが、ゴブリンとは?という謎とセットで謎が深まってきました。それともちろん大司教の過去ですね。あのフェロモン全開のゴブリン恐怖症は一体?

 軍が相手にしているのはどんな敵なのか?というのが、1期の段階では民衆のために働かない無能な為政者のイメージでしたが、2期に来てなるほどそっちはそっちでいろいろあるのかあと分かります。

 女性がさらわれて助けるというパターン化とちょっとゴブリンスレイヤーのダークな感じが初心なヒーローという感じになってしまった気がするのが惜しいと言えば惜しいかな?ハーレム化現象も無くはないです。

 女性の悲惨さの場面がかなりマイルドになっているのも作品世界が変わった感じがしました。その点では1期の1話の衝撃の貯金をまだ使いつぶしている感じはあります。

 ですが、本作も続いても面白さが持続する数少ない作品の1つです。それは世界観とキャラの作り込みが出来ていて、その謎を解き明かすという構造が上手く機能しているからでしょう。
 
 作画ですが、言われているほど悪くなかったと思います。特にキャラデザは造形そのものは本作の方が良かったし、頭身も本作の方が自然だったと思います。ただ、一般的な異世界ものの雰囲気になってしまったのが惜しいと言えば惜しい気はします。
 線と色彩の雰囲気は1期の方が良かったですし、エフェクトがちょっと安っぽくなった気はしました。アクションシーンの動きと、ゴブリンとかクリーチャーの造形が駄目だったとは思いました。

 ということで、人気作だけに継続してほしいところ。今期は最終回直後でつづきの2クール・2期発表の作品が多いので、是非本作も3期を早急に。

 評価はストーリーは上の通り非常に面白いですが若干アラも見えたので4.5。キャラはテンプレ感がなくていいですね。大司教が大活躍です、4.5。
 作画は思ってたほど悪くなかったですよ?動きは不満なところはありましたけど、4。音楽は…普通?OPEDアニメがいい分で3.5としておきます。声優は十分良かったです、4。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ゴブリンか?ゴブリンじゃないのか・・・ゴブリンか!!!

面白かったけど1期とだいぶ感じが変わりました
1期に比べてずいぶん明るくなったのは良かったのか悪かったのか?
盾勇者と一緒でコレも1期でやりたいことをやりつくした感じで、方向性を変えたのかも
作画は結構顔が歪むことあって気になる

1期は女性を凌辱するシーンが壮絶でしたが、2期はだいぶマイルドになっています、女性の状況から、たぶん原作ではもっとひどい目にあってそうで、苦情でも入ったのでしょうか?
私は女性が凌辱されるシーンに嫌悪感あるのでマイルドになって良いんだけど、どうしても嫌なら2期なんて見ないでしょうし、今さらマイルドにする必要あるんでしょうか?

2期になってもやってることだいたい一緒というか2期は同じようなことの繰り返しだし、残酷な描写が一期よりだいぶマイルドになったし戦闘も1期ほどの緊迫感がなく、ゴブリンの脅威度が減ったので、ゴブリンスレイヤーが延々とゴブリンをせん滅しているのがだんだん気になってくる、しかもゴブリン世界中に大量にいるみたいだから狩っても狩ってもキリがないような? どう完結させるのでしょうか?
3期があるならそろそろひたすら狩り続ける以外の大目的が欲しいところです
ただ仲間キャラクターの活躍が多くなって賑やかになったので一緒に戦ってる感じがいいかも
妖精弓手の可愛さと蜥蜴僧侶の老練した安心感が好き

この世界でゴブリンは最弱とみなされているみたいだけど、これだけ知恵が発達していて大きな組織を作って行動しているなら最弱扱いされているのが不自然です
もっと上位のモンスターも同じように知恵やコミュニティがあるなら、冒険者壊滅しますよね?
そのへんの矛盾は気になります

投稿 : 2024/06/01
♥ : 20

67.9 2 ダークファンタジーで戦いなアニメランキング2位
ダンタリアンの書架(TVアニメ動画)

2011年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (717)
3922人が棚に入れました
蒐書狂(ビブリオマニア)である祖父から、古ぼけた屋敷とその蔵書を引き継いだヒューイは屋敷の地下で静かに本を読む少女、ダリアンと出会う。彼女は禁断の『幻書』を納める『ダンタリアンの書架』への入り口、悪魔の叡智への扉だった……。

声優・キャラクター
沢城みゆき、小野大輔

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

雰囲気が良いですねo(*^▽^*)o~♪

■「ダンタリアンの書架」ってどんなアニメなの(*゚・゚)ンッ?
ラノベが原作のダーク・ファンタジーなのですけど、ミステリーっぽい内容にもなってますね♪
ミステリーと言い切れない点は、基本1話完結だと思うので、綿密な伏線も張れないでしょうし、絶対に謎解き不可能なシナリオ構成もありますので、本格的なミステリー小説と比較してしまうと、物足りなさを感じてしまうのではないでしょうか?
そう考えると、やっぱりファンタジー作品なのでしょうね♪
 
日本では、マジックリアリズム的な表現を用いている作品が多くなってきているようですけど、「ダンタリアンの書架」の独特な雰囲気もその部類に入るのでしょうね♪
そう考えると「GOSICK」に似た感じを受けるのも頷けるような気がするのです。
ミステリーとファンタジーの狭間でグレーな部分の位置付けの作品って評価の目線をどこに持ってくるかでだいぶ評価が分かれそうですけど、アタシσ(゚-^*)はこういう作品は大好きです♪
どうせ推理しても解らないので・・・
(´ρ`)ヘー・・・とか( ̄。 ̄)ホーーォとか・・・(^ー'*)bナルホドとか言いながら雰囲気を楽しめれば良いなって思ってます♪
 
 
■注目はやっぱり「ダリアン」と「ヒューイ」ですよね(-ω☆)キラリ
ヒロインのダリアンは小さくって、とっても可愛い女の子なのです♪
そんな小さな体に、90万666冊の幻書を封印している迷宮図書館の入り口と、その錠前を胸元に持っているのです。ちょっとインデックスっぽいですねw
お人形さんのような美貌と、赤ワインのような瞳が魅力的なのですけど、その美貌とは裏腹に、強烈な毒舌の持ち主でもあるので・・・
ポカッ! (._+ )☆ヾ( ̄ヘ ̄; ) ォィォィって思わずしたくなっちゃいますねw
でも可愛いからなんか許されちゃうのかなw
 
「ダンタリアンの書架」の鍵を持つ主人公のヒューイがどのように立ち回っていくかがこの作品の方向性を決めていくような気がします。
迷宮図書館内の子供の頃の回想シーンをどう結び付けていくかも注目ですよね♪
 
 
■前半まで視聴した感想(*^o^*)
まず、沢城みゆきさんの演技がとっても良いです。
ダリアンの魅力を余すことなく出し切っている所はさすがですね♪
まり†ほりの寮長先生とはまた違った毒舌っぷりでした!!(*`◇)<毒毒毒毒ブオォォオ*_*;)
 
舞台は20世紀初頭のイギリスで、その街並みや情景とシリアスな展開が非常にマッチしていて、コントラストの使い方がしつこくなく、重い空気感を演出していてダークな雰囲気をさりげなく演出しているような印象を受けました。
 
残念なのは幻術をつかったバトルシーンには物足りなさを感じちゃいます。
せっかく良い雰囲気を作っているのに、幻書の危険な香りや重みが感じられずに、魔法少女的なきらびやかな演出で綺麗に終わってしまっているのです・・・。
幻術を使わない格闘シーンは悪くはないので、もったいないなーって印象です。
  
 
■総評
各話単体での出来自体はショートストーリーとしてそこそこ面白いのです♪
でも・・・最終話まで通しての印象としては、各話の出来栄えにバラつきがあるので全体を通してのストーリーがぼやけてしまっていましたね。
なんだかドラえもんのポケットを迷宮図書館に例えるなら、ポケットの中のアイテムが幻書ってところでしょうか!
色んな幻書をクローズアップしてショートストーリーを構成するのはもちろん魅力的なのですけど、この物語の根底でもある迷宮図書館や鍵守や読み姫の関係などの説明や描写が不足しているのです♪
「ダンタリアンの書架」の世界観を作るだけ作って放置という状態になっちゃってますね!
雰囲気の作り方が良いだけに、肝心の物語に深みが感じられない要因となってるのが残念だなぁって思っちゃいました><
 
ともあれ、ダリアンちゃんの毒っぷりと可愛らしさは一見の価値はありますね♪
続編みたいですか?と言われたら。。。o(゚^ ゚)ウーンとなりますけど、他の読み姫との絡みも気になりますし2期やるならきっと観ちゃうと思いますけどね(*v.v)
 
 
■MUSIC
OP曲『Cras numquam scire』
 歌:Yucca
 寂しさを感じさせる、しっとりとした歌声で作品の雰囲気作りに一役買っているナンバーですね♪
 
ED曲『yes,prisoner』
 歌:maRIONnetTe
 意味腐なED映像はさておき・・・この曲のタイトルもかなり鬱ですねw(@`▽´@)/ ハイッ囚人!!
 聴くと心が病んでいくようなプログレッシヴ・ロック的?なナンバーですw
 
 
2011.08.28・第一の手記
2011.10.02・第二の手記(追記:■総評、■MUSIC)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 49
ネタバレ

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

結局よく分からなかった(55点)

全12話。
ライトノベル原作。原作未読。

個人的満足点:55点
アニメ系統:ダークファンタジー

舞台は1900年ごろ?のヨーロッパ。
「幻書」によって引き起こされる出来事を
主人公ヒューイとダリアンが解決する物語。

作品の雰囲気はかなり好みだったが
どうも、毎回、パターンが同じで退屈。
さらに、急に話がすっとんでいくので大筋が見えない。

7話では急に新たな登場人物と読姫が出てきて
またもや、話がつながらない。
11話も何の前触れも無く過去の話が出てきて
新たな読姫?出現。
12話で3人とも出てくるが何のことだか意味が分からない。
雰囲気はお気に入りだっただけに少々残念な出来だった。

しかし、ダリアンはいい。
この毒舌に沢城さんの声。
毎話、ダリアン見たさにアニメを観ていたのは間違いない。
過去の自分の感想みても、ほぼダリアンで吹いたw

音楽の雰囲気は非常に良かったが
EDの実写が少々違和感を感じた。

全体的に残念な作りだった。
お勧めではないが沢城さん好きなら
それだけでいけるかもしれない。


と、まあ、残念な内容になってしまったが
つまり、何が言いたいかというと

ダリアン=真紅+翠星石 つまり俺得w


-----------------------------------------------------

以下、毎話後の感想。
ネタバレを含む場合があるので
未視聴の方はスルー推奨。

-----------------------------------------------------

{netabare}
1話視聴。

作品の雰囲気は結構好み。
今後、どのように物語が展開するのか楽しみである。

ダリアンの声優さんが沢城さんなのも見逃せない。
個人的にはダリアン役の沢城さんはかなりツボだ。
ダリアン可愛いよダリアン。
(真紅+翠星石と感じ「ゴチです」と思ったのは内緒w)


2話視聴。
作品の雰囲気はかなり好みぽい。
だが、面白いかと言われれば今のところ、そこまで面白みを感じない。
それでもダリアンが好きだわ。
アニメの雰囲気とダリアンだけでしばらくはいけそうw
来週も継続。


3話視聴。(3話、4話)
ダリアンが可愛い♪
スコーンを出すのですっ!
スコーンは?
可愛すぎるw

展開は相変わらず幻書のからんだ事件。
少々展開に飽きてきてしまった。
が、ダリアンが可愛いので継続w

4話視聴。(5話)
物語は可もなく不可もなくかな。
ちょいとグロイ所もあるので
グロ耐性が全く無い人は気をつけたほうがいいだろう。

そんなことより、ダリアンの1つ1つのセリフがいいね。
あのしゃべり方で毒吐くのがたまらないw
ダリアン可愛いよダリアン。

5話視聴。(6話)
なんだか飽きてきたw
毎話幻書がらみで事件が起きて解決の繰り返し。
何かこうもっと盛り上がる展開にならないものかな。
でもダリアン可愛いのでがんばります。

7話視聴。(8話)
あれ、俺のダリアンは?
ダリアンが出てこないんだが・・・
ダリアーーーーーン。
変わりに幼女思考の変態とガラクタなるものが出てきた。
一瞬違うアニメ見てるのかと思ったw
どうやら、主役はダリアンだけじゃないようだ。
話によって違うみたい。
ダリアンは「黒の読姫」でガラクタは「銀の読姫」らしい。
まあ、ガラクタもいい味出てたのでこれはこれでよしとしておこう。

8話視聴。(9話、10話)
ダリアン復活\(^O^)/
久しぶりにダリアンの毒舌が惜しみなく炸裂。
毒舌を堪能できて満足。
しかし、毎話同じことの繰り返しかな。
盛り上がりに欠けるね。

9話視聴。(11話)
作画が変わったのかと思ったw
どうやら本の世界に入っていたようだ。
うむう、しかし、毎回代わり映えしない。

10話視聴。(12話)
今回は楽譜が幻書みたいな感じ。
そして、いつもとあまり変わらない。
10話だな内容は12話。
次で終わりなのかな?

11話視聴。(13話)
ヒューイの過去の話かな?
何か意味がよく分からなかった。
来週まであるみたい。
ふむう、なんだか微妙だなあ。

12話視聴。
結局最後も意味が分からず終了。
まあ、ダリアンが可愛いので、許すとしようw
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 31

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ゴシック―ロマネスク

ミステリー? いや、凝ったトリックも謎解きもないし、
魔法もの? といっても壮大な世界観もバトルもないし、
何やら不思議なアニメではある。
個人的な、ざっくりの印象で強いていうなら、
奇譚風に仕立てられた、正統派ヒューマンドラマといったところか。


幻書、というものをめぐって物語は展開する。
幻書とは、この世界にあってはならない禁断の書物で、
世界の秩序を変えてしまうほどの、恐るべき魔性の力を秘めている。

このアニメが最終的に人間ドラマとなる理由、それは、
各話それぞれの事件がつねに、おのれの歪んだ願望を遂げるために、
幻書のもつ強大な力を利用しようとする、世の人間たちが引きおこすものだからだ。

その結果、幻書を管理する立場にある主人公の二人が、
事件に巻き込まれるたびに、いやでもそこに見ざるを得ないのは、
人間のかなしい業であり、愚かさであり、狂気である。
二人とも、そうした人間模様を、どこか達観して眺めている風があって、
この作品を一貫する静かな、はかなげな雰囲気はどうもそこから来ているようだ。


ゴスロリ幼女に全部持っていかれた感はあるが、
主人公のヒューイはそれなりに魅力的なキャラクターだと思う。
一抹の影を帯びた、若くして老成してしまったような彼の人格の奥には、
確実に戦争の傷跡がある。この事実は11話で明らかにされる。
大空への無垢な憧れが壊されてゆく、この11話が、最も詩的で、美しい。
ラストは、来るべき次の動乱への予感をはらんで、張りつめた終末感を漂わせているようだ。

人間の最大の狂気としての戦争、どうやらこれが本作の隠しテーマであるらしい。
うっかり見過ごしていたが、全編見終えてから1話を見返すと、
過去のプレイバックの中に、しっかりと予示されているではないか!


舞台となる英国の風土を象徴する霧が、冒頭から立ちこめているように、
繊細な情景描写がストーリー以上に雄弁なのも、このアニメの特色だろう。
明暗のコントラストの効果は全編を一貫しているが、
とりわけ印象深いのは、しばしば描かれる月明かりの場面だ。
月は古来、狂気を象徴するものとされている。ここに、
隠しテーマの暗示を推測するのは、うがちすぎる深読みだろうか。


オープニングのソプラノ独唱に代表される、
静謐な作品世界のトーンを際立たせる音楽の素晴らしさも付け加えておきたい。
一方で、そうした雰囲気からは突出した異物のような、
エンディングの不気味な実写映像は何を意図しているのだろうか?

「この世界には知るべきでない事があるのです。」
・・・作中、ダリアンが時折つぶやく言葉だ。

決して見てはならない、知ってはいけない禁忌の領域の一端を垣間見せるために、
あえて実写を用いて、現実そのものに潜む禍々しさを象徴風に表現した、そう解したい。
おどろおどろしくも不思議に懐かしい、寺山修司の世界などに通じるものが感じられる。


最後に総評です。

いぶし銀のような渋さと、深い余韻が味わえる、玄人好みの秀作。
O・ヘンリーの短編などを好まれる文学愛好家には、特にツボかもしれません。
勿論、ダリアンの可愛さを愛でるためだけでも、断然、視聴する価値はありです。
(え? こっちが王道ですか? 失礼しました。)


(初投稿 : 2019/07/07)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10

68.6 3 ダークファンタジーで戦いなアニメランキング3位
黒執事 Book of Circus(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (489)
2790人が棚に入れました
街を賑わすサーカス団。しかし、彼らの移動とリンクするように街では子どもたちが消えていた。調査のためサーカス団に団員として潜入した、セバスチャンとシエル。そこで思いがけない人物…に遭遇する。サーカス団の隠された目的とは!?

声優・キャラクター
小野大輔、坂本真綾、宮野真守、高垣彩陽、甲斐田裕子、岡本信彦、寺島拓篤、泰勇気、新谷真弓、小柳良寛、三上哲、東地宏樹、梶裕貴、加藤英美里、藤村俊二、杉山紀彰、KENN、福山潤、立花慎之介、安元洋貴、田村ゆかり、遊佐浩二、矢作紗友里、諏訪部順一、菅沼久義、木村良平、前野智昭

nani-kore さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

3期キターーーけど。。ラストの後味の悪さがハンパない;

ウキウキ、ウッキウキ観始めたのだけど。。ラストの後味の悪さったら;
苦い砂を飲まされるようなクライマックスは九話から(八話からかも)。

(第九話)
え、シエル?
どーしちゃったの??
そんなア〇イスみたいな惰弱で残酷なシエル、おばちゃん観たくないよ。。

(第10話)
いきなり終わっちゃった。。後味の悪さを残したまま。
見た目からそそられる、甘くて美味しいケーキの中に、苦い砂のような異物が混入されていたかのようなラストです。
じゃりじゃりと、ハートにサンドペーパーをかけられた様な感じ。。

てな感じで、終わり悪ければ全てがと、残念に締めくくって良かとでしょうか?

八話まではシエル萌え天国でした、アーメン。
興味ある方、以下ご参照に。

**********************************

女子のための不動の名作、黒執事TVシリーズ3期来ましたね!!
シエルの可愛らしさがパワーUPして、どんどんショタへ走りそう。。
TVシリーズ2期で完結しているから、当然の成り行きでしょうが、物語の時期的には、1期の途中にあった事件がらみのエピソードみたい。
つまり、マダムレッドがあーなった後で、女王様があーなる前ですね。
詳しくは1期をごらんください♪

中間期エピソードで、OVA的な内容になるのかなぁと思いきや、シエルの、ファントムハイブ家の、あの惨劇に繋がるよーです。
つまり、物語の核心に迫るワケですね=33
そーいや2期でキレイに完結してたけど、シエルとセバスチャンの詳しいなれそめとか、サワリの部分がぼかされていたよーな。

EDラストのセバスチャン、文字通り、食べちゃいたいくらいシエルが愛おしそうな仕草がたまりません~3

以下、萌えどころを中心に感想。

(第一話)
ファントムハイブ家らしい日常、定番デス☆
シエルのおみ足にソックスを履かせるセバスチャン(今期、このシーン多くて好き♪♪)、どっちもうらやまスィ~;

(第二話)
女王様、まだご健在でなにより。。
危険なニャンコにからむセバスチャンにびっくり☆
シエルがネコアレルギーって、私も、私もだよっ、シエル~(#^.^#)♪

(第三話)
事件はサーカスがらみ?
でもイイコ達に思えるけどなぁ。。
庶民なシエルも可愛いです~~

(第四話)
なんと、あの人も潜入中とはっ!
例のあの人じゃなくて、まさかのあの人の方だよ!!
。。何しに来たのかしら?例の人より萌えるっスけど♪

(第五話)
熱にうなされるシエル。。くぅ、かわゆい~ぎゅううぅぅ~~
吸い飲みでお水を飲むシーンなんて、愛らしさの極致デス☆☆
ああもうっ!こんなん、誰だってショタになっちまうぜっ!!

