親子で恋愛なおすすめアニメランキング 20

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの親子で恋愛な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月01日の時点で一番の親子で恋愛なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

92.4 1 親子で恋愛なアニメランキング1位
CLANNAD AFTER STORY-クラナド アフターストーリー(TVアニメ動画)

2008年秋アニメ
★★★★★ 4.4 (10434)
33928人が棚に入れました
『CLANNAD ~AFTER STORY~』は、「CLANNAD -クラナド-」の第2期シリーズ。「世界の終わりは悲しい色に満ちていた」あの感動のストーリーが再び――。制作は第一期に引き続き京都アニメーションが担当し、脚本も引き続き原作ゲームの大ファンと公言している志茂文彦氏という、黄金タッグで作られている。
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

哀しみと涙に満ちてさえ世界は美しい

レビュータイトルはことみパパのセリフから

本作の『渚が洗濯物を抱えて微笑んでいる』一枚絵
ただそれだけの一コマがどれだけ尊いことなのか・・・
そう感じさせてくれただけで充分かな、と全話観終わっての感想です。


名声をもとに視聴に至る・・・
一定数は評判通りの印象を作品から受け取る一方、あぶれる観客も出てきます。
とりわけ4クール分となれば、あぶれた場合に期待からの反動は大きいものとなり、視聴後はなんともやるせない気分になります。それはできれば避けたいっ ( ゚Д゚)
視聴までのハードルが高い作品というのはあって、『コードギアス』そして本作『CLANNAD』あたりは代表格ではないでしょうか。1クール全盛時代に、両方とも途中参加は忍びない大作です。見逃してしまった評判の高い大河ドラマをイチから追いかけるような感覚に近いかもしれません。

話数の多さ。だけでなく、関連情報に触れた時の目に飛び込んでくる熱量の高い推薦の声・声・声。「観たい」んだけれど知らず知らずに後回しにしていた作品でした。


 “名作を名作のまま堪能したい”


せっかく視聴するんだからこれに尽きます。『CLANNAD』と『CLANNAD ~AFTER STORY~』堪能する上での障壁と思しきものは3つ。

1.キャラデザイン
という声が多いですね。私はあまり気になりませんでした。内容を知らないウチの家族にチラ見されるとちょっと恥ずかしいかな!?くらいです。

 ⇒“3日で慣れる”と言い聞かせてみてはいかがでしょうか。


2.キャラの行動
アニメアニメし過ぎてシリアスパート外でのキャラ付けにリアリティを感じにくいのです。

 ⇒おとぎ話と割り切って、私は考えるのを止めました。


3.{netabare}結末の唐突感
これは障壁というよりも本作品に限らずあり得ることですし、受け取り方でこればかりはしゃーないです。{/netabare}

細かいのを挙げればキリがないですが上記3点をスルーできれば、家族愛という普遍的テーマを扱う本作を“名作”として楽しめるんじゃないかと思います、たぶん。。。
前置き長くなりすんません。私は思いっきり堪能しました。たしかに名作の名に恥じない作品だと思います。

親、兄弟、姉妹、妻、夫、そして子供。家族を大切にしようと思うのではないでしょうか。
そこに仲間を加えて、周囲の身近な人たちが自分にとっても向こうにとってもかけがえのない大切な存在だと思える。キャラの見た目やおかしな行動などを軽く超えて訴えてくるものがありました。

軽いお話ではないですし、この際泣ける泣けないは置いとくとしても、“生きていくこと” “人との係わり” についてポジティブなメッセージを発していることは確かで、視聴する価値が充分にあるオススメアニメです。

また、主人公らの高校時代にだいぶ時間を割いているものの、老若男女いろんな人にストーリーが用意されてたり、主人公らにも高校卒業後の人生イベントがいくつか控えてたりと、視聴する方の年齢や家族構成によって受け取り方に幅のある奥行きのある仕上がりになってます。




以下、ネタバレで感想。
どうみてもエモいシーン{netabare}(渚の出産、汐と朋也のあれこれなど){/netabare}については出尽くした感があるので割愛します。良いシーンですよ。


■岡崎と渚の補完しあう関係
{netabare}岡崎はこの街が嫌いでした。対照的にこの街(学校)が好きと言う渚。ただ好きでい続けられるかは本人も自信がありません。
「全部変わらずにはいられない それでもこの場所を好きでいられますか?」
そこに岡崎が「見つければいいだろ次を」
瞬間モノクロの画面がカラーに転じて春の桜の風景が立ち現れる冒頭のシーン。以後何回か繰り返される重要な場面です。

二人には、こんな印象を持ちました。

岡崎:現状否定。場所を変えればなんとかなると思ってる人。
渚:現状肯定。場所に留まり続けるために努力しようと思ってる人。

家庭環境の差そのまんまです。見た感じ渚はふわふわしてる一方で岡崎は行動力あってとまさにミスリードなのですが、覚悟や芯の強さで渚はブレず、対する岡崎は場当たり的だったのが実状でした。でも悪いことではありません。渚も行動に落とし込む作業が苦手なためお互い足りない部分を補えばよいのです。環境を変えて上手くいくことだってあります。

完走してみると、そんな岡崎が現状を受け止め、受け入れ、本当に大事なものを見つけるまでの物語だったのだと思います。

現状を受け入れたくないなんてこといくらでも思い当たる節があります。{/netabare}


■不協和音の正体が判明してから押し寄せる感慨深さ
ヒロインたちの行動にリアリティが乏しくシリアスパート以外キャラへの共感がしづらい。そこはおとぎ話と都合よく脳内変換することで不問にしたのは先に申し上げた通りです。
2期AS中盤以降シリアスだらけになるためそこでまぁいっかになるか、それまでの負債のせいで低空飛行してしまうかというのはあるでしょう。そんなの全く気にならなければ、無視してもらって構いません。

{netabare}こういった極端なキャラさんは現実世界を生きていく上での “理不尽さ” の表れのように思えます。どういうことか?
アニメだからと言い訳はたつものの、例えばリアルで風子やことみのような同級生がいたら「お薬足りてますか?」ですし、杏にバイクで轢かれたら保険屋さん呼んで首痛いとなるでしょう。平たく言うと“あり得ない”人達です。そんな彼女らを岡崎(春原もね)は邪険に扱いません。

【いいことがあった時や幸せの瞬間に生じる光の玉 手に入れると願いがかなう(8話の宮沢有紀寧)】

唐突にも見えるラストシーンもこれまでの光の玉収集の積み重ね。

1.理不尽さの象徴たるサブヒロインらに向き合って、いいことや幸せの瞬間を迎える。
2.嫌いなこの町(現状)を受け入れることで、いいことや幸せの瞬間を迎える。

だいぶおかしなところもある仲間を大切にする(1.)、受け入れがたい現状を受け止め前を向く(2.)。そうやって徳を積んでいった結果のラストシーンだったと思えてくるのです。

『置かれた場所で咲きなさい』
数年前のベストセラーで内容もタイトルから想像できるような書籍です。
生きていればいろいろあって、恋愛なら意中の人と出会った後、付き合ってからが、結婚してからが、そして子供が産まれてからがそれぞれ本番でしょう。
置かれた場所で懸命に咲く。付き合うまで、結婚するまでを追う作品が大半の中で、その後の『AFTER STORY』を消化して提示できた作品は稀であります。

本作が名作たる所以なのでしょう。{/netabare}


{netabare}またこのことは岡崎だけに限りません。むしろ岡崎がやらかしたことを周りの助けがあって救われることもありました。
例えば“5年もの間、実娘(兼愛妻の忘れ形見)をほったらかしますか?”
ただしここでは岡崎への文句よりも古河夫妻の献身に触れたいです。夫妻の視点だとネグレクトな義理の息子と乳呑み児な孫娘の存在は“受け入れ難い現実”です。結果は観ての通り。主人公だけではなく他の登場人物も立派でした。

人は一人では生きていけないとか絆だとか言うは易しですが、きちんと具体的に作品の中で描いてはじめて説得力がでてきます。{/netabare}

いくら理不尽だろうが、その場から逃げることはできない。逃げたいという誘惑を振り切って留まり覚悟を決める。
岡崎が否定した“この街”とは、理不尽であり不条理な現実のことを指していると解釈しました。


■親が子に見せたい背中
親世代で登場するのは、渚、朋也、ことみの3家族でしょうか。この作品。一口に家族愛で済ませるのはなんか足りない気がしていて、自分が感じたのは、親の子への想いってどんなだろう?について好感のもてる演出だったところになるかと。
親が必死に子育てしているのが伝わってくるのです。

{netabare}「自分の夢をお前の夢にしたんだ」(学園祭劇での古河家)
「まだ絶望するわけにはいかなかったんですよ」「この子だけは自分の手で育て上げるから」「それでもあなたと生きることをあの子を選んだのです」(岡崎家)

ちょっとしたところでも、例えば早苗さんが秋生と朋也の野球対決で渚が割って入ろうとした時に、「男の対決は黙って見守るもの」と年長者らしい配慮を見せて退出を促しつつ、それでも残る渚に対しては何も言わず一人で退出していく、と出るとこ引くとこ緩急の使い分けが心地よかったりします。{/netabare}

脈を打つ次世代へバトンタッチのDNA。自分らが良ければいいのではなく、次に繋ぐ覚悟と行動に胸を打たれました。後世に託しているのです。

改元のタイミングでもあるのでそれに即して説明すると、、、
日本人は「続く」ことに対して当たり前のものと捉える傾向があるそうです。2000年以上、国の断絶を経験してないことが大きな理由でしょう。一方でだからこそ、国が無くなる、分割されるといった悲劇を肌感覚で理解はできなくても、「続ける」ための多大な努力を払ってきたし、またそうした努力には敬意を払う心根が根付いてます。
そこで古河夫妻と岡崎父です。子供に託した古河家、捧げた岡崎家です。私たちも普段は無自覚でもこうして親の献身ぶりを目の当たりにするとなにかしら思うところがあるのではないでしょうか。

A.孫が大きくなった時?その頃には自分死んでるから知らん
B.孫とその先の世代まで幸せに暮らせますように

極論でもB.の感覚に近い人たちの集合体が私たちであると信じたいものです。
ただもうそれは立証されてるのかもしれません。「愛してるぜハニー&マイドーター」な家族愛ではこれほどの高い評価は得られなかったと思うからです。




1期と合わせた総評となりますが、
序盤から中盤までは多くの作品で描かれてきた学園生活といったものを。
その登場人物らの人となりが浸透してから満を持してAfterstoryを。
さすがに老人期まで描くことを望むのは欲張りなことで、それでも山あり谷ありの人生の一部を垣間見せてくれた作品でした。看板に偽りなしです。


{netabare}ラストの奇跡は元気玉みたいなもんだと思ってます。コツコツ集めた光の玉が臨界点にまで達したのでしょう。
渚の出産時に「ずっと一緒にいることがやっと見つけた夢」となり、「やっと見つけた。俺にしか守れないもの」汐も同様です。
「あなたをこの町の願いの叶う場所へ連れて行きましょうか?(学園祭劇での渚のセリフ)」
汐が果てる時に、「渚!汐を助けてくれ!」と絶叫しながらの悲痛な願いが並行した幻想世界とリンクしたんかな?と。このへん解釈いろいろありそうです。
そもそも元気玉といっといて、効果はシェンロンだったりするのでやはりよくわからないですかね。
光の玉の乱舞は地面から天へと。渚も汐もアレしたのは雪降る日と絵的にも良い対比でした。{/netabare}



全編完走した私たちはきっと、after×2(仮)では、洗濯物を抱える渚に目を細めてしまうのでしょう。
ことみ父の言葉を借りれば、“この世の美しいものを最もシンプルな言葉で表現された”かのような物語でした。



最後に、、、
「私のパンは〇〇だったんですね~」の早苗さんとそれを受けての秋生の返しと毎度ナイスな大喜利を考えてくれたスタッフさんありがとうございます。



-------
視聴時期:2019年5月   



2019.05.11初稿
2019.11.21追記

投稿 : 2024/06/01
♥ : 72
ネタバレ

はあつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

父と子の感動のエピソード~その眼差しに涙する~

Key製作のゲーム原作によるアニメドラマ。
1期(無印)の続編(アフターストーリー)です。

私は、原作ゲーム未プレイ、1期から通しで、5年ほど前に、京都アニメーション作品として初視聴しました。
あにこれで評価の高いクラナドですが、私は、素直なところ、作品の優劣を両極端に感じ、原作を知らない方への全編のオススメが難しい。

1期から2期(アフターストーリー)の前半までは、原作のゲームらしく、男子高校生の主人公が各ヒロイン毎の出来事をクリアするようなエピソードが続きます。
ここまでは、学園の日常物やコメディの好きな男性なら、じんわり胸に来る話もあり、好みに合えば楽しめると思います。(私は、コメディセンスが合わず。唯一の男友達を貶めすぎに感じる・・)

本作の高評価は中盤9話からの主人公にスポットをあてたシリアスなストーリーにあるでしょう。
ただ、そこからでも私には、登場人物達の言動が、主人公に都合が良すぎるように感じたり、リアリティに欠ける気がして、物語に入り込めずに観ていました。
しかし、17話からです。
続く18話19話まで、そんな事が気にならないくらい引き込まれました。
美しい作画と絶妙の演出。効果的なBGM。声優さんの円熟の演技。
そうして紡がれる父と子の感動の場面。
私の少ない映画視聴歴では、「ライフ、イズ、ビューティフル」「クレイマー、クレイマー」と同じくらいアニメで泣けました。

もし、キャラクターデザインが好みでないと視聴をためらわれたり、序盤を観てつまらないと断念されてるなら、ここだけは観て欲しい。
観て損はないと断言できます!
そこで、17話~19話の約1時間くらいなら観てもいい思える方のために、それまでのあらすじを以下に置いておきます。
(あくまでも、部分限定視聴用なので、個人的アレンジへのクレームはご容赦ください)

あと、これだけはお伝えしておきます。
続きが気になっても21話は観てはいけない!
せっかくの感動を台無しにするどころか怒りを覚える可能性があります。
このレビューの冒頭に述べた、両極端な私の感想はそこにあります。
もし、続きが観たいなら、最終22話はアナザーストーリーとしてご覧になってください。
(番外編のアナザーストーリー、会長編と姉妹編は良かったです~♪)

1期~2期16話までのあらすじ
{netabare}
幼い頃に母を亡くした主人公、岡崎朋也(ともや)は、高校に進学する頃から働かず酒に溺れるようになった父、直幸(なおゆき)との喧嘩による怪我で、スポーツ選手への夢を断たれ、すさんだ高校生活を送っていた。
ヒロイン、古河渚(なぎさ)は、体が弱く高校を休みがちで友達もできず孤独で寂しい日々を過ごしていた。
そんな二人が出会う。
渚は、朋也を通じることでたくさんの友達ができ、朋也の応援で諦めかけていた憧れの演劇の舞台に立つことが叶う。そして、自分に勇気と喜びを与えてくれた朋也に懸命に尽くしていく。
一方、朋也は、渚の暖かい思いやりに救われ本来の優しさを取り戻し、渚の夢に向かってひたむきに努力する姿を見て更生していく。
卒業後、朋也は電気工として働きだし、仕事での飛躍のチャンスを得るが、またしても、罪を犯した父親の検挙で挫かれてしまう。その時、自暴自棄になりかけた朋也を、励まし支えてくれたのも渚だった。
朋也は渚のために生きることを誓い、2人は結婚する。
慎ましくも幸せに暮らし始め、ほどなく渚は身籠る。
体の弱い渚の出産に朋也は不安を感じたが、渚には、愛する人の子供が欲しい母性に加えて、どうしても産みたい理由があった。
母親の愛情を知らずに育った朋也に家族の暖かさを与えると共に、朋也が親子の愛情を感じることで、いつの日か、愛する朋也を育てたその父親との絆を取り戻してあげたかったのだ。
しかし、その想いも虚しく、新しい命、汐(うしお)と引き換えに、渚は命を落としてしまう。
あまりの喪失感で気力を失った朋也を見かね、渚の両親である古河秋生(通称おっさん、アッキー)早苗(さなえ)が、汐を引き取り育ててゆく。
いつの日か必ず、娘に明るさと希望を与えてくれた朋也が立ち直る事を信じて・・・
{/netabare}
本作9話以降のストーリーについてネタバレ感想です。
{netabare}
朋也が卒業後、シリアスになる物語。
社会人として働きだす姿はリアルでいいんです。
だけど、メインヒロイン渚の描き方が馴染めない。
薄幸そうに見せる為だけのような学園生活。男子にとって都合の良すぎる従順な女性像。さらにあの体で自宅出産を言い出すなんて、ただの痛い子に見えてしまう。
そして、あの程度の見立てで、渚と話すシーンもなく、危険な出産を渚の意思に委ねる両親も説得力に欠ける。
だから16話まで観ても、悲劇を見せて泣かせたいだけに思え、逆に泣けませんでした。

しかし、17話からです。
冷静に観れば、朋也が5年も育児放棄したり(仕事が出来ないほど病んだ訳じゃない)、汐も5歳にしては幼すぎたり(「一人で出来た」は2~3歳くらいまで)いろいろリアリティーに欠けるんですが、そんな事は気にならないくらい、ある描写に引き込まれました。
それは、警戒感、好奇心、悲しさ、寂しさ、次々と訴えかけるような、
朋也を見つめる汐の眼差しです。
この作品のキャラ画の特徴である大きな瞳は、この子の演出の為だけにあったと思えるほど、父親の言動や行動を見つめる瞳が何度も描写されます。

徐々に伝わるその瞳の奥の純粋な思い。
「ママの事はパパに聞きなさい。」
「パパに初めて買ってもらった物だから。」
「泣いていいのはトイレとパパの胸の中だけ。」
古河夫妻の教えで、この子にとって朋也は、ほとんど会いもしてくれない父親なのに、甘えて頼っていい唯一の人であり、いつかそう出来ることを幼な心に待ち続けていた、その一途な期待が宿った眼差しだった!
その幼児の純心さに、あまりにも不憫だと感じると同時に、朋也が懺悔し改心したことで、この子が救われた事に無上の喜びを得れる瞬間。
暖かいオレンジ色の光に包まれた花畑のシーンは感涙です。

続けて、帰りの列車内で、封印していた渚との思い出を語りだしたシーンでも、美しい夕景とフラッシュバックする回想、情感を掻き立てるBGM、そして、朋也を見上げる汐の涙の瞳!
たとえあざとくても、この眼差しを加えたトリプル演出には何度観ても(このレビューを書いてる今でも)泣かされます。

この一連のエピソードには朋也とその父親に関しての描写も胸を打ちました。
汐が無くしたロボットを探す中、デジャブを覚え導かれるように向かうその先で待っていた祖母からの話。
自分と同じ境遇でありながら苦労して育ててくれた父に思いが至る回想。
父親への思いを改め、父親としての自覚に目覚める、目まぐるしい感情が詰め込まれているのですが、私にはストーンと胸に落ちて、もうここから涙が込み上げました。
私は中学から母子家庭で育ちましたが、父親でも母親でも1人で子育てをするのは大変な苦労を伴います。仕事と育児のストレスで倒れ社会生活に支障をきたす事も十分にありえます。(犯罪はいけませんが・・)
また、個人的に、私も父に対して嫌悪感を持っていました。しかし、自分が父親となり過ごしていくと子供に対して不甲斐なく感じる事も多く、また、父とのわずかでも楽しかった思い出もよみがえり、父への感情も変わってきたからです。
続く19話も、朋也が父親と和解する光景に私は深く胸が震えました。
ラストの見送りで汐が見上げる光の玉が、渚の想いの成就に見えた感動とともに、私自身、他界した父に果たす事の無い理想を観れた思いがしたからです。
自分は最期まで父に歩み寄れませんでした。
身勝手は承知でも、今は反抗期の子供達と良好な関係を築きたいと願ってやみません・・・

考察なんて言えない私的な理由ですが、この三話だけは、自分にとって人生を振り返る事になり「クラナドは人生」が大袈裟ではなかったと感じた次第です。
{/netabare}
個人的な不満。ファンの方は見ないで頂くように伏せます。
{netabare}
21話だけは酷いを通り越して腹立たしい。

長く退屈にも感じたストーリーも終盤で一躍、感動の傑作だと思え、後は「うさぎドロップ」のような希望の未来への余韻にひたれるものと安心していました・・・

なのに、あろうことか、唯一その登場から感情移入できたキャラクター、汐が死んでしまいます。
否、製作サイドに殺されます。
それも父親にとどめを刺させて・・

何故あそこで汐が死ななければいけないのか。
悲劇を描く事で、その後の奇跡がより感動的に見せれると、安直に考えているとしか受けとれず、視聴者をバカにしているとしか思えない。
初見時、奇跡が起こる最終話も、あまりの喪失感と怒りで、17話冒頭の朋也の如く、ポカーンと観てました。
後日Wiki等で作品の解説を調べると、ゲームの奇跡エンドを迎える為の攻略のピースに汐の死が必要なのだと知りました。
だが、アニメのシナリオだけでは必要性が全くわからない。
原作ゲームの販促を考えるなら、21話以降は原作のファン向けにOVA等で発信し、ゲームには未放送のエンディングがある事だけ知らせれば、アニメから作品に触れた人の購入増がもっと見込めたのではなかろうか?

現実には、罪のない無垢な命が奪われる悲しい出来事を見聞きし、辛い思いをする事は多々あります。だが、楽しむための映像コンテンツで、意味のない子殺しほど、胸糞悪いものはない。お願いだからやめて欲しいです!
{/netabare}
声優さん
{netabare}
やはり私が特筆すべきは、あのシーンを演じたお三方。
まず、声優としては当時でも最高齢かもしれない麻生美代子さん。あの風格ある語り口があったからこそ、より回想に重みが増し、感動に引き込まれたのでしょう。
そして、これまた20年以上のベテランこおろぎさとみさん。舌足らずで少しもどかしく聞こえる声は、幼児の純心を表現するのに最適でした。
最後に、中村悠一さん。私は、本作より先に視聴した「君に届け」「俺妹」からお気に入りの男性声優さんでした。でも、それより以前に、こんな感情のほとばしる、ベテランに負けない神演技をされてたとは!現在でも第一線で活躍されてるのが頷けます。

音楽

LiaさんのOPがいい!歌声・曲調ともに美しく、作品の感受性を高めていたと思います。
また、劇中のBGMや挿入歌も良いものが多いです。
欲を言えば、18話のエンディングだけ、Liaさんの歌声が入ったBGM「願いが叶う場所」を使って欲しかった~(曲だけで泣けます♪)
曲とは無関係ですが17話のエンディングの繋ぎも鳥肌でました!

最後に

最近、立て続けに感動させられた京都アニメーションさんの初視聴作品として、私に良くも悪くも強烈なインパクトを与えてくれた作品であり、今更ながら、纏まりのない拙いレビューを書きました。
長々と感情垂れ流しで、ただの憂さ晴らしのような書き方にもなり、読まれて不快に思われた方にはお詫び申し上げますm(__)m
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 24
ネタバレ

Key’s さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

とても感動できる作品♪

あらすじ

2学期が始まった。
朋也たち3年生はそろそろ進路を決めなければいけない時期だが、
朋也は自分の将来が見えないまま、
相変わらず渚の家に居候していた。
そんな中、秋生が隣街の商店街チームと野球の試合をすると言い出す

そしてだんだんと
卒業に近づいていき
みんながそれぞれの道を歩き始める

そして朋也や渚に
さらなる過酷な運命に
立ち向かうことになる



感想


文句なしに面白いと思います
音楽、作画、声優どれもよかったですし
何よりストーリーが良くてとても感動しました
特に18話では泣いてしまいました
BGMが効果的なタイミングで使われていると思います

話は完全に一期のCLANNADの続きなので
一期を見てから視聴してほしいと思う
高校生活の終わりの方と社会人としての
生活が主なストーリーですね


1期と比べるとより絞られた
1つのテーマで物語が進行しているように思いました。
アニメでこれほど、、というより今までに見た
どんなドラマや映画も超えてしまう程に泣きました。


ジャンルは個人的には
恋愛ものではなくテーマである「家族」や
「人と人との繋がり」を描いたものだと思います。
特に後半は毎回涙しながら見てました。
作画のクオリティの高さはさすが京都アニメーションです

泣かせ方としては相当あざとい手法を用いていますし
感動と同情の押し売り感が半端ないですが
わかっていても泣かされてしまいますw
でも人によっては萎えたりして泣けないかも知れないですね

1期よりもギャグは少な目になっています
1期の時も書いたかもしれませんが
作画というかキャラデザが
万人受けはしないんでしょうね
好き嫌いが分かれるかもですw


key作品のほとんどに言えることですが
日常生活のなかにファンタジー要素が組まれている為
いや、ありえないだろとか思う時があります。

感動させようという演出がベタでみえみえなのですが
何回見ても感動しますし、BGMの力が強いと感じます。
主人公の気持ちにあった曲調を選択している
シーンや音楽の入り方が本当に秀逸で
後半はずっと涙腺崩壊してました

最終回あたりは結構展開が早いです
原作をやってないとどういう事なのか、
なんであの演出にしたのかわかりずらいかもしれません
意味が分からない人もいると思います
その人の為に下の方に解説を
書いてみたのでよかったら読んでください


でも全体的に見て上手くまとめてると思いますし
原作やってなくても充分感動できると思います
伏線や謎を最後に丁寧に回収し、
そしてあの終わり方で締めたということにあります。
演出も凄い良かったです。


人との絆が――当たり前に、
普通にあることがどれほど尊いのか、再確認しました。
世界は悲しみに満ちているけれど、
だからこそ美しい想いで溢れている。
このアニメーションの中にはそんなたくさんの想いが
詰まっていると思いました。

演出面は時間の表現が上手いです。
移ろう季節に合わせて変化する関係性が、
青年期を終え大人になりそして親に至る過程が、
巧みに緩急をつけて描かれ、見ていて飽きませんでした


ぜひ一度は見て欲しいオススメ作品です!



少しここからは
物語のわかりにくい所を
説明をしようと思う
ネタバレなんで隠しておきます
まだ全話見てない人は見ないでください
{netabare} ~


幻想世界の存在意義について

何も生まれず、何も死なない世界・・・。
それが『幻想世界』
CLANNADという物語を理解するためには
『幻想世界』の解釈が不可欠であり、
いくつかの疑問点を解消しなければなりません。

そしてまずは
幻想世界の少女は汐、
ガラクタ人形は朋也です。
そこを理解したうえで読んでもらいたいです

幻想世界は、朋也たちがいる世界と同じように進んでいく平行世界です。
渚と朋也・少女とガラクタ人形(元々は光)の出会いから始まり、
学校卒業・あの小屋にとどまるだけの世界からの卒業、
社会人になって一人立ち・旅に出る…という風に。

そして、朋也と渚・汐の関係が、
ガラクタ人形と少女の関係に置き換わっただけですし、
渚が死んだ後は汐に引き継がれたので、
人形と少女の関係は変わっていないんですよね

また、渚は幼少時に死に掛かったときに、
町を愛する秋生があの場所へ連れて行き、そこでの願いを町が叶え、
町そのものである少女が渚の半身となることで
生きることが出来たわけです。

その後、町の自然が奪われていったり、
単純に冬になり緑が減るような時期には町が弱るのか、
渚が発病してしまいます。
汐も同じですけどね。
アニメでは冬に渚が動いていたかどうか覚えてませんが、
恐らくは冬に元気な状態の渚はほとんどいなかったはずです。

何で渚と汐は助かったか?

改めて考えてみると、恐ろしく説明不足な部分でした。
アニメの各話のタイトル画面で光が表示されていますが、
これは登場キャラクターたちの願いが叶ったりしたときに
増えているはずです。
そして、幻想世界で見える光は、町の人たちが幸せを願う想いでした。

こうした光が集まったことで、
想いの力が少女を動かして奇跡を起こす…と書くと、
やはりもの凄くご都合主義に思えてしまいますよね…。

ゲームではもっと長いし、秋生や早苗さんのエピソードもあったので、
もの凄く色んな幸せな風景を朋也が作る手助けをして、
長い長い道のりを歩いてきて、
最後はああいう結末(汐との旅行)になってしまったわけですけども、
頑張ってきたご褒美みたいな形でトゥルーエンドもあったのかな?
と思うのです。
アニメではその辺を納得させるところには至らないですね

朋也と汐の旅行が終わった世界と、
渚たちが助かった世界との関係は?

これは、ゲームでは明確にループしていましたから、
パラレルな世界と言い切れます。
ただアニメでは、結局どこの選択肢でも間違えていないわけですし、
見た目では一本道なのにいきなり時間が戻った?って
驚く展開になってしまってます。

ゲームでは、最初は絶望した朋也が「渚と出会わなければよかった」って
回想するときに選択肢自体が現れず「出会わなければよかった
→抜け殻のような生活」という流れが自動だったんですよ。
アニメではそういう演出自体がありましたっけ? で、汐編まで終わり、
各シナリオでの必要な光を集め終わると、
渚が汐を出産するシーンで「出会わなければよかった?」となる場面で
選択肢が現れ、ようやく奇跡が起こり渚が生きるわけです。

その辺の説明がアニメでは為されていなかったわけなので、
わからなくて当然だと思います。
ですから、他のキャラのシナリオと同等に、
朋也と汐が倒れた世界も、渚が助かった世界も、
一つの可能性を示した別の世界とも言えるでしょうね。
この辺は、原作者がゲームならではの世界観や
シナリオの設定をしたために起こった弊害みたいなものだと思います


{/netabare}

長くなりましたがこんなところでしょうか? 
そもそもがアニメ化で良さが伝わらないだろ?!

と思っていた作品だったので、
むしろこれだけ新規でCLANNADに触れてくれる人が
多いこと自体が感激しているんですけども。

ただそんなご新規さんが読後感悪く去ってしまうのは惜しいんで
僕なりに解説をしてフォローしてみました
これを読んでまたCLANNADをぜひ見直してほしいです

投稿 : 2024/06/01
♥ : 237

84.9 2 親子で恋愛なアニメランキング2位
Kanon カノン[京都アニメーション版](TVアニメ動画)

2006年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1833)
10354人が棚に入れました
静かに雪の降り積もる北の街。高校2年生の相沢祐一は、両親の都合で、7年前によく訪れていた北の街に住む叔母の家に居候する事になった。従姉妹の名雪とも7年ぶりの再会になる。名雪に街の案内をしてもらっていた祐一は、月宮あゆという少女と出会う。そして偶然知り合ったにも関わらず、追われているという彼女と一緒に逃げる羽目になってしまい…。

声優・キャラクター
杉田智和、堀江由衣、國府田マリ子、田村ゆかり、佐藤朱、飯塚雅弓
ネタバレ

pop22 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

2018年再度見直し中

{netabare}ここのレビューを読んでいて、
この作品についてほとんど覚えてないことにショックを受けた。
つまらなかったならば覚えてなくても、衝撃を受けないのだが、
Kanonはかなり感動した記憶は残っていたので、そら恐ろしかった。
2018年に見直してみることにした。

おっさんになると、
新しいアニメを見るより、
面白かったアニメを2度見る方が
良い時間の使い方ではないかという
枯れた人間の守りの姿勢も出てきたので丁度良かった。

▼当時の印象
コテコテのお涙頂戴展開だったけど、
キャラに愛着を持つと一気に引き込まれて感動した記憶が残っている。{/netabare}

▼2018年見直してみた感想
●1話
しょっぱなから電流走る。
当時は何も疑問を持たずに見てたはずのキャラデザが、
最近の萌えデザに慣れてしまった今、見ると、

目でかすぎ!目が離れすぎ。たれ目がたれすぎ。
(鍵っ子、ごめんね)

京アニじゃなかったら作画崩壊を疑っていた。
もう、ハルヒとか見れないな…

しかし、それも最初だけで、
1話のうぐぅが登場する頃には慣れており、ほっと一安心。
    ↑こういう覚え方してるから忘れるんだろうな。
これから見る人は耐巨眼衝撃装甲を装備してから見ることを勧める。

麻枝お得意の頭の弱いキャラ(うぐぅ)を見て、
昔から芸風が変わっていない点にほんわかする。
不覚にも麻枝に萌えた。
ヒロインでは無く何故か麻枝に萌えた謎の1話だった。

●2話
日常パートと新キャラ紹介のターン。
感動に至る前に日常パートが短いと、
唐突に感じ、
長いとダレル(クラナドは3クール日常できつかった)。
確かKanonはその塩梅が丁度良かったと記憶している。

●3話
主人公が叫んでるシーンで気付く。
銀さんと同じ声優じゃん。←遅い

うぐぅと大切なもの探し。
↓聞くに堪えない愚痴
{netabare}うぐぅ、マジで天使なんじゃないか。
背中の羽、飾りじゃなく、本物だったり。
OPの翼といい、鍵作品だし確定かな。
やばい、全然覚えてない。
こうやって、見ている最中にすぐ考察して、
ああ、やっぱりね、とか、そっちで来たか、とか、それは無いわ、
みたいな残念なことをやってるから、
驚きが無くて印象が弱く、覚えてないのかもしれない。
悪癖すぎてワロタ。アニメ人生、損してる。
だから最近は、何も考える余地のないアニメが楽しく感じるわけだ。

とりあえず、あうーがまことだと覚えた。
こういうイベントがあると覚えやすい。
やばい、同居人、秋子さんともう一人、だれだっけ。
全然、名前覚えてない。
うぐぅの名前も覚えてない。
短髪黒髪も分からない。
釣り目は知ってる。
舞が主人公の同人アクションゲーやってたから。

全員、公式サイトで調べた。
この作業は必須なのか。
ヒロインは名前を10回叫んでから始まるアニメを要求する。
もしくは毎話の各初登場時は下に名前の字幕を義務付けて欲しい。

みんなヒロインの名前とかどうやって憶えているんだ。
登場シーンだけじゃ無理だろ。
記憶力チンパンジーの俺に教えて欲しい。 {/netabare}

●4話
まことと不毛な争い、凄くいいな。

ゲスな大人になると水瀬家の財源が気になる。
富豪の親の遺産、夫の保険金、ゲスな想像がはかどる。

●5話
エロ本事件良かった。
{netabare}いくらまことが記憶喪失でもエロ本知らないのは変だ。
何かの伏線か。
なんか{netabare}狐{/netabare}的な話、思い出してきた。
悪癖が首をもたげたので思考を強制シャットアウト。{/netabare}

●6話
{netabare}まさかのうぐぅいじめ。
うぐぅの頭が弱いことをいいことに散々いじりまくる。
そして別れ際、楽しかったよ、の一言でうぐぅ上機嫌。
エロゲのヒロインがいくら男に都合の良い存在としてもやりすぎだ。
時代だろうな…
ここは素直にありがたく拝もう。
冗談抜きで、その内、このレベルのヒロインは絶滅するかもしれない。
うぐぅは俺が保護しよう。よし、解決。

お気に入りキャラになりつつあったまことが
お風呂の湯を味噌汁にする。
秋子さん、強く叱る場面で叱らないのは
優しいのとは、また何かが違う気がする。{/netabare}

●7話
{netabare}まことの異常性が如実になってきた。
ここまでいくと悟ってしまう。
こ、これは、ついに来るのか、怒涛の展開が、まこと√が。ざわざわ。

猫に肉まんを分けるシーン。
マジな話、人間の食べ物は塩分高すぎて猫の体に悪い。
なんでこういう細かいことが気になるんだろう。
重要なことは忘れまくるのに。{/netabare}

●8話
ヤバス。感動の下ごしらえが始まった。
まことへの愛着を深めるための怒涛のまことラッシュが来た。
なんか結末想像して、もう感動して来たんだが。
9話まで耐えるんだ、俺。

●9話
これでもか、これでもかと感動攻撃がつづく。

{netabare}俺、もうダメかもしれん。
せっかく感動のシーンに突入したのに、
頭の中は、
まことに尺かけ過ぎじゃないか、
大丈夫なのか、え~と、残りのヒロインの数掛ける~、みたいな
糞みたいな計算しだした。
我ながら駄目過ぎる。
お前、何が楽しくてアニメ見てるの?状態。
原因は娯楽モードに頭の切り替えができてないからだろう。
気を付けなくては。
このままではKanonが感動アニメでなく、
自分がいかにウンコ野郎なのか知らしめるアニメとして記憶に残りそう。{/netabare}

●10話
{netabare}まことが段々、退化していき、
自分の名前すら中々思い出せない辛いシーン。
「お名前は?」
「ま!」
 ↓コンマ1秒後、頭によぎった単語は
〇コ!
9話で自分を戒め娯楽モードに切り替えたそばからコレだよ。
もう、開き直った方が楽かもしれん。

再三にわたる天野の死の宣告のせいで
覚悟は完了しており、
最後の瞬間に涙は出なかった。
消える瞬間も一瞬だったし、
悲しいというより切ない感じの最後だった。{/netabare}

●11話
舞の日常パートメイン。

{netabare}主人公の質問無限ループ攻撃に対して
名雪が顔面に無双正拳突きかましてたら完全に惚れてた。{/netabare}

●12話
天使のぬいぐるみ登場。
{netabare}判決、うぐぅ、天使、確定、執行猶予多分10話ぐらい。{/netabare}

{netabare}舞と舞踏会(どんな学校だよと突っ込んではいけない)が始まる。
「どちらからいらしたお嬢様で?」
舞が一瞬、赤面する。
俺も舞とパーリィしたい。
舞がパーリィし過ぎる。
俺も舞と×暴れたい
     〇パーリィしたい。{/netabare}
どうやら次は舞√のようだ。

●13話
北川爆上げ回。
{netabare}真のヒロインは北川だった。

犬に弁当あげるほんわかシーン。
人間の弁当は塩分多くて犬の体に悪い。あれ、なんかデジャブ。{/netabare}


●14話
舞の相方の不幸話。
{netabare}病院で弟と和解するシーンに感動。
鍵作品はいつでも仕掛けてくると分かっているのにやられた。{/netabare}

●15話
バトル回。
ちょっと待て、京アニ。
戦闘の演出、構図が凄くいいじゃん。
何故に2018年の作品である
ヴァイオレット・エヴァーガーデンの戦闘の方が糞なんだよ。
何故、こんなに退化した。
いや、退化というより戦闘の演出の技術を持った人が、
技術を伝承する前にいなくなってしまった、
と言われた方が納得するレベルだぞ。
原画マンを優遇して、演出家を冷遇して逃げられたのか。
この12年で何があったんだ。

{netabare}派手に壊れたはずの校舎がほとんど壊れてない。
ここに来て舞と主人公の幻覚説も浮かんだが、
それだとパーリィで壊れた窓の件が説明できない。
やばい、これ考えだすとドツボに嵌まるネタだ。
Angel Beatsで学んだはずだ。
そもそも答えなど無いパターンもありえる。
このネタはひとまず放置しよう。

