師匠で異世界なおすすめアニメランキング 19

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早速見ていきましょう!

86.6 1 師匠で異世界なアニメランキング1位
葬送のフリーレン(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (471)
1551人が棚に入れました
勇者ヒンメルたちと共に、10年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。 千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。 その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。 その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

(最終)ひとつのアイデア →もう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華

【レビューNo.114】((最終レビュー)初回登録:2024/3/23)
コミック原作で2023年作品。全28話。
元々娘がコミックを買っていたので原作既読です。コミックは「マンガ大賞
2021」を受賞するなど前評判も高く、後はいつアニメ化されるかって話でした
がついにきましたね。

(ストーリー)
勇者ヒンメル、僧侶ハイター、戦士アイゼン、魔法使いフリーレンら勇者パー
ティー4人は、10年間もの旅路の果てに魔王を倒して王都に凱旋する。
ヒンメルら人間にとっては10年は感慨深いものがあったが、1000年は軽く生き
る長命種のエルフであるフリーレンにとっては、ほんのひとときであった。
あれから50年、流星群を観るために4人は再会を果たすが、見た目は全く変わら
ないフリーレンに対し、ヒンメルら人間は随分と年を取っていた。
(ドワーフのアイゼンはそれほどでもなかったが)
そして間もなくヒンメルが天寿を全うする。
彼の葬儀でフリーレンは自分がヒンメルについて何も知らず、知ろうともしな
かったことに気付いて涙する。その悲しみに困惑したフリーレンは、人間を知
るためと魔法収集のために旅に出る。
それから更に20年後、フリーレンは老い先短いハイターを訪ねる。ハイターは
戦災孤児のフェルンを引き取って育てていた。ハイターはフェルンのことを弟
子にするようフリーレンに依頼するのだが・・・
これは人間を知るために、人間と交わり旅をする彼女と新たな仲間達の物語。

(評 価)
・第1-4話:フリーレンの世界観がしっかり再現された製作陣の仕事ぶりに◎
 {netabare}・マッドハウスの本気度を感じさせる精力的な動き
  ・金曜ロードショーで2時間(4話分)を一挙放送
   昔から第1話1時間拡大ってのはありましたが、「推しの子」の90分を凌
   ぐ2時間拡大スペシャルで勝負にきました。しかもまだ他作品が出そろっ
   ていない9月中にぶっ込んでくるなど、かなり精力的な動きが見られます。
  ・連続2クールまで明言
   コロナ以降分割2クールの作品が格段に増えましたが、一気に連続2クー
   ルで放送することも明言!
   初回の作画もかなり力が入っていましたが、これを最後まで維持できる
   力があるのか、視聴者としては嬉しい限りですが、逆にちょっと心配な
   部分もあります。
   とはいえ、賽は投げられました。後はマッドハウス頑張れと。
  ・OPに「YOASOBI」
   OPは「勇者/YOASOBI」と、いやーこの辺も抜かりないですなw

 ・フリーレンの世界観がしっかり再現された製作陣の仕事ぶりに◎
  正直本作は「面白可笑しくテンポよく」という作品ではないので、その辺
  りどうなのかと心配でしたが、本当に原作のもつ「緩やかな空気」や「間」
  といったものをしっかり意識して作っているなという、作品の理解度の高
  さに驚きました。4話分の放送で(コミック1巻+2巻1話の)全8話分を完
  全再現したんじゃないですかね。
  それゆえに初見の方には「テンポが悪い」と映る方もおられそう。
  でもそういう作品じゃないんだよなあ。

 ・何気ないセリフや会話が心に響く
  勇者パーティーにいた頃のフリーレンは(どうせ彼女にとってはひととき
  の出来事に過ぎないとして)他人には無関心でしたが、今振り返るとあの
  時の何気ない言葉たちにいろいろな思いが込められていたことに気付かさ
  れます。
  {netabare}また2話の「ヒンメル像のために蒼月草を見つける」エピソードでは、
  フリーレン「もう少し探したら切り上げるよ。」
  フェルン「もう少しって何年ですか?」
  という2人の時間に対する感覚の違いも巧み表現されるなど、こういう細か
  いセリフ回しとかも実にいい。
  (この花を見つけるエピソード自体も素晴らしい){/netabare}
  そしてアイゼンとの会話
  {netabare}「お前は人の時間を気にするような奴じゃなかった。」
  という下りも、人と交わり他人を気遣うようになったフリーレンを上手く
  表現しており、こういうところも巧みだなっと。{/netabare}

 ・戦闘シーンも丁度よかった
  {netabare}異世界の魔法使いの話ながらも戦闘が話のメインじゃないんですよね。そう
  いう意味でも3話の初めての魔族との戦闘シーンも派手過ぎず、地味過ぎず
  作品の世界観にマッチした、程よいバランスで描かれていたと思います。
  {netabare}(ここでもこの魔族が封印されていた間に80年が経過、その間にこの魔族の
   強力な攻撃魔法を研究し、新たな防御魔法を開発(魔族の「たった80年か」
   に対し、人間の営みを舐めるな!的な)人間と魔族の時間感覚の違いを上
   手く表現している。){/netabare}{/netabare}

 初回2時間スペシャルでしたがそれほど長さも感じさせず、それでいて原作の
 もつ空気感も壊すことなく、上々の滑り出しだったと思います。作画もよかっ
 たですし。懸案事項とすれば、
 ・上述の通り、連続2クールなので作画がこのレベルを維持できるのか。
  (それに落とさず放送できるのか)
 ・(気が早いですが)原作未完なので、どうしてもラストが・・・
  それに2クールなので、原作の大半を消費しそうで、2期があっても数年後に
  になりそう。
 という感じでしょうか。
 まずは制作陣の素晴らしい仕事ぶりに拍手喝采というところですね。{/netabare}

・第5-8話:他の異世界モノと一線を画す練られた世界観 →アニメはアニメで面白い
 {netabare}>フリーレンの世界観がしっかり再現された製作陣の仕事ぶりに◎
 5話では逆に
 「忠実さを意識しすぎて窮屈になっていないか?!」
 という不安もあったのですが、以降はエンジンがかかってきて
 「アニメとしての面白さがきちんと表現されている」
 という印象ですね。

 ・会話劇がちゃんと面白い
  「人間を知る」というのがフリーレンのテーマになっていて、そうなると
  必然的に会話劇がキモとなるわけですが、
  ・原作のセリフの秀逸さを活かしつつ
  ・種﨑敦美さんの名演
  ・それを支える他のキャラとのキャッチボールの上手さ(共演者も◎)
  ・その他アニメ的な細やかな演出
  等でちゃんとアニメとしての面白さが確立してるなと。

 ・他の異世界モノと一線を画す練られた世界観 →時間経過の描写が秀逸
  8話がかなりよかったと思うのですが、
  ・フリーレン VS ドラート
   「今の魔族はダメだね。実戦経験が少なすぎる」
   ・フリーレンの経験の豊富さは普通の作品でも思いつくところで
   ・上述のセリフも、普通なら「まだまだ青いな」位のセリフで済ませそう
    なところですが、これまでの作品の流れからフリーレンというキャラが
    しっかり確立してるから、いかにもフリーレンらしい言い回しがピタリ
    とハマり
   ・同時にこのセリフが、魔族側にも大きな時間が流れ、しかも人間界と同
    じような問題を抱えているという世界観を的確に表現してるという。
  ・リュグナー VS フェルン・シュタルク
   ・「我々魔族は永い寿命の中で一つの魔法の研究に捧げる」
    普通の作品なら魔族は「生まれながらのチート」で済ますところを、魔
    族側も日々研鑽してるという世界観を提示し
    (その集大成ひとつがクヴァールの魔法「ゾルトラーク」だと)
   ・しかし3話で既にその「ゾルトラーク」は一般魔法レベルに陳腐化してお
    り(人間は防御魔法を開発)、フリーレンはそれを対魔族用の「ゾルト
    ラーク」に改良、今回は更に弟子のフェルンに伝授できるレベルにまで
    解析が進んでいるという時間経過を表現。
    その様をアニメならではの戦闘描写でしっかり面白く魅せるという。
   
  このような感じで、魔族という種族も案外人間臭いんだなという独自の世界
  観を提示しながら、フリーレンの長寿命を単なるヒンメルたちとの死別だけ
  で終わらせるのはなく、魔族の未熟さや魔法の進化といった人間界・魔族界
  それぞれの時間経過という作品全体できちんと昇華されている描写が秀逸。

 そしてリュグナーは思い出す。
 → 歴史上もっとも魔族を葬り去った魔法使い――「葬送のフリーレン」       
 タイトルにはもうひとつの意味が込めらていたと!!
 それをアニメとして最高の演出で印象付けるという・・・
 製作陣の原作の理解度の高さおよびそれをアニメとしていかに面白く魅せるかと
 いう次元までしっかり落とし込まれているなっと。
 「鬼滅」や「呪術」に比べ「戦闘シーンは劣るのかな」という懸念はあったので
 すが、同じ土俵では戦わず
 「『葬送のフリーレン』という作品全体像の中でどう魅せていくか」
 という姿勢は賞賛モノですね。
 原作既読でも「アニメはアニメとして面白い」と感じられる仕事ぶりかなっと。

(追 記)
6話でのフェルンのセリフ
「ちっさ」
の反響がかなり大きいらしいですねwww
・シュタルクで検索すると「シュタルク ちっさ」が候補に挙がる
・育ての親ハイターの「巨●ン」説が浮上
・LINE公式スタンプが発売されるetc{/netabare}

・第9話:あの淡泊な原作での戦闘シーンが・・・アニメはこの水準でやってくれるのか!!
 {netabare}>「鬼滅」や「呪術」に比べ「戦闘シーンは劣るのかな」という懸念はあったので
 >すが、同じ土俵では戦わず
 >「『葬送のフリーレン』という作品全体像の中でどう魅せていくか」
 >という姿勢は賞賛モノですね。

 前回こう書きましたが、すいません前言撤回します!!
 ・リュグナー VS フェルンの魔法戦闘
 ・リーニエ VS シュタルクの近接戦闘
 これ、どっちも「鬼滅」や「呪術」に負けてないでしょ!!
 正直原作の戦闘シーンは淡泊な感じなので(それをウリにしていない)あまり
 期待していなかったのですが、これは度肝を抜かれました。
 この制作陣有能すぎるwww
 こんなに動くとか完全に想定外ですわ。
 ・師匠フリーレン →弟子フェルン
 ・師匠アイゼン →弟子シュタルク
 回想シーンを挟み、その教えをよりどころに強大な魔族に立ち向かう弟子たち
 の激アツ展開もいい。
 それに構成も
 ・Aパートにフリ―レン VS 断頭台のアウラの前哨戦でウオーミングアップ
 ・Bパートで上述全開バトルをぶち込み、時間キッチリに両方とも決着とかw
 「鬼滅」や「呪術」が無駄に戦闘シーンが冗長化してきて、食傷気味になって
 きてるのをみると余計その辺が際立つというか・・・
 最後の決めシーンも8話で魅せたフリーレンが月をバックに夜空に浮ぶ構図を
 今度は弟子のフェルンで再現してみせるとか、ホントいい仕事してますわw

 完全にこの制作陣の作画力を侮ってました。すいません__|\○_
 このシーンだけでもアニメ化の意義が十分あったといえる神回だったかなと。{/netabare} 

・第10-12話:ひとつのアイデア →もう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華
 {netabare}・断頭台のアウラ編
  ・魔族
   ・人間の言葉を操り人間を欺く
   ・魔族は組織を統率するために強さ(魔力量)にて格付けが決まる
    → 魔力の放出を制限するという概念が存在しない
  ・フリーレン
   ・(そこを逆手に取り)魔力の放出を制限して魔族を欺く
  魔法使いにおいては、ある意味魔法を愚弄する卑怯な手段だが、フリーレン
  は「一生を掛けて魔族を欺く」という覚悟を持って挑んでいる。
  「力を隠してのビックリ展開」自体はバトルモノではあるある設定ですが、
  それを細やかな設定や描写で、ひとつのドラマとしてストーリーに落とし込
  んでいる創りは本当に見事。

 ・他のエルフ(クラフト)との出会い
  ・長寿命のエルフゆえに、自分の成してきた正義や偉業を知る者はどんどん
   死んでいく。
  ・だからクラフトは女神を信仰して、死んだら女神に褒めてもらうのだと。
   → 女神を信仰しないフリーレンは、俺が代わり褒めてやる。
  ・回想でハイターにすでに褒められていたことに気付き、遠慮しておくよと。
   → いい友人をもったな
  「長寿命のエルフゆえの寂しさ」というアイデアから
  ・「褒めてやる」という些細なエピソードを細やかに創作し
  ・最後はきちんを勇者パーティーに回帰させ、すでにそんな優しさを受け取っ
   ていたことに改めて気づかされる。
  これも「人を知る」という本作のテーマに沿って、きっちり創り込まれている
  なっと。

 ・剣の里
  ・英雄譚では、ヒンメルがこの地で守られていた「勇者の剣」を見事に引き抜
   き、それを振るい魔王を討伐したとなっているが
  ・実際はヒンメルは「勇者の剣」を引き抜くことが出来なかった。
   それでもヒンメルは魔王を打ち倒し「真の勇者」となった。
   (「真の勇者」が実は「勇者の剣」を引き抜けなかったでは恰好がつかない
    から、そういう英雄譚になった模様w)
  これも「勇者の剣」のネタを逆張り的に創った感がありますが、ここまでのヒ
  ンメルの描写がしっかり出来ているから、
  「あのヒンメルらしいエピソードだな」
  って納得せられてしまうんですよ。物語の全体像がしっかり創り込まれている
  から違和感なく、むしろヒンメルというキャラに積み重ねが生まれるという。

 面白いアイデアや一見いいシーンだな思う作品はあるのですが
 ・アイデアを出したことに満足して、そこで終わってしまっている。
 ・全体像がしっかり練られてないから、いいシーンも「点」にしかならず、むし
  ろ全体像との整合性から違和感すら覚えてしまう。
 というケースが結構多いんですよね。その点本作は
 ・全体像をしっかり練り込んだ上で
 ・ひとつのアイデアをもう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華
 というところがきちんとできているなっと。
 私がレビューでよく使う言葉で
 「きちんと汗をかいている」
 というやつで、だからこそ(「暗殺教室」のレビューでも書きましたが)
 >そこに私たちも心動かされ、 
 >「やっぱりプロのクリエイターは、私たち素人と違って凄い仕事をしてるんだなあ」
 >という制作陣や作品に対するリスペクトが生まれるんだと思うのですよ。
 本作もそれに準ずる作品かなと。
 (逆にその辺をサボり、即効性のある「見映えだけ重視」のシーンに頼り「ドヤ、感動
  的な作品やろ」みたいなのが鼻につく作品には、つい辛口なレビューを書いてしまう
  んだよなw){/netabare}

・第13-14話:新キャラ・僧侶ザインも上手く大局に織り込んでいる
 {netabare}「断頭台のアウラ編」以降地味な展開が続いていますが、あの戦闘シーン
 はある意味「制作陣からの特別ボーナス」って感じで、「人間を知る」と
 いうフリーレンの旅の目的からすると、本来の姿に戻ったって感じですね。

 ・13話からは新キャラ・僧侶ザインが登場。
  「戦士ゴリラ」という冒険に出たまま音信不通となった親友を探すため、
  (兄の親心もあり)暫し同行することになります。
   「酒・たばこ・ギャンブル・女好き」のちょいワルおやじ系ですが
   ・フェルン、シュタルクがまだ「未成熟な子供」なところがあり(で、
    フリーレンは人の心が分からないw)、その関係がギクシャクした
    ところを「大人」としてサポート。
   ・「ハイターとも面識がある」
    こういうフックを持たせることで、フリーレンの回想にスムーズに
    繋げていく一端を担う。
   という感じで、単に目新しさだけでなくしっかり大局に織り込まれて
   いる点はさすがだなっと。

 ・14話も「鏡蓮華の花言葉 → 『久遠の愛』」というアイデアを
  (アクセサリーの装飾モチーフにして)
  ・「フェルン×シュタルク」の誕生日プレゼントという単体のエピソー
   ドだけで終わらせるのではなく
  ・「フリーレン×ヒンメル」の回想 → 指輪のプレゼント
   それまでその指輪に執着がなかったフリーレンが、(アクシデントで)
   扮失した指輪を必死に探すという「人間を知る」というテーマにまで
   落とし込む。
  1話の尺をフルに活用してしっかり創ってきてるなっと。
  それがより際立つように演出なんかも工夫されていて、ちゃんと「アニ
  メとして面白く魅せる」という仕事ぶりでしたし。

 原作既読ながらもその時は見落していた事項を、改めてアニメで観て、こ
 うやってレビューのために言語化してみると、結構新たな発見があるもの
 だなあっとw{/netabare}

・第15-17話:後半「一級魔法使い試験編」に向けての前半の総仕上げ
 {netabare}2クール目に入り、OPが変わったりといよいよ新章に突入かを思わせます
 が、「一級魔法使い試験編」は来週からということで、今回は前半戦の総仕
 上げ。
 
 ・シュタルク回
  オルデン卿の戦死した長男の替え玉を引き受けることになったシュタルク。
  ・オルデン卿のシュタルクや彼を通しての長男への想い
  ・オルデン卿の次男に、優れた兄を持った自分を重ねるシュタルクの想い
  そういったシュタルクを中心にした人物の掘り下げに加え、
  ・社交界でのシュタルク×フェルンの社交ダンスシーン
  アニメ化の意義をしっかり見せつける華やかな作画・演出も良き(^^♪
  
 ・僧侶ザインとの別れ
  元々親友「戦士ゴリラ」を探すために旅立ったザインですので、彼の消息
  の手掛かりを掴んだ彼とはここでお別れです。
  物語的にも「一級魔法使い試験編」までの繋ぎの短編が続く展開の中に、
  新キャラとしてザインを登場させ、彼にしかできない役割を演じさせてい
  たのは上手い構成だったと思います。
  エピソード的にも
  ・親友が「戦士ゴリラ」を名乗り出した理由
   どんな英雄も名前をいつか忘れられてしまう。
   → 忘れられないよう名前のインパクトは大事!
    (ザインは「勇者あごひげ」と命名されたw)
   それが頑固婆さんを介して、ひとつの物語として回収されるという・・・
  ・大人のザインらしい最後の仕事
   フリーレンが苦手とするフェルンとシュタルクの喧嘩の仲裁。
   → そして名言
     「もう付き合っちゃえよ!!」
   へと続くというwww

 ・ヒンメル曰く「僕たちの記憶はフリーレンが未来につれていってくれる」
  ・長寿友達・フォル爺とのやりとりでの一節。
   エルフの長寿命を出オチで終わらせずしっかり活かしてきますねー。
   この辺も死んで名前しか残らない人間、
   ・ヒンメルのように(フルーレンが寂しがらないよう)銅像を残したり
   ・前述「名前のインパクト」勇者ゴリラのエピソード
   と見事にリンクさせ、長寿フリーレンとの対比も綺麗に描写しているな
   っと。
   冒頭のヒンメルのセリフですが、勇者パーティーにいた頃のフリーレン
   には、本当の意味は分からなかったのだろうなと。でも今だから理解で
   きることがある。こういう魅せ方がホント上手いですね。
  ・最後にフェルンが病気になって、フリーレンが手を握るというひとつの
   アイデアから 
   ・実はそれはヒンメル譲りの行為。
    → 前述「僕たちの記憶はフリーレンが未来につれていってくれる」
      がきちんと受け継がれていることを印象付け
   ・でもフェルンは「子供扱いしないで」と拒絶してしまう。
    そしてシュタルクのフォロー。
    → 年頃の娘が若い男の前で子供扱いされるのが恥ずかしかったとい
      う複雑な乙女心を描写し、「人間を知る」という本作のテーマに
      深みを与えている。
   ホントひとつをアイデアをしっかり膨らませているなっと。
   
来週からは「一級魔法使い試験編」が始まりますが、ここまでは(いい意味で
予想外だった)ド肝を抜く戦闘シーンを始め、味わい深い「人間を知る」ハー
トフルなエピソード等、原作のよさを再認識するともに
「アニメはアニメとしてちゃんと面白い」
と思える制作陣の仕事ぶりだったのかなっと。
後半戦も「アニメとして面白い作品」に仕上げにしてもらえればと思います。{/netabare}

・第18-22話:長期連載を明確に意識した流れなのかな
 {netabare}「一級魔法使い試験編」の一次試験を描いていました。
 一部では
 ・「フリーレン」には「バトル展開」は似合わない
 という意見もあるようですが、まあこれだけ原作に人気がでてくるとねえ。
 長期連載を意識すると、いろいろな可能性を模索していく必要があるわけで
 ・今後も使える新キャラを育てていきたい
 ・魔法使いを魅力的にみせるには?
  → 魔法使い同士のバトル展開
 という流れは、ベタながらも一番堅実で王道な展開なのかなっと。
 
 例えば「暗殺教室」のように「中学卒業までの1年間」という明確な終わり
 が定められていれば、そこから逆算してタイムスケジュールに落とし込み
 つつ「一つの色に染め上げていく」というのは可能でしょうが、結局原作
 者も(ラストのイメージは決まっているかのもしれないが)、そこに至る
 までの道は「編集者と手探り」という感じで進めていってる状態だと思う
 ので、どうしても「玉虫色」的になっていくのは避けられないでしょうね。

 それで作品が迷走しだしたら大問題ですが、個人的には
 ・新キャラも魅力的に描かれていた
 ・バトル展開の中にも原作者のこだわりが垣間見れ、世界観は担保されて
  いた
 ということで、よかったのではないかと。
 ただ原作だとバトルシーンが多くなると、漫画に迫力が足りてないのでど
 うしてもトーンダウンしたように感じてしまう部分はあるんですよね。
 しかしアニメでは
 ・原作者の意図は理解しつつ
 ・バトルシーンはきちんと「アニメとしての面白さ」を追求している
 と感じるので、原作越えの面白さがあるのかなっと。
 またアニメ化されたことにより、原作を読んだときには気付かなかった新
 たな発見もあり、原作のよさを再認識したところもありますし。

 ここまでは「アニメ化して大成功」といっていいのでは、と思います。{/netabare}

・第23-26話:原作者の魔法に関する世界観が完璧に確立していることかよく分かる
 {netabare}「一級魔法使い試験編」の二次試験終了いうことで。
 二次試験も
 ・「コピーレン」をはじめとする複製体とのバトルがあちこちで勃発
  → 各キャラを魅力的に描写(幾分冗長感はあったが)
 ・バトル作画ももう何の魔法を使っているのか分からんぐらいに超特盛w
 って感じですが、私が一番印象に残ったのが
 「ユーベルの『だいたい何でも切る魔法』→『レイルザイデン』」
 これを「裁縫」に見立てて解説するシーンですね。

 「分かってることならほぼ言語化できる」
 私の「理解度の尺度」のひとつなんですが、例えば小学生に勉強を教える
 とかなら、分かりやすい例え話等でしっかり言語化して説明できるじゃな
 いですか。
 そういう感覚で、本作では「魔法はイメージ」というセリフがよく出てき
 ますが、それはどういうことなのか
 「原作者の中では魔法に関する世界観が完璧に確立している」
 というのがよく分かるシーンだったなっと。
 このシーン自体は小さなものかもしれませんが、こういうしっかりしたべ
 ースに裏打ちされた描写の積み重ねが、大きな差となって本作独自の世界
 観を創っているのだと思うと、やっぱりプロのクリエイターさんは凄い仕
 事をしているのだとリスペクトしかないですね。
 アニメではこの辺りも上手く魅せていたと思いますし。
 そりゃ面白いはずですわ。

 あとアニメのユーベルさんは、何故か異常にエ●チに見えてしまうんだよなw
 ・たれ目具合や口元などの表情
 ・セリフ回しやネットリした(?)しゃべり方
 ・垣間見えるぶっ飛んだサイコ感(倫理観がとこか壊れているというか)
  (あと謎の脇チラw)
 等なんかアンニュイさがあるというか、妙に色っぽさがあるというか隠し
 きれないエ●チさを感じるんですよね。
 ・胸を盛るとか露出の高さ
 ・喘ぎ声っぽいセリフ
 など、エ●チな作品を創る制作陣はこういう分かりやすいエロさより、ユ
 ーベルさんをしっかり研究するべきだと思いますねw{/netabare}

・第27-28話:最後まで味のある会話劇
 {netabare}・三次試験 →ゼーリエとの面接
 ・試験終了 →別れ、旅立ち
 ということで、会話劇メインでしたが
 ・「フリーレン×ゼーリエ」
  → 2人を介しての「フランメ」という人物像や2人の思想の違いの描写
 ・「フリーレン×ヴィアベル」 
  → 試験では絡むことのなかった2人だが、最後に邂逅
 など各キャラを魅力的に描いていてよかったかなっと。
 今後の再登場も楽しみですし。
 ラストも仰々しく飾り立てする感じではなく、この作品らしい終わり方だ
 ったと思いますし。
 (2期を意識しているというのもありそうですが){/netabare}

(最 終)
原作は結構漫然と読んでたのかな(笑)
アニメ化されたことで原作のよさ
・「人間を知る」というテーマの深さ
・エルフの長寿命を活かした時間経過の描写の妙
・魔法や魔族等に対する独自に確立した概念
などを再発見するところが多かったですね。いやー細部までホントしっかり
考えられているなっと。

そして制作陣の原作の理解度の高さに加え、アニメだからこその表現
・原作では弱かったバトルシーンの特盛
・味のある会話劇
・その他アニメ独自の細やかな描写
など「アニメはアニメとして面白い」をしっかり追求してくれていた仕事ぶ
りだったと思います。
劇中音楽などもよかったと思いますし。
個人的には原作越えでアニメ化大成功という評価ですかね。
いろいろと大変なご時世ですが、いい作品を連続2クールでしっかりみせて
くれるのは本当にありがたいですね。

全体的には
「ひとつのアイデア →もう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華」
というのがしっかりできている、「きちんと汗をかいている」作品だったか
なっと。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 34
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

放送のフリ-レン

マンガとアニメは日本が世界に誇るブンカだ、
なんて言葉がけっこう前からあっちこっちで言われておりまして、
それはまったくそのとおりだと拙も思うのですが、

  『どんな』マンガとアニメでも日本が世界に誇るブンカだ、

というのはチガウ、とも同時に思うところであります。
エロマンガだのキャラパク同人誌だの、
ああいうものまで『ブンカ』だとはちょっと呼びたくありませぬ。
(桂あいりさんは『すごい』と思いますが)

こっからはアニメ限定のハナシです。

昨今のアニメで胸をはって『ブンカ』なんて大層な呼び方ができるのは、
せいぜい一割ぐらいなんじゃないかと拙は愚考するわけです。
あとは、好きなヒトたち(拙含む)だけがひゃあひゃあ言ってヨロコんでいるだけ、
ひらったい言い方をするなら『フーゾク』に属する、
使いすて御免のゴラク嗜好品みたいなモノだと思うんですよね。

もちろん、フーゾクにはフーゾクなりの良さというものがあります。
ヲタク上等、マイナ-上等、
  好きなものをスキと言ってなにが悪いんじゃい、
というのはリッパな主張でありますし、
いちいち他人にとやかく言われる筋合いのものではありません。

  ただ、それだとやっぱり『広がり』を期待するのはキビしいのかな、と。

ふだんアニメをあんまり見ない方々、
あ~でもたまにテレビでやってるジブリとか新海作品はけっこう好きですよ、
ぐらいの方々にとって、
いまの量産型深夜アニメの多くはハードルが走り高跳びみたいなもの。
準備運動もせずに飛べるような高さじゃないんです。

 えっと……なんでこの男の子モテてるんですか?
      こういうキャンキャンした喋り方ってあざとくないんですか?
      騎士ってこういうモノの考え方するものなんですか?
      なんでいまだにハリポタの劣化版みたいなのが製作されてるんですか?
      この「ふっ」とか笑うの、カッコいいんですか?
      ゲームやって遊んでるキャラを見てるだけのアニメって楽しいんですか?
      こんなアイドルとか曲とか、売れる道理ありませんよね?

  みたいなギモン、ふつうに感じるでしょうし、
  そこにナットクできる答えを返すのは至難のワザでもありまする。


そういうライト層の方々にとって本作『葬送のフリーレン』は、
まさに絶好の入り口、
ヌマへの招待状なのではあるまいかと拙は愚考するわけです。

 ・わかりやすく、感情移入しやすい物語設定
 ・顔半分が目、みたいなこともなく親しみやすいキャラデ
 ・自然で、細部まで配慮が行き届いた作画
 ・YOASOBIさんによる、イマドキ的キャッチーなうえ世界観ドンピなOP
 ・情感たっぷりな描写・劇伴、ド迫力でかっこいいバトル演出
 ・種﨑敦美さん(フリーレン)、市ノ瀬加那さん(フェルン)のナチュラルなお芝居

おそらくライト層の方々は『さよ花』すら名前も知らないだろうし、
『江戸前エルフ』なんかアナザープラネット。
ですから『エルフの長寿性』というギミックそのものが、
斬新で惹きつけられる構成になっているとも思うんですよね。

というわけで、深夜アニメに対する典型的なヘンケン、
  顔半分が目の巨乳っ子やロリっ子が、
  使い回しっぽいセリフをきゃんきゃん声で言いながら、
  よくわかんない敵と戦ったりヲタDTの妄想を叶えたりするもの、
みたいな偏見を抱えている方々にとっては、
けっこうドギモを抜かれる作品に仕上がっているのではあるまいかと思うわけです。

映像は、ジブリや新海作品しか知らない方でもナットク・違和感ないレベル。
そして、種﨑さんや市ノ瀬さんのお芝居は、
そうした劇場版よりも、品質がはっきりと『上』ですしね。

  セイユ-のお芝居は『つくった感じ』がする、
  もっと自然でストレートな声やお芝居が欲しいんだよね、
  というのは、昭和から平成初期の認識かと。

  そういう『つくった』お芝居は『求められているから』やってるだけで、
  いまのトップクラスの役者(声優)さんたちは、
  フラットでナチュラルな演技もテレビ俳優さん以上にこなせます。

  実際、本作をじっくり堪能していただくと、
  宮崎駿氏や岡田斗司夫氏がいかにいいかげんなことを言ってるか、
  わかっていただけるんじゃないかしら。

  ちなみに
  市ノ瀬加那さん、今回の種﨑敦美さんとの共演で『一皮むけた』感じですね。

  基礎声質に『ものすごい』天性をもってる方であり、
  先の『水星の魔女』スレッタ役でもそこそこの好演をされてましたが、
  本作は彼女のベストアクトと称してもいいんじゃないかと思います。
  種﨑さんから盗めるだけ盗んで、
  さらにワンランク上の役者を目指して欲しいものであります。

  あと、すぐ死んじゃったけど、
  リ-ニエ演った石見舞菜香さんもヨカッタです。
  (そう言えばこの方、『さよ花』のマキア演ってましたよね)

  アウラ役の竹達彩奈さんは、典型的な深夜ワクのお芝居かな。
  それが『悪い』とは言わないけれど、
  もうちょい、キャリア相応の奥行きを見せて欲しいかもであります。


制作がマッドハウスということで、
いわゆる『画はいいけれどコテっとしている』アニメになりそうなところは、
あの『ぼざろ』の斎藤圭一郎カントクが見事にカバ-。

  斎藤監督って、まだ監督二作目なのにほんとすごいですよね。
  アニメ-タあがりなのに『映像重視・音響軽視』の悪いクセがまったくなく、
  ト-タルバランスの調整力がハンパないです。

  さらなる魅力として、拙的にはフリーレンとフェルンの
   『いちいちわめかないバトル演出』がお気に入り。
  アニメバトルは叫ぶもの、
  みたいな大時代的お約束って、好きじゃないんです。うるさいし。
  てか、こっちの方がカッコいいじゃん。

  斎藤監督は2015年に大学のアニメ科卒だから、まだ30歳ちょいぐらい。
  たぶん、学生のときから既存アニメの良点・悪点を分析し、
  そのうえで『これからのアニメはどうあるべきか』を真剣に考えて、
  作品に落とし込んでいる方なんでしょうね。
  まさに、本作の製作コンセプトにぴったしの方であります。


さて、製作コンセプト、という言葉の並びから申し上げますと、
本作の製作(『制作』じゃないですよ)の狙いは、ずばり
  『アニメライト層の取り込み』
であります(いやいや、そんなん言わんでもわかるがな)。

そのために日テレさんは、
わざわざプライム枠の『金曜ロードショー』を丸ごと空け、
さらに23時からという、
『NANA』以来、17年ぶりとなる一般層の可視聴ワクを、
アニメ専用に新設したわけです。

じゃあ、テレビアニメがライト層を取り込むことによって、
  テレビ局やアニメ制作会社にどういうメリットがあるのか
が気になるところですよね(気にならないヒト、ごめん)。

ここからちょっと、
テレビ局とアニメのビジネス関係について考察を。
本作とはあまり関係ないので、
まるっとネタバレで隠しておきます。
興味と関心のある方だけ、ど~ぞ(言っとくけど、長いです)。
{netabare}


テレビ局のビジネススキームというのは基本的にシンプルで、
  原価○○円で制作・調達した番組を放送し、
  その際にスポンサー企業から△△円の広告料をとって、
  その差益で儲けるもの。
というのがその構造のベースになっております。

一千万円で制作した番組で二千万の広告収入があれば一千万のもうけ。
番組によっては
板を出したり有料配信したりといった二次利用もしていますが、
それは収益構造のメインストリームではなく、
あくまでもプラスアルファ、副次的なビジネスであります。

で、その『制作費=原価』というのは曜日や時間帯によって違い、
より多くの視聴が見込める(広告料がとれる)ゴ-ルデンやプライム枠と、
誰が見んねん、という深夜枠では雲泥の差があります。

といっても昨今の不況やネット広告の隆盛で広告収入が減少しており、
そのぶん、制作費も引き締めの一途。
番組の尺がバラバラなんですが60分枠として換算すると、
  ゴ-ルデン~プライム枠 →1000~3000万円。
  一般日中枠       → 500万以下が多数。
  深夜枠         → 300万未満。100万を切ることも。
みたいな感じですね(もちろん例外いろいろありますが)。

  サッカーのワ-ルド杯みたく放映権料がワリに合わないほど高額な場合、
  同じスタジオ・出演者で前フリ番組を延々とやるのは、
  なんとかト-タル原価を抑えようというナミダぐましい努力であります。

  金曜ゴ-ルデン劇場みたく他社の作品を流す場合の放映権料は、
    国内作品で1500~3000万(60分あたり 750~1500万)
    海外作品で2000~4000万(60分あたり1000~2000万)
  あたりがいまの相場かと(もちろん例外はいろいろありまする)。

ここまで例示した数字というのは、
ひと昔前と比べると二~三割安ぐらいの感じです。

もちろん、いまだにじゃぶじゃぶオカネ使ってる番組もありますが、
基本的に制作費というのは緊縮の一途かと。
だって、クライアントの広告出稿が右肩下がりなんだもの。

  そもそも、番組視聴率がダダさがり。
  ネットなどにとられて若者のテレビ離れなんかも進んでおり、
  ちょっとしたドラマで20%越えなんてイマはもうムカシ。
  番宣ばんばんうっても一ケタ中盤というケースが珍しくありません。

  視聴者が少ないということは、広告効果が低いということ。

  クライアントとしてはそこにじゃぶじゃぶオカネ使うより、
  Web広告みたく視聴者を選んでタ-ゲットに届ける、
  セグメント型の広告媒体に資本を回すのが自然な流れですよね。

  というか、すでに2019年、
  Web広告費の総額がテレビ広告費を上回っているんです。

セグメント広告が主流の現在、
テレビみたいなマス媒体が広告のメインに返り咲くって期待薄ですから、
ト-ゼンこれからも番組制作費はシブくなります。

  ちなみにテレビアニメの制作費というのは、
  きちんと手を入れて作ると一話(30分枠)で1500万ぐらいかかります。
  一時間枠に換算すると3000万円。

  これ、キー局が視聴率15%以上を狙って勝負をかける、
  ゴ-ルデン枠番組なみのお値段です。
  全日帯とか深夜枠で見かけることはまずありえません。

  巷ではアニメ-タの所得が低い理由として
   「テレビ局がしぶちん」
   「広告代理店が中抜き」
  みたいなことがしれっと言われてますが、
  なんでそんなウソ平気な顔して言っちゃうかなあ。

  テレビマンに言わせてみれば、テレビアニメというのは
    制作費がバカ高くてワリに会わない
  不経済なコンテンツなんです。
  視聴率との対比で考えたら、丸抱えなんてゼッタイできませぬ。


じゃあなんでこんなにテレビアニメがたくさん製作されているのかと言うと、
アニメはほとんどが『製作委員会』方式であり、
製作投資のリクープを、
  放映時の広告収入ではなく二次利用・副次収益に頼っている。
というビジネスモデルになっているからであります。

あるマンガがテレビアニメになると、当然ながら認知度が上がります。
すると、だいたいの場合『後から』ケーザイ効果が生まれます。
  出版社   →原作本やムック本が売れる。
  音楽会社  →OP・EDの楽曲が売れる。
  グッズ会社 →関連グッズが売れる。
  映像会社  →板(マニアさんの言う『円盤』)が売れる。
で、そういう『利益の共通する』方々が、
オカネを持ち寄ってアニメを作るのが『製作委員会』であります。
(実際はもっとフクザツなんですが、簡略化して書いてます)

これ、多くの場合、テレビ局にはぜんぜん『うまみ』がありません。
ただ「オレたちが放送してやったからそんなに売れたんだろ」
みたいに強引マイウェイな理屈で、
二次売上げの数%を『局印税』として徴収する場合がありますが、
積極的にアニメを放送する理由にはなりません。

ですから製作委員会は、その放送枠自体を買い取ります。
  このワクの広告代をゼンブ払うから、このアニメを流してください
というハナシですね。これなら局印税も発生しにくいですし。

  この放送枠買い取り代(通称:波代)って、
  深夜枠であっても全国世帯の七割以上をカバ-しようとすると、
  局やワクの深さ・タイミングにもよりますが、
  1ク-ルで五千万~一億円ぐらいかかっちゃいます。

  ですから、地上波はお茶をにごす程度、
  好きな人はネットで見てねえ、
  みたいな作品が増えてきているのもしゃあないところなんです。


で、本作『葬送のフリ-レン』に話を戻しますと、
日テレさんの狙いは『安価でそこそこ視聴率のとれる作品を確保』することであり、
製作側の旨みは『視聴者の幅が広がり二次収益が増える』ことです。


まずは日テレサイドのソロバン勘定から。

  初回は二時間枠ですから、制作費は6000万円ほど。
  製作委員会に入って二割ほど負担したとすると、
  この回の日テレ負担は1200万円ほどだったことになります。

  これは、60分枠に換算すると、600万円。
  ふつうに映画の放映権を買ってくるよりも、かなりおトクです。

  それ以降の各話も二割負担だったとすると、
  各話の負担金は300万円、60分枠換算はやっぱり600万円。
  これは、23時台としてはやや高めの数字で、
  このまんまほったらかしておくと、
  局のエラいさんは、あまりいい顔をしてくれません(視聴率にもよりますが)。

  ただし、アニメは二次使用でお金が戻ってくるシステムです。

  二次利用の収益(DVDなど)の一定割合は、
  出資額に比例して製作委員会で配当されることになります。
  また、この番組は『枠買い』ではないので、
  二次利用売り上げの数%を『局印税』として徴収できます。

  この、出資に対して戻ってくる比率を『リクープ率』と呼びますが、
  これが50%あれば、実質的な制作費負担は60分換算で300万円。
  これは、23時台の番組としては、なかなか優秀です。

  もしも100%返ってきたら、
  なんと制作費負担が実質『タダ』ということになっちゃいます。
  こうなるとシャチョ-賞も夢ではありません。

    出資から回収まで時間がかかるのが難点っちゃ難点ですが、
    いまの超低金利、そして日テレの資金調達力を考えると、
    そんなもん、モンダイのうちに入らないわけで。

  ただし、いまのアニメでリクープ率が100を超えるのは、
  1ク-ルで一本あるかないかぐらいです。
  いわゆる『覇権アニメ』でも、そうカンタンに100には届きません。

  ですが、その場合でも『局印税』があるからある程度は戻りますし、
  制作元のマッドハウスが日テレの連結子会社ですから、
  資本の内部循環ということで、最低限のいいわけは成り立ちます。 

    むかしからこういうソロバン勘定はあったのですが、
    とにかくテレビ局は『報道』『バラエティ』『ドラマ』班が強く、
    なかなか編成さんが枠を開けてくれませんでした。

    ただ、ネットやゲームなど余暇競合商品の台頭で、
    看板ドラマやバラエティの視聴率が軒並み一ケタに落ち込み、
    そういう垣根がどんどん低くなってきてるんですね。

    安く作れて視聴率が取れるんならアニメでもいいんじゃね?的な。
 
    この流れというのは『キメツ』や新海作品の連続ヒットなど、
    ライト層にもテレビアニメ需要がある、という具体的な判断材料が、
    いろいろ出そろってきたのが大きいかも知れませぬ。
    (『キメツ』、フジにとられちゃいましたしね)

  劇場版ではなくテレビアニメを
  ふだんから見る習慣のある視聴者が増えてくれれば、
  視聴期待対象者(タ-ゲット)の母数が大きくなりますから、
  いろいろなリスクがさらに低減できます。
  そうなると『低コストでそこそこ視聴率がとれる』勝利の方程式の完成です。

  だからこそ初回に金曜ロードショー枠で、
  まずは作品の視聴体験者の母数を稼ごうとしたんですよね。

  ちなみに本作の世帯視聴率は、
    初回(ゴ-ルデン枠)で 6.8%
    その後の通常(23時枠)で 4.4%(9話速報値)
  と、一般番組と遜色ないどころか『そこそこいい』数字です。
    そして、9話(実質6話)まできているのに、
    ワク違いの初回放送と比較して減衰率35%というのがスゴい。
    想定以上なんじゃないかしら。

  同じ23時からやっているテレ東さんの『SPY×FAMILY』は、
    2.6%。(5話速報値)
  これも決してダメな数字とは言えません。テレ東さんだし。
  ただ、日テレさんの戦略、
    金曜ロードショー枠を使って視聴体験者の母数を増やす
  みたいな仕掛けをしておりませんので、
  ただ23時にやってるだけなのがしんどいところです。

  というわけで、
  いまのところ(11月9日時点)では、目論見どおりの推移ですね。
  担当者は「してやったり」とニンマリし、
  ドラマ班やバラエティ班は苦虫かみつぶしていることでしょう。良き。


で、テレビ局から離れて制作サイドのメリットを考えた場合ですが、
こちらもかなり『おいしいスキーム』になっております。
局印税ぐらいヨロコんで払っちゃう。

  ひと昔前は、視聴率なんて極論『どっちでもよかった』んです。
  というのも、
  リクープの大半を板の売り上げに依存する体質であり、
  『一度放送したアニメを二話5~8000円で購入する』層というのは、
  かなり限られていましたからね。

    視聴率4%で板が2000枚しか売れないアニメよりも、
    視聴率1%で板が6000枚売れるアニメの方がダンゼンもうかる、
    というトホホなビジネススキームだったわけです。

    ナニコレ的な一部ヲタク向けアニメがいまでも多いのは、
    そういう背景があるからなんですよね。
    (だから枠買いしないとテレビ局が流してくんないわけで)

  ところが、いまはネット配信がリクープで重要な位置を占めてきました。
  二話でウン千円なんてとても払う気のない方でも、
  ちょっと面白そうじゃん、で気軽に手が出せるようになってきたんです。

  市場ケ-ザイのイロハとして、
  低価格帯商品というのは、認知度と売り上げが準比例いたしますから、
  こうなると、最初にパイを広げた方がダンゼン有利です。
  さらに、ムリしてヲタ受けを『狙わない』方が需要が見込めますから、
    ちっ、またこんなん作るのかよ
  なんて制作や役者さんがグチを言う機会も減ろうかというもの。

  さらに商品化(絵柄のライセンス供与ビジネス)も、
  これだけ作品の知名度があがると、
  限られたアニメ関連商品のグッズ業者だけでなく
  大手メーカーとのタイアップが充分すぎるほど期待できます。
  (あいつら『知名度』に笑っちゃうほど弱いですから)

  また、本作は絵柄・テイスト的に、海外番販にうってつけなんですよね。
  年齢制限はもちろんかかるんですが、
  ナルトやワンピースぐらいしか見ていない海外ライト層にも、
  きっちりささるものと思われます。
  担当者が相当なアホでない限り、かなりの海外収益が見込めるんじゃないかしら。


というわけで、本作に関してはいまのところ、
テレビ局と製作委員会はWinWinな感じになっております。

テレビ局の番組制作費緊縮が加速する昨今、
製作委員会がネギしょってやってくるアニメが注目されているのは確か。
テレ東の『スパファミ』みたく23時台、
ひょっとしたら22時台というプライム枠にさえ、
アニメが登場する可能性が『ない』とは言い切れない状況なんですよね。
{/netabare}


とまあ、かなり『いいことばっか』書きましたが、
こういうビジネススキームを継続的に成立させるためには、
  ライト層にもマニア層にもささる
アニメを供給し続けることが必須条件となってまいります。

テレビは数字が全ての世界ですから、
はっきり言って『視聴率次第』の下剋上。

23時台のワクを開けて視聴率1%台が続いたりしたら、
いかに制作費が安くても、
次の編成でワクそのものが『おとりつぶし』になっちゃったりするんですよね。

  ご参考までに『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』(フジ23:15~)は、
  平均して7%超えという驚異的な数字でした。
  局のエラいさんのアタマにはこれがしっかりインプットされており、
    さっさと二匹目のドジョ-をさがさんかい
  みたいな側面がなきにしもあらずかと(経営者はムリ言ってなんぼです)。

まあ、いきなりキメツがムリなのはわかってもらえても、
この時間帯のワクを維持するためには、
少なくともスパファミぐらいの数字(2.6%)は維持しなきゃいけない、
というのがリアルなところなんじゃないかしら、

それって、
昨今のアニメ事情をよくよくご存じの方にとっては、
けっこうキビしいハードルに思えるのではと拙は愚考いたします。

  マニアにもライト層にも安心しておススメできて、
  なおかつ減衰率抑えめでそこそこの視聴率がとれるアニメ

なんて、1ク-ルに数本あるかないかってハナシですしね。
アニメ慣れした視点だと良作はもっとあるんですか、
ライト層がハマりそう、という条件がけっこうキビしいんです。

本作『葬送のフリ-レン』と同じスキームでやって、
同等かそれ以上の結果が出せそうなのって、
今年度だと『リコリコ』か『推しの子』ぐらいしか思いつきません。
(あれ、独立局でやったのもったいなかったですよね)

  やっぱ『ヴィンサガ』とか重いしなあ……
  逆に『スキロ-』みたいのが『のだめ』的にウケるかも……
  あ、『無職転生』ならひょっとしていけるか。
  いやいや、そもそもキメツって、なんでバズったんだ?

  なんて考え始めると、とっちらかって収拾つかなくなってしまいます。

日本人は、決してアニメが『きらい』な民族ではありません。
映画の興行収入歴代ランキングで、
  ベスト20のうち14作品がアニメ(3DCG含む)
なんて国、ほかにないんじゃないかしら。
それなのに、
ライト層に安心しておススメできるテレビアニメが存外少ないんですよね。

彼らは『ふつうのドラマ』と同じ視点で見ますし、
マニア層みたく原作者や制作者に身内カンカクでゲタをはかせ、
曖昧さやいいかげんさを許してくれるといった寛容さはありません。

中国人が有り難がってマツタケ食べるとか騎士が土下座をするとか、
そういう基本的な考証ミスを
  『これは架空の国、ファンタジー世界だからいいんだよっ』
なんてリクツでは許してくれませんし、
モテ要素のない男の子のハ-レム展開なんか、たぶん理解不能です。

テイストはファンタジーでもSFでもラブコメでもなんでもいいんです。
ほんと、面白きゃなんでもいいんですが、
ちゃんとした考証と共感できる人物造形は必須条件。
  「いやなら見んな」
とか言われたら、はいはいそうですかと見るのをやめるだけのハナシです。

  拙自身、個人的には『だいすき』なんだけれど、
  だからといってライト層の方々にはおススメできないなあ、
  なんて作品が、ほんとたくさんあります。

  好きなものをスキというのは何も恥ずかしいことではないのですが、
  布教活動は控えめにするというのが、
  現実社会の荒波をのりこえていく一つのコツではないかと思ってもみたり。
  (あにこれは別よ、もちろん)


とはいえ、本作『葬送のフリ-レン』がライト層にもズバっとささり、
大きな成功を収めるだろうというのは、ほぼ既定路線。
二匹目、三匹目のどぜう狙いは、トーゼン『ある』と予想されます。

キ-局が出資してマスマーケットを狙う作品と、
これまでどおり狭い世界の中で、
ニッチなマ-ケットを狙う作品の二極化が進んでいくんじゃないかしら。

10年後ぐらいにアニメ史をふりかえったとき、
ひょっとしたら本作の放送が
エポックメイキングな出来事として語られているかも知れません。

  そんなことを妄想したりしながら
  次の放送をココロ待ちにしているワタクシなのでした。
  乱文駄文、そして長文、ほんとにほんとにごめんなさいね。



以下、オマケです(本作ほとんどカンケ-ありません)。
ほんと、単なるネタなので、
おヒマな方だけ開いてやってくださいまし。
{netabare}

本作のヒロイン『フリ-レン』の名前って、
拙はかってに英語で”Freelen”だと思い込み、
  自由な欧州水泳連盟ってなんだろ?
とか思ってたら、
ドイツ語で”Frieren(凍っている)”だったんですね。

いや、無知とはほんとおそろしいものであります。
というか、
ナマエの音だけでイミを判断するのって難しいですよね。

  ちなみに日本でよくある名前『雄大(ゆうだい)』は、
  英語圏の方々の耳には
  ”You die(おまえ、死ね)”としか聞こえないそうです。

  良く晴れた秋の日のセントラルパーク、
  やさしそうなお母さんが小さな男の子を追いかけながら、
   「おまえ死ね、おまえ死ね」
  と連呼している光景って、とってもシュールだと思いませんか?

  あと、日本名の『麻生(あそう)』さんは、
  残念ながら”asshole”に聞こえちゃうそうです。

  もしも麻生雄大さんがハイウエイでごついポリスに止められ、
  名前を聞かれて
   ” You die,asshole”
  なんて言っちゃうとタイヘンなことになりますので、
  全国の麻生雄大さん、渡米の際はくれぐれもお気をつけくださいまし。
  (気のつけよう、ないんですけどね)
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 28
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

心象の花々

レビューではさんざん迷走したものの(汗)、
本作は間違いなく、近年のアニメ界における最高の収穫だと思います。
自分の迷走の原因はむしろ、普通に賞賛の言葉を重ねても意味がない気がして、
無駄に気難しい観方をしたり、無理に深堀りしようとしたためでした。
硬直した思考でこの作品を論評してはならない・・・多分。

その反省を踏まえ、アプローチをぐっと変えて総括に臨みます。

まず取り上げておきたいのは、「花」のメタファーについて。

そもそも人間のいのちの短さ、儚さを「花」によって象徴することは、
記紀神話のコノハナサクヤヒメ以来、本邦にも連綿と続く伝統があるように、
人類史の始まりから存続している最もポピュラーなシンボライズであるゆえ、
本作にそれが及んでいたとしても何ら不思議はないわけですが、
敢えて言挙げするのも気が引ける位、ベタな感じがするのも確かです(笑)。

それでも書いておかねばならないと思った理由は、最終二話にありました。

あらためて言うまでもなく、「千年生きてきたエルフ」という本作のヒロイン設定は、
必然的に物語に二つの視点を導き入れます。すなわち、

エルフ視点で見たときの人間の「儚さ」。
人間視点で見たときのエルフの「孤独」。

驚くべきことに、最終盤でこの両者を同時に我々に示して見せたのはフリーレンではなく、
彼女と対峙したゼーリエの方だったのです。これには意表を突かれました。
・・・というわけで、第27話終盤の場面から繙いてみることにします。



{netabare}二人の対面は、全編のクライマックスとも言うべき"対決"となります。
愚弄し挑発するゼーリエ。それを淡々と受け流すフリーレン。
そのやり取りの中で、きわめて重要なある経緯が明らかになります。
かつて、ヒンメルがフリーレンを仲間に選んだ、その理由について。

「きっとこれはただの偶然に過ぎないことだけれども、
 ヒンメルたちと出会わせてくれたのは
 先生が教えてくれたくだらない魔法だよ。」

本人が述懐するように、ヒンメル少年との偶然の出会いと、
偶然見せた「花畑を出す魔法」がのちに彼らを結びつけるきっかけとなります。
それは魔王討伐の旅というだけではなく、彼女を人間の世界へ、
人間の「時間」へと向かわせるベクトルを内包した、いわば運命の分岐点でした。

こうして「仲間にめぐまれた」フリーレンとは対照的な、孤独なゼーリエの姿を、
皮肉にもこの同じ魔法が照射する、その仔細を辿ってみます。


さて、この対話中、ある花のカットが挿入されます。
六枚の花弁のある白い花。明らかにフランメの墓を包んでいた花畑の花で、
フランメを暗示するメタファーと捉えて問題ないでしょう。が、
実はこのメタファーには、さらに深化した意味合いを含んだ"展開型"が存在します。

フェルンの面接の際、魔力の揺らぎを見破った彼女にゼーリエが弟子入りを促す。
その場面でほんの一瞬、水に散る白い花びらのカットが現れます。
例のフランメの花らしく、ラストシーンでもう一度、意味深に映されます。

さらに回をまたいだ次の最終話、デンケンとの面接の場面にも引き継がれますが、
そのシーンの内容と付き合わせて含意を推測すると、おそらくこのイメージは
老い、衰え、散ってゆくいのちの儚さ、つまりは人間の宿命を暗示しているようです。

ただここでは、単に暗示の意味対象や内容を知るのみでは十分ではなく、
重要なのはこの散った花びらがある「心象」を表現していることなのです。
「心象」とは文字通り、「心」の「象(かたど)り」。具体物に託して表象される心の在り様。

では、それは誰の「心」なのか?

