魔法で仲間なおすすめアニメランキング 107

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの魔法で仲間な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月29日の時点で一番の魔法で仲間なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

86.2 1 魔法で仲間なアニメランキング1位
葬送のフリーレン(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (446)
1504人が棚に入れました
勇者ヒンメルたちと共に、10年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。 千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。 その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。 その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

面白くてはいけない作品を面白くしてしまい、余韻が無くなったかも。

 コミック1巻あるいは本作1話は素晴らしかったと思います。最近「すずめの戸締り」もありましたが、古い時代を思い出し、鎮魂するという話が増えてきたのは、次の日本を作っていこうという雰囲気がやっとでてきたのかな、と思います。

 ただ、アウラ編のバトル要素満載と、オシリスの天秤(とは違いますが)のようなもので、少し安易な形で魔力を隠す意味を魔族との戦いの要素にしてしまったことで期待外れとなりました。何より「葬送」の意味を魔族を倒した数と矮小化してしまったのは、非常に残念でした。

 1級魔法試験も「天下一武道会」が始まったか…というがっかり感はありました。

 ヒンメルおよびその仲間を思い出しながらの「葬送の旅路」はつづけていました。
 ゼーリエのところで人は駄目だと言いながら、花を出す魔法が嫌いと言いながらツンデレのゼーリエで、エルフの生き方の寂しさの様な部分を一旦総括していました。また、フェルンとゾルトラークで「人間の魔法」「人間の強さ」について表現していました。ただ、それを露骨に見せすぎだろう、という気はしました。

 全体としてどんどんエモくなっていきました。全体に「いい話」にこだわりすぎて、サラリとしたのが良かったのに、人との関係が強くなった、ならざるを得なかった感じが平凡な面白さに近づいていったなあという印象です。言い換えるとキャラと思い出話に寄りかかってしまった気がします。

 アニメで言えばコミックではつまらなかった、1級魔法のところをかなり面白く仕上げたのは素晴らしいと思う反面、この作品における期待の真逆になってしまいました。テーマを丁寧に説明してくれてしまいましたので、感じる喜びが無くなってしまいました。

 つまり、キャラ萌えとバトルの平凡な面白さになたということです。テーマも感情も見やす過ぎて引っ掛かりが無くなった感じがしました。この作品は面白くすると、かろうじて残っていた引っ掛かりも余韻も消えてしまう気がします。

 コミックスの原作の第1印象はアウラ編から「面白くない」でしたが、それでも読み進められたのは、フリーレンが旅路の果てに見るものは何かが気になるからです。その点は未だ気になっている反面、同じようなテーマを延々繰り返している感じもあるので、きっぱりとダラダラしないで終わって欲しいと思います。

 評価はこの作品は結末を見るまでわかりませんので、保留です。が、オール3もどうかと思いますので、オール4にしておきます。





19話 本作のつまらなさと深さの両立が上手く言語化できないので、再度レビュー。

{netabare} 断念したにしておきながら何度も書き直してすみません。ちょっとこの作品は正しく言語化したいので。文句いいながらも見てますので、やっぱり今見てるにしておきます。

 フリーレンの旅が、アイゼンとハイターの弟子2人と共にあるのは、つまりヒンメルとの旅をフリーレンの内面で思い出す…つまり4人の旅を再現しつつ、ヒンメルの代替はないからでしょう。ヒンメルの言動の意味を今思い出しながらかみしめる旅です。

 なぜヒンメルが銅像を残したのかと考え合わせると、物語全体の発想はものすごくいいと思っています。ヒンメルが一番先に逝ってしまったのはこの構造を作りたかったからです。
 その旅の中で、ヒンメルとすごした10年を特別にして行くことが葬送なのかなと読み取りました。だから、結果的にエンデの城についてもヒンメルの魂と合うことはできず、旅そのものが葬送なのかな?と。だから、ヒンメルの死後のカウントが作品の時間経過の基準となります。

 
 そしてほぼ不死に近いフリーレンの長命による非人間性は下手をすれば魔族に近いです。子供のようなフェルンとシュタルクがなぜ物語に必要だったかと言えば、人間は知識や想い出を前の世代から受け取り、後ろの世代に渡して行く営みがあるということだと思います。魔法が魔族のものから人間が解析して進化しているという点が象徴的で、人間は生死…つまり世代があるから進化する…それをフリーレンが理解するという話を描こうとしているととりました。

 で、興味としては、フリーレンとフェルンが魔法の能力を隠すことに長けている点、ここに何かアナロジーがあるのではないか?と。感情を持たない魔族と組み合わせると、現代社会か資本主義的なアナロジーも感じます。そこが何を描きたいのかな、と思っていました。2023年は戦後78年という意味もあるかな、と思ったりもしました。フリーレンが千年以上生きていて生殖をしないという点で日本人のことかなと。ほろびゆく種族と言う意味でも。
 魔族も一部の人間のアナロジーではあると思います。騙すために人語を解する理性も感情も良心もない存在。

 そこで始まったのが、アウラ編で魔力を隠す意味とかバトルとか、なんか世界観が矮小化してしまった気がしました。原作を読んでいるときにここでかなり醒めて、つまらなさを感じました。期待が高すぎた落差なのかもしれません…もちろん、期待よりもっと高い視座を読み取れていない可能性もあります。

 そして今度始まったのが、一級冒険者ですねえ。ランク化です。まあ、なろう系のレベルウインドウと違い、フリーレンの過去の資格が役に立たないことを考慮すると、ランク化は学歴とか資格とかそういう本質ではないランク付けのアナロジーとも取れますけど。ただ、バトルもそうだしかなりテンプレ感が強いので、ここであーあと思いました。

 こうして文章に書くと整理がついてきます。やっぱり悪い話じゃないし、浅い話とも思いません。とにかくアウラ編まではかなり感動してましたし、展開が楽しみでワクワクしてました。

 アウラ編から一級試験まで間が空きすぎたのと、展開や想い出の描き方がパターン化したこと。バトル要素が強くなったりして、急激につまらなくなったなあ、と感じました。
 ただ、魔族の1人1人が何かを表現したいような気はしてるんですよね。そこがアウラの魔力比べでよくわからなくなってしまいました。

 この後の話も2期3クール目ということになるのでしょう。設定とアナロジーから言って、浅くはないのはわかっています。まだまだ考察すべき部分もあるでしょう。魔法がなんのアナロジーかは読み取りたいところです。

 が、不思議なくらい面白く感じないんですよね…キャラが淡々としているから?何か視点がかわると面白くなるかも…というポテンシャルは感じます。私の読解力の無さなのかなあ…{/netabare}


21話 21話は面白い。それ故に唯一無二の作品ではなくなってしまった。

{netabare}  21話は面白いです。マンガでは退屈でしたがアニメの動きが入るとかなり良くなっています。つまり言い換えると、その面白さとはキャラ萌えとか戦闘シーンのカッコよさあるいはフリーレンの魔法の俺TUEEEでした。
 その面白さは本作に求めているものではなく、葬送=想い出を振り返ることで勇者の想いを理解するということとはちょっとかけ離れています。

 1級魔法士という設定が持つメタファーはもちろん感じますし、強さや力の使い方などの思想的な部分なども読み取れますし、おじいちゃん魔法士のセリフからしてもちろんキャラ萌えだけではないと思います。人間社会側の様々な人間の考え方の違いをしっかし考えて作っているところは興味深いです。

 また、1級試験はちょっとサブキャラが濃いですよね。濃すぎる感じです。その濃さがまた面白さになっているのでしょうが、その描き方に全部が持っていかれてしまった気がします。

 葬送の他に魔法というテーマ性が消えているわけではないし、そこの仕込みもあると思います。が、やっぱりこういう派手な面白さは他の作品でいいかな、と思います。

 つまり、21話の面白さに象徴されるところが、本作の唯一無二の作品になり損ねたという意味で私にとっては面白くなくなったということかな、と思います。{/netabare}


23話 マンガ版より分かりやすく面白い…うーん、再評価してもいいかなあ

{netabare} 22話のような話はいいですよね。この作品を見始めた理由に近いエピソードでしょう。
 一方で23話です。まあ、作画すごかったですね。特に最後の場面のフリーレンモドキは鳥肌が立つくらいにカッコ良かったです。

 どうなんでしょうね?この作品の評価ってやっぱり結末を見るまでは保留にすべきなんでしょうか。アウラ編で魔法の設定が安っぽくなったこと、バトルが長かったことなどで、脱落しかけましたし、途中のエピソードがちょっと冗長すぎたのはありますけど、この数話の出来は本当に素晴らしいと思います。マンガ版になかった迫力という点でアニメータは本当に良い仕事をしていらっしゃると思います。

 正直マンガ版だと1級試験編そのものがあまり面白くなかったですし、試験が入ることでジャンプメソッド的な引き延ばしに感じて作品の質が落ちたと感じていましたが、そうとも言い切れない面を上手く拾ってもいる気がします。その点でデンケンの使い方は秀逸かな、と思っています。

 うーん…評価は一旦ニュートラルにして、マンガではないアニメ版のフリーレンをもう1度再評価してもいいかな、と思わせるくらい21~23話は良かったですね。

 一旦、ニュートラルという意味のオール3に評価は戻しておきます。また、改めて。 {/netabare}



24話 フェルンの性格はなぜああなのか?なぜゾルトラークだけなのか?
 
{netabare} なるほど…フェルンの嫉妬の描写ですけど、家族というか自分のテリトリーの侵害に対して敏感なんでしょうね。これは両親を早くに失くしたことに関係があるのかな?ハイターの杖とかプレゼントへのこだわりというか執着もそうですよね。

 夜更ししてジュース飲むと怒られる理由です。ここの性格造形の作り方はなるほどなあ、という気がしました。育ての親のハイターの教育で「ちゃんとしてない」ことに対して許せないということでしょう。
 もちろん大食いなのも甘いモノ好きなのも、幼少期の苦労つまり食料不足が影響していると想像ができます。となると愛情への飢えもあるので、シュタルクとの恋愛は疑似恋愛の気もしますけど。

 夜更しジュースの件は、今回フェルンも贅沢していましたから、どちらかといえば自堕落だから起こったのではなく一人だけで楽しんだから頭に来たのかな?

 こういうことの裏を返せばフェルンはフリーレンを誰よりも理解している、ということでしょう。だからラストの「フリーレン様を…」になるんだと思います。フリーレンも嬉しそうでしたし。

 一方でフェルンの設定としてなぜゾルトラークと一般的な防御魔法なのか?ですね。今回の「フリーレン様を…」でふと思ったんですけど、フリーレンとゼーリエの設定から言って、魔族とかエルフに対抗できる魔法を人間が持つなら、魔法のバリエーション、つまり種類の多さじゃなくて、一つの魔法を極限まで極めるという方向性しかない、ということかもしれません。

 そうなると初めに出てきたゾルトラークを80年間改良を続けてきた、人間の魔法という意味と重なってきます。これは人間の命の短さで、でも組織的に習得できるものとエルフの長寿で孤独な生き方の違いのアナロジーにもなっているのでしょう。

 ゾルトラークの説明があったエピソードからそこは意図していたのかな?中国拳法のように「一意専心」的なことと、師匠の魔力を隠すという意味もちょっと中国拳法的ですよね。練習も功夫も人に見せるなというのがあります。

 まだ、野心があるゼーリエには魔王は倒せなくて、フリーレンなら倒せるということと、平和の時代の魔法使いという矛盾の説明が何となくわかった感じですね。なんとなくですけど。

 つまり1級試験編の2次試験はフェルンの描写の為の回ということかあ…連載時にバトルで話数を引き延ばしていたわけじゃない…のかもしれませんがどうなんでしょう? {/netabare}

25話 バトルが長すぎてテンポが…テーマ的には同じことを繰り返してますし。

{netabare} 話が進まないですね。やっぱり面白くない…という気もしてきました。21~24話はアニメの出来は良かったと思うのですが、23話のフリーレンの複製登場からが余りに長いです。

 花畑と人間が魔法を得て強くなってゆくという話は、かなり前の回で一回なぞった話ですからね。その重複感はやはり1級試験編は強いかもしれません。アニメの出来はもちろん作画は目立つところですが、テンポというかスピード感もあります。原作が冗長だったところを更に引き延ばしている感じがすごかったです。

 やっぱりアウラ編の途中からバトルが長くて、妙にテンポが悪くなるのとセリフで全部説明するのでどうかな、と思っていた悪いところがこの数話極端に出てますね。アニメになって余計感じました。 {/netabare}