幼少期の主人公の二つ名はフラグメイカーに違いない。
後、何本、フラグを立てたんだ。
後、何人、幼馴染がいるのだろうか。

舞、自決。
なんでやねんw
アニメだと心理描写がないから、意味不明過ぎる。{/netabare}

●16話
栞√突入。
主人公が少しジゴロっぽい性格になった。
ライター麻枝じゃないな。

{netabare}病弱来た。
舞√で舞の相方が姉と弟の和解ネタをすでにやっちゃってるんだが大丈夫かな。{/netabare}

●17~24話
栞の最後の扱いが雑過ぎてワロタ。
ある意味、ヒロインの中で一番不憫だった。

うぐぅ、天使じゃなかった。
これが一番ショック。

名雪√、スタート地点に立って終わった。
かなり気になる。

▼総括
最初のまこと√は良かったが、
他は特に感動しなかった。
当時見た時は感動したので、俺の心が病んでしまったのだろう。
多分、また10年ぐらいしたら忘れる。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「麻枝+いたる絵」三作品連続で観てみた

それは君のせいではなく自分のせいです。

一通りKeyの泣きゲー系列は踏破した感じ?
『CLANNAD』『AIR』ときて、締めはこちら『KANON』となります。

今回はあまり内容に触れません。


で、似てるんですよね。キャラデザ/音楽/シナリオ作る人一緒だし、こうして一通り観た後だと比較しながら総括したくなるところです。

一連の作品群は、

1.キャラデザインを不問にする
 ⇒俗称“いたる絵”。頭身低くして野球帽被せたらパワプロで使えそうな勢いです。
2.電波な女子を不問にする
 ⇒メインもサブもだいたいキツイです(当社比)。
3.リアリティには目を瞑る
 ⇒奇跡という名のご都合主義

こちらは少なくとも私の場合は、視聴する上で最低限のお作法でした。
そこまでして観る必要がないと判断すれば放置するか、どれか一つを手に取ってみて相性をはかってみる、が吉でしょう。
私はこれで3本目になりますので、そもそものところでは気に入ってはいるのです。


それで本作『KANON』です。
女の子につける名前ランキング2018年/30位。放送当時2006年/26位。となかなかの人気です。東映アニメーション版の2002年はデータがありません(明治安田生命版)。音の響きが素敵でリアル周囲での“かのん”ちゃん率けっこう高めです。え!?違う?
アニメの『KANON』は元ネタが“パッヘルベルのカノン”がモチーフということらしく、こちらは誰もが聴いたことある音の響きが素敵な楽曲だったり。
正式名称は「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジークニ長調」の第1曲。カノン自体は、輪唱のように複数の同じメロディーをずらして演奏する技法、またはその様式の曲のことです。身近なところでいえば“カエルの歌”。

{netabare}作中では佐祐理曰く
「同じ旋律を何度も繰り返しながら少しずつ豊かに美しく和音が響きあうようになっていくんです。」
「そんな風に、一見違いのない毎日を送りながら、でも少しずつ変わっていけたらいいですよね。」
だそうです。(第14話){/netabare}

複数のメロディーを構成する人達は以下の通り。けっこう多いんですよね。

相沢祐一(CV杉田智和) 主役
月宮あゆ(CV堀江由衣) うぐぅ たいやき 
水瀬名雪(CV国府田マリ子) 祐一のいとこ 
川澄舞(CV田村ゆかり) 魔物討伐
美坂栞(CV小西寛子) 病弱
沢渡真琴(CV飯塚雅弓) あうーっ 肉まん 
倉田佐祐理(CV川上とも子) 舞の親友。料理上手
水瀬秋子(CV皆口裕子) 名雪母
美坂香里(CV川澄綾子) 名雪親友
北川潤(CV関智一) ムードメイカー
天野美汐(CV坂本真綾) 不愛想

ギャルゲの宿命のようなもので、主人公祐一が女の子たちを単体撃破していくような体裁をとってます。標的はあゆ、舞、栞、真琴がコア。すでに3つのヴァイオリンの数を超えております。コアに準ずるサブとしては名雪が頭一つ出てますが、残りの女の子たちにも相応のエピソードを用意し全方向です。

欲張り過ぎちゃった気がしております。

尺は充分なので掘り下げが足りないことはなく、それこそ繰り返すメロディーが次第に美しい和音となって響いたかを注視してた私にとっては微妙でした。“名実ともにタイトル回収できたん?”についてイマイチだったということです。{netabare}例えば美汐は、真琴のエピソードが終ればお役御免でその後出てきません。{/netabare}
戦線拡げ過ぎちゃってにっちもさっちもいかなくなった大日本帝国のような印象を受けました。例えがアレですがね。


とはいえ泣きゲーの元祖とも言われた名作ゲームが元ネタです。やはり面白い部分は面白いのです。
季節は冬で舞台は北海道。『CLANNAD』が春、『AIR』が夏、と季節感を上手く取り入れたシナリオとそれを視覚に訴える作画で応えてくれた京アニの作画班。『KANON』においても同様です。
繰り返しですが、レビュー冒頭でのお作法をクリアすればヒット率は上がるでしょう。複数あるサブストーリー(個別エピソード)は良いお話がほとんどです。
ラストもハッピーエンドと言えるオチのつけ方をしてきましたし、サブストーリーのネタを集約しようと試みている節も確かにありました。このへんスタッフサイドの纏める苦労がしのばれるところです。


そうです。努力が垣間見えるのでした。
ゲームまで遡ればおよそ20年前の作品です。アニメとしては2002年の東映アニメーション版と先例のある歴史の古い作品です。
エヴァンゲリオンやハルヒなどその後の流れを作った名作同様、泣きゲーアニメ展開の始祖とされたのが本作。0から1を産み出そうとしたものです。その後、1から100を目指す作品が産まれその多くを目にしてきたな、というのが今なのです。
となると、それはクラシックカーを愛でる感覚に近い。スペックやユーザビリティは劣っていても当時の技術の粋を集めたものに憧憬を覚えるような感覚をこの作品からは受けました。後続の手垢のついた手法を考えなしになぞったようなものとは違うなにか。
よって自分はこの独自性を買い、評点に下駄を履かせときます。
戦線拡げたと文句を言うのは簡単ですが、同時にアメリカ、イギリス、ソ連、そして中華王朝に喧嘩を売るなんて芸当は到底できないことです(結局それかっ!?)。

個別展開が集約されてくるであろうリアル“カノン”な物語は他の作品で触れることにいたします。


■ちょい反省
“マンガ日本昔ばなし”のように捉えとけば良かったかも。
ガッツリファンタジーだけども示唆や教訓に富む各ルートの集合体。各々ばらけてても気にならなかったことでしょう。

■オマケ
パーティでの楽曲“ワルツ”はいい感じ。
別の作品で登場した{netabare}(『四月は君の嘘』で公生と凪が連弾した){/netabare}曲。聞き惚れてしまいました。



-----
視聴時期:2019年5月 



2019.05.26 初稿
2019.11.27 追記

投稿 : 2024/06/01
♥ : 55
ネタバレ

Key’s さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

Key作品の始まり 雪を見ると思い出す・・・

あらすじ

家庭の事情により北国「雪の街」の
叔母の家に居候することになった相沢祐一。
7年前には結構遊んでいたりして
友達と過ごしていたはずにも関わらず、
彼には当時のことが思い出せずにいた。
そんな中、彼はそこで出会った5人の少女達と交流を深め、
幼い頃の大切な記憶を取り戻していき
そして様々な問題と向き合うことになる・・・


※wiki引用


感想


東映版のkanonもありますが
そちらは見てないです

それと僕は原作やってますから
展開は知ってたんですが
それでもまた泣かされましたね


映像に関してはさすが京アニ
文句の付けようがありませんね
ほんと描写が細かくて圧倒されます

内容は、主人公が以前よく訪れていた
雪の降る町に7年ぶりに帰ってくる
そこで少女達と出会いその少女達との
不思議な物語を描くストーリー
全体的に綺麗で悲しい話がメイン。

シリアスな展開が多い中にも
コメディ要素でところどころにボケとツッコミがあり
それが結構笑えて良い


ただ色々なkey作品を見た後にこのアニメを見ると
少々インパクトに欠けるかもしれません。
しかし、1つ1つの話がとてもしんみりした気持ちになり、
心にグッとくるものがあります

何といっても、真琴ルートとあゆのラストが
切なくてめちゃくちゃ感動しました…

特に真琴は最初ウザい感じのキャラだと思っていただけに
ラストとの落差が凄く衝撃を受けた
あまのじゃくな性格も後半の感動に拍車をかけていた

本当は祐一ともっと色んなことを
したかったはずなのに
その性格のせいで出来なかった真琴と
ラストで、逆に素直になる真琴が
本当は最初からこうしたかったのだろうかと思い
切なくなりました…


それに原作をやってる方としては上手く
原作の全ルートをまとめてるなと思った


やっぱりKey作品の特徴として
作画というかキャラデザの好みはわかれるでしょう
それに他のKey作品でも書いたが
結末としてご都合展開とも思える
奇跡がやっぱり好き嫌いわかれるでしょうね

ですが、Key作品だけあって
やっぱりBGMやOPなどの音楽が非常に良く
切ない曲で冬の雰囲気に合っていて
Key作品の中で一番好きかもしれない


感動もできたし
充分楽しめたので良かった
東映版もいずれ見てみたいと思う



ここからは、いつも通り
解説・考察を書いておくので
見たい人だけ見てください
{netabare} ~

と、いってもKanonは他のKey作品に比べてそこまで
難しく無いと思うので
そんなに書くこと無いです


真琴の話ですが、
真琴はなぜ死にそうになったのか?

真琴は元々祐一が世話をした子狐で
再び出会うために人間に化けていました
そして化ける際に狐は寿命を
削っている様でその為に死んだそうです


また、ピロは真琴のお母さん、若しくは仲間だと思います
真琴がピロが財布を持ってきてくれた気がすると発言したり、
また、真琴が異変を起こす途中からピロがいなくなり
美汐が妖狐がたくさん集まると奇跡が起こるのかもしれない
そう言ってることから

ピロは真琴を救うため
仲間を説得していたのだと考察出来ます
そして、最後ピロと真琴が丘で
横たわっていることから
奇跡が起きて真琴は人間になれたのでは無いかと思います

希望的観測過ぎますかね?
でも、祐一の理想だとしたら
ここで、ピロがいるのは少し違和感を感じるので
私はこっちの解釈だと思っています

この奇跡は、あゆによるものか、妖狐によるものか
判断に困りますが個人的には妖狐のおかげだと
思っています



舞について、
この話が1番難しいかもですね

舞には、生命力を回復させる力があり
それで死にそうだったお母さんを救ったのですが
マスコミなどのメディアで紹介されてインチキや偽物と言われ
名雪達のいる町に逃げてきたんですね。


舞と祐一は10年前に既に出会っており、
祐一を引き止めたい一心で「魔物が来るから一緒に戦って欲しい」と嘘をつく。
まぁ、正確には魔物=建設会社だった訳ですね

さらに、祐一が自分から離れていったのは自身の「力」を
疎ましく思ったからだという舞の誤解が「力」を拒んだ結果、
「力」は舞から分離し、魔物として本当に舞に襲いかかる。
また、舞より祐一を狙うのも拒絶された原因が祐一だからでしょう

こうして、舞は自分の分身と10年間同じ場所(かつては麦畑で今は校舎)で戦い続けることになる。

魔物(=力)は自分の分身であるため、
魔物を倒すことは舞自身を傷つけることになる。
舞は魔物の正体は主人公に聞かされるまでわからなかった様だが、
最後の一体を倒したら自分も死ぬというのは経験的に理解していたため、
主人公の前ではあえて止めをささず、牛丼を買いに行かせることで主人公を遠ざけた後、相打ちする気だったと思う。

もう一人の「まい」(=力)である。それによって主人公は昔の記憶を思い出し、事の顛末を舞より早く理解し、その後止めをささんと教室に入った舞を制止する。
そして、舞に全てを思い出させ、誤解を解くべく説得する。それでもあくまで「力」を拒否する舞に対し、「力」を含めた舞の全てを受け入れると語りかけ、佐祐理と三人でもう一度やりなおそうと提案する。

自殺を図った舞ですが、
これは2人に迷惑をかけるくらいならという思いがあったためだと思います。
また、舞は力を受け入れることで、傷は塞がり治りましたね。

そして、最終回ですが佐祐理と舞が退院してましたが
佐祐理さんの回復はあゆの奇跡の恩恵なんでしょうね

{/netabare}

どのキャラも大概最後は
あゆの『奇跡』で救われる
Kanonはまさしく奇跡の物語であったと思う

投稿 : 2024/06/01
♥ : 91

67.8 3 親子で恋愛なアニメランキング3位
だぁ!だぁ!だぁ!(TVアニメ動画)

2000年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (129)
970人が棚に入れました
光月未夢は中学2年生の女の子。両親が仕事でアメリカのNASAに行くことになり、母親の知り合いである平尾町の西遠寺家に一人預けられることになったが、西遠寺家とは西遠寺というお寺だった。しかも、その西遠寺の住職である西遠寺宝晶がインドに修行に行ってしまい、宝晶の息子で未夢と同い年の男の子西遠寺彷徨と2人きりで暮らすことになってしまった。そこに、地球から120億光年離れた『オット星』から、超能力を持ったオット星人の赤ちゃんルゥと、ベビーシッター兼ペットのワンニャーが小型UFOに乗って現れた。ルゥとワンニャーはオット星で時空のひずみに吸い込まれ、西遠寺まで飛ばされてきたのだった。未夢と彷徨は、UFOが壊れ自力でオット星に帰ることのできないルゥとワンニャーを、西遠寺でお世話することになり、こうして3人+1匹の生活が始まったのだった。

とってなむ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ワタクシのだぁだぁだぁの視聴日記

【あらすじ】
両親が仕事でアメリカへ。
中学2年の未夢は母親の知り合いの寺へ預けられる。
その寺の住職もインドに修行へ。
残ったのは未夢と住職の息子・彷徨のみ。
今、二人きりでの生活が始まる!

・・かと思いきや

小型UFOが寺に墜落。
搭乗者はルゥ(宇宙人の赤ちゃん)とワンニャー(ベビーシッター兼ペット)。
4人?での生活が始まる!(今度こそw)


全78話。
少女漫画原作の日常系ラブコメです。
宇宙人いるから非日常、だとか言わない。

未夢役の名塚佳織さんの初主演作、彷徨役の三瓶由布子さんのデビュー作にあたるそう。
デビュー作から少年役とは、、流石というべきか。
お二方とも当時は中学生だったようですが、演技に関しては特に問題なかったですね。
寧ろ良かったと思います。


この作品、とてつもなく癒されます。
メチャクチャ好きなアニメ。
ルゥとワンニャーが可愛らしい。
変身の時の『ワンニャー!』の掛声が好きw

未夢と彷徨の中学生ならではのラブコメもホッコリしました。
こちらも可愛い。
彷徨は男キャラではかなり好きな部類です。
個人的ベストテンに入るレベル。

彼らを取り巻く周囲もいいキャラしてますね。
クリスちゃん、綾ちゃん、ななみちゃん、三太にももかちゃん。
それにみかんさん。
嫌いなキャラは見当たりません。
みんな可愛い!


作画は綺麗とは言えませんが、作品に合ったデザインで好印象です。



OP1「ハートのつばさ」 歌-中島礼香
OP2「Happy Flower」 歌-奈良沙緒理
ED1「BOY MEETS GIRL DA!DA!DA! Remix」 歌-TRF
ED2「ゆっくり」 歌-三重野瞳

ED1はプリティーリズムのPrizmmy☆のイメージが強かったですが、
こちらもいい感じでした。


――――――――――――――――――――――――――――――


温かい作品でした。
作品に流れる雰囲気が素敵なんですよね。
少女漫画原作やっぱ好きだなぁ。

78話でも足りないくらい。
もっと観ていたかったです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19
ネタバレ

たこすね さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ハチャメチャあり、感動ありのラブコメ決定版!

私が初めて「このアニメ好きだ!」って思った作品です。
私にとってアニメ、ラブコメの原点です。
ハチクロやとらドラなどJ.C.Staffのラブコメ路線の原点でもあるのではないでしょうか(カレカノもあるかもしれませんが)。

78話あります!(^^;)
お決まりのひょんなことから男女2人が同居することになるうえに、宇宙人の赤ちゃんまで入り込んできての共同生活で物語はスタートします。
ちなみに主役は当時10代の名塚佳織さんと三瓶由布子さんです。

毎回宇宙人が襲来してのハチャメチャカオスだったり、家族のことを描いたしんみりする話だったりいろいろです。
回によってのテンションの落差が激しいです。
本筋とはあまり関係ない話も多いですが、数多くいる登場人物それぞれをメインに据えた話があるので、それぞれの登場人物の背景がよくわかります。
いろいろな登場人物が、コミカルな場面でもシリアスな場面でもそれぞれの魅力を発揮します。

長い長い作品ですが、じっくり観てみるのもいいのではないでしょうか?
と、言いたいところですが現在観る手段がなかなかないですね・・・
私もまた観たいのですが(T_T)

{netabare}
いろいろお約束ネタがありますね。
クリスちゃん(笑)
わるわる団(笑)
宇宙からの侵略者であるわるわる団より、戦車並みの戦闘力を持つクリスちゃんのほうがはるかに脅威です。

ワンニャーの残念さもいいです。
基本的には有能なので、うちにも欲しいなと思います。

望くんも当初かなたのライバルっぽく登場しますが、あっという間にネタキャラになりましたね。

未夢とかなたの両親の話はしんみりしますが、引き込まれて考えさせられます。
本当にいいドラマをしているなと思います。

最終回近くは別れの時が刻々と近づいてくる感じがして、とても切なかったです。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

nakagi rin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「家族」って、血が繋がっている人たちのことを言うのでしょうか。

「だぁ!だぁ!だぁ!」
ただひたすら、懐かしいですね。
原作は川村美香先生による漫画作品です。

両親が仕事でNASA(宇宙のやつ)に行ってしまった光月未夢が、母の友達の西遠寺家へ預けられるところから物語は始まります。
西遠寺に住んでいる同い年の彷徨とあわや二人暮らしになるかというところに、宇宙から赤ちゃんのルゥ君と猫型ベビーシッターのワンニャーが転がり込み、今までの彼らの日常は一変します。

最初はみんな赤の他人でした。
母親が友達なので、未夢と彷徨は子供のころに会っていたりするのですが、覚えていないのであれば、それは初めましてです。
宇宙から来た赤ちゃんとベビーシッターなんて知る由もありません。
だけど家族になれる。
出逢いの縁は、時として血縁すら凌駕して、替えの利かない関係になる。
子どものころに見ていたアニメも、時間が過ぎてから見返すと、受ける印象が随分と違ってくるものなのですね。

お話自体は重いものではありません。
非常に明るいコメディタッチで、飽きることなく見られました。
たまに挟まる、未夢と彷徨の互いを意識したシーンもまた良い!
70話ちょっとと時間はかかりますが、見て頂けたら嬉しい限りです。

以上、感想でした。

P.S:NHKさんに最大限の感謝を。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

74.5 4 親子で恋愛なアニメランキング4位
神様になった日(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (750)
2211人が棚に入れました
高校最後の夏休み、大学受験を控えた日々を送る成神 陽太の目の前に、ある日突然「全知の神」を自称する少女・ひなが現れる。「30日後にこの世界は終わる」そう告げるひなに困惑する陽太だったが、神のような予知能力を目の当たりにし、その力が本物だと確信する。超常的な力とは裏腹に天真爛漫であどけないひなは、なぜか陽太の家に居候することが決まり、2人は共同生活を送ることになる。「世界の終わり」に向けて、騒がしいひと夏が始まる。

声優・キャラクター
佐倉綾音、花江夏樹、石川由依、木村良平、桑原由気
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

君には期待してない

ある夏の日。突然「30日後に世界は終わる」と告げる一人の少女が現れてのすったもんだ。
こういったへんてこなツカミは大歓迎。多少アニメを観てる層にはおなじみの『KEY×P.A.WORKS』のゴールデンコンビ。独特なクセの強さにハマるとこのコンビが翼くんと岬くんに見えてくるわりと業界でも成功しているカップリングでございます。
当然のように2020年秋期を牽引することを期待されてた作品だったといえましょう。


さっそくの結論。感想は“つまらない”であり、端的にその理由を述べると主人公がダメ。
その前提で以下長々と失礼します。


keyはわりとプロトコルがきっちりしていて前半のドタバタとおおむね3分の2終わったあたり(8話近辺)での超展開。救いなさげなネタを投じてからのやや前向きな内容で終幕。音楽は独自性ありで映像は綺麗。演出面で秀でてるなと感じるところ。
今回も手順は同様でした。悪い意味ではなく、笑点をマンネリだと眉を上げないのと一緒です。

そのため過去の自身の立ち位置が参考になります。これまでの評価は以下

 クラナド3.9
 アフター4.6
 kanon 3.9
 Air 4.2
 AB 4・0
 シャーロット3.9

面白い/普通の分水嶺を4.0に置いており多くがボーダーライン上なのです。アフターストーリーが突出してプラス。見方を変えればムラがないともいえる実績。
完走し良いほうに転ぶと前半のドタバタ劇は「あの時は平和だったよね」となり、パッケージ全体で落ち着くところに落ち着くのですが今回はそうはいきませんでした。
高い要求レベルを求めるとそもそもクールで一つはある4.3点以上の評価に届かないKey作品群。

 共通する弱みはなにか?

尺不足だと考えます。閉じてない群像スタイルの合う作風でキャラの増加は妥当。超展開を支える骨子の説明に時間を割くのも妥当。
そうするとどうしてもキャラの深掘りはできず説明不足に陥ります。ただしこれは構成上やむを得ない二律背反。超展開止めたらそれこそブーイングの嵐でしょう。工夫は見てとれ、尺を使うキャラの“心情掘り下げ”よりも、キャラの持つ“クセの強さ”でのインパクト狙いにやや軸足置いてますよね。

充分すぎる尺をとった『CLANNAD』や1クールなら登場人物を絞り気味だった『AIR』の評価が高いためより一層そう思ってるところがある私です。


 キャラの心情描写に期待してない
 1クールでそこそこまとめてくるだろう


そんな高すぎない私の期待値すら下回ったのは、ひとえに主人公陽太くんのキャラクター性に負うところが大きい。これは好みではないかと。
私が嫌いなタイプ

 {netabare}やる気のある無能{/netabare}

そのまんまでした。花江さんこういうのやらせるとほんとに上手ですよね。さらにさらに、好き嫌いはしょうがなくても作品評価に直結してしまったのには別の理由があります。

それは大黒柱の性格。好き嫌いじゃないですよ。これまではいくらメイン/サブ問わず歴代ヒロインがぶっ飛んでいても、♂は堅実に狂言回しするタイプを配置してたんだと思います。

【歴代♂】
 岡崎朋也(CV中村悠一)
 国崎往人(CV緑川光)
 相沢祐一(CV杉田智和)
 音無結弦(CV神谷浩史)
 乙坂有宇(CV内山昂輝)

下衆いの一人{netabare}(乙坂くん){/netabare}混ざってますがそんな彼すら当時それほど気にならなかったのは、みんな一歩退いてたり、やや皮肉屋だったりどこか冷めてるところが共通していて既視感があったから。
それが本作では前に出てくるタイプへと変貌を遂げて、バランス崩壊の決定打となりました。

いくら「そう来るか!」のびっくり要素がきても
終盤の泣き要素をかぶせてきても


※ネタバレ
{netabare}ひと夏の恋で廃人の人生を背負うと決意し行動するのが意味不明。{/netabare}
{netabare}ひな父のスタンスが至極真っ当できちんとそういった人も描けているのにどうしちゃったんだろう?{/netabare}


茶番劇にしか見えなかった此度のKEY×P.A.WORKSでした。
プロトコル変にいじっちゃって途端につまらなくなっちゃった例になるのかしら。
おそらく大喜利の特番なんかで座布団運びを山田たかおじゃないアイドルにやらせちゃったことで感じる「コレジャナイ」感に近しいもの。
なんだかんだいつもながらの壮大なマンネリを強く期待してたのは私だったのかもしれません。



※ネタバレ所感

■強く擁護する

腹を抱えて笑いました。牛乳飲んでる途中でなくてほんとよかった。

{netabare}第4話麻雀回。
「二色同順」「ドラ隣」「途中まで通貫」「喰い七対子」で腰を抜かす。
アガられるか?のピンチでスキップとリバース。UNOかよ!
やってることは無茶苦茶でルールを無視したゲームは成り立たないのは承知の上で、「二色同順ドラ隣ドラ隣(2300点)」でドヤられたのが心地よかった第4話でした。{/netabare}


■絆(余談)

10年前に感じた嫌悪感。覚悟無き善意の押しつけと言ったら妥当だろうか。

{netabare}奪還するために施設に乗り込むのは構わないんですけど、普通なら施設で療養を続けるべき事案です。
そんなのを超越する情が芽生えるにはひと夏の恋で説明するには強引と思うのは既述のとおり。
後日譚が描かれることはありませんしできません。単独での介護は不可能で必ず家族を巻き込む未来が見えてます。仕事の選択も限られるし仕事中誰が面倒みるの?とかそもそも高校生は養うための収入がありません。子犬を拾ってきてもおかんに「誰が世話するの?」となるわけだし、おかんに怒られるかもと拾う時に迷うものですが、そんなの描いてたら成立しない物語となってます。

リアリティはないし、ファンタジー路線ですら寓話にもならないんですよね。
キャラクターの弱みがもろに出てました。繰り返しますが“やる気のある無能”なんです。10歳満たない子供が同情心から衝動的に捨て犬を拾うことはあるかもしらんし、「毎日僕(私)が散歩に連れてく!」くらいの言い訳は用意するだろうに、それすら微塵も感じさせない高校生というのが自分には致命的でした。しかも犬ではなく人間だもの。

これは覚悟無き善意の押しつけです。
覚悟の定義にもよりますが、気合だけで思慮のない浅い行動をとることを覚悟とは言いませんよね。考えた形跡がなくヒロイックな気分に浸って酔ってるようにしか見えませんでした。{/netabare}


さらに10年前ということで刃をあなたにも突きつける。


{netabare}「絆」「私たちにできること」という機運が生じた10年前。
震災がれきの受け入れを拒否した人少なくなかったですよね。測定して数値がほぼゼロだったと言おうががれき撤去が進まず復興が進まないと言おうが、測定値が信じられないとか漠たる不安とかやらない理由をあげつらった善意の市民。
当時の東京都知事石原慎太郎が四の五の言わず「受け入れる」と決定したのに反感をもった方々もまあ同じ穴のナントカでしょう。文句言うだけの楽な商売です。某体操選手が言ったように「どうやったらできるかを考えてほしい」の数段前にいながらこういうのに限って似非ヒューマニズムをまき散らす。非を認めず他に責を求める。ついでに感謝の意を示さないと怒る。なんで被災した身ながらお前らの感動ポルノに配慮しなきゃいかんのよと思いましたね。
いまさら掘り返して怒る気もないし、日本全国動揺しまくってた時期だとの情状酌量もあるので「当時私はそう強く思ってた」というそれ以上でも以下でもないです。{/netabare}


同情が欲しいわけではなく関心寄せるなら適切な行動を取ってくれという事案。
身近なものなのに身近なものとして捉えることを拒否したアニメ作品と身近なものになった途端逃走した現実の出来事。
災難だったり不幸を目の前にして当事者意識がないのは一緒なのですよ。


プロトコルの変更(主人公♂)で生じたメッセージ(善意の押しつけ)への非共感で沈んだ一品です。



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ   

------


2021.01.31 初稿
2021.09.28 修正

投稿 : 2024/06/01
♥ : 57
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

神様の変容

酷評されてはいるが、一般人の感覚では十分楽しめる作品だったと思う。

聞くところによると、本作では「原点回帰」が目指されていたとか。
ゲームをしない自分は、Keyも麻枝准もよくは知らず、
アニメも「Charlotte」「Rewrite」くらいしか観ていないので
「原点」の意味するところは分からないのだが、素人の想像を逞しくすると
あるいは初心に帰って、シンプルで明快なテーマ性をもった人間ドラマを作ってみる、
そんな意図だったのかとも思う。本作には時間を生きる人間の自然な姿が描かれていて
幸福とは何かという、重要なテーマへのシンプルな答えも織り込まれている。

「麻枝准=泣かせ」といった予断を一旦クリアして
ごくありふれた、平凡なヒューマンドラマとして本作を観た場合、
一貫したテーマとして追求されているものが何であるかを考えてみた。


{netabare}ひな、陽太、伊座並さん。
この三人による恋愛コメディが展開される前半パートは
第五話の伊座並さん回で締め括られ、それに続く後半パートでは
ひなと陽太の二人に焦点が絞られるが、テーマ的な次元では前半部と連続している。

キーワードはおそらく、「変化」である。

前半部のひなは無闇矢鱈に周囲に変化をあおる存在だ。
世界の終わりが目前に迫っていることが直接の理由だが、
彼女自身、生まれて初めて普通の生活を手に入れることができた
その限られた時間を謳歌するためには立ち止まっていられないのだ。

ストーリーの軸となる恋愛では、子供時代からの固定した関係を変化させるに至らず、
実は陽太自身もそれほど強くは変化を望んでいなかったふしもある。
むしろそこから派生的に生じたエピソードに「変化」というテーマが濃厚に表れてくる。
ラーメン回などもこのギャグバージョンとして観られそうだ。
勿論、テーマが凝縮されているのは伊座並家をめぐる変化と再生の物語であって、
この第五話は後半への布石と見なすことができる。それは、この回で追求されたテーマが
後半部の陽太とひなの関係の中で再現されているからだ。
そのテーマとは、「苦しみながら変化を受け容れる」というものである。


後半、陽太は変わり果てたひなと再会する。

ひなを連れ帰るために自分たちのことを思い出させようとする彼の懸命の努力は
ひたすら空回りする。この部分のかなり誇張気味の描写が意図するものはおそらく、
まさに神レベルとも言える、ひなのドラスティックな変化を受け容れることができず、
逆に強引に元の関係を受け容れさせようとする陽太の苦悩の表出ではないだろうか。
本来の彼は高い受容性をもっている。それが時間の制限による焦りに加え、
ひなへの感情がすでに恋愛のそれに変わっていることから来る切実な想いが
この醜態を招いてしまっているように思う。


そして、陽太が強制的に退去させられる問題の場面。

ひなの記憶が戻るのはおかしいという点について自分はこう考える。

記憶が戻ったというのとは多分違うのだろう。
レビュアーさんの一人がいみじくも書いておられるように、
脳ではなく心に刻まれている感覚のようなものを想定してみたい。
記憶を失った人でも、特定の恐怖心などで以前の反応を示す場合があるように、
精神ではなく身体的な次元に残存する何かがあるはずだ。

このシーンが第九話の(反転した)再現であることに注意したい。
連れ去られようとしているひなを陽太が必死に追いかけようとした
あの時と同じく、陽太と引き離されて二度と会えなくなる不安をひなは感じていて
その時の恐怖と悲しみの感情がとっさに甦ったと考えられるのではないか。
だから、その同じ瞬間に陽太に対して抱いていた気持ちが同時に反復されて
「ようたすき。」という言葉がこぼれ落ちたのではないか。

「残ってたんだ、あの時の気持ちが。僕たちは今も想いあっているんだ。
 そんな気持ちもわからずに、そんな想いも僕は気づかずに・・・」

彼の自責の念は要するに、ひながとっくに彼を受け容れていたにもかかわらず
自分の方がそれに気づかずにいたということだ。だがそれも無理はない。
ひなにはもはや持続的な自我はなく、断片的な反応を示しているだけなのだから。
それでも、一個の人格の統合性は精神のみではなく、存在全体に関わるものである。
ひなは確かに、自分の存在のすべてを傾けて陽太を受容した。


記憶は失われても想いだけは消えずに残っていてほしい。
それはひなの最後の願いでもあった。
連れ去られる直前にひなはこう言い残していた。

「貴様と過ごしたこの夏は消えてなくなるが、今感じているこの気持ち、
 せめてそれだけは残っていてほしい。そう願うわしがおる。」

ここでさらにもう一つ、重要な要素がテーマに加えられる。
変化を受容すること。それが出来るのは、変わらないものがあるからなのだ。
そして、変わらないものを心に保つことは、さらに変わってゆくためでもある。
伊座並さん父娘にとってのお母さん、それから鈴木少年の束の間の学校生活。
それぞれがかけがえのない思い出を抱きながら変わっていこうとしている。
ひなにもまた、永遠に変わらない宝箱のような奇跡の夏の思い出がある。
作品冒頭で出会ったのは、それらの日々を回想しながら永遠の幸福感に包まれている
心象の中の現在のひななのだろうか。


人生の本質的な相貌である、「変化」の肯定。
これがヒューマンドラマとしての本作が内包するメッセージだろう。

無事帰宅したひなの変化を周囲は自然に受け容れる。
そもそも友人たちのほぼ全員が、直近に変化を経験している点がポイントだ。
陽太はさらに、ひなの変化をまるごと自分の人生に受け容れる決意によって
自分が変わるきっかけをつかむ。

だが、これは決して感動的な結末ではないように思う。
「奇跡は一瞬だから強く光り輝いて見える」とひなの父も言った。
神様ではなくなったひなには、この先の変化はもはや望めない。
陽太はその奇跡をもう一度起こすために自分の人生のすべてを賭ける決意をする。
これはある意味、ひなの父の予言が的中した事態とも言えるのではないか?
二人で夜景を眺めながら陽太がひなにかけた言葉は、ほぼ完全に
プロポーズになっていることに気づいてはっとした。そして見方によってはこれが
慄然とするような残酷なエンドであることを改めて理解したのだ。

終末の風景の中にただ二人だけがいて、荒涼とした世界と向かい合っている、
映画のこのエンディングは、二人の未来を暗示しているようにも思える。
あるいはゲーム原作者らしく、二つのルートのエンドを並置してきたのだろうか。
だとすればこれがこの作品の本当のエンドだと言っていいのかも知れない。
{/netabare}

(初投稿:20021.1.8)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 21
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

地に足をつけた神は、神か?

[文量→大盛り・内容→酷評系]

【総括】
P.A.WORKSの作画&演出×Keyのシナリオ(麻枝准)。
これは、『Angel Beats!』『Charlotte』と同じであり、期待値は当然上がる。

それが、、、少し足を引っ張ったかなという印象。これ、P.A.でもKeyでもなければここまで批判されてないかもですが、まあ、期待の裏返しと思って受け止めてほしいと思います。

個人的には☆3.5(65点)くらいで、そこまで悪くないアニメだったと思いますよ。作画は勿論綺麗ですし。ただ、この布陣なら80点は期待しちゃいますよね。シナリオが足引っ張っちゃった印象です。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
挑戦したいことは分かった。Keyと言えば、現実にファンタジーが混ざる、不思議な世界観が魅力。

しかし、本作では、おそらく意図的にファンタジーを廃している。一応、「ロゴス症候群」「量子コンピューター」など、空想的な要素は入れてますが、あくまで現実の延長線上にあるもの。

物語の結末も、「奇跡的な何かで、ヒナが全快してめでたしめでたし」とせず、リアルの範疇に納めている。これらは、「視聴者の予想を裏切る」結末だったが、同時に、「視聴者の期待を裏切る」結末になってしまったのは、大きな皮肉。

まず、「世界終了まであと○日」とさんざん視聴者を煽っておきながら、「ひなが病気に戻る」というスケールの小さなところに着地してしまった。あれは、視聴者の期待の斜め下をいってしまった。

予想を裏切るのなら、期待の斜め上にいかないと、そりゃ叩かれるわな。

陽太の行動やキャラクターも微妙。

このアニメは、ユーザーの平均年齢が高めのあにこれでは、特に評価されにくいと思う。

ヒナの介護の問題だが、私世代(30代中盤)にとっては、親や子のリアルと重なってくる。介護なんて、陽太が言うほど簡単なもんでも綺麗なもんでもない。

あれだけ恵まれた施設にいて、しかも回復の傾向があるならそのまま施設に預けるのが一番だし、その間に自らは勉学に勤しみ、量子コンピュータの開発に邁進すれば良い(ていうか、ヒナと陽太が過ごしたのは1ヶ月弱で、ヒナが施設で過ごしたのは半年くらい。むしろ、施設が家なんだよね)。

それをガキのヒロイズム振り回されてもね。大人の視聴者は引いてしまうと思う。

例えば、陽太の頑張りが認められて一時帰宅が許可→映画撮りきる→ヒナによい思い出が出来る→泣く泣く施設に戻す→Cパートで量子コンピュータ開発の感じを出す。くらいの流れなら、リアルの範囲内かと。

こんな難癖、「Angel Beats!」にはつけない。なぜならファンタジーなので、「感動」できれば良い。でも、本作は自らリアリティーに舵を切ったので、「納得」させなければならない。

基本的にこの作品は、ミスリードを狙ったけど、それが全部裏目って、騙しや肩透かしになってるのが残念なんだよな~。

まあ、全部を全部否定するわけじゃないんだけどね。

基本、ギャグパートは単純に面白かった。あのまま日常系ラブコメにしても良かったくらい。

キャラクターも魅力的。特にヒナは良かった。作画は勿論、バッチリですし。

メッセージ的にも、「佐藤ひな」という「ありきたりな名前」をヒロインに据えることで、「誰でも誰かの神様になれる」ということを伝えたかったのかな。

P.A.WORKSの「アニオリで勝負しよう」という姿勢は尊敬に値します。

最近、「P.A.らしくない作品」でコケていて、それはまあ「挑戦」と言えたので良いんですが、今回は「P.A.らしい作品」でコケてしまったので、ちょいと厳しいですね、ブランド力として。

残るはもう、お仕事シリーズだけですね。個人的には、P.A.には、「朝ドラのアニメ版」をつくり続ける制作でいてほしいんですよね。

レビュータイトル、「地に足をつけた神」とは、本作の「佐藤ひな」のことであり、「ファンタジーを使わないKey」のことです。

P.A.の良さは、「小さな世界を地味に丁寧に描くこと」だと思っているので、神様じゃなくていいから、地に足つけて地道にいきましょうよ。大河やハリウッドは、他の制作会社に任せて、P.A.らしい作品が観たいです。大好きな制作会社であることには変わりないので。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
ノリ突っ込み(笑) テンポが良いし、作画は流石。とにかく、シナリオが楽しみだな。

2話目 ☆4
佐藤陽菜(笑) アルマゲドンじゃねぇか(笑) 出発から帰還までが早い(笑) ギャグ展開からの素敵さへの緩急が良い。

3話目 ☆4
神のこめかみ(笑) 意外とちゃんとしたラーメンアドバイス(笑) なんか、また少し作風に変化?

4話目 ☆3
麻雀、ゲン担ぎ(笑) 印刷ミス(笑) 一色足りない(笑) 途中まで通貫(笑) 東西南北(笑) ドラ隣(笑) ポー(笑) もう麻雀じゃない(笑) うちらもオリジナル役作ったりしたけど、ただ、ちょっと悪ふざけが長いかな? 麻雀の時間は半分で良かったかな。また確かに、麻雀が話題にはなるわな。素人がフリテンとかけて上手いことなんか言えるか?(笑) あとは、このふざけた話が、どう伏線となってくるかだよな。それをやらないなら、駄作になるけど、PAだし、大丈夫と信じたい。

5話目 ☆4
母の話。前回からの落差がすごい。問題は、この色んな話をどうまとめるかだよな。

6話目 ☆3
型抜き=バーリトゥード(笑) こういう日常系のギャグ回はクオリティ高いよな。童貞を殺しにかかるほどのロリ(笑) それは普通に停められるんでない?