花びらが映る直前、フェルンに向けられたゼーリエの眼差しが捉えられます。
この流れから想像するに、花びらはゼーリエの抱く心象と見て間違いないでしょう。
おそらく、彼女が弟子をもつ度に経験してきた死別の哀しみが、フェルンを見て一瞬、
予感のように心をよぎった・・・そう、自分は解釈しています。
(最終話の、水面の花びらを足ですくったり、指につまんで吹き飛ばしたりする仕草には、
常に先立たれる者の虚しさとやり切れなさが表れています。)

そのゼーリエの「心」がすべて明かされるのが最終話。
フリーレンがレルネンに伝えた内容として、前回の場面の続きが再現されます。

ゼーリエの前から退く間際、フリーレンが問いかける。

 「この花畑、魔法で作られたものだ。・・・先生が好きだった魔法だ。
  くだらない魔法だって言っていなかったっけ?」

この皮肉に対してゼーリエは意外なほど率直に、自分の心情を打ち明けます。

 「・・・フリーレン、なぜかわたしは弟子をとって後悔したことは一度もないんだ。」

広壮な屋内庭園の内部にある、フランメが好きだった魔法で作られた花畑。
その中にはフランメを象徴する(生前好きだった?)白い花も混じっています。
その花々を眺めながら亡き弟子たちの一人一人を思い出し、彼らの短かったいのちを想う。
ここがそんな追憶の場所であったことが、彼女の言葉から想像できるのです。


では、なぜこんなイメージの読み解きが必要なのか?
それは、ゼーリエとフリーレンとが実はパラレルな関係にあること、
つまり彼女もまた「葬送のゼーリエ」だったという事実、
その理解をとおして、作品全体を基調音のように一貫する「葬送」のモチーフが、
漠然とした雰囲気ではなく、実感的に把握できるようになるからです。

作中にあらわれる花のモチーフは、フランメの花畑もヒンメルの蒼月草も、
いずれもフリーレンが関わった大切な人間たちの記憶と結びついています。
さらにここにゼーリエの「花びら」が加わることによって、「花」のイメージは
エルフが人間に対して抱く普遍的な「心象」へと昇華され、同時に、
本作の「葬送」のドラマもまた、普遍的な「追憶の物語」に深化されるのです。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


さて、あらためて俯瞰してみると、本作の物語には二つの軸があり、
それらが絡み合いながらストーリーが紡がれていきます。
すなわち「魔法」、そして「旅」。

それはそのまま、フリーレンの生きてきた軌跡に当てはまります。
生ける伝説となった魔法使いは、魔法の世界ではひとり孤独だった。
彼女を解放し、新しい世界に触れるきっかけとなったのは、仲間たちとの旅。

 ― フリーレンさまは何故、魔法を集めているのですか?
 ― 私の集めた魔法を褒めてくれた馬鹿がいた。それだけだよ。
 ― くだらない理由ですね。
 ― そうだね。

"くだらない"魔法をよろこんでくれる、馬鹿な人間の仲間と出会ったことで
フリーレンは孤独な一人遊びから脱け出すことができました。

旅は自由な世界。そして魔法もまたそうあるべきだ、と彼女は考える。
作品が高く掲げるものは、自由の価値。関係の意味。そして運命の可塑性。

・・・個人的には一応、こんな総括が可能ではないかと思うのです。{/netabare}



以上、一応の総括も済ませたので、あとは自分の趣味に走ります(笑)。

ぶっちゃけ本作の理解については、いまだに解消されない不全感が残っており、
本質的と思われるポイントを我流に言語化することで、それに決着をつけたい考えです。
実は本稿には、その準備作業の意味もありました。

これまでフリーレンとの「対照性」が際立っていたゼーリエが
「葬送のゼーリエ」となったことで、対比関係が「対称性」に移行します。
「対照(コントラスト)」と「対称(シンメトリー)」。
前面にあるのは見やすい「対照」であっても、その根底に「対称」が潜んでいる。
ここが着眼点になります。

このシンメトリーの構図は、作品全体にわたって読み取れるものではないか。
あるいは着想の基盤となるような汎用性がそこには認められるのではないか。
つまり、作品を読み解く一つの鍵として有効なのではないか。・・・

こうした観点からあらためて本作を見直すと、
そもそも物語自体がこの構図に基いた構造になっていることに気づかされます。
かつてと今、フリーレンの二つの旅がパラレルに並行するストーリー。
そこでは過去と現在は対立せず、対比的に、さらには相関的に描かれています。
しかも、同じルートを辿り直すという、明確な対称性をも示しています。

この「対称性」を解読格子に用いた読解を試みようというわけですが、
それによって本作のユニークな個性の一端、具体的に言うと
旅や回想に伴うあの独特の"空気"や"手触り"を、説明できるのではないかと思うからです。

「魔法はイメージ」だそうですし、魔法に限らずイマジネーションは大切です。
この言葉に倣い、なるべく具体性のあるイメージに即して、
覚書(ノート)風のものを少しばかり追加していこうと考えています。


以下に過去レビューの二回分を付け足しておきます。
最初の分は第2話のエピソードを、主に演出に寄せて読み解いたもので、
今回のレビューの内容をテーマ面から補足するという意味で、残しておくことにします。
序盤が終わったころの投稿だけに、ネタバレ対策が鬱陶しいですが悪しからず…。

もう一つはつい先日のものですが、まさしく硬直した論評の実例です。
難癖をつけているみたいで書いた当人も後味が悪く、削除決定済みなのですが、
参考としてもうしばらく恥を晒しておきます。



「蒼月草と青い魔法」


{netabare}原作の世界を過不足なく再現することが基本コンセプトのようだが、
自分がたまたま気づいた、アニメ独自の創意が認められる部分について書こうと思う。

アニメの第2話Bパート。原作では第3話「蒼月草」。
とりわけ色彩の効果には、並々ならぬ力の入れ具合が感じられた。
紅葉した深秋の森と、蒼月草のコバルトブルーの鮮やかな対比が実に印象的だ、
勿論、原作には色はついていないわけで、アニメの強みを生かした
視覚的なインパクトを狙ったというような、単純な理由だけでもなさそうだ。

アニメでは原作にはない魔法が一つ追加されているのである。
足跡を魔法で浮き上がらせるというもので、こちらもサファイアのような青色になる。
そしてこのとき、杖の魔法石(?)がいつもの赤色から青色に変わっている。

ここに気づいたとき、いつもの如く我流の深読みを触発されてしまった。
と言うのも、初回四話をまとめて観た直後に勢いあまって原作の既刊分を一気に通読し、
抽出してみたシェーマに、この演出がぴたりと嵌まっているように感じられたからである。
以下には要旨だけをメモ風に記しておく。


「葬送のフリーレン」。

このタイトルに二重の意味があることを、原作既読の方はすでにご存知だろう。

作品全体を俯瞰したとき、そこに認められる二つのフェーズ、すなわち、「闘争」と「平和」。
これら二つのベクトルの二面性を、このタイトルが表しているものとまずは仮定したい。

今話のエピソードには、このシェーマが分有されていると考えられる。
一方の「平和」は表層に、他方の「闘争」は深層部から、予見的に読み取ることができる。

エピソードの中心となるのはフリーレンの「花畑を出す魔法」である。
その場面。勇者パーティーが佇んでいる場所は、戦いで無残に破壊された聖堂。
フリーレンの魔法によって、荒廃した堂内も周囲も一面に花で覆いつくされ、
歓喜した一同は子供のように無邪気に花々と戯れる。

実はここには、アニメオリジナルの演出がある。
原作では魔法で花畑に変わるのは、何もない荒地のような場所だった。
したがって、ここに一つの創意が加えられていること、
その意図が明らかに「平和」への願望を表現するものであること、
つまり、この演出には一つの解釈が含まれているということ、などが解る。
解釈とはフリーレンの魔法について、さらに具体的には「花畑を出す魔法」についてである。

そもそも今話で語られている蒼月草のエピソードには、
単にヒンメルにまつわる思い出話にとどまらずに、
フリーレンの魔法の本質を示唆する、極めて重要な内容が含まれているのである。

フェルンとの対話を順を追って引用する。

  フリーレン様は本当に魔法がお好きなのですね。
  ほどほどだよ。フェルンと同じで。
  少し違うような気がします。
  同じだよ。

 (蒼月草の花を咲かせる魔法は)ヒンメル様のためですか?
  いや、きっと自分のためだ。

  フリーレンさまは何故、魔法を集めているのですか?
  (・・・・・)
  私の集めた魔法を褒めてくれた馬鹿がいた。それだけだよ。
  くだらない理由ですね。
  そうだね。

この「そうだね」の時に見せたフリーレンの含みのある表情を、アニメではさらに強調していて、
「くだらない」にこめられたアイロニカルなニュアンスを示そうとしている。これも解釈の一環である。
(あまり使われない言葉だが、「韜晦」というのがしっくりくる気がする。)

ここで暗示的にほのめかされた事実がはっきりと明示されるのは、先取りになるが、
原作3巻の21、22話。そしてこの21、22話こそは、物語の核心となる最重要部分である。
そして、フリーレンの魔法が孕む「闘争」の契機を見出せるのはまさしくそこなのだ。

フリーレンの魔法に関わる隠された真実が明らかになる。(原作未読の方は要注意。)

一千年の間、一瞬の休みもなく、彼女は
魔族を欺き殺すのための魔法の修練を行い、「復讐のための魔法」を鍛えつづけている。

それこそが「闘争」の魔法に他ならない。

その常軌を逸した、異常なまでの執念に触れたとき、
われわれははじめて、彼女が生きてきた千年という時間の生々しい手応えを感じとる。
同時に、このキャラクターの実存の深淵を垣間見た思いがするのだ。

"くだらない"魔法への彼女の執着は、この秘密を踏まえてはじめて理解される。
すなわち、"くだらない"魔法とは、「闘争の魔法」の対極にある、「平和の魔法」のことなのだ。

フェルンに語ったように、彼女が魔法を収集する最大の動機が
"くだらない"魔法を褒めてくれた「馬鹿」たちとの思い出だったとしても、同時に、
この極限的な緊張から生じる反動が、それを求めさせているのだろうと考えずにはいられない。
「きっと自分のためだ」という言葉は、そのことを言っているのではないだろうか。

魔法は「ほどほど」に好き、という抑えた表現にも、この外部からは見えない背景に絡んだ、
魔法に対するアンビバレンツな、複雑な心情が滲んでいると見ることができる。

だから、「花畑を出す魔法」とはまさに、求められた「平和の魔法」の精髄なのである。
そして、この解釈を踏まえて演出家は、「平和」のシンボルカラーとしての青色を
このエピソードの全体に散りばめたのだろうと思う。

今話に限ってなら、「平和の魔法」は「青い魔法」とも言い換えられるだろう。
それはフリーレンにとってもフェルンにとっても、純粋に、心から愛すべき魔法のことでもある。
フリーレンの言葉をきっかけにフェルンが思い出す、ハイターとともに見た幻の蝶の飛翔も
やはり透明で幻想的な青色をしていた。

因みに「花畑を出す魔法」は、22話に再び登場する。と言うより、そこでその原点が語られる。
それは本作の「葬送」のモチーフの一変奏であり、その最も美しい結晶でもある。


要するに、第2話Bパートの演出は、色彩を用いたシンボリズムによって
作品の本質を表象しようとしたのではないか、ということを言いたかったのである。

序盤で示された時間、および死をめぐるテーマ性が軸糸であるとすれば、
ここで導入される闘争ー平和のシェーマは、ストーリーを織り成していく横糸と言えるかも知れない。
この解釈の当否はさておき、遠からずアニメでもタイトルのもう一つの意味が明らかになり、
そこを転換点として物語は第二の「闘争」のフェーズに突入することになる。{/netabare}



「旅の動機」


{netabare}「私はもっと人間を知ろうと思う」・・・こうフリーレンは言った。
実はこの時点ですでに自分は妙な違和感を覚えていた。

確かに展開としては理に適っている。が、心理的にはやや不自然に感じられた。
何やらメタ臭がするのは、これから始まる旅の物語の「テーマ」を宣言しているからで、
それは作品の本質ないし表現意図に関わる本物の「テーマ」とは別物である。
(一見テーマ風でキャッチーな文言なり設定なりを初手でいきなり掲げて、
視聴者をまずは取り込んでしまおうとする、昨今頻発するこうした手口を
自分は冗談半分に「陽動」などと呼んでいる。)

このセリフを踏まえ、本作の旅は「人間を知る旅」という風にまとめられている。が、
そうした公式な「目的」の表明に飽き足らず、その奥にあるべき「動機」に自分は思いを馳せた。
キャラクターの行動と心情とがストーリーを織り成す従来の一般的な物語ならば、
内在する「心情」と外在化した「行動」とを結ぶ「動機」を掘り起こして
キャラクターの「内面」を読み解くのがストーリー解釈の定石であって、
自分でも馬鹿の一つ覚えみたいにこだわってきた部分である。

実はわざわざ掘り起こすまでもなく、公式に表明されたものが見つかるのだ。
第一クールのオープニングテーマ、「勇者」。
このサビの部分の歌詞に、「動機」となった心情がストレートに言い表されている。

   同じ途を選んだ
   それだけだったはずなのに
   いつの間にかどうして
   頬を伝う涙の理由(わけ)をもっと
   知りたいんだ
   ・・・

フリーレンの旅の「動機」、それは「後悔」である。
ヒンメルの死に際して涙とともに漏らした言葉、「私、この人の事を何も知らない」、
「なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう…」。
未知の感情が内部に生じ、それが何なのかを知ろうとする心の衝迫。
つまり、「人間を知る旅」の本質は「自らの心を知る」旅なのである。
"実存"風に言い換えると、体験の「原点」を見つめ、反復しつづける内面の旅、となる。


さて、問題は第13話「同族嫌悪」だった。
この回のエピソードで描かれた、自分から積極的に他人の背中を押すという、
らしからぬ行動についても、この方向での解釈をまずは試みてみた。

「私は今の話をしているんだよ。」

このセリフが解釈のポイントになる。
この「今」はザインにとっての「今」であると同時に、フリーレンにとっての「今」でもある。
ヒンメルの死に際して感じた深い後悔を抱いて、かつての仲間たちの想いをたどる旅に向かった。
そして、過去と向き合い、対話をつづける旅の時間が彼女の「今」となっている。
彼女を突き動かしたのはこの、"いま"、持続している後悔だったのではないか。

ところが第17話で、本人の口から背中を押した理由が説明されてみると、
「ヒンメルならこうした。」の一言で、あっさりと片づけられてしまった。
当時のヒンメルの役割を今度は自分が引き受けるというだけの単純な話であって、
つまりは、過去の経験だけが問題になっていて、現在はそこに反映されていないのだ。
私は"いま"の話をしているんだよっ‼

かつてのヒンメルと現在のフリーレンをシンクロさせた演出が見られたが、これも、
単に同じ立場に立ったという意味だとしたら、さすがに薄っぺらくはないだろうか?
内面化されたヒンメルの存在が彼女の「今」を導いている、と自分は理解していたのだが…。
結局、自らの経験に基づいてアドバイスや勧誘をしただけの話になってしまい、
それならば林先生の「今でしょ!」と同じようなものではないか。
「楽しかったでしょ?」なんて、まるでリア充な言い草にも勝手にガッカリして、
このヒロインへの興味が急激に薄れてしまった・・・といったような経緯があったのだ。


どうやら自分はドラマチックに考え過ぎていたようだ。
要するにフリーレンは"物語的"なヒロインではなかったのである。
すなわち、この作品の本質を最初から見誤っていたということになる。
従来の物語とは組成が異なるという前提に立って解釈し直すべきところだろう。

例えば、作中で展開されるのは「ドラマ」ではなく、「芝居」なのだと割り切ってみる。
そうするといろいろと腑に落ちる点がある。

ストーリーは「語られる」ものである。
対して、芝居とは「見せる」もの、役者が「魅せる」ものだ。

メインの三人は言うに及ばず、かつての仲間たちや
一級試験編で大挙して登場した面々もそれぞれ味のある役者っぷりを発揮している。
従来の物語のキャラクターにはない独特の存在感、ライブ感のようなものが感じられて、
二次創作界隈が大変な盛り上がりを見せているのも当然と思われる。

また、これは本作の会話劇としての一面も説明するものだろう。
よく練られたセリフで簡明に表出される心の機微。コミカルなやり取りの挿入や、
「間」を含めたテンポによってそれはさらに生かされ、本作の魅力を形づくっている。
一場のエピソードを名言風のセリフで締め括るパターンなども芝居である。

「芝居」という表現にはネガティブなニュアンスもあるが、
ここではフラットに観察された特徴を端的に言い表しているだけである。
同様に「雰囲気アニメ」という評言も、本作にはそのままの意味で当てはまると思っている。
質の高い作画と見事な劇伴とが相まって醸し出すファンタジーの雰囲気だけでも、
自立した作品世界として完成している。そういう肯定的な意味合いであって、
自分はストーリー以上にそちらの方を高く評価している。{/netabare}



2024. 4. 24

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17

71.5 2 師匠で異世界なアニメランキング2位
転生したら剣でした(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (249)
807人が棚に入れました
転生したら剣でした――。 「知性を持つ武器(インテリジェンス・ウェポン)」と呼ばれる”剣“として異世界に転生した彼は、装備者との出会いを夢見ながら、孤独にスキル収集に励んでいた。 ある時、迂闊にも魔力を吸収される「枯渇の森」へ踏み入り、一歩も動けなくなってしまう。途方に暮れる中、奴隷として虐げられていた黒猫族の少女フランに出会う。 フランは巨大な魔獣に襲われ、絶体絶命の危機に陥っていた。彼女は眼前に突き刺さっていた彼を引き抜き、その力で窮地を脱すると、彼を「師匠」と名付けて正式に装備者となるのだった。 冒険者となったフランと師匠は、お互いにスキルを磨きながらクエストをこなしていく。フランは強さの果てにある「進化」を目指すために、師匠は少女の「願い」を叶えるために。 猫耳少女と親バカな剣の大冒険が始まる!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

再評価。キャラの独自性は評価できますが、設定のテンプレは減点要素。

23年10月 再視聴…といってもポイントポイントを飛ばし見ですけど。4点以上の異世界転生ものは冷静に考えると相当良い作りじゃないと付けられないなあと思い本作を再評価しました。

 本作は4.1をつけてました。で、見なおしてもちゃんと面白いです。面白いですけど、ストーリー4.5とキャラ5はないですね。声優も調整点で4.5でした。
 展開は悪くないですがやはり設定をテンプレに頼っている点で独自性がマイナスです。そして2期発表は好感がもてますが熱が冷めるのでストーリーは3.5に修正します。

 キャラで4.5を超える水準はよほど独自性があるか作り込まれてないとなあと思いました。異世界のテンプレを2.5スタートとすると、剣という無機物に転生するのは目新しいのでその点ではいいし、ヒロインのフランちゃんにちゃんの魅力と背景・暗い過去など厚みがあることはいいので4とします。
 声優は、声優さんそのものは可もなく不可もなく。調整点でストーリーとキャラの中間…ですが作品の出来は悪くはないので4とします。


以下 初回レビューです。

「あれ?13話は?」というのが率直な感想です。せっかく面白い作品だったのに、尻切れトンボにしても旅立って終わりならまだよかったと思います。余計な次の展開部分を入れてきました。これが2期めをやるというアナウンスと同時なら許せますが、決まってないなら入れるべきではないでしょう。

 もはや異世界もののテンプレになった手法ですが、誰が得する?となると出版社なのかなあ…と思うと急激に冷めてしまいます。「つづきはWEBで」の販促にしても作品ありきでちゃんと結末をつける方向でやってくれないかなあ。
 こういうモヤモヤする終わり方だとコミックや小説に誘導できるデータとかあるんでしょうか?私に対しては少なくとも逆効果かも。

「転スラ」「盾の勇者」「魔王様リトライ」などこの手法でどんどん作品の価値を落としていっていますし…すごい作品だった「シャドウハウス」も2期楽しみにしてたのに、2期の1話みたらもう集中力が持たなくなっていました。


 さて、本作については、フランと師匠のキャラ造形と掛け合い、父的な視線でフラン萌えで見られる作品作り、完全な俺TUEEEでないところ、展開のテンポの良さなど非常に面白いアニメでした。
 異世界転生した人物に感情移入しつつ、がんばるのは娘的なヒロインというのが目新しかったです。

 作画は高級ではないですが、無難な水準は保っていたし、2人の声優さんも良かったと思います。2期情報あれば評価は変えるかもしれません。

 最終回のせいで評価はかなり落ちていますが、しかし、楽しませてもらったし、低評価を付けるのもどうかと思いますので、楽しんだ分客観的な評価はしますが、うらぎられた感が強く主観的には80点できてたのが55点になった気分です。


追記 2期決定!!??ガセじゃないよね??尻切れトンボ最悪評価撤回。

 あれユーチューブに2期決定報が…なんか本物っぽいですね。このタイミングは不幸中の幸いです。だったら、高評価です。是非、冷める前に半年くらいで来てほしいけど、1年でしょうね。とにかく、尻切れトンボの意味がわかったのでその減点は撤回です。

 ただ、アニメ作りすぎてどれが当たりになるのか読めない制作者が増えすぎですね。2クールのリスクで作らないとやっぱり作品に対する熱量とか構成の面で失敗するかもしれません。
 それに、原作の面白さが読めないというのは、どういうことでしょう?本当に駄作ばかりになるので、そこはちゃんとやって欲しいです。

 とはいえ、フランちゃん最高!ということで高評価でお願いします。
 

以下 視聴時のレビューです。

 

4話 テンプレ異世界を楽しみつつ、「父」として娘の成長を見守る。

{netabare}  3話まで見てレビューしようと思っていたら、なんと無料配信のサブスクがありません。アベマでかろうじて、1,2、4話を無料で見られました。キンドルのアンリミテッドでコミック5話まで読み放題できたので補完はできました。

 さて、モロに「転スラ」「蜘蛛」と同じか?と思っていましたらそうでもなかったです。ロリキャラではありますが、父性的な立ち位置なのでいいですね。「魔王様リトライ」や「うちの娘のためなら」のような感じです。

 大事なのは、ヒロインを「父」として暖かく見る目です。本作のキャラ萌えはこの点が大事でしょうね。

「剣」なのでフロイト的な男性性の象徴もちょっと想像しなくはなかったですが、それはない感じです。

 そして、更に「ギルド、スキル、レベル上げ」要素がかなり強いテンプレ異世界の構造なのも、「頭を空にして純粋に楽しむ」という点でいいと思います。設定は気にする必要がありません。

 ということで、暖かい気持ちでヒロインの成長を見守りつつ、テンプレで頭を空にして楽しむ、という作品でエンタメとしていい出来に仕上がっていると思います。多分、アベマで強制的に毎週見ざるを得ないので見ると思います。なお、コミック5巻まで読みましたが、そこまでは結構面白かったです。 {/netabare}


7話 フランちゃんのような娘が欲しいです。

{netabare} 無料期間のおかげで今のところ全部見られています。アベマに感謝を。で、私は完全にキャラ萌えです。本作の成功要因は剣が主役ではない、あるいは主役だとしても視点が完全にフランちゃんになっていることでしょう。
 つまり、剣の視点は視聴者の視点。それも父の視点になっています。物語世界の構造がそのままこちらの視線になっているということで、これが最高です。この剣の気持、フランちゃんを娘として守りたい、育てたい、喜ばせたいという気持ちに完全に同化できます。

 フランちゃんは、可愛いというかけなげというか、何より謙虚です。この謙虚さがフランちゃんの最大の魅力です。
 それに加えてフランちゃんは、ハンバーグとカレーを喜んで、メインデッシュとか言っている姿も可愛くて良きです。

 ストーリー展開も次週につなげる展開が上手いですね。不愉快な引き延ばしでなく次に何がおきるんだろうという楽しみがちゃんとあります。やっぱり「異世界転生もの」が、つまらなくなったのではなく、工夫の無いテンプレが乱造されすぎてカテゴリーの価値を落としてるんでしょうね。本作のようなテンプレでも、面白くキャラ萌えできる作品なら異世界モノはアニメ作品とは相性が良く楽しめます。

 視聴中は評価点付けないのでここでいいますけど、キャラは5点です。本当は5点満点で10点あげたい。 {/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

何よりも感性という絶対基準こそが肝要であります

●進化論という学説は進化せずむしろ退化してるという矛盾
結論は、所謂なろう系の典型と言うべき作品でありました。

全般的にかなり緩く、ソフト路線のファンタジーの傾向が強く
更にその上異世界転生もの特有のステータス値設定にその説明が延々と繰り返されるのを
見るのはかなり苦痛であり、生理的にも受けつけないというのは極めて個人的な
問題なのかもしれませんが、物語的に特に惹きつけられるような要素がまるでなかった
というのは、流石なろう系と言うべきなのかもしれません。

ケモ耳キャラに全く魅力を感じない体質というのもあるのかもしれませんが
インテリジェンスウェポンである剣というキャラにもエルフ族の自称ママにも
共感できる要素がまるでないというは逆に驚きの結果であります。

単にキャラが微妙という話に尽きるのではなく、大量生産された
ゲーム的な薄っぺらい世界観の中である種の使命を負ったとしても
その使命にしても命がけのやり取りにしても、ゲーム設定的な軽さが作用し
あらゆる行動・発言に重みが出ず、見てる側にもリアルなものとして伝わってこない
というのが本作最大のマイナス要因であったような気がいたしました。

空回りして滑っていくような物語感覚はある意味斬新でありますが、
異世界転生もの作品に秘められた謎を解くために見てるだけの当方としましては
最後までついていくのは至難の業でありました。

本作を見て得られた唯一の成果は「進化」という概念が異世界転生ものでも
重要ということでありますが、もしも続編があるとしたら異世界転生と「進化」について
明確に描いてくれることを期待したいところであります。

●「グルメ」の道化師が踊る世界
みんな大好き!の例のカレーを作る回でありましたが、何故かハンバーグを {netabare} 作る
シーンもあるという意図不明な描写に脱力感を大いに被った次第であります。

料理の基本味付けは塩胡椒であり、この加減がかなり重要な要素であるはずなのですが
どういうわけか省略していたり、ハンバーグのつなぎにパン粉を入れるも水分がないと
つなぎとして機能せずにパテがボロボロに崩れ去る運命がん無視だったり…
材料の準備もなしにデミグラスソースがあっという間に完成してしまったりと
兎に角突っ込見所満載で突っ込み切れない話にございます。

肝心のカレーも、恐らくは日本人一般になじみある英国由来のシチューが原型の煮込み料理を
作ろうとしているのだと思われますが、だとしたら小麦粉でルウを作らないと
始まらないという話であります。

煮込み料理の旨味は出汁にあるわけですから、野菜を多く入れその旨味を引き出す以外に
道はなく、スパイス適当にぶち込んだらそれが旨味に変わるとかいう出鱈目な発想は通用しません。

アニメに限ったことではないのかもしれないですが、中途半端にグルメを語りたがる
お笑い芸人みたいな道化師たちが、リアクションのみでごり押しする料理の祭典の世界、
そこには夢があり、ファンタジーがありますが
現実的に他人に喜んでもらえるような美味しい料理作るには、 {/netabare} まずは
基本的なことの習得から始めるべきと個人的には強く進言したく思います。

ゴブリン系三部作と言えば
「ロードス島戦記」と「灰と幻想のグリムガル」と「ゴブリンスレイヤー」でありますが
その中でも「ゴブリンスレイヤー」はファーストインパクトにおいては他作品を圧倒するものの
ストーリーという観点においては二作に大きく後れをとるものであると認識するものにございます。

そんな「ゴブリンスレイヤー」の劣化版に過ぎない本作に期待が持てるのかと言えば
残念ながら今のところは劣化版のレベルにとどまっているのが実情であります。

ケモ耳ヒロインが可愛いだけという理由で予想外にウケている側面があることは否定しませんが
この程度の全くもってぬるいストーリー展開で「ゴブリンスレイヤー」超えなどとかいうのは
ほぼ不可能と考えるべきでしょう。



異世界転生もの作品に対していちいち突っ込み入れてたらキリがないので
本作に対する突っ込みは自重するつもりでおりました。

これは異世界転生ものに限った話ではないですが
敢えて「その設定」を踏襲する意味ってあるんですか?的な作品が
あまりに多すぎて辟易するばかりであります。

あまりに怪しすぎる異世界転生ものの乱発、ごり押しに対して
その不自然さについてはいい加減気づくべきではないでしょうか?

要するに本作が「異世界転生ものである必然性」が果たして何処にあるのか?
また、他とまるで同じようなゲーム的ステータス値の表示を馬鹿の一つ覚えみたいに
やたらと繰り返す意図とは何でしょうか?という素朴な疑問
そういう疑問を当たり前のように抱ける視聴者の感性はまともであるという話です。

もしも自分の感性に自信がある人は、言語転換することにより必然性を証明してみてください。

感性が塞がれている人は、ある意味目が見えていないのと同じで、
この先の大穴に嵌ることは避けられないでしょう・・・

異世界転生ものでありながらもその意味が不明なら
視聴者とは何を期待して異世界転生ものを見ているのでしょうか?
という話になるように思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

師匠との関係性は良い

{netabare}
C2Cの転生モノ。
初期設定だけテンプレからずらして他はテンプレの踏襲の、作者だけは独自性があると思ってる系転生作品はあまり好きではないけど、まあその中ではよくやってた方じゃないかなと思う。
どうせ人間体になるんだろと思ったら、意外と最後まで剣だった。

良かった点はキャラ。
珍しく、最後まで主人公のそばにいるキャラが師匠一人だったから、フランにとっての師匠の唯一無二感が感じられて良かった。
いざと言うときに唯一頼れるのは師匠だけ。
随所でフランから師匠に対する信頼感が伝わってきた。
師匠からもフランを守りたい気持ちに必死さがあって良い。
師匠はフランの父親的な立ち位置な気がする。
俺TUEEEでもなく、格上のアマンダに立ち向かうなど、向上心のあるフラン。
主人公が一途だから好感が持てたし、そんなフランをフォローする師匠に関しても印象がいい。
ストーリーよりもキャラを重視する人にはかなりいい作品かもしれない。

駄目な点として、俺TUEEEEではないし、主人公も剣ではあるものの、やはりストーリーはなろうのテンプレに感じるところ。
テンプレを感じさせる要素は俺TUEEEEではなくて、中世世界観(ナーロッパ)やゲームっぽい設定、独自性のない敵、分かりやすい対立構造等にあるからなのかな。
この作品も秋アニメの他のなろうと同じくテンプレだった感は否めない。

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆0
親の顔より見た導入。
作者だけは独特なことをやってると思ってるんだろうな。
独特なだけでクソしょうもない設定なのに。
もうこういうのばっかになってしまったなぁ最近のアニメ。
マジで面白くない。何も惹かれない設定。
主人公が違うだけで結局いつものなんだよ。
もう無敵じゃんこの剣。今季こういうの多すぎてため息でるわ。
農民の次につまらん。もうこういうのいいよ。

2話 ☆1
作画の無駄遣い。
結局目的なくダラダラ旅するだけのいつものなろうだよね。
いつものギルド設定。俺TUEEEEじゃない?
てかいつも思うけど冒険者って言う職業はなんだよ。
何でも屋か騎士団でいいだろ。死ぬだろ。いつもの魔石。
脳死ゲーム世界観ほんと嫌い。
部屋めっちゃ汚れそう。いつものチンピラ。
協会内で争いとかあほなんか? EDは名作感ある。

3話 ☆7
アルデラミンみたいなOP まあ不快感は無いなこれ。
作画頑張ってんな。ゴブリン襲撃イベント?

4話 ☆5
邪神ちゃんかな? 結局無双。ガチャ神引き。

5話 ☆7
いつまでゴブリン また俺何かやっちゃいました?
どうせ復活する。一本ぐらい飛んだままなら評価してた。
そんなに俺tueeeじゃないのはいい。
相手噛ませじゃなくて面白いじゃん。

6話 ☆4
戦闘面白いな。普通に復活するんかい。
こういうゲームみたいなスキル設定ほんと嫌い。

7話 ☆4
お前つまんない嘘つくね。はぁ大賢者みたいなのもいるのかよ。
分かりやすい噛ませ 飯食いながら見てんねん汚いなぁ。
成れ果ててて草。

8話 ☆5
天敵じゃなくて仇敵が適切な表現だろ。
なろう主人公がやられてんの珍しいなって思ってしまう。
少ない。イキリモード 即落ち二コマ。一瞬アーニャみたいな喋り方。
取引上手なのか…? どうせならCぐらい行けよ。

9話 ☆6
なろう臭すぎ。親の顔より見た展開。イキリアニメ。
槍って突くだけだから楽そうだな。当たったら死ぬやろこれ。
てか鞭掴めばいいのでは。戦闘面白かったな。
アニメスタッフも有能。

10話 ☆3
ゲームみたいな設定つまんね。テンプレ設定解説コーナー眠い。
これ解説する意味ある? また俺なんかやっちゃいました?
でた、アクシデントw Aランクが何とかしろや。
なろう全般に言えるけど、ダンジョンとかトラップとか誰が作ってるんだよw
魔獣が作れんのか?w 試験もっとちゃんと管理しろや。

11話 ☆8
無能Sランク 剣になんかあるってバレてそう。リョナいいぞ~
モブ男よく生きてるな。モブを適当に殺さんのだけは印象いいわ。
リョナ回。何だかんだちょっと感動した。

12話 ☆6
哀しき過去。また俺なんかやっちゃいました? モブサイコで見た。
進化ってなんだよポケモンかよ。ん?フランの親だったの?
OPで見た飛行。

曲評価(好み)
OP「転生したら剣でした」☆8
ED「more<STRONGLY」☆7
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6

79.6 3 師匠で異世界なアニメランキング3位
転生したらスライムだった件(第2期)(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (550)
2676人が棚に入れました
「転生したらスライムだった件」は、伏瀬さんによって小説投稿サイト「小説家になろう」に掲載されたWeb小説を原作としたTVアニメ。異世界で一匹のスライムに転生した主人公が身につけたスキルを駆使し、知恵と度胸で仲間を増やしていく異世界転生エンターテインメントだ。2018年10月から第1期が2クールで放送され、第2期は2021年1月から放送となることが決定している。

声優・キャラクター
岡咲美保、豊口めぐみ、前野智昭、古川慎、千本木彩花、M・A・O、江口拓也、大塚芳忠、山本兼平、泊明日菜、小林親弘、山口太郎、福島潤、田中理恵、日高里菜、春野杏、櫻井孝宏
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

進化の果てに深化する物語

(2021.4.3最終投稿 2021.8.7改定と推敲)

 第2期 第1部:閑話+全12話 (第24.9話, 第25話~第36話)

 なろう版読了。書籍版、コミカライズは継続愛読中。

 原作ファンである自分にとって、2期はちょうどお気に入りの部分のアニメ化ということで評価ポイントはかなり甘め。コミックと比べてしまうとやや物足りない部分はあるものの、アニメで動き話すキャラたちは第1期と変わらず非常に魅力的。また第1部の全話に関して、重要なポイントは外していないし無駄も少なかったと思う。

 原作を十分咀嚼した、よく練られた構成と脚本だと思える。二回放送延期になったことが、脚本の精査をもたらしたのかもしれない。

 とは言うものの、終盤残り2話のあたりから急に詰め込み感が増して若干不安が湧いた。が、最終的には許容範囲内で収まった。

❮放送前投稿❯
{netabare}
<2020.4.4初投稿分>
{netabare}
 2020年3月22日に公式HPにて発表されたスケジュールは、2020年4月からの転スラ一期再放送の後に

2020年10月 二期 第一部
2021年1月 転スラ日記
2021年4月 二期 第二部

とのこと。なんと、9か月に及ぶ転スラ祭り!

 同期ではログホライズン三期と共に転スラシリーズも今から非常に楽しみにしています。ヒナタがいよいよガッツリ物語に絡む二期。転スラの面白さが加速するだろう。

 ディアブロ、テスタロッサ、カレラ、ウルティマ。スーパーカー由来名の原作の中でも個人的に好きなキャラたち。

 ディアブロは、公開されているキービジュアルでもわかるように二期登場確定。でもその他3名は、1クールでは登場は無理。しかし、上記のように本編は分割2クールの尺なので物語の構成次第では彼女らも登場する可能性があるのも密かな楽しみ。

以下2021.2.17追記

 二期始まって1クール目の丁度半ばの30話まで観て、今期のシリーズ構成は多少の前後の入れ替えはあっても原作を丁寧になぞる方針と受け止めた。この調子だと2クールで最低書籍6巻の最後迄、もしくは途中からペース早めて切りの良い7巻の最後迄が限度かも。

 原作での彼女達の登場は第11巻なので、どう考えても彼女達の今期の登場は無理。こうなるとこのシリーズが3期4期と長く続くことを祈りたい。
{/netabare}
<2020.11.28投稿分>
{netabare}
 2020年5月末、放送・配信開始時期が2020年10月から1クールずれる形での延期発表あり。

第2期第1部が2021年1月から、転スラ日記が2021年4月から、
第2期第2部が2021年7月から放送・配信開始とのこと。

 延期は残念だが、2020年3月発売のコミック14巻限定版付属OADから始まったコミック付属OADは、リムル愛豊かなキャラたちの平和な魔国連邦の日常を描いた、

OAD1「外伝:Mの悲劇?」、OAD2「外伝:HEY!尻!」。

 そしてOAD3以降は、リムルとシズの5人の教え子たちの新エピソードでリムルの教師就任時の強力な原作補完となっている。

 原作:伏瀬書き下ろし完全新作エピソード「外伝:リムルの華麗な教師生活」三部作。(2020.11.27発売のコミック16巻付属のOAD5で完結)

 コメディ要素多めで、なおかつ原作の隙間を埋める独創性が好ましい。リムルのみでなく、アニメオリジナルの魅力ある教師キャラたちとの絡みの中、5人の教え子たちの成長と活躍を堪能できる。

 転スラアニメ1期は、シズ関連描写のアニオリ要素が原作補完で感動アップしたが、さらにこのOADでシズの重要性も深まった。リムルにもちゃんと活躍の場があったし、2期の新キャラも巧く登場させてグッド。そして2期の冒頭に繋がり得るタイミングで終了。

 このOAD三部作のおかげで2期に期待が非常に高まった。来年の放送が楽しみだ。
{/netabare}
{/netabare}
❮各話レビュー❯
{netabare}
◎ 2021年1月初回放送分
★#00-03『24.9 閑話:ヒナタ・サカグチ/25 リムルの忙しい日々/26 獣王国との交易/27 楽園、再び』
{netabare}
<あらすじ>

 三上悟はスライムとして転生してあっという間に二年が経った。

 様々な困難を一つ一つ乗り越え、その転生名リムルの名声は増々拡がり、続々と新たな出会いも生まれる。

 成り行きで興した魔物と人類の共生を目指す国も、順風満帆に発展する。

 異世界でリムルと縁があった故人、シズの遺言にあった地球より召喚された5人の教え子たちの命を救うこともできた。

 そして一時の平和が訪れた。

 周辺諸国との新たな国交樹立とそれらとの交易のチャンス。富国の予感でハッピーな日々。

 しかし、この束の間の安らぎはいつまで続くのだろう?

<波乱の序章>

 アニメと原作では教え子の救済と国交樹立のエピソードは時系列としては逆になる。その結果、国交エピソードは1期ではカットされたが2期で復活した。

 伏線の配置は抜かりないが、敵となる存在はまだ表にはあまり出てきていない。この間に登場したキャラたちは、新旧共に今後重要な役者たちとなろう。

 序破急の構成の妙を感じる。その”序”として活きた4回だったと思う。

 かけがえの無い家族、仲間、場所があるのは幸せなことだ。バカで他愛もない平和な日常も貴重で、いつまでも当たり前にあるとは限らない。やがて訪れる”破"そして"急”の展開で起こる悲劇の悲しみを、より引き立てるために時系列を変えてまでもエピソードを復活させることは必然だったのだろう。

 日常が一旦壊されてしまうと、再び平和に戻るにはエネルギーも時間もかかる。笑顔が消え失せ殺伐とする。ならば先をいそがず、平和の有り難みを噛み締めこの笑顔の一時を楽しみたい。しかし、原作やキャラクターに思い入れがないと話のテンポが悪いと思うかもしれない。

 ところで、ここまで毎回のように登場する大浴場シーンだが、サービスと言うよりキャラたちの親睦を深める人間関係発展の場として有意義に活かしてる。和テイスト満載の露天風呂は、リムルの国の心と富の豊かさの象徴。このシーンはほのぼのとして心地よい。そんな原作とは一味違うアニメの独自性が好ましい。
{/netabare}
◎ 2021年2月初回放送分
★#04『28 謀略のファルムス王国』
{netabare}
<あらすじ>

 リムルは盟主としての大切な外交後、一旦イングラシア王国に戻った。そして教え子たちの無事な進級を見届け、安心して学園を去る準備を始めた。

 リムルが懇意にする大商人ミョルマイルとの商取引も順調で、テンペストは表面上は相変わらず平和な日常は続く。

 一方、魔王クレイマンの陰謀の影、魔国連邦(テンペスト)の軍事力や技術力を脅威と感じる外国勢の存在。それらが具体的に浮き彫りになり、きな臭さが増してきた。

<風雲急を告げる>

 1期の第24話から今回迄で、2期第1部の物語の必要な役者が全員揃った。次回いよいよ物語が大きく動きだしそう。

 アニメでは、リムルが安心して生徒を任せられる先生キャラクターを独自に追加した。今回僅かに登場のティス先生のこと。

 ティス先生はOAD3-5のエピソードで、リムルと生徒たちの信頼を獲得している。彼女と5名の生徒たちがひとつの危機を共に乗り越えることで、お互いに深い絆が生まれた。

 おかげでリムルは、彼女に生徒たちを安心して任せ、国事のため一定期間テンペストに戻ることも出来た。さらに、今回の引き継ぎ描写が自然になる効果もあったと思う。
{/netabare}
★#05『29 災厄の前奏曲』
{netabare}
<あらすじ>

 リムルは未だイングラシア王国に赴いたまま。そんなリムル不在の首都リムルで事件は起こった。

 リムルと連絡も取れず訳も分からないまま、魔国連邦(テンペスト)は未曽有の災禍に見舞われた。

 魔王ミリムによる獣王国ユーザラニアへの宣戦布告の速報と難民受け入れの要請が、獣王国幹部アルビスから届くものの、詳細は不明のまま通信は途中で断絶。

 一方、100名ほどのファルムス王国の武装した騎士団の首都への接近の報告がソウエイから届く。

 街中では、冤罪事案を切っ掛けに引き起こされた工作員との戦闘発生で大混乱となった。

 さらに都市内部から、大魔法・魔法不能領域(アンチマジックエリア)と都市外部から、四方印封魔結界(プリズンフィールド)が、ほぼ同時に首都全体に発動される。

 その二重結界は、人間には無害だが魔物には有害なもの。魔法の無効化により外界と完全遮断。魔素が浄化されることにより魔物は弱体化。テンペストにとって非常に不利な状況となった。

 その他様々な要因が絡み合い状況は混沌へと誘われ、その日、平和な日常は一瞬で壊され笑顔が掻き消された…

《躍進のための組曲 その1”混沌”》

<出る杭は打たれる>

 今回のアニメのサブタイトルは、書籍第5巻の第二章のタイトルからそのまま採用され、その章の後半部分を元に構成された脚本だった。(二章前半部の内容は前回で登場) 今回、主人公リムルの出番が全くないのはその影響が大きいと思われる。

 今回、ヨウムとミュウラン、グルーシスのエピソードは今後の物語上必要で、アニメで丁寧に描かれて安心した。

 リムル単独では乗り越えられない大きな試練が待っている。今期、今までは大賢者の出番があまりなかったが、間もなく大賢者とリムルの最強タッグ再び、となろう。

 テンペストの本当の躍進は、打(伐)たれてからが始まり。ずっと平和なままだと国の進歩も緩慢で、場合によっては停滞してしまうかもしれない。物語としても面白くない。逆境をバネに、試練の苦しみあればこそ、その後の達成の喜びは大きい。

 いよいよお待ちかねのキャラクター参加の次回、アニメでどんな作画で動くのかとても楽しみだ。
{/netabare}
★#06『30 動き出す麗人』
{netabare}
<あらすじ>

 テンペストではファルムス王国の手勢により住民被害が拡大。取り返しのつかない事態が起こっていた。

 一方リムルは、生徒たちと名残惜しい別れをしていた。テンペストで起きていることを全く知らぬリムル。

 そしてリムルとランガは、イングラシア王国から少し離れ、空間転移でテンペストに戻ろうとしたが転移出来ない。

 さらに、ソウエイの分身体からの警告があった。そこで初めて危機を覚るが、さらに周りに違和感が拡大すると…いい迷惑な、全くありがたくない出逢い。

 「初めまして、かな? もうすぐサヨウナラだけど」

 問答無用に魔物にとっての天敵との激闘が始まった。

《躍進のための組曲 その2”激突”》

 今回の様々なバトルシーンはキレがあって好い。前回は作画に若干の手抜きを感じたのだが、今回に注力するためだったのかと勝手に納得。第1クール半ば最大の見せ場として申し分ない。

 全く不満がない訳ではないので大甘だが、今回で作画評価を4.5→5.0に上げた。アニメスタッフの健闘を讃えたい。

<聖騎士団筆頭ヒナタ・サカグチ(坂口日向)>

 思えば彼女は1期の第1オープニングから登場しており、ヒナタを本編で描きたかったスタッフの思い入れが今回の作画に反映されてると思う。

 アニメが3期以上続くことが前提ではあるが、この制作スタッフなら彼女は1期のシズ同様、アニメで原作以上に輝く可能性を感じた。

 2期でリムルとの最終決着まで描けるか、尺的に微妙な気がするがどうだろうか。無理やり詰め込まずこのまま丁寧に3期へ繋げて欲しい。

 リムルとヒナタの会話の応酬は、ヒント垂れ流しで視聴者にヒナタをリムルにけしかけた黒幕が誰か、あからさまに暴露していたようなもの。ミスリードできるキャラも存在してないのでバレバレだ。ユウキ・カグラザカ(神楽坂優樹)しかいない。

 ここであえて黒幕をボカす必要はないと思うのでこれでいい。黒幕が誰であるかよりも、黒幕の陰謀を暴き阻止することの方が大切だから。

 今回、冒頭の生徒たちとのお別れシーンで、ようやく第1期本編最終、第23話の最後と連結した。そのためそのシーンは23話の使い回しが多い。

 見比べると見送りにティス先生が遠景でワンカットだけ参加してたり、ユウキの台詞のある部分をカットしたりと23話とは若干の違いがあって面白い。

 次のリムルがランガに跨り駆け去るシーンは完全別もの。23話制作当時、2期制作が決定していなかった可能性が高いと思われる。

 23話ではヒナタは木陰でリムルたちの会話の観察のみ。当時はキャスト未決定ゆえ、台詞は当然無い。リムルたちが走り去った後もその場に留まったままで、襲撃の機会を見逃したかともとれる。

 今回とはまるで平行世界のようになってしまったが、今となってはこれはご愛嬌と言うものだろう。
{/netabare}
★#07『31 絶望』
{netabare}
<あらすじ>

 リムルはヒナタに完敗した。ヒナタはリムルの消滅を目視して討伐完了と判断、その場から立ち去った。

リムルは戦闘途中、自身の分身体と入れ替わることでヒナタを欺くことに成功、実は九死に一生を得ていた。その後ようやく首都に帰還したが、そこは誰もが悲しみに暮れる街と化していて愕然とする。

 しかし大賢者のサポートで冷静な分析と判断はできるのは不幸中の幸い。幹部たちの言動に何かを隠すかのような含みあれど、それはさておき、リムルは慌てず事実確認と情報収集をすることに...。

《躍進のための組曲 その3”悲壮”》

 今回もポイントを絞った手堅い脚本で安心して楽しめた。ここで浮き彫りになるのは、人間の狡猾で強欲な側面と魔物の単純明快な忠誠心の側面の対比。

 王に実力とカリスマさえあれば、配下は忠誠心揺るがず、裏切りの可能性が低い、優秀な人材豊富なら比較的箱庭ゲーム感覚で維持出来るのが魔物国家。対して優秀な人材豊富でも、その強欲性が厄介で、建国と維持の面倒臭さが倍増の人間国家。

 裏切りの心配と苦労ばかりの人間国家だったら、リムルは王の責任を途中で放棄しているかもしれない。

 リムルの為政者としての責任感とやる気の源は、配下のブレない忠誠心。彼はスライムの特性上、子孫は持てない身だがその代わりテンペストの住民全てを家族のように慈しむ。そんな彼が国家安全保障のために何を決断、実行するのかが今後の見所か。

 ところで、魔王クレイマンは毎度必ず回すワイングラスと共に登場。ここまで徹底したテンプレな悪役画は、狙ったギャグか、と思う反面、深読みすると手のひらで踊らされているのは実はクレイマンだ、と暗喩しているともとれる。
{/netabare}
◎ 2021年3月初回放送分
★#08『32 希望』
{netabare}
<あらすじ>

 リムルはかけがえのない仲間が喪われ絶望しそうになる。しかし、冒険者エレンから一縷の希望が...それは死者の蘇生のお伽噺の類い。

 大賢者はそれを聞き、あとひとつ条件を達成してリムルが進化すれば蘇生も決して不可能ではないと言う。さらに現状の多重結界は、魂拡散防止になり蘇生には都合がいいとのこと。

 リムルに迷いは一切無くなった。かつて出逢ったばかりの魔王ミリムから奨められた存在への進化、しかも蘇生伝承自体もミリム由来のよう。元来、野心の希薄なリムルにとってそんな進化は全く興味ない、と一蹴したことだった。しかし今は最優先で、どんな手段を使っても成し遂げようと決意した。

 失いたくないという一点の想いでリムルは動きだす。布石を打ちながら粛々と、着実に。

 その後、2万の軍隊が首都接近中との報せが届く。それはファルムス王国軍17,000と西方聖教会所属の神殿騎士団3,000の連合軍だった。

 それを知ったリムルは、慌てるどころか穏やかに笑みを浮かべていた。

《躍進のための組曲 その4”黎明”》

 今回も意外性はなくとも安定感がある。25-28話の一見他愛なかった日常描写がここで活き、おかげでリムルに深く感情移入できた。

 さて、祭りのお膳立てが整った。災い転じて福と成すリムルの強運は筋金入りだがそこがいい。
{/netabare}
★#09『33 全てを賭けて』
{netabare}
<あらすじ>

 リムルは自身の前世を皆に打ち明け、人間と共存する理由を述べた。そして人間との今後の具体的なつきあい方を明確に。

 二度と人間に舐められない国家になると、そしてそのために魔王に進化する、と宣言する。

 その第一歩は、犠牲となったテンペスト住民たちの蘇生。そのためには単なる魔王ではなく、真なる魔王(覚醒魔王)への進化が必須であり、それには一万人以上の生け贄(ヨウブン)獲得が不可欠と判明した。

 そこでリムルは作戦を立案。

 都市の結界維持と見張りのため、都市周辺の東西南北四ヵ所に陣取る先遣隊への反撃は、幹部たちに適材適所で任命、三日後に到着する位置で休憩中の二万の軍勢本体には、けじめの意味を込めてリムル単独であたることにした。

《躍進のための組曲 その5”覚悟”》

 出過ぎた杭になって打たれなくなるため、為すべきことは明解。国民の安全保障のため清濁合わせ飲める、薄情でないゆえに非情に徹底できる主人公リムル。しかもその罪と業を自分だけで被ろうとする。

 彼の一切の迷いも力みも無い、明鏡止水の境地は清々しい。原作で転スラがますます好きになった、リムルが真の王となった瞬間のこのエピソード。アニメはこれが含まれたゆえに、個人的に2期の方が1期よりも高評価になった。

 今回は大賢者の出番なし。おかげでリムルは全てを主体的に決断し、その責任は彼一人が被る潔さがある、と伝わる。謙虚だが他への依存がない彼はとても頼もしい。

 嘗てないリムル無双へ...。次回、テンペストの新たな伝説がひとつ生まれる。
{/netabare}
★#10『34 神之怒』
{netabare}
<あらすじ>

 テンペスト幹部たちの怒りは消せない。仲間を大勢殺し、主リムルをコケにした敵。一切の縛りから解き放たれ持てるスキル全開で、因縁の異世界人との雪辱戦を含む大反撃が始まった。

 一方リムルは、ミュウランと同じアンチマジックエリアを発動させ敵側の魔法を無力化した上で、太陽光とレンズを使った、シンプルだが殺傷効果絶大の大魔法·神之怒(メギド)を仕掛けるのだった...

