戦いで異世界なおすすめアニメランキング 92

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの戦いで異世界な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月10日の時点で一番の戦いで異世界なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

86.6 1 戦いで異世界なアニメランキング1位
葬送のフリーレン(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (471)
1552人が棚に入れました
勇者ヒンメルたちと共に、10年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。 千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。 その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。 その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

(最終)ひとつのアイデア →もう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華

【レビューNo.114】((最終レビュー)初回登録:2024/3/23)
コミック原作で2023年作品。全28話。
元々娘がコミックを買っていたので原作既読です。コミックは「マンガ大賞
2021」を受賞するなど前評判も高く、後はいつアニメ化されるかって話でした
がついにきましたね。

(ストーリー)
勇者ヒンメル、僧侶ハイター、戦士アイゼン、魔法使いフリーレンら勇者パー
ティー4人は、10年間もの旅路の果てに魔王を倒して王都に凱旋する。
ヒンメルら人間にとっては10年は感慨深いものがあったが、1000年は軽く生き
る長命種のエルフであるフリーレンにとっては、ほんのひとときであった。
あれから50年、流星群を観るために4人は再会を果たすが、見た目は全く変わら
ないフリーレンに対し、ヒンメルら人間は随分と年を取っていた。
(ドワーフのアイゼンはそれほどでもなかったが)
そして間もなくヒンメルが天寿を全うする。
彼の葬儀でフリーレンは自分がヒンメルについて何も知らず、知ろうともしな
かったことに気付いて涙する。その悲しみに困惑したフリーレンは、人間を知
るためと魔法収集のために旅に出る。
それから更に20年後、フリーレンは老い先短いハイターを訪ねる。ハイターは
戦災孤児のフェルンを引き取って育てていた。ハイターはフェルンのことを弟
子にするようフリーレンに依頼するのだが・・・
これは人間を知るために、人間と交わり旅をする彼女と新たな仲間達の物語。

(評 価)
・第1-4話:フリーレンの世界観がしっかり再現された製作陣の仕事ぶりに◎
 {netabare}・マッドハウスの本気度を感じさせる精力的な動き
  ・金曜ロードショーで2時間(4話分)を一挙放送
   昔から第1話1時間拡大ってのはありましたが、「推しの子」の90分を凌
   ぐ2時間拡大スペシャルで勝負にきました。しかもまだ他作品が出そろっ
   ていない9月中にぶっ込んでくるなど、かなり精力的な動きが見られます。
  ・連続2クールまで明言
   コロナ以降分割2クールの作品が格段に増えましたが、一気に連続2クー
   ルで放送することも明言!
   初回の作画もかなり力が入っていましたが、これを最後まで維持できる
   力があるのか、視聴者としては嬉しい限りですが、逆にちょっと心配な
   部分もあります。
   とはいえ、賽は投げられました。後はマッドハウス頑張れと。
  ・OPに「YOASOBI」
   OPは「勇者/YOASOBI」と、いやーこの辺も抜かりないですなw

 ・フリーレンの世界観がしっかり再現された製作陣の仕事ぶりに◎
  正直本作は「面白可笑しくテンポよく」という作品ではないので、その辺
  りどうなのかと心配でしたが、本当に原作のもつ「緩やかな空気」や「間」
  といったものをしっかり意識して作っているなという、作品の理解度の高
  さに驚きました。4話分の放送で(コミック1巻+2巻1話の)全8話分を完
  全再現したんじゃないですかね。
  それゆえに初見の方には「テンポが悪い」と映る方もおられそう。
  でもそういう作品じゃないんだよなあ。

 ・何気ないセリフや会話が心に響く
  勇者パーティーにいた頃のフリーレンは(どうせ彼女にとってはひととき
  の出来事に過ぎないとして)他人には無関心でしたが、今振り返るとあの
  時の何気ない言葉たちにいろいろな思いが込められていたことに気付かさ
  れます。
  {netabare}また2話の「ヒンメル像のために蒼月草を見つける」エピソードでは、
  フリーレン「もう少し探したら切り上げるよ。」
  フェルン「もう少しって何年ですか?」
  という2人の時間に対する感覚の違いも巧み表現されるなど、こういう細か
  いセリフ回しとかも実にいい。
  (この花を見つけるエピソード自体も素晴らしい){/netabare}
  そしてアイゼンとの会話
  {netabare}「お前は人の時間を気にするような奴じゃなかった。」
  という下りも、人と交わり他人を気遣うようになったフリーレンを上手く
  表現しており、こういうところも巧みだなっと。{/netabare}

 ・戦闘シーンも丁度よかった
  {netabare}異世界の魔法使いの話ながらも戦闘が話のメインじゃないんですよね。そう
  いう意味でも3話の初めての魔族との戦闘シーンも派手過ぎず、地味過ぎず
  作品の世界観にマッチした、程よいバランスで描かれていたと思います。
  {netabare}(ここでもこの魔族が封印されていた間に80年が経過、その間にこの魔族の
   強力な攻撃魔法を研究し、新たな防御魔法を開発(魔族の「たった80年か」
   に対し、人間の営みを舐めるな!的な)人間と魔族の時間感覚の違いを上
   手く表現している。){/netabare}{/netabare}

 初回2時間スペシャルでしたがそれほど長さも感じさせず、それでいて原作の
 もつ空気感も壊すことなく、上々の滑り出しだったと思います。作画もよかっ
 たですし。懸案事項とすれば、
 ・上述の通り、連続2クールなので作画がこのレベルを維持できるのか。
  (それに落とさず放送できるのか)
 ・(気が早いですが)原作未完なので、どうしてもラストが・・・
  それに2クールなので、原作の大半を消費しそうで、2期があっても数年後に
  になりそう。
 という感じでしょうか。
 まずは制作陣の素晴らしい仕事ぶりに拍手喝采というところですね。{/netabare}

・第5-8話:他の異世界モノと一線を画す練られた世界観 →アニメはアニメで面白い
 {netabare}>フリーレンの世界観がしっかり再現された製作陣の仕事ぶりに◎
 5話では逆に
 「忠実さを意識しすぎて窮屈になっていないか?!」
 という不安もあったのですが、以降はエンジンがかかってきて
 「アニメとしての面白さがきちんと表現されている」
 という印象ですね。

 ・会話劇がちゃんと面白い
  「人間を知る」というのがフリーレンのテーマになっていて、そうなると
  必然的に会話劇がキモとなるわけですが、
  ・原作のセリフの秀逸さを活かしつつ
  ・種﨑敦美さんの名演
  ・それを支える他のキャラとのキャッチボールの上手さ(共演者も◎)
  ・その他アニメ的な細やかな演出
  等でちゃんとアニメとしての面白さが確立してるなと。

 ・他の異世界モノと一線を画す練られた世界観 →時間経過の描写が秀逸
  8話がかなりよかったと思うのですが、
  ・フリーレン VS ドラート
   「今の魔族はダメだね。実戦経験が少なすぎる」
   ・フリーレンの経験の豊富さは普通の作品でも思いつくところで
   ・上述のセリフも、普通なら「まだまだ青いな」位のセリフで済ませそう
    なところですが、これまでの作品の流れからフリーレンというキャラが
    しっかり確立してるから、いかにもフリーレンらしい言い回しがピタリ
    とハマり
   ・同時にこのセリフが、魔族側にも大きな時間が流れ、しかも人間界と同
    じような問題を抱えているという世界観を的確に表現してるという。
  ・リュグナー VS フェルン・シュタルク
   ・「我々魔族は永い寿命の中で一つの魔法の研究に捧げる」
    普通の作品なら魔族は「生まれながらのチート」で済ますところを、魔
    族側も日々研鑽してるという世界観を提示し
    (その集大成ひとつがクヴァールの魔法「ゾルトラーク」だと)
   ・しかし3話で既にその「ゾルトラーク」は一般魔法レベルに陳腐化してお
    り(人間は防御魔法を開発)、フリーレンはそれを対魔族用の「ゾルト
    ラーク」に改良、今回は更に弟子のフェルンに伝授できるレベルにまで
    解析が進んでいるという時間経過を表現。
    その様をアニメならではの戦闘描写でしっかり面白く魅せるという。
   
  このような感じで、魔族という種族も案外人間臭いんだなという独自の世界
  観を提示しながら、フリーレンの長寿命を単なるヒンメルたちとの死別だけ
  で終わらせるのはなく、魔族の未熟さや魔法の進化といった人間界・魔族界
  それぞれの時間経過という作品全体できちんと昇華されている描写が秀逸。

 そしてリュグナーは思い出す。
 → 歴史上もっとも魔族を葬り去った魔法使い――「葬送のフリーレン」       
 タイトルにはもうひとつの意味が込めらていたと!!
 それをアニメとして最高の演出で印象付けるという・・・
 製作陣の原作の理解度の高さおよびそれをアニメとしていかに面白く魅せるかと
 いう次元までしっかり落とし込まれているなっと。
 「鬼滅」や「呪術」に比べ「戦闘シーンは劣るのかな」という懸念はあったので
 すが、同じ土俵では戦わず
 「『葬送のフリーレン』という作品全体像の中でどう魅せていくか」
 という姿勢は賞賛モノですね。
 原作既読でも「アニメはアニメとして面白い」と感じられる仕事ぶりかなっと。

(追 記)
6話でのフェルンのセリフ
「ちっさ」
の反響がかなり大きいらしいですねwww
・シュタルクで検索すると「シュタルク ちっさ」が候補に挙がる
・育ての親ハイターの「巨●ン」説が浮上
・LINE公式スタンプが発売されるetc{/netabare}

・第9話:あの淡泊な原作での戦闘シーンが・・・アニメはこの水準でやってくれるのか!!
 {netabare}>「鬼滅」や「呪術」に比べ「戦闘シーンは劣るのかな」という懸念はあったので
 >すが、同じ土俵では戦わず
 >「『葬送のフリーレン』という作品全体像の中でどう魅せていくか」
 >という姿勢は賞賛モノですね。

 前回こう書きましたが、すいません前言撤回します!!
 ・リュグナー VS フェルンの魔法戦闘
 ・リーニエ VS シュタルクの近接戦闘
 これ、どっちも「鬼滅」や「呪術」に負けてないでしょ!!
 正直原作の戦闘シーンは淡泊な感じなので(それをウリにしていない)あまり
 期待していなかったのですが、これは度肝を抜かれました。
 この制作陣有能すぎるwww
 こんなに動くとか完全に想定外ですわ。
 ・師匠フリーレン →弟子フェルン
 ・師匠アイゼン →弟子シュタルク
 回想シーンを挟み、その教えをよりどころに強大な魔族に立ち向かう弟子たち
 の激アツ展開もいい。
 それに構成も
 ・Aパートにフリ―レン VS 断頭台のアウラの前哨戦でウオーミングアップ
 ・Bパートで上述全開バトルをぶち込み、時間キッチリに両方とも決着とかw
 「鬼滅」や「呪術」が無駄に戦闘シーンが冗長化してきて、食傷気味になって
 きてるのをみると余計その辺が際立つというか・・・
 最後の決めシーンも8話で魅せたフリーレンが月をバックに夜空に浮ぶ構図を
 今度は弟子のフェルンで再現してみせるとか、ホントいい仕事してますわw

 完全にこの制作陣の作画力を侮ってました。すいません__|\○_
 このシーンだけでもアニメ化の意義が十分あったといえる神回だったかなと。{/netabare} 

・第10-12話:ひとつのアイデア →もう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華
 {netabare}・断頭台のアウラ編
  ・魔族
   ・人間の言葉を操り人間を欺く
   ・魔族は組織を統率するために強さ(魔力量)にて格付けが決まる
    → 魔力の放出を制限するという概念が存在しない
  ・フリーレン
   ・(そこを逆手に取り)魔力の放出を制限して魔族を欺く
  魔法使いにおいては、ある意味魔法を愚弄する卑怯な手段だが、フリーレン
  は「一生を掛けて魔族を欺く」という覚悟を持って挑んでいる。
  「力を隠してのビックリ展開」自体はバトルモノではあるある設定ですが、
  それを細やかな設定や描写で、ひとつのドラマとしてストーリーに落とし込
  んでいる創りは本当に見事。

 ・他のエルフ(クラフト)との出会い
  ・長寿命のエルフゆえに、自分の成してきた正義や偉業を知る者はどんどん
   死んでいく。
  ・だからクラフトは女神を信仰して、死んだら女神に褒めてもらうのだと。
   → 女神を信仰しないフリーレンは、俺が代わり褒めてやる。
  ・回想でハイターにすでに褒められていたことに気付き、遠慮しておくよと。
   → いい友人をもったな
  「長寿命のエルフゆえの寂しさ」というアイデアから
  ・「褒めてやる」という些細なエピソードを細やかに創作し
  ・最後はきちんを勇者パーティーに回帰させ、すでにそんな優しさを受け取っ
   ていたことに改めて気づかされる。
  これも「人を知る」という本作のテーマに沿って、きっちり創り込まれている
  なっと。

 ・剣の里
  ・英雄譚では、ヒンメルがこの地で守られていた「勇者の剣」を見事に引き抜
   き、それを振るい魔王を討伐したとなっているが
  ・実際はヒンメルは「勇者の剣」を引き抜くことが出来なかった。
   それでもヒンメルは魔王を打ち倒し「真の勇者」となった。
   (「真の勇者」が実は「勇者の剣」を引き抜けなかったでは恰好がつかない
    から、そういう英雄譚になった模様w)
  これも「勇者の剣」のネタを逆張り的に創った感がありますが、ここまでのヒ
  ンメルの描写がしっかり出来ているから、
  「あのヒンメルらしいエピソードだな」
  って納得せられてしまうんですよ。物語の全体像がしっかり創り込まれている
  から違和感なく、むしろヒンメルというキャラに積み重ねが生まれるという。

 面白いアイデアや一見いいシーンだな思う作品はあるのですが
 ・アイデアを出したことに満足して、そこで終わってしまっている。
 ・全体像がしっかり練られてないから、いいシーンも「点」にしかならず、むし
  ろ全体像との整合性から違和感すら覚えてしまう。
 というケースが結構多いんですよね。その点本作は
 ・全体像をしっかり練り込んだ上で
 ・ひとつのアイデアをもう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華
 というところがきちんとできているなっと。
 私がレビューでよく使う言葉で
 「きちんと汗をかいている」
 というやつで、だからこそ(「暗殺教室」のレビューでも書きましたが)
 >そこに私たちも心動かされ、 
 >「やっぱりプロのクリエイターは、私たち素人と違って凄い仕事をしてるんだなあ」
 >という制作陣や作品に対するリスペクトが生まれるんだと思うのですよ。
 本作もそれに準ずる作品かなと。
 (逆にその辺をサボり、即効性のある「見映えだけ重視」のシーンに頼り「ドヤ、感動
  的な作品やろ」みたいなのが鼻につく作品には、つい辛口なレビューを書いてしまう
  んだよなw){/netabare}

・第13-14話:新キャラ・僧侶ザインも上手く大局に織り込んでいる
 {netabare}「断頭台のアウラ編」以降地味な展開が続いていますが、あの戦闘シーン
 はある意味「制作陣からの特別ボーナス」って感じで、「人間を知る」と
 いうフリーレンの旅の目的からすると、本来の姿に戻ったって感じですね。

 ・13話からは新キャラ・僧侶ザインが登場。
  「戦士ゴリラ」という冒険に出たまま音信不通となった親友を探すため、
  (兄の親心もあり)暫し同行することになります。
   「酒・たばこ・ギャンブル・女好き」のちょいワルおやじ系ですが
   ・フェルン、シュタルクがまだ「未成熟な子供」なところがあり(で、
    フリーレンは人の心が分からないw)、その関係がギクシャクした
    ところを「大人」としてサポート。
   ・「ハイターとも面識がある」
    こういうフックを持たせることで、フリーレンの回想にスムーズに
    繋げていく一端を担う。
   という感じで、単に目新しさだけでなくしっかり大局に織り込まれて
   いる点はさすがだなっと。

 ・14話も「鏡蓮華の花言葉 → 『久遠の愛』」というアイデアを
  (アクセサリーの装飾モチーフにして)
  ・「フェルン×シュタルク」の誕生日プレゼントという単体のエピソー
   ドだけで終わらせるのではなく
  ・「フリーレン×ヒンメル」の回想 → 指輪のプレゼント
   それまでその指輪に執着がなかったフリーレンが、(アクシデントで)
   扮失した指輪を必死に探すという「人間を知る」というテーマにまで
   落とし込む。
  1話の尺をフルに活用してしっかり創ってきてるなっと。
  それがより際立つように演出なんかも工夫されていて、ちゃんと「アニ
  メとして面白く魅せる」という仕事ぶりでしたし。

 原作既読ながらもその時は見落していた事項を、改めてアニメで観て、こ
 うやってレビューのために言語化してみると、結構新たな発見があるもの
 だなあっとw{/netabare}

・第15-17話:後半「一級魔法使い試験編」に向けての前半の総仕上げ
 {netabare}2クール目に入り、OPが変わったりといよいよ新章に突入かを思わせます
 が、「一級魔法使い試験編」は来週からということで、今回は前半戦の総仕
 上げ。
 
 ・シュタルク回
  オルデン卿の戦死した長男の替え玉を引き受けることになったシュタルク。
  ・オルデン卿のシュタルクや彼を通しての長男への想い
  ・オルデン卿の次男に、優れた兄を持った自分を重ねるシュタルクの想い
  そういったシュタルクを中心にした人物の掘り下げに加え、
  ・社交界でのシュタルク×フェルンの社交ダンスシーン
  アニメ化の意義をしっかり見せつける華やかな作画・演出も良き(^^♪
  
 ・僧侶ザインとの別れ
  元々親友「戦士ゴリラ」を探すために旅立ったザインですので、彼の消息
  の手掛かりを掴んだ彼とはここでお別れです。
  物語的にも「一級魔法使い試験編」までの繋ぎの短編が続く展開の中に、
  新キャラとしてザインを登場させ、彼にしかできない役割を演じさせてい
  たのは上手い構成だったと思います。
  エピソード的にも
  ・親友が「戦士ゴリラ」を名乗り出した理由
   どんな英雄も名前をいつか忘れられてしまう。
   → 忘れられないよう名前のインパクトは大事!
    (ザインは「勇者あごひげ」と命名されたw)
   それが頑固婆さんを介して、ひとつの物語として回収されるという・・・
  ・大人のザインらしい最後の仕事
   フリーレンが苦手とするフェルンとシュタルクの喧嘩の仲裁。
   → そして名言
     「もう付き合っちゃえよ!!」
   へと続くというwww

 ・ヒンメル曰く「僕たちの記憶はフリーレンが未来につれていってくれる」
  ・長寿友達・フォル爺とのやりとりでの一節。
   エルフの長寿命を出オチで終わらせずしっかり活かしてきますねー。
   この辺も死んで名前しか残らない人間、
   ・ヒンメルのように(フルーレンが寂しがらないよう)銅像を残したり
   ・前述「名前のインパクト」勇者ゴリラのエピソード
   と見事にリンクさせ、長寿フリーレンとの対比も綺麗に描写しているな
   っと。
   冒頭のヒンメルのセリフですが、勇者パーティーにいた頃のフリーレン
   には、本当の意味は分からなかったのだろうなと。でも今だから理解で
   きることがある。こういう魅せ方がホント上手いですね。
  ・最後にフェルンが病気になって、フリーレンが手を握るというひとつの
   アイデアから 
   ・実はそれはヒンメル譲りの行為。
    → 前述「僕たちの記憶はフリーレンが未来につれていってくれる」
      がきちんと受け継がれていることを印象付け
   ・でもフェルンは「子供扱いしないで」と拒絶してしまう。
    そしてシュタルクのフォロー。
    → 年頃の娘が若い男の前で子供扱いされるのが恥ずかしかったとい
      う複雑な乙女心を描写し、「人間を知る」という本作のテーマに
      深みを与えている。
   ホントひとつをアイデアをしっかり膨らませているなっと。
   
来週からは「一級魔法使い試験編」が始まりますが、ここまでは(いい意味で
予想外だった)ド肝を抜く戦闘シーンを始め、味わい深い「人間を知る」ハー
トフルなエピソード等、原作のよさを再認識するともに
「アニメはアニメとしてちゃんと面白い」
と思える制作陣の仕事ぶりだったのかなっと。
後半戦も「アニメとして面白い作品」に仕上げにしてもらえればと思います。{/netabare}

・第18-22話:長期連載を明確に意識した流れなのかな
 {netabare}「一級魔法使い試験編」の一次試験を描いていました。
 一部では
 ・「フリーレン」には「バトル展開」は似合わない
 という意見もあるようですが、まあこれだけ原作に人気がでてくるとねえ。
 長期連載を意識すると、いろいろな可能性を模索していく必要があるわけで
 ・今後も使える新キャラを育てていきたい
 ・魔法使いを魅力的にみせるには?
  → 魔法使い同士のバトル展開
 という流れは、ベタながらも一番堅実で王道な展開なのかなっと。
 
 例えば「暗殺教室」のように「中学卒業までの1年間」という明確な終わり
 が定められていれば、そこから逆算してタイムスケジュールに落とし込み
 つつ「一つの色に染め上げていく」というのは可能でしょうが、結局原作
 者も(ラストのイメージは決まっているかのもしれないが)、そこに至る
 までの道は「編集者と手探り」という感じで進めていってる状態だと思う
 ので、どうしても「玉虫色」的になっていくのは避けられないでしょうね。

 それで作品が迷走しだしたら大問題ですが、個人的には
 ・新キャラも魅力的に描かれていた
 ・バトル展開の中にも原作者のこだわりが垣間見れ、世界観は担保されて
  いた
 ということで、よかったのではないかと。
 ただ原作だとバトルシーンが多くなると、漫画に迫力が足りてないのでど
 うしてもトーンダウンしたように感じてしまう部分はあるんですよね。
 しかしアニメでは
 ・原作者の意図は理解しつつ
 ・バトルシーンはきちんと「アニメとしての面白さ」を追求している
 と感じるので、原作越えの面白さがあるのかなっと。
 またアニメ化されたことにより、原作を読んだときには気付かなかった新
 たな発見もあり、原作のよさを再認識したところもありますし。

 ここまでは「アニメ化して大成功」といっていいのでは、と思います。{/netabare}

・第23-26話:原作者の魔法に関する世界観が完璧に確立していることかよく分かる
 {netabare}「一級魔法使い試験編」の二次試験終了いうことで。
 二次試験も
 ・「コピーレン」をはじめとする複製体とのバトルがあちこちで勃発
  → 各キャラを魅力的に描写(幾分冗長感はあったが)
 ・バトル作画ももう何の魔法を使っているのか分からんぐらいに超特盛w
 って感じですが、私が一番印象に残ったのが
 「ユーベルの『だいたい何でも切る魔法』→『レイルザイデン』」
 これを「裁縫」に見立てて解説するシーンですね。

 「分かってることならほぼ言語化できる」
 私の「理解度の尺度」のひとつなんですが、例えば小学生に勉強を教える
 とかなら、分かりやすい例え話等でしっかり言語化して説明できるじゃな
 いですか。
 そういう感覚で、本作では「魔法はイメージ」というセリフがよく出てき
 ますが、それはどういうことなのか
 「原作者の中では魔法に関する世界観が完璧に確立している」
 というのがよく分かるシーンだったなっと。
 このシーン自体は小さなものかもしれませんが、こういうしっかりしたべ
 ースに裏打ちされた描写の積み重ねが、大きな差となって本作独自の世界
 観を創っているのだと思うと、やっぱりプロのクリエイターさんは凄い仕
 事をしているのだとリスペクトしかないですね。
 アニメではこの辺りも上手く魅せていたと思いますし。
 そりゃ面白いはずですわ。

 あとアニメのユーベルさんは、何故か異常にエ●チに見えてしまうんだよなw
 ・たれ目具合や口元などの表情
 ・セリフ回しやネットリした(?)しゃべり方
 ・垣間見えるぶっ飛んだサイコ感(倫理観がとこか壊れているというか)
  (あと謎の脇チラw)
 等なんかアンニュイさがあるというか、妙に色っぽさがあるというか隠し
 きれないエ●チさを感じるんですよね。
 ・胸を盛るとか露出の高さ
 ・喘ぎ声っぽいセリフ
 など、エ●チな作品を創る制作陣はこういう分かりやすいエロさより、ユ
 ーベルさんをしっかり研究するべきだと思いますねw{/netabare}

・第27-28話:最後まで味のある会話劇
 {netabare}・三次試験 →ゼーリエとの面接
 ・試験終了 →別れ、旅立ち
 ということで、会話劇メインでしたが
 ・「フリーレン×ゼーリエ」
  → 2人を介しての「フランメ」という人物像や2人の思想の違いの描写
 ・「フリーレン×ヴィアベル」 
  → 試験では絡むことのなかった2人だが、最後に邂逅
 など各キャラを魅力的に描いていてよかったかなっと。
 今後の再登場も楽しみですし。
 ラストも仰々しく飾り立てする感じではなく、この作品らしい終わり方だ
 ったと思いますし。
 (2期を意識しているというのもありそうですが){/netabare}

(最 終)
原作は結構漫然と読んでたのかな(笑)
アニメ化されたことで原作のよさ
・「人間を知る」というテーマの深さ
・エルフの長寿命を活かした時間経過の描写の妙
・魔法や魔族等に対する独自に確立した概念
などを再発見するところが多かったですね。いやー細部までホントしっかり
考えられているなっと。

そして制作陣の原作の理解度の高さに加え、アニメだからこその表現
・原作では弱かったバトルシーンの特盛
・味のある会話劇
・その他アニメ独自の細やかな描写
など「アニメはアニメとして面白い」をしっかり追求してくれていた仕事ぶ
りだったと思います。
劇中音楽などもよかったと思いますし。
個人的には原作越えでアニメ化大成功という評価ですかね。
いろいろと大変なご時世ですが、いい作品を連続2クールでしっかりみせて
くれるのは本当にありがたいですね。

全体的には
「ひとつのアイデア →もう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華」
というのがしっかりできている、「きちんと汗をかいている」作品だったか
なっと。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 34
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

放送のフリ-レン

マンガとアニメは日本が世界に誇るブンカだ、
なんて言葉がけっこう前からあっちこっちで言われておりまして、
それはまったくそのとおりだと拙も思うのですが、

  『どんな』マンガとアニメでも日本が世界に誇るブンカだ、

というのはチガウ、とも同時に思うところであります。
エロマンガだのキャラパク同人誌だの、
ああいうものまで『ブンカ』だとはちょっと呼びたくありませぬ。
(桂あいりさんは『すごい』と思いますが)

こっからはアニメ限定のハナシです。

昨今のアニメで胸をはって『ブンカ』なんて大層な呼び方ができるのは、
せいぜい一割ぐらいなんじゃないかと拙は愚考するわけです。
あとは、好きなヒトたち(拙含む)だけがひゃあひゃあ言ってヨロコんでいるだけ、
ひらったい言い方をするなら『フーゾク』に属する、
使いすて御免のゴラク嗜好品みたいなモノだと思うんですよね。

もちろん、フーゾクにはフーゾクなりの良さというものがあります。
ヲタク上等、マイナ-上等、
  好きなものをスキと言ってなにが悪いんじゃい、
というのはリッパな主張でありますし、
いちいち他人にとやかく言われる筋合いのものではありません。

  ただ、それだとやっぱり『広がり』を期待するのはキビしいのかな、と。

ふだんアニメをあんまり見ない方々、
あ~でもたまにテレビでやってるジブリとか新海作品はけっこう好きですよ、
ぐらいの方々にとって、
いまの量産型深夜アニメの多くはハードルが走り高跳びみたいなもの。
準備運動もせずに飛べるような高さじゃないんです。

 えっと……なんでこの男の子モテてるんですか?
      こういうキャンキャンした喋り方ってあざとくないんですか?
      騎士ってこういうモノの考え方するものなんですか?
      なんでいまだにハリポタの劣化版みたいなのが製作されてるんですか?
      この「ふっ」とか笑うの、カッコいいんですか?
      ゲームやって遊んでるキャラを見てるだけのアニメって楽しいんですか?
      こんなアイドルとか曲とか、売れる道理ありませんよね?

  みたいなギモン、ふつうに感じるでしょうし、
  そこにナットクできる答えを返すのは至難のワザでもありまする。


そういうライト層の方々にとって本作『葬送のフリーレン』は、
まさに絶好の入り口、
ヌマへの招待状なのではあるまいかと拙は愚考するわけです。

 ・わかりやすく、感情移入しやすい物語設定
 ・顔半分が目、みたいなこともなく親しみやすいキャラデ
 ・自然で、細部まで配慮が行き届いた作画
 ・YOASOBIさんによる、イマドキ的キャッチーなうえ世界観ドンピなOP
 ・情感たっぷりな描写・劇伴、ド迫力でかっこいいバトル演出
 ・種﨑敦美さん(フリーレン)、市ノ瀬加那さん(フェルン)のナチュラルなお芝居

おそらくライト層の方々は『さよ花』すら名前も知らないだろうし、
『江戸前エルフ』なんかアナザープラネット。
ですから『エルフの長寿性』というギミックそのものが、
斬新で惹きつけられる構成になっているとも思うんですよね。

というわけで、深夜アニメに対する典型的なヘンケン、
  顔半分が目の巨乳っ子やロリっ子が、
  使い回しっぽいセリフをきゃんきゃん声で言いながら、
  よくわかんない敵と戦ったりヲタDTの妄想を叶えたりするもの、
みたいな偏見を抱えている方々にとっては、
けっこうドギモを抜かれる作品に仕上がっているのではあるまいかと思うわけです。

映像は、ジブリや新海作品しか知らない方でもナットク・違和感ないレベル。
そして、種﨑さんや市ノ瀬さんのお芝居は、
そうした劇場版よりも、品質がはっきりと『上』ですしね。

  セイユ-のお芝居は『つくった感じ』がする、
  もっと自然でストレートな声やお芝居が欲しいんだよね、
  というのは、昭和から平成初期の認識かと。

  そういう『つくった』お芝居は『求められているから』やってるだけで、
  いまのトップクラスの役者(声優)さんたちは、
  フラットでナチュラルな演技もテレビ俳優さん以上にこなせます。

  実際、本作をじっくり堪能していただくと、
  宮崎駿氏や岡田斗司夫氏がいかにいいかげんなことを言ってるか、
  わかっていただけるんじゃないかしら。

  ちなみに
  市ノ瀬加那さん、今回の種﨑敦美さんとの共演で『一皮むけた』感じですね。

  基礎声質に『ものすごい』天性をもってる方であり、
  先の『水星の魔女』スレッタ役でもそこそこの好演をされてましたが、
  本作は彼女のベストアクトと称してもいいんじゃないかと思います。
  種﨑さんから盗めるだけ盗んで、
  さらにワンランク上の役者を目指して欲しいものであります。

  あと、すぐ死んじゃったけど、
  リ-ニエ演った石見舞菜香さんもヨカッタです。
  (そう言えばこの方、『さよ花』のマキア演ってましたよね)

  アウラ役の竹達彩奈さんは、典型的な深夜ワクのお芝居かな。
  それが『悪い』とは言わないけれど、
  もうちょい、キャリア相応の奥行きを見せて欲しいかもであります。


制作がマッドハウスということで、
いわゆる『画はいいけれどコテっとしている』アニメになりそうなところは、
あの『ぼざろ』の斎藤圭一郎カントクが見事にカバ-。

  斎藤監督って、まだ監督二作目なのにほんとすごいですよね。
  アニメ-タあがりなのに『映像重視・音響軽視』の悪いクセがまったくなく、
  ト-タルバランスの調整力がハンパないです。

  さらなる魅力として、拙的にはフリーレンとフェルンの
   『いちいちわめかないバトル演出』がお気に入り。
  アニメバトルは叫ぶもの、
  みたいな大時代的お約束って、好きじゃないんです。うるさいし。
  てか、こっちの方がカッコいいじゃん。

  斎藤監督は2015年に大学のアニメ科卒だから、まだ30歳ちょいぐらい。
  たぶん、学生のときから既存アニメの良点・悪点を分析し、
  そのうえで『これからのアニメはどうあるべきか』を真剣に考えて、
  作品に落とし込んでいる方なんでしょうね。
  まさに、本作の製作コンセプトにぴったしの方であります。


さて、製作コンセプト、という言葉の並びから申し上げますと、
本作の製作(『制作』じゃないですよ)の狙いは、ずばり
  『アニメライト層の取り込み』
であります(いやいや、そんなん言わんでもわかるがな)。

そのために日テレさんは、
わざわざプライム枠の『金曜ロードショー』を丸ごと空け、
さらに23時からという、
『NANA』以来、17年ぶりとなる一般層の可視聴ワクを、
アニメ専用に新設したわけです。

じゃあ、テレビアニメがライト層を取り込むことによって、
  テレビ局やアニメ制作会社にどういうメリットがあるのか
が気になるところですよね(気にならないヒト、ごめん)。

ここからちょっと、
テレビ局とアニメのビジネス関係について考察を。
本作とはあまり関係ないので、
まるっとネタバレで隠しておきます。
興味と関心のある方だけ、ど~ぞ(言っとくけど、長いです)。
{netabare}


テレビ局のビジネススキームというのは基本的にシンプルで、
  原価○○円で制作・調達した番組を放送し、
  その際にスポンサー企業から△△円の広告料をとって、
  その差益で儲けるもの。
というのがその構造のベースになっております。

一千万円で制作した番組で二千万の広告収入があれば一千万のもうけ。
番組によっては
板を出したり有料配信したりといった二次利用もしていますが、
それは収益構造のメインストリームではなく、
あくまでもプラスアルファ、副次的なビジネスであります。

で、その『制作費=原価』というのは曜日や時間帯によって違い、
より多くの視聴が見込める(広告料がとれる)ゴ-ルデンやプライム枠と、
誰が見んねん、という深夜枠では雲泥の差があります。

といっても昨今の不況やネット広告の隆盛で広告収入が減少しており、
そのぶん、制作費も引き締めの一途。
番組の尺がバラバラなんですが60分枠として換算すると、
  ゴ-ルデン~プライム枠 →1000~3000万円。
  一般日中枠       → 500万以下が多数。
  深夜枠         → 300万未満。100万を切ることも。
みたいな感じですね(もちろん例外いろいろありますが)。

  サッカーのワ-ルド杯みたく放映権料がワリに合わないほど高額な場合、
  同じスタジオ・出演者で前フリ番組を延々とやるのは、
  なんとかト-タル原価を抑えようというナミダぐましい努力であります。

  金曜ゴ-ルデン劇場みたく他社の作品を流す場合の放映権料は、
    国内作品で1500~3000万(60分あたり 750~1500万)
    海外作品で2000~4000万(60分あたり1000~2000万)
  あたりがいまの相場かと(もちろん例外はいろいろありまする)。

ここまで例示した数字というのは、
ひと昔前と比べると二~三割安ぐらいの感じです。

もちろん、いまだにじゃぶじゃぶオカネ使ってる番組もありますが、
基本的に制作費というのは緊縮の一途かと。
だって、クライアントの広告出稿が右肩下がりなんだもの。

  そもそも、番組視聴率がダダさがり。
  ネットなどにとられて若者のテレビ離れなんかも進んでおり、
  ちょっとしたドラマで20%越えなんてイマはもうムカシ。
  番宣ばんばんうっても一ケタ中盤というケースが珍しくありません。

  視聴者が少ないということは、広告効果が低いということ。

  クライアントとしてはそこにじゃぶじゃぶオカネ使うより、
  Web広告みたく視聴者を選んでタ-ゲットに届ける、
  セグメント型の広告媒体に資本を回すのが自然な流れですよね。

  というか、すでに2019年、
  Web広告費の総額がテレビ広告費を上回っているんです。

セグメント広告が主流の現在、
テレビみたいなマス媒体が広告のメインに返り咲くって期待薄ですから、
ト-ゼンこれからも番組制作費はシブくなります。

  ちなみにテレビアニメの制作費というのは、
  きちんと手を入れて作ると一話(30分枠)で1500万ぐらいかかります。
  一時間枠に換算すると3000万円。

  これ、キー局が視聴率15%以上を狙って勝負をかける、
  ゴ-ルデン枠番組なみのお値段です。
  全日帯とか深夜枠で見かけることはまずありえません。

  巷ではアニメ-タの所得が低い理由として
   「テレビ局がしぶちん」
   「広告代理店が中抜き」
  みたいなことがしれっと言われてますが、
  なんでそんなウソ平気な顔して言っちゃうかなあ。

  テレビマンに言わせてみれば、テレビアニメというのは
    制作費がバカ高くてワリに会わない
  不経済なコンテンツなんです。
  視聴率との対比で考えたら、丸抱えなんてゼッタイできませぬ。


じゃあなんでこんなにテレビアニメがたくさん製作されているのかと言うと、
アニメはほとんどが『製作委員会』方式であり、
製作投資のリクープを、
  放映時の広告収入ではなく二次利用・副次収益に頼っている。
というビジネスモデルになっているからであります。

あるマンガがテレビアニメになると、当然ながら認知度が上がります。
すると、だいたいの場合『後から』ケーザイ効果が生まれます。
  出版社   →原作本やムック本が売れる。
  音楽会社  →OP・EDの楽曲が売れる。
  グッズ会社 →関連グッズが売れる。
  映像会社  →板(マニアさんの言う『円盤』)が売れる。
で、そういう『利益の共通する』方々が、
オカネを持ち寄ってアニメを作るのが『製作委員会』であります。
(実際はもっとフクザツなんですが、簡略化して書いてます)

これ、多くの場合、テレビ局にはぜんぜん『うまみ』がありません。
ただ「オレたちが放送してやったからそんなに売れたんだろ」
みたいに強引マイウェイな理屈で、
二次売上げの数%を『局印税』として徴収する場合がありますが、
積極的にアニメを放送する理由にはなりません。

ですから製作委員会は、その放送枠自体を買い取ります。
  このワクの広告代をゼンブ払うから、このアニメを流してください
というハナシですね。これなら局印税も発生しにくいですし。

  この放送枠買い取り代(通称:波代)って、
  深夜枠であっても全国世帯の七割以上をカバ-しようとすると、
  局やワクの深さ・タイミングにもよりますが、
  1ク-ルで五千万~一億円ぐらいかかっちゃいます。

  ですから、地上波はお茶をにごす程度、
  好きな人はネットで見てねえ、
  みたいな作品が増えてきているのもしゃあないところなんです。


で、本作『葬送のフリ-レン』に話を戻しますと、
日テレさんの狙いは『安価でそこそこ視聴率のとれる作品を確保』することであり、
製作側の旨みは『視聴者の幅が広がり二次収益が増える』ことです。


まずは日テレサイドのソロバン勘定から。

  初回は二時間枠ですから、制作費は6000万円ほど。
  製作委員会に入って二割ほど負担したとすると、
  この回の日テレ負担は1200万円ほどだったことになります。

  これは、60分枠に換算すると、600万円。
  ふつうに映画の放映権を買ってくるよりも、かなりおトクです。

  それ以降の各話も二割負担だったとすると、
  各話の負担金は300万円、60分枠換算はやっぱり600万円。
  これは、23時台としてはやや高めの数字で、
  このまんまほったらかしておくと、
  局のエラいさんは、あまりいい顔をしてくれません(視聴率にもよりますが)。

  ただし、アニメは二次使用でお金が戻ってくるシステムです。

  二次利用の収益(DVDなど)の一定割合は、
  出資額に比例して製作委員会で配当されることになります。
  また、この番組は『枠買い』ではないので、
  二次利用売り上げの数%を『局印税』として徴収できます。

  この、出資に対して戻ってくる比率を『リクープ率』と呼びますが、
  これが50%あれば、実質的な制作費負担は60分換算で300万円。
  これは、23時台の番組としては、なかなか優秀です。

  もしも100%返ってきたら、
  なんと制作費負担が実質『タダ』ということになっちゃいます。
  こうなるとシャチョ-賞も夢ではありません。

    出資から回収まで時間がかかるのが難点っちゃ難点ですが、
    いまの超低金利、そして日テレの資金調達力を考えると、
    そんなもん、モンダイのうちに入らないわけで。

  ただし、いまのアニメでリクープ率が100を超えるのは、
  1ク-ルで一本あるかないかぐらいです。
  いわゆる『覇権アニメ』でも、そうカンタンに100には届きません。

  ですが、その場合でも『局印税』があるからある程度は戻りますし、
  制作元のマッドハウスが日テレの連結子会社ですから、
  資本の内部循環ということで、最低限のいいわけは成り立ちます。 

    むかしからこういうソロバン勘定はあったのですが、
    とにかくテレビ局は『報道』『バラエティ』『ドラマ』班が強く、
    なかなか編成さんが枠を開けてくれませんでした。

    ただ、ネットやゲームなど余暇競合商品の台頭で、
    看板ドラマやバラエティの視聴率が軒並み一ケタに落ち込み、
    そういう垣根がどんどん低くなってきてるんですね。

    安く作れて視聴率が取れるんならアニメでもいいんじゃね?的な。
 
    この流れというのは『キメツ』や新海作品の連続ヒットなど、
    ライト層にもテレビアニメ需要がある、という具体的な判断材料が、
    いろいろ出そろってきたのが大きいかも知れませぬ。
    (『キメツ』、フジにとられちゃいましたしね)

  劇場版ではなくテレビアニメを
  ふだんから見る習慣のある視聴者が増えてくれれば、
  視聴期待対象者(タ-ゲット)の母数が大きくなりますから、
  いろいろなリスクがさらに低減できます。
  そうなると『低コストでそこそこ視聴率がとれる』勝利の方程式の完成です。

  だからこそ初回に金曜ロードショー枠で、
  まずは作品の視聴体験者の母数を稼ごうとしたんですよね。

  ちなみに本作の世帯視聴率は、
    初回(ゴ-ルデン枠)で 6.8%
    その後の通常(23時枠)で 4.4%(9話速報値)
  と、一般番組と遜色ないどころか『そこそこいい』数字です。
    そして、9話(実質6話)まできているのに、
    ワク違いの初回放送と比較して減衰率35%というのがスゴい。
    想定以上なんじゃないかしら。

  同じ23時からやっているテレ東さんの『SPY×FAMILY』は、
    2.6%。(5話速報値)
  これも決してダメな数字とは言えません。テレ東さんだし。
  ただ、日テレさんの戦略、
    金曜ロードショー枠を使って視聴体験者の母数を増やす
  みたいな仕掛けをしておりませんので、
  ただ23時にやってるだけなのがしんどいところです。

  というわけで、
  いまのところ(11月9日時点)では、目論見どおりの推移ですね。
  担当者は「してやったり」とニンマリし、
  ドラマ班やバラエティ班は苦虫かみつぶしていることでしょう。良き。


で、テレビ局から離れて制作サイドのメリットを考えた場合ですが、
こちらもかなり『おいしいスキーム』になっております。
局印税ぐらいヨロコんで払っちゃう。

  ひと昔前は、視聴率なんて極論『どっちでもよかった』んです。
  というのも、
  リクープの大半を板の売り上げに依存する体質であり、
  『一度放送したアニメを二話5~8000円で購入する』層というのは、
  かなり限られていましたからね。

    視聴率4%で板が2000枚しか売れないアニメよりも、
    視聴率1%で板が6000枚売れるアニメの方がダンゼンもうかる、
    というトホホなビジネススキームだったわけです。

    ナニコレ的な一部ヲタク向けアニメがいまでも多いのは、
    そういう背景があるからなんですよね。
    (だから枠買いしないとテレビ局が流してくんないわけで)

  ところが、いまはネット配信がリクープで重要な位置を占めてきました。
  二話でウン千円なんてとても払う気のない方でも、
  ちょっと面白そうじゃん、で気軽に手が出せるようになってきたんです。

  市場ケ-ザイのイロハとして、
  低価格帯商品というのは、認知度と売り上げが準比例いたしますから、
  こうなると、最初にパイを広げた方がダンゼン有利です。
  さらに、ムリしてヲタ受けを『狙わない』方が需要が見込めますから、
    ちっ、またこんなん作るのかよ
  なんて制作や役者さんがグチを言う機会も減ろうかというもの。

  さらに商品化(絵柄のライセンス供与ビジネス)も、
  これだけ作品の知名度があがると、
  限られたアニメ関連商品のグッズ業者だけでなく
  大手メーカーとのタイアップが充分すぎるほど期待できます。
  (あいつら『知名度』に笑っちゃうほど弱いですから)

  また、本作は絵柄・テイスト的に、海外番販にうってつけなんですよね。
  年齢制限はもちろんかかるんですが、
  ナルトやワンピースぐらいしか見ていない海外ライト層にも、
  きっちりささるものと思われます。
  担当者が相当なアホでない限り、かなりの海外収益が見込めるんじゃないかしら。


というわけで、本作に関してはいまのところ、
テレビ局と製作委員会はWinWinな感じになっております。

テレビ局の番組制作費緊縮が加速する昨今、
製作委員会がネギしょってやってくるアニメが注目されているのは確か。
テレ東の『スパファミ』みたく23時台、
ひょっとしたら22時台というプライム枠にさえ、
アニメが登場する可能性が『ない』とは言い切れない状況なんですよね。
{/netabare}


とまあ、かなり『いいことばっか』書きましたが、
こういうビジネススキームを継続的に成立させるためには、
  ライト層にもマニア層にもささる
アニメを供給し続けることが必須条件となってまいります。

テレビは数字が全ての世界ですから、
はっきり言って『視聴率次第』の下剋上。

23時台のワクを開けて視聴率1%台が続いたりしたら、
いかに制作費が安くても、
次の編成でワクそのものが『おとりつぶし』になっちゃったりするんですよね。

  ご参考までに『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』(フジ23:15~)は、
  平均して7%超えという驚異的な数字でした。
  局のエラいさんのアタマにはこれがしっかりインプットされており、
    さっさと二匹目のドジョ-をさがさんかい
  みたいな側面がなきにしもあらずかと(経営者はムリ言ってなんぼです)。

まあ、いきなりキメツがムリなのはわかってもらえても、
この時間帯のワクを維持するためには、
少なくともスパファミぐらいの数字(2.6%)は維持しなきゃいけない、
というのがリアルなところなんじゃないかしら、

それって、
昨今のアニメ事情をよくよくご存じの方にとっては、
けっこうキビしいハードルに思えるのではと拙は愚考いたします。

  マニアにもライト層にも安心しておススメできて、
  なおかつ減衰率抑えめでそこそこの視聴率がとれるアニメ

なんて、1ク-ルに数本あるかないかってハナシですしね。
アニメ慣れした視点だと良作はもっとあるんですか、
ライト層がハマりそう、という条件がけっこうキビしいんです。

本作『葬送のフリ-レン』と同じスキームでやって、
同等かそれ以上の結果が出せそうなのって、
今年度だと『リコリコ』か『推しの子』ぐらいしか思いつきません。
(あれ、独立局でやったのもったいなかったですよね)

  やっぱ『ヴィンサガ』とか重いしなあ……
  逆に『スキロ-』みたいのが『のだめ』的にウケるかも……
  あ、『無職転生』ならひょっとしていけるか。
  いやいや、そもそもキメツって、なんでバズったんだ?

  なんて考え始めると、とっちらかって収拾つかなくなってしまいます。

日本人は、決してアニメが『きらい』な民族ではありません。
映画の興行収入歴代ランキングで、
  ベスト20のうち14作品がアニメ(3DCG含む)
なんて国、ほかにないんじゃないかしら。
それなのに、
ライト層に安心しておススメできるテレビアニメが存外少ないんですよね。

彼らは『ふつうのドラマ』と同じ視点で見ますし、
マニア層みたく原作者や制作者に身内カンカクでゲタをはかせ、
曖昧さやいいかげんさを許してくれるといった寛容さはありません。

中国人が有り難がってマツタケ食べるとか騎士が土下座をするとか、
そういう基本的な考証ミスを
  『これは架空の国、ファンタジー世界だからいいんだよっ』
なんてリクツでは許してくれませんし、
モテ要素のない男の子のハ-レム展開なんか、たぶん理解不能です。

テイストはファンタジーでもSFでもラブコメでもなんでもいいんです。
ほんと、面白きゃなんでもいいんですが、
ちゃんとした考証と共感できる人物造形は必須条件。
  「いやなら見んな」
とか言われたら、はいはいそうですかと見るのをやめるだけのハナシです。

  拙自身、個人的には『だいすき』なんだけれど、
  だからといってライト層の方々にはおススメできないなあ、
  なんて作品が、ほんとたくさんあります。

  好きなものをスキというのは何も恥ずかしいことではないのですが、
  布教活動は控えめにするというのが、
  現実社会の荒波をのりこえていく一つのコツではないかと思ってもみたり。
  (あにこれは別よ、もちろん)


とはいえ、本作『葬送のフリ-レン』がライト層にもズバっとささり、
大きな成功を収めるだろうというのは、ほぼ既定路線。
二匹目、三匹目のどぜう狙いは、トーゼン『ある』と予想されます。

キ-局が出資してマスマーケットを狙う作品と、
これまでどおり狭い世界の中で、
ニッチなマ-ケットを狙う作品の二極化が進んでいくんじゃないかしら。

10年後ぐらいにアニメ史をふりかえったとき、
ひょっとしたら本作の放送が
エポックメイキングな出来事として語られているかも知れません。

  そんなことを妄想したりしながら
  次の放送をココロ待ちにしているワタクシなのでした。
  乱文駄文、そして長文、ほんとにほんとにごめんなさいね。



以下、オマケです(本作ほとんどカンケ-ありません)。
ほんと、単なるネタなので、
おヒマな方だけ開いてやってくださいまし。
{netabare}

本作のヒロイン『フリ-レン』の名前って、
拙はかってに英語で”Freelen”だと思い込み、
  自由な欧州水泳連盟ってなんだろ?
とか思ってたら、
ドイツ語で”Frieren(凍っている)”だったんですね。

いや、無知とはほんとおそろしいものであります。
というか、
ナマエの音だけでイミを判断するのって難しいですよね。

  ちなみに日本でよくある名前『雄大(ゆうだい)』は、
  英語圏の方々の耳には
  ”You die(おまえ、死ね)”としか聞こえないそうです。

  良く晴れた秋の日のセントラルパーク、
  やさしそうなお母さんが小さな男の子を追いかけながら、
   「おまえ死ね、おまえ死ね」
  と連呼している光景って、とってもシュールだと思いませんか?

  あと、日本名の『麻生(あそう)』さんは、
  残念ながら”asshole”に聞こえちゃうそうです。

  もしも麻生雄大さんがハイウエイでごついポリスに止められ、
  名前を聞かれて
   ” You die,asshole”
  なんて言っちゃうとタイヘンなことになりますので、
  全国の麻生雄大さん、渡米の際はくれぐれもお気をつけくださいまし。
  (気のつけよう、ないんですけどね)
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 28
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

心象の花々

レビューではさんざん迷走したものの(汗)、
本作は間違いなく、近年のアニメ界における最高の収穫だと思います。
自分の迷走の原因はむしろ、普通に賞賛の言葉を重ねても意味がない気がして、
無駄に気難しい観方をしたり、無理に深堀りしようとしたためでした。
硬直した思考でこの作品を論評してはならない・・・多分。

その反省を踏まえ、アプローチをぐっと変えて総括に臨みます。

まず取り上げておきたいのは、「花」のメタファーについて。

そもそも人間のいのちの短さ、儚さを「花」によって象徴することは、
記紀神話のコノハナサクヤヒメ以来、本邦にも連綿と続く伝統があるように、
人類史の始まりから存続している最もポピュラーなシンボライズであるゆえ、
本作にそれが及んでいたとしても何ら不思議はないわけですが、
敢えて言挙げするのも気が引ける位、ベタな感じがするのも確かです(笑)。

それでも書いておかねばならないと思った理由は、最終二話にありました。

あらためて言うまでもなく、「千年生きてきたエルフ」という本作のヒロイン設定は、
必然的に物語に二つの視点を導き入れます。すなわち、

エルフ視点で見たときの人間の「儚さ」。
人間視点で見たときのエルフの「孤独」。

驚くべきことに、最終盤でこの両者を同時に我々に示して見せたのはフリーレンではなく、
彼女と対峙したゼーリエの方だったのです。これには意表を突かれました。
・・・というわけで、第27話終盤の場面から繙いてみることにします。



{netabare}二人の対面は、全編のクライマックスとも言うべき"対決"となります。
愚弄し挑発するゼーリエ。それを淡々と受け流すフリーレン。
そのやり取りの中で、きわめて重要なある経緯が明らかになります。
かつて、ヒンメルがフリーレンを仲間に選んだ、その理由について。

「きっとこれはただの偶然に過ぎないことだけれども、
 ヒンメルたちと出会わせてくれたのは
 先生が教えてくれたくだらない魔法だよ。」

本人が述懐するように、ヒンメル少年との偶然の出会いと、
偶然見せた「花畑を出す魔法」がのちに彼らを結びつけるきっかけとなります。
それは魔王討伐の旅というだけではなく、彼女を人間の世界へ、
人間の「時間」へと向かわせるベクトルを内包した、いわば運命の分岐点でした。

こうして「仲間にめぐまれた」フリーレンとは対照的な、孤独なゼーリエの姿を、
皮肉にもこの同じ魔法が照射する、その仔細を辿ってみます。


さて、この対話中、ある花のカットが挿入されます。
六枚の花弁のある白い花。明らかにフランメの墓を包んでいた花畑の花で、
フランメを暗示するメタファーと捉えて問題ないでしょう。が、
実はこのメタファーには、さらに深化した意味合いを含んだ"展開型"が存在します。

フェルンの面接の際、魔力の揺らぎを見破った彼女にゼーリエが弟子入りを促す。
その場面でほんの一瞬、水に散る白い花びらのカットが現れます。
例のフランメの花らしく、ラストシーンでもう一度、意味深に映されます。

さらに回をまたいだ次の最終話、デンケンとの面接の場面にも引き継がれますが、
そのシーンの内容と付き合わせて含意を推測すると、おそらくこのイメージは
老い、衰え、散ってゆくいのちの儚さ、つまりは人間の宿命を暗示しているようです。

ただここでは、単に暗示の意味対象や内容を知るのみでは十分ではなく、
重要なのはこの散った花びらがある「心象」を表現していることなのです。
「心象」とは文字通り、「心」の「象(かたど)り」。具体物に託して表象される心の在り様。

では、それは誰の「心」なのか?

花びらが映る直前、フェルンに向けられたゼーリエの眼差しが捉えられます。
この流れから想像するに、花びらはゼーリエの抱く心象と見て間違いないでしょう。
おそらく、彼女が弟子をもつ度に経験してきた死別の哀しみが、フェルンを見て一瞬、
予感のように心をよぎった・・・そう、自分は解釈しています。
(最終話の、水面の花びらを足ですくったり、指につまんで吹き飛ばしたりする仕草には、
常に先立たれる者の虚しさとやり切れなさが表れています。)

そのゼーリエの「心」がすべて明かされるのが最終話。
フリーレンがレルネンに伝えた内容として、前回の場面の続きが再現されます。

ゼーリエの前から退く間際、フリーレンが問いかける。

 「この花畑、魔法で作られたものだ。・・・先生が好きだった魔法だ。
  くだらない魔法だって言っていなかったっけ?」

この皮肉に対してゼーリエは意外なほど率直に、自分の心情を打ち明けます。

 「・・・フリーレン、なぜかわたしは弟子をとって後悔したことは一度もないんだ。」

広壮な屋内庭園の内部にある、フランメが好きだった魔法で作られた花畑。
その中にはフランメを象徴する(生前好きだった?)白い花も混じっています。
その花々を眺めながら亡き弟子たちの一人一人を思い出し、彼らの短かったいのちを想う。
ここがそんな追憶の場所であったことが、彼女の言葉から想像できるのです。


では、なぜこんなイメージの読み解きが必要なのか?
それは、ゼーリエとフリーレンとが実はパラレルな関係にあること、
つまり彼女もまた「葬送のゼーリエ」だったという事実、
その理解をとおして、作品全体を基調音のように一貫する「葬送」のモチーフが、
漠然とした雰囲気ではなく、実感的に把握できるようになるからです。

作中にあらわれる花のモチーフは、フランメの花畑もヒンメルの蒼月草も、
いずれもフリーレンが関わった大切な人間たちの記憶と結びついています。
さらにここにゼーリエの「花びら」が加わることによって、「花」のイメージは
エルフが人間に対して抱く普遍的な「心象」へと昇華され、同時に、
本作の「葬送」のドラマもまた、普遍的な「追憶の物語」に深化されるのです。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


さて、あらためて俯瞰してみると、本作の物語には二つの軸があり、
それらが絡み合いながらストーリーが紡がれていきます。
すなわち「魔法」、そして「旅」。

それはそのまま、フリーレンの生きてきた軌跡に当てはまります。
生ける伝説となった魔法使いは、魔法の世界ではひとり孤独だった。
彼女を解放し、新しい世界に触れるきっかけとなったのは、仲間たちとの旅。

 ― フリーレンさまは何故、魔法を集めているのですか?
 ― 私の集めた魔法を褒めてくれた馬鹿がいた。それだけだよ。
 ― くだらない理由ですね。
 ― そうだね。

"くだらない"魔法をよろこんでくれる、馬鹿な人間の仲間と出会ったことで
フリーレンは孤独な一人遊びから脱け出すことができました。

旅は自由な世界。そして魔法もまたそうあるべきだ、と彼女は考える。
作品が高く掲げるものは、自由の価値。関係の意味。そして運命の可塑性。

・・・個人的には一応、こんな総括が可能ではないかと思うのです。{/netabare}



以上、一応の総括も済ませたので、あとは自分の趣味に走ります(笑)。

ぶっちゃけ本作の理解については、いまだに解消されない不全感が残っており、
本質的と思われるポイントを我流に言語化することで、それに決着をつけたい考えです。
実は本稿には、その準備作業の意味もありました。

これまでフリーレンとの「対照性」が際立っていたゼーリエが
「葬送のゼーリエ」となったことで、対比関係が「対称性」に移行します。
「対照(コントラスト)」と「対称(シンメトリー)」。
前面にあるのは見やすい「対照」であっても、その根底に「対称」が潜んでいる。
ここが着眼点になります。

このシンメトリーの構図は、作品全体にわたって読み取れるものではないか。
あるいは着想の基盤となるような汎用性がそこには認められるのではないか。
つまり、作品を読み解く一つの鍵として有効なのではないか。・・・

こうした観点からあらためて本作を見直すと、
そもそも物語自体がこの構図に基いた構造になっていることに気づかされます。
かつてと今、フリーレンの二つの旅がパラレルに並行するストーリー。
そこでは過去と現在は対立せず、対比的に、さらには相関的に描かれています。
しかも、同じルートを辿り直すという、明確な対称性をも示しています。

この「対称性」を解読格子に用いた読解を試みようというわけですが、
それによって本作のユニークな個性の一端、具体的に言うと
旅や回想に伴うあの独特の"空気"や"手触り"を、説明できるのではないかと思うからです。

「魔法はイメージ」だそうですし、魔法に限らずイマジネーションは大切です。
この言葉に倣い、なるべく具体性のあるイメージに即して、
覚書(ノート)風のものを少しばかり追加していこうと考えています。


以下に過去レビューの二回分を付け足しておきます。
最初の分は第2話のエピソードを、主に演出に寄せて読み解いたもので、
今回のレビューの内容をテーマ面から補足するという意味で、残しておくことにします。
序盤が終わったころの投稿だけに、ネタバレ対策が鬱陶しいですが悪しからず…。

もう一つはつい先日のものですが、まさしく硬直した論評の実例です。
難癖をつけているみたいで書いた当人も後味が悪く、削除決定済みなのですが、
参考としてもうしばらく恥を晒しておきます。



「蒼月草と青い魔法」


{netabare}原作の世界を過不足なく再現することが基本コンセプトのようだが、
自分がたまたま気づいた、アニメ独自の創意が認められる部分について書こうと思う。

アニメの第2話Bパート。原作では第3話「蒼月草」。
とりわけ色彩の効果には、並々ならぬ力の入れ具合が感じられた。
紅葉した深秋の森と、蒼月草のコバルトブルーの鮮やかな対比が実に印象的だ、
勿論、原作には色はついていないわけで、アニメの強みを生かした
視覚的なインパクトを狙ったというような、単純な理由だけでもなさそうだ。

アニメでは原作にはない魔法が一つ追加されているのである。
足跡を魔法で浮き上がらせるというもので、こちらもサファイアのような青色になる。
そしてこのとき、杖の魔法石(?)がいつもの赤色から青色に変わっている。

ここに気づいたとき、いつもの如く我流の深読みを触発されてしまった。
と言うのも、初回四話をまとめて観た直後に勢いあまって原作の既刊分を一気に通読し、
抽出してみたシェーマに、この演出がぴたりと嵌まっているように感じられたからである。
以下には要旨だけをメモ風に記しておく。


「葬送のフリーレン」。

このタイトルに二重の意味があることを、原作既読の方はすでにご存知だろう。

作品全体を俯瞰したとき、そこに認められる二つのフェーズ、すなわち、「闘争」と「平和」。
これら二つのベクトルの二面性を、このタイトルが表しているものとまずは仮定したい。

今話のエピソードには、このシェーマが分有されていると考えられる。
一方の「平和」は表層に、他方の「闘争」は深層部から、予見的に読み取ることができる。

エピソードの中心となるのはフリーレンの「花畑を出す魔法」である。
その場面。勇者パーティーが佇んでいる場所は、戦いで無残に破壊された聖堂。
フリーレンの魔法によって、荒廃した堂内も周囲も一面に花で覆いつくされ、
歓喜した一同は子供のように無邪気に花々と戯れる。

実はここには、アニメオリジナルの演出がある。
原作では魔法で花畑に変わるのは、何もない荒地のような場所だった。
したがって、ここに一つの創意が加えられていること、
その意図が明らかに「平和」への願望を表現するものであること、
つまり、この演出には一つの解釈が含まれているということ、などが解る。
解釈とはフリーレンの魔法について、さらに具体的には「花畑を出す魔法」についてである。

そもそも今話で語られている蒼月草のエピソードには、
単にヒンメルにまつわる思い出話にとどまらずに、
フリーレンの魔法の本質を示唆する、極めて重要な内容が含まれているのである。

フェルンとの対話を順を追って引用する。

  フリーレン様は本当に魔法がお好きなのですね。
  ほどほどだよ。フェルンと同じで。
  少し違うような気がします。
  同じだよ。

 (蒼月草の花を咲かせる魔法は)ヒンメル様のためですか?
  いや、きっと自分のためだ。

  フリーレンさまは何故、魔法を集めているのですか?
  (・・・・・)
  私の集めた魔法を褒めてくれた馬鹿がいた。それだけだよ。
  くだらない理由ですね。
  そうだね。

この「そうだね」の時に見せたフリーレンの含みのある表情を、アニメではさらに強調していて、
「くだらない」にこめられたアイロニカルなニュアンスを示そうとしている。これも解釈の一環である。
(あまり使われない言葉だが、「韜晦」というのがしっくりくる気がする。)

ここで暗示的にほのめかされた事実がはっきりと明示されるのは、先取りになるが、
原作3巻の21、22話。そしてこの21、22話こそは、物語の核心となる最重要部分である。
そして、フリーレンの魔法が孕む「闘争」の契機を見出せるのはまさしくそこなのだ。

フリーレンの魔法に関わる隠された真実が明らかになる。(原作未読の方は要注意。)

一千年の間、一瞬の休みもなく、彼女は
魔族を欺き殺すのための魔法の修練を行い、「復讐のための魔法」を鍛えつづけている。

それこそが「闘争」の魔法に他ならない。

その常軌を逸した、異常なまでの執念に触れたとき、
われわれははじめて、彼女が生きてきた千年という時間の生々しい手応えを感じとる。
同時に、このキャラクターの実存の深淵を垣間見た思いがするのだ。

"くだらない"魔法への彼女の執着は、この秘密を踏まえてはじめて理解される。
すなわち、"くだらない"魔法とは、「闘争の魔法」の対極にある、「平和の魔法」のことなのだ。

フェルンに語ったように、彼女が魔法を収集する最大の動機が
"くだらない"魔法を褒めてくれた「馬鹿」たちとの思い出だったとしても、同時に、
この極限的な緊張から生じる反動が、それを求めさせているのだろうと考えずにはいられない。
「きっと自分のためだ」という言葉は、そのことを言っているのではないだろうか。

魔法は「ほどほど」に好き、という抑えた表現にも、この外部からは見えない背景に絡んだ、
魔法に対するアンビバレンツな、複雑な心情が滲んでいると見ることができる。

だから、「花畑を出す魔法」とはまさに、求められた「平和の魔法」の精髄なのである。
そして、この解釈を踏まえて演出家は、「平和」のシンボルカラーとしての青色を
このエピソードの全体に散りばめたのだろうと思う。

今話に限ってなら、「平和の魔法」は「青い魔法」とも言い換えられるだろう。
それはフリーレンにとってもフェルンにとっても、純粋に、心から愛すべき魔法のことでもある。
フリーレンの言葉をきっかけにフェルンが思い出す、ハイターとともに見た幻の蝶の飛翔も
やはり透明で幻想的な青色をしていた。

因みに「花畑を出す魔法」は、22話に再び登場する。と言うより、そこでその原点が語られる。
それは本作の「葬送」のモチーフの一変奏であり、その最も美しい結晶でもある。


要するに、第2話Bパートの演出は、色彩を用いたシンボリズムによって
作品の本質を表象しようとしたのではないか、ということを言いたかったのである。

序盤で示された時間、および死をめぐるテーマ性が軸糸であるとすれば、
ここで導入される闘争ー平和のシェーマは、ストーリーを織り成していく横糸と言えるかも知れない。
この解釈の当否はさておき、遠からずアニメでもタイトルのもう一つの意味が明らかになり、
そこを転換点として物語は第二の「闘争」のフェーズに突入することになる。{/netabare}



「旅の動機」


{netabare}「私はもっと人間を知ろうと思う」・・・こうフリーレンは言った。
実はこの時点ですでに自分は妙な違和感を覚えていた。

確かに展開としては理に適っている。が、心理的にはやや不自然に感じられた。
何やらメタ臭がするのは、これから始まる旅の物語の「テーマ」を宣言しているからで、
それは作品の本質ないし表現意図に関わる本物の「テーマ」とは別物である。
(一見テーマ風でキャッチーな文言なり設定なりを初手でいきなり掲げて、
視聴者をまずは取り込んでしまおうとする、昨今頻発するこうした手口を
自分は冗談半分に「陽動」などと呼んでいる。)

このセリフを踏まえ、本作の旅は「人間を知る旅」という風にまとめられている。が、
そうした公式な「目的」の表明に飽き足らず、その奥にあるべき「動機」に自分は思いを馳せた。
キャラクターの行動と心情とがストーリーを織り成す従来の一般的な物語ならば、
内在する「心情」と外在化した「行動」とを結ぶ「動機」を掘り起こして
キャラクターの「内面」を読み解くのがストーリー解釈の定石であって、
自分でも馬鹿の一つ覚えみたいにこだわってきた部分である。

実はわざわざ掘り起こすまでもなく、公式に表明されたものが見つかるのだ。
第一クールのオープニングテーマ、「勇者」。
このサビの部分の歌詞に、「動機」となった心情がストレートに言い表されている。

   同じ途を選んだ
   それだけだったはずなのに
   いつの間にかどうして
   頬を伝う涙の理由(わけ)をもっと
   知りたいんだ
   ・・・

フリーレンの旅の「動機」、それは「後悔」である。
ヒンメルの死に際して涙とともに漏らした言葉、「私、この人の事を何も知らない」、
「なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう…」。
未知の感情が内部に生じ、それが何なのかを知ろうとする心の衝迫。
つまり、「人間を知る旅」の本質は「自らの心を知る」旅なのである。
"実存"風に言い換えると、体験の「原点」を見つめ、反復しつづける内面の旅、となる。


さて、問題は第13話「同族嫌悪」だった。
この回のエピソードで描かれた、自分から積極的に他人の背中を押すという、
らしからぬ行動についても、この方向での解釈をまずは試みてみた。

「私は今の話をしているんだよ。」

このセリフが解釈のポイントになる。
この「今」はザインにとっての「今」であると同時に、フリーレンにとっての「今」でもある。
ヒンメルの死に際して感じた深い後悔を抱いて、かつての仲間たちの想いをたどる旅に向かった。
そして、過去と向き合い、対話をつづける旅の時間が彼女の「今」となっている。
彼女を突き動かしたのはこの、"いま"、持続している後悔だったのではないか。

ところが第17話で、本人の口から背中を押した理由が説明されてみると、
「ヒンメルならこうした。」の一言で、あっさりと片づけられてしまった。
当時のヒンメルの役割を今度は自分が引き受けるというだけの単純な話であって、
つまりは、過去の経験だけが問題になっていて、現在はそこに反映されていないのだ。
私は"いま"の話をしているんだよっ‼

かつてのヒンメルと現在のフリーレンをシンクロさせた演出が見られたが、これも、
単に同じ立場に立ったという意味だとしたら、さすがに薄っぺらくはないだろうか?
内面化されたヒンメルの存在が彼女の「今」を導いている、と自分は理解していたのだが…。
結局、自らの経験に基づいてアドバイスや勧誘をしただけの話になってしまい、
それならば林先生の「今でしょ!」と同じようなものではないか。
「楽しかったでしょ?」なんて、まるでリア充な言い草にも勝手にガッカリして、
このヒロインへの興味が急激に薄れてしまった・・・といったような経緯があったのだ。


どうやら自分はドラマチックに考え過ぎていたようだ。
要するにフリーレンは"物語的"なヒロインではなかったのである。
すなわち、この作品の本質を最初から見誤っていたということになる。
従来の物語とは組成が異なるという前提に立って解釈し直すべきところだろう。

例えば、作中で展開されるのは「ドラマ」ではなく、「芝居」なのだと割り切ってみる。
そうするといろいろと腑に落ちる点がある。

ストーリーは「語られる」ものである。
対して、芝居とは「見せる」もの、役者が「魅せる」ものだ。

メインの三人は言うに及ばず、かつての仲間たちや
一級試験編で大挙して登場した面々もそれぞれ味のある役者っぷりを発揮している。
従来の物語のキャラクターにはない独特の存在感、ライブ感のようなものが感じられて、
二次創作界隈が大変な盛り上がりを見せているのも当然と思われる。

また、これは本作の会話劇としての一面も説明するものだろう。
よく練られたセリフで簡明に表出される心の機微。コミカルなやり取りの挿入や、
「間」を含めたテンポによってそれはさらに生かされ、本作の魅力を形づくっている。
一場のエピソードを名言風のセリフで締め括るパターンなども芝居である。

「芝居」という表現にはネガティブなニュアンスもあるが、
ここではフラットに観察された特徴を端的に言い表しているだけである。
同様に「雰囲気アニメ」という評言も、本作にはそのままの意味で当てはまると思っている。
質の高い作画と見事な劇伴とが相まって醸し出すファンタジーの雰囲気だけでも、
自立した作品世界として完成している。そういう肯定的な意味合いであって、
自分はストーリー以上にそちらの方を高く評価している。{/netabare}



2024. 4. 24

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17

77.1 2 戦いで異世界なアニメランキング2位
無職転生 Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (360)
1558人が棚に入れました
2012年から小説投稿サイト「小説家になろう」で連載が開始されて以来絶大な人気を誇る“なろう系ラノベのパイオニア”『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』。理不尽な孫の手の著による本作は、多くの作品が生み出されている「異世界転生系ラノベ」「なろう系小説」のまさに先駆者的作品であり、幅広いファンを獲得している当ジャンルの代表作。働きもせず他人と関わりもせず、ただ部屋に引きこもってゲームやネットに明け暮れるだけの34歳のニート男が、ある日交通事故に遭い死亡…したと思った次の瞬間、剣と魔法の異世界に生まれたばかりの赤ん坊として転生!少年ルーデウスとして生まれ変わった男が、前世の記憶と後悔を糧に、出会いや試練に直面しながら「今度こそ本気で生きていく」姿と壮大な冒険が描かれる大河ファンタジー。


声優・キャラクター
ルーデウス・グレイラット:内山夕実
前世の男:杉田智和
フィッツ:茅野愛衣
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

【ネフィリム】の【生存戦略】

●一見するとスピンオフみたいな今期?