(第六話)
まぁ、なんてイケナイ悪魔でしょう、セバスチャンは。。
王子様方が久しぶりに大騒ぎで大活躍、ナマステ~
ひよわな坊ちゃんは寝かされてしまいマス。Good night, baby☆

(第七話)
いよいよ敵地へ踏み込むゾ=33
病んだ男のヘンタイぶりにヘドが出ます、ぺっ!!
でもそのヘンタイを目覚めさせたのはシエルの愛らしさ。。うん、分かるぅ;

(第八話)
惨劇のトラウマがフィードバックするシエル。
シエルパパったら、セバスチャンにそっくり??おいしそーな美形っス;
ヘンタイ男は天誅でとーぜんだけど、サーカスの子たちは、ねぇ。。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19
ネタバレ

田中タイキック さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ドラクエⅦの1エピソードのような話

2014年7月~ MBSアニメイズム枠にて放送
全10話

私は原作未読、1期は全話完走、2期は途中で断念という状態で視聴しました。

【1話で設定と世界観の説明を上手くまとめていた】
おそらく初見さんに配慮した話だと思いますが私のような所謂「視聴復帰組」にとっても1話で端的にわかりやすくまとめられていると色々思い出せて物語にすんなり入り込めました。普通3期まで続いているシリーズは途中で断念してしまうと中々また見るということも無いので非常に良い導入でした。


【OPの映像に魅せられて視聴継続を決意】
1話の最後にOPが流れたのですが映像がすごく格好良くて一気に視聴意欲が湧きました。
事前知識でどうやら「サーカス」が深く関わっていることしか知らなかったのですがその「サーカス」色を全面に出しつつオシャレでスタイリッシュな映像に仕上げていました、
そういえばサーカスって子供のころに木下大サーカスを1回見たきりですが何だか薄暗くてちょっと不気味だったなぁとこのOPを見て思い出してました。


【物語】
2話以降から「サーカス編」の開始
序盤はギャグを交えながら明るい雰囲気で進行していくも徐々に明らかになっていく闇とサーカスの真実。物語の緩急の付け方が非常に上手いと感じました。
あいだあいだで前作までのキャラが登場しますが初見向けの説明をはさみつつ基本ギャグで処理されて本筋にはあまり絡まなかったので全員を把握してなくても特に問題はありませんでした。
後半、ケルヴィン男爵が出てからは怒涛の展開、丁寧な伏線回収で見入りました。
ケルヴィン男爵役の茶風林さんの怪演がすごかった。
そして最終回、{netabare}サーカス団の面々は全員死亡、守っていると思っていたワークハウスの弟たちも既に・・・
本当に誰も救われない展開。
醜悪で残酷な人間の性をまざまざと見せつけられ良くも悪くも心にズシンと突き刺さる展開でした。{/netabare}
徹頭徹尾ピエロだったということですな。サーカスだけに


【総評】
全10話と1クールでも短めの話数でしたが急ぎすぎということも無く非常に丁寧に物語を進行していて最後はバッドエンドながらも説得力があり不思議とモヤモヤの残る印象はありませんでした。
ハッピーエンド至上主義なところがある私があまり悪いイメージをもたなかった珍しい作品となりました。
人体に欠損のある人の描写や拷問シーンは規制が少なく、細かいところで妥協の無い映像作りをしているなぁという印象。
1期、2期ともアニメオリジナル要素を入れながら一定の評価をされたシリーズが今回初めて完全な原作再現を果たし、個人的には今回1番面白い黒執事を見せていただいたので是非続編も見てみたいと思いました。(OVAでは出るみたいですがやっぱりTVシリーズがいいよね!)

【レビュータイトルについて】
{netabare}完全に余談
ドラクエⅦはシリーズ屈指の鬱エピソードが多いことで有名です。
最終話で荒廃したワークハウスの悲しくも美しいシーンを見たら妙にドラクエⅦを思い出してしまいました。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 18
ネタバレ

双葉。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「美しき残酷な世界」とはまさにこれだ!(・∀・)

タイトル、分かる方に何となく分かって頂ければそれで良いです(笑)

原作既読(アニメ1,2期視聴→原作→本作視聴です)。
1期は途中から原作と話が変わり、2期もアニメオリジナルということで
次は期待できないかと思っていたんですが何と来た!!
漫画ではモノクロだったサーカスが、アニメになることでカラフルな世界に変わり、今までの私の印象もガラッと変わりました。
とても嬉しいことだ!

【物語】
所々笑えるところはあるものの、全体的に暗いお話。
血が大量だったり、とにかく色々不純でした...(笑)
それでも何故か、黒執事の世界は美しいと思ってしまうんですよね!
不思議です。

原作で読んでいたので展開に驚いたり、というのはなかったですが
本作は結構原作に忠実だったので楽しめました。
そしてシエルとセバスチャン&ファントムハイヴ家の使用人たちの主従関係もよく表れていました!
他の方もレビューに書かれているように、{netabare}サーカスVS使用人のシーンはかなりかっこよかったし、意外に感動があります。{/netabare}


【キャラ/声優】
今までの豪華声優陣に加え、サーカスの面々も豪華過ぎです。

(敬称略)
セバスチャン・ミカエリス-小野大輔
シエル・ファントムハイヴ-坂本真綾

ジョーカー-宮野真守
ドール-高垣彩陽
ビースト-甲斐田裕子
ダガー-岡本信彦
スネイク-寺島拓篤
ピーター-秦勇気
ウェンディ-新谷真弓
ケルヴィン男爵-茶風林

セバスチャンとシエルの声は、6年経っても変わらなかった...!
2人共、凄く良い声で大好きです。
あと、スネイクの寺島さんは素晴らしいですよ~。
きちんと「蛇の使い分け」をしてました!!
{netabare}しかも5話の次回予告では15役全部に挑戦!
面白かったので是非耳を澄まして聞いてみてください。
スネイクは黒執事の中で多分一番好きなキャラです!{/netabare}
ジョーカーは、活字体だとあの似非関西弁も気にならないんですが
声になるとウザさがあったかな(ちょっと悪い意味でw)。
見た目が子供のまま成長しないブランコ乗りのピーターとウェンディ、
ケルヴィン男爵の声はイメージと違ったので残念でした。

【作画】
今までと変わらず、美麗でアクションシーンも素晴らしい絵でした。
(私は原作の方が好きなので減点してしまいましたが^^;)
OPが良かったです。

【音楽】
黒執事の主題歌は、曲自体はあまり好きではないんですが
絵とマッチして世界観が上手く表現されているところが良いです。

OP-ENAMEL/シド
ED-蒼き月満ちて/AKIRA

【全体を通して】
1期、2期、本作の3期、そして映画化...
と、さらにアニメ黒執事の世界は広がっていきますね。
流石の人気です!
個人的には原作を続けて読むのがおすすめなので、アニメを観て気になった方は是非そちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 23

81.8 4 ダークファンタジーで戦いなアニメランキング4位
進撃の巨人 The Final Season(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (490)
2009人が棚に入れました
「その巨人はいついかなる時代においても、自由を求めて進み続けた。自由のために戦った。名は――進撃の巨人」ついに明かされた壁の外の真実と、巨人の正体。ここに至るまで、人類はあまりにも大きすぎる犠牲を払っていた。それでもなお、彼らは進み続けなければならない。壁の外にある海を、自由の象徴を、まだその目で見ていないのだから。――やがて時は流れ、一度目の「超大型巨人」襲来から6年。調査兵団はウォール・マリア外への壁外調査を敢行する。「壁の向こうには海があって、海の向こうには自由がある。ずっとそう信じてた……」壁の中の人類が、初めて辿り着いた海。果てしなく広がる水平線の先にあるのは自由か、それとも……?エレン・イェーガーの物語は、新たな局面を迎える。

声優・キャラクター
梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、下野紘、小林ゆう、三上枝織、谷山紀章、細谷佳正、朴璐美、神谷浩史、子安武人、花江夏樹、佐倉綾音、村瀬歩、川島悠美、松風雅也、沼倉愛美、増田俊樹
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

大義名分で舗装された道

原作は途中から控えたMEN
1クールにしてはボリューミー全16話です。
※以下3期までのネタバレは隠してないのでご注意を。


エレンたちが海に辿りついてから4年。太平の世が終わりエレンのおかんが食われて9年後の世界。

本放送中に原作が完結したりいよいよか!な〝FINAL”と銘打ちながらまだまだ続きがあるようです。
放送時期毎に感想書いてるとネタがつきてくるもんですが、そうはならない数少ない作品。毎度新たな一面を見せてくれ、それでいて一本筋が通ってるのが特長。

「あれ!?なんか観るアニメ間違えたかしら?」
{netabare}「あれ!?どちらのゴールデンカムイでしたっけ?」{/netabare}

そんな冒頭でさえ不安にならないのはひとえに積み上げたものへの信頼です。きっと回収するはず!
そんなひとつ。見上げた空に羽ばたく鳥たちのオープニングカットは1期第1話を彷彿とさせました。

「あーいよいよ完結するんだなぁ」 
「あーこのあと壁の中はえらいことになってたよなぁ」

そんなオープニングカットからの連想。前者は大河ドラマ並に重厚な物語が終焉を迎える高揚感と一抹の寂しさ。一方で後者が示唆するものはやや不穏。1期で壁内人類を襲った悪夢の再来です。
そうしてFinalseasonはお馴染みの面々抜きで海の向こうの国〝マーレ”側の視点から幕が開きます。ひとまず此度の16話をまとめるなら

 〝16話分のキャラ回”

1クール群像劇なら6話~8話あたりで適宜挿入されるアレ。キャラ評価の逆転を狙う目的なら終盤10話あたりまでと何処にでも挿入可能性あるアレ。敵味方問わず登場人物たちを深掘りし物語に深みをもたらすアレをまるまるやっていただいた印象。
思えば主人公エレン(それとアルミン)の原動力は〝駆逐してやる!”と〝璧外への憧憬”の二つ。憧れを象徴する台詞が「海を見たい」だったと思います。海をイタリア語で〝マーレ(Mare)”と言いますが、そんな海を冠した壁内人類との因縁浅からぬ国と対峙するぞ!というところで3期は終幕してました。
おさらい兼ねて駆け足で振り返る59話↓

 第1期(#01-#25) 人類対巨人の絶望的なパワー差でも抗う人類の意志を描き
 第2期(#26-#37) 絶対真理と思っていた『打倒巨人』の前提に揺らぎが生じ
 第3期(#38-#49) 揺らぎや萌芽が形となって壁内の人間同士の争いへと発展
 第3期(#50-#59) 明かされる世界の仕組み。壁内人類の災難はマーレ起因らしいことが判明
 第4期(#60-#75) 今ここ

そのままマーレを敵認定した組み立ても成立したでしょうがそうはしません。キャラ回をあっさり1話ちょっとで終わらせず、新キャラも順次投入し厚みを持たせていました。代表はガビ♀とファルコ♂の四月に嘘ついてそのうち神様になりそうな実力派声優コンビで息もぴったり。

 戦争は対峙する両者がそれぞれの正義を掲げ絶対的な善悪など存在しない

散々言われてきた使い古されたモチーフです。善悪二元論に傾かない最近の例で超絶ヒットした『鬼○の刃』でも鬼側の事情を丁寧に描くことに奏功してました。

そこに良い意味でえげつなく足を踏み込んでるのがこのFinalseasonではなかったでしょうか。単に相手側の事情説明に終わっていないのが良い。
対立してる二つの視点を擬似体験させる手法が徹底しているため、今目の前で繰り広げられてることや向けられるセリフ随所に〝かつての○○と同じ”フラッシュバックする場面わんさか。その意味ではガビ&ファルコはニコイチでかつてのエレンと見立ててました。死にたがり野郎成分多め「駆逐してやる」状態エレンを担当するのがガビ。その対極、勘はいいけど思慮浅めで戦士適正が低い落ちこぼれエレンなファルコ。


明かされていく伏線に唸るのももちろん楽しいですが、〝かつての○○”がいちいち刺さり、その最たる犠牲者!?ともいえるライナーが第1話(#60)声優紹介のトップを飾っていることがなによりのメッセージかと思われるFinal前半でした。
ただの知識でしかなかった善悪の曖昧さを疑似的に体験できる貴重な経験を得られるかと。文科省推薦にして夏休みの課題アニメにしたらいいと思います。
善悪に関する哲学的な思考。歴史観。各々の価値観次第でなにかしら引っかかるものがある傑作なことは言うまでもないでしょう。



※ネタバレ所感

■仕方なかったってやつだ

{netabare}「尊敬してたのに」とエレンを面罵するファルコ。昔同じこと言われたライナーの表情が蒼ざめる。
「友達だと思ってたのに」と姉の仇ガビに憎しみをぶつけるカヤ。そりゃそうなのです。

「人類を救うためです」シャーディス教官に答えた若き日のライナー。そう!人類を救うためなのよ。

パラディ視点で始まったこの物語は100年続いた安寧をマーレ側が破ったことが発端。抗戦の大義名分ありまくりです。
一方世界からみればパラディ(壁内エルディア人)は長年巨人使って残虐行為の限りを尽くしてきたわけで、それが辺境の島に残存戦力抱えて逃げ込んだ挙句〝地ならし”なんて切り札持ってる連中から「平和を望んでいる」と言われたところでそんなん信じられるか、ボケ!ってのは頷ける話です。

作者の性癖かもわからん。悉くブーメランがライナーに刺さるのが痛ましいのであります。
そして信じてたものが切り崩されてく絶望というものをガビとファルコが受け止めてくれました。おかげでガビの心がガビガビに…(自粛){/netabare}


■まあそう思っちゃうよね

ワルシャワのゲットー(跡地)をほっつき歩いた経験から、居住制限区域が対ユダヤ人のそれに見える。
{netabare}その前提に立つと、腕章での住民ラベリングやちょび髭の閣下風なあの人の登場だったりで、国家マーレにおけるマーレ人とエルディア人の関係はゲルマン人(アーリア人)とユダヤ人とのそれですわな。
密告社会だし、少年兵はヒ○ラーユーゲントだし、ヴィリーダイバーの真実の中に適度に嘘を散りばめた演説がゲッペ○スのそれにも見えるわけでして。

ドイツ人これ観てどう思うんだろ?{/netabare}


■そしてこんな風にも見えるよね

『山河燃ゆ』って大河ドラマをアメリカで放送した時、現地の日系人から猛烈に抗議を受けたそうな。どんな内容か?
{netabare}原作は山崎豊子の『二つの祖国』。その名の通り、大東亜戦争時の日系人の葛藤を描いた意欲作。
それで猛抗議する日系人の事情も配慮しないとですよね。アメリカ人として日本のことなど全く考えもしないという姿勢を見せないと移民国家では悲しいかな生きていけないのです。

被差別民族の忠誠心競争も、そんな彼らを地雷原や最前線に送り込むのもよくある話。
冒頭の戦役は203高地攻略っぽいし、エレン派のクーデターは二・二六事件になぞらえることも可能です。エルディア人=ジャパニーズ説。だいたい鎖国してる島国に列強が襲ってくる図式なんてまんまそれに見えなくもない。{/netabare}


ドイツにせよ日本にせよまたそれだけに限らず、歴史の表裏や機微を上手く表現してるからどの歴史にも代入できるんでしょう。外人さん政治/歴史大好きだから海外でウケるのには納得しますわ。

{netabare}始祖の巨人奪還作戦も示唆に富む気がします。始原への執着は宗教戦争に発展するわけで…
ユダヤ・キリスト・イスラムと聖地エルサレムを巡る三すくみの例は言うまでもなく、人類の始原をアーリア人(インドヨーロッパ語族)とすることで優秀なアーリア人とそれ以外はオマケと見做す選民思想に酔ったハーケンクロイツな面々なんかそうでしょう。これは麻薬にも似た誘惑があるのか、隣国からナンデモ起源説が無くなることもありません。

 優れた我々のルーツ

合理性とは異なる尺度で争いは始まります。2000年単位のエルサレム界隈では対処するための知恵を蓄積してますが、うしろ二つは歴史の長い文脈でいえばまだまだ若い。
始祖マンセーな歴史と最終兵器としての〝始祖の巨人”とでは厳密には話は異なりますが、〝ルーツ”を争いの元としてる点が一つのメッセージのように思えるのでした。{/netabare}



■オマケ

1.制作会社変更
私にはあまり違和感なく移行できてるように見えました。
{netabare}ただピークちゃんのデザインがなんとなく伊藤潤二氏の漫画に出てきそうな見た目だったのが残念。{/netabare}

2.道半ば
2021秋からスタートするクールで完結するらしい。。。
{netabare}まだまだどうなるかわからんですね。いったん地ならししないと収まらん気がします。エレンがミカサやアルミンら守るために偽悪を演じてる可能性も捨てきれず。それで次世代への継承みたいな感じでファルコやガビが新たな世界を歩んでいくような。いずれにせよエレンの未来は暗そう。{/netabare}

3.楽園
イタリア語でもう一つ。楽園を〝パラディソ(Paradiso)”言いますもんね。
{netabare}囲われた島パラディが楽園というのも皮肉が効いております。作中でも罪を犯したエルディア人にお注射ちっくんして島に置き去ることを『楽園送り』と称してるあたり、楽園は薔薇色ではないんですよね。{/netabare}


 地獄への道は善意で舗装されている

ポジティブさの裏に潜む地獄。作中用語であれば〝善意”を〝仕方なかった”に置き換えればよい。



視聴時期:2021年1月~4月 地上波リアタイ

-----



2021.05.07 初稿
2022.02.27 修正

投稿 : 2024/06/01
♥ : 41
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

再追記 恐怖も世界観も矮小化してしまったがっかり感。設定を設定で解決しないでほしい。

再追記 ついに結末を迎える前に

{netabare} 本作のもっとも面白いところ、それは孤立した人類の反撃…だと思っていました。島設定がでるまでは。

 壁が一つ一つ破られて、巨人たちに追い詰められ食料が足りない、反撃の手段もない。仲間が次々に死んでゆく。そこに現れた一つの希望。それがエレンイエガーという巨人になれる人類の登場。

 そこには父親との因縁もあり、壁の中の巨人もいて、他に巨人になれる人がいて…それがどう収束するか、というのがワクワク感でした。

 ここに実は島の外に人がいて、人類の生存域を埋め尽くしていたと思っていた巨人も実は島の中に閉じ込められてたいた。

 これは勝手な見方なので作品のクリエータ側からすれば知ったことじゃないかもしれませんが、世界の中で訳の分からないなかで孤立する日本のメタファのようなもの…時代の閉塞感のようなものを見ていたのに、急に問題が矮小化されてしまいました。
 巨人が人類に操られているような設定で、得体のしれない恐怖から兵器へと格下げになった感じです。

 エレンの存在が、過去のストーリーとは乖離して、重要度がいままで積み上げた物語の流れから急に浮いてしまいました。いや、だったら何もしなくてよかったってこと?まあ、外を知り、出て行く必要があったんでしょうけど。
 その意味では狭い世界の外に実は真実が…っていうことで今の現実世界のメタファになってなくはないですけど。
 結末はまだですが、旧ハガレンのアニメ版の最期、等価交換という最大のテーマについて、錬金術を見事に別世界の文明と結びつけたようなカタルシスがありません。

 エレンが立体機動歩兵になって動機とか、母の仇とかどこに行っちゃったんでしょう?ミカサとの思い出や昔の事件の意味は?父親の謎は?こういうドキドキ、つまり3クールかけて描いてきたことが、なんといいますか茶番になってしまいました。

 設定を設定で解決する、という意味を実によく表している展開です。結末で実は●●を◇◇すると▽▽になるから、これで解決するんだよ、と後付けで言われる感じです。考察も謎も意味ね―じゃん、ですね。まあ、この長い物語を畳めるのは大したものですが…。ちょっと残念でしたね。{/netabare}

 総評はファイナルの2期目が終わったら書きます。




以下 初回時の感想です。


テーマ性と設定の浅さにはがっかりしました。追記 なぜ本作が世界系だと駄目なのか


 期待外れ感が強いです。ストーリーの面白さはあると思いますが、テーマ性や設定の浅さなどでがっかりしています。ヒューマンドラマとして見る価値がないとはいいませんが、それは進撃の巨人に期待していたものではありません。

{netabare}  エレンに関して言えば成長というより変身…闇墜ちあるいは魔王化ですね。個人的因縁の伏線は回収されて行きつつあります。ですが、だからどうした感はあります。ミカサが東洋の国のお姫様といわれたところで…ふーんでした。守るべき命令がプログラムされてとか…スクラップドプリンセスですか?

 個人個人に過去の因縁をくっつけて悲惨な話をこれでもか、と積み重ねていますが、本筋の進行が遅すぎます。サシャとガビの話とか必要だった?