26話 やっと1級試験も2次試験が終わりました。

 魔法とイメージがこの数話にはテーマとして出てきてますね。フリーレンを殺せるというイメージ。そして布を切るというイメージ。それとエルフと人間の魔法に対するスタンスの話もありました。で、もちろんフェルンがゾルトラークを極めるということでしょうね。その辺が本作はテーマとしてありそうですね。そこをはっきりさせたのが1級魔法試験かな、という感じでした。このテーマ性は悪くないと思います。ただ、試験編は長いなあ…やっとここまで来たかあ…

 なぜか模倣フェルンが出てこなかったのはフェルンがそこまで上手く魔法を隠せているということ?一瞬メトーデを狙っていたけど攻撃を受けきったように見えましたけど…拘束魔法が上手くいく前に攻撃は受けたみたいですよね。それをよけ切っていた?メトーデが強すぎるってこと?それともたまたまなんでしょうか。

 作画はやっぱりバトルシーンは力が入ってますけど、私は惹かれないですね。むしろ作戦会議の時のフェルンの表情の変化が良かったですね。









前回のレビューです。

正直に言うと原作アウラ編の途中からつまらなくてしょうがなかった。

{netabare}  2クールらしいし人気作になったので一人くらいいいでしょう、遠慮なく言えるので今言っておきます。
 
 正直に言うと原作はアウラ編の途中から凡庸でつまらない作品になったなあと思いました。つまらないとは言いずらい…つまらないと言ったら負けかなとは思い、言葉を濁しましたが。

 作品として評価したのは冒頭だけです。以降はなんだかなあと思って読んでました。で、アニメが人気なので見てみればちょっと見方が変わるのかなあと期待したので、チェックはしてみました。

 要するに原作は人気作故に「葬送」の意味を途中で変えてしまったのではないか?と思います。そう、バトル控えめで過去の戦いと死んだ仲間の意味を振り返りながら旅をするだけだから面白かったんです。それが「葬送」かなと。

 アウラ編以降、ジャンプ系?という感じでバトル要素が色濃く入って来て、この話以降も変な言い方ですけど、どんどん凡庸になって行く気がしました。

 ちゃんと人気作になったとのことで、アンチの批評が少しはあっていいでしょう。私はこの作品、冒頭ではポテンシャルが非常に高い素晴らしい作品だと思っていました。人気故に名作になる道をすて引き延ばしによる凡作化を進みつつある作品だと思います。その落差にガッカリしたので、断念したにしていました。で、改めてアニメを見てもやっぱりがっかりかな、と。原作よりは演出面等でがんばってますけどね。ただ、結末次第では盛り返せる部分もあると思います。{/netabare}
 


第5話 原作マンガが良すぎるのでアニメは休みます。

{netabare} 別にアニメがつまらないわけではないですが、雰囲気としては原作コミックスが好みということです。
 ただ、やはり「推しの子」と同じです。1巻2巻あたりがピークな気がしたというのも同じくアニメを追わない理由です。
 原作も11巻既読しましたので後は完結したらでいいかな、と思っています。理由はネタバレになるので言いません。ただ、週刊連載の人気作の悪いところが出始めています。

「葬送」の意味は魔族を一番葬ったからということですが、それはダブルミーニングというかむしろ後付けでしょう。エンデの魔王城とは、「モモ」のミヒャエル・エンデからのネーミングだとすると、時間の価値の話になるはずか、当初はそれを想定していたと思います。

 目指す目的が死後の魂と話をするということですから、フリーレンの中にいる想い出と向き合う話、死と時間を理解する話になると思いますので「葬送」の意味が「人を見送る意味」じゃないと作品の価値がありません、と私は思います。

 ということで、原作が良すぎるのでアニメを見る意味がないと感じましたので、やめておきます。{/netabare}
 

視聴前 私は冒頭が好きです。「間」と「静けさ」がキモになる作品。

{netabare}原作途中まで既読。多分全部読むでしょう。

 この作品は面白いですがキモはテンポです。間延びがあると間抜けになります。11巻ですか。ちょっと2クールとか2期とか考えると色気がでてしまう巻数です。人気作だけに下手をすると変な尺稼ぎで時間を伸ばす可能性がありますので、それだけが心配です。
 本作は淡々とテンポ良く静けさを感じるくらいに表現されるのが面白い作品です。そこが上手くできているかどうかがポイントになります。第1話に力が入りすぎているのがちょっと心配です。「チェーンソーマン」になりませんように…。

 それと、どこまでになるかわかりませんが「推しの子」と一緒です。あの作品よりも緩やかですけど、冒頭とそれ以降楽しみ方が変わる作品です。といってもテーマは同じなんですけど…単純に面白いのは後からですが、私は冒頭が好きな作品です。
「さよならの朝に約束の花を…」をこの時期にレビューしたのは、この作品の下準備と言えばわかりやすいかもしれません。

 過大評価、期待過多はやめた方がいいです。「感じる」作品でエンタメとしてはそれほどです。「タイパ」重視の人にはまったく向かない作品でしょう。制作者側もそこは理解していると思いますが…{/netabare}


第1話 素晴らしいアニメだけど、面白くはない。過大評価はしない方がいい。アニメはマンガに比べて格段に情報量が多いのがどういう影響になるか。

 初回…というか2日前、金曜ロードショーの放送の時に、戦後78年のアナロジー云々と書きましたが、やっぱり再視聴してみて、この作品は頭を使わない方が良さそうですのでレビューを書き換えました。
 考察するよりも、生きるということと時間経過の意味を感じる方が良さそうです。
 1点だけ。魔法とはなにか?魔力感知とは?魔族は?そこのアナロジーは嫌でも考えてしまいます。

 そして、やっぱり面白くはないです。エンタメとして評価するなら退屈です。それでも「いい作品」だと言えます。3回目ですけど全然OKです。
 ストーリーもテーマもキャラも抜き出してしまえばありきたりです。過大評価、期待過多、そして何よりも他人の意見。見方は人それぞれですから、こういったものは排除した方がいいと思います。向くか向かないか。まず自分でそれを判断しないと苦行になる可能性があります。
 特に情報として作品を観賞する「タイパ」重視の見方をする人は早々に退散した方がいいと思います。

 アニメ版、ちょっとフリーレンの顔が丸くて笑ってしまいますが、時間の経過の感覚はゆったりしていてけど、場面のテンポは速くて上手く原作を表現しています。
 音楽や声優さんの声質、演技。効果音、色、何より動きなどアニメならではの情報量の増加しているのが下手をすればノイズになります。(1例を挙げると30分単位の2話。岩を魔法で打ち抜く修行をしているところのシーンが顕著です)
 また、制作者の解釈が分かりやす過ぎて、原作より文学性は落ちている気がします。

 ただ、この作品は視聴中は頭を使わず受動的に見て、後から味わった方が良い気もしますので、そこはアニメのアドバンテージでしょう。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 31
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

魔法使いフリーレンの人を知ろうとする旅路

[2024.3.24見終わって]
ほんとうに、本当に素晴らしい作品でした!!
小説やコミックなどの原作からアニメ化をするに当たって、作品の雰囲気、キャラのイメージなどを損なわずに作品化するということは、当たり前と思われるかもですけど、尺の関係などもあって制作者の方々にとってはとても大変なお仕事なんだと思います。
そんな中、この作品はある意味作品を超えたような演出・表現がちりばめられていて、制作者の原作への深い解釈・理解があることが伺えました。
例えば第27話。リヒターが店先でフェルンたちとばったり合うシーン。
あのアニオリシーンを入れることで、その後のフェルンとゼーリエのシーンがさらに味わい深くなっています。最終話の、フリーレンが老婆が果物をこぼすのを見てるシーンも改変されてましたけど、さらに良くなっていました。
原作の最新話は127話ですが、アニメはちょうど60話まで。
ストックは充分だし人気も出たので2期はほぼ確定かもですけど、この素晴らしいクォリティを同じスタッフを維持して制作・・となるとなかなか大変で、時間がかかっても良いのでまた素晴らしいアニメを私たちに魅せていただけることを楽しみにしたいです。

[初回感想]
魔王を倒し平和をもたらした勇者一行。
パーティの魔法使いフリーレンは勇者ヒンメルの死をきっかけに、人を知ろうとする旅路が始まる。。

原作は少年サンデー連載中のコミックで、11巻まで発刊。
原作は読んでて、とても好きな作品です。
普通は魔王を倒してめでたし、で終わるところをこの物語はその後のエピローグを描いています。
人とエルフの寿命の違いによる感覚の違いを壮大なスケールで描かれる世界観も面白いし、いい意味で淡々とした雰囲気とドライなフリーレンをはじめとしたキャラの魅力も感じる作品でした。

第1話が2時間スペシャルだったのもびっくりです。(厳密には4話までをつなげたみたいです)
制作側の力の入れようが伝わってくるし、かなり期待しながら視聴しました。

作画良いです!
雰囲気もすごくいい!
良く書き込まれてるしよく動いてるし、音楽も雰囲気にあってて◎です♬
キャラの声もあってると思いました。
ドライなフリーレンも、優しそうなヒンメルも、茶目っ気のあるハイターも、渋いアイゼンも、原作のイメージのままでした。

原作ではセリフがない細かいコマが結構あって、それが作品の味にもなってたんだけど、アニメではその雰囲気をどう表現するんだろうと思ってたら・・すごい、作品の雰囲気そのまんまの再現してていい意味でびっくりでした。

作中のセリフも味があっていいんですよね。

これは今期アニメではかなり期待できそうで、とても楽しみです♡

アニメは連続2クール全28話ということで、原作最新巻まで行きそうかなと思ってたけど、8話で原作2巻のペースだとどうやら7巻あたりで終わりそう。でも1級試験編楽しみです♪

以下、印象に残った話の感想です。

6話「村の英雄」
{netabare}必要なものは覚悟だけ。必死に積み上げてきたものは裏切らない。
フェルンの言葉だけど、これって私たちの普段の仕事とかにも言えることだなぁって。
覚悟ってのは大げさかもだけど、仕事に対する気持ちとか心構えって大事なのは同じなのかなって。
ジャンボパフェのシュタルクとマスターのやりとりが好きです♪
ギャグにしようと過剰な演出とかしなくて、会話と音楽などの雰囲気だけでクスっと笑えたり。こういう演出好き。
会話の間もいい。フェルンとシュタルクのやりとりも好き。{/netabare}

9話「断頭台のアウラ」
{netabare}すごい!
これ原作超えてると思う。
漫画だと止め絵の連続を読んでる読者が脳内補完しているわけだけど、それ以上の演出・動きが素晴らしいです。
「ヒンメルはもういないじゃない」
魔族と人族が決して分かり合えないことがわかる、原作でも印象に残るアウラのセリフでした。
「戦士は最後まで立ってたやつが勝つんだ」
アイゼン相変わらず渋いし、震えながらも決める時は決めるシュタルクもかっこいい。
フェルンも天才の片鱗見せましたね。
次回はゼーリエ初登場になるのかな?どんな声なのかちょっと楽しみです。{/netabare}

11話「北側諸国の冬」
{netabare}前回感想で、次回ゼーリエ初登場とか書きましたけど、勘違いしててまだ先みたいですね。
9話みたいなアクションシーンすごいのもいいですけど、今回みたいに止め絵を効果的に使ったりするところも緩急あって良い演出だと思います。
自分の"偉業"を覚えてくれている人が誰もいないから、女神さまに褒めてもらうんだと話すクラフト。
でもフリーレンは昔同じようなやりとりでハイターに褒めてもらったから大丈夫と返すんです。
フリーレンの中でハイターもヒンメルも生き続けている・・
私が葬送のフレーレンという作品が好きなところはこういうところなんですよね。
自分の偉業を語らず、静かに別れていくクラフトの描写も味わいを感じます。
あと、何かとジャンボパフェが回想に出てくるシュタルクが可笑しいw{/netabare}

17話「じゃあ元気で」
{netabare}今回から第2クールに入ってOPがヨルシカに変わりましたね。
シュタルクとフェルンのやりとりが自然で微笑ましくて好き。
12話で雪の中倒れたフリーレンを抱きかかえようとするシュタルクを嫌がって自分がおんぶするフェルンとか。
些細なことで喧嘩する二人。その原因も仲直りの感じも見ててあるあるーって思ったw
ザインのもう付き合っちゃえよ!!に笑った。。でもいいお兄ちゃんキャラだなザインって。
あっさりしたお別れだったけど、また再会もあるような気がします。
ED変わらないといいなって思ってたけど、そのままで良かった。絵もだけど歌も2番に変わっててこちらもなかなか良いです🎵
次回からいよいよ一級魔法試験編がはじまります。原作読んでたときも好きな話だったのでとても楽しみです!!{/netabare}