もちろん主人公は登場しますが、わざわざ「エピソード0」みたいな
スピンオフの展開を噛ませてくるのにはどのような意味があるのでしょうか?

本作のアンチである当方には{netabare}「シルフィ」{/netabare}なる耳長キャラには印象が皆無な状態でありまして
正直このキャラが前期で登場したかどうかも記憶があやふやであったりします。

前期では作画を含めかなりの高評価を得た本作でありますが、{netabare}この耳長キャラを
全面的に押し出したような展開には微妙なものを感じた人も少なくはなく、
恐らくは前期と比べると評価の方もかなり厳しいものとなるような気がいたします。

特に今期は、一般的に見て面白いと言える要素はほぼ無く、どちらかというと
マニア向け作品の傾向が強く、例えば円盤が普通に売れない現代にも拘らず
円盤の売り上げで奮闘してる「鬼舞い」に似たものを感じます。

熱狂的なファンには好評であるようですが、そうではない人からしてみると
高評価のポイントが今一つ見えないわけであります。{/netabare}

個人的意見では9話「白い仮面」こそが本作の本筋に繋がる展開でありまして
もっとそちらの描写に尺を割くべきであると考えるわけですが、{netabare}フィギュアやら
獣人族やら阿修羅男爵?やら、一見すると脇道それ過ぎでどうでもいいような話が
多かったような印象を受けてしまいました。

もちろん、裏設定的に考えれば耳長族のヒロインとの絡みに意味があると
解釈も成り立ち、アホ毛同士は結ばれるというのも鉄板法則と言えるのでありますが、
一般論として言えば、{/netabare}特に今期は第三者にお奨めできるほどの作品ではなかったように思います。

主人公のキャラ設定等には当然意味があるのですが、理解はできても面倒くさいと言いますか
{netabare}「ルー」+「デウス」という主人公の名前由来が【ケルト文化】であるように
ケルト、フェニキア、アングロサクソン、等々混血種族の文化的なバイアス負荷が
かかり過ぎているため車酔いにも似た感覚を覚えてしまいます。{/netabare}

「異世界行ったら本気出す」のタイトル回収のために今期の展開は必要不可欠であったと
考えられるわけですが、そのために各種の設定に「諸刃の剣」が仕込まれてしまうのが
本作の致命的な欠陥であると言えるのかもしれません。

{netabare}主人公は中身がおっさんの変態的なエロ人格者でありますが、
「異世界行ったら子作りに本気を出す」のが本作のテーマである以上
エロくなければ話が成り立たなくなるというわけであります。

結論から言いますと色々な種族と交わり「混血種」を作り出し種族を繁栄させるのが
「彼ら」=【ネフィリムの眷属の生存戦略】であります。

耳長ヒロイン=「シルフィ」の名前の元ネタは「風の妖精シルフ」でありまして
妖精とは【妖魔族】であり、【魔族】ということになります。

魔族の頂点に君臨するのは【魔王=サタン】でありまして、【堕天使ルシファー】であります。

【堕天使】とは人間の女を孕ませる衝動が抑えきれずにこの世に堕天した
【堕落の天使】でありまして、その特性は【エロ】ということになります。

【堕天使】と「人間の女」から生まれたハイブリットを【ネフィリム】と言いますが、
【ネフィリム】の第一世代は【巨人族】であり【鬼族】であるとも言われています。

【鬼族】は【ネフィリムの眷属】でありますので、頭に【角】が生えておりまして
その【角】は【堕天使】の遺伝子に由来するわけであります。

【堕天使】の血が濃い【ネフィリム】はノアの大洪水でほぼ壊滅しまして
現在に生き残った【ネフィリムの眷属】は混血化が進んだ影響もあり、人間化しておりまして
見た目では人間種と区別が不能な状態であったりするようです。

「名家」や「名だたる英雄」こそが【ネフィリムの眷属】のでありまして
例えば【オリンピアの祭典】では【黄金の魂を持つ勇者】を讃えるわけですが
【黄金の魂を持つ勇者】は後の【王家】となり、故に「王侯貴族」は【ネフィリムの眷属】
であるということになります。

「天皇すり替え説」という奇説もありますが、もしも今の天皇に「異能」の類があるとしたら
恐らくは【ネフィリムの眷属】ということになるのでしょう。

もしも「天皇すり替え説」が真だとすると本物の帝は【八咫烏】ということになるでしょう。

通常の人間には魔法の類は使えないのでありますが、【シャーマン】であった【卑弥呼】には
【呪術】などの異能が使えたようでありまして、だからこそ「邪馬台国の女王」に
なれたわけであります。

通常の人間とは違う【ネフィリムの眷属】を表すために頭に「アホ毛」を描くわけですが
その元ネタが「ゲゲゲの【鬼】太郎」の「妖怪アンテナ」であるように
「鬼の魂」を有する【ネフィリムの眷属】には【角】が生えていて然るべきというわけであります。

何度も繰り返される【人狼ブーム】についての詳細は「生首女」の方で書くつもりですが
【獣人族】、「ウェアウルフ」の類の元ネタが何なのかと言えば、神話であり古代宗教
でありまして、【人狼】に限らず亜人種の類は古代宗教の神々である故に
アニメなどでは当たり前のようにごり押しされるわけであります。

「おおかみかくし」という作品がありますが、タイトルが何故「ひらがな」表記
なのかと言えば、ダブルミーニングが仕込まれているからでありまして
「おおかみ」は「狼」であり=「大神」というわけであります。

【獣】の種族である「もののけ姫」の名は「サン」でありますが
「サン」=「sun」は「太陽」であり、従いまして太陽神「天照大神」を暗示しています。

「天照大神」は「あまてらすおおみかみ」ですが
「あまてらす【おおかみ】」とも読んだりもします。

「狼の神」と言えば【アヌビス】であり、【フェンリル】でありまして
【フェンリル】に似たものに【エンリル】というのがいまして
この【エンリル】と【エンキ】兄妹が神社にいる「狛犬」の元ネタであると言われています。

【エンリル】のことを「アッカド語」では「ベール」とも言いまして
「ベール」が転じて【ベル】となり【バアル】となるわけであります。

「狛犬」には「角」が生えていますが、【エンリル】にも「角」が生えており
【フェニキア人】の神=【鬼神バアル】そして【ケルト人】の鬼神も同様であります。

【ケルトの鬼神】その名を【ベル】と言いまして、
「ジングルベル♪ジングルベル♪鈴が成る♪」の【ベル】=「鐘」が教会やお寺に
当たり前のようにあるのは【ベル】が「神の名」を意味するからなのであります。

「12月25日」は何の日でしょうか?
「イエス・キリスト」とは全く関係ありません。
この日のルーツは【ベル】と【バアル】と【ニムロド】の物語に由来しますが
詳細については長くなるため今回は割愛いたします。

要するに【ローマカトリック教会】は謎の宗教儀式を世界に拡散しているのであります。

アホ毛の耳長族エロ女=エリナリーゼ・【ドラゴン】ロード
一見するとどうでもいいキャラのようでありますが、
「異世界行ったら子作りに本気を出す」というのが本作の主題でありますので
このエロ女キャラも伏線的な意味合いが込められているというわけでありまして
本作【8】話でそれとなく描写された決闘=求婚の儀式につながるわけであります。
獣人族の発情期が「収穫祭」と重なるわけですが、そもそも収穫祭というのは
地母神信仰に基づく宗教儀式でありまして、実りをもたらす地母神=【豊穣の女神】に
感謝の意を示す祭典であります。

豊穣の女神には様々な名があり、【イナンナ、フレア、ヴィーナス】などがありますが
これらは【金星の女神】であり、よって【8芒星】=【イナンナスター】で
暗示されるわけであります。

【金星の女神】は「エロエロ」の女神でありまして、なのでそのエロ属性を持つ
エリナリーゼがクローズアップされ、獣人族の求婚儀式に繋がるわけであります。

「イースター」は春に行われる復活祭という祭典ですが、元ネタは
【イシター】=【イシュタル、アシュタルト、イシス】という女神の名が由来でありまして
復活祭というのは大嘘であり、実は古代から伝わる女神信仰の儀式を単に
リメイクしただけだったりします。

「天空の城ラピュタ」の「シータ」もこの女神の名が由来と言われています。

本来の【イースター】では女神に多産を祈願する意味合いがありまして
そういうことで女神信仰を暗示する「収穫祭」と「子作り」が繋がるわけであります。

エリナリーゼ・【ドラゴン】ロードの【ドラゴン】と言えば【竜】でありまして
オルステッドも【竜神】ということで同じキーワードで繋がります。

【龍】も【竜」も同じわけでありまして、【竜】とは年老いた【蛇】が変化したものと言われています。

【蛇】と言えば「アダムとエバ」を誘惑して【禁断の果実】を食べさせた【サタン】でありまして
【光の天使ルシファー】であります。

【明けの明星】のことをラテン語で【ルシフェル】と言いますが
【明けの明星】は【金星】でありますので「エロエロの女神」と【堕天使ルシファー】は
等号で結ばれ、【女神アシュタルト】が【鬼神バアル】の妻であることから
【堕天使】と【鬼神族】が同じ種族であるのが見えてくるのであります。

そしてバーディガーディは阿修羅であり、カーリー、ドゥルガー、
へカントケイル(百手巨人)と一致します。

阿修羅は【鬼族】であり、へカントケイルは【巨人族】でありますので
バーディガーディ=魔王は【ネフィリムの眷属】ということになります。

【エリス】にもアホ毛が生えていまして、故に【ネフィリムの眷属】と言えるわけですが
名前がギリシア神話の不和と争いの女神でありまして、新型567変異株の名前とも一致します。

ギリシア神話の女神と言えばエロいのが当然でありまして、しかも
先代の最高神【クロノス】が【ティターンズ】=【巨神族】であることから
【エリス】なる女神も【ネフィリムの眷属】であることが確定します。

「白い仮面」の転生者が登場するわけですが、「仮面」と言えば【マスカレード】でありまして
貴族文化の【仮面舞踏会】を意味するわけであります。

【マスカレード】の発祥の地は【ヴェネツィア】でありまして、ここを拠点に
活動していたのが【ヴェネツィアの黒い貴族】であります。

「黒い貴族」と言われる理由は肌の色がスレッタ・マーキュリーのように浅黒い感じだった
からでありまして、中東から来た種族であると言われています。

「黒い貴族」は「ユダヤ人」であるという説もあるのですが、商業や金融業に向いているのは
どう考えても【フェニキア人】でありまして、しかも【マスカレード】はかなり
いかがわしい宗教儀式でありますので、ユダヤの思想とは全く接点がないことからしても
黒い貴族の正体が判明するわけであります。

【マスカレード】とは乱交パーティー的なものであるようでして、
その詳しい内容については「ベルセルク」の原作に詳しく描写されています。

ざっくり言えばダークギャザリング的な黒ミサでありまして、
「ベルセルク」ではドラッグを吸引した上で行われていました。

ヴェネツィア発祥の【マスカレード】の秘密について命がけで暴露しようと試みたのが
今は亡き「スタンリー・キューブリック」監督でありまして、その作品が
「アイズ・ワイド・シャット」であります。

そして【マスカレード】と全く同じような仮装するのが
「ハロウィンパーティー」の元ネタとなった【ケルト人】の【サウィン祭】であります。

悪霊からの攻撃を回避するために悪霊と同じ格好をしたのが仮装パーティーのルーツ
であるようですが要するにコスプレの起源も【ドルイド教】の宗教儀式にある
ということになるわけであります。

悪霊は【ケルト人】にとっての神に匹敵するため、これに生贄を捧げるわけですが
「ガリア戦記」に記されていたように彼らは「人間」を供物として捧げる
【人身御供】を行っていたと言われています。

【ドルイド教】の【サウィン祭】は【ハロウィン】に継承され、大変残念な話でありますが
【人身御供】の儀式も現在進行形で続いているわけであります。

元「サタニスト」であり現在は「クリスチャン」へと転じた「ジョン・ラミネス」の証言によれば
【ハロウィン】では人間の子供を生贄に捧げる儀式を行っているということでありまして
熱狂的な信者の信仰心というものがいかに恐ろしいかを物語るわけであります。

奴隷は【人身売買】と繋がりまして、個人的見解では【人身売買】と彼らの宗教儀式も
繋がると予想しています。

本作では【人身売買】と「ダークギャザリング」が繋がる描写はなかったようですが
【呪術文化】ではドラッグを用いた「儀式」を積極的に行っており、最終的に
主人公のEDを回復させたのもなにかしら薬物であることから、「ベルセルク」で
描写されていたドラッグを用いた性的儀式に通じる要素があると見ることができるわけであります。

「ドラッグパーティ」は芸能界にも普及しており広末涼子やキムタク、酒井法子、
ジャニーズなどがその関係者であるとして名が挙がっています。

現在進行形で騒がれているジャニーズの問題は、ある種の【人身売買】案件でありまして
大規模な人身売買マーケットの起源が何処なのかと言えば恐らくは【古代バビロン】でありますが
それが現在の形に整備されたのが【英国東インド会社】設立の時なのでしょう。

ドラッグとは【呪術文化】の宗教儀式には必須のものでありまして
【偶像崇拝】とは【呪術文化】特有の形態であります。

【呪術文化】では【人身御供】が当たり前のように行われるため人命が軽視され
【人身売買】も気軽に実施されるわけであります。

本作だけの話ではありませんが、人身売買案件を当たり前のように描写するのは
【呪術文化】の思想が背景にあるからであると考えられます。{/netabare}

フィクションなんだから表現の自由を尊重すべきだろうという意見もあるかもしれませんが
主人公の倫理観があまりに破綻し過ぎて話になりません。

倫理観が破綻した性犯罪者みたいな主人公に感情移入できるのかと言えば
それは無理というのが結論であります。

銀魂の銀さんの生き様と本作の主人公を比べると同じおっさんでも
ここまで差があるのには愕然とするしかありません。

年取ったおっさんほど清く正しく美しく生きるべきであるというのが個人的意見であります。


●「ルー」+「デウス」が示す【ケルト人】の信仰

正直ぱっと見は意味不明な変態的フィギュア回であります。
わざわざ{netabare}奴隷{/netabare}を購入してまで行おうとする壮大なるフィギュア構想・・・
更にフィギアに関するただならぬ彼らの拘りから今回事件が起こります。

正tお直当方としてはフィギュアマニアの気持ちは理解できませんので、非常に冷めた目でフィギュア回を
見送るつもりでおりましたが、 {netabare}主人公の「例の下着」に対する異様なまでの信仰心を見て
フィギアの意味するところが見えて参りました。

「フィギュア」は【偶像崇拝】のシンボルでありまして
「例の下着」も同じく【偶像崇拝】を示しているというわけであります。

【ケルト人】は【鬼神】を崇め奉るという意味では【フェニキア人】と一致します。

お宝フィギュアを破壊し侮辱した獣人2匹を拘束し顔に「呪文」の類を書き記します。
「偶像」を侮辱した2匹を断罪する【生贄の儀式】を実施したわけであります。

【生贄の儀式】では「家畜(ゴイム)」が供物として捧げられます。
半人半獣の獣人族ですので【人身御供】の意味合いが秘められているとも考えられます。

主人公は拘束した獣人に対して体を触るというエロ行為に及びますが、
このエロ行為も【偶像崇拝】の儀式を示しているのだと解釈できます。

「刺青」、【偶像崇拝】、【生贄の儀式】や「性的な儀式」
これらはすべて【呪術文化】と密接な関係があり
【ケルト人】や【フェニキア人】に繋がります。

獣人族に辱めを与える儀式を【フリーメイソン】を暗示する「魔法大学」内で
敢えて行うことに特別な意味があったという話であります。

【フェニキア人】がもたらした「黒魔術【カバラ】」と【ケルト人】の【ドルイド教】が
融合され混血の種族が誕生した真実を暗示しているように思えて仕方がありません。

【アシュケナユダヤ人】が褐色の肌ではなく白人種であるのが世界最大のミステリーでありますが
【ケルト人】と融合したと考えれば合点のいく話であります。

「ユダヤ人」とは人種に関係なく「ユダヤ教」を信じている信徒のことでありますが
「バビロン捕囚」以降の「ユダヤ教」は、パリサイ派のラビ(司祭)によって取り込まれた
【バビロニアタルムード】の影響を受け異質なものに変えられてしまいます。

「魔法大学」の元ネタである【フリーメイソン】で研究されていた【黒魔術】のことを
「ユダヤ神秘思想」【カバラ】というのもパリサイ派による宗教改変が関係している
というように推測できます。

「ユダヤ人」という人種が確実に存在していたのは【ソロモン王】以前のことであり
それ以降に発生した「ディアスポラ(=離散)」以降は「ユダヤ教」や「ユダヤ人」という概念は
曖昧になり、今ではどういうわけか180度違う意味合いのものとなったようであります。

【バビロニアタルムード】を信仰するものが「ユダヤ人」であるなら、【フェニキア人】や
【ケルト人】も「ユダヤ人」ということになり、「ルー」+「デウス」という名の
【偶像崇拝】信者も「ユダヤ人」ということになります。

日本のアニメの主人公やヒロインが白人であるパターンが多いのも、
【アシュケナユダヤ人】=【アシュケナジー】が世界の勝ち組であることを
暗示しているからなのかもしれません。

混血種を続々と生み出し彼らの子孫を繁栄させることが彼らの【生存戦略】でありまして
そして「グレートファミリー」による世界支配の構想が実現するわけであります。

【ケルト】の神の名を持つ主人公は魔法大学で【カバラ】の真理を会得し
恐らく「グレートファミリー」の眷属になるのでしょう。

「エリートになりたきゃ楽しちゃだめだよ心臓どくどくマヤマヤポン」であります。{/netabare}


●やはり本作は今期人気アニメの筆頭格か?

例えアンチの糞レビューでもそれなりの方々に読んでもらえることは有難いことでありまして
ただ作品を貶すだけではなく、わざわざ読んでくれる人に伝わるものを書くべしと
思うに至るわけであります。

「魔法大学」なるものが登場しますが、もちろん元ネタは「ハリーポッター」でもお馴染みの
「魔法学校」の類でありまして、【フリーメイソン】であります。

現在の【フリーメイソン】はただの社交クラブ化しておりまして、由緒正しき「古代メイソン」とは
まるで違うものになってしまいましたが、本来の「メイソン」は【黒魔術】研究機関でありました。

{netabare}「古代メイソン」で研究していた【黒魔術】のことを(「ユダヤ神秘思想」)【カバラ】と言いますが
「ユダヤ教」を信じてる「ユダヤ人」が【黒魔術】に精通している?という発想はそもそも
ズレておりまして、矛盾しているのでございます。

「ユダヤ人」と言えば「創造主ヤハウェ」に選ばれた「選民」でありまして
創造主との契約により選民性と創造主による特別な庇護を賜ったのであります。

父なる「創造主」は、生み出した子どもたち=「ユダヤ人」に対して律法=戒律を介して
「やるべきではないこと」を教えるわけであります。

純血の種族ユダヤ人が最もやるべきでないことと言えば、「異教徒」に関わり
「異教徒」の思想や文化に染まることでありまして、【偶像崇拝】とはまさに
創造主が最も忌み嫌うユダヤ人の最大タブーでありました。

【黒魔術】とは【呪術】とほぼ同じ種類のものでありまして、【呪術文化】で有名なのは
【古代エジプト】や【古代バビロン】でありますが、これらの【呪術文明】がユダヤ人に悪影響を
及ぼすということで、創造主はユダヤ人保護の名目で【呪術文化】の国々に災いをもたらし
容赦なく次々にこれをぶっ壊すのでありました。

創造主はユダヤ人に安住の地として「カナン」を与えるのですが、そこに住んでいた
先住民=【カナーン人】については聖絶=殲滅してよしとユダヤ人に指示するのであります。

捕虜としたり奴隷として生かす選択肢など全くなく皆殺しの一択なのは、子どもたちに
与える悪影響の芽を完全に摘んでしまおうという創造主の親心の現れでありました。

【カナーン人】は【アモリ人】と同じ血族であり、【呪術文化バビロン】の眷属であります。

【カナーン人】は【モレク神】を信仰しており、
【モレク神】を崇め奉る【偶像崇拝】の儀式にご執心でありました。

【鬼神】をかたどる【モレクの偶像】の下腹の当たりには炉が備え付けられておりまして
そこで火を焚くことができるわけであります。

【モレクの儀式】の際には「ドラム」をガンガン叩いて盛り上げて火を焚いて、そうして
【モレクの像】の火の中に子供を生きたまま投げ入れて【モレク神】に供物を捧げるわけであります。

かなり残酷な【生贄の儀式】でありますが、【等価交換の原則】により「※願い事」が
何でも叶うと言われるこの【偶像崇拝】の儀式に自分の子どもたち=ユダヤ人が嵌ることを
嫌う創造主は【カナーン人】に対して容赦することはなかったのであります。

【古代エジプト文明】は「ユダヤの預言者モーセ」を支援するために発動した
創造主の災いにより衰退し、そして滅び去りました。

【バビロンの王国】も(自分の子どもたちのために)それを望んだ創造主の預言通りに崩壊しました。

選ばれた民=ユダヤ人に対抗する勢力=【バビロン】の血族
最後に残ったのは【フェニキア人】であります。

「ノアの大洪水」、「ソドム」と「ゴモラ」、「バベルの塔」の計画も
勝つのは常にユダヤ人でありましたが、【フェニキア人】の「生存戦略」が功を奏し
「ユダヤ人の選民性」を覆すことに成功するわけであります。

ユダヤ人には創造主の鉄壁なる庇護があるため、まともにやり合っても勝てる見込みがないと
考えた【フェニキア人】は、ユダヤ最強と謳われる【ソロモン王】を懐柔する計略を企て
そしてユダヤ人を異教徒文化に染め上げて【堕落】させることに成功したのでありました。

「イスラエルの国旗」にも記される【✡】=【六芒星】は「ダビデの星」とも
【ソロモンの星】とも言われます。

【✡】を神として崇めたり、神聖視することは【偶像崇拝】と同じ意味があり
「ユダヤ人のタブー」であるはずなのですが、【✡】のことをどういうわけか
【ソロモンの星】と呼ぶのであります。

【ソロモン王】は預言の警告を無視して、【フェニキア】のティルス王である【ヒラム】と関わり
【666】タラントの報酬を得たと言われています。

【6】つの頂点、【6つ】の三角形、内部に【6】角形で構成される
【✡】は【666】を表していると言われます。

ユダヤの【ソロモン王】が【666】=【獣の刻印】を受けたことにより
ユダヤ人の「選民性」は失われます。

【フェニキア人】と交流を持ち異教徒の文化に毒された【ソロモン王】は拝金主義者となり
異教徒の宗教の影響が鮮明に表れた【ソロモン神殿】を建設するのであります。

そしてこの【ソロモン神殿】建設に関わる重要人物が、
【フェニキア人】のカリスマ石工職人の【ヒラム・アビフ】であります。

【ヒラム・アビフ】には高度な建築学の知識があっただけでなく神秘主義的な秘術に精通しており
恐らくそれが【錬金術】と呼ばれるものであります。

石工職人と言えば【バベルの塔】や【ピラミッド】を建設したのも彼らの仕事であると
言われていまして、数学や幾何学やなどに精通していただけでなく、
どうやら【錬金術】の知識もあったようであります。

【錬金術】とはほぼ魔法と同じようなものでありますので、
【黒魔術】であるとも解釈できるわけであります。

【ソロモン神殿】には【ボアズ】と【ヤキン】の柱がありまして、これと同じものが
現在の【フリーメイソン】のロッジにもシンボルとして設置されております。

【古代メイソン】で研究されていた【黒魔術】のことを「ユダヤ神秘思想【カバラ】」
と言うのですが、【ソロモン王】の堕落と【ソロモン神殿】の建設の逸話は
ユダヤ人的には災いをもたらす駄目駄目なNG行為の事例ということになります。

更に言えば黒魔術の【カバラ】にしても【フリーメイソン】にしても、そのルーツは
ユダヤ人ではなく敵対していた【フェニキア人】にあったと考えるのが妥当でしょう

「魔法大学」の元ネタは【フリーメイソン】であり黒魔術=【カバラ】であるのですが
そもそも【カバラ】と「ユダヤの思想」には明確な関係性などあるはずもなく
【黒魔術】や【呪術】なら【バビロン】の種族に繋がると見るのが自然と言えます。

【黒魔術】の元ネタとして一つに【カバラ】というものがありますが、
もう一つは【ケルト人】の宗教である【ドルイド教】の神官=ドルイドの秘術であります。

【錬金術】と言えば【古代メイソン】の石工職人との関係性が強いと言えますが
一般的な「魔法」と言うなら【ドルイド】の呪術の類というように区分できるのかもしれません。

純血の人間には魔法は使えません。

魔法が使える種族がもしいるとしたら?それはそもそも純粋な人間でない何かの混血か?
特別な【禁断の秘術】をどこかで得たということになるでしょう。

【呪術文化のシャーマン】はドラッグを服用してトランス状態になり
神々や悪霊の類と【チャネリング】します。

所謂「神降ろしの儀式」でありまして、例えば【鬼神バアル】などから啓示を受け
特別な「知恵」を賜るわけであります。

人類に【禁断の知識】を与えたのは【鬼神】であり、【ネフィリム】であり、
【堕天使】であるわけであります。

【呪術文化】に毒されたものたちは【堕天使】の種族であり【ネフィリム】の眷属であります。

「知恵」を得て「目」が開け「明るく」なることを【啓蒙】と言うわけですが、それは
【プロビデンスの目】を得たということでありまして、「光の祝福を受けた」
ということを意味します。

【イルミナティ】とは「光の祝福を受けた」者でありまして、教科書に載ってる
【啓蒙思想家】とは【イルミナティ】のことでありまして、
「フランス革命」を引き起こしたのも【イルミナティ】であります。

「光をもたらすもの」は「エデン」にいた「蛇」でありまして、
アダムとエバに【禁断の果実】を食べさせた【光の天使ルシファー】であります。

【ルシファー】は【堕天使】であり、【デーモン族】の悪魔であるので
頭に【角】が生えているわけであります。 {/netabare}

【堕天使】は人間の女に欲情し女を孕ませるため地上に降りたということで
その性質はエロで満ちております。

本作の主人公並びにエロエルフの女が「アホ毛」ホルダーであるのは
【堕天使】の血族=【ネフィリム】であることを示しています。

「アホ毛」は【鬼の角】を表し、その種族の血統を示すのであります。

「アホ毛」ホルダーは特別な知恵や能力を持っている一方で、【堕天使】のエロエロの特性も
継承しているという表現でありまして、「アホ毛」ホルダーの性格はエロでも
あったりするということであります。



「無職転生」には残念ながら悪い印象しかありません。

今期の0~2話くらいまでは主人公が大人しくしていたのでまだマシだったのですが
やはりこの作品特有の脂っこい感じのエロネタ、エロ表現が炸裂しまして
それを見るとゲンナリするわけであります。

嫌なら見なければいいというのは正論でありますが、{netabare} 何故この作品がここまで評価されているのか
気になり、分析してみたいということで視聴継続しているわけであります。

結論から言えば、前期にしても今期にしても大して面白くもなく、主人公のキャラ設定にクセが
ありすぎて、感情移入することができず、このやり過ぎ設定には多くの疑問が残ります。{/netabare}

「Re:ゼロから始める異世界生活」と本作を比べてみれば一目瞭然でありまして
人気もあり実力もありキャラ設定も機能している「Re:ゼロ」に対して本作は
{netabare}あらゆる面で劣っているわけであります。{/netabare}

前期の作画が良かったと意見については理解はできますが、物語のレベルは
せいぜい「3」がいいところで、{netabare}そこにマニアックなフィギアネタとか下ネタ
エロネタなどなどの要素を減点したら、最悪「1」にもなり得ると個人的には考えております。

一番ひどいのは主人公のキャラ設定でありまして、エロゲーマニア程度なら許容できますが
猥褻性犯罪行為を犯す主人公というのはかなり厳しく、例え原作がそうだったとして
アニメ化するなら自主規制した方が良かったのではないかと思えて仕方ありません。

成長物語を描こうとしているのはなんとなく理解できますが、その点についても
「Re:ゼロ」比べると全く描けていないと言わざるを得ません。{/netabare}

「ルーデウス」という名は「ルー」+「デウス」という形で構成されています。
「デウス」は「神」を意味します。
「ルー」は【ケルト神話】の「太陽神」=「光の神」であります。

主人公が【ケルト人】の神の名を持つことが重要なポイントでありまして
このことが極端なキャラ設定の秘密に関係するとも考えられます。

{netabare}【ケルト人】と言えば【ドルイド教】という宗教でありますが、今ではいつの間にか
日本でも祝われている【ハロウィン】は【ドルイド教】由来の宗教行事であります。

11月1日の【サウィン祭】の前夜祭に当たるのが【ハロウィン】であります。

【ケルト人】は【フェニキア人】とよく似たところがあり、宗教儀式として
【人身御供】を行います。

所謂【生贄の儀式】でありまして、【ウィッカーマン】という木でできた巨大な人型の檻に
人間を閉じ込め火を放ち焼いて供物を捧げるわけであります。

「ベルセルク」では黒ミサ的な儀式の描写が詳しく示されていますが、どうやら
【ケルト人】や他の種族の実際にあった儀式を参考にしているようでありまして
非常にリアリティがあったわけであります。

【人身御供】に最も好ましいのは「子供」でありまして、そもそも「子供」には
「供物」の意味合いがあったと言われています。

「祇園祭」でも子供を生贄に捧げる【人身御供】が行われていたとのことであります。

【フェニキア人】か【ケルト人】か他の民族かは定かではありませんが、子供を
性的凌辱する儀式の類があるようでありまして、「ベルセルク」で性的な儀式の
描写があったのと関係してくるのであろうと考えられるわけであります。

児童人身売買を暴く大ヒット映画「サウンド・オブ・フリーダム」は現実世界のタブーに
触れていまして、【グローバルエリート】たちが「ペドフェリア」であり人身売買に
深く関わっているというネットの噂話を補完する内容が描かれています。

「ペドフェリア」とは「小児性愛」と訳されますが、「ロリコン」よりも
変態性癖が強いニュアンスが含まれる言葉であります。

因みに当方が「鬼舞い」アンチな理由は「ペドフェリア」と関係する
【ジェフリーエプスタイン事件】を知ったからでありまして、ジャニーズの件も含め
現実世界の酷い有様を目の当たりにしたことにより、ロリコン変態は誉め言葉であるという
冗談めいたご意見には全く以て理解不能という立ち位置なったというのがあります。

【ケルト】の神の名を持つ主人公が「アホ毛」ホルダーであり、猥褻性犯罪を行う
「ペドフェリア」であるのが設定であるとするならば、そこから導かれる結論はやはり
【グノーシス主義】的な宗教思想というのものが作品の背景にあるということなのでありましょう。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

キャプテンE.D.

世の中、たいていのことには『良い点』と『悪い点』が混在いたします。
禍福は糾える縄の如し、とはよく言ったもの。
EDのもつ最大の良点は『腹上死する危険性がなくなる』ところかと。

死というものは万人に等しく訪れますが、
その価値は、ほんとそれぞれ。
欧米では『友のための死が最も尊い』とか言われます。

  腹上死というのはたぶん、
  その対極に位置する存在ではあるまいかと。

もちろん『性欲はオレの友だ』と言い張ることもできるにはできます。
キャプツバ的に『リビドーはトモダチだよ』と爽やかに言うこともできます。
ほんとできるっちゃできるんですが、
それはあくまでも『言論の自由』というケンポ-上の話であり、
うんうんそうだね、と言ってくれるヒトは、
早くその話題を終わらせたいから相づち打ってることをお忘れなく。

  実際の話、そういう大往生をしてしまうと、
  残されたご遺族の心境もけっこうフクザツでありましょうし、
  弔辞の書き方にも困ってしまいます。
  さらに、お葬式の雰囲気も微妙なものになってしまいかねませんので、
  オトコがなるべく避けたい往生の仕方の一つと言えるでしょう。

  その心配がゼロになる、というのですから、
  EDというのもなかなか捨てたものではないのかも知れません。
  (自分がなるのはゼッタイごめんですが)


さて、本作『無職転生Ⅱ』第一ク-ルは、
エリスに去られて自己憐憫をこじらせたルーデウスがEDになり、
魔法大学でシルフィと再会してそれを克服するまでを描いたおハナシです。
完全に前作『無職転生』の続きなので、
まだ見ておられない方はまるっとおいてけぼりですね。

今ク-ルはこれまでの血わき肉踊る異世界冒険譚とは趣を異にし、
どちらかと言うとせせこましい、
ぶっちゃけ半日常系みたいな話がちくちく紡がれていきます。

とは言っても、話のすすめ方がザツ、ということはありません。

0話まるっと使ってシルフィが魔法大学に入った経緯を説明してから、
1~4話がいわゆる『泥沼編』。
大切な放送期間まるまる一か月をかけて、
ルディ(ルーデウス)の見事な自己憐憫っぷりからのED発覚、
そして魔法大学入学までを描きます。

  これを『しっかりと経緯や心情を描いている』と評価するか、
  あるいは『展開が遅くてまだるっこしい』と考えるかは人それぞれ。
  きちんと物語を描きたいカントクの意図はわかりますが、
  昨今はやりの『なぜもへったくれもない』展開になじんだ方々は、
  早よシルフィだせやゴラァ、と思うかも知れません。

  まあ実際、
  そんなに面白い・引き込まれるエピソードでもないし、
  鬱モードに入ったルディがうっとうしいし、
  プロットヒロインのサラがええとこなしでかわいそうなので、
  半分の尺でもよかったかな、とは思うところ。

そして5話からがラノア魔法大学編。

基本的に『魔法学校』という舞台設定は、
おなかいっぱいというか、創造力のないラノベ作家が選ぶド定番であります。
あまりにも亜種が多すぎてよくわかんないほどなんですが、
本作は草分け的存在なので、
発表当時はまだ鮮度が残っていたかも知れませぬ。

ただし、ルディが魔法大学に入学した目的が
向学心のためとか祖国のためとか憧れの師匠に追いつきたいためとか、
そういう内面的かつふわっとしたものではなく、
  EDの治療法を探すため
という『はっきりしていて切実』なものなので、サベツ化は充分かと。
てか、ぶっ飛んでいて好きかもです。

で、ここからはおハナシの趣がガラリと変わり、
けっこう既視感の強い、下ネタおおめの異世界学園ラブコメふうとなります。
旧キャラに加えて新キャラもけっこう出てきます。
{netabare}
  ロキシーがパンツしか登場しないため、
  萌えという絶対領域はシルフィがほとんど一人でカバ-いたしております。
  ドワーフっ子のジュリエットもかわいいっちゃかわいいのですが、
  萌えとしては、上級者向けではあるまいかと。
  ケモナ-さん向けにもふたりご用意しておりますが、扱いがリョナ。

  ナナホシという、
  今後の物語展開でキーパ-ソンになりそうな娘も再登場しますが、
  今ク-ルで何かが大きく動くわけではありません。

  ヒトガミとルディの前世姿の登場も、泥沼編の一回こっきり。
  ルディがこまめに肉体を鍛え、
  ふつうのファンタジーヒ-ロ-っぽく、かっこよくなっていきます。

  つまるところ、
  小さなプロットがけっこうあるものの、何をやっても物語の主たる関心が、
    シルフィがいつ身バレするのか
    ルディがどんなふうにEDを克服するのか
  の二点に帰結してしまうという、
  わりとミもフタもない展開のク-ルだったりするわけです。{/netabare}


それじゃつまんないんですかと問われると、
決してそんなことはなく、
熱狂するような感じじゃありませんが、ふつうに楽しく見られます。

個々のキャラの心情もしっかりと繊細に描かれていますし、
『萌え』『笑い』『シリアス』『業』『バトル』
みたいなものがきちんと、しかもほどよく配合されておりまして、
  ヨ-グルトがけグラノーラ、オレンジジュースつき
みたいな、バランスの良い朝食的仕上がりなのではあるまいかと。

  ただし『ED』というクセの強いシードが含まれているため、
  とりわけ女性の視聴者さんにおかれましては、
    えっと……笑ったらいいんですか?
    それとも同情した方がいいのかしら?
  などと、咀嚼に困惑される場合もあろうかと存じまず。

  どうぞ笑ってやってくださいまし。
  そもそもルディの未熟な自己憐憫が原因ですから自業自得ですし、
  同情なんかされたらそれこそいたたまれませんから。


拙的な本作のおススメ度は、
前期を視聴済みという前提でAランクです。
(てか、第二ク-ルから見はじめる人ってあんまいないよね)

前期みたく、
エンタメ性を存分に発揮しながらも『人間の業』に深くえぐり込む、
というキレッキレ感はあまりありません。
もちろん、ヒトガミやナナホシとの会話などで片鱗は見せるのですが、
通して視聴すると、
やっぱ下ネタおおめの異世界学園ラブコメみたいな印象かと。

  なんでそうなるのかとと言うと、
  物語全体の印象というかインパクトを、
  シルフィ(茅野さん)が全部もってっちゃってるんですよね。
  ひさびさの茅野さん無双でありまする。
   {netabare}
  とりわけラスト二話、
  シルフィの身バレとED完治が同時ではなく別プロットになり、
  茅野さんがそれぞれのプロットで披露したお芝居、
  ゴジョ-先生もまっつぁおの領域展開が、インパクトやばいレベルです。
  
  ふつうのアニメだったら、
  身バレでソッコ-完治、愛はEDを救う、みたくなると思うんですよね。
  だけど本作では、
  『それはそれ、EDはED』
  ということで仕切り直し。キビしいです。

  え~~、やっぱあっちとそっちって違うもんなんですか?
  とか女性の方から聞かれても、なったことないからわかりませぬ。

    ほんとわかんないんですが、
    何となくわかるような気がするかも、
    というのがこっち側の大半の意見なんじゃないかしら。

  でまあ結局、ふたりでクスリ飲んでキメ〇ク、という
  かなり身もフタもない解決方法に至っちゃうわけでありまして、
  まさにディ-プインパクト。ぜひもなし。{/netabare}


作画は、相変わらずの高水準ですね。

ただ、前期に比べると粗くなったという声もあり、
そう言われると確かに、
ロングやモブの描き方がザツだとか仕上げがちょっとアレかなあとか、
前期になかった「ん?」は感じますが、
それでも他社との比較論で言うならけっこうなお点前ではあるまいかと。

  今ク-ルから監督が、
  前期まで副監督を務めていた平野宏樹さんに変わっております。
  また、成長したキャラを描くにあたり、
  キャラデの担当者も前期とは違う方になっており、
  そのへんの影響は、やっぱあるでしょうね。


役者さんは、キャラ替えもなく、全員ハイレベルです。

特にルディ役の内山夕実さん。
前期からルディの年齢が変わって肉体的に成長していますし、
おまけにEDという女性には理解がムズカシイ役どころなんですが、
うまく咀嚼して『青年ルディ』を創り上げています。

その他、今期からは新キャラで
上田麗奈さん(アリエル役)や若山詩音さん(ナナホシ役)など、
旬の実力派役者さんも参加していて百花繚乱。
プロットヒロインのサラを演じた白石晴香さんも、
けっこうアシリパ入ってたけれど頑張っておられました。

ただ、そんな中においても、
インパクトという観点においては、
すでに述べたように茅野愛衣さん(シルフィ役)が無双状態かと。

茅野さんって、
最近はご自身のyoutubeでお酒ばっか飲んでるイメ-ジなんですが、
もともと卓越した演技力をお持ちの方なんですよね。

  彼女のお芝居で拙が「マジすげえ」と思わされるのは、
  セリフの『硬度』と『温度』の使いわけです。
  これはもう、天性のものと呼んでいいんじゃないかしら。
   {netabare}
  本作でも物語冒頭、アスラ王国に飛ばされてきてすぐのときは、
  ガチガチに緊張した、バリカタの声ですね。
  それから『無言のフィッツ』として新生活になじんでくると、
  緊張がややほぐれて声の硬度が一段階さがります。
  (それでも初対面の相手と話すときは硬度かために)

  そして、フィッツとしてルディと会話している時には、
  リラックスできるのか、
  まったく同じ話し方なのに声のトーンはやわらかくおだやかに。

  こうした同じ話し方での『声の硬度』の使いわけ、
  『バリカタ』『かため』『ふつう』が自然にできてるんですよね。
  あの『氷菓』伊原摩耶花役でも披露してましたが、
  なかなかマネできない、ものすごい技術だと拙は思います。
  (たぶん、鳴らす場所や緊張させる筋肉を微妙に変えてるんでしょうね)

  で、それに加えて『声温度』の上げ下げができるんです、この方は。

  ナナホシとの会話などでは、声温度かなり低め。
  ルディとの会話でも、
  感情の起伏に伴って面白いぐらい上がったり下がったりいたします。

  そして、今ク-ルで最大の見せ場は、やっぱ最終話。
  ド-ピングの前後で声温度爆上り。
  その温度のまま究極の最終奥義、オトコ殺しの頂上セリフが炸裂します。

    どうぞお召し上がりください。

  これはあかん。
  わりと身持ちのかたい僕ではありますが、耳元でこれは殺られる。
  まさにアルテマウェポン。奥さんほんとごめんなさい。

  というか、マジなハナシ茅野さんって、
  『声バリカタ冷え冷えで』とか『声やわ激アツで』とか、
  どんなオーダ-にも応えられるすごい役者さんだと思う次第であります。
{/netabare}

音楽は、
劇伴は前期と同じく藤澤慶昌さん。
古楽器を駆使した安定した音作りで、世界観もドンピです。

OP/EDは、
前期は大原ゆいこさんが全部やってたんですが、
今ク-ルのOPはLONGMANさんが担当。
わりといいんじゃないかしら、世界観にもハマってますし。

あと、最終話のEDは大原さんの曲を茅野さんが歌唱しております。
ただし、セリフにかぶせてBGM的に使っちゃったので、
印象としてはかなり薄めかと。
(拙は初見のとき気がつきませんでした。お恥ずかしい)



いずれにいたしましても、
見て損をするようなアニメでは決してありません。
他の『なろう系』を見るぐらいならぜひこっちを、という感じかと。

ただ、前期については、
 『異世界転生もののハイエンドモデル』
と評価させていただいたのですが、
今ク-ルについては、さすがにそこまで言えませぬ。

既に述べたことだけど本作品の通奏的なテ-マは
  『人間の業と再生』
みたいなモノだと拙は愚考しているわけです。

そこんところ今ク-ルは、かなり薄味になっちゃってるんですよね。

そして『テ-マ』ではなく『ギミック』の一つである、
ルディのEDが前に出すぎちゃったことで、
なにがしたいのかイマイチわかりづらいク-ルになっちゃったなあ、と。
{netabare}

  もちろん、ルディがEDになったのって、
  エリスの真意をはかりきれないルディの『未熟さ』と、
  それがゆえの自己憐憫をこじらせちゃったのが原因であります。

  前世で死んだのが34歳だから通算年齢ほぼ50歳、
  ええ歳こいたおっさんがそんなんでええんか、自業自得やんかジブン、
  という意味では『業のなせるワザ』と言えなくもありません。

  ただ、その乗り越え方が、
  なんか頑張ってジブンの弱さを克服した、みたくリッパなものではなく、
    クスリでキメたらうまくいったぜキャホホイ
  という、リアルではあるけれどドラマ性のかけらもないものでして、
  え……あ……よかったね、としか言いようがありませぬ。

  人間の未熟さとか腐った性根というものはカンタンに治んないですよ、
  という背骨の部分は前期から一貫しているのですが、
  だからといってこの展開で、
    何かカンド-したり学んだりしろ、
  なんていうのは、さすがにムリ筋に過ぎるかと。{/netabare}


とはいえ、ルディくんの冒険譚は、まだまだ道半ば。
見てくれがいっぱしの青年になったとしても、
いきなり中身までリッパになられては、お話が回せません。

第二ク-ルは来年四月からとの由、
  とりあえず性的に充足したルディくんにどんな冒険が待っているのか、
  おパンツ以外のロキシーの姿は拝めるのか、
  ヒトガミやフィットア領転移事件の謎は明かされるのか、
  いいかげん下ネタを卒業してドラマにシフトしてくれるのか、
いろいろと興味の尽きないところであります。

今ク-ルはちょっとまあアレな感じでナニな出来ばえでしたが、
それでも面白いっちゃ面白いし、
物語自体はよく練られていてすごく興味深いものなので、
次ク-ルを楽しみに待ちたいと思います。

  あと、レビュータイトルがアレなので、
  某所からクレームが入り、
  BANされたらごめんしておくんなまし。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 27

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

失意のルーデウス…

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期は視聴済です。
そう言えば原作は完結しているんですよね。
メッチャ原作の気になる作品ですが、時間が無くて手に取ることが出来ないのが分かり切っています。

時間を捻出するには…
もう宝くじを買って一攫千金を狙うか、仕事を定年退職した年金生活の老後の2択しか頭に浮かびません。
しかし、私たちが老後になった時って、年金ってどれだけ貰えるんでしょうね…^^;
その前に何歳まで働かなければならないのか、さっぱり見当が付きません。

さて、そんなお先真っ暗な状況はルーデウスも一緒…
ルディに課せられた精神的苦痛が、肉体にまで影響を及ぼすようになってきました。
きっとこの辛さは体現した人にしか分からないと思います。

ルディはこの経験を経て、これまで以上に人に優しくなるのではないでしょうか。
そうあって欲しいと期待しています。


「俺は、この異世界で本気だす!」
34歳・童貞・無職の引きこもりニート男。
両親の葬儀の日に家を追い出された瞬間、トラックに轢かれ命を落としてしまう。

目覚めると、なんと剣と魔法の異世界で赤ん坊に生まれ変わっていた!
ゴミクズのように生きてきた男は、少年・ルーデウスとして異世界で本気をだして生きていく事を誓うー!

ルーデウスを待ち受けるのは、ロリっ子魔術師、エルフ耳のボクっ子幼馴染、凶暴ツンデレお嬢様、
そのほかの様々な人間との出会い。そして過酷な冒険と戦い。

新しい人生が動き出す!
「人生やり直し」ファンタジー、開幕!


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

公式サイトのINTRODUCTIONやSTORYを見ても殆ど物語の内容に触れられていません。
これは切り売りせずとも視聴者を納得・満足させられるクオリティであることを作り手の皆さんが自負している何よりの証だと思います。

こういう潔さって個人的には嫌いじゃありません。
寧ろこの作品「らしさ」を感じる気がします。

TVアニメ第1期ではロキシー師匠とエリスにスポットが当てられて物語が展開してきましたが、今回はまさにシルフィ回でしたね。

これまでルディは過酷な旅路を強いられてきました。
エリスに対する心情の変化も、あまりにも過酷過ぎた帰途の日々であったことも拍車をかけていると思います。

誰もが等しく刻まれる時間を生きてきたシルフィも、やっぱり大変だったと思います。
シルフィは元々引っ込み思案な性格なんです。
それが強制的に独りぼっちで生きていかなければならない選択を突き付けられたんです。
心を許せる人が居ないって、物凄く寂しいと思うんです。
でも、シルフィは見事その壁を乗り越えました。

そんな頑張り屋さんなシルフィも大好物ではあるのですが、個人的にはルディと接点を持った以降のシルフィの方が大好きです。
故あって身分を明かす事は出来ませんでしたが、サングラスの色味を通して時折覗くシルフィの瞳が兎にも角にもヤバい…

見た目だけでもシルフィは十分可愛いのに、演者がかやのんってどれだけ…
もう言葉になりません。
かやのんがシルフィの魅力を限界まで引き出してくれたからでしょう。
終盤は何度も萌え死にそうになりましたよ。
特に「なに…ルディ?」の台詞には電撃が流れました。
流石かやのん…
最高のシルフィを見せて頂きありがとうございます!

これから物語がどの様に動いていくかが楽しみで仕方ありません。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、LONGMANさんによる「spiral」
エンディングテーマは、大原ゆい子さんによる「ムスビメ」

1クール全13話の物語でした。
今、視聴順序がメチャクチャなのでBEST10が何時作れるかは自分でも分かりませんが、間違いなくBEST10のトップクラスに入る内容だったと思っています。
第2クールは2024年の4月から放送される予定です。
あと半年…きっとあっという間だと思います。
第2クール、メッチャ期待しています!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21

65.1 3 戦いで異世界なアニメランキング3位
俺だけレベルアップな件(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (164)
434人が棚に入れました
異次元と現世界を結ぶ通路”ゲート”が突如発生してから十数年、世界には”ハンター”と呼ばれる超人的な力に覚醒した人間たちが出現する。 ハンターはその力を使い、ゲート内のダンジョンを攻略し対価を得ることを生業としているが、強者揃いのハンター達の中で、「水篠 旬」は人類最弱兵器と呼ばれる低ランクハンターとして生活していた。 ある日、低ランクダンジョンに隠された高ランクの二重ダンジョンに遭遇し、瀕死の重傷を負った旬の目前に謎のクエストウィンドウが現れる。 死の間際、クエストを受けると決断した旬は、自分だけが「レベルアップ」するようになり—。


声優・キャラクター
水篠旬:坂泰斗
諸菱賢太:中村源太
向坂雫:上田麗奈
最上真:平川大輔
白川大虎:東地宏樹
後藤清臣:銀河万丈
犬飼晃:古川慎
水篠 葵:三川華月
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

分割するにしても1期1クールで作品に仕上げて欲しい。

 面白い…とは思います。話も設定もキャラも展開も。ただ、正直4クールくらいある作品の起承転結の起の部分で終わった感じです。

 アニメの作品としてそれでいいのか?という気がします。例えば類似作のSAOなどは前半部分でかなり壮大なゲーム世界を描き切っていて、それでいて序章の役割を果たしました。本作は世界の構造とか陰謀、復讐、主人公の行く末…何も解決してません。

「シャングリラフロンティア」「ドクターストーン」「ブルーロック」など長めの作品は皆そうと言えばそうか…逆に言えばだから私は2期以降、2クール目以降の評価を低くするのかなあという気がします。
 もしこま切れに作品を作るなら、長めの作品は原作人気に胡坐をかかないで1期、1クールごとの区切りは意識してほしいなあ、と思います。

 原作がこういう構成ならアニメ制作で作りかえるのは難しいと思いますが、だったらせめて2クールで企画するべきでしたね。なんの解決も見ないまま話が終わってしまいました。
 と、思ったら2期のアナウンスがありました。うーん…興味が持続するかどうかです。

 本作の評価は前半は非常に興味深かったです。設定もキャラも独自性がある気がしたし、ある意味日本の作品より自然な大人を描いていた気がします。観月さん、最高でした。
 ですが、ただ、後半は後ろのドラマは進みますが中途半端、主人公自体は戦って鍛えるだけになってしまったので、正直9話~12話は飽きました。

 ですのでストーリーは独自性を考えて3.5点。キャラも3.5点…というか全部3.5点かな。平均よりは良いけど、高く評価は出来ないという感じでしたね。それはやはり1期1クールの作品で見た場合、何も描けていないからです。




1話 演出がA1の過去作の引用?女の子に〇〇フラグたち過ぎ。街はソウルにしか見えません。

{netabare} 本作については嫌でも反日のワードが目に入ってしまい、情報がある以上先入観無しに見られないので視聴どうしようかな?と思いましたが、A1ピクチャーとのことで、やっぱり見ることにしました。

 これって舞台が韓国じゃなくて日本に変更になっているという話を聞いてましたが、OP後の街の風景で見える河は完全に漢江ですよね?ソウルにしか見えませんでした。そもそも車が右側通行なので、日本ではないです。もし、韓国版、日本版のコミックスで言うなら韓国版準拠なのでは?名前は日本風にしているかもしれませんが。

 というか作中で国名って言ってなかった気がします。あのファンキーな髪型はあちらではいらっしゃるのでしょうか?
 一方で、冒頭の島は台湾?船との比較でちょっとスケール感違いますけど…別に国がどうこうとか気になることはありませんでした。話が面白ければそれでいいです。

 設定そのものはある程度練れた感じはしました。ただ、なんで異世界風の服装だったのか意味がわかりませんでした。後から説明あるんでしょうか?
 話は主人公が選択するところがちょっと不自然というかあり得ない選択だったのは良くなかったです。

 ただ、問題は演出ですよね。ボス部屋は完全にソードアートオンラインの9話の74階層だし、冒頭のアリの群れは「86」です。つまり過去のA1ピクチャーの演出で楽をしてますよね。

 それと一番まずいのはB級ヒーラーの観月さんが死亡フラグ立ちすぎでしょう。キャラデザが適当だし声優さんも知らない方ですし。そういうところの詰めというか仕掛けが甘い気がしました。

 うーん、A1ピクチャーはここ数年で良い作品も作っているので、別に制作会社が悪いとかスタッフの質云々じゃなくて、A1たたき上げでA1的演出になっちゃったんでしょうか?監督さんが「女神寮の寮母くん。」しか経験が無いようなので、がんばってください。

 見るかどうかわかりませんが、別にアニメの中で日本を壊しても面白ければ全然気にしないのでお好きなように。
 次は見るかもしれませんが、あらすじを見る限り凡庸な異世界ものかな?であれば、2話で判断します。{/netabare}


2話 主人公の言動に一貫性が無い気はしますが、導入はよかったかも。

{netabare} 母親の病気を支えているなら何をおいても助かるべきだと思うのですが、犠牲になる選択が良く分かりませんでした。それと病院にいる娘がもし妹なら、妹は兄にくらべて随分のん気に生活している気がしますが、どうなんでしょう?

 という部分が違和感なだけで、導入は工夫したと思います。1話2話まるまるかけるのはどうよ?と思わなくはないですが、一方で冒頭にクライマックスがあるのは新鮮かもしれません。そして、デスゲーム的な迫力はありました。

 あと、死亡フラグたったと思っていた観月ちゃん、情けなくも助かりましたね。今後リベンジがあるんでしょうか?

 最後のコマンド画面が英語なのは、日本向けと言うより世界市場を意識しだしたんでしょう。ピッコマ・カカオと韓国のゲーム会社が製作委員会に入っているみたいだし、韓国のアニメ戦略には注目した方がいいかもしれません。{/netabare}


3話 女子のキャラデザ以外はまあまあ良いと思う。

{netabare}  女子の作画というかキャラデザが本当にA1ピクチャーズ?という点以外はいいのではないでしょうか。もう1点は主人公の言動が若干不自然なところが気になるくらいですね。
 本作の舞台ですが、自動車は左ハンドル右車線だし、地下鉄の入り口はソウルでした。もうメタ的な韓国だの日本だのは無視して見させていただきます。

 主人公がレベルアップするのに努力が必要なところが面白いと思います。ゲームのコマンドみたいなのに理由を付けられるなら、もっと面白くなりそうですが、韓国のエンタメは理屈よりストーリーですから恐らくそこは無いと思っています。
 死亡フラグで出番が無くなると思っていた観月ちゃんが今週も出ていましたね。復活するならかなり意外です。

 今後は、題名の通りに強くなるであろう主人公ですね。ダンジョンの謎に迫れるのか、ハーレムなのか、強くなるプロセスを描くのか…その辺が気になるので視聴を継続します。 {/netabare}

4話 ストーリーは良いけど世界観と主人公が見えてこない。

{netabare} この展開をチートになるまでじっくり説明して主人公を描いたととるか、3話以上使って、やっとスタートかと取るかですね。

 主人公の内面って何か見えたかな?という気もします。負けず嫌いでも使命感でも母の事でもなく…彼のモチベーションはなんでしょうね?強くなる喜びかもしれません。そういう物語的な見方はできます。ただ、言動がチグハグな感じは否めません。

 それと物語の世界のヒントのようなものが見当たりませんので、考察厨としては辛いところです。韓国の話はストーリーや展開はあるのですが、奥行きとかテーマ性にかけることが多い気がします。もちろんそれは偏見で優れた作品もあるのでしょうが、本作については何も見えてこないので正直ちょっと飽きてきた気はします。

 ということで次話で判断かな。観月さんがすっかりメンヘラっぽくになってるのがちょっと興味あります。{/netabare}


5話 少し懐かしいストーリーがある俺TUEEEみたいですね。

{netabare} うーん…面白いかどうかと言う点では微妙なんですけど、やっぱりSAOっぽいなあという感覚があります。A1ピクチャーだから演出が似るのはわかるのですが…

 別に模倣が駄目と言いたいわけでは無くて、SAOという作品が持っていた面白さを日本は捨ててしまって、そこを上手く拾う人が韓国にいたのかな?という気がしました。

 緊張感があるシリアス系統で「ははめつのおうこく」などがありましたが少数派です。俺TUEEEであってもストーリーがある作品が「SAO」の他「魔法科高校」など12~3年ころにはありました。日本は異世界転生やゲーム転生ばかりで初期設定はひねっても、ストーリー展開が下手な作品が増えていますので、本作はちょっと懐かしい感じがします。

 その点で出来そのものはまあまあの水準なのですが、どういう話・展開になるのかに興味があります。

 それとA1ピクチャーがなぜこのクオリティで作品を作っているのかは気になります。22年はリコリコやかがみの孤城を作った会社です。クレジットを見る限り日本人スタッフばかりなので、日本人のレベルが下がっているので習作というならいいんですけど…大丈夫でしょうか?{/netabare}


8話 面白い部類ですが底の浅さは感じます。そろそろ話に展開が欲しいですね。観月さん復活で良かったです。

 総集編を挟んだとのことですが、続いて何よりです。

 さて、中間なので総括的なレビューです。本作はいわゆるなろうではないです。話の登場人物が非常に映画・ドラマ的な作りです。日本以外ならこうだろうなという作りですので、ひょっとしたら日本以外の国では人気が高いのではないでしょうか。

 日本の「なろう」系のテンプレでストレスが少ない話が見たい人のニーズからは外れているのかもしれません。その点は好みですので、どちらが優れているかという問題ではなさそうですね。

 ただ、話としてどこを目標にしているのか、が未だに分かりません。主人公が強くなりNo1になって、何かの秘密を知るとか、最強の敵と戦う、人間界の何かのドラマが始まって(復讐?恋愛?)それが解決するなどでしょうか。

 そこのゴールイメージの想像ができないのでちょっとダラダラ感は感じるようになっています。ここであの観月ちゃんを出したのはドラマ作りが上手いと思いますが、彼女が主人公が強くなって感動する的なドラマでしょうか?それを8話以降でか…と思わなくはないです。中間ですのでもう少し何か欲しかったかな、と思います。

 ということで、話は面白い部類だと思います。アニメとしてはB級ではありますが、それほど悪くはない作りだと思います。日本的ではないので展開というかリズムが合わないストレスと冗長感があるかな、という点が欠点でしょうか。
 結局話の幹が分からないので考察もそれほど…と言う感じです。その点では最近の米国・韓国の映画・ドラマ作品の底の浅さと共通するものは感じます。

 

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

青龍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

日本の「なろうアニメ」は世界からこう見られてる?

Chugong(原案)、DUBU(作画)によるウェブトゥーン(韓国発のウェブコミック)は、『ピッコマ』にて日本版が掲載中(全179話、日本版ウェブトゥーン既読)。
アニメ1期は、全12話(2024年)。監督は、中重俊祐。制作は、『四月は君の嘘』、『86』、『リコリス・リコイル』などのA-1 Pictures。2期の制作が決定済み。
(2024.4.3投稿、4.5一部修正)

本作は、2024年冬の海外配信サイトで『僕の心のヤバイやつ』、『葬送のフリーレン』、『薬屋のひとりごと』に次ぐくらい人気が高かった作品(逆に日本での人気が低い)。ということで興味がわき、アニメと日本版ウェブトゥーンをみる(日本版ウェブトゥーンも楽しく読めました。)。

さて、本作は「海外版なろうアニメ」といってもいい内容なのですが、その一方で、「日本のなろうアニメ」との違いも強く感じる作品でした。

簡単にいうなら、海外の人が「日本のなろうアニメ」に感じているであろう良い部分を強調して、不要だと思っているであろう部分を削った感じ。または、海外の人が考える「日本のなろうアニメ」をもっとこうしたら面白くなるのにを具体化したという印象でしょうか。

おそらく、その試みが成功した結果が海外での高い人気につながっているのだと思いました。逆に、日本人にとっては、海外の人が不要だと思って削ったところに日本人がこれまで当たり前だと思っていた部分(暗黙の了解、お約束)があるので違和感があるのかもしれません(詳細については後述)。

本作は、日本のアニメが全世界に発信されるようになり、その反響がもたらした一つの形といえるでしょうか。


【あらすじ】
現界と異界とを繋ぐ「ゲート」が出現した架空の現代が舞台。ゲートから溢れ出るモンスターには、ミサイルなどの近代兵器は効かず、「ハンター」と呼ばれるゲートの出現とともに現れるようになった人間の覚醒者のみが対処でき、モンスター討伐の対価として高額な報酬を受け取っていた。
主人公のソン・ジヌ(または水篠旬:CV.坂泰斗)は、他のハンター達から「人類最弱兵器」と嘲笑されるE級ハンターであった。基本的にハンターは、覚醒時の魔力量によってE~S級にランク付けされ、そのランクが変動することはない。
しかし、主人公がD級ダンジョンに挑んだ際、隠された「高難易度の二重ダンジョン」を発見し、その「ボス部屋」で他のハンターを逃すために主人公は死んだはずであった…が、目が覚めると「自分だけレベルアップできる」という能力を持ったハンターに再覚醒していたというお話(だから「俺だけレベルアップ」な件)。


【俺だけレベルアップな件】
ハンターは、基本的にランクが固定なので、主人公だけ最底辺から最上位まで駆け上がることにはそれだけ爽快感が生じるわけですが、そういったカタルシス要素が日本の「なろうアニメ」より強調されています。さらに、本作では、ハーレム要素もないので本当にそこだけが強調されています。

もっとも、原作が日本のアニメだと、ランク自体は、その人の努力次第で上がるというものが多いので、それはちょっと極端なのでは?と感じる人が多そうです。

ただ、この辺は、「親ガチャ」で生じた貧富の差がその後も覆すことが難しいと思っているのか、そうでもないと思っているのかといった社会に対する見方の違いなどが関係していそうです。
(参考:【世宗聯合ニュース】(2021.11.17)「韓国統計庁が17日発表した「2021年社会調査」の結果によると、韓国の成人の6割はどれだけ努力しても社会階級の移動は難しいと考えていることが分かった。また、過半数が子どもの世代でも階級移動は容易ではないと考えていた。」)


【強くなると見た目が変わる】
また、本作では、賛否あるとは思いますが、別人レベルで主人公自身の見た目が変わってしまう。
確かに、強くなれば顔つきや体格などの見た目も変わるのが自然なので、主人公自身の見た目が変わらない方が実は不自然なわけです。

その一方で、本作では防具(外装)が全く変わらない。原作が日本のアニメだと、主人公自身の見た目がほとんど変わらない代わりに、防具だったり、オーラなんかが出て外装に変化をつけるパターンが多いですよね。

どっちがいいかは価値観の違いもあるのでとりあえず置いておくとして、異文化交流ではないですが、他にも日本人がこれまで当たり前だと思っていた部分との違いを感じるかもしれません。


【ファンタジー文化の受容の仕方の違い?】
この辺の違いについては、ファンタジー世界の受け容れ方が日本と海外で違うからなのかなと考えています。

どういうことかというと、日本人が、アニメ、漫画、小説、ゲームといった幅広い分野で長年かけて培ってきたファンタジー世界の雰囲気みたいなものを、海外の人は、基本的に漫画と小説をほとんど見ないので、主にアニメとゲームを中心に受容してきた。

したがって、日本で培われてきた、暗黙の了解的な、お約束的な部分まで伝わっていないので、感覚のズレが生じているのかなと。逆にいえば、お約束に縛られていないので、自由な発想が生まれる。あくまで1つの推測ですが。


【エポックメイキング的な作品かも?】
最後に、今回、あのA-1 Picturesが韓国のウェブトゥーン作品をアニメ化したというのは、エポックメイキング的な作品になるんじゃないかと思ってます。

まず、アニメ化できそうな原作が少なくなってきているという台所事情がありそうです。したがって、他にも日本で人気のある韓国発のウェブトゥーン作品があるので(例えば、『入学傭兵』)、本作の海外での成功をきっかけとして、これから増えてきそうです。

次に、韓国のウェブトゥーン作品は、スマホの縦読みにあわせているので、日本の漫画と比べてコマとコマのつなぎが荒い。なので、特に戦闘シーンは、動画にするとより迫力が出るのでアニメ化に向いてそうですし、現にA-1 Picturesがウェブトゥーン版を超える見せ場を作っています。

また、そういった動画での表現の余白が大きいので、アニメ製作者が独自性を出しても「原作改変」と叩かれにくいという事情もありそうです。

現に、本作のアニメ版はウェブトゥーン版と比べて、本作の中ボスというべき「アリ」型モンスターと戦うまでの経緯をより丁寧に冒頭から描いていて、そこを意識して内容を追加・変更しています。


【音楽】
『アルドノア・ゼロ』、『Re:CREATORS』、『86』などの澤野弘之さんが担当。ぶち抜けてかっこいい。


ということで、これから本作のような作品が増えてきそうなので、予習がてら、「日本のなろうアニメは世界からこう見られてる」的な視点で観るのも一興かと思いました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

正直者のだむ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

A-1pictures制作への不信感(推敲後)

この作品に対する過程としては
①アニメになる前から絵柄が好きで知っていたが、A-1のせいで分からなかった
②アニメ化のタイトルで敬遠していた
③海外の反応が良いのはステマとアニメリアクション芸人のせい
⑤反日内容だと知った
⑤1話以降見ていなかったが8話を見る機会があった
⇒ここで再視聴開始
後の9・10・11話・12話で引き込まれた

良い面
:力関係が全ての世界
:ダンジョン内での出来事は当事者しか知りえないが故の、モンスターだけでなくハンター同士の闘争

微妙な点:A-1picturesが制作
どっかの下請け制作会社なんだろうけどまぁまぁいい出来栄えだったなと思い、アニメ見返していたら、A-1。ほとんどOPは飛ばして見てましたから。
確かに既視感があったけどもこれが今のA-1の実力

以下各総評

作画:
アニメが終わって、余韻でYoutubeで色々見ていたが、韓国のPVやAMVの出来の方が迫力はあるし、絵柄は好き。
気になる方がいるのであれば
・SOLO LEVELING MMV 「 AMV 」 Rise
・【PV】『Solo Leveling』 OST - Echo (feat. THE BOYZ)
この二つはアニメでは無いですが、アニメより迫力があります。

音楽:
サントラ最高にハマりました。サントラCDはたぶん買います。

反日:
自分も当初は最悪な印象だと思っていたが、よく考えてみれば、今の日本人にどれだけナショナリズムがあるのか。個々の利益を追求し、グローバル化等など、もう日本人という括りで攻撃をされたとしても、心が動じることなど無いのでは?
果たして周りの同族は自分を守る存在だろうか?
むしろそれぞれが防衛態勢で、いがみ合って仕事も責任の押し付け合い。
もう戦後の日本人気質など失われているのに、今更日本人と括られた所で心に響かない。それが虚構作品であるのならなおのこと。

現在の韓国の思想教育に染まっている層にはうけるだろうことは容易に予測できるし、そもそもなろうという題材がそう(一定の層狙い)なのだから。
それに、無能にしたくなるのはそれだけ脅威である存在だということの裏返しの心理かなと。同じように技術で輸出入を競う国であるわけだし。

声優:見返してみて
凄い充実してる。
一番は10話の登場人物アン課長。正直ここで作品に引き込まれたのかもしれない。発音はもとより息遣いから声の抑揚まですんごい。
次にソンさん
キム
ジンホ
脇役勢が凄くいい味出してる。
そして敵役のドンソクは素晴らしい。
主人公は幼い声と低い声でイケボで必死な叫び声が可能という難しい条件のようだし、良いのでは?
ただ細かいところまで気になる自分としては、意識しすぎな低域と匂い立つオレオレ感、そして戦闘中の掛け声はもっと真に迫って欲しい。
続編が出ると思うので、改善されることを願う。

総総評
外国市場の参入もあるだろうが、それ以上に、細分化した日本のアニメ関連企業によって、製作本数は増加するのに時間はかけられない。その為、自由度の低下によってアニメーターは育たないので当然、質が落ちていく連鎖。
コンプライアンスは悪化というか露呈や露見。日本人アニメーターの減少
...。
もう諦観してますが、もしかするとこれからの時代はアニメは衰退して企業参入の「AMVやMADの時代が本到来」するのかも知れませんね。
だとしても飽和するのでしょうが。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

74.1 4 戦いで異世界なアニメランキング4位
陰の実力者になりたくて! 2nd season(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (216)
847人が棚に入れました
「陰の実力者」に憧れた少年は、道半ばで命を失い、シド・カゲノーとして異世界に転生した。新たな世界で「陰の実力者」設定を楽しむことにしたシドは、陰に潜み、陰を狩る者――シャドウを演じ、付き合いのいい配下の少女たちと闇の教団に対抗する「シャドウガーデン」を組織する。すべては妄想の産物……そのはずだった。ところが世界の闇たる「ディアボロス教団」は実在し、シドの知らぬところで「シャドウガーデン」は教団との抗争を繰り広げていた。次なる舞台は「血の女王」「妖狐」「暴君」の三勢力が統治する無法都市。そこは、ならず者がはびこる弱肉強食の世界だった。吸血鬼たちの支配者「血の女王」の討伐のため、姉のクレアに連行されてきたシドは、またとない「陰の実力者」ムーブの機会に心を躍らせるのだが……。「血の女王」を巡る陰謀が動き出し、無法都市は三つの勢力が入り乱れる。さらに姉のクレアも騒乱に巻き込まれ、シャドウガーデンも独自に行動。混沌を極める中、シドは人知れずシャドウとして暗躍しようとする。赤き月は昇り、覚醒の刻は来た――!
ネタバレ

こま さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

12話最終回視聴。穴に吸い込まれる主人公!そして劇場版制作決定!やったぜ!!