7話目 ☆4
映画撮影。なんだあの、ムダにすごい卵の作画は(笑)

8話目 ☆3
なるほど、ロボ的なあれなのなね。

9話目 ☆3
ちょいと性急過ぎるかな。

10話目 ☆3
今度はゆっくり。時間経過を。Keyコーヒー(笑) 

11話目 ☆4
かなりデリケートな問題。あれは機械との記憶。めちゃくちゃ正論だな。ただ、逆とも言えるな。ゲームは、脳には良さそうだけどな。

12話目 ☆
そんな、殴らなくても。なるほど、絵じゃないと。う~ん、家族愛より、恋愛の方がよかったかな? 
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 37

68.5 5 親子で恋愛なアニメランキング5位
アスタロッテのおもちゃ!(TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (831)
4640人が棚に入れました
就職活動中の直哉(ナオヤ)が謎の女性に連れてこられたのはなんと妖魔の国「ユグヴァルランド」だった!ナオヤはそこでロッテ王女の後宮(ハーレム)入りを命じられた。ワガママだけど実は寂しがり屋なロッテの素顔を知ったナオヤは、彼女のためにこの世界に残ることを決意する。人間界からナオヤの娘の明日葉(アスハ)もやってきて、親子と愛人がひとつ屋根の下で暮らす、奇妙な同居生活がスタートした。ところがナオヤたちの毎日は個性的なキャラクターたちの乱入によって、ハプニングの連続に!?

声優・キャラクター
釘宮理恵、佐藤利奈、田村ゆかり、生天目仁美、藤村歩、堀江由衣、鈴木美咲、チョー、皆口裕子、松来未祐、広橋涼、波田野由衣、後藤邑子、吉野裕行、阿澄佳奈、白石涼子、甲斐田裕子
ネタバレ

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ちょっとHなほのぼのファンタジー(77点)

全12話。
漫画原作。原作未読。

個人的満足点:77点
アニメ系統:ファンタジーハートフルコメディ

くぎゅ枠として視聴をした本作。
ツンデレサキュパス姫様「ロッテ」と子持ち人間、「直哉」とそれを取り巻くキャラ達による物語。

のっけから少々Hな展開で度肝を抜かれたのだが意外や意外、全体的にはほのぼのした話。
何というかあったかい気持ちになれる。

ロッテと直哉の関係など、よくよく考えればかなり危険な関係になっているのだけれども
そんなことは考えさせないような雰囲気が魅力。
ちょっとHな感じなんだけれど、下品さはなく見ていていやみを感じない。
ところどころHな話を挟みつつもあくまでほのぼの
ハートフルな話でほんわかほんわかといった感じ。

主人公のロッテのツンデレもデレ要素が多くデレるロッテが可愛い。
もう、ロッテ可愛いよロッテ状態であるw

また、直哉の娘である「明日葉」もなかなか魅力的。
中の人はゆかりんなので、くぎゅ&ゆかりんのからみもみどころ。

OPED曲も物語にマッチしていたと思う。
個人的にはこういうハートフルな話は好きである。
ほのぼのしたい方にはお勧め。


と、まあつまり
何が言いたいかというと

くぎゅうううううううううううううううう


-----------------------------------------------------

以下、これまでの各話の感想。
ネタバレ含むので
未視聴の方はスルーしてくぎゅううううううううううううう

-----------------------------------------------------

{netabare}
1話視聴。
のっけからお風呂回。
10歳の女の子にのっけから
男とちゅーちゅーしろとかなんとか(笑)
妖魔の国のお姫様の旦那探しかな。
今後の展開が気になる出だし。
2話以降の展開に期待。

2話視聴。
どこからミルクだすんだよ(笑)
そんなことはさておき
なんかよさそうな話になってきた。
アスタロッテの閉ざした心を
なおやが開けていくような展開かな。
今後も継続。

3話視聴。
なんかいいぞ。
ほんわかしてしまった。
こういう展開は悪くない。
そして今頃気づいた。
釘宮さんじゃないですか(笑)

4話視聴。
親子の切ない話だった。
なかなかいい話だったが
最後にえええええええ
まさか
来週どうなるんだろう

5話視聴。
もはやロッテ見たいがために見てる気がすくぎゅう
ロッテかわいいよロッテ。

6話視聴。
賢者ソルベイク、こ、これは!
かわいい新キャラ登場。
これは狂喜乱舞する人もいそうだw
まあ、自分はロッテ一筋でくぎゅう。

7話視聴。
1つ1つのシーンのロッテがかわいすぎる。
もう、ロッテに萌え死にそうw
クックドゥドゥルドゥwwwwww
ちょwwww
ソルベイクwwwwwwwwww

8話視聴。
なおやwおまえwwww
なんつー服をチョイスするんだwww
新たな男キャラ登場。
さてさてどうなることやら。
バッドボーイ吹いたwwww

最近色々なくぎゅを観てきたが
ロッテはなかなか良いくぎゅだと思う。

9話視聴。
いよいよクライマックスに向かう感じだが
今週はちょっとストレートだったwww
なおやwwwww
まあ、男だし仕方ない。
さて、ロッテとなおやはどうするのかな?

10話視聴。
大きければいいってもんじゃないしね。
その通り!!!
浴衣も歌も可愛かったくぎゅうううううう

11話視聴。
ここにきて、なんという。。。
やばすぎる。
そんな展開まったく予想してなかった。
あんまりだ。
うわああああああ。
来週これは泣くかもしれない。。。

12話視聴。
結局、泣くまでにはいたらなかったが
これはこれですっきり終われたと思う。
何かロッテには幸せになって欲しいと
そう思わずにはいられない。
そんな物語だったくぎゅううううううううううう。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 36

Ssoul30 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

妖魔界って本当にいい所だな~ 最高だよ。私も住みたいな~ いい所だよ。 本当に。 平和で。

ストーリー

妖魔族の住む世界・妖魔界(アールヴヘイム)にあるユグヴァルランド王国の姫君・アスタロッテは悪魔族なのに男が大嫌いでした。けれど、しかし夢魔族は生命維持のため、ある程度以上に育つと「吸精」をしなければならないので、近いうちに男達を置いておくための後宮を構える必要がありました。そのために妖魔界に送られてきた人間こそが主人公塔原 直哉でした。

私の感想。

かなり楽しめましたね~ 特におもしろかった所はやっぱりメインヒロインのアスタロッテですかね~ 流石釘宮理恵さんですね~かわうぃい声ありがとうございます。もう最高な声過ぎて私ある意味感動してしまいましたよ。なんて言うか、釘宮理恵の声って何であんなにかわうぃいんだろうな。 最高すぎるな。キャラクターに完璧になっていて最高すぎる。

この作品は話の内容が少し分かりにくいですが、少し頭を回転(具体的に458度くらい。)回せば内容が分かります。(まわしてみてね)私は原作を読んでいたので、話の内容が完璧に頭に入っていたので、必要なかったですが・・・・

この作品で私が一番気に入っているキャラクターはもちろんアスタロッテ・ユグヴァールです。言わなくても分かりますよね? っえ 分からない? もちろんあの声とロリ体系ですね~ でも、それを言うんだったら、塔原 明日葉も最高ですが。

そして、この作品の世界観がかなり良かったです。妖魔界の世界があんなにかわいい所でそしてあんなに落ち着いた所だと思いませんでしたよ。私が想像していた妖魔界はもっと暗くて、そしてもっと悪魔がいる所だと思っていたのですが、こんなに平和で豊かな世界だとは思いませんでしたよ。

Ssoulのワンポイントピックアップ!!
「このコーナーではこの作品のおもしろい所、注目してほしい所などをピックアップし、説明したいという事です。」

正直あまり書くことないですね。 まあ、ポイントアップすると言ったら、この作品は小さなお子様でも見れるって所でしょうかね・・・・ まあ、話の内容完璧には理解されないと私は思うので、お勧めしませんが・・・・ 

オープニング

「天使のCLOVER」
天使のクローバ~ って所が私は好きです。この曲はかなりやさしい声のボーカルが歌っています。私はかなり気に入っていますね~ かわいいですし、キャラクターの説明もかなりきっちりしていますし。けれど、少しネタバレが多かったのも事ですが。

エンディング

「真夏のフォトグラフ」
何でこんなにかわいい曲が多いいんだろう。そして何でこんなにやさしい声なんだろう・・・ 実際にあって見たいですね^^

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16

たにぐー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

「これでハッピーエンド?」「ええ、もちろんです」OVA見たので追記

《OVAの感想》
これ見たら分からなかったとことか分かって見てよかったて思いました。
3話に分かれてて、お気に入りはやっぱり2話かな。
いいお話だなって思ってたら最後の最後でとんでもないオチが待ってて思わず笑ってしまったw
クスッてレベルじゃないよ、大笑いだよww
他の2話もとってもいい話?だった。
最後、「真夏のフォトグラフ」で終わって、これでホントに終わりなんだなって実感しました。
個人的には名作といってもいいなって思いました!

《本編の感想》
これを見ようと思ったのはこれのCM見て「ちゅーちゅー」が気になったからですw

「ちゅーちゅー」って言うぐらいだから相当エロいやつだなと思ってましたが、実際見てみると、泣かされました。
エロい部分がないと言ったら嘘になりますが、ほとんど気にならなかったです。
親子愛にうるうる、友情にホロリ、そして恋愛に号泣といった感じで、悲しかったんじゃなくて嬉しくて涙が出てきました。
心温まるいい物語でした。

音楽もすばらしく、BGMが特によかったです。
OP、EDもこのアニメにとてもあっていた感じがしました。
EDに関しては、Beat10入り確定です!

キャラも可愛らしく、ツンデレなロッテ、子供っぽいけどたまに大人っぽい明日葉とか魅力的なキャラばかりです。
てゆうか二人の声優さんがくぎゅうとゆかりんだったので声だけで萌えますねw
でも一番好きなのはエリカ。
ロッテのことをライバル視してるけど実は面倒見のいいとても優しいお姉さん。
声も後藤巴子さんでこれまた好きな声優さんなので大好きです!

最後に、これをもし見られるときはあまり深く考えすぎては め!ですw
じゃないと面白さが半減しちゃうかも。
個人的にはとてもおもしろかったです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 22

75.0 6 親子で恋愛なアニメランキング6位
であいもん (TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (303)
897人が棚に入れました
夢を追って上京するも、父の入院を知らされ実家の和菓子屋・緑松を継ぐこ とを決めた納野和(いりのなごむ)。しかし店には跡継ぎ候補で看板娘の少女・ 雪平一果(ゆきひらいつか)が、納野家に居候をしながら働いていた。 和は一果の親代わりを任されるも、一度は跡継ぎを断ったことを理由に冷た い態度をとる彼女と働くうちに、ある一面を知ることに…。 京都を舞台に心温まる絆の物語。
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

心地いい時間

タイトルだけみて、ばらかもんの続編だと思ったのは内緒

京都の和菓子屋が舞台で、和菓子屋の居候の少女一果と、上京から戻った和菓子屋の一人息子の和のハートフルコメディ

これは個人的な今期の優しさNo.1アニメです。

原作も読みましたが、殆ど原作通り。
多少変えてあったり時系列を変更されてる部分はありますが、違和感ない。

多くの場合
原作を読んでてアニメ化されたら何かが違うとかあるし、逆にアニメから原作に入るとアニメがかなりカットかれていたりしてショックを受ける場合がありますが、この作品はそれらが一切ありませんでした。
その辺に凄く高評価をした作品です。

【一果と和】

一果の父は彼女を和菓子屋に預けて蒸発。
母は離婚していました。
それでも彼女は父を探し続けながら和菓子屋でお世話になっていましたが……彼女は最初は和を嫌います。
理由は……

和が10年前に店を出ていった事があるからです。
彼には彼なりの理由と意味があったのですが、それを知る前の一果は……和への第一印象は悪くて……彼女はその理由を

{netabare} 「店から逃げて、お菓子から逃げて、好き勝手して、責任放棄して、そんな無責任な大人にウチは負けへん」と考えていたからです。

それはきっと、そんな人間を彼女は知っているから……父親です。{/netabare}
彼女は父親と和が被って見えたのでしょうね。

{netabare} 一果の父は「子供は手間がかかるし役に立たない」と言ったそうなんです。{/netabare}
親が絶対に口にしてはいけない言葉……いゃ、思ってはいけない言葉だと思うんです。
何かに悩んでいた時に出た言葉だとしても許せない言葉だと思う。

それでも、酷い事をいわれても……捨てられても……彼女が父を探す理由が私はずっと気になってました。

{netabare} でも、一果の思い出の中の父は優しい姿が多くもあるし、父を間接的に嫌う?反面、父を探したり父との約束を守ろうとしたり……
やっぱり寂しいのかな?
一果にとっての血の繋がった父って1人しかいなくて……そんな父がどんなに最低でも彼女にとってはたった1人だし、まだ幼いし寂しいのかな。 {/netabare}

ある日、一果はマナーの悪いお客さんを注意したのですが……恐らくその客の腹いせで、大量に注文を受けたのですが、誰も取りに来ないと言うイタズラにあいます。

{netabare} 一果は子供だから気にしないでいいと周りの大人達に言われますが、1人で町に売り込みへいきます。
理由は「責任に大人も子供も関係ない」って理由なんですが、しっかりした小学生ですね。

確かにその通りではあるんですよね。
厳しい言い方すると、子供が何かをしたら大人が責任を取るものだと思うし、子供が気にやまないようにしてあげるのが大人の勤めだと思うのです。
でも、責任って言葉だけを突き詰めたら子供にだって間違えなくあるものです。

でも、彼女が責任に拘る理由はやっぱり父親にあるのでしょうね。 {/netabare}

売り込みに出た一果はお饅頭が売れずに子供扱いされていた所に、和がギターを持って登場して手伝ってくれる。
素敵なシーンですね⸜(๑⃙⃘'ᗜ'๑⃙⃘)⸝


【みつる】

彼女は和菓子屋でアルバイトする学生さん。
ギターが好きな女の子で動画サイトにupして演奏動画を上げて正体を隠して少しづつ有名になっていたけど、正体がバレかけてバイト先にイタズラ電話が増え始める……それを、気にした彼女は……

バイトも辞めて音楽も辞めて曲も削除して……彼女は全てを捨てようとする。
バイトに迷惑もかけたし動画は身元特定されたら怖いからで音楽は……

{netabare} 家庭が大変なのに自分だけが好きな事をするのは申し訳ない……それは彼女が元から持っていた悩みだった。 {/netabare}

それを聞いた和は「どうせ諦めるんやったらその勇気、他の事に使ってみいひんか?」と、言い家まで乗り込んで、彼女の気持ちと自分が両親に感謝している事を伝えて和はみつるの家族に頭をさげる。

{netabare} でも、別に両親は反対してなくて、直ぐに認めてくれて応援してくれた。{/netabare}

もしも、彼女は両親に話さず好きな事をあきらめていたら、きっと後悔していたと思うんです。

それに勿体ないって思います。
伝えずに終われば好きな事を勝手に諦めていた。
反対されない事も、応援してくれる事も知らずに自分であきらめて……

でも、和のアシストで両親と話して好きな事を諦めずにすんだ。
やっぱり大切な事って伝えないと伝わらない。

よく聞く言葉で言いたい事がある人が「言っても無駄」とか「どうせ聞き入れてくれない」って諦める人が多いんですよね。
そうして勝手に自己完結して言わずに終る。

結局、これって毎回思うけど勿体ないよね。
確かに例え結果が見えてても、それって絶対じゃないよね?
もしかしたら、確率低くても聞き入れてくれるかもしれないし、伝える事って、聞いてもらえるし、自分の気持ちや考えを知って貰うって事も含まれてると思うんだ。
少なくとも、僕は私はこう思うって。

だから、このエピソードを見て私は、やっぱり伝える事の大切であったり伝えない事の勿体なさである事を考えさせられるエピソードであると思います。


【一果の母】

突然、一果を迎えに来た母。
最初はね。
今の今まで何をしてたんだ!ってのが第一印象でした。
最低な母親なら追い返せばいいって思いましたが、母の理由を聞いて……これはそうはいかないなぁ〜って…………

{netabare} しっかり頭さげれて、娘を探しだして、無理に勝手に娘に会うこともしない。
母親の言葉には、一果の事を大切に思って居るのが伝わりましたね。

結局、和達が母親に引き渡す事を決めたのも一果への想いが本物で大切に出来ると感じたからなんですよね。

でも、私がお母さんが一果を本当に大切に思っているんだと感じたのは、一果の気持ちを優先した事です。
連れ戻すのが目的だった。

でも、一果と2人で話をして、彼女は娘が和菓子を好きな事をしった。
和菓子をもっと知りたい気持ちを知った。
今が幸せな事を知った。
緑松が彼女の大好きな場所なのを知った。

だから、彼女の気持ちを優先して今の家族から引き離す事はしなかった。
あれだけ、娘を大切に考えていて、離れていた時間を悔やんでいたくらいだから、きっと本当は一緒に暮らしたかったと思う。

それでも、娘が1番大切だから娘の気持ちを優先して、娘が幸せで居られる場所に託す事が出来る母としての強さであり優しさを感じることが出来る人だと思いました。 {/netabare}


【運動会】

和は一果を大切な家族だと思っています。
一果が寂しくないように気にかけて何かがあれば力になってくれる。
彼は一果の父親代わりになれたらと考えてはいるけど、中々一果は認めてくれなくて、それでも、徐々に和にも心を許していく。
それが、目に見えて感じるのは運動会の話で一果から親子競技に誘われるのは嬉しかったでしょうねw

【和菓子教室】

生徒さんの親子教室で母が娘の失敗を笑ってばかりいるお母さんが居ました。
お母さんは悪気はありませんでした。
子供をついつい可愛くて笑ってしまう。

笑う……笑う事って楽しいとか面白いとかいいイメージがあるけど、笑う事が全ていい事じゃないのもまた事実で笑う事で誰かを傷つけてしまう事がある。

それが善意だろうと悪意だろうと、そんなものは伝わらなきゃいけない人に伝わらなければ何の意味もなくて…………
笑う人に悪意がなくても笑われる人が悪意だと思えば、それは悪意で……

和は子供の頃に将来の夢の発表で、和菓子職人になりたいと発表すると友達に笑われてしまいます。
それを、先生が「悪気が無くてもそれが可能性を潰す」と笑った生徒にお説教をします。

和はこの言葉に凄く救われたみたいです。
私はこのセリフを聞いて、確かにそうだよなぁ〜って感じました。

確かに、将来の夢って誰かにとっては笑えてしまうくらいのものかもしれない。
誰かにとって意味不明でも変でも、本人にとっては本当に真剣な夢なんですよね。

悪意がなかろうと、あの時笑われたから、って理由で、夢を持ってる人が、もしも夢を追いかけられなくなったり、笑われたからって辞めようと思わせてしまったら、本当に可能性を潰す事になる。
だから、可能性を潰す事になるって言葉には納得させられました。

お母さんと娘も最後は和解出来たし良い話でした。

【和の過去】

和はバンドをしていました。
それでも芽が出ることもなくて……
だから、無理矢理仲間から解散を突きつけられてしまいます。

{netabare} でも、本当は仲間達は、和が和菓子が大好きで実家の和菓子屋を気にかけていたのを知っていて、このままバンドを続けるよりわって解散したって話は凄く良い話だなぁ〜って。

自分の夢が中々実らなかったとしても……
その場所は……仲間は……居心地よくて壊したくない場所だと思うんです。
出来れば、ずっとずっとこのままでって……私なら思ってしまう。

でも、本当にその場所を大切で仲間を大切にするのなら、その場所を壊してでも仲間の背中をそっと押してあげる事が大切なのだと思いました。{/netabare}
しかも、その事実を和が知らないって演出がまたいいね

【クリスマス】

一果は母からクリスマスを一緒に過ごそうと提案される。
でも、一果は母との約束は怖いといいます。
{netabare} 母は、約束を仕事で毎回キャンセルするから一果にとっては、母との約束は怖いものに変わっていた。

子供も解ってはいるんです。
仕事なら仕方ないって……でも約束の度に毎回毎回約束を破られると、その約束が薄っぺらく見えてきます。
約束してもどうせ意味ない、自分より仕事が大事なんでしょう、など考えてしまいます。

だから、一果にとって母は仕事が1番だと考えてしまう。
でも、今回は約束も守ってくれて本当に嬉しかったんじゃないかなって。{/netabare}

ただ、一果親子のランランは、和の無自覚三角関係により一瞬乱された事を和は知らないのでしたw


【和の元カノの佳乃子】

京都で再会するのですが……

彼女は和がバンドを解散させられて夢を諦めてた頃に父親が入院したと聞いて、実家に帰る決意をします。
別に、別れる理由が何があったわけではありません。

{netabare} 和は「俺……実家に帰って和菓子作るわ、せやし俺と一緒に実家行……」

佳乃子「ごめんね。私洋菓子が好きなの……さよなら」と部屋を出ていく。 {/netabare}

これで、別れてしまう。
実は、これはお互いにお互いを振ったように思ってるのですが、実はお互い振ったつもりもないのてすが、このシーンって、佳乃子の乙女心が凄く現れてるシーンだと思いました。

皆さんは、どちらが振ったように見えますか?
パッと見は私には佳乃子が振ったように見えます。

しかし、佳乃子は和の夢をずっと応援していた。
そんな人がバンドが解散したから実家に帰ろうなんて言い出したら、今まで応援してたのにどうして簡単に諦められるの?って感じて怒ってしまうかもしれません。

そして、さよならは別れではなくて……
少し突き放しただけなんですよね。
和は別れるつもりはなくて一緒に行こうと言いたかった。

でも、佳乃子も解ってて、それでも1人で決めるんじゃなくて相談して欲しかっただけなんですよね。
2人の事だもん。
一緒に考えさせて欲しいって思う。

そして、考え直して追いかけて来て欲しかった。
それか部屋で待ってて欲しかった。
そうしてでも自分の事を選んで欲しかった。

でも、佳乃子が部屋に戻ると和はいなくて……
それってなんか寂しいです。
和だって別に未練ないわけじゃなかったと思う……作中では決意が鈍らないようにと言われてましたね。
そう考えると和に振られたって感じるかな?って……
そうした佳乃子の乙女心がよく現れたシーンだとおもいました。

みつるちゃんと三角関係になりつつあるのですが、恋愛要素もこの作品の見所です。

【誕生日】

一果は和の誕生日に、一果の誕生日に一緒に居られるチケットを送ります。
3月26日……和と一果は出掛けます。

ひらパーです。
であいもんの聖地になりましたねw
{netabare} ひらパーで、一果は迷子の子供を見かける彼女は優しい子だから気になったのもあるけど頬っては置けなかったのは自分と重なったからかな?

そんな中、一果は和とはぐれてしまう!
彼女の中に恐怖を思い出した。
また、置いていかれたのではないか和がそんな大人ではない事は解っているけど、それでも1人されるのは、やはり恐怖です。
和を見付けた一果は必至に和の服を掴む……二度と逸れないように。 {/netabare}

後は、遊園地で和の事を店員さんにお父さんと言われて否定する一果……
きっと恥ずかしかったんだろうなぁ〜w

{netabare} でも、別のたい焼き屋さんでお父さんと誤解された時は否定しませんでした。
それは多分……一果の中に芽生えた小さな気持が芽を出したのでしょう。

一果「もぅ、面倒やし今日はそれでいいです」と否定しないでいてくれた。

夕方から今日だけ、お父さんの時間。
和はずっとお父さんの代わりになりたかった。
一果の中でホントのお父さんはお父さんで、それでも和なりの父としての優しさが届いた瞬間でした。{/netabare}

誕生日の夜……

{netabare} 和は「お父さんも今がその時やないだけで、会える時はきっとくる」と言います。

何か確信がある訳でもないけど、多分和の中ではそんな気がしてるのでしょうね……いいぇ、そうであって欲しいのでしょうね。


一果「安心できる場所やから私はここで待ててるんです。」

うん、一果って凄く傷ついたと思う。
父に美味しいお善哉を食べようと連れられて来た緑松……彼女は、食べたいと言わなければ父と離れなくてすんだのでは?と考えた事もありました。

確かに、親子が一緒に仲良くいられるのなら一緒が幸せだし、親が子供を見捨てたり…親と子が離れ離れとか、そんな悲しい事はあってはいけない事だしあって欲しくない。

それでも、だからこそ一果には出会えた人達がいて、自分の夢を見つけられて、家族のような存在が沢山出来たのもまた事実。
だから、この言葉を聞いた時に、悲しい事もあったけど、緑松に来た事は彼女にとって幸せだったのだと感じました。{/netabare}


この作品は本当に素敵な物語が多く今期は沢山の良作アニメがありましたが、中でも個人的に上位です。
アニメだけで見ると、ラストはある意味、中途半端に感じる部分がありますが、私は素敵な終わり方だと思いました。

{netabare} 一果のパパと再会が果たせてないので{/netabare}
そう言う意味では半端ですが、私の高評価ポイントがそこで、原作では再会を話してますが、アニメ最終回後〜再会までのエピソードの中に、それぞれの気持ちや意味が見えてくるので深みが出るので、それらのエピソードをアニメ化してないと深みがでません。
{netabare} だから、1クールならここで切り上げて無理に再会させなかった事に安心しました。{/netabare}

後、この作品はホントに悪意がなくて例え意味不な事があってもホントの気持ちを最後に見せてくれるって点も高評価です。

EDもなんか凄く心地いいですね。
作品にあってるし、後EDは止め絵が殆どなんですが、1話から見ていくとEDで1クール分のエピソードのヒントが詰められてるギミックも面白いてすね。
何話で誰が出るとか、何話がこんな感じの話しかな?とかw

1つ悪い所を出すなら1クールである事かな?
2クールで父との再会までして欲しかった。
けど、1クールで凄く出来もいいし、この作品を知れたって事もあるし私として満足な作品です。

是非是非続編をして欲しいですね。
私はこの作品を見てるとなんだか気持が心地よくて、ずっと見られそうな感じがして凄く好きです(ˊo̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ˋ)
レビュータイトルは作品を見た率直な感想にしてみました。

もしも気になってるって人が居たら是非見てみてください。
私の中の人にオススメした作品のリストにも個人的に入ってますw

原作読んでアニメ見てるとなんか、凄い京都弁が移りそうなるw

投稿 : 2024/06/01
♥ : 21
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ばらかもんは一切関係なし

バンドマンで一旗挙げるぞで上京。ありがち。夢破れるのもありがち。
こういうときに親の跡継げる可能性があるというのは有難い。セーフティネット。存続できているか分からんが。

子供だから何も分からんと思って説明もせずに消えるなんて親の責任果たしてないぞ。分かっていないように見える子供でも案外理解できているものよ。一果の場合はアダルトチルドレンみたいなものか。
大人って難しいです。単に年齢重ねただけの人たくさんおる一方で若いのに、しっかり考えていることが分かる人もいる。後者になりたい。
本来は責任果たすのは大人の役目。
この作品見て最初の感想。

2話でバイトしているJK
3話で東京で付き合っていた元彼女。{netabare}あれ洋菓子が好きなんじゃ?別れたんと違うんか。しかも京都に転職なんて。{/netabare}こんな女性おるのか?

タイトル通り出会いを大切にしたいと思える作品だった。
主人公のモテ具合は?なところもあるけど、嫌味がなくて割と好きな作品でした。
一果が可愛い。佳乃子も素敵。


以下は完全に取り留めのないしょうもない感想
{netabare}
催眠術は笑。完全に余計なことしているような気がする
女装が勘違いを招いてちと切ない。
みんな大好きプールでの水着回
片思い中と元カノに挟まれるの気遣うな。お互いに考えていることが笑。女性の怖さを垣間見る。なんでモテるんやろ?にちょい納得
ばあちゃん非常に元気。
地域の運動会。ほんとの親じゃなくても応援は嬉しいよね。生まれより育ち
実の母親が引き取りに来る。でも、娘の幸せを願う気持ちが強いので、そのままいても良いよと。やっぱ父親が糞。お母さんも自分の都合はあったけど、娘の幸せを考えることができる人で良かった。お菓子で和解できたし。
完璧を求めてしまう助っ人の女性職人。愛想が悪いし、ガラスのハート。お客さんもズバッと言うね。店先で口論はまずかった。憧れの人は父と見せかけてもう一人のベテラン職人まささん。和は相変わらず。
元カノは茶道教室に通っている。そこでの話から付き合う以前の過去回想。酔っぱらって気分悪いところを水買って介抱したことで好意を抱き、偶然再会したことを機にお付き合いとは。別れを切り出したけど、愛想をつかしたわけではないと。というかお互いに振られたと思ってるんだね。まだお互いに好意あるのね。憎いなコノヤロー。
それにしても栗の被り物に対する執念が凄い。
一果の誕生日は過ぎてた残念。でも母からクリスマスプレゼントしかも会会うことに。一方で和は誕生日近い。意外と微妙な祖父との柚子にまつわる思い出。美弦も佳乃子もやはり狙ってるな。モテモテ。二人からのプレゼント。ここにもちょっと女性の怖さが…。
10話はお正月。知り合いとしてってことなら練習で作ったお菓子渡すのもセーフ。実はバレてるの笑。次は小梅という元芸者を探す人の話。あの小梅ちゃんおおばあさんだったとは。梅っていいよね。梅干しはしわしわかもだけど、美味しい神食材じゃ。
体調崩した和。憧れのバンド先輩との思い出。美弦が看病。妄想駄々洩れ。佳乃子も見舞いに。同棲時の思い出。体調崩すたびに思い出すんかい。一果も父との微妙な思い出について回想。父親代わりの和とも打ち解けてきたな。
一果の誕生日は和からドライブで枚方パークをプレゼント。企画したサプライズをいつも通り?ぶち壊す。とはいえ、なんだかんだ楽しめているけど、まさかの迷子。一人でも大丈夫と強がるけど、辛いときはしっかり甘えましょう。大人も子供も。和を見つけた瞬間に駆け寄って服の裾をぎゅっと掴んで離さないところに集約されている気がする。父親と勘違いされて嬉しい限りね。良い笑顔も見られて最高です。もしかして一果の実のお父さんって憧れのバンドマン先輩なのかな?
{/netabare}


OP
菫 坂本真綾
ED
ここにある約束 ayahoと曽我淳一によるスペシャルユニット「であいもん」
挿入歌
薯蕷饅頭の歌
オーランドー 栗ManJu 納野和 (島﨑信長)
八重に咲く 堀河美弦(鈴木みのり)
坂本真綾さん出産おめでとうございます。本好きのほうでも主題歌お疲れさまです。しっとりとした始まり方で良き。
ayahoさんのことは存じ上げなかったけど、一部界隈では既に人気を博していたとか。若干19歳くらいだったと思うけど、伸びやかできれいな歌声良いですね。
饅頭の歌は謎。栗へのこだわりがすごい。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
夢を追って上京するも、父の入院を知らされ実家の和菓子屋・緑松を継ぐことを決めた納野和。しかし店には跡継ぎ候補で看板娘の少女・雪平一果が、納野家に居候をしながら働いていた。和は一果の親代わりを任されるも、一度は跡継ぎを断ったことを理由に冷たい態度をとる彼女と働くうちに、ある一面を知ることに…。

1. 和と一果
京都駅前で納野和を行方不明の父親と勘違いしてしまう雪平一果。父親と見間違えたその和が、まさか一果がお世話になっている和菓子屋「緑松」の「跡取り?息子」だったとは。「緑松」で一緒に働くことになった和と一果にちょっとした事件が起きる。

2. 四葩に響く
「緑松」で働く女子高校生、堀河美弦と一果。二人が洗い場で楽しげにしている姿を見て羨ましがる和。 美弦は「緑松」でのアルバイトを家計に足しに大家族を支えている一方で、音楽活動をしていた。 その音楽活動が騒動を巻き起こす。

第三話 夏宵囃子
朝、登校途中、バスに乗り込む父親らしき人物を見かけた一果。 一果もそのバスに乗り込み様子を伺うも、寝入ってしまう。 父親を見失った一果が着いたのは大原三千院。そこで意外な人物と出会う。

4. 風青し 暑気払い

5. 第五話 おしょらいさん
仕事が休みの一果と美弦は街で偶然、和の元恋人、松風佳乃子と出会う。初対面の美弦と佳乃子と一緒にランチをすることになった一果。美弦と佳乃子はお互いに和の話で盛り上がる。二人の微妙な雰囲気に戸惑う一果。

第六話 芋名月

第七話 秋色に舞う

第八話 くり回顧

9. 一陽来復
クリスマスが近づくある日、一果に母からもみの木とメッセージが届く。約束が果たされなかった幼少期を思い出し、母と約束することを怖がる一果だったが、和の言葉に背中を押され、「待ってる」と母に伝える。「柚子羊羹」をきっかけに和は、祖父との会話を思い出しーー

第十話 春待ち偲ぶ
年が明け、正月を迎えた「緑松」では、御菓子「花びら餅」が売られていた。予約分だけの販売だったが、飛び込みで一人の男性がお店にやってきて…男性の亡き母への想いに思い立った和はーーその後、山國神社へ初詣に向かう「緑松」の人々。そこで一果がお祈りしたこととはーー

第十一話 よきかな

第十二話 春暁に鯛

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

和風な群像劇

{netabare}
和菓子屋に戻ってきた和と、複雑な事情を持つ一果との交わりを描いた心温まる人情劇。朝ドラとかでやってそう。

全話通して安らかな空気感が漂っていて、悪意のあるキャラも一切出てこないし人の優しさを描いたような作品。
基本的に一話完結形式だけど、ハズレに感じた回は一度もなく、かなり高水準で安定していたと思う。
それもあってか結構人数がいた気がするキャラ達全員が印象に残ってる。
特によかった回は6話、7話

6話は母が一果を迎えに来る回だが、緑松の皆も一果を引き留めようとはせず、母も一果を無理やり引き取ろうとせず、どちら側も一果のことを一番に考えていてあくまで本人の意思にゆだねるのが本当に良かった。
わざわざ引き取りに来る時点で一果のことを考えての行動だしね。
短絡的な作品なら母を悪として描くんだろうけど、この作品はそんなことはせずに両者共に共感できるようになっていて、この優しさ自体もこの作品のコンセプトに合ってる。
月見団子とぼたもちでどちらであろうと本質は変わりないことを表現するのも良かった。

7話は頭の固いバイトの子と、少し問題のある母親の話。
Aパート、Bパートとも相手が持っている問題点を和が優しく正してあげる回だったが、両パートとも和の過去や経験を活かしてのアドバイスで説得力があった。
Aパート、実際ああいう個人の和菓子店での接客の場面になると、私市のような機械的な対応よりも、和のような柔軟な対応の方が好まれそうだし、一果の指摘も尤も。けど、私市もしっかりとそのミスを反省して次に繋げるし、各キャラの成長が描けていていい。
Bパート、他人の母親相手でもはっきりと指摘出来たり、しっかりとしている部分はしっかりしている和。
過去だけを見るとダメダメだけど、この回に限らず他人のダメな部分には優しくアドバイスをしたり、常に他人のことを考えて行動したり、良い部分の方が沢山あるのでダメ男ながら憎めないキャラだった。

本筋の話、一果の父に関しては解決しなかったけど、そこは2期に期待。
最終回は和が一果にとっての父の代わりのような存在になれたことが仄めかされて終わりと、話に区切りはついていたかな。
二人の仲がより強固になったのが感じられて良かった。
ここまで一果にやさしく接してきたことが功を結んだのか、他人との関わり方と言う点でダメダメな和自身の成長にも繋がっているとも取れるのかな。

それと、主題である和菓子の作品への絡め方が非常に上手かった。
それぞれの和菓子の持つ意味や特徴をストーリーと絡めて描かれるのが話の作りこみを感じられて良かった。
和菓子の細かな知識などが多分に含まれているので、和菓子を扱うアニメ、和菓子屋としてのお仕事モノとしての出来も申し分なかった。
和菓子だけならず、サブタイも毎回本編の内容を抽象的に表せていて細かなところまで作りこまれてる作品だなと。
特に10話、うめかの成長に絡めて、未開紅という和菓子がテーマになっているのも良かったし、春(=梅の開花時期)待ち忍ぶというサブタイも本編に寄り添えていた。

ストーリーもしっかりしてる上に、一果ちゃんや美弦が可愛いので萌えアニメとしても最高でした。
少し小学生っぽくないところもあれば、ちゃんと年齢相応なところもある一果ちゃん好き。
どこか抜けてる和と他人に冷たい一果の会話が面白い作品でもあった。
和の間抜けな行動がギャグにもなっていて純粋に見ていて楽しい作品でもあったかな。
父の話が気になるのでぜひ続編を。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆8
OPいいな。何アニメなのこれ。和菓子?
やっぱヤニカスってくそだわ。720円...? EDもいいな。

2話 ☆10
今やってるプリキュアにいそう。この子高2? 特定厨さぁ....。
和風な雰囲気でネットが題材奈の面白いな。
バイトの子めっちゃかわいい。一話の完成度が高い。

3話 ☆9
この子小学生なんかよ。小学生なのに随分大人だな。修羅場やんけ。
みたらしめっちゃ食べとった癖に。和菓子に詳しすぎだろ。
洋菓子の方が好きとはw 祇園祭で父と会いそう。

4話 ☆7
このロリコンが。ナンパ 怪しすぎる。女装で草。土用餅好き。
あいつとは遭遇しないのね。

5話 ☆8
年齢差ありすぎじゃねw この家みんな出ていきすぎやろ。

6話 ☆10
小学生らしくないよな。おはぎ入ってる弁当w
まあ引き取りだわな。
両者とも変な引き留めとかせずに一果にゆだねるのが寒い系の作品じゃなくていい。
関東って月見団子も違うのか。
ぼた餅と月見団子の話は家族のことを表してるのね。

7話 ☆10
このダメ男が。頭固い人って接客には向かんな。
おい客の前で喧嘩すんな。いや、和菓子陳腐か?w
てか小学生が良く陳腐とか言う言葉知ってるな。
これ絶対小学生にはむずすぎるでしょ。一回ミスったら終わりそうだし。
マジで難易度高いだろw このママなに。あの言動肯定するの?
ちゃんとよその母に間違いを指摘できる当たりなんだかんだダメ男ではない。
A、Bパートとも自分の経験や過去を活かしたアドバイスで説得力がある。

8話 ☆8
初対面の相手の顔とか絶対覚えられないよな。
あの栗確かに替えがなさそうだw バイバインじゃねーか!!!
日本妖怪のコスプレとかマニアックすぎんだろ。
ここ最近ずっと高水準で安定してるな。

9話 ☆8
誕生日一人の僕はどうすればいいんですか。小学生あるあるの券。
あくまで母と平和な雰囲気なのが本当にいい。年齢差がありすぎる。
そこは和菓子にしろよw 栗かぶれ。

10話 ☆10
物は言いよう。寛容な仏さん。食べるなww ロリは最高。
今回オチは読みやすかった。けどほんと雰囲気がいい。

11話 ☆8
俺かよ。必然とは。だから信頼してた緑松に預けたのか。
子供っぽくない一果。和の方がよっぽど子供っぽいまである。
一果の父の役目を和が担った感じで仲がより強固になったように感じる。2期で再会までやってほしいなこれ。

12話 ☆9
こういうとこだけ小学生っぽいの可愛い。
桜餅って関西と関東で違うんだ。ひらぱーw
父のような存在になれたということを暗示する展開が良き。二期が欲しいな。

曲評価(好み)
OP「菫」☆8
ED「ここにある約束」☆7.5
9話ED「オーランド―」☆5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6

77.1 7 親子で恋愛なアニメランキング7位
有頂天家族2(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (440)
2172人が棚に入れました
人間は街に暮らし、狸は地を這い、天狗は天空を飛行する。

京都・下鴨神社、糺ノ森に暮らす下鴨家。
狸界の頭領であった今は亡き父・総一郎の血を継ぐ四兄弟たちは、タカラヅカ命の母を囲んでそれなりに楽しく暮らしていた。

総一郎の「阿呆の血」を色濃く継いだ三男・矢三郎を中心に起こった狂乱の一夜。
次期「偽右衛門」選出も、叔父・夷川早雲の策略も、そして「金曜倶楽部」との一幕も、すべてが一陣の風と共に京の夜空に飛び去ったあの日から季節は流れ、洛中に心地よい香が溢れる若葉の候。毛玉たちは尻の冷えを気にもせず、うごうごと動き出す。

天狗に拐かされ神通力を得た人間の美女・弁天は京を離れ、愛弟子である弁天に恋焦がれる隠居中の大天狗・赤玉先生こと如意ヶ嶽薬師坊は、寂しさと不機嫌を撒き散らしながら相変わらずボロアパートの万年床で、赤玉ポートワインを啜る日々を送っていた。

そんな折、赤玉先生の息子であり、壮絶なる親子喧嘩の末、敗北し姿を消した“二代目”が英国紳士となって百年ぶりに帰朝を果たす。
大驚失色。驚天動地。吃驚仰天。
天狗界、そして狸界を揺るがす大ニュースは瞬く間に洛中洛外へと広がった。

京の町を舞台に、人と狸と天狗の思惑が渦巻く毛玉絵巻第二集、ついに開幕!