18話「一級魔法使い選抜試験」
{netabare}この話から一気に登場キャラが増えるんですけど、魅力的なキャラが多いので動いてるところと声優さんがどんな演技をしてくれるのかとても楽しみです♡
すごい魔法使いの証だった「聖杖の証」を知っている人がほとんどいなくなってしまった時代。
「でもフリーレンがすごい魔法使いだったことは僕たちが知っている・・」
ヒンメルからの言葉に「でもすぐ死んじゃうじゃん」と返したフリーレンだけど、同じ言葉をフェルンから言われて「そうだね」と頭を撫でながら返したところにフリーレンの気持ちの変化がわかる、いいシーンでした。
ラヴィーネとカンネがいつも喧嘩してるのに、息がぴったりあった魔法の連携ができている、その意味もフリーレンは学んでいくんでしょうね。{/netabare}

21話「魔法の世界」
{netabare}ゼーリエ登場!!
声は思ってたより低い感じでしたけど、聞いてくうちに慣れるんでしょうね。
今回も原作に沿った展開ではあるけど、バトルシーンや結界を破るシーンなどなど、アニメならではの演出がとても良くて、デンケンの殴り合いじゃぁぁぁ!!の名シーンもとても良かったです。
私も原作でデンケンのこのシーン読んで、彼が好きになりました。。
次回は2次試験前のつかの間の日常回ですけど、各キャラの交流シーンが良いので楽しみです♪{/netabare}

22話「次からは敵同士」
{netabare}個人的には今回みたいな何気ない日常回の良さがこの作品の醍醐味だと思ってます。
それぞれの登場人物の人柄などが垣間見えたり、キャラ同士のやりとりが面白かったり。。
第一次試験のパーティーって一時的なものではあったけど、そこから生まれた関係がいいですね。
カンネやラヴィーネたちと部屋で女子トークしてるときのフリーレンの嬉しそうな表情がベストショットでした。{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 48
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

(最終)ひとつのアイデア →もう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華

【レビューNo.114】((最終レビュー)初回登録:2024/3/23)
コミック原作で2023年作品。全28話。
元々娘がコミックを買っていたので原作既読です。コミックは「マンガ大賞
2021」を受賞するなど前評判も高く、後はいつアニメ化されるかって話でした
がついにきましたね。

(ストーリー)
勇者ヒンメル、僧侶ハイター、戦士アイゼン、魔法使いフリーレンら勇者パー
ティー4人は、10年間もの旅路の果てに魔王を倒して王都に凱旋する。
ヒンメルら人間にとっては10年は感慨深いものがあったが、1000年は軽く生き
る長命種のエルフであるフリーレンにとっては、ほんのひとときであった。
あれから50年、流星群を観るために4人は再会を果たすが、見た目は全く変わら
ないフリーレンに対し、ヒンメルら人間は随分と年を取っていた。
(ドワーフのアイゼンはそれほどでもなかったが)
そして間もなくヒンメルが天寿を全うする。
彼の葬儀でフリーレンは自分がヒンメルについて何も知らず、知ろうともしな
かったことに気付いて涙する。その悲しみに困惑したフリーレンは、人間を知
るためと魔法収集のために旅に出る。
それから更に20年後、フリーレンは老い先短いハイターを訪ねる。ハイターは
戦災孤児のフェルンを引き取って育てていた。ハイターはフェルンのことを弟
子にするようフリーレンに依頼するのだが・・・
これは人間を知るために、人間と交わり旅をする彼女と新たな仲間達の物語。

(評 価)
・第1-4話:フリーレンの世界観がしっかり再現された製作陣の仕事ぶりに◎
 {netabare}・マッドハウスの本気度を感じさせる精力的な動き
  ・金曜ロードショーで2時間(4話分)を一挙放送
   昔から第1話1時間拡大ってのはありましたが、「推しの子」の90分を凌
   ぐ2時間拡大スペシャルで勝負にきました。しかもまだ他作品が出そろっ
   ていない9月中にぶっ込んでくるなど、かなり精力的な動きが見られます。
  ・連続2クールまで明言
   コロナ以降分割2クールの作品が格段に増えましたが、一気に連続2クー
   ルで放送することも明言!
   初回の作画もかなり力が入っていましたが、これを最後まで維持できる
   力があるのか、視聴者としては嬉しい限りですが、逆にちょっと心配な
   部分もあります。
   とはいえ、賽は投げられました。後はマッドハウス頑張れと。
  ・OPに「YOASOBI」
   OPは「勇者/YOASOBI」と、いやーこの辺も抜かりないですなw

 ・フリーレンの世界観がしっかり再現された製作陣の仕事ぶりに◎
  正直本作は「面白可笑しくテンポよく」という作品ではないので、その辺
  りどうなのかと心配でしたが、本当に原作のもつ「緩やかな空気」や「間」
  といったものをしっかり意識して作っているなという、作品の理解度の高
  さに驚きました。4話分の放送で(コミック1巻+2巻1話の)全8話分を完
  全再現したんじゃないですかね。
  それゆえに初見の方には「テンポが悪い」と映る方もおられそう。
  でもそういう作品じゃないんだよなあ。

 ・何気ないセリフや会話が心に響く
  勇者パーティーにいた頃のフリーレンは(どうせ彼女にとってはひととき
  の出来事に過ぎないとして)他人には無関心でしたが、今振り返るとあの
  時の何気ない言葉たちにいろいろな思いが込められていたことに気付かさ
  れます。
  {netabare}また2話の「ヒンメル像のために蒼月草を見つける」エピソードでは、
  フリーレン「もう少し探したら切り上げるよ。」
  フェルン「もう少しって何年ですか?」
  という2人の時間に対する感覚の違いも巧み表現されるなど、こういう細か
  いセリフ回しとかも実にいい。
  (この花を見つけるエピソード自体も素晴らしい){/netabare}
  そしてアイゼンとの会話
  {netabare}「お前は人の時間を気にするような奴じゃなかった。」
  という下りも、人と交わり他人を気遣うようになったフリーレンを上手く
  表現しており、こういうところも巧みだなっと。{/netabare}

 ・戦闘シーンも丁度よかった
  {netabare}異世界の魔法使いの話ながらも戦闘が話のメインじゃないんですよね。そう
  いう意味でも3話の初めての魔族との戦闘シーンも派手過ぎず、地味過ぎず
  作品の世界観にマッチした、程よいバランスで描かれていたと思います。
  {netabare}(ここでもこの魔族が封印されていた間に80年が経過、その間にこの魔族の
   強力な攻撃魔法を研究し、新たな防御魔法を開発(魔族の「たった80年か」
   に対し、人間の営みを舐めるな!的な)人間と魔族の時間感覚の違いを上
   手く表現している。){/netabare}{/netabare}

 初回2時間スペシャルでしたがそれほど長さも感じさせず、それでいて原作の
 もつ空気感も壊すことなく、上々の滑り出しだったと思います。作画もよかっ
 たですし。懸案事項とすれば、
 ・上述の通り、連続2クールなので作画がこのレベルを維持できるのか。
  (それに落とさず放送できるのか)
 ・(気が早いですが)原作未完なので、どうしてもラストが・・・
  それに2クールなので、原作の大半を消費しそうで、2期があっても数年後に
  になりそう。
 という感じでしょうか。
 まずは制作陣の素晴らしい仕事ぶりに拍手喝采というところですね。{/netabare}

・第5-8話:他の異世界モノと一線を画す練られた世界観 →アニメはアニメで面白い
 {netabare}>フリーレンの世界観がしっかり再現された製作陣の仕事ぶりに◎
 5話では逆に
 「忠実さを意識しすぎて窮屈になっていないか?!」
 という不安もあったのですが、以降はエンジンがかかってきて
 「アニメとしての面白さがきちんと表現されている」
 という印象ですね。

 ・会話劇がちゃんと面白い
  「人間を知る」というのがフリーレンのテーマになっていて、そうなると
  必然的に会話劇がキモとなるわけですが、
  ・原作のセリフの秀逸さを活かしつつ
  ・種﨑敦美さんの名演
  ・それを支える他のキャラとのキャッチボールの上手さ(共演者も◎)
  ・その他アニメ的な細やかな演出
  等でちゃんとアニメとしての面白さが確立してるなと。

 ・他の異世界モノと一線を画す練られた世界観 →時間経過の描写が秀逸
  8話がかなりよかったと思うのですが、
  ・フリーレン VS ドラート
   「今の魔族はダメだね。実戦経験が少なすぎる」
   ・フリーレンの経験の豊富さは普通の作品でも思いつくところで
   ・上述のセリフも、普通なら「まだまだ青いな」位のセリフで済ませそう
    なところですが、これまでの作品の流れからフリーレンというキャラが
    しっかり確立してるから、いかにもフリーレンらしい言い回しがピタリ
    とハマり
   ・同時にこのセリフが、魔族側にも大きな時間が流れ、しかも人間界と同
    じような問題を抱えているという世界観を的確に表現してるという。
  ・リュグナー VS フェルン・シュタルク
   ・「我々魔族は永い寿命の中で一つの魔法の研究に捧げる」
    普通の作品なら魔族は「生まれながらのチート」で済ますところを、魔
    族側も日々研鑽してるという世界観を提示し
    (その集大成ひとつがクヴァールの魔法「ゾルトラーク」だと)
   ・しかし3話で既にその「ゾルトラーク」は一般魔法レベルに陳腐化してお
    り(人間は防御魔法を開発)、フリーレンはそれを対魔族用の「ゾルト
    ラーク」に改良、今回は更に弟子のフェルンに伝授できるレベルにまで
    解析が進んでいるという時間経過を表現。
    その様をアニメならではの戦闘描写でしっかり面白く魅せるという。
   
  このような感じで、魔族という種族も案外人間臭いんだなという独自の世界
  観を提示しながら、フリーレンの長寿命を単なるヒンメルたちとの死別だけ
  で終わらせるのはなく、魔族の未熟さや魔法の進化といった人間界・魔族界
  それぞれの時間経過という作品全体できちんと昇華されている描写が秀逸。

 そしてリュグナーは思い出す。
 → 歴史上もっとも魔族を葬り去った魔法使い――「葬送のフリーレン」       
 タイトルにはもうひとつの意味が込めらていたと!!
 それをアニメとして最高の演出で印象付けるという・・・
 製作陣の原作の理解度の高さおよびそれをアニメとしていかに面白く魅せるかと
 いう次元までしっかり落とし込まれているなっと。
 「鬼滅」や「呪術」に比べ「戦闘シーンは劣るのかな」という懸念はあったので
 すが、同じ土俵では戦わず
 「『葬送のフリーレン』という作品全体像の中でどう魅せていくか」
 という姿勢は賞賛モノですね。
 原作既読でも「アニメはアニメとして面白い」と感じられる仕事ぶりかなっと。

(追 記)
6話でのフェルンのセリフ
「ちっさ」
の反響がかなり大きいらしいですねwww
・シュタルクで検索すると「シュタルク ちっさ」が候補に挙がる
・育ての親ハイターの「巨●ン」説が浮上
・LINE公式スタンプが発売されるetc{/netabare}

・第9話:あの淡泊な原作での戦闘シーンが・・・アニメはこの水準でやってくれるのか!!
 {netabare}>「鬼滅」や「呪術」に比べ「戦闘シーンは劣るのかな」という懸念はあったので
 >すが、同じ土俵では戦わず
 >「『葬送のフリーレン』という作品全体像の中でどう魅せていくか」
 >という姿勢は賞賛モノですね。

 前回こう書きましたが、すいません前言撤回します!!
 ・リュグナー VS フェルンの魔法戦闘
 ・リーニエ VS シュタルクの近接戦闘
 これ、どっちも「鬼滅」や「呪術」に負けてないでしょ!!
 正直原作の戦闘シーンは淡泊な感じなので(それをウリにしていない)あまり
 期待していなかったのですが、これは度肝を抜かれました。
 この制作陣有能すぎるwww
 こんなに動くとか完全に想定外ですわ。
 ・師匠フリーレン →弟子フェルン
 ・師匠アイゼン →弟子シュタルク
 回想シーンを挟み、その教えをよりどころに強大な魔族に立ち向かう弟子たち
 の激アツ展開もいい。
 それに構成も
 ・Aパートにフリ―レン VS 断頭台のアウラの前哨戦でウオーミングアップ
 ・Bパートで上述全開バトルをぶち込み、時間キッチリに両方とも決着とかw
 「鬼滅」や「呪術」が無駄に戦闘シーンが冗長化してきて、食傷気味になって
 きてるのをみると余計その辺が際立つというか・・・
 最後の決めシーンも8話で魅せたフリーレンが月をバックに夜空に浮ぶ構図を
 今度は弟子のフェルンで再現してみせるとか、ホントいい仕事してますわw