1期視聴済み。マンガは最新刊まで購入済み。2期以降の部分だけ読んでない(あとから読む派)


なんやかんやあって、あんながこんなで、そんながどんなで、これこれこうして、こんな感じがこうなってぇえええ!こうだ!
ワロタw

まあ1期からそこまで経ってないし、ある程度は覚えてるので個人的には問題無いが…2期から観た人は…2期観れるなら1期も観るよねたぶんw
とは言え2期から観ても作品の雰囲気、どんな感じなのかは分かりやすいと思う。
作品紹介も既存キャラ紹介も分かりやすい。

シャドウも7陰も相変わらずで良いなぁ。
ベータも変わらないなぁw

盗られたら盗り返す倍返しだ!
シャドウ、セリフが気に入ったのか同じセリフを繰り返す。壊れたラジオかなw
不穏な空気が漂うもののシャドウはあの感じなのでギャグアニメにしか見えないの笑うw

待ちに待った2期が来た!楽しみ!視聴確定。

2話視聴。
{netabare}〇〇アトミックで終わるw

相変わらずシャドウは壊れたラジオの如く「死にたくなければ逃げろ。暴走が始まる」
「月が赤い…もう時間がない」「死にたくなければ逃げろ。残された時間はあと僅かだ」
人がいるところでひたすら言いまくるwどんだけ気に入ってるのだろうw

今回もシリアス回だが、シャドウが気の抜けた喋り方で登場するのでアレ?シリアス回だよな?とか思ってしまうの笑うw

アレは流石に予想外の出来事だった…。初見で予想出来るわけがないw
登場の仕方を変えたいと言って登場した瞬間終わった()

これから始まる!とか思ってたのにアレはちょっとw
ちなみに3話以降はちゃんとあるよ!やったね!{/netabare}

3話視聴。
{netabare}シャドウ何も考えていなかった事が分かるw
ベータが戦ってるのを見るの初めてかな?
〇〇〇〇がアトミック唱えてるのワロタw
毎回思うが会話が噛み合ってないの笑うw
「ガンバえー」確かに3歳児w
改めて思ったがシャドウってチートだよねコレ…。
そう言えば忘れてたけどこの都市の建物の景観ヤバいなとw
貯金箱とか言ってるぞコイツw

はぁ毎回面白くて良い…。{/netabare}

4話視聴。
{netabare}最初新キャラかと思ったよw
そう言えば地味なあったよなぁ()
話しの内容で察した()
一般女性が盗賊っぽいのに襲われてナイフで服と下着を切ったと思ったら…。

毎回思うけど計画がガバガバなの笑うw
指摘されるもごり押し→深読みした結果驚かれるいつもの展開()
まあ確かに子供なら誰もが考えそうな事だけどもw実行したやつ初めて見たw
そしてデルタ回。いつものように全裸w(下は履いてたか?)
シャドウの上で毎回いろんな体勢でいるのにいつも通りなシャドウ。まあ無いもんねw
「なら1人くらいは良いか」1000は凄いなぁw
コレまた無駄に終わるんだろうなぁ(トオイメ{/netabare}

5話視聴。
{netabare}ガンマの実力が明らかに…ビームサーベルの持ち方が野球のバットの持ち方なの笑ったw
とにかくテキトーに攻撃するが当たらないwただのごり押しである()
そしてひたすら転ぶ…転んだ瞬間終わっていた…。
最後のアレはやりたい事リストの1つなのだろうか?指の動きが無駄にカッコイイの笑うw {/netabare}

6話視聴。
{netabare}匂いで分かるの草wそしてコレ前にも見たなw
そして話しを聞かない噛み合わない同じ話しを繰り返すwうーん、この()
ジョン・スミスの実力が明らかにw
相変わらず糸を使って今度は7陰2人を圧倒。

シャドウ演出を優先するあまり健康を害すw演出<健康とは?
今回は糸を使ってのバトルが凄まじい。相手が強いと戦いが映えるの良いねw
この感じだとこれ以外も使えるのかな?
杉田さんも大概だったけどそれより酷いとかw{/netabare}

7話視聴。
{netabare}まあ簡単に言うとこれの所為で聞こえなかったの草なんだ。
まあ確かに何か聞こえてた気はしてた。
ようつべで確認してああ、なるほど()
なのでようつべで確認するか2度観ることをオススメする。

今回も気の抜けた話し方するのと相手の所為もあってシリアスがシリアスになっていないw
ボイ◯レ◯ーダーで世界が消滅するだと!?血濡れのサン◯ク◯ースとかよく分からん話しになってるよw「アレ?アレ?話しが繋がらないね?繋がらないね!」

今回で2回目だからね仕方がないね!といういつもの展開デスネ。
そして見つかったアレの中身は何だったのか?{/netabare}

8話視聴。{netabare}8話だけ観るのもオススメ!
男の腹筋ピクピクとか乳首なんていらんのよw
モブ2人に関してはいつも通りなので安心して観れると思う(少しだけ見たけど結局…)
相変わらず扱いが酷くてワロタw

とにかく7陰の水着はエロかったw
他にも温泉に裸にウサミミバニーガールにお尻。…に便○薬w
一瞬欲しいとか言ってた気がするが気のせいだろうw
副作用で穴という穴から体液がダダ漏れw〇〇○ピンチ!幼児化wウサミミバニーのお尻w
こんなので良いんだよw回w

前期のOPのアレをここで回収。

そして当然の流れ…2人の戦いはコレからだ!
声すら出ないのは初めてか?{/netabare}

9話視聴。
{netabare}そう知ってる人は知っているドラゴンクエストである!たぶんゾーマな気がする…。
…だけど女の子にこの格好はちょっと…とか思ってたけど、なんか違うからいいか!

最初誰だっけ?とかふつうに思った。名前で呼んでるし親しいよねコレ、学生?先輩?それともそれ以外で誰かいたっけ?と。
そのまま観てると思い出した。暗くてちゃんと見えてなかった気がするけどこの人か!
服着てるとこんな感じなのかー。

そして…女の子が自分の胸を持ち上げていた…ただそれだけ。
たとえどんなにシリアスで女の子が大変な状況でも見てしまうのはしょうがない…しょうがないよね?
久しぶりのシドの弱弱モブプレイ。ボコボコにされお尻が半分とか久々見たなw
「誰だか知らないけど分かってる奴がいるじゃないか!ボクも負けてなられないな!」…うん

「前からやってみたかった囚人生活を堪能しつつ…」!?違うそうじゃないw絶対違うw
スリル&サスペンス!そしてプリズンブレイク!!目立ちつつ目立たないで目立つとは?

欲しい物は殺してでも奪い取る。良いよね?無法都市ルール。ボクは好きだよ?
要するに強い奴が正しい。つまりボクが正義だ!

「社員番号か何かかな?」まあ知らなきゃそんな反応になるよねw
ただ全く何も知らなかったのには驚いたけどw

〇〇…?ローズ先輩が〇〇!?ボクの陰の実力者プレイを捗らせる為には彼女が〇になる事が必要なんだ!待っていろ!ローズオリアナぁぁぁぁあああ!!{/netabare}

10話視聴。
{netabare}テンプレ悪巧みが始まる!と思ったら始まるのかコレ…。

今こそ僕の磨き上げた縮地が輝く時!…まあ飛んでるしね今更だよね。
縮地って聞くと個人的にはネギまかな。あと似たようなのだとBLEACH、ワンピースもかな?

「スライム率99%…重心の移動に合わせて常に微細な魔力操作を繰り返しているカオス理論すら想定した無駄に無駄の無い無駄な努力。〇の努力の賜物かなって。」
ここまで分かるのも凄いがここまでしてるのも大概w

テンプレ悪役w
「モブにすら手を抜かないテンプレ悪役スタイルとは。その生きやよし。」
「みんなの血税の仇は僕が取るよ。」いつものやつw
触手が見えてんの草。
かなり目立ってたけど大丈夫?

メイドさんはスライム率0%!
手を擦って外したのかアレw
年俸制かーw
美女の誘惑を宗教の勧誘てw
確かに落ちかけてはいたような?

足が震えている?少なくとも主人公は震えてない…。てかすごい体制だなw

一言も喋ったことがないのに愛し合ってるとは?
相手の事を全く考えてないとああなるのか(白目 
表情が分からないってスゴイネ!
自分の好きな相手がイケメン王子様に見えるアレかなw

クッキー食べながら真面目な話ししてるんだけどナニコレwそれも喋ってる間中()
シリアスな場面なはずなんだけど…。食べかすも気になってしょうがないw
ただ…「あなたには覇王になって欲しいんだ!」「私の事をそんなに…!」コレである()

またもやお風呂で股パチンする主人公!オシリw
ベータに対するイータのアレは昔からかーwなるほど前回のアレはそう言う事か。

まず中身を確認しようか!
悪者さん色々企んでるんだけど…さて中身はどこに行ったのでしょうか?(トオイメ{/netabare}

11話視聴。
{netabare}握られた手を外そうとするが外れないwそして顔よw
ストーカーは自分がストーカーである事には気付けない!さてストーカーは誰でしょうか?
へのへのもへじ草。
何で裸にネクタイで演奏してるのに皆んな気付いてないんだろうね?

男女2人が部屋に居て男がズボンを履いてるとアレに見える不思議。
黒きバラ…ああ脱獄した後のやつか。リーダーはあの2人w「アレはなんか違ったしなぁ。」
いつもの話しが噛み合ってない花壇のお話し。
地面歩いてると思ったら…。

母親と濃厚なディープキッス!したのは誰でしょう?
ある場面を目撃したが…この顔は初めてかなw
「コレはアカン。異世界ファンタジーじゃなくて○ドラになってる。どうにか夕方6時台に軌道修正しないと。」やってるの草。コレ見せたらあかんやつ()
なるほど一期の黒幕はこの2人か。ああ…うん…なんか…ごめんじゃないw
ここで耳にくるやつ来たー!!

お風呂で体を洗おうとしたら…本物に見えるレベルかー。
相変わらずの比較対象w「よくぞここまで辿り着いた。」
そして一緒にお風呂!まあ見えるわけがないけどね!

やっと気付いたか…おせぇよ!3回同じ事してんのホントw慌て過ぎるのもまあ分かるw
まだ探してるよ()この子はどこにでもいるなぁほんとw

こうなる事を分かっていて託したのか…。分かっていてもああいうの好き。

そして最後!個人的にアレはテンション上がる!こういうの好きな人多いじゃないかな?
…まあでも一言。がんばぇぇぇぇ!{/netabare}

12話最終回視聴。エロいだけじゃなかったメイドさん!
生首二つと体が半分。今回結構グロいかな。

「流石異世界!コウモリもスケールがデカイ」アレをコウモリ呼ばわりw大災害来たー!
やっぱりこのメイドさん有能だったか。

前髪焦げただけで済んでるのホント草。
糸がお気に入りになったシャドウ!観てて楽しいからイイけどね!
モードレットさんアーティファクトフル装備なのに重症!見た感じ体削られてる?
いつもの、みんな死ぬんだからペラペラ喋ろうか回。
イイよね!別世界!神隠しにアトランティス!
オレは逃げるけどお前達は滅ぶのだ!!グシャ()コレもいつもの。

「ラスボス戦みたいで楽しい」「挙げ句エフェクトは使い回しか」
生きてたけどぼろぼろだったので融合!
「典型的な失敗作だな」デルタ以下とか言われるラスボスさんかわいそう…。
そして宇宙…来たーー!!

色々説明してるんだけど途中から分からなくなり何時ものなんやかんや以下略。
「とにかく凄いエネルギーで。まあ原理なんてどうでもいいか」
ここで耳に響く新アトミック!相手は消滅した!
「たまには力押しの脳筋プレイも悪く無いよね?」
アレ?何時ものは脳筋じゃないと?

アトミック放った後に土星?と惑星がいくつか見えた。似た世界なのか?

フラグはいつもの様に立っていた…ので開いた穴に吸い込まれるシャドウ!
ここってもしかして…。でも何か違う?何この終末世界…。
ある人物が救世主扱いなのだが…。酷い目に遭うのは運命なのだろうか?
何とかスレイヤーさんを知ってる人が居るって事は…。

救世主さん見た感じ魔法みたいなの使えてたし魔力があるのかな?
とは言えあっさり捕まってるし、ここはそこまでじゃない?
そうなると最近観た現実世界をも無双する展開になるんだけどいいのかw
さてホントにこの世界にシャドウが必要なのかw
オマケでベータ巻き込まれてて草。

劇場版(続編)制作決定は素直に嬉しい!けど3期も来て欲しい。
まだまだ先になるだろうけど気長に待ちますか。

最初から最後まで楽しく観れるアニメって良いね!終わり。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

3期早く。同時発表しなきゃダメでしょ?追記 やっぱり映画でしたねえ…

 まあ、最後にきてすごい引きでした。世界観の提示とあの方の再登場。途中不満がないわけじゃないですが、上がりの3話が面白かったので、問題ありません。

 そう…物語というのはこうじゃなきゃいけません。伏線とか設定とかエピソードとかそういうのもいいですけど、重要なのは「展開」です。当初は凡百の異世界ワールドかと思っていたら…ですね。1期のOPとかいろいろ仕込んでそうでしたけど。

 本作はテーマ性は薄いですし、シャドウそのものはギャグ・アクション担当です。
 しかし、アルファ、オリアナ、クレア、アレクシア、シェリーなどサブキャラのキャラ造形がとても良くて、そこに感情の部分がはいります。この2重構造が「ワンパンマン」とは違った(いや、似てるか?)究極の俺TUEEEを実現しています。加えて、最終回でこの世界観です。エンタメとはこうでなければ。

 最終回はすごかったですが、オリアナをもう少し描いて欲しかった気がします。

 2期はやっぱり6話のアルファとオメガの対比が一番面白かったかな…単一回の演出というか脚本のうまさでいえばかなり上位に入るくらい良かったです。
 で、スタッフ調べたら、2期は脚本・シリーズ構成が全話加藤還一さん、絵コンテ・監督も全話中西和也さん、総作画監督が1話除いて飯野まことさんという方が担当されたんですね…え、ということは完パケなの?だからクオリティが高かった?

 どうせ人気出るのわかってるなら、同時発表しなきゃダメだろう?と思ってしまいますが…どうでしょう?こういう贅沢な作り方だと3期時間かかるんですかねえ…それとももう準備してるとか…早く発表してほしい。

 続きの発表ないのと、ちょっと面白くない回が2,3話あったので今回はストーリーは満点にしません。4かな。音楽と声優も4。キャラと作画を5とします。
 3期の発表みて、8話を再評価した上でもう1回評価すると思います。え、劇場版かも??考えたくないなあ…


 原作5巻くらいまで読んでて6巻も買ってるんですけど、アニメの方が圧倒的に面白くて途中から寝かしています。もう我慢できないので読みますけどね。



追記 映画かも…といやな予感が走った直後に映画の発表があり、ちょっと落ち込んでます。

 映画…お金はいいんですけど、面倒くさいのと1回だけしかみられないのでコスパと言うより、面白いところを何度もみたいんで…お金取っていいから配信になりませんかねえ…

 それと、テレビだったら見ていた視聴者は離れないんでしょうか?シリーズが下火になって逆効果はないんでしょうか?私は「青ブタ」は面倒になってしまいましたし…せっかく原作ファンだったのに作品そのものから心が離れてしまいます。その辺、マーケティング的な成功失敗は大丈夫なんでしょうか?





1話 話が分からない人は置いて行く潔さが爽快。期待以上です。

{netabare} 2期になってレベルが上がって帰ってきました。この作品を楽しもうと思わない人を置いてけぼりにする展開のスピードが潔くて素晴らしい。登場人物の説明もないです。「死にたくなければ逃げろ」「月が赤い」が気に入って、言いたくなってついでに人助けしている、というのは本作を理解している人に説明は必要ありません。そこが分からない人は1期から見てください、2期なんだから分かる人だけ見ればいいという感じです。
 この作品のクオリティに自信が感じられる無駄を省いたテンポがいい演出が素晴らしい。この制作陣には信頼がおけます。変な課金も独占もないし、風格すら感じられます。

 この超悪乗りでご都合主義の展開が面白く爽快なのは、原作の面白さをちゃんと理解し、マインドをそのままあるいはそれ以上に再現しているからでしょう。
 数多の作品が2期でクオリティを落とす中、大満足の1話となりました。このまま突っ走って欲しいです。{/netabare}


4話 通貨についてかなり面白い話です。
 
{netabare} 信用の本質はやはり感情です。貨幣に疑いが起きればハイパーインフレと取り付け騒ぎになります。そして紙幣の発行は国だけが出来るというのは法律があるからで、その法律が無ければ自治体や私企業でも紙幣は発行できます。その点では本作の今話のやり取りは正しいです。というか、その点を取り上げたのは面白い視点です。複数の紙幣が混在している状況でニセ札による信用のダウンはなかなか物語として理屈が通っています。

 そして、結構鋭い話なのに、相変わらずすっとぼけと真面目が混在して非常に面白かったです。導入の3話のあとで雰囲気が変わらないか見届けました。今期も安定のクオリティですね。{/netabare}


5話 本編が面白いというレビューはもういいでしょう。EDが良いですねえ。癖になります。

{netabare}  5話のEDテトリス花嫁オメガ…よかったですねえ。まあ、そこまでキャラには萌えないのですが、センスといか見せ方というか、とにかくいいです。クセになります。前期のアルファがかなり良かったので、2期はちょっと落ちるかなと思ってましたが、5話で認識を改めました。

 曲ですが、ドラムと管楽器の使い方が面白く、不思議なリズム感がものすごい引っ掛かりがあります。ただ、メロディーを思い出そうと思っても思い出せないという現象で、また聞いてしまうという感じです。
 この難しい歌を平然と…かどうか知りませんが、歌い切る声優さんは本当にすごいですねえ。

 本作はこういうところまでレベルが高いです。原作06巻も届きましたのでしばらくは楽しめそうです。{/netabare}


6話 あれ?信用創造じゃなかったっけ?兌換紙幣なの?俺TUEEEが生み出す歪な構造が、かえって色んな視点の物語を構成している。

{netabare} あれ?換金っていってますが、兌換紙幣だとすると、信用創造の問題じゃない気がするのですが?信用創造の場合は貸付と貸出の規模を裏付けなく「信用」だけで増やすから、取り付け騒ぎが起きるんであって、換金する「金(キンのほう)」があるならその金の範囲でしか、紙幣って発行してないからそもそも取り付けが起きようがない気がするのですが。

(追記 ちょっと調べました。話を追うと金の預かり証としての紙幣の性質と、信用創造をごっちゃにしているみたいですね。信用創造を始めた段階で金本位を止めないと、そりゃあ破綻します。これはニセ札関係ないです。そもそものミツゴシ銀行のやり方が詐欺みたいになってます。金との交換に応じるなら、紙幣と金の量をそろえないと…ドルで言えばそれがアメリカの中央銀行の地下金庫にあったと言われている金の備蓄です。たしか「007ゴールドフィンガー」に出てきた気がします。)

 それはともかく、面白いです。デルタとアルファの戦闘シーンが非常に良かったです。

 そして、俺TUEEEの歪さを逆手にとって立場による違いが非常に興味深い物語の構造になっています。デルタとアルファの知能の差によって、その構造が上手く表現されていました。
 ワンパンマン的ではありますが、本作はアルファ、オリアナそしてシャドウ等々いろんな立場がエピソードで途切れるのではなく、ストーリーの本筋になっているのが秀逸です。6話はそこにデルタが加わったのがいい対比となりました。無条件の信頼の対比ですね。
 1つのストーリーなのに様々な視点から状況を俯瞰するような展開が非常に面白いです。

 アニメの出来も含めやっぱり出色です。6話も非常に満足しました。


追記 デルタとアルファという対極ともいえるけど、もっとも強い2人のキャラとの戦いを1話に入れて、対比を見せるのが工夫したなあと思います。

 そして、その映像化の迫力が凄い。デルタが列車に迫ってくるシーンは鳥肌もので、一方で待ち受けるアルファ。性格が表れています。戦闘シーンも他では見ない丁寧で工夫があるバトル映像でした。

 そしてどちらもシャドウの正体に気が付きますが、その反応の違いがまた良い。
 ストーリーというより演出、画面作り、声優さんの演技も含め、コミカルでもありシリアスでもある見事な映像化でした。{/netabare}


7話 アルファの美しい涙すらギャグにする2重構造が素晴らしい。

{netabare} 本作の面白さが良くでてましたね。シャドウの思惑は矮小で目先の金が欲しい。それ以外のシャドウガーデンや大商会連合は真面目に経済戦争をやります。七陰はシャドウの考えが読めずシャドウの思惑の曲解で一喜一憂している。

 この2重構造が生み出すギャグを端的に見せたような話がこのニセ札編でしょう。
 それはまさにアルファとデルタの対比であり、本編と「かげじつ」の関係でもあります。

 まあ、ちょっと強引ではありますけどね。シャドウというよりはアルファのキャラ性が優れているからこそできる構造でしょう。原作をビジュアル化するときにこの2重性が胆であり、そこを強く意識したんだと思います。それが6話の2つのバトルだったんでしょう。原作にほぼ準拠しているのにアニメの方が各段に見せ方が上手かったです。だから、7話でのアルファの感動の涙がギャグになるということになるんだと思います。 {/netabare}


8話 くだらなすぎて草。逆説じゃなくて本当にくだらなかった。

{netabare} アニオリで期待してたのに…正直あの2人は普段から邪魔だったので、もう出さなくていいです。{/netabare}


9話 少しシャドウの出番を減らして真剣なパートを描いて欲しいかな。

{netabare} オリアナの深刻な想いと、シャドウのいつものフィクサー芸ですね。面白いし、演出はさすがという水準ではあります。

 が、シャドウのコミカル面よりそろそろ女性たちの物語中心に描いていいんじゃないかなと思います。シャドウパートは清涼剤としてコミカル担当で、もうちょっとじっくりオリアナとか他の女性を描いて欲しい。

 まあ、新エピソードのスタート回なのでしょうがないですが、6話のアルファとデルタの対比が素晴らしかっただけに、少し緊張感のある掴みが欲しいですね。{/netabare}


10話 9話よりかなり面白かった。視点なんでしょうか?

{netabare} 9話よりも圧倒的に面白かったです。オリアナ、七陰等の真面目な行動が相対的にギャグになるから、視点をシャドウに合わせない方が面白いということでしょうか?

 そしてギャグと同時にオリアナのシリアスストーリーにも感情移入ができるので、本当に不思議な作品です。 {/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「月が赤い……暴走が始まる……もう時間がない」

引き続き原作未読で視聴継続。

【物語 4.0点】
全体構成は1期の2クールから2期では1クールに。
その中で「無法都市編」「偽札編」「オリアナ王国編」3つのメインエピソードを展開する。

内容は相変わらずシャドウ様が転生異世界にて、
陰の実力者プレイ時々モブムーブを満喫。
シャドウ様が最強過ぎて周りが深読み、翻弄されるループ。
シャドウもレビュタイに拝借させて頂いたお気に入りの決め台詞を何度も繰り返し、
ロールプレイをエンジョイされているようで何よりですw

とは言え、そろそろこのパターンも2期でさらに3ループもすると飽きてくる頃?
と思い始めた矢先の最終回。
(※核心的ネタバレ){netabare} 異空間転移を経て元の世界に戻ってきたシャドウ様。
彼が転生後サイバーパンク気味に崩壊した故郷という{/netabare} 衝撃的なシナリオ転回からの、
続きは劇場版「残響編」で。

これまで私はシャドウの陰の実力者妄想に現実が追い付く物だと思っていましたが、
転生にまで突き抜ける彼のロールプレイ願望そのものが次元レベルの崩壊や新生をもたらす特異点なのでしょうか?
私にとっては近年でもかなりワクワクする続きは劇場版で!の“叡智”の提供を心待ちにしております。

本作は2期1クールというより1クール+劇場版≒2クール相当の企画として捉えた方が良いのかもしれません。


「偽札編」にて信用創造が“陰の叡智”として転生異世界にもたらされ、経済戦争を巻き起こす件。
異世界転生界隈でもこうした経済ネタが提供、消費される素地があると分かったことが収穫でした。

無自覚に世界を振り回す主人公最強同士として『オバロ』のアインズ様とコラボすることが多いシャドウ様。
ここは同じくKADOKAWAが今年4月の新作アニメ放送から再起動を目論む『狼と香辛料』のホロ様との絡みも見てみたいです。
「偽札編」ではケモ耳も多数供給されたことですしw
ジョン・スミスとロレンス中の人同じですし。


【作画 4.0点】
アニメーション制作は引き続きNexus

バンパイアあり、列車上でのワイヤー武器による高速バトルありとバトルアニメーションは変わらずリッチ。

そんな中、作画の力を感じたのは最終回でのデジャヴを狙った対比。
(※核心的ネタバレ){netabare} 崩壊した現実世界にて、1期1話と同アングル、構図を多用して、{/netabare}
1期からの伏線も回収しつつ視聴者にカタルシスを与えたり、{netabare} バール最強{/netabare} のトラウマをほじくり返したりするw絵作りが巧妙でした。
視聴者の記憶を呼び覚ますには、説明都合のセリフや文字情報を長々と垂れ流すよりも、
映像で刺激した方が効果的であることを再認識させられました。


息抜き回となった8話のアニオリ水着回。
巨乳(一部虚乳)揃いのシャドウガーデンの美女たちの水着姿も眼福でしたが、
私が嬉しかったのは1期OPの白スーツの彼女たちの躍動が本編でも見られた事。

あの1期OPは現実世界の高校にヒーローとして身を潜めるシャドウガーデンというネタ映像かと思っていましたが、
2期を完走した上で見返すと、
シャドウが異なる宇宙の自分を観察している感もあって何とも意味深に感じちゃうんですよね。

そんなこんなで2期OPで描かれたシャドウ様の半生振り返り映像風にも、
何かヒントはないかと深読みしてしまう私。
完全に掌の上で踊らされていますw


【キャラ 4.0点】
私が1期で今後一番注目したいと思っていたオリアナ王国の王女ローズ。
「オリアナ王国編」でピックアップされ、おまけにドエム・ケツハットの陰謀も再提供され、
金髪や姫の転落ネタが好物の私は大満足。
シャドウ様はローズに闇の覇王覚醒ルートなどをご所望のようですが、
私は姫にはもう少しピュア路線寄りで救済と幸福をつかんで欲しいと願ってはいます。

もう一人私が1期で、またいつか見てみたいと思っていたヒロインの(※核心的ネタバレ){netabare} 西野アカネ。{/netabare}
意外と早い供給かつ、戦う黒髪美少女という、こちらも好物に再加工され提供され、望外の喜び。
そういう意味でも新作劇場版「残響編」の鑑賞は私にとってマストです。


1期では名前すら把握しきれない内にいつの間にか増殖していた感のあったシャドウガーデンの美女たち。
私は誰が推しかは未だ目移りしたままですが、一緒にいて安心できるのはデルタかなとは思いました。

シャドウに崇高な哲学があると信奉して真剣に迫ってくる絶世の巨乳美女ばかりだと肩が凝りそうでw
それよりはご主人様~♪とペットみたいに懐いて来るデルタ辺りとアホな掛け合いを繰り広げながら、
埋蔵金を発掘したりしている方が楽しいかなとw


【声優 4.0点】
主人公シド・カゲノーことシャドウ役の山下 誠一郎さん。
モブから最強までの振れ幅をカバーする彼の演技をさらに補完するゲストもスパイシーな本シリーズ。

今回は「偽札編」でシャドウが変装したジョン・スミス役に福山 潤さんを起用。
シャドウ様の特徴も捉えつつ、シャドウと既知の中であった狐も騙す変装の説得力も押さえる流石の演技。


“血の女王”エリザベート役に早見 沙織さん、教団第9席モードレッド役に子安 武人さん、強そうだったのにあっという間に退場した{netabare} CV.杉田 智和さんw{/netabare} など、
対峙する勢力の要所に実力者を配しキャスト陣は豪華。
シャドウ様も暗躍しがいがあります。


一方でヒョロ・ガリ役の松岡 茉優さんは、引き続きジャガ・イモ役の松重 慎さんとのタッグで、
アフレコで突如アドリブで{netabare} 「シドくんお金~♪」{/netabare} と高らかに歌い出すwなど、
届かぬ美女ナンパと一攫千金の夢を追い掛けるお約束のモブムーブを磨き上げる。


【音楽 4.0点】
OP主題歌はOxTが「grayscale dominator」で続投。
これまた複雑なピアノ伴奏にテクニカルに裏声を交える、カラオケで歌えなさそうな難曲でして(苦笑)
余人が立ち入れない世界観を構築し、『オバロ』と比肩するOxTの異世界転生アニメシリーズ主題歌提供は続きそうです。

『オバロ』方面からの刺客と言えば偽札編をバラード曲「Everything is Changing」で締めくくった前島 麻由さん。
楽曲提供は作詞・川田 まみさん、作編曲・中沢 伴行さんの夫妻。
まみさん歌手引退後もこうして音楽活動が続いていることを確認できると私も嬉しいです。


ED主題歌は引き続きシャドウガーデンのヒロインズが持ち回りで「Polaris in the Night」を歌唱したり。
最近知って衝撃的だったのが、ED担当順は監督がサイコロ振ったりして適当に決めていたという事実。
一見ランダムに思える順番にもきっと意味があるはず?と考察しかかっていた私w
やはり私はシャドウ様の言動を深読みし過ぎて踊らされるタイプの凡俗のようでw

そんな単純な私が、ラスト、最終話タイトル回収と共に挿入された{netabare} 1期OP「HIGHEST」{/netabare} で舞い上がったのは言う間でもありません。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

71.5 5 戦いで異世界なアニメランキング5位
転生したら剣でした(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (249)
807人が棚に入れました
転生したら剣でした――。 「知性を持つ武器(インテリジェンス・ウェポン)」と呼ばれる”剣“として異世界に転生した彼は、装備者との出会いを夢見ながら、孤独にスキル収集に励んでいた。 ある時、迂闊にも魔力を吸収される「枯渇の森」へ踏み入り、一歩も動けなくなってしまう。途方に暮れる中、奴隷として虐げられていた黒猫族の少女フランに出会う。 フランは巨大な魔獣に襲われ、絶体絶命の危機に陥っていた。彼女は眼前に突き刺さっていた彼を引き抜き、その力で窮地を脱すると、彼を「師匠」と名付けて正式に装備者となるのだった。 冒険者となったフランと師匠は、お互いにスキルを磨きながらクエストをこなしていく。フランは強さの果てにある「進化」を目指すために、師匠は少女の「願い」を叶えるために。 猫耳少女と親バカな剣の大冒険が始まる!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

再評価。キャラの独自性は評価できますが、設定のテンプレは減点要素。

23年10月 再視聴…といってもポイントポイントを飛ばし見ですけど。4点以上の異世界転生ものは冷静に考えると相当良い作りじゃないと付けられないなあと思い本作を再評価しました。

 本作は4.1をつけてました。で、見なおしてもちゃんと面白いです。面白いですけど、ストーリー4.5とキャラ5はないですね。声優も調整点で4.5でした。
 展開は悪くないですがやはり設定をテンプレに頼っている点で独自性がマイナスです。そして2期発表は好感がもてますが熱が冷めるのでストーリーは3.5に修正します。

 キャラで4.5を超える水準はよほど独自性があるか作り込まれてないとなあと思いました。異世界のテンプレを2.5スタートとすると、剣という無機物に転生するのは目新しいのでその点ではいいし、ヒロインのフランちゃんにちゃんの魅力と背景・暗い過去など厚みがあることはいいので4とします。
 声優は、声優さんそのものは可もなく不可もなく。調整点でストーリーとキャラの中間…ですが作品の出来は悪くはないので4とします。


以下 初回レビューです。

「あれ?13話は?」というのが率直な感想です。せっかく面白い作品だったのに、尻切れトンボにしても旅立って終わりならまだよかったと思います。余計な次の展開部分を入れてきました。これが2期めをやるというアナウンスと同時なら許せますが、決まってないなら入れるべきではないでしょう。

 もはや異世界もののテンプレになった手法ですが、誰が得する?となると出版社なのかなあ…と思うと急激に冷めてしまいます。「つづきはWEBで」の販促にしても作品ありきでちゃんと結末をつける方向でやってくれないかなあ。
 こういうモヤモヤする終わり方だとコミックや小説に誘導できるデータとかあるんでしょうか?私に対しては少なくとも逆効果かも。

「転スラ」「盾の勇者」「魔王様リトライ」などこの手法でどんどん作品の価値を落としていっていますし…すごい作品だった「シャドウハウス」も2期楽しみにしてたのに、2期の1話みたらもう集中力が持たなくなっていました。


 さて、本作については、フランと師匠のキャラ造形と掛け合い、父的な視線でフラン萌えで見られる作品作り、完全な俺TUEEEでないところ、展開のテンポの良さなど非常に面白いアニメでした。
 異世界転生した人物に感情移入しつつ、がんばるのは娘的なヒロインというのが目新しかったです。

 作画は高級ではないですが、無難な水準は保っていたし、2人の声優さんも良かったと思います。2期情報あれば評価は変えるかもしれません。

 最終回のせいで評価はかなり落ちていますが、しかし、楽しませてもらったし、低評価を付けるのもどうかと思いますので、楽しんだ分客観的な評価はしますが、うらぎられた感が強く主観的には80点できてたのが55点になった気分です。


追記 2期決定!!??ガセじゃないよね??尻切れトンボ最悪評価撤回。

 あれユーチューブに2期決定報が…なんか本物っぽいですね。このタイミングは不幸中の幸いです。だったら、高評価です。是非、冷める前に半年くらいで来てほしいけど、1年でしょうね。とにかく、尻切れトンボの意味がわかったのでその減点は撤回です。

 ただ、アニメ作りすぎてどれが当たりになるのか読めない制作者が増えすぎですね。2クールのリスクで作らないとやっぱり作品に対する熱量とか構成の面で失敗するかもしれません。
 それに、原作の面白さが読めないというのは、どういうことでしょう?本当に駄作ばかりになるので、そこはちゃんとやって欲しいです。

 とはいえ、フランちゃん最高!ということで高評価でお願いします。
 

以下 視聴時のレビューです。

 

4話 テンプレ異世界を楽しみつつ、「父」として娘の成長を見守る。

{netabare}  3話まで見てレビューしようと思っていたら、なんと無料配信のサブスクがありません。アベマでかろうじて、1,2、4話を無料で見られました。キンドルのアンリミテッドでコミック5話まで読み放題できたので補完はできました。

 さて、モロに「転スラ」「蜘蛛」と同じか?と思っていましたらそうでもなかったです。ロリキャラではありますが、父性的な立ち位置なのでいいですね。「魔王様リトライ」や「うちの娘のためなら」のような感じです。

 大事なのは、ヒロインを「父」として暖かく見る目です。本作のキャラ萌えはこの点が大事でしょうね。

「剣」なのでフロイト的な男性性の象徴もちょっと想像しなくはなかったですが、それはない感じです。

 そして、更に「ギルド、スキル、レベル上げ」要素がかなり強いテンプレ異世界の構造なのも、「頭を空にして純粋に楽しむ」という点でいいと思います。設定は気にする必要がありません。

 ということで、暖かい気持ちでヒロインの成長を見守りつつ、テンプレで頭を空にして楽しむ、という作品でエンタメとしていい出来に仕上がっていると思います。多分、アベマで強制的に毎週見ざるを得ないので見ると思います。なお、コミック5巻まで読みましたが、そこまでは結構面白かったです。 {/netabare}


7話 フランちゃんのような娘が欲しいです。

{netabare} 無料期間のおかげで今のところ全部見られています。アベマに感謝を。で、私は完全にキャラ萌えです。本作の成功要因は剣が主役ではない、あるいは主役だとしても視点が完全にフランちゃんになっていることでしょう。
 つまり、剣の視点は視聴者の視点。それも父の視点になっています。物語世界の構造がそのままこちらの視線になっているということで、これが最高です。この剣の気持、フランちゃんを娘として守りたい、育てたい、喜ばせたいという気持ちに完全に同化できます。

 フランちゃんは、可愛いというかけなげというか、何より謙虚です。この謙虚さがフランちゃんの最大の魅力です。
 それに加えてフランちゃんは、ハンバーグとカレーを喜んで、メインデッシュとか言っている姿も可愛くて良きです。

 ストーリー展開も次週につなげる展開が上手いですね。不愉快な引き延ばしでなく次に何がおきるんだろうという楽しみがちゃんとあります。やっぱり「異世界転生もの」が、つまらなくなったのではなく、工夫の無いテンプレが乱造されすぎてカテゴリーの価値を落としてるんでしょうね。本作のようなテンプレでも、面白くキャラ萌えできる作品なら異世界モノはアニメ作品とは相性が良く楽しめます。

 視聴中は評価点付けないのでここでいいますけど、キャラは5点です。本当は5点満点で10点あげたい。 {/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

何よりも感性という絶対基準こそが肝要であります

●進化論という学説は進化せずむしろ退化してるという矛盾
結論は、所謂なろう系の典型と言うべき作品でありました。

全般的にかなり緩く、ソフト路線のファンタジーの傾向が強く
更にその上異世界転生もの特有のステータス値設定にその説明が延々と繰り返されるのを
見るのはかなり苦痛であり、生理的にも受けつけないというのは極めて個人的な
問題なのかもしれませんが、物語的に特に惹きつけられるような要素がまるでなかった
というのは、流石なろう系と言うべきなのかもしれません。

ケモ耳キャラに全く魅力を感じない体質というのもあるのかもしれませんが
インテリジェンスウェポンである剣というキャラにもエルフ族の自称ママにも
共感できる要素がまるでないというは逆に驚きの結果であります。

単にキャラが微妙という話に尽きるのではなく、大量生産された
ゲーム的な薄っぺらい世界観の中である種の使命を負ったとしても
その使命にしても命がけのやり取りにしても、ゲーム設定的な軽さが作用し
あらゆる行動・発言に重みが出ず、見てる側にもリアルなものとして伝わってこない
というのが本作最大のマイナス要因であったような気がいたしました。

空回りして滑っていくような物語感覚はある意味斬新でありますが、
異世界転生もの作品に秘められた謎を解くために見てるだけの当方としましては
最後までついていくのは至難の業でありました。

本作を見て得られた唯一の成果は「進化」という概念が異世界転生ものでも
重要ということでありますが、もしも続編があるとしたら異世界転生と「進化」について
明確に描いてくれることを期待したいところであります。

●「グルメ」の道化師が踊る世界
みんな大好き!の例のカレーを作る回でありましたが、何故かハンバーグを {netabare} 作る
シーンもあるという意図不明な描写に脱力感を大いに被った次第であります。

料理の基本味付けは塩胡椒であり、この加減がかなり重要な要素であるはずなのですが
どういうわけか省略していたり、ハンバーグのつなぎにパン粉を入れるも水分がないと
つなぎとして機能せずにパテがボロボロに崩れ去る運命がん無視だったり…
材料の準備もなしにデミグラスソースがあっという間に完成してしまったりと
兎に角突っ込見所満載で突っ込み切れない話にございます。

肝心のカレーも、恐らくは日本人一般になじみある英国由来のシチューが原型の煮込み料理を
作ろうとしているのだと思われますが、だとしたら小麦粉でルウを作らないと
始まらないという話であります。

煮込み料理の旨味は出汁にあるわけですから、野菜を多く入れその旨味を引き出す以外に
道はなく、スパイス適当にぶち込んだらそれが旨味に変わるとかいう出鱈目な発想は通用しません。

アニメに限ったことではないのかもしれないですが、中途半端にグルメを語りたがる
お笑い芸人みたいな道化師たちが、リアクションのみでごり押しする料理の祭典の世界、
そこには夢があり、ファンタジーがありますが
現実的に他人に喜んでもらえるような美味しい料理作るには、 {/netabare} まずは
基本的なことの習得から始めるべきと個人的には強く進言したく思います。

ゴブリン系三部作と言えば
「ロードス島戦記」と「灰と幻想のグリムガル」と「ゴブリンスレイヤー」でありますが
その中でも「ゴブリンスレイヤー」はファーストインパクトにおいては他作品を圧倒するものの
ストーリーという観点においては二作に大きく後れをとるものであると認識するものにございます。

そんな「ゴブリンスレイヤー」の劣化版に過ぎない本作に期待が持てるのかと言えば
残念ながら今のところは劣化版のレベルにとどまっているのが実情であります。

ケモ耳ヒロインが可愛いだけという理由で予想外にウケている側面があることは否定しませんが
この程度の全くもってぬるいストーリー展開で「ゴブリンスレイヤー」超えなどとかいうのは
ほぼ不可能と考えるべきでしょう。



異世界転生もの作品に対していちいち突っ込み入れてたらキリがないので
本作に対する突っ込みは自重するつもりでおりました。

これは異世界転生ものに限った話ではないですが
敢えて「その設定」を踏襲する意味ってあるんですか?的な作品が
あまりに多すぎて辟易するばかりであります。

あまりに怪しすぎる異世界転生ものの乱発、ごり押しに対して
その不自然さについてはいい加減気づくべきではないでしょうか?

要するに本作が「異世界転生ものである必然性」が果たして何処にあるのか?
また、他とまるで同じようなゲーム的ステータス値の表示を馬鹿の一つ覚えみたいに
やたらと繰り返す意図とは何でしょうか?という素朴な疑問
そういう疑問を当たり前のように抱ける視聴者の感性はまともであるという話です。

もしも自分の感性に自信がある人は、言語転換することにより必然性を証明してみてください。

感性が塞がれている人は、ある意味目が見えていないのと同じで、
この先の大穴に嵌ることは避けられないでしょう・・・

異世界転生ものでありながらもその意味が不明なら
視聴者とは何を期待して異世界転生ものを見ているのでしょうか?
という話になるように思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

師匠との関係性は良い

{netabare}
C2Cの転生モノ。
初期設定だけテンプレからずらして他はテンプレの踏襲の、作者だけは独自性があると思ってる系転生作品はあまり好きではないけど、まあその中ではよくやってた方じゃないかなと思う。
どうせ人間体になるんだろと思ったら、意外と最後まで剣だった。

良かった点はキャラ。
珍しく、最後まで主人公のそばにいるキャラが師匠一人だったから、フランにとっての師匠の唯一無二感が感じられて良かった。
いざと言うときに唯一頼れるのは師匠だけ。
随所でフランから師匠に対する信頼感が伝わってきた。
師匠からもフランを守りたい気持ちに必死さがあって良い。
師匠はフランの父親的な立ち位置な気がする。
俺TUEEEでもなく、格上のアマンダに立ち向かうなど、向上心のあるフラン。
主人公が一途だから好感が持てたし、そんなフランをフォローする師匠に関しても印象がいい。
ストーリーよりもキャラを重視する人にはかなりいい作品かもしれない。

駄目な点として、俺TUEEEEではないし、主人公も剣ではあるものの、やはりストーリーはなろうのテンプレに感じるところ。
テンプレを感じさせる要素は俺TUEEEEではなくて、中世世界観(ナーロッパ)やゲームっぽい設定、独自性のない敵、分かりやすい対立構造等にあるからなのかな。
この作品も秋アニメの他のなろうと同じくテンプレだった感は否めない。

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆0
親の顔より見た導入。
作者だけは独特なことをやってると思ってるんだろうな。
独特なだけでクソしょうもない設定なのに。
もうこういうのばっかになってしまったなぁ最近のアニメ。
マジで面白くない。何も惹かれない設定。
主人公が違うだけで結局いつものなんだよ。
もう無敵じゃんこの剣。今季こういうの多すぎてため息でるわ。
農民の次につまらん。もうこういうのいいよ。

2話 ☆1
作画の無駄遣い。
結局目的なくダラダラ旅するだけのいつものなろうだよね。
いつものギルド設定。俺TUEEEEじゃない?
てかいつも思うけど冒険者って言う職業はなんだよ。
何でも屋か騎士団でいいだろ。死ぬだろ。いつもの魔石。
脳死ゲーム世界観ほんと嫌い。
部屋めっちゃ汚れそう。いつものチンピラ。
協会内で争いとかあほなんか? EDは名作感ある。

3話 ☆7
アルデラミンみたいなOP まあ不快感は無いなこれ。
作画頑張ってんな。ゴブリン襲撃イベント?

4話 ☆5
邪神ちゃんかな? 結局無双。ガチャ神引き。

5話 ☆7
いつまでゴブリン また俺何かやっちゃいました?
どうせ復活する。一本ぐらい飛んだままなら評価してた。
そんなに俺tueeeじゃないのはいい。
相手噛ませじゃなくて面白いじゃん。

6話 ☆4
戦闘面白いな。普通に復活するんかい。
こういうゲームみたいなスキル設定ほんと嫌い。

7話 ☆4
お前つまんない嘘つくね。はぁ大賢者みたいなのもいるのかよ。
分かりやすい噛ませ 飯食いながら見てんねん汚いなぁ。
成れ果ててて草。

8話 ☆5
天敵じゃなくて仇敵が適切な表現だろ。
なろう主人公がやられてんの珍しいなって思ってしまう。
少ない。イキリモード 即落ち二コマ。一瞬アーニャみたいな喋り方。
取引上手なのか…? どうせならCぐらい行けよ。

9話 ☆6
なろう臭すぎ。親の顔より見た展開。イキリアニメ。
槍って突くだけだから楽そうだな。当たったら死ぬやろこれ。
てか鞭掴めばいいのでは。戦闘面白かったな。
アニメスタッフも有能。

10話 ☆3
ゲームみたいな設定つまんね。テンプレ設定解説コーナー眠い。
これ解説する意味ある? また俺なんかやっちゃいました?
でた、アクシデントw Aランクが何とかしろや。
なろう全般に言えるけど、ダンジョンとかトラップとか誰が作ってるんだよw
魔獣が作れんのか?w 試験もっとちゃんと管理しろや。

11話 ☆8
無能Sランク 剣になんかあるってバレてそう。リョナいいぞ~
モブ男よく生きてるな。モブを適当に殺さんのだけは印象いいわ。
リョナ回。何だかんだちょっと感動した。

12話 ☆6
哀しき過去。また俺なんかやっちゃいました? モブサイコで見た。
進化ってなんだよポケモンかよ。ん?フランの親だったの?
OPで見た飛行。

曲評価(好み)
OP「転生したら剣でした」☆8
ED「more<STRONGLY」☆7
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6

60.5 6 戦いで異世界なアニメランキング6位
即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★☆☆ 2.9 (143)
368人が棚に入れました
全ての敵を即死させる!最強主人公爆誕!! 修学旅行中、高遠夜霧とクラスメイトたちは、突然異世界に召喚された。 召喚したのは賢者を名乗る女、シオン。彼女は《ギフト》と呼ばれる特殊能力を彼らに与え、賢者になるための試練をクリアしろと一方的に宣告する。 突然の事態に動揺しつつも行動を開始する一同。 だが、なぜか《ギフト》を与えられなかった夜霧や壇ノ浦知千佳ら一部の生徒は、 ドラゴンが迫る草原に囮として置き去りにされてしまう。 飛来したドラゴンによって次々に殺されていく残された生徒たち。 夜霧と知千佳も絶体絶命の大ピンチ! ……かに思われたが……。 「死ね」 夜霧はその一言でドラゴンを撃退。 なんと彼は、任意の対象を即座に殺せる《即死チート》の持ち主だった!!! 元いた世界への帰還を目指し、旅を始める夜霧と知千佳。 そんな彼らの前に現れるのは異世界にいるチート能力者たち。不死身の吸血鬼?   やり直しの勇者? 神に溺愛されし転生者? そんなやつら、即死チートの相手にはまるでならないんですが! 前代未聞のチート能力が武器のダウナー系少年とちょっぴり残念な美少女の異世界冒険が今、幕を開ける!!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

死と世界の構造と道徳と…思想的になる面白い話でした。秀作認定でいいかも。

 結論から言ってかなり面白かったです。秀作認定してもいいかもしれません。しかし、この何でもありのチート設定が、なぜ面白いのかは考える必要があるかもしれません。

 まず、世界観が恐らく作り込まれているんだろうな、というのは感じます。多元宇宙というより多層的な構造を上手く作り込んだのでしょう。
 元の世界のセーフティが干渉してきたと篠崎綺香の組み合わせ、シオンとマナの関係とか重層的な視点がなかなか面白い世界観だなあと感心しました。異世界の適当な設定に見えますが、SFマインドを感じるなかなか深い設定です。

 その多層的な世界の中で、それを相対化してしまうアルファオメガという概念ですね。これが上手く機能していました。まあ、深読みすると死というのは人間どころか宇宙ですら避けられない定めです。どんなに大きな構造をみたとしてもいずれ滅びがくる。それを上手くキャラ化したのは画期的ではないでしょうか。

 その死との付き合い方ですが、それを分かりやすくしていたのが高遠の名前を貰った(職員の)お姉さんのほうでしたね。壇ノ浦知千佳もそうでしたが、死の隣にいて平気だというのは言葉を変えれば「悟り」ですからね。

 ラストのお姉さんの道徳観は…うーん…もうお姉さんの行動で見せて欲しかった気もします…いや、もう見せてくれていた気もしますので無くてもよかったかな?まあ、ラスト数十秒がこの作品の意味だとすれば入れて良かったのかもしれませんけど。

 この物語の行く末がどうなるんでしょうね?私としては主人公が自分に対して殺意を持った場合を見たい気もします。

 まあ、そういうお堅いことを言わなくても、サブキャラが上手くできていたし、シオンという存在の謎も機能していたのでストーリーになっていたので、普通に面白かったです。
 偶然なのか意図的なのか…ワンパンマンに触発されただけなのか…更に上を行く思想があるのか…その辺はよくわかりません。
 普段から死とか強さとか世界とか漠然と考えているだけかもしれません。作者が意図的に思想を上手く物語化して、こういうチューニングにしたのだとしたら、大したものだと思います。

 例えば化物語シリーズに出てくる「暗闇」も絶対的な死ですが、あれは非常に観念的で説明的ですよね。その点では本作の方が死を上手く扱えている気がします。

 一応の結末を描けたのも高評価ですね。もちろん続くのでしょうが、主人公の生い立ちというか、主人公=死が描けていたのでここまででもいろいろ感じることができました。

 この作品を酷評すると殺されるかも…と想像してしまうくらいには作品に入り込みました。

 作画はまあそこそこですが、女の子は可愛かったですね。壇之浦さんは気合いが感じられました。
 世界観、設定、キャラ、ストーリー、思想…どれをとっても良くできていたと思います。音楽と作画が若干ついてこれなかった気もしますが、このくらいのデキの方が帰って見やすかったかもしれません。




 1話目からOP含めて情報量が多すぎてどんな話になるのかまったくわかりません。

{netabare} ちょっと見た感じだと、主人公は昔子供のころにこの世界に来たのか、能力を授かっていた?記憶が残ってない感じもあります。いつものあれ?なんかやっちゃいました?系の俺TUEEE…ですが、もうちょっと自覚的みたいです。
 賢者様のセリフで無能力者に何かがありそうな雰囲気はありましたね。

 魔法ファンタジー世界と未来ぽい感じが混在しているので「勇者、辞めます」みたいに昔に文明あって…になるんでしょうか?「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」とか「聖剣学院の魔剣使い」みたいな設定上等で適当な異世界なのかわかりません。

 OPではヒロインは武道が出来るみたいだし、完全に和風の道場みたいなところでお化けと戦ってるし、お化けは後から仲間になる…みたいです。
 EDがここに来るまでの出来事の説明なんでしょう。サラリと流しておしまいにするのかな?次回からは別のEDになるんでしょうか?

 主人公がゲームをずっとやっているのもちょっと気になりますよね。田んぼとか出てくるから、現代日本が舞台でゲーム世界に入っている?かな、とも思わなくはないですが、なろう系なら題名が異世界である以上異世界だと思います。

 うーん…やっぱり、まだ情報が多すぎてよくわかりません。2、3話見て展開しだいです。

 主人公とヒロインの髪の毛の作画も、絵としての情報量がそこだけ多くて気になります。 {/netabare}


2話 相変わらずの情報量。ヒロインが可愛く見えてきました。

{netabare}  変なお化けでた!で、コンシェルジュ?吸血鬼?で、あのロボットはなに?侵略者ってことは自分で来たの?考察厨の私でも良く分かりません…というか考察する気にもなれず。侵略者?異世界に階層というか座標があるって言ってましたが…本当に情報量が多すぎて全然わかりません。

 ただ、1周回って逆にアリなのか?ヒロインがちょっと可愛く見えてきた…SFみたいな武器とか言っちゃってるし…働く魔王様の初期のチーちゃんみたいなキャラで、ちょっと癒されます。

 文明の設定どうなってるの?とか、キャラデザ適当過ぎるだろう?とか、作画は中盤は本当にひどすぎるだろう?とか、もうこういう話だから全然気になりません。文句言いながら見ちゃう感じでしょうか。{/netabare}


3話 壇之浦さんのメタ視点のツッコミがご都合主義を相対化している?

{netabare} なんだろう…ちょっと面白い…アニメを沢山見すぎて感覚がおかしくなったんでしょうか。シリアス要素がありながらも、世界観も主人公の能力は滅茶苦茶で、正直普通なら見てられない話なんですけど、妙に面白いんですよね。

 で、自分なりに理由を絞り出すと、ヒロイン壇之浦さんがこっちが思っているセリフを先取りして言ってしまうので、すべてのツッコミが相対化されてしまうからかな、と思いました。

 究極の俺TUEEEという点でワンパンマンメソッドと言えばそうなんですけど、違いはジェノスと壇之浦さんの役割の差ですね。ワンパンマンも本作も決して主人公に感情移入できませんが、そのサイドにいる人物の視点になります。

 ジェノスが戦いの主体で引き立て役・狂言回し・解説役であるのに対し、壇之浦さんが物語から遊離してメタ的な存在とマスコットという役割だからでしょう。

 ただ、本作とか「もふもふ」「悪役令嬢レベル99」「俺だけレベルアップ」とかが面白く感じている私は、ちょっと末期かもしれません。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14

Witch さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

(最終)これは「呪術廻戦」に対するアンチテーゼwww

【レビューNo.110】((最終レビュー)初回登録:2024/3/22)
ラノベ原作(なろう発)で2024年作品。全12話。
まあ少し違った切り口からこの作品を語ってみようかと。

(ストーリー)
面倒なので省略

(評 価)
・大きな括りでみればよくある「低予算なろう作品」
 大括りでみれば、よくある「すっとぼけ系主人公がチート能力で異世界で
 無双する『低予算なろう作品』」になります。なので
 ・粗を探して観れば、いくらでもツッコミどころ満載
 ・「こういうもの」として割り切り脳死で観ればそれなりに楽しめる
 って感じで、視聴者が「どこにハードルを設定するのか」により評価が変
 わってくるという話でしょうか。

・「Z世代」を象徴したような主人公
 しかし見方を変えてみると、結構いろいろ斬新だなっとw
 すっとぼけ系「俺tueee」主人公ということですが、従来の「無自覚系」で
 「また俺なんかやっちゃいました?!」
 というのとまた違うのかなっと。何というか「無欲・淡泊系」というか、
 執着がないって感じなんですよね。
 ・仲間意識が希薄
  この手の作品にありがちな「仲間思いの正義感あふれる主人公」って
  感じが皆無。ヒロインと旅していても「成り行きで飛んでくる火の粉
  を振り払ってるだけ」みたいな。
  観ていて「ヒロインを守るために」って感情とかが薄いんですよね。
 ・恋愛感情・性欲が皆無
  巨乳でかわいいヒロインと2人きりで旅しているのに、「ラッキースケ
  ベにドギマギ」とかがあるわけでもなく、そもそも
  ・「異性として全く意識してないだろw」とか
  ・「根本的に他人に興味ないだろw」とか
  いう感じなんですよね。
 ・守りたいもの→「ゲームをする時間だけ」
  チート能力があっても無欲で、「ゲームをする時間だけあればいいや」
  で面倒ごとは「タイパ重視」でちゃっちゃと終わらせようみたいなw
 思うに原作者は「『Z世代』を象徴した主人公」を描きたかったのに違い
 ないとwww
 執着を持たないなかなか斬新な主人公だなっと。
 (「Z世代」は正確にいうと執着がないのではなく、「失われた30年」の
  あおりをモロに受け、執着をしたくてもいろいろあきらめざるをえない
  状況下にいるのだと思うのですが)
 
・これは「呪術廻戦」に対するアンチテーゼ
 「呪術廻戦2期」は1期以上に作画が凄かったですね。特にバトルシーンと
 か。もうTV版じゃなく劇場版レベルでしたね。
 しかしこのクオリティーを維持するために、人海戦術とかタイトなスケジ
 ュールで綱渡りとか制作現場はかなりの惨状だったという話も。
 (アニメーターさんがTwitterでぼやいていたとかw)
 本作はそんな「呪術廻戦」に真っ向から喧嘩を売っていきます。
 ・主人公が「死ね」とつぶやくだけで、敵がバタバタ死んでいく。
 ・なので本来なら見どころのひとつである主人公のバトルシーンに全く見
  どころがない。というかバトル自体成立してないだろうw
 って感じなのですが、しかし見方を変えてみると
 ・そもそも「低予算なろう作品」が体力ある「呪術廻戦」と勝負しても勝
  ち目あるわけないやん。
 ・それなら極力バトルシーンを省力化した方がいいやん。
  (どうせ低予算でバトルシーン描いても「作画ガー」で叩かれるし)
 ・バトルシーンが省力化できる本作は、お財布に優しい「低予算なろう作
  品」の救世主やん。
  (面白いとはいっていないw)
 思うにこれは「作画至上主義」ともいえる「呪術廻戦」に対するアンチテ
 ーゼに違いないとwww
 これも「コロンブスの卵」的な発想がなかなかに斬新だなっとw

まあ半分ネタとして書いてるわけですが、切り口を変えてみてみるとなかな
かに斬新で面白みのある作品なのかなあっと。
「呪術廻戦」が白鳥の如く、優雅な姿の水面下で必死に足掻いている様を横
目に、こういう作品をぶつけてきたのは個人的には結構ツボりましたね。
作品自体は脳死で観ているので、まあこんなもんかって感じですが。
ここにきて登場人物がかなり増え、いろいろな勢力が思惑をもって動いてい
るような描写もありましたが、あと数話でどう風呂敷を畳むのでしょうか。
バトルロイヤル的なもので主人公が一気に処分してしまうのか、投げっぱな
しENDで放り出してしまうのかw

あとOP曲「Killer Bars/Hilcrhyme」は個人的には耳に残り結構好きでし
たね。綺麗に韻を踏んでるのはさすがHilcrhyme。

一応中間レビューではありますが、最後まで観ても書きたいことは変わらん
だろうなっと。

(2024/3/22追記)
状態 →「観終わった」に変更

・とりあえず思い付くままいろいろねじ込み、カオスな状態にw
・収拾がつかなくなると主人公のチート能力で「処分」
・そしてお約束の「俺たちの戦いはこれからだ」END
しかし風呂敷を広げても、最後は「死ね」で解決できるんだから、制作陣
にも便利なチート能力だよな。
まあ何かと制作陣に優しい作品だったということでw

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

全ての敵を即死させる最強主人公爆誕!!

この作品の原作は未読です。
タイトルからチート無双系の作品であることは分かっていましたが、まぁ半端ありませんでしたね^^;
なお、原作は全15巻で完結しているようです。


全ての敵を即死させる!最強主人公爆誕!!

修学旅行中、高遠夜霧とクラスメイトたちは、突然異世界に召喚された。
召喚したのは賢者を名乗る女、シオン。彼女は《ギフト》と呼ばれる特殊能力を彼らに与え、
賢者になるための試練をクリアしろと一方的に宣告する。

突然の事態に動揺しつつも行動を開始する一同。

だが、なぜか《ギフト》を与えられなかった夜霧や壇ノ浦知千佳ら一部の生徒は、
ドラゴンが迫る草原に囮として置き去りにされてしまう。

飛来したドラゴンによって次々に殺されていく残された生徒たち。
夜霧と知千佳も絶体絶命の大ピンチ!

……かに思われたが……。

「死ね」

夜霧はその一言でドラゴンを撃退。
なんと彼は、任意の対象を即座に殺せる《即死チート》の持ち主だった!!!

元いた世界への帰還を目指し、旅を始める夜霧と知千佳。
そんな彼らの前に現れるのは異世界にいるチート能力者たち。不死身の吸血鬼? やり直しの勇者? 神に溺愛されし転生者?
そんなやつら、即死チートの相手にはまるでならないんですが!

前代未聞のチート能力が武器のダウナー系少年と
ちょっぴり残念な美少女の異世界冒険が今、幕を開ける!!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

まぁ、深夜アニメでしか放送できない作品でしたね。
主人公の持つ即死チートのえげつなさがヤバいくらい凄いんです。

主人公らに敵意を見せた相手の命は、きっと真綿より軽い…
そういう場面をまざまざと見せつけられた感じです。

ここまでくると、嫌悪感というより作品への慣れからなのか、あまり何も感じなくなるんですよね。
しかも、その場にいない相手だって即死させられるんだから、一層質が悪いです。

とみたんボイス、ほっちゃんボイスを堪能できたのは嬉しいと思いました。
他にも旬な声優さんがたくさん起用されているんですが、主要登場人物以外の出番はほんの少ししか無かったので、ほぼ印象に残らなかったのが残念だったかな^^;

主人公がダウナー系でヒロインがちょっぴり残念な美少女に位置付けられるんでしょうね。
ダウナー系…周囲の人間の気分を暗くする人、または常に暗い気分でいる人やさまを意味する単語だそうです。
確かにけだるそうにしていたから、一応そんな感じかな。

という事は、とみたん演じる壇ノ浦 知千佳がちょっぴり残念な美少女…!?
主人公にキレッキレのツッコミを入れる美少女の方が合っている気がしますけれど^^;
少なくても私には残念要素は見当たらなかったかな。

wiki先生を見て面白いと思ったのは、主要登場人物に下野さん演じる花川 大門が入っていたこと…
確かに他のクラスメイトと比べたら出番は多かったと思いますが、決して立ち位置的には主要登場人物枠には入らないと思うんですけど^^;

アニメーション制作は、アース・スター エンターテイメントさん。
あの超早口アニメ「てーきゅう」を制作した会社です。
思い返せば、フルタイムの作品を最初に制作したのは2013年に放送された「世界でいちばん強くなりたい!」でした。
当時は「本当に制作できるのか!?」的に自虐ネタで宣伝していましたが、それから10年が経過しようとしています。
時間の流れの速さを改めて感じた気がしました。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニンブテーマは、Hilcrhymeさんによる「Killer Bars」
エンディングテーマは、ウタヒメドリームの桜木舞華(鈴木杏奈さん)による「Haze」

1クール全12話の物語でした。
圧倒的なチート能力を気軽に楽しめる作品…といったところでしょうか。
主人公らは元の世界に帰りたいと言っていました。
果たして本当n帰れるのか…気になったら原作で、という感じですかね^^
総じて楽しませて貰った作品でした。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

59.6 7 戦いで異世界なアニメランキング7位
結婚指輪物語(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★☆☆ 2.9 (83)
256人が棚に入れました
月刊「ビッグガンガン」(スクウェア・エニックス刊)にて大好評連載中のめいびいによる漫画『結婚指輪物語』。累計部数130万部(電子書籍含む)の人気作がいよいよアニメ化! どこにでもいる普通の学生サトウは、幼馴染のヒメへ密かに想いを寄せていた。 告白を決意したある日、サトウはヒメから遠いところへ引っ越さなくてはならないと突然の別れを告げられてしまう。 恋心を諦められないサトウがヒメを追って辿り着いたのは、なんと異世界だった。 ヒメは、異世界に5人存在する「指輪の姫君」のひとりだったのだ。 サトウはヒメからいきなり結婚を求められ、勇者「指輪王」として世界の脅威に立ち向かうことに。 さらに、指輪の真の力を引き出すには、残り4人の姫たちとも結婚する必要があり……!? 5人の姫との異世界新婚ファンタジーが、ここに始まる――!

声優・キャラクター
サトウ:佐藤元
ヒメ:鬼頭明里
ネフリティス:島袋美由利
グラナート:上田瞳
サフィール:加隈亜衣
アンバル:小松未可子

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

俺は5人の姫と結婚する。世界を、そして好きな人を守るために。

この作品の原作は未読ですが、あかりんが出演すると知り視聴を決めた作品です。
この作品も後にくまちゃんやみかこしが出演するという嬉しいさぷらいずあありましたけれど^^


どこにでもいる普通の学生サトウは、幼馴染のヒメへ密かに想いを寄せていた。
告白を決意したある日、サトウはヒメから遠いところへ引っ越さなくてはならないと
突然の別れを告げられてしまう。

恋心を諦められないサトウがヒメを追って辿り着いたのは、なんと異世界だった。

ヒメは、異世界に5人存在する「指輪の姫君」のひとりだったのだ。
サトウはヒメからいきなり結婚を求められ、勇者「指輪王」として世界の脅威に立ち向かうことに。
さらに、指輪の真の力を引き出すには、残り4人の姫たちとも結婚する必要があり……!?

5人の姫との異世界新婚ファンタジーが、ここに始まる ― !