《躍進のための組曲 その6”降臨”》

 今回の一番のお気に入りは、大賢者によるヨウブンのリアルタイムカウント。原作には無いので新鮮だった。アニメならではの臨場感アップと大賢者活躍中アピールに貢献していた。

 次回のサブタイトルは、書籍第5巻の第4章タイトルと同じ。第4章相当エピソードはアニメでは33話から始まっていたが、次回の35話での3話分で第4章を描き切るということだろう。配分として5章にも入りそう。

 つまり次回、アニメ2期のキービジュアル、外伝のTVアニメ第24話とOAD5でお馴染みの悪魔が本編合流確定。リムルとの初対面が楽しみだ。

<転スラは時々奥が深い>

 主人公による敵側の無差別大量殺戮。これは人によっては釈然としないかもしれない。しかし転スラの場合、今後は今回と同じような敵兵の殲滅があっても、リムルによって死者の蘇生が出来るので選択肢は広がり殺人の後味の悪さは多少は軽減されるのが救いだ。

 他者への思いやりを美徳にする平和な日本に住んでると、支配者の駒に使われてる兵士には罪は無い者もいるから慈悲を、などとつい甘く考えてしまう。

 私心無く民の笑顔のため手段を選ばす自らの覇道を守る。リムルは、怒りで我を忘れることもなく、冷静に粛々と為すべきことをしただけ。無益な殺生をしたとは言えない。

 今回のリムルの行動は、老子の言葉「天地に仁なし、万物をもって芻狗(すうく)となす。聖人に仁なし、百姓(ひゃくせい)を以て芻狗となす」を思い出す。

(天地が優勝劣敗弱肉強食にて万物を自然のなりゆきにまかせることは不仁に見えるが、これこそ本当の仁。それと同様、聖人や君子が人々を自然の成り行きにまかせ、ときには、ワラで作った犬を焼き捨てるようなことをするのは一見不仁だが、これこそ本当の仁である、という意味)

 もしアニメ構成上、テンポ重視で前半駆け足で進んでいたら、原作未読の視聴者の多くは敵側へのヘイト不足で、今回の報復内容に納得しきれなかったかもしれない。

 人によっては退屈だったかもしれない構成。テンペスト側の大義名分の確立のために間違いではなかった、と今回新ためて思った。

<今回、皆殺しが外せない既定事項となった理由>

 今後の国家安泰のために、リムルは人類にとって魔王として畏怖されることは好都合だが、その反面、益ある存在としても認識してもらう必要あった。

 しかし今回のように、たった一人で万単位の軍勢をあっという間に殲滅という真実が世に広まると、リムルは全人類共通の極悪非道の悪者として間違いなく確定される。

 故にそうならないよう、真実をねじ曲げ都合良く改竄する必要があった。そのため真実を伝える生き残り、すなわち目撃者を一人たりとも残すわけに行かない。

 結果、進化に必要な定数以外の残り含めた皆殺しが実行され、生き残りは戦後の交渉に必要な戦犯数名のみとなった。

<三者三様の末路>

 今回は、己が力に溺れ増長してしまった末の因果応報とはいえ、異世界人の三名が最大の憐れだったが、彼らの物語からの退場に関して、原作者は非常に巧いと思う。そこには捻りと工夫があった。

 まずキョウヤ・タチバナ(橘 恭弥)。彼は因縁のハクロウの剣技の報復で単純明快に決着。

 次にキララ・ミズタニ(水谷希星)。彼女のスキルは精神干渉に特化しており、体力は普通で戦闘能力は皆無ゆえにテントで待機していた所、ゲルドによって追い込まれたショウゴ・タグチ(田口 省吾)により絞殺。

 最後はショウゴ。彼は人格的にもスキル的にも、三名内で最も危険な存在。彼はキララのスキルを自身に取り込むためだけに彼女を殺害。その時点でクズキャラレベル最大値。そして、ゲルドによる容赦ないフルボッコで瀕死まで追い込まれ、ここで視聴者はある程度溜飲を下げることができた。

 ところが原作者はさらに一捻り。最終的に彼らの上司ラーゼンが、ショウゴの若い肉体を自身が乗っ取り、スキルも吸収するために彼の心を壊して抹消。ショウゴは、キララ殺害の報いが早くも訪れ、最も救いようのない最期を迎える。

 以上の流れから思うこと。

 キララのスキルの殺傷能力は、他者の精神を支配して自害、もしくは他者を煽動して害するもので、自身は一切手を汚さぬもの。しかしシュラによってそれを封印されたので、テンペストでは結果的に住民殺害は未遂だった。ならば、テンペスト側のキャラに害されるより、同胞に裏切られて害される方が納得しやすい。

 彼女だけは、本人の了承なく勝手に召喚され、日本の家族から引き離された被害者としての側面が一瞬滲み出ていた。しかも、彼女の名前の意味とは真逆の絶望の末路。なんと皮肉な運命。しかも仲間に殺されるなんて…。

 故に、悲劇の拉致被害者として同情してもらえる余地が生まれ、救いが少しはあったと思う。過去の彼女のスキル完遂時の具体的な罪は、アニメでは明示されていないのだから。

 彼女の最期には同情を禁じ得ない。18歳の現代風ギャル、カラメル多めのプリン頭という個性で、充分なキャラ立ちの彼女。ここであっさり退場させたのは、もったいなくも残念だったとさえ思えた。

 それに対してキョウヤとショウゴは、質が悪いことにテンペストの民を弄んで害した。故にハクロウやゲルドに容赦なく報復される資格が十分あった。その末路はまさに自業自得と言えよう。

 ショウゴの最期の流れは、28話の王国での御前会議ではまだモブのようなラーゼンが、実は王国で最悪な曲者だった、と知らしめる効果もあった。結果的に彼の最期は新キャラの紹介も兼ねた、一石二鳥の流れだったと言えよう。

 また仮に、ショウゴより圧倒的に強いゲルドによっての止めでは、ゲルドの弱い者いじめ感が発生して、多少の後味悪さがあったかもしれない。
{/netabare}
★#11『35 魔王誕生』
{netabare}
<あらすじ>

 ごく僅かな時間で敵軍二万は全滅。生き残りは僅か三名だった。

 必要なヨウブンは十分に収穫された。そしてリムルは進化のため急激な眠気に襲われる。そこでランガに、動けないリムルを捕虜二名と共に首都に連れ帰るよう指示。残り一名の捕虜の確保は召喚した悪魔に託すのだった。

 リムルは進化の眠りに入り意識不明。そのため首都帰還後、大賢者が進化したユニークスキルがリムルの代行者となって死者蘇生を実行した。それは"反魂(はんごん)の秘術"と呼ばれる。

 首都ではリムルと魂の繋がりある者すべてに進化の恵みが等しく与えられ、住民一同もまた進化の深き眠りに落ちた。ゆえに、その奇跡の秘術成功の瞬間に立ち会えた者は非常に少ない。

《躍進のための組曲 その7”収穫”》

 今回は、原作コミックのファンにとってダイジェスト感が強い。

 個人的には以下の点でポイントが高く十分に面白かった。

▪原作同様に、アニメでも魅力溢れる悪魔キャラ
▪大賢者の進化過程のCG作画
▪大賢者と智慧之王(ラファエル)の、繊細な声の演じ分け
▪ハーベストフェスティバルの見せ方やまとめ方
▪荘厳な儀式感を壊さぬ”反魂の秘術”の演出、作画
▪ラファエルによるリムル代行の演出、作画、声優の演技
▪ファルムス国王のエドマリスと西方聖教会大司教レイヒムの情けない暗愚演出
▪シオン蘇生の瞬間シーンの、コミックを基本にしたと思われる作画

 以上で100点満点なら78点の満足度。

 次回のサブタイトルはラノベ書籍5巻5章、コミック16巻の第71話と同じ。コミックの69話からの3話分の内容をアニメ1回分に収める、と思われるがどうだろう?

 今期の区切りをどうまとめるかに注目したい。

 ついにリムルは新たなステージの第一歩を踏んだ。まもなく、この異世界での知名度も爆発的に上がり、交遊関係、活躍の場も、大きく様変わりするだろう。
{/netabare}
★#12 (第1部終)『36 解き放たれし者』
{netabare}
<あらすじ>

 リムルはシオンの膝の上で目覚めた。目の前には戦争以前と変わらないテンペストの顔ぶれが勢揃い。以前と変わらない穏やかな光景が広がっていた。

 魔王に進化したリムルだが、スライムの外見も内面も全く変わらず。変わったことと言えば、リムルの人型時に身長が伸びたことと、テンペストに頼もしくも愉快な仲間が二名ほど増えたことだった。

《躍進のための組曲 その8 終曲”新星”》

 今回は、分割クールならここしか区切りようがない、と思ったところで締めくくられていて概ね満足だった。

 コミックの第69話から第71話の内容を基に構成されたと思われるエピソード。

 23分ほどのアニメの尺に収めるため、かなりのカットや改変があったがポイントは外してなかったと思う。むしろアニメのテンポ感尊重の観点からみると、これくらいはやむを得ないだろう。逆にコミックとの違いを楽しめるほどだった。

 ヴェルドラ復活シーンもかなり簡略化された。原作では、まず元の竜体で復活して、ひとしきり言葉を交わした後の人型への変身だった。アニメでは再会の余韻が楽しめなくて残念。しかし急展開のインパクトがあり、テンポとしては悪くなかった。

 願わくば、2部の初回でうまく事象の前後を入れ換えてカットされた台詞を復活させ、リムルとヴェルドラの再会の、原作の持つしみじみとした味わいを少しでも復活させて欲しい。

<脱皮、そして飛躍>

 今回遂に、後に”新星(ニュービー)”の二つ名を与えられる魔王誕生。リムルと物語に新登場のディアブロと人型ヴェルドラ、そしてリムルと共に進化した幹部たち。

 最高位の悪魔の一柱ディアブロが配下に、守護神ヴェルドラが仲間になった。それすなわち、テンペストは戦略核兵器を手に入れたようなものだろう。

 2部でレベルアップしたリムルたちの躍進に注目したい。
{/netabare}
{/netabare}
❮全話鑑賞を終えて❯
{netabare}
<今期の脚本について>

 転スラ1期と2期のシリーズ構成と全話脚本は、筆安一幸氏

 近年、氏の名前は異世界ファンタジーもののアニメのエンドクレジットでよく見掛ける。氏が構成と全話の脚本を担当した、私が観たことある作品は、「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」、「魔女の旅々」、「神達に拾われた男」。

 以上鑑賞して、原作の持ち味を壊さないのが氏の長所だと思う。良くも悪くも原作通りで、原作を超えるような魅力をアニメに与えるほどではないが、不快なほどの改変は少なく、一定のクオリティーは約束してくれる安心感のある脚本家、というのが氏に対する個人的イメージ。

 転スラに関して、氏の脚本の割り切り方は自分と相性良かった。取捨選択の上手さはさすがプロの仕事と思えた。

<原作とアニメの構成について>

 転スラ1期は、連続2クール全23話で書籍4巻まで進んだが、4巻は途中のカットが非常に多かった。4巻は序章+全8章だが、シズの5人の教え子に関わる以外の部分はほぼカット。丁寧に描かれたのは5章から7章のみで、そこまでが1期の区切り。

 2期の第1部は、書籍第5巻のタイトル「魔王覚醒編」をメインテーマとして構成された。そのため2期では、話の整合性のため、4巻のエピソードの一部が序盤で蘇った。

 まず4巻の序章を初回の閑話に織り込んだ。

 次に本編1話目の25話から27話迄の3話分で、1期で丸々カットの第1章の獣王国の使節団来訪、2章の武装国家ドワルゴンの外遊エピソードを織り込んだ。4巻8章相当の終章は、今期の30話で描かれた。

 獣王国との交流は、今期ミリムの天災から救援を施すだけの国家間の親密度がある、とアピールするために必要。

 外遊エピソードは、特にリムルのスピーチが重要な伏線。ファルムス王国の為政者達が、リムルは世間知らずで無能な君主と誤解させるイベントだから。つまりテンペスト侵攻は、王とその取り巻きの判断ミスがすべての始まりだったで因果関係上、外せないエピソード。

 上記の3話は他にも、ガゼル王が有力なテンペストの後ろ盾であることを強調した。それは2部の伏線となるだろう。

 また、テンペストは他国が羨むほどの国力があることを示したが、それがファルムス王国に目を付けられるきっかけとなった。

 以上、振り返れば3話分の地味な展開も重要な内容だったと思う。

<第2部の予想をするのが楽しい>

 夏クール予定の第2部。原作をどう料理してどこに着地するか今から興味深々。出来れば3期に繋げるつもりで、ゆっくりと丁寧に描いて欲しいものだ。

 1部の構成から予想すると、書籍6巻最後迄進むのは確実だろう。しかし1クールで1巻分のみというのは考え辛い。7巻にも突入する可能性大だろう。しかも、リムルとヒナタが背中合わせの2期のキービジュアルの存在で、2部は7巻のほぼ最後まで描いて区切りを迎える可能性もあり得る。

 その場合、1クール12話程度でほぼ2巻分のエピソードを収めることに。2部は1部以上の原作の簡略化もあるかもしれない。

<余談:レビュータイトルに込めた祈り>

 レビュータイトルにある”深化”のここでの意味とは何か。

 魔王への進化は物語のターニングポイントでこれ以降、リムルの交遊関係のレベルと他国への影響力は格段に上がっていく。その流れの中で、テンペストはある部分で実際に”深化”することで国庫が非常に豊かになり、魔物だけでなく人も爆発的に流入、国として短期間で大発展する。

 そのあたりはシムシティなどの都市育成ゲーム感覚で楽しめたが、ファンタジーならではの発展の要因が非常に面白かった。”深化”による一石三鳥もの結果にリムルと一緒にワクワクした。また、周りから馬鹿にされていた存在に光を与える流れに感動し、その辺は原作で最も好きなところになった。

 但しそれは書籍第8巻半ば以降からのエピソード。つまりアニメは3期がないと味わえない。そのため3期制作の願いをレビュータイトルに込めた。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

2期は結構わくわくしてた

俺つええでも中々の試練が訪れた今作。
毎週楽しみにしてました。

{netabare}何かと理由をつけて侵攻してきた国があり、村人やシオンまで殺されてしまう。生き返らせるために魔王になることを決意するリムル。{/netabare}

他の魔王たちが動き出し、侵攻してきた国への復讐もしていくであろう次のクールが楽しみでしょうがない。

リムルのさらなる進化も期待。


OP
Storyteller TRUE
ED
STORYSEEKER STEREO DIVE FOUNDATION
挿入歌
黎明 TRUE
今作もTRUEの歌声が響く。
STEREO DIVE FOUNDATIONは久しぶりに名前を見た気がする。
どちらの曲もタイトルはstory...なのは偶然だろうか?


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
主人公リムルと、彼を慕い集った数多の魔物たちが築いた国<ジュラ・テンペスト連邦国>は、近隣国との協定、交易を経ることで、「人間と魔物が共に歩ける国」というやさしい理想を形にしつつあった。リムルの根底にあるのは人間だったスライム故の「人間への好意」……しかしこの世界には明確な「魔物への敵意」が存在していた。その理不尽な現実を突き付けられた時、リムルは選択する。「何を失いたくないのか」を--ファン待望の転生エンターテインメント、暴風の新章に突入!

第24.9話 閑話:ヒナタ・サカグチ
ヒナタは、「ジュラ・テンペスト連邦国」について書かれた親書を受け取り、リムルの存在を知ることになる…。新章への予感とともに、リムルの歩みを振り返る特別編。

第25話 リムルの忙しい日々
魔王カリオンの治める「獣王国ユーラザニア」との国交を結ぶことになったリムル。相手の使節団を迎え、もてなす準備をしていたが、やってきたのは大型魔獣白雷虎(サンダータイガー)が牽引する、物々しい虎車だった。

第26話 獣王国との交易
一悶着あったものの、ユーラザニアとの国交を結ぶことができたリムルは、続いて武装国家ドワルゴンにて行われる友好宣言の式典へ赴くことに。ところが、自分も同行させて欲しいと駄々をこねるシオンが大暴れして…。

第27話 楽園、再び
ガゼル王との会談と、武装国家ドワルゴンとの二国間友好宣言に伴う民衆への演説。ふたつの大仕事を終えたリムルは、シュナとシオンの目を盗んで、かつてゴブタと約束した「あの楽園」に意気揚々と向かうのだった。

第28話 謀略のファルムス王国
リムルの帰還を控え、宴の準備を進めるテンペスト。そこに、ヨウム一行が新メンバーの魔導士(ウィザード)ミュウランを伴い到着。一方、ファルムス王国では不穏な動きが…

第29話 災厄の前奏曲
クレイマンの指示により行動を起こすミュウラン。そしてもう一つの勢力--ファルムス王国が送り込んだ三人の異世界人が、盟主不在のテンペストに牙をむく。

第30話 動き出す麗人
テンペストが攻撃を受ける中、リムルの前にも刺客が現れる。それは、シズのもうひとりの教え子である、最強の聖騎士(ホーリーナイト)--ヒナタ・サカグチであった。

第31話 絶望
ヒナタとの戦闘で絶体絶命の状況に陥り、最後の手段、暴食者(グラトニー)を発動したリムルの運命は--。その頃、テンペストは悲壮な血と煙に包まれていた…。

第32話 希望
クレイマン、そしてファルムス王国の企みを知るリムル。仲間の命と温かな日常を失い、失意の底で目を伏せるリムルの耳に飛び込んだのは、エレンの意外な言葉だった。

第33話 全てを賭けて
「俺は魔王になろうと思う」--自らにケジメを付け、シオンたちを蘇生させるため、決戦を前にリムルは仲間たちに人間だった過去を打ち明ける。

第34話 神之怒
雪辱戦の口火がきられた。ベニマル達は各々の任務を遂行していく。ハクロウたちも再度ショウゴとキョウヤとの戦いに挑む。そしてリムルの怒りが、ファルムス軍を包みこむ。

第35話 魔王誕生
進化に必要な魂を確保したリムルに「魔王への進化(ハーベストフェスティバル)」が訪れる。強烈な睡魔に襲われたリムルは、取り逃した敵を捕らえるため、悪魔を召喚する。

第36話 解き放たれし者
ファルムス軍を退けて、何とか事なきを得たテンペストだが、問題は山積みで……。そんな中、智慧之王(ラファエル)から「無限牢獄の解析に成功した」と吉報が舞い込む。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

さっくりサクサク3期もさあ来い!

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
異世界転生ファンタジーの超有名シリーズの2期。

スピンオフに3期と、1年間も続けて1つの作品が放送され続けるなんて、今日のアニメ界にとっては稀なことですね。

詳しくは1期のレビューにあるのですが、私は本シリーズの「軽さ」が引っ掛かり、そこまで高く評価していませんでした。でも、ここまで「軽さ」が続くと、もはや作風、長所として捉えていこうと気が変わりました。それもあって、特に終盤は1期より楽しめました。

つまり、「灰と幻想のグリムガル」や「無職転生~異世界行ったら本気出す~」などが、「本格異世界転生ファンタジー」の最高峰なら、「オーバーロード」や「転生したらスライムだった件」などは、「なろう系異世界転生ファンタジー」の最高峰なんじゃないかと思うわけです。

気軽にアニメを楽しむ、娯楽系の作品として、オススメできる作品になっています。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
建国モノは大好物のジャンル。(アニメ版は丁寧さが足りませんでしたが)「まおゆう」なんかは、すごく面白かったです。

本作も、人材や物資を集め、他国と交渉し、時には戦争もするという「建国」要素が一番楽しかったです

あとは、3話のキャバクラ回みたいな、ギャグベースの話は、本シリーズによく似合うと思いました。

そんな中、紫音(メインキャラ)やゴブゾウの死、というドシリアスを入れてきましたが、そこは本作らしく、結局「蘇生」というお手軽仕様。

まあ、その後のハーベストフェスティバルでの大虐殺と、その結果としての覚醒魔王への進化。新たなスキルの大量獲得なんかは、「これぞ主人公最強系」という、壮大且つ爽快な展開。人間側のクズっぷりをたくさん描いてきたため、不快感はありませんでした(そもそも、戦場での大虐殺や、兵士に対する攻撃は、個人的には不快さを覚えません)。

いよいよ、最強クラスの魔王になったミリム。ディアブロ、ベルトラという強大な部下も誕生し、ますます3期が楽しみになってきました。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
閑話 ☆3
1期のおさらい。新作カットがあるだけ良いか。

1話目 ☆3
転移魔法。基本基本w 建国モノは大好物ではある。拳で分かり合う流れ。

2話目 ☆3
色々、さっくりサクサク進むな。

3話目 ☆4
解毒の刻印魔法。アルコールを消せるようになったか。魔王たらし(笑) そして、キャバクラを楽しむ(笑) こういうギャグベースの方が楽しめる作品だよな。

4話目 ☆4
ジジイ、強し(笑) 戦争か。

5話目 ☆3
ヨームとの心の交流が、まあ、最低限は描けているけどな。

6話目 ☆4
強いな~ヒナタ、というか人間。グラトニー、「飢えるもの」のリスクを背負ってないのがな。

7話目 ☆3
う~ん、メインキャラは誰も死んでない? よくも悪くも、この作品らしいな。

8話目 ☆3
さて、大戦争。どうなるか。紫音、ゴブゾウ、死んだ? この作者が、ゴブゾウはともかく、紫音殺すかな? いやいや、蘇生はやっちゃいかんだろ~。ミリムか。結界の活用。ただ、3%って、全員復活になるの? 急に気楽だな。

9話目 ☆3
人間との共存。相変わらず綺麗だな。

10話目 ☆4
二万人の大虐殺。本当に殺すかな? オーガ達はガチ殺し。女は殺しにくいから、敵に殺させる。再生するから、ボコす。メギド、静かな大魔法だな。逆に迫力あって、個人的には好き。

11話目 ☆5
いやはや、こうなると主人公最強系として面白い。さて、デーモンがどうなるか、だな。デミウルゴスみたいな。

12話目 ☆3
ディアブロ。配下、最強か? ベルトラ解放。ベルトラも擬人化か。戦力がどんどん増強されるな。ディアブロ、ベルトラで、魔王レベル3人?
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 28

67.1 4 師匠で異世界なアニメランキング4位
ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (122)
375人が棚に入れました
公爵令嬢リーシェ・イルムガルド・ヴェルツナーには秘密があった。それは『20歳で命を落としては5年前の婚約破棄の瞬間に戻る』こと。 商人、薬師、侍女、騎士など様々な生き方を存分に満喫してきたが、7回目を迎えた今回の人生こそ長生きしてごろごろすると決心する。 しかし、決意を胸に城を飛び出そうとしたところ、残虐と名高いガルクハイン国の皇太子アルノルト・ハインと邂逅。 彼こそ騎士人生でリーシェを殺した張本人だが、妙に気に入られ――「願わくはどうか――どうか、俺の妻になってほしい」 生き残るため、戦争を起こさせないため、過去に得た経験を駆使し、敵国の花嫁となったリーシェの7回目の人生が始まる。

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

婚約者は、かつて私を殺した人――

この作品の原作は未読ですが、長谷川育美さんが出演すると知り視聴を決めた作品です。
今期、長谷川さん大活躍ですよね。
「弱キャラ友崎くん」のみみみ役、「望まぬ不死の冒険者」のギルド職員であるシェイラ役、そして本作品と絶好調なのではないでしょうか。
そう言えば、「葬送のフリーレン」のユーベル役もでしたね^^

個人的に推しの声優さんが活躍するのは素直に嬉しいです。
後は体調を崩さないことを祈るだけです。


公爵令嬢リーシェ・イルムガルド・ヴェルツナーには秘密があった。
それは『20歳で命を落としては5年前の婚約破棄の瞬間に戻る』こと。
商人、薬師、侍女、騎士など様々な生き方を存分に満喫してきたが、
7回目を迎えた今回の人生こそ長生きしてごろごろすると決心する。

しかし、決意を胸に城を飛び出そうとしたところ、
残虐と名高いガルクハイン国の皇太子アルノルト・ハインと邂逅。
彼こそ騎士人生でリーシェを殺した張本人だが、妙に気に入られ——

「願わくはどうか——どうか、俺の妻になってほしい」

生き残るため、戦争を起こさせないため、過去に得た経験を駆使し、
敵国の花嫁となったリーシェの7回目の人生が始まる。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

本作品の主人公であるリーシェ・イルムガルド・ヴェルツナーは、リゼロのスバルと同じ「死に戻り」の能力の持ち主です。

1回目の人生の際に商人を経験して以降、ループごとに薬師・錬金術師・侍女・狩人・男装騎士としての人生を送ってきて、今度が7回目のやり直しになります。

何度も繰り返してきた死に戻りに関する気持ち的な部分にはあまり触れていませんでしたが、死に戻りに対する恐怖は、既にリゼロで刷り込まれ済みです。
一番怖いのは、次に必ず死に戻れる保証が無いこと…

普通、誰にだってそんな能力はありません。
でも確実に戻ってくることができるなら、それを加味した一手を打つことができるんです。
たった一手の違いしかないかもしれません。
でも、この一手が後により優位な条件を引き出せる鍵になっているのを私たちは知っています。

この作品はそんな死に戻りの特性を上手く活かした作品であると言えましょう。
ですが、この作品の本質はそこにありません。
思い返せば、ただの一度も無駄なループなんて無かったと思います。
いつも精一杯で、色んな教養や知識、技術を身に着けてきました。

だからこそ、今のリーシェがあるのです。
そして今回もリーシェはとある目的に向かって全力全開です。
それは、これまで何度繰り返しても乗り越えらえれなかった壁を乗り越えるため…

こんなにも直向きなキャラを長谷川育美さんが演じるんですよ。
俄然視聴が楽しみになるに決まっているではありませんか!
こんな気持ちを絶やすことなく最後まで完走出来た事を嬉しく思います。

アニメーション制作会社はスタジオKAI×HORNETSさん。
スタジオKAIは、「ウマ娘 プリティーダービー」を、HORNETSは「ソマリと森の神様」などを手掛けた制作会社です。
作画も個人的には多きな乱れも無く良かったと思っています。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニンブテーマは、土岐隼一さんによる「Another Birthday」
エンディングテーマは、THE BINARYさんによる「消えない」

1クール全12話の物語でした。
個人的には見応え十分な作品でしたが、続編となると原作が既刊6巻までしか発刊されていないので、少しストック不足なのかもしれませんね。
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

こま さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

6話まで視聴。何やかんやあって捕まる主人公!そして無双する!

2023年8月時点でシリーズ累計発行部数は85万部を突破している。
稀にやるマンガ表紙買いしたら個人的当たりだったね!作品。
ただアニメのOPの踊りはちょっと…。

ループは7回目なのでショートカットします!

何時もの別の子が好きなのでアレコレ捏造して婚約破棄してやんよ!

最初こそ取り乱すが毎回毎回同じ事の繰り返し…。
考えて考えて…考え抜いた!王子の罪状読み上げをカットするようになってしまう。
更にはハイハイ婚約破棄ね…婚約破棄すら言わせない!

リーシェはどうしたら家から金目の物を持ち出し、最短ルートで目的地に着けるかな?と考えるように。そうだバルコニーから飛べば良いんだ!を実行!がアルノルトに見つかってしまう。
おもしれーオンナ展開来たー∩^ω^∩

膝を付き結婚してくれ展開!
毎回ループでアルノルトが関わっていた戦争に巻き込まれて、5年後の20歳で死んでしまうので、一緒に居たら原因分かってループから抜け出せる上ぐーたら出来るんじゃない!?
なので婚約。

剣を抱きしめ寝ているリーシェにアルノルトが手を伸ばそうとするが…、
触る前に気配を感じ剣を抜こうとする主人公!実はアルノルトの剣でしたとさ。

まあこんな感じです。
気になったらアニメよりマンガがオススメ。
何でかと聞かれると唇ツヤツヤ更に全体的にツヤツヤ、個人的どうしてこうなった!
マンガは作画がホント綺麗で、何時ものマンガのままでアニメ化して欲しかったヤツ。

主人公スゲーの何時ものなろうですが個人的オススメ作品です。
アニメ化自体は嬉しかったのは確か。なので最後まで視聴です。

6話まで…と言うか書きたいのがあったので。

リーシェ、アルノルトの弟テオドールに誘拐され捕まるが…。
圧倒的な力で男が10数人いたのが残り1人だけに…最後の1人は手を上げ降参!
リーシェはこの時、どう見ても体の具合が悪かったと言うね…ヒェッ

強いから安心して見てられるw
コレ見るとやっぱり気になるのは過去回かな?どんな鍛え方すればこうなるのか気になるw
そして出来れば、回想ではなくふつうにやって欲しかったけどね。

脱出してアルノルトとテオドールがいる場所に。
見た感じスカートが破れてるだけで傷が一切無い。

驚くテオドールに説教するリーシェ。

「捕らえた捕虜からは目を離してはいけない。
例え鍵付きのドアでも1人きりにするなど論外。
同室内に2名以上の見張りを置く事。
身体検査は必ず複数人で行う事。
服など着せたままにせず全裸にでもするのが最適。
武器や脱走用の道具を隠せなくなりますから。
後ろでにして手枷をはめた後、柱や寝具などに縛り付けるのが1番。
コレでも生温い。1番やるべき事が何なのかお分かりですか?
両手両足の骨を折るのです。折った手足を拘束し持ち物を奪って集団で見張る。
敵を捕えると言うのはそう言う事です。」

コレを書きたかったwお菓子でコレをやって欲しかったよw
コレならツッコミ入れずに済んだのに…。

物語最後に「2度と自分の命を張るようなマネはするな。」
1度戦場で言った言葉を覚えてるの良いね。
「分かったから泣くな。」w
とりあえず、めでたしめでたし。

でリーシェは倒れてベットの上にそれから姉上で終わり。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

女性向けですがクオリティはなかなか良好か

タイトルは見覚えあり。なろうでは総合ランキングで結構上の方でしたよね。
えーと…
お、今とんでもスキルで異世界放浪メシが総合一位なのか。
本作は17位でした。やっぱり高いですね。

というわけで女性向けとはいえ人気作なのでどんなものかと見てみましたが…。
なるほど。
婚約破棄系+やり直し系ですね。

主人公へのチートが理不尽じゃないですね。
いや7回もループできるのは理不尽なんですが、6回の人生で色々な経験を積んだから、ということで主人公がそれらすべての経験を兼ね備えたオーバースペックなわけですね。

まあ今までの6回の人生を生きた結果生存するための最適解を算出して元敵国に行ったわけではなく、ただの偶然の出会いだったのはちょっと微妙に思いましたが、まあ女性向けなんでこれで良いのでしょうね。

少女漫画絵ですがヒロインは可愛らしく男はイケメンで、まあこれくらいなら男性も見れそうですね。
アクティブなヒロインの活躍が楽しめそうに思いました。
というわけでなるべく見たいです。

ただ100%好みではないので本数次第では諦めます。

全話感想
女性向けでヒットする作品とはどのようなものか、という分析的に見たわけですが、なんとか見られました。まああくまで女性向けなので、完全に好みでは無いのですが、それなりに面白かったのでは。

しかし各周回人生で、それぞれ別のイケメンと出会って仲良くなっていたのねw
さすが女性向け。いや男性向けも同じですけれど… いや違いますね。
男性向けだとハーレムが当たり前なんで、一度に大勢の女性と仲良くなれば良いんですよ。
しかし女性向けでハーレムって本質的にはあまり好かれていない感じもするので、1対1を繰り返す感じの方が良いのかも、と思いましたが…。

よく考えるとこれって、ギャルゲーの周回プレイですね。
ベースの6ルートを攻略し終えて、7週目の隠しルートかつグランドルートプレイ中、みたいな感じですね。
なるほどなるほど。

というわけで興味は満足しました。ただ純粋に面白かったかと言えばそうではないですね。ターゲットではないから当然ですが。
彼は主人公を好きなくせに裏があるのか素直に力を貸してくれるわけでもなく、攻略難易度高めでちょっとイライラするところも。

主人公は頑張っていたと思いますが、前世がちょっと短すぎかなぁ、と。
たかだか3年程度の経験で、習ってきた全ジャンル、特に薬師として超一流というのはなんかなぁ、と。
いや薬は知識さえあれば何とかなるのもわかりますが…。
いやそれはなろうチート系に対しては今更か。
割とできが良い作品だったので、そのへんのガバがちょっと気になってしまいました。
最初からああチートねハイハイ、と思っていればスルーしたのですが。

作画はややいまいちですが男たちはちゃんと格好良く描けていたのでは。
まあなかなか良かったです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

70.6 5 師匠で異世界なアニメランキング5位
この素晴らしい世界に爆焔を!(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (306)
1043人が棚に入れました
紅魔の里――そこは、生まれつき魔力と知力が非常に高く、魔法使いとしての高い適性を持つ、紅い瞳をした紅魔族がすまう土地。 そんな紅魔の里には教訓がある。 「上級魔法を習得してこそ一人前。爆裂魔法はネタ魔法」 けれど、“魔法学園レッドプリズン”で学ぶ同級生たちが上級魔法の習得を心待ちにするなか、紅魔族の少女・めぐみんは、ただひとり爆裂魔法の習得のため勉学に励んでいた。 幼い頃に見た、あの光景に、あの人に、追いつくために―― これは、最強の魔法にあこがれた、一人の少女の物語。

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

これは最強の魔法にあこがれた一人の少女の物語。

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期~第2期と「映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説」は視聴済です。
レビューを書くために公式サイトに訪れてみると、第3期の公式サイトが立ち上がっていました。
第3期は2024年に放送を予定されています。
まぁ、色んなアニメを視聴して忙しく過ごしていれば、時間なんてあっという間ですよね。

もし、劇場版を未視聴の方は、この作品を視聴する前に先に劇場版の視聴をお勧めします。
めぐみんの故郷である紅魔族の生活にも触れられているので、より状況が分かりやすくなるかと思います。


紅魔の里――

そこは、生まれつき魔力と知力が非常に高く、
魔法使いとしての高い適性を持つ、
紅い瞳をした紅魔族がすまう土地。

そんな紅魔の里には教訓がある。
「上級魔法を習得してこそ一人前。爆裂魔法はネタ魔法」

けれど、“魔法学園レッドプリズン”で学ぶ同級生たちが
上級魔法の習得を心待ちにするなか、
紅魔族の少女・めぐみんは、ただひとり
爆裂魔法の習得のため勉学に励んでいた。

幼い頃に見た、あの光景に、あの人に、
追いつくために――

これは、最強の魔法にあこがれた、
一人の少女の物語。

―――そして、少女が真の仲間たちと
出会うまでの物語。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

そう、どうしてめぐみんが爆裂魔法に拘るのか、今回の物語で真実を知ることになります。
思い返してみると、これまで上級魔法を見る機会はあったでしょうか…?
確かに劇場版ではチラッと出てきたようにも思いますが、直ぐにグダグダになった記憶の方が強く、今一つ思い出せません。
つまり、上級魔法と爆裂魔法との間にどの様な隔たりがあるのかをちゃんと理解できていない気がします。

中級魔法は幾度かお目にかかる機会はありました。
確かに、中級魔法と爆裂魔法との威力の差は歴然です。
ですが、上級魔法と爆烈魔法の違いが今一つ分からないから、ネタ魔法と言われてもピンとこないんですよね^^;

今では1日一発しか爆裂魔法を放つことができません。
ですが、もっと成長して…魔力量が増えたら2度打てるようになるとか…!?

いえ、めぐみんは自分の魔力のありったけを爆裂魔法の威力増大に費やすと言っていたので、きっといつまで経っても1日一発の魔法なんでしょうね^^;

確かに使いどころは慎重に見極める必要がありますが、超が付くほど有用な一撃であることに変わりはありません。
空気が振動し、めぐみんの杖にどんどん魔力が集積していく…
色を変え、形を変え、物事の理を根本から捻じ曲げようとするほどの圧倒的な破壊力…
かく言う私もすっかりめぐみんの爆裂魔法に魅入られてしまったようです^^;

作画は安定していたと思います。
「このすば」と言えば、本編第2期の作画は崩れまくっていましたからね。
これもネタだというから、採用に踏み切った勇気には恐れ入るばかりです。
一歩間違ったら大炎上する可能性も秘めていたと思うので。

でも個人的には、例えネタであったとしても作画は綺麗であることに越したことは無いと思っています。
第3期の公式サイトは、まだ入り口の前で中に入った訳ではありませんが、公式サイトを見る限り、崩れていそうな気配はありませんでした。

それより、本作品のサイトと第3期のサイトへの選択画面で掲載されている、本作品のめぐみんの可愛らしさは半端ありません。瞳に爆裂魔法の放つ輝きでキラキラしている上、静止画なんですけど躍動感が感じられる…そんなめぐみんを堪能することができますよ。
もし気になる方は是非ご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、Machicoさんによる「STAY FREE」
エンディングテーマは、めぐみん(りえりー)、ゆんゆん(あきちゃん)「JUMP IN」

1クール全12話の物語でした。
やっぱり「このすば」シリーズは面白いですね。
2020年に原作は完結しているので、第3期はラストまで描いてくれるのでしょうか。
そういえば、カズマたちのいるアクセルの街って、冒険者のはじまりの街でしたよね。
これまで魔王軍の幹部を結構倒してきましたが、まさかアクセルの街でラスボスを倒すことにはなりませんよね^^;?
だってはじまりの街ですよ…
今回もしっかり堪能させて頂きました。
第3期の視聴も楽しみにしています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

カズマのいないこのすば・・・。

{netabare}
このすばのスピンオフ。
このすばのアニメとしては異世界かるてっとを除けば6年ぶり。
もうそんなに時が経つのかって感じ・・・。
3期じゃないのかよと思ったけど、3期もちゃんとやるらしいから良かった。

爆焔はめぐみん主役のスピンオフで、カズマやダクネスの出番はファンサービス程度にちらっと映るぐらいしかない。
めぐみんがカズマと出会うまでの話。
このすばで一番好きなキャラクターは迷わずめぐみんだけど、そんな自分でもこの作品は物足りなかった。
やはりカズマがいないとギャグに切れ味がない。
めぐみん主役のこのすばというよりかは、カズマがいないこのすばというイメージで物足りなかった。

正直ゆんゆんとずっとイチャイチャやってた印象しか残ってない。
爆焔オリジナルのキャラも数人いたけど、全員大して印象に残らない。
強いて言うならぶっころりーはカズマを髣髴とさせるキャラ付けで良かったのだけど、すぐに退場してしまった。(占い師の回は良かったと思う。)
敵役もめぐみんに爆裂魔法で倒されるためだけに用意されたみたいなキャラで微妙だった。
あの優しい悪魔さんはなんだったんだ・・・。

正直本編に比べて良かったところとなるとほぼ何もないけれど、つまらないと言うほどでもないのでこの評価。
本編と比べて微妙なだけで、無難な面白さがあるのは確か。
アクシズ教との絡みはこのすば感あって良かったかな。

EDの映像は一回目見た以降は目を逸らしてたぐらい嫌い。

私的評価:50点
私的ベスト回:1話

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆8
このすばがもう7年前か。めっちゃ和。ゴミばっか売ってて草。
詐欺かな。実際ネタ魔法。校長の椅子に座るものの響のしょぼさ。
紅魔族は厨二病。ゆんゆんに先生と組ませないためかw

2話 ☆5
厨二設定つけたらなんでも許容してくれるw
痛いところを疲れると減点するクズ。男だ。爆破オチなんてさいてー。
やったのお前だろw

3話 ☆7
怪しい本。天井から蜘蛛がぶら下がってるのを見た事がない。
一応ちゃんと魔獣倒せるのかw ブッコロリーさんカズマ枠。
本当に誰も居なかった可能性もあるけどw

4話 ☆5
わざと3位漏れしてるの? カズマかっこよくて草。
動物愛護団体激おこ。シリアスいらない。

5話 ☆7
猫が邪神説。なんかあっさりしてるんだよな。
シリアス感が似合ってない。死んだ。あれ?次回からカズマとか出る?
やっぱこの子が邪神か。

6話 ☆7
あっ…。あの魔族の子可哀想。良い最終回だった。

7話 ☆8
いつもの衣装。おでんがあるのか。見た目で判断しては行けない。
言うほどロリっぽくは無い。高額の食費請求されそう。謎サントラ。
けど出てきたら捕まってたやろ。同じ町におるんかよ。
それは確かにおかしい。あの教官悪そうには見えんけど裏あるんかな。

8話 ☆5
温泉にしょうもないこと仕組んだだけかよw 教皇様強いじゃん。
これで勝ったと思うなよ~ どうやったら間違えるねん。雑用係用魔法。
やっぱこういう変態キャラもカズマが強すぎてなぁ。

9話 ☆6
連れ去られてて草。何そのエッチな衣装は。アクアはついで。
色が綺麗。謎BGM。アイツ退場かよ。

10話 ☆6
カズマんときのギルド長だ。盗賊よww
直接雑魚いって言わないの優しい。カズマだ。
カズマ達のせいで話が耳に入ってこない。避けられてて草。

11話 ☆5
これはいい魔物。バイトやってた頃こんなヤバイ問題起きてたんかよw
ああ、あの時の奴かこれ。

12話 ☆5
また囮作戦かよ。聞こえてる前提の言葉としか思えんw
この悪魔毎度のこと死ぬほど優しいじゃん。
逃げないでちゃんと食らうの草。7年経ってるのに全く違和感ないな。
ギャグ成分薄くてあんまりだったな。

曲評価(好み)
OP「STAY FREE」☆6.5
ED「JUMP IN」☆3
9話IN「」☆5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

企画からして失敗作。異世界転移コメディの本質を理解していないから、キャラが魅力的でも面白くなりようがない。

 12話(最終話)まで観ました。2023.06.25

 ラスト、このすば1期につながる良いラストではありました。ただ、やはりラストバトルに違和感はあります。

 ツッコミ役が居ないので、どうしても、もっと効率的に戦えるだろ?と思ってしまいます。視聴者にツッコまれているようでは、このすばの魅力半減です。

 めぐみんは最後まで融通が効かないため、シリアスモードの冒険者(戦闘員)としてはダメダメです。

 ゆんゆん他も、戦闘員としては真面目に戦うため、めぐみんの場違いぶりが際立って、バトルのテンポの悪さにイライラします。

 やはり、殺しても死なない、カズマさん達一行がいないと、コメディとして成立しないです。

 めぐみんやゆんゆんの生い立ちを描いていますが、小説にしたら二行分くらいの情報しかないので、観ても観なくても良かった感じです。

………………………………………………………………………

 10話まで観ました。2023.06.12

 ここまで観て言うことじゃありませんが、コメディとしての本作品は、完全な失敗作です。

 異文化や異世界の登場人物の行動が面白いと感じるには、ツッコミ役が必要です。

 異世界転移、転生ものなら、現代人の代表として転移した主人公がツッコミ役ですし、異世界人が現代に転移してきたら、現代人がツッコミ役になります。
 
 あくまで、現代人(視聴者)の視線からのツッコミが必要です。このすばも、この原則を守っています。

 本作品の問題点は、異世界人が異世界人にツッコミを入れている点です。

 カズマにとっては、明らかにおかしな人物であるめぐみんですが、そもそも現代人ではない異世界人にとって、紅魔族の女の子は、ツッコミが成立するほど変な人物なのか、今一分かり辛いです。

 北京原人がネアンデルタール人の群れに転移してきたり、古代ローマ人が鎌倉時代に転移してきても、ツッコミ主体の転移された側の感覚が現代人とかけ離れているので、現代人が面白いと感じるコメディは成立しません。

 北京原人や古代ローマ人を見て、ネアンデルタール人や鎌倉時代の人がどんな反応をするかなんて、想定すら出来ません。

 多分、化物だ〜!で終わって、コメディになりようがないです。

 無理矢理、現代人っぽい反応をさせたら、嘘臭くなります。ネアンデルタール人にポリコレ発言させるなんて、悪夢です。

 人気作のスピンオフで、めぐみんとゆんゆんがいくら可愛くても、物語の構造上の破綻を覆すことは出来ませんでした。とても残念です。

………………………………………………………………………
 
 この素晴らしき世界で一番人気のめぐみんの活躍が観られるぞ!と、視聴し始めましたが…。2023.05.01

 全員中二病の紅魔の里なのでツッコミ不在…なんですが、キャラ達が全くツッコミしないわけでも無く…。

 ストーカー男にキャラが引いたりするんですが、基準が不明確です。

 キャラ達が、どの辺が痛いと感じるポイントなのか、視聴者には良く分かりません。

 あと、めぐみんは昔のギャグ作品に必ず一人はいた貧乏キャラなんですが、貧困が冗談ではすまなくなってきている昨今、ちょっと笑えません。

 村人皆の仲が良さそうな平和な里に赤貧洗うが如しの子供が居るっていうのは、どうなんでしょうか?貧乏は個性じゃありません。社会悪です。

 また、ギャグは、コンプラとか抜きにしても、時代の変化に弱いという特徴があります。

 悲劇とか活劇なら、それこそ古代の話でも現代人に理解可能な普遍性を持っていますが、ギャグは、一昔前のものでもどこが面白い?という感じになることが多々あります。

 めぐみんが悪いんやない!時代が悪いんや!と、思いつつも視聴継続です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

58.9 6 師匠で異世界なアニメランキング6位
はめつのおうこく(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★☆☆ 2.8 (115)
323人が棚に入れました
人類に知恵と安寧をもたらした存在――“魔女”。 しかし、リディア帝国の“超産業革命(ギア・エクスパンション)”は魔法を凌駕する科学文明を生み出し、 魔女は進歩を阻害する“敵”と見做されてしまう。 かくして“魔女狩り”が始まった。 魔女クロエに育てられた人間アドニスは 最愛の師を奪われ、同族である人類への復讐を誓う。 絶望を糧にした修羅は、殺戮の果てにいかなる“救い”を見いだすのか――。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

世界観とテーマが上手く重なっています。面白くて奥行を感じました。

 科学(新しいもの)と魔法(古いもの)の対比とそれぞれに闇を抱えている。特に科学側のスマホとか大衆の衆愚化とか面白い視点だったと思います。魔法側は伝統重視で頭がアップデートせず、選民思想的なものもあったのでしょうか。それが8話までくらいでしょうか。

 9話の意味性も突然始まったAISFものみたいな展開で驚きましたが、なるほど女性と経済そしてネットポルノのアナロジーですね。

 そして最終の3話。主人公の愛ゆえの復讐劇と復活の阻止、ドロカの愛と救済の物語。全体的な構造は面白かったし、ドロカの魔法の正体と11話の衝撃。女性とは?愛とは?善性とは?という話にもなりそうな感じでした。

 そこで終わってしまったのが中途半端だったし、アイドル女王も含意がたっぷりなので描き切れなかったのは残念ですが、初めの残酷表現のインパクトから始まって、なかなか奥行がある世界観とストーリーだと思います。一つ一つの意味が分かりやすくくみ取れる話になっています。

 残酷表現というのはゴブリンスレイヤー等でもそうですが、作品世界における道徳や倫理水準、キャラの性格描写等々の含意があるものと、単なるエロいものでわけられると思います。本作はその点で復讐、群集心理、支配層や分断による対抗勢力にたいする残虐性などがちゃんとありました。作者はちゃんと考えているなあと思います。

 もちろん、創作意欲として自分の潜在意識にあるリビドーとタナトスの表出もあるでしょう。そのドロドロしたものがまた創作のエネルギーですから、これを否定しては作品は出来ませんし、エンタメの要素としても機能するでしょう。見てもらわないことには伝わりませんから。

 ということで、グロ表現でネガティブな意見はあるのは知っていますが、内容を読み取ると今の世界の分断や女性、SNSなどがテーマになっている出来がいい作品だと思います。
 荒っぽい表現でエピソードとかキャラとかドラマに若干のアラはあるものの、私は面白かったです。というか、ここから先が気になりました。

 評価はオール4点+世界観でストーリーに加点で4.5。ドロカのキャラの使い方の意外性で加点で4.5。音楽はOPはいいんですけどEDがちょっとなあ…それとOPEDアニメはもうちょっと凝って欲しかった…減点で音楽は3.5点とします。






以下 視聴時のレビューです。

2話 魔女狩り、エログロの胸糞だからこそ面白いと感じる自分を見つめる。

{netabare} 大西巷一氏(乙女戦争)久慈光久氏(狼の口)綱島志朗氏(人狼機ウィンガルダ)、アニメでは「海賊王女」など女性を特段に貶める話は多いです。特に魔女と刑罰、火刑のようなものは多いです。藤子F不二雄氏の「タイムパトロールぼん」の拷問シーンは強烈でしたねえ。

 ジャンヌダルクと魔女狩り、中世西洋、日本の江戸時代など女性に対する刑罰の史実というのは、胸糞ですが人気があるテーマですし、私自身眉をひそめながらも、その世界に引き込まれることがあります。(なお、魔女狩りは男性も対象でした)

 こういう創作は、作者の性癖としてのエロ表現の探求というドロドロしたものはありますが、一方でそれが悲惨であればあるほど物語性が増して行くという性質を持っています。人間の本来持っている、暗い方の好奇心や情動を直接刺激される感じです。それだけに現実にあり得ることであり人間の行動原理としてリアリティを持って迫ってきます。
 エロスは当然として、公開処刑や差別が大衆に及ぼしたガス抜き効果や体制への忠誠心の醸成効果を考えれば当然でしょう(スマホが強調されていたのは、この部分のアナロジーですね)。集団心理・群集心理の要素もあるでしょう。それが上にあげた作品群です。女性ではないですが映画「グラディエーター」もありました。

 例えば最近の作品で「回復術師のやり直し」が性的な表現で非難を浴びていましたが、私は「異世界もの」の中ではかなりリアリティをかなり感じましたし「復讐」のモチベーションと人間の本質から物語性を感じました。

 要するに1、2話には引き込まれましたし、胸糞が面白かったです。その要因は残虐性とエロス表現にあるのは認めざるを得ません。その心理が自分の内部にあることを見つめるのが重要なのでしょう。

 本作においては魔女=超能力的な扱いにも通じます。つまり能力がある故の差別問題です。直接的には「アキラ」「エルフェンリート」ような作品との類似性を感じながら、SFとしては「シャーロット」「新世界より」などの要素も垣間見られます。

 人の命の復活なら「鋼の錬金術師」が印象的ですが、要するに禁忌問題が絡むかもしれません。

 あるいは国家の問題も提起しています。「過去の国家の罪」の上に立った国家の国民に対する復讐問題ですね。強制連行(事実には議論がありますが)、ナチス(これはまごうことなき事実)、黒人奴隷問題、海外植民地、中華思想と直接つながります。

 デオドラントされた異世界転生ものやラブコメも面白いですが、こういう人間の暗黒面が見られるエログロもバランスとして見ておいたほうが良いと思っています。刺激の強さが強烈ですから、10対1くらいでいいですけど。

 いろんな可能性を感じる作品ではありますが、いろんな作品の引用から成り立っている感じがあります。それを真似、パクリと言う事もできるでしょう。が、私は最近この作劇法にかなり肯定的です。これだけ創作物が多ければ新しいことはゼロ年代まででやりつくされています。というか失われた30年で原作者にとって、アニメや漫画、ラノベがそのまま作者にとっての「リアル」なのでしょう。現在は過去作がデータベース化されて共有して作られるしかないと思います。{/netabare}


8話 自分を産み出し、愛するものを奪う地獄のような世界への復讐と、愛による救済=隣人愛アガペ―の物語だと思います。

{netabare} ここまで見ると、1人の愛する人のためにあらゆるものに復讐する。つまり、1人か世界かという世界系の逆ですね。逆世界系です。
 愛する人を救うか、世界を救うか、という選択とマインドは似ていますがベ
クトルが違う。世界が救うべき価値が本当にあるのか?

 この愛する人の為をイコール自己愛にすると更に分かりやすいでしょう。師匠が復活を望まないことを誰よりも知っている。だから、そこに意味はない。つまり、師匠のためではなく自分のための復讐です。

 科学と伝統。どちらにしてもいい目に合えなかった犠牲者としての世代論に置き換えると、スマホが頻繁に出てくる意味、文明=資本主義、魔女=ある種の女性と考えると、現代社会のアナロジーでしかないです。すると、どんな人が生きづらくて世界に復讐したいか見えてくると思います。

 この世界にクロエを再びというのはすなわち地獄を味合わせることですから、そりゃあそう言う決断をするでしょう。一方で意思をもち明るく生きていたドロカを選ぶ理由ですね。
 彼女はすなわち世界を救済する象徴である「愛」です。それが男女の愛だけでなく、隣人愛アガペ―に通じるものではないか?もしかしたら自己犠牲による愛に通じて行くのかもしれません。

 この8話まで見る限りでは、現代社会への復讐=逆世界系と愛による救済=アガペ―の物語かなという気がします。

「はめつのおうこく」がひらがななのは、ひょっとしたら日本のことを指しているのでしょうか。要するに究極の疎外感と搾取と蔑みですね。男性の方がのれるマインドかな? {netabare}新しい支配者がアイドル的なのと、魔女=単性生殖だったのが象徴的ですね。{/netabare}オタクVSフェミニズムも入っていると思います。

 結構面白いです。アナロジーを読み取らなくても個人による復讐譚は最近の気分で増えているのかな?それが今の気分なんでしょう。そうそう「チェーンソーマン」と重ねると面白いかもしれません。{/netabare}


9話 突然のSF的寓話回。主人公のキャラブレた?