 完全にこの制作陣の作画力を侮ってました。すいません__|\○_
 このシーンだけでもアニメ化の意義が十分あったといえる神回だったかなと。{/netabare} 

・第10-12話:ひとつのアイデア →もう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華
 {netabare}・断頭台のアウラ編
  ・魔族
   ・人間の言葉を操り人間を欺く
   ・魔族は組織を統率するために強さ(魔力量)にて格付けが決まる
    → 魔力の放出を制限するという概念が存在しない
  ・フリーレン
   ・(そこを逆手に取り)魔力の放出を制限して魔族を欺く
  魔法使いにおいては、ある意味魔法を愚弄する卑怯な手段だが、フリーレン
  は「一生を掛けて魔族を欺く」という覚悟を持って挑んでいる。
  「力を隠してのビックリ展開」自体はバトルモノではあるある設定ですが、
  それを細やかな設定や描写で、ひとつのドラマとしてストーリーに落とし込
  んでいる創りは本当に見事。

 ・他のエルフ(クラフト)との出会い
  ・長寿命のエルフゆえに、自分の成してきた正義や偉業を知る者はどんどん
   死んでいく。
  ・だからクラフトは女神を信仰して、死んだら女神に褒めてもらうのだと。
   → 女神を信仰しないフリーレンは、俺が代わり褒めてやる。
  ・回想でハイターにすでに褒められていたことに気付き、遠慮しておくよと。
   → いい友人をもったな
  「長寿命のエルフゆえの寂しさ」というアイデアから
  ・「褒めてやる」という些細なエピソードを細やかに創作し
  ・最後はきちんを勇者パーティーに回帰させ、すでにそんな優しさを受け取っ
   ていたことに改めて気づかされる。
  これも「人を知る」という本作のテーマに沿って、きっちり創り込まれている
  なっと。

 ・剣の里
  ・英雄譚では、ヒンメルがこの地で守られていた「勇者の剣」を見事に引き抜
   き、それを振るい魔王を討伐したとなっているが
  ・実際はヒンメルは「勇者の剣」を引き抜くことが出来なかった。
   それでもヒンメルは魔王を打ち倒し「真の勇者」となった。
   (「真の勇者」が実は「勇者の剣」を引き抜けなかったでは恰好がつかない
    から、そういう英雄譚になった模様w)
  これも「勇者の剣」のネタを逆張り的に創った感がありますが、ここまでのヒ
  ンメルの描写がしっかり出来ているから、
  「あのヒンメルらしいエピソードだな」
  って納得せられてしまうんですよ。物語の全体像がしっかり創り込まれている
  から違和感なく、むしろヒンメルというキャラに積み重ねが生まれるという。

 面白いアイデアや一見いいシーンだな思う作品はあるのですが
 ・アイデアを出したことに満足して、そこで終わってしまっている。
 ・全体像がしっかり練られてないから、いいシーンも「点」にしかならず、むし
  ろ全体像との整合性から違和感すら覚えてしまう。
 というケースが結構多いんですよね。その点本作は
 ・全体像をしっかり練り込んだ上で
 ・ひとつのアイデアをもう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華
 というところがきちんとできているなっと。
 私がレビューでよく使う言葉で
 「きちんと汗をかいている」
 というやつで、だからこそ(「暗殺教室」のレビューでも書きましたが)
 >そこに私たちも心動かされ、 
 >「やっぱりプロのクリエイターは、私たち素人と違って凄い仕事をしてるんだなあ」
 >という制作陣や作品に対するリスペクトが生まれるんだと思うのですよ。
 本作もそれに準ずる作品かなと。
 (逆にその辺をサボり、即効性のある「見映えだけ重視」のシーンに頼り「ドヤ、感動
  的な作品やろ」みたいなのが鼻につく作品には、つい辛口なレビューを書いてしまう
  んだよなw){/netabare}

・第13-14話:新キャラ・僧侶ザインも上手く大局に織り込んでいる
 {netabare}「断頭台のアウラ編」以降地味な展開が続いていますが、あの戦闘シーン
 はある意味「制作陣からの特別ボーナス」って感じで、「人間を知る」と
 いうフリーレンの旅の目的からすると、本来の姿に戻ったって感じですね。

 ・13話からは新キャラ・僧侶ザインが登場。
  「戦士ゴリラ」という冒険に出たまま音信不通となった親友を探すため、
  (兄の親心もあり)暫し同行することになります。
   「酒・たばこ・ギャンブル・女好き」のちょいワルおやじ系ですが
   ・フェルン、シュタルクがまだ「未成熟な子供」なところがあり(で、
    フリーレンは人の心が分からないw)、その関係がギクシャクした
    ところを「大人」としてサポート。
   ・「ハイターとも面識がある」
    こういうフックを持たせることで、フリーレンの回想にスムーズに
    繋げていく一端を担う。
   という感じで、単に目新しさだけでなくしっかり大局に織り込まれて
   いる点はさすがだなっと。

 ・14話も「鏡蓮華の花言葉 → 『久遠の愛』」というアイデアを
  (アクセサリーの装飾モチーフにして)
  ・「フェルン×シュタルク」の誕生日プレゼントという単体のエピソー
   ドだけで終わらせるのではなく
  ・「フリーレン×ヒンメル」の回想 → 指輪のプレゼント
   それまでその指輪に執着がなかったフリーレンが、(アクシデントで)
   扮失した指輪を必死に探すという「人間を知る」というテーマにまで
   落とし込む。
  1話の尺をフルに活用してしっかり創ってきてるなっと。
  それがより際立つように演出なんかも工夫されていて、ちゃんと「アニ
  メとして面白く魅せる」という仕事ぶりでしたし。

 原作既読ながらもその時は見落していた事項を、改めてアニメで観て、こ
 うやってレビューのために言語化してみると、結構新たな発見があるもの
 だなあっとw{/netabare}

・第15-17話:後半「一級魔法使い試験編」に向けての前半の総仕上げ
 {netabare}2クール目に入り、OPが変わったりといよいよ新章に突入かを思わせます
 が、「一級魔法使い試験編」は来週からということで、今回は前半戦の総仕
 上げ。
 
 ・シュタルク回
  オルデン卿の戦死した長男の替え玉を引き受けることになったシュタルク。
  ・オルデン卿のシュタルクや彼を通しての長男への想い
  ・オルデン卿の次男に、優れた兄を持った自分を重ねるシュタルクの想い
  そういったシュタルクを中心にした人物の掘り下げに加え、
  ・社交界でのシュタルク×フェルンの社交ダンスシーン
  アニメ化の意義をしっかり見せつける華やかな作画・演出も良き(^^♪
  
 ・僧侶ザインとの別れ
  元々親友「戦士ゴリラ」を探すために旅立ったザインですので、彼の消息
  の手掛かりを掴んだ彼とはここでお別れです。
  物語的にも「一級魔法使い試験編」までの繋ぎの短編が続く展開の中に、
  新キャラとしてザインを登場させ、彼にしかできない役割を演じさせてい
  たのは上手い構成だったと思います。
  エピソード的にも
  ・親友が「戦士ゴリラ」を名乗り出した理由
   どんな英雄も名前をいつか忘れられてしまう。
   → 忘れられないよう名前のインパクトは大事!
    (ザインは「勇者あごひげ」と命名されたw)
   それが頑固婆さんを介して、ひとつの物語として回収されるという・・・
  ・大人のザインらしい最後の仕事
   フリーレンが苦手とするフェルンとシュタルクの喧嘩の仲裁。
   → そして名言
     「もう付き合っちゃえよ!!」
   へと続くというwww

 ・ヒンメル曰く「僕たちの記憶はフリーレンが未来につれていってくれる」
  ・長寿友達・フォル爺とのやりとりでの一節。
   エルフの長寿命を出オチで終わらせずしっかり活かしてきますねー。
   この辺も死んで名前しか残らない人間、
   ・ヒンメルのように(フルーレンが寂しがらないよう)銅像を残したり
   ・前述「名前のインパクト」勇者ゴリラのエピソード
   と見事にリンクさせ、長寿フリーレンとの対比も綺麗に描写しているな
   っと。
   冒頭のヒンメルのセリフですが、勇者パーティーにいた頃のフリーレン
   には、本当の意味は分からなかったのだろうなと。でも今だから理解で
   きることがある。こういう魅せ方がホント上手いですね。
  ・最後にフェルンが病気になって、フリーレンが手を握るというひとつの
   アイデアから 
   ・実はそれはヒンメル譲りの行為。
    → 前述「僕たちの記憶はフリーレンが未来につれていってくれる」
      がきちんと受け継がれていることを印象付け
   ・でもフェルンは「子供扱いしないで」と拒絶してしまう。
    そしてシュタルクのフォロー。
    → 年頃の娘が若い男の前で子供扱いされるのが恥ずかしかったとい
      う複雑な乙女心を描写し、「人間を知る」という本作のテーマに
      深みを与えている。
   ホントひとつをアイデアをしっかり膨らませているなっと。
   
来週からは「一級魔法使い試験編」が始まりますが、ここまでは(いい意味で
予想外だった)ド肝を抜く戦闘シーンを始め、味わい深い「人間を知る」ハー
トフルなエピソード等、原作のよさを再認識するともに
「アニメはアニメとしてちゃんと面白い」
と思える制作陣の仕事ぶりだったのかなっと。
後半戦も「アニメとして面白い作品」に仕上げにしてもらえればと思います。{/netabare}

・第18-22話:長期連載を明確に意識した流れなのかな
 {netabare}「一級魔法使い試験編」の一次試験を描いていました。
 一部では
 ・「フリーレン」には「バトル展開」は似合わない
 という意見もあるようですが、まあこれだけ原作に人気がでてくるとねえ。
 長期連載を意識すると、いろいろな可能性を模索していく必要があるわけで
 ・今後も使える新キャラを育てていきたい
 ・魔法使いを魅力的にみせるには?
  → 魔法使い同士のバトル展開
 という流れは、ベタながらも一番堅実で王道な展開なのかなっと。
 
 例えば「暗殺教室」のように「中学卒業までの1年間」という明確な終わり
 が定められていれば、そこから逆算してタイムスケジュールに落とし込み
 つつ「一つの色に染め上げていく」というのは可能でしょうが、結局原作
 者も(ラストのイメージは決まっているかのもしれないが)、そこに至る
 までの道は「編集者と手探り」という感じで進めていってる状態だと思う
 ので、どうしても「玉虫色」的になっていくのは避けられないでしょうね。

 それで作品が迷走しだしたら大問題ですが、個人的には
 ・新キャラも魅力的に描かれていた
 ・バトル展開の中にも原作者のこだわりが垣間見れ、世界観は担保されて
  いた
 ということで、よかったのではないかと。
 ただ原作だとバトルシーンが多くなると、漫画に迫力が足りてないのでど
 うしてもトーンダウンしたように感じてしまう部分はあるんですよね。
 しかしアニメでは
 ・原作者の意図は理解しつつ
 ・バトルシーンはきちんと「アニメとしての面白さ」を追求している
 と感じるので、原作越えの面白さがあるのかなっと。
 またアニメ化されたことにより、原作を読んだときには気付かなかった新
 たな発見もあり、原作のよさを再認識したところもありますし。

 ここまでは「アニメ化して大成功」といっていいのでは、と思います。{/netabare}

・第23-26話:原作者の魔法に関する世界観が完璧に確立していることかよく分かる
 {netabare}「一級魔法使い試験編」の二次試験終了いうことで。
 二次試験も
 ・「コピーレン」をはじめとする複製体とのバトルがあちこちで勃発
  → 各キャラを魅力的に描写(幾分冗長感はあったが)
 ・バトル作画ももう何の魔法を使っているのか分からんぐらいに超特盛w
 って感じですが、私が一番印象に残ったのが
 「ユーベルの『だいたい何でも切る魔法』→『レイルザイデン』」
 これを「裁縫」に見立てて解説するシーンですね。

 「分かってることならほぼ言語化できる」
 私の「理解度の尺度」のひとつなんですが、例えば小学生に勉強を教える
 とかなら、分かりやすい例え話等でしっかり言語化して説明できるじゃな
 いですか。
 そういう感覚で、本作では「魔法はイメージ」というセリフがよく出てき
 ますが、それはどういうことなのか
 「原作者の中では魔法に関する世界観が完璧に確立している」
 というのがよく分かるシーンだったなっと。
 このシーン自体は小さなものかもしれませんが、こういうしっかりしたべ
 ースに裏打ちされた描写の積み重ねが、大きな差となって本作独自の世界
 観を創っているのだと思うと、やっぱりプロのクリエイターさんは凄い仕
 事をしているのだとリスペクトしかないですね。
 アニメではこの辺りも上手く魅せていたと思いますし。
 そりゃ面白いはずですわ。