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

今回は声優さんの起用方法に新鮮さを感じた気がします。
まずくまちゃん。
くまちゃんが演じたのは5人の姫の一人である竜人族のサフィール。
結構飄々とした感じのキャラなんですよね。

くまちゃんといえば、同じく2024年冬アニメで放送されていた「異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます。」のネフェルティマみたいなほんわかした感じのキャラが声質ともマッチしていて似合うと個人的には思っています。
そんな感じのキャラがすっかり私の中で定着していたのでこんな風に感じたんだと思います。

そしてみかこし。
今回みかこしが演じたのは「アンバル」という表情の読みにくい女の子です。
みかこしも気持ちを前面に出しているキャラを演じる機会が多いオメージがあったから…
まぁ、私個人がこう思っても、皆さん役にはしっかりハマっているんですけどね^^;

さて、この作品は公式サイトのトップページで堂々と「ハーレム宣言」していましたよね。
しかも各国のお姫様ばかりを5人も…

ハーレムなんて羨ましい展開…と思いましたが、よく考えてみると日本にも昔「側室制度」があったので、所謂ハーレム状態というのは日本でも昔から存在していたんですよね。
しかも、昔は天皇にも側室制度があったそうです。
だったら現代の様な継承問題も起こらない訳です。

現代の日本では法律で規制されていますが、それでも妾の風習は残りました。
さて、今でも妾の方は現存するんでしょうか…

この作品の主人公であるサトウ…は結局苗字しか分かりませんでしたが、大好きな女の子を追って異世界に行き、そこで指輪王となりました。

ですが、不思議な点が幾つかあります。
まずサトウが指輪王となったのは指輪をお姫さまから指輪を受け取ったからですが、他の4人の姫の誰かが別な男性に指輪を先に渡していたら、サトウは指輪王になれなかったのでしょうか。
となると、渡す順番で決まってしまうことになりますが、そんな簡単で良いのでしょうか。

それとも、指輪王としてもっと資質の高い人が後から現れたら、指輪王の権利はそちらに委譲されたりするのかな。
だて、深淵王とかいうとんでも無い相手を倒さなきゃなんですよ。
指輪だって少しでも条件の良い人になって貰いたいと思ってもおかしくはないと思うんですけどね。

指輪の力をもっと引き出すには姫たちとの絆が不可欠だと言っていました。
そんなに指輪王候補をコロコロ変えたんじゃ、姫たちとの絆も深まらないか…
そう、指輪王が何でサトウ…?
という点に疑問を持たなければ割と普通に視聴できる作品だと思います。

そして、後はどの姫を推して視聴するか…ですよね。
個人的にはエルフ族のネフリティスかなぁ…と思って視聴していましたが、姫の中で一番最後に登場したアンバルが気になる存在っぽいと思いました。
まだ少ししか出てきていないので確信は持てませんけれど。

そう、ラスボス的なタイミングで登場したのは、とみたんですたね。
この展開を見た瞬間、続編無きゃ嘘でしょ…って思いましたよ^^;
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニンブテーマは、Sizukさんによる「Lover’s Eye」
エンディングテーマは、AliAさんによる「ココロノナカ」

1クール全12話の物語でした。
この作品も既に第2期の制作が発表されました。
今期って続編制作される作品が多くありませんか?
他の作品も是非チェックしてみようと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

うーん、ハーレムが好きで見たのですが… ハーレム物として失格。ハズレです

1話感想 3.3 うーん、ハーレムを作る主人公は嫌いじゃないのですが…

何でしょうね?
基本的には悪くないんですよ。
異世界転移してハーレムで、というのはまあ全然普通ですし、そういう話は大好きです。

ヒロインはなかなか可愛いと思いました。
では申し分ないはずなのですが… うーん?
主人公がいまいち気に入らなかったかなぁ。

なんとなく煮えきらないというか…。
何でしょうね。いや本当に悪い、という程でもないのですが。

調子に乗っている、という程でもないですし…。
うーん、主人公の見た目かな? あまり格好良くは無いですが。
何だろう。まあ幼馴染でずっと好きで、そこはガツンといけよ、というところで煮えきらない、という感じがやっぱり何だこいつ、感があったのかな。
そういう部分で主人公を一発で好きにはなれませんでした。

主人公に都合の良い話しは主人公を好きになれないと残念になるんですよね。

作画はそこまで綺麗ではないですね。ただちょっとエッチな所は良かったです。
そこまで気に入ったわけでは無いですが好きなタイプの話しなので見たいとは思っています。
本数次第で諦めます。

全話感想 
まあ「ちょっとエッチ」と「ハーレム」を目当てに最後まで見ました。
結論としては… 残念ですね。おすすめできるハーレムものではありません。
良いハーレムものとは何か。
それはヒロイン全員を愛することです。
この主人公、5人の嫁と結婚しなきゃならん設定なのに、一人の本命が居るんですよ。
ちょっとないですね。
ハーレム主人公たる者、ハーレムメンバー全員を愛することは必要最低限です。
残念ながら良いハーレムモノではありません。失格です。

ハーレムものの良いところは、ヒロインを不幸にしない点にあるのです。
ヒロインを1人だけ選ぶと、選ばれなかった他のヒロインは不幸になってしまいます。
じゃあ選ばれなかったヒロインには別の男をあてがえば良いかというと、オタクってのはそういうのが大嫌いでしてね…。じゃあヒロイン全員を幸せにしようと思ったら、ハーレムしか無いじゃん、となるわけです。
皆愛して皆幸せ。めでたしめでたしです。

しかし本作では本命ヒロインがはっきりしていて、全員幸せにできないんだったらハーレムものにするんじゃねぇって話ですよ。
なんだかなぁ。わかってねぇなあ。

ストーリーもきっちり一期で締めずに続くような作りで… いや続きは原作で、と言いたいのでしょうが、微妙にしか思えません。

まあハーレムが好きだからと、わざわざ見たけれどいまいち報われなかった感じですね。残念です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

ポルノとしての価値しか無いモノを地上波で放映する意味は?

 最終話(12話)まで観ました。2024.03.27

 深淵王倒せないのか…。で、2期に続くと…。ハーレム完成しているのに次は何をするのかな?

 ハーレムものと、世界を救う勇者の物語は、相性が悪いですね。男と女のイチャイチャ話は構造的に世間から隔離されているため、外界の情勢と連携できません。

 恋愛において、外部の都合は雑音でしか無いので、ハラハラする冒険譚を上手く作るには相当な技量が必要な様です。結局、セカイ系になって、物語が破綻します。

 本作品も、主人公達だけ撤退していますが、命懸けで深淵王と戦っていた味方の戦士達はどうなったの?置き去りで全滅かな?

 ハーレム外の敵味方の動静を描かけていませんし、描く気も無い様です。

 1期を観る限り、ポルノ的なハーレム物語と、異世界冒険ファンタジーの良いとこ取りをしようとして、上手く消化出来ていない失敗作としか評価出来ません。

 2期で挽回出来るか期待しています。今期のHIGH CARD、ノアールと、1期が駄目なら2期も駄目な感じだったので、ジンクスを破って欲しいです。
……………………………………………………………………… 

 6話まで観ました。2024.02.11

 異世界ハーレムものですが、地上波では規制が厳しいので、中途半端です。

 この手の話は、色んな種族の女とヤリまくりたいというポルノ的な価値しか無いので、湯気や謎の光の邪魔があってはいけません。

 スマホ太郎もそうですが、ハーレム要員を連れ回る話は、女性達を人格のある存在として描き難いので、物語としても面白くありません。

 無理なくハーレムを成立させるには、大奥や後宮の様に女性達を社会から切り離す、もしくは源氏物語の様に妻のもとへ男が通うスタイルで、女性達の横のつながりや社会との関係を生じさせない様にしないといけません。

 珍ポは一本しか無く、無限発射出来ない以上、取り合いもしないで強制や規制もないのに男の都合のよい時に股を開いて待っている女性達など、非現実の妄想ポルノでしかありません。

 ワザワザアニメ化しなくても、原作をポルノとして楽しんでいれば良かったんじゃね?としか思えません。もしくはOVAや18禁ネット配信専用とかで公開するとか、やりようは色々ありそうです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

88.1 8 戦いで異世界なアニメランキング8位
十二国記(TVアニメ動画)

2002年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (1681)
9092人が棚に入れました
周囲に合わせるだけの日々を送ってきた平凡な女子高生・中嶋陽子。
ある日、ケイキと名乗る人物に連れられ、たどり着いた異世界。 そこは、十二人の王と十二頭の麒麟によって治められる十二の国々からなる不思議な世界だった。なぜ自分はここへ連れてこられたのか、ここはいったいどこなのか、異世界でケイキとはぐれてしまった陽子は疑問を抱えたまま、生き延びるために見知らぬ世界で生活することとなる…。

声優・キャラクター
久川綾、石津彩、うえだゆうじ、子安武人、相沢まさき、山口勝平、鈴村健一、岡野浩介、釘宮理恵、勝生真沙子、ゆかな、藤原啓治、進藤尚美、石田彰、若林直美、桑島法子、高山みなみ、山崎和佳奈、鈴木れい子、西村知道、平松晶子、川上とも子、千葉千恵巳、大川透、中田和宏、野島健児、西凜太朗、松本保典、大倉正章、家中宏
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

見紛う事なき傑作!

小野不由美原作の古代中国思想(周)を基盤にした
異世界ファンタジーアニメ。全45話。
文庫本の売り上げは、シリーズ累計750万部以上。
本作は原作の
月の影影の海 上下巻
風の海迷宮の岸 上下巻
書簡
風の万里黎明の空 上下巻
乗月
東の海神西の滄海
をアニメ化している。
乗月と東の海神西の滄海は、
アニメでの反響が予想以上に良かった為、
追加で製作された。
よって39話で視聴完了も可能(アニメ脚本集は40話までしかない)。

あらすじ

何処にでもいる平凡な女子高校生中嶋陽子は、
他人から嫌われることを恐れ、八方美人な優等生を演じていた。
常に周りに合わせ自己を抑圧する日々。
そんな彼女は寝るたびに恐ろしい気配に迫られ、日々その距離は縮まっていった。
ある日彼女の前に「ケイキ」と名乗る謎の男が現れる。
ケイキは彼女を主と呼んで跪き、一方的に謎の盟約を迫る。突然の出来事に戸惑う彼女を異形の獣が襲撃。
ケイキは陽子と友人二人を連れ、
月の影の向こう、地図に無い世界へと出発する。

以下のネタバレは世界観に関するものである。
未視聴で視聴意欲のある方は、是非既存知識無しで視聴いただきたい。
{netabare}
十二国記の舞台となるのは、山海経に登場するような神仙や妖魔の存在する世界である。その名のとおり、12の国が存在する。文化、政治形態は古代中国(特に周王朝)に類似しており、絶対的な王制である。しかし世襲制ではなく、12の国はそれぞれ神獣麒麟(きりん)が天意に従って選んだ王により統治されている。王は諸侯を封じ、政治をさせる。王や一部の高位の官は神仙として不老長寿(だが必ずしも不死ではなく、胴や首を冬器という特殊な武器により断たれれば死んでしまう)の身体を得て、天意に従う形で国を治めることを求められている。麒麟が失道の病にかかりそのまま死・禅譲するか、誰かに討たれない限り王は死なない。王とそれを選ぶ麒麟、そして天意とは何なのかという問いが、作品全体の主題となっている。
{/netabare}

全章概要(ネタバレなので視聴前は観ない事をお勧めしたい)

月の影影の海
{netabare}
日本で生まれ育った普通の女子高生・中嶋陽子は寝る度に恐ろしい気配に追われ、日を追う毎にその距離が縮まっていくという異様で怖い夢を見ていた。そんな陽子の前に、突如「ケイキ」と名乗る異装の男が現れる。ケイキは陽子を主と呼んで跪き、一方的に謎の盟約を迫る。突然の出来事に戸惑う陽子を異形の獣が襲撃、それを辛くも退けたケイキは、強引に陽子を月の影の向こうにある地図にない世界へと連れ去った。陽子はケイキから「決して剣と鞘を離さないように」と碧の玉が付いた鞘に収まった剣を渡され、「剣を振るえない」という陽子に自らのしもべの賓満・冗祐を憑依させ、陽子の意に反して陽子に襲い掛かる獣を体が勝手に動いて撃退するようにして、他のしもべに陽子を託して彼女を異世界に送り出した。

異形の獣の襲撃は月の影に入った後も続き、「敵の攻撃から目をつぶってはいけない」(賓満は憑依した者の目を借りて動くため)という警告を無視して目をつぶってしまったことがきっかけで陽子は、ケイキとそのしもべ達とはぐれ見知らぬ場所(巧州国、略称:巧国)にたどり着く。巧国では自分と同じように日本や中国からこの世界に流された人を徹底的に差別しており多くの場合は処刑されるため、陽子も役人に役所に護送される事になったが、その道中でまた異形の獣に襲われ、陽子は車の下敷きになった鞘から玉だけを切り外してその場を逃走する。全く事情が判らないまま縋る気持ちで現地の人間に助けを求めるも、“海客”として酷い仕打ちを受けたり、利用されそうになったりしたため、夢で見る元いた世界の幻で自分の周りにいた人達が自分の事を悪く言ったこと(実は剣が本当の事を見せていた)や青猿(その正体は陽子が無くした鞘に封じられていた妖魔。剣と鞘が離れたため封印が解けた)の讒言もあって陽子は徐々に人間不信に陥る。人目を避けつつ、なおも襲撃を続ける異形の獣(妖魔)と戦い続ける陽子は満身創痍となり、行き倒れたところを楽俊に救われる。楽俊は陽子を介抱し、さらには海客に対する保護体制が整っている雁国(雁州国)への道案内を買って出る。道中に妖魔と遭遇しそれを退ける陽子であったが、衛士に見つかるという恐怖から、倒れている楽俊を見捨ててしまう。後にそれを後悔する陽子であったが、同時に「口封じに楽俊を殺す」という選択肢を選ばなかった自分に安堵する。そして、「口封じにあのネズミを殺せばよかったのに」と言った青猿を殺すと、無くした鞘が現れた。楽俊との再会はかなわず、陽子は一人で雁国を目指す旅を続けるのであった。

雁国へたどり着いた陽子を待っていたのは楽俊であった。楽俊は先に雁国に渡り、港で働きながら情報を集め、陽子を待っていたのだという。再び二人旅となった陽子たちは、雁国で暮らす海客「壁落人」を訪ね、そこで陽子が胎果であることを知る。その後、陽子と楽俊の何気ない会話で楽俊が「台輔にお目通り願うか?」言った事から陽子がケイキとそのしもべのやり取りを思い出し、「台輔」(宰輔の敬称)という単語がきっかけでケイキとは慶東国(略称:慶国)の麒麟の「景麒」であり、景麒が「主」と呼ぶならば陽子は巧と雁に挟まれた国である慶国の王「景王」であると告げられる。陽子が神である王だと分かり距離を置こうとする楽俊に対し陽子は「私にとっては一歩の距離しかない」と楽俊に言い、それに楽俊は「おいらにとっては三歩だ」と返事をして今まで通りの接し方をしようとする。楽俊から慶王保護の延台輔宛ての書状を受け取り陽子らを妖魔の襲撃から助けた延王から「王は麒麟に跪かれた時点で人として死に、麒麟の霊力で神として生かされる」、「日本に戻ればお前は短い間しか生きられず、その上、慶国の民が大勢犠牲になる」と聞かされ、日本に戻るのか、景王になるのかの選択を迫られる陽子であったが、見るに見かねて「無きものとして振舞え」(陽子が体が勝手に動くのと冗祐の感触を嫌がったために下された命令)という主の命令を破った冗祐から言われた「玉座を望め。そうすれば道は開ける」という言葉に従い、延王の助力を受け、慶国に立った偽王・舒栄を討つことを決意する。
{/netabare}

風の海迷宮の岸
{netabare}
蓬山の捨身木に戴極国の麒麟の卵果・泰果が実り、母親代わりとなる女怪が生まれ、蓬山は麒麟の誕生を待っていた。しかし、突如襲来した蝕に巻き込まれ、泰果が流されてしまった。

それから10年後、泰麒は延麒によって蓬莱で発見され、廉麟の助けを受け、女怪の白汕子が泰麒を連れ戻すことに成功する。普通の人間として育った泰麒は、最初こそ戸惑うものの、程なく蓬山の生活に慣れ始める。だが、身の回りの世話をする女仙から「麒麟は人ではなく獣であり、獣の姿に転変する」、「麒麟は天啓を受けて自らの主である王を選定する」と知らされ、更に麒麟の能力を使えない泰麒を思い女仙の長・玉葉が招いた景麒から「麒麟は妖魔を折伏して使令にする」と知らされ、生まれたときから人間の姿で今も転変できない自分は「麒麟の出来そこない」ではないかと思い悩む。泰麒を泣かせたことで女仙から責められた景麒は、その後泰麒に麒麟の能力や役割を伝授していくが、結局この時は折伏は出来ず、自然に出来るようになる転変の仕方については教えることが出来なかった。

同じ麒麟として慕った景麒が慶国に戻り、麒麟としての自覚を持てないまま戴国に麒麟旗が掲げられる。泰果の失踪により長年王不在が続いていた戴国の民は喜び、昇山者が続々と先を競って蓬山に集ってくる。天啓が何なのか判らないながらも女仙に付き添われて昇山者と対面する泰麒は、騎獣をきっかけとして承州師将軍の李斎と知り合う。また、昇山者同士の喧嘩で出会った禁軍左軍将軍の驍宗には、恐怖に似たものを感じる。その後も度々李斎の下を訪れ、驍宗とも会話を交わすようになり、彼らが蓬山を去る間際には一緒に騎獣狩りに行くほどの仲になっていた。女仙の反対を押し切って同行した騎獣狩りの最中、李斎が見つけた洞窟に入った3人は、泰麒が嫌な胸騒ぎを感じた直後、内部に潜んでいた妖魔に襲撃される。李斎が囚われ、驍宗も弾き飛ばされ、泰麒は一人で強大な妖魔・饕餮と対峙することとなる。それまで一度も妖魔を折伏できずにいた泰麒であったが、初めて折伏に成功し饕餮を使令に下すのであった。

そして驍宗が蓬山を去る日が訪れる。王になれなかったら禁軍を辞め黄海に入ると驍宗から聞き、蓬山に昇山出来るのは一生に一度だけ、と女仙から聞いた泰麒は驍宗に感じる感覚に戸惑いながら、離れたくないと思う感情が抑えきれずに走り出す。泰麒の姿は、燐光を放って夜を駆け上がっていく漆黒の獣と化していた。

驍宗を王に選定した泰麒だったが、「驍宗の傍に居たいがために、天啓が無いのに偽者の王を選んでしまった」と思い悩み後悔し続けた。天勅を受ける儀式で罰を受けると思っていたが何事も無く、それが余計に泰麒を不安にさせ、泰麒の様子を伺いに載国の王宮を訪ねた景麒に「偽者の王を選んでしまった」事を打ち明ける。その事を知った景麒と驍宗は、誼がある延王を載国に呼び、泰麒に延王に対し叩頭礼をするよう命じる。言われるまま叩頭しようとしても体が動かない事で泰麒は「麒麟は自らの主以外に叩頭できない」という事を身を以って知り、景麒から彼が舒覚を王に選定した時も「この人は王になるべきではないと感じた」と聞かされ自分が運命に身がすくんでいたと言われる。
{/netabare}

書簡
{netabare}
陽子と楽俊、かつて共に旅をした2人は、全く違う生活を送り、鸞で現状を伝え合っていた。
陽子は楽俊に「官吏とも問題がなく」と伝えていたが、実際は問題が起こるほど意見も出来ていない状態であった。楽俊は「生徒も教師も皆よくしてくれる」と伝えていたが、実際は半獣であることから苦労が絶えない生活を強いられていた。そんな嘘は互いに理解しており、それでもなお励まし合う仲となっていた。
{/netabare}

風の万里黎明の空
{netabare}
陽子が景王となって1年、玉座にありながら冢宰の靖共ら官吏の顔色をうかがう自らの姿に苦悩を感じていた。特に皆がいつも自分に対して平伏する事については、自分が通りかかる度に相手の仕事の手が止まる不合理さに悩み、相手の顔が見えない事に少々不信と恐怖を感じていた。そんな中、太師に謀反の疑いが掛けられ、陽子は靖共の言うがまま謀反に関わったとされる人を処罰し、監督責任を怠ったとして靖共を太宰に降格、政治の実権を握らせるべきではないとされる景麒に「自分よりこの国のことが分かっているから」と次の冢宰が決まるまでの間として実権を握らせた。そして陽子は、この世界の理も、国情も知らない自分に憤りを感じ、自ら市井に降りることを決意する。景麒の勧めにより遠甫という老人のもとで理を学ぶこととなるが、和州で暴政が行われているという噂を確かめに和州に出かけた間に里家が襲われ遠甫がさらわれた事から虎嘯らと出会い、和州の乱へと繋がっていく。

大木鈴はその100年ほど前に蓬莱から流されてきた海客である。長く才国の飛仙・梨耀から執拗な虐めを受け続けていたが、決死の覚悟で采王に申し立て自由の身となった。女性・海客でありながら王となった景王に興味を持ち慶国を目指す道中で清秀と出会い、妖魔から受けた怪我で衰弱していく彼を支え共に慶国にたどり着くが、彼は慶国和州止水郷で郷長・昇紘の馬車に轢殺されてしまう。自暴自棄となり、郷長・昇紘を庇う者の最上位にある景王を暗殺しようと才国の遣いを装い王宮に入る鈴であったが、景王不在の為その機会さえなく王宮を去る。虎嘯らと出会い宥められ、打倒昇紘の郎党に加わることとなる。

祥瓊は先の芳国の公主であったが、謀反によりその地位を失い、里家での貧しい暮らしや恭国での屈辱的な仕打ちが耐えられず出奔する。自分と同じ年頃で王宮に入った景王を妬み、逆恨みし、簒奪してやろうと慶国を目指していたが、道中で楽俊と出会ったことで考えを改めた。慶国の実情を知り、桓魋たちと出会った祥瓊は、呀峰討伐、和州の乱に身を投じることとなる。

陽子・虎嘯・鈴らは打倒昇紘を掲げ郷城へと乗り込む。郷城への突入は成功したが、呀峰は昇紘を庇うため州師を派遣する。州師相手では圧倒的に勢力の劣る虎嘯らであったが、桓魋・祥瓊らの加勢により戦況は一転する。しかし、続いて派遣されたのは王直属の禁軍であった。呀峰もまた靖共に庇われていたのである。王師(王が指揮権を持つ禁軍と首都州師の総称)を目の当たりにして動揺する人々の中にあって陽子は鈴と祥瓊の話を聞き、王としての責任を確信すると共に、王として行動する決意を固める。王の命令がない限り王師が動けない事をいい事に、陽子は景麒の背に乗り反乱軍が王の意思である事を知らしめ、王師に遠甫の救助と、呀峰と靖共を捕らえるよう勅命を出す。王宮に戻った陽子は遠甫を三公(王の相談役。政治の実権はない)の筆頭・太師に、鈴と祥瓊を自分の身の回りの世話をさせる役職に就け、桓魋を禁軍左将軍に、桓魋の上司であり、官吏に言われるがまま追放を命じた後失踪(護送中に靖共一派に襲われたところを桓魋らに救助され、身を隠していた)していた麦州候・浩瀚を冢宰に命じ、靖共派だろうが松塾(靖共らが敵視して焼き討ちした義塾。遠甫はそこの閭胥のような事をしていた。)出身だろうが関係なく個人だけをみる、と大規模な人事改革を宣言。そして景麒の「下の人々から見くびられます」という悲鳴のような諌言を無視して初勅として「人は敬意を持つものに対しては自然に頭を下げる」と平時の伏礼を廃した。
{/netabare}

乗月
{netabare}
芳国恵州州侯の月渓は、諸侯を束ね峯王・仲韃を討った。次の峯王が立つまでの仮王として月渓を推す声は強かったが、当の月渓は頑なにそれを拒み、恵州城に戻ってしまった。
ある日、慶国から青辛と名乗る使いが、景王から恵侯宛の書状を届ける。しかし、国に宛てた書状を、一州侯に過ぎない自分が受け取るわけにはいかないとこれを拒む。仕方なく冢宰にこれを預け、次いで一通の恵侯宛の書状を差し出す。書状の差出人は慶国下官、名を孫昭、先の芳国公主であった。それを知ってもなお受け取りを拒む月渓であったが、青辛の諌言を受け、仮王となる決意を固め、書状を受け取るのであった。
{/netabare}

東の海神西の滄海
{netabare}
延王・尚隆、延麒・六太は共に胎果であり、蓬莱で生まれ育った。六太は戦乱の中で親に捨てられた経緯から国を統治する者の存在を嫌い、蓬山に帰還した後も王を選べず、蓬莱へと戻ってしまう。その蓬莱で出会ったのが、滅亡に瀕した小松水軍を率いる小松三郎尚隆であった。会った瞬間に王気を感じた六太であったが、前述の理由により誓約を交わすことはなかった。しかし、尚隆の命を懸けて民を守ろうとする姿勢に自らの理想を重ね、絶体絶命の尚隆を助け、延王として十二国へと連れ帰った。

それから20年後、雁国は荒れた荒野から緑の大地へと復興を遂げていた。しかし、元州では治水の権限を王が奪ったままなのに梟王時代に破壊された漉水の堤が復旧されない事に州城の苛立ちが募り、謀反の動きがあるという情報があった。ある日、六太の古い親友である“駁更夜”と名乗る少年が玄英宮を訪れることから事態は進展する。更夜は六太を元州城へと連れ去り、元州の令尹・斡由は六太に「漉水の堤」を名目として、天網で禁じられている「上帝位の新設」を奏上した。権力者の存在に否定的な六太はこれを拒否し、牧伯の驪媚と共に元州城に監禁されてしまう。

尚隆のもとへも同様の要求が伝えられたがこれを拒否すると、成笙を元州に派遣し、道中で民を募って漉水の対岸に堤を築くよう指示する。雨の中で対岸にのみ堤を築かれることに危機を覚えた斡由は州師に対岸の堤を切るよう指示、州師と民の戦いとなり王師が民を守るという、「民のために堤を」を掲げる斡由にとっては皮肉な構図になってしまう。

一方、驪媚の決死の行動によって六太は自由の身となるが、地下迷宮に迷い込んでしまう。六太はそこで先の元州候・元魁と遭遇し、斡由の人となりを知り、斡由は民のためにならないと確信する。六太は斡由と対峙し自分の考えを伝えるが、斡由は非を家臣の白沢や更夜へ転嫁することを試みる。しかし、尚隆によって全てを断罪され、怒りから斡由は尚隆に斬りかかるが、最期は六太の使令によって瀕死の重傷を負い、尚隆に介錯され絶命する。
{/netabare}

感想

本作はホラーで有名な小野不由美が手がける異世界ファンタジーである。小野不由美独特の作風が大変好感である。
元々は「魔性の子」(泰麒が蓬莱に戻った時の話・ホラー)という小説の派生作品で、世界観の精巧さには感服するばかりである。世界観を把握する前に視聴する「月の影影の海」と、知った後での視聴は見方が180度変わる程である。
なので、事前知識無しで観ていただきたい作品である。

また、主人公を始めとした登場人物の成長物語であり、私達の人生観に大きな影響を与える作品である。
精神の糧になる話も多かった。
登場人物が皆、精一杯生きているのが十二分に伝わってくる作品だったと思う。キャラクターは大変魅力的。

私は本作が大変気に入り、原作を購読したのだが、アニメでは原作の設定をより視聴者に理解させ易くする為、
杉本と浅野を陽子と一緒に「あちらへ」連れて行っている。
この点は非常に評価すべきだと思う。
また、月の影影の海に原作ではあまり登場しない塙王が多く登場した点は高く評価している。
只、未完なのと地名・官職名などがやたら面倒なのが、たまに傷であるが・・・
未完なのは待つとして、(おそらく2014年頃に新作が出るはず)地名・官職名は何回か視聴すると覚えるので、2,3回の視聴をお薦めしたい。

39話の初勅のシーンは琴線に触れる素晴らしい出来である。
台詞を乗せると、(脚本集より)
{netabare}
「私は慶の民の誰もに、王になってもらいたい」
「地位でもって礼を強要し、他者を踏みにじることに慣れた者の末路は、昇絋、呀峰の例を見るまでもなく明らかだろう。そしてまた踏みにじられることを受け入れた人々がたどる道も」
「人は誰の奴隷でもない。そんなことのためにうまれるのじゃない」
「他者に虐げられても屈することのない心、災厄に襲われても挫けることのない心、不正であれば正すことを恐れず」
「獣(けだもの)に媚びず―私は慶の民にそんな不羈(ふき)の民になってほしい。己という領土を治める唯一無二の君主に」
「そのためにまず、他者の前で毅然と首(こうべ)を上げることから始めてほしい」
「諸官は私に、慶をどこへ導くのだと訊いた。これで答えになるだろうか。」
「その証として、伏礼を廃す―これをもって初勅とする」
{/netabare}

総評

独特の世界観と、他作品には見られない「名言」や、主人公を始めとした登場人物の成長が本作の魅力だ。
ファンタジーなのに魔法は使えず、日本での生活以上に苦汁を嘗めることになる世界観には感服である。
原作を読めば分かるが、この濃密な世界観に私は引き込まれてしまった。
アニメでは語られていないストーリーとして主なものに、「黄昏の岸暁の空」「魔性の子」が挙げられる。
この二作は風の万里黎明の空の直後の話で、
風の海迷宮の岸で語られた戴のその後の話である。
アニメでも2期を想定してか、杉本と高里を会わせて、魔性の子へ繋げようとしていた事が伺える。
また私の一番好きな作品として、恭州国の供王珠晶の登極に至るまでの話である「図南の翼」も是非読んで欲しい。
(他にも映像化されていない短編が7つ(漂舶を入れれば8つ)あるので其方も読んで欲しい。)
アニメ脚本集と云う本が講談社から出版されており、細かい設定なども記載されていて大変面白かった。興味の有る方は是非原作共々読んで欲しい。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 36
ネタバレ

Ballantine さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

王になるまで(14話まで

原作未読。ハイ・ファンタジー。全45話。
『十二国記』(じゅうにこくき)は、小野不由美の一連の小説作品群の呼称である。古代中国思想を基盤にした異世界ファンタジー作品。2013年時点で未完。


■関連URL
NHKアニメワールド:十二国記
http://www3.nhk.or.jp/anime/12kokuki/
ビクターサイト
http://www.jvcmusic.co.jp/m-serve/tv/junikokki/
講談社サイト
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/books/junikokki/
新潮社サイト
http://www.shinchosha.co.jp/12kokuki/


ストーリー性のあるアニメだかの掲示板で紹介されていたので見始めました。


各話感想
{netabare}1話 「月の影 影の海 一章」
謎の夢?髪の毛の色は地毛で赤毛なのか。
天然記念物のガングロwまだいるのだろうか?
委員長なんだ。ショートカットの女の子無視しちゃっていいのか。杉本って言うのか。
中島は委員長続ける事になるのか。杉本嫌われてるのか?いじめ?
やっぱり中島が隣になったか。
夢のなかで杉本に殺される夢を見てたけど何かあるのかな?
浅野くん彼女いたのかな?ん?金髪だったのに黒髪?血の匂い?消えた…
夢に何かありそうだな。陰湿な女子校だな。
なんだ?白髮ロングは誰なんだ。追手が来る?何が起きた…
コチョウ?狼を召喚したのか?今度はカイコを召喚?
ケイキって名前だったのか。なんか色々召喚出来るんだな。
キョウキもしゃべれるのか。今度はジュウサクっていうゴリラか。
ジョウユウって水の化物みたいなのが体を操ってるのかな?
杉本wkwkしすぎだろwショック?あちらの世界へのゲートかな?
浅野と杉本どうなったんだろう。


2話「月の影 影の海 二章」
虚海。浅野と杉本も来てるのか。碧双珠。ゴーユ?また追手か。
剣落としちゃったのか… え!?怪物に変身?ってまた夢か。
剣もちゃんと握ってたか。杉本は誰を見ていたんだ。ケイキ?
渦巻きだらけの海…ってかいきなり孤立とかどうすんだこりゃ。
日本?いやいや怪しいだろ。人にも会ってないのに。
カイキャク?捕まっちゃった。杉本生きてたのか。
え?記憶が無いのか?中島じゃない?作画のせいか顔の違いがわからない。
色黒になったってことかな?
ジョウユウの力のせいで言葉がわかるのかな?
淺野は別のやつと動いてたのか。コチョウ強すぎる。ケイキもやられちゃったのか。
工国。海客って事かな?県庁?覚悟の付かない女だなぁ。
良くて幽閉?悪くて死刑って…やっぱり淺野かw
妖魔なのか…一体誰が妖魔を操ってるんだ?


3話「月の影 影の海 三章」
ケイキの手下だと?助けられたのは白い狼じゃなかったっけ?
杉本なんでそんなやる気満々なんだw
どうしても何もヨウコにしか使えないって言ってたじゃないかw
玉はもってくのにサヤ持って行かないのか…
子供は女の腹から生まれるのが当たり前じゃないのか…
杉本中二病すぎて適応力高いなwお?ケイキ生きてたか。
盗人に走ったか。まぁ懸命だな。杉本w
おばちゃんいい人すぎる…タッキっていうのか。
まぁ杉本正論だな。怪しいよなぁタッキ。
神様や仙人がいるだと?信仰心なのか本当にいるのかわからんな。
碧双珠べんりだなぁ。
ケイ国からの難民山ほどいるんだな。猿まわしとかいるんだな。
お芝居まであるのか。ケイ国の話なのか…恐ろしい国だな…
おいおいハグレるの速すぎるだろ。
夢のなかの奴は誰なんだ一体。


4話「月の影 影の海 四章」
夢の続きか。仮面。皆の本音か。タッキやっぱ怪しいのか。
なんだこの国でも髪の色駄目なのか。ってか分離させるとかますます怪しいな。
言葉の通じるじいさん?!
杉本警戒心強いけどまぁそっちのほうが正しいな。
体を売り払う気満々だったのか。杉本のほうが狙われてたか。
妖魔を呼び寄せた?もしくは召喚?追手か。
ケイキみたいな影がちらつくのはなんなんだ。
じいさんは仲間だったか。第二次世界大戦の頃の人だったのか。
取り乱しちゃったか。なんだじいさんまでも敵だったのかよ。
誰も信用出来ないなこの世界。
杉本は一々正論だな。淺野おいしい立場だなぁw
夢のなかの奴は剣の主かなんかか?どっかの国の女だったな。


5話「月の影 影の海 五章」
あぁ助けてくれた奴はこいつだったのか。選ばれた?杉本頭大丈夫かよw
私の物語w完全にぶっ飛んでるなw
ケイキがお帰りになられただと?ケイキ何してんだ…
背のちっちゃい奴強いな。淺野まるで危機感無いな…
学校の先生よく見てるな。
剣の主らしき人物は闇堕ちを薦めてるのか?
杉本は何処の国の使者になったんだろう。飴売りの子だったか。
生きていくのに辛い環境だな。流れがリアルすぎる。
淺野駄目男すぎる…wそういう事普通言わないでおくもんだろ。
淺野食われたか…
ジョエン様?ケイ国の王女様?
タイホって名前だったのか。ケイキ角を封じられてるのか。
コウリン?杉本…駄目だこりゃ完全にぶっ飛んじゃったw
コウリンは好戦的では無いのかな?鳥が煽り役か。
そろそろ腹減りとか体力限界っぽいな。


6話「月の影 影の海 六章」
ケイ国の内戦ってとこかな?
シュジョウは何処の国の人間だ?杉本どうなったんだ?
暮らすことは許されたが戦士を剥奪ってところかな?
今度はネズミが匿ってくれるのか…怪しいなぁ。
しかし三日も寝てたとかどうなんだろう。
ユウコだいぶ成長したな。楽俊。
コウオウ様は海客が国を滅ぼすと言っているが迷信なのか。
エンに行く事になったのか。
お母さんは人間…なのか?もいだ?あのもげなかった木の事か?
リボックって言うのか。あれから子供が生まれるのか…
カンキュウまで三月だと!?遠すぎる…
ネズミ頭いいのか。なるほど半獣ね。エンは差別が無い国なのね。
杉本凄い荒れた何も無い土地に置いてかれたな。
なんだ神様なんてやっぱいなかったのか…
神や妖魔もいる?あれ?どういう事wコチョウが三羽も…


7話「月の影 影の海 七章」
やめろってなんだよ。コチョウ倒さないと皆死ぬだろ。
うわっ街の門を閉めたのか…
ヨウコ色々変わっちまったな。ネズミ放置するのか。
ネズミを処分するのか…ちょっとずつ毒されていくな。
心の葛藤のイメージなのか剣の呪いなのか一体何がこんなに追い詰めているんだ。
「優しくしたいから優しくする。信じたいから信じる。」また1つ成長したな。
見返りを求めなくたっていいじゃない。
また飴売りの女の子か。淺野は諦めてネズミなのか…
神様がどうしてこの地を作ったか?って芝居をしてまわるのか。劇団員なのか。
劇団の用心棒になるのか。
なんだ杉本食べ物はあるんだな。監視付きだけど。
シュセイってなんだろ。旅人かな?
荒れ地に畑を作ったんじゃなくて畑が荒れ地になったのか。
杉本壊れてるなぁ… ユウコ芸で役人から逃れたか。
楽俊のおかげなのか?うーんなんか違う気がする。


8話「月の影 影の海 八章」
なんだ杉本復帰するのか。戦いに出したくないのか。
顔の改変したのか?男っぽくなったな。
あれ?この芝居はもしかしてユウコの劇団か。
中国の神話と違うとな。
杉本はユウコって気付いたのか?何故放置した?
劇団員皆でエンに往く事になったのか。ってかお兄ちゃん呼ばわりはどういう事w
あら?ユウコ何してんだ?コウテツさん…
売り飛ばす人はもっと親切な顔か。まぁそうだな。
コウテツさん妹死んじまったのか。これでシュセイの身分を得たわけか。
コウオウが出動?道を見失う事?最初にキリンが病にかかる?
ヨウコと杉本同じ船に乗ったのか。
半獣の反乱か。ヨウコは杉本に気づかないのかやっぱ。
ってか杉本なんでヨウコ放置なんだ?
やっぱ戦闘になるのか。ここは私の世界ってまだ言ってんのかこいつwどんだけ中二病なんだよw
コチョウどんだけ沸いてんだよ。船ごと沈める気か?
海竜みたいなの出てきたけどこれは…妖魔を食う妖魔だと!?一体なんだったんだ。
ヨウコは杉本を助けるのか…


9話「月の影 影の海 九章」
遂にエン到着か。杉本とまたPT組むんだろうか?
ネズミ生きてたのかよ。同じ船に乗ってたのか?先に来てたのか…
楽俊良い奴だった…のか?うーん。信用しづらいなぁ。
杉本とは別行動するのね。エンの難民は裕福なんだな。
強引だけどここの人はいい人ばっかなのか。
日本国の住所と電話番号だと!?日本語通じるのかよ。
日本と行き来があるのかもってどうなってんだ…
タイホは杉本にくっついてるのか。ってか日本語通じるのかこいつ。
一緒に浴びるってヨウコどんだけ貞操観念無いんだ…
髪の毛染めないのか…赤毛で捕まるフラグ。
タイカ?なんかまた新しい何かに。元々こっちの世界の人間だったのか。
言葉にふじゅうしないのはアヤカシだったのか。ケイ国のキリンだと?
ケイ国の王なのか。謎の女王がいたから反逆しないといけないわけか。
杉本やっぱクズだったか。
助太刀に入ったのは誰だ。エンの王だと!?タイホはエンの国の奴だったのか。


10話「月の影 影の海 十章」
コマツナオタカ。エンシュウ国王。シレイ?司令?
タイホウ?あら?なんか名前がわけわからんくなってきた。
フウカン様?500年続いてるのか。あら?剣が抜ける?サヤ死んでるのか。
水禺刀。水鏡となって心が見えるのか。幻を見せるのか。
猿を見せるのね。やっぱり剣の幻だったのか。
エンキ?ケイ女王?わけわからん。死靈?じゃないと妖魔は扱えないのか。
楽俊は身分で差別すると言うのか?ってより区別だな。
というかヨウコがあまりに自分の身分をわかっていないような感じだな。
カンキュウ山でかすぎ。階段長すぎるだろっと思ったけど魔法?呪?術?
空の上に海があるって雲海違いかよ…
楽俊は最初から男ってか雄だっただろうが。
この国には十二の国があり天帝が選びます。キリンだけが誰が王か知ることが出来て選ぶことが出来る。
名君にたる王を。名君とは民を虐げない王。名君でもその知性は永遠に続かない。王は神に据えられ不老不死になる。
世襲は許されず、キリンが次の王を選び天は王を監視し続ける。
キリンは世界の中心ホウザンに生まれる聖獣で正義と慈悲で出来ている。
キリンは王の言葉に絶対服従する。
王が道を誤るとキリンが病に。キリンが死ねば王も死ぬ。王が死んでもキリンは死なない。
王のいない国は水が枯れて妖魔が現れて荒れ果てると。
エン国は難民で困っててケイ国を助けるのか。ケイキも助けたいのかエンのキリンは。
杉本どんだけ中二病なんだwwわけがわからないよw自信過剰すぎんだろw
エン王もエンキもタイカなのね。
領地を失おうとしてる男。エン王の話かな?エンキの話かな?


11話「月の影 影の海 十一章」
500年前に京都が燃えたのか。タイホはその炎の中にいましたってそこで生まれたのか?
キリンだったのか。あれ?タイホ?エンキ?なんかよくわからなくなってきた。
ホウザンの主なのね。エン国の王なのか。
あれ?もしかしてくぎゅうの人かな?仙人になったのか?
飢え>子供って事か。
ショクを起こして和にって日本に来たって事か。3年もいたのか。
コマツサブロウナオタカ。エンを滅ぼす王?何故滅ぼす?良い殿様じゃないか。
根絶やしか…海賊の出だったんか。エンに戦を呼ぶかもしれない。だから滅ぼすって事なのかな。
民無くして国は成り立たずだな。良い民だな…と思ったらこれはひどい…
なる程そうしてエン王が…


12話「月の影 影の海 十二章」
前のケイ王は自殺したのか。ヨウ王?ヨウって名前なのか?
ギョウテンに女はいらぬ。これあの芝居の話が本当だったのか?恐ろしいBBAだ。
退位を申し出たのはケイキを救う為だったのか。
杉本またコウ王の元で働くのか。
タイキもタイカなのかってタイカってなんぞ。
タイ国のキリンもいないのか。タイ国は内乱中なのね。
なんか言葉が一々ややこしいなぁ…
まさかコウ王がエン王と会談するとは。ケイ国を支配する気なのか。
左翼革命かよ。杉本ご乱心…
人が見えないところではどんな浅ましいことでもやった。
見えるところでも浅ましい事してるじゃねぇか杉本。
ジョウユウやっと出てきたか。愚かな頼みとは?
ヨウコの刀はヨウコを挿しても死なないのか。
ケイのタイカを道連れにするだと…コウ王しょぼいな。
杉本やっと和解したか。


13話「月の影 影の海 終章」
コウリンはシュツドウの病にかかってたのか。コウ国はもうだめだな。
コウリンがかばっただと?血の中に沈んでいったがどうなったんだ…
キリンが死ねば1年と永らえる事は出来ないのか。
偽王?を倒すのかな?
ヨウコだいぶ変わったってかもはや別人だな。
「王になって締め付けられりゃあ早くましな人間になれる…」
「貧しい人間で貧しい人間関係しか作って来られなかった」
ネズミなんで全裸なんだよww前は服着てたじゃないかw
国を奪還する時がやってきたか。
そういやケイキは角を封印されてるんだったっけ。治せるのか。
ジョウユウの命が解けたか。これで自由に話せるのかな?
なんだそのまま変身すると裸なのかw
ヨウコもいよいよケイ王陛下になったか。
ジョエイは金波宮をのっとったけどあっけなく陥落とな。
ひと月で全土統一。ケイの国を統一したのか。
「どっちを選んでいいかわからない時はやるべき方を選ぶ」
ヨウコの物語か。杉本の物語もあるのか?淺野くんまだ生きてるのか?
杉本帰るのか…いやいや子供いっぱい生むとかまず相手見つけろよ。
ヨウコの親に何しに会いに来たんだよ。
タカサトカナメ?何者?


14話「月の影 影の海 転章」
玉座、国、国土。枝は筆になった。
国土とは民を、国とは法律を、筆は歴史を、玉座とは王の徳目である人道、すなわちキリン。
この世は十二の国に十二のキリンがいる。ヨウコのキリンがケイキ。
麒麟とは霊獣。麒麟だけがその国の王を選ぶことが出来る。王が道を外せば失道の病に倒れる。
雄の麒麟は麒(キ)。雌なら麟(リン)。
名君とは民を虐げない王。王は神に据えられ不老不死になる。この辺復習か。
麒麟が死ねば王は死ぬ。王が死んでも麒麟は死なない。
完全に復習回だな。
コウ王はタイカの王が誕生するのが許せなかったのか。ケイ国を乗っ取る気なのかと思ってた。
声を届けてくれる鳥。どういう仕組み何ですかーw


15話「迷宮の岸 一章」

{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

ガッカリ長編シリーズその2

私が本サイトで色々とアニメ作品の情報を調べているうちに、妙に総合順位が高いので気になって視聴してみたけど、見終わってガッカリ・・・という長編がいくつかありましたが、本作はその一つです。

2018年2月6日時点で、総合得点 87.3点(87位)、総合評価 4.0

・・・ということでファンも多いらしい本作ですが、ここは本音ベースで個人評価します。


◆総評

序盤で、本作は、どうやら「王器」を備えた者を描く作品のようだ、ということに気付いて、我慢して視聴を続けたのですが・・・

お待ちかねの第39話(終章)で示される{netabare}国王の初めての自分の意思による詔勅が「伏礼廃止」{/netabare}って・・・あまりのしょーもなさに、ご飯投げつけてしまいたくなりました。

え…要するに、{netabare}主人公(陽子)が迷い込んだこの異世界は頑迷な身分制社会で虚礼が蔓延しているから、そんなの全部廃止してしまえ!{/netabare}それが王たる者の器だ・・・と、そういうオチだったんですか?

私はもっと、本当のリーダーシップとはどういったものなのか?みたいなことを、心に沁みとおるように描き出してくれる作品なのか?と期待していたんですが??

まあ、そういう作品を見たければ、『アイドルマスター』や『ガールズ&パンツァー』を見ろ・・・ということですね(※わかる人にはわかる)。
あるいは、異世界込みで「王たる者の器」を描いた長編作品だと、本作より『灼眼のシャナ(無印~F)』の方が、ずっと面白いし内容も確りしていると思いました。

※追記
本作の原作者・小野不由美氏は『銀河英雄伝説』の大ファンで、『十二国記』は同作がその構想のきっかけとなっている、とのこと。
でも残念ながら、本アニメを見た限りでは、その跡形もありませんね。


◆制作情報
{netabare}
原作小説        小野不由美(1991年より現在まで継続的に執筆・刊行)
監督          小林常夫
脚本          會川昇(第1話 - 第40話)、藤間晴夜(第41話 - 第45話)
キャラクターデザイン  田中比呂人、楠本祐子
音楽          梁邦彦
アニメーション制作   ぴえろ{/netabare}


◆パート別評価

Ⅰ. 「月の影 影の海」    (14話) ☆ 3.6
Ⅱ. 「風の海 迷宮の岸」   (7話) ☆ 3.5
Ⅲ. 「書簡」           (1話) ☆ 3.5 
Ⅳ. 「風の万里 黎明の空」 (17話) ☆ 3.6
Ⅴ. 「乗月」           (1話) ☆ 3.5
Ⅵ. 「東の海神 西の滄海」 (5話) ☆ 3.5
----------------------------------------------------
   総合            (45話) × 3.2


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============ 十二国記 (2002年4月-2003年8月) ===========

 ------- Ⅰ. 「月の影 影の海」 -------------------------
{netabare}
第1話(一章) ☆ 異形の獣(妖魔)来襲、女子高生・中嶋陽子の異世界召喚
第2話(二章) ☆ 巧国の海客、囚われの三人(浅野郁也・杉本優香・陽子)
第3話(三章) ☆ 脱走、村人達姐(たっき)の恩、カサイの町へ
第4話(四章) ☆ 売春宿(達姐の欺瞞)、もう一人の海客(松山誠三)
第5話(五章) ☆ 優香の迎え(塙麟)、浅野の本心、優香襲撃
第6話(六章) ☆ 楽俊(ネズミの半獣)の恩、雁国へ ※設定が無理っぽい?
第7話(七章) ★ 妖魔撃退、楽俊置き去り、朱旌(しゅせい、戸籍のない人々)、旅芸人
第8話(八章) ★ 優香の追跡、青海渡航、妖魔を喰う妖魔、雁国到着
第9話(九章) ★ 楽俊との再会、壁落人(海客)、麒麟、慶国の王、延王・小松直隆
第10話(十章) ☆ 慶国の偽王、王器を問う、延王の過去
第11話(十一章) ★ 延麒の過去、延王登極
第12話(十二章) ☆ 前慶王の話、壁落人の過去、塙王の目的
第13話(終章) ☆ 塙麟の死、慶国へ、景王登極、優香との別れ、高里要登場
第14話(転章) ☆ ※半総集編(世界観・用語説明を含む)、一部新規シーン有り{/netabare}

 ------- Ⅱ. 「風の海 迷宮の岸」 -----------------------
{netabare}
第15話(一章) ☆ 神隠しの少年、泰麒の誕生・成長・泰王選び
第16話(二章) ☆ 続き
第17話(三章) ☆ 続き
第18話(四章) ☆ 続き
第19話(五章) ★ 驍宗(ぎょうそう)・李斎との騎獣狩り、使令・傲濫(ごうらん)獲得)、天啓のない王
第20話(終章) ★ 天勅、泰王即位
第21話(転章) ☆ ※半総集編(世界観・用語説明を含む)、一部新規シーン有り{/netabare}

 ------- Ⅲ. 「書簡」 ----------------------------------
{netabare}
第22話 ☆ 雁国(楽俊の大学生活)、慶国(陽子の景王修行、新元号「赤楽」){/netabare}

 ------- Ⅳ. 「風の万里 黎明の空」 ----------------------
{netabare}
第23話(一章) ☆ 海客・大木鈴(導師・梨耀の酷使)、芳国公女祥瓊(しょうけい)(芳国大乱、仙籍削除)
第24話(二章) ☆ 景王陽子の迷いと成長(初勅、元麦州侯・浩瀚(こうかん)の処分)
第25話(三章) ☆ 諸官任命、治水・都市整備、天官長/三公謀反・誅殺)
第26話(四章) ☆ 鈴・采王(黄姑(こうこ))の下へ、祥瓊・供王(珠晶(しゅしょう))の下へ
第27話(五章) ☆ 陽子市井へ、鈴と浅野の出遭い
第28話(六章) × ※ここで急に「フラグ」とか「キャラクター」という発言が出てきて違和感 
第29話(七章) ☆ 続き
第30話(八章) ☆ 鈴と陽子の出遭い
第31話(転章) ☆ ※半総集編、祥瓊・楽俊雁国へ、郷長・昇紘(しょうこう)と浅野の出遭い
第32話(九章) ☆ 地方官僚の腐敗、祥瓊の慶国入国
第33話(十章) ☆ 祥瓊と陽子の出遭い
第34話(十一章) ☆ 遠甫(えんほ)捕縛・蘭玉(らんぎょく)惨殺
第35話(十二章) ☆ 祥瓊と鈴の出遭い、陽子と祥瓊・鈴の合流
第36話(十三章) ☆ 反昇紘蜂起、陽子と浅野の再会・決別、昇紘本拠突入
第37話(十四章) ★ 昇紘捕縛・郷城制圧、浅野死亡 ※演出はイマイチ
第38話(十五章) ★ 黒幕判明(元宰相靖共(せいきょう))
第39話(終章) ★ 景麒到来・禁軍掌握、靖共一党捕縛、景王初勅(伏礼廃止){/netabare}

 ------- Ⅴ. 「乗月」 -----------------------------------
{netabare}
第40話 ☆ 芳国の事情(恵州侯・月渓(げっけい)の仮王就任){/netabare}

 ------- Ⅵ. 「東の海神 西の滄海」 ----------------------
{netabare}
第41話(一章) ☆ 500年前の雁国(延王即位20年後、斡由(あつゆ)謀反)
第42話(二章) ☆ 延麒囚わる、元州牧伯・驪媚(りび)絶命
第43話(三章) ☆ 幽閉の元州候・元魁、斡由の本質 
第44話(終章) ☆ 延麒救出、斡由粛清
第45話(転章) ☆ ※半総集編{/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)9、☆(並回)35、×(疑問回)1 ※個人評価 × 3.2

OP 「十二幻夢曲」
ED 「月迷風影」

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16

70.0 9 戦いで異世界なアニメランキング9位
マッシュル-MASHLE-(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (243)
731人が棚に入れました
ここは、魔法界。 ここは、魔法が当然のものとして使用される世界。 そんな魔法界の深い森の中で、一人筋トレに励む少年。 その名はマッシュ・バーンデッド──彼の秘密は、魔法が使えないこと。 家族との平穏な暮らしを望む彼だったが、ある日、突然命を狙われ、 なぜか魔法学校に入学し、トップである「神覚者」を目指すことに。 彼の鍛え抜かれた筋肉は、精鋭の魔法使いたちに通用するのか…!? 鍛え抜かれたパワーがすべての魔法を粉砕する、アブノーマル魔法ファンタジー堂々開幕──!!
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

脳筋無双

{netabare}
魔法を使えない主人公が魔法学校で無双...というラノベ感ある設定を少年漫画のノリでギャグ調でやった話。
当然俺TUEEE系ではあるけど、基本的に馬鹿馬鹿しい展開の連続で、なろう系というよりかはモブサイコとかそっち寄りな気がする。

最初は劣化モブサイコとしか思ってなかったけれど、キャラがそろってVSアベル編になってからは味が出てきて良くなった。
結局マッシュが無双して終わることには変わりないけれど、終盤は敵が着実にインフレしていったことにより、完全にギャグのノリだった序盤と比べると戦闘に緊張感が出てきて面白くなったと思う。
味方の出番も最初こそ少なかったものの後半はアベルの手下の各個撃破で仲間たちの活躍もあって、(仲間はマッシュほど強くないので)王道の少年漫画バトルものとしての面白さもあった。

アベル、セルと段々と敵のレベルも上がってきて、更に面白くなりそうなところで終わったので、二期には一期以上に期待してるかな。
一期のように適当にパンチ喰らわせて終わりみたいなことにはならなそう。
このアニメのギャグ部分は正直あまり面白いと思っていないので、バトル作品としての面白さが増してくれると個人的には嬉しい。

私的評価:68点
私的ベスト回:12話

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆7
速攻無視。なろうタウンじゃん。
痣がない人が特別とかではなくてむしろ劣ってるのかw
ちょいモブサイコみある。魔法陣割れるのかよ。

2話 ☆5
ノリが疲れる。メイズランナー
この状況で先生の悪事ばらすのは効果的だな。
いきなり魔力で脅し始めて草。ステラ?

3話 ☆6
男がほうきに乗るのか。不正はなかった。ただのコネかよ。
シュークリーム手作り出来んのか。即落ち2コマ。
そんな暴力的な主人公だったかw 何とかしてこいつなら飛びそうなのにw

4話 ☆6
意味わからんくて草。またすぐに負けそう。環境破壊。
煽っていくスタイル。

5話 ☆7
もうネタキャラ化しとるやん。そうはならんやろ。
今回の負け役。シュークリームしか愛せないからな。
次回の開始数分で負けそう。

6話 ☆7
主人公庇ってやれよ。5回なら普通に耐えてたやん。
主人公助けてやれ。分かりやすいチンピラ負け役出てきてボコボコにされるまでの流れなろう系と大して変わらんな。
おいおい瞬殺だよ。ラスボス感。

7話 ☆7
コイン常備してんのかよ。名古屋市長かな。
キズ二本がデフォになってきた。こんな殺し合い起きてるけどいいんか。

8話 ☆6
シュークリームより人を優先した!? こいつ誰だっけ。
主人公には無縁じゃん。今回は1本線相手か物足りない。
このトラップ飛び越えられるだろw その先に2重であるかもだけどw
余裕ぶって立ったままだから。どう考えても白髪より弱そう。
1人だけ連戦。同族か。

9話 ☆7
言ってることは正論やん。魔力量コンプ。薬頼りってださくね。
才能だけあっても有効活用できないとダメだぞ。普通に負けてて草。
殺す気満々やん。てかこいつ魔法使ってんじゃねーか。
同じとは何だったのか。血が多すぎる。こいつチートすぎんか。
急所は外してくれる優しさ。

10話 ☆7
今期石化多いな。十字クソ強そう。黄色メッシュ何もしてねえ。
ギルガメッシュかな? いいやつやん。

11話 ☆7
優生思想。後ろにおるやん。結局こいつの能力は何なの?
体動かせるの謎理論すぎるw こいつチート能力すぎんだろ。
頭も結構キレるやん。頭からは死ぬだろ。どんどんインフレしてくな。

12話 ☆9
強そう。シュークリームが。汚ねえ。人形の奴使えよw
意思じゃなくてそこは走って殴りに行けや。召喚がデフォになってるな。
マッシュへの相性最悪の魔法具。今更気づいたんかw

曲評価(好み)
OP「Knock Out」☆4
ED「シュークリーム・ファンクラブ」☆7.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

メガマインド さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

これは、肩の力を抜いてみれるやつだ!!

少年漫画で真面目な魔法ファンタジー系の話をやるかと思いきや。
実際は王道少年漫画の皮を被ったハリーポッターを面白くパロディにしたギャグ作品である。
ジャンプで中堅レベルのよく後ろに掲載されることの多いこの作品なので、たいした作品じゃないだろと軽くみてましたが意外とグッとくる場面があり
一筋縄ではいかないと思いました。ジャンプで連載されることはあります。

ドロヘドロでは餃子が推されてましたがこちらではなぜかシュークリーム
が推されているという



茶番はおいといて
主人公は魔法がつかなくても、強くて、拳だけでなんでも解決するのは痛快でみていて気持ちいい。

義理の父親思いの優しい性格なのもよい

筋トレで体を鍛えるのは重要ですよね!!
少年漫画誌では健全といえるだろう。

クールなイケメンライバルキャラ!?がシスコンだったりヒロインっぽいキャラが若干メンヘラ気質で惚れた相手に執着するなど登場人物すべてがやばいキャラとして全振りしていて観ていて楽しい!!
多分作者の頭の中がもっとやばい。

濃すぎるキャラクターさえだせればあとはそのキャラが引き立つようおかしな行動させれば面白くなるというのは
作品を作るうえでのお手本の一つといえるだろう

もはやただの暴力だが、みていて不快な気持ちにはならずくずで最低なやつらを主人公がお仕置きするのはワンパターンながらいつの時代でもスカッとさせられる

ギャグの方は結構ゆるい。天然キャラから繰り出されるボケ
を楽しめるかどうかは人を選ぶ

アニメーションのクオリティもよく動く他のアニメと比較するとそこまで高く
ありませんが、笑いのツボにはまれば最高の作品となるでしょう

今季は豊作で人気作品の前では不人気で埋もれがちではありますが、
気軽にみれる点で優勝しました(笑)


とにかく笑える作品、とにかくやばいキャラがみたい
、余計なメッセージ性やストーリーはいらずただ主人公が
悪を成敗する、スカッとしたものが観たい人におすすめかな


頭を空っぽにして観れる作品も悪くないと思った。


観るとシュークリームが食べたくなりました(笑)

最終回を見終えるころには頭の中がシュークリームで埋め尽くされることだろうな!!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ファンタジーワンパンマン…としか言いようがないです。

 本作は「魔法」という価値が生み出した階級社会に「筋肉」という異分子の力を投入することで、システムを破壊してゆくような革命の話と取ることができます。

「ワンパンマン」との強い類似性を感じます。絵柄も主人公のキャラ造形もそっくりです。ヒーロー協会のランキングという部分を学園のメダルに置き換え、ファンタジー世界に置くことで差別化を図っていますが、しかし、本質的な違いが出せているかは疑問です。
 というのは、魔法を力が上回る部分にまったく「とんち」というか工夫がないからです。問答無用の力を振り回すとその圧倒的な力で解決では、ほぼ「ワンパンマン」と違いがありません。

 主人公から見れば格下たちが、主人公のいないところでドラマを繰り広げるような描写もないし、ヒューマンドラマもテンプレなので、そもそもテーマ性を持っているのかも不明です。むしろ異世界「ワンパンマン」を開き直ってやっているだけに見えます。

 その上でですが、それでもこの作品が受け入れられるのは絵が下手なのがいいということです。コミック版の1巻まで読んでいますが、原作は粗削りなフレッシュさがあるので、ストーリーや設定が下手くそでもおおらかに受け止められる感じだったと思います。またこの絵がとぼけた面白さにつながっています。
 それをこういう綺麗なアニメにされてしまうと、ストーリーの凡庸さが際立つ気がします。

 本家ワンパンマンが連載で訳の分からない方向に進んでしまっているので、もともとのワンパンマンの原点みたいな話が見たい読みたい、というニーズにはこたえられると思います。
 ワンパンマンを知らない人、ワンパンマンをもっと単純にした、価値観の逆転劇、痛快な無自覚俺TUEEEを見たいなら良いのかもしれません。
 そして、実はワンパンマンよりも話のプロットや設定そのものは上手いのかもしれません。

 にしても、要するにテーマも設定もキャラ設定も正直既視感が半端じゃないです。ストーリー、キャラは2とかにしてもいいんですけど、まあ、評価せずにしておきます。

 視聴は断念します。なお、7話まで見れたのでそんなにつまらないわけじゃあな気もします。今期は豊作なので、相対評価ですね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

計測不能 10 戦いで異世界なアニメランキング10位
ゴブリンスレイヤーⅡ(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (127)
282人が棚に入れました
「俺は世界を救わない。ゴブリンを殺すだけだ」 辺境のギルドには、ゴブリン討伐だけで銀等級(序列三位)にまで上り詰めた稀有な存在がいるという......。 冒険者になって、はじめて組んだパーティがピンチとなった女神官。 それを助けた者こそ、ゴブリンスレイヤーと呼ばれる男だったーー

声優・キャラクター
梅原裕一郎、小倉唯、東山奈央、中村悠一、杉田智和、上坂すみれ、井口裕香、内田真礼、日笠陽子、松岡禎丞

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

俺は世界を救わない。ゴブリンを殺すだけだ――

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期と劇場版「ゴブリンスレイヤー GOBLIN’S CROWN」は視聴済です。
ゴブリンって、RPGゲームをプレイしたことの無い方でも恐らく名前くらいは知っているという最底辺のモンスターという認識が一般的です。
かく言う私も本作或いは、「灰と幻想のグリムガル」を視聴するまでは世間一般と同じ認識でした。

ですが、単体での戦闘力は低くても群れを成し、統率された戦闘部隊となると話は別です。
これは人間に例えても同じことが言えるので、筋の通った理屈だと思います。

だけどゴブリンに対する世間一般の認識があまりにも浸透し過ぎていることから、大抵の冒険者はゴブリンを格下の弱い相手だと思ってします。
所謂、油断ってヤツです。

この物語では、この油断に警鐘を鳴らす作品であると思っています。
しっかりと準備をして臨まなければ何が起こるか分からない。
そして一度相手の策略にハマってしまったら…心身に大きな傷を負ってしまう、或いは2度と戻れなくなるという状況が待っているということ…

これって、私たちの仕事に対しても同様の事が言えると思うんですよね。
そういう意味でも私にとっては興味深い作品でした。


「俺は世界を救わない。ゴブリンを殺すだけだ」

辺境のギルドには、ゴブリン討伐だけで
銀等級(序列三位)にまで
上り詰めた稀有な存在がいるという……。

冒険者になって、はじめて組んだ
パーティがピンチとなった女神官。

それを助けた者こそ、
ゴブリンスレイヤーと呼ばれる男だった。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

相変わらず緊張感のある良い作画…
と思ったら、第1期と第2期ではアニメーション制作会社が変更されていたようです。
第1期はWHITE FOXさんで、第2期はライデンフィルムとwikiに記載されていました。

どちらも名高い制作会社だと思いますが、WHITE FOXさんはここ最近あまり活動されておらず、2023年は一つの作品も世に輩出しなかったようです。

色々と想像しちゃいますよね~
例えばリゼロの第3期を一生懸命準備しているとか、「無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜」の制作に伴い、新たなアニメーション制作会社を立ち上げているので、そちらの加勢に行ってたりとか…
どちらも私が視聴を楽しみにしている作品だから、こういう発想になるんでようけれど^^;

この作品の物語はシンプルです。
ゴブリンスレイヤー一行が、各地に生息しているゴブリンを殲滅するというものです。
行く先々に違いがあるので、背景や人との出会いに変化があるくらい…

ですが、その分ゴブリンとの戦闘シーンはとても秀逸だと思います。
ゴブリンも手を変え品を変え襲ってくるので、単にゴブリンとの戦闘と言っても決して視聴者を飽きさせることはありません。

そして何より気になること…
ゴブリンの暗躍の全容が見えないんです。
特に気になるのがゴブリンスレイヤーが寝泊まりしている牧場の牛飼娘…
彼女の存在だけが異質に見えて仕方ありません。

ギルドに所属している冒険者は、多少なりとも自身を外敵から守る術を心得ています。
ですが、牛飼娘は戦闘力皆無である上、人里離れたところに住んでいるので、ゴブリンスレイヤーを温かく迎える姿を見る度にホッとしてしまいます^^;

そういえば、この作品ってキャラ名がありませんよね。
女神官とか、妖精弓手など…
無くても困りはしませんが、あった方が愛着が湧くと思うんですけどね^^;

もしかすると呼び方が皆さん違う事が起因になっているのでしょうか。
例えば、ゴブリンスレイヤーの事を、妖精弓手は「オルクボルグ」と呼ぶし、鉱人道士は「かみきり丸」、蜥蜴僧侶は「小鬼殺し殿」ですからね~。
この自由さもそれぞれの種族の持ち味なんでしょうけれど。

あと、もう一つの見どころといえば、ゴブリンスレイヤーを取り巻く色恋のお話でしょうか^^
段々、対抗馬が増えてきましたよね。
女神官、牛飼娘、受付嬢に剣の乙女…
勿論、ゴブリンが跋扈しているうちは中々進展は無いと思いますが、どうなるんでしょうね。
こちらの顛末も楽しみです。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、Miliさんによる「Entertainment」
エンディングテーマは、中島由貴さんによる「霞の向こうへ」
Miliさんの楽曲は今回も格好良かったです~

1クール全12話の物語でした。
今回もしっかり堪能させて頂きました。
気になるのは、やはり続編制作の事になります。
続き、メッチャ見たいんですけど…
続報を楽しみに待っていますね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

やはり面白い。世界とゴブリン、神の関係は?大司教が大活躍。

 やっぱり面白い…神とサイコロ。作品の2重世界的な雰囲気が3人の冒険者の登場で徐々に垣間見えてきました。1期では確かお祭りみたいな場面で一瞬でてきてよくわからない存在でした。とはいえまだ全然わかりませんが、ゴブリンとは?という謎とセットで謎が深まってきました。それともちろん大司教の過去ですね。あのフェロモン全開のゴブリン恐怖症は一体?

 軍が相手にしているのはどんな敵なのか?というのが、1期の段階では民衆のために働かない無能な為政者のイメージでしたが、2期に来てなるほどそっちはそっちでいろいろあるのかあと分かります。

 女性がさらわれて助けるというパターン化とちょっとゴブリンスレイヤーのダークな感じが初心なヒーローという感じになってしまった気がするのが惜しいと言えば惜しいかな?ハーレム化現象も無くはないです。

 女性の悲惨さの場面がかなりマイルドになっているのも作品世界が変わった感じがしました。その点では1期の1話の衝撃の貯金をまだ使いつぶしている感じはあります。

 ですが、本作も続いても面白さが持続する数少ない作品の1つです。それは世界観とキャラの作り込みが出来ていて、その謎を解き明かすという構造が上手く機能しているからでしょう。
 
 作画ですが、言われているほど悪くなかったと思います。特にキャラデザは造形そのものは本作の方が良かったし、頭身も本作の方が自然だったと思います。ただ、一般的な異世界ものの雰囲気になってしまったのが惜しいと言えば惜しい気はします。
 線と色彩の雰囲気は1期の方が良かったですし、エフェクトがちょっと安っぽくなった気はしました。アクションシーンの動きと、ゴブリンとかクリーチャーの造形が駄目だったとは思いました。

 ということで、人気作だけに継続してほしいところ。今期は最終回直後でつづきの2クール・2期発表の作品が多いので、是非本作も3期を早急に。

 評価はストーリーは上の通り非常に面白いですが若干アラも見えたので4.5。キャラはテンプレ感がなくていいですね。大司教が大活躍です、4.5。
 作画は思ってたほど悪くなかったですよ?動きは不満なところはありましたけど、4。音楽は…普通?OPEDアニメがいい分で3.5としておきます。声優は十分良かったです、4。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ゴブリンか?ゴブリンじゃないのか・・・ゴブリンか!!!

面白かったけど1期とだいぶ感じが変わりました
1期に比べてずいぶん明るくなったのは良かったのか悪かったのか?
盾勇者と一緒でコレも1期でやりたいことをやりつくした感じで、方向性を変えたのかも
作画は結構顔が歪むことあって気になる

1期は女性を凌辱するシーンが壮絶でしたが、2期はだいぶマイルドになっています、女性の状況から、たぶん原作ではもっとひどい目にあってそうで、苦情でも入ったのでしょうか?
私は女性が凌辱されるシーンに嫌悪感あるのでマイルドになって良いんだけど、どうしても嫌なら2期なんて見ないでしょうし、今さらマイルドにする必要あるんでしょうか?