「面白きことは良きことなり」

声優・キャラクター
櫻井孝宏、諏訪部順一、吉野裕行、中原麻衣、能登麻美子、間島淳司、日笠陽子、中村悠一、島田敏
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

為せば成る 為さねば成らぬ 成る業を 成らぬと捨つる 人の儚さ by武田信玄

[文量→特盛り・内容→考察系]

【総括】
我ながら、書きたい事が多過ぎてまとまりのないレビューになってしまいました。でも、それがこの作品の魅力だとも思います。

人間、天狗、狸、それぞれの生き方、もっと言えば人生哲学。恋愛、家族愛。他にも、もっともっとテーマ性がありそうで、1度の視聴で全てを理解するのは難しいかもしれません。

難解な作品だけに万人受けはせず、だから覇権アニメにはなれないかもしれませんが、「芸術性」という点では、間違いなく今期(2017春)1番だと思っています。

もっとも、あまり頭を使わず、ただのエンタメ作品として観ても充分に面白いアニメなので、(一期含め)難しさだけで敬遠せず、もっとたくさんの方に観て頂きたいアニメですね♪


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
レビュータイトルだが、「やれば出来る、やらなければ出来ない、何事も。出来ることを出来ないと捨ててしまうのが、人の儚さだ」という、武田信玄の言葉だ。

この作品のOPの歌い出しは、「為せば成ると 人は言うが 成るがまま 為せば良い」である。つまりは、自然の摂理に従って生きることの肯定。あるいは、「片雲の風にさそわれて、漂泊の思いひまず、海浜をさすらふ(松尾芭蕉)」(自らの思いに正直に、行き当たりばったりに生きる)ような生き方の肯定(おくのほそ道は、作中に何度か引用されてたしね)。

それがそのまま、作品のテーマなのかもしれない。……でも、私は違うことを感じた。

むしろ、その逆。自然の摂理や大勢に逆らうような、はみ出し者の、「阿呆の生き方」の肯定。肯定というよりも、「阿呆の生き方」を愛しく思う、作者の視点。

OPの歌詞だが、「為せば成ると 人は言うが」とあるが、もしかしたらあくまで「人」が言っているだけで、「狸」や「天狗」からしたら、「為せば成る」という考え方は、違うのかもしれない。

出来ないことを、出来るようにしようとするのが、人間。

出来ないことを、出来ないと言えないのが、天狗。

出来ないことを、出来ないと諦めて楽しむのが、狸。

それぞれの生き方、それぞれに生きる難しさがあるのだと思った。そして、そこからはみ出した者は例外なく、阿呆なのだ。

一期のレビューでも書いたが、「阿呆に生きる」とは、「精一杯生きる」と同義だと思う。誰だって現状維持は楽だ。天狗は天狗らしくワガママに、狸は狸の分をわきまえて生きれば、そこに余計な軋轢や苦労はない。

でもそれじゃあ「面白く」ない。だから、波風を立てる。それが「阿呆の血」なのだろう。

人生、どうなるか分からない。分からないから、「面白い」。

確実にあるモノを探すのは作業に過ぎない。A地点からB地点を最短距離で結んだら、移動でしかない。あるかないか分からないモノを探すからこそ、夢であり浪漫である。道中を気ままにうろうろするから、旅である。それは、ツチノコを探すような、人生の楽しみ方だ。


私はこの作品を、「人間を描かないことで、人間を描いている作品」なのかな、とも思っている。もっと言えば、人間の醜さと、尊さの二面性。

この作品に出てくる人間といえば、「金曜倶楽部」の面々。明らかに印象が悪く、明確な敵役である。しかし、本当に彼らは悪人だろうか? 確かに彼らは狸を食うが、彼らからすれば、牛や豚を食う行為と同列であろう。それに醜悪を感じるのは、私達(視聴者)が狸に人格を認めているからで、もし、狸が矢三郎のように人格を有していると分かったら、金曜倶楽部の面々の大半は、狸を食わないのではないだろうか。それでも狸を食うのは、寿老人くらいかな。そもそも彼は、人間ではなさそうだし。実際、狸をただの動物ではないと認めた後の布袋(淀川教授)は、狸食いをやめているわけだし。

人間は、現状を否定できる、珍しい動物だと思う。それまで続けてきた行動(例えば狸食い)も、新情報や真実を知ることによって、アッサリと覆し、より良い生き方を選択できる生き物である(と思いたい)。

そういう意味では、人間を辞めて天狗になった弁天にしろ、天狗を辞めて人間になろうとした2代目にしろ、どうしようもなく人間だった。

「天狗より天狗らしい」と評される弁天も、2代目に負けた2回とも、人間らしい弱さを見せてくれた(そこは萌えたw)。彼女は彼女で、人間としての生き方を否定したくなるような何かが、過去にあったのだろう。弁天はまだ自分の生き方に迷っているのだ。それでも多分、、、そう、焼き切れた髪がまた伸びる頃には、弁天もまた、前を向いて生きているのだろう。狸だからこそ彼女の側で支えられない、とは、やはり弁天が「より強い存在に憧れる」「より強い自分になりたい」からなのかな。

一方、単純な戦闘力では他を圧倒する二代目も、最後には弱さを見せた。百年前の失恋と、父親への敗北で傷ついた自身を否定し、新たに「英国紳士」として生まれ変わった「つもり」であったが、この百年で築き上げた「財産」や「英国紳士としての身なりや物腰」は、全て燃えつき、破壊されてしまった。そして、素の自分にもどった時、彼は自分が天狗であり、どうしようもなく父親の息子であることに気付く。そして、百年前から何ひとつ変われていない、成長できていないことにも。だから赤玉先生は、ひさしぶり父親に戻ったのかな。


この作品の良さは他にもあって、矢三郎と海星のラブコメ(ラストの矢三郎の背中合わせの結婚宣言なんて、メッチャ良かった!)や矢一郎と玉蘭の恋愛要素、相変わらず格好良い矢二郎の生き方、そして、一期からのテーマである「家族愛」。

この作品、家族愛を描くのがメチャクチャ繊細で素敵だ。二代目がズタボロになった時、扇(天狗の象徴)を捨て、一人の父親として向き合った、赤玉先生。あんだけの大悪人なのに、それでも早雲を憎みきれない、海星(そして、海星に被害が及んだ時、欲にまみれた古狸ではなく、一人の父親として激怒した早雲)。雷が鳴ると母のもとに自然と集まる家族(下鴨家)なんて、なんて素敵なんだろうか。

書きたいことはつきないが、そろそろこの辺で。

とにかく、一期からのファンとして、大満足の出来だった。三期(何年後であっても)期待しているので、森見先生、執筆ファイトです(笑)
{/netabare}

【余談 矢三郎のモデルって○○だよね?】
{netabare}
矢三郎のモデルって、坂本龍馬だよね? 色んな勢力に顔を出し、繋いでいこうとする姿勢や、常識にとらわれない発想力に行動力。波風立てる阿呆の生き方。

恵比須川か死んだとき、「英雄も悪党も最後はただの毛玉」と言っていたが、それは、坂本龍馬の名言、「何でも思い切ってやってみることですよ。どっちに転んだって人間、野辺の石ころ同様、骨となって一生を終えるのだから」と酷似しているし、一期のテーマ「面白きこと」も、高杉晋作の辞世の句からきてるだろうし、これは確定かな~♪
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
会話劇、という感じが好き。「化物語」並みに好きなんだよな、あのやり取り。

2話目
天狗とは、天狗になっていること。狸とは、い出し抜くこと。天満屋。ここにもまた、はみ出し者が。芭蕉の引用をサラッと。

3話目
矢三郎の祖母、なんか精霊のようですね。ティーパーティーに豆大福w 雑に扱われる、弁天。新鮮で良いね!

4話目
桃仙が、自分の子供を凄く理解していて、どの子も平等に深く愛していて、時には空気を読めないワガママな母親っぷり、好きだな~。最後、アホには勝てないなw 玉蘭は、小さい頃から矢一朗が好きだったのですね。

5話目
人間、天狗、狸、それぞれの生き方。鴨川の弱々しい弁天は、なかなか良かった。

6話目
地獄にも産業革命って、なんかメッセージありそうだけど、初見だとわからん。恵比須川の、やられっぷり。しかし、英雄も悪党も、最後は毛玉か。坂本龍馬だね

7話目
雷が鳴ると母のもとに集まる家族。素敵すぎる♪

8話目
京都タワーの是非。この男兄弟感、好きだな~♪ なるほど、海星の真実。矢三郎の初めての弱点ですね♪

9話目
矢三郎がOPを歌っているw 矢三郎、波風立ててるね♪ 呉一郎が、良い奴過ぎて、完全に怪しいw

10話目
狸だけの別世界、か。なんかファンタジー&ミステリー。

11話目
熱い展開。矢三郎ならしょうがない、か。人間の傲慢さと、人間より人間らしい、狸、か。

12話目
ラスト、原作改編だけど、良いラストに。海星と矢三郎は、ラブコメとしては、ここ最近で一番好きでした♪ 屋敷でいきなり飲んだくれている二代目だけ、? でしたが。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 35
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

京都の町で阿呆な毛玉が大騒ぎ。面白きことは良きことなり♪

有頂天家族2期です。

話は1期の続きで、
1話にはこれまでの振り返りや人物の説明も一切ありませんので、

必ず1期から観てください♪

1期観てから時間が経っていたので、
私も人物の相関図思い出すのに時間かかりました^^;

全12話です。


● ストーリー
京都の町で暮らす狸たち。

下鴨四兄弟の三男、
下鴨矢三郎(しもがも やさぶろう)。

彼が世話をしている師匠・天狗の赤玉(あかだま)先生のところに
旅に出ていた二代目が帰ってきた。


原作には「二代目の帰朝」という副題がついていることから、
1期と違って目新しいのが“二代目”というキャラ。

英国紳士のような見た目で、
天狗としての実力を十分持ちながらも赤玉先生とは仲が悪い。

しかし、彼が主役になることはありません。
おいしいところは持っていきますけれど。

結局ストーリーを作ったり壊したりしているのは、
矢三郎をはじめとする狸たちですw

普段は人間の姿に化けていて、
まるで人間のように生活している狸たちが主役の物語です。


≪ “日常”を描いた物語 ≫

1期は“亡き父”という謎が軸にありましたが、
2期は何が軸にあるのか初めははっきりと感じられませんでした。

しかし、これはこれでOKなのです。

「有頂天家族」という作品は、阿呆な矢三郎の、
何かが起こり続ける退屈しない日常を描いた物語。

だから2期では、
二代目とか、
狸の将棋大会とか、
赤玉先生がベタ惚れの弁天様(べんてんさま)とか、
地獄から帰ってきたという奇術師の天満屋(てんまや)とか、

いろんな要素が絡んできます。

私達の日常だってそうだものね。
日々、ひとつのことだけを追い続けているわけじゃないものね。

気になる事が解決していなくても他にもしなければならないことがある。
なんなら、次から次へとややこしい問題が降りかかってくることもある。

そう考えると、
この作品は矢三郎のただの“日常”を描いているのです。

いやーなんて騒がしくて落ち着きのない日常だw


≪ 言葉選び ≫

原作が小説なのもあってか、
言葉の使い方が秀逸だなあと思うシーンがいくつもありました。

短い言葉のやり取りであっても、
観ている側は十分意味を察することができる。

こちらに自然と心情を想像させる。

直接的な表現でなく、
どこか遠回しだけど的確な表現。

そういう言葉の使い方が非常にうまい。

例えば7話。
{netabare} 早雲の死に立ち会った矢三郎と海星。
「もう苦しんではいない。」という矢三郎の言葉と「父と二人にさせて。」という海星の言葉。 {/netabare}

言葉のやり取りは多くなかったのに、
状況と気持ちが痛いほど伝わってくる名シーンでした。

う~ん、うまい。勉強になります。

12話の海星と矢三郎とおばあちゃんのやり取りも大好きですけどね~。
{netabare} 「いずれ夫婦になるよ。」という矢三郎の言葉。 {/netabare}

気持ちをストレートに告げたわけではないのに、
テンション上がらないわけがない一言でした。お見事!


● キャラクター
愛すべきキャラはたくさんいますが、
やっぱり主人公の矢三郎が飛び抜けていますね。


◇ 魅力①~阿呆な生き方~ ◇

矢三郎は阿呆で、
フラフラひょうひょうと生きているけれど、

それは彼が決めた生き様でもある。

ひょうひょうとしているのに、
どこか一本の筋を持って生きている。

惹かれるんだよなあ。
魅力的な主人公だよ。


◇ 魅力②~コミュニケーション能力~ ◇

矢三郎のコミュニケーション能力、羨ましい。笑

天狗であろうと人間であろうと、
もちろん狸とも、

すぐに仲良くなって気に入られるのは、
ある意味才能。

まあ、矢三郎と仲良くなって巻き込まれると
大抵ろくなことがないですけどねww


◇ 魅力③~話術~ ◇

コミュニケーション能力にもつながりますが、
矢三郎のうまく立ち回る話術には惚れ惚れします。

こんなふうにペラペラ駆け引きできたら気持ちいいだろうな。笑


◇ 魅力④~ミステリアス~ ◇

主人公なので一番スポットライトが当たるのに、
心の奥底で本当は何を考えているのか、

それがわかりにくいキャラでもあります。

だからこちらも不意をつかれて、
驚く楽しみがあるのです♪笑


◇ 魅力⑤~主人公としての総合力~ ◇

矢三郎が好きだから、
私はこの作品が好きなのだと思います。

この作品は、深く考えるいうより、
おもしろさを感じ取る作品。

矢三郎の魅力も
気が付けばあらゆる場面で感じ取ってしまっている。

この作品の魅力=矢三郎(主人公)の魅力です。
矢三郎が苦手な人は、この作品自体合わないでしょうw



思った以上に矢三郎について語ってしまったw
それほど、私の中ではお気に入りな主人公なのです♪

金閣・銀閣も、
阿呆すぎるところが愛おしいほど好きなのですけれどw


● 音楽
【 OP「成るがまま騒ぐまま」/ milktub 】

1期と同じくmilktubが担当。

milktubの曲とこの作品とは
相性が抜群なので好きなのですよね~。

今回の曲も矢三郎の生き様とマッチし過ぎなぐらいぴったり♪

この曲を聴くと、
「そうそう、これこれ♪」と有頂天家族の雰囲気を思い出せます^^


【 ED「ムーンリバー」/ fhána 】

こちらも1期と同じくfhanaが担当。

OPとは反対に、穏やかで切ない曲です。

矢三郎が弁天様へ秘めている気持ちを歌っている…?


● まとめ
やっぱり有頂天家族大好きです♪
今回も矢三郎が見事にひっかき回してくれて満足^^

12話でまとまるのか不安になるぐらい駆け足な部分もありましたが、
終わりよければすべてよし♪

3期も待ってます~!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19
ネタバレ

ezo さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

帰ってきた阿呆の血

2013年に放送された「有頂天家族」の続編。


1話目感想
{netabare}
櫻井さんの語りはやっぱり良いなぁ。

久々に観たけど雰囲気変わってなくて良かった。

いきなり赤玉先生と二代目の対決とかいうクライマックスだけどどうなるのか。

1話だけだとストーリーが良いのか分からないので物語の評価は保留。

それ以外の評価は下がることはないでしょう。
{/netabare}

2話目感想
{netabare}
天満屋は曲者だなぁ。

矢三郎と天満屋の化かし合いはこれからも続くのかな。

今のところは台詞回しと雰囲気だけで話は期待してたほどでもないかなぁ。

1期8話クラスの神回は来るのだろうか。
{/netabare}

3話目感想
{netabare}
曲者の天満屋でも弁天様には敵わないか。

それにしても天満屋のトリックが気になる。

二代目がアイロンがけをしてる時のBGMが壮大なのは笑った。

今回で物語的にも少し面白くなってきたかな。とりあえず安心。
{/netabare}

4話目感想
{netabare}
将棋大会はめちゃくちゃに。

戦略的撤退をする矢三郎。そして消えた玉蘭は...。

今回はあのBGMを聞けただけでも良かったかな。
{/netabare}

5話目感想
{netabare}
納涼船回は1期と同じくドタバタしてて面白い。

弁天様があっさり負ける辺り二代目はかなり強いのか。

珍しく赤玉先生がカッコいい回でもあった。
{/netabare}

6話目感想
{netabare}
地獄絵の中に落とされた矢三郎。早雲はほんと悪役だなぁ。

弁天様は二代目に負けて落ち込んでると思ってたけど意外と元気そうだった。

今回は弁天様がいたから矢三郎は大丈夫だったけど何だか不穏な感じになってきたような...。{/netabare}

7話目感想
{netabare}
弁天様に金曜倶楽部へと迎えられる矢三郎。

そして早雲が天満屋により銃殺。今作は二代目との話がメインなんだろうし徹底した悪役の早雲はこの辺で退場せざるを得なかったのかな。

早雲がどんなに嫌な奴でも1期からいたキャラが死ぬのは辛い。
{/netabare}

8話目感想
{netabare}
早雲の死をきっかけに下鴨家と夷川家の関係にも変化が。

海星が矢三郎の前に姿を見せなかったのも矢三郎を思ってか。

矢二郎は旅に出ようとしている様子。

矢二郎は海星が好きなんだっけか。

旅に出るというのは矢二郎が色々考えて決めた事なんだろう。
{/netabare}

9話目感想
{netabare}
矢二郎は旅に出てしまったか。

天狗が狸の話に関わってくると途端に頼りにされる矢三郎。

何だかんだで皆から信頼されてるよなぁ。

折角二代目を説得したのに弁天様が来てまためんどくさいことになりそう。
{/netabare}

10話目感想
{netabare}
京都にいる呉一郎は偽者で四国にいる呉一郎が本物?矢二郎の旅がまさかの事実を明らかにさせた。

そして海星と矢三郎はどうなるのか。

続きが気になる展開にはなってきたか。
{/netabare}

11話目感想
{netabare}
2期の話では今回が一番面白かった。

銀閣は根は良い狸なのかな。金閣よりはまともな感じがする。

流石に偽空気銃は二代目にバレるよな。

そして京都の呉一郎は早雲が化けていた姿だったとは。

次回はついに最終回。果たしてどうなるか。{/netabare}

12話目(最終回)感想
{netabare}海星を傷付けられて怒る早雲は何だかんだで父親なんだなぁ。

二代目と弁天様はプライドが高すぎる大人になれない子供。この二人を分かってあげられる赤玉先生はやはり流石。

矢三郎と海星の関係が進展したのは良かった。

2期は全体通して1期より盛り上がりに欠けていた印象はあるものの雰囲気を楽しめたので満足。

物語の評価は3.5にしようか悩んだけど好きな作品なので甘めになってしまう。

続編があるのであれば是非また観たい。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

67.7 8 親子で恋愛なアニメランキング8位
レ・ミゼラブル 少女コゼット(TVアニメ動画)

2007年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (84)
479人が棚に入れました
フランス革命以降、いまだ混乱のなかにある19世紀前半のフランス。ファンティーヌは3歳の娘・コゼットとともにパリ郊外の村・モンフェルメイユにやって来る。ファンティーヌはそこで出会ったひと組の母娘の微笑ましい光景を見つける。それはこの村で宿屋『ワーテルロー亭』を営んでいるテナルディエ夫人と娘のエポニーヌ、アゼルマの母娘が遊ぶ姿だった。その風景にファンティーヌは安心し、夫のテナルディエにも丸め込まれたこともあり、金を払って夫妻にコゼットを預け、仕事があるというモントルイユ・シュル・メールに旅立つ。

声優・キャラクター
名塚佳織、松元環季、菅原正志、萩原えみこ、松山鷹志、小林由美子、勝杏里、笹本優子、大塚友稀、間宮くるみ、鎗田千裕、矢部雅史、堀越真己、かないみか、小村哲生、島田敏、竹本英史、岸祐二
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

桜井弘明監督より、現代の子供達とビクトル・ユゴーへ捧ぐ名作

2007年放送のTVアニメ。全52話。
原作は小説『レ・ミゼラブル』。言わずもがな、1862年ヴィクトル・ユゴー執筆の名著。
原作未読です。

以前から本作は気になってはいたのですが今年NHKで放送したTVドラマ(2018年イギリス・アメリカ制作)が良かったため、本作の視聴を開始しました。
※このレビューで比較する場合は2018年TVドラマ版となりますのでご承知置きください。

【物語】
筋立てはさすが名作の貫禄で、アニメ化にあたり細やかな改変がなされた世界名作劇場の名に恥じない子供向け作品。
本筋がある程度わかっているため、細かな部分に集中して見られて良かったです。

余談ですが子供向けの本作でさえ次回への引きが暗くてちょっと疲れたので、時代と共に私自身の感性も変わったのだなと。原作小説どうしようかな…。

【声優】
キャスティングも素晴らしかったですし、演技も自然で作りすぎておらず親しみやすい。皆さん名演技でした。
公式サイトのインタビューを読んだところ、あまり作らず自然体でやっていこうという方向性だったようです。

【作画】
キャラクターデザインとても良かったです。毎回の作画班も力のある人たちで、芝居付けがとても丁寧でした。
街の人達やアベセーの友の若者達、兵士や御者が何人も出てくるシーンの顔立ちの描き分けが素晴らしかった!子供達もコゼットも生き生きしていて愛があって良かったです。

【音楽】
OP,EDは共に名曲でアニメーションもとても好きです。
勿体無い…というか好みの問題だけど、BGMが主張しすぎると感じるシーンが多かったです。楽曲そのものではなく、使い方の問題ですね。
作画でしっかり表現できているからこそ音楽は少な目でも良いだろうと思うのですが、もしかしたら贅沢な文句かも(苦笑)。

【キャラクター】
少女コゼットは子供向けとしてレトロながらだいぶコミカルやほのぼのがあって、長い尺を活かしてキャラクターの掘り下げもしっかりしています。
オリジナルキャラクターや少ししか出ない人物も、作品内での役割と活躍を与えられています。
子供視聴者のため、作品のテーマのため、キャラクターの言動と描写を念入りにコントロールするという辛抱強い仕事をこの作品のスタッフは全52話やりきりました。素晴らしかったです。

{netabare}
ジャンの慈悲深さがずっとぶれなかったのが特に素晴らしかった。アベセーの友のアンジョルラスとの語らいは特に胸に来ましたね。
コゼットは活躍の場が少ない主人公ではありますが、ジャンの人生の見届け人でもありますし、マリウスと共に父の志を引き継ぐという一番大切な役割を担っていました。夜の庭で語り合うシーン、静謐な雰囲気が好きでした。


あとは変更点が多かったキャラクター達について少し。

・ガヴローシュとシュシュ
テナルディエ一家に虐められるコゼットの辛さを緩和する役でした。
TVドラマだとガヴローシュは特に仲良くしませんし、シュシュもいません。鍛冶屋に奉公に出ることもなくて家族には蔑ろにされるばかりですが強く生きています。原作だと子犬は死んでしまったし、ガヴローシュも革命のさなかに命を落とします。
本作ではガブローシュとシュシュを生存させることで、コゼットの生活が重苦しいだけにならないよう工夫しているんですよね。
ストリートチルドレンとして逞しく生きる姿は原作にもあるそうですが、その後幼い二人の少年を世話することでガヴローシュもまた誰かに何かを「与える」側として描いています。

・アラン(オリジナルキャラクター)
マドレーヌ市長に救われた男の子ですが原作にはいません。もちろんTVドラマ版にも。
彼は幼い甥姪のためにパンを盗んだ若き日のジャン自身でもあるでしょうし、モントメイユ・シュル・メールでは最も視聴者の視点に近い登場人物です。アランがいることで市長は孤独な人物ではなくなり、ジャンが救うことができた者の代表でもある。
市長が姿を消した後、市長代理としてモントメイユ・シュル・メールを守っていると知ることができます。市長が急にいなくなって大丈夫?という不安が解消されたのが私は有難かったですね。
そしてコゼットやマリウスと同じくジャン・バルジャンの志を受け継ぐ者でもあることが、49話で描かれます。

・エポニーヌ
子供向けとしての改変を入れたことで、エポニーヌが可哀想すぎる印象に…。でもこればっかりは仕方ないんですよ…。
エポニーヌは両親の影響によって性格が歪み、誰かに何かを与えることなく生きてきた少女です。TVドラマ版では(おそらく原作でも)彼女は犯罪に加担することに抵抗のない娘に育ってしまっています。
そのエポニーヌがマリウスへの純粋な恋心で変わっていき、マリウスに全てを与えて命を落とす。この役割は彼女にしか果たせないし、この作品には必要なのだと思います。
エポニーヌ、毎回作画班に愛されてましたね(泣)。いやこれは仕方ないって。依怙贔屓じゃなくてせめてもの手向けですわ…(´;ω;`)


ジャベールとテナルディエの顛末については原作既読の人には賛否ありそうだけど、日本的な感性と視聴者層と本作で新たに加わったテーマを考えれば必要な変更点かと。

・ジャベール
ジャンの信念「人は変わることができる」へのアンチテーゼ「人は変わらない」という信念の持ち主。TVドラマ版(及び原作)ではジャンを逮捕せず、自身の信念を失ったことでセーヌ川へ飛び込んで自殺します。
本作ではアンチテーゼの役割を勤め上げた上で、本人も考えを変え自殺はしませんでした。ジャンが「変えた者」と言っても良いかもしれません。
橋の上で朝日が差してくる演出、綺麗でとても好きなシーンでした。

・テナルディエ
同じくジャンへのアンチテーゼ「変わらない人間、変わろうとしない人間」そのもの。TVドラマ版ではマリウスが最後に父を救ったテナルディエと知り、礼として金を渡し、テナルディエは姿を消します。
本作ではマリウスが金を与えるのはもっと早い段階であり、最後はジャベールに逮捕されます。ジャンが「変えられなかった者」でもあるのでしょうし、ジャベールのような人が存在する理由とも言えます。
テナルディエは「世間を喰ってやる」と言っていて、エポニーヌやガヴローシュとの対比が凄いなって思った。多分唯一誰にも何も与えない人だったなあ。{/netabare}


【原作の主題を守りつつ、現代の子供達に伝える工夫】
原作の辛い描写をただマイルドにするだけでなく、オリジナルのキャラクターや設定を追加・変更し、それを使い尽くすことで新たなメッセージ性を加えた点は評価が高いです。
{netabare}
TVドラマ版ではジャン・バルジャンの献身がなかなか報われずファンティーヌの死に方も凄惨なので、見ていて結構辛いんですよね。ジャンがいかに運命に翻弄されても良心を保てるかを、私達も見届けなければならないような部分がある。
けれど、それは今の時代で子供向けとしては少々辛すぎるでしょう。
本作ではコゼットが主人公として健やかさも可能な限り描かれ、ジャンは報われることも増えています。
特に顕著なのは27話で、コゼットとファンティーヌによく似た境遇の母娘を助けることになる。この回でジャンは過去の後悔を少しだけ払拭し、貧しい人のために働くことを再度誓う。コゼットは母親の娘を想う心に触れてファンティーヌの気持ちを少しだけ理解し、母娘の再会を喜ぶ。この回はシリーズ構成の金春智子さんが手掛けた完全オリジナルエピソードなんですね。


誰かに何かを「与える」ことも一貫されたテーマだと思っています。
ミリエル司教が銀の燭台を与えたのに始まり、ファンティーヌの苦労、ジャンとファンティーヌのためにシスターサンプリスが嘘をついたこと、ジャンの社会貢献、アベセーの友が民衆のために命を懸けたこと、エポニーヌがマリウスを守ったこと。
顔見知りでもそうでなくても、金銭でも行為でも、様々な「与える」行動が見られたなと。

子供向けとして誠実だと感じた事柄として、社会支援があります。
ジャンの行う支援には短期的なもの(食料や金銭を配る)と長期的なもの(労働の確保や学校の設立)がありそれらを同時に行っているのがとても良い。ガヴローシュのように貧しくても子供達の面倒を見ている様子も、お金が無くても出来ることはあるよと言っているようで好きなんですよね。
それでも、最終的にガヴローシュもブレソールもユーグも、ジャンやコゼットと家族として暮らしながら学校に通うことになるのがさらに良い。

また、世代を超えた継承の物語でもあると思います。
ジャンからコゼットとマリウス、アランに受け継がれた志は特にわかりやすく描かれました。
マリウスがコゼットからジャンの志を知ることが革命への原動力になり、アベセーの友が残した遺志がマリウスに様々な決断をさせる。
ファンティーヌがコゼットに尽くした行為がモントメイユ・シュル・メールに託児所を建設させる。
そしてコゼットが我が子を純粋に愛し育てる。
現代と当時の共通した普遍的な問題と、世代を超えて受け継がれるものを描くことで、現代の子供達へも身近に感じられるようにする狙いもあるのではないでしょうか。
だから「人は変わることができる。人類も同じだ」というスケールの大きな言葉で物語が締めくくられたのだと思います。{/netabare}



【ジャベールが最後に呟いた詩について】
{netabare}
「彼ここに永眠す。数奇な運命にもかかわらず、彼は生きた。天使を失うや、彼はみまかった。死はひとりでに訪れた。さながら昼が去り、夜が来るように」

これは原作ではジャンの墓石に木炭で書かれていたとされる詩なのだそうで。{/netabare}
この作品、原作リスペクトも相当行き届いているのではないでしょうか。
とても素敵な作品だと思います。


【視聴中のメモなど】
メモやらツイッターへの投稿やら混じってるので雑多で読みにくいですが、纏めきれなかった内容も残っているのでお暇ならどうぞ。
{netabare}
序盤で、自力で何とかしようとしすぎて自分を追い詰めてしまったファンティーヌと、何人かの大人に頼ることで自分らしさを保ったコゼット、上手く対比させた所が良かった
ファンティーヌが唯一頼ろうとしたのが市長で、そこですれ違ったことが次第にファンティーヌが人間不信になっていく切っ掛けになってしまうのとても良かった

12話、ここでガブローシュをコゼットから引き離すんだ…ガブローシュがいたらジャン・バルジャンが迎えに来てもコゼットは躊躇うんじゃないかと思ってたから上手くかわしたなあ

オリキャラの追加も適切だなって思う
市長が救った万引きの少年アランが子供向け作品に必要な役割を沢山担ってくれてて、アランは子供の視聴者に近い視点を持ってるし、マドレーヌ市長の人間性を引き出してくれるのがとても良い

エポニーヌの個別エピソードがあって、憎たらしいだけにしないの好き
エポニーヌとアゼルマは親の影響でああなってしまっただけで、根はごく普通の女の子。コゼットを羨んだりいじめたりするのは良くはないけど、普通に抱いてしまう感情だと思う
こう言うのも何だけど女の子はこういう所があるのは当然だと思うので

コゼットとガブローシュの別れもちゃんとやってるよこのアニメ!どんだけ丁寧なんだ…
ていうかアニメスタッフ、自分たちが作った設定全て使い倒すつもりだこれ

コゼット、TVドラマでも黒い服だったんだけどこれ原作からそうなのかなあ…似合うけど明るい色の方が好きだなあ、それこそ第1話みたいなピンク色とか
って思ってたらコゼットの黒い服は喪服なんだろうかと思い至る

うん…追悼の旅なのは解ってたけどね…泣かないコゼットが逆にキツイんですけど…ていうかこれまだ受け入れられてないよね…コゼット…
EDこれなの反則だよね…一気に追悼の歌になるじゃん?先がわかってるのに地味につらい
次回予告がちょっと面白い系のノリなの絶対わかっててやってるよね…
ここでちょっとでも癒されてくださいってことですか?笑えないよ…いや面白いしよく出来てるんだけども

16話めっちゃ良いな…コゼットはファンティーヌとの思い出を追ってきちんと心の整理を付けて母親の死を受け入れる、で自然に「お父さん」て呼べるようになるの本当に綺麗な流れ


修道院での様子もほのぼのする
マドレーヌとフォーシュルヴァンのコゼットを想うやり取りも好きだし、本物の監獄や外の世界の事を知ってるマドレーヌ(ジャン・バルジャン)はコゼットの事を思えば修道院内で生きて行って欲しい
でも最終的に子供の決断を認めることになる

元々子供向けではないから大人の世界の描写が多くなるのは当然ではあるけど、子供を物語の中心に据えるために色んな工夫をしてるのが良い
マリウスの祖父にしても悩む様子が色々描かれていてフォローが行き届いてる

この作品血が繋がってない親子の方が見てて和む
ガブローシュが鍛冶屋出るときの会話好きだなあ

23話
未だ出会わないコゼットとマリウスの新しい生活が始まり、他界した親に思いを馳せる二人の対比が上手いなあと
エポニーヌ、アゼルマ、ガヴローシュも顔見世してるけど時の流れが彼らをどんな風に変えたのかすごくわかりやすい
あと、家政婦のトゥーサンがかないみかさんで、この年齢の女性を演じるのがなかなか無いのでそれだけでも希少な作品だなと、シスターサンプリスもかないさん
このアニメのキャストはイメージ通りなのに普段あまり演じないような役をあてている気がするのでたまに驚く

25話の動画が繊細で眼福だった!エポニーヌが一番力入ってる気がするなあ
話の流れも綺麗に整理されてて、色んな誤解やら何やらですれ違うのが上手
ジャンとユリウスの関係がどんな風に展開するのか気になる

少女コゼット、やっぱり27話はオリジナルなんだ
話数が潤沢+子供向けとして削らざるを得ない内容があるために余裕が出来た尺にこういう単発の小品を入れてくれるのがとても良いし、暗い作風にしないよう気を使ってるの凄く感じる
ジャンにとっては禊、コゼットにとってはお母さんの様子を想像させる経験

この作品富める人も貧しい人も「与える」ことがめっちゃ多くて、父親と同じ家に住んでいるエポニーヌさえ育てた花はマリウスやコゼットが心を寄せる存在になっていて(叶わぬ恋の象徴だとしても)、貧しいかどうかは関係ないなあと
だからテナルディエが世間を喰う(奪う)と言うのがホント皮肉

34話
貧しくとも逞しく生きるガヴローシュが小気味良くて、しかも小さな子供達に生き延びる術を教える
協会で配られているパンは病気の人やお年寄りのためのものと言えるのが凄いな…
テナルディエのような父親を持ったからこその矜持なのかな

ストリートチルドレンを哀れに描かない、お金が無くても弱い人のために出来ることがあるというのをやってるのがとても好き

富める者として慈善活動を行うジャンとコゼット、パンを配って今目の前にある命を救うと同時に長い目で見て人を救う学舎を作ろうというのが凄く良い
短期的な支援と長期的な支援を描くのが子供向けとして誠実な作品だと感じる

そして27話の少女のことやコゼットから伝え聞くジャンの生き方から、マリウスは真剣に社会問題に向き合う
マリウスとコゼットの逢瀬が清廉に描かれてて、監督とシリーズ構成の采配が素晴らしいと思う

今や聖女のようなコゼットとボロボロで彷徨うエポニーヌ、こうなるのは仕方ないけどギャップが悲しい
TVドラマ見た限りでは、エポニーヌは犯罪に荷担するくらいでないとバランス取れないんだなと思ってしまう
何一つ他人に与えなかったエポニーヌが愛する人のために…というのが原作の肝なのかなって

39話
コゼットとエポニーヌの会話とても良かった
ファンティーヌとコゼットはよく似てるけど、エポニーヌアゼルマは母親に全く似ていないのも狙い通りなのかなあ
ガヴローシュの生活をしっかり描いてるのも好き

クールフェラックの「奴には奴の人生がある」という言葉がこの作品の一面を言い表している気がするなあ

ファンティーヌとコゼットは顔立ちが面長で上品、エポニーヌとアゼルマは童顔気味で素朴と、キャラデザも良く出来てる
コゼットは子供の頃にあったお茶目な所が修道院にいたからか無くなって少し寂しい気もするけど、エポニーヌの女性らしい妬みと一途さも見ててちょっと悲しくなるというか(´・ω・`)


エピローグに尺を割いたのはキャラクター達の「これから」を意識したからなのかなと。

そして少女コゼットは本来想定されていない子供のための作品。
ジャンが守り導いた若者はコゼットにとどまらず、アランというオリジナルキャラクターを設定したのに顕著だけれど、世代と時代を越え志と行為が継承される。52話という長さで丁寧に積み重ねた描写がそれに説得力を持たせた。
{/netabare}

【公式サイトより自分用メモ】
概要と監督インタビュー。興味があればどうぞ。
{netabare}
原作はフランスの文豪ビクトル・ユゴー作「レ・ミゼラブル」(邦題:「ああ無情」)。

貧しさゆえに一欠けらのパンを盗んだ罪で19年間も投獄され、出所後、ミリエル司教との出逢いにより良心に目覚め改心を誓うが、その過去によりその後も波乱の人生を送る主人公のジャン・ヴァルジャン。ナポレオン失脚後の王政復古・市民暴動に激しく揺れる19世紀初~中期のフランスにおいて、貧しき人々が運命に翻弄されながらもたくましく生きる姿を素晴らしい筆致で描ききる大河小説です。

経済が発達しグローバル化が叫ばれて久しい現代においても、社会の歪み、矛盾、人心の荒廃などといったユゴーの描くテーマは今も我々に問いかけられている普遍のテーマです。虐げられた人々、世間の片隅に追いやられた人々を愛情こもった目で見つめながら、社会の矛盾や悲惨を描写すると同時に、個性豊かな、魅力的なキャラクターたちがドラマチックな展開で我々を夢中にさせます。