 あとアニメのユーベルさんは、何故か異常にエ●チに見えてしまうんだよなw
 ・たれ目具合や口元などの表情
 ・セリフ回しやネットリした(?)しゃべり方
 ・垣間見えるぶっ飛んだサイコ感(倫理観がとこか壊れているというか)
  (あと謎の脇チラw)
 等なんかアンニュイさがあるというか、妙に色っぽさがあるというか隠し
 きれないエ●チさを感じるんですよね。
 ・胸を盛るとか露出の高さ
 ・喘ぎ声っぽいセリフ
 など、エ●チな作品を創る制作陣はこういう分かりやすいエロさより、ユ
 ーベルさんをしっかり研究するべきだと思いますねw{/netabare}

・第27-28話:最後まで味のある会話劇
 {netabare}・三次試験 →ゼーリエとの面接
 ・試験終了 →別れ、旅立ち
 ということで、会話劇メインでしたが
 ・「フリーレン×ゼーリエ」
  → 2人を介しての「フランメ」という人物像や2人の思想の違いの描写
 ・「フリーレン×ヴィアベル」 
  → 試験では絡むことのなかった2人だが、最後に邂逅
 など各キャラを魅力的に描いていてよかったかなっと。
 今後の再登場も楽しみですし。
 ラストも仰々しく飾り立てする感じではなく、この作品らしい終わり方だ
 ったと思いますし。
 (2期を意識しているというのもありそうですが){/netabare}

(最 終)
原作は結構漫然と読んでたのかな(笑)
アニメ化されたことで原作のよさ
・「人間を知る」というテーマの深さ
・エルフの長寿命を活かした時間経過の描写の妙
・魔法や魔族等に対する独自に確立した概念
などを再発見するところが多かったですね。いやー細部までホントしっかり
考えられているなっと。

そして制作陣の原作の理解度の高さに加え、アニメだからこその表現
・原作では弱かったバトルシーンの特盛
・味のある会話劇
・その他アニメ独自の細やかな描写
など「アニメはアニメとして面白い」をしっかり追求してくれていた仕事ぶ
りだったと思います。
劇中音楽などもよかったと思いますし。
個人的には原作越えでアニメ化大成功という評価ですかね。
いろいろと大変なご時世ですが、いい作品を連続2クールでしっかりみせて
くれるのは本当にありがたいですね。

全体的には
「ひとつのアイデア →もう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華」
というのがしっかりできている、「きちんと汗をかいている」作品だったか
なっと。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 33

63.6 2 魔法で仲間なアニメランキング2位
豚のレバーは加熱しろ(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (133)
447人が棚に入れました
第26回電撃小説大賞《金賞》受賞作、ブヒっとアニメ化! 豚のレバーを生で食べて意識を失った、冴えないオタクの俺。 異世界に転生したと思ったら、ただの豚になっていた! 豚小屋の中、泥まみれで転がる俺を助けてくれたのは、天使のように優しい美少女・ジェス。 「フンゴァ!」 「あの、無理に喋らなくても大丈夫です。私には……分かりますから」 豚になった俺を献身的にお世話してくれる彼女は、人の心を読むことができる「イェスマ」という種族だという。 「まずい、それでは俺の豚のような欲望が垂れ流しではないか!!」 剣と魔法の世界(メステリア)で、ただの豚と心を読める美少女の、いちゃラブファンタジーがいま始まる! ……のか?

まっつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

豚が可愛い

これは豚に癒されるアニメですか?!
あんな可愛い豚の中身が、異世界転生した眼鏡ひょろガリくそ童貞って所が面白くて、モノローグだとか言ったりしてオタク特有の語り口で、めっちゃ好きです。可愛いフォルムのつぶらな瞳の豚だからいいけど、これが人間の姿してたら見てられなかったと思います。
女の子に癒されるのは勿論の事、豚さんに癒されます。
あとOPが好きです。豚の声優さんが松岡さんで凄く合ってます。渋い声でも、可愛い声でもなく、ちょうどいいこの豚にはこれしかないって感じの声です。

原作を見てないので分かりませんが、人間に戻れたとしたら、そこそこイケメンなのかな?って思います。眼鏡ひょろガリ?ってところにまだ救いがあって、眼鏡くそデブきも童貞とかだったら絵にならなさそうなので。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ずっと一緒にいてくださいね、豚さん。

この作品の原作は未読です。
最初、タイトルを見た時、この作品くらい系統の不明な題材は無いと思いましたよ^^;

視聴のきっかけは、ともりると松岡さんが出演すると知ったから…
後に、とみたんや能登さんボイスが聴けたのは思わぬサプライズでした。


第26回電撃小説大賞≪金賞≫受賞作、
ブヒっとアニメ化!

豚のレバーを生で食べて意識を失った、冴えないオタクの俺。
異世界に転生したと思ったら、ただの豚になっていた!

豚小屋の中、泥まみれで転がる俺を助けてくれたのは、
天使のように優しい美少女・ジェス。

「フンゴァ!」
「あの、無理に喋らなくても大丈夫です。私には……分かりますから」

豚になった俺を献身的にお世話してくれる彼女は、
人の心を読むことができる「イェスマ」という種族だという。

「まずい、それでは俺の豚のような欲望が垂れ流しではないか!!」

剣と魔法の世界(メステリア)で、ただの豚と心を読める美少女の、
いちゃラブファンタジーがいま始まる!……のか?


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

序盤から天使の様なジェスの言動に惹かれてしまいました。
特番で、ともりるが酸欠になるくらいジェスの演技は苦しかった~と言っていましたが、ジェスの声質もキャラの雰囲気に合っていて抜群だったと思います。

そしてキャラデザも最高…
流石、アニメーション制作がproject No.9さんだけのことはある…
と思っていましたが、同時期に3つの作品を並行して制作していただけに、大変なところもあったのでしょうか。

終盤にかけて作画があまり動かなくなってしまった感はありましたが、ジェスは可愛らしく描こうとする意志は伝わってきたので、個人的には結果オーライだったかな。

それより気になったのが物語のラストです。
リセットに向けてそれなりの気持ちの整理をしてきました。
それは、ジェスと豚にとって決して楽しくない展開が待っていることを予告されてしまったから…

物語の中で、ジェスと豚は少しずつですがしっかりと絆を育んできました。
だからこそ、楽しくない展開になってしまったのですけれど…
ですが、まさかのあのラストの一コマ…
これまでの決意が無駄になってしまったのではないでしょうか。

しかも、杉田さん、島崎信長さんに種﨑さんまで加勢してくれたんですよ。
プロセスの部分だって、もっとちゃんと見たいではありませんか!
強いて不満を挙げるならこの部分かな…

今回のアニメ化は原作の第1巻が使われたそうです。
そして、原作は既刊8巻まで発行されています。
一見すると、これで終わりの様な雰囲気もありますが、「私たちの闘いはこれからだっ!」的な感じの作品だったんですね。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニンブテーマは、ASCAさんによる「私が笑う理由は」
エンディングテーマは、Myukさんによる「ひとりじゃないよ」
オープニングもさることながら、エンディングテーマが神曲…!
ジェスが次々と映し出されるエンディグのアニメとも相性抜群…
このエンディングで毎回ジェスに惚れ直していました(〃ノωノ)

1クール全12話の物語でした。

上に記載したプロセスの部分については、追って回想シーンなどでも補完できるので、続編が制作されるなら、是非その点のアニメ化はお願いしたいです。
次は制作に余裕のある時に続編をお願いしたいですね。
宜しくお願いします。
目一杯堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 10

タイガー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

『見た目は家畜、頭脳はヲタク、その二つ名はメガネひょろガリくそ童貞だぞっ♪』

異世界でブタになった主人公と心が読める少女のいちゃらぶ?ファンタジー

好きな声優さんだし、タイトルのインパクト強くて視聴を決めた。
男性陣に人気そうな女の子たちと設定。
まぁストーリーゎ悪くゎなかった!なんならたまに目が離せなかった

人間でなくブタってだけでなんか飽きないやり取りw変な場所で笑ってしまうw

最終回1ヶ月後とお預けをくらい、少し内容忘れかけてたけど、まぁ。こんなもんか。って感じw

web小説のくだりで終わって良かったんじゃ?そのあとは必要な静止画ばっかだし、待たせたくせに!って感情生まれちゃった

松岡禎丞さいこーな作品

投稿 : 2024/04/27
♥ : 2

87.6 3 魔法で仲間なアニメランキング3位
転生したらスライムだった件(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (1364)
6330人が棚に入れました
スライム生活、始まりました。

サラリーマン三上悟は気がつくと異世界に転生していた。
ただし、その姿はスライムだった。
魔物種族と仲間となり、獲得したスキルを駆使しながら、
さまざまな問題を解決していくスライム創世記。

声優・キャラクター
岡咲美保、豊口めぐみ、前野智昭、花守ゆみり、古川慎、千本木彩花、M・A・O、江口拓也、大塚芳忠、山本兼平、泊明日菜、小林親弘、田中理恵、日高里菜
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

しっかりと練られた物語が面白い異世界転生モノ

原作未読。最終話まで視聴。

主人公が、元の世界では37歳のおじさんだったことが幸いし、中二病要素が少なく、好感度の高い、サクサクを視聴できる作品でした。

【課程と所以がしっかりと描かれる、好感度の高い主人公最強系】
{netabare}単純に、「転生したら最強でした」という話じゃないところがとても良いです。

転生した時点で得ていたのは、大賢者と捕食者といくつかの耐性くらい。
ここから始まって、徐々に強くなっていく。
この過程がしっかりと描かれている物語は好感度が高いです。{/netabare}

【主人公の目的は街づくり】
{netabare}主人公が常に攻められる側というのも面白いです。
主人公一行が、周囲の国々に攻め込むことはない。
主人公一行は、いつも降りかかる火の粉を払うだけ。
その結果、徐々に仲間を増やし、レベルアップしていく。
そして、主人公一行は、安心して暮らせる街づくりを進めていく。

そして、また攻められて・・・(笑)。

こんな優しい物語なので、サクサクと視聴できます。{/netabare}

【ハーレムじゃないところも好感度が高い】
{netabare}主人公最強系って、ハーレム要素が強くなる傾向にありますが、この作品に関しては、ハーレム要素はかなり薄めです。

もちろん、主人公の周りには可愛い女性たちが集まりますが、それ以上に男性も集まってきます。
こういう、男女の分け隔てなく周囲の人に愛される主人公って、好感度が上がりますよね。

周囲の人々に愛される理由が明確なのも良いです。
作者の都合じゃないって所がとても好感度が高いです。{/netabare}

第2期も、とても楽しみにしています!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 60

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

異世界建国記、ただし国主はスライム…?(本編は第23話まで)

原作ライトノベルは同タイトルの「なろう作品」(投稿サイト「小説家になろう」投稿作品)を元に商業出版されたものですよね。コミカライズ版もあるようですがいずれも私は未読です。

が、タイトル自体はかなり有名でアニメ化にあたっても強く期待されていたと思います。例によって「テレビアニメ観るならタダだし」でさっそく視聴開始。

後輩カップルを庇って死んだ独身サラリーマン男性が異世界でスライムに転生したという「なんだそりゃ」なスタートなのですが、人間時代の記憶や知識は主に文化的な生活や社会規範を形作るために使われていて、それ自体が異世界での無双につながったりはしない感じのお話になっています。

いわゆる「チート」にあたるスキルは<大賢者>と<捕食者>で、このスキルを元に争いのない文明的な共同体を広げていこうとしていった結果としての一大建国記になるのだと思います、よう知らんけどたぶん…。

なおストーリーとして戦記や建国記が好きな分、「物語」の評価は甘めになっているかもしれませんが悪しからず。

余談: スキル獲得の演出は『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』のアニメ版と比べると明らかに優れていますね。こういう、わかりやすいのが良いと思います。

2019.1.9追記:
第14話を視聴終了。原作未読だから良くわかりませんが、リムル様の勢力拡大という意味ではここで一区切りってことになるのでしょうか?

OP主題歌は変更ありませんでしたが、ED主題歌が変わりました!

2019.3.27追記:
本編と呼べるのは第23話まで。第24話「外伝: 黒と仮面」はリムル転生よりも前のシズさんに関しての前日譚、閑話「ヴェルドラ日記」はリムルの体内に取り込まれている竜であるヴェルドラ主観で語る第1期:第1~23話の総集編的なお話でした。

「ヴェルドラ日記」ですが、たぶんコミックスの巻末に載っている短編小説「ヴェルドラのスライム観察日記」に着想を得たんじゃないかと思います。

最近はこういった「1話跳んでも大丈夫」みたいな作りにして不測の事態に備えるのが流行っているのでしょうか。ただ、本作に関してそのような事態は発生しなかったようで何よりです。

なんだかんだで面白かったです。第2期目の制作が決まったそうなので結果的に本作は第1期目ということになりますが、この範囲での話としては概ね順調な建国記であり波乱要素は少なかったと思います。

2期目がどんな具合になるのか、原作を読んでいないので知らないのですが楽しみにしています。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 68
ネタバレ

すがさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

異世界魔物LIFE

人気作品だと聞いていた上で第1話を観た感想としては、う~んって感じ。

作品タイトル通りなら最弱モンスターの苦労話が見られると思っていたから、トントン拍子で強くなられるとう~んってなっちゃう(う〜ん)

とはいえ、別に視聴を止めたくなるほどの不快要素は無かったので、
OP映像にある幾つかの気になる要素が開示されるのを気長に待ちながら、
リムルがいつ・どういった目的で人間の姿になるのか興味を持って見ていた。

明確に面白いと思い始めたのは第8話。

{netabare}「運命の人」ってそういうことだったのか!