2期になってもやってることだいたい一緒というか2期は同じようなことの繰り返しだし、残酷な描写が一期よりだいぶマイルドになったし戦闘も1期ほどの緊迫感がなく、ゴブリンの脅威度が減ったので、ゴブリンスレイヤーが延々とゴブリンをせん滅しているのがだんだん気になってくる、しかもゴブリン世界中に大量にいるみたいだから狩っても狩ってもキリがないような? どう完結させるのでしょうか?
3期があるならそろそろひたすら狩り続ける以外の大目的が欲しいところです
ただ仲間キャラクターの活躍が多くなって賑やかになったので一緒に戦ってる感じがいいかも
妖精弓手の可愛さと蜥蜴僧侶の老練した安心感が好き

この世界でゴブリンは最弱とみなされているみたいだけど、これだけ知恵が発達していて大きな組織を作って行動しているなら最弱扱いされているのが不自然です
もっと上位のモンスターも同じように知恵やコミュニティがあるなら、冒険者壊滅しますよね?
そのへんの矛盾は気になります

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20

89.3 11 戦いで異世界なアニメランキング11位
ノーゲーム・ノーライフ ゼロ(アニメ映画)

2017年7月15日
★★★★★ 4.1 (852)
5117人が棚に入れました
それは一切の争いが禁じられ、全てがゲームで決まる
《盤上の世界(ディス・ボード)》が
創造されるはるか以前の出来事。
世界を統べる唯一神の座をめぐり、終わりの見えない大戦が続いていた時代。
天を裂き、地を割り、星さえも破壊し尽くさんとする凄惨な戦争は、
戦う力を持たない人間たちに理不尽な死を撒き散らしていた。
強大な力を持つ様々な種族に追いやられ、
存亡の危機に瀕する人間を率いる若きリーダーの名はリク。
一人でも多くの人間が明日を迎えるために心を砕き、
擦り減らす日々が続くある日、リクは打ち捨てられた森霊種(エルフ)の都で
機械仕掛けの少女・シュヴィと出会う。
機械には持ち得ぬ心に興味を持ってしまったことでエラーを起こしてしまい、
仲間たちから廃棄されてしまったシュヴィは、エラーを修正するため、
リクに《人間の心》を教えてほしいと頼むのだが……。
これは六千年以上もの昔に紡がれた
《最も新しい神話》へと至る《最も古き神話》。
記録にも記憶にも残らない、誰にも語られることのない物語が今、幕を開ける——。

声優・キャラクター
松岡禎丞、茅野愛衣、日笠陽子、田村ゆかり、井口裕香、能登麻美子、沢城みゆき、釘宮理恵
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

私の「感動したら負け」クリード(信条)を易々とクリアされてしまった!

この劇場版を見るまでは、異世界ファンタジー/異世界召喚ものジャンルで一番出来の良い作品は、『ソードアート・オンライン』シリーズで、対抗馬は『Re:ゼロから始める異世界生活』、そして『ノーゲーム・ノーライフ』は3番手かな、と何となく思っていたのですが訂正します。

①キャラクター&世界観設定の練り込み具合
②シナリオ自体の面白さ&作品から受ける感動ないし感銘の度合い

・・・を総合して考えると、同ジャンルでは、劇場版までを含めた『ノーゲーム・ノーライフ』が№1と考えます。

なお、上記3シリーズはいずれも原作未完(※アニメももちろん未完)であり、今後の展開次第で私の個人的評価もまた変わってくると思いますが、現時点で制作・放送(ないし配信・上映)されたアニメ作品を視聴した限りでは、個人的には本シリーズの今後に一番のポテンシャルを感じました。
というのも・・・

◆《トンデモ異世界ファンタジー》の顔をした《想定外の感動作》

本作は榎宮祐氏のラノベが原作ですが、アニメ制作スタッフは本年(2018年)の話題作『宇宙よりも遠い場所』(略称『よりもい』)とほぼ同じ方々です(監督・シリーズ構成・アニメーション制作会社が同じ)。
以前レビューした通り、その『よりもい』は“感動する”作品と事前に何度も聞いており、それなりに期待して視聴を始めたのですが、途中から「あれ?これハズレだな・・・」と気づき始めて、結局そのまま視聴し終えてしまいました。

因みに、英語表現だと“楽しむ”は have fun もしくは enjoy と能動態ですが、“感動する”は be moved と受動態となるのが通例で、私の場合も、アニメ作品は確かに大いに「楽しみたい」(※能動態)のだけれども、「はい、ここ泣くところですよ」みたいな制作側の誘導に簡単に引っかかって「感動させられ」(※受動態)たくないな・・・という拘(こだわ)りが以前からずっとあります。

⇒個人的に、これを「感動したら負け」クリード(信条)と呼んでいます笑。

私がアニメを見るときに一番大切にしている信条で、この「感動の壁」を超えるシーンに思いがけず出くわしてしまうと、その作品の個人評価が ★★ 4.5 を超えてきて、私の「お気に入り」作品の座に昇る可能性が出てきます。
(※実際には、この後さらに、その感動が「一時的なもの」に過ぎないのか、それとも「今後も継続的に感動できるもの」なのか、という厳格審査を実行するので、結局 ★ 4.2~4.4 程度の個人評価に留まる作品が大半ですが)

・・・で、本作なのですが、TVシリーズの時の視聴経験から、「はっちゃけた面白さには十分期待できると思うけど、感動できるタイプの作品ではないだろう・・・」と、さほど期待せずに見始めたところ、全体の2/3くらいを見終えたところで、思いもかけない《こころの震え》を覚えてしまい、「え?こんな作品に感動しちゃっていいの?」とビックリして、見終えて直ぐに、それが果たして正当な感動なのか、更に数回繰り返し視聴して自分に問いただしてみました。

結論からいうと、やっぱり本作は、

<1> よくあるような、音楽や演出などの技巧を凝らして視聴者の一時的な感動を喚起するタイプの作品(=一過性の感動しかない作品)ではなくて、
<2> 一見フザケた装いにも拘わらず、視聴者の感動が一時的なものでは決してない(=繰り返し見てもやはり確りと感動出来るくらいに)緻密に計算された設定&シナリオを備えた作品である、

・・・と思いました。

※なお、この「感動」には、前作であるTVシリーズ『ノーゲーム・ノーライフ』(※但し時系列的には劇場版の6.000年前の話)の事前視聴が、絶対必要とはいわないまでも、やはりある方がずっと良いと思うので、以下、併せて同TVシリーズの各話も再評価します。

《まとめ》
とにかく本作については、前作となるTVシリーズの、とくに第2-3話で、主人公たちの悪フザケに閉口して視聴を打ち切ってしまう方が多く発生している感じですが、そのTVシリーズが急に面白くなるのが第6話(ジブリール回)で、そのあとは最終話まで休みなしに駆け抜ける痛快さをもった《面白作》、そしてこの劇場版までくれば、視聴前は思ってもみなかった心の震えに出遭える《感動作》と思うので、これから初めて本シリーズを見始められる方は、何とか我慢してこの劇場版迄たどり着いて欲しいです。


◆制作情報
{netabare}
原作ラノベ      榎宮祐(『MA文庫J』2012年4月-刊行中)
監督         いしづかあつこ
シリーズ構成     花田十輝
脚本         花田十輝、あおしまたかし、下山健人、榎宮祐
キャラクターデザイン 榎宮祐(原案)、大舘康二(TVシリーズ)、田﨑聡(劇場版)
音楽         SUPER SWEEP(TVシリーズ)、藤澤慶昌(劇場版)
アニメーション制作  MADHOUSE{/netabare}


◆作品別評価

(1) 『ノーゲーム・ノーライフ』(TVシリーズ)  ★ 4.4   (2014年) ※計12話
(2) 『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』(劇場版) ★★ 4.7  (2017年) ※約1時間45分(4~5話相当)
----------------------------------------------------------------------------
  総合                    ★★ 4.5         ※計16~17話相当


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============= ノーゲーム・ノーライフ (2014年4-6月) ==============
{netabare}
第1話 素人《ビギナー》 ★ 対テト戦(チェス)
第2話 挑戦者《チャレンジャー》 ☆
第3話 熟練者《エキスパート》 ☆ 対クラミー戦1(チェス)
第4話 国王《グランドマスター》 ☆ 続き
第5話 駒並べ《ウィークスクエア》 ☆
第6話 一手《インタレスティング》 ★★ 対ジブリール戦(具象化しりとり)
第7話 死に手《サクリファイス》 ★ 希望の鍵
第8話 起死回生《フェイクエンド》 ★★ 種の駒、※特殊ED
第9話 解離法《スカイ・ウォーク》 ★ 対クラミー戦2(オセロ)
第10話 指向法《ブルー・ローズ》 ★★ 対いづな戦(テレビゲーム)
第11話 誘導法《キリング・ジャイアント》 ★★ 続き ※OP「おねがい☆すにゃいぱー」
第12話 収束法《ルール・ナンバー・10》 ★★ 続き、対巫女戦(コイン・トス){/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)5、★(良回)3、☆(並回)4、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.4

OP 「This game」
ED 「オラシオン」


============= ノーゲーム・ノーライフ ゼロ (2017年7月) ===========

全1話 ★★ 4.7 {netabare}TVシリーズより6,000年前に星杯(スーニアスター)を巡る古き神々&15種族の戦争を終結させた人類(イマニティ)の少年(リク)と機械種族(エクスマキナ)の少女型個体(シュビ)の物語{/netabare} ※1時間45分

主題歌 「THERE IS A REASON」

投稿 : 2024/05/04
♥ : 29
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

苦手だった人への劇場版

原作未読


略称がそこそこ知れ渡ってる数少ないやつのひとつ。“ノゲノラ”の劇場版106分でございます。
TV版の当方評点は3.6点。説明するとやや“つまらない”寄りの“普通”な出来と評価しました。あにこれでの高評価と比して低めです。元ネタ好きかどうかは指標の一つとなるためご参考まで。

棚ぼたでTV版と少し空いての劇場版を再放送しててそのまま流されてみました。「TV本編より劇場版のがいーよ」とのご推薦も念頭に。やや視聴にあたっては前のめりではなく、往々にしてこういう場合いざ試しても上方修正することは稀なんですよね。

結果、、、TV版から上方修正します。
理由は後述するとしてまずは概要から。一言でTV版の“前日譚”です。『○○(作品名)ゼロ』と銘打たれると鼻の利く方はタイトルだけで察することが出来ましょう。前の話か後の話かだけでもイメージ湧いてれば迷子にはなりづらい。ただ『 』(くうはく)兄妹らのではない別の昔話というのは少しばかりやっかいです。

次に中身。これも端的に“創世記”ということになるかと。前日譚としての創世記ということになりましょうや。あのゲームでなんでも決まる独特な世界の成り立ちのお話。
{netabare}盛大なる勘違い。主役二人リクとシュヴィの声がそれぞれ松岡さん茅野さんで、キャラ見た目の違いはアバターだからかなくらいかと、しばし『 』(くうはく)兄妹がまた違った世界で奮闘してるのかしらん?と思ってました。どうやら違うと気づいたものの終盤のネタばらしまでもやっとしてた私です。{/netabare}

TV版との繋がりはあるけれど独立したエピソードとして起承転結しっかりしてる106分です。そのため視聴順がTV版と前後してもそれほど弊害はないと思われます。
そしてこの起承転結しっかりした独立エピソードというのが上方修正の理由となります。なお

 ヒキコニートが謎の万能感で無双するのが苦手

いかんともしがたいTV版での苦手要素が一切ありませんでした。ヒキコ兄妹出てこないので当然ですね。当方の偏屈なバイアス抜きで作品に向き合えたのが大きいです。雑味が無くなれば物語に没入できますし映像など演出面では実績あるわけで問題ありません。
ヒキコ云々は作品評価というより自分の趣味志向みたいなもんで、こんなん堂々と言うのもアレでしたが、数少ない!?TV版イマイチ勢でも大丈夫じゃね?な良作だったと思います。



※ネタバレ所感

■感想
 マイナス要素が無いからといって面白いとは限りません。もちろん加点要素ありましたよ。
{netabare}“心を知りたい”シュヴィは欠陥AIみたいなもんという理解でいいんですかね? 
その後2018年冬クールで“愛してるを知りたいのです”なのと仲良く覇権を分け合った化け物アニメを制作したスタッフらの作品というのもなかなかパンチが効いてます。
さておき、本作での欠陥AIが心を知っていく作業って全く空(カラ)の容器に学習内容を入れてくことではなく、概念がない/演算できない状態から適正化していくことを意味してたわけですが、これ似てるようで全く違うんですよね。前者だとカウンターパートは教師役となります。後者だとパートナーと化します。パートナーであるから互いにすれ違いも生じるわけで、当然感動を生むとしたら後者となります。そして前者で同じことやろうとして失敗する作品は枚挙にいとまがありません。本作はきちんとお作法をわきまえており失敗とは無縁でした。{/netabare}

{netabare}それでもって長寿命のほうが先に果てる展開が個人的にはツボでした。驚きと言い換えても良い。
長寿命側が見送るからこそ両者の埋めがたい溝に心千々に乱れる!みたいな様式美を踏襲しなかったのです。しかもコンピューター的彼女が不合理な選択をしたというのが味わい深い。ご存知プログラムは演算できなければエラーとなります。彼女の最期って本来エラーとなるところに解を見つけて無理やりにでも動かしきった感がありました。Y or N の高速演算しながらの“らしい”描写から揺らぎが生じ処理しきれなくてABEND起こすか?と思ったところを突破するの胸アツです。そこで「リク。私“心”を知ることができたよ」的なセリフは一切なし。
セリフではなくバトルの中身で雄弁に語らせる。{/netabare}

無機物と人間との関係性ではお作法を守りながら、オチで変化をつける見事なお手前でした。
バイアスで迷子になりかけたことを除けば文句はありません。
松岡さんの苦悩する演技はもはや名人芸の域ですね。作品をしっかり底上げしてました。
あ、映像について抜けてました。えーと、、、良かったです。


■ビール好きヲタクに捧ぐ

{netabare}命名タイムでリクから「長いから短くしろ」とダメ出しされた素案“シュヴァルツァー”。短くまとめて“シュヴィ”に落ち着いたのでした。
まとめる前の“シュヴァルツ”と冠した海外銘柄ありますよね。なんなら国内地ビールでもたまに見かけます。えぇ黒ビールのことです。広い世の中ギネスだけではありません。でもむしろ馴染み深いのはヴァイスビア(白ビール)だったりするのかしら?
いずれにせよ黒ときたら「あー白ね」と11歳不登校児を想像するのに時間はかかりませんでした。配信専用勢ではなく地上波でもアニメ観てるならブシロードCM『ヴァイスシュバルツ』を一時期ヘビロテしてたの覚えてるヲタさんも多いことでしょう。よって馴染み深い。対する男も空(ソラ)に対してリク(陸)ってことねと早合点するのにこれまた時間はかかりませんでした。{/netabare}

空と白の話だと思ってたんだよなぁ(しつこい)。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 24

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

願ったのは、共に生きること…。

テレビでアニメ本編が放送されたのが2014年の春アニメ…
当時、この作品を視聴した際、続編の制作を激しく渇望したのを覚えています。

ただその時、著者である榎宮祐さんが手術後の予防治療中とのことだったので、無理はできないなぁ…と思っていましたが、しっかり復活されていたんですね。
小説版、漫画版ともに既刊の数が着実に伸びているのが実感できるのは嬉しいことです。

だから、頭の思考回路は続編のことばかりでしたが、まさかこんな形でこの作品と再会できるのは思いませんでした。
劇場版の上映は2017年の7月で、アニメ本編の放送から約3年が経過しています。
それでも、この物語は全てがゲームで決まる現在よりはるか昔の出来事が描かれているんです。

その頃のこの世界は、世界の唯一神を決める争いの真っただ中で、絶対に殺生が行われない今とはまるで真逆の世界…
それだけじゃありません。
その争いを行っているのはエルフやドワーフ、或いはフリューゲルといった圧倒的破壊力を持った種族たちなんです。
そんな中、人類は立ち向かう力どころか自分の身すら守る力もなく、次々に仲間が命を落としていました。
どんなに身をすり減らしても人類の圧倒的劣位の立場は揺るぐことが無く生きる事に疲弊していた、と言っても過言では無かったと思います。

だから人類の残された選択肢は一つだけ…
小さな穴ぐらで身を寄せ合いながら、悩んで迷って苦しんでの堂々巡り…
だって人類が選択するということは、仲間の命の犠牲に直結していたから…

そんな人類を統率していたのは、リクという若き青年でした。
きっと一番心がすり減っていたのはリクだったでしょう。
みんなの安全を…人類の明日を守るために彼は周りに対して非情であり続けなければいけませんでしたから…
でも、そんな心の底から非情になり切れるほど、リクは人間が出来ていませんでした。
当たり前です…もしそんな人がいたら、きっとその人は人間の皮を被った何か…なんでしょうから。

そんな中、リクはエルフの領内で「機凱種(エクスマキナ)」の少女・シュヴィと出会います。
彼女は人の心を知りたいという好奇心から機械で居続ける事ができなくなり、仲間から廃棄された少女だったんです。
リクたちは人類以外のあらゆる種から蔑まれ、奪われ続けてきました。
だからこの少女も当然敵…の筈だったんですが、あまりにも機械っぽくない言動と、リクの思惑とが交錯し、物語は意外な方向に転がっていくことになるのです。

最初は接点なんてどこにも無かった…
だから言葉も頭の理解もすれ違いばかり…平行線の一途とはきっとこういう事を言うのでしょう。

でもこの作品の本気はここからです。
最初の兆候は平行線の一途に変化が訪れたこと…
片方は機械で片方はにっくき敵であることに変わりありません。
それでも変化が訪れた…
相手の気持ちを汲み取り素直に思いを伝える機械と、どんな時でも寄りかかれる場所の存在に人が気付き、その結果互いの中で互いの存在が昇華したから…
どちらか一方だけの変化じゃ絶対に平行線は交わりません。
ここに行き着くまでに時間は必要でした。
でもお互いが接点に辿り着いたこと…これこそが二人にとってとても重要なことだったんです。

そしてここからは…もう涙無しでは見られません。
二人の選択したゴールは遥か彼方…
そのゴールに向かって共に歩んでいくことを誓った二人…
だから決めた通り二人で手を取り合いながら一歩ずつ進めば良いのに…

だけど相手を思う気持ちが先行して…良かれと思ったのに…こんな思いってきっとみんな経験していると思います。
だって、例えば最愛の人が風邪で熱を出したら心配するし、何か出来ることを率先しようとするじゃないですか…
二人の出発点もこんな感じで始まったんですけどね…

シュヴィのなりふり構わない様相と心の叫びが胸に突き刺さります。
リクと交わした約束を心の中で何度もなぞりながら忠実に守ろうと懸命なシュヴィの雄姿に私の涙腺は全く抵抗できませんでした。
ホント…シュヴィ…凄かったですよ。
ここまで思えたのも全てはかやのんのおかげ…流石としか言いようのない完璧な熱演だったと思います。
そして凄いのは、その後のリクも…でしたけどね。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

キーワードは、エメラルド色に輝く石…
記録にも記憶にも残らない、誰にも語られることのない物語の正体が隠されているかもしれませんよ。
どこまでも儚くて…でもとても優しい物語に昇華してくれた大切なアイテムだったと思います。

テーマソングは、鈴木このみさんの「THERE IS A REASON」
この作品の余韻に浸るにはこれ以上ないマッチングだったと思います。

110分弱の物語でした。
いやぁ…月並みですが視聴して良かったと本気で思える作品でした。
いしづか監督並びに制作スタッフの皆さま…メチャメチャ堪能させて頂きました。
本編も勿論大好きでしたが、この劇場版を見てこのシリーズを「お気に入りの棚」の一作に加えさせて頂きたいと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 24

73.3 12 戦いで異世界なアニメランキング12位
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 深章 厄災篇(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (251)
788人が棚に入れました
悪夢は終わらない。 絶望は破滅を誘い、厄災は惨禍を招く。 ジャガーノートとの闘いのさなか、奈落に消えたベルとリュー。 行き着いた先は、全ての冒険者が恐れるダンジョンの深淵――『深層』。 満身創痍、孤立無援、迫り来る厄災の脅威。 迷宮決死行の渦中、五年前の後悔に苛まれる妖精はかつての仲間を追憶する。 一方、ベル不在のパーティの前に現れたのは、双頭の巨竜アンフィス・バエナ。 破壊の化身が吐き出す凶悪な炎流が全てを呑み込む。 希望も光明も失われた迷宮で、冒険者達が辿る運命は幕切れか、それとも…… これは少年と妖精が押し寄せる死に抗う、過酷に満ちた【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】――。
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

全体的に暗い・怖い・辛い

全編にわたってバトル・探索なので、内容としてはそんなに濃いものでもないかなと。

最終話は{netabare}かつてリューを守るために命を賭して戦ったファミリアの仲間たちの想いを背負ってジャガーノートを倒した際はうるっときた。本当に皆さん仲間想いやな。宿敵倒せて良かった。{/netabare}

極限状態におかれると尋常ではない気持ちに。
裸で抱き合うなんてさらに、高まる。
また、モテ度合が増してしまって。
逃げちゃ駄目よ、改め逃がしちゃ駄目よ

治療のせいで借金地獄かいな。
短剣のこともあって中々減らんな


OP
視紅 早見沙織
ED
切り傷 sajou no hana


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
第12話 『絶望の詩-アンフィス・バエナ-』
破壊者との戦いのさなか、ラムトンの襲撃に巻き込まれ、ベルとリューはダンジョンの更に深くへ堕ちていく--行き着いた先は深層。そこは第一級冒険者すら呑み込む奈落の世界だった……一方で、下層のリリたちの前にも次産期間(インターバル)を無視するかのように出現した迷宮の孤王(アンフィス・バエナ)の姿が。その強大すぎる力をまざまざと見せつけられ、ベルが不在のパーティの面々は絶望の色に染まっていく--

第13話 『犠牲-モルグ-』
手負いのリューを抱えたまま、中層や下層とは比較にならない、極限状態での戦闘を繰り返すベル。己の実力を遥かに超えた迷宮の孤王(アンフィス・バエナ)を相手に、死闘を繰り広げるリリたち……そんな彼らを救うべく、ヘスティアが救助隊を差し向けるが、未だ合流には至らずにいた--。深層のモンスター、破壊者、そして階層主(アンフィス・バエナ)。迷宮の激戦は、着実に彼らの身体と精神を削り続けていく--

第14話 『友-ダフネ・ラウロス-』
迷宮の孤王(アンフィス・バエナ)の強攻策により、蒼炎に巻かれ、水没させられ……為す術なく瓦解していくリリたちのパーティ。もはや打つ手なしかと思われる中、桜花が、ヴェルフが、アイシャが、無謀とも思える特攻を開始する。彼らが見つめていたのは、力なく水面に浮かぶ命、燃え盛る蒼炎に包まれる春姫--。冒険者たちの抗戦が更に激しさを増す中、水中から、そして炎の中から反撃の狼煙が上がるように、歌声が響き始める--

第15話 『不冷-イグニス-』
片時も緊張の糸を緩めることが許されない深層で、代わる代わる休息(レスト)を取り、体力の回復を図るベルとリュー。そんな二人を捜索すべく、紙一重の戦闘・冒険をくぐり抜けたリリたちも動き始めていた--。しかし、階層主との戦いで疲弊した彼らを待ち受けていたのは、想定外に強力なモンスターの大群--悪意すら感じられるダンジョンの異常事態(イレギュラー)に阻まれ、思うように進むことができず……

第16話 『始高―ヴェルフ・クロッゾ―』
僅かながらに回復を果たし、深層からの脱出に動き始めたベルとリュー。深層探索の経験者であるリューから教えを受けつつ、ベルたちは深層と下層の分水嶺――36階層を目指すことに。片や、ベルたちが堕ちた深層を目指すリリたちは、全ての命運をヴェルフに託すことを決め、彼を守り多数のモンスターと戦い続ける。鍛冶師が打つ、たった一振りの武器――それが戦況を覆すという荒唐無稽な希望にすがりながら……

第17話 『白の迷宮―ホワイトパレス―』
ボールスがベルを見失ったという27階層に到達したリリやヴェルフたち。そこには、ただ凄惨な戦闘跡だけが残るばかりだった……深層では、満身創痍となり、物資も尽きかけているベルとリューがなんとか生命を繋ぎ止めている中、リューはかつて所属していた【アストレア・ファミリア】――飽くことなく『正義』の意味を探究し続ける集団について思いを馳せていた。まるで今なすべき『正しきこと』を探すかのように――。

シーズン4エピソード18 - 深章 厄災篇 第18話 『迷宮決死行―デスパレート―』
異端児(ゼノス)による救援、椿やアーニャたちとの合流を経て、深層へと向かう態勢が整ったリリたち。想定を遥かに超える危険な領域ではあるが、誰もがベルのために、奈落の世界に進むことを決断する。逆に、その深層からの脱出を図るリューとベル。リューの言葉に耳を傾け、飛躍的に深層での対応力を身につけていくベルの成長に、リューは舌を巻く。だが、それでもなお、深層の出口は遠く、光明はまだ見えずにいた……。

第19話 『闘技場―コロシアム―』
37階層『白の迷宮(ホワイトパレス)』の中心にそびえる『闘技場(コロシアム)』――モンスターが無限に産み落とされ、彼らが命尽きるまで戦い続けるという、かの【ロキ・ファミリア】ですら、侵入を避けるとされる領域。地上への道を切り開くには、その闘技場を渡らなければならず……。ひとたび見つかれば、無数のモンスターに蹂躙されるという極度の緊張感の中、ベルたちは慎重に歩みを進めていく――

第20話 『散華―アストレア・ファミリア―』
過去、迷宮都市(オラリオ)に『正義』を標榜する集団がいた――弱きを助け、悪を挫くのみならず……惑い、悩み、それでもなお『正義』を探究し追い求めし者たち。彼女たちの名は【アストレア・ファミリア】――。かつてリューを受け入れ、育み、彼女の拠り所となった唯一の派閥。そしてダンジョンの闇に呑まれ、儚く歴史から、その名が消えてしまった少女たち。ただひとり、【疾風】リュー・リオンを残して……

第21話 『優しい嘘―デイドリーム―』
尽きることなき生存本能が引き寄せた幸運、貫き通した意思と正義を以て、文字通り九死に一生を得たベルとリュー。崩落した闘技場(コロシアム)の地下で偶然発見した未開拓領域で、ふたりは束の間の休息を取ることに。最難関の峠を乗り越え、ふたりの間に力ない笑みが浮かぶ程度には回復した頃、冒険者たちは地上に向かい再び歩み始める――。未だ闇深い奈落の領域から、光溢れる未来が近いことを信じて……

第22話 『星華―ルヴィア―』
守るべき妖精を安らかな眠りにいざない、少年はひとり戦地へと赴く――。少年を待つものは、厄災たる破壊者。それはかつて、妖精から全てを奪い去った元凶――そして地上への道程を阻む最後にして最大の難関。奈落の領域で妖精から学んだものも総動員し、少年は持ち得る全てを行使し破壊者へと挑んでいく。生きて帰るために、そして、なにひとつとして大切なものを失わないために。――深章・厄災編 ここに完結――

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ダンジョンRPG視点で見て、良い感じでカビ臭くなってきた

引き続き原作ライトノベルは未読。

【物語 4.5点】
これぞ迷宮(ダンジョン)。
展開はハードで、お気軽異世界ファンタジーが量産される昨今のトレンドからは外れており、人は選ぶが、ダンジョンRPG好きには断然オススメ。

2期、3期と、意外と迷宮に潜らなかったので、ヤキモキさせられました。
ですが、一方で、ここまでダンジョンRPGの諸要素を巧く設定・シナリオ化しているとの手応えもあり……。

例えば……
{netabare} ・迷宮を巡るパーティー間競争→ファミリア間の抗争、駆け引き。
・倒されたモンスターが転生しながら無限POPする迷宮の異様→「人造迷宮ークノッソスー」建設者の狂気。
・迷宮内の“友好的なモンスター”への対応を巡る相対的な善と悪→冒険者たちから迫害される「異端児-ゼノス-」を助けることにした【ヘスティア・ファミリア】{/netabare} etc.……

そこにダンジョン愛を感じることができていれば、「迷宮決死行ーデスパレートー」となるこの4期分割2クール目は、迷宮の醍醐味を収穫できる至福のひと時となる。
信じて視聴し続けて本当に良かった。


構成は、満身創痍で「深層」に落ちた主人公ベル・クラネルと“疾風“のエルフ、リュー・リオン。2人の脱出サバイバル。
「下層」にて“英雄”ベルを失いパーティー瓦解の危機を抱えながら、ベル救出か撤退かの狭間で揺れる仲間たち。
かつてリューを襲ったパーティー壊滅の悪夢の回想。
3本柱のプロットで迷宮(ダンジョン)とは何かを徹底的に思い知らされる最悪で最高な{netabare} 四{/netabare} 日間。

中級以上のパーティーにとって一番恐ろしいのは落とし穴(シュート)からの格上モンスターによる数の暴力(また、そういう敵に限って仲間を呼ぶんですよw)

本作の決死行には、次エンカウントしたら絶体絶命。一歩進むのにも手に汗握る。
迷宮の緊張感が見事に再現されており、私も『Wizardry』シリーズ等でやらかした時のトラウマも思い出し悶えながら視聴しましたw


ダンジョンRPGで最も脳汁が出る瞬間と言えば、
パーティー全滅の危機を、普段は気にも留めないアイテムやシステムをフル活用して切り抜けた時。

この観点からグッと来たのが、{netabare} ヴェルフ即席の鍛冶による《魔剣》生成と反抗。{/netabare}


【作画 4.0点】
アニメーション制作・J.C.STAFF

率直に『ダンまち』も視聴者の選別も進み、1期に比べたら話題性も収益性も落ちているはず。
それでもアニメ化し続けてくれる同スタジオ。この律儀さが有り難いです。

「深層」“白の迷宮”のムードを演出した、くすんだ色彩選択も印象的。
ここもまたグラフィックの変化と共に緊張感が増す迷宮の魅力を伝えていました。

ドロドロ、ネバネバな迷宮サバイバル食の数々。
大体ダンジョンに飯テロを求めるなんて間違っているんですよ。
{netabare} 腐った死体から漁った傷んだポーションでも、スライムの粘液{/netabare} でも、飲める物は何でも啜(すす)って生き残らなければなりません。
(でも{netabare} リューさん先輩面して、絶叫するベルくんにゲテモノ喰らわせておいて、結局、自分は口付けませんでしたよねw{/netabare} )


そして、ベルくんとリューさん。装備大破して裸同然となった男女の脱出劇。
ある意味、豪奢な大鎧より難しそうなボロを纏ったキャラを粘り強く描写し、サバイバル感を盛り上げる。

それにしても、こんな危機的状況でもラノベ的ラッキースケベに遭遇してしまうベルくんw
第21話。{netabare} 肌を密着して濡れた身体を温め合う2人{/netabare} の描写には不謹慎ながら欲情しそうにw
ただ、あの場面はリューを縛り付けていた恐怖と贖罪意識が淡い恋慕により溶解する重要なカット。
決して安直なサービスシーンではなかったです。


【キャラ 4.0点】
“例の紐”も“ヴァレン某(なにがし)”もまともに登場しない。
メインヒロイン飛車角落ちで大丈夫か?となった4期。

ヒロイン枠のリューも終盤まで謎だらけでヘスティアやアイズには遠く及ばない印象。
ですが「深層」を彷徨い、リューの過去が深掘りされる内に、
ベルくん争奪戦でも強力なヒロインに化ける。

リューが過去に所属した【アストレア・ファミリア】のメンバーたちも、モブではなく確立され、リューの人格に深みを与えていました。
“正義”に関する問答が、上述のダンジョンにおける相対的な善悪とも混じり合って味わい深かったです。


モンスターでは迷宮(ダンジョン)の仕組みを脅かす輩に災厄をもたらすジャガーノートの異端性。
まるで『不思議のダンジョン』の死神みたいな番人ぶり。
期待する目的から外れた冒険者たちの言動は許さない。抵抗する間もなく瞬殺する寒々しさ。
大迷宮を創造した者の強烈な意志と狂気を想起させられる手強い一体でした。


【声優 4.5点】
リュー役の早見 沙織さん。
トラウマが積み重なった人格を好表現。
「深層」より深い人間表現ができる。その上デレると、とびきり可愛い。
清楚ボイスだけじゃない。はやみん流石です。

ベル・クラネル役の松岡 禎丞さんは今回も良く叫びました。
痛恨の一撃に、毒味に、不可抗力的スケベシーン。何でも叫べる。
「貴方は尊敬に値するヒューマンだ」


【音楽 4.0点】
劇伴担当は1期以来の井内 啓二氏。
本格的に迷宮の絶望を掘り下げる深章に合わせて選曲も重厚化。
リューが諦めて贖罪にかこつけた自己犠牲に逃避しようとする度に、
手を差し伸べるベルを奮起させるように鳴り響く「英雄願望」のメインフレーズ。
シビれました。

OP主題歌はリュー役・早見沙織さんの「視紅」
ED主題歌はsajou no hana「切り傷」
いずれもリューの心境を捉えたバラード。

“一緒に帰ろうって決めた 優しい陽だまりへ”

投稿 : 2024/05/04
♥ : 27

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

悪夢は絶望へと続く――迫り来る厄災の脅威 妖精の脳裏に蘇る追憶の光景 間違った私に「正義」はもう…… 過酷な「現実」に抗う少年と妖精の決死行

この作品の原作は未読ですが、アニメ版は本編、劇場版、OVAと一通り視聴済…
かと思ったら、第3期のOVAは未視聴でした。

本来なら、OVAは円盤を購入した方への特典なのでしょうけれど、最近は配信サイトでOVAが視聴できるようになっています。
第3期のOVAもdアニメストアで配信されていましたので。

まぁ、棚の目につくところに置いておけば、そのうち気になって視聴するでしょう。
自分のことながら、この安直さに時折辟易することもありますが、きっとこればかりはもう治しようもないと思いますので^^;


悪夢は終わらない。
絶望は破滅を誘い、厄災は惨禍を招く。

ジャガーノートとの闘いのさなか、
奈落に消えたベルとリュー。

行き着いた先は、
全ての冒険者が恐れるダンジョンの深淵

――「深層」。

満身創痍、孤立無援、迫り来る厄災の脅威。
迷宮決死行の渦中、
五年前の後悔に苛まれる妖精は
かつての仲間を追憶する。

一方、ベル不在のパーティーの前に現れたのは、
双頭の巨竜アンフィス・バエナ。

破壊の化身が吐き出す凶悪な炎流が
全てを呑み込む。

希望も光明も失われた迷宮で、
冒険者達が辿る運命は幕切れか、
それとも……

これは少年と妖精が押し寄せる死に抗う、
過酷に満ちた【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

振り返ってみると新章・迷宮篇だって相当過酷な展開の連続でした。
でも今回の深章・厄災篇を見てしまうとこの印象は大きく変えられることになります。

満身創痍、孤立無援、迫り来る厄災の脅威。
公式HPのINTRODUCTIONには、少年と妖精の置かれた状況をこの様に表現していました。
ですが、目の前に繰り広げられる惨劇は、こんな言葉に置き換えられるほど
易いモノなんかじゃありませんでした。

時間の経過に伴い、どんどん死に引っ張られているのを身体全部で感じざるを得なくて…
1分1秒…その場に留まる時間が長引くほど恐怖が加速度的に増していく…
きっとこれまで、これほどの身の危険を感じたことは無かったのではないでしょうか。

ですが、こんな人生の最後を迎えるような状況であるにも関わらず、悠長な感傷に浸る暇なんて二人には微塵もありませんでした。

「殺らなければ殺られる…」

そのために存在するのがこの深層なのですから…
だから、例えここで二人の冒険が終わってしまったとしても少しも不自然じゃありませんでした。

主人公は死なない…
そんな暗黙のルールが通用する様な甘い場所じゃありませんでしたので。

だから考えるのは、次の瞬間のその一手…
自らの身を挺して仲間を逃がす…そのためなら何をも厭わない鋼鉄の意志の赴くままに動く…
かつての仲間に自分がして貰ったように、今度は自分がその役目を追う番だとはっきり認識できる。

でも、ダメなんです…
もう一人が二人で一緒に帰るんだの一点張りで、握った手を放してくれないんです。
それに、未だ早いとかつての仲間も認めてくれず門前払いでしたので…
色んな思いや願いが幾重にも繋がって、人間の生へと続いているのを実感します。
だから人は生に執着するのかもしれません。

身体中が痛くて前に進むのが苦しい…
誰でもこういう場面には遭遇すると思います。
ですが、途中で諦めてしまったら、もっと違う痛みと苦しみに苛まれることになるのを、無自覚で無意識ですけれど私たちの本能が知っているのかもしれません。
これだけでも十分に頑張る理由になると思うんですけれど…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、はやみんによる「視紅」
エンディングテーマは、sajou no hanaさんによる「切り傷」
歌い手さんが新章のオープニング・エンディングと入れ替えになっていました。
最近、ちょいちょいはやみんの楽曲を耳にする機会がありますが良きですね~
今度の楽曲も大好きでした。

1クール全11話の物語でした。
視聴には痛みと苦しみを伴いましたが、それ以上に仲間の絆と信頼を感じることができたと思います。
人には変わらない部分と変わる部分が存在していて、その案配は人それぞれで決して否定するモノではないことを実感させて貰いました。

続編…は私が心配することではありませんよね。
必ず制作されると確信していますので^^
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26

71.6 13 戦いで異世界なアニメランキング13位
本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません 第3部(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (181)
702人が棚に入れました
誰もが本を読める世界へ 神殿の青色巫女見習いになったマインは、ルッツやトゥーリ、孤児院の子供たちと共に、子供用の聖典絵本を作った。 マインの本への情熱は高まるばかり。ヨハンやハイディにグーテンベルクの称号を与え、次なる目標・活版印刷を目指す。 だが、そんなマインの行く手に暗雲が立ちこめる。 強大な魔力と不思議な知識をもつマインに利用価値を見出した貴族や、マインに恨みをもつ貴族が、マインを密かに狙っていたのだ。 安全のため、マインには護衛騎士がつくことになった。 さらに、フェルディナンドはマインに、貴族であるカルステッドの養女になるようにと命ずる。 それはマインの身を守るための命令だったが、大切な家族と離れたくないマインは受け入れることができない。 そんな中、マインの家族に新しい命が誕生する。 エーファがカミルを出産。マインは姉となったのだ。 そして、神殿では身食いの捨て子、ディルクを育てることに。側仕え見習いのデリアはディルクを家族同然に可愛がるようになる。 守りたいものが増える中、マインを狙う魔の手はすぐ近くまで迫っていた。 マインはどうなってしまうのか!?


声優・キャラクター
マイン:井口裕香
フェルディナンド:速水奨
ジルヴェスター:井上和彦
カルステッド:森川智之
ダームエル:梅原裕一郎
ルッツ:田村睦心
ベンノ:子安武人
トゥーリ:中島愛
ギュンター:小山剛志
エーファ:折笠富美子
オットー:日野聡
コリンナ:衣川里佳
マルク:前野智昭
フリーダ:内田彩
ギル:三瓶由布子
フラン:狩野翔
デリア:都丸ちよ
ロジーナ:鈴木みのり
ヴィルマ:安野希世乃
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

アニメとしては区切りかな

The story to be told is overということはこれで終わらせるのかな。
to be continuedて出たからどうかな?

自分の強大な力でもって下剋上できそうな気もするけど、時代のせいか身分や権力者の後ろ盾がないとダメってのは難しい。

新しく弟ができたり、孤児を育てたり。新たに絵本を開発すべく絵具開発など、まったりした時間が流れつつも、毎回悪巧みしている神殿長が…。
愛人なんて馬鹿な考えをまんまと利用されてしまって。
{netabare}お守りのおかげで養子縁組という後ろ盾を得てなんとか逆転。{/netabare}

{netabare}ラストの家族の別れは本当に切ない。領主様も上級貴族の娘にするからって容赦ない。仕方ないけど。{/netabare}思わず涙が出てしまった。
家族愛が好きなんです。

最終回前までは流して見る感じだったけど、最後は涙腺が緩い自分に刺さってしまった。ただ、キャラクターが多すぎて時折、誰だったか把握できてないのが玉に瑕。


OP
あの日のことば 東山奈央
ED
言葉にできない 坂本真綾
OPの作詞は藤原さくら。良い感じの歌詞と思います。OPで間を持たせるのって難しいのか走らせちゃうよね笑。
EDは作詞・作曲も坂本真綾さん。出産おめでとうございます。
映像は本・印刷技術の発達を時系列ごとに。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
第二十七章『冬の始まり』
秋の終わり。マインは聖典絵本を量産して売り出したり、鍛冶職人見習いのヨハンにパトロンになって欲しいと頼まれたり、次の目標へ向けて精力的に本作りに取り組んでいた。だがそんな中、インク協会会長のヴォルフが、マインのことをかぎ回っていることがわかる。マインはベンノからある事を提案されるのだが……。

第二十八章『冬籠もりと今後の話』
神殿で、冬籠もりをすることになったマイン。だが、早々にホームシックになってしまう。さらに、ベンノとフェルディナンド、カルステッドとの会談では、ヴォルフが危険な人物で貴族とも繋がりがあることが判明。不思議な知識と強大な魔力を持つマインは、貴族たちからも狙われる存在だったのだ。危険を回避するためにフェルディナンドが下した決断とは!?

第二十九章『奉納式と春の訪れ』
マインの護衛として騎士のダームエルがつくことになった。おかげで出歩くことができるようになったマインは、図書室に行けると大喜び。奉納式を行ない、小聖杯に魔力を満たす職務を果たしながらも、下町へヨハンに注文していた品を受けとりに行く等、本作りへの情熱は失わない。そして春が近づき、家に帰れる日を心待ちにするマイン。だが、そんなマインに残酷な事実が告げられる。

第三十章『祈念式』
祈念式へ向かうことになったマインたち。そこへ、ジルヴェスターという青色神官が現れる。自由奔放なジルヴェスターにからかわれ、戸惑うマイン。ジルヴェスターを牽制しながら各地の農村を回り、祈念式を立派に務める。そしてマインたち一行は、以前からマインに興味を持っていたというゲルラッハ子爵のもとを訪れることに。だが、その日の夜--。大変な事件が起こってしまう!

第三十一章『青色神官の贈り物と帰宅』
祈念式を終え、マインたちが神殿に帰って来た。ジルヴェスターは、孤児院や工房を見てみたいと、マインを案内係に任命。聖典絵本を作る様子等を見て回る。そして去り際、ジルヴェスターはマインに、「いざという時のお守りだ」と、黒い石のついたネックレスを渡す。一方、ジルヴェスターと共に本作りの様子を見たフェルディナンドは、マインの技術は歴史を変えてしまうと、危機感を募らせるのだった。

第三十二章『神殿の捨て子と色作り』
久しぶりに家に帰ったマイン。弟のカミルが生まれ、これまで以上に本を作ろうと決意する。そんなマインの前に、強力な助っ人が現れた。インク職人のハイディだ。好奇心旺盛で研究熱心なハイディは、すぐにマインと気が合い、色インクの開発が始まった。試行錯誤を繰り返すマインとハイディ。そんな中、神殿では捨て子の赤ん坊、ディルクの面倒を見ることになる。

第三十三章『デリアとディルク』
赤ん坊のディルクが、高熱を出してしまった。ディルクを可愛がり、親身に面倒を見ていたデリアは、心配でたまらない。症状を見て、ディルクが身食いではないかと気づいたマイン。フェルディナンドと相談の末、ディルクを守るために、身食いであることを隠して育てることにする。マインは、ハイディと共に色インクの実験を進めつつ、神殿でディルクの世話をしていたのだが……。

第三十四章『不穏な動き』
ハイディの工房からの帰り道。非常事態を知らせる鐘が鳴り、救援信号の赤い光が上がる。何があったのかと、不安になるマイン。状況がはっきりするまで、マインは安全のため、家に引きこもることになった。束の間の家族との時間を過ごすマイン。そして、ようやく外出を許されたマインが神殿へ行くと……。そこに、ディルクの姿はなかった。そしてマインに、さらなる危機が襲いかかる!

第三十五章『黒いお守り』
門番のミスで、他領の貴族の馬車が町に入りこんでしまった。マインが狙われていることを知っているギュンターは、マインを守るために奮闘する。だが、謎の男たちに襲われてしまうマイン。ジルヴェスターの言葉を思い出し、黒いお守りに血判を押す。しかし、状況は何も変わらない。そんな中、マインを狙う者たちが、ついに牙を剥く!そして、ディルクも巻き込んだ神殿長たちの陰謀が明らかになる。

第三十六章『祝福』
不当な契約を迫る神殿長とビンデバルトに、魔力を暴走させたマイン。そこへ現れたフェルディナンドは、ビンデバルトと対戦する。さらに一同のもとへ、ジルヴェスターとカルステッドもやって来た。神殿長とビンデバルトは、自分たちに刃向かったマインに、罰を与えてほしいと要求。一同の裁定が行なわれる。そして、マインは大切な家族に、一つの決断をしたことを告げることになる--。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

話に一区切りついた感じかな。

{netabare}
第3期は本の話も含めつつ、家族の話に一層重きを置いていた印象。
このアニメは大きく本、神殿関係、家族に関しての話に分類されるのかな。

一期、二期で大方本作りに必要な道具は揃え終え、技術者に関しても集め終え、三期の序盤ではインクも開発し、いよいよちゃんとした本が完成するかと思えば、今度は既得権益と言う障壁。
確かにこの物騒そうな時代だと既得権益は無視してはいけない存在であり、道具揃えて作って終わりではなく、そういう細かい部分まで描けていて、やはりしっかりしている作品と言う印象。
インクの開発も、素材揃えて出来ましたではなく、色の調整のため試行錯誤するシーンまで描かれているように、実際に苦労するであろう部分はちゃんとその苦労まで描写されていて丁寧。
本作りという一見すぐに終わりそうな題材をここまで丁寧にやっているけど、だからと言ってダラダラとやっているわけではなく、本作りの上での障壁を取り除くための更なる目標が次々に打ち出され話の山場ができていくので、単純に退屈もしない。

神殿関係の話も面白い。
これもまた話自体は基本的に地味だが、面白く感じるということはこのアニメがオリジナルな世界観を作れているからだと思う。
最後の養子縁組、養女の話なども貴族と平民に分かれたこの世界観だからこそ身を守るために必要な対処法で、こういう面でも話に整合性が取れていてフィクションながらリアリティがあるので、世界観に入り込みやすい。
他の作品だと力で押し切って...みたいな雑な展開になりがちだが、この作品はそういう方向へ逃げずに現実的な方法で乗り切ってくるから印象がいい。
戦闘要素に関しても、魔術具など特殊な用具の存在や、結構細かい魔法の設定など、テンプレからの流用ではなくて戦闘重視な作品でないにも関わらず面白い。
新キャラも増え、神殿長の策謀もあったりで常に緊張感保てていたかな。
急にデリアが裏切ったり、特に最終回の展開だったり、思いもよらない方向へ展開が進んでいって面白かった。

家族の話についても特に良かった。
一期では主人公が本作りの邪魔をされたことによって家族に魔力をふるいかけたりする場面があったが、3期では家族のために本作りを一旦断念する、と2期の最終回での展開を通じて、より大切なものが家族へとシフトしていて成長を感じられた。
神殿での戦闘で今度は魔力を用いて家族を守るのも序盤との対比が効いていたと思う。
最終回も家族とマインがお互いのことを考えて、契約に反対せずに素直に受け入れるのが良かった。
このアニメは家族に限らず、キャラ同士の交わりが多く、繫がりがかなり大切にされている印象があるからこそ、最後の別れのシーンは感動できた。

個人的に3期が一番面白かった。
二人の赤ちゃんの話とかまだこれからと言う感じだったし、4期もぜひ欲しいんだけど、ないのかな。

↓一話毎メモ
{netabare}
27話 ☆8
OP今までで一番いいな。久々のフリーダ こいつ誰だっけ。
まるで実写。既得権益w 神殿長とかいう空気
EDの映像なんなんすかねこれ。

28話 ☆8
本中毒。ベンノとかいう有能。
一般人を傷つけた貴族が死刑判決って重いな。
このアニメ一話で一つの内容を大方解決してくれるのがいいわ。

29話 ☆8
このアニメ、貴族と言っても基本的に優しいけど、実際のところどうなんだろう。久々の神殿長。反撃怖くて手出せてないの草。
ダ―ムウェルは青服着ないのね。不穏だな。
変な器具が出てきて急に文明が進展した感ある。

30話 ☆9
何のプレイだよw なんやこいつw この祈りのポーズ何回見ても面白いな。
この世界やっぱり貴族と平民仲いい感じなのか?雑魚騎士さんを除いて。
これ貴族用と平民の食事ってことだよなw
いかにもな悪役顔 戦闘とか珍しいな。

31話 ☆9
こいついっつも呼び出されてんな。ジルヴェスターめっちゃいい奴じゃん。
確かにいきなり紙普及したらな。
又既得権益か。細かいけどこの時代ならね。
協会が悪影響受けたしな現実だと。
前世の反省が活かされてる。
デリアまだ神殿長と繋がってんのか。赤ちゃんも身喰いもってそう。
いや普通にマイン狙い?

32話 ☆9
黒幕。目暮警部何やってんすか。やっぱり神殿長一枚かんでたか。
触るな。最初は高めの値段を提示する奴。科学者に慣れそう。怖い。
山羊のミルクがまずかったのでは。

33話 ☆7
一瞬で取れるの草。
てかなんで、主人公みたいに魔力を提供するのはダメなの?
提供者多ければ多いほどいいってもんじゃないの?

34話 ☆8
これは不穏な動き。久々に本の作成に重きを置いた話という感じだな。
急に不穏。噛ませおじさん。からかうなw 過去一不穏だったなw

35話 ☆10
案外あっさり助かる。イキリモード
序盤は家族にも行使しようとしてしまってた力を今後は家族を守るために使うというのが成長を感じられる。
デリアの好感度が下がっていく。
飼い殺しとは限らないだろうけどこいつの場合そうだろうな。
いきなり戦闘始まった。今回なんか微妙だな。
ここに来てなろうお約束の魔石が壊れる展開w
負けヒロインカルステッド いや、神回だった。

36話 ☆9
ええw このじじいさぁ…。神殿長さん何やかんやずっと出てたのに…。
そういやルッツの話最近ないな。
けど顔でバレそうだけどなw ジルヴェスターの前で言うな。

OP「あの日のことば」☆7.5
ED「言葉にできない」☆7
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

祝4期 正直言えばなぜ4期が来たのかわかりませんけど。

 4期がなんとWIT STUDIOで制作とのことでビックリしました。ただ、ひょっとしてNHKとかで完結までやってくれるの?という期待もあります。2部まで原作7巻分で3クールかな。合計33巻あります。あと12クールくらいあると完結しますかね?
 本当に3部以降どどんどん面白くなりますので、是非実現してほしいです。

 独自性と言う意味では、これ以降若干薄れてきます。本が中心ではなくなりますし、貴族に入ってローゼンマイン無双が始まります。学園パートに入りますが、凡百のなろう系の学園とは違い意味性が深いです。そして俺TUEEEとはほど遠いです。それだけにカタルシスが大きいストーリーになります。コミカルなパートも増えてきます。

 そして、面白いキャラがどんどん登場します。アンゲリカ、ハンネローレなどは最高です。なんといってもハルトムート、クラリッサがいいんですけど、それは4部以降ですね。

 でまあ、正直言うと今までのパートは、いいんですけど原作版の面白さがすべて引きだせているかな、という疑問はありました。世間的な評判もそれほど感じません。なので、なぜ4期なのかさっぱりわかりません。わかりませんが、WIT STUDIOですので、これから大事になる魔法パートの描写に期待です。






1話 マインちゃんの青髪のこの独特の髪の光沢…ツヤをみると、ああ下剋上来たなあという感じです。ついに金属活版にインクですか。粘土板や紙作り、コンテンツなどを経てついにここまで来ましたね。

{netabare}  本作は期待通りのストーリーではありますが、逆境があってそれを知恵と努力で跳ね返して行きながら、本作りが着実に進んで行くという王道ストーリーが本当に良くできています。

 貴族社会や庶民の暮らしの設定もいいし「ギルド」が本来の意味になっているし、価値観が必ずしも現代日本に迎合していないし。

 あとやっぱり「紙の本」いいですよね。本って、電子だと単なる「情報」ですけど、紙の本は「体験」ですからね。表紙のイラスト、重さ、紙の質感、そしてインクの匂いなどの五感にうったえます。そして読み終わった本の汚れ具合などが一緒に時間を共有した「自分の本」になりますし。
 それと紙をめくるという行為のせいか、脳みそでの記憶や体験する場所が電子と紙では違う気がします…今の時代だから本づくりのアニメ…いいと思います。

 作画がほぼ気にならないくらい続きが気になるアニメですね。とはいえちょっと良くなってきてます?

 今になって気が付いたんですけど、下剋上って「下の身分の者が上の身分のものを倒して権力をとること」ですから、最後はマインが…?それとも比喩なんでしょうか?{/netabare}


3話 ちょっとペースが速い?

{netabare} 3期見始めたら面白さが継続していましので原作を既刊分読了しました。ここから先も面白いのはわかってるのでもちろん継続視聴です。

 原作読むと指輪とかいろんな細かい部分に目が行きます。そういうところの設定の解説はこれからなんでしょう。ただ、テンポが上がった気がしますので、ついてこれない人を振り落とさないようにお願いしたいところです。デフォルメマインの説明で構いませんのでアニメの尺の不足分の説明はちゃんとお願いします。

 もちろん膨大な原作をアニメ化しようと思えば、いままでが丁寧過ぎたとは思いますけど、ここからまた面白くなるので是非品質を落とさないでアニメ化をお願いします。
 本作は3部とはいっていますが3期はまだ原作2部3冊目、通算で6巻部分なんですよね。本当の意味で3部を描くのは厳しそうですね。それとも2クール?{/netabare}

10話 あーここで終わりかあ。これから本番でどんどん面白いのに…

{netabare} 大いなる導入が終わって、この先の領主の養女という貴族としてのプロローグがあって、貴族院から女神の化身ですね。今のところ既刊29巻中の7巻ですか。8月に30巻です…もうちょっとですかね。あまりに面白くて一気読み…はできませんが、他のアニメを見ずに2週間位で読んでしまいました。
 今後、若干本づくりから主題ははずれるんですけど、異世界もののテンプレのようでテンプレでないかなり面白い話になるんですけど…ローゼマイン無双…見たかったなあ
 なろう系の異世界転生がパワーダウンしている中、もう1クールやったほうが継続性があった気がするんですけど大丈夫かなあ。

 本作は、作品的には「魔法のエフェクト」が感動を呼ぶのに非常に大事になるのに、本作の最終回はえっ?というレベルでしたね。今回作画は若干頑張りましたけど、どうもエフェクトが下手だなあ。ゾロリとか乱太郎の会社だからですかね。エフェクトは安価で効果的なのでぜひ研究してほしかったなあ。

 本作の総評は、うーん、私はもう原作勢で話を補完できるから楽しめました。が、読んでない人からするとどうなんでしょう?原作の中でマインの平民時代が突然終わる部分でドキドキするところではありますけど。

 ということで既に評価は出来ない状態なので、ストーリーとキャラを4にして、残りは評価せずの意味で3にしておきます。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

65.4 14 戦いで異世界なアニメランキング14位
100万の命の上に俺は立っている 第2シーズン(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (177)
615人が棚に入れました
合理的で単独行動が好きな中学3年生四谷友助は、
ある日ゲームじみた異世界に転送された―。

すでに転送されていたクラスメイトの新堂衣宇、箱崎紅末とともに
3人目のプレイヤーとなった彼は、命を懸けたクエストに挑むことに。

感情論を排してすべての要素をフラットに、
時には仲間の命すら駒として扱う冷酷な四谷。

襲い来る魔物、厄介な事件、そして暗躍する強敵からパーティの全滅を防ぎ、
このゲームをクリアすることができるのか?

声優・キャラクター
上村祐翔、久保田梨沙、和氣あず未、小市眞琴、斎藤千和
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

あれ?100万ってこんなに面白かったか

一期は酷いアニメも多かった秋アニメの中で個人的ワースト2位(1位はシグルリ)でとんでもないクソアニメだと思っていたのだが、なぜか2期は普通に楽しめてしまった。
勿論酷いところは酷いけど
単純に話が面白くなったのかそれとも期待値が低かったからなのか。

{netabare}
1期の時はよくある痛いなろう系(実際はなろうじゃないが)と思ってたけど、よくよく考えると主人公達めっちゃ弱くて全然なろうじゃないなと。
戦闘も真っ向からじゃなくてどんな手を使ってでも勝つという俺YOEEE系の良さもかなりあった2期だった。
テンポが良く話が動くので先の展開も気になって飽きずに見ることができた。

痛い主人公だと思ってた四ツ谷もちゃんと見れば、全然そうじゃないなと感じた。
一期の時はなろうだという色眼鏡をかけて見てしまっていたのかもしれない
例えば最終話のもう一人殺しているから人を殺していいのか葛藤するシーンなどは良く出来てたと思う。
決して人の感情がない主人公ではない。
要するに心の中では不要な人はいなくても大丈夫だと思いつつ、実際にその場面がくると人を殺すことを戸惑う主人公、と意外としっかりと心情描写が出来てる気もしてきた。
それにだんだんと主人公がこの思想はよくないと矯正されて行くような物語にも感じて、最終回のビルの上でのシーンは良かった。
一期の時は心情描写がなってないアニメだ、と思ったけど、決してそうではないなと感じた。

それと、クエストごとに向こうの世界だと年数がかなり経過しているという設定も、具体的にそういうことを表現するシーンはなかったとはいえ、カハベルさんの辺りとか、やるせなさを感じられて良かった。

まあ、逆に駄目だった点というと展開がガバガバなことかな。
津波回や戦闘にたまにご都合だなぁと感じてしまうぐらい。

正直、作画がもうちょっとよければここまで駄作のように言われることはなかっただろうなとも思える作品。

{netabare}
13話 9/10
何でこのアニメが2クール放送されるんだw
主人公こんな能力あったっけ。なろうタウン。
カハベル15年たってるけどかわいいな。むしろ今の方が。
この金髪明るすぎる。
主人公こんなまともな奴だっけこのアニメ。
思いっきり不倫してるカハベルw
主人公がゲームマスターに疑問を持つところも良かった。
カハベルに対して子供老けすぎだろw
あれこんな面白かったっけこのアニメ。
熊本城か?w 面白そうなミッション。

14話 6/10
主人公らめっちゃ弱いイメージあったけど以外と戦えるのか。
別アニメが始まった。
挿入歌良いじゃん。紫髪男かよw
オーク強すぎる。
けどこれが残り14体ならすぐ倒せそうw
サンザの演説シーン良かった。
これ主人公裏方に回るのかな?
ネーミングセンスが。
たまに主人公が痛くなるのやめてくれや。 

15話 7/10
銃有能。ライスの死雑すぎだろw
ほんとにゴブリン計15体って余裕そうw
クイーンも可哀想だな。人間が悪と言われると微妙。
ほんとに普通に面白くなってきたな。

16話 2/10
手抜き作画。この紫髪男かよ。
これ全滅することはもうなさそう。
謎津波。シュールギャグアニメか?
災害も利用しようとしてるのはこの主人公らしくていい。
目的を達成するために手段を選ぼうとしないのも
謎ドラゴン 今回酷い

17話 9/10
人間が悪系? もう主人公側の全滅の恐れはなさそう。
は? なにこれ。謎ピー音といいえ、私はすね毛です。
唐突な下ネタいらねえw 人質か?
ドラゴン空気。
アニメで腹筋ちゃんとある女キャラ珍しいw
唐突に感動要素的なの出されても笑うわ。
オークを殺すところの何とも言えない雰囲気は良かった。
女王じゃないほうのオークがマグマに沈むところはちょっと感動した。

18話 7/10
この主人公達だとあのレベルの強敵出てくると立ち向かうすべがないよなぁ。
唐突にギャグアニメが始まった。
なんであおゆはあいつが黒幕ってことわかってるんだよw
アニメないのキャラだけが状況を理解してる。
あのハゲは放置? アイツって1クール目のラストの人? 

19話 8/10
なんだこれw
ぼくリメが始まった。
他にもプレイヤーいるのか、この展開は面白い。
カハベルさんの話儚いな、時の進みがこっちの世界だと早いの。
やっと主人公まともな職w 
20話 今度はゾンビか。お前一期で人殺して狼狽してたじゃん。村もう滅んでそうだな。どう考えても閉じ込められるだろw 地下牢に閉じ込めたこと喋るなやw 6/10

21話 7/10
作画が死んでる 勇者とはw
てか結局このアニメ俺YOEEE系だし魔物全然倒せないもんな。
これこの狭さなら全然間に合わんだろw
このおじさん結局いい人じゃないか
こいつら村長に追い出された元人間ってオチ?
山ちっさくなりすぎやろ。

22話 7/10
これ村人に殺されたんかな?
まあそりゃ恨み買ってるしな
死んで変にお涙頂戴しないのはいい。
テンプレ推理だけどたんもしよりは推理してるw
その発言をした証拠がないけどw
これが雛見沢症候群ですか

23話 7/10
子供を殺すのは良くない
こいつ生きとったんか。 
年数経過してるのなんかやるせないんだよなぁ。
こいつら強い。に比べて主人公達は... 
魔力設定こんなふうに活きるのか
デスルーラか?w 
入れ替わってるから偽物言われたってことか?
本物殺されてる?

24話 8/10
たんもしよりは探偵してる。
こういう荒唐無稽なオチ嫌いじゃないよ。
村長優秀かよ。
ほんとなろうっぽいのに俺YOEEEだなこれ
めっちゃ痛そう。
魔物不通に倒すじゃんw
あの紫の子は殺したのにこいつは殺さんの?
こういう人を殺すか殺さないかで結構葛藤するのはいいな。
ここ結構テーマになってるのか?
結局死ぬんか。
ザグロスだとニューエデンがザグロスに乗っ取られたみたいじゃんw
なんか期待値低いからか二期面白く感じたわ。
1期OP好き
100万以上いるだろw 
{/netabare}

曲20段階評価
OP「Baddest」4.5/10
ED「Subversive」7.5/10
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

・・・ガバガバでグズグズでグダグダ・・・でも、いいポイントもある。

いやー、実際私は評価は甘い方だと思うんですよ。
よっぽど合わないと思われる作品、興味のない作品は回避することはもちろんあるのですが、見始めたものは最後まで観ようと努める方だと思います。

で、こちらの作品。
1期もちゃんと見ましたよ、ええ見ましたとも。
そして、確かに「むむっ・・・。」と思う点も少しはありました。
いろいろと言いたい点もあったのですけどね。

2期決まっていたという事で、少しはリソースが増量され、良くなっている点が増えているのではないかと期待をしてみたのですが。。。
いやぁ、悪いとこばっかではないのですけれども、ですねぇ。
う~む。

評価項目順に書いてみるとすると・・・。

物語:ガンツ系と言ってすべての人に伝わるかどうかは解りませんが、そのために究極的な「謎」は「なんじゃらほい?」のままです。
ただし、物語自体は今まで通りのパターンで進捗していきます。
2期の第1話の入り口「ほー、ここから入りますか」と正直、少しセンスの良さを感じたのですけれども・・・。
今期は大まかに2エピソードでしたね。
これが、いたるところがグズグズ、グダグダ、ガバガバなんですよねぇ。
雑というか、無理やりというか、適当と言うか、なんて言えばいいのかなぁ。
ただし、セリフ回しや、展開に「おっ!」とか「ほー」とか、琴線に触れるポイントがある事も事実なんです、ありがちなパターンも多いのですがね。
こういうムラのある作品というか、これって、誰の責任なんでしょうかねぇ。脚本の方なんでしょうか、監督さんなのでしょうか。
よくわかりません。
あとは、この作品の個性と言えばそれまでなんですが、主人公たちがよく〇んじゃいます。
全員同時じゃなければ、何とかなる的設定で、割と雑に〇んじゃうので、なんだかなぁ、です。
それに、サブキャラ的な皆さん他も、割とアッサリ〇んじゃいます。
「えええぇ~~~っ!!」と骨折を知らされたテイオーのようになってしまいますが、そうなんです。
そして、さも悲しげに・・・。
いや、確かに当事者になればそうだとは思うんですが、あれだけあっさりと〇んじゃうと、感情移入も忘れてしまいます。
まぁ、リアルでも人の〇っていうのは、そういうものかもしれませんけどね。。。逆にリアルなのかも・・・。

作画:まぁ、普通ですねぇ。
あえて言えば、普通よりちょい悪でしょうか。
キャラクターがえらく小綺麗に描かれている時と崩壊とは言いませんが雑に描かれている時の差がはっきりと感じ取れますねぇ。
モンスター系の作画は「リトライ並み」ですねぇ、誉め言葉にはならないかなぁ。
まぁ、こちらも「えらくムラがありますねぇ」と言うのが率直な感想です。
これって誰の責(ry

声優:まぁ・・・これも大多数はフツーですかねぇ。
ただし、一部「不通」の方もおられましたねぇ。
ああ、意味のない、訳の分からない表現をしてしまった。
こちらも、あえて言えばムラがありましたねぇ。
これって(ry

音楽:まぁ、普通でしたねぇ。
ただ、合う人にとっては、悪くないという評価にもなりうるとは思いましたねぇ。
主にOP/EDのお話なのですが。

キャラクタ:まぁ、これは、これとして受け入れましょうかねぇ。
なんか唐突に新キャラが仲間に入ってきた感もありましたが、どうですかねぇ。
仮に続くとして、さらにキャラインフレしていくのでしょうかねぇ。
丁寧に描かれている時の女性キャラはまぁまぁ魅力的に見えることもあるので、そこは狙っているんでしょうかねぇ。
百合的キャラも登場しましたし。


さてと、総合的な評価なんですが・・・。

何でこんなに全体的に「ムラ」が目立つ作品作りになっているのかがわからない。
せっかく、ちゃんと琴線に触れるような、ポイントがあったりするのにもったいない。
メイン主人公の四谷友助のヒネタ個性はなかなかにユニーク、また、たまに自問する問いはなかなかに哲学的というか深いものもある、なのに活かし切れていない。
ゲームの時間とリアル時間のズレなんていうのはアリがちだけれども、今作の中でも感情が動くいい設定だったし、ショートレンジだけど伏線の回収もちゃんとできてたりで、いいポイントも間違いなくあるのに・・・。
2エピソード目のラスボス系も、私は少しびっくりしたし、上手なポイントもあるんだよなぁ。

と、まぁ。
全体的には「惜しい」とも言えないようなレベルであることも事実なんだけど、一応、最後まで観ることはできました。

あ、タイトル回収的なものはオーラスにありました。
少々、ボヤんとしていたけれどね。

はて、さて、こちら3期、続きは作られるのでしょうか。
できるとすれば、観ることもあるかもしれないけれども、ダラダラ系になりそうなので、どこかで線を引かないとダメかもね。
あとは、大化けするか・・・。

興味のある方はご覧になってみて下さい。
いろいろな「ムラ」に耐えられればいいポイントも見えてくるでしょう。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

あれ? 面白い? いや、そうでもないか。ん? なんか面白い、、、ような気がしないでもない気もするけど勘違いなのかもしれない(笑)

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
ああ、1期よりは確実に面白くなりましたよ(笑)

ただ、本当に面白いんだか面白くないんだかが、実に微妙な作品で(笑) グッと惹き付けられる展開が続いたと思ったら、パッと手放されるような、ツンデレ感(笑)

作画がな~。いや、作画が大事な作品ではないんですが、ここまで酷いバトルシーンが続くと、シリアスが薄れるんですよね。ギャグになっちゃうというか。

1期から2期と、キャラクターも成長してストーリーもきちんと流れているので、これは続編を観たいと思える作品でしたね。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まず、1話目の掴みはとても良かった。1期の中で最高のキャラだったカハベルさんを、こういう形で使ってくる(あえて、「使い潰してくる」と表現しても良い)のは予想外だが、素晴らしい。切なさと深み、つまりは説教力が一気に増した。

そこから続くオーク編。何が正義なのかという問いかけ。

作中にあった「自分の無力さを自覚すれば、手段は正当化される」という言葉。なるほどとも思うが、そうは生きたくないなとも思った。つまり、考えさせられる話。

他にも、バトルそのものの面白さや予想を裏切られる展開など、面白さは散見されていた。

ただ、熊本城、地震、噴火、津波。あからさまな日本のオマージュ。そう考えると、オークは外国(アメリカ)の比喩か。

作中では、村人もオークも、ともに悪の部分が描かれた。村人は、自ら保護を申し出ておいて供物を渋り、裏切る存在として。オークは家族(同種)は無条件に大切にするが、異種は自らへの供物が切れた瞬間に滅ぼす存在として。

このアニメに限らないのだけれど、アニメを現実逃避の手段(ゲームとか遊園地、小説なんかと同じモノ)として楽しんでいる身からすると、政治的な意味合いやメッセージが強くなりすぎると(その主張がどんなものであれ)、シンプルに楽しめなくなる。異世界ファンタジーみたいな作品だと、なおさら嫌かな。少しここで評価を下げた。

中間、地元の話で主人公のキャラクターに味が出たし、世界の謎も少し明かされる。

後半は、ちょっと流し見てしまった部分もあったけど、残酷さが際立ち、騙しの要素もありながら楽しめた。カハベルさんとは違う形で、前回のキャラを出すのも上手い展開かと。

最終盤はやや駆け足かと思ったが、じゃあこれ以上どこを削れたってわけでもないんで、キリよく終わらせるにはしょうがなかったのかなと。

良さと悪さがハッキリし、好き嫌いもハッキリ分かれそうな作品だけど、個人的には、☆3.5くらいつけても良いくらいには楽しめた。

3期への期待も膨らむラストでしたから、物語の結末まで観たいと思います。。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
あれ? 面白い? 15年か。やや深みが出てきた。

2話目 ☆3
たしかに、このシステムでの鍛冶屋スキルは強いな。

3話目 ☆3
なんか、構成おかしくない? ライスの回想は、もっと前でしょ。死亡フラグ甚だしい。

4話目 ☆2
熊本城、地震、噴火、津波。難しい話だな。頭を上げないメリットは分からないが。自分の無力さを自覚すれば、手段は正当化される。なるほどとも思うが、そうは生きたくないなとも思う。日本に対するメッセージがやたらに強いな。オークは外国人なわけだ。こういう、政治色が強すぎる話は、難しいな。アニメはシンプルに楽しみたいのだけど。

5話目 ☆2
あまりオーク側を美化すると、それも違うよ。オークだって、数増やしすぎて自滅しているわけだし。共生大事ってことだな。

6話目 ☆3
なんかこう、色々が大雑把なんだよな。

7話目 ☆3


8話目 ☆3
作画は相変わらず。んで、色々陰謀?