 やっぱり巨人どころか立体兵装ですら未知の力の産物でした。そして巨人の秘密に科学や理論といった匂いがしません。つまり、悪魔の力で済ますことになるのでしょう。で、生殖能力を無くす?うーん。ここの謎ときを一番楽しみにしていたんですけど…どうやら、理屈が無いみたいですね。

 結局は、エレンの能力の選択、地ならしで世界を滅ぼすか、生殖能力を無くすのか、あるいは始祖としての能力を消すか…しかないですよね。やっぱり世界系になってしまっています。風呂敷の畳み方の工夫に一縷の望みをかけるしかなさそうですね。

 で、このエレンの選択の材料が提示されていません。彼は何を悩んだ結果、これらの中から答えを選択するか、がテーマになるはずなんですけど。そのためにはやっぱり島とは何だったか、巨人とは何だったかという問題が提起されなければいけないのですが、最終破壊兵器というつまらない舞台装置に堕してしまった感じです。 

 ちょっと3期から感じていたことですが、壁の中の絶対的絶望感という視点が人類が外部に存在していたこと、力関係の逆転があったことで、蒸発してしまっています。人類の希望だった立体兵装が凶悪な兵器として視点が変わってしまいました。

 ヒストリア、アッカーマン等の因縁がどうでもいい問題になってしまっています。もちろん、エレンの能力に対抗する別の戦い…たとえばミカサが東洋のお姫様という身分で何かできるならいいですけど…{/netabare}

 うーん。2000年とか巨人とか公開可能な情報とか、壮大なストーリーとオリジナリティを期待していたいたわりに、伏線回収ゲームみたいな形で最後はやっぱり世界系で終わり?回を重ねるごとに問題が矮小化していく気がします。
 個人の因縁を深いとみるか浅いとみるか、ですが個人の内面に作家性があまり見いだせないです。

 巨人=人間になったことで、自然の中の命の儚さではなく戦争被害になってしまいましたし、人間の残酷な行動がテーマ性に昇華されなくなってしまいました。


 せめて感動ポルノにならないことを望みます。気が付いたことがあったら追記してゆきますが。



追記です。なぜがっかりか。世界系の話が悪いと言っている訳ではありません。本作が世界系エンドになるとかなり出来の悪い世界系になりそうだということです。

 本作は巨人が謎の最大の要素ですが、ユミルの民、巨人の種類、実は人である、壁、王家、イエーガー家の設定はすべて巨人の設定の要素になります。

 で、巨人は前提条件として解決が提示できない謎(ユミルが悪魔からもらった力という説明以上の論理的解決が提示できないこと)だとすると、巨人は世界系の舞台設定になります。
 ですので、これにまつわる話をエレンの選択で解決したとしても、それは設定を設定で解決する…というトートロジーになってしまいそうな感じです。

 巨人の謎を、エレンの謎の力を前提とした選択で解決しても、要は中身が「空」ということになり、テーマ性としてもそうですが、物語としても実は意味が無いことを繰り返していたということになります。

 エヴァンゲリオンのATフィールド=人間=使途というように巨人が比喩的に人間の内面の弱さのような表現でもなさそうです。巨人の意味が破壊兵器としての脅威だけです。

 ですので、巨人の謎だけで物語が進行するとじゃあ我々は何を見ていたんだ?になります。
 エレンの物語としての世界系なら、巨人による危機という舞台あるいは設定に対し、テーマとなる要素がないといけません。一般的には恋愛とその他の価値観の選択になるんでしょうが、恋愛の世界系は普通は力があるのはヒロイン、選択するのが主人公です。

 世界系なら本来はエレンとミカサ、あるいはエレンとヒストリアに注目すべきですが、ファイナルシーズンからエレンに全く感情移入できない描き方で、いろんな人物に焦点を当て始めます。ミカサもすっかり邪魔者になって後付けの設定がでています。ヒストリアなんて名前だけになってしまいます。


 キャラそれぞれのエピソードを「巨人世界」という舞台の上で、オムニバス的に楽しむ構造で終わる気がする、という意味で壮大な歴史の結末を期待したのにがっかりしたという事です。

 こういうエピソードの積み重ねや、謎解き的な伏線回収が好きという人にとっては面白いというのは頭では理解しますが、本筋の謎を謎の設定で解決する、みたいな話は私の好みではありません。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

力が入っている

海の向こう側の世界の話からスタートする。
原作の終盤を読んでいないため、理解できず最初は急に時間軸が変化したのかと思ってしまった。

エレンとジークの関係性だったり、ガビやファルコだったり色々と話が動いていく。壁内と壁外の人類同志の交流や敵対が色々と混ざり合ってわけがわからないよ状態。
陰謀、内ゲバ。
リヴァイもどうなっていくのかを楽しみにしたい。
{netabare}サシャが死んだのはショックだった。{/netabare}
力が入っているようで16話までいったところで休止。
怒涛のアニメ作品化で伏線回収して楽しめるでしょう。


OP
僕の戦争 神聖かまってちゃん
ED
衝撃 安藤裕子
OPは神聖かまってちゃんらしく?よくわからないサウンド。歌詞も正直ぼーっと聞いていると何を言っているか分からん。ただ、こんな感じが進撃の巨人にマッチしているとも思える。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
「その巨人はいついかなる時代においても、自由を求めて進み続けた。自由のために戦った。名は--進撃の巨人」ついに明かされた壁の外の真実と、巨人の正体。ここに至るまで、人類はあまりにも大きすぎる犠牲を払っていた。それでもなお、彼らは進み続けなければならない。壁の外にある海を、自由の象徴を、まだその目で見ていないのだから。--やがて時は流れ、一度目の「超大型巨人」襲来から6年。調査兵団はウォール・マリア外への壁外調査を敢行する。「壁の向こうには海があって、海の向こうには自由がある。ずっとそう信じてた……」壁の中の人類が、初めて辿り着いた海。果てしなく広がる水平線の先にあるのは自由か、それとも……?エレン・イェーガーの物語は、新たな局面を迎える。


第60話 海の向こう側
人類と巨人との壮絶な戦いが始まって、もうどれくらいの時が過ぎただろうか……。エレン・イェーガーがめざし、たどり着いた海の向こう側では、いつ終わるとも知れない戦争が続いていた。彼らは何者で、何のために戦っているのか? 今、ひとりの少年兵が決死の覚悟をもって、最前線へと身を投じる。

第61話 闇夜の列車
4年に及んだマーレと中東連合との戦争は、マーレの勝利で終結した。だが、あわやマーレの巨人2体が失われる事態は、巨人の力ですべてを支配する時代が終わりつつあることを示していた。対巨人兵器の開発を進める諸外国への後れを挽回すべく、ジーク・イェーガーはあることを軍の上層部に進言する。

第62話 希望の扉
故郷に帰り、母と再会したライナー・ブラウン。その夜、彼は戦士をめざした幼き日々を思い返していた。エルディア人を母に持つライナーの夢は、母と共に名誉マーレ人の称号を手に入れて、離れ離れになった父と共に暮らすこと。巨人の力を継承して世界を救う英雄になれば、その願いが叶うと信じて……。

第63話 手から手へ
戦士候補生の一人、ファルコ・グライス。想いを寄せるガビ・ブラウンを守るためには、自分が「鎧の巨人」を継承しなければならない。しかし、ガビとの成績の差は開くばかり。肩を落として歩く彼に声を掛けたのは、クルーガーと名乗る男だった。クルーガーは家族に無事を伝える手紙をファルコに託す。

第64話 宣戦布告
ファルコに連れられ、とある建物の地下室へと足を踏み入れたライナー。そこで彼を待つ人物の顔を見て、ライナーは愕然とする。そんな中、世界中の注目を集める、ヴィリー・タイバーによる演説が始まろうとしていた。

第65話 戦鎚の巨人
ヴィリー・タイバーの演説によるパラディ島への宣戦布告。その最中、騒然とする広場に、招かれざるものが現れる。

第66話 強襲
混迷を極める戦場。自在に空【くう】を飛び、襲い来る兵士たちに、立ち向かう戦士たち。この戦いの行方は……?

第67話 凶弾
助けを求める悲痛な叫びに応えるかのように、1体の巨人が目覚め立ちはだかる。そして、ガビは一人銃を携え、飛び出していく。

第68話 義勇兵
もしかしたら別の道があったのではないか……。後悔も、懺悔も、失ったものは、二度と戻らない。

第69話 正論
外の世界に味方はいなかった。だから、生き残るため、敵を滅ぼす。戦うしかなかった。それが正しい選択なのか。その是非を知る者はいない。

第70話 偽り者
行く当ても、手がかりも、帰れる保証もない。そんな彼らに手を差し伸べたのは、憎むべき悪魔だった。

第71話 導く者
憎むべきは誰なのか。恨むべきは何なのか。信じたものが、揺らぎ始める。

第72話 森の子ら
助けを求めるガビとファルコ。信じた先に報われる未来があるのか。それとも、報いを受けるのか。

第73話 暴悪
アルミンとミカサを見据え、エレンは語り掛ける。「おまえらと話がしたくてな」と。

第74話 唯一の救い
朦朧とした意識の中、確かめるのは、懐かしい面影と、朧気な記憶。それは、ある人物との出会いだった。その先に待つ自らの使命を果たすため。

第75話 天地
求める未来は、交わらない。互いに想いを抱え、ぶつけ合うしかない。そして、今またぶつかる。始まりの地、で。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

75.3 5 ダークファンタジーで戦いなアニメランキング5位
剣風伝奇ベルセルク-BERSERK-(TVアニメ動画)

1997年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (366)
1672人が棚に入れました
戦災孤児のガッツは、傭兵ガンビーノの気まぐれで拾われて育てられた。ガッツはガンビーノの役に立とうと懸命に剣の稽古をする。そして数年後ガンビーノは戦場で両足を失ってしまう。ガッツは一人前の傭兵になりガンビーノの面倒を見ていたが、当のガンビーノはガッツに養われるのは我慢ならなかった。酒におぼれ、ついには寝ているガッツに切りかかる。反応したガッツは、ついガンビーノを殺してしまう。育て親殺しとして追われる身となったガッツは、各地を転々として傭兵として生きていくのであった。身も心もすさんで行くガッツ。そんな時、連戦連勝の噂を持つ傭兵団「鷹の団」を率いるグリフィスと出会う。

ろき夫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

どうも、原作ファンです。アニメの方も観てみようかと。

劇場版公開に伴い、その比較を兼ねてまず旧アニメ版の方を視聴しました。

こちらの方も、劇場版3部作と同じく黄金時代篇がメイン。
コミックス(原作)でいうと14巻あたりまでの内容となっております。

気になった内容・作画・声優・音楽について触れていきたいと思います。

内容の方で残念だった点↓

1.主人公「ガッツ」の幼年期のエピソードが軽くしか触れられていない。
なので、ガッツの持つ悲壮感が表現しきれていません。育ての親「ガンビーノ」のガッツに頬を切られてカッとなるシーンや、飼い犬を蹴るシーンが省略されたことで、ガンビーノの持つ複雑な心境も伝わり難くなっています。
肉体派オラオラ系で圧倒的な強さにより敵をなぎ倒してゆくキャラは巷に溢れかえっており、ガッツもその部類ですが、薄っぺらさがなくどこか魅力的に感じてしまうのは、過去に絶望を味わってることがその理由のひとつだと思うのです。
なので、ダークヒーロー・ガッツのキャラ付けとして幼年期の忠実な映像化は欠かせないと思います。
でも‘貫通シーン’はさすがに無理なのかな?w

2.「髑髏の騎士」が登場しなかったということ。
髑髏の騎士は、重要な見せ場である『蝕』のキーパーソンです。
彼が出てこなかったため、『蝕』が締まりのない中途半端な格好になってしまいました。
あの終り方は正直なんのオチにもなっていません。
どうせ伏線回収しきれないから、という理由からかも知れませんが。

その他の省略された部分はそれほど重要なシーンではなく(個人的な判断ですがw)、それで妥当かなといった感じ。むしろ、上の二点を除けば押さえるべきところはちゃんと押さえており、すごく出来は良いと思います。

作画の方について↓

古い作品なので今のアニメと比較するまでもないのですが、物語が進むにつれてどんどんレベルが上がっていきます。終盤には劇場作品(もちろん当時のレベルでw)と比べても遜色ないカットが増えてくるので興奮します。キャラの表情の描写が丁寧。グリフィスの狂気染みたときの表情が原作通り再現されていた。目の書き方とかもうバッチリ。
でも、戦闘シーンの迫力・疾走感は物足りないです。
昔の作品なので贅沢は言えませんが。ボリュームがあり、見応えは十分です。しかし血が飛び散る描写が多々あり、苦手な方は気持ち悪くなるかもしれないです。私も、コミックスだと全然平気だったのですが、映像で観ると案外気持ちの悪いものだなぁと思ってしまいました。
それでもエログロさは原作に比べると控えめ。てか、忠実に再現されると絶対オエッてなるw
映像化する際には、ある程度控えめにした方が観れる気がします。
なので、バランスは良かったと思います。

次に、声優さん↓

これに関しては、とにかくグリフィス役がすごくよかった!!
品のある二枚目なお声。高すぎず、低すぎず、ホント絶妙としか言いようがない。
グリフィスの中性的な美しさ、気高さ、強さ、脆さ、危うさ。その全てが声にしっかりとこもっている。
ここで声優さんに興味が湧きちょっと調べてみました。(一部、黒ペからのソースなので信用しないで見てねw)

グリフィス役の「森川 智之」さん→(出演作:純情ロマンチカ・世界一初恋…などなど)
って、どこかで聞いたことのある作品名だな…嫌な予感w(´・ω・`;)
と思ったらやっぱりBLの人なのねw しかも、アダ名がBL界の『帝王』だなんて、グリフィス顔負けの大物ぷりだなおいww 経歴見ると本気で大物でしたww 福山潤さんのボスなんですね。
恥ずかしながら、私はこのアニメで初めてその存在に気がつきました。
でも、意識してなかっただけでこの人の出演作品を結構観ていた(BLモノじゃない方ね)ことにも気がつきました。ホントいろんな作品に出てらっしゃるんですね!

そして、ガッツ役の「神奈 延年(のぶとし)」さん→(出演作:Fateのランサー役など)
兄貴声がすごく素敵。実はこの方も‘純情ロマンチカ’に出てらっしゃるんですよねwすごいww
(この方はリアルではないそうですが)
なにこれ、中の人面白すぎでしょーwww

ああっと、いけないベルセルクから話題がずれかけてるw
原作の方もガッツとグリフィス、二人の友情がBL臭く見えなくもないことから、
このキャスティングはキャラとの相性バッチリで、だからしっくりきたのだなと納得しちゃいました。
まあ、ベルセルクのアニメの方が古いので実際のところ関係はないと思いますがw

音楽の方は「平沢 進」さんが担当。脳が浸蝕されるような独特のエレクトロサウンドを展開する彼。
今作の劇中歌『BERSERK 〜Forces〜』でも、その片鱗をうかがうことができます。
平沢さんの曲が好きなので、視聴前から曲だけはよく聴いてました。
ベルセルクの世界観と相性バツグンです。
OPとEDは違う音楽グループによるものですが、力の抜けたダークな感じがなかなか良かったです。

長くなっちゃいましたね。スイマセン。
結局、この作品は原作ファンにとっては観て楽しめるものだと思いますが、原作から抜けてる部分が多いので、知らない人だと全然感情移入できず、つまらないのではないかと思います。
なので、ベルセルクに少しでも興味のある方は原作を読むことをおススメします!

劇場版ではどれだけ進化・改善されているのかとても楽しみです^^

投稿 : 2024/06/01
♥ : 29

りんご さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

原作を知らなければ酷。マジで読んで。

原作既読なので、初めにそこから語らせて頂きたい。

絵が絵だけにまず入口から抵抗感があったけど、
「お願いだから黄金時代編まで読んで!」とゴリ押しされて、
途中「うえー無理だー」とか言いながら頑張って読んだ結果、まんまとハマった私。
今ではかなり好きな作品となったわけだけど、
どこが好きなのか聞かれると答えに困る。

ここまで残酷で過酷な漫画に出会ったのが初めてだった。
ダークファンタジーなんてジャンルにされているけれど、
それだけに収まらない。ダークなんて表現じゃ足らない。
愛しているという言葉じゃ足らないくらい愛してるという表現を借りて、
ダークなんて言葉じゃ足らないくらいダーク。
暗いだけじゃない。もっとこう…心臓をえぐるような痛みがある。
ファンタジーなんてファンシーっぽい言葉で表現しちゃいけない。
主人公もヒーローなんかじゃない。(悪く言っているわけじゃない)
ベルセルクを読んで感じたことを言葉にして表すのはとても難しい。

映画化記念なのかアニマックスで放送したのでアニメを見ることに。
(ベヘリット財布ちょっと欲しいと思ったのは誰にも言うまい)
原作の禍々しさや、表現として良い意味での気持ち悪さ、
単純なエロさとは全く違う性的な描写を、
規制が甘かったころにどう作り上げたのかが楽しみだった。
残念ながら一話から期待は外れた。
アニメでカットされた部分の重要性、大半が性的な箇所だったわけだが、
それによって受けた傷、人間の三大欲と言われる性欲と、
いやらしさから離れたところで向き合っている原作の凄さがとてもよくわかった。

実際アニメを観て、原作にいらない部分などないのだと感じた。
どの戦いでも、絆を深めたり傷や痛みを覚えていっている。
黒い剣士編でのパックが感じたガッツの抱えているものの描写があるからこそ、
黄金時代編は活かされる。
ベルセルクは活字とあの絵があるからこそ成り立っている作品だと思う。
映像化は中途半端なことしちゃいけない。

原作を知らずアニメを観た人にとっては何というトラップアニメだろう。
アニメだけじゃ女の子なんて大半が興味を持てないだろうな。むしろギブしてしまうか。
最後の3話までたどり着けなければ何も面白さが伝わらないただの戦争アニメなのでは……?
原作を読まざるを得ない超展開の最終話。
あれなら8割……いや、9割原作に手を出すでしょう。
それを目的としている作りだったのなら、まぁいいけど。
ともあれ。
原作とは違っていろいろな制限がある中で、
原作を知っているからこその物足りない部分はあるものの、
(最後まで観ることができれば)世界観に引き込めるアニメだった。

ガッツの声はもっと重くて野太くてとにかく低い声を希望だった。
最後には慣れてきたけど。
声に関してはかなり個人的な好みの話だが。

それにしても時々出てくるピンクのインナーはどうにかできなかったのかしら。
キャスカが着ているのも、少々納得できないが、
他の兵士が着ていたのはホント、どうなんだろう。
甲冑だらけでは地味な色味になってしまうかもしれないが、
それにしたってピンクて……。

アニメの重点が黄金時代編なので仕方ないけど、
パックがいないのはマジで残念。
ベルセルクでは、パックこそヒロインだ。

……原作原作うるさかったな。笑
失礼しました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

追悼 三浦建太郎さん

ご訃報に際し、心から哀悼の意を表します。

ベルセルクと出会ったのは、確か、中学1年生の時。当時は、格好よさより、エロさに惹かれていたかもしれない。

というか、あれだな。「青年誌」の空気を感じた、初めての作品だったのだろうな。

エロいというより、エロティック。ファンタジーなのに、リアリティー。グロテスクなのに、どこかに美しさがある。

多分、本作とエヴァンゲリオンは、自分の思春期に大きな影響を与えてくれたと思う。世界はお花畑ではないというか、清濁併せ呑む覚悟というかね。

少年を大人に変える力が、この漫画にはある。

私のなかで、漫画家を「アーティスト」と呼びたくなるのは、片手の指で数えきれるくらいなのだけれども、三浦さんは、間違いなくその1人。

私の好きな小説家も漫画家も(例えば水野良さんや冬目景さんとか三浦建太郎さんとか)、なぜこうも遅筆なんだろうか、なんて思うこともあるのだけれど、それは、商業的な成功を求めるのではなく、一筆一筆に魂を込めるからだろうな。彼らはエンターテイナーではなく、間違いなく、アーティストだ。

ベルセルクはこのまま、未完結で終わるのかもしれない。それについて、あーだこーだと、文句を言うつもりは毛頭無い。

三浦さんは、一筆一筆に魂を込めて描いてくれた。それを、数十年、たかだか500円程度で楽しませてもらった。後半は、新刊が出るのをサプライズというか、数年に一度の風物詩的に楽しませてもらった。

それで充分。それで満足。

余談だが、私は自分が一番好きな作品の最終回を、実は15年以上読んでいない。なぜなら、最終回を迎え、その作品の世界が終わってしまうのが、寂しいのだ。

物語は、正式に終わらない限りは、その人の中で生き続ける。

未完の大作、ベルセルク。その結末が分からないのは、確かに悲しいことなのかしれないが、考え方を変えれば、それぞれの心の中で、いつまでも物語は続き、それぞれが自分の好きな結末を持っても良いということにもなる。少なくも私は、そう思っている。

三浦建太郎さん、お疲れ様でした。素晴らしい作品を、ありがとうございました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10