シズさんとは単に結ばれるものだと思っていたから意表を突かれた。

人間の姿になる理由が想像の100億倍ちゃんとしてたので拍手したくなったけど、さすがに拍手まではしなかった。

ここまで「ゆったり」だなあと感じていたこの作品への認識が、「丁寧」なのだという認識に変わった。

オークロード編の焦らしは巧くて、あの辺りの話は毎週次回を心待ちにしていた記憶がある。

ただ、鬼人たちのリムル絶対主義は個人的にとても嫌いで、
リムルに忠誠を誓ったのなら穏健な思想を持つリムルの意向を汲んでやれよと、モヤモヤ。

オークロード編後の話は、ちゃんりなミリムが色んな意味で強かったことだけが印象に残っている。

他の魔王に会いに行くというミリムを送り出すリムルの「騙されるなよ~」で笑った。

てか、「リムル」と「ミリム」って超まぎらわしいなw

最後の章は強大な敵(例えば騙されたミリムとか)と対峙するのではなく、
シズさんのやり残した使命を果たすという落ち着いたエピソードで締めたのは結構気に入った。

{netabare}【余談】※閲覧非推奨度1[5段階評定]
{netabare}
"スライムが強い"といえば、『このすば』世界の{netabare}「デッドリーポイズンスライム」{/netabare}を彷彿とさせるが、
『転スラ』世界のスライムは普通に雑魚らしい。

とすると、リムル以外のスライムがどんななのか少し見てみたいなと思った。{/netabare}{/netabare}{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 35

68.2 4 魔法で仲間なアニメランキング4位
異世界のんびり農家(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (213)
680人が棚に入れました
ブラック企業で体を酷使し闘病の末に命を落とした青年・火楽(ヒラク)が神様に授けられた「万能農具」を手に、異世界で吸血鬼や天使、エルフなどと出会いながら、第二の人生を送る農業ファンタジー。

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

スローライフもだけど内政物として観るととても楽しいなろう原作アニメ

ただし「のんびり農家」なのは3話くらいで、どちらかというと「農村」ないしはほぼ「国家」と言った方が正しいかもしれません。

『転生したらスライムだった件』のスピンオフ『転スラ日記』にも通じるところがあるかも。

「小説家になろう」での原作は読んでいて、コミカライズもかみさんが購入しているのでそちらを読ませてもらっていますが、商業出版されているライトノベルは未読です。

お話としては生前はオーバーワークが原因で結局病死してしまった街尾火楽(まちお ひらく)が異世界の創造神さまの力で転生し、そのときに転生ボーナスとして病気にならない健康な身体と「万能農具」を授かり、「死の森」と呼ばれる危険な秘境を開拓して「大樹の村」を作って仲間を増やしていくというものです。

なかなかヒラク以外の男性の住民が増えずにハーレムっぽくなっていく「なろう転生ファンタジー」的なところはあるのですが、このアニメ化ではヒロインの一人であるルールーシー・ルーを中心として演出などでハーレム感をマイルドに表現していて、忌避感を下げていると思います。

またルー中心に描くためのエピソード順の変更や登場キャラクターの整理(原作には出てくるがアニメでは登場しないキャラがいる)ということが生じているのですが、私見としては原作のエッセンスは大きく損なうことなくうまく処理できていたと思います。

あとはいくつか特筆すべき点を挙げるとすると:

[作画]
動きとかで作画枚数を多く割いたりはしてないけど、SDキャラの使い方が最高に上手い。

[声優]
作中で様々な状況により外見年齢や心情の変化が多いルーの、状況による演じ分けが素晴らしい。

[音楽]
第6話でのワイン造りのために収穫したブドウを踏むときに初出だった挿入歌が名曲で、後のエピソードでも様々なアレンジで使用されます。
(ただし、歌詞はまったく意味わからんですが。)

[キャラ]
ヒラク以外のキャラの多くが、大樹の村の内外を問わずけっこう経済的あるいは政治的な合理性に基づいて行動するのでストレスがたまりにくいです。ここまでみんな有能に描かれるなろう作品は少ないかも。

[ストーリー]
ヒラクが感じることと、むこうの世界の常識が微妙にすれ違っていてそこから生じるコント的なやりとりが面白いです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 22
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ウラ設定がヤバい、DASH(it)村

いきなり私的な嗜好のハナシで恐縮なのですが、
基本的に僕は『ハ-レムもの』というのがキライであります。
最近だと、完走した作品はほとんどありません。

  だってさあ……

  なんだコイツ、とか思っちゃうような主人公に、
  よりどりみどりの美少女が次々寄ってきてキャッキャウフフ。
  ねえよ、と言いたくなるご都合テンカイに世界観がムンクの叫び。

  でもって、その美少女たちが、
  リアル女子なら一発でカエル化しそうなクサいセリフに感動し、
  好きよ好きよのがぶり寄り。
  優柔不断な主人公をめぐって押し合いへし合いせめぎ合い。
  ラッキースケベもたっぷりあるでよ皆の衆。

  と、DT乙、としか言いようがないハナシが目白押しなんですもの。


本作『異世界のんびり農家』も、見る前はその系統かと思っていました。
あいかわらず原作は未読なんですが、その原作が、
  なろう系
  +異世界転生もの
  +ハーレムもの
  +スローライフもの
なんて、ほとんどマンガン確定じゃないですか。
ですからまあ「Aパ-トぐらいは見てもいいかな」ぐらいのつもりで、
点棒8000点ぶん握りしめて視聴を開始しました。

  結果はというと……みごとに完走。
  ためいきもストレスもなく、楽しく見ることができました。
  けっこう、というか、かなり好きかもです、これ。

  そもそも、妄想ラブ要素が満載の『ハ-レムもの』じゃなく、
  いわゆる『環境ハ-レムもの』でしたしね。
  アレな方には物足りないでしょうが、拙にとっては実によき。

  あにこれの評価を見る限り、けっこう厳しめの意見が多く、
  完走しなかった方、ハナから相手にしてなかった方も多そうですが、
  モノづくり的にも『かなり興味深いトコロ』があるんですよね。

  というわけで、ほとんどの方にスル-されるのを覚悟しつつ、
  製作的な見どころも踏まえたりしながら、
  ちくちくと本作を語ってみようかと思う次第であります。


おハナシは、神さまの手違いで過酷な人生を強いられたという、
主人公の街尾火楽(まちお ひらく)39歳が、
つぎの人生では人のいないところでのんびり農業でもしたい、
という願いを聞き入れてもらい、
健康なカラダと『万能農具』を与えられ、森の中へ転生したところから始まります。

この森、実は『死の森』と呼ばれ、
魔物がめっちゃ徘徊していて人が寄りつかない(寄りつけない)という、
おおよそ『のんびりと農業を営む』には全く適さない過酷な場所でした。

ただ、与えてもらった『万能農具』がスグレモノ。
あらゆる農具(それも超高性能)に変化するというだけでなく、
  ・どんなに作業を続けても疲れない。
  ・念じて使うだけで、種がなくても願った作物がすぐに芽をはやす。
  ・ドラゴンすら倒す武器にもヘンシンする。
という、リアル農家の方々が逆上しそうなチ-トグッズであるわけです。

この『万能農具』のおかげで、
テレビでしか農業を知らないヒラク君もなんとか体裁を整え、
柵で魔物を防止しつつ、孤独な自給自足生活をスタートさせることができました。

やがて、一人、また一人と、
同居する『村人』が増えていきます。
(ヒトではなく、吸血鬼や天使、エルフなどの亜人ですが)

最初のころの村人は「追われてる」「住むところがない」など、
ワケありの、そしてけっこうな、いや、かなりの美人さんばっか。
ところがこの村人たち、建築や道具づくりなど村づくりに有用なスキルもち。
しかもなかなかにパワフルかつワイルドで、
居住区は少しずつ、健全かつ文化的に発展していきます。

こうなると移民希望者が増え、雪だるま式に人口が増加。
リザードマンだの鬼人族だのも移住してきて、
ワインなんかも作れるようになり、そこそこの『農村』へ進化します。

近隣の町や村、さらに魔王なんかと物々交換による『交易』もはじまり、
ついにはじめての赤ちゃんも産まれたりして、
のびのびと、明るく楽しい農村ライフが続いていくのでした。

 ……とまあ、リアル農家の方々からはジト目でにらまれそうな、
   ある程度はリアルだけど、かなりのご都合主義、
   アニメだからこそ許される『楽しい農村づくり』物語なのであります。


僕がこの作品を『よき』と評価しているのは以下のポイントです。

  ① ロリっ子がでてこない。
  ② ラブ要素・恋のさやあてみたいな部分が一つもない。
  ③ 女の子が『守るべきもの』でなく『たくましきもの』として描かれている。
  ④ ラッキースケベみたくチープな演出がない。
  ⑤ 主人公のヒラクくんがオンナにハァハァしない。

まず①『ロリっ子がでてこない』ですが、これ、ダイジですよね。

  このテの作品って『ロリ成分命』みたく考えてる方が少なくありません。
  開拓初期に非労働力のロリはいらんだろ、
  という極めてまっとう、というかイッパン常識的な考察に対しても、
   『見た目はロリだけど実は300歳』
  なんて使い古された手で強行突破してきますしね。

  その点、本作にはロリ成分がほとんどありません。
  物語後半、移民の中にショタだのロリっぽいのが混じりますが、
  あくまでもモブで本筋にカンケイなし。実によきです。

次に②『ラブ要素・恋のさやあてがない』のもグッジョブかと。

  村にやってくる美女たちは、
  みんなヒラクくんに『好感』はもつけれど『好感どまり』なんですね。
  あくまでも『いい村長さん』であってレンアイ対象じゃありません。
  (繁殖の『種馬』にしたいとは思ってますが)
  {netabare}
  そもそもヒラクくんは第一村人のルールーシーに、
  誤解と勢いでプロポーズをして、OKされているんですよね。
  ですから、
  最初っから『他のオンナのだんなさま』ポジションですので、
  ラブの対象としては外れているんです。
{/netabare}
  そんなわけで、実にケンゼンにのびのびと、
  明るく楽しく農業に従事しているところが実によき、であります。

そして③『女の子がたくましきものとして描かれている』ところも好感度大。

  ラノベ系の作家って女の子を『守りたい』傾向があるっぽくて、
  どんなツンデレだろうが女騎士だろうが、
  最後はオトコに守ってもらって目がハート、というのがお約束かと。

  その点、本作のキャラには『男性依存』の傾向がみじんもありません。
  ヒラクくんってチ-ト武器のおかげで最強なんですが、
  本作においては、それと『目がハ-ト』は別モンダイになっております。

  開墾・土木・建築などの力仕事も自分たちでこなしますし、
  『自分のチカラで生きる』という姿勢が身についているんですよね。
  丸の内の有能OLみたく、しっかり働き、しっかり飲み、しっかり遊び、
  いやほんと、みんなかわいいクセに、たくましい。
  オトコがなんぼのもんじゃい、と。

  こういう自立性、というかたくましさって、
  なんかあったら『政府・世間のせい』にする男連中にも
  ぜひぜひ見習ってほしいものであります(←差別発言)。


さらに④『ラッキースケベみたくチープな演出がない』ところもよき。

  というか、みんなワイルドかつたくましいし、
  そもそも亜人ですからジョ-シキも我々とは違うのであります。
  ハダカ見られたぐらいで赤面して、
   「ばっ、バカっ、あああ、あっち向いてなさいよっ」
  なんて定番のセリフ吐くヤツ、いないんですよね。

  男の子みんな大好き『モジモジ・うじうじ・テレテレ』演出もなし。
  混浴も平気で、ヒラクくんの方がモジモジだし、
  脱衣麻雀も大喜びでやって「脱~げっ、脱~げっ」の大合唱。
  
  で、そういう設定だからサービスカット大満開の章かと思いきや、
  全12話で、お風呂シ-ンが一回あるだけ。実によき。
  おさわり厳禁オトナの社交場、がきんちょはお帰りくださいまし、

最後の⑤『ヒラクくんがオンナにハァハァしない』もポイント高し。

  環境的には、美女にかこまれウハウハのハ-レム状態。
  そしてその美女たちのほとんどが『繁殖』をしたがっているわけでして、
  その気になればアラブの王様みたいな暮らしもできるわけです。