9話目 ☆3


10話目 ☆3
魔法剣士、強そうだ(笑)

11話目 ☆4
なんとなく、面白い気がしないわけでもない。

12話目 ☆3
100万の命の上って、そのまんまの意味なの? ていうか、東京とかだと「たった100万?」と思っちゃうけどね。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20

69.0 15 戦いで異世界なアニメランキング15位
盾の勇者の成り上がり Season3(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (174)
603人が棚に入れました
四聖獣「霊亀」を討伐した盾の勇者・岩谷尚文は、別の異世界で霊亀復活の元凶であるキョウを打ち倒し、メルロマルクへ帰還する。 復活間近の新たな四聖獣「鳳凰」との戦いに備えようとするが、霊亀騒動で失態を演じた三勇者は行方不明、尚文の持つ領地も戦力に不安が残る状況だった。 今後の戦いに備えて、散り散りになった旧ルロロナ村の住民を取り戻そうと考えた尚文は、住民が奴隷として売られたというゼルトブルを訪れ、救出の足がかりとして、ラフタリア、フィーロと共に地下賭博闘技場に参加する。 救いを求める亜人たち、心砕けた三勇者、そして暗躍するヴィッチことマイン。 それぞれの思惑が交錯する中、尚文は自らの信じる道を突き進めるのか――。

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

冒険はつづく―― 新しい出会いとともに 世界に破滅が迫るとき 勇者が立ち上がる

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期~第2期は視聴済です。

…今期の感想って少し難しいかも^^;
第2期では霊亀打倒という大きな目標があったので、それに邁進してきました。
でも今回は、次の波が押し寄せる前までなので大きなイベントは無いんですよね。


四霊のひとつ「霊亀」を討伐した盾の勇者・岩谷尚文は、
別の異世界で霊亀復活の元凶であるキョウを打ち倒し、メルロマルクへ帰還する。

復活間近の新たな四霊「鳳凰」との戦いに備えようとするが、
霊亀騒動で失態を演じた三勇者は行方不明、
尚文の持つ領地も戦力に不安が残る状況だった。

今後の戦いに備えて、散り散りになった旧ルロロナ村の住民を取り戻そうと考えた尚文は、
住民が奴隷として売られたというゼルトブルを訪れ、
救出の足がかりとして、ラフタリア、フィーロと共に地下賭博闘技場に参加する。

救いを求める亜人たち、
心砕けた三勇者、
そして暗躍するヴィッチことマイン。

それぞれの思惑が交錯する中、
尚文は自らの信じる道を突き進めるのか――。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

そう、三勇者のチグハグさ、マインのやり口の狡猾さは相変わらず…
普通、「あ、この言動間違ってる」って気付くと思うんですよ。
最初の頃ならまだしも、完全にこじらせているではありませんか。

それでも、己自身と向き合おうとしない姿勢には正直ガッカリしましたよ。
正しい道を進んでいると考えたい気持ちは分かります。
だけど、いつも正しい道ばかりを選択できるとは限りません。

横やりが入ったら、人間って簡単に逸れちゃうんですよ…
でも、それでも良いと思います。
だって、間違ったと思ったらそれを認めて、戻って正しい道に乗り換えれば良いんです。
人間にはその失敗を受け入れられる寛容さがありますから…
もちろん、失敗に応じた代償は必要になります。
だからこそ、早めに気付いて修正すれば傷も浅くなるんですよね。

という心境に四聖勇者が達して力を合わせるのは、もう少し先になるんでしょうかね。
個人的にはマインを何とかすべきではと思います。
もう、害悪以外のナニモノでも無いではありませんか。

一方、今期新たに加わった仲間は頼もしく、若しくは将来有望な方たちでした。
ここちゃん演じるアトラ、小清水さん演じるサディナは今後の展開の楽しみなキャラだと思っています。
あとは、ラフタリアに纏わる新たな展開が出てきましたね。

振り返ってみると、ラフタリアって意外性の塊みたいな存在だったのではないでしょうか。
後から様々な属性が付与されていますので…
今後、更なる属性が付与されたら、一体どうなっちゃうんでしょうね^^;
それはそれで楽しみですけれど…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、MADKIDさんによる「SIN」
エンディングテーマは、藤川千愛さんによる「好きになってはいけない理由」
今回気付きましたが、オープニングとエンディングの歌い手さんは固定だったんですね。

1クール全12話の物語でした。
今回もしっかり堪能させて頂きました。
いよいよ波がやってきます。
まさか、ここで打ち切りなんてこと、ありませんよね。
期待値MAXで続報を待っています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

こま さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

12話最終回視聴。ストーカーたくさん降臨!ぐへへ…。オレ達のモノにならないなら一緒にしね!?

2022年2月時点でシリーズ累計部数は1100万部を突破している。
小説家になろう作品。
書籍はWEB小説を元とした物語となっているが、大幅に加筆・修正を加えており、話の流れや展開が大きく変わっている。なるほど。
1期2期ともにアニメは視聴済み。ちなみに2期は絆、3期はセインが好きなキャラかな。

祝え!ロリコン勇者の誕生である!

祝え!全ロリコンの力を受け継ぎ、時空を超え、過去と未来をしろしめすロリコンの王者。
その名もロリコン勇者元康。
ロリコンの力を継承した瞬間である!
かくして、勇者はロリコンの力を得た。
彼の歩む覇道は始まったばかり。
この本によれば、槍の勇者・北村元康。
彼にはロリータコンプレックスにしてロリコンの王者・ロリコン王となる未来が待っていた。

うん!満足w

4話まで視聴。
ただ死ぬ事よりも生きることの方が地獄である。最近ヤバいの見た所為でホントそう思う。

気になったのが村が襲われる可能性はあったはずなのに戦力になる人間を何故1人残さなかったのか?それとも全員で行く必要がある重要な事だったのか。子供が信号弾を使ったから助かった。ただそれだけ。

この作品は最終話まで視聴確定。

12話最終回感想。うん気持ち悪いねこの変態ストーカーども。

この人はこのデザインの服を着てはダメと言っていただけなのか?
主人公に事情説明していれば襲撃は防げたよね?
それとも何か言えない事情でもあったのか?

そしてびっくりしたのがストーカーがずっと(文字通り)いたのか…。たくさん!!
何もしない、ただ見てるだけ…ヒェッ…
着た瞬間に襲ってきたのはずっと見てたから…とか怖いんですがw
気になったのはストーカーの天才的な才能はあったのに真昼間から襲うとかw
それも集まってる時に。
それ才能活かして暗殺でよくね?

よっぽど力に自信があったのかそれとも、オレ達はストーカーの中でも最弱!!的なやつ?
それと色々理由付けて襲う事も出来た筈なのにずっと何もしないって凄いね。
任務に忠実なのは良いけどいくら何でもコレはなぁ(トオイメ

案の定というかコレからも襲われるならって考えるとそうなるよね?と。
怪我した子も家も燃やされたしね。

個人的に良かったのは襲われた時の勇者も1人を除いてまとも?になってたのがやっとかと。
ただ、攻撃が効かなかったのには特別な力の所為なのかな?
コレを早めに解明しないと大変だよねこれから。

毎回思うが勇者が何でこの世界に召喚されてるのか知らないのだろうか?
足の引っ張り合いしてるの笑えるwまあビッチがアレだしね…しょうがないね()

最後に。セインが出なかったのはちょっと残念だった。
でエンディングの最後に3が消えたのには意味があるのだろうか?
前もこんな感じだったっけ?
4期を期待して良いのかな?

終わり。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

大さじコショウ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

おそらく原作が悪いのかな…?

原作は未読。ですが1期のファンとして聞いて頂ければ…

当時1期は、1話目を40分以上使い、なかなか見る作品が少なかった当時は、この作品への期待値も高く、1期はその期待値どおりでした。



そして今は見る影もなく。。。



まず2期の時点で話がわかりにくすぎました。本当に終わってます。

そして今回も同じでした……。た、多少はマシにはなったかな…?
作画は変わらず良いのですが、話が悪すぎる
まず前回ピンと来てない話をそのまま引き継ぐわけなので、置いてけぼりです。
さらにキャラが多すぎる。すでに魅力あるキャラがいたはずなのに、アイドルグループよろしく増やし過ぎでは
キャラの話が薄味になって肝心の4人の勇者もうっすく感じる。
キャラ以外にも時空やら、国同士やらの関係もあり、もうめちゃめちゃ
敵味方野球チームを複数同時に覚えてるような感覚。ヘビーファンの人以外把握しないね!
そして固有名称のセットが拍車をかけるぜ!
固有名称いっぱい話す人って聞き取りづらいと思うんですよね。まさにそれです

見た目は良くてもそれ以外が混乱のオンパレードです。



これら問題はアニメ制作会社が悪いとは正直思えないです
作画自体は非常に丁寧にしていると思います。アクションもありました

未読なので憶測ではありますが、
『『『 原 作 の 話 が 悪 い 』』』
とヲタク的予想します。
オリジナルストーリーではないはずなので、基本原作準拠
その言葉通り、悪い部分も原作準拠でしょう。
話を下手にいじればチャレンジ作品になるし、すでにファンの方に言われる可能性もある…
しかし現状は正直見る人をかなり選ぶ状態に…。
アニメ会社は間違いなく板挟み状態でしょう……。
  ※憶測の話ではあります。



褒める点は
キャラ自体は可愛い。主人公も好感持てる。作画もド安定。テンポは2期よりはマシな気がする。
まぁこれらすべて1期で当てはまることで、今更な気も


1期はお勧めしてきましたが、2,3期共々は視聴しない方がいい。面白い夢は夢のままがいいので…。
1期は何度も見るぐらいファンだったので、話題にもならなくなりこういう始末になっていく様は残念で仕方がないです。
1期のドキドキから落ちていく様は、成り下がりというべきでしょうか。
一応4期あるっぽいですが、これ幾らの人が見るんだ…って疑問です


(というかそのまま勇者とのトラブル解決しながら、襲撃を倒していく流れが絶対良かった…)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

67.7 16 戦いで異世界なアニメランキング16位
聖戦士ダンバイン(TVアニメ動画)

1983年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (141)
583人が棚に入れました
海と陸の間にある世界“バイストン・ウェル”。モトクロッサー志望の青年ショウ・ザマは、その夜、突然、仲間たちの目の前から消え去り、“オーラロード”を通ってバイストン・ウェルへと召還される。それは“アの国”の地方領主ドレイク・ルフトの仕業だった。野望を抱く彼は、地上人ショット・ウェポンがもたらした科学技術によって作られた人型兵器“オーラバトラー”を操縦する力、“オーラ力”を持つ地上人を“聖戦士”として欲していたのだ。 中世を連想させる騎士や城が存在し、フェラリオ(妖精)が暮らす、地上とはまったく異なるこの世界が、ドレイクによって支配されようとしている事実を知らされたショウは、抵抗勢力であるニー・ギブンたちと行動を共にすることを決意する。

声優・キャラクター
中原茂、川村万梨阿、土井美加、安宅誠、高田由美、田中正彦、速水奨、逢坂秀実、西城美希、立木文彦、大塚智子、横尾まり、高橋美紀、色川京子、佐々木るん、火野カチ子、曽我部和恭、大木正司、若本規夫
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

序盤・中盤はダラダラと長く退屈だが、地上編はまずまず楽しめました。

取り敢えず観終わった・・・ということでレビューを挙げておきます。

◆総評

富野由悠季監督の代表作ということで、これまで見てきた『機動戦士ガンダム』(1979年)、『伝説巨神イデオン』(1980年)の両作が、それぞれ元々4クール1年分の作品として構想されながらも、どちらも放送開始後の視聴率不振・不人気で放送短縮・打ち切り(*1)となったことと比較すると、その少し後に制作された本作は、流石に富野氏も視聴者受けを重視したのか

(1) 主人公の性格をグッと前向きでハツラツと好感の持てるものに変更して、
(2) シナリオもまずまず分かり易いものを採用した(※但し最終盤の{netabare}死者続出の欝な{/netabare}展開は相変わらず)

・・・ようで、前2作と違って本作は当初予定どおり4クールきっかり完結できたようです。

特に、第32話「浮上」以降の展開(“地上編”)は、米ソ冷戦たけなわだった1980年頃の世界情勢を反映しているのかも?な個所もあって、なかなか楽しめました(※なお第37話「ハイパー・ジェリル」は本作唯一の★★(優秀)回となりました)。
ただ、例えば第18話「閃光のガラリア」で、{netabare}自衛隊を無神経に悪者扱い{/netabare}するシーンがあったりして、今の感覚からするとやはり微妙な感想になってしまうことは否めませんが。

(*1)この両作はTVシリーズは不振で打ち切りとなったものの、その後制作された劇場版で何とか面目を保ち、富野監督と同世代の編集者・執筆者が多かったアニメ雑誌からは逆に絶賛されて、その強い影響を受けた読者層から事後的に「名作」扱いとされたそうです。


◆制作情報
{netabare}
原作         矢立肇、富野由悠季
総監督        富野由悠季
キャラクターデザイン 湖川友謙
メカニックデザイン  宮武一貴、出渕裕
音楽         坪能克裕
アニメーション制作  日本サンライズ{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============== 聖戦士ダンバイン (1983年2月-1984年1月) ============

 - - - - - - - - - - バイストン・ウェル編 - - - - - - - - -
{netabare}
第1話 聖戦士たち ★ ショウ・ザマのバイストン・ウェル召喚
第2話 ギブンの館 ★ アの国の領主ドレイク&ギブン双方の謀略、ギブン館強襲
第3話 ラース・ワウの脱出 ★ ショウ&リムル密会、マーベル隊のドレイク館急襲、リムル墜落
第4話 リムルの苦難 ★ リムル捜索、バーンvs.ショウ、バーンのリムル救助、聖戦士ショウ
第5話 キーン危うし ☆ ショウの怪鳥ギャラン撃退・キーン救助
第6話 月の森の惨劇 ☆ ショウvs.トッド、ロムン・ギブン死亡
第7話 開戦前夜 ★ ドレイクの策謀、アの国の愚王、ニーのドレイク館潜入・リムル奪取失敗
第8話 再び、ラース・ワウ ★ ショウのシルキー救出作戦、悪妻ルーザの野心、作戦失敗
第9話 天と地と ☆ フェラリオの国、アメリカ・ダラス上空へ、バイストン・ウェル帰還
第10話 父と子 ☆ バーン隊のミの国侵攻、キブツ・キースの頼み、キブツ戦死
第11話 キロン城攻防 ★ ミの国の王ピネガン・ハンム、ドレイク軍の総攻撃、ビネガン王敗死
第12話 ガラリアの追跡 ★ 武の国ラウ国王フォイゾン・ゴウ、ドレイク軍来襲、パットフォット&エレ母娘退去
第13話 トッド激進 ☆ シルキー再度の地上人召喚、トッド&ガラリアのタータラ奇襲、トッド機撃墜 
第14話 エルフ城攻略戦 ★ ドレイクのアの国乗っ取り戦開始、ゼラーナ隊来援・ガラリア隊撃退
第15話 フラオン動かず ☆ ショットの野心、愚王フラオン・エルフ、ショウの力不足
第16話 東京上空 ★ ショウvs.ガラリア、オーラロード開かれる、ザマ家の困惑、ガラリア暴走
第17話 地上人たち ★ 新宿副都心壊滅、ショウへの尋問、エルフ城陥落、ガラリア捕獲失敗・再度の暴走
第18話 閃光のガラリア × 両親とショウの擦れ違い、ガラリア消滅 ※無神経に自衛隊を悪者扱いしてる点がかなり微妙・・・
第19話 聖戦士ショウ ☆ ショウ再度BWへ(ラウの国)、ショウVS.新召還者、ショウとマーベルの再会
第20話 バーンの逆襲 ★ ショットの新機(レプラカーン)、ショウvs.バーン
第21話 逃亡者リムル ☆ 元音楽教師ミュージィ・ポーvs.ショウ、ポーの実父圧殺、リムルとニーの再会
第22話 戦士リムル・ルフト ☆ リムルの無謀な出撃
第23話 ミュージィの追撃 ☆ 新召還者(フェイ・チェンカン)vs.ショウ、フェイ戦死
第24話 強襲対強襲 ☆ トッド回復・ビショット(クの国王)仕官、新召還者(アレン)vs.ショウ、トッド機来襲
第25話 共同戦線 ☆ バーンとトッドの再会、ショウvs.バーン、リムル奪取(トッド)
第26話 エレの霊力 ☆ 新召還者(ジェリル)のエレ母子襲撃、エレの予知能力、トッドvs.ショウ、ドレイク&ビショット同盟本格化
第27話 赤い嵐の女王 ★ 異世界レッドサッド漂着、シーナ(ナの国女王)との出遭い、BW帰還
第28話 ゴラオンの発進 ☆ ドレイク軍のタータラ城攻撃、ラウ王の隠し玉(巨艦ゴラオン)
第29話 ビルバイン出現 ★ タータラ城陥落、ショウvs.アレン、ポイゾン王戦死、アレン戦死
第30話 シルキーの脱出 ☆ ナの国の援軍到着、ショウのドレイク館侵入・シルキー救出、ジャコバ・アオンの裁き
第31話 黒騎士の前兆 ☆ 入り乱れるドレイク&ビショットの思惑、両軍のナの国侵攻、黒騎士vs.ショウ、ジャコバ・アオンの怒り{/netabare}

 - - - - - - - - - - - - - 地上編 - - - - - - - - - - - -
{netabare}
第32話 浮上 ★ 戦闘者・兵装全て地上へ、黒騎士の執念
第33話 マシン展開 ☆ ショウvs.トッド、トッド機の異変、撃退
第34話 オーラ・バリアー ☆ 地上戦の困難、バーンの涙
第35話 灼熱のゴラオン ★ 地上軍の核兵器使用、地上軍特使トルストール戦死 ※エレの特殊能力発動は唐突×
第36話 敵はゲア・ガリング ★ 米国企業との取引(高性能レーダー導入)、ビショット軍来襲、エレの決意
第37話 ハイパー・ジェリル ★★ 地上軍&ジェリル機来襲、ジェリルのオーラ力暴走・自滅
第38話 時限爆弾 ★ ソ連特使の核持込・ゴラオン爆破計画、マーベル貢献
第39話 ビショットの人質 ★ トッドのマーベル捕獲、ビショット&ルーザの姦策、シーラの決断、マーベル救出(黒騎士のサポート)
第40話 パリ炎上 ★ ビショット艦への偽装投降、黒騎士vs.ショウ
第41話 ヨーロッパ戦線 ★ シーラと英国女王の会見、ビショット隊vs.シーラ隊&エレ隊、シーラ負傷、ジャバ戦死
第42話 地上人の反乱 ★ オスロ市民の抵抗、ビショット隊vs.エレ隊、リムル逃亡失敗
第43話 ハイパー・ショウ ★ 北海の戦い、ロンドン防衛戦
第44話 グラン・アタック ★ ドレイク軍のシーラ艦波状攻撃、ゼラーナのドレイク艦強襲
第45話 ビヨン・ザ・トッド ★ エレ艦のビショット艦急襲、ショットの小型戦艦出現、トッド戦死 
第46話 リモコン作戦 ☆ ミュージィ偽装投降作戦、米軍機のビショット艦体当たり攻撃
第47話 ドレイク・ルフト ★ ゼラーナ轟沈、ドレイク&ビショット各々の思惑
第48話 クロス・ファイト ★ 乱戦、エレ死亡、リムル死亡、ルーザ死亡、ビショット死亡、エレ艦&ビショップ艦轟沈 ※オーラ力云々を粗雑に使うのは止めてほしかった×
第49話 チャム・ファウ ★ スプリガン轟沈、マーベル戦死、ドレイク艦&シーラ艦轟沈、ショウ&バーン相撃ち、浄化{/netabare} 
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★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)28、☆(並回)19、×(疑問回)1 ※個人評価 ☆ 3.6

OP 「ダンバイン とぶ」
ED 「みえるだろうバイストン・ウェル」


※なお、本作からの派生作品として『New Story of Aura Battler DUNBINE』、『リーンの翼』のOVA2本が制作されているので、併せて評価しておきます。

このうち、

(1) 『New Story of Aura Battler DUNBINE』の方は、特に見るべき所のない後日譚でしたが、
(2) 『リーンの翼』の方は、富野氏の戦争観をもしかしたら垣間見せてくれているのかも?な異色作でした。
(※個人的には突っ込みどころが多過ぎて余り高く評価しませんが、それでも、いずれ再視聴して、ちゃんとレビューしてみたい作品となりました。)


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◆制作情報(New Story of Aura Battler DUNBINE)
{netabare}
原作         富野由悠季
監督         滝沢敏文
キャラクターデザイン 幡池裕行
メカニックデザイン  出渕裕
アニメーション制作  サンライズ{/netabare}

◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

========== New Story of Aura Battler DUNBINE (1988年2-8月) ========
{netabare}
第1話 復活 ☆  ※1988年2月25日
第2話 七百年の野望 ☆  ※1988年5月25日
第3話 地上に近き者 ★ ※1988年8月25日{/netabare} 
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)0、☆(並回)3、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.5

主題歌 「Last No」(第1話)
     「モノローグを染めて」(第2-3話)

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◆制作情報(リーンの翼)
{netabare}
原作小説       富野由悠季(雑誌『野生時代』1983-86年連載)
総監督        富野由悠季
脚本         高山治郎、富野由悠季
キャラクターデザイン 工藤昌史
メカニックデザイン  篠原保、沙倉拓実
音楽         樋口康雄
アニメーション制作  サンライズ{/netabare}

◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

=============== リーンの翼 (2005年12月-2006年8月) =============
{netabare}
第1話 招かれざるもの ☆ ※ラスト近くの安直に子供を使った演出がイマイチ×
第2話 ホウジョウの王 ☆
第3話 地上人のオーラ力 ☆
第4話 王の奸計 ☆
第5話 東京湾 ★
第6話 桜花嵐(おうかあらし) ★{/netabare} 
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)2、☆(並回)4、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.9

主題歌 「MY FATE」

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18

カミタマン さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

バイストンウェルの物語をおぼえている者は幸せである

2022/04/02 投稿
2022/04/05 微加筆

ここ最近,異世界沼にどっぷり浸かっています。

そうであれば,1983年放映開始のこの作品は,どうしても避けて通れないというものです。
おそらく,日本アニメ史上初の本格的異世界(召喚)物という位置付けになるかと思います。

物語の舞台は海と大地の間にあるバイストンウェルという世界。海と大地の間と言っても物理的な間では無い模様です。単に海と陸の間なら海岸ですからw冒頭描写では召喚された主人公ショウは海底深く沈んでいきます。この場合の大地とは海の下にある大地つまり海底では無いかと推察します。大地が下で海が上,その間に存在するけど通常の手段では行けないどころか存在も確認できない異世界。そんな世界っぽいです。ちなみに,中世ヨーロッパっぽい世界で通常の移動手段はユニコーン仕様の馬。フェラリオと呼ばれる妖精もいます。欧米のファンタジー小説などの影響を受けながらも,この時点で既に現代の異世界物のテンプレートが完成していたことが窺えます。

また,この作品の異世界感を高める要因として,言葉の使い方が大きいと思います。
ミ・フェラリオ,エ・フェラリオ,アの国,クの国,ナの国,ミの国など一文字音の使い方がすごいです!異世界感が半端ないです。国名に関しては全てが1音ではなくラウの国なんてのも紛れ込ませているあたりが計算され尽くされている感じです。
また,地上人(ちじょうびと),オーラ力(おーらちから)ここら辺の読み方も天才の為せる業ですね。
また,BGMも中世ヨーロッパ風の音楽が異世界の雰囲気を盛り上げています。


死後,魂が転生し,再び我々のこの世界に生まれ変わるまでの時間を過ごす世界らしいです。そして,生まれ変わった後は,バイストンウェルでの記憶はなくしているとか。だから,「バイストンウェルの物語を憶えている者は幸せである。」となるらしいのだけど・・・「聖戦士ダンバイン」を見ていて,この話を憶えていて幸せなのか?と感じるようなドロドロの富野劇場w実際に体験したら忘れ去りたい記憶確定です。


特に,ドレイク・ルフトはどうしても現在見てみると,プーチンに重なって見えてしょうが無いです。ドレイクの戦乱を広げていく様を見せられるのは,現実と重なりなかなか心理的に負担に感じてしまいます。
余談ですが,1983年当時はまだソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)が存在していました。作中ショウと一緒に召喚された,トカマクはソ連のハリコフ(ハリキウ)出身という設定になっています。現在のハリコフはウクライナ第二の都市でロシアの攻撃を受けて廃墟と化しているとの報道があります。放映当時あ有れば誰も真に受けない,出来の悪い空想上の未来に我々は生きているようです。


物語は,突然地上世界に舞台が移ったりして,急速に異世界感が失われ,醜い人同士の争いの物語の側面を強めます。頑張って見ましたが,21話で一時撤退します。


というわけで,異世界物の原点とも言える本作品ですが,2022年現在改めて見てみようと思うと,完走までのハードルはなかなか高いように感じました。
もちろん,あくまで現在において全編を視聴するには,ハードルが高いというだけで,本作の歴史的意義や価値はいささかも失われていないと言えます。つまりは,「古典」とか「classic」と言われる括りになるかと思います。

それ故に
「バイストンウェルの物語をおぼえているものは幸せである」と言わせてもらおうと思います。
なぜなら,改めてこの作品を見なくても良いのだから。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

のか さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

ロボット作品でギブアップなんて初めてです^^;

オリジナル作品 全49話

あらすじ
異次元のバイストンウェルに召喚された主人公がオーラバトラーと言うロボットに乗って戦うお話し

では感想を
無理だわ~、この作品^^;

なんでこんな古い作品を見たかと言うと、正月に実家に帰った時にDVDボックスがあったんですよね。

お父さん、またですかwww
冬のボーナスでこれ買ったんですね^^;
(サイバーフォーミュラ)で懲りなさい。
当然のようにお母さんに怒られていました
(〃^∇^)o_彡☆あははははっ

お父さんに「これ、面白い?」と聞いたら「アニメは好みだ。自分の目で見ろ」と言われたので視聴
しかし、13話で断念ですwww

内容が全然全く脳内に入ってこない!
初代ガンダムを征した私なのに、この作品は・・・ね^^;

理由を挙げると・・・

1・戦争の理由が欲まみれ。正義とか悪じゃなくて欲なんです。
まあよくある設定なんですが、見ていると気分が悪くなってきました。

2・そしてほぼほぼキャラが子供っぽい。
「大人になりなさい」と諭したくなるようなキャラばかり^^;

この2つの理由が重なり混ざり合って、爽快感はナッシングでしたwww


作画はかなり古いのでしょうがないと思っています。
が、13話まででも崩壊があったので低評価^^

声優さんなんですが、古すぎて知らない人ばかりです・・・
でも、もう少し演技、何とかなりませんかね?
棒読みみたいに聞こえて感情移入が出来なかったです。

音楽。昔のアニメってアニメタイトルが歌詞の中にあるって本当なんですね
(〃^∇^)o_彡☆あははははっ

キャラは先にも言った通り、みんな子供っぽくてイラッとします^^;
お前もか、お前もか、お前もかよっ!ってツッコミをたくさん入れました。


お父さんに「なんでこのボックス買ったの?」とメールすると
「昔は面白いと思った。今、見るとそんなんでもなかった」と
返信がありました。

13話で私が断念したことを伝えると、後半はもう少し良くなるとのこと

でも、もういいです^^
苦行に近いので、断念ですwww

好みなんでしょうかね?お薦めはしません^^
スーパーロボット大戦(?)とか言うゲームに出ているそうです。
ゲームをする方は元ネタなので視聴しても良いんじゃないでしょうか。

女性向きのアニメとは思えませんでしたwww
49話と長いしね。ロボット作品は数が多く面白い作品はたくさんあります。

無理にこの作品にこだわる事はないかなって(笑)

お父さんみたいに昔のアニメにこだわる人だけ見たら良いんじゃないでしょうかね
(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪


では最後に一言
絶望した~!今度は(魔神英雄伝ワタル)か(魔動王グランゾート)のDVDボックスを買おうとしている父親に絶望した~!
「どっちが良いと思う?」ってどっちもよく知りませんよ!
ワタルはCATVでやっていたので少し見ましたが、グランゾードって何ですか?
どうせなら(SHIROBAKO)とか買ってください~
ボーナスのお小遣いをアニメDVDに注ぎ込む父親に絶望した~~~!!


・・・まあ、面白ければそのDVDは私の物になりますがね(邪笑)
ダンバインはお父さんに返しますが、サイバーフォーミュラは私の物です
(〃^∇^)o_彡☆あははははっ

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

67.3 17 戦いで異世界なアニメランキング17位
神無き世界のカミサマ活動(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (197)
553人が棚に入れました
怪しげな教団の教祖の息子・卜部征人は「産霊(むすび)の儀」という儀式中に命を落として異世界へ転生した。 その世界で彼に待ち受けていたのは...... 神と名乗るミタマの力を取り戻すために信者を集めること。どうやらミタマが発揮できる力の大きさは、信者の数に応じて変わるらしいのだが、肝心な信者数は......まさかの“0”!? 「うそ...ボクの信者、いなさすぎ...」 征人が楽しく暮らしている「カクリ」という村を敵から守るため、また村を発展させるためにはミタマの力が必要だという。 ミタマの力を取り戻すべく、征人はあの手この手を使いながら今日も信者集めに奔走する。 果たして、ミタマの信者は集まるのか。そして、征人はこの世界で生き残れるのか――! 神無き世界で繰り広げられる、ポンコツ神ファンタジーが今はじまる!
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

教祖様は知っている

●人類を照らす欺瞞の神様

皇宮のドーム状の天井を突き破り約束のあれが現れます。

{netabare}いつもの「大樹」でありまして、【世界樹】=【ユグドラシル】であります。
「北欧神話」でもお馴染みですが、【エデン】にも深い関係があるとも言われています。

ロキやアータルに刻まれている「渦巻き模様」は皇国の紋章でありますが、
これはお馴染みの【土星】の南極にある台風の目であり、【プロビデンスの目】を表しています。

4話でのアータルとの対決で御霊様は八百万の神々を「召喚」いたします。「召喚」というのは
「魔法陣」や「魔法」を使用して行われるものですが、基本的に魔法を使うのは魔族でありまして、
特に唯一絶対神であるユダヤ教の神=創造主は魔法の類を忌み嫌う立場にあったりします。

「ユダヤ・キリスト教」の世界では神とは唯一の存在であり、他には存在しない
のでありますから多神教の神々は偽りの神という結論になります。

御霊様曰く、自身を「原初の神」と称し「八百万の神」を統べるものであるかのような
発言をしますが、八百万の神がいる時点で「唯一神」という理屈は崩壊します。

唯一神という肩書は、信者獲得ためにプロフィールを盛ってるのだろうというように考えられます。

ギリシャ神話の神々は非常に人間臭い神々であると言われますが、神道の神々も
御霊様が示すように、より多くの信者が欲しいという衝動から自分を大きく見せよう
とするある種の貪欲さやあざとさが垣間見えられ、「江戸前エルフ」の高耳様と
完全に一致するわけであります。

ギリシャ神話にしても神道にしてもエロには寛容な神々でありますが、
最もエロい宗教が何かと言うならば【密教】ということになるでしょう。

本作に登場する「ダキニ教団」は【密教】そのものであり、儀式と称し
まさに性的行為に精進するのが修行であるということで、かなりぶっ飛んだ宗教なのであります。

中国共産党がチベット仏教を弾圧した理屈を正当化する根拠としてその背景にあるのが
【密教】という宗教の特殊性にあると考えられるわけであります。

宗教の儀式ではドラッグを使うことが当たり前のようにあり、日本では大麻を使用しておりましたが
ドラックにより幻覚作用が誘発され、神秘体験を味わうことができるということであります。

ドラッグと性的快感とのシナジー効果というものは、恐らく想像を絶する破壊力がありまして
体験した信者はこれに泥酔するわけであります。

宗教とは、実は本作でそれとなく描写されている通りに性的快楽だけでなく
快適な(文明的)生活を送りたいなどという人々の願望や欲求を充足させるように
積極的に働きかけるものでありまして、人間の欲求・欲望を取引対象に契約を結ぶのが
その目的であり、本質であるということになります。

日本人が何故神社に参拝に行くのかと言えば、自分の欲望を満たすためであり
自身の欲望充足故に神と契約しに神社に出向いているということになります。

もしも【等価交換の原則】を知らずして神社に参拝しているとしたら、
それは完全に騙されているというわけであります。

神社参拝は日本の風習であり、習慣であるにすぎないなどという話を耳にしますが
契約の儀式を完遂しておいて参拝は宗教とは関係がないというのは、ただの欺瞞であり
騙しの手口であると考えるべきでありましょう。

御霊様には「アホ毛」が生えておりますが、これは「【鬼神】の角」を表しているのであります。

【鬼神】と言えば、【須佐之男命】=【牛頭天王】であり、
【フェニキア人】の神【バアル】であります。

【須佐之男命】と言えば男神であり【バアル】も男神と考えられるわけですが
【バアル】についてはちょっとした逸話があり【両性具有】であるという解釈も成り立つのであります。

「【両性具有】の神」については「ベルセルク」にも描写されておりますが、
ドラッグを使用した性行為の密教的儀式を行う教団のご本尊がまさに
「【両性具有】」の神であります。

【バアル】は【モレク】と一致し、【モレク】は牛の姿をした亜人種の神として表現されますが
「ベルセルク」における教団のご本尊は「黒山羊」の姿をしております。

「サバトの山羊」とも言われるこの「黒山羊」には【バフォメット】という別名があり
ユダヤ教における「贖罪の儀式」をルーツとする【アザゼル】という名の悪魔に一致します。

性交教団のご本尊【バフォメット】、実は【テンプル騎士団】の祭壇に祀られており、
しかも【両性具有】の神が暗示するように団員は【ソドミー】の罪を犯した
などと囁かれていたのでありました。

「ベルセルク」に登場する性交教団では男女入り乱れる乱交状態が描写されております。

黒山羊の【バフォメット】はギリシャ神話の【パン】という名の「獣神」に一致しますが
ギリシャ神話の神々と言えば、性欲を持て余す貪欲な神々であります。

子孫繁栄それ自体は悪ではなく、むしろ望ましいことでありますが、それこそ
節操がない感じで誰彼ともまぐあうような貪欲さが目に余るのがギリシャ神話
=ローマ神話の神々でありまして、古代ギリシアでは同性愛が当たり前のようにあったりと
なかなかにぶっ飛び過ぎている思想傾向が垣間見られるという話であります。

ということで多神教では性的に寛容なところがありまして、同性愛も肯定的であったりします。

「一神教」の神は唯一絶対の「男神」と決まっており例外は認められないのですが
「多神教」では「女神」の地位が高く、【両性具有】の神がいたりもするわけであります。

「一神教」と「多神教」は真逆の関係性があり、相容れないところがあるわけであります。

「唯一の神」と「唯一の正義」しか認めない「一神教」に対して【反逆】の衝動を示したのが
「ペイガニズム」とも呼ばれる多神教連合でありまして、彼らの「【反逆】の意志」が
【グノーシス主義】に繋がるというわけであります。

御霊様の性別は曖昧ですが、この曖昧さこそが【グノーシス主義】的傾向を示しており
【両性具有】とも考えられる容姿からしても、多神教の属する神であるということになるでしょう。{/netabare}


●未来を「予言する」神

宗教や共産主義など思想に対する理解力が完璧すぎる本作には、ただただ脱毛するばかりであります。

話題となってる「ドット絵」でありますが、当然意図的にこれを使用しているわけでありまして
どういうことかと申し上げますと{netabare}「東京五輪」の開幕式で披露された
「ピクトグラム」のパフォーマンスと連動しているということであります。

「輪るピングドラム」というタイトルも「ピクトグラム」に掛けているわけですが、
2次元的記号表現であるものを敢えて3次元で人間が演出するというところに意図が示されています。

つまり3次元の人間が「ピクトグラム化」するという暗示でありまして、それは人間の簡略化とも
あるいは人間のデフォルメ化を意味しているということであります。

本作で登場した皇帝の屍を映像処理で受肉化するというのもある種のデフォルメ化と言えますが
視聴者目線で見たら死んでる皇帝でも、皇国民してみたら皇帝は生きているということになります。

「ゴースト・イン・ザ・シェル」という概念で「存在」を考えてみますと
皇帝は「生きている」と、そのように解釈、定義できるわけであります。

【AI】即ち「人工知能」が人間の知能レベルを超える時代が訪れ、人間の脳は【AI】に
パフォーマンスで劣るということで、「電脳化」構想が動き出すわけであります。

「銀河鉄道【999】」の機械伯爵が示す通りに、人間が「機械の体」を手に入れたり、
AIを脳内に搭載した高性能な人間が近い将来誕生するということになります。

人間という存在は「身体」や「脳」から解放され、データ化するという話でありまして
この構想を実現させるためにあるのが【ムーンショット目標】という国家プロジェクトであります。

まずは人間が生身ではなく「アバター」を介して活動するターンが訪れ、究極的には
人間が「データ化」します。

このような人類の近未来を【ムーンショット目標】の趣旨を踏まえて描いているのが
「楽園追放」という作品でありますので、【ムーンショット目標】を理解するためにも
ご視聴頂くことを推奨します。

本作の皇国は共産主義的な傾向が強い独裁国家でありますが、宗教を禁止する共産主義も実は
宗教と何も変わらない無宗教的宗教であるので、広義の宗教に分類されます。

共産主義が宗教であるならば科学万能主義も宗教になり、教育上やむを得ないところもありますが
日本人の大半は科学万能主義に毒されております。

何が宗教であり何が宗教でないのかを定義することは非常に難しいですが、
例えば言論の自由や個人の思想の自由よりも価値が重いとされ、かつ
個人の意思に反して思想的に強制されるものが宗教であると考えられるのではないかと思います。

宗教とは集団幻想でありますが、この幻想を無理やり押し付けたり、真実を偽り騙すような形で
無理矢理引き入れるものこそ宗教ではないかということになるわけであります。

アニメ作品内では表現の自由が認められて然るべきなのですが、例えばLGBTをごり押ししたり
真実を偽る形で「神道」をやたらと美化するような片寄った表現を繰り返すのは、思想的には不健全で
ある種の宗教的ないかがわしさを感じずにはいられません。

「嫌なら見なければいい」というのは正論でありますが、「共産主義」も「科学万能主義」も
宗教ということならば、受け取り側が気をつけようとも半ば強制的に思想注入されますので
個人の意思ではこれを跳ねのけるのは中々に難しいところがあるように思います。

そしてアニメ作品においても「信者」という存在がいることからして、結局のところ
アニメも宗教というようにカテゴライズされるわけでありますので、ただ視聴者が気をつけるだけ
でなく作品の作り手側の倫理観も問われてしかるべきではないかと言わざるを得ないのであります。

しかしながら現実では、ジャニーズの事例が示す通り、マスメディアは真実を隠蔽し
臭い物には蓋をし、我らの経済は安泰であり、世の中には何も問題がない
という風にして同じ日常が繰り返されるのであります。

共産主義の国に生まれたら共産主義の思想に染まるのは、ある意味当たり前であり、個人でこれに
抗うのは無理があるのですが、当然マスメディアの方も思想統制に加担していますので
結局は個人で情報集めて対処するしかないということになります。

幸い今の時代にはネットなどの情報源がありますので、政府マスコミによる情報統制網の隙間を
潜り抜けて、平和ボケ信徒になる道を回避できるわけですが、ある意味共産主義国家並みに
情報統制されているこの国の未来に希望が持てるのかと言えば、残念無念の境地の極みでございます。

無力な個人にできることは
宗教には気をつけましょう。
マスメディアなどがごり押ししてくる偽情報には気を付けましょう。
とそのように言うだけに留まります。{/netabare}



本作はただの宗教アニメではありません。

宗教の本質を熟知していなければ絶対に描けない、かなりマニアックな知識がバックボーンにある
究極の宗教アニメと呼ぶべき作品であるように感じました。


主人公が首にぶら下げているものは、 {netabare}「勾玉」でありまして、その形は【6】でございます。

確信犯の教祖様たる父親は5個、主人公は1個これを持ち、合わせて【6】個であります。
6×6=36→3×6=18=9+9=6+6+6

【18】=の関係性から引っ張られる数字は「369」「567」「666」
これらすべて【ミロク】と読みます。

「御霊様」は恐らくは【弥勒菩薩】の化身ということになりまして、ゲゲゲの鬼太郎が元ネタである
「アホ毛」が生えておりますから【鬼族】ということになります。

帝都で行われた「修正」という儀式でありますが、言うなれば共産主義でお馴染みの「粛清」であり
日本の過激派左翼はこれを「総括」なんて言うておりました。

転生した世界では、「進撃の巨人」と似たような設定が施されていまして
早い話が「人口問題」を抱えておりその解決策として余剰人員を「間引いてる」
のではないかと予測いたします。

「魔法」がないのではなく魔法ないし魔道具は【禁断のテクノロジー】として
思想統制によりその情報は封じ込められているようなところがあるようです。

辺境の村の住人は「修正」されるべき存在であるようですが、その理由として考えられるのは快楽都市【ソドム】と同じ、「堕落の罪」であると思われます。

「アホ毛」持ちのヒロインと同じく「アホ毛」のロリコン男子も共に「エロキャラ」であります。
エロは【ソドム】の罪故に「修正」されねばならないという理屈でございます。

背景には宗教関連グッズが多く散りばめられ、しかも「片目」強調描写が
異様に多いようであります。

「片目」強調描写にしてもアルコーンの左目にしても、元ネタはみんな大好き
【プロビデンスの目】でありますが、【土星】の南極にある「台風の目」がそのルーツであります。

帝都で「修正の儀」が行われていた際には【6】人が横一線に配列されていましたが
その背景にあった「石碑」は恐らく【ジョージアガイドストーン】
を意識しているのではないかと予想いたします。

【ジョージアガイドストーン】には世界人口の理想の数が記されており、
「人口削減」を示唆しているとも言われる謎多き石碑であります。

幼女や性転換などを当たり前のようにぶっ込んでくるのは本作に限った話ではないですが
ある種の思想的歪性を特定の宗教思想と関連付ける形で描いてくれる展開に期待しつつ
冷ややかな目でこれを注視ながらも、やはり秘密の大暴露の予感に期待値は高まるのでありました。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

異世界で信心を創り出すポンコツ神ファンタジー

この作品の原作は未読です。
出演されている声優陣が凄いです。
あかりん、香菜ちゃん、すみぺ、碧ちゃんにりえりーですよ^^

最近は、作品に関する情報がほぼ無い状況で視聴を始めるので、それはこの作品も然り…
途中まではリアルタイムで視聴していましたが、前クールの作品の視聴に時間を取られて、終盤のみ一気見しました。


怪しげな教団の教祖の息子・卜部征人は
「産霊(むすび)の儀」という儀式中に命を落として異世界へ転生した。
その世界で彼に待ち受けていたのは…

神と名乗るミタマの力を取り戻すために信者を集めること。
どうやらミタマが発揮できる力の大きさは、
信者の数に応じて変わるらしいのだが、肝心な信者数は…まさかの“0”!?

「うそ…ボクの信者、いなさすぎ…」

征人が楽しく暮らしている「カクリ」という村を敵から守るため、
また村を発展させるためにはミタマの力が必要だという。

ミタマの力を取り戻すべく、征人はあの手この手を使いながら
今日も信者集めに奔走する。
果たして、ミタマの信者は集まるのか。

そして、征人はこの世界で生き残れるのか――!

神無き世界で繰り広げられる、
ポンコツ神ファンタジーが今はじまる!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

宗教というより、信じる人の心はとても弱く、誰かに必要とされ居場所がちゃんとあることに兎に角固執する生き物であることを痛感しました。

宗教については…正直良く分かりません。
ただ、宗教の違いから発する衝突やトラブルほど巻き込まれたくないモノはありません。
だから今の私はいわば「無宗教」の状態です。

はっ…もしや、私にガチャ運が徹底的に足りていないのは信心深く無いから…!?
なんて仕方の無いことなんか思ってしまってみたり…^^;?

世の中には様々なレールが縦横微塵に敷かれているので、基本的には既定路線を進んでいけば概ね間違いはありません。
ただし、ヒトは弱みに付け込まれる生き物なので適宜路線の修正は必要あと思いますけれど。

ですが、征人は宗教に関して既定路線の無い世界で新たに信者を集めようとしているんです。
これって並大抵のことではありません。
規定の路線が無いから、自他共に進み方が分からず迷走してしまうのがオチです。

異世界で何の規定路線も無い征人が一歩を踏み出せたのが、リアルの世界で叩き込まれたノウハウ…
思い出したくも、使いたかったわけでも無いと思います。
それでも、自分の古傷を抉らなきゃ前に進めないなら、自分を犠牲にしても前い進むことを選択する征人です。
順風満帆ではありませんが、少しずつ征人の理解者が増えていき…物語が動いていきます。

この作品を完走して振り返って思う事…
神様であるミタマ様の扱いが、あまりにも雑過ぎじゃありません…!?

ミタマは基本的に信者が居ないと神の力を行使することはできません。
ただ、唯一の例外を除いては…ですけれど。
だから、自分の唯一無二が絶体絶命の時、ミタマは自身を微塵も厭うことなく神の力を行使し続けるんです。
それが例え自分を信仰してくれる信者がいなかったとしても…

ミタマ、征人、そして二人の理解者が宗教という概念の無い異世界でどの様な物語を紡いでいくのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、来栖りんさんによる「I wish」
エンディングテーマは、ミタマ(あかりん)による「Steppin’Up Life!」

1クール全12話の物語でした。
完走後にレビューを書くためにwikiをチラ見して気になったことがあります。
物語の冒頭に絵巻物がスクロールしながら何やらブツブツとナレーションが入っていましたよね。
セリフのテンポも速く聞き取れなかったのですが、もしかするとあれはサブタイトルコールだったのではないでしょうか。
「カケマクモカシコキ…」と言っていたような気がします。

さて、第1クールが終了した訳ですが、物語がこれから更なる盛り上がりを見せようとする段階で終わってしまいました。
「つづく…?」との事でしたが、?マークが取れるのはいつになるんでしょうね。
楽しみに続編の情報を待ちたいと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

神と信仰を俯瞰する内容と、下品なギャグの組み合わせが良かったです。

 新興宗教からスタートしましたが、神と信仰とは何か?神の存在は理解不可能な出来事の説明か集団のシンボルである。カリスマ、現世利益、終生という命に関する考え方、異端、一神教と多神教という宗教と神に関する視点がありました。
 その後、性欲と教育、異常性欲、家族、虐待、音楽など人間の脳・文明の進化の歴史とそれを歪めるとどうなるか、あるいはこれらがどう宗教に関わってくるのかなどのシミュレートにもなっています。

 SFの設定があり、そちらに振るのかなあと思いましたが、科学=偽神というところにとどまっています。むしろSFは舞台設定として機能していました。500年村の時間を進めたところと、交わってくるのかなとも思いましたが、そこまでは至らなかったですね。

 これらの事は、人類史のようなものを興味がないと一貫してストーリーに出てこないと思います。おそらく原作者は人間を包括的に勉強しているのかなと思います。SF設定からいって読書家の方ですよね。ハヤカワのノンフィクション文庫とか読んでそうです。

 話の展開がドタバタなのと下品なエロに振りすぎなので、その辺が伝わらない気もすすし、知識の開示がスノッブ臭くもありますが、しかし、私は「神と人間」について、少し考えさせられて興味深かったです。もちろんエンタメとしても、面白かったと思います。「くっ殺」とか良かったですよね。そういう遊びもちゃんとありました。

 全体的にいいんですけど、最後の村を絶対守るという主人公の決心がちょっと矮小だった気もします。もう少し高い視座か逆に個人的な生存本能に基づく決心でも良かったかなという気がします。
 ラストなだけにまとめに入っちゃった?という気がしました。原作はまだ続いているんですよね?

 丁度「地獄楽」もやってましたし。内容的には宗教と神に関して言えば、本作の方が圧倒的に深いと感じました。

 作画・演出などがもうちょっと話のレベルの高さについてくればもっと見やすかったかもと思わなくはないです。せめてOPのアニメレベルなら良かったと思います。覇権を狙う予算のかけかたじゃないのが不幸でしたね。

 が、しかし、上々の出来でしょう。とても面白かったです。2期があるとしたら、SF的な解決も見たいし、ラスボス感のある父親が出てくるのかどうかがちょっと気になります。

 作画と音楽は高い点をつけられないので、評価は3.8ですが主観では80点くらい上げたい気がします。

 視聴中のレビューはややこしいので消しておきます。ほぼ上で書いたことですが、最後まで見終わった後の印象の方が良かったです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

67.9 18 戦いで異世界なアニメランキング18位
虫籠のカガステル(Webアニメ)

2020年2月6日
★★★★☆ 3.5 (98)
428人が棚に入れました
21世紀末、人が巨大な虫になる奇病「カガステル」が発症する。“虫(カガステル)"は理性を失い、人を襲う。だが世界的に“虫"の〈駆除〉が認められたのは、世界人口の三分の二が喰い殺された後だった…。カガステル発生から30年後の西暦2125年。人殺しと言われる無情な〈駆除屋〉の青年キドウは、“虫"の巣窟である“虫籠"に近い黄砂の地で絶命寸前の男を発見し、彼の娘を託された。その娘の名は、イリ。父の死の悲しみに打ちひしがれ動こうとしないイリの頬を叩くキドウ。この出会いが二人を、世界を変える。

声優・キャラクター
細谷佳正、花澤香菜、花江夏樹、櫻井孝宏、浪川大輔、森川智之、興津和幸、諏訪部順一、塩崎智弘、茅野愛衣、白鳥哲、間宮康弘、山下大輝、鬼頭明里、杉田智和、悠木碧、鳥海浩輔
ネタバレ

waon.n さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

原作の下地にあるものの上にアニメがある。

前半は未視聴の方後半は視聴済み推奨のためタグで隠しますね。
原作は未読のため、的外れな可能性は多いにあるので、その辺はお察しで。

葛藤と決断。過去と未来。
アニメの語り口ではこの切り口で見せてるのかなと感じました。
感動を呼び起こすような演出が良く、普通におじさんは泣いてしまった。しかも序盤だったのでかなりの不意打ちです。アニメを見てもらう事を意識すると掴みって大事で上手くやられたと思いました。
ちなみに、グロ注意な描写もあるので苦手な方は・・・でも見てほしいとは思います。挑戦する価値はあるかなと。

キャラの背景に時間を割いてしっかり描いています。特に主人公とヒロインの二人には一話づつプレゼントしていますね。これは中盤で物語全体の転換期に合わせて行われるので、キャラの行動原理が後半に向けて意味不明って事にはならないように配慮された上手い構成だと思いました。丁寧な作りだと思います。
しかも、また泣かされるっていう。お前一日で何回泣くの?って自分にツッコミを入れるレベルに痛い人になってました。

音楽は適所に無難なBGMが入ります。これを良いと思うかは個人的な嗜好だと思いますが、二度目に見た時にはちゃんと効果あったと自覚的に感じられたので、音楽としてではなく演出としての良さという点でベリーグッときました。無難である事が最高の演出になっているって事です。壮大すぎると絵が負けてしまうのはありがちな罠。
音という事では剣戟の音や銃弾、戦車のキャタピラなどの音も臨場感あって良いです。こういう所も丁寧な感じしますね。好きなシーンは主人公がRPGをぶっ放すシーンですね、砲弾を追う演出たまらないっす(音含めてね)。

声優は豪華すぎるのでどのキャラも聞いたことあんなみたいな感じ。演技が安定しているのは良いんですけれどね。
その中でもイリ役の花澤香菜さんは二役演じるんですが…スゴイの一言。二役演じる事も凄いんですが、キャラの変化による演技の変化に胸が締め付けられた。
もう一人、出番は少ないですがかなりの印象を与えるキャラの役として杉田智和さんも何かを抑えている演技が胸を締め付けて…ん?何度締め付けられてるんだ私は。

演出なんですけれど、基本的にCGでキャラを動かします。出来が良い悪いはこの際あまり語りません(正直よく分らんし)。ですがダイアローグの最中に視線が動く、キョドったり視線を外したり、逆に見返したり揺れたりする。こういう仕草の中にキャラの性格だったり内面が現れてくる事があるので、無いのと在るのとでは物語の説得力に違いが出る。
それに、まったく絵を使ってないかといえばそれも違う。随所に見せる作画には迫力がある。まぁ一度しか出ないキャラだからとかそういう理由かもしれませんけれどね。
美術背景が最高に良い。ちょくちょくアニメを見ていると、部屋の中などで違和感があったりする場合がある、んでそれを無くそうとしてカットが少なくなったり、簡単なパンもしくはスライドのみでしかカメラが動かない何て事はよくある。つまり定点カメラの多さがスゴイって話です。
これはCGだからできる芸当なのかもしれませんね。

全体を通して丁寧に良く作られていると思います。感動するポイントも前半中盤後半とちゃんと練られているし、どう見せたいのかとかもなんとなくわかる作品なので一本見た時の充実感はあります。ご都合主事的なところも多少見受けられますが、これ位許容しないと楽しめる作品なくなっちまいます。
楽しめる作品ですので、どうぞお召し上がりください。


ここからはネタバレガンガンして内容を掘り下げて行きたい。
{netabare}
さて、どこから語ろうか。

まず今作のテーマ性について書いていきたいと思います。
原作という下地には、不条理、人間のエゴ、人間と虫の境界。

不条理は元々虫になる素質のある者とないものにに分けられている事と、どうしてなってしまうかという明確な理由がなくいつなってしまうかわからないという所ですね。
人間のエゴは虫にならない人は虫籠を作り、安全を確保するためなら、虫になってしまう人を虫にさせて守らせるという事をする。これはその因子を持っているだけですでに虫であるという認識をもっている。悪だなと思うのは、駆除するにあたって決められたルールに翼が生えたら殺して良いって自分たちは間引いてるのによく言うわ、この東邦連合のアドハムさん。
エゴという点ではフランツもなかなかだと思うけれど、このキャラに関しては最後まで正直なところ分からなかった。純粋にカガステルの真実を見つけたい…?自分の無垢を信じる者は他人の罪には残酷だというセリフは自分は無垢ではないと言いたいのか、それとも無垢であり、他人の罪に残酷でありながらそれを自覚しているという事なのか。もっともエゴを自覚してるのはこのキャラだったのかしれないなとか思う次第です。まぁ分かんないんですけれどね。
人間と虫の境界。
翼が生えたら虫でその前に殺したら殺人だという。これは一つの境界の在り方ではあるが、この作品には大きな問題提起としてアハトという存在を生み出している。
主人公の葛藤はここにある。やはりラザロの存在が大きく影響する。育ての親を殺した彼は、それ以降(それ以前も)積極的に自分から他人との仲を深めていこうとしない。最終話で本人から語られる。

「明日誰の首でも落とす覚悟がある。だけどその上で誰かと生きる覚悟はできない。前にそう言ったよな(うんうん)でも本当はそうじゃない。~略~首を落とすのは大抵他人じゃない。それが怖くて少しでも距離を取りたかった、でも取った距離にまた後悔するんだ、何で生きている間にもっと…ってな」
このセリフはカシムの存在がマジで響く。あれありきでしかこの言葉の意味は通じない。そして私はここでもう一度泣いた。
このセリフから私は彼が殺してきたのは虫じゃない、人間なんだってその覚悟が言葉という形になったんだと強く感じた。
本当は境界なんてないんだって。だから一緒にいて大丈夫なんだって。そうイリに言ってるんや(勝手な想像です)。

というのが、この物語全体を通じて感じるポイントでした。

でも、これをアニメにするってなった時に方向性として、この12話の中でどうドラマを演出するか考えたんだろ思う。キャッチーで分かりやすいテーマとして選ばれたのが、葛藤と決断。過去から未来って話なのかなって。これらは作品のテーマ性と大きく重なる部分もあるので良い。
そして、主人公とヒロイン二人がそれぞれ抱える葛藤を振り払い未来へ進む決断をし共に歩んでいく良い話だなぁってなれる分かりやすいストーリーを組み立て、その葛藤を丁寧に演出した結果として原作の中にあるものをしっかりと掬いあげられているのではないだろうか。

カシムについて少し触れたのでついでに語りたい。
ここまで読んでいただいた方はご存じの通り殺されますね。
彼の死は序盤の山場という構成上の役割として、そして主人公の進む道を示す友人としての役割を担っていました。
そんな彼も、過去に悩み今の仕事に葛藤を抱き、未来に対してどうしていくかという考えを持っています。彼の持つ覚悟は地下に侵入した虫との戦いで見せてくれます。カッコ良かったです。
カシムと主人公は最初は敵対している。というのも、カシムは確か親を駆除やに殺されているんだったか、恨みがあったと記憶しています(見直したいけど場所忘れた)。そんなカシムも主人公の事を認めるようになる。主人公もおそらくそんなカシムの変化を嬉しく感じていた。
カシムは人殺しと言われた時の事を後悔はしていないだろうが心のどこかで苦悩していた。それが許されたと思った矢先にカガステル化してしまう。この暴力的な不条理をどうしてくれよう、ご都合主義だと言うのは野暮だろ?そんなこと思う余地は私にはなかった。
主人公はカシムの首を切る。
帰宅し、慟哭する。その姿に私は胸を打たれ、激しく泣いた。この時の慟哭をどういう気持ちでイリは聞いていたのだろう。だからこそ、彼の過去を知りたくなったのだろうか。
「目の前で誰が虫になっても首をはねる覚悟はできてる、だけどその上で誰かと生きていく覚悟はできない」
このセリフには重さがある。

ああ、ヤバい。もう一人語りたい人間がおる。
フランツなんだけれど…フランツってなるとアハトも書きたくなるし、でももう書くの疲れた。
書き始めて3日位この作品の事考えてたんで、とりあえずこの辺にしておきます。
奇跡的にサンキューが50超えたらフランツ追記でもするかな。いや、越えなくても書きたくなったら書きます。んな需要ないって知ってる。

長々書いてしまいましたが、多分この作品で最大の難点は声優にあったと思う。やっぱりCGは作画より表情がのっぺりする、だから表情に変化をつけて感情を伝えさせたりしたんだと思うけれど、やっぱり声って大きい。
どのキャラも素晴らしいけれど、やっぱり花澤さんだし、細谷さんだし諏訪部さんだし森川さんだし櫻井さんなんだよね。
まぁ全員好きだ!

あ、最後にEDのイントロはすっごい好き。曲だけで歌詞なしを一曲聞いてみたいなとか思ったりしました。
{/netabare}

さてそれではここまでです。お疲れ様。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

どうして、こんな世界に生まれてしまったのだろう。どうして、こんな世界でも生きたいと願うのだろう。

この作品の原作は未読です。
私はNETFLIXで視聴しましたが、久々にNETFLIXに入会した旨味を感じた作品だったと思います。
大人の事情による総集編祭りや放送日時の遅延など、TVアニメ放送における需要と供給のバランスが崩れている状況を最近ちょいちょい目にすることがあります。

個人的にはそれら全てが悪いことだとは思いません。
人間のやっていることですから、いくら重厚なバックアップ体制をとっていたとしても綻びが出るのはある意味仕方無いと思います。
インフルエンザや、新型ウィルスなども世の中蔓延していますし…
ただ出来ることなら、放送日の遅延は止む無しとしてもクオリティだけは最後の最後まで頑張ってほしいですけれど。
ただ言いたかったのは、NETFLIXならそんな心配は皆無であるということ…
放送が遅れることも無ければ相応のクオリティが約束されているって、当たり前のことかもしれませんが、視聴する側からすると嬉しい限りです。
NETFLIXの有料会員数が鰻登りで増えているのも分かる気がします。


西暦2125年一人が巨大な虫になる奇病"カガステル"が発症。
虫は理性を失い、人を襲い繁殖し続ける。

これはカガステルを狩る"駆除屋"の青年・キドウと
閉ざされた過去を持つ少女・イリの物語。


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

人が虫化するのに前振りはありません。
発症してから完全に虫化するまで約20分…
この間に仕留めないと取り返しのつかない大惨事に発展してしまうのが、この作品の世界観です。

物語は虫に襲われて絶命寸前の男を極東で育った凄腕駆除屋であるキドウが発見するところから始まります。
その男からの最後の伝言は一緒に居た娘のイリを母親のところに連れて行って欲しいとのこと…
こうしてキドウとイリは出会い、物語が動いていきます。

キドウ役に細谷さん、イリ役に香菜ちゃんが起用されていること…
それにかやのんや鬼頭明里ちゃんが登場するのも相まって耳は幸せ一杯でした。
しかし香菜ちゃん…もうどれだけ鬼懸かった演技をするんでしょう。
しかも声質がとても綺麗…もう何度聞き惚れてしまったことか…^^;

ですが、このカガステルの世界は香菜ちゃんのスーパー癒しボイスをひたすら堪能できるほど甘くはありませんでした。
確かに虫の人当たりの厳しさは正直半端ありません。
大の大人ですら、一噛みで絶命させられるほどの強靭な顎と羽を持っていますし、硬い身体は銃弾ですら容易に弾き返すんです。

ですが、個人的にはその虫の脅威の物陰で暗躍する人間の方が怖かったかな…
確かに目的はあったのかもしれない…
けれど、目的と代償の大きさがまるで噛み合っていないのですから堪りません。
そんな理不尽が通用して欲しく無いと本気で思いながら視聴していました。

でも…この物語はそんな痛みだけの作品ではありませんでした。
揺れ動く心…これまでの生き方が言葉や態度を捻じ曲げてしまう…
それでも勇気を振り絞って一歩ずつ歩み入ろうとする姿勢が個人的には大好物でした。

キドウとイリは互いを知って何を選択するのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、「Be ZERO」
エンディングテーマは、「臆病な狼 2019」
どちらもHilcrhymeさんが歌っています。
どちらも相当格好良い楽曲だと思いました。

1クール全12話の物語でした。
物語が1クールの中で綺麗に収まっていたと思いますし、見応えも十分だったと思います。
何より地に足の付いた丁寧な仕事っぷりが感じられたのも個人的にはプラスのポイントでした。
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

\ムシだー!!/

 ネトフリ限定アニメ。原作は元々WEB公開されていたかなり古めのマンガ。人が巨大な虫になる病、カガステルが蔓延する世界に生きる少年と少女をめぐる終末アクション・ストーリー。

 観ている人が少なそうなので淡々と評価します。

 まず物語ですが、第6話以降は大きく動き、面白くなるのだけど、そこに至るまでが今ひとつ面白くなかったんですよね。ヒロインが虫に襲われているところをカガステルの駆除屋キドウが助け、そこから彼女の母親を探すという導入なのに、ヒロインはキドウの知り合いの店でウェイトレスをして生活することになります。衣食住確保される上に主人公はカガステル駆除のプロで安全まで保証されている。街から移動する必要がなくなる。

 最初の数話は街での主人公のカガステル駆除を生業とする苦悩と、ヒロインが見知らぬ街で友人を作る話なんですよ。母親を探す、という目的はどうした。最後まで観ると、彼女は母親に会いたかったわけではなく平穏な生活を送りたかったことがわかる。結果的に終盤は母親に会いに行く流れになるんですけど、ちょっと違和感がありました。

 後半はアクションシーンが多いので何も考えずに見ていても楽しめるでしょう。ただ、「カガステルは装甲が厚く、銃はきかない」と最初の方で説明されてるのにいつもいつも銃で応戦して結局カガステルに食われる、ってのをずっと繰り返してる軍人たちは頭が悪すぎるんじゃないだろーか。チンパンジーの方が賢い。

 作画は3Dで質は高く満足できる。ただ、台詞と表情が微妙に合ってないシーンがちらほらあってやや気になりました。声優は豪華。スラムの孤児を演じた鬼頭明里と半分カガステルとなった不幸な少年を演じた花江夏樹の演技が特に良かったと思います。ヒロインとヒロインの母親を両方ざーさんが演じてたけど流石にキャスト分けた方が良かったんじゃないだろうか。

 音楽は挿入歌の使い方も含めて刺さらなかったですね。キャラは不幸な境遇ゆえに屈折している人間が多いので、好き嫌いが分かれそうな感じかな。私は主人公のキドウの芝居がかった冷たさがあまり好きになれなかったです。まぁカガステルの蔓延で荒廃した世界なので、ひねくれ者が多いのはリアルといえばリアルですが。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

58.3 19 戦いで異世界なアニメランキング19位
レベル1だけどユニークスキルで最強です(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★☆☆ 2.7 (133)
380人が棚に入れました
「小説家になろう」で日間・週間・月間・四半期1位を獲得した人気タイトルが、待望のTVアニメ化! ブラック企業に勤めるサラリーマン・佐藤亮太は、ある日ふと気がつくと、見知らぬダンジョンの中にいた……! そこは、あらゆるものがモンスターからドロップされる不思議な世界だった。 偶然出会った少女・エミリーの助けで自身のステータスを確認するも、体力や魔力などのステータスはすべて【F】(最弱)! さらにレベルは固定で【1】(最低)! 絶望の淵に立たされた亮太だったが、最強のユニークスキル【ドロップスキル・オールS】の持ち主であることが判明!! はたして亮太は、この不思議な世界で生き延びられるのか!? 最弱で最強の冒険が、今始まる──!

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

こいつはヤバい…。今期ワーストなろう筆頭!映像化したら駄目な奴ですね。

 最終回(12話)まで観ました。2023.09.24

 最後までゴミでした。モンスターを倒してもアイテムがドロップしない…世界の危機や〜!亮太の活躍で解決しました。ハイおしまい…。

 いつもどおり、説明が一切ないまま事件が起こり、すぐに解決します。今回は、何故か着物を着た女性がボスで、何故か強くて、我らが亮太さんも少し苦戦します。

 そのまま殺されてしまえば良いのに…と、思った視聴者も多いと思います。少なくても再起不能位にボコボコにしてもらわないと、話の帳尻が合わない感じです。

 結局、後出しジャンケンで倒しましたが、誘導弾がそんな使い方出来るなんて今まで言ってた?

 しかも、観念したボスを銃による処刑スタイルで倒します。二匹目のハグレモノゴリラもそうですが、猟奇趣味のスタッフでもいるのか?殺し方がグロいです。

 ツッコミ所が多いお話でした。全てのエピソードが何かおかしいという、狂いっぷりはクソアニメ史に残りそうです。

 歴史の証人となれたことを喜ぶべきでしょう。完走した皆様、お疲れ様でした。

 これから観る方は、阿羅漢並の修行レベルに達してないと、魔に飲まれそうです。
  
………………………………………………………………………

 9話まで観ました。2023.09.04

 仲間にウサギと火炎使いが加入して、男一人に女が三人のハーレムパーティーに。キモいデスネ〜!

 お金もドロップアイテムらしいです。もう、めちゃくちゃです。誰が価値を保証しているんでしょうか?金属貨幣だけでなく、紙幣もドロップするんですか…。

 食物や武器、衣服等のアイテムと違い、直接的な利用価値のないモノが流通しているんですね。キレイな宝石ならまだ分かるんですが。

 こういう所が、なろうの薄っぺらさなんでしょうね。世界がある日突然始まった感丸出しの所が!

 誰がドロップした得体の知れない金属製の円形板や印刷物を貨幣にしようと言い出したんですか?

 社会を社会たらしめる前史が全く無いので、主人公のための、都合の良い世界でしか無いのです。

 流石に視聴者を馬鹿にしすぎです。深夜アニメを観ている様な奴は、経済や社会機構の何たるかも分からないと思っているんでしょうか?

 良くこんな話を恥ずかしげもなく放映出来るなぁと、驚きを隠せません。恥的レベルMAXですね。

……………………………………………………………………… 
 
 7話まで観ました。2023.08.26

 今期は、設定がイカれているアニメが多いですが、本作は群を抜いています。

 あまりの酷さにしばらくレビュー出来ませんでした。「てぶくろ」さんのレビューがとても面白いので、細かいツッコミはそちらで!

 基本的に人間以外の生物は存在せず、全てモンスターからのドロップ品で成立している世界…。村や街の外には果てし無い荒野が広がっている…ディストピアですね。

 ゴミもハグレモノになる、しかも強いとか…。人間の屎尿とかもハグレモノになるんでしょうか?

 そもそもこの世界、物質循環が上手くいっていません。植物も無いのに、酸素とか何処から供給されてるんでしょうか?水もどうやって浄化されてるんでしょうか?

 中途半端に加工品もドロップしますが、武器とか誰が作ってるんでしょうか?冶金するのにも燃料が必要なはずですが…。

 武器も全てドロップ品なら、最弱武器の鎖鎌しかドロップせず、モンスターを倒せない事態に陥りそうです。

 原作小説は脳内補完するから、まだ何とかなるんでしょうが、映像化するとクソみたいな矛盾が噴き出しています。

 こんな映像化に不向きなゴミをアニメ化しなくてはならないアニメ制作スタッフの皆様には同情いたします。

 仕事が選べない…、主人公より社畜ですね。

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 3話まで観ました。2023.07.26

 適当な話ですねぇ…。拳銃ゲットで専用の弾もドロップするなんて、どういう了見なのでしょうか?