この不朽の名作を、弊社の代表作である“世界名作劇場”の新たなる第一歩として取り上げ「少女コゼット」に視点を当てるという新たな切り口で現代によみがえらせる意義は大きく、広く世の人々に訴えかける良作であると確信します。{/netabare}

【桜井弘明監督インタビュー一部】
レビュータイトルはここから。

「原作はバァーン!ってあるんですけれど、時代が何しろ19世紀に書かれた物語ですし、今21世紀の皆さんに見てもらうためには少し時代に合うように変えないといけない部分もありますし、変えてはいけない部分もちゃんと見据えて、ビクトル・ユゴーの墓前に「これができました!」って持っていってもいいようなものにしたいという心構えでいます。」

(2020.10.31)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

フランス文学を代表する原作力 もっと視聴されるべき、不朽の名作 

-----物語-----

普段アニメばかり観ているという人でも、
この作品の名前くらいは聞いたことある人は多いはず。
かくいう自分もどういう物語かは知らずに視聴しましたが、
原作やその他の媒体からアニメへ、という流れで視聴するよりも、
まずアニメからこの物語を知ることができたことは、本当に良かったと思います。

世界名作劇場の原作は、実際そこまでメジャーなタイトルではないものもありますが、
こちらの原作はフランス文学を語る上では、それ抜きにしては語れない、
ヴィクトル・ユーゴー作「レ・ミゼラブル」
世界中でこれまで数えきれないほど舞台化され、
映画やドラマ化もされている有名な原作ですが、
(最近では英BBCが制作したドラマ全8話がNHKで2020年春に放送された)
名作劇場のタイトルは副題が「少女コゼット」となっており、
このサイトのパッケージイラストも母ファンティーヌとコゼットになっていますが、
実際の原作の主人公はジャン・バルジャンというおっさんです。

アニメ化に際してコゼット視点を中心に描くことで、
硬くシリアスに振りすぎないよう(通常のアニメとしては充分過ぎるシリアスさではある)
ある程度の子供からでも観れるよう、
原作をアレンジし観やすくバランスを取っているように思いますが、
本来の主人公がおっさんなので、
内容がシンプルかつ明確なメッセージを持っているのが特徴である、
他の多くの名作劇場の作品に比べると、数多くのテーマを扱い、
また何よりその内容が濃く奥深いものとなっているのが特徴と言えます。

その他、終盤にかけては原作者自身が体験したという、
実際の歴史上の事件を絡めて描いている点も特筆すべき点ですね。
原作は5部に別れており、アニメも52話とかなりのヴォリュームですが、
ある程度簡略化し、オリジナル要素も取り入れて解り易く構成されています。
描かれる時間の経過と共に舞台も移して、一言でいえば、まぁ〜ほんとに大作ですね。
よくこれだけの物語を考えたもんやなと…ただただ凄いとしか言えません。

〜これから観る人へ〜

物語は全編通してシリアスですが、
特に序盤のコゼットの幼少期、母ファンティーヌのエピソードは悲惨で辛いです。
コゼットの常に味方であるガブローシュやシュシュは居るものの、
悪役のテナルディエ夫妻たちやファンティーヌの周りの人間のせいで、
かなり胸糞悪いし哀しいです。
(それでも原作よりかなりマイルドとのことですが…)
でも、何とかここを耐えて観続けてほしいですね。
哀しみの中にも心温まる感動の名場面もあるので。
実際のところ序盤はコゼットを主人公に描くためのオリジナルが多いようです。

中盤以降コゼットの存在感がやや薄れてくるにつれ、
スローペースになる印象も受けますが、
後半〜終盤にかけてはどんどん目が離せなくなってきます。
すべてはラストに向けての必要な展開で、しっかりとオチも付けており、
視聴後には何ものにも代えがたい大きな感動と余韻を貰えることでしょう。

〜既に観た人への感想〜
(ネタバレではありません)

当時思想家でもあった原作者は死刑廃止論者であり、
作品の根底にはキリスト教的な赦しの思想があると思いますが、
キリスト教徒ではない一般的な日本人の思想とはやや異なるかなという気がします。
自分にとってはこれが良い意味で考えされられるものでした。

ジャン・バルジャンの「人は変わることができる」という作品内の名言に関して、
とても感銘を受けましたが、自分は100%の共感はしていません。
テナルディエのような根っからの悪党が、
ジャン・バルジャンほどのレベルにまでは決して変わらないでしょう。
なので、ジャベールの信念や葛藤にも共感できる部分があります。
罪を償ってまともな人間になったとしても、
それが本来の普通であって、過去のマイナスを帳消しにして、
プラスに転じるまでのことをやる人間なんて、実際どれだけいるでしょうか。
だからこそジャン・バルジャンの行ったことに胸を打たれるんですが。

作品を観た後で自分が言葉を付け足していいなら…
「人は変わることができる(かもしれないけど、よっぽどのことが無ければ変わらない)」と。
ジャン・バルジャンはよっぽどのこと(ミリエル司教との出会い)があったから変われたけど、
そもそもジャン・バルジャンは小さな罪を己の優しさから犯したのであって、
元々は善人だったと思います。
貧困や弱さ、世の中の不条理が人を変えてしまうということを、
作品を観て改めて痛感されられました。

-----声優-----
アニメより吹替などの仕事が多いせいか、
ジャン・バルジャンを演じた菅原さんの低音で落ち着いた声が新鮮で渋かったです。
自分にとってはスカパー!内での釣りビジョンで以前から聞き馴染みがあったので、
アニメで実質的な主役をやってたのが驚きではありましたが、
できればまたアニメの仕事もやってほしいなと思いました。

コゼット演じる名塚佳織さんも声優として充実期を迎えるタイミングでの抜擢とあって、
少女役なんかは年月を経た今となってはなかなか新鮮ですね。
その他登場人物がそこそこ多いながらも、
やはり名作劇場で起用される方々の演技は安定しており安心感がありました。
今では人気声優の沢城みゆき、戸松遥さんがちょい役で出ているので、
注意していれば気付けるかもしれません。

-----キャラ-----
名作劇場に出てくる主要キャラはそもそも聖人的なタイプが多いものですが、
この作品に出てくるジャン・バルジャンは元徒刑囚という設定が特筆すべき点です。
彼の波乱万丈かつ激動の人生を通じて、
その言葉や行い、苦悩や葛藤から本当に大きな感銘を受け、
人生に於ける人として大事な事を学ばせて貰ったように思います。
因みに彼にとっての運命的な出会いである、ミリエル司教とのエピソードは、
本編では過去の出来事として、そこまで掘り下げられてはいませんが、
小学校での道徳の授業でも取り上げられているほど素晴らしいもので、
この部分だけで1話使っても良かったと思えるほどです。

登場人物は結構な数になりますが、本当にドラマチックで、
序盤からのキャラを殆ど使い捨てにしていないのが凄い。
ジャン・バルジャンやコゼット、マリウスとの関わりを、舞台や時間が経過しても、
絡み合う運命、宿命ともいうべき描かれ方で見事に繋げています。
途中で正直もうお前は出てこんでエエわ、と思うこともありましたが笑
終盤に見事なオチがついているので納得できます。

原作とは異なるオリジナルキャラや死ぬはずの人間が生きているなどの改変がありますが、
原作未読でアニメから観た自分には全く違和感なく、
むしろこちらの方が良いのでは?と思える良アレンジになっていると思います。
これが原作を読んでアニメを観た人だと、相違にケチをつけたくなるかもしれませんから。

-----作画-----
名作劇場は長らくセル画で作られていましたが、
10年の中断期間の間に制作環境も変化し、
本作がデジタル化されてから初めての作品となっています。

大きく変わった点として、キャラデザインがこれまでの作品とは異なり、
コゼットの幼女時代など、やや萌えを意識したものになっているのは、
以前の名作劇場の作品と比べると賛否両論あるかもしれませんが、
昨今のアニメ事情を鑑みれば、特に違和感はないかもしれません。

デジタル化して以降の作画レベルとしてみれば、あまり高度なものではないとは思いますが、
(普通に考えて52話途切れずハイレベルな作画を続けられるわけがない)
セル画時代から受け継がれている、味わい深い背景描写は健在です。

-----音楽-----
OP,ED共に斉藤由貴が歌っていますが、
これは日本で「レ・ミゼラブル」のミュージカルが1987年に初上演された際に、
彼女がコゼット役を演じていたことに関係しているようです。

自分は先に曲を聴いて直感で視聴するかどうかを決めましたが、間違いなかったですね笑
OPアニメーションも同様に感動的なものです。
物語のラストにOPの2番が初めて流されますが、涙なしには観れません。
また、挿入曲として名塚佳織さんが歌った「夢であおうね」と、
44話のクライマックスでのみ流れた「私にできること」も共に胸が締め付けられるもので、
名場面を彩る極上のものとなっており、こちらも感涙必至です。

名作劇場で一番力を入れていると個人的に思うのがBGMですが、
本作も同様に本当に素晴らしい楽曲の数々です。
曲数もさることながら、オーケストレーションメインで、
アコースティックな生音の温かみが感じられ、
サントラが欲しくなる、とても素晴らしい仕上がりだと思います。
ややドラクエっぽいところがあるなと思って後で調べてみると、
これまでにすぎやまこういち氏と共同でゲーム音楽などを制作されている方のようで、
なるほどと納得しました。

-----最後に-----
世界名作劇場が地上波での放送を終了して10年という月日が流れ、
BS枠になって復活した際に放送された作品ということもあってか、
名作劇場の作品群の中でも世間的にはあまり認知されていないように思います。
実際「ロミオの青い空」などと比べると「あにこれ」におけるレビューも少ないですが、
ここまで素晴らしい作品が隠れた名作として埋もれているのは本当に勿体ない。

本当に素晴らしい物語を観たいという人へ、
52話は確かに視聴をためらう長さですが、
中途半端な作品を5本観るより、よっぽど価値がある内容だと思います。
なぜこの物語が不朽の名作として時代を超えて世界中で愛され続けているのか、
ぜひ確かめて頂きたいですね。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

ななりす さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

隠れ過ぎている名作!涙なしでは観られない感動ストーリー、もっと多くの人に観てほしい

全52話
ジャンル:感動
テーマ:人は変われる、親子愛

世界名作劇場シリーズとして、BSで4クール1年かけて放送された作品。このアニメはとにかく何度も感動して涙が出ました。4クールと少し長いですけど、凄く良いストーリーです。

物語は19世紀のフランスが舞台。当時の貧困に苦しむ人々の生活を中心に描かれています。前半はとにかく観るのが辛い。まるで同じ世界名作劇場シリーズの「小公女セーラ」を彷彿させる展開。理不尽過ぎて、もうやめてあげて~!と言いたくなる。それに鬱な展開もあってブルーな気分になりますが、とにかく前半は辛くても我慢が必要で、コゼットの健気さに心を打たれます。

この作品はうまく丁寧に伏線を回収していくので、その伏線を回収していく中盤からが特に面白いです。途中群像劇が楽しめ、私の好きな「MONSTER」を観ているようなのがとても良いです。その中でニアミスやすれ違い多数で楽しめ、私はもうハラハラしっぱなしでした。

ジャヴェールという刑事が「MONSTER」のルンゲ警部のように、キレ者で職務に忠実かつ信念を曲げなく、執念深いような所が凄く似ていて良い味を出しています。もう一人、テナルディエというキャラがいるのですが、こいつは終始イライラさせられます。でも、物語を盛り上げる良いキャラだったような?気がします(苦笑)。私はエポニーヌがコンプレックスを持って人間らしさを持った良いキャラだったと思う。前半は嫌いなキャラだったけど、中盤から後半は感情移入してしまいました。38話とかかなり見所だと思います。

また、前半から後半まで人生観を変えるような名言が沢山出てきます。もう良い言葉ばかりで一つ一つに感動を覚えました!次に恋愛もあって、「ロミジュリ」みたいに胸キュンな純愛に描かれています。あるキャラのおかげで恋愛作品によくあるような甘酸っぱく切なく描かれているのも特徴。想いが中々伝えられないとか凄く切ないです。

前半から最終話まで親子愛も丁寧に描かれていて、私の心に凄く響いてきました。優しい愛に包まれている感じが凄く伝わってきます。人と人との繋がりや絆も描かれていて感動しました。全体的に運命的な展開が面白く、とてもドラマチックな内容で、また心温まる作品でした。特に後半は涙が止まらない。あにこれに登録していなければ観ることのないようなアニメだったので、偶然の出会いに感謝しています。少し長いですけど子供から大人まで楽しめるアニメで、ストーリー重視で感動したい人は是非観てみてください。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17

71.4 9 親子で恋愛なアニメランキング9位
MIX(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (173)
583人が棚に入れました
舞台は「タッチ」と同じ「明青学園」。「タッチ」の主人公「上杉達也」の伝説から約30年、今、運命の兄弟が物語の扉を開く・・・親の再婚によって、血は繋か?らないが誕生日が同じ、双子?の兄弟となった「立花走一郎」と「立花投馬」は、明青学園・中等部の野球部に所属する 中学2年生。走一郎は捕手、打者として活躍。投馬は「ある理由」から三塁手を務めているが、人並み外れた投手の才能を隠し持っていた。走一郎の実妹て?、投馬とは血の繋か?らない義理の妹「立花音美」も中学に入学し、2人の周囲はなにやら騒か?しい。やか?て高校に進学する2人は、甲子園の土を踏むことが出来るのか・・・

声優・キャラクター
梶裕貴、内田雄馬、内田真礼、花澤香菜、高木渉、井上喜久子

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

あの栄光の夏から30年。明青学園野球部が蘇る。

「タッチ」で主人公の上杉達也らが所属していた明青(めいせい)学園野球部。
甲子園優勝から約30年後の明青学園野球部の物語です。

今まであだち充作品はあまり読んだことがなくて、
タッチも読んでいません。あらすじはなんとなく知っていたけど。

主題歌が好きだったので、興味を持って観てみることにしたのですが、
そうでなければこの作品もスルーしていたかも。

きっと「タッチ」を知っている方がもっと楽しめたのかもしれませんが、
「タッチ」を知らない私でも十分楽しめたし、
ストーリー自体は「タッチ」とは関係なかったです。

全24話です。


● ストーリー
かつで一度だけ甲子園優勝を飾った明青学園野球部。
今は低迷が続いていた。

明青学園中等部の野球部に所属する立花投馬(たちばな とうま)と、
立花走一郎(たちばな そういちろう)。

彼らは両親の再婚による義兄弟だったが、
兄弟バッテリーとして活躍することを夢見ていた。

しかし、野球部には監督への圧力により、
今は力のない投手がエースとされていた。


物語は中等部から始まります。
作中で時間は流れ、後に高等部に進学しますが。

投馬たちの家族関係や、野球部に流れる何か訳ありな空気など、
最初は謎だらけです。

それらが徐々に明かされていき、
周りが固められていく。

最初からすべてを語らず、
少しずつ分かるのも面白いなと思いました。


野球部の話がメインですが
前半は試合メインではなく、

妹の音美(おとみ)のことや、野球部での練習などの、
周りの人物との関わりを描くシーンが多いです。

それでも安定して面白かったです。

キャラ同士のやり取りは、
テンポと笑いがいい感じです。

ギャグとまではいかないけど、
微笑ましく笑えるワードセンスがいい^^

後半は試合も増えましたが、
それはそれで展開の読めない戦いを楽しめした。

まだまだチームとしては未完成の明青学園野球部が、
強豪校相手にどこまで、どう戦っていくか、ハラハラドキドキでした。

ラッキーによる部分も多かったですが、
この作品はこれでいい気がしていました。

そんな気楽さが今の明青学園野球部や投馬らしいなと思えたので^^


● キャラクター
メインとなる立花三兄弟が安定しています♪

投馬(cv.梶裕貴)は野球のことしか見えていないマイペースな子。
妹の音美に対する優しさがかっこいい♪妬いちゃうわw

もちろん、投手としての成長からも目が離せません。


走一郎(cv.内田雄馬)はキャッチャーとしてチームを支える大黒柱。
もちろん、投馬を支える妻役も忘れていません。

一番投馬のことを理解している、
キャッチャーとしても兄弟としても完璧なところが魅力的♪

女の子にモテモテで、
デートに忙しいところは投馬とは正反対なところですね。


妹の音美(cv.内田真礼)は学校一の美少女。

本人はそんなことには疎く、
投馬と走一郎の野球に夢中。

兄たちの野球の一番のファンであり、
周りからのやっかみや視線も気にしないマイペースさは、
容姿以上に魅力的でした♪

兄妹として互いを大事に思っているけれど、
音美と投馬にはそれだけで終わらない何かを感じます。

この何とも言えない距離感もまたくすぐったい♪


それぞれの声優さんも役に馴染んでいて、
キャラの魅力が増していたように思います^^

他にも、タッチでのライバルキャラやその息子が登場したりと、
タッチファンなら嬉しい仕掛けもありますよ♪


● 音楽
【 前半OP「イコール」/ sumika 】
【 後半OP「VS」/ ポルノグラフィティ 】

もともとsumikaが大好きで、
主題歌を担当すると聞いたのがこの作品を見ることにしたきっかけでした。

曲はアニメを見る前からずっと聞いていましたが、
アニメと合うとまた違った感じ方ができて、かなりいい感じでした♪

爽やかな曲が、
すごく雰囲気に合っていると思いました^^

しかし後半のOPがまたよくてですねー。

爽やかな前半OPに対して、こちらはかっこよさが加わって、
さらなるMIXの魅力が引き出されている!

同じ作品でも曲を提供する人たちによって、
こう描き方や味が違うというのはおもしろい♪

ポルノグラフィティの曲を久しぶりに聴きましたが、
この曲はかなりのお気に入りとなりました^^


【 前半ED「君に届くまで」/ Little Glee Monster 】
【 後半ED「君に伝えたストーリー」/ Qyoto 】

EDがまた良曲ぞろいで^^

OPも大好きでしたが、
EDもまた大好きなのです。

作品に沿っているかと言われれば、
OPに比べるとそうではないのですが、

曲単体だけでもう魅力的。
幸せです。笑


● まとめ
原作はまだ続いていますが続編を作る気はないようで、
24話できれいに話はまとまりました。

野球部の話だけど、野球の話だけで終わらないところが、
私には合っていたのかもしれません。

途中からは「作中の時はちゃんと流れてますよ~」と示すために野球の試合があるのかと思ったほどでしたからw

タッチを知っている方や、
のんびりと野球ものの作品を楽しみたい方にはおすすめです♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 18

waon.n さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

笑いと情熱のあいだ

 【First impression ~ review】

 とある配信で公開されていたので、一気に見てしまった。

 あだち充の作品は学生の頃は好きだったが、社会人になって新しい漫画が出ても買わなくなっていたが、このMIXという作品の名前は知っていたし、タッチの舞台であった明青学園でもう一度という懐かしさからワクワクしてしまう設定ではあるが、様式美のそれはあるとしても、もはや新しさを感じることがないので、漫画を読むかとなるとちょっと躊躇われていたところがあった。

 しかし、アニメを観てみると、再放送で小さい頃に見たタッチへのリスペクトがスゴイ感じられる脚本となっていて、あだち充の作品の良い所を引き出したアニメの演出があって、ただ明青が懐かしいわけではなく、アニメ作品としてもマルっと懐かしさがあるんです。

 タッチのアニメを見て、漫画を中古で買い揃えてみゆき、ラフ、H2、KATSU!とあだち充作品に触れてきたが、久しぶりにその頃を思い出してもう一気に見てしまった。

 さて、一気に見てしまったので、第一印象がそのまま今回のレビューになります。

 ズバリ、どこが良いのかって話をします。

 タイトルにもありますが、スポーツ×ラブコメの代名詞にもなっていると言っても過言ではないあだち充ですが、そのバランス感覚の良さと、どうなるか分からない恋の行方が良いです。

 アニメはまだ続編を乞うご期待という感じなので、まだまだ恋愛の行方がこれからどうなっていくのか分かりません。
 ラブコメの中には恋愛対象が矢印で見えてしまうレベルに分かりやすい作品が少なからずあります。こういった作品は表現が重たくなりすぎるように思う(ズバリ鬱陶しい)。
 好きだと分かっていて、それを成就させるために奮闘する姿を見せる自己投影型の恋愛作品って、観ている側に想像力を使わせない作りなので、全然面白さが分からん・・・。となってしまうんですよね。つまり、共感【してもらわなくては】始まらないので、説明的過ぎたり、分かりやすく演出しすぎたりするきらいがあるんです。自分の経験と重ならないと共感できないって人にはこれしか嵌らない。

 『MIX』では、誰がどう思っているのかを想像しなが視聴できるように、セリフの伝え方や間の取り方、表情、音楽などでキャラの心情をみせてくれます。
 恋愛模様の面白さって誰がどう思っているのか、そしてどうやって変化していくのかの余白を常に残していて、それを想像しながらそれぞれのキャラの気持ちを考えることが共感【する】ことに繋がりそこが面白い。
 例え間違えていても良い、人によって解釈が変わるんだから。
 『それは違うよ』とか観た人同士で話合うことができるそんな作品の方が個人的に楽しいと思うし、このあだち充の作品群はそういった面白さがしっかりある。もちろん今回も。
 脚本、と書いたけれど、原作の良さをそのまま出している脚本であって、原作あってこそだとこの作品については思いました。


 視聴者を意識している作り方。
 これはタッチの頃からそうだったけれど、メタ的なセリフがあったりする。原作も作品の中に作者がちょろっと顔を出したりするけれど、話が重くなりはじめると、しっかりと閑話を入れてくる。
 それを邪魔だと感じる人もいるだろうが、あだち充節に調教されている私やなどにはむしろ心地よく感じてしまい、この緩急のテンポだからこそ、一気にみても全然疲れない。
 視聴者を意識した脚本づくりとなっていると感じる次第です。


 タッチへのリスペクト。
 そもそも作者が同じなんだからリスペクトっていうのはなんか違うようにも感じるのですが、まぁ言葉の綾ですね。
 この30年前の舞台装置がまだ生きていて、少し彼らのドラマに影響を与えています。それが不自然でなく、確かにそうなるかもなと感じてしまう都合の良い頭なのですが、大きく絡めてしまうとそれもご都合主義かよと思ってしまう。
 そこは多分、注意して物語を作っているんじゃないかなって感じます。あくまでも主軸はMIXの主人公たちなのですから。


 ナレーターが南ちゃん!
 永遠のヒロイン南ちゃんの声をあてていた日髙のり子さんがナレーターです。これが良いです。そして南ちゃんをしていないところがまた良いですね。ここにも、前述したように、タッチという舞台装置を都合よく使いすぎている感を出さないようにしつつちょうどいいバランスを保っているように感じました。


 総括
 都合よく捉えている部分は多分多くある。
 こういった良い所を挙げていったけれど、それが逆に鼻につくという人もいるだろう。
 ただ、当時のタッチを好きだった人には須らくおススメであることは間違いない。
 タッチを美化しすぎて、汚されたなんて思わずに、今ある明青野球部をどうか一緒に応援してもらいたいですね。

 では、よしなに~

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

伝説、ふたたび。

この作品の原作は未読ですが、このタイトルを見て心の踊らない訳がありません。
物語の舞台が『タッチ』で「上杉達也」「上杉和也」「浅倉南」らが甲子園を目指したあの明青学園なんですから…

思い返せば、幼馴染って良いなぁ…と思ったのはタッチが初めてだったかもしれません。
家が隣でいつでも気軽に行き来できる間柄…
しかも相手が浅倉南の様な女の子だったら、きっと他には何も望まなかったでしょう。

作品を完走して『タッチ』のwikiを見て初めて知ったことがあります。
和也は事故死してしまいましたが、当時の編集部は大反対だったそうです。
だから原稿を受け取った担当者は、隠れて校了を終わらせて編集部から逃亡したんだそうです。
しかも、アニメで和也が亡くなった際には実際に告別式まで執り行われたんだとか…
鉄道橋の下で電車の通る音にかき消されながらも南が大粒の涙を流していたシーンは、今でも鮮明に覚えています。
当時テレビアニメは全部で101話もあったとか…
いかに偉大な作品だったかが窺えます。


舞台は「タッチ」と同じ「明青学園」

「タッチ」の主人公「上杉達也」の伝説から約30年、
今、運命の兄弟が物語の扉を開く…

親の再婚によって、血は繋がらないが誕生日が同じ、
双子?の兄弟となった
「立花投馬」「立花走一郎」は、
明青学園高等部に進学し、野球部に所属する。

走一郎は捕手、打者として活躍。
投馬は人並み外れた投手の才能を隠し持ち、
1年生エースとしてマウンドに立つ。

走一郎の実妹で、
投馬とは血の繋がらない義理の妹立花音美は
中学3年で人気者。

投馬や走一郎との関係が気になる監督の娘、大山春夏や、音美を追いかける西村拓味、
立花3きょうだいの周囲はなにやら騒がしい。

立花兄弟は、
甲子園の土を踏むことができるのか…


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

立花投馬が上杉達也、立花走一郎が上杉和也、そして立花音美が浅倉南と同じような立ち位置と考えて差し支えないと思います。
唯一違いを上げるとするなら、走一郎と音美は実の兄妹なので、音美の二人への当たり方が微妙に違うことくらいでしょうか。

しかも音美役にまややん、春夏役に香菜ちゃんが起用されているんですよ。
こんなの、もう滾るしかないじゃありませんか…
もう期待値MAXで視聴に臨みましたよ。

この作品の魅力は、明青学園が30年振りに甲子園を目指す道筋だけじゃありません。
30年前に上杉達也と同じグラウンドに立っていたメンバーが立花3兄弟の廻りに溢れているんです。
嬉しさ、悔しさ、そして悲しみを共有した当時の仲間の記憶が少しも褪せていないのが、この作品を視聴できる嬉しさを助長します。

私は甲子園には縁遠い存在でしたが、夏の甲子園の優勝校…3,000校の頂点として立つ甲子園のグラウンドの空気はどんななんでしょう。
もちろん、登場する大人が全て甲子園の決勝を経験している訳ではありません。
途中で夢破れて悔しい思いをしたからこそ今がある…そんな人だって当然存在します。

だから戦うのは選手だけじゃないんです。
大人も30年前から蓄積した思いを野球にぶつけ合って戦うんです。
これが燃えないはず…ありませんよね。
あだち充先生の描くキャラは飄々とした人が多いですが、内面は触れる事ができないほど熱く滾っているんです。

強豪ひしめき合う東東京地区…
もちろん、簡単に甲子園に行けるほど甘い地区では無いのは十分分かっているつもりです。
でも、何故か期待しちゃうんですよね。
立花兄弟の外見が上杉兄弟と似ているから…?
音美の言動が南ちゃんを彷彿させるから…?
音美の期待に応えようと二人が全力全開のギアを上げ続けるから…?
実は私にも良く分かっていないんです^^;
でも、いつかみんなの期待に応えられる結果を、二人で導き出して欲しいと思っています。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、sumikaさんの「イコール」と、ポルノグラフィティさんの「VS」
エンディングテーマは、Little Glee Monsterさんの「君に届くまで」と、Qyotoさんの「君に伝えたストーリー」

2クール全24話の物語でした。
これでアニメ化が終わること…ありませんよね。
これまでのあだち充先生の作品同様、最後まで描かれるのを期待しています。
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16

69.3 10 親子で恋愛なアニメランキング10位
みだらな青ちゃんは勉強ができない(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (301)
1296人が棚に入れました
名前の由来は――官能小説家の父に悩まされる女子高生・青ちゃんは、念願の一人暮らしを実現させるため、難関大学合格を目指して猛勉強中。「青春?男女交際?そんなの知るかッ!」……だけどそんな青ちゃんに、クラスの人気者で「リア充王」の木嶋がまさかの愛の告白。空気を読まない木嶋のアプローチに、勉強そっちのけで青ちゃんのエロ妄想が暴走する!

声優・キャラクター
和氣あず未、寺島惇太、津田健次郎、木村珠莉、近藤隆、白井悠介、深町寿成

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

青ちゃんは妄想のせいで勉強どころじゃない

タイトルがいかがわしくて最初は避けてたんだけど、
評判を耳にするうちに気になって視聴。

内容は予想していたよりも、かなり健全な思春期ものでした。笑
もどかしい男女の関係がこそばゆい!

原作者が女性なので、
女性目線で「わかる!」と共感できるシーンもあって、
男女関係なく楽しめる作品だと思います^^

ショートアニメなので、1話が12分ほど。
全12話です。


● ストーリー
高校生の堀江青(ほりえ あお)は、
官能小説家の父親から離れて暮らすため、

地方の国立大学に進学することを目標に、
青春のすべてを犠牲にして勉強に励んでいた。

そんな中、クラスメイトの木嶋拓海(きじま たくみ)だけは、
青に好意を寄せ、積極的に話しかけていた。

しかし、青は父の小説の影響から「男は野獣」だと思い込み、
勉強の邪魔にもなると、拓海のことを迷惑に思っていた。


父親の影響から中途半端に
マニアックなエロ知識があるせいで、

「男はセックスのことしか考えていない」
=「自分に好意があるなら、そういう目で見られている」

という妄想に
激しく振り回される青ちゃん。

木嶋くんはいたって普通な反応してるのに、
行き過ぎた妄想で反応してしまうw

いい雰囲気になると「おかされちゃう~」と覚悟するけど、
結局そうはならず、青ちゃんだけが暴走していたというのがお決まりパターンw

そのすれ違ったやり取りや勘違いネタが笑えます。
結局おかされたい青ちゃんなのですw

ガツガツしているのが女子の青ちゃんで、
男子の木嶋くんは終始爽やかでいい子だというのが、
この作品の品位を下げていない大きなポイント。

青ちゃんも、性的妄想はしちゃうけど、
壁ドンされて怖いと泣いちゃうほど純情です。

個人的に下ネタ系作品は苦手ですが、
この作品は女目線であるからなのか、嫌悪感もありませんでした。

むしろ青ちゃんと一緒に木嶋くんに(*´Д`)ハァハァしてましたw
一途で優しい木嶋くんはいい男だよ~。


≪ 「あーもう、なんで襲ってこないのよ!」 ≫

襲われることを警戒しながらも、
木嶋くんがそんな素振りを見せないともやもやしちゃう青ちゃんw

でもこれは青ちゃんだけに限らず、
女性の気持ちとしてはあるあるだと思うんですよね。

もちろん、青ちゃんほど極端な妄想はしないにしてもw

積極的な男性が、なんだかんだ女性は好きですから。
ただし、相手によるというのは、注意が必要なところですけど。笑
(見た目とかじゃなくて、関係性ね。)

一歩間違えれば犯罪者級に悪く言われるわけで、
男性からしたら積極的になりたくても難しいよなというのもわかりますw

さらに注意が必要なのは、
積極的な男性が好きだと言いつつ、

こちらの警戒が的中した場合は「ほらやっぱり危ないやつだ!」と、
より警戒を強めてしまうことw

たぶん青ちゃんも、木嶋くんが何もしないからもやもやして、
彼のことが気になって仕方がなくなっていくのですが、

これがね、木嶋くんが早い段階で野獣化して青ちゃんを襲っていたとしたら、
青ちゃんは木嶋くんのことを好きにならなかったでしょう。

うーん、男女の駆け引きって、難しい。笑


● キャラクター
青ちゃんと木嶋くんの関係も気になりながら、
周りのキャラも個性的♪

特に青ちゃんのお父さん(cv.津田健次郎)のキャラが強烈w

これは津田さんの演技がお見事すぎるww
声色の使い分けが面白すぎましたww

娘のことを大事に思っているのも伝わってきて、
いい父親でもあると思いました。エロに絡めなければ。笑

青ちゃんの名前の由来…ひどすぎるでしょw
娘につける名前じゃない…。笑


● 音楽
【 OP「WONDERFUL WONDER」/ エドガー・サリヴァン 】

ほどよくノリよく、好きな曲です♪

曲に合わせる映像もめまぐるしく切り替わっていて、
豪華ですねw

本編では見せない鬼畜木嶋くんの表情が印象的ですw


【 ED「恋はミラクル」/ スピラ・スピカ 】

この曲は最初に聴いた時から好きですね♪

ハニワっぽくて好みです^^

恋する気持ちがぎゅっと詰め込まれていて、
キラキラまぶしい曲です。


● まとめ
胸キュンなショートアニメで満足です♪

時間もショートでちょうどよい感じでした。

肩透かしが多い木嶋くんが、
ところどころ積極的になるというギャップにも満足じゃ♪(/ω\)

性的妄想だらけの青ちゃんだけど、
純情でウブな男女の恋愛、よかったです^^

投稿 : 2024/06/01
♥ : 25

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

妄想が…暴走するっ!

この作品の原作は未読です。
まぁ、タイトルを額面通りに受け止めて概ね問題無い作品だと思います。


名前の由来は…
官能小説家の父に悩まされる女子高生・青ちゃんは、念願の一人暮らしを実現させるため
難関大学合格を目指して猛勉強中。

「青春? 男女交際? そんなの知るかッ!」

…だけどそんな青ちゃんに、クラスの人気者で「リア充王」の木嶋が
まさかの愛の告白。

空気を読まない木嶋のアプローチに、勉強そっちのけで青ちゃんの
エロ妄想が暴走する!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

確かに青ちゃんの名前の由来を聞くと可哀想になります。
青って色んな言葉と繋がるのに、どうしてその言葉と繋げるの…?
と思わずツッコミを入れたくなる…そんな由来です。

そんな青ちゃんは、真面目な性格で常に勉強に勤しんでいる美少女なんですが、ある意味父親の影響を強く受けている女の子なんです。

父親は超有名な官能小説家で、そのため青ちゃんはHな知識だけは豊富で、オトコと恋愛に嫌悪感を抱いているとのことですが、それだけじゃありませんよね。

例えば、子供が父親の職業に興味を持ち高いスキルを身に付けるか…と問われると答えはNoです。
どこに勤めているか…は知っていると思いますが、どんな仕事をしているのか、知らない子供が殆どなのではないでしょうか。

特に高校生の頃ならなおのこと…父親は家族のためにお金を稼ぐ道具か何かくらいにしか思われていないことでしょう。
「親にならなきゃ親の気持ちは分からない」とはよくいったモノです。

ですが、青ちゃんは父親の職業柄知識が豊富というのなら、それは遺伝的要素が強いか、或いは好奇心が旺盛だからにほかなりません。
でも、そういうのをひっくるめて恥ずかしいお年頃なんでしょうから、青ちゃんの反応も仕方無いんでしょうけれど。

ですが、ぶっ飛んでいるのは青ちゃんの妄想だけ…というオチが付くのがこの作品が少年誌である所以。
青ちゃんは妄想家としても高いスキルをお持ちのようで、木嶋との妄想の暴走するレベル差が天地ほど隔たりがあるんです。
だから青ちゃんの暴走を除くと、この作品は「普通に人を好きになることを知る作品」なんだと思います。

しかし、物語のラスト…テストの結果が返されていまいたが、青ちゃん一体どこまで勉強できなかったのとツッコミたくなりましたよ。
これで念願の大学に進学できなければ本末転倒だと言うのに…
手を変え品を変え恋愛をゲーム感覚で楽しむのは如何なモノかと思いますが、まるっきり恋愛慣れしていないのも問題なんですね。
青ちゃんが典型的な事例だと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思いまうs。

オープニングテーマは、エドガー・サリヴァンさんの「WONDERFUL WONDER」
エンディングテーマは、スピラ・スピカさんの「恋はミラクル」

本編を完走してwikiをチラ見したところ、原作は全8巻で完結しており、現在は「淫らな青ちゃんは勉強ができない オトナ編」として連載が続いているんだそうです。
完結している作品であるにも関わらず、アニメが完結しないのは何故なんでしょうね。
この作品も円盤の売れ行きによって続編が決まるパターンなんでしょうか。
続編が制作されるなら是非視聴したいと思います。
青ちゃんが本懐を遂げられるよう陰ながら祈っています。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「$10」by林田健司

<2019/7/6 初投稿>
最終話まで観終えました。
コメディ重視でラブ薄めのラブコメを最後まで貫いてましたね。

一連のシモネタが受け付けられるかどうかで評価真っ二つな気はします。
個人的にはシモネタも好みの範疇でしたし、
青ちゃんの独りよがりな妄想もクスッと笑えましたし、
八宝菜のつんちょは凄かったし。
満足しました。

あと、OP曲が割と好き。

<2019/6/17追記>
11話観ました。
今週のパワーワード
「ツルツルパンツ」
「腹を満たして、その後S◯Xだ!」

青ちゃんはもうあれだな。
煩悩全開の17歳男子並みに頭がアレですね。

<2019/5/11 追記>
6話まで観ました。

ラブコメですけどウェイトはコメ95%くらいな感じ。
ラブはコメディを引き立たせるスパイス、塩コショウみたいなもんですね。
なので真面目に見るとつまんないと思います。

「呼び捨てはS◯Xの始まりだゾ」
そんな格言聞いたことねえ 笑

<2019/4/27 初投稿>
原作未読。
見始めなので評価はデフォルトの3.0です。

この作品、人を選びますね。
最初のシーン、ヒロインの一言でツボれた人は楽しめると思います 笑。
私はツボりました( ・∇・)

主人公「青」は高校生の女の子。
真面目で人を寄せつけない頑なな態度の裏にやらしい妄想がいっぱい。
というヒロイン。

も少し正確に言うと
「こんなやらしいことをされてしまったらどうしよう、逃げなきゃ!ドキドキ!」
というおめでたい妄想でいっぱいな人です。
もしかしてダクネスの親戚か?