77.5 6 ダークファンタジーで戦いなアニメランキング6位
進撃の巨人 The Final Season Part 2(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (355)
1445人が棚に入れました
最後の進撃が始まる。 「その巨人はいついかなる時代においても、 自由を求めて進み続けた。 自由のために戦った。 名は――進撃の巨人。」 ついに明かされた壁の外の真実と、巨人の正体。 ここに至るまで、人類はあまりにも大きすぎる犠牲を払っていた。 それでもなお、彼らは進み続けなければならない。 壁の外にある海を、自由の象徴を、まだその目で見ていないのだから。 やがて時は流れ、一度目の「超大型巨人」襲来から6年。 調査兵団はウォール・マリア外への壁外調査を敢行する。 「壁の向こうには海があって、海の向こうには自由がある。 ずっとそう信じてた……」 壁の中の人類が、初めて辿り着いた海。 果てしなく広がる水平線の先にあるのは自由か、それとも……? エレン・イェーガーの物語は、新たな局面を迎える。


声優・キャラクター
エレン・イェーガー:梶裕貴
ミカサ・アッカーマン:石川由依
アルミン・アルレルト:井上麻里奈
コニー・スプリンガー:下野紘
ヒストリア・レイス:三上枝織
ジャン・キルシュタイン:谷山紀章
ライナー・ブラウン:細谷佳正
ハンジ・ゾエ:朴璐美
リヴァイ・アッカーマン:神谷浩史
ジーク・イェーガー:子安武人
ファルコ・グライス:花江夏樹
ガビ・ブラウン:佐倉綾音
ピーク・フィンガー:沼倉愛美
ポルコ・ガリアード:増田俊樹
コルト・グライス:松風雅也
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

軍事侵攻手前の猶予期間

原作意地でも未読


Finalと銘打っての2発め。結局完結せず肩透かし感は否めず。続きは1年後とだいぶ先だったりと一気視聴に向いてると思われます。でも待てないのでつい…
なんとなしに“ターボ”やら“ダッシュ”やら付けていつまでもⅢに届かないストⅡを思い出した。なお毎度楽しみなバトル此度はストリートファイト(市街戦)がけっこうなお手前でした。
おさらいしときます↓

 第1期(#01-#25) 人類対巨人の絶望的なパワー差でも抗う人類の意志を描き
 第2期(#26-#37) 絶対真理と思っていた『打倒巨人』の前提に揺らぎが生じ
 第3期(#38-#49) 揺らぎや萌芽が形となって壁内の人間同士の争いへと発展
 第3期(#50-#59) 明かされる世界の仕組み。壁内人類の災難はマーレ起因らしいことが判明
 第4期(#60-#75) シリーズ初の壁内人類外の視点で始まる最終章。物語は黙示録の様相を纏い 
 第4期(#76-#87) 今ここ

物語は佳境であります。ドラクエで言うところの船を入手して世界がいきなり広がった感のあるFinalseason。物語上では4年経過してて初出情報も多く、途中経過も適宜挿れてくるのでついていくのがやっとです。ちなみに今回のFinalseason Part2を完走してから試しに#60-#62をさらっとおさらいしたら気づきもあったりで余裕のある方にはおススメです。実際に物語完結したらFinalseasonを通して観てみようかなと目論んでます。

では本題。※以下#75までのネタバレは隠してないのでご注意をば。
エレン(とアルミン)にとって海は自由の象徴でした。ところがどっこい海を渡った大陸の住人はエレンたちが住むパラディ島のエルディア人を蛇蝎の如く忌み嫌っております。
巨人を制御下に置く国家マーレの軍事優位性は科学技術の発展により減じる一方。起死回生リーサルウェポン“始祖の巨人”奪還に向けて島への侵攻が秒読み段階。一方で島のエルディア人も事実を知り自衛のための一手を講じようかというところ。FinalPart1で描かれたマーレ側の諸事情は至極説得力のあるもので平和裏な方法での解決はほぼ不可能と思えるものでした。

 世界は残酷だ

ここブレてませんよね。巨人VS人類から人類対人類にシフトしてその“人類”に固有名詞がつけられ大陸諸民族対エルディア人となりました。そして視点は今一度壁内人類に戻って、禍根を断とうとジークが目論む“エルディア人安楽死計画”に伸るか反るかでチャンプルーし始めたわけですが、反るにしてもキリスト教で言うところの“ハルマゲドン”的なものとなるため終始陰鬱なトーンで物語は進行します。
そしてトーンが陰鬱ということはなにかしら決着しないままの“to be continued”だとちょい耐え難いものがあったりもするのでやっぱりまとめて一気が良い気がします(しつこい)。もう遅いけど。待てないので観てしまうんだけど。

しかるべき人が検討熟慮を重ねたプランAと対案プランBというのは往々にして妥当です。そして“妥当”は無謬ではありません。リスクやデメリットは必ず内在します。現実世界でもそのデメリットにやたら攻撃を加え夢のプランCを持ち込む人たまにいますけどちょっと突っ込んだだけですぐ破綻するものでして、特に有事にそういう輩湧きますよね。
この物語はプランCが瞬殺されるリアルさがあり、そんなプランCがダメなところを見せたうえで A or B が残されているわけでより絶望的な気分にさせられます。それで喜んでる自分はドのつくMなんでしょう。A{netabare}(地ならし){/netabare}もB{netabare}(安楽死計画){/netabare}も身も蓋もないけど、結局Aってことになるのでしょうか。

今のところ残酷な世界に救いはなさそうに見えます。それでは1年後。。。



※ネタバレ所感

■とはいえラスト3話

コソボみたいでコロナみたい。最後はコンパみたい。

#85(裏切り者)
{netabare}「断ります。手も汚さず正しくあろうとするなんて…」頭を下げるマガトへのアルミン。手を汚す=仲間を殺す、です。仲間を殺す葛藤をこれでもかと描いてやがります。
それでマガトに宣言してベルトルトの「誰かがやらなきゃ」回想あったりのアルミンじゃなくて手を汚したのコニーなんですよね。実際旧ユーゴの人と話したことあるんだけど、アニメ観てヘタれアルミンって簡単には言えませんよ、普通。つらい。
要塞攻略時の鬼隊長ぶりを思いだせばマガトも頭を下げるタマではなかった。ガビに一瞥してから頭下げたのよね。ここで覚悟したんだろうな。{/netabare}

#86(回顧)
{netabare}「ところで…あんた名前は?」マガトとシャーディスの二人とも教官畑で場所は違えど同じ立場。
シャーディスって「なんの成果も得られませんでしたぁっ!(#1)」の人なのよね。あれも子を失くした母に向けてでした。それで艦もろとも自決するわけで、先に出航したのにはアニとライナー乗ってるしワンチャンいけるかもだが万難を廃するわけですよ。子や孫や未来のために…。とまあカッコいい老兵なんだがこの世界で死に時を自ら決めることができたのは幸せなのかもしれません。
多くは言わんが日本の老人も見習ってほしい。{/netabare}

#87(人類の夜明け)
{netabare}「俺が死んだ後もずっとあいつらの人生は続く」「続いてほしい…ずっと幸せに生きていけるように」エレンの動機。
それとこの回は久しぶりにエレン笑ってるの見た気がする。周囲の仲間もそうなんだけどあの中東風のおっさん(大陸人)らと肩組んで酒を酌み交わしたような未来こないかな?{/netabare}


■“地ならし”を良しとせず

プランA{netabare}(地ならし){/netabare}が発動しプランB{netabare}(安楽死計画){/netabare}却下路線なんだと思います。そして具体性に乏しいとコケにしたプランC(仮)なんですけど本心を言えば追い求めるべきなんです。

{netabare}「虐殺はダメだ。これを肯定する理由があってたまるか」ハンジさん(#84)の一言に尽きますね。
憎しみの連鎖を断つために片方を殲滅するのは民族浄化の発想です。苦しみなく云々も十字軍みたいな善意の蛮行です。しっかし歴史的政治的なモチーフふんだんに揃えてるとはいえタイムリーよね。

なおプランCは往々にして綺麗ごとであるがゆえに実現のための工程をめっちゃ考えなければいけません。ここを疎かにするのは思想の左右なく駄目なものは駄目。{/netabare}


■まだよくわからないのが…

{netabare}未来視スキル。過去巡りツアーを見る限り現実に干渉して変更できてるみたい。まあ終わったらゆっくり振り返りましょう。{/netabare}




視聴時期:2022年1月~2022年4月 リアタイ

-----

2022.04.17 初稿

投稿 : 2024/06/01
♥ : 36
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

まだ核心はつかないか

ジーク提案の安楽死計画遂行までのステップを紆余曲折ありつつも進んでいくかに見せかけてエレンの心は変わらずのままだった!!

{netabare}いつの間にか憎悪の対象が巨人から壁外人類にすり替わっているだと!未来の記憶と過去の記憶がいったりきたり。
父に始祖の巨人を奪わせたのはエレンだった!父に未来の記憶を見せつけるとはね。よく分からない伏線が出てきた。
ジークを愛する気持ちは変わっていなかったようで、ちょっと胸打たれた。
{/netabare}

変わらずイエーガー派が取り仕切ろうとするが、マーレと一部のエルディアが過去を水に流して裏切りの共闘。{netabare}元々仲間なのに、知らない大勢の人間を助けるために、殺すのは苦しいだろうなと容易に想像がつく。{/netabare}
発動された地ならしを止めにかかる。
地上に到達したシーンで物語は一旦終わるわけだが、ミカサたちのあの回想とも妄想ともとれるシーンは一体??
最後のほうにエレンの過去回想みたいなのが、あるけど、ヒストリア妊娠について詳細は後で語られるのかなあ??

疑問が増えただけの作品だった。混乱してしまう。
早く続きが見たいものだ。
読んでなかった原作の最後のほうを読んでしまおうかな。


OP
The Rumbling SiM
ED
悪魔の子 ヒグチアイ
OPは前クール同様、自分にはよくわからない。デスボイス系?
EDはまさに作中でよく言われている通り。みんな悪魔の子供かもな。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
「その巨人はいついかなる時代においても、自由を求めて進み続けた。 自由のために戦った。名は--進撃の巨人」 ついに明かされた壁の外の真実と、巨人の正体。 ここに至るまで、人類はあまりにも大きすぎる犠牲を払っていた。 それでもなお、彼らは進み続けなければならない。 壁の外にある海を、自由の象徴を、まだその目で見ていないのだから。 --やがて時は流れ、一度目の「超大型巨人」襲来から6年。 調査兵団はウォール・マリア外への壁外調査を敢行する。 「壁の向こうには海があって、海の向こうには自由がある。ずっとそう信じてた……」 壁の中の人類が、初めて辿り着いた海。 果てしなく広がる水平線の先にあるのは自由か、それとも……? エレン・イェーガーの物語は、新たな局面を迎える。


第76話 断罪
降りしきる雨の中、一人の兵士が倒れている。その横で謎の巨人の蒸気の中から、あの男が這い出てきて……。

第77話 騙し討ち
ミカサの「助けたい」と思う気持ちは本物なのか。エレンは何のために戦っているのか……。地を響かせ激突する巨人たち。マーレの奇襲に人々は武器を手に戦場へと向かう。

第78話 兄と弟
獣の巨人と始祖の巨人、事態の鍵を握る2体の巨人を目指し、人々は争いを広げる。互いの思いと記憶が交錯し、兄弟の目指す先にあるものとは。

第79話 未来の記憶
弟は兄を拒み、兄は弟を見捨てなかった。救いたい思いだけ。たどり着いた果ての場所でエレンとジークはあの日の記憶とともに、父・グリシャの真実を知る。

第80話 二千年前の君から
二千年前から抗い、戦い、進み続けてきたものたちの物語。それは、一体誰が始めた物語だったのか。歩き続ける始祖ユミルにエレンは語りかける「待っていたんだろ。ずっと…。二千年前から。誰かを。」

第81話 氷解
ごうごうと鳴り響く大地。空まで立ち上る土煙。その先を進む、巨人の群れ。島の壁は今、なくなった。この世からそこにある命を駆逐するまで、誰もエレンを止めることはできない。

第82話 夕焼け
人々の混乱の中、かつては友であり、そして敵だった人物が目を覚ます。止まっていた時は進み、すべては変わった。そうなった時、選ぶのは……。

第83話 矜持
進軍する巨人の軍勢。やがて、何も知らぬ人々を踏みつぶす。それを見上げる兵士と戦士たちは立ち尽くすのか、それとも立ち上がるのか。森の中にいた2人の兵士の気持ちはすでに固まっていた。

第84話 終末の夜
戦火の先に、僕らの敵がいた。僕らは互いを憎み、蔑み、殺してきた。今、焚火の先にいるのは、異なる「正義」を持っている者たちだった。

第85話 裏切り者
世界を救うため、エレンを止める。そう決めた者たちの前に、かつての仲間が立ちふさがる。誰も死なせたくないという思いを胸に彼らは戦う。

第86話 懐古
躊躇えば死ぬ。銃口を向け、引き金を引く。この裏切りの先に、世界を救う道があると信じて。

第87話 人類の夜明け
あの日、見たこと。あの日、語り合ったこと。あの日、選んだこと。それは全て彼が望んだこと。彼は何も変わってない。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「その巨人はいついかなる時代においても、自由を求めて進み続けた。自由のために戦った。名は――進撃の巨人」

この作品の原作は未読ですが、TVアニメの第4期 Part1までは視聴済です。
劇場版は未視聴ですが、基本的に総集編と聞いているのでこちらは未視聴でも問題無いと思っています。
OADも未視聴ですが、dアニメストアなどで配信しているようなので、こちらは時間を作って視聴したいと思います。


ついに明かされた壁の外の真実と、巨人の正体。
ここに至るまで、人類はあまりにも大きすぎる犠牲を払っていた。

それでもなお、彼らは進み続けなければならない。
壁の外にある海を、自由の象徴を、まだその目で見ていないのだから。

—やがて時は流れ、一度目の「超大型巨人」襲来から6年。

調査兵団はウォール・マリア外への壁外調査を敢行する。
「壁の向こうには海があって、海の向こうには自由がある。ずっとそう信じてた……」
壁の中の人類が、初めて辿り着いた海。

果てしなく広がる水平線の先にあるのは自由か、それとも……?
エレン・イェーガーの物語は、新たな局面を迎える。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

原作既読組は、先んじてこの展開を知ってたんでしょうけれど、誰がここまで壮大なストーリーを想像していたでしょうか…
少なくても、私の想像の遥か斜め上をぶっ飛んでいる作品です。

それと同時に、必死にならないと展開を読み解けない状況に陥りつつある気がするのは、きっと私だけじゃないと思います。

誰が味方で誰が敵なのか…
何が正義で誰が悪なのか…
そもそも敵味方、或いは正義や悪なんて存在しないのかもしれません。

それじゃ、第1話での衝撃的な出来事…エレンの脳裏に焼き付いて決して記憶から消えることのない惨劇は一体何だったのでしょう。
あんな悲劇を二度と繰り返さないよう、調査兵団が組織されこれまでやってきたのではなかったの…?

そしてそう簡単に頭や気持ちの整理ができません。
エレンは味方…それとも敵?
エレンは正義…それとも悪?

原作未読の私は、こんな基本的なことすら答えを出せないでいます。
物語の中でミカサも進む覚悟と勇気を問われていました。
ミカサは自分なりの答えを持っているから先に進んむんじゃ無いと思うんです。
答えが見い出せないから進んでいるんだと思います。

どんな結果が待っているかは分かりません。
だけど、少なくても進むことによって距離が縮まり、お互いがゼロ距離になったらまた昔みたいに向き合えるかもしれない…
そんな一抹の希望を胸に抱きながらミカサは進んでいるんだと思います。
そして、きっとそれはアルミンも一緒…

エレンは変わってしまったのでしょうか…
それとも昔のままのエレンなのでしょうか…
昔って何時を指すかも曖昧で明確ではありませんが、狭くて息苦しい壁の中で安らぎや幸せを感じたひと時を昔と言うのなら、きっと逆転の可能性だって残っているんだと思います。

何が何を逆転するのか…
それはミカサやアルミンが…そして人類が幸福になる選択肢にほかならないと思います。
きっと巨人はその幸福を掴むためのツールの一つに過ぎないのかもしれません。

そしてその答えは、2023年に放送が予定されている完結編に持ち越しとなりました。
これまで「The Final Season」と銘打ってきた作品の完結が先送りになるということですが、個人的には全然OKだと思っています。

ややもすると、この第4期で本当に終わっていたのかもしれません。
ですが構成を熟考した結果、完結までにまだ尺が必要だと判断されたのでしょう。
ここまでじっくり腰を据えて制作されてきた作品なんです。
だから誰もが納得する最高の形でエンディングに繋げて貰わないと…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、SiMさんによる「The Rumbling」
エンディングテーマは、ヒグチアイさんによる「悪魔の子」
個人的にはエンディング曲の方が好みでした。

1クール全12話の物語でした。
この作品はどの様なエンディングを迎えるのでしょうか。
その顛末を全世界の視聴者が見守っていると言っても過言ではありません。
必要な時間は待ちます…
待ちますので、最高のエンディングが目にできるのを期待しています。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 18

72.2 7 ダークファンタジーで戦いなアニメランキング7位
グレイプニル(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (391)
1374人が棚に入れました
ごくごく普通の男子高校生・加賀谷修一には、ある秘密があった。……バケモノに変身してしまうという秘密が。しかし、バケモノはバケモノでも、ゆるキャラ系のバケモノ!!そんなある日、そのバケモノの中に入ることができる少女に修一は出会う……。

声優・キャラクター
花江夏樹、東山奈央、花澤香菜、櫻井孝宏、伊藤美来、長谷川芳明、石上静香、安元洋貴、市ノ瀬加那、千葉翔也、大地葉
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

言い訳としての不殺。あるいはアリバイとしての不能

超常的な異能力で少年少女がバトルロワイヤル状況に巻き込まれる物語は数多い。

それぞれに作者や製作者の主張や欲望が盛り込まれ、相応の工夫を凝らしているのだろうが、本作では、なぜか素直に作中に入り込んで登場キャラに寄り添うことに抵抗を感じさせる。


{netabare}キャラに定型のレッテルを張り付けて分類したがるのはオタクの通例だが、その流儀に従うならば、主人公は「ヘタレ」という事になるだろう。

「着ぐるみ」少年と「装着者」少女の設定は、明らかに男女の性行為を転倒して裏返したものであるのは一目瞭然だ。
疑似的な性行為に対応して、主人公の内部へ「挿入」される少女は、主人公に対して裸体を晒すことを躊躇わないし、身体的および精神的な距離を詰めて迫ってくる。

が、主人公はそうした「挑発」ないし「誘惑」から過剰に身を引き、たかだか裸体を見ることすら、不自然に狼狽して逃走しようとする。
まるで自身を不能化するような異常に禁欲的な主人公の身振りは、オタク的「レッテル」自動仕分けとは縁のない視聴者にとっては、不可解極まりない。

確かに、高校生が性行為を行うことは、社会的に様々な障害や条件に阻まれている。
とはいえ、現実世界においてすら、高校生の性行為は必ずしも珍しい出来事とは言えないのに、ことさらに大昔の古典的なモラリストのような「モラル」を持ち出して性的なものから身を遠ざけようとする主人公の素振りは、「ルール」や「常識」が「現実」の社会とはとはまるで異なる異能力バトル「世界」においては、なおさらに説得的な設定が必要とされるはずだ。
「非現実」の物語「世界」に、「現実」では当たりのことだから、という理由付けが無条件で通用するわけはない。

データベースに登録された類型の「レッテル」に当てはめることがキャラの理解だと信じるオタク視聴者は、「こういうの」が「ヘタレ」の「お約束」だから、で納得するのかもしれないが、普通の視聴者には、ファンタジックなバトルロワイヤル「世界」に持ち込まれた「健全」なモラルは、抑圧的で不健全に歪んだ不能化の「呪い」のように見えてしまう。

高齢で勃起能力を失った老人がアナルセックスで性欲を満たそうとする倒錯した行為はまま存在するが、まだ若い主人公が自身の内部へ少女を「挿入」される設定は、若いだけになお一層倒錯したものに感じられる。

こうした主人公の設定が視聴者にもたらす印象は、オタク的「ヘタレ」了解よりも、「加害者」性の隠蔽への欲望だと思える。

TLと呼ばれる少女向けのポルノでは、「凌辱」や「調教」といったサブジャンルが人気があるようだ。
無理やりに性交されるという形式をとりながら実際には女性に快楽を与えているという、要するに女性が一方的な「被害者」ポジションのまま、主体的にセックスする責任や困難を免除されて快楽だけ受け取って愉しむという「ファンタジー」だ。

これを裏返したものが、自分の暴力は女を喜ばせているのだ、という男のレイプ「ファンタジー」だろう。(ここでは、性犯罪者の認知の歪みではなく、TLの凌辱「ファンタジー」のように「妄想的な空想」としての「ファンタジー」の意)