{netabare} 突然SF的な寓話の回になってちょっと驚きました。作り物の女性がアイドルなのか風俗なのかパパ活なのか2次元コンテンツなのかわかりません。しかし、子供を作らない性行為が国を亡ぼすと言う意味で、やっぱり日本のことですね。

 この話全体が不条理系の舞台設定の上で成り立っていたので、突然キノの旅みたいな話で、しかも分かりやすい内容でした。ただ、ちょっとキャラブレてない?と思わなくはない回でした。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

【失敗作の典型例-5】アイデアだけの投げっぱなし。面白いストーリーに昇華できていない。

【レビューNo.102】(初回登録:2023/12/31)
コミック原作で2023年作品。全12話。
「葬送のフリーレン」のレビューで
>面白いアイデアや一見いいシーンだな思う作品はあるのですが
>・アイデアを出したことに満足して、そこで終わってしまっている。
>・全体像がしっかり練られてないから、いいシーンも「点」にしかならず、
> むしろ全体像との整合性から違和感すら覚えてしまう。
と書いたのですが、まさにこの作品はその典型例かなっと。

(ストーリー)
かつて魔女と人間が共存していた世界帝国リディア。しかし科学文明が発展し
魔女の力を恐れた人間族の王が魔女狩りを強行する。魔女に育てられた人間ア
ドニスは師匠クロエとの逃亡の果てに目の前で彼女が殺される事となり、帝国
への復讐を決意する。
(wikiより)

(評 価)
・アイデアを出したことに満足して、そこで終わってしまっている
 この作品いろいろとアイデアは光るものがあり、特に1話は期待大だったん
 ですよね。
 ・科学文明 VS 魔法という対立軸から始まる重厚なダークファンタジー感
  ・魔女狩りという残虐非道な行為
  ・公開処刑にはこの光景に熱狂する王国民
   (ネットでは「民度がゴブリン並みの王国」と揶揄もw)
  ・かなり攻めた残虐でグロいシーン(エロも少々)
 その後も
 ・ビジュアル映えする記述式召喚魔法
 ・絶滅寸前の魔女側の企み
 ・意表をつくどんでん返しの連続
 ・OP曲もかなり良き

 特に魔法といえば「何!?無詠唱魔法だと!!」がお約束となっているこの
 手の作品の中で、特殊な羽根筆(クイル)を用いて発動する記述式召喚魔法
 はかなり魅力的だと感じたのですが・・・
 物語が進むにつれ、「意表をつくどんでん返しの連続」もその場のインパク
 トで「おおー」と最初は感心するのですが、それ以降が結局雑に殺し合うと
 か「残虐なシーンをぶっ込んでおけばそれっぽく見えるやろ」みたいな感じ
 で、最初のアイデアを出したことに満足して、そこで終わってしまっている
 みたいな。
 「フリーレン」がひとつのアイデアをもう一歩踏み込んで更に面白くなるレ
 ベルまで昇華しているのと比べると、最初のインパクトだけでストーリーへ
 の落とし込みが不十分かなっと。

・全体像がしっかり練られてない
 物語の全体像としても「人類(科学)VS 魔女の重厚なダークファンタジー」
 のハードなシリアス路線でいくのかと思いきや・・・
 {netabare}・国王の妃は実は魔女だった
  ・男を操る愛の魔法で実は国王を操り、同族狩りをしていた!!
   (自分の魔法は女性には効かないので、脅威を排除した)
   → 物語の根幹を覆すとか、それに見合う展開を準備してるの?
     (アニメでは当然時間切れw)
  ・新王女さまご乱心?!まさかのアイドルライブwww
   (一応国民に魔法をかける狙いがあったぽいが)
   で、その陰に挟まれる旧体制の粛清シーン(首斬り)
   → 魔法の効かない女性はともかく、魔法で操ることが可能な男性も粛
     清の必要あったの?
 ・ずっとシリアスだったのに、新章が始まるとヒロイン・ドロカのドジっ子
  ネタでコメディ色多めに。{/netabare}
 何というか、この原作者は一体何をやりたいのか?
 敵の国家諜報局局長・シロウサギとの最終決戦も
 ・シロウサギのキャラがいろいろとこの作品から浮いている
  シロウサギをワイルドでクレイジーなキャラにしたかったんだろうが、ワ
  ンピース・黄猿を下品にしたような、残念なキャラ描写で不快感しか残ら
  ない。
  (それにサイボーグのくせに王女さまの愛の魔法が効くの?等ツッコミど
   ころも多いw)
 ・アドニスの方も
  ・瀕死の重傷もドロカの愛の魔法・束縛(マンドラゴラ)で完全復活どこ
   ろか謎のパワーアップ。
  ・クロエ直伝の最終奥義を発動するも仰々し過ぎて、シロウサギ一人倒す
   のにそこまで必要だったのか。
 ・最後にドロカの「復讐は間違っていない」ってそっち側になるんかーい!
 ちょっと引き気味で観てたというか・・・

 全体像がしっかり練られていないようで、いろいろとチグハグな感じが否め
 ないなと。他のレビュアーさんも書かれていましたが、
 「描きたいシーンから話を構築している印象」
 というのが拭えないかなっと。

・クリエイターとしての矜持は?
 上述で「アイデアは光るものがあり」と書きましたが、これも投げっぱなし
 でいいのでしたら、他のクリエイターさんももっとアイデアがあったのかも
 しれないんですよね。
 でも、いろいろ検討の結果、
 ・そのアイデアから以降の発展性
 ・作品全体像との整合性
 で、泣く泣くボツにしたアイデアもあったと思うんですよ。
 この辺はやはりクリエイターの矜持として、譲れないところでしょう。
 そういう目でみると、この作品はどうなかなっと。

ちょっと辛口なレビューになりましたが、ある意味1話が良すぎたので期待値
が上がってしまい、そこから裏切られた感もあるから、この評価になっている
のは否定できないですかね。1話から心動かされなければレビューを書くこと
すらなかったと思いますし。
そういう意味では(良し悪しは別にして)印象に強く残る作品ではあったと
思います。ただ個人的は原作者にもう少し頑張って欲しかったなと。

OP「消えるまで/Hana Hope」
これはかなりよかったので、毎回飛ばさずに聴いてましたね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

これ、駄目だろ…。女性をいたぶることに特化した糞アニメです。

 最終話(12話)まで観ました。2023.12.31

 必然性の無い暴力とグロが描きたいだけで、物語性は皆無です。主人公のアドニスがアタオカの無能なのがなぁ…。

 科学側の刺客のシロウサギさん、改造人間なのですが、物理法則やらを無視したロケットパンチ男で、真面目にキャラデザしてんの?と疑問に思う吾人です。

 で、こいつが結構強く、アホのアドニスは苦戦しますが、ドロカがま〜た偶然使える魔法を持っていて…。

 こういう展開は2度3度やるもんじゃありません。作者は読者を舐めてますねぇ。

 ドロカも両目を潰されますが、どうせすぐに治るんだろ?アホが死んじまえよ…。としか思えません。

 ウザいことに、医療とかに特化した、物語の展開に都合の良い糞みたいな国が沢山あるようです。

 キノの旅とか、魔女の旅々みたいに諸国を巡るんでしょうか。はよ女王倒せや。

 女性がぶち殺されたり、拷問されたりするアニメが大好きな海外の変態にはウケるかも知れませんが、こんなの輸出してHENTAI大国日本として評価されるの国辱的じゃね?

 漫画だけにしておけよ…と、目を覆いたくなるような惨状の作品です。これで2期来たら、HENTAIジャパンに絶望しそうです。

………………………………………………………………………

 9話まで観ました。2023.12.04

 科学帝国と魔女っ娘軍団以外にも、国や勢力があるようです…。出たよ…。世界は広い的な作品延命工作がよう…。

 主人公とドロカ、野良人間達にたまたま助けられ、今までと雰囲気の違うロードムービーがスタートします。

 そして、忍者軍団や帝国の刺客が襲ってきて…。イキナリ忍者出たー!何こいつら?しかも雑に死ぬし…。口寄せの術位しそうなパンク忍者だったのに…。

 今度は忍者軍団と組んで場当たり的に帝国と戦いそうです。んでもって、魔女っ娘軍団の時みたいなことを再びやるんでしょ?

 いや〜最悪ですね。アタオカ主人公を君は許せるか!?
……………………………………………………………………… 

 6話まで観ました。2023.11.13

 意味不明のぶち切れ主人公、たまたま拘束が解け、たまたま魔女が助けてくれ、たまたま復活したドロカの魔法が使えたので、たまたま、また助かります。

 このアホは何がしたいんでしょうか?都合の良い展開に助けられ、無意味に人や魔女が死にます。

 戦闘も迫力が無く、敵はみんな棒立ちでアゥアゥ言っているだけです。

 この話、狂言回しが不在なんですよね。魔法と科学が何なのか、説明する存在が居ないので、訳の分からないぶち切れ主人公が暴れて他のキャラに迷惑をかけるのを眺めるだけになっています。

 6話で、黒幕的なキャラが登場しますが、もう6話…。遅すぎ警報発令中で、既にかなりの視聴者に切られてそうです。

 漫画なら、最初のキャッチーな残虐描写で読者の心をゲット出来るのかも知れませんが、アニメで半クール尺を消費してもなぁ…。

 今の所、単なる悪趣味アニメなので、今後の挽回に期待小です。
………………………………………………………………………
 5話まで観ました。2023.11.09

 全世界(魔女と人間両陣営)を敵に回すイキリ主人公のアドニスさん。魔女も人間も皆殺しだ〜!

 の、割には弱いです。科学強すぎです。人間を月面へ転送してくるなよ…。どんだけすげー技術だよ!

 魔女もシレっと月面をテラフォーミングしてるし、やり過ぎ感が半端ありません。

 単に人を殺したいだけのお話です。何も考えずに戦う主人公に感情移入は難しいです。

 人も魔女も皆殺しにして、ヒロインと新世界のアダムとイブにでもなるつもりかいな…。コイツらの子供として産まれたくないですね。人類社会イチからやり直しはキツイっす。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

84.8 7 師匠で異世界なアニメランキング7位
ログ・ホライズン(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1965)
11933人が棚に入れました
ある日突然、老舗オンラインゲーム<エルダー・テイル>に日本人ユーザー3万人が閉じ込められてしまった。ゲーム歴8年の大学院生・シロエも異世界に取り残されてしまう。モンスターとの戦闘、死ぬことのない境遇。何が起きたのかわからず不安に駆られたプレーヤーが街にあふれ、ヤマト地区最大の都市<アキバ>は秩序を失う。一匹狼を自負していたシロエは、旧友・直継、美少女アサシン・アカツキたちとギルド<ログ・ホライズン>を設立。他人と接することが苦手で内気な青年が仲間とともに廃墟アキバから世界を変えようと立ち上がる。

声優・キャラクター
寺島拓篤、加藤英美里、前野智昭、中田譲治、山下大輝、田村奈央、柿原徹也、松井恵理子、原由実、高垣彩陽、久野美咲、逢坂良太、梶川翔平、雨宮天、佐藤奏美、村田太志、高橋未奈美、櫻井孝宏、下野紘、後藤ヒロキ、岡本信彦、日野聡、西田雅一、中村悠一、てらそままさき、白熊寛嗣、チョー、井上麻里奈
ネタバレ

buon さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

大絶賛する予定だった作品・・・1クール目は非常に素晴らしいのだが

MMORPGの世界を舞台とした人間の物語、
原作は超おもしろい!!!!!
・・・1クール目を観終えた辺りで原作を全て読んで、追い越してしまったオレが悪かったのかな?

◇ラノベ?ネット上で見られる小説原作、連載中、全25話、2014秋に2期を予定

さて、どう書こうかな、下書きにはみっちり熱い思いが詰めてたからなぁ。


◆あらすじと主役◆
エルダーテイルっていうネトゲがバージョンアップする瞬間00:00にプレイしてた人が突然、
ゲームの世界に入ってしまった?
ゲーム設定は生きていて、そこに少しずつ変化も生じる。
プレイヤーは冒険者。ゲームだけでは済ませられない開拓が始まる。

シロエ 主人公 頭がいいサポート魔法使い
暁(あかつき) 無口なアサシン
直継(なおつぐ) オープンな戦士
◆ざっくりと以上◆

1クール目は最高だった。
ゲームの世界で戦闘をするのは当然なのだが、そこに経済や政治を絡めた、
というより、ゲームには必要がない、ゲームの世界にないが、
人間として生きるために必要な要素を創りあげていく話。

ゲームの中は日本でも外国でもなく、
エルダーテイルそのものの世界なので基本的人権の尊重やら三権分立やら国民の義務とかない、
その世界で生きることになった冒険者には。


さ~て、痛烈な批判をネタバレに包んでするか。
「完走してない人は見ちゃらめぇ!」・・・(苦笑)→{netabare}


まずオレの3大ガッカリ場面は、
①レイネシア姫が戦闘中のクラスティを見て悲しむ、その戦闘も
②ルディ復活、そこまでの流れも
③濡羽(ぬれは)登場

クラスティが戦闘中に返り血でまみれたながらも笑みを浮かべる姿に思いを馳せる①。
重要場面の②、ミノリたちの成長を見せる多勢に無勢の戦い、
最後に格上モンスターたちに追い詰められるのだが。
そして超重要場面の③なのに、予告で顔見せしてるとか・・・。って言うか色々説明不足が過ぎる。

なんでこうなったのか私はすっごく考えました。
NHKの陰謀と言うのは簡単だ。まあ私の結論は「頭の固いNHKの柔軟性の欠如」に至ったのだが。

2クール目が微妙になったと思われる要因は、
Ⅰ体力切れw
Ⅱ固定ED、最後までそれを貫いたこと
Ⅲ2期の有無を含め、2クール目、あるいは2クール目後半の物語が決まってなかった
Ⅳ血が流れない

Ⅰ、やたらと気合の入った1話が溢れる中、最初の方は気合が入っている作品はいくらでもある。
1クールもっただけ良かったとも言えるだろう。
体力がもたなかったんじゃないかな。

この作品の一番のミス、Ⅱ、全ての回であのEDにしてしまった。
歌の良し悪しが問題ではなく、
この歌が物語の演出に組まれていることが演出だけでなく物語の展開をも左右した。
この歌、EDアニメーションを見ることで未来への希望を見出すような感覚がある。
観直してみたが、1話のセララが冒険者に捕まえられそうになっている後にこの歌が流れると、
最初に観た当時に持たなかった違和感を感じた。オレが固定観念を持ったせいだろう。
この演出はミノリがシロエに助けを求めるシーンにもかなりの悪影響を及ぼした。

Ⅲは~、仕方ないかもな。
けど、ペース配分のミスは関係ないな。
イースタル・ゴブリン王編はあの尺を使うなら、地味な交渉回を短くして、
オレがガッカリした場面、①と②、特に②に時間を割いてほしかった。
あるいは1話分ぐらい天秤祭編に回しても良かったと思う。

Ⅳは、まあ、NHKだしね、夕方アニメだし。
原作では血があることで、
戦闘の恐ろしさや傷み、PKの残虐さ、あと①ですごい効果を発揮している。

ぶっちゃけ、EDが2つぐらい用意されているか、
たまにEDが曲なしでスタッフのテロップ写しながら物語を進める、とかあればかなり違ったと思う。
{/netabare}

と、批判したもんだが、
多分、1クール目だけで高すぎる評価をしてしまったからこその負の印象。

1クール目だけで評価していたらきっと、
物語・キャラ 4.5点
作画・声優・音楽 4点
にしてただろうな。

盲目的でバンザイ三唱的な感想はすぐ下に書いてあるから、よかったらそちらもw




-------------------------------- ← LOG HORIZONw

↓1クール観た辺りで書いた、情熱ダダ漏れメモ帳に書いてた感想、抜けている部分も多々
{netabare}

『MMORPGの世界を舞台とした人間の物語』


m(_ _)m
私は、偏見と食わず嫌いを何度繰り返し、何度悔い改めればいいのだろうか。

理性と知性、
その2つの話だからNHKがやってるんだな。
もちろん、愛と勇気と仲間たちの話でもあるが、それが一番ではない。

現実の人間がゲームの世界に閉じ込めた、その環境と状況を正確に描写した名作。
イメージで言えば、
「もしも現実の世界の人間がドラクエの冒険者になったら?」もしドラwに近い。




漫画、アニメとか結構好きな人向けの紹介 → {netabare}

自殺島に似てると思った。クローズドサークルで法のない世界に行くとこうなる。広いし、復活するが。
仲間のでき方とかダイの大冒険、ロト紋に近い匂い。アバン先生・ロトの血繋がりで仲間がいたりね。
人類が衰退しましたの妖精さんの中身が人間だったらこうなるんだろうな。
レベルがカンストしてるのに、1人だと簡単にやられてしまいそうなところとか、
女神転生ぽいかも。MMORPGやったことはないが、エルダーテイルはやってみたいな。

そしてキャラには、もうリカちゃんとしか見えないキャラが♪♪
しかも、ゆりえ様もいる☆☆
はぅはぅはぅ~~~お持ち帰りぃ~~~~~♯♯
けど、二人一緒にいるとレナっぽくも見えるしww

・・・ひぐらしと、かみちゅね。
男キャラはゼロの使い魔のナル男っぽいのもいるし。

ああ、ネタが古い…orz
{/netabare}

にゃん太さ~~~ん♪ ・・・おっと、ついw


最初の印象は「リアルからいきなりゲームの世界に行ったら、こんなんだよな~」って感じ。
主人公たちはかなり冷静な方だけど。

~a la Susie~
いきなりネトゲの『エルダーテイル』の世界に何万人ものプレイヤーが冒険者としてブチ込まれる。
何故この世界に閉じ込められたのか、どうすればいいのかは説明なし。
ゲームの拡張パックが導入される瞬間に、その世界の住人となった。