1話見て作者が女性だとすぐにわかりました。
だって男の作者だったら、女子高生に昭和の臭い漂うオヤジ系シモネタを妄想させるとかこっぱずかしくてできないでしょ 笑

女性の漫画家が描く自虐系ラブコメの一種だと思います。
例によってヒロインの相手は女性の理想が詰まったような男の子だし。

ところで思春期の頃って異性に対して身勝手な幻想、妄想を抱きがちですよね。
男子は「女の子はみな清純」とか漠然と思ってたり。
女子は女子で「男子はすけべ」
「でも◯◯くんはカッコいいからやらしいこと考えたりするはずない」とかとか

思い返すと恥ずかしいですねー。

そんな妄想がアホのように肥大した女の子のラブコメに興味がある、と言う方向けかな。
この調子でいけば結構面白くなりそう。


そうそう。
八宝斎みたいなのでてきてシモネタの昭和臭に拍車をかけてます。
声はイケメンぶりと舞台俳優でも活躍する演技力の高さに定評のある"つんちょ"。
ACCAのニノとかGANGSTA.のニコ演った方です。
ホント、この人なんでもできるな。
声の演技もまんま八宝斎で 笑

タイトルは林田健司さんの名曲です。

<2020/6/24 補足>
なんで林田健二さんの名曲「$10」かというと歌詞が
「Oh! lady! A-1 dollar B-2 dollars 淫ら No,non non・・・」とありまして
淫らかなー?とか思って。
そんな感じです。
ごめんなさい。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 48

75.6 11 親子で恋愛なアニメランキング11位
荒川アンダー ザ ブリッジ×ブリッジ [第2期](TVアニメ動画)

2010年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1286)
7650人が棚に入れました
主人公・市ノ宮行は世界のトップ企業社長の御曹司。幼い頃から父に「他人に借りを作るな」と教えられ、その教え通りに借りを作らずに生きてきた。しかし、ひょんなことから溺れかけた際、荒川河川敷に住むニノに命を救われる。「命の恩人」という余りに重すぎる借り。その恩返しといてニノが行に要求したのは「私に恋をさせてくれないか?」という事だった。こうして行はニノの恋人となり、自身も橋の下で生活することになる。荒川の橋下では常識から外れた人々がいっぱい住んでいた。行は「リクルート」という名前を与えられ、橋下の住人の一人として暮らす事に……。

声優・キャラクター
坂本真綾、神谷浩史、藤原啓治、杉田智和、子安武人、沢城みゆき、斎藤千和、大塚芳忠、小見川千明、三瓶由布子、新谷良子、小山力也、チョー、田中理恵、中村悠一、立木文彦、後藤邑子、小林ゆう、関智一

Ssoul30 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

火星に行くための準備!? そして、とうとう常識がなくなった荒川の橋の下。

前作のあらすじと今期のストーリー

ある世界のトップ企業社長の御曹司が橋の上でズボンをガキどもに柱の上(7メートルくらいある柱の上ですから簡単には取れない。)にくっつけ(?)られてしまい困っている所に釣りをしていた女の人に「助けようか?」っとたずねられました。けれど幼い頃から父に「他人に借りを作るべからず」と教えられ助けを断りました。そしてズボンを取ろうとし、柱をよじ登っていたらいきなり柱が崩れて川に転落してしまいました。川に落ちたら柱が邪魔で泳げなくなってしまい、死にそうな所をあの女の人が助けてくれました。「命の恩人」という余りに重すぎる借り、その恩返しとして主人公が行に要求したのは「私に恋をさせてくれないか?」という事だった。こうして行は女に人(ニノ)の恋人となり、自身も橋の下で生活することになってしまいました。そして月日がたち、リクはとうとう常識な人間から遠いい人間になっていました。

私の感想

前作同様、かなり面白かったです。キャラクターの個性がかなり出ていました。けれど、星が前作よりもまともな人間に見えて着ました。そして、なぜだかリクが常識ある人間から遠くなっていきました。そこの所をおいておけば前作よりもかなり面白くなっていると私は思います。

そしてエンディング終了後のおまけのシーンは前作よりもかなり面白くなっています。皆さんもきちんと見てみてください。

()エンディング終了後のシーンの中で村長が 河波(河童が かOはめ波 を出す振りをして、作りだす光線みたいな物です。)がかなり笑えました。もう最高です。()

オープニング

「COSMOS vs ALIEN」
この作品にぴったりな曲です。 ってか、この作品でなければだめだと思います。この曲は曲事態はあまり良い曲でないのですが、この作品のオープニングとなると最高のオープニングと進化します。

「行様☆Go!Summer!!〜いや、行くのは金星だから〜」
かなり気持ちが悪くなる曲です。 高井ww この曲を始めて聞いた時はかなり引きました。 またこのレビューを書くためにまた聞いたのですが、かなりきつかったです。皆さんはこの曲を聴くときは気合を入れてください。

エンディング

「赤いコート」
星がこの曲のメインとなっている曲です。画像がかなり笑えます。私的にはもう少し村長を出してほしかったです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7
ネタバレ

dolcetto さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

行様☆GO!Summer!! いや、行くのは金星だから…

荒川の河川敷に住むシュールで個性的な住人達との日常を描いたギャグアニメ2期。

主人公は大企業の御曹司にしてエリートの男。父からは「他人に借りを作るな」と教えられ生きてきた。

前作「荒川アンダー ザ ブリッジ」の物語の始まりはある日、ガキの悪戯をきっかけに川で溺れかけ、その場で一部始終を目撃されていたニノに命を救われる。命の恩人と言う大きな借りを作ってしまい、その借りを返さなければならないと言う衝動に駆られる。河川敷に住む自称金星人の電波で無欲な彼女が要求したのは「私に恋をさせてくれないか?」というものだった・・・こうして、ニノの恋人として荒川の橋の下で住むこととなり、河川敷の住人達とのコメディでツッコミの忙しい日常が始まる。

今作「荒川アンダー ザ ブリッジ×ブリッジ」の物語は{netabare}主人公とその父親との間で親子喧嘩していた{/netabare}1期の争いに一応決着をつけ、2期では電波ヒロインが金星に帰る為に河川敷住人が全員で金星に行く為にいろんな事をしようとするお話を含めたギャグアニメになっています。ノリは1期とほぼ変わらず、今日も荒川河川敷は平和です。

登場人物である住人達が兎に角シュールで真面じゃない非常識な面々。さらに主人公は庶民とはかけ離れた大企業の御曹司なので、その住人達とのギャップそのものがギャグ。唯一常識人だったはずの主人公の常識まで麻痺していく始末。声優さんも結構豪華だと思います。今回のブリッジ×ブリッジでは新キャラも数名登場します。

キャラだけでなくギャグ自体もとてもシュールなんですけど、ツッコミは勢いだけでもなくバラエティに富んだキレのあるツッコミとリアクションでとても笑えます。

今回もOPはかなりいい感じで、EDの音楽+実写(実写は前半のみ)もいい味出してます。


荒川アンダー ザ ブリッジ
荒川アンダー ザ ブリッジ×ブリッジ [第2期]

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

あぁ、マンネリ化しちゃったよ……

荒川アンダーザブリッジの2期。

1期レビュー → http://www.anikore.jp/review/609603/

1期で集まった、電波なメンバー。
そして、大会社の御曹司である市ノ宮行(いちのみや こう)。
彼らが織りなすコント集です。

1期は何もない状態からのスタートでした。
キャラクターは、独特で妙な魅力がありました。
ストーリーは、電波が入っているものの、現実味を帯びていました。
そしてネタの質も高かったです。


しかし、2期ではそれらがすべて消滅しています。

新規キャラクターはほとんどでてきませんし、ストーリーも全然進みません。
金星にいくためにダイエットするだの、聖なる筋肉を手に入れる修行だの言ってます。
現実感もなにもあったもんじゃありません。
ギャグもほぼ完全に既存のキャラ任せです。

内容がなく盛り上がらない。
いつまでたってもストーリーが動かず、そのまま終了。
終わり方も予想通りでした。

そして、明らかに増えているナレーションの量。
時間を稼いでいるみたいです。

面白いネタはたまにあるけどクスッとする程度。
あとは苦笑い。
すべりまくってました。

よくいるじゃないですか。
テレビに出ては消えていく一発芸人。
彼らを集めたみたいです。

勢いだけで笑わせようとしています。
1期とは何だったのか。
水を花にやりすぎると枯れるように、キャラも使いすぎると死んでしまうものですね。

せめて、ストーリーをしっかり進めてくれればこんなことにはならなかったのに。


なお、OPテーマ、EDテーマはなかなか良いです。
特にOPテーマは、ふわふわとしていて、耳に残る良曲でした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 34

72.1 12 親子で恋愛なアニメランキング12位
機動戦士ガンダム F91(アニメ映画)

1991年3月16日
★★★★☆ 3.8 (462)
2545人が棚に入れました
宇宙世紀0123年、シャアの反乱から約30年が経った時代。大きな戦乱も無く平和な世界の中、人類はその大半が地球から月までの軌道に設置されたスペースコロニーに移住し、地球連邦政府という国家の枠組みを超えた全地球規模の組織に統治されていた。しかし、地球連邦政府の疲弊・腐敗から、秘密裏にコスモ貴族主義を掲げる軍事組織クロスボーン・バンガードが設立され、スペースコロニー「フロンティアIV」を急襲する。その最中、民間人の少年 シーブック・アノーは襲撃から避難するために、友人達とともにコロニーを脱出するが、同行していた内の一人 セシリーが連れ去られてしまう。近隣のコロニー「フロンティアI」に辿り着いた一行は、地球連邦軍の宇宙練習艦スペース・アークに保護される。艦内にはF91と名付けられた整備中の新型MS(モビルスーツ)があった。混乱の中成り行きでF91で出撃することになったシーブックが戦場で対峙したのは、クロスボーン・バンガード軍のMSビギナ・ギナに搭乗していたセシリーだった…。

さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

是非ともリメイクされて欲しい不遇の名作

まず最初にお伝えしたいのは、この作品が「劇場版のガンダム作品」として屈指の名作でありながら、とにかく時勢に恵まれず、内容に見合った扱いを受けられずにきた不遇の名作であるという点です。
この作品の魅力については他のレビュワーの方々が語ってくれていますので、私はまず、この作品がなぜ不遇の名作となってしまっているかについて私見を交えて書かせてもらいたいと思います。

この「機動戦士ガンダムF91」という作品は、ガンダム劇場版10周年を記念する作品というふれこみで製作されたものですが、当時はガンダムシリーズの展開が行き詰まりを迎えつつある冬の時代だったようで、そういった状況の打開を図るべく、過去作の反省も踏まえて「分かりやすいTVガンダム」を作ろうという構想の基で企画が生まれ、現在でも第一線で活躍している名だたるクリエイター達が結集し、それまでのシリーズ作にはない挑戦的な作りこみがなされながら製作されてゆきました。(企画が生まれる要因となった過去作の反省については後述させてもらいます)

そのためこの作品は、初代ガンダムから始まった「宇宙世紀」と同じ時間軸の下で物語が描かれているにも関わらず、良くも悪くも他のガンダム作品とは一線を画した仕上がりになり、公開当時はシリーズファンの間でも評価が割れた作品となりました。

評価が割れた大きな要因として、それまでの歴代ガンダム作品の魅力の一つとなっていた「過去作の登場人粒や設定」が時を経て最新作品に登場してくるオマージュ的展開がこの作品では殆ど用いられておらず、それと同様にそれまでの歴代作品が膨大に積み上げてきていた敵勢力側のモビルスーツ(ロボット兵器)の系譜も排除され、全く新しいアーキテクチャーによるロボットデザインがいきなり導入されたりしている点が挙げられます。
故に熱烈なガンダムシリーズファンの方々にとってこの作品は、初代ガンダムに連なる歴代の「宇宙世紀系ガンダム作品群」の一つとして受け入れられ難い側面を持っており、色んな意味で一線を画した作品として捉えられることが多いようです。

この作品は元々、当時の歴代TVガンダムが描いてきていた「人類の戦争」という子供向けTVアニメで扱うには重く難解すぎるテーマを、それまでより分かり易く描くことを目標に1クール分のTVアニメ番組として企画されたものだったらしく、この企画が生まれた背景には、TV版第2作の「Zガンダム」が作品自体の出来は良かったものの「難解で複雑な内容」故に子供市場へのウケが良くなく、製作側とスポンサーが期待した程に商業成果をあげられなかったことと、連続して製作されたTV第3作「ガンダムZZ」がZガンダムの反省を踏まえすぎて迷走し、番組途中で路線変更を余儀なくされた上に、結局Zガンダムを下回る商業結果を残しそうだと判断され、そこから商業的巻き返しを図るために第3作「ガンダムZZ」の放送期間中に急遽物語ラストの核となるプロットを丸々抜き出して「逆襲のシャア」という劇場版作品を作る羽目に陥った製作側の苦い経験があったようです。(逆襲のシャアは大ヒットし名作となりました)

しかし子供市場にも受け入れてもらえる「分かりやすい新ガンダム」を実力派クリエイターを集めて作ろうとしたものの、戦争という「題材」を使って魅力的なアニメ作品を作ると、結局子供向け作品としてベビーすぎる内容になってしまい、当時のTV局の自主規制的縛りやTVスポンサーとの折り合いなどがつけられなかったのではないかと言われています。
逆にいえば、実力あるクリエイター達が作品を面白くしようとするこだわりが、「TV版F91」製作の足枷になってしまったといえなくも無いかもしれません。
様々な背景事情が入り乱れ製作状況を二転三転させる羽目になったサンライズは、最終的に「機動戦士ガンダムF91」という作品を劇場用の120分映画に濃縮する形で製作・公開することにせざるをえなかったようです。

そうした製作環境の変動は少なからず作品の品質にも弊害を与えていったようで、この作品では、本来なら時間をかけて描かれるべき繊細な場面が、尺の都合などで止むを得ず端折られたり削られたりしている所が幾つか存在しています。この点もまた、この作品についてファン達に物議を醸させ、作品への評価を割れさせる一因となったようです。

しかし尺の都合で削られてる所があって唐突に場面が飛んでしまうことがあるにしても、本作は全体的に話の流れがとてもスムーズでテンポも良いので、私個人としては観ていてどんどん惹きこまれ120分間があっという間に終わってしまった感じでした。そして「端折られた箇所への違和感」は私的にギリギリ許容できる範囲ではありました。(気になる人はとことん気になるかもしれません)
この作品に高い評価と共にレビューコメントをつけていらっしゃる方々の多くが、この作品のそういった部分を「展開を急ぎすぎている」「話が駆け足しすぎてて勿体無い」と仰っていて、劇場版でなくTVシリーズとして相応の話数と尺を使って描かれたこの作品を観てみたいという願望を持っていらっしゃるようですが、私も全くの同感です。

(ここからはこの作品の魅力について具体的に書かせていただきます。)


視聴して頂ければ納得していただけると思いますが、この作品にはガンダム世界のエッセンスが作品公開当時にサンライズが費やせる最高のクオリティで詰め込まれており、公開から25年余りが過ぎた現段階においても、その内容が殆ど色あせておらず、劇場用のガンダム作品としては屈指の名作であると言い切れる出来栄えになっています。

この作品の具体的な時代設定は宇宙世紀0123年で、これは初代ガンダムの一年戦争時代(宇宙世紀0080)から40年後、ZガンダムとガンダムZZのグリプス戦役と第一次ネオジオン戦争時代からは34年後、逆襲のシャアの第二次ネオジオン戦争からは30年後、ガンダムUCのラプラス戦争時代からは27年後にあたる設定になっています。
F91では、この時代に起こった紛争の中で必死に生き抜こうする人々の「出会い・裏切り・葛藤・成長・愛憎・決別・和合」といった様々な人間ドラマが、宇宙戦艦やモビルスーツ(ロボット兵器)を主兵器とした戦争を通じ繰り広げられてゆきます。

この作品のロボットアニメとしての戦闘シーンは、今の時代でもこの作品を凌げるものに中々お目にかかれない程に魅せ方を心得た好演出が多く、そういった観点からも時折無性に観たくなる程の魅力を備えています。
ただ、佳境を迎えたラストバトルの最後の最後のシーンはとても素晴らしい演出がなされているのですが、私は個人的にあともう一つ「決め手」となる演出が加えられていて欲しかったなとも感じました。(ここは人によって意見が分かれる部分だと思います。)
そしてそこからエンディングにゆくのですが、森口博子さんが歌っていらっしゃるEDテーマがこれまた非常に素晴らしく、ラストの感動を否がおうに盛り上げてくれます。私は初観直後にクライマックス~エンディングの流れを3回ほど観直して余韻に浸りまくっていました。そしてこの曲はガンダムのテーマソングとしては初の「NHK紅白歌合戦」出場を果たしたヒット曲でもあります。

この作品は当時の名だたる実力派クリエイター達が結集して作られたため、作品全体に凄まじいほどに秀逸な演出が惜しむことなく散りばめられており、物語の土台となる世界観を徹底して「肌で感じられる」描写で描きまくってあります。(昔の勘違い高品質アニメにありがちだった無駄に細かい描写などでは決してありません。作品の魅力をきっちり引き立てている好演出ばかりなのです。)

それによってこの作品は、主人公が活躍する戦闘シーンだけでなく「戦争によって人々の日常が破壊されてゆく」ガンダムシリーズでは通例となっている場面や、紛争の中で人々があがいてゆく「非日常の日常」の場面などがガンダムシリーズ中随一の出来となっており、そこは必見の価値があると思います。
物語中に流れる価値的描写も、様々な価値感を持った登場人物達がそれぞれの存在意義と生き方に根ざした行動をとってゆき、それらがきめ細やかに絡められてゆく形で描写がなされており、「戦争に絶対の正義無し」されど「人の道は如何や?」というガンダムの真髄ともいえるスピリッツがあますことなく表現されています。

少し穿った言い方をしてしまうと、通り一編のテンプレ的な行動しか登場人物達に許容できない子供的感性の人からみると、この作品のキャラクター達の行動は矛盾だらけで中途半端で意味不明なものに映ってしまうかもしれません。が、そこがこの作品の人間ドラマとして実に味わい深い部分だったりします。これは年齢を重ねないと見えてこない「大人の特権」的な味わいかもしれませんね。
この作品が企画されたきっかけは「子供にも分かりやすいTVガンダムを作ろう」でしたが、良くも悪くも随分と大人が愉しめる「味わい深い作品」になってくれたものだと思います。

しかしこの作品に更なる+@の魅力を与えている何より要因は、「命の儚さ」や「人間の厭らしさ」といった「戦争や人のネガティブな側面」を様々な人間の価値感を織り交ぜながらがっぷり描きつつ、その泥沼の先に「光明」を見出せる「人間の持つ可能性」をポジティブに描けている所なのではないでしょうか。



「機動戦士ガンダムF91」という作品は、時間と尺をかけてじっくり描かれた作品として世に出るはずが、当時の作品の受け手である市場が未成熟だったために、尺に限界のある劇場用作品として世に出ざるをえなかった「不遇の名作」だと思います。
もし可能であればこの作品をOVAやTVアニメとして、是非ともリメイクしていただきたいと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

ラスコーリニコフ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ガンダムだ・・ 俺がガンダムだ。

えーとですね、
知ってる人は知ってるでしょうけど、例の彼の素敵台詞です。
この作品を語るにあたりこれ以上の言葉が見つからない。

彼はこの点において後に意味不明な挫折をし、更なる笑いを
視聴者に与えてくれますが、挫折するのは至極当然です。

何故なら、【この作品と、これを観た俺こそがガンダムだ】


私はF91は昔2回程見てますが、その時はガンダムになれなかった。

で、今これを読んでいる貴方がガンダムになれるかどうかは、
これまで見たガンダム作品の総数と、それ+αの数によりますね。

・・あー、いつもの病気なんで。


作品は基本的には
「ガンダムを用いた単純でありふれたラブロマンス(薄味)」

これは人気が無くて当然、キャラが異様に薄いんだもの。

肝心の富野もトゲの無い毒のない富野、故に印象に残りにくい富野、
よって笑いどころも無い富野、ただの富野、てか富野不調


まー、短いんでガンダムになる自信があるなら見てみると良いです。
ガンダムになれない場合はすぐ忘れるような微妙な作品かと。

とりあえず短いので見るなら通して見ろよって事で

検索 機動戦士ガンダムF91 - Eternal Wind For F91 -

ネタバレ満載の素敵MAD置いておきます。観終わってから見る用ね


■逆シャアから30年後の話

あらすじに書いてますね。地球連邦政府の疲弊・腐敗から、秘密裏に
コスモ貴族主義を掲げる軍事組織クロスボーン・バンガードが設立(ry

どっかで聞いたような設定ですけど、同じよーな事が起こる訳です。

 初代→Z→ZZ→逆シャア→F91(富野監督作品としてはこの流れ)

■富野不調

セシリーもシーブックも個人的には好きなんですが、
というかセシリーなんて名前と顔と設定だけでご飯が食べれそーなんです
けど、言ってしまえばキャラが薄い。

ニュータイプってぶっちゃけ性格破綻者達なんで、
彼等は全然ニュータイプっぽくない。センスの良さそうな色男と、貴族の
美形のお嬢様。単に富野臭のある台詞を喋るだけの機械。

二人以外にも毒物奇人変人が出てこない、一定以上の毒が出てこないんで
なーんか普通だな、退屈だな、セシリー日の当たる場所と当たらない場所で
髪の色全然違うなー他出てくる子供から大人全てが富野台詞を喋る機械。

Vで富野さんついにぶち壊れてニュータイプ化する訳なんですけど、嵐の前の
静寂なのかあり得ないほどに一般人で、社会性あり過ぎだった。


この原因はですね、クリエイティブな仕事にありがちなスランプ的なものと
「家族論」とか「解りやすさ」とか明らかニュータイプと逆方向の主題にして
しまった事で、まあそれ自体がもうスランプの兆候と言えるんですが。

彼立ち直った後は、F91とVを闇に葬り去ろうとしてますが、F91は不調過ぎで
Vは逆に絶好調過ぎた。つまりはそういう事です。

■総集編としての役割

まず、古いタイプの演劇風のアニメなのは最初の方で分かるかと。

この作品逆シャアまでの歴史を振り返る「総集編」としての役割もあるんで、
ほとんどのキャラが、癖の無い声で、はっきりと、置いたような台詞を、喋る
大声でもあっさり味で感情が感じられず、故に(血)生臭さも感じられない。

だから感情移入するような人にとっては印象に残りにくい微妙な出来で、
自分みたいに主に客観的にしか見ないタイプにとっては好ましい仕上がり。

富野不調のせいもあって自分の感情を逆撫でするクソガキやクソ男も出てこず、
そのせいでネタにはしにくいものの、1人の大人として向き合える作品だった。


総集編については、セシリーがじい様からウザそうに昔話を聞かされるシーンが
あるんですけど、それまでの作品を見てないとよく理解できない。

他にも専門的な用語がいくつか出てきて、ここだと多分予備知識無しで一回で
理解できそうなのはみみかき教授くらいなもので、我々凡人にとっては国会中継
あーもーいーよそんな話、さっさとセシリー入浴させろ内容。

そのウザ話のほか、作品全体がもう今までの作品と似たような事をやるんで、
あーアレもこんな感じの話だったな。とノスタルジーに浸れる系になってます。


で、この総集編としての役割があるんで、展開がかなり速い。
他レビューにて いったん分からなくなるともうおしまい って話してる方が
いますけど実際そうです。

一回脱落するともうセシリー眺めながら「質量のある~」の素敵シーンを待つ
だけの作品なんで、割と気合入れて見る必要があります。

本筋はありがちなラブストーリー要素含みの単純化されたいつものガンダム話で
そこだけは救い。過去の作品を見ていれば多少台詞を聞き逃しても話は繋がる。

■この後の作品の原因、及び総集編としての役割

カテジナさん他の素敵ビッチ大暴走のVはともかく、W、X、SEED&SEED D、00他
ガンダムと名の付かないアニメでも、設定や世界観をパクったり富野臭のある台詞が
出て来る物は大量にあり、つまりそういう作品の原因、または総集編でもある訳です。

W、X、SEED&SEED D、00に出てきた「あの発想」は既にこの頃にあった、
あの作品のあのシーン、あのシチュ、あの台詞は古ガンダム作品の影響なのか・
をはっきりと感じれる、そういう作品。


ガンダム風の話、ガンダム風の台詞、ガンダム風のキャラ、ガンダム風ロボット

ガンダムは富野の世界であると同時に、それまでガンダムを見てきた人間の世界
「ガンダムに関わった人間全てに共通する世界」なんですよ。

富野はこの作品でキャラを性格を含めて一新した訳ですが、これが大きい
つまりは富野以外が「ガンダム成分を引き継いで」というのもアリな訳です。


富野をガンダムの成分の一つと考えると

 富野 MS ガンダム風のキャラ 定番設定シチュ 富野台詞 ガンダム話

この作品で富野は

 不調富野 MS 非ガンダム風キャラ 定番設定シチュ 富野台詞 ガンダム話

をやった、ってかやってしまったんですけど、なら

 富野以外 MS ガンダム風のキャラ 定番設定シチュ 富野台詞 ガンダム話


こーゆーのもガンダムとして肯定できるんじゃ、と自分の中でそう考えが変わった。

∀は見てないのですが、富野が監督をやめたV以降のガンダム作品はただのパクりと
F91を最近また見るまではそう見てたんですが、そう思うのはもうやめたよ。

富野以外が監督をした0083はキャラや名場面が強烈過ぎた為に、
その事に気が付かなかったんですけど、この作品が薄味であるが故に、富野が不調で
あるが故に、台詞やシチュ&設定ばかりに目が行き気が付いてしまった。


■無個性キャラ、富野台詞、定番シチュ&設定のガンダム話&話の高速展開

こーゆー事をされると、大量のガンダム他を見てきた人間にはどういう現象が起こるか、
ガンダム成分を含む色々な作品の色々なキャラがダブって見えるんですよ。

一応富野の作品なのでパクりだな・・にはならず、魅せる系の富野台詞の一つ一つに
色々なキャラがダブって見える。初代、Z、ZZ、W、X、SEED&SEED D、00他、最近また
見たギアスのキャラもダブって見えて、もう夢想転生くらったラオウ状態

こ・・これはレイの拳! こ・・この動きは ト・・トキ! のあれ。


設定やシチュも結構色々なものとダブるけど、主に富野台詞でのダブりが頻繁
シーブック他無個性キャラが背負ってるのは「悲しみ」じゃなく「ガンダムそのもの」

台詞回しや作品に漂う洒落たムードに酔うだけなら、俺も好きだけどC.B.ビバップでも
見てりゃ良いし、あれと違って【魅せる台詞の一つ一つに意味がある】

というより多くのガンダム作品他パクり作品が世に出て、それを見る事、歴史を重ねる
事で【魅せる台詞、富野台詞が大きな意味を持ってしまった】


話の展開も速いから、もう色々なものとダブり過ぎて本来あっさり味の作品のはずが、
色々思い出し過ぎてずっしりと来る。見て来たものの数だけダブるんだよこれ。


■それ故に俺がガンダムだ

この作品、ガンダムになれる人間にとっては

「自分の見たガンダムに関わる様々な記憶を呼び起こし、
 無個性で無難キャラをスクリーンとし、そこに高速で記憶を次々に投射させられ
 自分の中のガンダムをはっきりと認識させられる作品」


■「質量のある残像」

例の素敵台詞&シーンの
バイオコンピューターがパイロットの~とか、装甲表面の塗装や金属が剥離~とか
の設定的な話の事ではなくて、「ダブって見えるキャラの話ね」


そいつは自分が色々なガンダムを見て来た歴史、自分の中のガンダムそのもの

今まで自分は結構数見てきたから異様に重い。まさに質量のある残像だった。






・・思い付きで書いてた割に、随分上手くまとまったな。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

やっぱり家族愛?家庭の問題だから!

1991年3月に劇場公開されたガンダムシリーズのアニメ映画。

元々はテレビシリーズの企画であり、『機動戦士ガンダム』
の劇場公開10周年に合わせて、そのテレビシリーズ用の構想
の1クール分にあたるストーリーを劇場用に映像化したもの。
※3対4の上下カットではなくビスタサイズで作られている。

「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」で一応区切りがつき・・
以降映像化作品は作られていなかった久しぶりの映像化?
富野由悠季自身と『ガンダム』の象徴的存在とも言える?
安彦良和、大河原邦男が関わっている作品。
※SDガンダム等のピークの時期らしい。


時代設定は『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の30年後。
一年戦争から40年以上、経った宇宙世紀0123年が舞台である。

大きな戦乱も無く平和な世界、人類はその大半が地球から月
までの軌道に設置されたスペースコロニーに移住し、地球連邦
政府という全地球規模の組織に統治されていた。

長引く平和の間に地球連邦政府は再び腐敗しており、これに
対して「コスモ貴族主義」を掲げる勢力が、貴族主義社会の実現
の為に地球連邦政府の打倒を目論む・・

そんな中で終にコロニー襲撃という形で再び戦乱が拡大する
最中に巻き込まれた民間人の少年 "シーブック・アノー" は
退避先の地球連邦軍の宇宙練習艦スペース・アークの艦内に
あった"F91"と名付けられた整備中のMSのパイロットになる。

一方・・襲撃されたコロニーで脱出の時に同行していた一人
C・Vに連れ去られた"セシリー・フェアチャイルド"はコスモ
貴族主義実現の為の国家「コスモ・バビロニア」の建国が宣言
と共に「国家の象徴」として祭り上げられていた。

F91に乗るシーブックと、専用MSビギナ・ギナを与えられた
セシリーは、戦場で対峙する事になる・・。 という物語。

テーマ曲「ETERNAL WIND〜ほほえみは光る風の中〜」
唄 - 森口博子
イメージ曲「君を見つめて -The time I'm seeing you-」
唄 - 森口博子

博物館にザクやガンタンクR-44らしき兵器がでるが、基本
ガンダムらしいデザインのものは序盤出てこない。
タイトルが無ければ別アニメ風。若干ジムの流れらしい?
ロボットも出てくる。

コロニー襲撃の映像が可也長い。中盤手前でF91登場・・
軍服その他やはりガンダムかな・・あと敵MSも基本造形が
ガンダムシリーズ共通の進化?の流れを感じたりはする。

色んな人が随所で「何やってんの!」と発現する。

色々ガンダムを彷彿とする描写もあるけど初めて視る人も
普通に宇宙モノSFでロボ系戦争アニメとして見れるかも?

政治や軍の腐敗対高潔な理念・・だけど結局武力で・・
後は貴族的な良さと悪さをの両面描いているかな・・

「ニュータイプは大概個人的には不幸だったんだよな」・・

シリーズ通して繊細で鋭敏な感受性を持った上で何らかの
抑圧を受けて育った少年などの思春期に戦争に巻き込まれた
主人公を描いているので当然の結果か・・
歴代でも家庭や出生の秘話が濃い程最強のヒーローになる。

戦争に巻込まれる年端もいかない子供がでるのも1作目同様
※幼児や小学生位の民間人非戦闘民。

単純に面白いかどうか?派手な戦闘の割に地味な作品。
泥臭いというものでもなく・・普通の戦争物特化ガンダム。

ニュータイプ云々愛もエッセンス程度。
淡々と戦争の酷さ理不尽さを描写し派手な戦闘を繰り返す。

お子さん以外の者が死ぬのは構わないのですか?等言葉も。

最終的に人類そのものを粛清しようとする人間がでるのも
1作目以降の流れと共通の略プロットのような感じです。

最終的には違った形の親子の絆に翻弄される二人・・
私なら好きな人と二人で逃避行の旅にでるが・・密林とか
人の居ない場所で自給自足の愛の生活の一択だ!



シーブック・アノー(声-辻谷耕史)
コロニー「フロンティアIV」の総合学園工業学科の高校生。
優れた素養を持つニュータイプで所謂感受性が鋭い少年。

セシリー・フェアチャイルド(ベラ・ロナ)(声-冬馬由美)
フロンティア総合学園普通科に通う17歳の少女。
貴族主義を掲げるマイッツァーの孫でカロッゾの娘。

リィズ・アノー (声 - 池本小百合)シーブックの妹
レズリー・アノー (声 - 寺島幹夫)シーブックの父
モニカ・アノー (声 - 荘司美代子)シーブックの母

カロッゾ・ロナ※鉄仮面(声 - 前田昌明)
クロスボーン・バンガードの軍事部門の指導者。
総帥マイッツァー・ロナの娘婿であり、ベラ・ロナの父親

マイッツァー・ロナ(声 - 高杉哲平)ロナ家当主。
連邦の「絶対民主制」に疑問を呈し、コスモ貴族主義提唱者。
理想国家「コスモ・バビロニア」の建国の為にCVを創設する。

ナディア・ロナ(声-坪井章子)マイッツァー・ロナの娘
夫カロッゾに幻滅しシオと共に娘のセシリーを連れ出奔。

ドレル・ロナ (声 - 草尾毅)カロッゾ・ロナの長男。
クロスボーン・バンガードのMSパイロットで階級は大尉。

シオ・フェアチャイルド(声-大木民夫)ナディアの再婚相手

ジレ・クリューガー大佐(声-小林清志)カロッゾの腹心。

ザビーネ・シャル (声 - 梁田清之)

コズモ・エーゲス(コズミック) (声 - 渡部猛)
バルド中尉 (声 - 若本規夫)
ドワイト・カムリ (声 - 子安武人)
サム・エルグ (声 - 高戸靖広)
ジョージ・アズマ (声 - 西村智博)
アーサー・ユング (声 - 松野太紀)
ドロシー・ムーア (声 - 折笠愛)
ベルトー・ロドリゲス (声 - 伊倉一恵)
リア・マリーバ (声 - 小林優子)
コチュン・ハイン (声 - 吉田古奈美)
ミンミ・エディット (声 - 千原江理子)
エルム夫人 (声 - 峰あつ子)
ロイ・ユング (声 - 大木民夫)
レアリー・エドベリ艦長代行 (声 - 横尾まり)
マヌエラ・パノパ (声 - 鈴木みえ)
ケーン・ソン (声 - 佐藤浩之)
ジェシカ・ングロ (声 - 天野由梨)
ナント・ルース (声 - 大友龍三郎)
グルス・エラス (声 - 竹村拓)
ビルギット・ピリヨ (声 - 塩屋翼)
アンナマリー・ブルージュ (声 - 神代知衣)
クリス (声 - 遠藤章史)
ローバー (声 - 田口昂)
ナーイ (声 - 上村典子)
ボブルス (声 - 稲葉実)
ストアスト長官 (声 - 池田勝)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4

67.9 13 親子で恋愛なアニメランキング13位
現実主義勇者の王国再建記 第二部(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (189)
678人が棚に入れました
異世界に召喚された相馬一也は、エルフリーデン王国の王位を譲られて以来、辣腕を発揮し、王国の政治・財政を立て直していった。そして、三公の反乱とアミドニア公国の侵略を鎮圧したソーマは今、新たな問題に直面していた。 アミドニアの首都ヴァンを失い敗走した公太子ユリウスが復権を狙い、人類宣言の盟主たるグラン・ケイオス帝国に助けを求めたのである。始まる女皇マリアの妹ジャンヌ・ユーフォリアを代表とする帝国との交渉。それはエルフリーデン、アミドニアだけではなく、大陸全体の運命をも左右するものとなろうとしていた――。

声優・キャラクター
ソーマ・カズヤ:小林裕介
リーシア・エルフリーデン:水瀬いのり
アイーシャ・ウドガルド:長谷川育美
ジュナ・ドーマ:上田麗奈
ハクヤ・クオンミン:興津和幸
トモエ・イヌイ:佳原萌枝
ポンチョ・パナコッタ:水中雅章
カルラ・バルガス:愛美
ロロア・アミドニア:M・A・O
マリア・ユーフォリア:金元寿子
ジャンヌ・ユーフォリア:石川由依
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

現在の国際情勢からも、考えさせられる21話目

あにこれはアニメを楽しむサイトなので、あまり政治的なことは書きたくない(し、書いてきていない)のですが、流石に今回は看過できないですね。

本作の21話目。東西の争いを寓話的に表していました。レビューではアニメ内の寓話を要約して引用し、私感を述べます。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
東の神様は言いました。世界は平等なのだ。人間よ、同じ分働き、同じ作物を得なさい。

西の神様は言いました。世界は自由だ。人間よ、自由な時間に働き、自由に作物を採りなさい。

困ってしまったのは、その境界付近の国々です。その2つの神様を信じる国々が争ったら、真っ先に被害を受けるのは自分達だからです。

そこで、3つの取り決めをしました。

1つ。武力で国境線を変更するのはやめましょう。

1つ。それぞれの国の民族に自分のことは自分で決められる権利を与えましょう。

1つ。東西の国の文化交流をはかって仲良くなりましょう。

この寓話の結末は、東の神の勢力が力を失い、全面戦争にはなりませんでした。しかし、後に多民族国家で、ある民俗が独立をはかります。これを認めれば、「武力による国境線の変更」を認めることになり、認めなければ「民族自決の原則」に反する。この矛盾に、ルールを定めた国々は身動きがとれなくなります、、、。


このアニメでは、主人公の国が人類宣言に加盟していないため、人類宣言加盟国から侵略され、撃退したことで1都市の統治を獲得。しかし、大国の要請によりそれを変換。後に、返還後の圧政に苦しんだその都市が主人公サイドの治世を求めて国を変える。それに他の都市も連鎖的に主人公サイドに流れ、結果として、国家が併合されてしまいます。

アニメが放送されたのは、一昨日の2月27日。

びっくりするくらい、今のウクライナの情勢に近いんですよね。ただし、プーチンには正当性が全くなく、単なる侵略戦争ですが、本作には、主人公サイドに正義があり、併合される国の国民もそれを望んでいるように描かれている点が違いますが。

これは、アニメの制作サイドも気を遣ったのだろうと思います。あまりにもタイムリー過ぎる上に、主人公が(結果的には)ほぼロシアと同じことをしているのだから。

資本主義と共産主義の戦いなんて、目には見えないものの戦いなんだから、紙とペンで存分に行えば良い。議論をすること自体は悪いことではない。

ただし、それを暴力によって押し通そうとした時点で、言論や思考の戦いは放棄した=負けを認めた ということになる。

「暴力とは弱さの1つの形である」D・ロシュトー

フランスのサッカー選手の言葉だが、真実を捉えていると思う。それが戦争であれ、私たちの身近な人であれ、暴力に訴える人は本質的には弱い。

それは間違いのない真実だが、暴力の恐怖というのはその理不尽なまでの威力にあって、いくら自分が正しいことを言い、相手が間違っていたと証明しても、ナイフで刺されたら死んでしまう。死んでしまっては、いくら正しくたってなんにもならない。まさに、今、ウクライナの方々はそういう理不尽さと戦っているのだと思う。

今回の戦争は、ロシア国内でも批判されているという。そりゃそうだ。ロシア人でも戦争を望まない人の方が多数ではあるだろう(と信じたい)。

私の知り合いに、柔道で全日本3位になった人がいて、昔、プーチンと練習試合をした(リアルに)。プーチンも全く弱いわけじゃなかったが、全日本選手権に出たら1回戦負けかなという感じだったらしいが、結局彼は投げることは出来ず、判定で負け(てあげ)たらしい。

やはり、こういう状態が良くないんだと思う。

「人間の行為のなかで、何がもっとも卑劣で恥知らずか。それは、権力を持った人間、権力に媚を売る人間が、安全な場所に隠れて戦争を賛美し、他人には愛国心や犠牲精神を強制して戦場へ送り出すことです」

「何百年かにひとり出現するかどうか、という英雄や偉人の権力を制限する不利益より、凡庸な人間に強大すぎる権力を持たせないようにする利益のほうがまさる。それが民主主義の原則である。」

「民主共和政治の建前──言論の自由のおかげである。政治上の建前というものは尊重されるべきであろう。それは権力者の暴走を阻止する最大の武器であり、弱者の甲冑であるのだから。」
 
「戦争の90%までは、後世の人々があきれるような愚かな理由で起こった。残る10%は当時の人々でさえあきれるような、より愚かな理由で起こった。」

全て、「銀河英雄伝説」の「ヤン・ウェンリー」の言葉です。彼の言葉を借りるのなら、正に今、「残る10%」の戦争が行われているわけです。

「私は少し歴史を学んだ。それで知ったのだが、人間の社会には思想の潮流が二つあるんだ。生命以上の価値が存在する、という説と、生命に優るものはない、という説とだ。人は戦いを始めるとき前者を口実にし、戦いをやめるとき後者を理由にする。それを何百年、何千年も続けて来た……」

1日も早く、この戦争が終わり、ウクライナに、そして世界に平和が訪れることを願っています。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
交渉になかなか見所があった。引かないところは引かない。交渉だけで1話使うのは、転スラ2に通ずるな。アニメスタッフの気概は感じる。

2話目 ☆3
ジャンヌ、以外に抜けている。普通、魔族が魔獣を食べた段階で、2つの種族が異なる、もしくは主従の関係にあることくらい分かるだろ。魔族は少数民族。結局、現代無双はあるな。

3話目☆3
アニメだからだが、即決即断だな。王女、恋のライバルかな(笑)? 