  でも、しない。奥さま一筋。
  だからといって、べつに草食系をこじらせているわけでもなく、
  奥さまとの間には、きっちり子どもを作っております。

  いやあヒラクくん、アンタ男だよ。


とまあ、ここまでがアニメに描かれているハナシ。
なかなかにケンゼンな『環境ハ-レム村』だと思うじゃないですか。
で、その方向でレビュ-しようかなと思い、
下調べとしてウィキペディアで原作情報を見てですね……思わず

  Dash it!(なんてこった、ちくしょうめ)

と叫んじゃった次第です(あ、いえ、実際には叫んでませんが)。

で、ここからはウィキで調べた原作情報・ウラ設定。
正直『反転術式かよ』と思うぐらい作品を見る目が変わっちゃいますので、
まるっとネタバレで隠しておきますね。
  {netabare}

 原作では、第二村人のティアって、
 入村当初からヒラクくんの『第二夫人』なんですね。
 ルールーシーの策略でティアもヒラクくんと「励む」ようになって、
 なりゆきで二番目の妻になっているそうなんです。

   アニメでルーが「わたし一人じゃカラダがもたないのよぉ」なんて、
   なにそのオモシロ掛け言葉、みたいな台詞いってましたが、
   実際は掛け言葉でもなんでもなく、マジでガチなアレだったわけです。
   (ヒラクくんが転生の際に神さまにもらった
    『健康な身体』がゼツ〇ンだったみたいですね)

 さらにウィキペディアによりますと、
 ヒラクくんは二人の妻でマンゾクしているのですが、
 種族繫栄のための『種馬』リクエストにお応えするカタチで、
 たいていの女の子とカンケイをもち、
 次々に子どもをこさえていくそうであります。

   アニメと同じく正妻であるルールーシーの子どもが一人目ですが、
   原作ではそれ以降、10人以上も、
   別の女の子との間に子どもを作っちゃうんだそうです。

   ちなみに原作の時系列では
   アニメ最終回のすぐあと、同じ年の秋にティアが出産するんだとか。

 え? そんなに原作改変したの? よくカ〇カワが許したなあ、
 なんて思って再視聴してみるとですね……

   『してる』描写は一つもないけれど、
   『してない』とはヒトコトも言ってない。

 ということに気づくわけです。
 まいった、完全にやられた。
 おまえ『シックス・センス』かよってハナシです。
 いや、確かにこれ、カ〇カワも文句言えないわ。
 原作改変(専門用語で言うと『翻案』)してるわけじゃないんだもの。

   まあ確かに、原作に描かれていることをそのまま表現していたら
     ご都合満載の『農村ゼツ〇ン物語』
   みたくなっていたことが容易に推察できるわけです。

   それはそれで別のリアリティなり需要なりはあるかもですが、
   少なくとも僕は、あんまり見たくないかな。
   そんなもん、大枚はたいてアニメ化する意味がわからんし。
 
 というわけで本作は、
 なんかちょっとかなりアレな原作を改変することなく、

   『健康的で楽しい農村づくり』

 にベクトル変換するという、レベル5級の能力が発揮されているのであります。
 製作的には、菓子折りもいらず大助かり。えらい、スゴい。
 倉谷涼一監督、グッジョブです。
{/netabare}


で、本作の拙的なおすすめ度は、
あまり深く考えずまったり楽しむ、という前提でAランクです。

万能農具のチ-ト性能もさることながら、
物語の中盤あたりからかなりのご都合テンカイで村が発展していくので、
そこのところにツッコむと一歩も前にすすめません。

本作の視聴ポイントというのはそこではなく、

  健康的でたくましく、おまけに相当きれいな女の子たちが、
  元気に、明るく楽しく農村づくりをしていくさまを、
  ちょい鼻の下をのばしつつ、にこにこ笑いながら健全に楽しむ。

という、かなりマニアックな楽しみ方に限られるわけなのであります。


そのぶん、見るだけでも楽しめるよう、映像にリキ入ってます。
制作はゼロジ-さんで、
これまで『悪くはないけどクセがあって微妙』なイメ-ジだったんですが、
本作は『健康的できれいなおねいさん』の作画に大成功。
ほとんどのキャラが、姿勢がよく、リッパな谷間をおもちです。

キャラデだけでなく動画さんもがんばってまして、
なめらかな人体曲線やタブりの多い洋服デザインがけっこうあるのに、
動かすべきところはきっちり動かしています。
OP、ル-ル-シ-がジャンプしてくるっと一回転するところなんか、
ちゃんとジャパニメーションしていますもの。

そして、人物作画にリキいれるだけでなく、
畑・森・農作物などもていねいに描き込まれており、
質感や空気感まで表現できていて、世界観が心地よく伝わってきます。

  こんなにいちいちリキいれてたら予算合わないだろ、
  というような心配は、SD演出の多用でカバ-。

  このSD演出、ただ単に枚数稼ぎになっているだけでなく、
  ちゃんとカワイイうえに、メリハリが効き、
  シ-ンに応じた『演出』として立派に成立しているんですよね。

  わりとよく見る枚数稼ぎの手法であり、
  キメツでもしょっちゅうやってたりするわけなんですが、
  あっちは『箸休め』的な扱いなのに、
  こっちは本編進行と連動していて、しかも違和感がありません。
  倉谷涼一監督、本作に限って言えば、かなり有能です。


キャラクターの作り込みも、けっこう繊細にできております。
みんな『きれいなおねいさん』であるだけでなく、
『チ-ト的能力もち』『しっかりした自立心もち』『ウジウジしない』
という共通項をもっているのに、
しっかりと性格付けができていてキャラかぶりがありません。

  とりわけスゴイと思うのは、
  関西弁も廓言葉もにゃんにゃん言葉もボクっ娘もおかしな語尾もなく、
  みんな基本的にきれいな言葉遣いをしているのに、
  個々のキャラが書き分けられ、きちんと立っているところ。
  これ、作家を目指すワカモノたちにぜひ見習って欲しいかも、です。

  それだけでなく、同じキャラが同じ内容の話をするときも、
   「ラスティって呼んでください」
   「ラスティって呼んでね」と、
  相手との位置関係で自然に言葉が変化しているんですよね。
  こういう『キメ言葉にせず会話の自然さをダイジにしてください』という指示、
  脚本家的にはとてもウレしいものなのでありますよ。


キャラに生命を吹き込む役者さんたちも、いい仕事しています。

本作って、難しくとんがったキャラがいない分、ぶっちゃけて言うと
大手事務所に正所属できるレベルの役者さんなら
  『誰でもそれなりにできる』タイプの作品なんですね。
正直、駆け出しの若手や預かりレベルの役者さんをずらりと並べても、
ふつうの視聴者さんなら、良し悪しが判別できないテイストかと。

それだけに、違いを生んだり声の表情をつくったりするのがムズカしい、
手を抜こうと思えばいくらでも抜けるけど、
役者の根性見せたんよ、と思えばかなり難易度が高くなる作品であります。

  で、根性見せてくれたのが、物語序盤メインのお三方。

     下地紫野さん(ルールーシー役)
     洲崎綾さん (ティア役)
     Lynnさん(リア役)

  「わかったわよ」「え? ここにですか?」「皆さん、張り切って働きますよ」
  なんて、個性の出しようがなさそうなセリフにも徹底的にこだわって、
  実に活き活きとした人物像をつくってくれました。

  先行役者がいいお芝居をすると後続が『燃える』のが役者の性質であります。
  その例にもれず、中ほどから出てくる役者さん、
  藤井ゆきよさんや日岡なつみさん、伊藤かな恵さん、岡咲美保さんなどが、
  少ない出番でなんとか自分の爪痕を残してやろうと、
  テンプレふうでありながらも実はすごく細かいお芝居を披露しています。

  おかげさまで、同系統の『なろう系』作品に比べ、
  かなり耳ざわり・聴き心地のよい作品に仕上がっております。実によき。
  (それにしても洲崎綾さん、相変わらずスゴい声してますよね)


音楽は、OP・EDともに、耳に楽しい素敵な曲かと。
とくにOP、
この曲に下地さん・洲崎さんの二人をあてるのは、反則級のキャスティング。
劇中の、葡萄ふみの唄もいい感じ。
劇伴は……ごめん、なんにも耳に残っていません。



というわけで、作り手側はかなり頑張って、
あちこちに強い『こだわり』を見せている本作なのですが、
ショ-ジキ言って、視聴者の琴線に触れそうなところは少なめです。

のんびり農家、というわりにけっこう新展開が多めでせわしなく、
たとえば『のんのんびより』あたりと比べると、
ぜんぜん、まるっきり『のんびり』感が足りませんしおすし(←死語)。

  既述のように、ロリっ子もラッキースケベもなんもなし。
  ついでに言うと、リアル農家につきまとうJAとのしがらみもなし。
  ほんと、あっちこっち流用されているキャッチコピー、
    『なにもない、がある』
  みたく、田舎のやけくそ集客作戦が似合いそうな作品であります。

ただまあ、ムネの谷間と自然とおいしそうなごはんはたくさんあります。
そして最終話、出産前後の村人たちを見ればわかるように、
ヒト(亜人ですが)の本能に基く日々の営みが、ていねいに描かれています。

おすすめ度Aと書きましたが、
それはあくまでも『拙はスキ』という主観まみれの評価でありまして、
決して万人にすすめられるタイプの作品ではありません。
ですが、粗製乱造のおおい『のんびり系』において、
細部まできちんと気を使って作り込まれた『良作』ではあるまいかと。

女性の方が見られても
 『男の子ってホントこういう話、好きよねえ』
なんて感じにはならないと思います(たぶん、ですが)。


  ちなみに、脱サラ・定年退職してあこがれの農村生活を始めたものの、
    思ってたのとチガう、
  なんていろいろご苦労なさっているハナシをよく耳にします。

  まあ、あたりまえですよね。世の中そんなに甘くありません。
  都会には都会の、イナカにはイナカの、
  いろんなしがらみだったりアレだったりがあるのが人の世かと。

  都会であくせく働く方々にとっては、
  こういうかなり非ゲンジツ的なアニメをたまに見たりして、

    農村っていいなあ、自然っていいなあ、

  なんて思ってるのが『ほどよい生き方』なんじゃないのかなあ、
  と、愚考する次第なのであります。ゆめゆめ、
    あいてます、あなたのNOSON♪
  みたいな誘い文句には、カンタンに乗らない方がよろしいかと。

  いやほんと『となしば』というのは、
  言い古されているようでいて、
  いつの時代もけっこう真理だったりするんですよね。

    むかし隣の家で飼ってた豆芝は、ガチで可愛かったんですが。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 21

カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ハーレムだけど・・・(汗)

2023/07/03 初投稿

「異世界スローライフ」物を謳っている作品は数多くありますが,概ねスローライフでは無かったりします。

この作品は,割と地道に生活します

トイレを作り
寝る所を作り
畑を作り
水路を作り

やがて家族が増え
もっと家族が増え
仲間が増え
村に成長して

戦闘要素のかなり弱い「転スラ」みたいな感じ


村づくり・国づくり
外交・経済

こう言うのが好きなのです。
そんなわけで,量産型B級臭強めの本作ですが,自分としては高評価です。


あえて,難癖を付けるとしたら・・・

1 「農家」に違和感問題
ずっと,「農家」に違和感を感じながら視聴していました。なんでか自己分析。たぶん自分の中で「農家」って社会の中で主として農業を担当する人と言ったイメージなのです。農家は野菜などを生産し,漁師は魚を捕り,手工業者が道具などを作る感じでしょうか?でも火楽は全部やっちゃいます。農家じゃ無くて自給自足ですよね?後半,外部と交易を行い,やっと社会に農業で貢献するようになりますが,その段階には「農家」というよりは「農村(あるいは小規模な国家?)」レベルの規模に成長していてやはり違和感が・・・

2 ネーミングセンス悪すぎ問題
主人公の名前がひど過ぎ・・・街尾 火楽(まちお ひらく)って(´・ω・`)
文字で見るまで勝手に「拓(ひらく)」というイメージでした。火楽ってぱっと見「火薬(かやく)」にしかみえないw

投稿 : 2024/04/27
♥ : 15

89.6 5 魔法で仲間なアニメランキング5位
無職転生 ~異世界行ったら本気だす(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 4.0 (1043)
4323人が棚に入れました
「俺は、この異世界で本気だす!」34歳・童貞・無職の引きこもりニート男。両親の葬儀の日に家を追い出された瞬間、トラックにひかれ命を落としてしまう。目覚めると、なんと剣と魔法の異世界で赤ん坊に生まれ変わっていた! ゴミクズのように生きてきた男は、少年・ルーデウスとして異世界で本気をだして生きていくことを誓うー!ルーデウスを待ち受けるのは、ロリっ子魔術師、エルフ耳のボクっ子幼なじみ、凶暴ツンデレお嬢さま、そのほかのさまざまな人間との出会い。そして過酷な冒険と戦い。新しい人生が動き出す!