熟練プレイヤー腹黒メガネ 付与術師エンチャンター シロエ、
古いゲーム仲間で祭男w戦士ガーディアン 直継(ナオツグ)、
知ってはいたが女とは知らなかった生粋のロールプレイヤー 暗殺者アサシン アカツキ、
この3人を中心とした道なき道を進み、ネットゲームの世界で開拓していく物語。
~~~~~~

この作品の良いところは、
主人公以外のキャラがバリバリ立っていることと、
1人ではどうしようもできないゲームシステムがぶれないことだ。

キャラの説明すると論文(売値 金貨0枚)が書けてしまうので、
3人とにゃん太さんを除いて誰か選んでみよう。

{netabare}【デリシャス】
最初のプレイヤーボス。モンスターではない。
武道家の無礼家。傍若無人で猿山のボス。
よくも北の大地を汚してくれやがって、網走送りにしてやる!!{/netabare}

{netabare}【トーヤ】
侍の駆け出し、姉ちゃんがかわええ。
PK(プレイヤーキル)地獄に遭って、心を挫かれた所で変なおっさんのギルドに誘われてしまう。
家畜の如く働かされたあと、現実世界にいた頃、ゲーム内でお世話になったシロエを見かける。
頭は悪いが心はアツい、中学生って感じ。{/netabare}
{netabare}だがな、とあるゲームでは「根性」スキルでHP回復しても、根性だけで得られるものはないんだよ!{/netabare}


うむ、魅力が伝わらないw しかも最初に思いついたのが、別に紹介したくもないキャラだしww
思いついちゃったからね。
とにかく、キャラがええ☆ 小さい子が好きな、大きなダメな男にもぴったり♪

そしてゲームシステムだが、
まず主人公が一人では弱っちいと思われる。
なぜなら、魔法で直接ダメージを与えることができないからだ。サポート専門。
それどころか、何の職業でもソロで無双ができそうにない。
仲間に頼らざるを得ないので、仲間に見せ場があるのが必然。
戦闘システムの縛りもなんかFF4みたいな面倒臭さがある。やっぱメテオよりもフレアって感じw

{netabare}しかも主人公のシロエがイケメンではない!イケメンではないのだ!!
{/netabare}
説明がないのもいい。だって、仮にゲームの世界の住人なら「神の声」は簡単には聞けないからね。
そして、ゲームの世界のNPCだった大地人との関わりもイイ☆☆☆☆☆
そりゃ同じ世界の住人同士なら関わるわな。
キャラデザ、めっちゃ、かわええ♪ 男キャラもええ☆
・・・と、何かとオレ好みの設定で溢れているww


ただし、毎回ビシバシバトる戦隊ものみたいな展開を期待している人には向いていない。
武器を使わない戦闘である政治や交渉、戦闘では派手さより戦略や戦術、連携がメインと思われる。
もちろん攻撃や魔法もカッコよくて魅力的だが、それは数ある魅力の一つ。

格ゲー、RPG、アクション、シューティング派向けではなく、
シミュレーション、ADV、サウンドノベル派向けかな、うん分かりづらいね。

これだけは言っておく、
「もしも自分がゲームのキャラになったら」系のアニメでは断トツ一番だ!!!!!





変態脳内談義w → {netabare}

オレA=エース気取り、 オレB=情熱的な馬鹿、 オレC=ちょっと気弱でするどい

{netabare}A「アカツキ祭だ、このキャラ設定とデザインをした人間は神だ」
B「間違いない」C「そうですね」
A「ロリコン祭だ、最高だ」
B「間違いない」C「ですよね~」



C「・・・だけど、マリ姉やウメコもいるじゃん」
A「なしだ、設定がな。第一、マリ姉は直継の嫁だ、ペットもいる」
B「外見は悪くないのだ、がな、こうグッと来るものがないんだ」
C「そ、そうかな」

A「アカツキが一番で間違いないが、他はどうだ」
B「アカツキレベルに到達できるヤツはなかなかいないな」
C「・・・セララちゃんかわええじゃん、にゃん太さ~ん♪」
A「セララはにゃん太の嫁だ」
B「人妻に手を出そうとはふてーやろうだ、神殿送りにしてやる!」
C「で、でも声かわいいじゃん」
AB「それは間違いない」
C「・・・」

C「人妻がダメならミノリちゃんもダメじゃん、シロエに惚れてるし」
A「ミノリはシロエの側室だが、ありだ」
B「ミノリちゃんはありだ、コスプレがいい、最高だ」
C「じゃあ1番はミノリ?」
AB「アカツキだ!!!!!」


C「えっ、おかしくない?アカツキはシロエの嫁じゃん」
A「馬鹿め、応援するんだよ」
B「人の幸せを祝えないとは、どんだけ擦れてるんだ、マズメシ食ってろ!!」
C「けど、基本フリーのヤツ応援するだろう」
AB「・・・」

C「しかも『ロリコンでもある』であって、大人っぽい方が好みだろ」
A「現実を見ろ!大きかろうが小さかろうが最初っからカップリング出来上がってるだろ!!」
B「おまえ、空気読めよ、おまえの眼は節穴か!?何のためにOPとEDがあると思ってんだ!!」
C「いや、その予習のためではないが、分からんでもないが」

A「五十鈴も悪くないが・・・」
B「放蕩物のお茶会のリーダーに期待しているんだ!!!」
C「・・・期待するだけ無駄じゃないかな」
A「言いたいことは分かる、だけど、夢を見られなくなったら人間はおしまいだ」
B「姫様以外の大地人にも期待しているんだ!!!!」



C「・・・とか言ってもうフリーうんぬんとかどうでもいいぐらい楽しいもんね」
A「そうだな、まあ情熱を向ける方向がたくさんあった方が面白いだろ」
B「現実は最後に見るんだよ、あ~なんか白けちまったぜ」
C「そうか、水をさしてごめん」
A「気にするな、まずは完走だ」B「だな」{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 29
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ナントカの地平線で人生を考える

訳すと『○○の地平線』が御ギルドのお名前

♪ずぅーっとー♪ ♪この○ープの匂いも~♫  ED『Your song』なかなか心地いいです。

タイトルの○○には“記録”、歌詞○には“ス”が入ります。それで『ログ・ホライズン』。
北方先生とは全く関係ないだろう『小説家になろう』出身。レビュアーさんからのご紹介。全25話。

老舗のMMORPG『エルダー・テイル』に閉じ込められちゃうお話。
ログアウトできなくなったン万人のうちの一人の古参プレイヤーが主人公です。
閉じ込められちゃった…どうしよう!?から物語はスタートします。明確な目的がわからないまま。そしてここからの人間がこうするだろうな行動がとても納得感のある展開に。
パッと見たところプレイしてたゲームと一緒。そりゃそうですね、だってさっきまでプレイしてたわけですから。ただし少し時間が経ってくると何とはなしにズレを感じる。アレ!?NPCってこういう行動してたっけ?とかとか。これがなかなか不穏で心地よいのです。

そこで一例。

 SAOだけど違う部分もある
 “黒いシロエ”も“白井黒子”もああ見えて腹は据わってるな

とここまで書いていったんストップ。

・ソードアートオンラインをSAOと略すことを知っていて
・そもそもSAOがどういうもんか知っていて
・とある科学の超電磁砲を知っている

まずはこの3つの条件を相手方も共有してないとこのコミュニケーションは成り立ちません。同じあにこれ上でやりとりしてても粒度はまちまち。それでも長年の蓄積で勘所が分かってきてやっとSAOだ!黒子がどうだ!といえる境地に至ったとします。

 その梯子が外される

地味にきつくないですか?
ここからのリカバーに納得感があったので序盤からけっこうのめり込むことができました。なんかのバッタもんかと思いきやなかなかどうしてってやつです。

【パーティ紹介】
シロエ(CV寺島拓篤) 職業:付与術師(エンチャンター)/筆写師 種族:ハーフ・アルヴ
直継(CV前野智昭) 職業:守護戦士(ガーディアン)/辺境巡視 種族:ヒューマン
アカツキ(CV加藤英美里) 職業:暗殺者(アサシン)/追跡者 種族:ヒューマン
{netabare}にゃん太(CV中田譲治) 職業:盗剣士(スワッシュバックラー)/料理人 種族:猫人族
トウヤ(CV 山下大輝) 職業:武士(サムライ)/会計士 種族:ヒューマン
ミノリ(CV 田村奈央) 職業:神祇官(カンナギ)/裁縫師→見習い徒弟 種族:ヒューマン{/netabare}


もう一つ好意的に思えたもの。

 現実世界との接点や関わりに必然がある

例によって現実世界で鬱屈している主人公です。めんどくさいので決めつけますけど、陰キャのダメなところはディスコミュニケーション。ダメでもないか…個性のひとつ。相手方の想定外の反応についていけない。ストレス耐性低い。たまにロジカルお化けがいるけど落としどころを探る発想がないとさらに孤立。なーんて気質は誰しも少しはあるかもですよ。人との関わりをめんどくさいと思うのも当然ある。
そこを踏まえてシロエ君は自分を変えようとするんですね。
{netabare}第6話。人との集まりはきれいごとでは済まないことも出てくることを知りつつギルド結成を決意する。
「ギルドというシステムに腐敗しやすい側面ある。」
「生まれたものはそう(腐敗するという意味)。それを否定することは生の否定。」
ぐっときますね。{/netabare}


わけわかんない世界に取り残されても落ち着いて知恵を絞りながら着実に歩を進め、足りない部分は自身が成長しなければならんと決意し行動する。
このへんのキャラクターの心の動きに無理が無い。予想以上にサクサク話数が進みました。


ファンタジーの屋台骨。世界観描写は細かく破綻が見えません。きっと作者は言いたがり(笑) コインの裏表でくどいくらい説明していただけます。自分にはありがたかったですね。おかげで未踏のMMORPGがどんなもんか雰囲気を掴みつつ、世界観への理解をゆっくりと進めることができました。

転生でも閉じ込められでも純粋ファンタジーでもなんでも、明らかに主人公補正が効いて次々強敵が現れインフレするタイプの作品とはだいぶ趣きが異なってます。
一から政体を整えながら国造りを進めていくことに近いわけで、まるで『シムシティ』『信長の野望』の序盤かのような地道な作業をやってました。
地に足のついたお話を所望であればお勧めです。



※四方山

■たまたまなんだろうか?

{netabare}SAO刊行:2009年4月 1期:2012年夏
ログホラ刊行:2011年3月 1期:2013年秋 2期は2014秋

仮に後追いの突貫工事だったら、準備期間を考えるとここのスタッフ優秀だったと思いますよ。{/netabare}


■生殺与奪の権

良い意味で政治色の強い内容でした。イデオローグに依らず意思決定プロセスが明快。そしてポイントをそれなりにおさえてる。

{netabare}・第7話。味のある食事の提供でブルーオーシャンでいられる期限を見越した2手3手先を打ってある。自力の見極めができてるのと、行動がもたらす効果を最大化できる機を逸してない。
・第9話。金融封鎖をちらつかせたわけですが単一通貨でこれやられると即死です。

それで円卓会議設立へと流れるわけですが、ベースとなる考えが秩序の維持ですもんね。
どんだけ聖人君主なんだよ!と。良い意味です。{/netabare}


■異議申し立て3点

全体通して満足してることは前提で…それでも残る不満について

1.{netabare}アカツキさんの口癖についていけません
 アバター使ってた時のクセなのか「主君…」って。大学生でこれはちょっと無理ですごめんなさい。
なお「ナントカまつり」と「ナントカだにゃ」はセーフ。語尾使いだと気にならないようです。{/netabare}

2.{netabare}化外の地ということで
 京都からみて関東は田舎。白河の関越えたら化外の地。だからってゴブリンの拠点とはひどい(笑){/netabare}

3.{netabare}ラブが蛇足
 後半増えてきましたが、記号的な恋愛描写のとってつけた感がハンパなく見てて恥ずかしい。{/netabare}


■見立て

{netabare}死ぬと記憶が無くなる設定が気にかかります。
一定回数死亡を繰り返すと実はNPC化するなんて恐ろしげな展開もありですよ。知らんけど。

ゲームマスターみたいなの出てきました。なぜこんな事態になってるのか露ほどの手がかりもなさそうです。2期で明るみになるのでしょうか。{/netabare}


キャラ達がこの世界に慣れて正常性バイアスが働き、いつまでもこのまんまみたいな世界を受け入れてダラダラ続くようだとちょっと継続視聴がきつくなるかもしれませんね。

今の状態が異常なわけですから。



視聴時期:2020年11月 

-----

2020.11.11 初稿
2021.09.08 修正
2022.02.13 修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 44

kwm さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ネットゲーム系アニメの中では最も良かった

原作未読。ネットゲーム(以下mmo)系異世界ファンタジー物を探していて辿り着きました。
『.hack』や『SAO』のような、ゲーム中の異世界に飛ばされてしまった主人公のシロエ達の活躍を描くお話です。

前述したこのジャンルを代表する二つの作品は、いずれも特別な力を持った選ばれし者の主人公が積極的に前に出て他を引っ張っていきますが、この作品の主人公シロエにはそれができません。
他のプレイヤーと協力する事でその性能が最大限に発揮される『補助魔道士』的な職業に就いおり、自分一人で戦う事のできる攻撃手段を殆ど保持しておらず、敵陣に対して単独で切り込んでいくような事はできないのです。
これはできないというよりも、『最初からやらない』といった方が誤解がないかもしれません。
一人じゃ何もできないただのへたれなのではなく、勝てない相手に突撃していくのが勇気ではなく『ただの無謀』である事を心得ており、勝てない闘いは最初から戦わない、或いは勝てるようになってから戦う、というような非常に賢い立ち回りをするのがこの作品の主人公シロエの特徴です。
ギアスを持たないルルーシュのような、知略で闘うタイプです。

異世界に閉じ込められた段階でのシロエのレベルは上げる事のできる限界まで上がっており、既にエンドコンテンツを楽しむようなレベルです。
プレイヤー歴は8年近く、知識と経験という意味では歴戦の猛者であり、所謂『古参プレイヤー』です。
大規模なレイドコンテンツ(ボス狩り)を過去に多数こなした伝説の集団『放蕩者(ほうとうもの)の茶会』の元メンバーでもあり、他の元メンバーと同様に希少なレアアイテムをいくつか保有しています。
これらのアイテムは著しくゲームバランスを壊してしまうほどの性能はなく、移動手段として空を飛ぶ事ができる程度のもので、強すぎてご都合主義な展開を生み出してしまうようなものではありません。
主人公がLv1から始まっていく他の作品とは決定的に違うこれらの特徴は、ある日突然異世界に閉じ込められてしまうという点では非常にリアリティがありますが、キャラクターの成長という部分が欠けてしまいます。
これは偶然にもゲームの世界に閉じ込められた時に居合せた『新規プレイヤーの小さな子供達』を保護する事でその成長が描かれており、昨日今日始めたばかりの初々しい子供達が仲間とぶつかり合いながらも成長していくその姿は、とても微笑ましく見所の一つになっています。

彼らの成長という部分は主に戦い方の変化から感じとる事ができるのですが、この『戦い』の部分にもこの作品の特徴があり、所謂チャンバラ的なシーンだけでなく、効果や再使用可能時間などを考えながらスキルを使い分けていく姿が描かれています。
これはFFシリーズのようなネットゲームをプレイした事がある人にとってはとても親しみやすい描き方である一方で、テンポが悪いと感じる人もいるであろう、好みがハッキリと分かれる部分です。
特に『SAO』など、単独で突撃してごり押ししていく展開が好きな人の肌には合わない可能性があります。

また、成長というのはなにもプレイヤーだけでなく、彼らの住んでいる都市の事も含まれます。
シロエ達の降り立った都市は、ゲームの世界から脱出する事ができないと悟った者達の絶望感が漂う、非常に活気の無い死んだ都市です。
これを他のプレイヤーとの外交や『腹黒シロエ』らしい奇策を使って少しづつ変えていくという建国シミュレーションのような展開も、この作品の大きな魅力だと思います。

そしてもう一つ、この作品の最大の特徴として述べておかなければならないのが、『NPC』がNPCではないという点です。
何を話しかけても同じ会話しか返してこないNPCは、オフゲのドラクエからお馴染みの光景となっていますが、この作品におけるNPCのその立ち振る舞いはプレイヤーのそれと全く同じです。
他の作品では省略されてしまうか背景と一緒にされてしまう彼らにもきちんとした役割が与えられており、それは物語が進行していく上で非常に重要なウェイトを占めています。
プレイヤーとモンスター以外の第三勢力として登場してくる彼らは、作品を通してプレイヤーと深くかかわっていく事になり、この部分が最大の特徴であり、見所です。
より外交や勢力関係が頭に入りやすいよう、ゲームの世界の地形は『ハーフガイアプロジェクト』とよばれるコンセプトに基づき、実際の地球の大陸をイメージに作られています。
地名も実際の都市を模して作られているので、シロエ達の移動ルートなども容易に想像する事ができ、位置関係も頭に入れやすくて違和感のない親しみやすい設定だなと感じました。

尚、この作品は全体を通してサバイバル感がとても強いです。
これは私がこの作品が大好きな最大の理由でもあるのですが、実際にゲームの世界に閉じ込められた場合に何が起こるかが非常にリアルに描かれています。
閉じ込められた原因を探りながら、立ちはだかる敵をチャンバラで薙ぎ倒して行くだけではないのがとても良いなと思える点で、ギルド等の派閥同士の覇権争いや狩場の取り合いなど、ゲーム経験者であればあるほど親近感が沸く構成だと思います。
しかしそれと同時に、この世界で頑張って生きていこうと必死になったが故に、見る人によってはこの人達は本当にこの世界から脱出したいのだろうかと思えてしまうかもしれません。
私は『サバイバル』をして生き残ってこそ、次の脱出のための手がかり探しがあるのが自然だと思うタイプなので、同じような考え方を持っている方はとても好きなタイプの作品かもしれません。
『この人達は本当に脱出したいのか?』そう思えてしまうのはシロエ達によって絶望感が漂っていた街がより良くなった結果でもあるのですが、危機感が感じられないと感じる人もいるであろう、好みが分かれる部分の一つだと思います。

MMO系異世界ファンタジーの中では、色々な面で差別化がされているのでこのジャンルが好きな方にはぜひ一度見て頂きたい作品です。
ちなみにNHKで放映されていた作品という事もあって露骨な性描写はなく、ヒロインも一般受けする容姿ではないので萌え要素はあまりありません。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 24

79.3 8 師匠で異世界なアニメランキング8位
魔女の旅々(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (719)
2583人が棚に入れました
あるところに一人の旅人がいました。彼女の名はイレイナ。若くして魔法使いの最上位「魔女」となった才女です。幼いころに読んだ旅の物語に憧れて、流されるように気ままな長い旅を続けています。この広大な世界を自由に渡り歩き、わけのわからない可笑しな人や、誰かの美しい日常に触れながら、彼女は旅人として、これといった目的もなく、色々な国や人との出逢いを繰り返します。そして同じ数だけのーー「構わないでください。私、旅人なものですから。先を急がなければならないのです」そんな魔女イレイナが紡ぐ、出逢いと別れの物語…。

声優・キャラクター
本渡楓、花澤香菜、黒沢ともよ、日笠陽子

waon.n さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ここにも魔女! あそこにも魔女! ハートのど真ん中にも魔女!

【First impression】
 魔女っ子といえば『スレイヤーズ』『おジャ魔女ドレミ』『ふらいんぐうぃっち』『まどマギ』魔女ってモチーフって幅が広いなと感じますね。
 個人的には『純潔のマリア』『リトルウィッチアカデミア』がツボです。ちゃんと魔女してるなーって。
 なにはともあれ、キャラデザがいい!!
 原案が好みにあう絵なのですが、アニメにしてもマジ天使。いや魔法使いなんだけれどね。
 うわー次週気になるー! って作品じゃないけど、毎週楽しみにしていた作品のひとつですね。結構好みだった。
 最終話まで観て印象が変わった視聴者は多かったのではないかなと。どんな作品にも言えることですが、最終話までみないとやっぱり分からんものだなぁと思わされた。

【Story synopsis】
 自他ともに認める美少女イレイナは小さい頃からニケの冒険譚という本を読み、魔女に憧れます。魔女になるための努力をし、見事魔女になり夢に見ていたニケのような冒険を始めることになり世界各地を巡りその場所で様々な体験をしていきます。

【Staff】
 制作会社        C2C 
 監督          窪岡俊之
 キャラクターデザイン  小田武士
 コンセプトデザイン   内尾和正
 美術監督        合六 弘
 
 魔女が一般的に認知されている異世界を作り出す。これがスタートラインだと思います。そのため、注目すべきはコンセプトデザインの内尾和正さんと美術監督合六 弘さんそれから監督である窪岡俊之さん。
 内尾和正さんは今回で知りました。ちょっと調べて観ただけですが、この方の異世界は若干ダークな雰囲気というかある種の不気味さもあります。それが神々しくも映るタイプの絵ですね。そして、これをどう料理するのか、いや、どう料理したのかを改めて観るのも良いかもしれません。
 
 キャラクターデザインの小田武士さんはキャラクター原案の魅力的なキャラを魅力そのままアニメ絵にしてくれています。『はるかなレシーブ』に続いて監督の窪岡俊之さんとのお仕事になっていますね。こちらでもキャラデザを担当し魅力的なキャラづくりをしていたと記憶しています。

【Review】
 魔女ってモチーフはもはや異世界のものとなっていまっていますね。ミステリアスで不気味なものから、可愛くて強くてカッコいい。みたいな印象でつくられる事が多いように思われます。そうなると単に魔法使いとの区別ってなくなってしまっている感じですね。悪魔的な雰囲気はどこへやらといった趣ですが、それが広く受け入れられやすいという考え方でこういったキャラクター造形になったのでしょうかね。魔女っていうか魔法使いでしょ? ってその違いを気にしないように視聴することをおすすめします。

 んでもって本作もやっぱり異世界だけれど、基になっている風景はヨーロッパ圏なんでしょうね。現実の世界とリンクさせた場合の魔女ってイメージが違ってしまうので、異世界というで許容することを覚えました。
 異世界とするならもっと新しい雰囲気づくりが観てみたかった感じる部分も多少あります。しかし、キャラがポップに作られているので、世界観もポップにしないと浮いてしまうとかリアリティがないとなってしまうのでしょうね。分かっていると思いますが、ここでいうリアリティは彼女の生きる世界がその世界になっているかどうかってことで、現実の私達のリアリティではありません。こういった分かりやすい作品ではあまり見かけませんが、時折こういった視点を混ぜてリアリティがないとか見かけると鼻からため息が出ちゃいます。
 話が逸れてしまいましたが、キャラクター造形に寄せた背景であり、美術アートとなっているように感じます。この辺りはとても上手いので気にしすぎなければ、とてもすんなり物語に集中することができました。

 旅行記、冒険譚、寓話集。カテゴリーとしてはこれらをミキサーにかけたようなものになっていますね。個人的には寓話の色を感じさせてくれていて短編の1話づつのつながりはとても好きでした。伊坂幸太郎のように短編があつまって一つの物語に集約していくような面白さも感じることができたと思います。
 でも全体的には物語として見せることを意識的に排除した結果、残るものを視聴者に伝えたいというプランのように思えました。だから何でもかんでも魔法で助けることはしない。物語を動かすためのマクガフィンとして魔法があるだけなんじゃないでしょうか。
 これは3話で見せた二つのショートショートで方向性を視聴者にしめしたように感じられました。“ただの愉快で感動的なな旅を魅せたいんじゃないんだぞ”とそのような声が聞こえてくるようです。
 それでもってこの作品を好きになれるかどうか枝分かれするのもここですね。個人的には魔女をモチーフにしたんだものこれくらいのダークは欲しいところ。

 問題点というほどでもありませんが、欠点としてはワクワク感の無さですね。“次どうなるんだろう”が無い。なぜなら主人公イレイナは箒に乗っているからなのか分からないですが、ふわふわしています。そうです、行動目的や行動原理がないのです。
 唯一あるのが、「冒険したいなー色々な国に行きたいなー」というものです。そこで思い出されるのが、そう『キノの旅』です。
 フォーマットというか構造としては、同じライトノベル原作の『キノの旅』であり、漫画であれば『蟲師』に近い構造ですかね。
 んでもって、対国や対人間という意味では『キノの旅』が近いだろうか。じゃあなんで『蟲師』を例に挙げたかというと、こっちのフォーマットを活かした方が良かったように思うからです。なぜなら一番重要なポイントとして、主人公が一人で旅をするという点をもっと気を付けても良かったかもしれません。
『キノの旅』では、実際にはバイクとおしゃべりをすることで、キノの内面や主人公自身が気づいていない点に気づかせてくれるなどキャッチボールがあり、それを見せることで視聴者は共感を抱くことができるようになっていたと思います。その国で起こった出来事などを感じて自分の欠落している部分を埋めようというのが旅の目的のように感じられるのが良いんですよね。
 それが演出のなかで読み取れなくてもセーフティネットのような役割をバイク君が果たしている。
 対して『蟲師』は行く先々で出会う人との交流を描き「蟲」という相手が存在しており、それが物語を作り出す役割を果たしているわけです。それでもってギンコの行動原理は単純で分かりやすい。だから「蟲」によって様々な教訓や体験を視聴者に届けることができるわけです。
 そうすると、この『魔女の旅々』ではどうかって話ですね。
 行動原理なんて、なんでも良い。例えば『スレイヤーズ』のお金儲けや楽しく生きたい美味しいものを食べたいとかね(まぁ魔王倒して世界救うんですが)。
 このふんわりした感じがどうも彼女を語り手以上の存在にしていないように思われます。本当に共に旅をしているという気にさせてくれません。
 あくまでも物語を観ているという視聴者の視点であり続けてしまいます。敢えてこういう作りにしているのでしょうか。
 “ゆるさ”においては日常系アニメのようであり、物語はそこまで日常系ではない、というちぐはぐさがあります。
 ここはあえて異世界としての世界観もちぐはぐにして思いっきりファンタジーにしても面白かったかもしれません。まぁそれこそキャラ浮きまくりそうですが。

 この原作って小説ってメディアだからこの構造で正解だなと感じるんです。
 これをアニメにしようってなっときに、じゃあ主人公の内面を描くことをするの? しないの? どう表現するの? これが分からない。前述したように、ただ物語を体験させて味合わせるという方法を取っているように感じるし、実際そういう作りになっているでしょう。
 内面を描くのであれば、旅を共にする人がいるのが楽ちんですね。例えば、『魔女の宅急便』のようにジジみたいな猫を連れて旅をする(魔所といえば黒猫キノだったらバイクのエルメス)。しゃべらなくても愚痴や嬉しかったことをこぼす相手がいてもいいし原作になくても入れていいと思う。
 また、彼女のやりたいことを分かりやすく視聴者に伝えること、最初からなくてもいいどこかで見つけるでもいい。
 そうすれば、物語として軸を作ることができ、観ていてワクワクさせてくれるものになったのではないでしょうか。
 主人公は次何をするんだろう? どうなっていくんだろうと想像させることこれがあればより一層楽しめたかと思います。

 最終話について、ですが。
“もし、あの時~していたら”みたいな分岐点の先がどうなっていただろうと好奇心の強いイレイナは気になり、願いとなって現れました。
 それは後悔ともいえるものでしょう。あの時の負の感情を捨てて次に進んだけれどその負の感情の行き先は? 捨て去られても忘れ去られるわけではない。それがイレイナの中に燻っていました。
 そんな“もし~していたら”のパラレルワールドの自分が一堂に会したわけですね。SFの香りがします。
 話自体は実に面白い。本当に残念ながらギャグが色濃く出てしまっていますが、じつは結構シリアスな物語なのでないでしょうか。
 例えば3話で助けられなかった自分自身、もしくは最後まで助けようとしなかった自分自身を肯定できなかったとしたら? 引きずり自己否定に走ったら机の下にしゃがみ込み自分なんてと卑下してしまうかもしれません。
 私はこの最終話を観て初めて主人公がただの語り手から一人の人間として見ることができました。
 これは物語の方向性として途中で変更することができなかったという事情から、最終回で許されたように思われます。そして私はそのことが嬉しかった。彼女がこれまで経験した旅に対してどういった思いでいるのかが少し見えたような気がしました。

 そして旅を共にする友人のような存在を示唆して続編の香り残し物語が終わりました。これにより、次回作からはちゃんと物語を人物にも寄せて描くよていだよというメッセージを受け取ったようなきになりました。

 アニメとして作り変えこと、そして原作を活かすことを両立させるのは難しいのだと思います。このアニメは誠実に原作に向き合って丹精込めて作られていると感じます。
 すっごいおススメというわけではありませんが、きっと心に残る作品なのではないでしょうか。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

へぇ。。旅の日常?声優道場?いや・・・本渡劇場w

 
あにこれ界隈では期待ほどでもないらしいとの空気感はありましたが、ぶっちゃけ本渡楓さんなので完走を決めて視聴しました。
他にもホントに旬な主役級の声優さんが多くて、その点においては、物語そっちのけで楽しめましたw

主人公はもっと元気な娘かと思ってたんですが・・

<キャスト/キャラ/エピソード>
▼本渡楓/{netabare}イレイナ
本編の主人公。18歳ながらロリ要素あり。
う~ん、第一話だけに本渡さん緊張してる?
「防振り」でみせた快活さ、かわいさが薄い・・
キャラがクール系ってのもあるけど・・

まあ、ある意味キャラを演じ切ってはいるのでしょうけど・・
「~程の美女は誰でしょうか?そう、私です」
う~ん、個人的にはそれほどの美女でもないようなw
歯が浮くようなセリフ・・しっとりではなくもっとお茶目にしゃべらせてほしかったです。個人的には。声が聴けるのは嬉しいですけどね。
{/netabare}▲

▼伊藤静/{netabare}ヴィクトリカ
第一話などで登場。
イレイナの母でフランとシーラの師匠。
第10話では若い頃の麗しき姿を拝めますw
母親だけあってイレイナに(イレイナが?)似てる・・
cv伊藤さん・・
アマガミSS(森島はるか)とか優しい女性役には定評がある気がしてましたが咲-Saki-(竹井久)のような元気系もされてたんですね。
{/netabare}▲

▼花澤香菜/{netabare}フラン
第一話と第五話などで登場。
イレイナの師匠で、ある国の偉い魔女。
その魔女に1年の修行で追いつくイレイナ。
キャラの色はわかるけどアニメなんだから少しは声優さんの特色も出して欲しいな・・
ただそうすると「この声優、演技が変わらん」とか言う人も出てくるかな・・加減が難しいですねw
{/netabare}▲

▼黒沢ともよ/{netabare}サヤ
第二話などで登場。
魔女見習いを目指す少女。
もうちょい彼女の成り立ちを見せてくれれば、もっと感情移入できたかも。
黒沢さんといえば・・
ユーフォの黄前ちゃん、宝石の国のフォス・・
今回も元気キャラでなによりw

第六話のイレイナとの再会のシーン・・
はぁ~だけでの感情表現、いいですね~。声もいいし。
第十二回声優アワード主演女優賞受賞のチカラが垣間見えました。
なんか胸に響くw
単に甲高い声に弱いのかなw
{/netabare}▲

▼佐藤聡美/{netabare}ニノ
第三話で登場。
金で買われたおとなしい奴隷の少女。
救いのないようなエピソードで何を言いたかったのかちょっとナゾ。
cvシュガ美さん・・
千反田える(氷菓)など美少女役多いですね・・
今回は律っちゃん感は皆無でした。
{/netabare}▲

▼Lynn/{netabare}ミラロゼ
第四話で登場。
記憶を失い滅んだ国に取り残された魔女。
「大丈夫、私は死なないから」はフラグ発言かと思った。
戦闘の動きは見応えがあった。けど物語が暗いw
Lynnさんも色んな声が出せるんですね・・
当たり前かww
{/netabare}▲

▼日高里菜/{netabare}オドコ
第五話で登場。
王立セレステリアの魔法学校の生徒。茶色がかった長髪でおどおどした性格。
ちゃんりな、ダンまちⅢぶりw
魔法学校はちょっと楽しかったけどドラマ性は薄味で少し残念。
{/netabare}▲

▼佐藤利奈/{netabare}エイヘミア
第六話で登場。
正直者の国になる前から雇われていたメガネ魔女。二つ名は『流砂の魔女』。
ウソをつけない国、童話的な教訓かな。
cvサトリナさん・・・
ほぼ声出さない役だけど無声音でもイイ演技。
たまに聴く声も心地よいw
出演をざっくり復習してみましょう・・
ネギま/無限の住人/レールガン/咲-Saki-/シドニアの騎士/まちカドまぞく/防振り、そして・・ARIA。うぐう・・
{/netabare}▲

▼豊口めぐみ/{netabare}ローズマリー
第七話で登場。
あっちの村のぶどう踏みの少女。
コントなのかシリアスなのか・・
cv豊口さんは・・
転スラ(大賢者)/無限の住人(百琳)・・
大人な女性役といった印象ですね。
{/netabare}▲

▼日笠陽子/{netabare}シーラ
第八話などで登場。
魔法統括協会のエージェント。サヤとミナの師匠。二つ名は『夜闇の魔女』。
第十話、花澤さんとの掛け合いは某動画みたいで面白かったw
けいおん!のキャラとはかけ離れ過ぎw
でもこういうキャラの方が生き生き演技しているような・・w
{/netabare}▲

▼上田麗奈/{netabare}人形店の店主
第八話で登場。
切り裂き魔が出る国の人形店の店主。
cv上田さん、熱のこもった演技だったかとw
復習しましょう・・
サクラクエスト(四ノ宮しおり)/SSSS.GRIDMAN(新条アカネ)/宝石の国(ヘミモルファイト)/ゴブスレ(主人公の姉)/Dr.STONE(ルリ)/鬼滅の刃(栗花落カナヲ)/日本沈没2020(武藤歩)
メインも多くなってきたかな・・
{/netabare}▲

▼楠木ともり/{netabare}セレナ
第九話で登場。
時計郷ロストルフに暮らす富豪の家の殺人鬼少女。
ガンゲイルのレンちゃんですねー。
他にはデカダンス(ナツメ)が印象的かな。
{/netabare}▲

▼内山夕実/{netabare}エステル
第九話で登場。
時計郷ロストルフに暮らす優秀な魔女。二つ名は『薫衣の魔女』。
過去に戻ってセレナを助けようとするが・・・
cv内山さんは・・
咲-Saki-(鷺森灼)/好きっていいなよ(武藤愛子)/オバロ(マーレ)/宝石の国(ルチル)/ガンゲイル(ソフィー)/そして・・リゼロ(パック)ですね。
{/netabare}▲

▼高橋未奈美/{netabare}ミナ
黒髪ロングなサヤの妹。
ひそかに姉を好きすぎてイレイナに嫉妬。
第十一話で登場。
この回はイレイナとサヤとの入れ替わり。
つまり、本渡さんと黒沢さんの入れ替わり。
この二人の声好きにはたまらん設定ww
本渡さん、やっぱ明るいキャラが合うなあ・・w
さて、cv未奈美さんは・・
リゼロ(ヴィルヘルムの妻にして剣聖だったテレシア)/メイドラゴン(ルコア)/エロマンガ先生(山田エルフ)/ダンまちOVA(ティオネ)/はるかなレシーブ(新垣柑菜)/ありふれた職業で世界最強(シア・ハウリア)
/そして・・まちカドまぞく(リリス)、でしたかw
{/netabare}▲

▼小原好美/{netabare}アムネシア
第十二話でちょこっとだけ登場。
二期は彼女の出番が期待できそうですね。
cv小原さんといえば・・
月がきれい(水野茜)/あそびあそばせ(野村香純)/ドメカノ(葦原美雨)/やが君(叶こよみ)/鬼滅の刃(竈門花子)/かぐや様(チカ)/そしてそして・・まちカドまぞく(シャミ子)
また次回作が待ち遠しい作品が増えました♪
{/netabare}▲

▼本渡楓/{netabare}イレイナxxx(多すぎて省略w)
(上にも書いたけどあえて・・)
第十二(最終)話で登場。
なんと本渡さん一人二十二役www
(エンドロールを見て数えました)
「はめふら」での内田真礼さんの一人五役を優に超える記録w
とはいえ「あー」とか「うー」とか「にゃー」とかいうのも含めてなので単純には比較できませんがw

「イレイナやさぐれ」など、ホントに本渡さん!?と思えるキャラもいて快演だったかとw
なんだか今後こういった試みの作品がチラホラ出てきても不思議じゃないかもw

まあこの話があるんだったら是非とも旬な声優さんを配役したくもなりますね・・黒沢さんとか小原さんとかでも面白かったかも知れませんが・・第13回声優アワードの新人女優賞でしたし、個人的にはまあ納得できる選択だったかと。
{/netabare}▲

OPは上田麗奈さん。
自分のBEST10内の人多い・・てかBEST10見直そうかなw

原作は長編小説として今でも続いてるようですが、文章の方が想像力を掻き立てられるような話なのかもしれませんね。。
あくまでも個人的な見解ですが、アニメの物語としては秀逸な感じはなかったかな。。

でも続編あれば観ます。


 原作:2016年刊行開始の長編小説
    2020年時点で15巻刊行
 制作:C2C
  「はるかなレシーブ」、
  「ひとりぼっちの○○生活」などを制作
 放送:2020年10-12月
 視聴:2020年12月 NETFLIX

一番気になったのは、本渡さんのギャラだったりw
 

投稿 : 2024/05/04
♥ : 30
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

今観てる

1話感想{netabare}
原作未読。
アニメ制作はC2Cなのかー、前作の“シャチバト”が余りにも酷かったので今度は頑張って汚名を雪いで欲しいトコロ。
なんてことを思ってたら…シリ構・脚本ふでやす?ふでやすナンテ!?
えっと私自身原作未読なので気付かなかったんだけど、今現在(2020 10月4日)同じくふでやすがシリ構を務める“ブラッククローバー”がアニオリ展開らしくてそのパートは近い内終わって、その次は原作者監修のアニオリが控えてるんだそうな。
アニメスタッフのみのアニオリ+原作者監修によるアニオリって流れになるのかな。
アニメスタッフのみの時でどこまでふでやすが係わってたか知らないけど、その後に控えてる原作者監修パートも、少なくともアニメ制作には畑違いの作者との調整役として結構大変な時期なんじゃない?とは思ってて。
そんな時期にこんなかけもちをして、だ、大丈夫か?
因みにふでやすの個人的評価としては富田祐弘のコンパチなので、オリジナルはアレだけど原作アリなら仕事はソツなくこなす…気はする。
シャチバトより酷い脚本は書く方が難しいので大丈夫だろうけど、まさかふでやすを応援する日が来ようとは…。
なにより“異種族レビュアーズ”の件で干されてなかったっぽいことに安堵したりw(ブラクロや邪神ちゃんは騒動起きる前に契約しただろうし除外)
あいや、この作品もどの時期に着手してたか分からないけどね、今はコロナもあるしねぇ。

──と下書き書いて寝かせてたら、これまたシリ構がふでやすの“神達に拾われた男”が始まりまして…えっ、仕事しすぎじゃない?大丈夫?
ってか私は週に3本ふでやす作品を見ることになるのか?まさかこれ以上増えないよね?

でもって本編1話感想ですが──。
ん?“キノの旅”みたいな展開になるの?
というかそういう情報を小耳に入れてしまいまして…だけどキノとは全然違うんじゃない?あくまで1話時点では。
キノへの苦言になるので閉じときます{netabare}
キノの旅は国籍不明で住所不定無職の無宿渡世人風情が何故か威張り散らしてるように感じて違和感凄かったのだけど、こっちは魔女という職業が世間に認知されてる模様。
身元が保証されてるというか、これだけで印象が随分違う。
更には師匠との約束で「自分を特別と思うな」というのがある件。
キノは主人公(作者の投影)は思いつく限り特別に仕立ててた気がするので、これも大きく違う…気がする。{/netabare}
うん、まぁ「気がする」だけなんですけどね。
なんせ先の展開知らないので本当に1話で描かれたことを踏まえた話になるのかどうかもサッパリ分からない。
期待はするけど期待通りになってくれるかなぁ、どうかねぇ?{/netabare}

4話までの感想{netabare}
なんか3話と4話は不評の声が多いらしい。
私は何とも思わなくて「え、どこがダメだったん?」と調べてみたら、あーナルホドねぇ。
イレイナが未必の故意に抵触するようなことをしといて一切悪びれる素振りが無いのが不快なのか。
言われてみれば分からんでもないけど、どうも私は別の見方をしちゃってるみたい。

ってことでそれを書く前にまず2話。
「キノみたいな話だけどキノとはここが違うんだぜ」というのを主張しようとしたのかな、魔女というのがこの世界では地位のある立場だと説明する回だと認識。
また、もしイレイナが正義感の強いキャラだったら情報料を遠回しに無心した目撃者を咎めたと思う。
それをしなかったことで「そういうキャラなのね」と解釈したし、それを踏まえた上での3話4話。

まず3話A、最初の花畑のシーン、ロングではキク科(マーガレットかな?)も映ってるのにアップではケシ科(ヤバいケシかどうかまでは絵では分からない)ばかりが描かれ、更に手渡された花束はアネモネにも見えるけどケシの花でもそこまで変じゃない、それ一種類のみになっていて。
ってことで早い段階で「あ、これヤバい花なんじゃね?」と思ったのでその後の展開は「思ったとおりだぜ」で、それ以外の感情は別に…。
最後も、村人が持ってた花束にはキク科が含まれててイレイナが持ち込んだせいではないと表現してるんじゃないかな。
3話Bも、個人的には「ああ、奴隷制度が当たり前の世界なのか」ってのが先に来ちゃいまして。
「奴隷が酷い扱いを受けてたら助けなければならない」なんて価値観は存在しない世界なんじゃないかな、「所詮他人の所有物だし」みたいな。
で、イレイナは奴隷少女が可哀想と思ったのではなく、酷い扱いを受けてることに全く気付いて無さそうなオメデタイ坊ちゃんにイラっと来たんちゃうかな?
坊ちゃんが手痛い目に遭えばそれでいい、奴隷少女がどうなろうが知ったこっちゃない、って心境だったのならイレイナの行動はどこも変ではない…じゃないかな?どうかな?
4話も、魔女怒らせると怖いんだなぁってだけでそれ以上でも以下でもなく…。

それを見させられて面白いかどうかは別だけど…まぁ「ふーん」って感じ。
面白くも無ければつまらなくもない、今のところ不快な部分は無いってだけ。
あくまで今のところなので、今後どうなるかは分からんけどねー。{/netabare}

6話までの感想{netabare}
5話、回想とはいえ師匠との再会はええ!と思ったら6話ではサヤと再会で…は、早くね?
別れてから再会するまでの間色々と経験したであろうイレイナを前に「何処何処が変わった(成長した)」と察したり指摘することも…無い。
感慨もへったくれもないなw
しかも6話は妙に説教臭い、王様が何故そこまで嘘を嫌うことになったのかの原因は何も解決されてなさそうなトコロもすっきりしない。
(「信頼できる家臣が居ない」っていうのが問題だったのでは?)
ってかもっと嘘を吐けないことによる面白ギミックってあったんじゃない?
ちょっと違うけど「右の扉が正解だと言ったらもう片方の門番はイエスと答えますか?」みたいなヤツ。
しかもよりにもよって言葉の使い方を捻るエピソードでサヤと鞘を混同するネタって…えっコイツら日本語で喋ってんの!?
作画スタッフが必死に海外(異世界)情緒を醸そうと頑張ってるのを台無しににちゃったような…。
こういうのって海外配信どうなるんだろ?サヤって名前が前もってシースだかスカバードになってるとか無いよね?

ところでここまで見て、4話までの段階ではイレイナは基本他人に不干渉で「あっしにゃあ関わりのねぇこって」を貫くけど、あることに関しては「それは黙ってられん」と首を突っ込む“ヤル気スイッチ”があって、それは一体何なのかを探る作品なのかな?と思ったのだが、そうではないっぽい?{/netabare}

8話までの感想{netabare}
7話A、“花の子ルンルン”のセルジュじゃあるまいし、いちいち旅先でサヤとニアミスするのは個人的には好きじゃない。
なんかね…折角旅をしてるのに世界を狭く感じてしまう、“ゾイドワイルド”で感じたのと同じ気分。
まぁ実際、結構狭い範囲を巡ってるって話なのかも知れないのであんまり気にしない様にはするけど。
とりあえず言明はしないだろうけどニケはイレイナの母で確定かのう?
Bパート、ワイン用のブドウ畑はあれでいいのだけど、ローズマリーといいつつ髪飾りがローズマリーじゃないのがすっごい気になるw
キャラ名と合わせなきゃいけない決まりは無いけど、もしあれをローズマリーのつもりで描いてるんだとしたらちょっと…。
前期のアニメ“ラピスリライツ”のユズリハってキャラの髪飾りが全然ユズリハじゃなくて、「これで覚えられても困るなぁ」と思ってたところでコレなので余計に気になるのかも?
8話、あっ、絵コンテ稲垣隆行だ。
檻を落とす時の1カメ2カメ3カメや、最後上空にパンして人形店店主と被せて喋らせるのとか、ひょっとしたら彼の仕業かも?
というか…人形店店主の声が上田麗奈なんだけど!?OP担当してる人をこんな使い方でいいのか?w{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

70.6 9 師匠で異世界なアニメランキング9位
賢者の孫(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★☆☆ 2.9 (602)
2564人が棚に入れました
ある青年が事故をきっかけに、異世界に赤ん坊として転生。そんな彼を稀代の魔術師・マーリンが拾い、シンと名付ける。シンはマーリンの孫として育てられ、魔術も学ぶ。だがマーリンは、常識を教えるのを忘れていた……。

声優・キャラクター
小林裕介、小松昌平、本泉莉奈、若井友希、屋良有作、高島雅羅、森川智之
ネタバレ

kororin さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

今回の「SILVER LINK.」は・・・・・・・・・・・・ツッコミ満載!!

2019.04.11【第1話を見て・・・】

作品ごとに出来栄えがが、
①大変良い。
②良い。
③普通。
④悪い。
⑤かなり悪い。
と、なかなか「安定したした作品」を出さない「SILVER LINK.」制作。(笑)

今回はズバリ!『中途半端』に感じます。(笑) 厳密に言えば③④の間ぐらい。

毎期、毎度毎度の「テンプレ異世界転生モノ」。テンプレは嫌いではないですが「作り方」がヘボ過ぎると大嫌いです。(笑)

今回は、
・主人公は(定番の)現代社会のサラリーマン(養育向け「科学雑誌」編集?)が事故により死亡しファンタジー異世界に赤子として転生。
・「シン」と名付けれた赤子は老賢者の孫として育てられる。(定番のメタ情報=前世の記憶アリ)
・恵まれた師匠筋により魔法・剣術がその年齢にそぐわない(定番の)「チートパワー」を身につける。

15歳の(この世界では)成人を期に魔法学校に入学・・・「パワー」は凄いが「(社会)常識知らず」というシチュエーションでラブコメ学園・アドベンチャーといった展開になるのだろうか?


[作画面]
普通に見られる範囲ですが、厳密に言うと「微妙にヘボい作画」です。「微妙にヘボい作画」です。(大事な事なので2回言いました)

[ドラマ]
少々稚拙なラノベ文章を「そのまんま」仕上げたような印象。1話は、やたら説明を多く織り交ぜ過ぎてるせいで「ドラマティックな面白味」が全然無く、用意したシーンを「事務的に展開」したような感じ。 「ヘボい構図」や「単調な演出」のせいもあって面白味が無いです。
「面白いモノを作る」という意気込みが感じられず、「仕事だからやっている」感が、ものすごく伝わってきます。(笑)

[リアクション]
その作品の風格に合った「ズッコケ」や「ギャグ・コント」「サプライズ」というものがありますが・・・何か不自然すぎてシラけてしまいます。

[魔法演出&アクション&キャラ紹介の見栄]
ヘボいドラマパートからみて、全くの別物! ココだけ『変』にチカラを入れ過ぎて『変』にキレッキレにカッコイイのが「妙に不自然」!


まるで『企業PR』を見せられたような印象の第1話でした。(笑)
しばらく様子見ですが、「視聴切候補」として挙げます。



2019.04.17【機会があったのでコミカライズを一気読み・・・】
主人公(シン)の凄く都合の良く伸びる成長と、ひねくれ者の居ない仲間たちや、シンの周りにいる大人はやたら高名な人徳ある実力者、など「ご都合主義過ぎの展開」をまずストーリーとして考え、後付けで「敵・敵対勢力」を無理くりに組み込んだ印象なので全体的な構成がチョット甘々な感じもします。 テンポのいい進行は気持ちいいかもしれないけど、やはり深みが薄いような気がするなぁ。(まぁソコが良くて好まれてるのでしょうが)

なので、
・無垢な「小学上級生~中学初等」あたりが、心地よく喜び(ウケ)そうなストーリー。
・「お出かけ女子」で、やたら小物をバッグにドッサリ詰め込んで用意する(あんな時にはコレ使おう。こんな時にはアレしよう・・・みたいな)タイプ。
のような印象でした。(笑)
今後、{netabare}
・ポンポン発明される魔導具の数々。
・シン&シシリーの見てて背中がカユクなるピュアなリア充ぶり。
・残虐描写(斬首、断胴など)のアニメ表現。
・早くも野望達成した魔神シュトロームの今後。
など{/netabare}
どうなりますやら・・・




2019.06.29【まさに中学生のオ〇ニー・アニメ!】(加筆修正2019.07.02)
視聴切ろうかと思いましたけど、結局最後まで見てしまった。(笑)
面白そうな『素材』でありながら、全然面白く活かせてないのは世間の不条理・不合理など「マイナス感」をあまりよく実感していない『中学生坊ちゃんが考えたような脚本・構成』のせいか?
なので「万人受け」にはならず「中学生坊ちゃん男子」受けになるような展開に「(情けなくて)恥ずかしかった」です。(笑) 各所、叩きまくってますが私も苦言を。


さて、テンプレートは「異世界転生」。主人公ステータスは、お馴染みの「チート(最強)能力」。『中学生坊ちゃんが考えたような脚本・構成』なので、{netabare}
【シン・ウォルホードは中学生坊ちゃんが考えたような『理想』の主人公】
・最初から(才能やら何やら)「持っている」ので、何をやらせても技能的に上手くこなすという『都合の良さ(ご都合主義)』。 なので、何かを得るための苦労や苦悩・努力の描写が全然無いせいか、人間味が(空っぽで)薄く感じられ魅力的には思えません。
・シンの、その若さで持っている強大な魔力に周りから感嘆・称賛などチヤホヤされる様子は「中学生坊ちゃん男子」の抱く『超・理想』。(笑)
・彼女となるシシリーに対して、双方オンリーワンの恋愛事情。ウブウブな態度は別にイイのですが、恋仇・こじれる人間関係などストレスを感じさせる状況を「一切排除」している『都合の良さ』。(なんと都合の良い人間関係!)
・シンのバックボーンに、名だたる賢者・導士、タメ口が許される国王・王子、元騎士団長、宮廷魔法師団所属の魔法使い、近衛騎士団所属の騎士と何かと常人が逆らえない後ろ盾があるという『都合の良さ(ご都合主義)』。 
・これだけ色々持ってるのに傲慢にもならず、人当たりのイイ好少年に育っているという『都合の良さ』。(笑)
まさに「(作者:吉岡剛の?)自己満足的な理想」のヒーローのように見えました。(笑)

【道を示す助言者、アウグスト=フォン=アールスハイド(オーグ)】
・シンの学友で王子様。彼の立ち位置はおそらく「作者(吉岡剛)本人」の分身でしょうね。 空っぽなシンに対してイジりまくり、シンを盛り立てたり話を都合よく進め(勧め)たり纏めたり。 作者の理想なのかツンデレな許嫁をあてがったり。(笑) 王族らしからぬワールドワイドな視点と知識と素養・良識的な人間性が、いかにも『作者本人』の理想に思えます。(笑)

【彼女にするなら、こうであれ!(?)】
・優しくて美形、おとなし目で恥じらいのある淑女、そこそこ発育のいいプロポーション、捻くれてなく素直な性格、好きな人の為ならば覚悟を決める潔さ・・・そんなシシリーは中学生坊ちゃんが萌える理想像?(笑)

【早くも野望達成した敵は、使いどころが浮いたまま!!】
本来、(都合よく)ストレス・レスな冒険ファンタジー物をしたかったのかもしれませんが、敵が居ないと盛り上がらないという編集者の入れ知恵で作ったような敵役・シュトローム。 魔人堕ちした悲惨な生立ちは、話としては良かったものの、早く(シュトロームを)排除したいせいか、あっさり彼の目的である帝国への復讐を終わらせてしまい、無理くりにでもシンと敵対させようとする強引で「不自然」な展開が駄目に思えました。(笑)

【友達は多い方がいいし楽しい!・・・でも、】
・マリア(シシリーの親友)
・トール(オーグの護衛で眼鏡男子)
・ユリウス(オーグの護衛で大柄な体格でござる)
・トニー(チャラ男剣士)
・リン(寡黙な天然暴発女子)
・アリス(元気なおこちゃま体型)
・ユーリ(おっとりボン・キュ・ボン!)
・マーク(鍛冶屋の息子でオリビアとは幼馴染で恋人同士)
・オリビア(食堂の娘でマークとは幼馴染で恋人同士)
、とまあけっこう出てましたが、・・・個性的ではあるものの、なんか引き立て人員な役割で「立ちんぼ場面」も多く、印象が薄かったです。(もっと掘り下げればいいのに、ソコまで采配する頭(知恵)が無かったのか?)

【通常パートはヘボアニメ。しかし・・・】
視聴した方々は判ると思いますが、日常パートはヘボい「ノッペリ作画」にヘボいアングル(画面構成)にヘボい演出、的外れに入れるギャグ漫画まんまのような「寒いコントリアクション」、背景担当のスタッフらはイメージの悪さの所為か「このすば!」から参考(というか、殆どパクった)建物や都市の俯瞰の数々。
しかし、『魔法バトル』になると空気が一変!!
キレッキレのアクションに派手な魔法演出や爆発効果の「超・特化作画」!中学生坊ちゃんが喜びそうな展開ですが・・・・・『通常パート』もコレだと良かったのに。(笑)

【イベント絡みの縁で使ったVTuber】
OPの「i☆Ris」の曲は悪くなかったケド・・・OPアニメの『センス』は酷かった。(笑)
2018年11月のイベントの縁で起用したED担当のVTuber「吉七味。」も「曲」は悪くなかったケド・・・6話で登場したミランダの声優役&EDアニメのVTuberキャラダンスに各所大、大、大ヒンシュク!(笑) 推してる方々には申し訳ないけど、ヤッパリ声優としては「下手クソ(滑舌悪い)」ですしEDアニメも世界観が全然シックリしてなかったと思います。(あとメイ役のVTuber「雛乃木まや」も(滑舌悪くて)酷かったでしゅ・・・でしゅ)出来がヨロシク無いのに起用されるなんて、『裏』で何かあったと勘ぐられそうです。内輪ウケにはいいけれど、一般にはまだまだ、マダマダ認めてもらうのは厳しいと思います。

【「常識をブっとばせ!」がフレーズになってますが・・・】
型苦しい枠に縛られない自由な発想として魅力的な語感の「響き」ですが、まず「常識を知らない」のに言ってほしくはないですネ。(笑){/netabare}


と、いうように毎回「強・ツッコミ(いやいや、オカシイだろコレ)」を入れずにはおけないようなアニメ。 そういう「悪い意味」で物凄く盛り上がって楽しい(?)アニメでもありました。(笑)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.7

ストレスが無いのがストレス

6話までの感想{netabare}
前情報で身構えてたせいもあるのかも知れないが、実際見てみたらそこまで酷くないじゃん…と思ってました。
聞くだけでサブイボが立ちそうな「え、ボクまた何かやっちゃいました?」も、あくまで周囲はドン引きという描写が多く、てっきり賞賛ばかりが続くのかと思ってたのでそれよりは随分マシかなぁ、と。
…。
と、ツッコミどころはあれどソコソコ好意的に見てたところで6話のエンディングですよ。
ナニコレー!?
スタッフは叩かれないようにマトモなものを作ろうとしてるのか、叩かれて上等の炎上商法紛いの路線を狙ってるのか、どっちなんだか分からなくなってきたぞ?
ってかスポンサーにゴリ推しされてボイコットでもしたのか?とさえ思えてきたり。
そんなことってあるのかなー?
と、以前やってた某アニメが頭をよぎる…メカクシなんとかだけど、円盤版では修正されたけどTV版では作画がくっそ酷い回があって、だけどプロデューサー(だったかな?)はノリノリだったらしい。
所詮プロデューサーは調子のいいことを言うだけなので本意かどうかは不明だけど、賢者の孫も同じ感じだったりして?
視聴者ドン引きで身内だけで盛り上がってるっていう…。

6話エンディングについてだけでは寂しいので他のツッコミ。
5話で帝国が戦争を企んでることについて「何故?」という問いに「そんなの向こうに聞いてくれ」と返す王子、理由については興味無さ気。
そんなことある?理由が分かれば回避方法も見付かるかも知れないじゃん?探ったけど全然分からなくて不思議だなーって態度でもないし…。
と思ったら6話で理由(原因)はシュトロームによるものだと判明…まんまと術中に嵌ってやんの。
う~ん、最初から馬鹿キャラならまだしも、ストーリーの進行上突如キャラが馬鹿になるのはキツいですなぁ。{/netabare}

9話までの感想{netabare}
「大量に発生した魔人と対決予定で、無事に生きて帰って来れるか分からないから色恋事に性急」ってことなら分かるんだ。
けど実際は死の匂いからはずっと遠い、見え見えの神(作者)の手で安全が保証されてのほほんとした部活動の延長のノリでしかないから色々と気持ち悪い。
なんだっけ、最近見た別アニメのセリフが頭をよぎる、「自分が死ぬとは思ってないんだろ?」。
婚約披露も、若いカップル(特に片方は将来国の中枢を担うのが明白)の誕生を見て、二人の幸せを守るために戦うぞと奮起する老兵でも映せばいいのに。{/netabare}

10話感想{netabare}
今回は途中から“ブラッククローバー”を見てる気分だった、ってか今週のとネタ被りまくってて吹いた。
87話だけでも見るといいかも?
あっちは「我らロイヤルナイツが白夜の魔眼を倒すぜ」と宣言して終了、こっちは「我らアルティメットマジシャンズが魔人を倒すぜ」と宣言して終了、わぁい。
そもそもあっちは“テラフォーマーズ”も裸足で逃げるくらい、どんなザコだろうが対決する度に「コイツにはこんな暗い過去があったんだー。こんな辛い過去があったんだー」と回想が入るんですよね、体感全体の半分は回想。
ナルトもそうなのかい?ペイン編までしか見てないんよ。
で、自分はもうそういうのに慣れちゃってるせいか「あ、そう」って感じ。
そうはいってもねぇ、ブラクロは最終回がいつか不明な引き伸ばし上等の作品(それが好きか嫌いかは置いといて)で、最終回がいつか決まってる深夜アニメで同等のノリをやられても困るんだけど…。
ってか敵側の悲しい過去回想するにしても主人公と何か因縁持たせようよ、なーんも繋がり無くないか?{/netabare}

11話感想{netabare}
いやいやいやいや。
政治的なことはなるべく考えないようにしてたけど、わざわざ王太子が宣言しちゃうんだからどうしようもない。
放送があるワケじゃないので国内でアルティメットナントカを宣言してはいるけど、国外ではあくまで「ナニそれ知りませんなぁ」って素振りでないと(それでもかなり無理があるけど)色々とマズくね?
アルティメットナントカはあくまで「国籍不明で無償奉仕してくれる謎の正義の味方」でないと色々と問題発生しちゃわない?
作中のやり方では領地拡大を狙った魔人とアルティメットナントカによる自作自演だと疑われかねない気ががが。
魔人大量出現も異常ならそれをサクサク倒せる連中の登場も異常だもの。
魔人出現が超異常事態でリアルとは比較しづらいとはいえ、アメリカだけが核兵器持ってるような状態で、魔人退治が終わったら今度はアルティメットナニガシが人類の敵になりそう。
当人がそう思ってなかろうが「彼らの機嫌を損ねたら何をされるか分からない」「彼らを賞賛(領地明け渡しでも財産献上でも)しなければ今後魔人が出たとき退治してくれないかも…」と無言のプレッシャーになるもの、人類からしたら。
そこら辺の問題踏み込んでくれるのかな?
また、せめて「死力を尽くしてなんとか撃退」ないし「身内にも少なからず犠牲が出た」ならまだしも、あんまりにも余裕綽々だと「それだけ余裕あったのならもっと早くから手を打てよ」と思ってしまう。
私自身だけじゃなくて作中の「ただの一般人」がそう思うって…思わないんだろうけどね、都合よく。
これって“劣等生”でも強く感じたけど、主人公に能力盛りすぎると起こる弊害、「どんなにスペックあってもそれを使いこなせない無能」って俺TUEE系はなりがちで、そこんところは細心の注意払ってくれないとちょっと…。

というか、魔人狩り楽しんでない?ウサギ狩り感覚で。
どっちが魔人だか分からなくなってきたぞw{/netabare}

12話感想{netabare}
聖女ネタ寒っ。
こんな時でも結局主人公の方が秀でてないと気が済まないのか、「この分野は○○のが上」ってのがそんなに耐えられないのか。
そして連合加盟への働きかけって、断れるワケないじゃん。
「断った国は魔人現れても助けません(ニッコリ」と脅迫してるのと大差ないと気付いてないのかな?
眉間に銃押し付けて「なぁ、オレの頼み聞いてくれよー」と言ってるようなモンで…なにが「失礼の無い様に」だよ。
他の国がアールスハイド王国の属国だとか、もし滅んだら王国が経済的に損するとか、見捨てたら王国が何か割を食うのなら言い分の一割は理解できるけど、帝国が亡んでも「別に関係ないね」って他人事な振る舞いをしたせいで全く説得力が無い。
難民一人も居ないんでしょ?
魔人からの警護を口実に支配地域の拡大を狙ってるように見えて仕方ない。
そう考えれば暢気にビーチバレーに興じてたのも頷けてしまうから困る(=魔人を意図的に泳がせてた)、ってかアニメが続いたらそういうことにする予定とか?
せめて主人公ヨイショするにしても、アルティメットなにがしの噂を聞きつけて「我らも庇護下に置かせてください」と向こうから頼み込んできたとかにすりゃ良いのに…それでも「うわぁ」となるけど、それより酷いって何なんだ。
そうねぇ、王大使が普通に腹黒キャラで、影でニヤリと邪悪な笑みでもしてればまだ見れた…か?
主人公がまんまと利用されてるのが耐えられない?ってか気付かない賢者がアホ過ぎてやっぱダメかー。