 ドロップアイテムを放って置くと、ハグレモノになるのもイケませんね。アイテムの備蓄が不可能な世界って…。  

 裸でモヤシや人参しか食べないで生きられる人物しか生存出来ませんね。キャラクターの服に見える物は、外骨格かなんかなのでしょう。
 
 家や家具も、動かないモンスター、家モンや家具モンなのでしょう。

 こんな狂った話をアニメ化させられる制作スタッフの皆様が可哀想でなりません。
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 2話まで観ました。2023.07.16

 人参ジャンキーウザうさぎ来襲!良いですね。ダンジョン物資モノカルチャー経済下、人参しか食わない狂人の登場には妙な説得力があります。もちろん、面白くは無いですよ?

 むしろ、人参ともやししか食べない位にしないと、整合性がとれませんね。ダンジョン内でおかずの沢山入った弁当食ってんじゃねーよ!

 主人公は都合の良いダンジョンでどんどん強くなります。作画の悪さも含めて狂った世界が視聴者の目の前に顕現しています。

 怖いもの見たさで視聴継続です。コレであなたもクソアニメハンターだ!

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 1話観てのレビューです。2023.07.13

 初見の感じは、神々に拾われた男っぽいアニメです。何となく凶気をはらんだほのぼのアニメと言う感覚です。

 ダンジョンでモンスターがドロップするアイテムに資源を頼っている世界…。設定が狂ってますねぇ。

 もやしや人参なんて、2、3日で駄目になるようなものを、取引して経済回しているなんて、フィクションでも良くこんな世界を設定出来るとなぁと驚愕しかありません。

 せめて、ドロップアイテムは保存のきく貴金属にするべきです。これ、生産地(ダンジョン)と消費地の関係、どうなっているんでしょうか?もやししか食べない地域とかありそうです。

 まぁ、小学生でもおかしいと分かる社会構造の物語を上手く回せる訳がないので、早々に破綻すると思われます。

 確実に時間の無駄になりそうなので、視聴中断もやむ無しかもしれません。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

最強のスキルと最高の仲間 最弱で最強の冒険が、今始まる――!

この作品の原作は未読です。
私にとって2023年夏アニメの中で、最も気楽に視聴できて楽しい作品の一つでした。

その最大の特徴として、心底悪い奴が出てこないんですよね。
もちろん、物語上、他の冒険者と対峙することもありますが、基本的にドロドロした部分が無いので安心して視聴できたのかもしれません。


「小説家になろう」で日間・週間・月間・四半期1位を獲得した人気タイトルが、
待望のTVアニメ化!

ブラック企業に勤めるサラリーマン・佐藤亮太は、
ある日ふと気がつくと、見知らぬダンジョンの中にいた……!
そこは、あらゆるものがモンスターからドロップされる不思議な世界だった。

偶然出会った少女・エミリーの助けで自身のステータスを確認するも、
体力や魔力などのステータスは全て【F】(最弱)!
さらにレベルは固定で【1】(最低)!

絶望の淵に立たされた亮太だったが、
最強のユニークスキル【ドロップスキル・オールS】の持ち主であることが判明!!
果たして亮太は、この不思議な世界で生き延びられるのか!?

最弱で最強の冒険が、今始まる———!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

物語を完走して振り返って思う事…
今でこそ企業における社員の勤務は限りなくホワイトに、そして適正に管理されている筈…ということにしておきますが、それでも昔は軒並みブラック要素を兼ね備えていたと思います。

かく言う私も社畜の一人で、それこそ当時私の働いていた職場は「不夜城」と呼ばれるくらい、皆さん夜遅くまで残って仕事していましたし、休日出勤だって当たり前でした。

そんな苦しい現状からポンと抜け出せたら…と当時は何度も思いましたが、この作品の主人公である佐藤亮太は、当時私の憧れだった夢を実現させているんです。

もちろん、ブラック企業からの転生モノや山ほどあるので、この作品に限ったことではありません。
ですが、佐藤亮太を見ていると…毎日がメッチャ楽しそうなんですよね。

それにステータスは最弱ですが、その弱点を庇って余りあるドロップスキル・オールSという最高のギフトを貰っているんです。
そりゃ、毎日だって楽しくなりましょうかね…

加えて…高野麻里佳さんや、さおりんが演じているキャラとご一緒できるんです。
もう、これはご褒美以外のナニモノでもありません^^;

しかし…さおりんボイスが聴けるのは嬉しいのですが、体調不良で活動を一部制限していると聞いています。
それなのに、今年も結構な作品に出演されています。
ちゃんと専門の先生に診て貰っていると思うので問題はないのでしょうけれど、決して無理はして欲しくないと思っています。

一方、物語の方はダンジョンでモンスターを倒してアイテムをゲットし、それを換金して生計に充てる、という感じなので、物語にも大きな起伏もありません。
だけど、こののんびりとした感じこそが、この作品の長所なんだと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、ノラ from 今夜、あの街からさんによる「Chase Me」
エンディングテーマは、宮川愛李さんによる「タンバリンの鳴る丘」

1クール全12話の物語でした。
こういう視聴して気持ちの優しくなれる作品は、毎期1作はあって欲しいと思います。
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.3

★1だけど興味本位で視聴継続です

4話まで見たけどナニコレ??
今まで見たなろう系アニメでワーストを更新したかも
酷すぎて逆に気になるので続きも見るけど、絶対に人にはオススメできません

設定が適当すぎておかしなことばっかりだけど細かいことを気にしなくても面白いところが何もなくてきつい
ダンジョンの1階にいたら一瞬で10階に行くなど話が飛び飛び
見ていて( ゚д゚)ポカーンとするくらい主人公がこうなったら便利なのにって思うものがなんでも都合よくすぐに実現する
「こうなったらいいのに」の思いつくままに設定を追加するので矛盾がいっぱいあります
一番ひどいのが、この世界のすべてのものはダンジョンでドロップされるのに、ちょっと目を離しただけで魔物化しちゃうという無理のある設定

以下、各話の変なところや都合良すぎるところなど
1話{netabare}
「この世界のすべてのものはダンジョンでドロップされます」
「ここはスライムしか出ません、スライムからはモヤシがドロップします」
「私は弱いのでここでしか狩れません」
モヤシしか入手できないのにどうやって生活してるの?
毎日大量にモヤシ手に入れてるならレベル結構上がってるような

ニホニウムのガイコツを倒すとHPが上がる種落とすみたいだけど
倒せたのは偶然柱がガイコツにあたって倒せただけなのにどうやってHPカンストするまで狩りをしたのでしょうか?
倒しまくっての一言で飛ばされてたけど何年も経過してるの?
その間テルルの1Fとニホニウム以外に行ってないみたいだからモヤシとHP上がる種しか入手できないのに家賃払えるの?
{/netabare}
2話{netabare}
人参切ってもあんな長方形になりませんよ
イヴの暴力とわがままも鬱陶しいし、冒険者まともな人いない
「ダンジョンのドロップアイテムをひとけのないところに放置するとモンスターになる」
やばい設定きましたね
この世界のすべてがドロップアイテムだから、人が近くにいないものは全部魔物化するってことですよねー?
HPと力だけの主人公、どうやって巨大ゴリラに飛び蹴りや頭突きを?
{/netabare}
3話{netabare}
ゴリラ倒したら銃が手に入りました
銃使いになるなら力なんのために上げたの?
弾丸節約しないとって言った5秒後にただのスライムに銃使うのはギャグなの?ツッコミ待ち?
ちょっとかぼちゃ放置しただけでモンスター発生
なんでゴキブリ退治に銃使ってるの?
ゴキブリ倒してるシーンの主人公のデフォルメ気持ち悪い
ゴキブリ倒したら都合よく銃弾がドロップ
冷凍弾の入手すごく面倒で時間かかりそうなのに景気よく連射しますねー
{/netabare}

4話{netabare}
見ていて恥ずかしくなるくらい主人公に都合のいいことばかりおきますねー
都合のいいことしか起きない世界、つまらなくないですか?

レアモンスターからドロップが2倍になるネックレス入手
マーヴェラスなタケノコ高く買い取る人出現
そうだ、専売契約しましょう!
「お姫様までいるなんてこの世界は凄いな」
アルセニック、あっという間に地下10階
1000万の魔法カート無料で入手
店の買取金額に難癖つけて暴力をふるう冒険者、そこに主人公登場
入れたアイテムの金額を自動で計算するカート使って解決

{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16

64.8 20 戦いで異世界なアニメランキング20位
聖剣学院の魔剣使い(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (103)
371人が棚に入れました
最強の魔王レオニスは、来たるべき決戦に備え自らの存在を封印した。 だが、1000年の時を超えて目覚めたとき、彼はなんと10歳の少年の姿に戻っていた! 「なんでだ!?」「君、どうしてここに閉じ込められていたの? もう大丈夫よ。お姉さんが守ってあげる」 <聖剣学院>に所属する美少女リーセリアに保護されたレオニスは、変わり果てた世界に愕然。 未知なる敵<ヴォイド>、<第〇七戦術都市>、武器の形をとる異能の力———<聖剣>。 聞き慣れない言葉に戸惑いつつも、彼は<聖剣学院>に入学することに。 魔術の失われた未来世界で、最強魔王と美少女たちの織りなす聖剣と魔剣の学園ソード・ファンタジーが幕を開ける!

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

元・最強魔王×お姉さん 学園ソード・ファンタジー

この作品の原作は未読です。
聖剣×美少女を組み合わせた作品って、久しぶりではありませんか?
あれ、2023年夏アニメで放送された「七つの魔剣が支配する」は聖剣じゃなく魔剣だから除外で良いですよね^^;

加えてメインヒロインを演じるのはあの石川由依さんと来たら私に視聴しない選択はありません。
過去作の未視聴作品をメッチャ積み上げていますが、今期リアルで視聴した作品の一つになりました。


最強の魔王レオニスは、来たるべき決戦に備え自らの存在を封印した。

だが、1000年の時を超えて目覚めたとき、彼はなんと10歳の少年の姿に戻っていた!
「なんでだ!?」
「君、どうしてここに閉じ込められていたの? もう大丈夫よ。お姉さんが守ってあげる」。

〈聖剣学院〉に所属する美少女リーセリアに保護されたレオニスは、変わり果てた世界に愕然。
未知なる敵〈ヴォイド〉、〈第〇七戦術都市〉、武器の形をとる異能の力――〈聖剣〉。
聞き慣れない言葉に戸惑いつつも、彼は〈聖剣学院〉に入学することに。

魔術の失われた未来世界で、最強魔王と美少女たちの織りなす聖剣と魔剣の学園ソード・ファンタジーが幕を開ける!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

リーセリア役の石川さんが、最初に原作を読んだ時の印象をインタビューでコメントをしてくれていました。
「女の子たちがみんなかわいくて、そして「けしからん」というシーンがたくさん出てくるなと思いました(笑)。」

「けしからん」部分の多くは、リーセリアが担っている気もします。とツッコまれると、
「確かに。レオくんも「この世界の倫理観はどうなっているんだ」と言っていましたよね(笑)。」と返していましたが、これ、メッチャ分かります。

レギーナ役・洲崎綾さんも、
「まずは「おねショタ最高!」と思いました(笑)。
由依ちゃんが言っていたように「けしからん」シーンも随所で出てきますが、しっかりと読むとストーリーが重厚なんですよね。色々と抱えている人たちが集まっていて、シリアスなシーンもしっかりあって、見ごたえのある作品です。」
これもメッチャ理解できました。

おねショタ最高!かぁ…
きっとリアルの構図では見るに耐えない気がするのですが、アニメだと不思議と違和感無く受け入れられるから不思議ですよね^^;

でも、古の時代から転生する設定って、割と存在する様な気がしますけれど…
それに、赤子に転生する設定も然り…
「魔王学院の不適合者」のアノス・ヴォルディゴードは2,000年前から転生してきましたし、「無職転生」では、ルディが幼少期をたいそう満喫していましたしね^^

でも10歳という中途半端な設定で始まる展開は、確かに珍しいかもしれません。
思い返してみると、赤子で転生というパターンが多いような気がします。

まぁ、この様な些細な事は置いておいても十分満喫できる作品だと思いますよ。
リーセリアの直向きさ、レギーナの面倒見の良さなどなど…
リーセリアたちが所属する第十八小隊の皆さんは容姿端麗な方ばかりなので、声優さんたちの演技と相まってしっかり堪能できると思います。

少しご都合主義的に思えるところが全くない訳ではありませんが、それはご愛敬で良いかと…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、藤川千愛さんによる「1000年愛」
エンディングテーマは、果歩さんによる「ゆるり」
どちらも通勤中にヘビロテした楽曲です。

1クール全12話の物語でした。
個人的にはしっかり堪能させて頂きました。
この手の作品で唯一残念だと思うのは、続編が中々制作されないことです。
原作のストックも沢山あるようなので、続編が制作されると良いんですけれど…

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

猫好き さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ラノベ販促アニメ

原作は未読。これはキャラデザが綺麗なのとタイトルソングが気に入ったのでつい最後までみてしまった

お話は、魔王レオニスが1000年の時を経て復活も、転生術をしくじってしまい、自分が人間だったころの10歳ぐらいの少年の姿になってしまう。なりゆきで死んでしまった人間の少女リーセリア(セリア)を眷族としてバンパイア女王として復活させ、すっかり変わり果ててしまった世界でラノベ的学園生活をしながら襲い来るヴォイドの脅威に立ち向かう、、、なのかなぁ

ラノベ原作なのでお話の整合性とか世界観はあまり求めてない。それよりもどれだけ萌えさせてくれるかよねw

その観点から一番気になったのは、中身魔王だけど外見子供のレオニスと、ヒロインのおねショタ関係。セリアは保護者顔してレオニスを大切にしてるけど、レオニスはかつて仕えたロゼリア一筋だし、中身は俺様魔王なので、おねショタ基本のショタ側からお姉さんへの依存とか思いは存在しない。そもそもセリアはレオニスの眷属になってるので、レオリスから見たらせいぜい気に入った手下に無意識ツンデレってレベル。この二人の関係性にはイマイチ萌えられなかった

他には、女の子たちがたくさん出てくるハーレム物なのかとも思ったけど、セリアと元から彼のメイドだったシャーリ以外は特段レオニスに興味がある様子もない。レギーナがたまにちょっかい出してくるけど、これは彼に興味があるってよりも単にからかってるとかセリアに手を出させないように釘を刺してるだけな感じでもある

なんというか、こんな感じでラノベやなろうの萌え要素のお約束がお約束として成立してないような気がする。強いて言えば他に楽しめそうな点ってばライトなエッチくらい?セリアの吸血衝動とか、ラッキースケベ、無駄に豊富なお風呂シーンとかその手の物が好きな人には受けるのかな?私には分からないけどw

とまぁ、ネガティブなことばっかり書いたけど、最後まで見ただけあって完全に嫌いだったわけじゃない。何よりキャラ絵が綺麗!(もっとも、女子に比べてレオ君含めて男子がかなり雑ではあったけどw)動画は大したことないけど、昨今のラノベ/なろう物に比べたら並み以上ではあった

話の方もちょっと興味深い。魔王復活で1000年前の復讐ってよりも、世界が完全に変わっていて敵味方がはっきりしなくなってる。人間側の英雄達がヴォイドロードになって人類を破滅させようとしてるとか、魔王様の癖して人間の要塞島を守るって決めちゃったりとか、ロゼリアはどうなっているのかとか気になる設定も多かった。そこらへんはアニメ版ではしょられているんじゃないかと思ったり

というわけでまぁ、アニメとしてはよくあるなろう/ラノベの域を出てないんだけど、お話自体は気になってコミカライズか原作読んでみようかなという気にはなったので、販促目的としてはよかったんでは?

-- 補足

コミカライズは少年エース。そういえばKindle Unlimitedで読めるんだったというか、雑誌自体は毎月読んでたw。ただ、絵柄が古臭くさい少年漫画みたいなので連載は眼中に入らなかったし、雑誌でのアニメ紹介でも漫画がその雑誌で連載中だとは気づきもしなかった

アニメはラノベの挿絵が元になってるので、絵柄が気に入った人はコミカライズ版はかなり毛色が違うから、原作読んだ方がいいと思う

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

ヘンゼル さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

緊張感がない故に勿体ない

第5話まで視聴済み。
MF文庫Jにより刊行されている作品と聞いて、最近のMF文庫J産アニメ(ライアー・ライアーや探偵はもう死んでいる等)の評判は芳しくありませんので、身構えて視聴しましたが案の定、色々と「足りない」作品であると感じました。

作画コストは仕様がないというしかありませんが、第1話の設定の出し方や、キャラクターの言動や行動の不自然さやそのように至った理由や動機づけといったものが足りないと感じました。

具体的に言えば、魔王が少年の姿になった際、いきなり敬語でヒロインに話すシーンがあります。心理描写として「ここは敬語で話して怪しまれないようにしよう」「愚鈍な子供を演じよう」とか、そういった心の声を一言二言、アニメのセリフとして導入すべきだと思いました。
そういう視聴者に分かりやすい表現が足りていないと思いますね。

しかし、本作品の目玉は何と言っても「おねショタ」要素ではないでしょうか。
本作品はライトノベルですので、そういった少しセクシーなシーンで続きを読ませるという手法を取るために、そういった要素を入れているのではないかと思います。
風呂場のシーンはかなり良い出来かなと思いましたね。主人公が石鹼で頭を洗うシーンとかも、過去から来た者を表現するいいシーンだと思います。

本作品の良い所はそういった「過去から来た」と彷彿させるシーンが散りばめられている点ですかね。
世代間ギャップのようなズレがこの作品の面白い要素だと思いました。

ただ、本作品は世界観設定がアポカリプス物で殺伐としたものなのですが、いかんせん緊張感が足りないと感じました。
たった二人で要塞都市郊外の遺跡の調査をするのもそうですし、何故か別行動を取るのも、それに納得できるだけの理由も描写されていません。
そして第4話で要塞都市の脆弱性をテーマにしたのもそれに拍車をかけています。

ただでさえ本作品の敵キャラである「ボイド」と呼ばれる未知の生命体との戦いが第1話だけなのにも関わらず、いきなり負けそうになるのは、メイウェザーが初戦でいきなり敗退するような、拍子抜けした気分になります。
メイウェザーも人間ですし、実際にあり得る例えではありますが、「一度もボイドの侵入を許したことが無い」と豪語する以上、要塞都市の性能を発揮するシーンを、第2話か第3話にでも描写するべきだったと思います。

いきなり侵入を許すシーンを描写するのは、人類に緊張感が無いと思われても仕方がないのでは?と思いますね。

そういった意味で、本作品はおねショタという「緊張と緩和」でいう緩和の部分は及第点ですが、何より本筋のストーリーである「緊張」の部分が足りてないと感じました。
私の中でそれこそ、魔力炉が破壊されるような致命的なものだと思いましたが・・・。

という事で、本作品は良くも悪くもライトノベルだなと感じましたね。
最近の読者はストレス解消の為にラノベを読む事が多いとどこかの記事で観ましたが、本作品ももしかしてそうなのでしょうか。
おねショタで見れば、まあ見れる作品なんだけどなあ。でもそう見ると、世界観が逆にノイズになっているような気がするなあと。
今後の展開に何か良い点があればまた更新します。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

69.0 21 戦いで異世界なアニメランキング21位
最果てのパラディン 鉄錆の山の王(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (101)
343人が棚に入れました
死者の街を出てから二年が経ち、ウィルは数えで17歳になっていた。領主として「灯火の河港」を発展させ、徐々に「獣の森」には人々の営みと笑顔が戻ってきた。しかし、季節外れの花が咲き乱れ、森の異常が発覚する。この問題を解決するべく森の奥に向かったウィルたちは、森の王から不吉な予言を受ける。「鉄錆の山脈に、“黒き災いの火"が起こる。火は燃え広がり、あるいは、この地の全てを焼きつくすであろう」滅びしドワーフの都である「鉄錆山脈」に眠る災いとは…!? 新たな出会いと共に再びウィルたちの冒険が始まる!
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

邪龍討伐に向かう英雄たちのハイファンタジーなのだが…

柳野かなた(原作)、輪くすさが(イラスト)による原作小説は、『小説家になろう』からオーバーラップ文庫にて書籍化(既刊5巻、原作未読)。
なお、奥橋睦によるコミカライズ版が『コミックガルド』(オーバーラップ)にて連載中(既刊13巻、コミカライズ版は既読)。
アニメは、1期全12話、2期全12話。監督は1期の野信ユウ(『終末のハーレム』など)から岩永彰に交代。制作も1期の『愚かな天使は悪魔と踊る』などのChildren's Playground Entertainmentから、『ダークギャザリング』、『薬屋のひとりごと』などのOLMと『キングスレイド 意志を継ぐものたち』、『境界戦機』などのSUNRISE BEYONDの共同制作に変更。
(2023.12.24投稿、2024.3.27一部内容を修正)

さて、本作は、原作者曰く『無職転生〜異世界行ったら本気だす〜』の影響を受けているようで、主人公のウィルは、前世の引きこもりとして過ごした記憶を保持したまま異世界に転生し、生前英雄であった3人の不死者に育てられる。その後、主人公は、前世の後悔から、流転を司る灯火の女神であるグレイスフィールの聖騎士(パラディン)として「異世界に行ってから本気だす」というお話。

本作は、その2期にあたる。ウィルが育てられた街を出て2年。廃墟を再生させた「最果ての都市」周辺の事実上の領主となった主人公(「最果てのパラディン」)は、その近郊の鉄錆山脈にあったドワーフの街をかつて滅ぼした邪龍ヴァラキアカが活動を再開するとの神託を受けるのだった…

自らハイファンタジーというだけあって、ドラクエやFFの延長線上にあるシステムコマンドが空中にポンと出てくるようなゲーム的なファンタジー世界ではなく、トールキンの『指輪物語』(映画は『ロードオブザリング』)に近い重厚なファンタジー世界の雰囲気を持つ。

また、主人公は、「聖職者」なので、灯火の女神様と純愛していて、{netabare}(姉神から好意を寄せられることはあっても、){/netabare}主人公と人間や亜人種との恋愛はない。今のところ、同性のハーフエルフであるメネルとのバディものっぽい雰囲気。
「吊り橋効果」よろしく危険な冒険と恋愛はセット販売みたいなところがあるので、これを異世界行ってパラディンとして真面目に生きている証だと思うかどうかは、あなた次第。

もっとも、ファンタジー世界としての雰囲気作りには成功していると思うので、ゲーム的ではないファンタジー作品を観たい方にはオススメ。


【アニメ版とコミカライズ版をあえて比較する!】
アニメは、原作小説を直接参照しているので、コミカライズ版に準拠しておらず、アニメ版とコミカライズ版で表現の違いが結構ある。
2期の一番の見せ場と思われる邪龍ヴァラキアカとの戦闘シーンでは、もちろん動画と静止画の違いはあるが、単純に表現者として原作小説をどう具体化するかの差が出たと思う。
ということで、こっからは私がコミカライズ版の方が好きなこともあり、コミカライズ版の方が面白いよ!という宣伝も兼ねて、アニメ版に対する批判をするので嫌な方は回避推奨。


{netabare}まず、邪龍のサイズ感。

コミカライズ版は、ヴァラキアカの登場シーンで、ヴァラキアカが人よりずっと大きいという印象を受けるのだが、ヴァラキアカの輪郭を朧げに描くことで、主人公のイメージとしてすごく大きく見えているという表現にしていた(ただ、実際の戦闘シーンに入ると輪郭をはっきり書かなければならず、アニメ版と同じ現象が起こっていた。)。

これに対して、アニメ版では、ヴァラキアカの輪郭を登場から終始はっきり描いている。そうしてしまったがために、サイズ感がはっきりしてしまい、人間サイズが5人相手したところで剣や槍で致命傷を与えられるような大きさに見えなかった。しかし、おそらく5人で倒せる説得力のある大きさとしては、ゲームの『モンスターハンター』に登場する竜くらいのサイズになると思うのだが、それだと神代の邪龍という雰囲気が出ないので、サイズ感の表現が難しいことは理解できる。
ただ、小説だと想像の範囲なので、大きさがそこまで気にならなくても、画で実際に見せられると途端にサイズ感が気になってくる。
また、アニメを描いている人たちの迷いが作画にも出たのか、邪龍が大きく見えたり小さく見えたりと大きさに統一感がなかった。
この辺は、本作が何でもアリの主人公無双ものではなく設定や雰囲気を大事にする作品なのだから、漫画のように何らかの表現の工夫があっても良かったのではと思った(結果的に主人公無双なのだけれど…)。


次に、戦闘における緊張感の欠如。

邪龍の狡猾さを表すためにも、戦闘中に主人公としゃべってもいいとは思うのだけれど、現実にしゃべっているのではなくて、コミカライズ版のように頭の中でヴァラキアカと会話しているようなやりとりにして欲しかった。

戦闘が始まった後に、攻撃しては止まって会話、攻撃しては止まって会話を繰り返すので、連続性のある動画なのにリアルタイムバトルではなくターン制バトルのゲームを観ているようだった。特に動画でスピード感がないと、途端に緊張感が失われてしまう。

そして、アニメ版は、戦闘中であるはずのヴァラキアカそっちのけで、不死者として蘇ったドワーフ王(彼が「鉄錆の山の王」なので重要なシーンなのだが…)からその場で剣を授かるシーンを始めてしまう。挙句の果てに、それをじっと待ちながら見ていたヴァラキアカに「準備は出来たか」と言わせる始末…(コミカライズ版では、剣の授与がかなり簡略化されてスピード感重視になっていた。相手の準備が出来るまで待つというのが強者の余裕の証だとしても、戦闘中なので、緊張感に配慮して欲しいと思った。)

小説の忠実な再現といえば聞こえはいいのだが、私は表現形態によって適した表現方法があると思う。文字や静止画ではあまり気にならない「間」が動画ではより一層気になってくる。
むしろ、そこは原作のためにも、個人的には、剣のいわれの説明を討伐後に後回しにしたり、精神世界のような別の空間での出来事にするなど大幅に流れを変えた方が良かったのではないかと思った。


最後に、原作小説がストップしていることもあり、コミカライズ版とアニメ版の続編が製作されるか不透明ですが、このままフェードアウトしてしまうのは惜しい作品だと思ってます。
また、個人的に期待している『望まぬ不死の冒険者』がアニメ化されることもあり、オーバーラップには、売上にも直結することですし、ファンタジー作品のアニメ化をもっと頑張って欲しいと思ってます!{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

新興宗教のプロパガンダみたいな1期よりは観やすい!ファンタジー世界における強さの表現の限界による地味さと既視感は仕方無い…。

 最終話(12話)まで観ました。2023.12.26

 邪竜倒してハッピーエンドでした。良かった良かった!に、しても本作品、凄い地味です。

 他のなろうみたいにレベルアップ!ステータスオープン!ギルドが認定するS級冒険者!的なお手軽強さ表現をせずに丁寧に作っているからです。

 この真面目にファンタジーを描こうという姿勢は、悪くは無いんですが、過去作でも散々試みられてきた手法で新しみが無いんですね。

 結局、努力による強さや成長をビジュアルで表現するとキャラが変わってしまうので、本作品では試みていません。

 ウィルがムキムキの狂戦士で血の匂いがしそうな危ないおじさんに変化したら、ファンが逃げます。

 歴戦の猛者はもっと眼が座ってるだろ〜とか、不意討、騙し討、夜襲が得意技とか、遠距離攻撃しかしないとか、リアルな戦闘をすれば面白いファンタジーになるかと言うと疑問です。

 そのため、強い相手に苦戦しそうになると都合の良い神の武器をもらったり、加護を得たりします。  

 どうしても、他力本願的になります。ステータスやレベル概念無しに強さを表現しようとすると、やはりムキムキになるか、有利に戦うための卑怯な戦術をするしかありません。

 実録異世界戦士死闘篇にならない様にファンタジーを展開すると、本作品の様に表現の限界にぶち当たり、地味な話になると言うのを再確認出来たので、ファンタジー好きにはとても参考になったと思います。そのため評価は普通です。

 作者が悩むのも作家としての良心のせいか…。創作とは恐ろしいものですね。

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 11話まで観ました。2023.12.18

 丁寧に制作された英雄譚です。神々の恩寵を受けた英雄の貴種流離譚的な…。ギリシャ神話からの伝統芸です。

 敵の邪竜、バラキアカも神的な存在なので、話が分からん奴でもなく、知恵も回るので、とにかく喋る喋る…。

 戦闘中に仲良くお喋り出来る相手なので、もう痛み分けで良くね?相手も神だし、妥協的決着でもねぇ…。

 そして、灯やらの神々の恩寵を受けて凄い剣をもらったり、味方を回復してもらったり…。

 神レベルの形而上的存在が前に出てくると、茶番というか、馴れ合いというか…。神々の前では人間など道化に過ぎないというか…。

 主人公のウィルさんは控え目なキャラなので、道化度が何か高い気がします。転生させてくれる神にも愛されてるらしいです。

 言葉で説明しにくい嫌な感じを受けつつ次回邪竜との決着の様です。こういうの、好きな人は好きなんかなぁ〜と思いつつ、次回も惰性で観てしまいそうです。

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 5話まで観ました。2023.11.05

 主人公のウィルさん、仲間達と邪竜を倒しに行くようです。しかし…、相変わらず野郎しか出てきません。

 一期は、ゾンビおかんがいたので気になりませんでしたが、二期になっても女性キャラが増えません。

 ビィは女?ですし、メネル(男エルフ)の正妻の座は一期に引き続き安泰の様です。

 ドワーフ達に女性は居ないのかな?女性にも髭が生えていて見分けがつかないのかもしれません。

 ファンタジーで女性を排除している話は珍しいなぁ〜と、最近気がつきました。野郎だらけですが、主人公と相棒がゴールデンカムイみたいに男臭くなく、修道院みたいな感じが、宗教っぽさの原因かもしれません。

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 4話まで観ました。2023.10.29

 暇だから映画でも観るか…。おっ!?ネットのレビューで評判の良い作品を丁度やってるな!

 と、入館したら最近教祖が亡くなった某新興宗教の映画だったりする昨今、アニメであっても宗教系はちょっと…と身構えてしまいます。

 1期はまさにそんなノリで、観ていて辟易しましたが、2期、主人公が領主になってから、宗教臭が少し薄まり、観やすくなりました。

 神々が沢山出てくる作品ですが、その神々が必ずしも人間の敵や味方じゃないという…。アニメとしては丁寧に作られてはいますが、若干、説教臭さがあるので、観る人を選びます。

 2期から観ると、主人公、若造の癖になんでそんなに強い?と、納得いかないので、1期視聴は必須と言うハードルの高さはありますが、気になる作品ではあります。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

丁寧な世界観が心地いいハイファンタジー

[12.28見終わって]
面白かったですよ♪
異世界ファンタジーが溢れてますけど、ファンタジー風味やなんちゃってファンタジーがほとんどで、こういう真面目にファンタジー世界を描いてくれてる作品は貴重なのかなと思いました。
世界観が丁寧でしっかりしてるところは高評価でした。
エルフやドワーフの性格の違いや、精霊を使うエルフの呪文、魔法を唱えるときにちゃんと字幕が出たり・・
キャラが話す言葉も独特の言い回しが多かったりして、字幕があったらいいなと思ったり。。でも雰囲気好きです。
ドワーフの王の末裔ルウの成長物語でもありましたね。最終話ではいい表情してました。
調べてみたら原作の第3部まで今回アニメ化されて、第4部もあるみたいですけど、後日談的なショート集みたいです。
機会があれば読んでみようかな。

[初回感想]
3人の不死者(アンデッド)に育てられたウィルが成長し旅立ち、最果てのパラディンと呼ばれる英雄になるお話。
これは2期になります。

世界観や人物相関の把握・理解のためにできれば1期からの視聴をおすすめしますが、2期から見ても楽しめると思いますので、試しに2期を見て気に入ったら1期を後追いで見てもいいと思います。

原作は小説家になろうで連載され文庫化されたライトノベルになります。
実は主人公は転生したみたいで、俗にいう異世界転生ものではあるんですが、同系統の他の作品よりもファンタジーの世界観がとても丁寧に描かれていて好感が持てます。

一方、世界観にこだわった結果、独特の言い回しがあったり雰囲気が地味だったりするところがあって苦手な人もいるかもしれません。

同時期にやってる葬送のフリーレンもハイファンタジーの良作ですけど、あれも結構落ち着いた雰囲気で好きなんですが、フリーレン好きな人にはぜひこちらも見ていただければなと思ったり。

個人的には良作だと思ってるんですがあまり人気がないみたいなので紹介も兼ねて感想を書こうと思いました。

1話「聖騎士と詩人」
{netabare}ウィルの声が変わりましたね。1期から2年たって声変わりしたそうです。私的にはこっちのほうが好みかな。
ウィルと吟遊詩人のビィのちょっとした冒険いいですね。
ビィの名もなき英雄の話、彼女が吟遊詩人になったきっかけ。いい話でした。ねーのよのしゃべり方もツボりましたw{/netabare}

2話「狂える森」
{netabare}デーモンや森の王のキャラデザいいですね。
相変わらず口が悪いバグリー神殿長wでも実はいい人なんですよね。
ハーフエルフのメネル。ウィルが亡くなった後も墓を守るって話、フリーレンを思い出しました。{/netabare}

3話「最後の王」
{netabare}くろがねの山に住んでいたドワーフたち。
デーモンとドラゴンに追われ、流浪の民となったドワーフの王の末裔ルウと最果てのパラディンの出会い。
ウィルの従者になるルウの決意の言葉とドワーフの老戦士ゲルレイズの若は死んだことと思うとの渋い言葉。
ん~。こういう真面目で渋い感じのファンタジー、いいと思います。{/netabare}

4話「勇気の意味」
{netabare}この作品、渋キャラ多いかも。
ドワーフのゲルレイズさんとか、寡黙な戦士レイストフさんとか。
レイストフさんの言葉も相変わらず渋くてかっこいい。
勇気とは何かと考えているうちはその答えは分からないだろうとか・・渋い。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16

60.5 22 戦いで異世界なアニメランキング22位
帰還者の魔法は特別です(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★☆☆ 2.9 (112)
328人が棚に入れました
絶えず世界を侵食する異次元空間「影の世界」。 その中でも最悪の災害と呼ばれる「影の迷宮」に人類は直面した。 「デジール・アルマン」は仲間と共に「影の迷宮」最後のボス、破滅竜ボロミア・ナポールと対峙するも、世界は滅亡を迎えてしまう。 全てが終わったと思った瞬間、デジールの目の前に広がる光景は...13 年前の世界だった。 自身の出身校でもある、帝国最高の魔法学園「へブリオン学園」の入学式まで戻ってきたデジール。 きたる滅亡の未来を変えるべく、仲間たちを再び集めて世界を救うために立ち上がる!

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

韓国産転生モノは、日本製ほど無邪気では無いのである。そして、面白くも無い…。

 最終話(12話)まで観ました。2023.12.28

 2期決定!この内容で?う〜ん…。私は観ますけれども!

 2期ありきのせいか、アウターとか言う敵対勢力が何なのか、逆算魔法はいつ身につけたのか説明しないでワンクール終ってしまいました。

 主人公の逆算魔法、ひょっとして物理攻撃に弱くね?舐めプしてた割にアウターのボスに苦戦したりします。凄いパワーとスピードで押されたら殺られるなコイツ…。

 主人公、一回目で身に付けた謎の能力でまた、ゴイスーしますが、いや…、誰に教えてもらったんだよ…。能力の背景が不明なので、ご都合主義的な展開にしか見えません。

 一回目で仲間だった強いお友達と、二回目の新しいお友達を集めてせいぜい頑張って欲しいです。
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 11話まで観ました。2023.12.18

 学園編が終了し、物語が動き出した様です。敵武装勢力の襲撃が!?

 しかし…、ヒロイン的なショタとロマンティカを活躍させるためか、テンポの悪いナメプを主人公側がカマシます。

 そして、真打ち登場って感じで、ニヤニヤした主人公がラストに登場して次回最終話へ…。

 これ系の話でこのテンポの悪さはヤバいです。マジで最終回近くで何やってんの?的な感じです。

 主人公のキモさが際立つ11話でした。制作側は主人公にヘイトを集めたいのかな?もう辞めちまえよ…。
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 9話まで観ました。2023.12.04

 韓国人の半分はキリスト教徒のためか、韓国産の転生モノは神が関わらないのが特徴の様です。主は、救済はしても異世界へ転生させるなんて、聖書に書いてありませんからね。

 日本産は、割とカジュアルになろう神が出て来ますが、文化の差です。

 本作品も主人公の転生(タイムリープ?)に神が関わって無いので、主人公の逆算魔法とかの出処が気になります。

 逆算魔法、すげー強いのですが、いつ習得したんでしょうか?学生の頃から使えたのかな?一切説明が無いので、主人公の根拠の無いイキリがすごく気になります。

 なろう神がしゃしゃり出てくる転生モノも食傷気味ですが、能力の説明が無いのも納得出来ません。

 また、9話で結局、貴族達にザマァしてやりましたが、モンスター相手の戦闘よりも誤魔化しが効きにくい対人戦がメインだったため、作画の悪さが目立ちました。

 低カロリー作画で、肉弾戦を表現してはいけません。魔法戦で何かを飛ばす戦いにしておけば良かったと思います。

 登場人物達がカクカクした剣撃をしているのは、観ていて笑いそうになります。

 もうすぐワンクール終わりですが、学園内から一歩も出ないでオレ達の戦いはこれからだ!エンドになりそうです。
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 6話まで観ました。2023.11.13

 本作品の特徴が分かってきました。主人公は魔王学院の不適合者のアノス様的な全知全能キャラで、他のキャラクターは主人公に善導される対象でしか無い系統の物語の様です。

 事件の黒幕や、形而上的存在(神)が不在で、主人公のやりたい様に物語を動かしていきます。

 視聴者には開示されいない、主人公の持っている謎のプランに従って仲間を鍛えて、学内のランキング戦で高ランクゲットと生意気貴族達へのザマァを目指します。

 この展開が良くある感じなのと、ザマァの妥当性が不明なのが良くないのかな?と思います。

 最終的に前の時間軸で主人公は人類最強パーティに入っており、シコシコ学園内でイキりなから仲間を鍛える意味が不明確です。結局、無能貴族共は戦争で淘汰されてるでしょ?

 一度目の方が物語的には面白かったのでは?という疑問がつきまとい、二度目の物語への視聴者の没入を妨げています。

 この二度目は主人公の自己満足の物語なのでは?人類最強パーティ加入後にラスボスの倒し方を検討すれば良いのでは?

 説明しろ説明しろうるせーんだよ!と、怒られそうですが、物語にハマるには納得のいく説明が必須です。クリエイターはみんな、それで頭を悩ませているわけで、放棄して良い訳ではありません。

 どうも、視聴者に観る価値無しと切られる要素が今の所多いのが残念です。
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 5話まで観ました。2023.11.05

 死に戻りした主人公、2回目を上手くいかせるべく、1回目で目をつけていたキャラ達を仲間にして鍛えます。

 ここまで観ていて良くないなぁと思うのは、1回目の顚末が視聴者に公開されていないので、2回目の主人公の行動が正しいのか視聴者には判断出来ない点です。

 貴族制や学園の育成システムの不備で1回目は多大な犠牲者が出た様ですが、ラスボスの討伐自体は成功しています。

 これ、下手に歴史をイジるとまずいのでは?ラスボスを倒すために主人公と共に戦った仲間達も貴族とかと戦いながら鍛えられてきたはずです。

 主人公が鍛えたキャラは1回目より強くなるかも知れませんが、歴史が変わって弱くなる奴も出そうです。

 強さは育成のノウハウだけが物を言うのだ!と、いうのは、結構悲壮的な世界観です。これでは、キャラに深みが出ないのでは?

 彼女が公爵邸へ行った理由もそうでしたが、死に戻りしたり転生した主人公が全てを把握しており、視聴者に情報を公開しないで物語を進めていくのは、韓国原作の特徴なのかもしれません。

 なろう主人公の全能チートとはまた違った方向の主人公のイキリを許容出来るかが、視聴継続の要となりそうです。
………………………………………………………………………

 2話まで観ました。2023.10.19

 死に戻り系のお話で、韓国の作品だそうです。2度目は上手くやるぞ~!

 彼女が公爵邸へ行った理由もそうでしたが、はっきり言って話が洗練されていません。

 転生なろう的なお約束事を守っておらず、世界観に粗が目立ちます。

 お約束事の魔法学院入学試験も、ランダムに選ばれた他の受験生含めて総員6人とレースアンドバトルして、上位3人が合格なのですが、強いの3人まじってたら、もう合格無理じゃん。

 反対に雑魚しかいなかったら、簡単に合格出来ます。全く公平性や客観性がありません。

 一事が万事こんな感じで、2回目は主人公無敵だから良いけど、1回目合格は運だったのかな?

 主人公は未来の知り合いを見つけて喜んでいますが、視聴者はぽか〜んです。

 この粗削りな感じが上手くいくか、とても気になります。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

大重 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

内容は良い… と言いたかったのですが、なんかすっごく変な作りでイライラする…

いや、なんですかねこれ?

内容はわかりますよ。主人公は10年かけて戦い抜いて最後の最後に失敗したと。
そこから10年過去に遡って、今度こそ、という話ですかね。
ついでに途中で死んだヒロインも助けられるかも、と。
テーマとしては興味深く、見たい気持ちはあったのですが…。

いやなんですかね? 本当に。
…すっごく、イライラしました。

まず10年後のシーンが糞長い。いや普通こういうオープニングは数分で終わらせません?
ティアムーン帝国の断頭台のシーンは、そんなものでしたよね。
あれが正しい。こんな前座の前置きを何十分もグダグダ描いてどうすんねん。

しかも10年後に登場しているメンバーほとんどが、過去には登場しないんですよ。
なんでそういう無駄なことするんですか?

過去に戻ったと主人公が認識するまでもグダグダ長くて苛つくし、赤毛女と青毛男が仲が悪いと紹介したらそれだけでいいのに、なんかグダグダ無駄なやりとりを挟むし、全部が全部、とにかくいちいちくっそテンポが悪くてイライライラ…。

ここまで作りが悪いアニメは始めて見たかもしれないレベルで酷いです。

昔のアニメは時間の使い方が酷くゆっくりしていて、今の目で見るとイライラすることもあるのですが、そういうレベルではなくて…。
何でしょうね。とにかく酷い。演出、構成、監督とかが酷い。

そんなに言うならお前が作ってみろ、と言われた素人が作ったらこんなレベルになりそう、というレベルで酷いです。

ちょっとだけ、どこまで酷いのか見たいというレベルでは先が気になりました。

で、困ったんですけれど、ここの採点、こういうアニメの作り、演出が酷い場合ってどこを下げれば良いんですかね?

ストーリーそのものは別に悪くないですよ。見せ方が酷いってだけで。
キャラも見せ方が酷いだけで別に悪くはない。作画は確かに微妙ですが…。
声優、音楽も問題ないし…

いや、どこ下げればいいねん。と、すごく困りました。
仕方ないので物語を下げましたけれど… うーん、ちょっと納得いかないなぁ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

大さじコショウ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

クオリティも逆算されています!

事前情報なしで見ました
総じてクオリティが… 逆算されています!


最初1話目が気合入れた設定感出していますが
やってることは再トライの俺最強です。



ツ ッ コ ミ ど こ ろ は 多 岐 に わ た り ま す

まずファンタジーな世界観と装備しておいて、
ハイテクな施設や物が出てきます。
杖装備してたりするのにタブレットが出ます。ゲーセン出ます…
タブレット使ってる世界観で、剣や杖はヤバい。
貴族推しもすごいが、やはりハイテクなものがある世界観には合ってない
ここまで時代や世界観が、めちゃめちゃなのは久々で清々しい!



キャラも最高
魅力をそそるようなキャラがいなく、全員そそらない
そのくせ声優さんは有名どころ使ってて声とキャラのクオリティの差が
中々染みるぜ…


特にきついのは主人公
何でもかんでも『逆算』といって魔法解除します
例えば解除してしまうから自分と敵問わず魔法使えないという
弱い設定があればまた良かったんですが
普通に別の魔法も使いますからね。

リスクや手間があるようにふるまってるが、到底危機感は感じない。
見透かしてる様もキツイ。
指ならしながら解除する姿は、さすがに寒気と笑いを与えてくれます




作画はなかなか。ズームが多いし戦闘シーンも動きほぼない
テンポも良くない。この話短くできるだろとか、いらないが終始ですが
キツイというよりは無でした







総じてなかなかクオリティがヤバく
久々にクソアニメとして当たり引いたと思いました
とはいえ、まだ見れるタイプのクソアニメです。

態々見るぐらいならほか作品に時間割いた方が良いですし
不味いものを食べて普段食べているものがおいしい物であることを
再確認するために見るならある意味お勧めできます

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

58.9 23 戦いで異世界なアニメランキング23位
はめつのおうこく(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★☆☆ 2.8 (115)
323人が棚に入れました
人類に知恵と安寧をもたらした存在――“魔女”。 しかし、リディア帝国の“超産業革命(ギア・エクスパンション)”は魔法を凌駕する科学文明を生み出し、 魔女は進歩を阻害する“敵”と見做されてしまう。 かくして“魔女狩り”が始まった。 魔女クロエに育てられた人間アドニスは 最愛の師を奪われ、同族である人類への復讐を誓う。 絶望を糧にした修羅は、殺戮の果てにいかなる“救い”を見いだすのか――。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

世界観とテーマが上手く重なっています。面白くて奥行を感じました。

 科学(新しいもの)と魔法(古いもの)の対比とそれぞれに闇を抱えている。特に科学側のスマホとか大衆の衆愚化とか面白い視点だったと思います。魔法側は伝統重視で頭がアップデートせず、選民思想的なものもあったのでしょうか。それが8話までくらいでしょうか。

 9話の意味性も突然始まったAISFものみたいな展開で驚きましたが、なるほど女性と経済そしてネットポルノのアナロジーですね。

 そして最終の3話。主人公の愛ゆえの復讐劇と復活の阻止、ドロカの愛と救済の物語。全体的な構造は面白かったし、ドロカの魔法の正体と11話の衝撃。女性とは?愛とは?善性とは?という話にもなりそうな感じでした。

 そこで終わってしまったのが中途半端だったし、アイドル女王も含意がたっぷりなので描き切れなかったのは残念ですが、初めの残酷表現のインパクトから始まって、なかなか奥行がある世界観とストーリーだと思います。一つ一つの意味が分かりやすくくみ取れる話になっています。

 残酷表現というのはゴブリンスレイヤー等でもそうですが、作品世界における道徳や倫理水準、キャラの性格描写等々の含意があるものと、単なるエロいものでわけられると思います。本作はその点で復讐、群集心理、支配層や分断による対抗勢力にたいする残虐性などがちゃんとありました。作者はちゃんと考えているなあと思います。

 もちろん、創作意欲として自分の潜在意識にあるリビドーとタナトスの表出もあるでしょう。そのドロドロしたものがまた創作のエネルギーですから、これを否定しては作品は出来ませんし、エンタメの要素としても機能するでしょう。見てもらわないことには伝わりませんから。

 ということで、グロ表現でネガティブな意見はあるのは知っていますが、内容を読み取ると今の世界の分断や女性、SNSなどがテーマになっている出来がいい作品だと思います。
 荒っぽい表現でエピソードとかキャラとかドラマに若干のアラはあるものの、私は面白かったです。というか、ここから先が気になりました。

 評価はオール4点+世界観でストーリーに加点で4.5。ドロカのキャラの使い方の意外性で加点で4.5。音楽はOPはいいんですけどEDがちょっとなあ…それとOPEDアニメはもうちょっと凝って欲しかった…減点で音楽は3.5点とします。






以下 視聴時のレビューです。

2話 魔女狩り、エログロの胸糞だからこそ面白いと感じる自分を見つめる。

{netabare} 大西巷一氏(乙女戦争)久慈光久氏(狼の口)綱島志朗氏(人狼機ウィンガルダ)、アニメでは「海賊王女」など女性を特段に貶める話は多いです。特に魔女と刑罰、火刑のようなものは多いです。藤子F不二雄氏の「タイムパトロールぼん」の拷問シーンは強烈でしたねえ。

 ジャンヌダルクと魔女狩り、中世西洋、日本の江戸時代など女性に対する刑罰の史実というのは、胸糞ですが人気があるテーマですし、私自身眉をひそめながらも、その世界に引き込まれることがあります。(なお、魔女狩りは男性も対象でした)

 こういう創作は、作者の性癖としてのエロ表現の探求というドロドロしたものはありますが、一方でそれが悲惨であればあるほど物語性が増して行くという性質を持っています。人間の本来持っている、暗い方の好奇心や情動を直接刺激される感じです。それだけに現実にあり得ることであり人間の行動原理としてリアリティを持って迫ってきます。
 エロスは当然として、公開処刑や差別が大衆に及ぼしたガス抜き効果や体制への忠誠心の醸成効果を考えれば当然でしょう(スマホが強調されていたのは、この部分のアナロジーですね)。集団心理・群集心理の要素もあるでしょう。それが上にあげた作品群です。女性ではないですが映画「グラディエーター」もありました。

 例えば最近の作品で「回復術師のやり直し」が性的な表現で非難を浴びていましたが、私は「異世界もの」の中ではかなりリアリティをかなり感じましたし「復讐」のモチベーションと人間の本質から物語性を感じました。

 要するに1、2話には引き込まれましたし、胸糞が面白かったです。その要因は残虐性とエロス表現にあるのは認めざるを得ません。その心理が自分の内部にあることを見つめるのが重要なのでしょう。

 本作においては魔女=超能力的な扱いにも通じます。つまり能力がある故の差別問題です。直接的には「アキラ」「エルフェンリート」ような作品との類似性を感じながら、SFとしては「シャーロット」「新世界より」などの要素も垣間見られます。

 人の命の復活なら「鋼の錬金術師」が印象的ですが、要するに禁忌問題が絡むかもしれません。

 あるいは国家の問題も提起しています。「過去の国家の罪」の上に立った国家の国民に対する復讐問題ですね。強制連行(事実には議論がありますが)、ナチス(これはまごうことなき事実)、黒人奴隷問題、海外植民地、中華思想と直接つながります。

 デオドラントされた異世界転生ものやラブコメも面白いですが、こういう人間の暗黒面が見られるエログロもバランスとして見ておいたほうが良いと思っています。刺激の強さが強烈ですから、10対1くらいでいいですけど。

 いろんな可能性を感じる作品ではありますが、いろんな作品の引用から成り立っている感じがあります。それを真似、パクリと言う事もできるでしょう。が、私は最近この作劇法にかなり肯定的です。これだけ創作物が多ければ新しいことはゼロ年代まででやりつくされています。というか失われた30年で原作者にとって、アニメや漫画、ラノベがそのまま作者にとっての「リアル」なのでしょう。現在は過去作がデータベース化されて共有して作られるしかないと思います。{/netabare}


8話 自分を産み出し、愛するものを奪う地獄のような世界への復讐と、愛による救済=隣人愛アガペ―の物語だと思います。

{netabare} ここまで見ると、1人の愛する人のためにあらゆるものに復讐する。つまり、1人か世界かという世界系の逆ですね。逆世界系です。
 愛する人を救うか、世界を救うか、という選択とマインドは似ていますがベ
クトルが違う。世界が救うべき価値が本当にあるのか?

 この愛する人の為をイコール自己愛にすると更に分かりやすいでしょう。師匠が復活を望まないことを誰よりも知っている。だから、そこに意味はない。つまり、師匠のためではなく自分のための復讐です。

 科学と伝統。どちらにしてもいい目に合えなかった犠牲者としての世代論に置き換えると、スマホが頻繁に出てくる意味、文明=資本主義、魔女=ある種の女性と考えると、現代社会のアナロジーでしかないです。すると、どんな人が生きづらくて世界に復讐したいか見えてくると思います。

 この世界にクロエを再びというのはすなわち地獄を味合わせることですから、そりゃあそう言う決断をするでしょう。一方で意思をもち明るく生きていたドロカを選ぶ理由ですね。
 彼女はすなわち世界を救済する象徴である「愛」です。それが男女の愛だけでなく、隣人愛アガペ―に通じるものではないか?もしかしたら自己犠牲による愛に通じて行くのかもしれません。

 この8話まで見る限りでは、現代社会への復讐=逆世界系と愛による救済=アガペ―の物語かなという気がします。

「はめつのおうこく」がひらがななのは、ひょっとしたら日本のことを指しているのでしょうか。要するに究極の疎外感と搾取と蔑みですね。男性の方がのれるマインドかな? {netabare}新しい支配者がアイドル的なのと、魔女=単性生殖だったのが象徴的ですね。{/netabare}オタクVSフェミニズムも入っていると思います。

 結構面白いです。アナロジーを読み取らなくても個人による復讐譚は最近の気分で増えているのかな?それが今の気分なんでしょう。そうそう「チェーンソーマン」と重ねると面白いかもしれません。{/netabare}


9話 突然のSF的寓話回。主人公のキャラブレた?

{netabare} 突然SF的な寓話の回になってちょっと驚きました。作り物の女性がアイドルなのか風俗なのかパパ活なのか2次元コンテンツなのかわかりません。しかし、子供を作らない性行為が国を亡ぼすと言う意味で、やっぱり日本のことですね。

 この話全体が不条理系の舞台設定の上で成り立っていたので、突然キノの旅みたいな話で、しかも分かりやすい内容でした。ただ、ちょっとキャラブレてない?と思わなくはない回でした。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

【失敗作の典型例-5】アイデアだけの投げっぱなし。面白いストーリーに昇華できていない。

【レビューNo.102】(初回登録:2023/12/31)
コミック原作で2023年作品。全12話。
「葬送のフリーレン」のレビューで
>面白いアイデアや一見いいシーンだな思う作品はあるのですが
>・アイデアを出したことに満足して、そこで終わってしまっている。
>・全体像がしっかり練られてないから、いいシーンも「点」にしかならず、
> むしろ全体像との整合性から違和感すら覚えてしまう。
と書いたのですが、まさにこの作品はその典型例かなっと。

(ストーリー)
かつて魔女と人間が共存していた世界帝国リディア。しかし科学文明が発展し
魔女の力を恐れた人間族の王が魔女狩りを強行する。魔女に育てられた人間ア
ドニスは師匠クロエとの逃亡の果てに目の前で彼女が殺される事となり、帝国
への復讐を決意する。
(wikiより)

(評 価)
・アイデアを出したことに満足して、そこで終わってしまっている
 この作品いろいろとアイデアは光るものがあり、特に1話は期待大だったん
 ですよね。
 ・科学文明 VS 魔法という対立軸から始まる重厚なダークファンタジー感
  ・魔女狩りという残虐非道な行為
  ・公開処刑にはこの光景に熱狂する王国民
   (ネットでは「民度がゴブリン並みの王国」と揶揄もw)
  ・かなり攻めた残虐でグロいシーン(エロも少々)
 その後も
 ・ビジュアル映えする記述式召喚魔法
 ・絶滅寸前の魔女側の企み
 ・意表をつくどんでん返しの連続
 ・OP曲もかなり良き

 特に魔法といえば「何!?無詠唱魔法だと!!」がお約束となっているこの
 手の作品の中で、特殊な羽根筆(クイル)を用いて発動する記述式召喚魔法
 はかなり魅力的だと感じたのですが・・・
 物語が進むにつれ、「意表をつくどんでん返しの連続」もその場のインパク
 トで「おおー」と最初は感心するのですが、それ以降が結局雑に殺し合うと
 か「残虐なシーンをぶっ込んでおけばそれっぽく見えるやろ」みたいな感じ
 で、最初のアイデアを出したことに満足して、そこで終わってしまっている
 みたいな。
 「フリーレン」がひとつのアイデアをもう一歩踏み込んで更に面白くなるレ
 ベルまで昇華しているのと比べると、最初のインパクトだけでストーリーへ
 の落とし込みが不十分かなっと。

・全体像がしっかり練られてない
 物語の全体像としても「人類(科学)VS 魔女の重厚なダークファンタジー」
 のハードなシリアス路線でいくのかと思いきや・・・
 {netabare}・国王の妃は実は魔女だった
  ・男を操る愛の魔法で実は国王を操り、同族狩りをしていた!!
   (自分の魔法は女性には効かないので、脅威を排除した)
   → 物語の根幹を覆すとか、それに見合う展開を準備してるの?
     (アニメでは当然時間切れw)
  ・新王女さまご乱心?!まさかのアイドルライブwww
   (一応国民に魔法をかける狙いがあったぽいが)
   で、その陰に挟まれる旧体制の粛清シーン(首斬り)
   → 魔法の効かない女性はともかく、魔法で操ることが可能な男性も粛
     清の必要あったの?
 ・ずっとシリアスだったのに、新章が始まるとヒロイン・ドロカのドジっ子
  ネタでコメディ色多めに。{/netabare}
 何というか、この原作者は一体何をやりたいのか?
 敵の国家諜報局局長・シロウサギとの最終決戦も
 ・シロウサギのキャラがいろいろとこの作品から浮いている
  シロウサギをワイルドでクレイジーなキャラにしたかったんだろうが、ワ
  ンピース・黄猿を下品にしたような、残念なキャラ描写で不快感しか残ら
  ない。
  (それにサイボーグのくせに王女さまの愛の魔法が効くの?等ツッコミど
   ころも多いw)
 ・アドニスの方も
  ・瀕死の重傷もドロカの愛の魔法・束縛(マンドラゴラ)で完全復活どこ
   ろか謎のパワーアップ。
  ・クロエ直伝の最終奥義を発動するも仰々し過ぎて、シロウサギ一人倒す
   のにそこまで必要だったのか。
 ・最後にドロカの「復讐は間違っていない」ってそっち側になるんかーい!
 ちょっと引き気味で観てたというか・・・

 全体像がしっかり練られていないようで、いろいろとチグハグな感じが否め
 ないなと。他のレビュアーさんも書かれていましたが、
 「描きたいシーンから話を構築している印象」
 というのが拭えないかなっと。

・クリエイターとしての矜持は?
 上述で「アイデアは光るものがあり」と書きましたが、これも投げっぱなし
 でいいのでしたら、他のクリエイターさんももっとアイデアがあったのかも
 しれないんですよね。
 でも、いろいろ検討の結果、
 ・そのアイデアから以降の発展性
 ・作品全体像との整合性
 で、泣く泣くボツにしたアイデアもあったと思うんですよ。
 この辺はやはりクリエイターの矜持として、譲れないところでしょう。
 そういう目でみると、この作品はどうなかなっと。

ちょっと辛口なレビューになりましたが、ある意味1話が良すぎたので期待値
が上がってしまい、そこから裏切られた感もあるから、この評価になっている
のは否定できないですかね。1話から心動かされなければレビューを書くこと
すらなかったと思いますし。
そういう意味では(良し悪しは別にして)印象に強く残る作品ではあったと
思います。ただ個人的は原作者にもう少し頑張って欲しかったなと。

OP「消えるまで/Hana Hope」
これはかなりよかったので、毎回飛ばさずに聴いてましたね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

これ、駄目だろ…。女性をいたぶることに特化した糞アニメです。

 最終話(12話)まで観ました。2023.12.31

 必然性の無い暴力とグロが描きたいだけで、物語性は皆無です。主人公のアドニスがアタオカの無能なのがなぁ…。

 科学側の刺客のシロウサギさん、改造人間なのですが、物理法則やらを無視したロケットパンチ男で、真面目にキャラデザしてんの?と疑問に思う吾人です。

 で、こいつが結構強く、アホのアドニスは苦戦しますが、ドロカがま〜た偶然使える魔法を持っていて…。

 こういう展開は2度3度やるもんじゃありません。作者は読者を舐めてますねぇ。

 ドロカも両目を潰されますが、どうせすぐに治るんだろ?アホが死んじまえよ…。としか思えません。

 ウザいことに、医療とかに特化した、物語の展開に都合の良い糞みたいな国が沢山あるようです。

 キノの旅とか、魔女の旅々みたいに諸国を巡るんでしょうか。はよ女王倒せや。

 女性がぶち殺されたり、拷問されたりするアニメが大好きな海外の変態にはウケるかも知れませんが、こんなの輸出してHENTAI大国日本として評価されるの国辱的じゃね?

 漫画だけにしておけよ…と、目を覆いたくなるような惨状の作品です。これで2期来たら、HENTAIジャパンに絶望しそうです。

………………………………………………………………………

 9話まで観ました。2023.12.04

 科学帝国と魔女っ娘軍団以外にも、国や勢力があるようです…。出たよ…。世界は広い的な作品延命工作がよう…。

 主人公とドロカ、野良人間達にたまたま助けられ、今までと雰囲気の違うロードムービーがスタートします。

 そして、忍者軍団や帝国の刺客が襲ってきて…。イキナリ忍者出たー!何こいつら?しかも雑に死ぬし…。口寄せの術位しそうなパンク忍者だったのに…。

 今度は忍者軍団と組んで場当たり的に帝国と戦いそうです。んでもって、魔女っ娘軍団の時みたいなことを再びやるんでしょ?

 いや〜最悪ですね。アタオカ主人公を君は許せるか!?
……………………………………………………………………… 

 6話まで観ました。2023.11.13

 意味不明のぶち切れ主人公、たまたま拘束が解け、たまたま魔女が助けてくれ、たまたま復活したドロカの魔法が使えたので、たまたま、また助かります。

 このアホは何がしたいんでしょうか?都合の良い展開に助けられ、無意味に人や魔女が死にます。

 戦闘も迫力が無く、敵はみんな棒立ちでアゥアゥ言っているだけです。

 この話、狂言回しが不在なんですよね。魔法と科学が何なのか、説明する存在が居ないので、訳の分からないぶち切れ主人公が暴れて他のキャラに迷惑をかけるのを眺めるだけになっています。

 6話で、黒幕的なキャラが登場しますが、もう6話…。遅すぎ警報発令中で、既にかなりの視聴者に切られてそうです。

 漫画なら、最初のキャッチーな残虐描写で読者の心をゲット出来るのかも知れませんが、アニメで半クール尺を消費してもなぁ…。

 今の所、単なる悪趣味アニメなので、今後の挽回に期待小です。
………………………………………………………………………
 5話まで観ました。2023.11.09

 全世界(魔女と人間両陣営)を敵に回すイキリ主人公のアドニスさん。魔女も人間も皆殺しだ〜!

 の、割には弱いです。科学強すぎです。人間を月面へ転送してくるなよ…。どんだけすげー技術だよ!

 魔女もシレっと月面をテラフォーミングしてるし、やり過ぎ感が半端ありません。

 単に人を殺したいだけのお話です。何も考えずに戦う主人公に感情移入は難しいです。

 人も魔女も皆殺しにして、ヒロインと新世界のアダムとイブにでもなるつもりかいな…。コイツらの子供として産まれたくないですね。人類社会イチからやり直しはキツイっす。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

77.4 24 戦いで異世界なアニメランキング24位
オーバーロードIV(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (374)
1437人が棚に入れました
TVシリーズ第4期
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

安定してます

冒頭からアルベドの攻めすぎる姿勢に驚き。進化してるわ。なんか可愛く思える。甘えたいあまりに赤ちゃんの真似したり、頬にキスされて嬉しさで思わず泣きだしちゃうあたりとか。普段、気が強くて一切の隙を見せない女性が自分の前でだけなりふり構わず甘えるギャップには萌える。

武王頑張れ~てプリキュア頑張れ的なノリ。
毎回だけど、こういったくだりから想定外の成果を得ることで部下が勝手に深読みしてくれて凄い有難いな。

勇敢だったザナックのことは本当に残念に思う。そこまでせんでもと。

アダマンタイト級冒険者が活躍してくれて、どうやらプレイヤーと思わしき竜王登場??今後どういった展開になるのやら。相性悪すぎてまさかのアインズ土下座プレイ。途中から薄々そうなんじゃないかと思ったけど{netabare}パンドラズ・アクターやんけ。名演技なんやな。{/netabare}

OP映像で不敵な笑みを浮かべていたラナーが{netabare}滅国の手引きの立役者か。ところどころ描写が怖かったもんなあ。クライムと永遠に結ばれて幸せかな。独占欲が凄い。
フィリップの愚かな行いはきっかけの一つに過ぎないというか完全にこじつけ。どんな苦しみを最後味わったのだろうか?{/netabare}
それにしてもやり過ぎでは?


OP
HOLLOW HUNGER OxT
ED
No Man’s Dawn 前島麻由
挿入歌
fallen ラナー(安野希世乃)
OPのイントロが不気味な感じがあるようで作品にぴったり。主要人物たちの顔がイントロに合わせて流れる映像が好き。
勿論、EDも良い。今回はMyth&Roidではなく、前島さん単独だけど好きです。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
アインズは悩んでいた。アインズ・ウール・ゴウン魔導国の王として、この国をどのように導くのか。アルベド、デミウルゴスら優秀なNPCたちと不眠不休で働けるアンデッドによって、魔導国は今や安全で飢えもない場所となっている。しかし、そこで暮らす人々はいまだ恐怖と不安を抱え、街は火が消えたように静かでかつての活気は失われていた。答えが見つからぬ中、アインズは一人で冒険者組合を訪問。組合長のアインザックにある提案をする。一方、突如できた魔導国に戸惑う諸国の支配者たちも各々に対抗策を講じていた。果たしてアインズは各国の謀略を阻み、自身の理想郷を作ることができるのか。


1. アインズ・ウール・ゴウン魔導国
アインズは悩んでいた。アインズ・ウール・ゴウン魔導国の王として、この国をどのように導くのか。アルベドら優秀なNPCたちと不眠不休で働けるアンデッドによって、魔導国は安全で飢えもない場所となっている。しかし、そこで暮らす人々はいまだ恐怖と不安を抱え、街は火が消えたように静かでかつての活気は失われていた。答えが見つからぬ中、アインズは一人で冒険者組合を訪問。組合長のアインザックにある提案をする。

2. リ・エスティーゼ王国
先の帝国との戦争で、リ・エスティーゼ王国軍は壊滅的な被害を受けた。さらに魔導国にエ・ランテルを奪われ、国力は低下。第二王子ザナックは、妹姫ラナーの知恵を借りつつ、国の立て直しに奔走していた。そんな折、魔導国の使節団がやってくるとの知らせが届く。使節団団長の魔導国宰相アルベドは、女神のような優美さで貴族たちを圧倒する。ところが、フィリップと名のるみすぼらしい貴族がアルベドに声をかけてきて……。

3. バハルス帝国
バハルス帝国の皇帝ジルクニフは窮地に立っていた。先の戦争でアインズの協力を得た帝国は、ほぼ無傷で王国に勝利した。しかし実際は、アインズの恐るべき力を見せつけられ、帝国騎士たちは戦意を喪失。以降帝国は魔導国に従わざるを得ない。しかも、帝国の切り札といえる存在・フールーダーも魔導国に恭順している。それでも、ジルクニフはアインズが人類の脅威となると考え、ひそかに対魔導国同盟の結成をはかる。

4. 謀略の統治者
魔導国の方針を定めたアインズは、各国とできるだけ友好的な関係を築きたいと考える。世界征服の計画を進めているデミウルゴスやアルベドたちにはその考えを打ち明けず、まずは自ら行動することにしたアインズ。エ・ランテルの冒険者組合組合長・アインザックを連れて帝国に向かう。そこでアインズは、アインザックの助言を受け、闘技場最強の剣士・武王と対戦する。試合当日、闘技場には偶然ジルクニフも来ていて……。

5. ドワーフの国を求めて
ルーン武器を作る工匠がいると知り、ドワーフの国に興味を抱いたアインズ。しかし、人間とドワーフの交流は絶えてひさしく、どのような国なのか、場所も明確にはわからない。そこでアインズは、かつて滞在したことがあるというゼンベルに案内させ、自らドワーフの国に向かう。一行は、フロスト・ドラゴンが生息するというアゼルリシア山脈に到着。ドワーフの都市フェオ・ライゾを見つけるが、何故か無人の廃墟と化していた。

6. 迫りくる危機
かつてドワーフたちは、地下にいくつもの都市を築いて栄えていた。ところが、王都はフロスト・ドラゴンに奪われ、亜人のクアゴアたちに襲われたフェオ・ライゾも放棄。天然の障壁に守られたフェオ・ジュラも今攻略されようとしていた。そこに駆け付けたアインズによって窮地を救われたドワーフたちは、アンデッドのアインズを恐れながらも、会談の場を設ける。そこで王都奪還と引き換えに、意外なものを要求され……。

7. 霜の竜王
クアゴアを統べる『氏族王』リユロは、容易に滅ぼせるはずだったドワーフが、何らかの強大な力を有していると気づく。そこで、自分たちを支配するフロスト・ドラゴンのオラサーダルクに助力を求めた。ひそかに両者の相討ちを目論むリユロは、六万匹もの一族を王都の外れに避難。しかし、彼の前に現れた二人の少女--シャルティアとアウラの圧倒的強さを悟り、必死の交渉を持ちかける。それが愚か極まりない選択だとも知らずに。

8. 計算外の一手
アンデッドが統治する魔導国は、周辺国から非常に警戒されていたものの、ヤルダバオトに襲撃された聖王国を救い、その後も支援を行っていることから評価を高めつつあった。一方、王国の状況は緩やかに、だが確実に悪化していた。ザナックが何とか国を守ろうとしている最中、ままならない状況に不満をためていたフィリップが、ある計画を思いつく。それはあまりにも愚かな企みで、誰もが予想しない事態を引き起こす。

9. 滅亡への始まり
聖王国への援助物資を強奪された魔導国は、アルベドを王都に遣わし、王国へ宣戦布告。一月後に兵を動かすと告げる。ところが、期日を過ぎても魔導国が進軍を開始した様子はない。多くの人々が宣戦布告は魔導国の脅しだと考える中で、アインズの恐ろしさを知る者たちは来るべき戦いに備える。その者たちの予想どおり、魔導国はひそかに大規模な作戦を展開。王都の上層部に気づかれないよう情報操作し、街や村を殲滅していたのだ。

10. 最後の王
魔導国魔導国軍の動きが明らかになった。ザナックは、交渉での解決を望むランポッサ三世を幽閉して実権を奪う。さらに民たちへ国難を知らせて兵を募り、かき集めた四十万の兵をもって決戦の準備を進める。同じころ、蒼の薔薇のもとに依頼の話が来ていた。その依頼は、アダマンタイト級冒険者である蒼の薔薇と朱の雫を呼び出すもので、仲間たちは興味津々。嫌がるラキュースを説得して全員で依頼人に会いに行く。

11. 張り巡らされた罠
ザナック率いる王国軍から連絡が途絶えたとの知らせを受け、ランポッサ三世は終焉の時が来たことを悟る。既に逃げられる者は去り、行く当てのない多くの民たちは家屋に隠れ、静まり返る王都。そこに、コキュートス、アウラ、マーレがわずかな手勢を率いて迫る。すると、再び紅い鎧--アダマンタイト級冒険者“朱の雫”のアズスが現れた。アズスは空を飛んで魔導国軍の陣地を急襲。アインズの姿を見つけるや、攻撃を仕掛ける。

12. 王都侵攻
時は少し戻り、コキュートスをはじめとする魔導国軍が王都に進軍する直前。ラナーのもとに残っているのは、護衛のクライムとブレインだけ。そこに蒼の薔薇が訪れた。王都を守るため戦うと決めているラキュースは、ラナーに別れを告げにきたのだ。ところが、イビルアイたちが策を講じてラキュースの自由を奪う。驚くクライムに、国外へ逃げるというイビルアイ。魔法でラナーやクライムたちも一緒に連れていけると告げるが……。

13. 滅国の魔女
魔導"魔導国軍が王都に侵攻する中、ランポッサ三世は全ての者に暇を言い渡し、一人で征服者を迎えるべく準備を行っていた。同じく城に残っていたラナーは、隠し通路から逃げるよう勧められるも拒否。逆にランポッサ三世に王国の宝物を都の中に隠すよう提案し、クライムに託す。主の頼みを断れず、任務を果たして急ぎ戻るクライムだが、王城は既に敵軍に乗り込まれていた。そして玉座の間には魔導国の王アインズの姿があり--!?