どちらも、性行為が本質的に抱え込む暴力性を解除して、空想的に快楽だけを取り出そうとする装置だ。(繰り返すが、空想上の愉しみのための装置で、現実的な認知の歪みではない)

「ヘタレ」の類型は、女性に手出しをしない/できないという「設定」によって、濃厚な性的雰囲気を愉しみながらも、主体的に行為しているわけでは無いという責任免除の「アリバイ」として用意される。
男女の性行為において、男が主体的に振る舞うことに対してどうしても紛れ込む暴力性=加害性を免除する「アリバイ」としての「ヘタレ」=「不能」化。
不能なのだから女性に対して「加害」できる筈がない=性的雰囲気が発生するのは自分のせいではない=性的愉悦を消費しても主体的な「責任」はない。

「着ぐるみ」と化した主人公に少女が「挿入」される本作の設定は、「ヘタレ」にまつわるアリバイ作りを更にもう1歩踏み越えさせている。
踏み越えたことに作中で説得的な理由付けをしようとする形跡が見えないからこそ、類型のレッテル了解では済まないと感じられるのだ。

「ヘタレ」設定にまつわる「アリバイ」の陰に隠れた性的愉悦の消費を構造化したアニメは数多いのに、殊更に本作の視聴において意識化されてしまうのは、もう一方で、本作の主人公が「殺す」ことをなんとしても回避しようとする「モラル」に取りつかれている描写のせいだ。

「不能」化という「アリバイ」が、性行為やエロティシズムがはらむ暴力性を主体的に引き受けようとしない責任回避の欲望であることが、なんとしても殺人を回避しようとする「不殺」の「モラル」もまた、何らかの「逃避」ではないかという印象を不可避に喚起する。{/netabare}

{netabare}現実世界では、様々な規範によって幾重にも「暴力」は禁止される。
暴力を否定することは、誰からも異議の出ない、無条件の正当性があると信じ込むことも、批判性というものを想像したこともない人間には自然であるのかもしれない。

だが、「暴力」を禁じる法やエシック等の各種の規範が崩壊して無秩序が顕現する「例外状態」では、暴力的なるものもまた顕現し、新たな秩序によって「禁止」が機能するまで噴出し続ける。

宇宙人の持ち込んだ超常能力でバトルロワイヤルが引き起こされる本作の物語「世界」は、現実からみて一種の例外状態の表象でもある。
現世的規範の崩壊した「世界」で、現世的規範に根拠づけられた「不殺」が無条件の正当性や説得力を持つわけがない。
「殺す」ことを絶対に否定するのであれば、この例外「世界」における新たな理由付けが必要とされるだろう。
が、作中に描写される主人公からもたらされるのは、無効な「モラル」を無批判に抱え込んで、例外状態での「決断」から逃避しているだけという印象のみだ。
性行為の加害性から逃避するアリバイと同型的に、バトルロワイヤルの暴力性を主体的に引き受ける責任を回避したい言い訳としての「不殺」


例外状態は、形而上的な思索の対象ではない。
新型ウィルスの感染圧力がそれぞれの社会での矛盾や軋轢を急速に表面化させた、2020年前半の世界各地の抗議デモの現場に、現に立ち現れている。

「秩序」は、社会を構成する様々な人々の、様々な「負担」によって担保されている。
差別という形で負担を担(わされ)ている人々がいたとしても、負担に耐えていられる間は「秩序」は揺らがない。
何らかの理由で負荷が上がり、これ以上の負担には耐えきれないと立ち上がれば、「秩序」が乱れるのは当たり前だ。
これ以上は耐えきれないという事実性が蜂起の原点であって、「秩序」を再構築する「構想」を準備することは「秩序」に抵抗する資格条件ではない。

そうした実力による抗議行動が時に暴力に至ることを、批判的に捉える人間は多い。
いや、アニメ視聴者の中では支配的かもしれない。

だが、抗議の正当性は認めつつ、「非暴力」の「平和的」な抗議やデモこそが、特権的な唯一の正統的な手段だという認識は、根拠がない。
まして、暴力を理由に抗議の正当性を否定することは、端的に倒錯だ。

たとえば、立てこもり事件が起きたとき、犯人が警官隊に拳銃を発砲すれば、いったん退いて作戦会議で戦術を練り直して出直すだろう。

だが、世界には、警官隊に発砲した瞬間に、マシンガンで応射して犯人を射殺する社会は多い。

そうした「マシンガンで射殺」社会では、「非暴力」の無抵抗戦術は有効性が高い。

むしろ、抵抗運動を貫徹するためにこそ、「非暴力」が必要となる。
世界各地の無抵抗「非暴力」デモの現場で、取り締まりの警官隊が抵抗者を小突き回したり殴りつけている映像は、ネットで無数に見つけることができるだろう。
「マシンガンで射殺」社会では、警官の挑発に対して身を護るそぶりを見せただけで、即座に逮捕か、最悪は殺される。

「非暴力」は、こうした「マシンガンで射殺」社会でこそ特権的な有効性があるのであって、「いったん退いて作戦会議」社会では何ら特権的でも有効性があるわけでもない。

警官の暴力に血を流しながら、頑強に無抵抗を貫く「非暴力」抗議者の無数の映像が教えるように、「非暴力」無抵抗運動は「マシンガンで射殺」社会においては、最前線で肉体を張る「暴力的」な運動形態なのだ。
「いったん退いて作戦会議」社会の市民が漠然と想像するような、肉体的なリスクなしに「安全」に行える「平和的」な手段ではない。

「非暴力」抵抗を特権化するのは、非暴力の有効性を評価しているのではなく、暴力から逃げたい=暴力行使に対して主体的な責任を取りたくない、逃避願望の反映なのだろう。
だからこそ、非暴力「抵抗」運動の実態を見ることなく、「非暴力」を神聖視する。
あらゆる「抵抗」運動は物理力の行使と無縁ではないのだから、暴力の全否定は「抵抗」の否定となって、結果的に現状=抑圧の全肯定という最悪の「暴力」にしかならない事実に無自覚となる。

ゼロ年代論壇を主導した高名な思想家は、一貫して実行力を伴う抵抗運動に冷笑的だが、彼が組織した国政選挙で不投票を呼び掛ける「抵抗運動」は、まったく実際的な効果のない無力なものだった。
実質的には何もしていないのに「抵抗」した「気分」だけを味わうという、「具体的、物理的な責任やリスクを負う事から逃走したい」この思想家の願望を露骨に露わにした「抵抗運動」だったが、社会参加することなくコンテンツを消費するだけで社会的な行為をしていることになる、という彼のオタク論が広くオタクの共感を集めたように、こうした感覚がアニメ視聴者の主流であるのかもしれない。

であればこそ、作者や製作者は説得的な設定を提示することなく、本作の主人公に、「不殺」が自明の最高価値であるかのような態度を取らせることになるのだろう。



「不能」も「不殺」も、何もあらゆる責任から逃避してまどろんでいたい自堕落な欲望を正当化するために持ち込んだ、というわけではないと思う。
だが、現実世界で漠然と支持/肯定されている価値観を漫然と虚構「世界」に持ち込んで、にもかかわらず虚構なりの価値づけを放棄した不作為が、キャラへの共感や理解を阻む結果を生んでしまった。

現実世界においてさえ、前述したように「不能」や「不殺」は無条件の正統的な価値観とは言えない。
様々に欺瞞的な理屈付けで正当化されている「気分」に過ぎない。

そうして、「現実」で正当化のためにこじ付けられる様々の理屈が存在しない虚構「世界」において、持ち込まれた「言い訳」や「アリバイ」がさらけ出した不自然は、逆に「現実」世界での正当化の理屈の欺瞞性や無根拠性を露わにしたと云えるかもしれない。{/netabare}



{netabare}理屈の上では、現実とは異なる物語「世界」では、あらゆる要素が設定される必要がある。

それこそ、重力加速度は1Gであるのか、天文学上の奇跡である太陽と視直径がほぼ等しい衛星の存在とか、大気中に遊離酸素が存在するとか、理屈の上では「自明」ではない。

達者な物語作者であれば、自分の語りたいものを描き出すうえで、特に現実と異なる要素を設定しなくてもいい部分は省略して、読者=視聴者を物語世界へ「自然に」導き入れる。
こうした「語り口」の巧拙が、つまり作者の実力という事になるのだろう。

作中で、主人公は様々に苦悩し、葛藤しているように描かれる。
が、「葛藤」が生じるのは、「暴力はいけないことだ」という「気分」を自明視しているからだ。
いや、主人公が自明視しているのではなく、作者や製作者が自明視しているから、主人公が葛藤することに敢えて説得的な説明を付け加えようとしていない、という事だろう。

だが、「異世界もの」で深い考えもなく「なんとなく」重力加速度を1Gとして描いても物語るものに影響しないだろうが、バトルロワイヤルという「暴力」を主題としていながら、「非暴力」を自明の価値として疑わない態度は、物語るものを致命的に損なうだろう。

主人公と物語に対する割り切れない視聴感は、こうした自覚性の欠如の結果であるように思われる。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

空っぽになった僕の中に入って来るソバカス娘の蒸れた匂い

原作コミックは未読。

【物語 3.5点】
分不相応、性急な変身願望の具現化が、
人間を外見ばかりじゃなく中身もバケモノに変えるデスゲーム。

青春の一大事が街の一大事と並列する。

基本構造は、幾度も提供されたパターン。

が、着ぐるみのバケモノと化した少年。
そのネチャネチャした空洞に背中のファスナーから、
女の子が下着姿やスク水で入って来て共闘する。
という、ぶっ飛んだ設定一発で、作風はエロスも交えて本能を刺激する、
異様なダークファンタジー風に。


着ぐるみの仕組みなど、謎が謎を呼び、1クール完走させる牽引力となるが、
結局、未完のまま終わる。
とある青春コミュニティー内のもつれが根幹に関わることが予感されるが、
事態には宇宙人の超常や、記憶操作系の異能も関わるため、先読みは困難。


【作画 3.5点】
アニメーション制作・PINE JAM

陰鬱な田舎町→鬱蒼とした山林の背景美術が、
バケモノバトルにより失踪者が相次ぐミステリーな舞台を整える。

着ぐるみ主人公が躍動する、バケモノたちのバトルシーンは、
部位欠損、関節外しと、中々刺激的なバイオレンス。

序盤、犬の死体の描写で、見て見ぬ振りをしている死を意識させ、
うっかり踏みつけちゃった虫の描写で、
どうせ不必要な殺戮をしているじゃないかと指弾し、
一線を踏み越えるためのホップ、ステップを刻む。


フェチズムを追求した作画も視聴者を誘惑。

黒の塵のエフェクトによる死臭などの匂いの可視化。

そして、ヒロイン・紅愛(くれあ)の毎回脱ぐ度に違うカラーの下着姿w
それらが濡れたり透けたりしてリビドー(性衝動)を焚き付ける。
(私は意外性の{netabare}夕暮れ時のグリーン{/netabare}が良かったかな?……って何言わすんじゃいw)
宇宙人も羨む良い身体してます♪


もっとも、私の脳裏に一番焼き付いているのは紅愛の下着より{netabare}修一の汚部屋。
埃の積もり方に年季が入っていて不気味でした。{/netabare}


【キャラ 4.0点】
主人公・加賀谷修一。第一印象は青春に踏み込まない&踏み込めない。
ウブなナヨナヨ男子高校生。
が、どうやら{netabare}過去にはリア充の胆力もあったようだが、
諸事情により、くり抜かれたと言った方が的確な模様。{/netabare}

そんな空っぽになった修一の中に入って来るヒロイン・青木紅愛。
サバイバルのためなら外道な作戦も厭わない豪胆なギャルで、
去勢されたように大人しい修一の闘争本能を焚き付けるコンビネーション。

事態の一歩先から立ちはだかる紅愛の姉・江麗奈(えれな)
今の妹とは対照的におしとやかな外面だが、
過去に{netabare}両親を殺害する{/netabare}などアブナイなオーラを放ち暗躍。

以上の主人公と姉妹のトライアングルを軸とした
コイン争奪を巡る血みどろの人物相関を、
発端となるアイテムをもたらした宇宙人が、
無責任に俯瞰する構図。

ただでさえ宇宙人との契約は厳に慎むべきなのに……。
その上、地球の風土病である中二病まで併発しているとなれば、もはや手遅れですw
悪趣味な人間観察は二次元だけでお願いしますw


そんな中、同級生の三船奈々は、バケモノや能力と関わりの無い貴重な一般人で、
しばしば主人公のことも気に掛けてくれるオアシス。守りたいこの普通。


【声優 4.0点】
主人公・修一役の花江 夏樹さん。義憤ボイスは相変わらずパワフルだが、
理性のタガが外れた“殺す!”などは、多分に罵詈雑言w

ヒロイン・紅愛役の東山 奈央さんのドSボイス。
姉・江麗奈役の花澤 香菜さんの禍々しい警告ボイス。

豪華声優陣の稀少な毒ボイスの応酬が聴き所。

極め付けは宇宙人役の櫻井 孝宏さん。
“なるほど”などの柔和な台詞回しでイケメン無罪を画策するが、
私はツッコみたい衝動を抑えきれませんw
俄に{netabare}女声を出して{/netabare}懐柔しようたってそうはいきませんw


【音楽 4.0点】
劇伴もまた異様。
特に戦闘曲では静かなピアノの旋律に続いて、
勇壮な混声コーラス、金管の重低音で畳み掛けて来る。

OPはHikaru//の「Alten-ate-」
解散した元Kalafina・Hikaruさんのソロデビューシングル。
コーラスに続いて、疾走するストリングスに、
自身が作詞した“この物語の主役じゃない”“二人で一つ”と
作品のキーワードを乗せた真面目な主題歌。

EDはMiliの「雨と体液と匂い」
ピュアなピアノサウンドとボーカルに、
思春期目線で感じたエロスを赤裸々に告白したエキセントリックな歌詞と、
UFOでも飛来しそうなシンセの和音をアレンジした、良い意味で歪で不真面目な怪作。
頭サビ→Aメロ→Bメロ→サビに行かずに終わるTVサイズも変化球だが
不穏な余韻を残す。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 28
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

観終わった

10話までの感想{netabare}
本当は最終回まで見てから感想書こうと思ったけど、10話でキョウチクトウが出たので取り急ぎ。

原作未読。
最初“ダーウィンズゲーム”の続き?と思うくらい雰囲気が似ててビックリ。
けど見て行くと“ダーウィンズゲーム”より面白い、かも?
なにより黒幕──本当に宇宙人なのか、宇宙船の修理が本当なのか怪しいけど──がガッツリと登場してくれてるのがありがたい。
これが謎なまんま「主人公は一体何を目的に行動してるのか(騙されてても構わないので)」がよく分からない作品はやっぱ辛いッス。

あと、設定が妙に懐かしい。
パワードスーツや触手の中から美少女がにゅっと這い出してるキービジュは大昔からあるもので、これはそれを踏襲してるよね。
(パっと思い出したのではメトロイドとコレ→ https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61SJF-7SdmL._AC_SL1000_.jpg )
宇宙人の宇宙船が墜落して、地球人に頼んで燃料集める話ってのもスゲー昔にあったよね、最近もあるだろうけど。
三部忠則は夢枕獏だし、そこら辺の昔からあるネタを現代風にリファインした作品としては…成功してるんじゃない?
ただ人によってはこれも古臭く見える可能性あるかも?

そして笑ったのが、そこまでデザイン似てるハズじゃないのに吉岡さんが“エルフェンリート”のナナに雰囲気スゲー似てる気がして。
と思ったら案の定残酷な目に遭ってw
くっそww、こういう系のキャラはこういう目に遭うテンプレでもあるのか?
痒い所に手が届くというかお約束を理解してる様で、結構安心して見てられます。

因みに8話絵コンテは金崎貴臣。

余談・園芸ネタ(個人的にはこっちが本命){netabare}
キョウチクトウは合弁花なのであんな散り方はしない。
まぁそれはいいんだ、細かいことは気にしない。
問題はそれを燃やして敵対グループがどうこうの描写。
作中の表現では煙を吸ってというよりも、炎に巻かれて立ち往生してる様にしか見えなかった。
もっとこう、煙が立ち込めて周囲を覆うって見せ方できなかったのかな?
“ヴィンランドサガ”の何話だっけかなぁ、火を放って煙で視界が遮られるシーンがあるのだけど、あんな感じの。
ここまで作画頑張ってたので「なんでここで?」と不思議に思ったり。

それと放送時期が非常に惜しい、これを惜しいと思うのは私だけかも知れないけど…。
前期放送の“虚構推理”の最終回にキョウチクトウらしきもの(確証は無い)が映ってて、多分だけどミステリー界では毒草として有名で、「ミステリーの体を保とうとしたささやかながらの表現」と思ってるのだけど、“グレイプニル”と同時期放送だったらその説得力も高かっただろうなぁ、と。
虚構推理が1期遅れて放送かグレイプニルが一期早く放送か…って、そうすると“ダーウィンズゲーム”と被って厄介だった?{/netabare}{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
おんやぁ?それまでバトルものだった展開が12話でサスペンスみたいな方向になって新情報がモリモリ出だして、「2クール作品だったっけ?」と思ったら13話で終わって1クール作品でした。
主人公の記憶が戻ると残留思念だか亡霊だかが襲ってくるってことでいいのか?
なんか…同期放送の“継つぐもも”と非常に似た展開で終わっちゃった予感、もう「3年間修行に出る」で終わりでいいんじゃね?
──と思ったら、え?原作自体がここまでなの?
あははそりゃ仕方ないwってかそんなストックでアニメ化するなよwwこりゃアニメスタッフも困ったんじゃないか?
どんなにヒットしようが続編は難しい(なのに続きモノ)ってのは士気に関わらんか?
意味ありげで意味の無かった三部や三船の存在とか、1回限りの吉岡とのフュージョンとか、先の展開知らないのによくやるもんだ。
三船は一部の特殊性癖持ちがエレクチオンしそうな残酷な死に方をするんだろうと期待してた(名前からしてミフューンだし、首跳ね飛ばされたら爆笑する準備は出来てた)のでそうじゃなくて結構意外だったり。
それよりもフュージョンだね、最後に紅愛とそのモードになると睨んでたのに…無しでいいのか、これ?

結局は謎に謎を重ねた状態で、オレたたエンドかどうかも私にはよく分からない。
こういうのが一番評価に困るね、クソアニメとレッテル貼られるくらいなら未完成で閉めた方がマシってなられても困るので一応☆は下げとくけど、本来は保留にしときたいトコロ。
細かい部分の感想が未完成過ぎて言えない。
けど原作ストック無いのかぁ、もうちょい進んでからアニメ化すれば良いのに…。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16

65.9 8 ダークファンタジーで戦いなアニメランキング8位
ベルセルク(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (316)
1364人が棚に入れました
ミッドランド辺境の安酒場にて、黒衣の剣士・ガッツは言いがかりをつけてきた盗賊たちを撃退。居合わせたエルフのパックと少年・イシドロは、ガッツの手際と大剣に興味を抱き、彼を追う。

村を出たガッツは通りがかりの荷馬車に誘われる。そこには僧侶と娘のコレット、そしてパックが乗り合わせていた。ひと時の安らぎと思いきや、ガッツを狙う闇が迫る――。

声優・キャラクター
岩永洋昭、水原薫、日笠陽子、興津和幸、下野紘、安元洋貴、行成とあ、櫻井孝宏、大塚明夫、石塚運昇、沢城みゆき、高森奈津美、平川大輔、竹達彩奈、寿美菜子、中村悠一、石井康嗣、小山力也、稲垣隆史
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

鍛えなおされた切れ味の悪いドラゴンころし?