で、支配地域を増やすためにルーラ登録の旅に出ますねエンド。
かーらーのルーラによるMP消費がゼロないしコストが安いので、宿屋はタダのアリアハンで済ますオチ。
…。
そう。{/netabare}

総評{netabare}
これを見てアニメを嫌いにならないでと祈りたい気持ち。
あ、けど作画はところどころ良かった、頑張ったアニメーターはもっと良い作品に係れるようになってくれたら良いな。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ある種の鏡

*蛇足追記


転生したサラリーマンが、異世界で想像しうる限りの能力と承認を集めて称賛の的になる様を描く物語。

「世界」の設定とエピソードの全てが主人公の全能感に奉仕するために創られた物語は、最近では「なろう系」と呼ばれているらしい。
が、『小説家になろう』というサイトが、そうした物語だけを提供するよう専門化されている、というわけではないだろう。
そこに集まる小説が、いわゆる「なろう系」と定型化されるのは、つまり読者の好みがそうした「定型」に集中している、言ってみれば或る種のマーケティングの結果なのかもしれない。

主人公に「能力」や「勝利」が集中することに、何ら必然性や納得感を感じさせる設定を創ろうとはしない「世界」は、妄想だけが先走った手抜きとも見えながら、ある意味では「健全」なのかもしれないとも思わせる。

数年前を振り返れば、ライトノベル原作の活劇アニメの主人公は、国家の「特務機関」や「秘密結社」の構成員ばかりの印象があった。
「世界」の命運を左右する「全能感」の発揮のために、後ろ盾として「国家権力」しか発想できなかった限界性から比べると、「何も説得的な設定を創らない/創れない」という事態は、「創れない」とみれば後退だが、「創らない」とみれば(或る種の)健全化ではあるだろう。
「健全性」に魅力を感じるかは別の話だが。

いずれにせよ、表現を支える手段はどうであれ、描きたいものは「主人公の」全能感であることだけは不変のようだ。

活劇において主人公が強いのは当たり前だと言える。
しかし、描くものが主人公の「強さ」であるのか、「全能感」であるのかでは作品の性質はまるで異なるものとなる。
説得的で客観性のある「世界」でも主人公の「最強」を描くことはできるが、「全能感」は描けない。
主観的な妄想性こそが「全能感」の源泉であろうから。


製作者の妄想じみた「全能感」の物語は、視聴者が望むからこそ制作されるのだろう。
いや、視聴者の妄想を映し出している(と信じられている)からこそ、製作者は作り続けることができる。

言ってみれば初歩的な「マーケティング」の産物だが、「創作物」がマーケティング手法だけで創れるものだろうか。
「笑える、わかりやすい、ウツな重苦しさのない、スカッとさせる」=「全能感」を堪能させるアニメが観たいという最大公約数的な「マーケティング」で制作されたかのような、スマートホンがどうこうしたという異世界転生アニメがどのような出来であったか、思い出してみるのもいいだろう。

日本のアニメがANIMEとして全世界的に熱心なファンを獲得しているのは、日本のアニメがエンタメとしては例外的に過剰な作家性を発揮していたためだと思われる。
視聴者が「消費者」のように妄想の実現を求め、製作者がそれを拾う「マーケティング」の向こうに、ANIMEの特異性、優位性は発揮し得るものなのだろうか。

何十年か前、中国のとある工場を訪れた際、日本では機械化されている工程を人海戦術の人力で行っていた。
社長曰く「工作機械を購入するより人件費のほうが安い」とのことだったが、現代では経済誌のインタビューに「人件費が安いから日本の工場に下請けさせる」と語る中国人経営者も登場してきた。

経済=マーケティングの論理は、冷徹に環境を反映し、世界を「数字」の相関へ還元する。

作家性=創作は、いってみれば経済に代表される即物的相関の非情性への「アンチ」だ。

エンターテインメント・アニメのスタンダードは、マーケティング=経済=売り上げ規模からいってディズニー・スタイルだろう。
ANIMEは、スタンダードへの「アンチ」として支えられている。
マーケティング主導(に見える)「なろう系」アニメは日本独特に違いないだろうが、ANIME=日本アニメとして「アンチ」を支えた過去の作家主義的なアニメ監督たちの作品に匹敵する強度が、果たしてあるのだろうか。



「全能感」を支える妄想充足的なご都合感を、「なろう系」と嘲笑するのは容易だ。

が、「なろう系」の本質がマーケティングであるとすれば、こうした作品群は自らの「消費者」的な欲求の反映ではないかという視聴者の自省も、同時に必要ではないだろうか。

つまらないと感じたアニメに対して「クズ」「カス」「ゴミ」と罵言を投げつける人も多いが、本作のようなアニメに対しては、マーケティング用の統計データを与えてあげているだけのことで、マーケティング創作を強化することにしかならない。
作家性を挑発したいのであれば、単なる罵言以外の言葉が求められる。


作品とはあまり関係のない感想が生まれたのは、本作がこうした傾向の作品群を純化したような象徴性があるためだろう。
好き嫌いや評価を別として、「マーケティング」アニメの代表としての「純度」はあるように思える。


【蛇足】
一年後には忘れていると思うので控えておきたい。

2019/5/17現在、出版社の幻冬舎が、自社の出版物を批判した小説家の文庫出版を差し止め、それを暴露した小説家に対し、社長が「あの作家の本は売れていない(から出版しない)」と誹謗するツイートを発している。

このサイトでもアニメ番組を「作品」と表記することが通例であるように、「創作物」は市場に流通する「商品」であると同時に、「作品」であるという二重性を持つ。

どれだけ売れたか=金銭を稼いだかはアニメの「商品」価値だが、「作品」の価値とは無関係だ。
「売れない」アニメでも優れた「作品」はあるし、また、優れた「作品」が商業的に大ヒットすることもある。
繰り返すが、端的に「無関係」だ。

小説の売り上げで「価値」を測る出版社社長のツイートは、経営的に正しいように見えて、自らの扱う「創作物」という特異なモノの性質を正しく把握していない、商売人としての無能力を暴露している妄言に過ぎない。


そもそも視聴者が「売上」に代表される現実的原則を絶対化する感性の持ち主ならば、アニメのような非現実のフィクションに魅かれて愛好するはずがない。
おそらく視聴者にとっては「作品」の出来のほうが価値を持っていたのだろう。
これまでは。

しかし、「作品」を観て「満足」の多寡を計量する視聴は、「商品」価値に接近しているような気がする。
「神」「最高」、あるいは「カス」「クソ」といった感想は、購入商品に対して返送する「お客様アンケート」のようだ。

どれだけ金銭を集めたかがアニメの「商品」価値だとすれば、どれだけ「お客様アンケート」以外の言葉を集めたかが「作品」価値なのだろう。


本作に価値を感じる視聴者も、膨大にいることだろう。
マーケティングに貢献する「アンケート」以外の言葉が集まるようであれば、本作のような作品群も将来に残り続けるのであろうけれど。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

78.8 10 師匠で異世界なアニメランキング10位
魔王学院の不適合者(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (648)
2560人が棚に入れました
二千年の時を経て蘇った暴虐の魔王――だが、魔王候補を育てる学院の適性――《不適合》!?人を、精霊を、神々すらも滅ぼしながら、延々と続く闘争に飽き、平和な世の中を夢見て転生した暴虐の魔王「アノス・ヴォルディゴード」。しかし二千年後、転生した彼を待っていたのは平和に慣れて弱くなりすぎた子孫たちと、衰退を極めた魔法の数々だった。魔王の生まれ変わりと目される者を集め教育する“魔王学院"に入学したアノスだが、学院は彼の力を見抜けず不適合者の烙印を押す始末。さらには、伝説の魔王は自分とはまったくの別人という事になっていた。誰からも格下と侮られる中、ただひとり親身になってくれる少女ミーシャを配下に加え、不適合者(魔王)が、魔族のヒエラルキーを駆け上がる!!「摂理だろうと運命だろうと、奇跡だろうと、俺の眼前ではただひれ伏し消えるのみだ。」

声優・キャラクター
鈴木達央、楠木ともり、夏吉ゆうこ、松本忍、豊崎愛生、小清水亜美
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

内容は面白かったぞ

魔王の生まれ変わりが主人公。突き抜けた俺つええでむしろ、面白い。
何しても必ず勝つ安心感がある。オーバーロードを見ていたときの気分。
煽るだけ煽って散っていく敵キャラの残念さが笑える。

あと、安定のハーレム。

両親が不思議すぎる。{netabare}生後何か月よ。成長早すぎるのに、何の違和感もなしに受け入れているのに驚き。受け入れるの速さに秘訣には{/netabare}
アノスが両親思いの素敵な魔王だからっていうのはあるんだろうが。

割と家族愛溢れる作品にも感じることもあってそこも良かった。


OP
正解不正解 CIVILIAN
ED
ハミダシモノ 楠木ともり
うーん、楽曲はあまり心に響かなかった。だからその点は評価低め。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
二千年の時を経て蘇った暴虐の魔王--だが、魔王候補を育てる学院の適性--《不適合》!?人を、精霊を、神々すらも滅ぼしながら、延々と続く闘争に飽き、平和な世の中を夢見て転生した暴虐の魔王「アノス・ヴォルディゴード」。しかし二千年後、転生した彼を待っていたのは平和に慣れて弱くなりすぎた子孫たちと、衰退を極めた魔法の数々だった。魔王の生まれ変わりと目される者を集め教育する“魔王学院”に入学したアノスだが、学院は彼の力を見抜けず不適合者の烙印を押す始末。さらには、伝説の魔王は自分とはまったくの別人という事になっていた。誰からも格下と侮られる中、ただひとり親身になってくれる少女ミーシャを配下に加え、不適合者(魔王)が、魔族のヒエラルキーを駆け上がる!!「摂理だろうと運命だろうと、奇跡だろうと、俺の眼前ではただひれ伏し消えるのみだ。」


1. 魔王学院の不適合者
「--よく聞け。愛しき子孫どもよ。お前達の始祖は帰ってきた」二千年前、暴虐の限りを尽くした史上最強の魔王アノス。そんな彼の血を引く後継者、《魔皇(まおう)》を育成するべく、現代の魔王学院では入学試験が行われていた。試験内容は生徒同士で決闘を行う「実技試験」。そこに現れたのは、二千年前に荒んだ世界に飽き、転生した暴虐の魔王アノスの姿だった。

2. 破滅の魔女
「殺したぐらいで死ぬなら、俺は二千年前にとうに死んでいる」始祖としての莫大な魔力を有しているにも関わらず、《不適合者》の烙印を押されてしまったアノス。彼はそんな不当な扱いも意に介さず、圧倒的な実力を示し続け、班別対抗試験にはリーダーとして参加する事に。だが、クラスメイトは混血のアノスを認めず、班員はミーシャのみになってしまう。さらに対戦相手は、実の妹であるミーシャを《ガラクタ人形》と蔑む姉、サーシャ率いる班となった。

3. サーシャの真意
「サーシャ……ただですむとは思っていないだろうな」「最後に、あなたに会えてよかったわ」。意味深な言葉を残したサーシャの真意を掴めぬまま時は経ち、魔王学院では特別授業として、七魔皇老アイヴィスによる大魔法教練が開催される。七魔皇老は始祖が自らの血を使い生み出した七人の配下。「くれぐれも失礼のないように」とエミリアに念を押されたアノスだったが、躊躇いもなくアイヴィスのことを呼び捨てにしてしまう。

4. 十五の誕生日
「俺が魔王アノス・ヴォルディゴードだ」「十五歳の誕生日……。午前零時に私は消える……」。ミーシャが衝撃の事実を告げる。アイヴィス・ネクロンの掛けた魔法により、仮初めの生を過ごしていたミーシャは"本来は存在しない存在"であった。「十五年が私の一生」。それでいいのだと諦観する彼女にアノスは告げる。「俺には知らぬことが二つある。後悔と不可能だ」。《不適合者》が姉妹を縛り付ける悲劇を、理不尽を、いま粉砕する。

5. 転入生
「俺に抜けぬ剣など、この世に一本しかない」ミーシャ、サーシャとの邂逅。アイヴィスとの激闘も記憶に新しい中、魔王学院では、七魔皇老をも打ち負かす実力者、《錬魔の剣聖》レイが転入生として現れる。レイは有能なリーダーのもとに就きたいと言い、アノス班に入ることを希望した。しかしアノスがこれを拒否。代わりに「相応の結果を見せれば配下に加えてやる」と条件を提示する。かくしてレイは班を結成し、アノス班と、班別対抗試験で真っ向勝負をすることに。

6. 魔剣大会
「一分で終わらせてやろう」班別対抗試験での活躍を認められ、アノス班に加入する事となったレイとミサ。その後、アノス家にて行われた祝勝会で喜びを分かち合ったのも束の間、魔剣大会への参加者として、レイとアノスが選抜されることに。再戦のチャンスが早くも訪れたと喜ぶレイとは対照的に、アノスは「何か裏があるのではないか」という疑念を拭いきれない。そしてミサの案内で七魔皇老の一人メルへイス・ボランと出会い、事態は加速していく。

7. 母の言葉
「嘘つきの行く末は、地獄だ」「皇族派がどんな罠を仕掛けてこようと打ち砕く」。そう決心したアノスは、父グスタから託された剣を手に、魔剣大会の一回戦へ臨む。また同時刻、選手控室にて己の胸元を強く押さえるレイ。いつもと様子が違うレイに対し、アノスは「首輪をつけられているな」と人質の可能性を感じ取る。魔剣大会の背後で蠢く、存在と陰謀とは一体。

8. 二人の決勝戦
「今は俺とお前だけの時間だ」ディルヘイド魔剣大会決勝----アノスとレイが激突する。シーラを人質に取られ、実力を出し切れない状況へ追い込まれた両者は一つの決断を下す。そして決着の瞬間、突如舞台に巨大な魔法陣が出現。二人の周囲の景色は歪み、異次元空間へと飛ばされる。事件の黒幕が、遂にその姿を現す。

9. 勇者学院の謎
「何を言っている。一秒で着く」魔剣大会も幕を閉じ、アノス達は勇者学院との交流授業のため、人間界・アゼシオンへと赴く。現地で各自行動をとる中、「調べ物がしたい」というアノスは、勇者学院へ向かい、“部外者立ち入り禁止”の学院内に堂々と侵入しようとする。するとそこに「ボクと一緒ならお咎めなしだぞ」といたずらっぽく笑う、勇者学院三回生エレオノール・ビアンカが現れ、特別に学院を案内してもらうことに。

10. 学院別対抗試験
「--あとは俺に任せておけ」アノス達は勇者学院との学院交流初日を迎えた。しかし“学院交流”とは名ばかりで、勇者学院の面々は、歓迎ムードとは程遠い雰囲気。魔王学院三回生首席のリーベストが魔法の発動に失敗すると、勇者学院の面々はくすくすと笑い声を漏らす。不愉快そうに表情を歪める魔王学院の生徒達。そんな状況をアノスの一言が切り裂く。「--相変わらず、罠を仕掛けるのが好きだな、人間は」。学院交流は、不穏な雰囲気で幕を開けた。

11. 命の輝き
「……ほう。なかなか歯ごたえのある者もいるようだな」学院別対抗試験第二戦が開始された。ハイネ達に敗北したリーベストの悔恨を引き受け、アノス達は勇者学院の面々と対峙する。作戦は必要なら考えると、莫大な魔力を用いて、正面から相手を叩き潰しに行くアノス。たが、都市を覆う結界『デ・イジェリア』と、少女・ゼシアの聖剣エンハーレの斬撃によって攻撃は防がれてしまう。そして次なる攻め手に欠ける状況下で、ミーシャがある打開策を提案する。

12. 禁忌の魔法
「全員まとめて、幸せにしてやればいいのだろう?」「お願い。ゼシアはボクにしか止められないぞ」。ディエゴによって瀕死まで追い詰められたミーシャを抱き上げ、神殿の奥間へと向かうアノス。そこにはエレオノールの姿があった。自身が“魔法そのもの”であるという彼女は、その真意について、そして勇者学院の狂気に満ちた真実について語っていく。

13. 世界が愛に満ちるように
「生きよ!! 魔王が戻る、その日まで……!!」全ては二千年前から始まっていた。黒い仮面の男・アヴォス・ディルヘヴィアの正体が明らかになり、事態は急転する。二千年を経ても癒えぬ魔族と人間の禍根。その果てに、暴虐の魔王アノス・ヴォルディゴードが取った選択とは--。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

こんな(俺TUEEEな15年前のラノベ)作風なのに、そこそこ面白いだと!?(笑)

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
主人公最強系、の中でも、かなり俺TUEEEな作品。

2010年代前半頃は、こういうラノベアニメが氾濫していたな~という印象。(本作もなろう原作ですが)最近は、主人公最強=異世界転生ばかりだったから、久々に楽しめた。

久々だから、楽しめたのかもしれないけれど。

レビューでは、本作のような「俺TUEEEE」と「異世界転生(なろう系)」との違いと、本作の中で疑問に思った点を書きたいと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
異世界転生との違い。

元々その世界で力を得ているか。転生によって力を得たか。

転生によって「奇跡」の力を得ることは、なろう黎明期においては、「希望」であったと思う。今はこんな俺だけど、いつかきっと、みたいな。

しかし、それもあまりに連続すると、「夢想」になる。「今の自分のダメさを直視しろよ」と。

本作もなろう原作で、いわゆる「俺TUEEEE」だけど、主人公を「異世界転生」にすると、これまで通りのなろう系になる。

じゃあ何が違うかというと、力の背景にある思いの強さや厚みだろうか。

「俺TUEEEE」の場合、多くは「力を得るまでの過程」はすっ飛ばされ、そこは視聴者の想像に頼る。努力が描かれない点での不満はあるけれど、「なんかうだつの上がらない現世で? 死んで? 異世界に転生したら? 強くなってた? なぜ???」みたいな、明らかなお手軽感はない(いや、転生よりお手軽という説もあるけど)。

「元々強い」と「急に強くなった」のどちらを好意的に感じるかは、人それぞれだろうけど。

本作、厨二的な要素満載で、一見、クソアニメ認定されそうな雰囲気ながら、展開の面白さや、キャラクターの良さで、ギリギリで面白い作品になっている(でも最終話はふざけすぎ)。

ただ、3つ、疑問に思うことがある。

1つ目は、「自らが魔王として討たれてなんて面倒くさいことせずに、レイ(カノン)が霊神人剣エヴァンスマナを手にした時点で、ジェルダ先生のアスクを切れば済む話」だったんじゃないかという点。あれ、「望むものなら何でも切れる剣」で、運命や世の理すら切れるんなら、魔法陣くらい楽勝に切れるんじゃないかと思う。

こういう「俺ツエー」にありがちだけど、すんごい能力出したがために、「全部それで解決できんのに、なぜわざわざピンチ演出するの?」になりがち。だから、能力には限界やリスクをつけるなど、何か限定的なものにしないとね。「何でも」というのは、考えるときは楽だし、色々動かしやすいんだろうけど、後々、自らの首を絞める諸刃の剣だと思う。

2つ目は、なぜレイの母親が七魔皇老に呪いをかけられたか、という話。よく分からんが、カノンがアヴォスヴィルヘイドなら、七魔皇老を洗脳したのもレイなわけで、色々矛盾があるのでは? これなら、「七魔皇老を洗脳した黒幕は別にいて」、「カノンは転生したばかりで力がなかった」という方がまだ納得した。

3つ目は、カノンの目的を考えると、レイとしてアノスの前に姿を現し、しかも仲を深めていくというのは、リスクしかないのに、なぜあんなに目立ったの? という話。こういうのは、一応の納得がある答えが、少しでも示されていればね。

例えば、最終戦のなか、こんな会話(があれば良い)。

アノス「ひとつ聞いていいか」

レイ「なんだい?」

アノス「貴様が魔王として討たれるつもりなら、なぜ、レイとして俺の前に現れた? 姿を隠している方が、得策ではないか?」

レイ「なんだ、そんなことか。だって君と約束したじゃないか。次に生まれかわったら、友達になろうって」

アノス「ふっ、そうだったな。では、いくぞ!」

、、、くらいの会話があれば満足なんですよ。

という具合に、「レイ=カノン」というミスリードは面白い展開だったが、それだけに、もう少しプロットを練り上げてもらえれば、と、勿体なさを感じた。

全体的に面白い作品であったことは間違いないけど、「1クールに1作品」で良いし、これに味をしめて、似たような作品を連発することがないように(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
いきなり主人公最強全開か。魔法全無効とか、ヒデェな。生まれて1ヶ月(笑) バリバリ魔王なんだな。

2話目 ☆3
生まれてすぐしゃべる(笑) 姉妹の出会いから仲直り、デレまでを1話でやるか。かなり、トントン拍子だな。もはや調教(笑) 友達のキスって何だよ(笑) 

3話目 ☆3
分かりやすく、ミーシャのためだよな。命の供給材とか、そんな感じか。

4話目 ☆3
発動条件のために、嫌われる準備、、、いい話だけど、だとしたら、2話で仲直りしなくてよかったよな。誰よりアノスが理不尽だけどな(苦笑) 

5話目 ☆2
仲間が増えていくが、認めた奴だけのラインは守って欲しいな。特にストーリー進まず。

6話目 ☆3
応援歌(笑) 刀預けるとか、不用意すぎだろ。トラップかな? アノスにもできないことあるんだね。これはアノスガチ切れだよな。名前を覚えるクダリは好きだけど、何人か男子をまぜてほしかったな。んで、モブ同士の恋愛とかやってほしかった。罰もいい落とし処だし。

7話目 ☆3
理屈はよく分からんが、まあとにかく、全てを力づくで解決だな。父親を立てる。まあとにかく、理屈はよく分からんが、復活オメ(笑)

8話目 ☆4
なんか、ちゃんと面白いんだよな、こんな作風なのに。アノスの言葉の端々に、優しさと切なさがあるからかな。

9話目 ☆3
歌った(笑) バカげた歌って、正解(笑) 根元爆発て、序列2位のメガネも超近くにいたけど。ザクザク。急にグロい。カノンを語られると怒る魔王。

10話目 ☆3
勇者が魔王(アヴォス)に、てな感じかな。そして、自分を討伐することで、人間族を救うのか、そのまんま滅ぼすつもりなのか。これは、なかなかうまい展開。でも、疑問も残るな。

11話目 ☆3
アノスが自身を滅ぼさせるか。まあ、ルルーシュなんだろうけど。ただ、個人的には、「ロードス島戦記の赤髪の傭兵ベルド」みたいな方が好みだな。滅ばされても良し、滅ばしてもよし、みたいな。ラストは、ちょっと演出で遊び過ぎ。どこかで感想が1話ずれたけど、まあ、良いや(笑)

12話目 ☆

{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 32
ネタバレ

食前酒 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

魔法ファンタジー系で指折りの作品

【第十三話】(総評も含みます)
{netabare}最終話でした。序盤からいきなりレイとガチガチの魔法戦争。この作品は魔法やら種族やら設定が細かいし、しっかり作りこまれてるからアニメ見てるだけでは正直全部は把握できてないけど、どうやらレイは悪い奴ではなくアノスは人間たちの前で身代わりになって穏便に終わらそうとしたというのは理解できた。その後の裏ボス的なデカいおじいさんもレイと当たり前のように復活してきたアノスとサーシャミーシャ達で撃退。ここのサーシャミーシャの融合魔法の演出デザイン可愛かったですね。エレオノールも最後にはアノスによって全部解決。エレオノールも無事アノス家に入りました。今回もやっぱりアノスは最強だったということが分かりました。このアニメは冒頭でも書いたように世界設定の作り込みや魔法や種族についての関係性も丁寧に作ってあるのでガチでハマる人がいるのも分かる。サーシャミーシャやエレオノール、他サブヒロイン達もキャラデザはもちろんこのキャラたちにもちゃんと物語があってすごくいいところだと思う。ちなみに私はサーシャ派です。一方でアノスのキザな言い回しや立ち振る舞いが嫌いな方もSNS見てる感じだと賛否両論なのかなとも思いました。主人公のチート級の強さ、よくある魔法学院ものということでこのタイプに見飽きてる人や合わない人はあまり楽しめないかも。逆に私の場合は単純にアノスのチート級の強さやキャラクターの可愛さで見ていた部分もあるので、一度気になった方は見てみてください。普通に面白い作品だと思いますし、内容も魔法ファンタジー系アニメとしてもゆびおりものだと思いますよ。{/netabare}

【第一話】
どしょっぱなの中田さんナレーション以外眠気を誘る展開でした。一部界隈からは絶賛されていますが私的に主人公男が好かないのでどんだけ展開良くても普通な評価です。
【第二話】
{netabare}主人公男の攻撃方法には一話目からある意味驚きでした。今回も敵に城ごとぶん投げて倒すとかまさにぶっ壊れでした笑。次回からも主人公男がどんな攻撃方法をするのか楽しみになった。{/netabare}
【第三話】
以外に面白かったです。次回で二人のヒロインの関係が明らかになると思うんですが、魔王の主人公男の関わり方によってはかなり高評価するかも。今期のダークホース候補の一つになりそうです。
【第四話】
{netabare}今回でサーシャミーシャ絡みの前編話が終わった感じ。4話までの完成度でいったら良くできていた方だと思う。サーシャのわかりやすすぎる不器用な感じとか魔王の相変わらずのぶっ壊れっぷり、悪くないです。これぐらいキャラやストーリー展開がぶっ飛んでた方が下手に着飾ったアニメより好感持てますね。{/netabare}
【第五話】
今回も突っ込みどころ満載のチート魔王。サーシャミーシャが馴れ初めしてる間にきた転入生ですがこちらもまたチート級。退屈しないで見れたので25分が早く感じた。
【第六話】
今回はチートバトルの展開はありません。でもミーシャの手作り料理やお出かけデートなどもあってミーシャ可愛い!箸休めではないですがこういう回も嫌いじゃない。
【第七話】
3+3+3+3+0+1=13
【第八話】
{netabare}今回もなんかすごかったな(笑)。アノスとレイが決着したかと思えば急に謎の空間に転生される二人。いかにも悪者そうな風貌のやつが出てきてアノスとレイを殺そうとするんだけどもうここまでこのアニメ見てきたらだいたい結果がわかる。案の定アノスが圧勝してついでにレイと人質にされてたレイのお母さんも復活させてみんな元気いっぱい。そして最後にレイとの勝負に勝った証としてサーシャが出てきてアノスにキス。この時のサーシャの髪形と言い、格好といいめちゃくちゃ可愛かった。あと勝利後にアノスが剣をくれた父親に対して感謝してたのも地味にポイント高い。今回も魔王らしく暴れたアノスでした。面白かったです。{/netabare}
【第九話】
サーシャ可愛いですね。最初はやっぱミーシャでしょって思ってたけど回が進むにつれてなんかサーシャ寄りになってきた(笑)。あと今回でできた僕っ子の「~だぞ?」が口癖の子も嫌いじゃない。話の方はまた一変して対勇者に。まぁまだ何もわかってないので次回以降ですね。ただ今回もアノスはやっぱりチート魔王で遠く離れた勇者学校にも一秒で転位しちゃったり、からかってきた勇者学校の強者をまばたき一回でねじ伏せるなど。ここまで来たら普通もう慣れてきそうなもんだけど何故かこのアニメは飽きないね(笑)。
【第十話】
話は毎回違うけどやってることはずっと同じ。今回もただただアノスが破格なだけ。勇者学院の連中が出てきて魔王学院の生徒を貶めるようなことしてたけど結局VSアノスみたいな構図になってアノスに完敗。見え見えのストーリー展開で可愛い以外いよいよ楽しめなくなってきた。先週は飽きないとか書いてるけど正直ここまで同じ展開ばかりだと…。
【第十一話】
{netabare}このアニメは今期一番30分が短いし見てて清々しい(笑)。内容は今までと同じくアノスに楯突くやつが魔法やらで何とか倒そうと四苦八苦するけど結局アノスにぼこぼこにやられるというもの。話の大筋は一緒なんですがその中でも今回は特に面白かったところがあり、途中ミーシャがこれでもかってくらい頭のおかしな老人に殺されるというシーンがあるんですが普通のアニメならメインヒロインがズタズタに刺されてたら絶望しかないけどミーシャの表情にどこか無敵の意思がある(笑)。これは今までのアノスの破格っぷりを間近で見てきたミーシャがアノスが100%助けてくれると信じているからでしょう。こんなヒロインや主人公のアニメは私が今まで見てきたチート主人公アニメになかったからこれは評価したいです。{/netabare}
【第十二話】
{netabare}自称暴虐の魔王を語る偽者が登場。その偽物魔王とアノス軍で対決が始まりました。でも今まで見たいなチートバトル展開はなく次回最終話への橋渡し的な回だったかな。最後の最後にその偽物魔王の正体が明かされそれがまさかのレイ。正直この落ちは私的には「あっそうなんだ」程度でそこまで驚かなかった。レイっていう意外性はあったかもしれないけど黒幕が一番近くにいるっていう典型パターンだったからかも。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

75.6 11 師匠で異世界なアニメランキング11位
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅢ(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (457)
2093人が棚に入れました
冒険者たちが未知へと挑み、神々が興奮に沸き返る、世界で最も熱き街――迷宮都市オラリオ。その中心に鎮座するは、都市に限りなき富と栄華をもたらし、数多の混沌が潜む大穴――『ダンジョン』。その深淵にて、生まれ落ちた一体の怪物。「……ここ……どこ……?」人語を話す竜の少女をめぐり、都市はかつてない 異常事態に巻き込まれていく。人と怪物。漫然と存在する価値観、常識は破壊され、冒険者ベル・クラネルと、女神ヘスティアに、決断の時が―― これは、少年が歩み、女神が記す、ダンジョンの謎に迫る【眷族の物語】――

声優・キャラクター
松岡禎丞、水瀬いのり、内田真礼、細谷佳正、赤﨑千夏、千菅春香、早見沙織、大西沙織、日高里菜、水中雅章、高田憂希、稲田徹、福島潤、浪川大輔
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

それでも暇を持て余した神々は遊び宣う

リリース順で一通り視聴してから楽しまれることを推奨

①『ダンまち1期』⇒②『ダンまち外伝』⇒③『オリオンの矢』⇒④『ダンまち2期』

①④は必須。②も準必須。スピンオフ③は劇場版82分尺だからさくっとGO!って感じでしょうか。①と②は同じ時間軸の並行した物語ですので可能なら日を空けないほうがよいです。

そして此度の3期を迎えます。一気に視聴してあっという間に感じる満足っぷりでした。

 {netabare}帰ってきたダンまち or ダンまちリターンズ{/netabare} 

ヘスティアが胸の大写しで登場するのはご愛嬌。いつも通りの風景に安堵しつつ、それ以上に冒頭ダンジョン潜入から始まるのがよろしい。ついでに潜入したダンジョンで“出会って”いるのも原点回帰の感があります。
②外伝ではロキ・ファミリアといったヘスティア・ファミリア外に焦点を当てたことでファミリア一つ一つに諸般の事情があることを意識づけさせました。だから“ヘルメス”や“ガネーシャ”のファミリアにも固有の事情があるんだろうとも想像できますし、ロキ・ファミリアが大きく取り扱われる本編の後半には感慨深さすら覚えます。
④2期ではヘスティア・ファミリアに集う眷属たちに焦点を当てたことで「リリ」「ヴェルフ」「命」「春姫」各々への思い入れを強くさせました。奴隷同然だった“リリ助”や生贄前提の“春姫”と同業者やエルフから向けられる嫉妬や怨嗟を身に受けてた日陰者の“ヴェルフ”。そんな彼らだからこそ世界を敵に回すようなベルくんの選択を支持できるのです。

このように3期でしっかり②も④も機能してはいることを評価しつつ、いかんせんエンタメ的な面白さは控えめでした。なにせほぼ潜ってない。
来たるべきダンジョン潜入に向けた地固めを経ての3期とは言い過ぎでしょうか。ダンジョン場面の大幅増加もさることながらダンジョンに住まう者が中心のお話です。

良くも悪くも1期がシリーズの印象を決定づけます。
紐神の見ためやハーレム展開。主役が松岡さんなのでしょうがない(それでいいのか!?)あれやこれや。そんなのに隠れて古き良きダンジョンRPGそれこそ『ウィザードリィ』的ななにかに魅かれた私であります。紐神様もベルくんの旗色が悪い時こそ迷いなく彼の側に立つ振る舞いに感動すら覚えます。

 {netabare}なんかそれを久々に目の当たりにしました{/netabare}

【ヘスティア・ファミリアの面々】
 ヘスティア(CV水瀬いのり)
 ベル・クラネル(CV松岡禎丞)
 リリルカ・アーデ(CV内田真礼)
 ヴェルフ・クロッゾ(CV細谷佳正)
 ヤマト・命(CV赤﨑千夏)
 サンジョウノ・春姫(CV千菅春香)

メンバーは増え賑やかになりました。それでいて原点回帰の面白さ。これからダンジョンの深淵に手を届かせんとするのでしょうか?
小説も既刊で本編16巻、外伝12巻とボリューミー。スマホゲームアプリ『ダンメモ』も好調のようですし続けてほしいですね。“やっときた”感ある良作です。



※ネタバレ所感

■そして輝く11話!ヘィッ!

“漢”を“おとこ”と呼ぶようになって久しい。
第11話のサブタイトルは「決戦」。これでウルトラソウルと読むらしいです。

余計な説明を省いて、B'zの曲を脳内再生しながら11話を観るとベルくんの心境にぴったりで笑えます。


■モンスターって?

「ウィーネって10回言ってみて」からの「盾の勇者の成り上がりのロリ声ペットは?」でフィーネって答えそう。語感も似てて声優も一緒だし同じ想像したのは私だけではあるまい。
日高里菜さんの声だとかわいらしさを強調してしまってそっちに目がいきがちなんですけど…

{netabare}モンスターかわいいじゃん…とは決してならないわけです。“許されざる存在”の世界観と“モンスターにも事情が”と思う視聴者とでギャップがありそう。
たしか神様たちが地上に降りてくる前の時代、地上に開いた大穴からモンスターが溢れ出して人間を絶滅させかけてたかと。神様から恩恵も授かっていない生身の人間では太刀打ちできなかったというのがモンスターと人間の歴史。太古の昔から忌むべき存在。
だから、普通に考えて意思疎通可能な知性あるモンスターを見つけたら共存より恐怖が先行しそうです。例えば人間より強い羆が本能でなくトラップを仕掛けて知恵比べしてきそうとか、新型コロナが知性を持って人間を先回りして進化してきそうとか、まじめに想像すると恐怖でしかありません。
生理的にってことならコオロギ食べるとかゴキブリ飼うような感覚に近いかもしれませんね。異端児(ゼノス)の皆さんがいくら太陽の見える青空を目指してるからといって
 
 生まれたところや皮膚や目の色で 一体この僕の何が分かるというのだろう

みたいなピースフルな段階には一段も二段も足りてないとこで物語は繰り広げられているわけでして。
街の人が悪者なのではなくベルくんが超のつく異端である、と腑に落ちてるとわかりみがいいです。{/netabare}


■そして輝く11話!2ツー! ※余談

その“モンスター=人非人”みたいな構図って大なり小なり世の中にはあるわけでして。

この回のベルくんの筋の通し方って…
{netabare}同盟国ドイツの苛烈なツッコミに耐えながらユダヤ人を満州経由でアメリカへ逃がす実務指揮をとった樋口季一郎中将と被るのよね。もちろん独りの男気だけでなんとかなるわけでもなく公のバックアップも欠かせなかったわけですよ。
前段として、日本国政府は板垣征四郎陸相草案の「ユダヤ人保護」を閣僚決定し、満州に接するオトポール駅にひしめいていた2~3万人の難民を、「助けてやれ」と指示したのが関東軍参謀長東條英機であり、特別列車を仕立てて助けたのが満鉄総裁の松岡洋右でした。近現代史に造詣ある方ならこの三名がどういう方々かピンとくるでしょう。

歴史もそうであるように人物の見方も光100%と闇100%はありえません。ここではなんかのかけ違いでヘスティア様やファミリアメンバー、そしてベルくんたちが歴史の大罪人となるリスクを負いながら大事を為したものと素直に称賛をしたいところです。{/netabare}



■暇を持て余した神々の遊び

意味合いと語感の良さで1期からこのフレーズをレビュタイに引用しとります。やや懐かしい響き。
翻って“神々の暇つぶし”なる設定はどこまでいっても変わらず、とブレはありません。

{netabare}ソーマ(CV内山昂輝)なんて分かり易くて秘酒づくり以外興味が無い神。彼みたいに没頭するものがあれば人間に興味を持つことなんてないし、興味の対象が人間でないからこそリリ助に酒を飲まして試すようなこともできたりするわけでした。呑んでも心狂わなければ抜け忍していいよってやつでしたよね。

 神は自分で責任を取りません

今期のお騒がせ神イケロス(CV福島潤)も根っこは暇つぶしです。ディックス(CV:浪川大輔)には何かやらかすことを期待しているわけです。2期のアポロンなんかもそうでしたが、様々な退屈しのぎの方法がある中での彼らの選択がオラリオの秩序を乱すものだから処分されたわけで、あくまで他の神々たちの暇つぶしネタを奪っちゃいかんよってのが基準であり罰則の対象となってたわけです。
味方に見えるヘルメスやウラノスもクズマ…じゃなかった追放された神々と大差ありません。特にベルくんへの態度なんかそうですけど自分が責任取るような行動は絶対しない。眷属でないからってのもありましょうが、前に出てくることはない神々です。
ただね、、、本気で遊んでるのは分かります。ベルくんは想定外を引き起こす存在ですからね。フレイヤを筆頭に神々たちが興味津々な理由も

 退屈しないから

というのは押さえておきたいポイントです。
リトルルーキーだ英雄願望だと煽てられてても神々の暇つぶし道具の範疇を出ないという哀しみ。どこまでいっても鉄砲玉。振り返るといつもヤバい橋を渡らされてるベルくん。{/netabare}

よって

{netabare}そんな神々と眷属との関係を一線越えてそうなヘスティアとベルくんの今後が気になるのです。
具体的にはどういうお別れをするのか? だいぶ先でしょうけど避けがたいことですからね。{/netabare}


いろいろご都合が鼻につくのはつくのです。
{netabare}・娼館で囲われてたのに乙女だった春姫さんとか(2期)
・なんでウィーネさくっと生き返るの?とか(第8話) そもそも死なせる必要あった?{/netabare}

それでも神の掌の上で踊らされている人間といいますか眷属たちの行く末が気になるので今後も継続して観るつもりです。続編あるならですよ。

そういえばヘスティア様…
{netabare}ヴァレン何某さんのことをきちんと呼べてましたね w{/netabare}



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ視聴

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2020.12.21 初稿
2021.10.15 タイトル修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 46
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

久々に~、ベル・クラネルが~、ダンジョンで~、「間違い」と~、出会った~。(ウルルン滞在記風w)

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
ダンまち、1期、2期の視聴は必須です。好きなシリーズなのでまずたず楽しめました(☆4は高評価です)が、、、好きな順に、1期→3期→2期かな?

レビューでは、私が本シリーズに期待していることと、本作の中で自分の理解が及ばなかった点について書きたいと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
私はほぼどんな作品でも、1番はストーリーを楽しみにアニメを観るんですが、本シリーズに関しては、もっとシンプルに楽しい、ダンジョンRPGをやってほしいんですよね。良い意味でラノベっぽい作品の、最上級を。

だから、6→7話とか、11→12話とかが特に楽しかった。ラスト12話のバトル作画を頑ったのは流石、「分かってるな~」という感じでした。

細かなところでも良いシーンはいくつもあって、フィーネ復活の際、フェルズの「800年の苦労が報われた」という台詞。ベル君を守るために、自らの羽をむしるフィーネ。ベル君、また女の子(笑) やっぱり、楽しいアニメであったことは間違いない。

さらに、本作の「知恵や感情を持つモンスターとの共存」は興味深いテーマだったし、それはそれの魅力はありました。

が、ぶっちゃけ言うと、「外伝や劇場版で良い話」だと思います。結局、ベル君はまたレベルアップしないし(苦笑) もっとレベルアップしたり、深い階層に進んだり、仲間が増えたり、装備を充実させてくれたり、そういうのが見たいんだよな~。

本作のテーマ(ゼノス)に関しては、余談で触れます。

これは私に読解力がないだけかもしれませんが、最終話での展開は、やや疑問に思っています。

最後、ヘルメスの企みは理解できます(ちょっとヘルメスの底が見えて嫌だったけど)。そこでのグロスの男気や、しかしグロスを討たないベル君らしさも、よく分かります。そこに、フレイヤがアステリオスをぶつけるのも、ベル君を鍛えて英雄にしたいフレイヤの狙い的に分かる。

が、分からないのは、「なぜベル君はアステリオスと戦うことを選択したか」です。しかも、あっさり。

アステリオスが、戦いを望んだから? 殺らないと殺られるから? あのミノタウロスの生まれ変わりだから? ライバルだから勝ちたい? 初対面だ(情が移ってない)から?

もはやゼノス(異端児)とは戦わないことを決意しているベル君。魔界村のレッドウォーリアを彷彿とさせるグロスの攻撃に対しては胸を開き不戦の意思を表明したのに、同じゼノスなのに、この差は? 

周りの手のひら返し(ベル君を英雄視)も、疑問。アステリオスの異常ともいえる強さ(人間に対する大きな脅威)や、ベル君の「ガチな戦い」を見たから、ベル君を信じたってことだけど、?。奇跡の生還って、ミノタウロスを倒せず、倒され、しかし生きて帰ってくるって、逆に怪しくないか? 「結局グルじゃん」と思う人も多いんじゃないかと思います。

なんか、最後があまりにも綺麗に、ベル君にとって都合が良すぎる、優しい形に落ち着いてしまったのが、肩透かし気味でした。

まあ、でも、なんやかんや見ますよ、4期だろうが5期だろうが、続編が出る限りは。惚れたもん負けですよ(笑)
{/netabare}

【余談 ~欧米的共生、日本的共生、新しい時代の共生~】
{netabare}
※「刀使ノ巫女一隅の光」のレビューと途中まで被ります。
 
「ダンまち3のモンスター」「鬼滅の刃の鬼」「刀使ノ巫女一隅の光の荒魂」には、共通点があると思う。

人にとっては厄災であり、しかし、相手にも意志があること。

先日のテレビ番組で、ある社会学者が「鬼滅の刃」というタイトルに違和感を感じる、というか、現代の「鬼観」だな~と言っていた。

曰く、「鬼」というのは元来「災い」と近く、「滅する」のではなく、「祓う」ものだった。節分などが分かりやすいが、「鬼は外」と祓う(追い払う)ものの、毎年、鬼はやってくる。「鬼は不滅」というのが、古来の日本人の考え方だった。

「祓う(払う)」とはつまり、「距離をとる」「住み分ける」ということ。元々、日本人は、厄災にすら「神」を感じ、自身の被害を防いだ上で、その存在を認めてきた。つまり、見にかかる火の粉は防ぐが、それ以上の追い討ちはしない。自分に害を及ぼさず、離れた場所に暮らしているなら、とりたててこちらから関係はもたない。

これ、良くも悪くもトラブルが起きた時の日本人的思考に繋がっていると思う。良く言えば「寛容」、悪く言えば「無関心」。

それが、日本人的な「共生」だった。

しかし、欧米の価値観の中では、厄災というのは、制圧するものであり、滅するものだった。一方に「服従」を強いるのが「共生」の形であった時代は長かった(と言ったら、怒られるかもしれないが)。

「鬼滅」というタイトルには、知ってか知らずか、そういう欧米的、現代的な思想が含まれている。そんな指摘だった(いや多分、鬼を文化的なものとして扱っているわけではないので、そんなに深みなくつけたタイトルなのだろうけど)。

さて、本作では、三者がそれぞれの「共生」を目指した。

まず、ロキファミリアをはじめ、多くの人間達が目指したのは、「欧米的共生」だ。モンスターの住み処(ダンジョン)に積極的に介入し、潜在的恐怖まで取り除くため、他者を蹂躙する。そこには、自身の利益のみを追求する強かさがあり、ある意味、純粋な生物とも言える。

一方、ゼノスやフェルズ、ヘスティアファミリアが落としどころとして決着させた、本作での結論は「日本的共生」だ。モンスターのように直接の脅威になる者は滅するが、ゼノスは(潜在的恐怖は認めつつも)自分たち人間に害を及ぼす可能性は低いため、完全に住む世界を分け、それぞれが自分達の生き方を全うする方法。ゼノスが人間を襲わない限り、人間もゼノスを襲わないという不可侵条約。これはゼノスの存在は肯定しても、受け入れはしないという玉虫色の結末だ。

しかし、本来ベル君が目指したのは、これらとは違う、いわば「新しい時代の共生」だった。それは、相手と自分との違いは大前提として受け入れ、その違いによる軋轢などを乗り越えて、文字通り「共に生きる」ことを目指した「共生」。「ボーダーレス」「ジェンダーレス」など、現在は様々な「レス」があるが、その延長線上にある視点だ。

それは、実現するならばとても素晴らしい世界なのかもしれない。しかし、現実には茨の道だ。ベル君の頭の中は、やはりお花畑である。だって、我々人類は未だ、肌の色や宗教の違いすら乗り越えていないのに、いきなり種族を乗り越えようというのだ。

さらに、昨今のコロナ事情や、野性動物による食害などを見ると、安易に種族の垣根を越えるのも危険に思う。だからこそ、我々生命体は多様性を確保し、様々な環境に適応しているという側面もある。

ただ、ダンまちの世界では、エルフやドワーフも共に生きているのだから、我々よりは進んだ未来なのかもしれない。そうであるならば、モンスターを受け入れ共に暮らす未来も、可能性は0ではないと感じる。

アニメは、空想の世界だ。何もそこでまで、世知辛くなる必要もない。ベル君にはぜひ頑張って頂き、我々人類が成し遂げられていない可能性を、示してほしいと思っている。女の子に助けられながら(笑)
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
ベル君は優し過ぎるからな~。理知あるモンスターは、色々やっかいだよな。初見の視聴者を意識しない、落ち着いたスタート。

2話目 ☆4
女の戦い(笑) モンスターとしては、かなり強い部類に入るんだよな。神々の思惑だよな。

3話目 ☆4
知能と心をもったモンスター。ゼノス。

4話目 ☆4
人とモンスターの定義、存在意義。輪廻転生。ダンジョンは、地獄みたいなものなのかな?

5話目 ☆4
さて、次はバトルかな。

6話目 ☆4
やはり、こういうシンプルに熱い展開の方が良いね。

7話目 ☆5
獲物を横取りするな、は、ギリギリのラインだな。フィーネとの悲しい別れ。からの、復活呪文。賢者の面目躍如。800年の苦労が報われたというのも良いね。愚者であれ。

8話目 ☆3
まだ解決してないの? まあ、嫉妬もあるよな。神様、珍しく見せ場。やったことの責任はとらないとな。死者が(多分)出てないのが、都合よすぎるが。

9話目 ☆3
作戦中。ベルくん、女たらし(笑)

10話目 ☆


11話目 ☆4
みんな私みたいにバカじゃない。こういう、シンプルで胸熱バトルが似合う作品。じゃあ人間にこんなことができるか、という自傷行為。

12話目 ☆4
最後のバトルは流石に作画も頑張り、面白かったは面白かったが、やや、疑問も残る決着か。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 36

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

意外と深いのでは?

今回は人間とモンスターは分かり合えるのかというような話に感じた。
なんだか人種差別とかに通じるものがあるな。
どうしても壁が存在していて解消した気になっても難しい。変な横やりが必ず入ってしまう。
分かり合おうとしている段階でも水面下で差別思想は受け継がれて、差別的な事件が起きる。
Black Lives Matter運動みたいなものはいつの時代も変わらずこれからも行われるのだろうな。こんな運動しなくても分かり合える世の中になってくれたらよいのに。
ナチスの思想ですらいまだになくならない。
同じ人間同士でも分かり合えるとは言い難いのに、モンスターなんて尚更よな。元々、殺し合いしている敵なんだし。
言葉を話して分かり合えると思っても、利用しようとする奴らや神が横やりをいれて邪魔をする。利権がどうしても絡みあう。

今作はそういう過程を1クールに纏めたという見方を僕はした。
一般市民を敵に回してもゼノスを守ろうとするベルがかっこよかった。ウィーネみたいな娘がいたら守らずにはいられんね。
ヘルメスお前ふざけんなよとは言いたい。

最後のバトルは壮絶であった。ベルがまた強くなる糧になるでしょう。


OP
over and over 井口裕香
ED
Evergreen sajou no hana
OPはやっぱり井口裕香に限るね。いつもありがとうございます。
ここでも見かけたsajou no hana。自分の中で注目度が格段にアップしている。また良い楽曲をお願いします。結構、頭に残る楽曲だった。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
迷宮都市オラリオの中心に座するダンジョン--数多の怪物(モンスター)が産み落とされるこの大穴は、未だ人類が想像し得ない『未知』を無数に孕んでいる--女神ヘスティアと冒険者ベル・クラネルが【ヘスティア・ファミリア】を結成し、はや数ヶ月。幾人かの友を加え、彼らのファミリアは急速に成長の途を辿り、都市の注目を集めていた。突如彼らのもとに舞い込んできた『未知』--それは、異端児(ゼノス)と呼ばれる言葉を解する怪物(モンスター)だった--『未知』は混乱を誘(いざな)い、常識をも破壊し苦悩と葛藤を喚び起こす--その先にある『可能性』を覆い隠してしまうほどに……これは『未知』という暴風に抗い続ける--少年が歩み、女神が記す【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】


1. 第一話『竜の少女 -ウィーネ-』
団長であるベル・クラネルの急速な成長、【戦争遊戯】での勝利、そして団員の拡張などで迷宮都市においても存在感を増し続けている【ヘスティア・ファミリア】。ダンジョンの進攻階層も順調に伸ばし、彼らは19階層・大樹の迷宮へと至っていた。 そんなさなか、単独行動を余儀なくされたベルは、モンスターに襲われていた少女を救出する……しかし、涙を流し、怯える彼女は『モンスター』だった--

第二話『片翼 -モンスター-』
ダンジョンで怪物に襲われていた『言葉を話す』竜女の少女・ウィーネ。ベルたちは彼女を地上に連れ帰り、本拠地で匿うことに。 ダンジョンで何が起きているのか、ウィーネの様な存在は他にもいるのか……? 地上では得ようもない解答を探すため、ベルたちは、アイシャ、リューに助っ人を依頼し、再びウィーネと出会った19階層・大樹の迷宮へと赴くことに--

第三話『異端児 -ゼノス-』
街中で姿を晒し、騒動を巻き起こしてしまったウィーネを、なんとか救出したベルたち。地上でモンスターを匿うという難しさに直面する中、ギルドから【ヘスティア・ファミリア】に強制任務が課される。その内容は--ウィーネを連れ、ダンジョンの20階層へ赴くこと。ギルドの真意を計りかねるものの、従う他なく、ベルたちは再びダンジョンへと潜っていく--

第四話『遠い夢 -アコガレ-』
言葉を解するモンスター--異端児から手厚い歓待を受けるベルたち。人類とは著しく乖離した姿形をした彼らが、人類と同じように飲み、食い、騒ぐ……その異様な光景に戸惑いを隠せない。 そんな宴のさなか、ベルたちは異端児のリーダー格である蜥蜴人のリドから聞くことになる--彼らとギルドとの繋がり、今回の事態の経緯……そして、彼らの目的を--

第五話『惨劇の王者 -イケロス・ファミリア-』
異端児(ゼノス)・リドたちの元にウィーネを預けることとなり、ウィーネと離れ離れになったベルたち。その一方で、異端児たちは隠れ里を変えるため、幾つかの集団に分かれ移動を開始していた-- 蜘蛛人(アラクネ)のラーニェの一団も、ウィーネを伴い移動していたが、ディックス率いる【イケロス・ファミリア】の奸計に嵌り、次々と惨殺され、ウィーネにも、その魔の手が--

第六話『人造迷宮 -クノッソス-』
ラーニェたちの復讐のため暴走し、18階層・リヴィラの街を壊滅に追い込んだ異端児(ゼノス)たち。ウラノスの計らいで【ガネーシャ・ファミリア】を中心に組まれた討伐隊に紛れ込んだベルは、18階層の森でリドに邂逅する。事情を聞き、ウィーネ捜索の協力を申し出るが、リドはこれを拒否し離脱。ベルに追いついたリューからも地上へ戻ることを勧められるが……少年はリドを、ウィーネを捜す選択をする--

第七話『獣の夢 -ディックス・ペルディクス-』
暴走した異端児(ゼノス)たちを追い、【イケロス・ファミリア】の拠点である人造迷宮(クノッソス)に乗り込んだフェルズとベル。そこで彼らが見たものは、異端児の同士討ちを誘発する、ディックスの呪詛(カース)……更に血の呪いに囚われた男の狂気はウィーネにも伸びていき-- 同刻、18階層では上級冒険者のリューやアイシャ、そして第一級冒険者であるシャクティもが手をつけられない、最強の異端児が動き出していた--

第八話『愚者 -ベル・クラネル-』
ディックスに惑わされ、地上へと出てしまったウィーネと、彼女を追ってきたベル。彼らの前には、ウィーネをオラリオの脅威と判断した、アイズを始めとする【ロキ・ファミリア】の姿が…… 都市最強の冒険者たちを前に、ベルが選択した行動は……ウィーネを庇い彼らの前に立ちはだかることだった……ベルを援護するため、フェルズが、リドが、グロスやレイも動くが『都市最強』の壁は遥か高く立ち塞がる--

第九話『零落 -スティグマ-』
最強の異端児(ゼノス)・アステリオスの参戦、そしてフェルズの奇跡的な蘇生魔法によりウィーネは死を免れ、異端児たちも九死に一生を得ることとなる……しかし、ベルが地上に進出したモンスター討伐を阻害したという事実は消える筈もなく……ベルは、その身にオラリオ中からの非難の目と、心ない罵倒の的となってしまう。 更に悪いことに、地上へと出た異端児たちは未だダンジョンに戻ることもできず身を潜めているという情報がもたらされ--

第十話『強行突破 -インビジブル-』
異端児(ゼノス)たちを助け、人造迷宮(クノッソス)、そしてダンジョンへと返すことを決断したベルと【ヘスティア・ファミリア】。異端児たちと共に行動するフェルズと渡りをつけ、着々と準備を進めていく。一方で、それを阻止すべく動く【ロキ・ファミリア】を始めとする冒険者の面々。更にエイナが、アイシャが、リューが、ヘルメスが……そしてアイズが。それぞれの思いを胸に、異端児を巡る戦いの火蓋は今切って落とされた--

第十一話『決戦 -ウルトラソウル-』
【ロキ・ファミリア】の包囲網をかい潜り、異端児(ゼノス)たちをダンジョンへ返すという作戦が続く中、ガレスの参戦により、ウィーネがフェルズたちの一団からはぐれ、ティオナに追われる事態に陥ってしまう……ヴェルフと命も魔剣を駆使してガレスに対抗するものの……その実力差は歴然としていた-- 一方で、なんとかアイズの追跡を免れたベルは、ウィーネの身を案じ飛び出した春姫と合流し、ふたりでウィーネを捜すことに--

第十二話『英雄回帰 -アルゴノゥト-』
ゼノスたちを罠に陥れ、異端児(ゼノス)たちに「死んでくれ」と要求したヘルメス。その神意(しんい)を聞かされ、グロスを中心とした一部の異端児たちが、ヘルメスの意図するままに--地上で暴れ始める。 地上でのモンスターの暴走に大混乱に陥るオラリオ。異端児の爪が避難誘導中のエイナを引き裂かんと振り下ろされ-- そして……ダイダロス通りでは、ただ一頭の獣が、その歩みを進めていた……夢にまで見た、ただひとりの男に遭うために--

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

68.5 12 師匠で異世界なアニメランキング12位
GRANBLUE FANTASY The Animation(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (370)
1478人が棚に入れました
父親の手紙に記された星の島・イスタルシアを目指すため、故郷の島ザンクティンゼルを発つ決心をした主人公は、エルステ帝国から脱走してきた少女・ルリアと出会う。ルリアを帝国から庇い重傷を負った主人公だったが、ルリアが自らの命を主人公の命とリンクさせ、一命を取り留める。主人公はイスタルシアを目指すため、ルリアは帝国の追手から逃れるため、ザンクティンゼルを飛び立った。

声優・キャラクター
小野友樹、東山奈央、釘宮理恵、沢城みゆき、平田広明、田村ゆかり、山路和弘、田中理恵、加藤英美里、杉田智和、伊藤かな恵
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

良い意味で、ソシャゲRPG原作らしからぬ、真っ直ぐで爽やかなアニメ

【文量→中盛り 内容→感想系】

【総括】
2期、視聴開始っす♪

ソシャゲRPG原作らしい作画の良さとキャラデザの格好良さ、音楽の素晴らしさ(特にOP)がまず際立つ。その上、ソシャゲRPG原作らしからぬ、しっかりとした王道のボーイミーツガールのストーリー展開が好印象。キャラも増やしすぎず、きちんと感情移入できるものになっていました。

素晴らしく面白い! とまでは言えませんが、観ても損しない、なかなかに面白い作品でした。

《以下ネタバレ》


【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
※個人的経験と感情により皮肉っぽくなっていますが、基本は、誉めてますよw

私は基本的にソシャゲ嫌い、ソシャゲRPGはアニメに向かない、という考え方です(詳細はチェインクロニクルのレビューに)。

でも、本品は良かったですね。ストーリーこそ目新しさはないものの安定していたし、それ以外はいずれも高いクオリティだったかと(音楽とかすげぇ良かった。OPは今期(2017春)1位かも)。

個人的に一番の高評価は、カタリナのポンコツっぷりでした。3話とか、かなり萌えましたw ラカムもFFにそのまんま出てきそうwで、格好良かったですね。

あと、8話目のダンジョン回好きでした。1話完結でも魅せ所をちゃんと作り(バトル)、普段と雰囲気を変えたラブコメの要素(ルリアのアホ毛レーダーとか笑えたし、砂山を滑ってきてグランに抱きつくかたちになり、照れてるところとか萌えた)。その中で新たな仲間に出会い、新たな武器を手にするという、正道のファンタジー要素も忘れない。かなり優秀な回で、これは脚本が良かったのかな?

私は原作未プレイなので自信はないけど、課金によって得られるのは主に「武器」と「召喚獣」なんですね。だとすれば、アニメにするには都合良いのでしょう(キャラを増やさずにいけるから)。

と、思ったら12話は怒濤の登場人物連続出場でしたねw まあ、ここまでご新規さん向けに作ってきたから、最後に原作ファンへのサービスがあっても良いのかもしれませんね。

そして、ある意味超展開の13話(笑) まさか、ここまであんなに丁寧に作ってきたのに、根底から覆すとわ(笑) まあ、明らかに賛否あるでしょうが、個人的には好きですよ。13話ですし、円盤特典のOVAをタダで観られたと思えばお得です。てか、あにこれならこっちの方が評価上がりそうだと思うのは、私だけでしょうか(笑)

こういうソシャゲ原作なら、今後も観たいですね♪
{/netabare}


【余談1 ~グラブルへの一方的な逆恨み(笑)~】
{netabare}
自分が唯一ハマったソシャゲの運営がグラブルと同じなのですが、グラブルが売れるのと反比例するように、ウチのイベが雑になり、ガチャやゲームシステムも「重課金者から搾れるだけ搾り取ろう」という方向性に。そして、サービス終了。だから、グラブルには恨みしかないんだよな~w そして、それがソシャゲの本質。愛がないっすよ(涙)

ただ、グラブルへの個人的な逆恨みは、本作への評価には関係しておりませんし、グラブル自体が嫌いなわけではないので、悪しからず(むしろ、好きな世界観で興味あるんだけど、サービス終了になった「我がゲーム」に義理を通し、喪に服すためにもプレイすることはないでしょうw){/netabare}


【余談2 ~番組間のCMに物申す(笑)~】
{netabare}
ルリア「ねえグラン! 私たちの冒険がゲームでも出来るって知ってた!?」

……いや、アニメを観ている層で、グラブルがソシャゲだと知らない人って、どのくらいいるのかな?(笑)
{/netabare}

【先行放送 ザンクティンゼル編(自分用メモ)】
{netabare}
王道のボーイミーツガール。

初対面の少女を助けるために、帝国の正規兵と躊躇なく戦うとかw なんかこう、展開が早いというか、キャラに感情移入できないまま、ストーリーが進んでいく。グランはなぜ、ルシアを正しい者だと断言できるのだろうか? 美少女だからか?(笑)

後編、少年時代のグラン……まんまラピュタですやん(笑)

美少女と離れられないだって……!? 御褒美ですやん(笑)

てか、今期(2016冬)、釘宮さんのマスコット役多すぎないかいw
{/netabare}


【本編 各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
ん? 先行放送の「ザンクティンゼル編」のまんまかな?

2話目
同上。

3話目
カタリナ、ダメ可愛いw 渋いオッサンキャラは鉄板の格好良さですな。

4話目
なんか、普通のRPGのようにストーリーが流れていて、ここまでは好印象です。

5話目
艦隊戦っぽさもあり、面白かったです。なるほど、これで次のエリアにいけるわけですね(ソシャゲっぽい)w

6話目
シェロの動きは、清々しい程の力業で解決。まあ、開き直られると何も言えないw

7話目
なんか、ドラマをやってたな。悪くはないけど、普通に主人公パーティの話の方が好きだな。

8話目
なんか、ギャグ&日常回? ルリアさんのアホ毛、そんなことできるの(笑) あの剣は、ミッションクリア報酬かな(笑)

9話目
シリアス? ここからストーリーをまとめにいくのかな? オッサン同士の会話は、良いね~。

10話目
カタリナは、ルリアの親代わりなんですね。

11話目
安定してるな~♪

12話目
なんか、いっぱい出てきたぞ~。オッサンがパーティーに二人って、良いね!

13話目
まさかの女性主人公編(笑) まあ、良いんじゃないでしょうか。ファンサービスとして。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 48