4話目 ☆3
あの王様、やり手なのか? ちゃんと死んだ? 実は生きてる感じかな。

5話目 ☆4
ガッツリ殺したな。残虐の使い方。そしてラブコメ(苦笑)

6話目 ☆2
これは、、、かなりチートが進みそうだな。

7話目 ☆3
ジーニャの存在は、この作品のバランスを崩しそうだな。あ、逮捕案件だw まあ、今併合しなくても、結果的に3国と国境は接するわけだから、とりあえずもらえるもんはもらっといた方がデメリットは少ないわな。人材活用は良いけどね。

8話目 ☆4
人材を集めるのは良いけど、わりと使い捨てなのがな。資本主義と共産主義の争いと、そこに挟まれた国。狙ったわけじゃないだろうけど、ウクライナ問題にタイムリーだな。んで、今回ウクライナが最大の被害者であり、どう考えても無理筋なロシアの言い分なのに、拒否権でそれを通せるという、絶望感。やはり、大国の枠組みだけで物事を決めると歪みがでるよな。

9話目 ☆


10話目 ☆
ちょっとあれだな、抗生物質とかまではご都合主義になるな。北斗(笑)

11話目 ☆


12話目 ☆

{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「さあ、交渉をはじめよう」革新的な勇者の改革は外交の舞台へ――。

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期は視聴済です。
第1期と第2期の放送間隔が半年しか空いていないので、最初から第2期ありきで制作されたのでしょう。

異世界の召喚された主人公ソーマを演じるのが小林裕介さん、そのソーマを召喚したエルフリーデン王国の王女…一番ソーマに近しい存在であるリーシア・エルフリーデンを演じていたのがいのりちゃんという、リゼロにおけるスバルとレムりんという間柄をどうしても思い出さずにはいられませんでした^^;

ソーマとスバルはキャラ設定が大きく異なっていますが、リーシアとレムりんの一途で一本筋の通ったところが似通っていたからかもしれません。


異世界に召喚された相馬一也は、エルフリーデン王国の王位を譲られて以来、
辣腕を発揮し、王国の政治・財政を立て直していった。

そして、三公の反乱とアミドニア公国の侵略を鎮圧したソーマは今、
新たな問題に直面していた。

アミドニアの首都ヴァンを失い敗走した公太子ユリウスが復権を狙い、
人類宣言の盟主たるグラン・ケイオス帝国に助けを求めたのである。

始まる女皇マリアの妹ジャンヌ・ユーフォリアを代表とする帝国との交渉。
それはエルフリーデン、アミドニアだけではなく、
大陸全体の運命をも左右するものとなろうとしていた――。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

この作品を視聴する人なら一度は脳裏をよぎる疑問があると思います。
既にご存じの方以外ですけど…
それは、「マキャヴェッリって誰?」です。

事あるごとにソーマは「マキャヴェッリ」という単語を口癖のように連発していましたから…
思わずググらずにはいられませんでした^^;

以下はwiki先生からの抜粋です。

名前は、ニッコロ・マキャヴェッリという、イタリア、ルネサンス期の政治思想家、フィレンツェ共和国の外交官だったそうです。

主な著書に『君主論』や『戦術論』があります。
理想主義的な思想の強いルネサンス期に、政治は宗教・道徳から切り離して考えるべきであるという現実主義的な政治理論を創始したとの事です。

『君主論』では、君主の在り方や権力を保持し続けるための方法が論じられていることから、現代主義の古典として位置付けられているそうです。
また、『戦術論』についても後世の軍事学の研究に影響を与えた一冊になっているとか…

確かに現実主義を基調とした思想は、この作品のタイトルとの合致していると言えます。
ですが、個人的には一つの思想に傾注し過ぎるのはある意味危険なことだと思います。

今、置かれている状況がマキャヴェッリの提唱した理論に合っていれば問題ないんだと思いますが、無理矢理その理論に嵌め込むこと必ず歪が起こると思うんです。
色んな思想や考え方があります。
無数にある選択肢の中からの最適解がマキャヴェッリの提唱した理論なら良いんですけどね。

一方、物語の方ではソーマのハーレムが着々と出来つつある感じがしましたね。
現在のところ、辛うじて片手で収まる範囲に留まっていますが、きっとそのうち片手だけじゃ足りなくなるんでしょうね。
まぁ、それだけの実績を積んできた人格者ですから違和感はありませんでしたけどね。

この様な作品を見ると「ハーレム良き…」と思ったことが無い訳じゃありません^^;
でも、それと同時にそれだけの人を養えるほどの甲斐性が無いことも自覚しましたけど…
まぁ、私の様な一般人には無縁の世界ということですね。

物語は内政から外政に軸足を移しましたが、個人的には第2期の方が俄然面白いと思いました。
外政に精を出すためには国内基盤が盤石でなければなりません。
その点においてもしっかり描かれていたのは良かったと思います。

これからソーマが何人の妻をめとるか…じゃなく、今後のフリードニア王国行く末が楽しみです。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、いのりちゃんによる「REAL-EYES」
エンディングテーマは、あいみんによる「LIGHTS」
どちらの楽曲も大好きでした…というより、どちらの声優さんも大好きなので耳が幸せでした。
一つ気になるのがあいみん…
持病の治療に専念するため、活動を制限されているとのことです。
たいしたことなければ良いのですが…

1クール全13話の物語でした。
最終話にはトンデモ展開が用意されていましたね。
でも、これで色々と腑に落ちた気がします。
原作は未だ連載が続いているようですが、原作のストックも十分残っているようです。
ここで終わったら悲しいので、是非続編を制作をお願いします。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

君主論信者の王国粛清記

同期に放送している天才王子~と内容が完全に被っているのですが、作画やデザインは天才王子のほうが出来がいいので見た目で負けています。
ただ、天才王子のほうは天才とは名ばかりなので、中身はこっちのほうがまともかも。

現実主義勇者は高校生の秀才が国動かしていて、周りがそれに合わせて無能になっている感じ
天才王子は凡人が国動かしていて、周りがそれに合わせて無能になっている感じ。
五十歩百歩?

1期と良いところも悪いところも一緒。

良いところはヒロイン可愛いのと、国の内政や外交を自由に動かせる立場で王国再建するという設定が面白い

【悪いところ】
作画以外は天才王子よりマシですが、やっぱりこんなんでうまくいくわけないっていうのがあるので素直に見れないところありますね。

・困難はいっぱいあるけどあまりにもうまくいきすぎで、シミュレーションゲームのイージーモードを見ているみたい。
・作画がかなり悪い。
・テンポが悪い
・主人公は頭良いと思うけど、知識の応用とか経験から学んだこととか考察とかがなくて、マキャベリの君主論をそのまま引用するだけで創意工夫がないところなど見ても一生懸命教科書読んで勉強しましたーって感じがするんですよね。

君主論を崇拝しているのはわかったから、ソウマ自身はどうしたいの?ってコト。
君主論に操られているようではとても英雄にはなれない。

こういう人は天才じゃなくて秀才って言う。
よく勉強してて偉いねーっておじいちゃんおばあちゃんから褒めてもらえるやつ。
天才として描きたいなら、「教科書」の枠を出ないと無理だと思う。

{netabare}
・腐敗に関わった貴族の粛清が最後は雑すぎたかな。
今までの内乱も裁判も貴族の腐敗が根源にあるとわかっていて、なんとかするために1クール以上使って動いてきたのに
最後の最後に「斬れ」の一言で片づけていました。
君主論に出てくる残虐性を見せるパフォーマンスとしての意味が強かったと思うけど
そんな強引な粛清ができるなら、腐敗を調べさせてもっと早くやれば良かったのでは?

・他国の君主に説教するところは主人公の株まで下げたかな。
一応は国のトップ同士の交渉なので、挑発や説教は権威を下げるだけかと。
恰好はラフだったし最初から貴賓との会談っていう気持ちはなく見下していたんだろうと思いますが。
そうなると主人公の人間性に共感できなくなってくる。
{/netabare}
・安易にハーレムになるのでラブコメの面白さがない。
可愛いヒロインいるんだから、そっちをもっと大事に扱えばいいのに。

【シナリオ】
わかりやすくて見やすいのはいいと思いました。
{netabare}
でもヴァン領土を1期の時に手に入れた時の感じから、今後帝国が干渉してきて返還することになるけど、主人公の統治のほうが良かったってなって問題が噴出する流れかな?と思っていたら、長い時間かけてだいたいその通りになってひねりがないなあって思った。{ne {/netabare}


【感想】
シナリオは主人公の有能さがあまり感じられず残念ですが、滅亡寸前の王国を立て直すというコンセプトは面白いですね。
細かいことを気にしなければ普通に面白いアニメだと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19

69.1 14 親子で恋愛なアニメランキング14位
名探偵コナン 時計じかけの摩天楼(アニメ映画)

1997年4月19日
★★★★☆ 3.6 (320)
2007人が棚に入れました
ある日、一家で病院を営む黒川邸で主人の黒川大造が何者かに撲殺されるという事件が起こった。毛利小五郎を時計型麻酔銃で眠らせた江戸川コナンの推理によって、事件は解決した。数日後、東都大学建築学科教授兼建築家の森谷帝二から、工藤新一宛にパーティーの招待状が届いた。しかし新一は体が縮んでしまってコナンとなっているため、コナンは小五郎を代理人としてパーティーに出席する。そこでコナンは、殺人事件があった黒川邸が森谷の設計であることを知る。

声優・キャラクター
高山みなみ、山口勝平、山崎和佳奈、神谷明、茶風林、緒方賢一、岩居由希子、高木渉、大谷育江
ネタバレ

なっぱ‪‪𖧷‪‪𓈒𓂂 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

爆弾処理はロマンチックに

もう何度目の鑑賞になるでしょうか。
劇場版第1弾から既に大成功大満足の作品。

ここから劇場版が毎年恒例になったと思うと
感慨深いものがありますね〜。

年代物ですからね、
今更どんな物語なのかは何も書きません。
ただの感想となります。


{netabare}憎しみの矛先がおかしいところとか、
爆発時間を0:00きっかりではなく日付超えて誕生日の
新一(コナン)の為に0:03に設定してあったり、
イカレポンチ具合が犯人として最高です!


爆弾犯が誰なのか謎を解いて終わるのではなく
むしろそこからが事件の本番となり蘭に迫り来る危機。

これはあれですね、
いつどこで誰とどんなことをするのか詳しい予定を
初対面の人に気軽に話しちゃダメよ♡
という注意警報作品にもなってますねw


建物の爆発で開かなくなった扉越しに
蘭と(新一としての)コナンが会話するシーンが好き。

蘭のお喋りにより2人のラッキーカラーが
赤だと知っていた犯人は爆弾の赤の線を切ったら
爆発する仕組みに作ってあったけど、
新一にも分からない最後の赤と青の線どちらを切るか
任された蘭がロマンチストだったが為に!!
青を切って爆弾は止まり、犯人の思い通りにはならず。

この線を切る瞬間からモノクロ描写になり
どちらを切ったのか分からないのがハラハラしました。
古い演出だけど効果としては抜群。

赤い糸を切りたくなかったというロマンチックな理由が
とても蘭らしい選択で本当に素敵(​ *´꒳`*​)
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

記念すべき劇場版名探偵コナン第一作

記念すべき劇場版名探偵コナン1作目の本作は、
万人受けを狙った作品と言えよう。
しかし、名探偵コナンの魅力を存分に表現出来ている。

以降の「ネタバレ」はWikiから引っ張ってきたあらすじです。
読みたい人は読んでください。核心には触れていません。
{netabare}
ある日、黒川邸で殺人事件が起こった。
黒川家の主人、黒川大造が何者かに撲殺されたのだ。
毛利小五郎を時計型麻酔銃で眠らせた江戸川コナンの推理によって事件は解決したが、
数日後、東都大学建築学科教授兼建築家の森谷帝二から、
工藤新一宛にパーティーの招待状が届いた。
しかし新一は体が縮んでしまってコナンとなっているため、
コナンは小五郎を代理人としてパーティーに出席する。そこでコナンは、
殺人事件があった黒川邸が森谷の設計であることを知る。
{/netabare}

視聴者を飽きさせないテンポの良い展開や、
緊張感のあるシーンに富んだ構成で、何度も見返せる良作である。
子供向けにと配慮して死体があまり登場しないことや、
新一と蘭とのラブコメ路線も他作と比較して多く盛り込んであることも好感だ。
また、犯人のクレージー振りも他作に類を見ないものだ。
序盤から、犯行や動機の伏線を展開している点も良い。
おそらくコナンの映画の中では一番見やすい映画ではないかと思う。
劇場版コナンの視聴が初見な人にはオススメである。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

maruo さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

夫婦で楽しむにも最適、でした。 B+

休日にテレビをつけていたところ、コナンが始まったので視聴。あれ、これ、尺(30分)に収まらないぞ、連続モノか?と思ったら映画でした、というくらい注意力散漫の状態で見始めたのですが。

さすがに長年やっているアニメの劇場版第1弾だけあって、視聴者を引き込んでいくツボは心得ているものだなぁ、と関心しました。連続する爆破事件とそれに対するコナン(+毛利小五郎w)の推理。爆破シーンの迫力とスリリングな展開は劇場版ならではと感じました。

中年の私には、大野克夫氏の音楽が効果覿面、さらに引き込まれる要因となりました。それにしても、有名なメインテーマに歌がついていたなんて、この映画で初めて知りましたよ(私が知らなかっただけ?)。

最後は推理からちょっと外れた終わり方をしましたが、新一を思う蘭の気持ちも見せつけられました。高校生なのにけしからん・・・いや、うらやましいなぁ。

余談ですが、嫁がトイレに行くのを我慢していたくらいの作品でした^^

投稿 : 2024/06/01
♥ :

68.2 15 親子で恋愛なアニメランキング15位
ブレンパワード(TVアニメ動画)

1998年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (164)
883人が棚に入れました
自然災害で荒廃した近未来の地球を舞台に、海底から浮上した謎の遺跡・オルファンとともに宇宙へ飛び出そうとする思想を持つリクレイマーたちと、それを阻止しようとするサバイバル艦ノヴィス・ノアのクルーたちとの物語である。

声優・キャラクター
白鳥哲、村田秋乃、朴璐美、青羽剛、渡辺久美子、磯辺万沙子、名越志保、佐古正人、堀部隆一

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

女体がすごい。自然崇拝原始共産制的母系社会という富野氏の理想か?

 地球と裸体の女性から始まる物語。プレートから生まれるブレンパワード。こういうところから「母」の物語だろうというあたりが付きます。がそれだけではなさそうなのは見ているうちに感じられます。

 キングゲイナーで「漢」を描いているのと対照的に「女」な気もしますが、本作の方がテーマの幅は広いし深さを感じます。

 富野氏はミソジニー(女性嫌悪)であることは過去作でわかりますが、しかし母性としてマリアとしての女性に対する憧れもあると感じます。バブル経済やフリーセックス的な退廃などへの嫌悪などもあるでしょう。そして、軍事覇権国家としてのアメリカ嫌悪。核兵器嫌悪。原始共産制への憧れ。平和主義というよりは母系社会的自然崇拝です。

 ストーリーは、唐突な展開で一見分かりづらいですが、ちゃんと見ていると普通に話はわかると思います。むしろ、キャラの言動に戸惑いが残ります。
 ですが、ちゃんと対比として女性の生き方について表現しています。戦いや地球の滅亡を図るオルファンにいるときの特に女性たちの言動が頭を使って優秀ですが攻撃的で非常に感情的です。一方でノヴィス・ノアにくると女性たちは他人を思いやれるようになります。言動がちょっとスピリチュアルになってくるので違う意味で論理性に欠けるように感じます。
 ブレンパワードの制服が非常にフェミニンな感じでマタニティに見えなくもないのは意図的でしょう。もちろん比瑪は姫。つまりお姫様です。

 またオルファンを牛耳っていた伊佐未一家。ジョナサンによる母と姉の不倫というか親子丼みたいなバブル的退廃…権力至上主義とあいまって結果的にイケメンに操られるところなども描かれています。家族崩壊です。
 一方で、バロンとジョナサンの関係性がオチになっているところもまた、家族関係についての愛憎劇になっています。
 家族の因縁はいたるところに描かれていました。その一方で孤児である比瑪ちゃんなり子供たちが重要な役割を果たすことから毒親、親のエゴなどの視点もありました。


 オルファンはそのまま「孤児」という意味です。比瑪ちゃんが孤児院にいたことと子供たちがでてくることが重なります。ビープレートが子供あるいは孤児という意味ですね。
 プレートからブレンパワードなりグランチャなりが生まれることや、ビープレートが対になっていることから子宮とか精子とか男女のアナロジーでもあり抽象的な生命を産み出す仕組みのようにも見えます。登場人物がほとんど男女ペアになって行きますし。
 そもそもオルファンが初めは2つが争っていて、一方が女体なら…も一体は、という宇宙夫婦喧嘩だろうなという想像もできます。つまり、本作は性交妊娠出産育児という具体的な事象のアナロジーと遺伝、社会をつないでゆく子供たちという抽象的な象徴とがあえて曖昧に描かれていた気がします。

 オーガニック…と言う言葉は有機ですね。無機=機械との対比です。花のエネルギーですからね。それと人のつながりですから、随分と牧歌的な結末ではあります。

 と言う感じで盛沢山のものが入っているので、ストーリーそのものは唐突感がありますが、どこかに考えさせられる要素があるし、結果的に面白いです。3話くらい乗り切って見方がわかると面白くなります。

 アニメそのものの全体の設定は、やはりベースにはガンダム+エヴァという感じですね。リアルロボットに世界系的手法を入れて見た感じです。一方で「マクロス」で有名な河森氏の「エスカフローネ」時に顕著に見られた自然崇拝も感じます。オルファンの設定は「ラピュタ」+映画「インデペンデンス・デイ」のような感じがしました。


 ガンダムのララアとか、逆襲のシャアの女たちとか、Vガンダムのカテジナとかなどとのつながりを感じます。
 そういうものを分かりやすく抽出した「女」「母性」「出産」の話ではありますが、しかし、比瑪ちゃんは内面がほとんど描かれないのが面白いですね。結局富野氏は女性が単独では描けないのでしょう。

 むしろ伊佐未一家の母姉とユウの内面描写が見どころだと思います。グチャグチャともめている一家の醜さとか男から見た「おっかない女性・ビッチ」に見える女性という点で非常によく描けています。もちろん女性から見たらそんなのは男の幻想でしょ?という気もします。


 女性といてばそれにしても「女体」がいいですよね。もちろん全裸OPが顕著です。女性の輪郭線をよく見ると分かると思いますが、非常にリアルな線でしかも美しく描かれています。それでいてエロくないけど女を感じる素晴らしい線画でした。服装も胸を強調していますし。女体の描き方についてはアニメで一番すごいかもしれません。

 OP曲最高です。歌い手の方は他のアニメや曲でお見掛けしませんが、アニソンの中ではベスト10には入るいい曲です。

 ということで、少子化の今。本作は注目されていいのではないでしょうか。昔見終えましたが深く入り込めなかった印象がありましたが、改めて最近ちょこちょこ見ていたら、のめり込みました。本当に面白かったです。

 ブレインでパワード。頭脳で強化された。意味は?「お前等頭をつかえ」?




 

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

レタスの人 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

理解できるけど理解しがたいアニメだった

サブカル系アニメには多い理解できるけど理解しがたいアニメ

父親が異常なほどにアニメ好きだった反動からか、私はアニメ自体余り得意なほうではなく、ガンダムとかもまるで見たことが無いのだが、調べてみるととある有名な監督の影響でこうなっているとの事だ
有名なのにキャッチーじゃない作品というのもおかしな話だが

話を戻すと下手な雰囲気サブカルアニメよりも非常にテーマが曖昧、遠まわしで難解になっている分演出自体はわかりやすい人間模様が見える

これが典型的な雰囲気アニメと貶められるアニメだとやりたいことはわかるが伝え方がもっと芸術性を高めようと抽象的なものになる事が多い(結果何かを誤ってホラーやグロアニメ等と称されることになる)

要するにこの監督が他にどんな作品を作っていて、この人はどういう趣向や性癖をしているか私の知る由ではないのだが、この作品を見た上で言わせてもらうなら自己主張の通し方がある意味でうまい人だとは思った

これはもう土台からしてわざとわかりにくく作っているのは明白だが(正直この人は雰囲気アニメを作れない直情型、というよりもキャラ立ちや台詞回しその他演出を見る限り、人を楽しませられるエンターテイメント性に強い人だと思うからこれは失敗だと思う)

もっと娯楽性に富んだキャッチーなアニメを製作した場合、物語性に於ける面白さだけに優先せずにそこに一貫したテーマや意味、伝えたいことをしっかりと封入できる才能があると思った

例えば昨今で多く量産されている若者などに大人気の萌え系、モテモテ系やらバトル系やらにはそういったものは介在しない
これは話に何の意味も持たせず、瞬間的な多幸感や娯楽性を重点としているからだ

当然そういったアニメはまた一つの正しい形であるが、古くから続けられてきたロボット作品などには大体一貫したテーマ、反戦争やらなんたら主義についての意見等が物語性に含まれているらしい
こうなってくると、物語を進めていく上での謎や伏線を回収していくにつれて第二の物語が進行していく様を垣間見るのは、悪者が現れてそれをただ悪いというだけで倒すだけで終わらせたり、なんか楽して強くなって何の脈絡もなく女の子にエッチな事してもらえたりしてグッドエンドするのとでは視聴への楽しみが二倍違うわけだ

小説やシリアス系の映画を好むタイプであれば、やはりアニメにもこういった伝えたい主張や意見を汲み取った上で納得できる楽しみがあれば面白さはぜんぜん違う

そして、こういった主張をしつつエンターテイメント性を欠く事のないだろうこの監督には頭が上がらないばかりだ

この作品では悪い部分が垣間見えた結果だと思われるが、少なくとも私としてはこの監督は高い評価に値すると考えられる作品だった

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

オーガニック的な台詞で印象に残りやすいSFロボットアニメ

このアニメは、「機動戦士ガンダム」などで
非常に有名な富野監督が制作した作品の一つである。
「白富野」作品の一つとして、あげられることが多い。

大きな特徴としては、タイトルでも挙げている通り
独特な台詞回しだ。
普段の会話では、めったに出てこないだろう。
例をいくつか示す。

「な、なんだ?この、げっっそりする感覚は!」
「死ねよや!」「ストレッチくらいさせろよ」
「それはよくない」 「ひゃっこい!!!( >Д<)」
あまりにも多すぎるのでこの位に。

一番難易度が高いと感じたのは、主人公の勇が
ヒロインである比瑪に言った台詞
「お前のブレンパワードの扱い方、イエスだね!」 だ。
何回か、リピート再生したのだが
まったくもって理解できない。
このセリフの後、なぜか比瑪が納得しているため
難解さにさらに拍車をかけている。
このやりとりに関し、完全に理解できた方が
いたらぜひ教えて欲しい。

このアニメが良いと感じたところは、
親子関係を丁寧に描いているところ。
主に、主人公・勇の家族と
そのライバルであるジョナサンの
家族に焦点を当てている。

オーガニック的な台詞でやりとりされる故に、
とても印象に残りやすいものとなっている。
また、そのセリフのほとんどが、確信を突いており
考えさせられることが多い。
見ているときは、笑ってしまうのだが。
一番強烈なのは、9話におけるジョナサンと
アノーア艦長のやりとりだろう。
その後の、ジョナサンとクマゾーの会話もすごいが。

OP映像も、脳裏に焼き付くレベル。
なぜか、女性の裸がこれでもかと言わんばかりに
登場するのだ。リアルタイムで見た方は確実に
驚いたであろう。ちなみに、女性の裸があそこまで赤裸々に
映し出されるシーンは、本編にはないのでそれ目当てに
視聴すると確実に後悔する。

良くも悪くも、富野作品が好きな人向けのアニメ
であることは間違いない。某動画サイトで
台詞をまとめたシーン集があるので、それを見てから
判断することをオススメする。
個人的には、間違いなく良作だと思う。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

58.7 16 親子で恋愛なアニメランキング16位
しにがみのバラッド。(TVアニメ動画)

2006年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (113)
791人が棚に入れました
真っ白な死神と羽根の生えた黒猫が織りなす、哀しくて優しいハートフル・ストーリー。真っ白い死神モモは、仕え魔である黒猫ダニエルと共に、人間の魂を運ぶことが仕事なのだが、いつも人間におせっかいを焼いてしまう…。

声優・キャラクター
小林晃子、清水愛

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

地味に泣ける・・

2006年3月2日-4月6日放送。原作は同名ラノベ。全6話。

2007年放送の同タイトル原作実写ドラマもある。全12話。
※モモ:浜田翔子/ダニエル:吉田里琴/その他。

各話毎にメインになる登場人物が入れ替わる短編集の形式。

死神の"モモ"とその仕え魔"ダニエル"が、どの話にも共通
の客観的な立ち位置での狂言回し的な役柄で登場する。

幾つかの話が接点のあるエピソードになっているパターン
が有り、短編同士がリンクしている話も増えていく。
※原作は其の侭大きな流れになり謎が紐解かれていく。

原作の方は大きなウネリがあるが、アニメはその手前迄の
ハートフルなエピソードが中心で「死」がテーマに含まれて
いて少し切ない感じもあるけれども、少しホッとする物語。
死神という部分がファンタジーな要素として含まれている
ので、多少ファンタジーな事が起きるが・・基本モモ達は
傍観者・・ちょっぴりお節介で・・優しくて涙脆くて・・

世界観は全体に優しく穏やかで・・ただ6話で終了という
部分がとても残念・・原作を読みたくなる様な雰囲気は
とても良く伝わってくる作品に感じました。

ありきたりな話で・・大きな衝撃や派手な展開が無い為
6話でもアニメ化されただけ有難いかな?とも思えたりも
するけど、単純な話で身近なものだけに共感もし易くて
ついつい涙腺が崩壊してしまうじんわり系かな・・
丁度アニメにハマりだした・・それ程アニメを視ていない
時期に出逢った作品で、その時はボロボロと泣いた。
所謂萌系のキャラデザに不慣れで美少女萌え系?等と少し
侮っていた作品に凄く内容が濃かったり、意外と面白い
物があるとか感じ始めた頃の印象を良く作品のひとつです。


モモ:能登麻美子:「桃花」。アンとは双子の姉妹。
死神のライセンスIDがA-100100号なので百々で「モモ」
死神でありながら白い容姿の為に「ディス」と呼ばれてる。
人の死に涙を流す優しさとお節介で人間を助けてしまう。
幼い雰囲気や真白い容姿から良く「天使」と間違われる。

ダニエル:広橋涼:モモの仕え魔兼保護者のような存在。
姿は黒猫。桃の名付け親。蝙蝠の様な羽があり飛べる。
金色の瞳とブカブカの首輪に付いた大きな鈴が特徴。
一応、人型の姿になれるが、あまり気に入らないらしい。
仕え魔名家「アラーラ」の出で非常に優秀。面倒見が良い。


幾間大輝:菅沼久義
幾間一陽:堀之紀
原上セイゴ:森田成一
広日向アズリ:村田あゆみ


アン:アニメ未登場:「杏花」モモとは双子の姉妹。
死神A-99号。UN(唯一の存在)から、アンと呼ばれている。
死神の中でも強大な力を持つ、死神としては特別な存在。
モモと同じく感情がある死神。性格は冷酷で容赦が無い。
魂を天上に運ぶのが本来の仕事だが、魂を消滅させる。

ニコル:アニメ未登場:アンの仕え魔の猫。



第1話 きみのこえ。

瀬戸公太(金田晶代)
幼馴染の牧原麻依が死んだ理由を自分の都合とブルーの
存在にあると考えていた。麻依の死後、とある雨の日に
ブルーを捨てようとするが・・・

モモに出会ってから「みえないもの」が見えるようになり・・

牧原麻依:斎藤千和:持病を持った少女。
ブルー:声優不明:捨てられていた子猫。

第2話 さかなのころ。

浅野水月:甲斐田ゆき

藤島豊花:植田佳奈

浅野昴:木村亜希子:部活の水泳で好成績を収めていた。
中学2年の時、工事現場付近を通った時に落ちてきた鉄骨
から「水月」を庇ってそのまま下敷きとなり、死亡した。
容姿端麗で人望があり、クラスの中心的存在の美少女。


第3話 ひかりのかなた。

市原カンタロウ(豊永利行)
藤浦トマト(三橋加奈子)
市原康太郎(郷田ほづみ)

第4話 あきのまほう。

風間千秋(佐土原智子)
風間冬樹(白石涼子)

第5話 ほたるのひかり。

宮崎エコ(大浦冬華)
宮崎ワコ(松本美和)
瀬戸公太(金田晶代)

第6話 こころのたび。

小堺桜(坂本洋子)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

身近な死を扱うのは良いけど同じような話。秀作に一歩届かず。

 異世界やバトル、戦争ものとは違い、身近に死があることを認識させてくれる作品でした。全体的に静かで淡々とした感じで、作品の主題と画作りがマッチして、いい雰囲気だったと思います。

 ただ、1話から4話まですべて死者の残された人間に対する想いの話で、単調になってしまいました。2話から4話までは生存者の恋愛も似たような話です。
 原作は沢山あるようですので、もうちょっと毛色の違った話をチョイスしたほうが良かったのではと思います。

 5話は死者に対する想いで話は違う方向でしたが、1話で出てきた登場人物が間接的に死神の役割をしていましたが、そうする必要があったかどうか。

 6話は死者側からの未練の話でした。ここは今まで知らなかった視点でしたので、ネタあかしのような感じで、面白かったです、同時に、かなり暗い話でした…が、ここは語らないほうがいいでしょう。
 6話については、制作者側もこれがないと、作品として成立していないことがよくわかっていたんだと思います。1話~5話まで死神はメッセンジャーでしかなかったですから。

 さて、そんな感じのオムニバスでしたが、6話が面白かった他では、3話と1話が良かったかなあ。特に3話のトマトちゃんが可愛いかったです。「秒速5センチメートル」とか「月がきれい」をちょっと思い出します。
 3話は風景が良かったのと、オリオン座がちゃんと描かれていたのも良かったですね。死神が直接語らないのも、単調な作品の中では新鮮でした。


 総評です。身近な死を意識する珍しい作品でテーマ性はいいと思います。ただ、死者の残したかった思いが、恋愛、家族愛だけで終わってしまったので単調でした。6話と言う長さなので飽きなかったのかもしれません。飽きが弱点ですので毎週見ていた人の印象は違ったかもしれません。

 死を感じさせる雰囲気や演出は良かったです。声優さんたちのおさえた演技が悪くなかったです。

 ヒロイン?の死神の行動原理になにかあるんでしょうか?そこがないとヒロインを置いた意味すら希薄になります。6話があるので何とかなった気もしますが、やはりヒロインの存在意義が薄い気がしました。恋愛は各話甘酸っぱくて良かったです。

 ということで、面白いですが、秀作に一歩届かずという感じでした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

とってなむ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

優しい死神が織り成す優しい物語

1話完結型の全6話。


全身真っ白の天使のような死神・モモと
仕え魔である黒猫・ダニエルが人間の魂を運ぶ物語。
ただ、モモはいつも人間におせっかいを焼いてしまう。
死神なのに人の死に涙を流す優しい性格の持ち主。
彼女が人間に関わった結果、辿り着いた先は…。


てな感じの物語なのですが、面白かったです。
ただ、これに似た作品として「シゴフミ」というものが挙げられます。
比べて良いのか悪いのかはさておき、
個人的には「シゴフミ」のほうが断然好きです。
内容が濃く、ヒューマンドラマとしても優秀なので。
本作「しにがみのバラッド。」は「シゴフミ」の入門編のように
どうしても思えてきます(好きな方ごめんなさい)

いや、本作が嫌いなわけじゃないです。
言ってしまえば「シゴフミ」の二番煎じに見えてしまった、それだけです。
まぁ本作のほうが原作もアニメも先なんですけどね。
二番煎じなんて生意気なこと言ってすいません。


上ではあんな風に書きましたが、
このジャンル(ダークファンタジー?)は好きなので、
本作も例外なく楽しめました。
モモと人間の交わりが見所です。
モモが導く答えは何なのか、是非確認して頂きたいものです。

モモとダニエルの会話は笑えました。
ダニエルはモモの保護者の役割ですかね。
この関係性も面白かったです。


OP「no one」 歌ーKOY
ED「White Messenger」 歌ーKOY

神秘的な主題歌2曲は魅力的でした。



全6話で話に大きな起伏もないので、気付いたら終わってたって感じです。
もう少し話にスパイスを加えても良かったかなと思います。
視聴者に魅せたいのは『衝撃』なのか『感動』なのか、
はたまた別の"何か"なのか。
イマイチ定まっていなかった点が残念です。

それでも、一つ一つのエピソードは悪くなく、
それなりに毎話楽しんでる自分がいたことは確かです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 28

65.0 17 親子で恋愛なアニメランキング17位
少年メイド(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (308)
1566人が棚に入れました
お嫁さんにしたい男子(!?)、NO.1!!

ちょっぴり掃除好きな小学生・小宮千尋は、ある日突然母を亡くしてしまった。
身寄りのない千尋に手をさしのべたのは、叔父である鷹取円だった。
そのまま円の豪邸に連れていかれた千尋だったが、
あまりのゴミ屋敷っぷりに耐えられず、大掃除を開始!!
その姿を見ていた円は、鷹取家の世話になることに反発していた千尋に、ある提案をする。
それは、千尋はメイド役を、円は生活環境を提供するというギブアンドテイク案だった!! 
円の提案に納得した千尋だったが、
渡された制服はフリフリで、お屋敷の汚れは果てしなくて…。
どーなる千尋!?

声優・キャラクター
藤原夏海、島﨑信長、前野智昭、花江夏樹、八代拓、山本和臣、田村ゆかり、榊原良子
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

タイトルで損。ショタではあるけどBL要素は薄い

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
レビュータイトルにもありますが、BLメインではなく、癒し系のホームドラマ路線なので、BL苦手な方でも大丈夫だとは思います。

癒し系ホームドラマとしては、地味に丁寧に作られていた印象です。大きな波はないけれど、基本的にAパートとBパートで異なる内容をやるので、飽きずに視聴できました。

音楽は、OPは爽やかで前向きで好きだったけど、EDは、ナンだあれ(笑)

まあ、「2期楽しみにしてます!」とまではいきませんが、「2期があったらなんとな~く視聴しちゃうな♪」って感じです。そのぐらいのユルい態度で視聴することをオススメします♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
1話目感想より。

5年生で母親を亡くした少年、のワリにノリが軽すぎるのが気になった。こういう作風(ギャグ・ホームコメディ)にしていきたいなら、アニメ定番の「母親がなんか海外に変な研究しに行った」とかで良かったんじゃない? まあ、母を失った悲しみを今後丁寧に扱っていくなら良いです。でも、サラッと流すつもりなら嫌です。アニメとはいえ、人の死は重い。そこに注目して観ていきたいですね。

、、、その「母親の死」ですが、毎話のように回想シーンがあり、とても丁寧に扱っていた印象。千尋と円の覚悟というか、腹のくくりかたとしても、「海外で研究」よりも「死」の方が適切だと思える作風でした。私の心配は、杞憂でしたね(死を扱う作品は、このぐらい大切に扱ってほしいものです)。

ホントに、悪い人物のいない、平和な世界。あったかい雰囲気の中で進んでいく日常系です。序盤は、少しずつ近づいていく円と千尋の距離感を主軸にし、中盤はサブキャラを生かしながら、日常系をガッツリやる。終盤は、円と祖母の問題、本当の家族になってきた円と千尋を描いているので、ストーリーとしてもわずかながら流れている感じがします(千尋と祖母の問題がなにも解決してないのは、原作ストックあるから?)。

個人的には圭一郎が好きでした。しっかりものでユルくて、厳しくて甘くて、なかなか良いお兄さんキャラでした。空振りばかりしてもめげない健気で素直な女の子、美耶子も良かったです。いつか圭一郎に思いが届けば良いですね♪

難点としては、EDを歌う「有頂天ボーイズ」の存在が不要だったことかな。

印象に残ったのは、最終話での母親の幽霊との会話シーンです。まずは、この1年を箇条書き風に振り返る部分。シンプルなんだけど、だからこそ、心に染みる部分がありました(1クールで1年もの時間経過があるのも珍しい)。それから、千尋が、鷹取一砂のことを、「円のお母さん」と紹介した部分。「おばあさん(祖母)」ではなく、「母さんのお母さん」でもなく、「本家の……円のお母さん」と言った千尋。千尋の生活の軸が、すっかり円と共にあるという印象を受けました。
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
千尋はなんだろう? 「とらドラ」の高須的な性質なのかな(笑) やはりBL要素はあるんだろうけど、どう考えても「SUPER LOVERl」よりかは軽いだろうから多分完走できるなw

2話目
ちゃんと女子出てきたねw 美耶子は普通に良い子だね。円も良い奴だし、BLというより家族愛がメインになっていくのかな? …なんだ、玉子焼きと弁当のクダリ? 良い話じゃないか、ちょっと泣けた(笑)

3話目
千尋と円の仲がぐっと深まる、良回。犬も猫も変わらんと思うがw 桂一郎のネクタイガジガジは可愛かった(笑)ちょっとBL要素が強くなってきた。

4話目
「ヤツ」の話。髭男爵からの「ルネッサ~ンス♪」はまんま過ぎて笑ったw 円との初めての喧嘩。円の静かな怒り方が良かった。包装紙のクダリも良い話だった。Bパート含め、桂一郎、マジでイケメン(笑)

5話目
千尋の怪我。千尋、面倒くさい、というか潔癖な性格してるな(笑)

6話目
おっ、EDの人だ。円のプロ意識も見られた。Bパートも良い。ティッシュの空箱でも喜ぶであろう円って、すげぇ目に浮かぶw

7話目
所々出てくる母親がいい人過ぎる。参観日回。今回も心温まる良い話でした。

8話目
千尋が、休んでる方が疲れるネタは、前に1度やらなかった? 5話と似てる?