漫画「ベルセルク」黄金時代篇の続きのお話、断罪篇以降を描くアニメの様です。

ベルセルクと言えば、ダイナミックなアクション描写を思い浮かべる人も多かろうと思われますが、映画版に準拠したCG表現過多のバトルシーンは、やはりセル画アニメと比べてスピード感が足りず、迫力も美しさも感じられませんでした。甲冑を着けた兵士を切っても、生身の生物を切っても、フライパンで硬いものを殴った様な軽い金属音しかしないのも※1リアリティとはかけ離れたもので、動きについても時によっては兵士達の動きが※2ストップモーション・アニメで作られたロボットの様に見える事もあり、こちらにも重さが感じられず、私見ですが、かなり興を削がれました。妖精(エルフ)のパックの声と口の動きが全く合っていないシーンにも前時代のCGアニメを観ている様で、目を瞑れぬ程の違和感を覚えます。

脚本についても映画版と同じく、原作漫画に沿ったもの(省略などはあります)の様なので、凄惨な描写や一部のコミカル表現など、忠実に描かれている部分はありますが、返せばそれはアニメ化に当たって、何の工夫も成されなかったという事にもなるのではないかと‥。漫画版を読んだ限り、小さなコマにギャグ描写(それでも私はあまり好きでない)がある分にはそこまで気にならなかったのですが、画面一杯に栗頭のパックが表示されるシーンなどでは、まるで違うアニメを観ている様な錯覚さえ覚えました。作品の雰囲気を台無しにしていた様に思います。

前アニメシリーズ「剣風伝奇ベルセルク」ではアクションシーン自体、原作漫画と比べて少なめで、省くべき所は省き、物語の骨子となる残すべき部分はしっかり残すと言う、取捨選択が秀逸で、最後まで飛ぶ様に物語を追えましたが、今回のテレビシリーズでは原作自体の持つ断罪編以降の鈍重とも言える展開の遅さがそのまま表に出てしまっている印象です。

OP、ED曲について、OPは前テレビシリーズと比べると普通のヒーローものとの明確な差異が見られず、EDについては作品と切り離して鑑賞する分には素敵なのですが、とても綺麗な印象で、それゆえに暗さと重さが足りず、作品の雰囲気とかなりずれている様に思われました。

続く次回予告については一変して無骨な印象で、不揃いの大きさの文字がドカドカと表示される大雑把な演出で、とても見辛く、却って軽薄な印象を受けました。タイトルロゴもそうですが、わざとバランスを崩している様なフォントのデザインも、迫力よりもけれん味が前面に出ている感じで好感が持てませんでした。

以上酷評となってしまいましたが、あくまでもシンプルなものを好み、奇を衒う表現を好まないブリキ男の私見です。こういう意見もあるのだなぁと一歩引いた視点で読んで頂ければ幸いです。

漫画版の初の映像化という事だけでも価値のある作品だとは思いますので、てこ入れなどを期待しつつ、続けて視聴していこうと思います。(5話にててこ入れと思われる描写あり、ドラゴンころしの効果音なども変わりました。)

以下は5話以降の感想

5話
{netabare}
CGキャラのギクシャクとした動きには相変わらず違和感を禁じ得ませんでしが、クシャーンのアサシン集団とガッツの戦闘シーンは緩急やスピード感があり、かなりの迫力を感じました。ドラゴン殺しを振った時の音も「ガイーン」じゃなくなったし‥。(でも時にバズーカでぶっとばした様な音になっていて妙に不安定。)ドラゴンころしが鍛えなおされたのと同じく、本当にてこ入れでもあったんだろうか?という印象を受けた回でした。

今回からルカ役、沢城みゆきさんが加わった事もあって、アニメとしての魅力が増した様に思えます。
{/netabare}
6~7話
{netabare}
やはりアニメ化すると、声優さんの演技や動画による存在感の割り増し感があり、漫画版よりもコミカル描写が目に付きます。剣風伝奇の様にバッサリ切り捨ててしまった方が良かった様な気がしてなりません。アクション部分については前回のてこ入れ(と思われる)回以降、鈍重さが消え、鋭さが増しました。初回と比べると雲泥の差かと思われます。
{/netabare}
8話
{netabare}
百戦錬磨の叩き上げのガッツに対して、地の利を生かした戦いとは言え、終始優位を崩さないセルピコの剣技と機知は天才的とも言えました。CG苦手気味、原作読了済み(未完なので途中までだけど)の私にとって、作画への期待が薄い場面でしたが、見事に再現されていました。5話にてこ入れがあったのか、以降は毎回溜飲が下がる思いです。でもやっぱり私的にはギャグ描写は抜きにした方がこの物語は映えると思います。イシドロはまだしも、パックはやはり目に付きます。キャラとしてはとても美しいので、登場するにしても栗頭無しで無言の方がカッコ良かったのではと思わないでもないです。

それにしてもガッツ、ドラゴンころしだけでなく、取り回しの良い※レイピアかショートソード、あるいはブロードソードの一本くらい持った方が良いと思われ‥。使徒との戦いだけでは済まないともう分かっているので‥。あんな巨大な鉄塊しょって旅してる彼の体力なら最大重量2キロ程度の剣など小枝にも等しいでしょうとか思ったり思わなかったり‥。

※テレビゲーム等の誤用から、刺突剣として広く認知されているレイピアですが、実態はその様なイメージとはかけ離れたものです。はっきり言って、ゲームやアニメなどで散見されるフルプレートの継ぎ目に一太刀あびせる事など不可能に近い神業です。(こういう用途にはコリシュマルドとかタックと呼ばれる刺突専用剣の方がまだ向いていますが、これらの剣にしても鎧そのものを貫通する目的で開発されました。)

西洋においてはふいごの発明とそれに伴う鋼鉄の精製が可能になった事によって、銑鉄によって作られる従来の分厚く重いロングソードの代わりとして、細く強靭なレイピアは生まれました。中世後期における銃器の発達による白兵戦の軽視と、それに伴う甲冑の簡略化が、"鈍器"としての剣の役割を卑小せしめたのもレイピアという兵器が台頭する要因になりました。しかしその活躍の期間は長くなく、やはりこの武器も銃火器の発達により衰退の一途を辿ります。
{/netabare}
9話~11話
{netabare}
モズグズ編? やはり大河ドラマ然としていた黄金時代編と違ってバトルものの色合いが強いです。原作がそうだし、分かってはいた事ですが、必殺技名とかギャグ描写は熾烈な戦いや悲壮感のあるドラマに水を差している気がしてなりません。バトル要素のある作品が長期連載となると避けられぬ宿命だとしたら悲しいものがあります。

剣風伝奇から続投の平沢進氏による劇中歌「灰よ」は次回予告でも使われている印象の為かゴリ押し感ありますが、心沸き立たせるものを感じます。
{/netabare}
最終話
{netabare}
グリフィス受肉シーン、何故にロック? 何故にごつい声のナレーション? 美しさが全て台無しでした。神聖さ、厳格さのある、著作権フリーのクラシックを起用した方がずっと良かったかも知れないという印象を受けてしまいました。ファルネーゼの独白も説明的という以上の価値を見出せませんでした。

不謹慎なギャグも相変らず‥。一視聴者としての印象は、ほぼ全編を通して見所が殆ど無い、原作を追うだけの作品でした。これまでの視聴、黄金時代編を知っていただけに、惰性で先を追っていただけなのかも知れません。(漫画版も含む)円盤を買いたくない作品の筆頭に上げられる荒削りでがさつな印象を残す作品でした。
{/netabare}

※1:海外には奇特な方がおられます。黄金時代編のガッツの大剣やドラゴンころしの模造品を実際に造って試し切りされている映像がネット上にあります。興味のある方は「武器職人 ベルセルク」でぐぐってみて下さい。スゴい迫力です。餌食になった椅子とか勿体無いけど‥。新品とかまだ使える品とかで無い事を願う。

※2:静止画を繋ぎ合わせて作られるアニメの事、クレイアニメとか人形アニメとかに用いられる手法。レイ・ハリーハウゼン氏やヤン・シュヴァンクマイエル氏の映画等でも割と広く知られているはず‥。これらの映画では主にロボットやクリーチャーの表現に用いられ、おどろおどろしい不気味な感じが出ていて非常に効果的。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 30

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

圧倒的な存在感…これぞガッツです!

この物語は、TVアニメ版「剣風伝奇ベルセルク」、劇場版3部作の続編に位置付けられる作品です。前作のTVアニメ版は2クールで、劇場版やTVアニメ版の焼き直しとなっています。
私はTVアニメ版は未視聴ですが、劇場版3部作を視聴してこの作品の視聴に至りました。

世の中は混沌さを増し、宗教、異教、邪教が世の中に蔓延っていました。
それでも変わらないのは、「蝕」の際にガッツの首に刻まれた刻印と刻印が呼び寄せるこの世ならざる者たち…

ガッツの目に映っているのはキャスカ…「蝕」のショックで自分自身を壊してしまったキャスカ…
もう2度とあんな思いはさせたくない…そんな気持ちが彼を突き動かすのでしょう…
これまでその強靭な肉体と精神によって戦場を生き抜いてきましたが、再び私たちの前に圧倒的存在感そのままに帰ってきてくれたのは嬉しい限りです。

ガッツの直向きさは周りに伝染します。
そして彼の自然な振る舞いは結果として自分の応援者を増やしていました。
ガッツは、行きがかり上止む無い時以外、誰にも一度たりとも「一緒に来てほしい」と頼んだ事はありません。
ガッツがそんな事を頼む相手はキャスカただ一人です。
それでもガッツの直向きさと強大な力に魅せられてしまうんです。

妖精のパック…「最強剣士」を目指す少年イシドロ…
ここまではお互い天涯孤独の身なのでフラッと付いていく事はできるでしょう。

でもファルネーゼともなると話は別です。
名門貴族としてこの世に生を受けた彼女は、修道院に入り聖鉄鎖騎士団団長に就任しました。
でも聖鉄鎖騎士団団長でいる限り彼女は何も変わらない…
ガッツに見透かされた彼女は激怒するのですが、これまでの人生経験と修羅場を…死線を潜ってきた差が歴然なんですから仕方ありません。
どんなに頑張って自分を繕おうとしてもできない時があるのと一緒です。
どんな状況になっても自らの生き様を変えず、自分自身で運命に抗い続けるガッツが琴線に触れたのでしょう…

ガッツの通り過ぎてきた道は、通る前と状況が明らかに変わります。
でも今期の作品の中で一番変わったのはファルネーゼだったのではないでしょうか。
これまではツンツンした女の子としか思えませんでしたが、これからどの様な接点が生まれていくかが楽しみです。

殺伐とした世界観…あちらこちらで行われている恐喝と密告…
根も葉もない噂を引き金に行われるのは連行…そして拷問…
その日食べる物にすら窮する一般市民の命の価値はいかほどだったのでしょうか…

そんな中、沢城さん演じるルカ達の話は、ささやかな幸せからは程遠いですが、人間の持つ温かさが失われていない場所だと思いました。
思いやって分け合って…何もかも決して独り占めする事無く公平に分配する…
本当に困ったときの助け合い方って…やっぱりこうですよね。

そんな中、ガッツの来訪により引き起こされたのは、全ての人への「試練」だったのではないでしょうか。
暗く険しい試練だったと思います。でもそこで同時に「過去の清算」も同時に行われたと考えると、生き残るべき人間が生き残った…と言えると思います。
この試練と過去の清算の顛末が気になる方は、ぜひ本編でご確認下さい。

オープニングテーマは、9mm Parabellum Bulletさんの「インフェルノ」
エンディングテーマは、やなぎなぎさんの「瞑目の彼方」
ガッツの激しさとこれからの苦難を象徴するようなオープニングアニメに合わせてインフェルノが流れてくるのですが、TV放送版の90秒がこの曲のフルバージョンなんです。
90秒に圧縮された思いがさく裂する…そんな勢いを感じる曲でした。
エンディングはやなぎなぎさんだったので、発売日当日にゲットしました。
私はAmazonでデジタルミュージックを購入しているのですが、好きな曲を1曲から購入できる事に魅力を感じています。

1クール12話の物語でした。物語は思い切り途中ですが、2017年春から続編の放送が既に決まっています。
今期は早くに続編が決まっている作品が多いのではないでしょうか。
販促目的の様に途中で投げ出さない作り手のスタンスは、視聴する側の作品への思い入れも変わってくるので、この傾向は嬉しい限りです。
もちろん続編もしっかり視聴させて頂きます。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 22

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

何も知らずに観たのが幸い

一応コメント書きますけど、正直殆ど参考にもならないと最初にお断りしておきます。。
というのも、原作が世界的にヒットしている有名な漫画だということは知ってはいましたが、
自分は内容を全く知らなかったんですよね。


☆物語、全体の感想☆

だいぶ前に制作されたアニメの続き?ということで、
そっちを観てないと正直楽しめないだろうなぁ、とは思いつつも、
CGを大胆に導入しているのもあって、興味本位で取り敢えず最初だけでも観てみるか、
と思って視聴を開始してみると...面白い。。

いや、とにかく話は以前を観てないので当然分からなくて、
(普通にこれまでを振り返ることもなく続きって感じで始まるのでなおさら)
ガッツっていう主人公がキャスカっていう人物を探している、
邪魔するものは誰であろうとなぎ倒す、ってだけしか判らないんですが、
判らないからツマラナイ、観る気が起きない、っていう風にはならず、
結局最終話まで毎週楽しみに観てました。

分からなくても重厚な世界観に引き込まれますし、
CGの良さを生かした戦闘シーンは迫力があってグロさもあり、
BGMもド派手で単純に娯楽的に観てて飽きなかったんですよね。
結果的には漫画を読んでなくて、以前のアニメも観てないのは、
色々と比べてしまうということがないので、むしろ良かったのかもしれません。
どうしても原作の再現性が~、とか、CGじゃない以前の作画と比べて~、とか先入観で観てしまうでしょうからね。

これから続編が春にまた始まるということで、
それまでに以前のシリーズをおさらいしておこうかなと思います。


☆声優☆

何と言ってもガッツ役の声優さん、凄くハマってて渋く格好良かったです。
声優陣はベテラン&人気声優がバランスよくキャスティングされてて、
何も不満はなかったです。

☆キャラ☆

これまでの過去を知らないので、ガッツがどういう思いなのか、
とかそういうのは分からないので、評価できません。
ガッツ自身が口数少なく語ることもないですしね。
ましてや、キャスカはあんな状態ですし。

ガッツ以外のファルネーゼやモズグス、
ニーナなんかの方がキャラ的には内面が窺い知れました。
で、まだよくわからないんですけど、
「完璧な世界の卵」ってキャラの台詞が重かった。。


☆作画☆

自分は以前のアニメを観てないので、OPなんかでちょっと出てくるのを観ても全然違うな、
とは思うものの、これはこれで良いんじゃないかと思いますね。
本作の戦闘シーンなんかを作画だけで描こうとしても限界があるように思いますし、
キャラや背景はかなり精細に描かれてて凝ってるなぁと関心しました。

作画に関しては自分が原作や以前のアニメを観てなかったのが幸いでしたね。
これから以前の作品を見比べてみてどう思うか分かりませんけど、
以前作られた劇場版もCGメインの作画だったみたいなので、
それと比べてどうなのか?ってのは気になりますが。。

自分はCGのアニメにもだいぶ慣れてきたというのもありますけど、
これからのアニメ制作の未来を考えると、CGの導入にいつまでも抗っているよりは、
むしろ発展の方に期待するべきだと常々思うんですよね。

労働スタイルも絶えず締め切りに追われ、寝る間を削って働かないといけない過酷なものですし、
人口減少につれて原画描きも当然人手不足になってくる事が考えられます。
現実に背景以外の原画まで海外に委託する制作会社が最近増えてきてますけど、それで良いのか、と。。


☆音楽☆

ドラムのツーバス連打&ギターのタッピングから入るOPがメチャ格好良かったです。
EDの方は逆にしっとりと聴かせるもので対照的でした。
で、何と言っても平沢進の劇中歌「灰よ」でしょう、文句なしに最高。

また作中BGMや効果音の方も仰々しさや棘棘しさ満点で全般的に音量もデカくて派手でしたが、
世界観を再現するのにかなり拘ってるように見受けられ、素晴らしかったと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10

59.3 9 ダークファンタジーで戦いなアニメランキング9位
されど罪人は竜と踊る(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★☆☆ 2.9 (140)
757人が棚に入れました
自然現象・物理法則の再現、物質の生成を超物理的に行うための化学体系〈咒式〉。この技術によって、人類はかつて〈魔法〉として恐れられた力を自在に操ることに成功。〈咒式〉は生活のあらゆる分野に恩恵をもたらし、跋扈していた〈竜〉や〈異貌のものども〉すら駆逐する勢いで、急速な発展を遂げていた。
その技術を使い、トラブル解決と賞金稼ぎの生業に明け暮れる、ふたりの攻性咒式士、ガユスとギギナ。混沌とした国境の街、エリダナに咒式事務所を構える彼らに〈竜〉を狩る仕事が舞い込むのだが――。

ふたりの主人公の軽快にして絶妙な掛け合い、〈咒式〉という独特な科学技術体系を綿密に描いた戦闘描写、そしてなにより世界の理不尽な残酷さを正面から描き切るその作風で、「暗黒ライトノベルの始祖にして最終作」と称される『されど罪人は竜と踊る』。
ガユスとギギナ、天敵にして相性最悪な最高の「相棒」たちの物語が動き出す!

声優・キャラクター
島﨑信長、細谷佳正、日笠陽子、甲斐田裕子、土師孝也、南條愛乃、田村睦心、星野貴紀、徳井青空、井上剛、伊丸岡篤、洲崎綾、西凜太朗、松本梨香、下野紘、清川元夢、杉田智和、石田彰
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

映像化不可能な作品の、映像化が可能な部分だけを映像化すると、そりゃこうなるわな(苦笑)

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
確かに古くさいし、ダサいし、既視感がある設定やキャラクター。でも、許してあげて下さい。だって、古い作品なんですもん(笑)

原作は、第7回(2002年)スニーカー大賞奨励賞受賞作。私は原作未読なんですが、この「イタイ感じ」がどこか懐かしくて、最後まで普通には観られましたよ←(アニメ限定の感想です)。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
どうやらこの作品(原作)のウリって、エログロみたいなんですよね。原作未読なんで、少しネットで調べたら、滅茶苦茶エグい内容がザクザクと(原作ネタバレ→文字だけでも胸くそ悪いので、注意{netabare}女性が生きたまま脳みそをぐちゃぐちゃにかき回されたり、強姦に獣姦、カニバリズム、ロリがアナルを犯されたりするみたいですね。胸くそ悪い{/netabare})。

そんな原作なら、そりゃアニメ化は無理だわな(汗)

その原作に比べれば、かなりライトなアニメ化ですね。逆に言えば、(私にとっては嫌いな部分ですが)この原作の良さや個性を出さず、それ以外の部分をアニメ化しているということです。

そりゃ、面白くなるわけない(苦笑)。

もしかしたら、原作はもっと面白いのかもしれませんね(そういうのが好きな方にとっては)。未読でも分かるくらい、話が飛び飛びだったので、ゆっくり丁寧に進めていけば、また違ったのかもしれません。

ここからは、本作というよりも、エログロもの全般への、個人的で否定的な思いです。

これは、エログロ嫌いな私の、偏見&極論ですが、ストーリーを楽しむことを主にしているはずの小説(文章だけの表現媒体)において、エログロがウリってのは、「逃げ」じゃないかと思ってます。ようは、キャラや会話、ストーリーや展開で魅せることが出来ないから、過激な作風(表現)になるのかな、と(勿論、例外的にストーリーや展開が素晴らしいエログロものもあるんでしょうけど)。

ウチの大学のゼミの教授は、どんな小説も読むけれど、ホラーは(心理描写メインなら)まだしも、スプラッター的なものは絶対に読まない、映画なんかも観ないと言っていました。教授曰く、「感性が鈍る」だ、そうです。

私はそこまでは言いません(趣味なんて、他人に迷惑かけなければ自由なんで、エログロが大好物って方がいるのも頷けます)が、個人的には、やはり苦手ですね。単純に、嫌な気持ちになるので。

本作も、アニメ単体なら、普通にイタイ厨二系のバトルアニメとしてそこそこかなと。まあ、作画が厳しかったり、訳のわからん専門用語の連発や、センスのない会話、飛び飛びで繋がらないストーリーなど、アニメ単体でも高クオリティとはいえませんが、総括にもあるように、そのイタイ感じも含めて、なんか懐かしかったですし。

あ~、原作を調べなければ良かった(汗)

この気持ちは、なんでしょう? これまで好意を抱いていた相手の、裏の顔を知ってしまったような。例えるならば、一生懸命に野菜を育てたり大工仕事に励んでいて、好印象をもっていたアイドルが、実は女子高生に無理矢理迫るような人だったと分かった時の、ガッカリ感というか、一抹の寂しさを覚える感じに似ているでしょうか(苦笑)

原作のことを知り、☆を1に下げようかという気にもなりましたが、、、まあ、あにこれはあくまでアニメの評価サイトですし、不幸中の幸いで、全話視聴後に原作情報知ったので、評価は据え置きで。
{/netabare}

【余談~ 私の中のライトノベル ~】
{netabare}
色んなところに書いてますが、アニメや漫画、ゲーム、ラノベなど、全てのジャンルの中で自分的にNo.1だと思っているのが、「ロードス島戦記」です。中1の時に、初めてロードスを読んだのが、現在に至るまでのアニメ好きの根底にあります。

ロードスを読んで以降、中学の3年間はラノベにどっぷりハマりました。

ドラクエやFFのノベライズ、スレイヤーズ、フォーチュン・クエスト、魔術士オーフェン、ラグナロク。。。

そんな、私が好きで堪らなかった、「古い時代の」「剣と魔法のファンタジー」の香りをギリギリ残す、最後の世代に当たるのが、本作あたりなのかな、なんて思っていました(勿論、原作未読だから、実際には分かりませんが)。

ちなみに、本作が奨励賞を受賞した翌年の、第8回(2003年)スニーカー大賞金賞が、「涼宮ハルヒの憂鬱」。実は、「灼眼のシャナ」あたりから嫌な予感はしていたのですが、この「ハルヒ」によって、私の愛していたラノベの世界(正統派ファンタジー)は、一度殺されました(ちなみに、ハルヒもシャナも、ファンタジーとは別物として大好きな作品で、ハルヒはお気に入り棚入り、シャナも☆5ですよ♪)。

まあ、それだけ「ハルヒ」は別格で凄かったということです。しかし、自分が高校を卒業する時期だったこともあり、「ハルヒ」以降、自分はラノベから完全に離れてしまいました。今は、アニメでラノベを知る感じですね。アニメが面白くても、原作は読まなくなりましたし(時間がないから)。

だからなのかな。なんか、「死んだと思っていた昔なじみが、実は生きていて、ひょっこりと表舞台に戻ってきた」ような、妙な嬉しさがあって、最後までわりと楽しみながら観られました。

(と、いうのがアニメだけ観た時に書いたものです。が、レビューにある通り、原作のことを知ってガッカリ。勘違いだったのですね。まあ、勘違いした私が悪いのですが。だからといって、折角書いたのを消すのもなんなんで、とりあえず残しておきますw)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
よくわからん難しい単語の連続は、ダメなラノベの典型なんだけどね。作画はちょい厳しいか? キャラは少し立ってきたね。(女子への)ギャップ萌え狙いかな。

2話目
ちょいとギャグ要素。枢機卿、ラスボスかな? 竜族には竜族の、絆やら価値観やら。

3話目
かなりバトルだね。まあ、作画はショボいし、意味は分からないのだけれど。

4話目
相手の十二神将みたいなのを3人相手に2人で互角以上って、国の最高レベルに強いってこと?