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

キャッチフレーズは「君と紡ぐ、空の物語」。

この作品の原作は未プレイですが、春アニメでの放送に先駆けて1月に「ザンクティンゼル編」が先行放送されたのを視聴していたので、続きを楽しみにしていた作品です。

それに、メインヒロインのルリア役に東山さん、ずっとルリアと共に歩んできたカタリナ役に沢城さん、そして…この作品もピィというチビキャラが登場するのですが、そのピィ役が釘宮さん…
それにゆかりんや伊藤かな恵さんも登場されるというのですから、実力派の声優陣で構成されています。

特にチビキャラであるピィ役は、「FAIRY TAIL」のハッピーと立ち位置が似ているキャラなのですが、どちらも声優は釘宮さんなんですよね。
これに限らず、最近放送されている作品でもチビキャラの配役が多いと思います。
ツインエンジェルBREAKのみるくちゃん、エルドライブのドルーなど…それだけ需要があるのも理解できます。
釘宮さんの演じるチビキャラって全般的に愛らしいですから…

この物語の主人公は、ザンクティンゼルという小さな島で暮らすグラン…
彼はいつか父の様に大空を飛び回る騎空師を夢見ながら、パートナーであるピィと日々鍛錬を積み重ねながら暮らしていました。
一方、ちょうど同じ頃、ルリアとカタリナは空を飛ぶ軍艦の中からの脱出に成功したのがザンクティンゼルの上空…
でも地上からは光が落ちる様にしか見えなかった事から、グランとピィは光の落ちた場所に行ってみたところ、蒼い髪の少女が倒れていたんです。
彼女の名前はルリア…こうしてグランとルリアが運命的な出会いを果たし、壮大な冒険物語が動き出すのです。

原作のゲームが超が付くほどファンタジーの王道的作品なので、本作もその影響を色濃く受け継いでいます。
そのため決して奇をてらった展開はありませんが、雄大な世界観を背景に細部まで丁寧に作りこまれた作品…という印象が強く、作品から受ける雰囲気が堪らなく心地よいのです。

作り手の丁寧さを我々一般視聴者が感じるくらいですから、声優さんも私以上に感じるモノがあったのではないでしょうか。
声優さんの演技…台詞の間や息継ぎなど声優さんにとってはごく普通の事なのかもしれませんが、私はそういう細部にも丁寧さを感じた気がします。
個人的な感覚なので気のせいかもしれませんが、その気付きは私にとって嬉しい感覚でした。
それは早く次を視聴したいと思える大きな原動力になってくれましたから…

グランとルリアの選択した道は決して易しい旅路ではありません。
様々な困難・苦難が彼らを待ち受けていることでしょう…
今回の作品ではきっと壮大な冒険のほんの一端だったんだと思いますが、それでも決して楽な旅なんかじゃありませんでした。

でもグランやルリアを始めとするパーティメンバーに脈々と流れる「大きく優しい気持ち」が人と人を結びそれが突破口になっていく…
そしてその気持ちに呼応するのは人だけじゃありません…
ルリアが背負った重い十字架の先で、待っていてくれる存在がちゃんといるんです。

歩くのが辛くなったら手を差し伸ばして…
そしたら必ずその手を掴むから…
荷物が重く感じるならちゃんと教えて…
重い荷物はみんなで分け合うから…

終始一貫して助け合いの精神溢れる作品は見ていてとても気持ちが良いモノです。
だからこそ…なのかな、最終話のエクストラストーリーには心底ビックリしてしまいました。
立ち位置は本編から外れているので、ある程度は何でもアリだと思います。
でもこの作品の改変には正直度肝を抜かれました。
ずっと真面目一辺倒で進んできた作品だけに一瞬何が起きたか全く分からなくなりましたから…
でも最後のボーナストラックと捉えれば、逆にこの方がむしろ嬉しい感じもしますけれどね…
丁寧さの際立つこの作品…気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、BUMP OF CHICKENさんの「GO」
エンディングテーマは、HARUHIさんの「ソラのパレード」

1クール13話の物語でしたが、12+1話と捉えた方が分かりやすいと思います。
原作がゲームだと、内容的に続編をアニメ化するのは難しいのかもしれません。
願わくばグランとルリアの本懐が果たせますように…
もし続編があるなら是非視聴したいと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

見終えてから時間を置いて、改めて評価

3話まで視聴
ヒロインの服をね…こう、ね、胸元をキュっと握りたくなるのは男なら当然だと思う。
作中それをやったら神アニメ(やらんだろーなぁ)。
マジメな見解としては…様子見。

全話見ての感想
{netabare}うわぁやられたー(棒読み)。
12話ラスト、なんかスゲー人達が突然生えてきて解決。
原作知らない人はポカーンなデウスエクスマキマですありがとうございました。
ってかこういう展開にするんだったら最初から示して欲しかった、境界線上のホライゾンみたいに。
そうすりゃ見なくて済んだのに…。

とはいえ本編が終わってオマケと思われる13話、これは見る価値アリ。
もう自分が年寄りなのか、どうしても舞台裏を勘ぐってしまう。
ひょとして…アニメスタッフは本当はこんな作品を作りたかったんじゃなかろうか?と。
本編12話ラストまでを「草野球チームが主人公の努力で段々チームを強くしてく」って話で例えるなら、13話はプロ野球のオールスター戦、正直1話のみなのに面白かった。
廃課金モードってことらしいけど、スポンサーだか上の連中に指図されて12話までの話を作って、13話はまぁ自由にしていいよと許可を取り付けて、それを形にした、みたいな。
なんかタイヤのブランコの画像を思い出す。
まぁ深読みしなければ、プレイスタイル(課金具合)によってはこんな進行も可能ですよ、ってのを示したんだろうけどね。
同時に、同時期に放送されてる某アニメのダメなところも浮き彫りになりました、これは制作も意図しようのない偶然の産物。

とりあえず、ストーリーは置いておいて絵を見るだけでも楽しめると思います。
なんだったら13話だけ見るのもオススメ。{/netabare}

見終えてから時間を置いて、改めて評価
{netabare}時間を置いて冷静に考えた結果、評価をプラスに修正。
やっぱり12話後半の唐突な全員集合っぷりが当時ガッカリで、↑の頃はまだそれを引きずってたみたい。

なんだかんだ言って自分は「最後の最後にそれまで積み上げてきたものをブチ壊す」系が好きみたい。
かといって夢オチやこの作品で言えば12話で終了ってのではダメで…ここら辺の違いは上手く言葉にできない。
そしてそういう系の何が魅力かといえば、1クール作品なんだし最初の段階からオチは決まってたであろうという点。
1話から12話前半までを作ってる最中、13話でブチ壊すことは知ってたハズ。
派手にぶっ壊す目的で積み木の城を丁寧に積み上げるというか、砂の城の細工を細部まで作り込むというか。
特に予算が潤沢なのか作画は物凄い凝っていて、だけどこれをブチ壊す目的で頑張っていた──と考えると、自分はなんかウキウキしてしまいます。
もうね、我ながら何なんだろうこの感覚は?…と思わないでもないけど「ウルトラマンでもゴジラでも、ぶっ壊すミニチュアは精巧に作ってある方が面白い」と言えば伝わってくれるだろうか。
ぶっちゃけ12話までの話は丁寧なだけで面白くないです。
派手さが無いというか、主人公たちが地味で…けどこれも13話を引き立てるための前フリと考えれば見方も違ってくる。
どこかで「グランブルーファンタジーってタイトルは、グラン(12話までの主人公)がブルーになる話だったんだよ」と冗談めかした言葉を目にしたことがありますが、結構本気でそれを目指したのかもしれない。
そりゃあグランパートはただの引き立て回だとしたらブルーにもなるわなぁ。
また、これならすぐにタイトルと主人公の名前覚えられるし。
…。
一体誰が思いついたんだ?その説が正しかったとしたら。
また、最後の最後でこういうことがあるから、途中つまらなくて文句垂れなまくりな作品があっても、なかなか視聴切れないんですよねぇ…。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

65.6 13 師匠で異世界なアニメランキング13位
たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (317)
1219人が棚に入れました
都会から遠く遠く離れた村で暮らす少年・ロイド。軍人になる夢を抱く彼は何を隠そう「村で一番弱い男」。そんな彼が軍人を目指すことに周囲の村人は大反対。けれどもロイドの決意は固く、王都へと旅立っていきました。しかし、彼を含む村の人々はある重大な事実を知らなかったのです。自分たちがかつて世界を救った英雄の末裔で、全員が人間離れした力を持っていること。そして「村で一番弱い」ロイドも一般的には常識外れに強いことを……。身体能力バツグン! 古代魔法も完璧! 挙句の果てには家事もおまかせ! 己の強さを勘違いした村人による無自覚最強ファンタジー、ここに開幕です!

声優・キャラクター
花守ゆみり、茅野愛衣、日岡なつみ、朝日奈丸佳、津田美波、伊藤美来、山下誠一郎、斉藤壮馬、日野聡、M・A・O
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

腫れ物扱い

2話までの感想{netabare}
原作未読、前情報一切ナシで視聴。
タイトルから「ドラクエ6の下ライフコッドへのツッコミからアイデア得た作品かな?」と思ったらあながち間違ってもない模様。
1話で軍への試験に落ちるって、ねぇ?
じゃあ2話で馬を捕まえる展開が来たらどうしようw、と思ったがさすがにそこまであからさまじゃなくてひと安心。
…安心なのか?
いやむしろヒヤヒヤですな。

多くの方が指摘されてる通りの「無自覚最強系」で、いつ「オレまた何かやっちゃいました?」が炸裂するか分かったモンじゃない。
が、今のところ「そこ=イラっと来させるライン」はギリギリのところで堪えてて踏み越えてはいない、あくまで私にとってはね。
慇懃無礼に感じる部分は無きにしもあらずだけど、一線を越えずにいられるのは…ヒロインのセレンの扱いがデカいのか?
鼻につくなろう系の多くはヒロインが「どう可愛いでしょ?キレイでしょ?」って部分しか見せない都合の良い人形(人によってはトロフィーと呼んでますね)状態で、それに比べるとこっちは性格に難アリの模様。
まぁ“オバロ”のアルベドや“慎重勇者”のリスタルテやアデネラみたいなもんではあるのだけど、ヒロインのみっともない側面を見せてくれるのは私には効く。
セレンの病みっぷり次第では結構面白くなる…かも?
但し、いつイラっとくるラインを超えてしまうかは分からないのでヒヤヒヤしながら見続けることにはなりそう。


ところで舞台の国名がアザミ王国?ティッスルじゃなくて?モデルはスコットランドなのか?
しかも行方不明中の王女の名前がマリアアザミ(実在する植物の名前)だと?なんて安直な…だったら通称ベルト姫のセレンもベルトーチカとかの名前にした方が良かった気が。{/netabare}

3話感想{netabare}
良いことか悪いことか分からない、とりあえず1話から感じてた違和感があるのだけど、3話でそれがより顕著になったかな?
マリーがマリアだと明かされたが、んん?付き人ナシの単身で隠密行動してたの?
クロムもそう、「繋ぎ」とか居ないの?
まぁそれを言ったらいくら弱小貴族だとはいえセレンやアランにも付き人が居ないのがなんか変。
なによりリホがたった一人で「問題のある傭兵」として国からマークされてたの?
ならず者集団のリーダーだと思ったのだが、姐さんと呼んで付き従う腹心の一人も居なくて…あっれー?
要はそれぞれの集団というか勢力が、擬人化されていちキャラクターにされてるような違和感。
とはいえ、いちいち構成員を出したところでキャラが無駄に多くなるだけだし、話を理解しやすい様に簡略化したんだと思うと悪いとも言いにくい。
“神達に拾われた男”で誰がナンだか分からないギルドメンバーがゾロゾロ登場したことがあったが、あんなことをやられても困るっちゃあ困る。
う~ん、どうなんだろ、今後解消されるのかな?

判断に悩むのは3話祭りシーンの村長もそう。
ロイドとねんごろな関係を狙ってるみたいだが、だったらわざわざ出先ではなく村に居た頃にいくらでもチャンスがあったのでは?
つまり村では監視が居て到底無理だったとか、何か尤もな理由がありそうな気がするが…ちゃんと考えてある?
その…原作は知らんがシリ構が赤尾でこなのでちょっと怖いんよね、二回母とアサプラは私の中では前科になってるので。

でもって中身の感想。
今回ロイドは殆ど蚊帳の外でした。
人間同士の諍いには不干渉だったけど魔王が係わってるということで次回参入してくるのかね?ってことでそれの前振り回。
次回でこの作品の評価が決まる…かも?{/netabare}

4話感想{netabare}
あーそっち行っちゃったかー、想定通りではあるんだけど悪い方向へ行っちゃいました。
ロイドが自分の強さに無自覚&周囲が教えてくれないのは、人間同士の諍いに関与させないためという建前があったからなのに、その対象外の出来事に至っても周囲は相変わらず教えてくれない。
ま、まぁ他の理由が今後明かされるかも知れないのでまだ視聴は切らないけど、せめて「ひょっとしてボクって普通の人と違う?」と僅かにでも疑う描写は欲しかったような…。
もっと欲を言えばアランが死んでたら私好みの展開だった。
どうにも赤尾でこ繋がりの“二回母”と同じ匂い…他には友人と意気投合した“すのはら荘~”の件が頭をよぎる。
どんなに管理人“以外”の連中でイイ感じに話が盛り上がっても、最後管理人が全部踏み潰して更地にしちゃう感じ、あれと同じ方向性なのかなぁ?

期待したセレンの暴走っぷりもいま一つ、これは比較する相手(慎重勇者)が悪い?これも今後次第か。
どっちかというと村長の方がはっちゃけてる。
あと軍軍言ってたがなんかピンと来ない、そこは騎士にでもした方がシックリ来るような…ってそうすると今度は、いくら変わり果てたとはいえ忠誠を誓うべき王を見間違えるのに疑問生まれちゃうか?
ってか今回の一件で戦争は回避できたの?{/netabare}

5話感想{netabare}
慇懃無礼と腫れ物扱いについて、4話までの感想では書き足りてなかったので以降の感想に織り込みながら書いてけばいいやと思ったら…それどころじゃなかった。
5話、なんだこりゃあ!?
あらすじをただなぞっただけ、溜めも無ければイキも無い。
キャラが生きてなければスタッフも息してなさそう。
なんでこんな作りに?と思ってこの回の脚本を調べてみたら普通に仕事できる人みたい、じゃあ演出になるのか?この退屈な流れは。
ってか作画も結構アレになってて現場大変なのか?

ところで新キャラのフィロ、こういう役どころって銀髪ジト目ロリがやるもんじゃないか?
長身でヌボっとした系は…RODの次女みたいなのは、異性にデレるんじゃなくて小動物にデレる方が相応しい気ががが。{/netabare}

6話感想{netabare}
「ロイドは自分が超強いことに気付いてない」って設定である以上、「なんで周囲は教えてあげないの?」という疑問がどうしても付きまとう。
教えてやらないその振る舞いからはロイドを腫れ物扱いしてる、もしくはいじめか?とさえ思えてきてしまうので、それを回避するために更なる設定が必要になる。
「ロイドが超強いことは知ってるけど、ロイドに自覚が無いことには気付いてない」
要はボケにボケを重ねるボケ倒しで、ツッコミ役が居ないとどうにも落ち着かない私にはちょっと厳しいかも。
一応「ロイドが自覚してないことに気付いてるけど教えてやれない理由があるっぽい」には村長とマリアが居るが、村長はまだしもマリアはむしろ自覚の無いことを利用してる様に見えちゃうのがこれまた…。

更には主人公が強いことに気付いてるキャラと気付いてないキャラが居て、こいつら同士で情報交換・意思疎通をしない。
(例:6話でいえば大会でロイドと戦うことになったレナにフィロは忠告しない)
学園長がロイドの強さを見抜けなかったのも不思議だけど、ロイドを含めキャラ同士で情報交換・意思疎通をしないこの状況は、心に壁があるというか溝があるというか…キャラ同士が冷え切った関係でコメディ作品なのにあんまり愉快な世界に見えない。
そこで、恋に盲目でキの字に足を踏み入れてるベルト姫が「そんなん知ったことか」と空気を読まずにブチ抜くことを期待してしまうワケで…早い段階でセレンに期待したのはそういうこともあったのかな?と我ながら納得。
無いのかなぁ、そういう展開。

ってかさ、ロイドの性格ってブラック企業の社長に見られる例としてよく上げられるやつじゃん。
当人は確かに能力高いけど部下も同じくらい働けると思って「え、これくらい簡単にできるでしょ」とオーバーワークを課してしまうやつ。
良い悪いは別にして、前世でツライツライ仕事に追われたので転生先で幸せを掴もう、みたいな転生作品が最近多い中、それを支持する人はこれ(ロイドが無自覚)はどう映ってるんだろう?{/netabare}

7話感想{netabare}
近々文化遺産登録予定の檜林を隠れ蓑にトレント絡みでのタクラミが行われてるみたいで、それを探ってる連中同士で疑い合ってる中にロイドがポンと放り込まれる…って話。
なのだけど、何かおかしい。
ってことで2回見ちゃったよw
後半アランと入れ替わったロイドが「ここで起きてる事件を止めたい」とセレンとリホに伝えるのだが、「いつの間にトレント絡みの陰謀が行われてるのをロイド達は気付いたんだ?」というのが初見では不思議でした。
が、ここで言った「事件」ってのはアランが風呂でノボせたことを指してる?トレントについてはまだ気付いてない??と2回目で思ったり。
合ってるのかどうかは知らない。
もし合ってるのなら、アランがノボせたのを事件扱いしてる描写が足りない気が…。

2回見ても変だと感じたのが変わらなかった部分としては、長年ベルトで素顔を曝す事のできなかった娘の呪いが解かれたにしては、セレンの親のリアクションが薄い。
そう見せかけて実は…って展開が今後あるかも知れないのでそこはいいとして、セレンとアランは見知った間柄なのに親は把握してなかったのか?
また、ロイドがアランの身代わりになるのはスレオニンが承知ならOKだろうけど、客だったリホが従業員に扮するのはコバ的にはOKなのか?
これに関しても次回以降で明かされるのかなぁ?

それはそうと檜林が二次林であることを語るのなら、普通に炭焼き小屋でもあって遺産登録で取り壊されて~って方のが分かり易かったのでは?
人の生活に利用されてたのに遺産登録されると立ち入りができなくなる、ってのがミソだろうに…まぁいっか。{/netabare}

8話感想{netabare}
この回、不自然に感じた点は大雑把に3つ。

1:「アランがのぼせたこと」と「昏睡事件」はイコールだったの?
2:檜林を文化遺産登録しようとしてた勢力は?
3:秘書が正体現してキキョウを襲おうとした時ロイドが割って入れたのは、放り投げられた村長を探しに林に入ったから。
じゃあ村長見つけられてないのにホテルに戻ってきたのはなんで?

1については、前回のうちに「風呂に入ってるアランの背後から陰が迫って「誰だ」と振り向いたところでブラックアウト」みたいな3秒もかからんシーンを入れなかったのがいけなかった気がする。
要は私の感覚ではアランは一人で勝手に風呂でノボせただけにしか見えなく(ってかトレントにやられたなら三日味晩昏睡するらしいがアランは当日に起きてないか?)、そこに朴念仁であるはずのロイドが事件性を見出したのが不自然に映る。
「事件を探るためにデートのフリをして周囲を見回ろう」という目的から8話序盤に繋がってるワケで、発端が曖昧なのはどうなんだろう。
発端が曖昧なら〆も曖昧、原作はどうか知らんがアニメスタッフの怠慢のような…。

2は秘書が一人で出来る規模を超えてる気がするが…目一杯好意的解釈をすればショウマが裏で手を回してた?
…と考えられる、が、最後に村長が関係者以外の記憶を消しただと!?
えっ、証拠隠滅?ってか「関係者」ってどの範囲まで?
と思ったら、ひょっとしてアニメに登場した連中は全員関係者(=記憶消去の対象外)で、実際はホテルには他にも客が沢山居たってことだったりして?
もしそうだとしたら背景にモブを描く手間を省いたアニメスタッフの怠慢のような…。

3は、当初は村長を探しに林に入ったがそこで雑草掃除(前回からの話を継承してるなら枝打ちor下草刈りと言って欲しかった)へと目的が変更した、というのはまだ分かる。
けどそうなら騒動が終わったあと「そういえば村長は?」と誰か突っ込めよと。
視聴者の疑問に答えるかのように騒動終了直後村長がショウマに囚われてたシーンに移るが、そうじゃなくてキャラが疑問に思えよと。
村長が放置されてることに疑問を抱くんじゃなくて、村長が放置されてることにキャラが誰も疑問に思わないのが疑問なんだ、この違いスタッフ分かってるのかな。
しかもアニメはご丁寧に夕方→日暮れと時間経過を表現してて、長い時間村長は放置されてたと印象づけてくれてる、なんでそんな演出を?


個人的な見所、というか心の拠り所になってるセレンのハジケっぷりも…悪くはないのだけどまだ足りないかなぁ。
内容というより見せ方(演出)になるので文章で上手く表現できないけど、もっと過剰演出していいと思う。

原作未読なので推測にしかならないけど、ひょっとしておかしいのはアニメだけなのでは?と疑い始めてます。
「6話感想」で触れた通りキャラ達がロクにほうれんそうをしないで勝手に行動する、動機や目的がバラバラなのだけど、それをマトモに把握しないまんまアニメ作ってないか?
また、アニメ化に際し内容が詰め詰めってのは強く感じる。
今回のエピだったらホテル支配人のコバが居る必要があったのかどうか謎(誰が誰の親父だか混乱を来すだけ)だし、前の話を振り返るのなら聖剣を手に入れる描写なんてかなり酷いと思う。
再登場するとは思うけど5話で登場したミコナ(マリーにホの字らしいヤンデレレズ)も現段階ではスゲー投げっ放し。
ただねぇ、これはねぇ…7&8話のエピソードをもっと話数かけられてもダルいというのも分かるし、“通常攻撃が全体攻撃で~”はそれで失敗したと反省しているとも取れる(あっちは「え、そのエピソードまだ続くの?」というのをダラダラ続けられた)。
問題は原作からの場面のチョイスが良くないって話で…と考えると原作はマトモなのでは?と思い始めてしまったり。
わぁい、この感覚って“アサシンズプライド”と同じだw
そして、無いとは思うけど万が一、原作を売るためにアニメはワザとヘボくしてるのだとしたら…赤尾でこって才能ある?
いやまさかそんな、まさかなぁ…。

因みにセレンを親父が突き飛ばせたのはベルトのオートガード機能は悪意の無いものには反応しないから(6話参照)と解釈して私は違和感は覚えなかった。
魔王の苗といわれるトレントの苗木をモンスター研究所から奪った犯人はフツーにショウマだと思っていいのかなぁ?もうひと工夫あると良さそうなのだが…。{/netabare}

11話までの感想{netabare}
ごちゃごちゃと細かいことは置いといて一言。
ベルト姫のハジケっぷりが無いなら見るトコ無くない?
あ、あれー?{/netabare}

12話感想{netabare}
まぁこうなっちゃうよね…ロイドが世間知らずな設定のせいでゴーレムがロイドに対して強いのか弱いのかワカランw
一旦追い詰められて「やっぱり弱いボクじゃモンスターには…」と挫けそうになるが、なんかおかしくない?
ロイドが手出しできなかったのは取り込んだミコナを盾にされたせいであって強い弱いは関係ない。
それこそ「こんなヤツデコピンで粉砕できるのに人質を取るなんて卑怯だぞ」でもいいワケで…う~ん?
で、そんな程度にしか思えないことに悲壮感漂うBGM増し増しでピンチ演出するもんだから、どうにも空回り感が…。

とはいえ、原作未読だけどひょっとして、原作ではサラっと流してる部分をアニメでは殊更大げさに仕立ててるってことは、無い?
ベルト姫の封印中ヴリトラへの言葉責めもそう、原作だと一コマで終わってるモノなのでは?
なぁんかそんな感じがする。
また、逆のパターンとしてはミコナをマリーのパンツで誘って逃がした後は、リホ「実は私のなんだけどね」ミコナ「ぎゃふん」までが一連のお約束じゃない?
前回の話を踏襲するならエンディングの1カットで済まさないでそんなシーンを入れるのが妥当のような?
これはミコナ初登場回もそうだったなぁ、予め登場させとくにしても印象が薄いというか。
ってことでアニメは場面チョイスのヘンテコさを感じる、12話だけに限らず全体を通してそう。
原作未読なので想像ですけどね、ホントウデス。
まぁ原作のどこまでをアニメ範囲にして、何をクライマックスに設定するかって難しいんだろうけどさ…シリ構を同じ人が手がけた“アサプラ”はそれで変なことになってたし。

で、最後は自殺志望者とショウマがユーグを連れて逃走でエンド、まぁこんなもんだよなぁ。
ところでユーグって名前、同期放送の“エクスアーム”と同様ユグドラシルから来てるのかな?と思ったが、ひょっとしてユーグレナ(ミドリムシ)?
なんか妙に農業押ししてるし…うん、そっち方向への突っ込みは止めとこう。{/netabare}

総評{netabare}
主人公ロイドが無自覚系俺TUEEで、ロイドの無自覚っぷりもさることながら周囲が教えてあげないのが最後まで違和感強かった。
ロイドは「憧れの軍人」になりたがっていて、だけどコンロン村出身者が人間界へ軍事介入が許されるのは魔王絡みという特別な時のみで、ロイドはそれを知らない。
これ、不幸じゃない?
自分はただの人間じゃないことを知り、軍人にもなれない(魔王が暴れてくれるなら別だが)と分かった時、挫折するんじゃないの?と。
…。
だから周囲はお前只者じゃねーぞと教えてあげないのか?地獄への道は善意で舗装されてるってヤツ?
更に物語は「ロイドが活躍できる舞台を用意してやろう」といういわば忖度した黒幕を登場させる、させてくれる。
けど結局はこれも問題を先送りしてるだけ。
アニメ最後「憧れの軍人目指して頑張るぞー」で終わったが応援する気にはなれない、早めに諦めたほうがいいぞという気持ちの方が先に立つ。
士官学校と言ってるし、もしロイドがこのまま軍人になろうものなら指揮下に置かれた兵士は無駄死にすること必至。
人間離れした戦闘力の自分を基準に「あんなヤツなら楽勝で倒せるだろう」とただの人間に無茶な戦闘仕向けそう、アカンでしょそれはー。
なのでいつかは全てを知る時が来るハズで、その時「よくもワシを騙しおったなー」と闇落ちする展開が来てもおかしくない…もし原作がそっち方向へ進んでるなら面白そうではあるが、多分違うでしょ?

と、全体的にアレだった中、ベルト姫だけは良かった、それでなんとか持ち堪えた作品。
“このすば”のアクアや“慎重勇者”のリスタルテに近いものを感じる。
良い意味で頭がおかしいので「教えてあげない」も知能が働かないんだろうということで違和感が無い。
とはいえそんなベルト姫もハジケっぷりはイマイチ弱く前出の2名に比べると下位互換にしか過ぎず、ハジケの源である「暴れるベルト」も9話で封印。
ベルト姫に限らず、主人公のキの字っぷり(マイナス)を補えるポテンシャルを持ったキャラは他にも登場…してた気がするけどそれらもどうにも弱かった。


原作未読だけどアニメは場面のチョイスが変な感じがして、ひょっとしたら原作は面白いのかも?と予感させる出来ではあった。
別の言い方をすればアニメが台無しにしてる感。
シリーズ構成を同じ人が手がけた“アサシンズプライド”が時系列入れ替えをして妙なことになってたのをどうしても思い出してしまう。
シリ構の責任かどうか知らんけどね。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

略称「ラスダン」があって本当に良かった…完走してもタイトルが覚えられた気がしないので…^^;

この作品の原作は未読です。
事前情報無しで第1話の視聴を始めたのですが、第1話目で「あれっ?」と思うことがありました。
「イーストエンドの魔女」を演じているのは、かやのんだと直ぐに分かりましたが、主人公であるロイド・ベラドンナ役…
台詞を聞いていると言葉尻に聞きなれた感じ…
もしかして…と思いエンドテロップを見て確信に変わりました。
そう、ロイド役を演じているのはゆみりんだったんです。

ゆみりん、かやのんコンビは、今期「裏世界ピクニック」にもメインキャストとして出演されています。
しかも、この作品と「裏世界ピクニック」は同日放送…
同じ日にゆみりん、かやのんボイスを2作品で堪能できるなんて珍しいことなのではないでしょうか。
少なくても最近はお目にかかれていないと思います。
まぁ、私の記憶なので当てにはなりませんけれど…^^;
でも、これで一気に視聴意欲が上がったのは言うまでもありません。


都会から遠く遠く離れた村で暮らす少年・ロイド。
軍人になる夢を抱く彼は何を隠そう「村で一番弱い男」。

そんな彼が軍人を目指すことに周囲の村人は大反対。
けれどもロイドの決意は固く、王都へと旅立っていきました。
しかし、彼を含む村の人々はある重大な事実を知らなかったのです。

自分たちがかつて世界を救った英雄の末裔で、全員が人間離れした力を持っていること。
そして「村で一番弱い」ロイドも一般的には常識外れに強いことを……。

身体能力バツグン!
古代魔法も完璧!
挙句の果てには家事もおまかせ!

己の強さを勘違いした村人による
無自覚最強ファンタジー、ここに開幕です!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

完走して思ったこと…
一歩間違えば、埋もれかねない作品だと思いました。
主人公が最強の作品は、この世に溢れるほど潤沢…というより既に飽和しています。
主人公が無自覚なのは物語の幹にはなり得ない、ということを踏まえると設定に難があるとしか言いようがありません。

ですが、ロイド役にゆみりんを起用したことで、設定の難を逃れることができたのではないでしょうか。
ロイドの強いことを鼻にかけないところや控えめな性格だって、ややもすると嫌みに取れてしまいますが、これらのマイナス要素をゆみりんが全て払拭してくれたような気がします。

加えて物語を見進めると、津田美波さん、ハルカスにみっくなど錚々たる声優さんが出演されるので、これも楽しみの一つだったり…

アニメーション制作会社はライデンフィルムさん。
なんとライデンフィルムさんは今期のアニメを4本も制作されているんです。
それだけの制作規模を管理するのも大変だと思うんですけど…
因みに対象4本の作品は以下の通りです。

・たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語
・はたらく細胞BLACK
・オルタンシア・サーガ
・裏世界ピクニック

一方、物語の方ですがロイドが終始モテまくりです。
モテるのは女性にだけではありません。
男性にも熱心なファンが出来ちゃう始末…
まぁ、全般的にシリアスな感じではないので割とサラッと視聴できますし、ロイドがゆみりん役ということも相まって羨ましいという気持ちにはならなかったかな^^;
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、山崎はるかさんの「たとえばそれは勇気の魔法」
エンディングテーマは、Luce Twinkle Wink☆さんの「I'mpossible?」

1クール全12話の物語でした。
ゆみりん、かやのんの活躍もあり、最後まで楽しませて貰いました。
唯一気になったのはタイトル、サブタイトル共に長くて覚える気がしなかったことです。
これは作者の趣味なんでしょうか^^;

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

作品の外側(タイトルや設定)で勝負するの、もうやめません?

[文量→中盛り・内容→酷評系]

【総括】
ちょっと変わったタイトルですが、中身はチートが無自覚に無双しまくる話です。

以上です(笑)

《以下ネタバレ》

【視聴断念(8話まで)】
{netabare}
例えるならば、欽ちゃんの仮装大賞。

アイディア1発勝負の素人芸。衣装も演技力も、当然、プロの領域には届かない。

あの番組は、1分くらいの芸を連続して見られるからまだ面白いが、流石に20分以上、数話にまたがって観るのはキツイ。

「ラストダンジョンの手前に住む村人は、普段からレベルの高いモンスターと戦っているはずだから、序盤の街の勇者より強い」というアイディアからの、「自信のない無自覚なチート」という主人公の設定はそこそこ面白い。

が、結局はただ、チートが無双するだけの話。

私は別に、異世界転生だろうがチートだろうがハーレムだろうが、それだけで作品を否定しません。

そこに、内側(キャラクターの魅力やシナリオの面白さ、会話やギャグのセンス等)の魅力が伴えば、全く問題ない。それで楽しい作品も、たくさんある。

ところが本作は、まずギャグがつまらない。会話にセンスを感じない。作画がひどい。ストーリーに見処がなく、軽い。

これら、「ダメ要素が全て詰まった6話」は、なかなかにヒドイ出来だった。

強いて良さを探すなら、キャラクターかな。ベルト姫の暴走や、ロリババア魔法使いの呪いなどは、やや個性的か。

いい加減、日本のアニメ界には、「テンプレなろう系を10本作るより」、「鬼滅の刃を1本作る」方が、商業的にも成功すると、本数ではなくクオリティで勝負する方に舵を切ってほしい。

あ、「鬼滅を作る」とは、「鬼滅のようなヒット作」ではないですよ。あれがなぜヒットしたかなんて、誰にも分からないから再現は厳しいです。

ただ、「75点くらいの原作でも、100点の作画と熱意でアニメ化すれば、過去イチのヒット作を作れるチャンスがたまにはある」という良い前例になったと思います。

個人的には、1クールの新作が10本程度でも制作会社やアニメーターが潤うようになれば、日本のアニメはもっとよくなるだろうと思います。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
なんだろう、アイディア賞ではあるけど、中身は異世界チート転生となにも変わらないんだよな。ベルト姫の豹変っぷりは楽しかった。

2話目 ☆3
だいぶギャグに振ってきたな。でこさんの脚本だからか、普通に観られたな。

3話目 ☆3
黒幕は予想外。チートをどれだけ使わずにシナリオを進められるか大会、になってきたな。

4話目 ☆3
え~!(笑) やっぱ、ギャグベースで片付けていくんだね。いや~、良い最終回だったね(笑)

5話目 ☆2
魔法力もずば抜けてるのね。骨折なんて3時間で治りますしw ギャグが滑るんだよな~。

6話目 ☆1
あれだな、ぜんっぜん、面白くない(笑)

7話目 ☆1


8話目 ☆1
普通に混浴してるが(汗) お前、秘書か、て。やたら説明台詞丁寧。

9話目 ☆


10話目 ☆


11話目 ☆


12話目 ☆

{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 30

67.4 14 師匠で異世界なアニメランキング14位
処刑少女の生きる道 バージンロード(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (255)
681人が棚に入れました
かつて日本から訪れ世界に大災害をもたらした≪迷い人≫。彼らは過去に世界を滅ぼすほどの厄災をもたらしたことから「禁忌指定」となり、人知れず処刑する必要があった。≪迷い人≫の処刑を生業とする≪処刑人≫のメノウは、ある日、日本人の少女・アカリと出会う。いつものように任務を遂行しようとしたメノウだが、アカリの“とある能力"により失敗に終わってしまう。アカリを確実に処刑するため、彼女を連れて、いかなる異世界人をも討滅可能な儀式場があるというガルムの大聖堂を目指すメノウ。殺されるために旅をしているとは知らず純粋に楽しむアカリの姿に、メノウのなかで何かが変わり始めていた。――これは、彼女が彼女を殺すための物語。

しんちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

異世界、タイムリープ…を、「じゃない」側から見たら

原作未読。

今期は異世界者として「骸骨騎士様」とこの作品の2つを観ていたが、切り口・まとめ方が対照的だった。個人的には、「処刑少女」のほうが良かった。この、「面白かった」じゃなくて「良かった」という表現には、もちろん含みがあります。

いわゆる「異世界」ものって、本来は、現実世界ものだといちいち年代や場所の設定、人物の職業などに『現実と違う』とか『物理的にあり得ない』とかのツッコミが入ってめんどくさくなるから、いっそのこと“この世ではない世界”ってことにして現実世界の設定や物理法則とか無視して、いろいろ自由にできるようにしちゃおう、っていう意図から誕生したジャンルだと思うのですよ。

でもね、そうするとじゃあ何のためにわざわざ物語を異世界で展開するのかっていう、根本的な作品の意図がより鮮明に浮かび上がってくるわけです。で、巷に言う「なろう系」というのは、主人公に現実ではあり得ないハーレムとかチートスキルとかをやらせたくて異世界にしました、っていう(それはそれで一定のニーズがあるのだけど)しょうもないオナニー的作品が大量増殖してしまったことへの侮蔑的な呼称でしょう。

「処刑少女~」は、そういった状況に対するある種の「反転」による批評を意図した作品だと言えるのかなと思いました。チートスキルとともに異世界転生した人間に無双「される」側を主人公にして、はた迷惑な転生者が主人公に「処刑」される様子を描く。また、タイムリープ能力を持つ転生者の側にいる人間は、世界をどんなふうに認識するのか、というのを描くからです。

その視点の転換は、非常に面白いと思いました。が、少なくともアニメ作品単独として見た場合には、そのユニークな設定を生かしきった物語だったとは言いづらいかなと感じました。異世界の側の階級闘争や神職組織内のゴタゴタといった、転生者とその処刑とは直接関係のない話が延々と続きますし、主人公の育て親?とのエピソードが回想の中で何度も出てきますが、結局その人物に関する謎は最後まで解かれずに終わってしまいます。

でも、そういう意味では原作を大胆に改変して1クールで話をきれいに終わらせた「骸骨騎士様」に比べて、原作に忠実?に途中までで話を投げっぱなしにした「処刑少女」の制作チームのほうが、私としては評価したい。

なぜなら、異世界ものは結局チート・ハーレムといった読者の欲望に忠実になる以外のオチの付け方は、「桃太郎」化した超絶テンプレの勧善懲悪ストーリーしかないわけです。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          というか12回も見続けて最後に自分が「桃太郎」のテンプレを見ていたのかと思うと、脱力感がハンパない。それぐらいなら、「これはあくまでプロローグで、興味を持った方は原作をお読みください」と突き放してくれた方がありがたい。その意味においてです。

でも、異世界ものというのは、(世界の定理について読者との間に共通理解がないために)どうしても登場人物たちを中心に世界を回し、説明することになってしまう。小説の場合は尺の制約はないからいくらでも長い物語を書き続ければいい(むしろ長編にしたほうが読者も読み続けてくれて喜ばれるしもうかる)のに対して、12話という枠のあるアニメでは、意外性のあるストーリーを展開する前に世界の説明と主要な物語をたどるだけで尺が尽きてしまう。「処刑少女」も、そうした制約の中でテンプレ化しない道を一生懸命探った結果の作品だと思うが、やはり12話でまとめきることはできず、尻切れトンボとならざるを得なかったのだろうと思いました。

幸い、作画や音楽については一切の手抜きなし、申し分ないレベルのクオリティだったし、声優も主役級2人の新人も悪くなかったし、回りをベテラン勢で固める手堅い配役でした。制作陣の誠実さが感じられる作品だった…けれども、これで2期があるか?と言われれば、きついでしょうねえ。批評性以外に作品の魅力があまりないから。私としては、機会があったら、原作も読んでみたいと思いますが。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

設定だけは良かった。

{netabare}
1話の出だしは、いかにもこの作品は他のなろうとは違いますよと言わんばかりに皮肉を入れたり、異世界ながら現代風な世界観だったり、そして、無能なナナのようなどんでん返し展開でかなり期待してた。続きの2話も結構百合要素も強めな感じで、序盤の印象はクール内でもトップクラスだったのだが、そこからは落ちる一方。

まず一番のガッカリポイントとして処刑少女要素が全然ないこと。
処刑したのが一話のモブだけという...。
あかりは特別な存在だから保留するにして、同時並行で別のターゲットを殺していくという風に、あくまで処刑少女としての仕事を描くべきだったと思う。
なぜか訳の分からない敵とばかり戦っておて、見たいものから逸れている感もあるし、グダグダやっている感も否めない。

急に「異世界人を殺す羽目になってたのは実はあのおばさんのせいなんだ!!」とか言われて喧嘩をし始めても、異世界人を殺す処刑少女としての場面が一話しかないもんだから共感しがたい。
てかそもそもおばさん自体存在感が薄いからそんな意外性のある展開というわけでもなく、唐突な印象を受けた。
おばさんの動機も死ぬほどしょうもないし、あの回でこのアニメはダメだと確信した。

実際おばさんとの戦闘後は良くも悪くも、普通のなろうになったなと言う印象。
この世界が異世界人から影響を受け近代化しているという設定に関しても大して活かされず、目の前に現れた敵を倒すだけという可もなく不可もない展開。
もう灯を殺すとかそんな話はどこか遠くへ行ってしまってるのでグダグダ感が否めなかった。戦闘自体も特段面白いということもなく、本当に普通。
中盤から後半になってくると百合もかなりごり押し感があって、百合好きの自分からしても正直きつかった。

あと、あの金髪のキャラは何がしたかったのか。電車の上で急に戦闘を始めたかと思ったらいつの間にかVSおばさんの回で共闘展開になっているし、その回だけかと思えば最後の敵との戦いでも共闘してるし、本当に何がしたかったのか。こんな共闘した後に対立されても茶番感しか。

まあただ、実は目的が一致しているという、灯やメノウの設定に関しては面白かったというか惹かれるものはあった。
タイムリープキャラをサブ主人公に据えた話と言うのも目新しさがあって良かったかな。
最終目標やラスボスが明瞭になったというのもあってどちらかというと最終回後の話の方が、グダグダ感がなくなって面白くなりそうではある(?)
フレアがラスボスで、自分の弟子を始末している"処刑少女"という設定も面白そう。一期の範囲だと本領が発揮できていない感は少しあった。

序盤は結構面白くて、中盤は微妙、終盤は普通と言った感じの作品ですかね。
キャラの作画に関してはずっと安定していたけど、作画は普通だった。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆9
結構よさそう。あっ...。出だしは良かったのに、異世界転生の流れと「異世界転生!?」って驚く主人公のせいで台無し。
異世界転生の流れ雑すぎない?
いや、けど転生後にネガティブなのは結構いいか?
おい、主人公寒い会話やめろ。なろう特有のマヨネーズ推し。
知ってて草。これは...逆張りなろう作品?
おお、世界観がちゃんとしてる異世界っぽいな。
日本人街が出来てるって言う設定も面白い。ノブレス難民救済。
独自の世界観がある異世界久しぶり。どういうことだってばよ。
無能なナナ? 面白い説。葛藤を残しつつ殺すのがいい。
光学迷彩? 異世界人はノブレスVSファウストの戦争の道具?
予想以上に面白かった。ダークホース枠? かわいい。死なないで。
OPなんて? OP微妙だな...。

2話 ☆8
キャラデザほんと可愛いよな。鬼頭あかり? 焦りすぎ。
自分の傷もいやせるよな。追い打ちはよ。顔芸。これ百合アニメ?
列車あるのか。修羅場。なんか好きだわこのアニメ。

3話 ☆6
やっぱり百合枠だったかw 謎の化け物
ちょっと話それすぎじゃない? 作画頑張って。
異世界人を殺す話だけやってればいいのに。
あかり守るの草。よくある列車が止まらない展開。
エッッッ ??? このもし失敗したらの回想いる?
失敗したけどやり直したのでは?ってこと。

4話 ☆8
今回で結局話面白いアニメか面白くないアニメかはっきりしそう。
怖い。露骨な百合豚向け路線。

5話 ☆2
百合が露骨すぎる。なんでこいつと仲良くなってんの?
心読まれてる?w 何が起こってるんだ?
主人公に殺し依頼してた側がおかしかったってこと?
処刑少女全否定だしなんかなぁ。
いや、けど目的が若返りぐらいなら異世界人殺せるしそれでもいいんじゃないの? 純粋概念受け継がれるの?

6話 ☆6
ちょっとマシなたんもし枠って感じだな。ループものだった? 何があった? 誰の話がしたいのか絞ってくれ。
モモとババアとあかりの話同時にやられても。
いや、フレアに変装できたからといってなんで出し抜けた?
変装する意味あった? 結局これでもう処刑少女()やめるの?
全くやってなかったけど。
まああかりがメノウを信じてた理由は整合性あって良かったかな。
これでまたループなの? サクガンみたいな回想

7話 ☆6
OP好きになった。百合のごり押し。
この子がちゃんと異世界人始末してるとこ一話のあのモブ分しか見てないんだが。最終的にモモが敵対してフレア連れてくるオチありそうだな。
まだ薬飲ませたりしてるんかよw
アイアンメイデンって言うほど苦しまずに死ねそう。

8話 ☆4
この世界の総意として異世界人は始末しないといけないのね。
ちゃんとした理由が必要だよな
下品すぎるわ。麻薬(魔薬) あんまり魔物化に意味なさそうだが。
あかりが少しきつくなってきた。序盤は推してたアニメなんだけどなぁ。

9話 ☆3
なんかもうこのアニメきつい。
もう今更こいつと敵対しても茶番なんだよな。女には優しい。
何がトリガーになって未来が変わった?
何が面白くないんだろうなこれ。処刑少女要素がないにしても展開を結構工夫してるのはわかるんだが。

10話 ☆7
いや、復讐する気満々だったじゃんw なるほど?
フレアが禁忌でないと見逃したことが誤りであったということにしたいのか? 
捻くれてんな。生まれた マトリョーシカかな?
しょうもない会話やってないではよ進めろw
そういやこの世界近代化進んでて映画もあるんだったな。
その割には町は前近代風なのね。

11話 ☆4
敵が寒いわ。この金髪は何がしたいんだよ。
話は悪くないけど敵が生理的に無理。霧ってなんなんだ?

12話 ☆5
エンドロールまで見ろ。これはいいリョナ。
腕ちぎられるとこまでやってくれたら最高だった。
そこであの回想の場面になるのか。
これ結局ダラダラしてるだけで面白くないアニメだったな。設定だけ。

曲評価(好み)
OP「Paper Bouquet」☆8
ED「灯火セレナード」☆7.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

12話見ないと真価が分からない作品。異世界転生だと思わない方がいい。

 なるほど…1話で予感したとおり、非常に面白かったです。大きな構造が良く練られていました。

 メノウとアカリがお互い抱えている秘密。そして教室のフラッシュバック。一体どういう構造で現世と異世界が繋がっているのかという謎。アーシュナやフレアなどに秘められた謎。どこをとっても興味が尽きません。

 タイムループものではありますが、タイプループがこういう大きな謎の構造の中でWHYを解き明かすためのものとして機能しています。ですのでタイプループで事件を解決するという話ではありません。あるいはタイムリープそのものも謎を構成しています。エピソードを通じてそういう謎の提示があって、謎が解き明かされる方向に進みます。

 異世界ものではありますが、SFの匂いがする舞台設定でセリフの一つ一つ、エピソードの隅々まで意味がありそうな作品でした。

 冒頭のアカリの不自然なメノウへの態度、そして内面を見せないキャラ造形などが後になってちゃんとわかる構造になっていました。
 少年の話や大司教、パンデモニウムなどのエピソードを使って上手く世界観や謎、設定を説明できていたと思います。

 アニメの作画は素晴らしかったですね。丁寧で破綻の無い作画なのはもちろんのこと、原画…特に女性の身体…立ち姿とかイスでだべっている姿などの骨格というか、デッサンが非常に人間を感じさせました。手の形も非常によくできていましたし。あるいはCGが優れているのでしょうか。人物の人間らしい作画はすごかったと思います。

 異世界転生もの、という枠に収まる作品ではなさそうです。非常に出来がいい作品でした。ストーリーという点では、なろう系の異世界ものは足元にも及ばない、くらいよくできた作品だと思います。世界観、舞台設定、キャラ設定、謎の作り方どれをとってもレベルが高い出色の作品です。

 
 ただ、良く出来過ぎていて、面白さがどこかに置いてけぼりになっている気がします。「転生もの」というカテゴリーでくくられてしまったのが不幸なのかもしれません。
 今のアニメ界、WEB小説界は、設定が丁寧に説明されて、一直線にストーリーが進まないと、評価されない傾向にあります。

 それと、世界観、設定が複雑でちゃんとできているがゆえに、キャラの内面描写がちょっと薄い感じです。そこに感情移入のむつかしさがあったかもしれません。
 謎がある故にモノローグが厳しい構造なのはわかりますが、ヒロイン2人もそうですけど、アーシュナなども内面が見えないので感情移入しづらいです。あえて言えばモモが乗りやすいですけど、ストーリーを俯瞰して見られる立ち位置ではないので、やはりメノアかアカリのどちらかにライドしたいですね。

 細かい事を言えば、冒頭の鉄道ジャックのところに関係者が集まりすぎとか、若干ご都合主義がありました。1つの列車に全員が乗る必然性とかあるともっと良かったかなあ。それとマノンの母娘のエピソードもちょっとあの人と肉親である意味が希薄だなあ、とは思いました。そうしないと登場した意味が薄くなるのはわかりますけど。12話の尺ですから省略した部分があるのでしょうか。

 OPの雰囲気も良かったですね。EDは続きが気になって飛ばしがちだったので、あまり味わってなかってなかったです。

 総評すると、世界観、舞台設定、キャラ設定、謎、エピソードの積み重ね、アニメの出来、特に女性の身体の作画、OP曲やOPアニメなどどれをとっても非常に良い作品でした。
 ただ、正直いって時代遅れの可能性があります。本作は古き良き「ちゃんとしたラノベ」になっていて、連載物ならではの単純な一直線の話ではないので、後半まで見て面白さが分かってくる構造でした。

 それに加えてキャラに乗りづらいので、見ている側に1話で作品の良さが伝わらないと、早々に切られるでしょう。そしてそれは見ている側だけの責任ではない気がします。異世界転生ものにみえますので、小説の読解力を要求したり、SF心を要求するのは酷だと思います。
 1話2話くらいで面白さに気が付いてもらえないとなると、厳しいですね。回を重ねるごとに面白くなっていきますし、6話まで行けば完走でしょうけど。12話で真価がわかります。

 なんとなく評判を見る限り、過小評価されている感のある作品です。ちょっとブギーポップを思い出しました。あれも非常に出来がいいですが、昔なら良くても今のアニメ視聴者には辛いでしょう。
 逆に言えばおそらく原作もなかなかの出来でしょう。アマゾンで3巻まで0円なので小説版確認して見ようと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22

68.2 15 師匠で異世界なアニメランキング15位
最強陰陽師の異世界転生記(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (206)
680人が棚に入れました
強いだけでは幸せになれない。たとえ、最強の陰陽師だとしても。 並ぶ者のいない天才と称された陰陽師・玖峨晴嘉は、朝廷からの裏切りにあい、命を落とそうとしていた。 次の生でこそ幸せになりたいと決意し、自ら生み出した秘術・転生の呪い(まじない)によって異世界に転生する。 そして、セイカという名と新しい人生を手に入れた。 「前世の自分に足りなかったものは狡猾さ、今世では上手に立ち回り幸せな生を手に入れる――――」 最強の陰陽術と強力な妖怪たちを従え、彼の進む先に待ち受けるのは、望んだ平穏か、それとも・・・。 いまだ誰も目にしたことのない、最強の陰陽師が挑む異世界ファンタジーが始まる。
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

人間不信の某賢者が陰の実力者に成り上がるようです

腹黒主人公のキャラ性には独特な魅力を感じましたが、異世界転生もの作品自体に内在する
限界性みたいな壁にぶち当たり、目新しい展開もなく、異世界転生もの作品の宿命の如く
見事失速して逝ったような結末でありました。

{netabare} 「メイ【ベル】」の死亡フラグはしっかり機能していたようでありまして
それが個人的に満足できた点であります。

「転生腹黒キャラ」の正体が「魔王」であったのでこのような展開になったわけであります。

「世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する」にも似たところありますが
主人公が魔王設定でありますので「まおゆう」系の「史上最強の大魔王、村人Aに転生する」
の影響の方がかなり強く表れていたように思います。

最終話にかけての主人公である「魔王様」のご乱心?は友達のために必死になった
ということでありまして、前世において裏切りに遭い失敗人生を送った反省として
転生後には友情や信頼関係を大事にするようになったというオチだったようにも思いますが
今一つ視聴者には伝わってなかったような気がいたします。

主人公は最強魔王なので戦えば当然勝つに決まっており、それではテーマもくそもない
ということで、何のために戦うのか?ということに重点を置き友情物語を描こうとした
ようですが「史上最強の大魔王、村人Aに転生する」と同じ着地点という意味では、
なかなかに評価も難しいということになるのかもしれません。 {/netabare}

●邪眼の茶番

幽遊白書みたいなキャラの5人衆が登場し {netabare} ジャンプ系バトルが始まります。
ちゃんと兎タイプのケモ耳フレンドも漏れなくいるのはお約束というやつですね。

邪眼率多めです。
みんな大好き【プロビデンスの目】でございます。

もしかしたら【プロビデンスの目】を得た対価が高くつきすぎたのかもしれませんが
腹黒主人公により邪眼チームは敢え無く瞬殺であります。

ジャンプ系バトルを長々やられても困りますが、主人公が強すぎて
盛り上がるところもなく、意図不明な展開でありました。

ただ一つだけ見るべきところがあるとしたら、「メイ【ベル」」の活躍と言いますか
「【ベル】の第1法則」、即ち「死亡フラグ」の発動が彼女の出番ともに現れるという
ところで、セオリー通りでお約束通りのフラグにより邪眼チームは全滅というオチでした。{/netabare}


「【ベル】の第3法則」

話は「メイ【ベル】」 {netabare} 兄妹のシーンに戻りますが、もしも兄がトーナメント王者に
なっていたならばどうなっていたかについて言及いたしましょう。

もしも優勝したならば兄は頭蓋骨に穴をあけられ洗脳手術みたいなことを施されたのであります。

これと全く同じような手術法がありまして、これを「ロボトミー」と言います。
今では禁止となったこの「ロボトミー」は「ノー【ベル】賞」を受賞しました。

「メイ【ベル】」の兄に「ノー【ベル】賞」の「ロボトミー手術」を施すのですから、
これは完全に狙ってやっているとしか考えられません。

ということでこの事例から導かれる「【ベル】の第3法則」は{/netabare}「災いの発動」でございます。



●【メイベル】回収!

【メイベル】が似非 {netabare}勇者という設定も興味深いですが、それよりも
「邪眼」の殺し屋と兄妹だったというのには更に確信犯的なものを感じます。

「邪眼」や「魔眼」は【プロビデンスの目】を表すものですが、それと【メイベル】が
繋がると言うのはとても重要であるように思います。

そもそも【メイベル】は邪眼の兄に殺される役目を負っていました。
という意味では【生贄】に捧げられる立場であったわけであります。

【プロビデンスの目】とは「全能の目」でもありますが、それを得るには代償が
必要になります。

そもそもは「左目」や「右目」を失い、「新たな目」を得るという流れであったのですが
【ベル】が絡むことにより【命】まで取られなければならないことになったようです。

ここで判明した【ベル】の第1法則、それは
【ベル】は死亡フラグとして機能するということであります。

ちなみに四葉のクローバーは「4」という数字を表しますが、これが2枚だと
【8】を暗示することになり、「※願い事」が叶うわけであります。

兄が妹の生存を「※願った」のであれば、【ベル】は等価交換変換装置として
機能したと言えるのかもしれません。

そして【ベル】の法則は他でも{/netabare}機能するものと予想されるのであります。


●ゴースト・イン・ザ・「なろう」
やはりという感じで、なろう系にありがち展開発動します。

総合{netabare}武術大会に出場という展開はある意味お約束ですが
それよりも注目すべきことは、その大会に出場すべく選ばれた新キャラの存在であります。

その名は【メイベル】。明らかにラスボス級の猛者であります。
「金装のメルヴェイユ」の「ヴェルメイ」に名前が似てるのは偶然でしょうか?

「SPY家族」と「ノケモノたちの夜」では「ブラック【ベル】」
リコリコでは「リリ【ベル】」。「水星の魔女」では【ベル】と言う名の魔女が。

探してみると【ベル】という名のキャラは意外と多いようですが、
これはただの偶然でしょうか?

これは恐らく狙いあってのことであると推測いたします。
何故そう思えるのかと言えば、【ベル】には特別な意味があるからであります。

そして、そこである種の疑問が浮かび上がるわけです。

なろう系作品と言えば素人当然の作家が書いた物語でありまして
そんな素人レベルが【ベル】という名に込められた意味を知り得るのか?
という疑問でございます。

【ベル】は貴族にありがちな名前とか言う話でしょうか?
恐らくは【メイベル】も物語上「ブラック【ベル】」と同じ性質が示されることなるでしょう。

もしもそうだとしたら、なろう系作家とは「ゴーストライター」ではないか?
という疑惑が確定的なまでに濃厚になると考えるべきなのかもしれません。
と言うことで、以降【メイベル】の動向から {/netabare}目が離せなくなりました。



陰陽師という最強無双チートが異世界転生するとなれば、火を見るよりも明らかに
いつものなろう系展開になるだろうと予想してしまいがちですが?

前世で謀略に嵌めこまれ不本意な結末を迎えることとなったのを悔い、
次こそは自分の至らぬ点を克服し、リベンジを果たそう決意
新世界でリスタートを切った、そんな主人公の性格が中々にいい感じに腹黒で、目的のためには手段を択ばない冷徹さやマキャベリストな感じのキャラ性が
良い味を醸して出しているような好印象を受けた次第であります。

主人公同様一癖も二癖もある最強女勇者系ツンツンヒロインと出会い、この度
男女混合{netabare}ダンジョントラップに見事二人っきりで嵌りますが、この試練こそが
最大の見せ場であったように思われます。

人間不信のクール系主人公とバトルジャンキー系ツンツンヒロインの凸凹人間関係にダンジョン効果が
相互理解の架け橋を渡し、不器用な二人の人間関係に明るい兆しが見えたというオチについては
なかなかに独自のチート能力を有効活用しているようであり、主人公のキャラ設定や
声優のクールヴォイス含め、すべてがうまく機能していて大いに納得の行くところでございます。

今回序盤での突如上からものが落ちてくるシーンでは、主人公の片目をクローズアップ
するという表現=「魔眼」表現で伏線もばっちり決めるあたりも、中々に卒が無いと言えるほど
巧い事まとまった回であったように思います。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

主人公さえいなければ...

{netabare}
タイトル通りのいかにもななろう俺TUEEE系。
ただ、陰陽師要素は結構しっかりしてるかもしれない。
テンプレ的な魔法も存在するけど、基本的には呪符を使って戦ったり、妖を召喚して戦ったり、なろう作品の中では戦闘シーンの絵面に関しては独創的ではある。妖のどことなく不気味な感じも良かったし、独特な技もちょっとカッコよかった。
実際は主人公が最強で敵は足元にも及ばないのだろうけど、絵だけを見る限りは接戦に見える戦闘が多くて、先ほど述べたように独創性も相まって戦闘シーンはなろう系の中でも面白い方だったかな。
作画は悪いけど演出は結構頑張ってるシーンも多かったイメージ。
主人公が和歌を詠いながら現れるのもちょっと面白い。

話に関してはテンプレだからほぼ悪い要素がないけど、主人公の性格が...。
何を思ってこんなサイコパスにしたんだろうか。
魔王だからと言うのが理由にしても、サイコパス的な行動が正しいかのように描かれているせいで違和感しかない。
兄に対してイキりまくってた時などはまだかわいい方で...。
一番酷いのは最終回。敵か味方かもわからないような国の軍隊を何食わぬ顔で独断で殲滅。殲滅したかと思えば、自分は善人ですよと言わんばかりに回復魔法で復活。
どうせ死ぬ魔王軍の4人の掘り下げとかもしてたけど、あれは主人公によりヘイトが行くだけで何がしたかったのか。
こういうサイコパスキャラをかっこいいと思う痛い人もなろう読者にはいるのかな。
声優が女性だったのも余計に鼻につく原因になっていた気がする。

セイカ以外のキャラに関しては、むしろこの作品はなろうの中でもかなり良くできている方だと思う。
キャラデザが好みというのもあるけど、一人一人ちゃんと掘り下げがされてキャラが使い捨てになっていない。
ハーレムではなく、それぞれのキャラの役目やそのキャラとの関係は安定しているし、最初から最後までセイカがイーファ一筋と言うのも良い。
最初噛ませ役だった兄も終盤になるとちゃんとした人になっていたのも良かった。逆にここまでキャラの描写ができるならなぜセイカはあんなキャラになってしまったんだとも思う。意図的...?

だけど、セイカも良いところなしと言うわけでもないんだけどね。
イーファを愛しているからこそ王族の元へ入ることを是とするかの葛藤も良かったし、いざイーファが脅かされると駄目な王子を本気で叱ったり、イーファとの関係性に関しては良かった。
政治にかかわりたくないと言いながら、前世の自分と同じ立場のアミュに同情し時に手助けをするなど、ヒロインに対しては優しさがあるように思う。
過去の過ちを繰り返さないためにカイルを見捨てたように、時には犠牲を厭わないスタイルも嫌いではなかった。
叱責シーンなどを見るに、精神年齢に関しても前世と同等、長年の人生経験があるように見える。

まあ、なんというか惜しい作品。主人公のサイコパス的な一面がなければ文句なしに面白い作品だった。
少なくともこの作品のヒロインに関しては冬アニメでもトップクラスに好き。

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆2
面白そう? 前世のままやれ。急にいつものになるな。いきりキッツ。