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

最終話 ラナー様の踊りが鳥肌が立つくらいすごかったと思います。

 現在2話目です。相変わらずの面白さで安心しました。1話は導入でしたが2話からいきなり面白かったです。

 俺TUEEEって嫌われる割には、「ワンパンマン」とか「魔王学院の不適合者」とかの極端な俺TUEEEって面白いし叩かれません。もちろん本作もです。1作目ではシャルティアと危うい(ように見える)戦いもありましたが、それ以降はほぼ無双状態です。

 1つ目は魅力的な敵なんでしょう。クレマンティーヌ様のような残虐だけどどこか滑稽なキャラ。一方でガゼフのように高潔な人間のドラマ、あとはハムスターみたいな存在が出落ち的なギャグのキャラなどですね。

 また、アインズと絡む絡まない関係なく、貴族とか僧侶とかの分をわきまえない態度や悪さですね。本作のアルベドに言い寄っていった貴族が何とも言えません。もう最高ですね。アルベドの態度が相変わらずでした。

 2つ目は側近たちの「アインズ様ラブ」「さすがです。アインズ様」のギャグですね。これは言うまでもないでしょう。最強のアインズが悩んでいるのに側近たちは絶大な信頼を寄せている構造ですね。

 そこに俺TUEEEながら、何をやればいいのかわからない、国家運営や組織の統治に関してはまるで知識も自信もないというアインズを配置したことで、生まれるストーリーが面白さを作り出しています。


 で、4作目となる本作です。やっぱり本筋はラナ―様なんでしょうね。2話で、でてきましたね。そして期待を持たせるラスト。楽しみです。
 ラナ―様は倫理がぶっ飛んでるこれも魅力的なキャラです。このキャラが今後どう動くかがものすごい楽しみです。性格的に敵になると思いたいですが、実は味方になるんでしょうか。

 オバロの魅力は、やっぱり上から下までキャラ造形でしょう。王国がどうこうとかいうお楽しみもありますが、キャラの思惑と側近たちが敵だろうが味方だろうが魅力的だからこその面白さです。
 このことの裏付けがスピンオフの「ぷれぷれ」がちゃんと面白い事でしょうね。クレマンティーヌ様編、最高でした。

 強さや正義の味方に対するアンチテーゼが感じられる「ワンパンマン」、俺TUEEEの極端なカリカチュア化により魅力的な主人公となった「魔王学院の不適合者」そして、魅力的なキャラの配置と絶対的な強さは自覚しながらも、目的や手段に対する本人の自信の無さの取り合わせで絶妙な面白さを産み出している本作。俺TUEEEは上手く行くと爽快感と安心感があって最高に面白いです。

 今期の覇権云々というより、面白さが担保された作品なので安心して楽しめます。1話1話レビューを書くまでもないので、多分次は見終わった感想ですね。



11話 4期が一番面白いってやっぱりすごいなあ、と素直に思います。本好きの下剋上と本作はちょっと別物ですね。無職がどうなるのかはまだ1期なのでわかりませんけど。

 SAOも同じく面白いですけど、ぶつ切りですからね。やっぱり「転生もの」としても世界観と設定、なにより話の展開がよく練れているのはオバロ、本好き+無職でしょうね。蜘蛛はちょっと残念でした。

 原作、3巻、シャルティアのところまで読みました。なるほど俺TUEEEでなく、レベルは地下墳墓の守護者とアインズって一緒なんですね。だからアイテム…特にワールドアイテムが重要になってくると。そこが1期のアニメ版だとワールドアイテムの特殊性を過小評価していました。

 アニメだと指輪のところとか錫杖のところで説明が薄かった気が…原作読んだ後だと、シャルティアの反乱の苦戦に本当に余裕がないのがよくわかりました。

 あと王国、帝国、法国ってボーっと見てると関係がよくわからなかったんですけど、再視聴&原作で理解しました。

 つまり要約すると、アインズと同じ強さは一緒の人間が結構いる。だからアイテム特にワールドアイテムが重要。アインズが他のプレーヤーを警戒したり、国力を高める理由は他プレイヤーがワールドアイテムを持っている可能性があるから。万が一の場合、抵抗できるよう地下墳墓の力をつけ存続を図る。情報収集のために冒険者モモンが必要で、人間の村を経営している。

 帝国は地下墳墓探検で心が折れて屈した。王国は王を幽閉してアインズをつついてみたら逆に滅ぼされかけている、法国は何かありそうで警戒中ですかね。

 など、原作初めの方だけでも読むだけで、かなりアニメが面白くなりました。まあ、アニメだけでも拾えるところは多いんですけど、説明のところはボーっとしてました。

 これが理解できると余計4期は面白いですね。で、あのドラゴンがどういう存在なのかは5期ですかね?
 5期はもう準備しているのかな?原作読んじゃおうかなあ…



最終話 最後のラナーが踊るシーンは最高でした。

 映画などで一人の時に踊り出す。これは感情の昂ぶりが極限になったときに、心の奥底から自然と身体を動かすような感じだと思います。

 ここでこのシーンをもってきた演出は最高だと思います。ラナーの歓喜によって、彼女が思考ではなく人格そのものに、そして後天的というよりも先天的に既に悪魔性があるのだ、ということを強く印象付けていました。そして、ナザリックの誰よりも上を行ったということでもあるのでしょう。

 ここの歌と踊りの演出はこの数年で見たアニメの中でもかなり効果的だったと思います。ここは当然アニメオリジナルなのでしょう。素晴らしかったと思います。

 以前からラナーの顔芸によって彼女のラスボス感はすごかったですけど、これは本当に何かありそうですね。まだ原作は3巻くらいしか読んでませんが、5期の発表時期によって考えたいです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

久々の強敵(?)

{netabare}
2期3期と少し1期に比べてパワーダウンしていた感が否めないけど、4期は1期に次いで面白かった。

序盤はここまでと同じく雑魚敵を葬ってるだけだったけど、後半は1期から引っ張ってきた鎧との戦闘もあって面白かった。原作知らないから何とも言えないけど、デスナイトが普通に倒されてたり、シャルティア以来の強敵...(?)
実際はパンドラズアクターの成り済ましだけど、この作品の場合幹部クラスと拮抗しているだけでもこれまでにない強敵のように感じるw
まあ、結局アインズ様から見れば取るに足りない相手なんだろうなとは思うけど、幹部クラスと競り合う敵がいるというだけでも一期のシャルティア戦以来の面白さだった。

最後王国皆殺しはちょっと、なんだかんだでアインズ様にはダークヒーローでいてほしいという一期からの気持ちがまだ消えてないので胸糞展開ではあったけど、自分が嫌いと言うだけでこの作品のコンセプトとしてはあれが正解なのかな。むしろ、魔王(人間に優しい)が多いこれ系のジャンルで、真っ当にまごうことなき魔王をやっているのは評価するべきところなのかと。

1-3期の感想書いてないのでそこも含めて書くと、この作品の一番の良さというか、他の俺TUEEEEなろうと違っていい部分は敵側にもきっちりとスポットが当たっていること。
敵側陣営の策略や思考がしっかりと描かれているし、滅ぼされる相手にしても段々と追い詰められてどうしようもなくなっていくまでの過程が丁寧だから、ある種むしろ相手側を主人公として見られるところにあるかな。
実際魔王モノと言うジャンルだから、そう言う見方ができるのはいいポイントだと思う。
ジルクニフとか、ネタキャラではあるけど最後まで民を考えて魔道国への抵抗を諦めないところとか嫌いになれない。

原作ストックがもうないらしいので5期はまだ先になりそうですね。
最終的にアインズが周辺国を制圧して終わりそうな予感はしてるけど、個人的にはアインズ達が完敗する盛者必衰的な終わり方か、人間の心が残っているという設定が活かされた孤独感あるエンディングにしてほしいところだけど、どうなるかなぁ。

OPとEDは作風に合っていていいですね。外人のつべコメにあったけど、世界を征服したような気分になれる曲。

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆7
心の声多くね? まだ人の心あるの? アルベドやっぱきつい。
元日本人のくせになんでそんな思考。1話なんか地味だ。
無双したからこその軋轢があるのはいいんじゃないか。
NPCだからこその強みと人間だからこその強みも描けれるのは。
永遠の繁栄とかあんのかなぁ。なんか儚さが漂ってるな

2話 ☆7
デブなのにいいキャラ。話通じなそうな使節団長だな。
理屈家だな。確かに筋は通ってるw 知ってた
けど、衝動で殺さないあたりようやっとる

3話 ☆9
過保護アインズ様。あの二人そんな強いんか。てかあの白黒はよ戦って。
1期の1話付近の話かw 確かなアンデッド相手ならw
敵が対策練ってるパートがいちばん面白い説。
何だかんだジルクニフ好きだわ。こんな無理ゲーでも諦めないの。
そんな処理甘くていいのかw まあ蚊が止まったよ雨なもんなんだろうな。

4話 ☆9
根回しバレてたとかじゃなくて偶然なのかよ。どうせ使わんだろその鏡w 久々に見たそのお面。ジルクニフw 実質魔法やんけ。大規模な宣伝 まあそれが一番懸命だわな。

5話 ☆8
またトカゲ狩りみたいなの始まらんよな?
アインズへの無礼にキレる展開いらんわ。
まだあの子のこと引っ張ってんのかよ。日本語かよ。今回日常回?
的確なアドバイス。侵入から始める時点でまともに対話する気ねーなw
アポ無しだし。いっつもこういうキャラが、アインズ達の逆鱗に触れないかって緊張しながら見てる。
魂を売り出すってなんだw シャルティアなんか可愛くなってない?
語尾無くなるなw こいつらならどうせ間に合う。

6話 ☆8
トカゲ狩り臭してきた。その音してくれと言わんばかりの橋落とせw
やっぱりな。まあ裏の目的について早急に話すのは良心的。
確かにルーン工商を渡すことに対する議論は一つもなかったあたりw
次回面白そう。

7話 ☆7
論破のプロ。家買うドラゴン並みの臆病者だな。レアで。
ワンパンはさすがに面白みないからやめろやw
そういうことかよw 絵が酷いw 久々にオーバーロードっぽい回だったな。

8話 ☆9
魔道国にたてつく勇気。
けど策略にハマってたとしてもどうせ勝てそうだけど、ちゃんと奢らずに慎重なのはいいな。ギャグ回じゃねーか。
なるほど、部下の方が優秀だなw
歯向かった国家と服従した国家で対応に差をつけるのは確かに有効そう。
どっちも貴族の馬鹿さに困惑してるの草。
こちらも部下の責任を負うのね。王として有能だな。

9話 ☆7
いやそうまでして滅ぼさんでも 怖い。もう攻めてるんかい。
飴と鞭は一応筋通ってるわな。戦前の空気感じゃないな。
オーバーロードお得意のクソCG デスナイトやられとるやん。

10話 ☆5
こいつ噛ませじゃなかったらいいんだけどな。漆黒聖典か。
けど王国滅ぼさんでも味方はなんも苦しまんやんけ。
正直完全な悪役ムーブは嫌いなんだよな、それがこの作品の趣旨だからこんなん言うのもおかしいんだろうけど。

11話 ☆9
CG戦闘。やっとちょっと強そうなの出てきたな。90レベ普通におるんか。は? 煉獄さんかな? 替え玉かよw

12話 ☆7
やっぱこうなると苦手だわ。OPのシーン。まあだろうな。

13話 ☆8
隠しても何らかの方法で見つけてきそう。
まあ好きではないけど良かったとは思うよ。

OP「HOLLOW HANGER」☆7.5
ED「No Man's Dawn」☆8
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

71.9 25 戦いで異世界なアニメランキング25位
月が導く異世界道中(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (327)
1086人が棚に入れました
平凡な高校生だった深澄 真は、とある事情により“勇者"として異世界へ召喚された。しかしその世界の女神に「顔が不細工」と罵られ、“勇者"の称号を即剥奪、最果ての荒野に飛ばされてしまう。荒野を彷徨う真が出会うのは、竜に蜘蛛、オークやドワーフ…様々な人ならざる種族。元の世界との環境の違いから、魔術や戦闘においては常識外な力を発揮する真は、様々な出会いを経て、この世界でどう生き抜くのか…… 神と人族から見捨てられた男の異世界世直しファンタジー開幕!

声優・キャラクター
花江夏樹、佐倉綾音、鬼頭明里
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

みにくい白鳥の子

(2021.5.2初投稿, 2021.9.24更新)

 ◎ 略称『ツキミチ』1クール全12話
  ※ 最終話後、第2期制作発表あり。

🌕 ❰全話試聴して❱
{netabare}
 本作は原作ファンとして今期の期待作のひとつだった。ゆえに期待を込めてアニメ評価は最初はオール4.5からスタートして視聴中に修正。最終的には、原作を100点とするなら80点の満足度でとても楽しかった。

 主人公と従者達を主軸にして話の寄り道をせず、キャラの登場を制限したことが吉となったと思う。コメディ演出でライトな作風だったことも結果的によかった。作画は彩り豊かな亜空風景が印象深い。とりわけ優秀な作画という訳でもないが、作風との相性が良く、見せ場に相応のリソースが割けていたので不満は全くない。

 最終話後に2期制作も発表されて頼もしい。2期で主人公は、人と魔族との戦争にどのように対応していくのか。主人公とある意味同じ立場の新キャラ2名が、主人公とどう関わるのか。

 1期は原作にあった上記の新キャラに纏わるサイドストーリーは潔くカットされた。それを2期に持って来ることは間違いないだろう。そこに構成の妙を感じる。1期が亜空建国が主軸なら、2期は主人公の亜空外での商売上の人間ドラマが主軸に、と色合いが明確になりそう。

 必ずしも原作通りに進むとは限らないだろう。場合によっては、1期では省略された豪商レンブラントの真実の深堀りも描かれるかもしれない。2期が実に楽しみだ。
{/netabare}

以下、放送前投稿 (2021.9.23推敲)
{netabare}
 原作は、2012年2月から2016年8月迄『小説家になろう』にて連載された。現在、なろうアカウントは無くなった。

 2013年5月からアルファポリスより書籍が刊行。2021年7月時点で既刊17巻(本編16巻+番外編1巻)、コミカライズ既刊9巻。2021年4月時点でシリーズ累計発行部数170万部突破、アニメ放送直前には200万部突破と勢いある作品。

 アルファポリスサイトで無料で読める小説は、書籍のダイジェスト版。漫画は最新の一部のエピソードは無料で読めるよう。

 本作は2020年10月に「2021年アニメ放送決定」のニュースがあった。それがきっかけでコミックを読み始め非常に気に入った。その後ラノベも読み始め現在2周目突入中。

 2021年4月28日、昨秋の特報に次ぐPVが公開され、そこで本作が同年7月放送開始と初めて告知された。

 同時期放送作には、大好きなラノベ原作異世界ファンタジー作品が多い。本作以外では、「はめふら2期」「転スラ2期第2部」「現国」「精霊幻想記」と合計5作品もある。個人的にアニメに費やす時間がますます増えそうだ。

 上記の中では最も遅い告知となった本作、PVを視聴してお笑いの真打ち登場の感。キャストが豪華で皆さんの演技が楽しそう。PV最後の劇伴がツボだった。以上の中でコメディ要素は「はめふら」といい勝負だろう。日本神道の神様が登場したり、日本の時代劇かぶれの主人公の配下がいたり、と他作品とは一味違った日本推しがなかなかユニーク。

 監督は『ログ·ホライズン』『FAIRY TAIL』などの長期シリーズが代表作の石平信司氏。ファンタジーにコメディを馴染ませ長期人気を保った実績がある。本作でも期待している。
{/netabare}

❰主人公について❱
{netabare}
 17歳の高校2年生の深澄 真(みすみ まこと)は、両親と神との昔の契約で理不尽にも勇者として片道切符で異世界に召喚させられた。

 彼は異世界では日本での年格好のまま。配下の多いカリスマ最強主人公となるが、飾らない人柄で天然。だが、ある事情で勇者にはならなかった。それでも異世界での彼の魔力量が人外。戦闘力もチート。さらに周りの助力も大きく、商材にも恵まれ彼の立ち上げた商会はどんどん大きな存在となる。彼はその甲斐性と性格の良さから、ハーレムも可能なほどの財力と地位をじわじわ築くがその気が全くなく特定の異性との色恋とも無縁。

 そんな所は転スラのリムルによく似ている。但し容姿が日本基準では平均、本作の異世界基準ではブサイクという設定で、人型時の美形なリムルより親近感がある。

 個人的に真に魅力を感じるのは、弓道で一芸に秀でている所。所属していた高校の弓道部では彼は副部長だった。弓道の才能以外は全てにおいて平均的だが、地道な努力家で面倒見も良く彼を慕う美人の部員が二名いた。しかし鈍感で恋愛には不器用。女性から告白されてもギクシャクするのが関の山。弓道があるので恋愛優先になることはなかった。ありのままの自然体で、まだ若いのにどこか落ち着いてる彼。しかし道理や礼節を弁えない存在は、たとえそれが神様であろうと堂々と立ち向かう。そんな鷹揚な雰囲気と反骨精神を持つ主人公像が好ましい。

 弓は異世界で彼の戦闘手段として最大の武器となる。彼は召喚後も、時間があれば無心に的を射る鍛錬を欠かさず、弓道を精神修養の一貫として続けている。そこに禅定の静寂美が感じられるが、弓道ならではの魅力だろう。一芸に秀でその道を極めんとする彼。普段は一切の力みが無いが、いざという時は極限の集中力を発揮して敵を討つ彼。なかなか格好いいと思う。
{/netabare}
❰配役について❱
{netabare}
 初回は声優の配役で、シン(巴)の声に個人的にかなりミスマッチ感があったので評価を下方修正。

 美女になってからの巴の外見上の声はあやねるでも合ってるが、竜体の声は誰ともわからない下手な物真似を聴かされてる気分で失笑した。まあ竜体の声は1話以外は出番ないだろうし、アニメは原作よりギャグ主体で作風が軽い。その内に忘れて気にならなくなるかもしれないが初回はがっかりだった。

 巴は外見が美女に変化して後、ヲタクで残念な部分もある。が、本質はこの世界を管理する女神も干渉できない何千年も生きている最強の上位竜の一柱である。その賢さと強さは半端ない。原作中、マコトは巴を頼りになる兄貴のようだと表現したことがある。やはり相応の落ち着きと滲み出る風格も感じられる演技とそれに合う声を期待する。

 姉御肌感が自然に滲みでる声優に演じて貰いたかった。女性らしい声のみならず、時に男前でドスも効く声色が出せる、例えば沢城みゆき、本田貴子、田中敦子あたりの幅広い演技力ある声優が理想。

 その後、巴役の佐倉綾音の演技は田中敦子に似てる感あり。しかしまだ若い。滲みでる年輪が足りない。やはり人生経験豊かな30代半ば以上の声優演じる巴が望ましい。

 それ以外のキャスティングは概ね満足。特にハイランドオークのエマ役の早見沙織。キャラの透明でキラキラの瞳以外は早見沙織の声に全く合わない、というのがギャグとして笑える。

 2話から登場の災害の黒蜘蛛の化身の澪の声は巴ほど違和感なくていいと思う。世界的大ヒット作『鬼滅の刃』の炭治郎と禰󠄀豆子兄妹コンビがそのまま真と澪の主従コンビに。大ヒットの験担ぎか。ネタとしても悪くない。炭治郎と真はすぐに同一声優と気付くが、禰󠄀豆子と澪はキャラクターが違い過ぎて、声を聴いただけでは同じ声優とは気付きにくいと思う。共通点はどちらもかけがえのない家族であること。炭治郎と禰󠄀豆子は血縁者で家族なのは当たり前だが、巴と澪は真にとって恋愛対象でなく家族同然の関係性で愛情と信頼を深めていくから。

 また『神様になった日』の主人公とヒロインのキャストが本作の真と巴になってたが、そちらは視て無いのでインパクトゼロだった。
{/netabare}

❰原作既読視点の各話レビュー❱
{netabare}       (2021年 TOKYO MX 初放送日時)
🌑第一夜「勇者…失格」(7月7日 23:00 - 23:30)
 物語4.5→4.0, 声優4.5→3.5
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 漫画第1巻(第一夜『勇者…失格\(^o^)/』第二夜『「世界の果て(ピリオド)」のその先で...!?』第三夜『フラグは立つか立たざるか』第四夜『おしかけドラゴン』)より

〈異世界の 水戸黄門に なり得るか〉

 原作からのバイアスが掛かったため、予想以上に大袈裟なギャグシーンの多用と軽すぎる作風に初回は馴染めず戸惑ったため評価は若干下げた。しかしもう一度視て、コメディアニメとしていい線いってると思い直した。作風にもっと馴れたらまた評価上げるかもしれない。

 一番ウケたのはEDテーマ。まさかまんまの水戸黄門...やってくれる、いいセンスだ。時代劇の勧善懲悪+ファンタジーコメディのエンタメとして割り切った方向性か。今後も石平監督の手腕に期待。

 OP映像の登場キャラでラノベ第3巻(漫画第6巻)迄をアニメ全12話で描くと予想。果たしてどうなるか楽しみ。

 原作の『ツキミチ』は『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』同様、小から中の山場の積み重ねで、成り行きまかせでも主人公の強運とチート能力がじわじわと主人公の立場を引き上げる系の物語。それではアニメの1クールから2クール程度の尺では話をどこで切っても間違いなく中途半端になる。

 『ツキミチ』は主人公が三枚目であり、特に漫画版は、ギャグネタ豊富でコメディに徹底できる資質が『デスマ』以上。ならばストーリーで魅せようとするより、視聴者に「ストーリーは中途半端だったけど楽しかった」と思ってもらえれるようコメディに振り切って、キャラの魅力を耀かせた方が成功しそう。

 この初回のノリが最終的に吉となり、2期が生まれることを祈りたい。次回も非常に楽しみだ。
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🌘第二夜「災害の黒蜘蛛」(7月14日 23:00 - 23:30)
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 漫画第1巻(第五夜『おとぼけ侍』第六夜『「災害の黒蜘蛛』第七夜『ディープラバー🖤』)より

 いいテンポで話は進む。作風の軽さも少し馴れてきた。

〈亜空間 なつかし夢の 秘密基地〉

 本作の魅力の一つは、子供の頃に秘密基地を作って遊んだワクワク感を呼び戻してくれること。ただ秘密基地といっても亜空はスケールが違い過ぎる。

 彼の記憶にある日本の原風景がモデルの亜空は、水があり自生する自然の恵みありの全ての生き物が生活出来る1つの大地。真はその力をコントロールする事は出来ないが、規模も徐々に成長し拡大し続ける。その力を与えたのは日本神道の神様。当に天地創造の神業。

 アニメで非常に楽しみだった一つがこの彩り豊かな亜空を拝むことだった。異世界の中の異世界、この原作者の発想は素晴らしい。

 また亜空は避難(逃亡)先。この異世界で何でも好き勝手出来てしまう両刃の剣。夢がある反面、テロリスト、サイコパスや世界征服の野望ある者には絶対に渡してはいけない危険な存在と言える。そこが真のこの異世界での立位置に大きく影響していくが、それがどうなるかアニメでも楽しみだ。

〈制作に 遊び心が キラリんと〉

 水戸黄門のテーマは初回のみの特殊EDだったようで出落ちのネタだった。本作は鬼滅兄妹の声優採用など、他にも探せばネタがいくつか仕込んでるかもしれない。これは楽しみだ。
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🌗第三夜「ヒューマンショック」(7月21日 23:00 - 23:30)
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 漫画第2巻(第八夜『シム亜空!?』第九夜『人外大移動』第十夜『理解不能』第十一夜『ヒューマンショック』)より

〈あらすじ〉

 マコトが巴と契約した時に生まれた亜空に、マコトを領主と認め忠誠を誓う住民が一気に増えた。初めての縁あったエマを筆頭とするハイランドオーク族おおよそ100名にプラス、エルダードワーフ族たち、上位竜の巴とその眷属のミスティオリザードたち、元災害の黒蜘蛛の澪とその眷属のアルケーたちだ。

 その後、マコトは残酷な現実を受け止めざるを得なくなった。亜空の住民には崇敬に近い愛され方をされたので油断してたら、まさか同族のはずのヒューマンと呼ばれるこの世界の人類には露骨に見下され、さらには魔物認定され討伐を仕掛けられた。しかも他の言語は自由に使いこなせるのに、ヒューマンの使う共通語だけ不自由だった。読み書きと聞き取りは努力で可能になっても、発音は努力虚しく身に付かなかった。

 しかしマコトは従者と共に逞しく生きていく。天敵の女神に対し、さらに怒りを蓄積しながら。

 そしてマコト、巴、澪の三名は、諸国漫遊する豪商の息子と従者という設定で、亜空産の果物を馬車に大量に積み込み出発。初めてたどり着いた街は"絶野"と呼ばれるヒューマンの住まう最果ての地だった。

〈理不尽な 神の仕打ちに 凹む日々 心安きは 人外のみか〉

 無尽蔵な魔力が源の神レベルのチートな能力と、(異世界基準の)不細工なルックスの主人公。これくらいの絶妙なバランス感覚が原作の売れている要因の一つなのかもしれない。

 アルケイの初期移住者は原作は4名のみだが、なぜかアニメではミスティオリザード(ラノベ原作では108名)並の数になってたり、僅かなカットと流れ等の細かい違いはあれど、ここまでほぼ漫画に忠実。そのため新鮮な面白みは少なく物足りなくなってきた。が、アニメならではのネタが時折顔を覗かせ新鮮でアニメも悪くない。

 今回笑えたのはBGMがいい仕事した悪代官と廻船問屋ネタ。

 あと巴が飯抜きで荷物番となった際、原作では「お、鬼ですか若ー!!!」の台詞が、アニメでは「あーっ、鬼ですかー!」で、そこはクスッと。

 台詞をマコト1人から、花江夏樹と鬼頭明里演じるマコトと澪の2人への語りへと微妙に変更。これはネタとしてよりわかりやすくするための変更かもしれない。
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🌖第四夜「あとのまつり」(7月28日 23:00 - 23:30)
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 漫画第2巻(第十二夜『ざわめきの夜』第十三夜『姉妹の事情』第十四夜『あとのまつり/(^o^)\』)より

 今回は水戸黄門エンディング第二段が実に楽しい。曲調をオリジナルからよりロック寄りに、歌い手を主人公からヒロインへ、ソロからデュエットへ、と第一段と趣をがらっと変える工夫がいい。第三段をかなり期待。もしあるなら今度はどうアレンジするんだろうか。

 ここまで視聴して言えること。どうやらアニメ2話で漫画版1巻分(エピソード7話)消化、という制作の基本方針があるということ。そしてアニメは堅実で動くカラー漫画として優秀。作風の軽さも味方してテンポが実に良く、今回では水戸黄門風一件落着シーンの演出、特殊ED2などの独自ネタもあってとても楽しかった。

〈あらすじ〉

 マコトと澪が宿へ戻る途中、リノンという名の一人の少女が泣きながら接触してきた。聞けば、行方不明の姉を探してさ迷っていたという。マコトはその姉トアが弓道部後輩の長谷川と外見が瓜二つと知り、リノンの接近がたとえ罠でもこのまま放っては置けなくなった。

 そして巴が望む勧善懲悪道中の始まりは、リノンの姉の救出劇となるのだが...。

〈格さんは 当てる言の葉 核となる 街消え去りて 虚しき荒野(あれの)よ〉

 最後のマコトのアニメの台詞「バレたら隠せないし。ああっ、もうっ、日本語が変だ」が妙に心に残った。世直し道中の最初が一つの街の壊滅というトンデモなオチ。なんとなく大掛かりな舞台セットを用いる懐かしのドリフの全員集合コントを思い出した。

 アニメがギャグコメディに振り切ってるのは正解。そうでないとツッコミたくなる。

 街の破壊中、住人は関係者以外は全く出てこずぼかしてるが、状況的に巴と澪の所業は住人の大量殺戮をもたらすはず。住民の安否確認すらしないマコト。普通はシャレにならないが、おばかなギャグと思えばスルーできる。

 まあ魔物が横行してる命の軽い異世界のこと。マコトも不慮の事故としてドライに割り切って、やっちゃたものはしょうがないと、犠牲者のことはそれほど気にしてないのだろう。犠牲者はヒューマン族で、知り合い以外はマコトが大切にしたいと思える存在でもないし。

 マコトは本気出したら巴も澪も敵わないという。アニメでのマコトの実力発揮はまだまだこれからだろうがこの3名の所属する亜空は既に、この異世界唯一の核兵器保有国、と言っても問題なさそうだ。
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🌕第五夜「よくばり馬車の旅」(8月4日 23:00 - 23:30)
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 漫画第3巻(第十五夜『よくばり馬車の旅』第十六夜『グロリアス·ディナー』第十七夜『亜空改造計画』第十八夜『ファンキー·コート』)より

〈あらすじ〉

 マコトは"巴と澪は混ぜるな危険"と判断。巴を武者修行の名目で別行動させた。その後マコトと澪はトア姉妹と偶然救出した冒険者3名を馬車に乗せツィーゲの街を目指す。

 ひとつの街の壊滅という不祥事は魔物来襲のせいにしてごまかし、冒険者として、また商人として、マコトと従者はしたたかにその歩みを続ける。

〈異世界の 男のロマン 冒険者 旅は道連れ 友は増えゆく〉

 道中遭遇した魔物を討伐しながら進む道のり。同行冒険者の生々しい獲物の解体にドン引きしたり、憧れの漫画肉を堪能したり、場違いなほどハイテクな冒険者ギルド発行の冒険者カードに感動したり。

 マコトは、残念な外見と言葉の不自由、という欠点を抱えつつも、いつでも戻れる安全で快適な亜空があって、いざとなれば自身の底知れぬ力があって、頼れる多くの家族のような仲間もいる。

 なんだかんだあっても、マコトの異世界道中は刺激的で楽しそう。今回もアニメの原作再現度は高く安定して面白い。原作未読の方が新鮮でもっとワクワクしそうだ。
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🌔第六夜「ナイスミドルの憂鬱」(8月11日 23:00 - 23:30)
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 漫画第3巻(第十九夜『情に厚い人格者(ナイスミドル)の憂鬱』第二十夜『商人ギルド加入試験...!?』第二十一夜『いカニも美味!』), 漫画第4巻(第二十二夜『あの夏の記憶』)より

 今回は漫画4話分のエピソードを無駄を省くことでアニメ1話に巧くまとめていた。巴の分体の柿のつまみ食いはアニオリ。原作のどこかにあるかもしれないが少なくとも今回の漫画の該当部にはなかった。そのセンスはポイント高し。どうやら漫画では出てなくてもアニメでは毎回分体の出番を作るつもりなのかもしれない。同じくアニオリの蜃気楼都市の解説演出もグッド!

 名も無き巴分体は本作では希少の、いやかわ(癒しの可愛い)キャラ。その推しは物語上もとても大切。今後も亜空シーンでは分体を出来るだけ登場させて欲しい。

〈あらすじ〉

 まだFランクのマコトが冒険者ギルドの掲示板でたまたま見つけたSランクの依頼。それはその求める素材が手元にさえあれば特殊ランク扱いで受けられる依頼だった。たまたま自身が既に持つ魔物ルビーアイの瞳が使える。

 依頼主はツィーゲの街随一の豪商。その商会に出向き、主パトリック=レンブラントと直接面会して素材提供。泣くほど感謝されるマコト。それは依頼達成と同時に商会立ち上げの志あるマコトに強力な後ろ楯が現れた瞬間であった。

 その後商人ギルドの登録と食堂での食事も済ませ、人心地ついた後亜空に戻ったマコトに巴から緊急に念話での呼び出しがあった。

 行ってみれば巴と澪はやはり混ぜると危険だった。澪もアニメや特撮のヲタクに目覚め、仲間には相変わらず気苦労が絶えないマコトだった。

〈商人(あきんど)は 清濁飲んで 進む道 右腕無くば 叶わぬ道よ〉

 まさに人生を語る水戸黄門のテーマソング『あゝ人生に涙あり』の歌詞こそが、この世界に生きるマコトには良きバイブル。

 商人としてド素人のマコトには商会運営のノウハウを教えてくれ、後ろ楯ともなる有力者が必要だったが、運良く街一番のパトリック商会に取り入ることに半ば成功した。

 パトリックは敵も多くやり手商人なのは誰でも分かるが人格者と言えるだろうか。実は漫画では、パトリックの美化された過去の伝聞を商人ギルドの受付嬢がマコトに滔々と語る。アニメではそれをカット。マコトはその話の先入観でパトリックを評価してしまう。

 まだ17歳のマコトは人を信じやすく見る目が甘い。が、さすがな巴。普段の暴走キャラとは裏腹。大人の洞察力で何かに気付いたよう。実に頼もしいマコトの右腕だ。

 軽いコメディでも人間描写はかなりシビアなのが本作の魅力のひとつ。強欲ではないお人好しキャラはマコト以外はかなり少数派。特にヒューマン族はそのほとんどが欲望に忠実でしたたかなキャラばかり。

 鏡のように悪意には相応の反撃で応えるマコト。時に情け容赦がない。しかし彼の本質は日本人らしく平穏を愛する17歳の高校生の甘ちゃん。それを補う従者との関係性はとても魅力的に思う。アニメでは今の所戦闘力以外は悩みの種に見える澪も、きっと巴とはまた違う方向でマコトの良きサポーターに成長していくだろう。
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🌓第七夜「秘薬精製」(8月18日 23:00 - 23:30)
 物語4.0→3.5 キャラ4.5→4.0
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 漫画第4巻(第二十三夜『秘薬精製』第二十四夜『今日から僕は!!』第二十五夜『世直し劇場』第二十六夜『わけありトップランカー』)より。
 [第二十七夜『二つの顔』第二十八夜『裏道の小石』はカットされ今回で4巻終了]

 原作は今回のあたりから人間の暗黒面を赤裸々にする傾向がより強くシリアスでハードな部分が今まで以上。アニメの今後はコメディ路線を守るためどうするかに注目。

〈あらすじ〉

 マコトは絶野で知り合ったレベル114のアルケミーマイスターのハザルと共にレンブラント宅を訪れる。そこでマコトはハザルの秘薬精製を見学することに。ルビーアイを主原料とするそれは呪病の特効薬。レンブラント氏の妻と二人の娘がその病で絶望的だったがその薬さえあれば助かる。

 ハザルは難なく秘薬を作りだし投薬段階へ。しかしうっかり八兵衛も真っ青のハザルにマコトの苦労は続く。が、なんとか試練を乗り越えミッション完了。

 その後マコトは帰宅途中に巴と澪に合流。すると数十人の刺客の集団来襲。巴とマコトのみで難なく刺客はほぼ全員半殺し。事情を問えばレンブラントを恨む呪術者に嵌められ誤解があっての襲撃と判明。結果マコトは彼らを全員赦すことにした。

 刺客のリーダーは冒険者トップランカーのライム・ラテ。彼は贖罪として冒険者を引退した。しかし心根に男気溢れるライムは将来に見込みありと巴に評価される。そして巴の配下となり密偵として新たな人生のスタートを切ることになった。

〈弥七殿 八兵衛殿も あらわれて 世直しごっこ まことあわれに〉

 BGMがしっかり水戸黄門してた。弥七ポジションの役者も揃い巴は楽しそう。一方の若は体を張った苦労とご老公の定番台詞の羞恥でうち震えるのみ。なんとも哀愁漂う憐れさよ。

 巴とライムとの件は、往年の人情豊かな時代劇のオマージュとして成立するほど巧く演出してたと思う。マコトの柔道による捕縛の作画もなかなか様になっててよかった。巴分体がワンカットだけだが登場したのも好い。

 ただし人間の醜い部分がクローズアップされるエピソードゆえ、コメディとしては若干の不完全燃焼感あり。巴によるレンブラントの実像暴露とその対処を原作からかなり端折った。コメディに水を差ささない程度のシリアスに収める配慮か。レンブラントの本質は原作でもマコトは知らないままなのでそれもありか。

 おかげで巴の智恵の深さと度量の大きさが原作ほど伝わらなくなってしまった。原作未読なら気にならないだろう。しかし原作知るとやむを得ないとは言え物足りない。ゆえに今回は作品評価とキャラ評価を下げた。

 今までは簡略化されることはあってもエピソードを丸々カットすることはなかったが、次回は漫画第4巻の残りの2話と第5巻の前半の4話分をすっ飛ばすのは確実。そして5巻の後半の第三十三夜からスタート。話の流れ自体は自然に繋がりスキップしても問題は全くない。だが、特に5巻の4話分(第二十九夜~第三十二夜)の扱いに関しては今後どうするか非常に気になる。
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🌒第八夜「亜空ランキング」(8月25日 23:00 - 23:30)
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 漫画第5巻(第三十三夜『きっかけはオーク』第三十四夜『亜空ランキング』第三十五夜『シャドウテイル·ハンター』)より

 前回は原作の大幅カットでレンブラントの実態をぼかしたことで栄養不足だったが、今回は栄養に十分配慮してる健康的なダイエットに成功してる感。カットしても先々に問題ない部分は躊躇なく原作からすっぱりと。それでも原作の持ち味をアニメで申し分なく再現していた。

〈あらすじ〉

 亜空に戻ったマコトと巴と澪にエマからの問題提議があった。亜空の戦士の戦闘訓練で参加者は完敗が続くため、マコト達との実力差に凹み自信喪失中とのこと。そこでマコトは参加者を調査した結果、訓練に関する種族間の情報交換の少なさに気付く。

 その実状から巴は対策を立てる。それは全種族参加の個人戦を七日に一度開催してランクづけすること。それはお互いの秘術をぶつけ合い切磋琢磨することが目的だった。またランクづけは戦士としての適性を見極めることができ、別の道で亜空に貢献してもよいという弱者救済策でもあった。

 その後、マコトが冒険者ギルドに赴くといつものギルド嬢から依頼があった。レベル1,000超えの巴と澪に、ライム・ラテの後継となるトップランカーを育成して欲しいと。そこでマコトは巴を派遣して顔見知りのトアのパーティを鍛えることに。そしてトア達は巴のスパルタ式の指南により、否が応でもトップランカーとして羽ばたく基礎を身に付けることになった。

〈巴こそ 師とするならば 道極む 長き年月 生きる智恵ゆえ〉

 何千年も生きてる上位竜巴は全体を見ながら的確な判断を下せる参謀にして武の最高指南役。元災害級の魔物の澪は相変わらずマイペースでマコトと食にしか関心がない。そのコンビが絶妙で面白い。

 しかし澪は今回のトマトの件がきっかけで、巴とは別の道で亜空での貢献が始まりそうだった。少しずつ亜空は発展し、その住民も成長していく。そして、適材適所で亜空はこれからますます発展していくんだろうな、と思う話だった。

 亜空が磐石な存在になるほどに、駄女神の管理する弱肉強食のハードな世界に身を置かずともマコトは人外の仲間とだけで幸せに生きて行ける。だが、いつも面倒事を引き当てるのが彼の宿命。お人好しにも亜空外との人々とも付き合い続けざるを得ない。

 毎回のマコトの川柳の心の嘆き、それは逆にどんな時も前向きな彼の器の大きさの表れ。常人は嫌なこと面倒なことが降りかかっても嘆く前に放り出すのが一般的。しかし彼は一旦関わった以上は好き嫌い関わらず最後まで責任を持つのだ。

 主人公の特技が"弓道"という設定がここで生きる。弓道で培った集中力と忍耐力で的を射た結果を最後は達成してしまうのが彼の真骨頂。常に己はニュートラルで自力も他力も自在に活用できるマコト。彼は若くて甘ちゃんに見えて実は達人かも。でなければ多くの実力者を従える彼の人望の大きさは生まれようがない。

 さて、個人的に原作で好きなキャラが今回最後に登場。次回アニメでどう描かれるか楽しみだ。今の所はアニメは別キャラ中心のサイドストーリーを挟まぬ方針のようで、主人公マコトと従者中心のエピソードが続く。原作は群像劇としての旨味もあるが、アニメも回が進めばその味わいも楽しめるだろう。ぜひアニメ第2期を制作して欲しい。

 今期は残り4話。原作とアニメそれぞれの味わいを楽しもう。
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🌘第九夜「喰うか喰われるか」(9月1日 23:00 - 23:30)
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 漫画第6巻(第三十六夜『人外大宴会』第三十七夜『深澄神!?』第三十八夜『喰うか喰われるか』)より

 アニメでようやく登場のツッコミとボケのお笑いコンビ、スポーツ飲料アクアエリス。いつも一緒で天然ふしぎちゃんに振り回される常識人の真面目ちゃん。他の類似作品ではいそうでいないコンビ。特にエリスが好きでアニメ登場が楽しみだった。電波系の独特なキャラで原作では一人ぶっ飛んでて存在感が抜群だったが、アニメでどこまでその妙味を再現出来るか楽しみだ。

〈あらすじ〉

 ツィーゲでの商会設立の祝いの宴で盛り上がる亜空。マコトは屋外の壇上の玉座に在って住民たちとの交流を楽しんでいた。

 そこで澪の配下のアルケーのアキナから報告を受ける。万能の秘薬素材として希少種のアンブロシア。マコトは澪にその花の群生地を調査してもらっていたが、ついに見つかったとのこと。それはティナラクの森にあるという。しかし、その地にはアンブロシアを管理する種族が住んでいるらしい。

 その他にも様々な報告があったが万事順調そうで安心のマコト。その夜、彼は弓の修練に時を忘れて没頭する。するとマコトの気配の変化に慌てる巴と澪。それはマコトが死んだかのようで、巴と澪は心配のあまりマコトの側に駆けつける。

 そこで、巴の分析により衝撃の事実が判明。射に集中する度に、マコトの魔力の保有量が膨大に上がり、同時に亜空も拡張し続けると。マコトは理解不能のその事実に落ち込んだ。澪はマコトの無事に泣いた。そして巴は、もはや神業としか言い様がないマコトの力の前に、ただ笑うしかなかった。

 その後、ツィーゲでの逗留先での一騒動などもあり、マコトは澪のご機嫌取りも兼ねて、アンブロシアの群生地の視察に二人きりで向かう。その道すがら、見ず知らずのヒューマン三人の冒険者たちがマコトたちを尾行していた。マコトは界の探知で彼らは無害と判断、澪に蜘蛛の糸で足止めだけさせてとりあえず無視。そして現場に無事到着。するとそこには、アンブロシアの保護者が二人待ち構えていた。

〈亜空こそ 生きる喜び 育む大地 主(あるじ)加護満つ 寄る辺なるかな〉

 万事順調の陰にマコトあり。天地創造の神業は、マコトを貶めた駄女神でも出来ない。日本の神様がマコトの守護神だからこそ、亜空の存在とその維持も際限なく可能なのだろう。気候は穏やか。自然の恵みも豊富で、外界で食べらない種類豊富な自生の果物がある。農作物もすくすく育つ。ドワーフの生活技術が行き渡り、巴あって最高の武芸向上環境がある。当に楽園。住める民は幸せだ。

〈まちづくり 主違えど 人外の 民似てくるは 不思議なるかな〉

 『ツキミチ』マコトと亜空の住民は、たまたま同期で放送中の『転スラ』リムルとジュラ・テンペスト連邦国の住民の関係と非常に似ている。

 リムルとマコト。性格は世代設定は違えど結構似てる。だが、強さと見た目はそれぞれ独特のものがあるため意外に被る印象は少ない。とは言え、リムルは困難を乗り越える度に、その世界の生きる者の頂点を目指すかのような進化が続く。対してマコトは、自ずとその能力は世界の創造神に近づいていく。その意味ではマコトの方が突き抜けてユニークで面白い。
 
 ついでながら『ツキミチ』と『転スラ』の主人公の配下は、役割や外見上でなどで被るキャラが多いと思う。たまたまなのか意図したものかは不明なれど、キャラ被りは探すと結構沢山いて、ネタとして面白い。

 キャラ被り濃厚なのはエマとシュナ(正反対な外見はギャグか)。澪とシオン。巴は複合性強く、大賢者とヴェルドラが主成分でベニマル、ハクロウ、ソウエイの隠し味ありか。
 
 外見上もろ被りは、エルダードワーフのベレンはカイジン。ミスティオリザード上位戦士のリディはガビル。ハイランドオークの上位戦士アガレスはゲルド。そして今回登場のアルケーの進化した姿の白衣姿のミナトはベスター、修験者の法衣着用のホクトは初期のクロベエ。

 そしておそらく次回登場予定のガイコツさん。アニメ同時期で、僅か一週間の誤差で初登場の転スラのアダルマンと丸被り。よほどご縁があるようだ。

 また、アキナと転スラのハルナも、出番少なく地味ながら同じ立位置で結構似てるキャラ。本作のアキナは澪の配下で助手のアルケー、ハルナはカイジンのお手伝いでシュナに師事し織物勉強中のゴブリナ。種族や外見こそ違えど、どちらも内外共に可愛く存在感あり。

 以上、同時期放送で視聴中ということもあり、つい転スラと比較してしまったがどちらもお気に入りの作品だ。一番の共通点はどちらの作品も都市開発ゲームの魅力があり、主人公は仲間を家族として非常に大切にすることか。

 なろう発表開始時期が1年遅い転スラの方が、本作を参考にした可能性があるかもしれない。だがパクリとは思わない。設定上で多少の類似性があっても話には独自性があり、面白さに甲乙は付けられないからだ。


 さらにアニメのネタとして、マコトと転スラのユウキは同一声優であることから、穿った想像も成り立つ。例えば、リムルのライバルのユウキは、リムルのせいで世界征服の目的果たせず、宿命として死して後、無意識にマコトに生まれ変わることで、別な異世界で再び覇権に挑むってこと。

 今生は世界征服は懲り懲りのユウキの魂。それよりも、リムルを参考に権力自体には興味無く、仲間を守ること優先で周りから自然に後押しされる形で不動の地位を得ることが天命だったりして。特技は別として、マコトとユウキは外見上、小柄な黒髪日本人な所とか似てるし、そんな妄想するのも楽しい。


 ところで今回、アンブロシア(保護する種族はこの花を紅蓮華と呼ぶ)の群生地で澪を妹扱いして手を繋ぐマコト。そして次回のアニメのサブタイトル(漫画の第三十九夜と同一タイトル)。

 以上から『鬼滅の刃』思わせるもの複数浮上。本作はどんだけネタがあるのやら。もう今回の巴同様に笑うしかない。
{/netabare}
🌗第十夜「鬼の隠れ里」(9月8日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第6巻(第三十九夜『鬼の隠れ里』第四十夜『嵐の前触れ』第四十一夜『しょんぼりアンデッド』)より

 この調子だと、コミカライズ第7巻の最後がアニメ今期の描く範囲になりそうだ。

〈あらすじ〉

 マコト達と、澪の蜘蛛の糸をかいくぐって付いて来たヒューマンの冒険者3名は、アンブロシアの保護者アクアエリスコンビに泥棒とみなされ攻撃を受ける。その時、澪は怒りで冷静さを欠き頼りにならず。そこで、攻撃に巻き込む危険がある冒険者達をなんとかしてもらおうと、仕方なく念話で巴に救援を要請した。

 そして足手まといな冒険者達は全員、巴により亜空内の蜃気楼都市に転送する。そこで一転、マコトと澪は反撃に。勝負は一瞬で決まり、アクアエリスを拘束して彼女たちの住む里に向かった。

 アンブロシアをヒューマンから守っていた種族は森鬼と呼ばれるエルフに似た種族。里の長老たちにアンブロシア収奪の誤解を解くため事情を話すマコト。

 とりあえず表面上は理解され歓待される流れになったが、その後、思わぬ出逢いとトラブルがマコトに降りかかることとなった。

〈出逢いには 亜空の未来 変える鍵 あると思えば 全てが吉よ〉

 マコトと亜空に起こるいろんな変化がアニメでも面白い。ただ、アニメのエリスは全体的にコメディ演出が多いためか、雰囲気に埋もれて原作ほど存在感がなかったのは少々残念だった。

 今回から登場の新キャラ、森鬼(もりおに)のモンドに大塚明夫、そして新従者のリッチは津田健次郎、と渋い声のキャスティングで少し意外だった。主役が明るいテノールで、上記二人は落ち着きと深みあるバスバリトンの声域と声質。既に登場のレンブラントの井上和彦も同類で地声はバリトン系。

 以上、若者主人公と彼を取り巻く同性の年長者は、コントラストがはっきり。キャラが絡んだ時、ハーモニーとしてとても味わい豊かだ。
{/netabare}
🌖第十一夜「さようなら」(9月15日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第6巻(第四十二夜『さようなら』)、第7巻(第四十三夜『亜空改造計画 Season 2』第四十四夜『ととさま』第四十五夜『人ではないナニカ』)、第8巻(第五十三夜『深澄真の消失』第五十四夜『気まぐれ女神の御使い』)より

[上記は、第四十二夜以外は、内容の一部でもアニメで描かれたものを含む。第7巻(第四十六夜~第四十九夜)、第8巻(第五十夜、第五十一夜)は完全カット]

 予想から外れ、原作が大幅アレンジされエピソードは大胆にスキップ。アニメは最終話に相応しいドラマチックなエピソードを選択したためと思われる。

 そのため、Aパートは第四十二夜の内容がほとんどだが、Bパートはそれ以降のエピソードをかなり簡略化して、今回の最後への繋がりのため必要最低限の内容にとどめていた。アニメ最終話のサブタイトルは、漫画第四十九夜と同一だが、内容は全く違うだろう。

〈あらすじ〉

 亜空で原因不明の爆発が起こり、巴が血反吐を吐いて倒れ意識不明になった。マコトは巴の介抱は澪に任せ、新従者のリッチと共に亜空に戻ると、爆発現場は惨憺たる状況で死傷者多数。

 そこに、蜃気楼都市に招待した冒険者の生き残り一名の記憶がマコトの頭の中に流入。そのためマコトはすぐにこの惨禍の原因が冒険者達にあったことを突き止める。そして悪意と傲慢で亜空の住民を殺した冒険者の生き残りを処刑するマコト。彼は初めての自身の殺人の罪を冷静に受け入れた。が、その後感情が爆発。殺人は後悔はせずとも犠牲者の死に慟哭した。

 その後、気持ちの整理をつけたマコトは、反省し今後の蜃気楼都市の改善策を講じ、新従者を"識"と命名。そして彼を伴い学園都市ロッツガルドに、レンブラント氏の後ろ楯で自身の商会の支店設立と留学のため向かうことになった。

 ところがその道中、女神にマコトは見つかり彼は単独で見知らぬ地へ突然転送される。そしてその先で思わぬ未知の強敵に襲われることになった。

〈新しき 骨太配下 加わりて 識と歩むは 人の道かな〉

 ”識”は、元リッチでアンデッドだったが、生前はヒューマン。ヲタク趣味もない同性の求道者同士。マコトより年上だが従者の中で一番マコトと気が合いそう。

 そして人間の常識で分かり合える仲間が増えたマコト。識は、この世界で商売する上でも、実務上この上なく頼もしい存在になるだろう。

 原作者の作りだすキャラは、役割分担をよく考えた上で巧妙に配置されてると思う。

 今回はシリアス多めでコメディに徹底出来ない状況になり、マコトの心の川柳はなし。今回、亜空の王として脱皮したマコトには愚痴のような川柳は場違いだからだろう。

 今回のメインエピソードは個人的に好きな所で、Aパート全体の作画と演出は秀逸。モノクロ演出で血を強調して殺人の罪を象徴するセンスもいい。そして、原作とは違うアニメの予想外の展開は新鮮で、個人的にはこれはこれであり。果たしてどんな最終話になるのか非常に興味深くなった。

 原作未読のアニメ視聴組でこの作品が気に入った方は、ぜひ漫画版だけでも読んでアニメとの違いを味わって欲しい。原作には、より複雑な人間模様が描かれ、アニメと違う楽しみが必ずあるはずだ。

 ところで、今回初登場の新キャラのソフィアの声優は、沢城みゆきが担当。❰配役について❱で書いたが、個人的に本作では巴役のベスト筆頭は彼女。意外、まさか彼女が別の役で出演するとはびっくり。それなら、キャリア違いのギャラの差で予算が上がるかもしれないが、巴とソフィアは声優を入れ替えて欲しかった。

 そうすれば、人生と声優キャリアの差により、滲み出る風格がアップして、巴の存在感は今以上になったと思う。佐倉綾音も実力派で、田中敦子の声にやや似ている感の巴の演技は、決して悪くはない。だだ比較すると、ソフィア役の方がより相応しいと思う。
{/netabare}
🌕第十二夜 (終)「月が導く...」(9月22日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第8巻(第五十四夜『気まぐれ女神の御使い』第五十六夜『変態頂上決戦』)、漫画第9巻(第五十七夜『青い光』第五十八夜『痛み分け、あるいは勝者なき朝』第五十九夜『おかえりなさい!』)より、AパートとBパートの冒頭迄。以降は第7巻と第8巻から最終話に相応しい部分を抽出してエピローグとして構成。

〈あらすじ〉

 マコトと対峙したのは、ヒューマンと魔族との戦争で魔族側についた冒険者最強とされる"竜殺し"ソフィア=ブルガと、巴と同じく上位竜が人の姿になった”御剣(みつるぎ)”ことランサー。そこは戦場で、彼らはマコトを女神が寄越したヒューマンの加勢とみなし問答無用に命を狙い攻撃する。

 嘗てない強敵にマコトは間一髪で攻撃を躱すが不利な戦いが続く。そこで最後にマコトは指輪による魔力の封印を全解除して反撃。結果、神業級の魔法が発動し、その威力は核攻撃か天変地異の如くとなった。そして、その大地の抉られた跡地には巨大な湖が誕生。ソフィアとランサーはかろうじて生き長らえたものの、戦場の兵士の犠牲者多数となる大災害となった。

 マコトは亜空の自室のベッドの中で目が覚めた。澪によって既に傷は跡形もなく癒やされ、再び順調な日々を取り戻す。そして、マコトが代表で識が実務補佐、新たに巴がスカウトした森鬼たちやドワーフを従業員とするクズノハ商会のツィーゲ店がオープン。マコトのヒューマンの世界での躍進がいよいよ始まった。

〈クズノハの 勢い誰も 止められぬ 国はもとより 女神だといえ〉

 ということを2期に暗示した今回、核撃級バトルアクションになかなかの見所あって面白かった。構成が絶妙で、今期の主要キャラは僅かながらでもほぼ全員登場。最終話に相応しいまとめ方だ。

 巴の分体推しが僅かでも毎回必ずあったので、コモエが登場することは想定済みだったが、いいタイミングで登場した。最後のマコトの独白と、上げて下げる心の川柳二首もセンスいい。

 ひとつ残念だったのは黄門ED第3段は無かったこと。ひそかに"識"歌唱によるそれを期待していた。来期でもあったら嬉しいが、ネタとしては賞味期限切れでさすがにそれは無いか。

 今期の第七夜から原作と構成が異なり始めた。そして最後の二話はアニメ独自の流れになったので、2期は原作とアニメの構成の多くは一致しないと思われる。今回ちょっとだけ登場した勇者二名とその仲間たちのエピソードも盛り込まれ、マコトたちがあまり登場しない回もあるはず。2期制作は既に発表済み。どんな続きが視られるのか、今から楽しみだ。
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

この手の「異世界モノ」では安定感があり、しっかりと作られている部類

【レビューNo.94】(初回登録:2023/11/12)
ラノベ原作(なろう発)で2021年作品。全12話。
この作品、ABEMAでやたら一気観配信されてるって感じで、リアタイを含め何
やかんやと(完全じゃなくても)4回位視聴してるんだよな。
爆発的な面白さはないけど、安定して観てられるって感じ?!
1期の最後に「2期決定」が発表されてましたが、次の冬アニメでしかも連続
2クールでの放送決定ということで、1期のレビューをしておこうかなっと。

(ストーリー)
平凡な高校生「深澄真」は、
・両親が元々異世界人で、日本へ渡ってきた。
・その時の女神との契約で、2人の大切なものを捧げるという契約があった。
そのため、突如異世界へヒューマン(異世界の人間)を救う勇者として召喚され
てしまう。
しかし異世界の女神の「顔が醜いから」という理不尽な理由から
・クーリングオフとして、別の勇者を召喚する
・「醜いからヒューマンとは交わるな」ということで「ヒューマン以外の言語
 が理解できる能力」だけを付与される
そして、この異世界の果てに捨てられたのだった。
しかし真は
・現世の神から(女神に問題あることを知っていたので)予め加護(能力)が
 与えられていた。
・また現世では肉体的にも魔力的にも負荷を受けて鍛錬するような生活してい
 たらしく(月で重力から解放されるみたいに)異世界ではその負荷から解放
 され超人的な能力が発揮できる。
というチート能力の持ち主だったのだ。
異世界の果ての荒野を3日3晩彷徨った真は、魔獣に襲われているオークの娘・
エマと出会うのだった。

(評 価)
・「異世界モノの形式美」を意識した作り
 ・タイトルの「異世界道中」とか作中にも時代劇ネタが入っているなど、調
  べてみると作者はやはり時代劇好きのようです。
  時代劇人気の理由のひとつはその形式美にあると言われています。
  (高貴な身分を隠しての悪行の調査~正体を明かして悪事を白日の下に晒
   す~決めゼリフ・殺陣を交えた「懲悪勧善」展開)
 ・本作も大きな流れは
  {netabare}・上述の通り異世界の果てに飛ばされるも、チート能力で
  ・「上位竜」を従者に →姉御侍風美少女「巴」に変身
   「災厄の黒蜘蛛」を従者に →一途な黒髪美少女「澪」に変身
    2強のハーレム要員ゲットw
  ・ヒューマンと交流するため街に出向くも、亜人っぽい顔立ちにヒューマ
   ン語が話せない、そしてとある理由からヒューマンに恐れられてしまう。
   しかしそれとは裏腹に巴が管理する「亜空」と呼ばれる空間に
   ・真が最初に助けたエマらオークやドワーフ
   ・巴、澪の眷族のリザードマンやアルケー等
   亜人種がどんどん集まってきて「蜃気楼都市」が建設されていく。
   (この辺が「劣化転スラ」と揶揄される所以であるが)
  ・そして農産物やドワーフ製作の工芸品を売るために、商会を設立。
   クズノハと名乗り自らの正体を隠し、ヒューマンと交流するようになる。
   その過程で見えてきたヒューマンの街の闇の部分・蔓延る悪を成敗!
   (真自身が積極的に正義を貫くというよりは、巴と澪が先走って大暴れ
    的な要素が大きいがw)
  といった感じで、時代劇の形式美ならぬ「異世界モノの形式美」をしっか
  り継承し、あまり余計なことをせずこの手の作品としては割と丁寧に作ら
  れているという印象ですね。
 ・主要キャラの方も2大美女
  ・巴(CV: 佐倉綾音)
  ・澪(CV: 鬼頭明里)
  に加え、街を総括する大番頭的存在として
  ・エマ(CV: 早見沙織 ※何故かエマさんは美少女化されなかったw)
  ・主人公真(CV: 花江夏樹)
  結構豪華な声優陣を配し、ギャグなどはスベッているところも多いですが、
  巴と澪のハチャメチャぶりに花江さんらしくツッコむ展開やはやみんの手
  綱を握るしっかり者の演技などは上手く機能してるなという印象です。
  それにこの手の作品にしては、結構末端のサブキャラも丁寧に扱っている
  なあというのも好感が持てますし。 

 まあ早い話がテンプレ展開ってやつですが、それでもしっかり作れば安定感
 があり、それなりに面白い作品に仕上がるなという印象ですね。{/netabare}

・2期ありきの構成だった?!中途半端感があった1期
 しかし安定感はあるが、テンプレ展開がメインゆえにそれ以上の突き抜けた
 面白さがないのが・・・
 {netabare}・異世界の女神にロクな能力を付与されなくても、環境の違い等で結局チー
  トやん。(この辺がちとチグハグ)
 ・一応「異世界世直しファンタジー」という触れ込みらしいが、その要素が
  かなり薄いやん。
  それよりも街づくりや商会設立等いろいろと手を出して、何かと中途半端
  に終わったな。
 ・真自身にも「(元々この世界の住人であった)両親の軌跡をたどる」とい
  う目的があったが、そんなことはもっと後回し。
 上述のように個々の要素はよかったのですが、全体像でみるとこの作品はど
 こを目指しているのかわからないって感じなんですよね。
 まあ最後に「2期決定」と種明かしされて、1期はそういう位置づけかと納得
 はしたのですが・・・{/netabare}
 
個人的にはストーリーの中途半端感は否めませんが、キャラの掛け合いは総じ
て面白かったと思いますし、ラストの戦闘シーン
(女神に見つかり、最強の敵がいる戦場にいきなり強制転移させられる)
の作画レベルも高く見応えもあったので、
「俺たちの異世界道中はこれからだ!!」
エンドで終わっても別に不満はなかったんですが・・・
(この手のなろうとかじゃあるあるだしw)
むしろ2期を連続2クールでやるだけの意義ある作品を提供できるのか、そちら
の方が不安なんですけどね。
そういう意味では2期を観ないと正当な評価はできないところですが、1期もこ
の手の「異世界モノ」にしては(テンプレ展開ながらも)他の量産型作品と比
べしっかりと作られてる感があったので、そこそこよかったという印象ですね。
ちなみにWikiによると、日本テレビ史上最高金額で海外セールスされたとかw
ホンマかいな?!

OP「ギャンブル/syudou」
ED「ビューティフル・ドリーマー/Ezoshika Gourmet Club」に加え
   「ああ人生に涙あり(水戸黄門)」をキャラソンでぶっ込んでくるとかw
「ギャンブル」の歌詞はYOASOBIに引っ掛けて
「~俺は夜なんて駆けない~未来に賭ける~♪」はなかなか秀逸だったし。
(ちなみにadoの『うっせぇわ』はsyudouの作品)
OP/EDはどちらも結構好きだったかな。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

転スラの元ネタ?

よくある異世界転生無双もの

{netabare}
最初は結構面白かったけど、だんだんとつまらなくなった。
相変わらず花江主人公はノリが寒い。
心の声がやたらと多くてそれが全部寒い。
周りの女のノリも寒くてきつかった、あの蜘蛛と青髪両方とも頭がピンクで本当にきつい。

戦闘も面白くない。
OPのラスボスっぽい髑髏ですら完封するし、面白みがない。
俺TUEEEE自体が嫌いというわけではないんだが、俺TUEEEEにしてももう少し見せ方を工夫してほしかった。
その点最終回の戦闘に関しては面白かったんだけど。

世直しをするのかと思えば街を破壊しまくったりなんというか、何がしたいんだって感じのアニメだった。
前世要素が活きているのは良かったけど、どうせ活かすならもう少し活かしてほしかった感はある。

まあダラダラと見れる点で言えば決して悪い作品ではなかった、ただ物足りなさがある。基本的に可もなく不可もなくって感じの展開を繰り返すアニメだった。起伏がない。
最終回に関しては上手くまとめていたと思うのでその点で少し評価高め。

街づくりパートとかを見てると転スラってこの作品のパクリなんだなって感じた。転スラこの作品よりは面白いと思ってるけど。
正直、蜘蛛や龍、骸骨が美少女、美少年化する展開普通に面白くないからやめてほしい。
そっちを人化させてなんであのブタを人化させないんだとも思った。
正直二期はいらないです。何で海外人気があるのか。

OPがスルメ曲でした。
歌詞が面白いw
{netabare}
1話 5/10
始まり方からはぁ...てなる。
ああ、けど神と言ってもツクヨミという感じでタイトルの月とか連してる感じか。じゃあまだいいスタート。
けど、主人公受け入れ早すぎだろ。
いきなり異世界に行けと言われて行くって。
会話と読み書きはできるようにしてくれるというご都合主義。
ヒロインが気持ち悪い。またチート主人公かよ。
早見沙織の無駄遣い。
これレベル1ってオーバーフロウなんだろうなぁ。
このすばで見た。
いきなりめっちゃ強そうな龍に対抗できるという。
龍がしゃべるのダサすぎる。
まあ転生前もしっかりとストーリーに関わってきそうなのはいいところ。結局主人公チートかよ。
そして龍も美少女化。
なんだこのEDw

2話 7/10
時代劇?ほんとに水戸黄門か?
OPがあんまりよくない...。
CG鑑賞とシーン回想w
おお、目標がしっかりしてるのはいい。
しかも母と父の軌跡をたどるといういい目的。
転生前の設定も活きてきそう。
戦闘以外と凝ってて面白いけどところどころ賢者の孫みを感じる。
ED変えるな 

3話 6/10
名前を与えられると強くなるという、転スラで見た設定。
転スラより先なのかこれ。
転スラってまんまこれの真似事だな。
主人公そんな不細工なのか?w
主人公がヒロイン殴るアニメは珍しいw
逆は多いけど。
出たなろう特有の謎ギルドシステム。
なんで力見せびらかすんだよ。は?
ホテルでイキるテンプレもなぁ...。

4話 9/10
このOPも結構スルメ曲。
いつの間にか今期でトップクラスに好きな曲に。
いやこのウィンドウ何?
知り合ったばかりの人より昔からかかわりのある人を優先するのはいい。
エロアニメかな? 噛ませ感
魔法の結界のデザインが独特でいい。
男の触手プレイ誰得。
町で喧嘩するのはなぁ。
男側が女をぶっ飛ばすってのは珍しい。
 
5話 6/10 
謎おさらい。おさらいとは...。
世直しどころか壊してるじゃん。
主人公の心の声多すぎないか?寒いし。
割って交換しそうなカード

6話 6/10
なんかいつもなろうになってきたなぁ、依頼も試験も。
蜃気楼都市の計画は面白くていいなw
確かに主人公だけ変なの持ってたら浮くしね。
こういうとこの設定がしっかりしてるのはいい。
レンブラントとどっちが味方なのかわからんな。

7話 5/10
主人公の心の声いらん。
髪のない女とか描写するアニメ珍しい。
許してもらえるのかよw

8話 4/10
こんな感じの厳しいリーダーになってるのか。
偶然力を手に入れたのにイキってるのはなぁ。

9話 4/10
ガビルかな?w
ほんと転スラってこれに影響受けてるんだな。
この世界の星座なんで把握できてるんだ?
そりゃ夜伽だろw 今回きついな。

10話 5/10
主人公がほんと寒い。マジで寒い。
なんだこのつまらない戦闘
1割は高い。こっちも骨を仲間にするのか。
骨のままでいいのになぜイケメン化。
こいつを人化するならあのブタを人化してくれw
引きは上手いけど、どうせ復活するんだろうなぁ。 

11話 4/10
どうせ復活。闇落ち主人公草これギャグ?
今度は泣き出したぞ、主人公情緒不安定かよ。
死んだ奴結局存在感ない奴らじゃん。
主人公どんだけ不細工なんだよw
こっから学園で俺TUEEEが始まるの?
なんか学園俺TUEEEを書きたいだけだろって感じの展開だな。
指復活するんすかね

12話 8/10
主人公これでもそこまで強くないのか?
やっぱり俺TUEEEじゃないかw
あの空に飛ばす攻撃絶対弱いだろw結構OPのシーンがあるな。
戦闘シーン面白かった、このアニメで初めて。
これ主人公が旅立つ展開必要だったか?
ロリの子かわいい。主人公マジでサイコパス。
悪くないどころか最高だろこれ。
{/netabare}

曲20段階評価
OP「ギャンブル」9.5/10
ED1「ああ人生に涙あり」7/10
ED2「ビューティフル・ドリーマー」6.5/10
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8
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