5話目
変身する奴、瞬殺? かなり大事な能力なんじゃ? 誇り高き竜族。ってことかな。

6話目
新章って感じ? ロイエンタール(笑) キャラデザと合ってないな。

7話目
え? そんなアッサリ(苦笑)? 正に手のひら返し。まず、いきなりボスが行くんかい。ロボットなの? 話がワカラン。

8話目
勢力が増えてくると、段々ワケワカラン度が高くなっていくな。話、多分、凄い飛ばしているな。

9話目
若本さん、キャラデザと合ってないっすよ(笑) チェリス将棋やら、レメディウスの棋譜なんて視聴者は知らないんだから、謎解きっぽくやられてもね。

10話目
選択が人生の多くを占めている、自分の選択で死んでも本望、という価値観は、概ね同意。なんて迫力のない戦闘シーン。

11話目
笑えるくらい、よく分からんな(笑) 日常ギャグ回がつまらないのは、キャラが生きてないからだな。

12話目
ん? 回想? ケツ(笑) 11話が日常系、最終回で回想を入れる。うん、2期をやらないなら意味わからん構成だな(か、ただの販促、アニメ化の条件だったか)。まあ、2期やったところで、人気が出るとも思えないけどね。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 22

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

小学館ガガガ文庫の「暗黒ライトノベルの始祖にして最終作」

この作品の原作は未読です。
完走後にwikiをチラ見しようとしたところ、「されど罪人は竜と踊る」という作品は、角川版と小学館版の2種類ありました。

もう少し読み込んでみると、最初に角川から出版されていたが、その後小学館に移籍したため2種類あるんだそうです。
違いはタイトルの後ろに「Dances with the Dragons」が付くか、付かないかで、今回アニメ化されたのは小学館バージョンの「されど罪人は竜と踊る Dances with the Dragons」です。

この物語の核になるのは、自然現象や物理法則の再現・生成を超物理的に行うための技術体系である「咒式」(じゅしき)です。
人が「咒式」を駆使する事で、まるでかつての魔法と同様の効果を得ることができます。

こういう技術は人を両極端に変貌させます。
「私利私欲のために使う人」
「社会の平和と安全のために使う人」
そして思想の違う両者は意見が合わずにぶつかり合い…やがて戦争を巻き起こします。

この物語では、個人咒式事務所を開設しているガユスとギギナという2名の攻性咒式士が、様々なトラブルと因縁に巻き込まれていく様を描いた物語です。

公式HPのイントロ欄に記載されていましたが、本作は長らくアニメ化不可能と言われ続けたんだそうです。
この設定で思い出す類似の作品は「新世界より」ですけど。

ガユスは、人間の攻性咒式士で化学錬成系の咒式が得意で戦闘ポジションは後衛。
そして相棒のギギナは、戦闘民族ドラッケン族の血を引く攻性咒式士で、戦闘ポジションは前衛。
彼ら攻性咒式士の相手は、竜や異形のモノといった人間に害をなす連中なんですが、ガユスとギギナの犬猿の仲っぷりも堪能できる作品になっています。

完走して思ったこと…
もう少し長い尺で制作した方が良かったのではないでしょうか。
全般的にもう少し説明が欲しかったところです。

説明が欲しいと思ったのは、人間関係…というか組織関係でしょうか。
1クールで非常にたくさんの組織が登場する上、単なる甲乙の契約関係だけでなく後ろ盾の存在も匂ってくるから、尚更物語を難しく感じてしまいました。

それとガユスとギギナの喧嘩…の様な殺し合いにも、もう少しバリエーションが欲しかったかも…
というより、本編にあまり関係ないので、ボリューム的にはもう少しシンプルでも仲の悪さは通じた気がします。

それと、原作が執筆中なので仕方ないのかもしれませんが、未回収の伏線が残っているのが気になるところです。
特に過去の仲間についてはもう少し触れて貰った方が理解を深められた気がします。

目の前で起こっている出来事は決して面白くない訳じゃないんです。
ただ、裏で糸を引く人の思惑が分からなかったり、目の前で起こっている出来事同士の関連が希薄に感じられたり…
ガユスの彼女であるジブーニャの扱いも…少し可哀想だったかな。
でも、尺の関係上、これが限界だったのかな…とも思っています。

だから勿体なく感じるんですよね。
小説をアニメ化するに際し、しっかりとメッセージを持っていたいと「ただ小説をアニメ化しました」だけでは色々難しいと思います。

アニメ化されることによるメリットもありますが、小説のアニメ化により情報量は大幅に削減されるので、限りある情報量の中から視聴者に本当に伝えたい部分と、それ以外で軽重を付けないと、抑揚が乏しくなると思うんです。

それでも出演されている声優さんの演技は堪能させて貰いましたし、作画も雑では無かったのでそれなりに楽しませて貰った作品でしたが、もう少し尺があるともっと面白い作品になったと思います。

ただ、一つ欲を言えばラストの展開はもう少しリアル感が欲しかった気がします。

オープニングテーマは、fripSideさんの「divine criminal」
エンディングテーマは、黒崎真音さんの「décadence -デカダンス-」
どちらも作風に合った良曲だと思います。

1クール12話の物語でした。
酷評を書くつもりはありませんでしたが、勿体無いという気持ちが少し先行してしまったレビューになってしまいました。
続編で未回収の伏線などが回収されれば印象の変わる作品だと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9

kororin さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

辛口コメンテーターも次々脱落?

本来なら2017年秋アニメとして放映していた「され竜」。大人の事情か制作都合かよく存じませんが、延期につぐ延期でやっとこさ2018年の春に放映されることとなり若干期待はしてたのですが・・・はぁ~~~~~~~っ。こっ恥ずかしい!原作小説の人気のほどは知りませんが映像化して「こんなモノ」だったとは!!

(第1・2話を見て)
導入から良くない。
【世界観の説明は大切です】序盤から専門用語過多のモノローグが流れますが、「遺跡のような所で中空から落ちる指輪」のシーンを見せられても、何がなにやら。伝わるもがないような気もするのですが・・・
続いて主人公の片割れ・ガユスと竜のバトル・・・ロングコートに剣と中空に浮かぶCG魔法陣の攻撃。もう見るからに『厨二病の描く理想のヒーロー』像。
[信者側としては、ワケのわからないところがミステリアスで興味をひき、聞きなれない専門用語過多は新しい発見をしてるような気分で魅力的なのかもしれません。]

【ガユスとギギナの説明的な(バ)会話】知性も趣も無い不自然で痴的なやり取りにちょとイライラ。こっ恥ずかしい!
[信者側としては、そんな気さくなダベリが好感なのかもしれません。]

【ガユスとジヴのイチャイチャ】ガユスの立ち位置が思春期少年が描くカッコつけてイキがる理想の展開。ああっ、こっ恥ずかしい![信者側としては、もうタマらんでしょう。]


そんなこんなで「天狗気味な駆けだし作家が、勘違いしてるカッコよさをふりまいた小説」をそのまんまアニメにした印象。
まるで、20代~30代前の大人が、小学校時分に書いた恥ずかしい(稚拙な)文集を仲間内で暴露されて大盛りあがりになった感じ。正に厨二病特化型の理想的アニメ(?)。

画はそんなに悪くないのに恥的な脚本・構成がどうもねぇ・・・

もう暫く様子見ですが、セリフが不自然にバカ過ぎて羞恥に耐えられなくなったらドロップアウトします。(面白くなるのかな?)

2018.06.24【視聴断念しようと思ったけど結局完走してしまった・・・】
いつかはイイ展開になるかと期待してましたが見事にハズレ。終始「憤慨」しか残りませんでした。
他の方はどう思われるかわかりませんが、「個人的」には
・主人公たちのネーミング(ガユス&ギギナ)→日本語としては耳障り。
・主人公たちのコスチューム→ロングコート&大剣&魔法(咒式)&腹筋を見せるノースリーブシャツ&タトゥが、いかにも「厨二病」過ぎてドン引き
・主人公たちの仲の悪さ→良き相棒なのかもしれませんが、しょっちゅう相手を見下す高慢な強気発言の、やたら長い応酬に次ぐ応酬が目障り。
・普段でも勝算の無い瀕死の状態でも「スカした(カッコつけた)」セリフを吐きまくるガユス→ん~~~ダサイぞ!
・彼女(ジヴ)持ちのガユス。劇中で時々一緒にベッドイン→ん~~~妬ましいぞ!
・ギギナはイケメンなので女性が寄っていく入れ食い状態→ん~~~妬ましいぞ!(笑)
そんな「好感」が持てない主人公達もさることながら、劇中において世界観・世界情勢はセリフ説明であるものの、解りづらかったです。あと、フィルターでもかかってるかのような「画面の暗さ」も鬱陶しかった。等々

あ~~、もっと早めにドロップアウトすればよかった(笑)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 20

60.0 10 ダークファンタジーで戦いなアニメランキング10位
ロード オブ ヴァーミリオン 紅蓮の王(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (95)
281人が棚に入れました
舞台は2030年東京。
突如、東京近郊一帯で高周波の共鳴音が観測され、同時に街は紅い霧に包まれる。
そして、その音を聞いたものは、動物、人問わず、意識を失ってしまう。
首都機能のマヒに伴い、政府は一時的に同機能を大阪に移転、この現象を正体不明のウィルスと予測し、さらなるエピデミックを懸念して、東京を封鎖する。
しかし、この「大共鳴」より6日後、意識を失っていた人々は何事もなかったかのように目を覚ます。
その後、封鎖都市・東京は徐々に街としての機能を取り戻していくが、その日を境に様々な「異常事件」が起こり始め、人々は次第に、さらなる非日常へと侵食されていくこととなる。

そんな中、血に秘められた力を解き放ち「英血の器」へと目覚めゆく若者たち--。
彼らはお互いの力に引かれ、否応なしに出会い、心を通わせ、命を削り合う、過酷な運命の連環へと飲み込まれていく。

声優・キャラクター
梶裕貴、茅野愛衣、森川智之、日野聡、東地宏樹、悠木碧、福圓美里、寺島拓篤、斎藤千和、諏訪部順一、三木眞一郎、堀江由衣、小林ゆう、佐藤利奈、石田彰、釘宮理恵、井上小百合
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

3話までの感想{netabare}
1・2話を見た段階で「うわこれヤベーやつなんじゃ」と思ったけど、とりあえず3話まで見てなかなか説明されずに居た舞台設定が明かされてホっとひと息。
ドゥクス派と英血撲滅派で対立してる感じか?
でもってドゥクス派も決して正義の組織ってことではなく主人公は成り行きでそっち側に属しただけで、果たしてドゥクスの言うことに従っていいのかどうか揺れ動くって感じになるのかな。
どっちの陣営も間違ってて孤軍奮闘する気がしないでもないけど、そこにブン屋がグチグチ突っかかって来るようならまどろっこしく感じるかも。{/netabare}

6話までの感想{netabare}
3話でどっちの言い分が正しいのか分からない世界説明をされて、4話はそれに戸惑う回かと思ったら千尋はいきなり結界破壊を実行し始めて見てるこっちが困惑。
先の展開(6話)を知った後で思い返すと「教会側に裏切り者が居るってところまで早く展開させたい」ので、4話はこんな奇妙な構成にしちゃったのかなぁ?と思ったり。
でもって5話はチンゴ国禍の説明と赤谷(医者)が何かヘンだぞ?って匂わせて次回に続く。
そして6話…う~ん、やっぱこれ構成が何か変だ。
赤谷を追ってたゴロつきが埠頭で取り囲む→同じく赤谷を追ってた千尋が乱入してその隙に赤谷逃亡→ゴロつき激怒
だったのに、次に千尋が画面に出る時にはどこもケガなくケロっとしてれば、ゴロつき側も被害なく再び街中で赤谷の捜索をしてた模様。
いやいや、どうやってあの場を諫めたんだ?
しかもゴロつきは葵(中の人諏訪部のグラサン)の手下ってのは…千尋は気付いてない?
赤谷だけでなく葵も探してた対象で、ゴロつき締めあげれば居場所分かったハズでは…2話の恨みはどうした?
一応その後チンゴ国禍がゴロつき見付けて対決ってなるけど…千尋の情報で見つけたって風でもないんだよね。
しかもその対決は次の瞬間にはほぼ決着着きかけてるし…まぁそこは話のメインは千尋・赤谷・葵のイザコザなのでそれはいいとしても、肝心のその3人のやり取りがまた奇妙で。
赤谷が暴走してしまう→昔同じ施設仲間だった葵が引導渡そうとする→千尋が遮る→今度は千尋が暴走、赤谷が抑える→赤谷消滅
…。
これ葵からしたら笑うしかない状況じゃねーか?
そりゃもう「よくも赤谷を」なんてことはせずに引き下がるしかないんだろうけど…なんか釈然としないというか、変。


ところで今回感想書くに当たり(特にチンゴ国禍の綴り調べで)公式ページ見て来たのだけど──というかそれまでスタッフ全然気にしてなかったのだけど──。
えっ、監督の菅沼栄治って…マジか!?
“NINJA者”見たことがあれば妙にデカデカと名前出るので嫌でも覚えてしまうのだけど、えええ、あの人か。
“こどもの時間”で監督やってて「へーえ」って思った記憶があるけど、作監上がりの人って脚本やシリ構にダメ出しし辛いのかイマイチなのが多い印象で、これはそのパターンか?
そしてキャラデザは…ええっ、川村敏江!?
自分プリキュアは殆ど見てないけどその前の“どれみ”はかなり熱心に見てた方で、馬越川村稲上河野青山なかちゅう…とローテ作監を覚える程度には見てた。
あの川村敏江かぁ…馬越の次に上手い、っていうかエロい線描く人って印象だったけど、今作ではそんなでもないし全然気付かなかった。
あれかね、“ダイナミックコード”の梅津みたいなもんなのかな?(キャラデやることはやったけど作品作りにはほぼノータッチ)
更にはシリーズ構成が鈴木雅詞で、誰だっけ?と調べてみたら…。
“シャッフル”の空鍋って有名だけど、似たようなのが“GIFT”にもあって「それもそのはずシリ構は同じ人」ってまでは知ってたけど、その人が鈴木雅詞だったのか!
あれ、その人はてっきり“ハッピーシュガーライフ”をやってるんだと勘違いしてました、全然違ってた。
あっぶね、アニコレで感想書いてなかったら公式も見ないで勘違いしたままだったよ、きっと。
ってかシュガーライフやってよ、絶対鈴木雅詞向きだと思うぞ?(評価してる)

しっかし公式に載ってるスタッフだけ見ると結構豪華なハズなのに、なんでこんなに微妙な作品になっちゃうんだろう?
予算か?予算なのか?{/netabare}

7話感想{netabare}
あ…これ、各回の脚本や演出まではチェックしてないんだけど、もしかして6話と7話は担当別の人?
でもって連絡が上手く取れてない、とか?
グラサンは医者が死んだのがあたかもチヒロのせいってノリで、いやいや、前回あンたトドメ刺そうとしてたじゃん。
「安らかに死なせてやるつもりだったのにチヒロのせいで苦しんで死んでいった」ってことで恨むなら分かるけど、どうもそうじゃない。
あたかもチヒロが余計なことをしなければまだ生き続けてたかのような言動、なんでじゃ。
といいつつ6話では↑でも書いた様に「その回単体」でも辻褄が合ってないことが起きてたし…こういうのをどうにかするのが監督の仕事だと思うのだが、もうカツカツなんかね?現場が。{/netabare}

8話感想{netabare}
「混沌」と「財団」は特別な理由が無い限りは同じ組織を指すと思うのだけど場面で呼び名が違っててややこしい。
ユーリが財団を裏切り(コテツを救って)協会側に付いたのを契機にチンゴ国禍と交渉するも、クロカミと釘宮が賛同しただけで他のチンゴメンバーは「付き合ってられん」と退場。
協会側自体もシスターはユーリ信じてないしジャーナリストはチヒロ信じてないしでガタガタ。
ってか「色ボケしてるあんたの意見は聞けない」みたいなこと言われてチヒロは色ボケに関しては否定しないのかw
んで協会…ってよりもチヒロを信じてユーリからもたらされた情報を元に財団の動きを嗅ぎまわってたクロカミが倒される。
元からユーリを信じてなかったシスターは「それ見たことか」、クロカミと親しかった釘宮はショック、釘宮と良い感じになってたコテツもすっかりそっち側、ジャーナリストは相変わらず。
そこを狙い澄ましたように財団のトップが出てきて「よくやった」。
協会の連中はチヒロ以外すっかり「ああやっぱりね」って感じでユーリをスパイ扱いし、いたたまれなくなってチヒロを置いてユーリは財団に渋々戻る、と。
話は分かるが、まーあ面倒くさい。
物語が始まる前からキャラごとに信条があって、物語の中でそれを覆しかねない新情報が出てもそれまでの信条をおいそれとは曲げられない…って話なんだろうけど、いかんせん「お前の言うこと(新情報)信じられません」って時の態度がいちいちネチっこい。
ま、まぁこのギスギス具合は確かに鈴木雅詞らしいんだけど、もうちょいこう痛快にはできんかったのかね。
シスターはもっと狂人でも良かったような?
また、最初の協会とチンゴの交渉では一触即発状態だったのに、後の財団トップが協会前までユーリ出迎えに来た時は何も無しかよ。
ボケーっとユーリ連れて行かれるのを見てたってことか…う~ん、↑で書いたチンピラとチヒロの件といい、強引な部分が目立つ。
そういう「あれ?」って部分が散見されるのでキャラの心情の変化も見失いやすいというか…。

追記
そうそう、自分の感想読み返して思い出した。
以前協会には裏切り者が潜んでるって騒ぎになって、結局それは医者だったってことで片が着いたんだろうけど、「この間そういうことがあったのでおいそれと他人を信用できない」ってことか?
特にシスター。
ってかそれを8話内でひと言でも言ってくれれば印象大分違ったんじゃないかなー?{/netabare}

9話感想{netabare}
えええ、ジャーナリストがやけにチヒロの親殺しに突っかかってくるのは、かつてチヒロ父と親交でもあったんかな?と思ったらそっちかよ!
実はジャーナリストも子供の頃無理心中させられそうになって、だけど車が崖から落ちる直前放り出されて自分だけは生き延びて、放り出された理由を「親から嫌われてたから」と思い込んでて。
親から拒絶されて自分だけ生き残ってしまったのがイヤだったのか、こんなんだったら一緒に死んだ方がマシだったと思うようになったんだかナンだか。
そして似た感じのチヒロの無理心中事件を見て「親に愛されてたんだったら一緒に死ねよ(それを拒んで親を殺してまで生き延びるのはケシカラン)」って思想で突っかかってたんだってさ、最後に「羨ましかったのかも」とも言ってるし。
八つ当たりじゃーーーーん。
ってか当人の八つ当たりはまだしも、周囲が誰も異常に感じないのがもう不思議で(クロカミは一応突っ込んでたが)…助手まで一緒になってサイテー呼ばわりとかも~サイテー。
ついでに最期に考え改めたのは、自分を庇って使い魔が死ぬ瞬間を見て、車突き落とされた時親は生きて欲しいと願ってたことを思い出したからだってさ(その庇ってくれた行為もその回の内に無に帰しましたとさ)。
えええそんな理由!!??
…。
ってかさ、実際にチヒロが父親を殺したかどうか以前に、普通に正当防衛でしょうに。
「お前は命惜しさに父親を殺したんだ!」「命なんて惜しくない」「なん、だと?」「生き残ったからには意味があるんだ」
う~んこの流れ。
命惜しさに殺して何が悪いのか分からない、正当防衛を否定して美談みたいな話されてもワタシ困っちゃう。
「お前は何も間違っていない、けどオレは絶対許せない」って姿勢だったらまだ分かるが「お前に罪を認めさせてやる」って態度はもうホント不思議で。
そんなんで親殺しを認めさせたところで「えー、そうするしか仕方なかったんだよ、カワイソウだろ、そっとしといてやれよ」ってだけで記事にもならんぞ?