8.5話目
千尋の学校での話。なんか、普通にラブコメw 普通に微笑ましいw

9話目
花ちゃん役の矢島晶子さん(野原しんのすけ・リリーナピースクラフト)、演技の幅がスゲェなあと感心しつつ、それでも幼女はムリがあるかな、というか、上手すぎて、凄い利発な幼女に感じるw 川辺の作画、良いな~。おっ、新展開? 最後は円を選ぶんでしょうが。

10話目
漬け物を噛む音、やけにリアル(笑) ちなみに剣道部も、ネコ好きですがネコアレルギーですw 懐かしいな~、都電荒川線。沿線に住んでいたからね。都電、やたらリアルだけど、どうした(笑)? 庚申塚か、懐かしい。一時期、新庚申塚に住んでたからな~。あの辺、良いところだよ♪ お寺ばっかりだけどw お墓は雑司ヶ谷(池袋の奥のあたり)かな? さあいよいよ、ストーリーが動くね。

11話目
ここにきて、円の家族を見せて、現在の幸せな生活をこれ見よがしにアピールする、か。

12話目
なかなか変わった最終回。賛否あるだろうな。個人的には、賛。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 27

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

はたらかざるもの食うべからず!・・・だそうです^^

この作品の原作は未読です。ですが、キャラデザが好みだったこと、ゆかりんや牧野さんが出演されること・・・もありましたが、視聴の決め手は「少年メイド」という2つの単語が織り成すアンマッチさに惹かれたから・・・
BLだったらどうしよう・・・との思いもチラツキましたが、まずは1話目を視聴してみました。

「苦労は若いうちにすれば大人になってから楽できる」母さんのいつもの口癖だ・・・
という下りで始まった第1話・・・ゆかりんの耳触りの良い声質も相まって、序盤から目頭が熱くなってしまいました(//∇//)

この物語の主人公は、小学生の小宮 千尋・・・これまで母親と二人の母子家庭で育ってきましたが、ある日突然母も亡くして天涯孤独の身になってしまいます。
そこに千尋の叔父にあたる鷹取 円に引き取られる事となりました。
円の家は正に豪邸そのもの・・・しかし中はゴミ屋敷の如く散らかし放題という実態を知ってしまった千尋は、母親の手紙に記されていた「働かざる者食うべからず」を愚直に遂行するため、屋敷の家事全般を引き受ける事で・・・物語が動いていきます。

円は洋裁を生業にしている事から、千尋の仕事着も円が作ってくれた訳ですが、渡された制服はまるでメイド服を彷彿させる様なフリフリの服だったんです。
メイド服とはスカートとハーフパンツの違いだけ・・・あとはどこから見ても正真正銘のメイドさん・・・
これでタイトルの意味がようやく理解できました。
最初は着るのを抵抗していた千尋ですが、着てみると・・・これが結構似合うんです^^
こんな少年メイドなら悪くない・・・と思ってしまいました。
勿論アニメの世界だから成立する事だと思っていますけれど・・・

ここからメイドとしての生活が始まった千尋ですが、メイドというより「主夫」と言った方が適切だと思いました。
普段の口は決して良くありません・・・けれど、食事の量から他人の体調を気にしたり、好みを知ろうとしたり・・・千尋は根が真面目だからなのでしょう。
散らかし放題のお屋敷は整然とされ、昔ゴミ屋敷だった面影は微塵も無くなりましたし・・・

鷹取家の胃袋を預かる身となった訳ですが、学校や出された宿題をおろそかにしないのは千尋の偉いところです・・・
そういえば、円と千尋は血縁通し・・・ですが、外見も中身も全然似ていませんでした。
千尋は母親そっくりの黒髪ですが、円は金髪・・・
そして千尋は綺麗好きですが円は・・・
これは血の成せる業ではなく得手不得手も関係ありそうですね。

この物語は円と千尋のお屋敷での日常を主体に描かれていますが、どんなに千尋の少年メイド姿が可愛くても、1クールそれだけだったら流石に胸焼けしてしまいます。
そのため、この作品にはちゃんと華が設定されていたんです。

一番の華は何といっても牧野さん演じる凰 美耶子・・・
ちょっと世間知らずな一面もありますが、一途で真面目な女の子です。
何より「大切」な事に対して労を惜しまないのが好印象です。

でも・・・この作品には華のダークホースが存在するんです。
そのダークホースとは年長の花ちゃん・・・
お兄ちゃんと喧嘩して家を飛び出し千尋のところにやってきた花ちゃん・・・
ここまでは単に微笑ましい止まりなのですが、花ちゃんの可愛さに円が彩りを加えるんです。
これは流石に予想外・・・でも進化した花ちゃんは間違いなく最強系・・・
花ちゃんの進化っぷりは、是非本編でご確認頂きたいと思います。

千尋と円の日常生活・・・物語の終盤に差し掛かったところで思いがけないサプライズが用意されていました。
そのサプライズ・・・とってもあったかいんです。^^

思いが詰まっているから・・・大切だから・・・
そんな1年を過ごした千尋へのご褒美・・・だったのかもしれません。

オープニングテーマは、TRUSTRICKさんの「innocent promise」
エンディングテーマは、有頂天BOYSの「ずっとOnly You」
躍動感あるアニメとマッチしているオープニングに軍配です。
今度この曲もカラオケでチャレンジしてみたいと思います^^

1クール全12話の作品でした。肩肘を張らずに気軽に楽しめる作品だったと思います。
個人的にはお祖母ちゃんとの関係の行方まで描いて欲しかったのが本音ですが、こちらは続編に期待・・・して良いんでしょうかね^^?

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19
ネタバレ

❣ユリア❣ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

働かざるもの食うべからず!

☆原作未読☆

~あらすじ~
僕のお母さんは突然天国に行ってしまった
しかし僕には他に家族や親戚もいない
この先どうやって過ごしていったらいいのだろう…
するとある日、知らない人が犬を怖がっていたので
助けてあげたら……

君の叔父です

いきなり言われたその言葉
それが僕、千尋のメイドの生活の始まりだったーーー

ほんわかコメディーです!

主人公は掃除が超超超大好きな男の子、なんと小学5年生です( ̄□ ̄;)!!
しかも家事万能!
小5で家事万能ってすごいですね!
超完璧にやってるし!

ツンデレですね(笑)超大人な男子!
でもかわいい♡
ってか女の子として見ちゃうくらいです(笑)
{netabare}
第3話、犬の飼い主……まさかの美耶子になったんですか(笑)
命名、餡太郎って(笑)おもしろかったです(笑)

1人でお留守番寂しそう…と思ったら、大掃除できるから嬉しい!って、すごいですね…
さすが家事大好き!(笑)

いきなりまどかが来て‥(*´∀`)なんですかあれ!?きゅんとしました♡
男の子同士‥‥ですがね…( ̄▽ ̄;)

女の子のお部屋かわいいですね☆

美耶子の家ってすごい豪邸ですね!庭が迷路っぽかったです(笑)
誕生日に家をもらったとか…もう桁違いですね(笑)

あと、ちーちゃんの猫耳かわいかったです!
OP歌ってる人、MVでメイドの服来てるみたいです
アニメのタイトルと合ってますね!

EDのキャラクター謎でしたが6話で分かりましたね☆竜児確かに短パンでした(笑)


11話すごい最終回っぽくて見てて少し悲しくなりました(>_<)でもすごくいい話でした♪先が読めない感じでした!

そして最終回!
なんかすごい!カッコいい(笑)おばあさんのことがビミョーでしたが…あとあのお母さんのは夢?幻覚??少し謎でした(>_<)
まあでも最後はちひろのお友だちも出来てたことですし、
終わり良ければ全て良し!また第1話の働かざるもの食うべからず!この言葉を忘れずにしていきたいです!
{/netabare}

ちひろが今後どうなっていくか、気になるので
ぜひぜひ原作も読みたいなと思います!

お掃除好き、ぜひご覧あれ♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

61.2 18 親子で恋愛なアニメランキング18位
レヱル・ロマネスク(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★☆☆ 3.0 (74)
268人が棚に入れました
正和63年10月。大廃線により鉄路の殆どが失われてしまった国――日ノ本。九洲は隈元県御一夜市。疲弊しきった経済の立て直しを、蒸気機関車8620とそのレイルロオド・ハチロクとを主役に据えた観光振興により見事成功させ鉄道復興の聖地となった同市は、さらなる復興への機運や全国の鉄道事業者・まいてつたちの交流を盛り上げるべく、『第一回まいてつ祭』の開催を企画する。鉄道車両の運転制御用人型モジュール「レイルロオド」達もそれぞれのマスター達につれられ全国から集う。人間達の連日の会議に刺激され、「自分たちも何かをしたい」と意気投合した彼女たちは、有名レイルロオド「すずしろ」を中心として「レイルロオドサミット」を主催。駅前の「cafe亜麻色」に集合し、「まいてつ祭」へ更なる彩りを加えるべく知恵を絞っていく。

声優・キャラクター
上坂すみれ、洲崎綾、降幡愛、黒沢ともよ、久保ユリカ、永井真衣、上絛千尋、伊ヶ崎綾香

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

まいてつ祭へ、ようこそ!

この作品の原作ゲームは未プレイです。
演じている声優さんが何気に凄いので、完走してwikiをチラ見するまで分かりませんでしたが、原作ゲームは18禁だったんですね。


正和63年10月。

大廃線により鉄路の殆どが失われてしまった国――日ノ本。九洲は隈元県御一夜市。

疲弊しきった経済の立て直しを、蒸気機関車8620とそのレイルロオド・ハチロクとを主役に据えた観光振興により
見事成功させ鉄道復興の聖地となった同市は、
さらなる復興への機運や全国の鉄道事業者・まいてつたちの交流を盛り上げるべく、
『第一回まいてつ祭』の開催を企画する。

鉄道車両の運転制御用人型モジュール「レイルロオド」達もそれぞれのマスター達につれられ全国から集う。

人間達の連日の会議に刺激され、「自分たちも何かをしたい」と意気投合した彼女たちは、
有名レイルロオド「すずしろ」を中心として「レイルロオドサミット」を主催。

駅前の「cafe亜麻色」に集合し、「まいてつ祭」へ更なる彩りを加えるべく知恵を絞っていく。


公式HPのあらすじを引用させて頂きました。

ざっくり書くと、全国から集まったレイルロオドが、サミットと称してレイルロオドのご当地グッズを順番に考案し、順番待ちのレイルロオドは御一夜市内の観光をするという、こんな感じの作品です。
でも先述した通り、演じて言える声優陣が何気に凄いんですよ。

すずしろ(CV:すみぺ):万岡鉄道C12 67専用レイルロオド
ラン(CV:うっちー):高嵜鉄道D51 840専用レイルロオド
汽子(CV:洲崎綾さん):名児耶鉄路ホジ6005形 ホジ6016専用レイルロオド
いよ(CV:降幡愛さん):いよかん鉄道甲1形 1号蒸気機関車専用レイルロオド
紅(CV:黒沢ともよさん):旧南颯鉄道キハ100形 キハ101専用レイルロオド
りいこ(CV:久保ユリカさん):頭部鉄道5号機関車専用レイルロオド
かかあ(CV:永井真衣さん):常州電鉄デハ100形 デハ101専用レイルロオド
しろがね(CV:上絛千尋さん):關門鉄道EF10 23専用レイルロオド
西瓜(CV:伊ヶ崎綾香さん):仲国鉄道総公東富4 2000専用レイルロオド

上記登場キャラクターはwikiを参考にさせて貰いましたが、登場キャラクター欄で何やら気になる記述を見つけました。

かにこ(CV:田中理恵さん):第2期より登場予定。
これに先立ち、蓄音レヱル第11弾で先行登場した。
北開道鉄道C11形 C11202専用レイルロオド。

えっ、この作品って2期あるの…!?
調べてみると、一応コミックナタリーの12月12日付けの記事に第2期の事が触れられていました。
公式HPにも記載はありませんが、一応チェックしておこうと思います。

アニメーション制作はサエッタさん。
これまで「八十亀ちゃんかんさつにっき」を手掛けられた会社みたいです。
作画の乱れなどは全然気になりませんでしたね。
キャラデザの高いクオリティをしっかり保持できていたと思います。

主題歌は、Ayumi.さんの「Wonderful Rail」、櫻川めぐさんの「Singing Wheel」、新海雅代さんの「Bon Voy@ge!」
個人的には「Singing Wheel」の曲調が好みだったかな。

1クール全12話の物語でした。
5分枠のショート作品なのでサクッと視聴することができます。
キャラデザも可愛いし、出演している声優陣も凄いことを踏まえると、手軽に満喫できる物凄くお得な作品なのではないでしょうか。
もちろん、第2期も視聴させて頂きますよ。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

物語を楽しむアニメとは別ベクトルの作品

タイトルのとおり、物語を楽しむ作品とは別ベクトルの作品ではないかと。
「物語の評価」が低いのはその為。
ただ、これが悪いわけではない。

いわゆる「ストーリー」を楽しむ作品ではないものの、例えば、擬人化された鉄道キャラのバックボーンなどを知れば(知っていれば)、「ストーリー」とは別の、その鉄道(車両)が持っている物語が浮かんでくる方もおられるのかもしれない。
ただ、私は鉄道の歴史や車両にもそれほど、関心が高いわけではなかったので、アニメ上で展開される情報を受けるだけだったので「へー、ほーん、そうなんだー」止まり、即ち物語が浮かんでくることはあまりなかった。

キャラクターは細かく丁寧に描写されており、まぁ、アニメキャラとしてはかわいらしい娘も多いので・・・、でもそれだけだけど。


時間も1話5分くらい?
なので、あまり多くを求めても仕方が無いとは思いますが、なんというか、何が目的のアニメかよくわからなかった・・・かな。

一服の清涼剤系アニメ?
うーん、鉄道ネタに反応する方とかわいい娘好きのアニメファンにはそういう存在になり得るのかなぁ。
例えばタブレット菓子のように、お口を爽やかに清涼感を演出するみたいな。

良いところが無いわけではないんですが、
私の求めるものとは一致しなかった感がありました。
そんな感じでした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

良く分からんけど組み立て式チョコは欲しい

序盤 なるほど

中盤 ふむ

終盤 ほほお

この話は交通手段として鉄道が用いられなくなりつつある時代での鉄道の話
ジャンルは鉄道・擬人化
鉄道が擬人化して鉄道をいかに盛り上げるかを話し合うだけのアニメ、といえば聞こえは悪いですが、良くも悪くも普通な内容でした。
五分アニメにも関わらず一話あたり2つの物語があるおかげで一つあたりが短い短い。流れるように物語が進行して行きます。

原作は18禁ゲームの「まいてつ」だそうです。
しかし濡れ場の「ぬ」の字もなく、恋愛という要素もまるでないので、安心して親子で見てください。

総監督・音響監督はひらさわひさよしさん。捏造トラップの総監督をされた方ですね
脚本・原案は進行豹さん。
劇伴は酒井陽一さん。変好きの劇伴をされた方ですね
アニメ制作はサエッタさん。八十亀ちゃんかんさつにっきなどの会社ですね

作画は普通。手抜きかんがあったのが残念。ある意味可愛かったけど。
音楽も普通。
主題歌色々。個人的にはBon Voy@geが好きです。

総合評価 組み立て式チョコあったらほしい

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

67.6 19 親子で恋愛なアニメランキング19位
おジャ魔女どれみ♯(しゃーぷっ)(TVアニメ動画)

2000年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (112)
893人が棚に入れました
魔女はバラの木から生まれるのだが、100年に一度、とてつもない魔力をもった魔女の赤ちゃんを産むという「ウィッチー・クイーン・ローズ」の開花が間近に迫っていた。どれみたちは小学3年生の終業式の日にマジョリカに忘れ物を届けに行く途中、そのウィッチー・クイーン・ローズから魔女の赤ちゃんが生まれるところに居合わせたことから、1年間その赤ちゃんのママとなることを義務づけられてしまう。

小学4年生に進級したどれみたちは、新たに仲間となった瀬川おんぷとともに再び魔女見習いに戻って、その魔女の赤ちゃん・ハナちゃんを1年間育てることになる。無事に育てることができたならば、以前没収した水晶玉を返すことを女王様は約束した。どれみたちはなるべく魔法を使わずに、自分たちの力でハナちゃんを育てようと決心するが、慣れない子育てに戸惑うばかり。また落第すれば親権を剥奪されてしまうという魔女界の医者(マジョハート)による検診を乗り越えながら、次第に一人前の母親として成長していく。

声優・キャラクター
千葉千恵巳、秋谷智子、松岡由貴、宍戸留美、大谷育江、永澤菜教、高村めぐみ

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

伝説第二弾!。魔法使いはいらない子。

おジャ魔女シリーズの第二弾。


前作で最期のほうに加わった、おんぷちゃんの魅力が掘り下げられているのがグッド!。


そして、シリーズの軸になるハナちゃん登場。


それにしても、本作の子育てに、次作の御菓子作りとプリキュアはおジャ魔女の流れをちゃんと受け継いでいるなぁ。


おジャ魔女の魅力である、おジャ魔女たちやクラスメイトのエピソードの面白さは更に磨きがかかっている。


特に40話「春風家にピアノがやってきた」は、シリーズでも屈指の神回なので必見。


しかし、本作には弱点がある。それは魔法使い界の要素がつまらん!という点である。


ハナちゃんの検診は、まぁ見習い試験みたいなもんだからまだいい。


しかし、オヤジはともかく、フラット4は微妙…。


いちおチャラい悪役という設定だけど、単にそれに留まらない魅力がないと物足りない。ふじお君を能登さんがやってるのは嬉しいが。


シリーズ通して出てるクラスメイトの男子である小竹や矢田君のほうがずっと魅力的である。


そのため、シリーズ全体だと良かったり悪かったりで、正直後半の魔法使いのエピソードは飛ばしてもそれほど問題ない。


どれみの面白さは、大きな物語の変遷ではなく、個々のキャラクターの魅力を掘り下げる日常エピソードにあるので。


それにしても、紫色担当のおんぷちゃんのキャラって「キラプリ」のゆかりさんに受け継がれている気がするなぁ…。子供向け作品の王道の良い子じゃないのがグッド!。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9

星野 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

赤ちゃんは可愛いだけではない

前作(無印)メンバーにおんぷちゃんが正式加入、たまにぽっぷ。4人+1人で赤ちゃんの面倒をみる話になりました。MAHO堂はお花屋さんにリニューアル。

無印では毒のあるセリフを平気で言っていた(※個人のイメージです)おんぷちゃんでしたが、毒気は抜かれて、ちょっとドライな感じの女の子に変化しました。

新たに育児要素が加わったことにより、コメディ要素が育児要素に食われてしまうのではないか、という部分を心配していました。が、目に見えてコメディ要素が薄まるということはなく、安心して観られました。

赤ちゃんであるハナちゃんが、とにかくよく泣きます。観てるこっちがしんどくなるぐらい、泣きます。おまけに魔法も使うものだから(たぶん、ハナちゃんからしたら無意識に)、それに振り回される子育て組は大変です。
「赤ちゃんは無条件で可愛いもの」という概念も一応描かれているのですが、「赤ちゃんは可愛いだけではない」という現実感にも打ちのめされます。マジョリカの発した「可愛いのは寝てる時だけ」というセリフ、それ正解、という感じです。「可愛いだけではない」にリアリティを持たせたかったのかな…。なんにせよ、大谷育江さんの演技は素晴らしいです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

An@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

おジャ魔女シリーズ2作目

子供の頃、前作も次作もみたけど、
個人的におんぷちゃんがでてくる♯が一番すきかな。
3人のときよりキャラのバランスがよくなった。
おんぷちゃんの仕事の大変さには感服です。

挿入歌の花ちゃんへの子守唄、あれは最高だった。
でもOPといえばやっぱり初期だよね。

しいて悪いとこ言えば、OPがシリーズ中では自己評価が一番最下位。

おジャ魔女は子供の頃の思い出なので過大評価してるかもしれないけれど、
アニメ好きとしては大人になった今、もう一度みてみたいね。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

61.7 20 親子で恋愛なアニメランキング20位
霊剣山 叡智への資格(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (74)
398人が棚に入れました
王陸が霊剣派の仙人を目指す修行を始めてから2年の月日が経った。
新弟子たちに「下界に降りて俗世と触れるという試練を与えられ、王陸は自分の生まれ故郷に向かう。彼はたどり着いた故郷の村で、七星門の仙人が資質のないものでも仙人になれる「聖水」をお布施と引き換えに配っていることを知った。

声優・キャラクター
代永翼、山口由里子、中村繪里子、林大地
ネタバレ

jujube さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

2期からでおK。日本人には作れ(ら)ないストーリー[完走後追記]

1期と違ってDEENがかなりテコ入れしてきたのを感じる。
だから1期を見るべきか?と聞かれたら、見なくても2期からで何とかなって欲しいが、気になるようなら粗筋にとどめておけと言いたい。
まともにアレを見ようとすると9割以上が脱落するはず。
まあ、1期は毎話予告により「霊験山で待ってるぜ!」という標語を生み出したのは評価する(笑)

<1期(星屑達の宴)総括>*読み飛ばしOK
{netabare}そもそも仙人とかの基礎知識が日本人に無いという前提からして日本人と中国人との視聴者では準備が違う。
なのに、1期はそんな前提の上に日本人視聴者を振り落としていくスタイルだから、専門用語も説明も無く使いまくる。
問題はそれに付いて行ったとしても、ストーリーはそれほど面白くはない!
自分もそれについて知識は無いながらも、中国ラノベ原作を知る人のブログでの解説に預かりつつ、専門用語の語彙と意味を見比べながらの厳しい視聴を強いられた。
それに耐えたのも、ひとえに生の中国文化への興味に他ならない。
それなのに1期で期待したものは得られなかった。

1期の自分の印象として余り残ってないので適当に書く。
主人公は能力に欠陥があるものの、秘めた才能によってスーパーエリートな修士の道へ。
入門の際の同郷のショタっ子の裏切りにもどこ吹く風で、仙人手前の年増女に扱かれながら、謎に仙術の強い食堂の姐ちゃんに取り入って利用したり、ダメな同期のデブを助けたり、同期でもエリート上位のイケメンと交流したり、飄々としてデキる男を気取りながら、そこそこ楽しく修行の日々を過ごしていく。
{/netabare}

<2期(叡智への資格)3話迄視聴>
2期は大分テコ入れしたのか、日本人向けの分かりやすい説明が増えたのが良い。これが導入を大分成功させている。
それに何と言っても1期と大きく違うのがキャラデザ!
主人公の成長した姿にはとどまらない変わりよう!
前の可愛い風味でも良かったし、ハオライナーズ系のようなギャグもしやすい崩れやすさで良かったのに。
というか1期はシリアスなんて殆ど無かったし?
原画2人しか居ないとか言ってそれが悪い意味でw本当に崩れていて、1年前のDEENの人手不足のしわ寄せをこのすば以上に当作品が思いっ切り受けてたのも面白かったんだけど。(今期はそれに加えてスパラバまでやるという自殺行為。作画班は心中に全力で良かった。)
それが思い切ったキャラデザ変更でガチシリアスやるのか!これだと簡単に作画崩壊できないぞ!
キングダムみたいな雰囲気にしてきたところで2期が始まり…

*ネタバレにならない雰囲気感想*
1話、シリアス・・・かな?
修仙する門派から、各修士は一定段階を経たとして霊験山を降りて里帰りに。(霊験山で待ってるぜが使えなくなる)
そこで主人公・王陸は自分の村が悪徳仙教集団にカモられてる現実に直面する。
洗脳された村人達は主人公に聞く耳持たず、悪の胴元にカチこむことにする。うん、手段は悪役と大差無いね、さすが王陸!そこに中国人が憧れるのか?

2話、絵に描いたような悪役の酒池肉林と、くだらないギャグは1期通りじゃねーか。貧乳いじりやめい。
ギャグシーンに壮大なBGMは一部でコアな反響を呼び、ヨツンバインのテーマ等と命名される。(音響が良い仕事した)
ここで挟まれてきた仲間のデブ(元おぼっちゃま)の発言が色々と酷い。
◯◯◯ってパパが言ってたって、そこの空白に入る台詞はさすが中国人!一般民衆馬鹿にするのも清々しい。

3話、さらに酷いギャグが来た!
主人公・王陸が女装して王璐(オウロ)として再潜入!
中国人による巨乳(虚乳)の作り方…その発想は無かった(たまげたなぁ
便利万能な仙術の力!

さすが魅惑のcv.代永!見事潜入成功!違和感が仕事しない!でもあざとくてキモい(笑)
貧乳は無理なのに、女装バレした王陸を顔は好みと襲う展開キターーー
ホモーーーー!
頭首大丈夫か?
王陸が顔がいいのか、貧乳の姐さんがブスいのか、貧乳くらい許してやれよ。頭首の許容範囲が分からん。
まあこんな茶番は置いといて、
「オレ達による愚民のための仙道!飛翔するその日まで‼︎(公式HPより)」
キターーーーー!
邪教をぶっ潰すどころか、それを取り込んで、嬉々として新興宗教(仙教)を立ち上げる発想は日本人からは生まれないね!
さすが突き抜けてるぅ中国人!
こんな主人公が大好物なんだろう。日本人ならこのキャラ闇落ちか悪役になるところ。
正義って美味しいの?俺が法(ルール)だ!弱者は強者に従うもの。でも全く悪気は無いんだよ?もしも悪いことしちゃった時は人間だもの、しょうが無いよね?という中国社会でのこれが最適解。

いよいよ斜め上の展開が楽しみになって来ました!!


2017.3.25追記
途中経過は尺が足りなくて無用なとこはバッサリ切った感があるけど、全然許容範囲w
親の威をかるイケメンバカ王子が痛い目にあって命乞いの哀願とかニッチなとこ突いてくるね〜!
{netabare}中国原作だから本気で殺すパターンもありえてゾクゾクしたわ。
いや〜描写がゲスいw
1期の裏切り者ショタっ子が何時の間にか王子の太鼓持ちしてるんだけど、一緒に捕まってて命が惜しくば斧を手にとって王子の首をはねろとか犯人に命ぜられて。正にはねようとするか否か!あのショタっ子ちゃんだし、これは良い意味で緊張するわw
その後の救出シーンカット(一応ヒントシーンあり)でシレッと生きてるとか何だったのかw
さらに言うと、その王子とショタっ子のあいだに遺恨は無いのか、救出後の日常シーンで普通に2人で居るし。ショタっ子はあれガチで殺る気に見えてたんだがw{/netabare}
つか再会した学友の女子が、ライバル王陸に肩入れして、王子は失恋して盛大に号泣しながら走り出すとか、恋愛ネタは笑いしかないwww恋愛フラグどこにあったんだよw
ほかデブと女役人との良い雰囲気とかw
まあ一応本筋に乗っ取ってるからやぶさかでもない。
本筋・・・新興宗教(仙教)=「智教」を役所のお墨付き(認可)を貰おうと、渉外担当のデブがギブ&テイクの提案に行ったところに女役人が登場する。(ここシレッとコネか何かで順番待ちに割込み成功?)
そして、王子の嫉みからくる?告げ口で王陸が智教のトップなのが霊験山の長老に身バレして追求される。


11話
なんか面白かったんだよねー。
この辺今期マイベスト6位くらいには来るほどには楽しめた。(順不同で5位内は心中、幼女、けもフレ、リトアカ、あと何か)

ここまで日本人にも分かりやすい脚本にしてくれたのは高評価。

この回の見所は霊験山の長老が差し向ける問心剣に、王陸の正義が問われるところだが、何となく分かる用語使いと良い解説をありがとう!

バトルが少年漫画らしい勢いがありつつも、王陸のエネルギー放出時に本人ガワだけで骸骨表現とか古いギャグ的表現なものをここに持ってくるセンスとか、絵コンテ中国人かと思ったら、日本人でびっくりしたし。
絵としてハマらないのに微妙に楽しい奇妙さw

そして問われる心と書いて問心剣だが、王陸は智教のトップとして邪教と言われることをやってのけながら、問心剣に俺は間違ってない!と言い切る清々しさw
イメージ映像の中で、智教に関わった数々の屍と亡霊に対してこの発言とか、もはや暴言だよ(笑)
この台詞は本当に本編を視聴して欲しいw
(つか、こんなにモブ村人とか死んでたのかw)
でも、問心剣第2ステージで同じこと繰り返してたのは何なん?
より死者への憐憫を誘うイメージを見せられただけで、さっきの亡霊へのスタンスと違わないじゃん?
今さら死者たちの家族愛を見せられて王陸に良心の呵責が沸くの?亡霊にどんな背景があるか最初から分かりきったことだよね?いや、どんな背景があろうとブレない心を持つのが王陸だよね?その上での暴言じゃなかったの?
そこはさっきと同じ台詞をさらに辛辣にして吐いて欲しかったんだけど。
そこが若干しくじったね。
それに第2ステージで長老らの解説の、より仙境道の解釈を王陸が正しく学んでいるかが鍵になるとか言っておきながら、人情シーン展開されるのは全く伝わってこないんだがw
こういうお茶を濁して、結局表現が出来ないのは日本のラノベにも数多あるから多くは期待しないが、もう少し仙境独特の展開をしてくれればと思ったよ。
(人情シーンでは、幼女が父親の亡骸を見て言う台詞が密かに怖いwお父さんの他の所はどこ?って絵で見せてないけど、四肢欠損してるグロ死体かよ!なんで幼女が平然と見ながら可愛い声で質問できる?これだから中国原作は侮れんw)

結局、{netabare}問心剣は命をかけた王陸の心意気を汲んで、長老自ら収めた形に⁈
王陸がほぼ無理ゲーと言われてたのを単純に俺ツエーで克服したわけじゃなかったのはある程度評価する。
面白くはないけど、単なる俺ツエーの方が余計萎えるからね。
往年の名作なら俺ツエー路線でありながら、慎重に理論武装しているから説得力あって気持ち良いんだけど、昨今のアニメやラノベではまともな設定描けないのが多すぎるからね。{/netabare}

そして、その長老の解説で気になったのは、だとしたら仙境・修仙って本当に正しい道が1つしかないとする、トップダウンの学問なんだなぁと。
研究・創造を主体とするアカデミックではなく、まさしく暗記・詰め込み式の科挙の文化だね。中国らしくて良い感じだ。

仙道のメリットは不老もしくは長寿。贅沢三昧では無いけど、生活に困らない所。
デメリットは市井に居る家族や友人とは寿命以前に確実に決別すること。
ここまで見てきて根本的な問題だけど、仙人に憧れる中国人の気持ちは全く理解できないわw




2017.4.24追記。完走後。
最終話、
締めは穏やかに終わったね。
なんかハウス食品の〇〇劇場みたいなw
中身はそんな誉められたものじゃないけどwww
原作はまだまだ続くけど、アニメの最後がまとまっていたのは非常に良かった。

つか、ほとんどリアタイ数日遅れで視聴終えてたのに、うっかりレビューまとめるの忘れてたよ。しかも、最終話穏やか過ぎて見たことすら忘れてたよw

それにしても、中華原作アニメ(※制作:日本)の中ではクオリティ高い方でした。
日本じゃ人気出なかったけど、中国じゃ版権で何億って収益があったらしく、この2クール目ならそれも分かる気がしたわ。
(儲けたのは、中国側のみか。。。)

さて、そんな最終話ですが、
またもや中国社会が素で垣間見えたのが見どころでしたねぇ。
賄賂をしたことさえ、堂々としすぎだろwww
王陸が悪びれもせず、「賄賂を贈りました」って長老に宣言するところが痺れましたわ。
結果として、智教が上部組織に承認されたもの、というのも結果があるならしょうがないと受け入れる長老達。
賄賂なんて不正だから認められない→罰する、ということにならないのがさすが中国すぎる!!

それに、賄賂の資金源が投資してもらうことという、現代中国の経済の方式も見え隠れしつつ、賄賂が経済活動の上位・常識扱いなのがすげえなと。

最初にハウス食品って言ったけど、絵面的には子供が見ても良いレベルだが、絶対これ子供には見せたくないやつだったね。
中国本国では、15禁レベルの措置が取られてますか?
中国の常識が色々15禁すぎて(笑)
まあそれが楽しかったんだけど♪

王陸が冷めたように見えながら、両親への深い愛情を示していたけど、
中国人って本当に身内への献身?さは半端ないよね。
昔同僚に中国人が居たから良く分かる。
親子の間で毎日電話するとか、それが常識だとか。
だいたいどの中国人でも見たわ。
その情をアカの他人にも向けることが出来たなら、とてつもないほど中国は強大で、平和な国になるんだろうけど。
全くそうならないのは、日本人として喜ぶべきか、悲しむべきか。。。

続く中華の春アニメは、早々に脱落してしまいそうだから、
(日本の物真似劣化アニメは要らないの)
やっぱり霊剣山クラスは中々無いよね。
また、霊剣山の続編でもいいのよ?
テンセントさん、だいぶ儲けたなら続き作りなさい(笑)

今後どんどん作って欲しいのは、中国人の欲望むき出しの中華アニメですw
是非、中国パワーを世界に見せつけてくださいね。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「俺は間違ってはいない!!」

中国の原作webコミック及び小説は未読。

1期放送時、主人公の凄い策略!とか壮大な世界観!とか売り込まれて、
持ち上げすぎだろうw……と言うより、異文化過ぎてよく分からんw
と嘆きつつ、土台となる設定の足腰の強さ等は感じていたので、
懲りずに2期視聴に挑みましたが、私にとっては当り。
相変わらず日本人として思考様式の違いは感じますが(苦笑)
確かに主人公の知略とスケール感が伝わってくる。
なるほど原作が中国でヒットしているのも頷ける内容を感じました。


{netabare} 邪教に誑(たぶら)かされている庶民がいる。
ならば俺が彼ら愚民共を導く新興宗教の教祖となって感化してやろう。
という主人公による斜め上の行動に大陸のスケールを感じますw{/netabare}


まぁ……そもそも今期のこのエピソード自体、仙人を目指す修行の一環。
主人公の策略により、結構、天下を掻き回しておきながら、
メインストーリーの大河のほんの支流に過ぎない?(苦笑)
そう思わせてくれた部分に、エンタメとしての幅の広さを感じられた点が、
私にとっては最大の満足ポイント。


一説には、当初より分割3クールの予定だと言う本アニメ。
現在3期のアナウンスは特にされてはいませんがw
続きがあるなら、またぞろ懲りずに昇仙修行に挑みたい作品です。



作画面ではOPアニメーションが謎w

仙人の修行により超高速で走り続けられる心肺機能を獲得したはずの主人公が、
作中には当然、不要で登場しない馬に跨がり疾走する勇姿を披露w
結局、下馬した主人公が、限界蹴飛ばして、馬を追い越してみたりw
そして、サビで、左、右へと反転しながら、
主人公が画面にアップして迫ってくる謎の構図w

で、OPアニメでは、ほぼその馬と主人公以外は登場せず、
その上、終始、作画レベルは低空飛行とw
作中バトルシーンでの動きはそんなに悪くなかっただけに、
毎回流すOPはちゃんと描きましょうよ~wとの突っ込みの衝動抑え難く、
私はつい全回飛ばさずに見てしまいましたw




【一話感想】1期の苦行が報われる予感?継続視聴者限定ながら今季のダークホースか?

{netabare} 昇仙に挑む主人公が外の世界での修行のため、
いきなり下山して故郷に戻るという事前予告。

1期であれだけ中華ギャグのノリにつんのめりながら、
延々と続く修行回を耐え忍んできたのに、
2期で横道に逸らされたwこれお話進むのかwといった感じで、
げんなりしながらの視聴開始となりましたがw
意外や意外。初回から引き込まれました♪

1期は伏線でもありましたが、
この作品の世界観に浸るのに最低限必要な
思考回路を視聴者に構築してもらうための試練でもあったようです。


例えば2期からいきなり見た人にとっては、
{netabare} 主人公の怪物ぶりなんかは訳が分からないでしょうが、
1期から苦行を積んだ視聴者ならば、
それが霊剣山での身体の組織、気脈の流れの根本から作り直すレベルの、
凄まじい修行の成果であると分かりニヤニヤできるはず。

(と言うより、{netabare} あのゲテモノ料理の数々も、毒攻撃を無効化するための試練だったとはw
昼食すらも修行!霊剣山恐るべしw{/netabare})


加えて“末法”の世がせまる下界に下りたことで、
修行を積んで昇仙しようとする主人公等と、
“誠意”を見せれば誰もが仙人になれると豪語する新興勢力との対立構図。

これを見ていて1期視聴時、一度は無関係だったか?としまい込んだ私の視点。
日本における“末法時代”とその後の旧仏教と新仏教対立の構図。
それらと本作を比較する楽しみも蘇ってきました。

旧仏教はよく教典を読み込み、修行に励み、悟りに近付くが、
新仏教にすがる庶民から見れば自分だけ先に行こうとするいけ好かない輩。

一方で旧仏教側から見れば、ろくに教典も読まず、苦行せず、
誰もが念仏だけ唱えて極楽に行こうとする新仏教など正気の沙汰じゃない。


自分だけ仙人になればそれでいいのか?
堕落した弱者を救うこともまた昇仙の道なのか?
“末法”の世が迫る時、修行者はどうあるべきなのか?{/netabare}

色々、思索に耽りながら味わえる作品になりそうです。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

下界で門下生の為すべき事とは…?

この作品は「霊剣山 星屑たちの宴」の続編となっています。
物語の内容に繋がりがあるので、前期を未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

中国発のアニメといえば枠化された「ハオライナーズ」が頭に浮かびますが、この作品は「テンセント」という中国に本社を持ち様々なメディアに出資しており、今やゲームの売上高は世界トップという会社がバックについている作品です。

ハオライナーズとの違いは、ハオライナーズは制作陣も地元志向ですがテンセントはそこに拘りがある感じではありません。
この作品も原作こそ中国ですが、制作陣はほぼ日本人で日本のクオリティを中国に逆輸入しているんです。
日本アニメのクオリティが世界で抜きん出ている証だと思います。
でも原作は中国発の作品らしい無双系主人公の物語です。

1期では霊剣派の門下生となり、そこでの修行に勤しんでいる様が描かれていましたが、今回門下生に課せられた課題は、「下界に降りて俗世と触れる」というものでした。
王陸は自分の生まれ故郷に向かい…物語が動いていきます。

今回は山での修行ではないため、王陸の師匠である王舞の出番は少な目ですが、代わりに大活躍するのは旅館の女将の玲ちゃんです。
玲ちゃん…1期から王陸の修行の手伝いをしていましたが、彼女の可愛らしさは当時から折り紙付き…
彼女の魅力に触れられるのは、きっとこの作品がMADE IN JAPANだから…
玲ちゃんはちっぱいである事を気にしていましたが…でも全然問題ありません!
ちっぱいの需要だってちゃんとあるんですから…

ちっぱいだって彼女の魅力の一つ…
でも玲ちゃんはそれだけじゃありません。
竹を割ったような性格…
旅館の仕事があるのに、何だかんだ言いながらしっかり王陸を手助けする優しさ…
そして整った顔立ちなど、きっとまだ彼女の魅力を探すことができると思います。

一方主人公の王陸…
何か異人さんになっちゃったみたい…そんな印象を受けました。
キャラデザが変わったのも大きな理由ですが、だいぶ大人びている上、
修行の成果が著しく他の修行者とは既に一線画しているような感じがしました。

繰り出す技?…が常軌を逸したモノばかり…
それが仙人…と言ってしまえばそれまでですが、言葉で表現し辛い凄さ…オーラがあるんですよね。
俗世で王陸は確かに活躍します。
確かに凄いです…
でもどの様に凄いか気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
ごめんなさい…私には上手く表現できませんでした。

オープニングテーマ「限界蹴飛ばして」
エンディングテーマ「力に変えて」

1クール12話の物語でした。
最終話のタイトルは「新たなる旅立ち」でしたが、仙人の道を究めるにはまだまだ長い道のりがありそうです。
続編…制作されるのでしょうか?

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9
ページの先頭へ