主人公の性格に大人っぽさは感じられるけど、やっぱ大人の姿としてやられるとなぁ。ヒロイン召喚!w きつい。
主人公の声がくっそいらつく。angela草。

2話 ☆3
お前が落ちこぼれなんやろ。この展開キッつい。主人公の声がキモイ。
今まで見たなろうの中でも最上級の痛さ。シュガーアップルで見た。
半年前とは。策士かよ。主人公ガチゴミじゃん。
どうせ壊れる。評価されない項目ですから。キャラデザは可愛い。
主人公要らない。曲はいい。

3話 ☆6
いつもの魔力試験。どうせ打てるんだろ。この先生の声はなんだよ。
ヒロインが可愛いことしかいいことがない。キャラデザはマジで可愛い。
上から目線主人公気持ち悪い。急に詠うよー。金属の悪魔。
負けかけてて草。戦闘時の演出ちょっとかっこいい。
詠うの笑うからやめろ。技の見せ方かっこいいわ。
敵もちゃんと強いのはいいけどさ。

4話 ☆7
友達作りたいならこの性格を直せ。ほんとこいつクズすぎる。
もうアミュと仲良くなってて草。ホントキャラデザは可愛い。
どうせ助かる。これエロアニメ? ワイ談で草。
ほんとキャラは可愛い。主人公いなかったらこのアニメ推してたな。
このアニメも先生が黒幕かw クソダサポーズ。

5話 ☆8
エレガントおじさんだ。結局主人公表舞台に立ってるじゃん。可愛い。
こういうのでいいんだよ。声かわいい。メイベル分からせたい。
イキるな。邪眼かっけー()

6話 ☆7
噛ませ顔。イキるなカス。違反してイキるな。出たw
大会中にあらわる怪しい奴ら。陰陽師要素。キモいから二度と出すな。
下っ端機密知りすぎてて草。さとりキモすぎる。イキるな。
金髪の噛ませ感半端ない。
こんな珍しい複数属性使いをしょうもない決闘で死なせていいのか。
作画クソだけど女の子かわいいからセーフ。サマータイムレンダで見た。
死ななかった。1回戦もちゃんと止めとけ。

7話 ☆9
アクティベート! 勇者替え玉作戦とは考えたな。
ちゃんとデザイン不気味でいいな。
完璧なお人好しではなくて、あくまで自分の本来の目的を貫くのはいいな。
復活展開をされても興醒めだったし。

8話 ☆7
主人公不意打ちされてて草。原作者も知らないドラゴン。
こいつ怪しすぎて草。イキるなカス。
たしかに普通に考えて王族の元に行けると言うのは悪いことでは無いよな。
まあ自覚が足りん感じはするけど。

9話 ☆9
なんかエロくて草。イーファ大好きマンかなw
こいつ駆けつけたんじゃなくて偶然かよ。俺の魔導書がああああwwww
このクズ殿下さっきのイーファへの行動のせいでイメージ悪いわ。
他国の政治に口出さないスタイルはえらい。
セシリオへの説教は転生前感ある。

10話 ☆8
またこの兄か。ブラフはセーフ。汚いなりにも勝てるんかw
グライ大人になってるな。良い人間か? 情が写りまくりなのはいいこと。
セイカと手を繋いでても怒らないのか。フィオナ可愛いな。
兄貴有能で草。セイカよりよっぽど有能じゃん。裏があるのか。

11話 ☆6
兄も同じこと思ってるぞ。確かにちょっと面白い解答だ。負けるんかいw
まんじゅうこわい? 禅問答長すぎ。こいつ誰?
兄マジでいい奴になってて草。ガバガバ襲撃。
未来見える人説得は無理だろw

12話 ☆6
目立ちたくないんじゃないんか。毒塗られてたらどうするねん。
詠うの面白いからもっとやれ。ウサギ可哀想。
セイカの方が悪役じゃねーか。はよ逃げろ。やっぱ殺しちゃまずかったなw

13話 ☆0
なんで得意げなんだよ。責任は感じてるんだな。けど、妖は見下す。
上に従ってるだけの奴が多いだろうに、一応友好的でもある国の兵士をこんな風にするのは全く好きになれんな。過保護がすぎる。
政治のいざこざで巻き込まれて死んだ過去があるからこそのアミュへの同情は良かったんだが。死んだフリさせるんか?
こいつ何いいことした気になってんの? 何このサイコパスアニメ。

曲評価(好み)
OP「RECONNECTION」☆7
ED「リンク」☆8.5
3話ED「月夜のタクト」☆5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

狡猾に 策を巡らす 怨霊の 掴みし幸は 花霞かな

原作小説『最強陰陽師の異世界転生記〜下僕の妖怪どもに比べてモンスターが弱すぎるんだが〜』はweb版、ラノベ版共に未読。

【物語 3.5点】
シリーズ構成・脚本・待田 堂子氏。
私が好相性を感じている書き手の一人。
伏線の強調の仕方が、しつこ過ぎず、分かりにく過ぎず。
私にとって丁度いい塩梅なのが心地良いです。

終盤、主人公セイカ・ランプローグが(※核心的ネタバレ){netabare} 魔王{/netabare} でしたという件にしても、
道中セイカはチョットやばい奴だぞ?という布石が、
アンテナ張っていれば捉えられる程度に、さりげなく置かれていたので、
唐突感なく受け入れられました。

ラストの(※核心的ネタバレ){netabare} 勢力均衡を保つ人間界と魔界。
魔王を倒す勇者伝説など疎ましい。{/netabare}
この世界の大局提示も上々でした。


世界観・設定によるシナリオ明快化もまずまず。

主人公最強な転生者の陰陽道が、洋風ファンタジー世界にインパクトを与える構図。
和と洋。設定のコントラストで展開が捉えやすかったです。

転生者の主人公は前世で力を持ちすぎた陰陽師として忌避されハメられた反省を元に、
現世では狡猾に立ち回り幸福を掴むことを人生の目標に据えている。
けれど狡猾に掴んだ幸せなど虚しいものではないか?
元の優しいセイカのままでは幸せになれないのだろうか?
葛藤のテーマも明確。

ただ、テーマについては前世、狡猾以前にセイカが、力がなければ幸せになれないと悟ったいきさつ。
そもそも前世で謀殺された詳しい経緯。
過去の掘り下げは持ち越され、やや不完全燃焼。


私は脚本家や和洋折衷な世界観を始め、気になる要素が多数あったので美味しく頂けました。
ですが、お話自体は、量産型の異世界転生物。
結末も、やっと基本的な方向性が示された所で終わる俺たたENDの典型。
オススメ度となると、お暇でしたらどうぞ位の学園系の異世界転生アニメです。


【作画 3.0点】
アニメーション制作・スタジオブラン

凡庸。

洋風モンスターたちの描写。
いくら原作タイトルで弱過ぎると酷評しているとは言え、
この作画では、ちょっと倒しがいがない感じw
特に初回、巨大モンスター出現!と期待したら、
{netabare} ただのドでかいオオサンショウオ?{/netabare} だった件はズッコケそうにw

一方でセイカ配下の妖怪たちなど和風モンスターについては、
襖(ふすま)が開いて召喚される中々の演出で魅せる。


それにしても魔法学校の学生服デザイン。
スカートの丈が短くて実にけしからん(笑)

普通、魔法学校の制服と言えば『ハリポタ』ホグワーツのロングローブや『まほよめ』2期学院のハーフパンツにロングコート辺りが定番でしょう?
あんなミニスカじゃ下位の風魔法演習とかでパンツ見えちゃいますよw
と私はツッコミながらも、ついヒロインズの絶対領域に目がいっちゃうわけですがw


【キャラ 4.0点】
ヒロインズ。
セイカの奴隷だが精霊魔法使える金髪ロングのイーファ。
今世代の勇者でセイカとは冒険仲間意識が強い赤髪ショートのアミュ(八重歯、下ネタ付)。
色々隠し事が多そうなクール系な後輩赤髪ショートのメイベル・クレイン。
あとは予言系の聖皇女とか。

色恋沙汰には興味なさそうな前世陰陽師の少年の周りに、
恋人ポジションからは微妙にズラして美少女を配置する。
鈍感ハーレム人物相関のバリエーション。

ただ、どういう都合なの?との疑問や違和感には、答えを用意しているキャラ設定ではある。
何でイーファは奴隷なのに凄い魔法適正があるのか?
→{netabare} エルフの血筋でした。セイカから離れろ展開。{/netabare}
何でメイベルまで赤髪ショートなのか?アミュと被ってるじゃん。
→{netabare} 地毛は青髪。背負った宿命も背筋が凍る凄惨さ。苦手のお勉強で高飛車を崩される。ただし私は赤髪のメイベルの方が好きです。{/netabare}


もう一匹ヒロインズとも言えそうな狐妖怪ユキ。

前世からの縁で、セイカが転生者であることを知る数少ないキャラ。
現世では狡猾に生きると言うセイカに、目立ち過ぎでは?あの娘に肩入れし過ぎでは?などと進言したりする配下。
要所でセイカの葛藤を整理、言語化することで、主人公を拡張しテーマも深める献身ぶり。


【声優 4.0点】
主人公セイカ役には花守 ゆみりさんを指名オーディションで起用。
この手の転生者の役には、外は少年、中身はおっさん。狡猾に子供を使いラッキースケベをいなす。
といった難解さが付きまといますが花守さんは好演。

大人の中身が滲み出る主人公モノローグも、前世の陰陽師ボイス担当の梅原 裕一郎さんではなく花守さんが全対応。

さらに陰陽道独特の詠唱呪文もこなし、果ては月下で短歌を詠みながら敵を始末し、寒々しい和風ムードを演出する万能ぶり。
私も感心のあまり僭越ながらレビュタイで一首詠んじゃいましたw

花守さんの転生少年ボイス。もっと聞きたいです。


異母兄弟のセイカにつっかかるランプローグ家の次男・グライ役には上村 祐翔さん。
良く吠える噛ませ犬ボイスで主人公無双を引き立てる。
その後も続くグライの人生。価値観の変化もカバーする。
この手の波乱万丈の乗りこなし方はお手の物です。

その他、ヒロインズだけでなく、敵、モンスター、妖怪役にも実力者が配されキャスト陣は安定。


【音楽 3.5点】
劇伴担当は桶狭間 ありさ氏。
その名の通り古戦場出身で、和風と洋風の往復をカバーする守備範囲の広さが魅力。
今後も共作で参加が決まっているアニメ版『薬屋のひとりごと』など東洋風サウンドに期待したい劇伴作家です。

OP主題歌はangela「RECONNECTION」
デビュー20周年。32ndシングル。確立した音楽観を持つベテランユニット。
エレクトロ成分と和風サウンドを混在させても崩れない安定度で世界観を支える。

ED主題歌はヒロインズ3人による「リンク」
個別キャラ回のソロ歌唱にも対応したバラードソング。
EDアニメのセイカ+ヒロインズのパーティー編成で気ままに冒険する穏やかな日々。
本当の幸せはまだまだ遠そうです……。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16

64.6 16 師匠で異世界なアニメランキング16位
新米錬金術師の店舗経営(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (198)
575人が棚に入れました
孤児院育ちの新米錬金術師サラサは、亡き両親と同じようにお店を開くのが夢。 そんなサラサが養成学校の卒業祝いに師匠からもらったのは、とある辺境の村の空き店舗だった。 予定よりも早く叶う夢に胸を弾ませるサラサだったが、待っていたのはボロボロの店舗、慣れないコミュニケーション、危険な素材集めに魔物退治!? 豊富な知識と高い魔力、鍛えた剣術を武器に見知らぬ土地で奮闘するサラサ。 店舗経営を通じて広まる想いと錬金術が、出会いと絆を生んでいく――
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

きららじゃなくてなろう寄りだった。

{netabare}
始まる前は今期トップレベルで期待してた作品だった。
チート薬師やRPG不動産好きだったし、これも楽しめるかなと思ったけど、ダメでした。
ジェネリックきららではなく、結局キャラを美少女にしたなろう系だった感は否めない。

このアニメのジャンルは?と聞かれても日常モノとは答えないかな。
店舗経営と言っておきながら戦闘回が多すぎた感がある。
それも、突如街を襲撃してきた魔物の撃破、素材集めのための魔物との戦闘...と正直いつものなろうじゃんってなった。
サラサのお店に嫌がらせをしてくる分かりやすい悪役もなろう感がきついし、サラサが時折イキリ出すのもなろう臭がしてきつい。
新米錬金術師と言っておきながら錬金術と魔法の違いがイマイチよくわからない。
日常モノならそれでもいいけど、これは日常モノ感がなかったから、そこがかなり引っかかったかな。

キャラも主人公だけで良くね?感が強い。
サラサ以外の3人が主人公の引き立て役にしかなってない。
3人が何かをやらかして、それを完璧主人公のサラサがなんとかするみたいな構図。
戦闘では何の役にもたたないし、お店でもアルバイトレベル。
最終回では特にそれが顕著。
サラサなしだと、3人はまともに店舗経営もできない。
これサラサがもし男キャラだったらそれこそ、普通のなろう系と同等だっただろうなって思う。

1話時点だと、サラサの成長や自立を描く作品としての出来を期待できそうだったけど、そこも中途半端。
困ったときは錬金術と言う名の魔法で師匠とすぐに会話できるし、それどころか物理的なピンチが訪れたら直接師匠が助けに来てくれるしw
あと、途中のお金の話が、サラサではなくて作者喋ってるみたいでちょっと気持ち悪かった。

良かった点...。
サラサの周りはモブの村人含めていい人たちばかりだから、何も考えずに見られる点。
戦闘がメインでなければ、それなりに好きだった作品だとは思う。

作画はENGIが三本も掛け持ちしてるせいでかなり低クオリティ。(おばさんの服とかさすがに酷すぎ...)
ただ、別に求めてない戦闘シーンだけは無駄に作画が良くて、低得点をつけづらい。
戦闘にリソースを回すなら、通常時の作画をもっと向上させてほしかった感はあるけどw

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆9
今期1期待してるアニメ。ENGIさん頑張ってね。OPいいな。
いきなり重いな。てか、転生では無いのね。きららっぽい入り。
目隠れすぎじゃね? 何もしないが正解説。
料理かな? クソ試験官。CMでネタバレするな。テンポいいな。
この世界金銭感覚おかしいだろw ジェネリックきららだな。
今後どんなふうに話広げるのかは気になるけど、最悪錬金なしで百合百合してるだけでもいい。

2話 ☆7
師匠わかってて紹介しただろw 錬金術師の店ってより豪華な家だな。
やっぱ作画は良くないな。キャラだけは崩さないで欲しいけど。
こっちもこっちでコミュ障だな主人公。
師匠をここで再登場させちゃうと1人でやってる感無くなるからあんまり。
戦闘はいらないなぁ。思ったより暗めなパートもあるのね。
最後良かった。痛そう。急に雰囲気重いw 人体錬成?

3話 ☆5
錬金術師なのに医者みたいな扱いで草。ボロボロやん。
そりゃ金は大事よ。棒読みおらん?
正論なんだけど、これ系のアニメにこういう真面目要素は要らないかなぁ。
作者の思考をキャラに喋らせてる感が凄い。戦闘要らん…。
歩くのおっそ。最後の戦闘だけ作画良くて草。
他のとこにリソース回してくれ。

4話 ☆7
戦闘なさそうで良かった。ロシアにありそうな地名。
光ってるってことは嘘ついてるな。あのメガネはなんやってん。
結局完全にセールスで草。瓶の絵酷すぎでしょ、小学生が描いた?

5話 ☆7
何もやってないのに蜂に刺されることある? 冷凍食品作れるじゃん。
素材集めか。これ結局なろうっぽいなぁ。
錬金術師の範疇超えてるというか完全に別分野だよね。
触れたら手くっつきそうだが。可哀想。革手袋事凍らんの?
錬金術師と言うよりただの冒険者だな。サラサと村人値段逆だろ。

6話 ☆4
ぼっちと比べて演出ゴミ過ぎて泣ける。見てられんわ。水着回か。
今期こういう敵見たぞ。ニガリで倒せ。不徳のギルド?
好きじゃない萌えアニメって普通のなろうより見るのきつくなるんだなぁって。

7話 ☆6
なろう要素。どういう転び方したらそっちにコケるんだよ。
師匠が頻繁に訪れるの1人で店やってる感じがしない。
まあ成長を感じられる描写があったのは良かった。

8話 ☆4
普通の商売敵って設定の方が面白いのに、盗賊との繋がりで完全な悪役として描いたら結局なろうでしかないんだよな。
胸がどうこうの寒いノリから感動話チックな方向に持っていくな。
しょうもない名前付け嫌い。なろうだなぁ。
当たり前のことをかっこつけて言う父さんw 安っぽい絵。
イキリアニメになってしまった。

9話 ☆5
転移陣か? はいはい電話電話 むしよけスプレーかな?
毒の知識ぐらい持っとけや。スカアニメやめろや。

10話 ☆5
これの前にライザのCMやられるとライザにしか見えんくなる。
BGMが壮大すぎて草。迫真の集中線 転生賢者でもこんな話あったな。
基本ずっとサラサが軸だよねこのアニメ。
ドクターストーン? また戦闘か。やっぱなろうなんだなぁって。

11話 ☆5
師匠とすぐやり取りできるようにしたのは自立してる感なくなるから失敗説ある。結局これもスライム300と同じで一見きららだけど展開はなろう。
ゲームのボス部屋感ww 爆裂魔法使うのか?w
戦闘で作画無駄に良くなるのやめろ。

12話 ☆5
最終回でやる話なのか? なろうあるある魔法ダッシュ草。
亡き両親の商会なのか。
結局こいつらは主人公いないと錬金術的なことは何もできないの?
主人公だけで良くね観あるのはこれ系の作品としては致命的すぎる。
主人公にキャリーされてるだけのほか三人。

曲評価(好み)
OP「はじまるウェルカム」☆4 ED「Fine Days」☆5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

美少女俺TUEEEハーレムと女子だけ日常系のハイブリット作品

 最後まで見られました。結果的に。基本、若干の萌え以外の感情は動きませんし、伏線の発見やテーマ性の深掘りをする必要はないと思います。ボッチは初期設定だけです。初めの数話はちょっと興味が惹かれる展開だったと思います。

 現実の世界ではないどこかの異世界で、ヒロインの無双でやられる心配がなく、村人から頼りにされる店舗経営もの、というジャンルが好きなら良いと思います。
 一方で話そのものは、女子だけ日常系の共同生活の部活ものみたいな感じです。事件や敵も存在しますが、エピソードを展開するための設定以上のものではないです。他の少女たちは飾り物です。ですので、美少女主人公の女子ハーレムものという見方もできます。
 要するに流行のジャンルのハイブリットです。

 文明化の度合いとか気にしないほうがいいでしょう。テントはどう見てもコールマン製ですし。そういう些細なことを気にしないほうが楽しめると思います。

 ヒロインがずっとしゃべりっぱなしです。声優さんがお好きなら満足度が高いかも。
 ヒロインぼっちの初期設定は良かったと思います。

 結果的に私はなんとなく最後まで見てしまいました。リラックスタイム用なので、時間が無駄とも思いません。が、2回目を見ようとは思いませんし、どこかで間違って2回目を見たときに、以前見たなあと思い出さないかもしれません。既に登場人物の名前とか思い出せないし。



 


10話まで サブスクのサムネの女子の作画が良いのに気が付いて今更ながら視聴。

 1話の設定の説明回とそれ以降のあらすじは悪くないと思います。ぼっち設定のヒロインが店舗経営するという話は、他の異世界薬局ものと比べて面白いスタートだったとお思います。

 異世界でもともとぼっちということで、転生ではなく生まれながらのぼっち表現です。すぐ逃げたがる男の異世界転生と違い女性原作だからでしょうか。そこも面白いですね。「ぼっちざろっく」もあるので流行なんでしょうか。全体のストーリーの本筋は面白いと思います。キャラもいい子だし。

 経営ものとしてお金にこだわるのも面白いと思います。全体的にお金にまつわる話が多いのは一貫性があるとも言えます。

 ただ、学園生活、修行、ヒロインが村が好きになる、店のボロに困惑する、1人目の店員さんが来るところなどが正直薄すぎて物足りません。ヒロインの俺TUEEEのチューニングをやり損なっている感じで、特に魔物退治で盛り上がりが弱いですし。師匠が簡単に来過ぎるのもちょっとなあ。

 お店作りは全部錬金術と大工さん無双で解決してしまいます。肝心のお金にまつわるところをすべて俺TUEEEで解決しているように見えてしまいます。ストーリー展開で解決しているように見えません。コウモリのところは、単なる俺TUEEEじゃない表現ができる気がするのですが、なんかヒロインが頑張って強い魔物倒せば全部解決できるじゃん、に見えてしまいます。

 もっと的を絞るとか、心情が形成されるプロセスを丁寧に描いていたら、かなり良かったと思うのですが、本当にストーリーの説明だけでポンポン話が進んでしまう感じです。

 萌え、ヒロインの成長話、友情の話、師匠の愛とコメディ、俺TUEEE…あらゆる要素が中途半端です。

 このストーリーだと原作はもっと密度が濃いんでしょうか?あるいはこの作品の印象の通り、地の文章はサラッとしていて、会話劇なんでしょうか。よくわからないですが、正直この出来だと原作までは手が伸びません。

 最近気が付いたんですけど、面白い面白くないって、シームレスな連続性があるパラメータだけでは決まらなくて、面白さの境目、閾(しきい)値がある気がします。何かが足りないと急激に価値を失うと言えばいいのでしょうか。

 本作は、要素はあるし、プロットから言って面白いと紙一重だと思います。ただ、どこかが「面白いなあ」と思う閾(しきい)値を微妙に下回ってしまったような惜しさを感じます。逆にいえば可能性を秘めている世界観、キャラ設定、プロットだと思うのですが…

 もし原作が原因ならネット小説の弱点、編集者が機能していないのだと思います。あるいはアニメ制作者なら12話くらいである程度の区切りを収めるためにがんばったのかもしれませんけど、演出や面白さ、エピソードの出来を省略するのはいただけません。

 アニメの画面については、異世界もの特有の作画・キャラデザの安っぽさもあります。ヒロインとサブヒロイン3人は悪くないんですけど、モブとか背景美術は本当に安っぽいです。

 まあ、ちょっとスパイスもある女子だけ日常アニメだと思えばいいかなあ。一気見だと批判的になるので1話ずつがいいかもしれません。


 

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

ちゃんと差別化できている印象の「俺つえー系」

視聴前の想像と違い、
しっかりと作りこみがされている印象を受けてびっくりした。

いろいろな細かな部分を手を抜かずに、きっちりと詰めてある感じ。
主人公の幼い時の出来事や、師匠となる錬金術師オフィーリアとの出会い、その他の細かな設定について「深い」とか「練ってある」とかいう意味では無いけれどもしっかりと説得力を持たせている感じ。

物語自体は、レビュータイトルに書いたように主人公が無双の能力を持つ「俺つえー系」の亜種である事は間違いないのだが、主人公が錬金術師だという点と商売≒お金儲けをきっちりとポイントポイントで描いている所が意外と他作品との差別化として効いている。

何しろ、仲間となるアイリスとケイトとの馴れ初めも「お金」絡みだし、その他の採集者や登場人物たちとの関係も「お金」を絡めて描かれることも多い。
また、会話のネタもきっちり「お金」が顔を出すことが多い。

もっとも、店舗経営と謳っている割にはマネジメント的にどうこうといったマジメなものではなく、店舗経営というタイトル故に、あくまでもエッセンスとして
「お金」を絡めているという印象かな。

とはいうものの、この点で、ちゃんと作品カラーが出ているのは誉めてもいいと思う。

あとは主人公のキャラ付けのせいなのかな、なんか全体的にあっさり風味な印象を受けた。
これは、悪く言えば、味気ない平坦なストーリーともいえるかもしれない。

作画については、キャラを含め全体的に中の上とか上の下とかいったレベルに達しているのではないかと思った。
少なくとも標準レベルよりは上というのは間違いないのではないかなぁ。
キャラクタもかっちり描かれているし、破綻や崩れもほとんどなかった印象だし、何なら、細かく描いてあると評価してもいいくらい。

声優さんも、いつものコメントになってしまうけれども、特に不満はなかった。

音楽も、ガッツリ印象に残ると言う訳ではないけれども、標準レベルなのではないかな。
世界観はきっちりと守っていた気がします。

キャラクタはきっちりと描かれていて、好感が持てましたね。
主人公をはじめ、キャラの魅力としては標準レベルを維持、少し越えていたかな、という印象。

サラサは学生時代の方が少し気になったかな、どんな学生生活、修行生活をおくっていたのか、そちらの方に少し興味がでました。
経営者デビューしてからは、錬金術無双感が・・・ね。

ロレアは、サブキャラサポートキャラとしてはしっかりと仕事をしている感じでした。実際に、料理等サポートをしていましたがね。
こちらも、超絶魅力的と言う訳ではないのですが、好感が持てるキャラでした。

アイリスは意外と三枚目キャラで面白かったですね、ケイトとセットで賑わすことの多いキャラでした。個人的にはおもしろキャラとして観ていましね。

ケイトもアイリスとセットで賑わしキャラでしょうか。
アイリスよりも少し落ち着きがあったように思いましたが、ま、セットですな。

オフィーリアはポイントポイントで登場するのですが、割と気になるキャラクタですねぇ。容姿もわりとお好みでした。
興味も含めて、気になるキャラクタでした。

キャラクタは全体的に俗に言うきらら系を少し大人っぽくしたような容姿でしたが、私の印象だけでしょうかねw。
特に調べる気もないので、印象だけで書き込んでいますが。

でも、4人んで同じ家に住みながらわちゃわちゃやっている感は割と楽しく観ていました。
ちゃんと、錬金術つえー系だけにならないように賑わしていたと思います。



全体的に見て、この手の作品としては、観てみてもいい作品なんじゃあないかなぁ、との評価です。

機会があれば、ご覧くださいませ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17

65.7 17 師匠で異世界なアニメランキング17位
ラディアン(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (104)
470人が棚に入れました
トニー・バレントさんのマンガが原作で、魔法使い見習いの少年が、世界を救うまでの活躍を描いた冒険ファンタジー。友情や努力、絆、出会いと別れなどを通して少年が成長する姿や強敵とのバトルが描かれる。

声優・キャラクター
花守ゆみり、悠木碧、大畑伸太郎、朴璐美、小市眞琴、遊佐浩二、子安武人、山口勝平、吉野裕行、東山奈央、三宅健太、寺島拓篤、早見沙織、佐倉綾音、緒方賢一、木村良平、稲田徹、速水奨

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

その手でつかみ取るのは未来!

この作品の原作は未読です。
オープニングの最初に「原作:トニー・ヴァレント」とテロップが出るので、どんな方かと思っていたら、フランスの漫画家さんみたいです。
作風に西洋産のイメージが感じられなかったので、てっきりメイドインジャパンかと思っていました。

アニメーション制作は、「機巧少女は傷つかない」「クズの本懐」「あそびあそばせ」などを手掛けたLercheさんで制作はNHK…
安心感が感じられる組み合わせだと思います。
そして極めつけは監督が岸誠二さんだということ…

岸誠二監督とLercheさんって、ここ5年間くらいに結構繋がりがあるんですよね。
「ダンガンロンパ」「ハマトラ」「暗殺教室」「乱歩奇譚」「あそびあそばせ」
これだけ一緒に作品を作り続けている間柄だから安心感が感じられるのかもしれません。

「災いをもたらす怪物、ネメシス…この危険な敵に立ち向かえるのは魔法使いだけ。しかし、魔法使いもまた人々に「穢れたモノ」と恐れられていた…」
この決まり文句で始まるこの作品の主人公は、セトという一人前の魔法使いを目指し女魔法使いアルマの下で見習い修行をしている少年です。

彼は行く先々で問題を起こすトラブルメーカーなので、周りから厄介者扱いされてきました。
そんな彼がある日、偶然空から降ってきたネメシスの卵を割って目覚めさせてしまったんです。
ネメシスを倒せるのは魔法使いだけ…
ですが、ネメシスの想像を絶する強さにセトは全く歯が立たなかったのです。

魔法使いと普通の人間は分かり合えないのは世の常…
ですが、全ての魔法使いを悪者にさせないため、伝説の地ラディアンに赴き、元凶であるネメシスの巣を掃討することを決意するのでした。

セトはこれまで、アルマに育てられてきました。
けれど、自分で行くと決めた道は自分で切り開かなきゃいけない…
だから、セトが冒険に旅立つという事は、もうアルマに甘えられないということ…
そしてそれはアルマも一緒です。
あちこちで問題ばかり起こすセト…
でもそれは必ずしもセトが悪いからだけじゃない…
魔法使いであることを理由に迫害を受けた結果でもあるんです。
だから、アルマはセトを育てると同時に守っていたんです。
突然やってくる親離れと子離れ…
身体と心の反応が異なるのは、お互いが大切でかけがえのない存在だったから…
こうして誰もが一度は通る道をセトとアルマが駆け抜けて、彼らの壮大な冒険物語が動いていきます。

物語はバタバタとした冒険活劇なのですが、常に見え隠れしているのが普通の人間による魔法使いへの迫害です。
確かに人間は異端分子に対して恐怖を感じます。
でも、少なくても命の恩人だったり仲間だったらその風当たりが無くなるのが常識だと思っていました。

でも時に、この物語ではそんな常識は一切通用しなくなるんです。
昨日まで仲が良かったのに…腫れ物に触ったからといって掌を返すかのような態度が平然と行われているんです。
魔法使いが迫害されるのは異端だから…と思っていましたが、もしかするともっと違う理由があるのかもしれませんね。

性格的に合う、合わないや好き嫌いがあるのは仕方の無いこと…
でも、ヒトとしての限度や節度を守るのも必要な事だと思うんですよね。
だから視聴していて痛みを全く感じない作品ではありません。

それでも視聴を続けるのが苦じゃない理由は、主人公のセト、ヒロインのメリが常に気丈だから…だと思います。
途方もないくらい…想像もできないくらいの迫害を受けて、普通の人間には恨みしか持ちえない魔法使いにだって、セトの真っ直ぐな声は届くんですから…
きっと迫害を受けていない魔法使いなんて、ただの一人もいないのでしょう。
けれど真っ直ぐなセトの声は魔法使いの凍った心を甘やかに溶かしていくんです…
その流れは受け止めるべき結末をも変えるほどの勢いになって押し寄せてくるんですけどね。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、04 Limited Sazabysさんの「Utopia」
エンディングテーマは、ポルカドットスティングレイ「ラディアン」
俄然格好良いのがオープニングです。
でも個人的に心に響いたのは、ハーメリーヌ(内山夕実さん)の挿入歌「君の未来」でした。

2クール全21話の物語でした。
起用された声優さんについて一人だけ…
主人公である少年セトを演じたのは花守ゆみりさん…
少年役を演じるのは初めてだったのではないでしょうか。
花守ゆみりさんといえば、真っ先に頭に浮かぶのが「ゆゆゆ:三ノ輪銀」「ゆるキャン△:各務原なでしこ」と現在2019年冬アニメで放送中の「エガオノダイカ:ユウキ・ソレイユ」ですが、セトを含め、全くイメージの異なるキャラばかり…
本当に演技の幅の広い声優さんだと思います。

物語はこれから新天地へ…というところで終わりますが、既に続編の放送が今年の秋アニメで放送されることが発表されています。
首を長くして秋を待つだけですね♪

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

kororin さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

TV東京系? いえいえ、『Eテレ』です。 一般には〇でしょうが、『ジャンプ』上級者には△?

「ファレノス」という別世界では、どこからともなくあらわれる「ネメシス」という怪物に、街や村々の人たちは脅かされていた。唯一対抗できるのは「魔法使い」のみ。しかし魔法使いも一般の人々からはネメシス同様、忌み嫌われていた。
半人前魔法使いの少年・セトはネメシスを生み出す伝説の場所(?)「ラディアン」を潰そうと旅立っていく・・・



最初「テレビ東京」系の番組を見てるかのような錯覚を起こす冒険ファンタジーアニメ。
フランスのトニー・ヴァレント氏が原作で、画風も「〇ェアリー・〇ール」のように日本で馴染みのあるのコマ割りの漫画で注目。
で、アニメ11話まで見てみたわけですが・・・う~ん、何だろ。「どこかで見た」ような?日本では「既に馴染みのある」ようなコノ感じ。


まず主人公『セト』
少年主人公の定番セオリーとして、
①勇気と正義感があり明るく元気
②思いたったら即実行する行動力
③夢と希望に燃え、信念を貫くド根性!
④心優しくお人よし
⑤若さ故、世間知らずで『バカ』
⑥若さ故、早く一人前になろうとして何かと背伸びをする『バカ』
⑦若さ故、実力も無いのに威勢をはる『バカ』
⑧若さ故、勇気と無謀を履き違え、責任や後先考えずに無鉄砲に行動する『バカ』
⑨若さ故、能天気な『バカ』
⑩若さ故、調子に乗って増長する『バカ』
などの要素を持っておりますが、⑤~⑩の成分がが強すぎて正直『苛っ!』とします。(笑)
回を重ねるごとに成長や利口になってきたり、目を見張るほどの特化能力があれば魅力的に思えるのですが、未だ半人前。
似たようなキャラを「ブ〇ック・ク〇ーバー」で見たような気が・・・
ア〇タ(CV:梶原岳人)「何だとーーーっ!!」(ええい、声が大きいワイ)
(あくまで個人の見解です)


防御魔法が得意な仲間の魔女(少女)『メリ』
極度の緊張に達すると人格が入れ替わるって「ド〇ゴン〇ール」のアノ人みたいだ。
ラ〇チ(CV:小山茉美)「ええ~、そうですか~・・・ハッ、ハクション!・・・(凶悪ver.)ンだとごらぁ!もっぺん言ってみろヤッ!」
(あくまで個人の見解です)

メリの小さな友達『ミスター・ボブリー』
小さくて翼で飛び回り、人語を離せないところといい「Dr.〇ランプ」で恐竜時代の卵から産まれたアレみたいだ。
則〇ガッちゃん(CV:中野聖子)「クピポー!」
(あくまで個人の見解です)


ネメシス研究者『ドク』
片思いにモジモジしたりズッコケたり、トラブルに巻き込まれてギャグ落ちしたりと何かと冴えないオジサン。
「Dr.〇ランプ」で最強の幼女型アンドロイドを発明したアノ人みたいだ。
則〇千兵衛(CV:内海賢二)「ん?」
(あくまで個人の見解です)


セトの育ての親にしてベテラン・ネメシスハンターの魔法使いの『アルマ』。
片腕キャラというところが「ワン〇ース」の左目に三本のカキ傷のある赤髪のアノ人みたいで、
シャ〇クス(CV:池田秀一)「(ギロッ)失せろ!」
暴力ババアと恩師というところが「ワン〇ース」の口が悪いナイスバディの老女医師みたいだ。
ドク〇リーヌ[Dr.ク〇ハ](CV:野沢雅子)「ヒッヒッヒッ、病気(ハッピー)かい?」
(あくまで個人の見解です)


異端審問官隊長の『ドラグノフ』
戦闘力もあり、部下全員に絶品の「まかない料理」を作るところが「ワン〇ース」の美人にやたら弱いヘビースモカーの料理人みたいだ。
黒脚のサ〇ジ(CV:平田広明)「あん?」
(あくまで個人の見解です)


空中都市アルテミス学院創設者『マスター・ロード・マジェスティ』
小動物キャラの管理者(マスター?)って「ド〇ゴン〇ール」のカ〇ン様みたいだ。
(あくまで個人の見解ですってば)


そんな感じで『ジャンプ』作品に疎ければ問題ないでしょうし、『ジャンプ上級者』にしてみれば特に気にはならないか、チョット???な気分になりそうに思えます。(笑)
全21話(でも2期以降つづくだろうなぁ)10話まで見て、「あの」岸誠二監督と聞いて期待してたのですが、EテレはNHK総合と違い審査が厳しいせいかチョット非凡すぎるような出来に思えました。
ドロップアウトしようかとも考えましたが、11話で謎の魔法使い「グリム」の登場で盛り上がるかもしれないのでもう少し付き合ってみようかな。
「ブ〇ック・ク〇ーバー」よりマトモそうだし。(笑)
〇スタ(CV:梶原岳人)「何だとーーーーーっ!!」

2019.02.23
途中退場したかったのですが、後半ランブルタウン編を見てて抜けにくくなり最後まで視聴。
う~~ん。ストーリー・キャラは悪くはないと思いますが「何か」が抜けてて、「変に」間延びし過ぎてるせいか全体的に「キリッ」としたトコロが無く、美術設定も所々中途半端な感じがして・・・予想どおり2期に続きますが、もう見ないだろうなぁ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

起承転結の「承」に工夫が欲しい

2018年10月~2019年3月放送のTVアニメ。第1期全21話。
第2期が2019年10月より放送開始と発表されているので、今回物語評価は3のままにしてあります。

トニー・ヴァレントによるフランスの漫画が原作で、2019年3月現在、邦訳版が9巻まで刊行。私は未読です。

海外の漫画原作というのが気になったので視聴しました。
原作も日本の漫画を意識した作りだそうですし、アニメも違和感なく見られます。ただ序盤は独自性が見出せず、少し飽きてしまった時も。
作画は安定していましたが、もう少しコンテ・演出に工夫が欲しい。
エンドカードがいつも凝っていて楽しかったです。


【良かった点】
ストーリーは王道で直球勝負なのが小気味良く、反面、移民や魔法使いへの偏見と迫害が重くシビアな見所を作っています。この点は海外の作家の感性かな?
さらにアルテミス学院という明るい街が、重い世界観の中で清涼剤的な役割を果たしていて良かったです。
{netabare}
キャラクターの好感度がとても高かった。
意外と暗い世界観に対して、主人公のセトは物怖じせずいつも明るいので、辛い描写があっても見ていて引きずらないで済みました。
セト視点では描けない異端審問官側から世界観を見せてくれるドグラノフが対比的で、それも良かったです。
また女性キャラにそれぞれ個性と魅力があり、特にアルマが最序盤では物語を牽引し、テーマを明確に見せてくれました。
セトに対して母親たるアルマ、良き友人たるメリ、迫害された経験を共有しその死がセトの心の傷となるハーメリーヌ。この3人は立役者だと思いますし、配役も演技もとても良かったです。{/netabare}


【気になった点】
{netabare}原作に対してアニメの尺が長すぎるとわかってしまうのはいかがなものか…
展開が丁寧なのは悪いことではないですが、1クール目では話があまり進まない上、世界観を掘り下げるような展開には主人公が絡まず、正直掴み所が無い。アニメ独自の部分がちょっと煮詰め切れていない印象がありました。
「偏見」「迫害」というテーマを肉付けする回をいくつか入れるなどして、コミカル回とのメリハリを付けるのも一つの方法だったかな、と思います。{/netabare}

起承転結の「承」に何を描くかで作品の厚みが増していくものだと個人的には思っているので、展開をもう少し早めにして、尺が余るなら内容を詰めていく工夫が欲しいかも。
今のところ、第2期も可能なら見てみようかと思っています。(2019.3.11)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

62.4 18 師匠で異世界なアニメランキング18位
暴食のベルセルク(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (104)
339人が棚に入れました
スキルの優劣が絶対の世界で、無能と蔑まれる少年――フェイトは最底辺の生活を強いられていた。 フェイトの持つスキル《暴食》が、腹が減るだけで全く役に立たない能力だったからだ。 この世界で最上位に位置する聖騎士の一族、ブレリック家に目を付けられ、何かと暴力を受け、雑用を押しつけられる毎日。 唯一の救いは、同じ聖騎士にもかかわらずフェイトを見下さずに接してくれる存在、ロキシー・ハートだけであった。 しかし彼女と共に、城に進入した賊を偶然にも仕留めたことで世界は一変する。 敵の命を奪った瞬間、暴食スキルが発動し、相手の力が自身に流れ込んできたのだ。 そう、フェイトの持つスキル《暴食》は、殺した相手から、スキル・能力を奪い取るという、とんでもない代物であった。 戦う力を得たフェイトは、同じく大罪の名を冠するスキルを持った意思のある剣、《強欲》のグリードと出会い、さらに闘争の世界に足を踏み入れていく。 大切な人を守るため、理不尽な世の中に抗うため、立ちはだかる敵を喰らい尽くすフェイト。 こうして地べたを這いつくばるだけだった少年の運命は、急速に動き始めるのだった――。

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

なろう…ではなくカクヨムか。テンプレ通りですがキャラの心情に共感はできたので印象は良い

スキルが全てな世界で不遇なスキルを与えられて、そのスキルの真の力に目覚めてその状況から逆転、という話はなろう系のテンプレの一つで、もう親の顔よりよく見たと言いたくなるほどありふれた展開ではあります。

ただその中ではクオリティはそんなに悪くないかなと思えました。
作画はややいまいちだったりするのですが、世界観がある程度は存在していそうで。

ヒロインの性格の良さを読心というスキルで見せるなどは良さそうに思いました。
主人公の行動の指針にもなっているしちゃんと有効活用していますね。
主人公もステータスが足りないから魔物と戦ったことも無かった、など行動の理由も納得できたりと、印象はあまり悪くありませんでした。

ただ主人公の暴食、まだはっきりとわからないのですが倒した敵のステータスとスキルを奪えるって仕組みですかね。
まああまりに強力過ぎる、というのは言うまでもないのでしょうかね。
せめて奪えば奪うほど精神に悪影響とかのデメリットがあって欲しいですが。
それでベルセルク化していく、というのならちょっと面白そうです。

で、一番なんだこりゃ、と思ったのは最初の盗賊だかを倒した時に手に入れた鑑定と読心。
この盗賊、そんな便利なスキルを2つも持っていたんですよね?
…え、なんで盗賊なんかやってんの? 悪の道に走るにしても詐欺師の方が遥かに儲けられると思います。
普通に考えたら表の道で商人をやるのが一番成功できると思います。
悪徳商人を殺害する展開にできませんでしたかね?
流石に主人公にスキルを与えるためだけに生まれてきた存在というのは萎えます。
もうちょっと上手くやって欲しい…。

という欠点はあるものの、キャラの心情に共感できたので及第点。
もっと酷いのがいくらでもあるので…。
ちょっと見たいと思いました。まあ強烈に気に入ったというわけではないので、本数次第で諦めますが。

2話感想
キャラの心情がちゃんと描写されていて共感しやすい点、
成長したステータスを剣に食わせることでステータスはリセットされるものの剣が成長する点、などで一応バランスが取れている。
といった部分からやっぱり思ったより悪くなく、このまま見続けようかと思いました。
世のなろう系は全くゲームバランスを無視して、世界を滅ぼす能力で子供の砂山を踏み潰すだけみたいな爽快感も何もない糞つまらん話が多すぎて、これだけで好印象というのもおかしいですけれどね。

まあステータスがリセットされている癖に雑魚を一発で倒せるのはおかしいんじゃないかとか、ちょこちょこ重箱レベルの欠点はあるんですけれどね。

3話感想
毎話感想なんて普通書かないんですが… いやヒロインは可愛らしくデート回、楽しかったです。
でも主人公の正体を隠せる認識阻害の仮面が、露天で普通に売ってるの!?
こんなの絶対犯罪にしか使えないじゃない…。もうちょっと厳重に管理しようよ…。

というわけで、いや基本気に入ってるんですよ。今後も試聴継続です。
でも毎話毎話ツッコミポイントがあるのは、なんでですかね?
それ一つで台無しというほど酷いわけでは無いのですが…。
この調子で毎話ツッコミポイントが入ったら毎話感想を書いてしまうかもしれない。

全話感想
作画はまあ微妙で、ツッコミどころはクオリティの低さかもしれませんが、でも全体的には良かったです。主人公の心情はちゃんと共感できたので。
自己犠牲的に戦う主人公に、メインヒロインと思い合っている所など良かったですね。
普通のなろう系なのですが必要な要素をちゃんと満たしていて、主人公を気に入ることができたので良かったです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

どこかで観たことある物語だなぁ…。でも、グリードが良い仕事をしているので多少マシか…。結局、印象の薄いお話でした…。

 最終話(12話)まで観ました。2023.12.23

 印象の薄さを最後まで払拭出来ませんでした。結局、主人公の目的がフワッとしており、芯の無い感じの物語でした。

 街の外にキメラやら冠魔物やらの強いのがウロウロしており、大罪スキル持ちの不死身の戦士も暗躍しています。

 できの悪いファンタジーもので良くある、魔物の強さが人類の生存レベル超えている奴です。

 最初の敵だった聖騎士がそもそも大したことありません。お前等じゃ人類護れんだろ?ヒロインのロキシーも、強いのか弱いのか中途半端です。

 主人公の暴食スキルも都合が良すぎる上に、グリードにスキル何%持ってけ!とか言う割にはリスクも不明です。そのため、戦闘に迫力が決定的に欠如しています。

 何か褒めるところが無いっすネ!
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 10話まで観ました。2023.12.09

 ロキシー達一行は、何回も何者かが操るモンスターに襲われ、その度に主人公が助けます。何?この展開…。

 ワンパターンです。ロキシーも、強い敵が何回も出現して、全滅しそうになる前に引き返せよ…。なんで前に進むの?自殺願望でもあるのかな?

 主人公の見せ場を作るのと、ロキシーとイチャイチャするためだけの展開です。原作通りだとしても、工夫がなさ過ぎです。
 
 はっきり言って、退屈です。戦闘も別に迫力があるわけでは無いし、なんかなぁという感じです。

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 7話まで観ました。2023.11.16

 主人公、ロキシー様を追って旅を続けます。いきなり都合の良いキャラが出てきたりしますが、不思議と許せる気がします。

 私は、物語を観る際に、狂言回しに注目するのですが、本作品では主人公の相棒の喋る剣、グリードが中々に良い仕事をしています。

 物語がカオスになりすぎない様に、状況を説明したり、主人公達を導いたりするキャラがいると、物語は理解しやすくなります。

 ご都合主義展開も、一応の筋が通った説明があれば、視聴者が受け入れてくれる可能性が高くなります。

 地の文で全て説明出来る小説や漫画より、動きのメディアであるアニメにおいては、狂言回し的なキャラがより重要になります。

 前期に放映していた、小説では人気作の7つの魔剣が支配するも、凝った設定とは裏腹に、性能の良い狂言回しキャラが不在なので、いきなり仲間が、実は私ハーフエルフなの〜!、俺フタナリなんだ!とかカミングアウトしたりするものの、誰も拾って解説しないので、だから何?と流されてしまい、意味不明な設定になってしまいます。

 本作品は、狂言回しキャラのグリードのおかげで多少は観られるかなと思って視聴継続しております。

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 5話まで観ました。2023.11.06

 ここまで観ても、盛り上がりに欠けるというか…。冴えない主人公が特殊なスキルをゲットして無双…。

 しかも主人公、残虐さだけは一人前で、悪い奴とはいえ、四肢を切断して嬲り殺しにしたりするのはやり過ぎな感じがします。

 なろうの苛虐性と言うやつですか…。主人公、ロキシー様を追ってガリアへ。

 今までも凄い武器をたまたまゲットしたり、暴食スキルの性能が良すぎたり、主人公に都合の良い展開が続いているので、この調子で行くのかなぁ。あんまり面白くないですね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

その出会いが運命を変える それは、神の理を越えた禁断の力 その欲望を その運命を喰らい尽くせ

この作品の原作は未読ですが、キャラデザが好みだったので視聴を決めた作品です。
もちろん、事前情報は一切無し。
序盤…特に第1話は胸糞悪い展開が待っていましたね。


スキルの優劣が絶対の世界で、
城の門番であるフェイトは《暴食》という
腹が減るだけのスキルを持ったせいで
最底辺の生活をしいられていた。

しかしある日、城に侵入した賊を仕留めたことにより
世界が一変する──

無能と蔑まれた少年の下克上が今始まる──


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

そう、本来なら平民を守る存在である聖騎士が平民を虐げているんです。
別に何か悪い事をしたわけでもなく、ただ仕事をしていただけで暴力の対象になってしまう…
どうやら殆どの聖騎士はそんな感じみたいですが、全ての聖騎士が横暴な訳ではありません。

この作品のヒロインと位置付けても良いロキシー・ハートは聖騎士の中でも
平民から慕われる存在だったんです。
そしてフェイトは世界が一変した後、遥かなる下克上の先にロキシー・ハートに尽くすことを心に決めて…物語が動いていきます。

孤高の戦士…
服装は黒装束と相場が決まっているんですかね^^;
まぁ、似合っているから良いと思いますけれど…

一方、ロキシー・ハートは、白を基調とした聖騎士の佇まいが美しく気品が溢れている感じも良いと思います。
聖騎士は基本的にみんな同じような恰好をしているのですが、ロキシー以外には聖騎士の装束がとても似合っているとは思えませんでした。
やっぱり狙ってそうしているんですよね…

公式サイトのTrailerでも見ることができるのでネタバレでは無いと思うのですが、フェイトの暴食は「大罪スキル」というモノだったんです。

そして物語の中には、フェイトと同じく「大罪スキル持ち」が登場します。
フェイトの大罪持ちスキルの先輩になるので、その様な立ち回りを見ることができますが、未だ全容は分かりません。
今回登場したのも、憤怒のマインと色欲のエリスだけでしたから…

フェイトとロキシーとの関係もさることながら、大罪スキル持ち同士の物語の展開も今後期待できると思います。
寧ろ、これからはマインとエリスとの接点の方が増えるかもしれませんね。
と言うのも、今回の主題歌はマイン役の松岡美里とエリス役の関根瞳によるボーカルユニット「EverdreaM」が担当することになっており、ここにロキシーは入っていないんです。
考え過ぎかな~^^;
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、「Jekyll & Hyde」
エンディングテーマは、「青の原石」

1クール全12話の物語でした。
原作の3巻までがアニメ化されたそうです。
続きも気になるけれど、結構キリの良いところまで描かれていましたからね。
続編難しいかなぁ…
でも本編はしっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

66.8 19 師匠で異世界なアニメランキング19位
ラディアン 第2シリーズ(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (51)
256人が棚に入れました
カッコいい大魔法使いになることを目指す少年・セト。空からやってくる怪物・ネメシスを倒すため、毎日魔法の特訓に励むが、うまくいかずトラブル続き。村人たちに迷惑をかけ、育ての親・アルマからも叱られてしまう。そんなとき、超巨大ネメシスが村を襲う! 世界を救うためネメシスの根絶を決意したセトは、ネメシスの巣があるという伝説の地“ラディアン”を探す旅に出る。新たな仲間との出会いや、強敵との戦い、待ち受ける困難に立ち向かうセトの冒険が今、始まる!

声優・キャラクター
花守ゆみり、悠木碧、大畑伸太郎、渕上舞、遊佐浩二、子安武人、朴璐美、小市眞琴、ゆかな、石谷春貴、熊谷健太郎、白熊寛嗣、青山穣、木下浩之、千葉繁、根谷美智子、利根健太朗、小原好美、山崎たくみ、吉野裕行、東山奈央、稲田徹、三宅健太、緒方賢一、佐倉綾音、早見沙織、黒沢ともよ、木村良平、小野賢章、井上喜久子、島田敏、速水奨
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

面白かったけどまだまだ先は長そう

2019年秋アニメ。第2シリーズです。全21話(第1シーズンと合わせて42話)。

【あらすじ】
魔法使いとして幼少時に差別された経験を持つセトは、人間と魔法使いが一緒に暮らせる世界を作りたいと願い、「ラディアン」と呼ばれるネメシスの巣を探す旅に。1期ラストではランブル・タウンでの騒動は収まったものの、正体不明の自分の力が暴走したことを憂いて、セトは友人メリを残してアルテミス学園を去ります。
2期1話にて、魔法騎士の本拠地「カスラーン・マーリン」に「スペクトル・ネメシス」と呼ばれる今までと違うネメシスが現れました。


【第1話感想】
{netabare}
まず新しいOPEDがかなり好みでした。4クールアニメの後期OP・EDっぽくて良い。
あまりJPOPは聞かないのでHaloat四畳半さんは初見(?)だけど「ナラク」良い曲だと思ったし、映像もとても良かったです。
EDはNakamuraEmiさんの「ちっとも知らなかった」。うっわ嬉しい…!ちょっと切ないメロディ、しかも歌詞少な目なのが余計にしんみりさせる。どんなタイプの曲も作っちゃうなあ…。映像も凝っていて、爽やかだけど少し寂しげでとても合ってる。

これまでのお話!みたいなパートを入れることもなく、普通に22話目のように始まりましたね…。
半年も期間が開いているので少し不親切では?と思ったらyoutubeで「1分でまるわかり」というのを公式がやってた。そっちを見てね!ということかあ…。総集編とかもなんのかんのと楽しむ自分はちょっと寂しいです。

セトが沈んだ様子なのがなんか悲しいというか、元気出してよぉ!って思ってしまう…。
アルマは相変わらず偉大な師匠で母。セトには試練が多くて独り立ちはまだ先でしょうか。
ドグラノフ隊長今度はどんな貧乏クジ引…もといどんな奮闘ぶりを見せてくれるのか、楽しみにしてるw

それにしても、何だか無性に明るいメリが見たい…。
私がこの作品に求めてるのは癒しなのかも知れない。

1期の時には不安要素も少しあったし、続きを凄く楽しみにしてたつもりは無かったんですよ。でも雰囲気やキャラクターはもうわかっているので、2期には不安要素はほぼ無く、それが気持ち的にとてもありがたい。もう少し展開がハイテンポでも良い気はしますが。
なので物語がきちんと進めばのんびり楽しめるかなと思ってます。{/netabare}
(2019.10.3)


【視聴終了感想】
相変わらずエンドカードが凝っていて楽しかったです。
OP、EDがたまに変わったり、凝った挿入歌もあったり。
それぞれのキャラクターも深まりましたし、守るべき人や国が描かれたのがとても良かったと思います。

1期に比べてストーリーの連続性が高くなり、4クールアニメの後半という感じで良かったけど、やっぱり展開はゆっくりめ。まだ色んな謎が残っていますね(というか、謎が増えたw)。
私は謎が明かされることよりドラマ性がきちんとしていれば良い人間なので十分楽しみましたが、これは3期以降がないと勿体ないなあ。多分原作のストックも溜まっていないでしょうし、3期があるとしたら大分先になるかも。
{netabare}

今作は人間ドラマに見所が多く、セトとメリの関係は特に良かったです。
メリ、オコホ、アルマ、ジル、クイーン・ブーディカと、やっぱり女性が強い作品。
クイーンを怪しませるミスリード演出として、オコホに同じ女性としての忠告シーンを入れているのも良い。クイーンからすればオコホを評価しているからこそだけど、視聴者からすると怪しく見えるようになっていましたね。

呪いや差別が人間の意識の問題という描写になっているのがとても良いと思います。
呪いを宿す住人が多いカスラーン・マーリンの中でも結局差別があるのは変わらないんですよね。外見的に目立つ呪いを持っていると魔法騎士になれないというのが、すごく差別的。男社会でオコホがなかなか認められないのもそう。

ラディアンの発見は原因を特定したり理解を深めることにはなると思うけど、ネメシスが悪ではない可能性を1期で提示した以上、ラディアンもネメシスも諸悪の根源みたいなものでは多分ない。
今後のラディアンの扱いによっても、差別や拒絶を超えての共存が描かれたら良いですね。

17話でセトはドラグノフに「それはお前自身が考えて本当に正しいと思ったことなんだな」と問いかけています。以前アルマに「自分の頭で考えて正しいと思ったことをしな」と言われたから、セトは愚直に考え続けてきました。それに加えて、人間の社会だけではなく妖精たちの世界も知ったことがセトの視野を広くした。
1期では世界を俯瞰して見ていたドグラノフが、冒険を通して視野を広げてきたセトに、自身の視野の狭窄を指摘されるのは良かったです。

毎週楽しかったんですけど、個人的には現在のオコホ・モルドレッド・サグラモールのエピソードが序盤に一つ欲しかったかな。それがあれば後半の3人のドラマもさらに良くなったと思うので。
でも子ども時代の3人は描かれていて、可愛くて好きでした。

1期で「ネメシスは必ずしも凶暴なものばかりじゃない」という問題があったけれど、それは次回作以降かな。セトの暴走の制御・解決の物語が先ということでしょうね。
今期の内容は物語の起承転結の「承」の部分だった感じです。
{/netabare}


【気になることメモ】
先が長そうなので、思い出しやすいようにちょっとだけメモ。
{netabare}
グリムは世界から距離を置いている、という発言。グリムの正体。
「アヌマテック」と呼ばれるもの、書庫の大魔法使いの記憶の石のコレクション。その中の「マゴジア」という女魔法使いの記憶の石がグリムの手に渡る。「記憶の石」は持ち主の魔法使いの経験を記録する。
ピオドン、ディアバルはじめセトの兄弟たちのこと。セトの暴走は侵入してくる闇のせいで、感染者の呪いではなく人為的なもの。魔法使いを産める魔法使いである可能性。ディアバルはセトの迎えが間に合わず姿を消してしまった。ピオドンは結局ディアバルをどうしたのか?兄弟たちに侵入してくる闇は何か?
{/netabare}
(2020.3.5)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

その手が導くのは破壊か、創造か

言わずもがなですが、本作はラディアンの続演に相当します、
物語の内容に繋がりがあるので、前作未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

岸誠二さんが監督で、主人公のセトを演じるのがゆみりんという、私にとって凡そ最強と思われる組み合わせであるこの作品…2期の放送をとても楽しみにしていました。


魔法使い少年・セトは、
怪物ネメシスを倒すため冒険の旅に出た…。

道中、魔法使い少女・メリや情報屋・ドクと仲間になり、
魔法使いの天敵・異端審問所と衝突!
激戦の末、辛くも勝利を収める。

伝説とされるネメシスの巣"ラディアン"の手がかりを握る
魔法使い騎士団の本拠地へと到着したセトだったが、
ラディアンを探していたのは昔のことだと言われてしまう。

魔法騎士志願者の少女・オコホとの出会いや、メリ・ドクとの別れ、
セトを追う異端審問官、新たな敵・商人男爵との激突など、
セトの冒険はますます盛り上がっていく!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

どうして異端審問官はセトら角の生えた少年を執拗なまでに追い回すのか…
そして魔法使いを目の敵にするのか…
恐らく物語の核心の一つに相当すると思うのですが、実はこれが未だ良く分からないのですが、異端審問官が「奇跡の人」を投入して本気で魔法使いに戦いを挑んだらどうなるか…
その顛末が痛いほど伝わってくる展開であったことだけは間違いありません。

魔法使い…今回の場合は魔法騎士団になるのですが、彼らだって指を咥えて黙って見ていた訳でも一方的にやられた訳でもありません。
シファンディールを治める、麗しき巨大な女王であるクイーン・ブーディカを先頭に、空気中のファンタジアを操り勇猛果敢な突進を何度も何度も繰り返したんです。

ですが、異端審問官のやり方は魔法使い側からの視点で見ると周到で狡猾…
まるで、魔法使いの心と身体を同時にへし折る方法を熟知しているかのような場面が待っていましたから…

この様な大惨事が起こる前、とある事情で満身創痍だったセトは自らを森の妖精だと明かしたミルに「カイルトの森」という場所で一命を救って貰っていたんです。
そこにはミルの伴侶であるジルが暮らしていて、まるで家族にように接してくれたんです。
それだけじゃありません。
ミルは魔法を生み出す源であるファンタジア使い方…特に制御の仕方をセトに指南してくれたのです。
ミルとジルが育んできた森です。
セトにとって空気が優しくてとても居心地が良い場所だったに違いありません。

異端審問官の仕打ちが目の前で武器を取る騎士団に対するモノだったら…
降りかかる火の粉は払わなければならないのは理解できます。
ですが、彼らが引き起こしたのは目を覆う様な惨状だったんです。
怒りと悲しみに我を忘れたって全然おかしくありませんでした。
もちろん、私も涙で前が見えなくなりましたよ。

ラストの展開に少し希望の光が見えたのが唯一の救いでした。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、Halo at 四畳半さんの「ナラク」
エンディングテーマは、NakamuraEmiさんの「ちっとも知らなかった」

2クール全21話の物語でした。
物語は何度も急転直下しましたが、制作がNHKなので作品は安心・安定していたと思います。
原作は既刊12巻まで刊行されてるようですが、2期までで原作の10巻までが使われたようです。
せいさくがNHKなので続編はきっとあると思いますが、ストックが貯まるまで少し時間が掛かりそうですね。
ですが、しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

hidehide さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

長旅、そして声優さんに…

2期続けてみました。
…長くなるなぁ…コレ…長旅だ…

けれど、
3期(あるなら…)さらなる成長、展開が楽しみですね。
今、無ければ…無いのかもしれませんが…
NHKも、
金ばかり請求せず、
きちんとヤリ切って頂きたい!

個人的に、ゆるキャン好きなのですが。

花守さんは、本当、幅の広い声の声優さんだと
実感しますね。
例を挙げるなら、今作 悠木さん早見さん、
メジャーで花澤さん、水瀬さん、本渡さん、天宮さん、
ベテランどころだと朴さん沢城さんは
声のトーンは違えど、各キャラ、判り易いのですが、
今作『セト』とゆるキャン『なでしこ』は
聞き慣れるまでは別人だと思ってました。
やはり、
起用率の高い人気声優さんは、流石ですね。

3期もあったらイイな、に★4
NHKの怠慢に-0.5 ですね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0
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