いやすっごいね、このズレっぷりは「お前秘密知ってるだろ、教えろ」と相手を殺そうとした“バトラーズ”のジェイ以来かも知れない。
(「お前が犯人だろ?吐け」と反応が無くなるまで殴り続けた“悪偶”は、あれは若気の至りってことでまぁ納得できる)
…あれ?最近じゃん、結構多いのかねこういうの。{/netabare}

10話感想{netabare}
凄い、悪い方向にエンジンかかりまくり。
最後の結界ポイントを襲うぞ→ピアニスト(敵)がコンサート開いて観客を魔物化するつもりだ→コンサート当日演奏される前にピアニスト倒せば良い
…?
その計画自体がなんだかよくワカランが(場所自体が重要なので人口要石が搬送されてなくてもコンサート会場を開催日より前に制圧すればいいハズ※)、結局ピアニストが会場に入るの阻止できなかったし、会場入り口からステージまでワープしたかのような移動スピードだし。
そしてグラサンが滅茶苦茶チヒロを恨んでるんだけどその理由は「7話感想」で書いた通りパっとしないモノ。
更にバンダナがそれを信奉してるのも不明だし、チンゴ国禍から新たな助っ人来たと思ったらバンダナと顔見知りだし。
で、そいつらが雑~~~~~~~にピアニストに始末される。
ってか

庇って死ぬの多くね?

ララアみたいな死に方ね、海見せろ。
チンゴ助っ人がバンダナ庇って刺された時は「またかよ」と呆れ、その肉の盾を構わず貫通してバンダナまで刺さった時は一周回って爆笑w
雑にも程がある、キャラクター在庫処分セールかな?…打ち切り食らったダンバインじゃあるまいに。
あいや、バンダナとチンゴ助っ人はまだ石にはなってなかったっぽいので生きてる?
ってかちょっと待てよ?

エエケツ殺してるのってピアニストばっかりじゃね?

自殺と大差ない医者以外ピアニストが始末してるような?
ピアニスト自身はチヒロを紅蓮の王に覚醒させてから殺したいってだけで財団とかどうでもいいっぽい、味方も殺しまくりんぐ(グラサンは命令背いて持ち場離れたんで仕方ないかな)。
もうコイツだけで良いんじゃないかな。

結局観客は全員魔物にされてしまったんだけど、そいつに引導を渡そうとするチヒロへピアニストが「ひょっとしたら人間に戻れるかもよ?」と揺さぶりをかけるが、その瞬間は医者や意志を継いだナースの回想シーンでも入れれば良いのにそれは無し。
それでもなんとか財団の計画(結界完成)だけは阻止できたみたいで、そしたらそれまで余裕綽々だった速水(が声あててるキャラ)がヒヨり出す。
奥の手として隠し玉があるみたいでそれにすがって終わり。
ってかこの回の前半、速水はユーリのことを「アイツはもう使い物にならん」と言ってるんだけど…あれ?前回は「まだ使い道がある」って言ってなかったっけ?あれー?


そもそも霧に囲まれて東京は隔絶されてる設定…のハズなんだけど一般住民は妙にのほほんと暮らしてて。
2話くらいまでジャーナリストも魔物の存在知らなかったり、10話においてもグラサンの手下のチンピラすら空飛んでるエエケツに驚いてるし(その点では脚本一貫してる?)。
で、財団は表向き優良企業なのかな?協会や他のエエケツは市民の反感買う訳にも行かず表立って財団に盾突けないってことか?
そんなこと言ってる場合か?とも思うんだが…。

でもって今回、観客を生贄に巨大な魔物が東京に出現しました。
さすがに市民もこりゃヤバいと騒ぎになって欲しいトコロ…これで次回以降ものほほんとしてたらちょーっと、ちょっとじゃないかな。{/netabare}

11話感想{netabare}
えっとまず前提として、人間が化け物に姿を変えられてしまったら元に戻れない、正気を失って暴れだす、人を襲う。
元に戻れないのは使い魔も同じで、たまたまエエケツの器でなければ変異前の人格は無くなる。
どうにかして化け物から人間へ戻そうとする研究を医者がやってて、殺された後はナースが意思を継いで研究を続けてるが、まだ完成には至ってない。

で、これを踏まえた上で…
財団:コンサート会場の人間を化け物にしたのは俺達だが、殺したのはチヒロだ、チヒロの人殺しー
協会:人間を化け物化して盾に使うなんてケシカラン、財団許すまじ
…。
財団の方の言い分がワカラン、もしかして財団側には化け物を人間に戻せる技術があったりするのか?
けどだったらグラサンは医者を安楽死させようとは思わなかっただろう。
そしてここでジャーナリストの件が頭をよぎる、「例えどんな事情があっても正当防衛は認めない」って考え。
えええ、財団もそういう考えってか?ってかスタッフがそうなのか??鈴木雅詞がそうなのか???
得意な思想のやつが変な考えするのはまだいいけど、ナチュラルに大勢が変な考えしてるとどうにも気持ち悪い。

更には前回の戦闘映像を捏造してユーリに「チヒロは酷いやつだ」という洗脳を施す。
ハテ、財団連中の誰までが「この映像は捏造だ」と自覚してたんだろ?
親父は承知してる?…もしそうならピアニストが味方を殺してることも知ってることになるが、なんかそんな素振りは見えない。
で、わざわざそんな捏造映像こさえる手間をかけたのはユーリにチヒロを恨ませる(救済させる)ためだったのだけど、いざポアしようとしたらチヒロの使い魔が邪魔に入り、使い魔殺したらビビって逃走。
まーた庇って死んだよw
そうそう、前回庇った上に結局庇えずに串刺しになってたバンダナとチンゴ助っ人は生きてました。
石になってなかったからね、そのうちひょっこり現れて「チヒロは悪くないんだー」って言いそう。

んで、手柄の取り合いでチヒロを疎ましく思ってたシスターが今更になってチヒロ暗殺を計画し始めた矢先、ピアニストに殺される。
…ナンダコレ?
そ、そりゃあね、かつて財団トップがノコノコ協会の前まで挨拶しに来てたし場所はバレてる、襲おうと思えばいつでも襲えたんだろうけど…今更かよ!
警戒なさすぎ、ピアニスト有能すぎ。

なにより一番不服なのは前回あれだけ巨大な化け物登場で、いよいよもってエエケツがどうこうって問題が一般市民に隠し切れなくなったんじゃないのかい!?と(え、隠してたの?って突っ込みもあるけど)。
東京がどうこう言ってるけど、いかんせんそこに住む住民の顔が見えてこないのでピンと来ない。
どうだっていいじゃん。
行きつけの店の主人とか散歩道で前を通る幼稚園の園児とか、エエケツ絡み以外での一般人との接触無いじゃないか。
そんなのを気にする理由は、一般人の間で大騒ぎになったらチンゴ国渦の連中も静観してもいられなくなるんじゃないの?(重い腰上げて参戦して来るんじゃないの?)って期待もあったからなんだけど…。
初めて赤い霧が発生した時に比べればコンサート会場(観客全員死亡)に現れた巨大なバケモノ程度は大したことないって感じなのかな?
人形かな?
そんな連中しか居ないんだったら東京滅んでも別にいいんじゃね?
「守りたい世界」が「守るに値するもの」として描かれてないのは結構キツい。{/netabare}

最終回感想{netabare}
チヒロ「みんなをスタァライトしちゃいます」
ドゥクス「わかりかす」

もしくは

チヒロ「はっ、そうか…これがもっと深いユーリへの想い…」
ユーリ「彗星かな?…いや違う、違うな。彗星はもっとこうバーっと…」

前者は“レヴュースタァライト”後者は“ハッピーシュガーライフ”ネタね、ちとノイズ入ってるけど。
いやもうなんやねん、と。
チヒロは微妙に違う平行世界(破滅の結末しかない)をループしてて、そこから遂に破滅以外の可能性を見つけたんだかどうだか?っていう曖昧オチ。
それプラス恋人と心中するに見せかけてか~ら~の、片方を生かすってオチ。
別にユーリは魂を道連れにされたワケではないけど…ってか道連れにしろよ。
「その後ユーリは再会を目指してゲート開こうとして、それって親父と何も変わらん・血は争えんのう」ってオチだったら(良い意味で趣味が悪くて)まだ良かったんだけどそこまでは描写ナシ。
なんかスタァライトとシュガーライフを足して10で割って雨水で1000倍に薄めたような感じ。

ってか「生きろ」ってシーンでシスターまで加わってるのは何で!?
別の平行世界ではチヒロと親しかったこともあった…ってことか?
財団側に居たタトゥー男は…協会側のドゥクスと対の存在とか?ループを俯瞰で見れる傍観者というか観察者みたいな。
最後チンゴに耳打ちしてたけど、チンゴ自体が大した行動しない役立たずのゴミ集団だしなぁ…。

まぁ一番ハラ立つのは、ああいう世界設定にしておきながら「民衆の声」が全然無いこと。
じゃあもう東京隔絶なんてするなよと。
折角ジャーナリストが居たんだから、そいつの発表した記事を読んで感想を述べる民衆とか、やりゃあいいのに。
(例:時代劇で鼠小僧の活躍を載せた瓦版が飛び交い、大半の民草は鼠小僧素晴らしい・義賊だと称える中、長屋の偏屈な親父はあんなの所詮盗人だと断じる、みたいなの){/netabare}

総評・↑と被る文章も多いのでこれだけ見れば良いかも{netabare}
単に胸糞にするだけでその扱い・回収が雑。
東京隔絶は意味無かったし主人公&ヒロインは意志薄弱だしジャーナリストはアホだしシスターは雑魚だし後半ピアニスト無双だし。
財団と協会それとチンゴ国禍による3勢力による主張のぶつかり合いかと思ったらそんなことは無く、チンゴ居る意味無ければ財団に至っては親父の個人的な理由にすり替わる始末。

“ハッピーシュガーライフ”で思ったけど、普通の中に潜む深淵だからこそサイコじゃねーのん?と思ってまして。
“殺戮の~”のザックなんか大声で威嚇すればいいってタイプで、実はこういうのって大して怖くない(実際に側に居たらたまったもんじゃないが)。
一見常識人っぽく見えて、気を許して付き合ってみたらトンでもない側面を見てしまった、って方がコワイ。
マトモだと思ってた友人が突如新興宗教にハマった時のショックとか、誰もが経験ありそうな気がするんだが…今あいつどうしてるんだろう。
でもってこの作品、最初の常識そのものがズレてて…顕著なのは「どんな理由であれ正当防衛は認めない」って思想に染まってる(それを常識だと思ってる)らしく、もうそこからズレちゃっててついてけない。
ジャーナリストが中盤までずっと主人公をネチネチと嫌味ったらしく責め立て、いざ「どうしてそんなことをしてたか?」を明かされても全く共感できなかった。
コンサート会場に来た観客を化け物に変えときながら、それにトドメ刺したら人殺し呼ばわりももう意味不明。
更にはエエケツ側の事情しか見せないものだから民衆からどう思われてるかサッパリ分からない。
分からないもんだから協会が財団を攻めないのが不自然に思えても「民衆を敵に回すことになるからかな?」と好意的解釈してたんだけど、それもすぐに限界。
チンゴ国禍なんて「お前らがもっと早くから手を尽くさなかったせいでこんな事態になったんだぞ」と責められて然るべきだと思うし、それこそチンゴの理念に背くことなんじゃねーの?
偉そうにふん反り返って傍観してる間に大変なことになって、最終回でノコノコ出てきても間抜けにしか見えない。
タトゥー男が財団側に居る観測者(協会側のドゥクスの対)であるなら、今度はチンゴに鞍替えってオチは妥当っちゃあ妥当なんだろうけど、いかんせん説明が足りない。

謎なのはこんなキャラクターの印象悪くする内容って、原作(ゲーム)の宣伝としてはどうなんだろう?
あー、これは“ウィクロス”も謎で仕方ないんだけどさ。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

なんかこう、懐メロを聞いている気分(笑)

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
格闘ゲームのアニメ化(未プレイ)。このジャンルで、成功した例は多くない気がします。やはり、「誰が強くて誰が弱い」としにくいからでしょうか。

最近の作品の中ではかなり作画が悪く、そこで大きく評価を落としてしまったという印象。原作ファンの方がどう評価するのかが気になりますね♪


《以下ネタバレ》

【視聴断念(4話まで)】
{netabare}
冒頭をクライマックス(悲劇的な)バトルから始める構成が効果的なのは、

「序盤の平和な日常が、尊いものに感じたり、なぜなんな風になるんだろう? と疑問を持たせることができる」

点ですね。一方、セルフネタバレから始めるわけだから、新鮮な驚きはなくなる。だからこそ、1話1話の中に飽きさせない工夫(引き)が必要になってくるわけだけど、、、そんなん関係なしのパワープレイでしたね(苦笑)

てっきり、10話か11話あたりで冒頭に戻ると思っていたら、まさか4話で戻るとはw 1~3話で世界観の説明と登場人物の紹介を駆け足で行いクライマックスに持ち込む最短ルート。確かにこれなら、冒頭で少しでも見せとかないと、(更に)呆気にとられそうですね。

、、、つまんなかったですね(苦笑) 何が興味を引かないかって、まず、

「作画の悪さ」

が際立ちます。単純に絵がヘタってわけじゃなくて、とにかく動かない(作画の枚数減らしたいからなのか、動かす気がない)のと、基本的にみんなが立ち話。直立不動で順番に状況説明をしているから、朗読劇みたいな印象を受けました。次に、

「キャラデザや設定がダサい」

(事実そうなんですが)ホントに10数年前に流行ったようなキャラデザや設定。今(2018)、放送する必要があったのかな? なんとなく、「Re:CREATORS」に出てくる作中作品をアニメ化したみたいな、そんな印象を感じました(笑)

まあ、色々低クオリティな作品でしたが、一貫して古くさかったため、なんか、むか~し、ちょっとだけ流行った曲(例えば、「Lifetime Respect」や「海雪」的なやつ)が、街中で急に流れてきて、ちょっと嬉しくなるというか、ほっこりするというか、そんな感じを受けました(笑)

まあ、だからといって、今さら何度も聴くほどじゃないというか、アニメも12話も完走できるだけの原動力にはなりませんでしたね(苦笑)
{/netabare}

【余談~ 剣道通信簿w ~】
{netabare}
第1話冒頭シーンから。

×→面金(めんがね)という、剣道の面の前面を覆う金属製の格子の本数が少なすぎる。通常は13~14本くらいだけど、アニメでは6本。あれだと竹刀が面の中に入って失明していまいそうです。

×→防具の紐は、乳革(ちかわ)という革製の紐に括られるんですが、それが面にも胴にも付いてない。てかあれ、どこに紐をくってけてるの?

×→面を打つのに、背中まで振りかぶって打つことはない。あれやると、面だれ(面の、肩部分にくるところ)に引っ掛かるし。つか、左手の握りを甘くしないとあんなに振りかぶれません。大きく振りかぶったとしても45~60度くらいです。

×××→右小手を内側から打っても一本になりません、ルール上。刃筋立っていないし、左手が正中線からずれてるし、左足前だし。素人か。

××→垂れネーム(名札みたいなやつ)つけてないのはダメですね。つか、垂れもでかすぎて笑えます。通常の3倍はあるね。

○→練習終了後、小手を面の中に入れたのは正しい。私達もそうやって運びます。


と、いうことで、評価は1.5ってところですかね、5段階で(笑) もう少しちゃんと取材をしましょう♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
厨二バトル? 作画のせいか、なんか安っぽい。クライマックスバトルを導入にもってくる系ね。電気や水道は良いとして、食料は? 今時珍しいくらい安っぽい1話だな~。

2話目
落ち着けるわけないやん(笑) 朝飯をかっこむ時の、謎のシャカシャカ音(苦笑) いや~、なんか安いな~w

3話目
この2つの対立構造、rewriteに近いものがあるな。

4話目
3話くらいすっ飛ばしたかと思った(笑) 1話冒頭のシーンに戻ったわけだけれども、てっきり10話か11話かなと思ったのに(苦笑)

5話目


6話目


7話目


8話目


9話目


10話目


11話目


12話目


13話目

{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 21

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

運命(さだめ)も勝てぬ愛がある…

この作品は原作がアーケードゲームだったようですが未プレイです。
アーケードゲームというと、「ストリートファイターⅡ」の様なゲームセンターのゲームをイメージしてしまいますが、専用筐体に手持ちのカードを読み込ませながら戦うという、私の様なオッサンにはまるでイメージできない遊びの様です。
この作品はそのゲームのアニメ版…ということになる訳です。
元々ゲームには決まったストーリーが無いから物語はアニオリだったのでしょう…
だから強引な展開はなかったと思います。

物語の舞台は2030年の東京で、高周波・大音量の共鳴音と赤い霧の発生により、その音を聞いた生物が全て気絶するという「大共鳴」という事件からこの物語は幕を開けます。
時間の経過に伴い人々は気絶状態から快方されましたが、赤い霧の影響で行き来が寸断されてしまい、登場を中心に赤い霧で覆われた範囲が孤立してしまったのです。

そして同じ頃…霧の中で大共鳴から目覚めた一部の人に「英血の器」という能力が備わっていることが発覚し、「英血の器」同士の争いに発展しながら物語が動いていきます。

ダークファンタジー系の作品で設定はありきたり…
それに次々と人が死んでいくので、視聴にはそういう耐性も必要かも…
実は私も一時他の作品の視聴が追い付かず、本作品まで手が届かなかった時期があったので、レビューに際しては第1話から再度一気見しました。

キャラデザは悪くありませんが、身体から武器が生えたり自由自在に空を飛んだり…
対峙する組織も三竦みとこれといって設定上特筆すべき点は無いかと…

でも、見て良かったと思える点が私には2つありました。
1つ目は、私のレビューではありきたりになるのですが、起用されている声優陣が凄かったこと…

3つの組織に所属する役を演じた声優さんは以下の通りなのですが、改めて見てもやっぱり凄い面々です。
聖マルディウス教会
・梶裕貴さん、日野聡さん、かやのん、あおちゃん
AVAL科学財団
・福圓美里さん、諏訪部順一さん、寺島拓篤さん、三木眞一郎さん、斎藤千和さん
鎮護国禍
・ほっちゃん、石田彰さん、小林ゆうさん、くぎゅ、サトリナ
一つだけ分からなかったのが、ドゥクス役が乃木坂46の井上小百合だったことくらいかな。
…調べてみると、本作は「LORD of VERMILION IV」と同一で、
メインキャラクターおよびその担当声優も続投しているんだそうです。
どうりで、配役が凄い訳です。

もう一つは視聴者に対するメッセージが一貫している上、強烈だったこと…
そのメッセージは「生きろ!」です。
どんな状況に陥っても、生きることを絶対に諦めないこと…
諦めない限り、必ず活路を見い出すことができる、というものでした。
シンプルで分かりやすいメッセージだったと思います。

その一方、トラブルの起きる動機がイマイチだったのは残念ポイント…
イマイチというか、目の前で起こっている大惨事に対して全く釣り合いが感じられませんでした。
エンディングも個人的には私好みではなかったかな…
ですが、半端ない声優陣が物語上のマイナス面をあっさりと打ち消してくれるんです。
これを「会心の演技」と言うんですよね。

ダークファンタジーを好んで視聴する方なら満喫できる作品だと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、May'nさんの「天使よ故郷を聞け」
エンディングテーマは、JUNNAさんの「紅く、絶望の花。」
オープニング、エンディングとも格好良い曲でした。

1クール全12話の物語でした。
声優さんの凄さが感じられる作品なので、推しの声優さんが出演しているなら是非チェックして欲しいと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14
ページの先頭へ