声優・キャラクター
内山夕実、小原好美、加隈亜衣、茅野愛衣、森川智之、金元寿子、Lynn、浪川大輔
ネタバレ

NEKONYAN さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

アニメ組は最後まで見てから判断下してほしい

原作読破済み
主人公マジキモイよな。原作ファンからしてもそう思う。ただそのキモさにも意味がでてくるので、ぜひアニメ組にも最後まで見てほしいなと思います。精神的な成長が見どころです。

1話
まずみんなにはディザーPVを見てほしい。(https://youtu.be/Qx01pn9l-6g)
本作は山場までアニメ化するには尺が足りないので期待しないようにしてたが、これだけ魅せられたらもう原作ファンも期待するしかない。

本作のために立ち上げた制作会社というだけあって、とてもクオリティが高いです。
作画はもちろん、絵コンテやキャスティングや心理描写にも力を入れているのが伝わってきます。
アニメ見始めて10年くらい経ちますが、初めて深夜アニメを見た時のように興奮しました

2話
{netabare}
動くロキシーかわいかった。この後しばらくは直接出てこなくなりますが、2クールあるのでまた会えるところを期待してます。
ロキシーが優秀なルディに劣等感を覚えていたり、ルディが心の底から師匠と慕っている所が好きです。
まだまだ前世の記憶を引きずった子供ですが、こうやって一つ一つ成長していくのはいいですね。 {/netabare}
3話
{netabare} キャラの表情と独白が相まってキャラの心理描写がわかりやすいですね。人間臭いキャラたちが好き。息子と父親というより悪友って感じ。
OPの演出が最高。ARIAしか知らないのでARIA方式と呼ばせてもらいますが、OP流しながら村の風景映すの最高です!
あとロキシーのパンツをご神体って呼んでますが、あの信仰はどの程度かというと(原作内容含むプチ{netabare}あの信仰は作中の宗教の信者と同じ目してるって言われるくらいガチの信仰ですw {/netabare}。)
この頃のルーデンスは打算的てまだ成長してないのがよくわかる。シルフィを助けたのはイジメに対する正義感かもしれないが、その後仲良くするのはイケメンのおこぼれもらう気満々っだたりね。あれは照れ隠しじゃなくて多分本心。パウロとの口論ももっとうまくやれただろうに、相手を論破することに拘ってて、まだまだ精神は稚拙であることを表してて好きです。異世界転生して、いい師匠に出会って頑張ってきたつもりでも、人間早々に変わることはできませんね。{/netabare}
4話
{netabare} OP冷え冷えで笑った。尺の関係上アニメではここではカットされてましたけど、ゼニスママが悩んでいた原因の一つは彼女の宗教のせいだったりもします。ハーレムはそこまで珍しくもないけど、ゼニスの信じてるミリス教の教義的には妻は一人じゃないとだめなのです。作中ではスルーされがちだけど、ルーデウスのキモさに作中のキャラから指摘されるのは貴重ですね。アニオリでパンツ盗んだのが父親にもばれたの面白かった。にしても、シルフィを自分の都合のいい女にするためによその子の学費も出せとかほんと自己中心的。それを象徴するセリフとして「僕のためになるかと」は印象的。あと無詠唱できる主人公はチートって言われてますけど、 パウロに負けることでそこまでチートじゃないことが伝わったかと思います。{/netabare}
5話
{netabare} はい、さっそく主人公死にかけましたね。敵の剣士も弱くはないけど、ゴロツキやってるくらいには普遍的な強さです。この世界剣士強すぎ!あとエリスの教育のために色々考えてるのが心の声で伝わってきてよかった。3話ではパウロとの喧嘩の原因となった引きこもり時代に鍛えたレスバ力が珍しく役に立ったwww口で暴力の権化みたいなエリス言い込められるの凄いw {/netabare}
6話
{netabare} 今さら気づいたけど、OP映像が作られてないのは尺不足をOP流しながら日常の風景映すことで解決するためでは?提案したの誰かわからないけど採用した監督さんを称賛したい。今回はようやく特に大きな事件もない日常回でしたね。褒められたり、パウロの息子っぷり(変態)に呆れてるギレーヌの表情が可愛かった。今回は日常回なので、アニメ組へのネタバレも配慮するとこのくらいしか感想書くことないですね。 {/netabare}
7話
{netabare} 元ニートとは思えないルーデウスがなぜここまで頑張れているのかわかる回だったと思います。色々投げ出してきてしまったからこそ、魔術をはじめとした成功体験を大切にし、糧として頑張れてるわけですね。エリスがルーデウスをどういう目で見てるかもよくわかる回だったと思います。エリスにとってルーデウスは完璧な人間に近い存在だということは今後も重要になるので覚えておいてほしいです。 {/netabare}
8話
{netabare} ターニングポイント1
ようやくルーデウスの精神的な成長を感じられるようになってきましたね。場の空気を読んだり、エリスに謝ろうってセリフが自然に口から出るようになったり。まあ、えっちなところは相変わらずですが、DTの自分に自己嫌悪できるようになっただけでかなりの成長だと思います。原作既読組としては、今回で初登場した重要キャラたちの声がイメージ通りで感動しました。前にも書いた気がしますが、本当にキャスティングがファンの心をつかんできますね。話のまとめ方も上手く、シナリオ構成の手腕が輝る回でした。欲を言うならこの終わり方ならED聴きながらこれからどうなってしまうんだってなりたかったですが、尺が足りないので仕方がないですね。 {/netabare}
9話
{netabare} 初めて原作とイメージ違うキャラ出てきた。ヒトガミの見た目と声が想像してたのと違った。でもこの話し方はかなり特徴出てていいと思う。 魔神語話すときに字幕になるのすごい好き。読むの疲れるっていう人もいるみたいだけど、それはふだんからアニメ見ながら何か別のことしててちゃんと見てない証拠では?それと今回も心理描写凝ってて最高でした。ルイジェルドが自分を怖がらない子供にどう接するべきか戸惑ってたり、「傷だらけの誇り」って言う時に目線を左にそらしてたり。魔大陸出てきてついに始まったなーって感じ{/netabare}
10話
{netabare} エリス強い。マジ強い。剣王ギレーヌとデットエンドのルイジェルドと過ごせばそりゃ強くなるなって。あと門に入る前の時にエリスがルーデウスのアホ毛つかんでるシーン可愛かった。ルーデウスの根本的な倫理観(殺し、近親結婚)などはこれだけこっちの世界で経験しても前世基準のまま変わりませんね。それにしてもここら辺は雰囲気がギスギスしてて見ててつらい。 {/netabare}
11話
{netabare} ついに1クール目最終回。アニメ組は冒頭のシーンで魔力災害の規模が初めて分かったんじゃないでしょうか。ルーデウス視点しか見てなかった視聴者が災害規模を知らなかったって事は当然ルーデウスも家族が巻き込まれてることを…。今回出てきた新キャラも声ぴったりで驚いた。特にエリナリーゼ(耳長族の女性の方)の声が脳内CVとこれ以上なく一致してて本当に驚いた。キャスティングしてる人たちと俺の感性が一致してて最高に楽しい。ちょっとした場面でもエリスの動き可愛すぎ。表情だけじゃなくエリスの性格も込みでよく動くw今回は1クール目ラストってこともあって戦闘やストーリーに見ごたえありましたね。ルーデウスにとって初めての大きな失敗とそれで弱い部分も露呈してました。命かけてるのに打算的なのは褒められませんが、助けるタイミングを間違えたのは周りの人たちが強すぎるからしょうがないかなって。ルーデウス自身語学やフィギア作りには自信持ってるけど、パウロやエリスの誘拐犯に負け、ギレーヌやルイジェルドやエリスにまで力の差を見せつけられているし自己評価低いのと、だからほかのパーティーの強さの判断間違えるのは残当。ルーデウス以外の所だと、ルイジェルドが小さい冒険者を子供扱いするのやめて、頭撫でようとしたのをやめて肩叩くのに変更したの良かった。雨降って地固まるって感じでこれでギスギスした保護者と子供から仲いいパーティーに成長できる。 {/netabare}

忙しくてまだ2クール目見たけど感想かけてない…

投稿 : 2024/04/27
♥ : 34

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

全てにおいて、地に足のついた高品質

<2021/4/18 追記>
「無職転生」のネーミングのネタ元ってやっぱ「無想転生」なんですかね?
北斗神拳の究極奥義のアレ。
ふと疑問に思ったので。

<2021/3/24 初投稿>
原作未読。

なんでも「なろう異世界もの」の元祖なんだとか。
この作品が世に出て人気を博した為に
「自分も書けるのでは?」と続々と異世界転生・転送をプロットとしたなろう系作品が生まれたのだとか。
そう聞くと罪深い作品だなぁと思ったり 笑。

でも実はそんな予備知識なしに本作見始めました。
「また異世界なろうか。まあ、とりあえず1話見てみるけれども」
なんて緩み傾いだ心構えで見始めたら、おや?
作画、キャラ造形、演出、音楽、背景、そして物語全ての質がお高い!
それもしっかり地に足のついた感じ。

なにこれ?
と思って調べたら元祖だったということで納得・・・できない。
よくあるなろう系と比べてレベル高過ぎでしょ 笑。
後発組は流石に恥ずかしくないのかな?
と思ってしまうぐらい。

特に物語がしっかりしてるところが好みですね。
もし仮に、本当に死んで異世界に転生したら。
どのように感じ、
どのように反応し、
どのように順応し、
どのように楽しみ、
どのように苦しみ、
どのように変化し、
そしてどのように成長していくのか
そうした一つ一つがしっかり、現実感を持って描かれています。
その分、派手さは薄まってしまってますが、それが味なんだと。

声優は杉田智和のキョンのようなモノローグ。
これが妙にマッチしている。
もうこの人しかいないというくらいのベストマッチ。

OPEDの曲も好みですし、物語のアバンから繋がる毎話異なるOP映像も秀逸。
ARIAと同じ手法ですね。

キャラクターはいわゆる一般的にキャラ萌え(この娘が可愛いとか、このキャラが強烈に好きとかの意)しそうな人は見当たらないようです。
でもキャラは一人一人十分立っている。
「生きた」キャラって感じ。

なろう系異世界ものの中では「ログ・ホライズン」「本好きの下剋上」と並ぶ好きな作品になりそうです。
2期次第では。

セクハラ表現がそこかしこにあるのでそういうのがNGな女性にはおすすめできません。
つまり男子向け。

男子には無条件でお勧めできる作品です。

あ、でも。
2期以降どうなるかわからないけど、ハーレム・ラブコメ的な匂いはあまりしないので、そういうの求めてる方にはお勧め致しかねます。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 61
ネタバレ

とろとろとろろ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

なろう界隈のレジェンド(笑

ネット民いわく、異世界転生ブームの火付け役であり頂点とのこと。
なんだかスゲーな。
(ちなみに日本における異世界転生モノの元祖は嘘か真か古事記らしいぞw)
そんなわけで、アニメ化での力の入れようも尋常ではない模様。
{netabare}第1話は主人公のCVのせいもあってかハ○ヒ臭が鼻から離れなかったが、
見ているうちに気にならなくなった。{/netabare}
原作の世評通り楽しめるアニメとなることを願うだけだ。

・第2話
杉田智和のモノローグがこのアニメ全体を底上げしてるのは間違いない。
{netabare}これが勢いに任せて花江夏樹とかだったらどうなんだろうね。
(別にディスってるわけじゃないぞwww){/netabare}
映像も劇伴も素晴らしい上にCVも完璧。
あとは展開次第で今期どころかいきなり今年のベスト作品になる..........かも?
まあ原作知らないから期待値込みということで。

・第5話
3人目のヒロイン登場。
{netabare}男性声優陣のせいかやっぱりハ○ヒと被るわ(笑
つーかね、99%の「ツン」と1%の「デレ」を装備したヒロインはやっぱ最強。
しかも金では買えないらしい。
もしかして筋肉ダルマさんもそのうちデレるのかな?
あまり興味はないけどw
耳鳴りシーンといい、今回も演出が冴えていた。{/netabare}

・第8話
ネット民いわく、ここまでがプロローグなんだそうで。
{netabare}作中に出てくるフィギュアは、そのうち実際に販売されると思うぞ。
ギレーヌ人形は人気出そうだ(笑){/netabare}

・第10話
本編?に入ってからまだ2話目だが、見ていてどうにもテンションが上がらない。
まあ長いストーリーの中で当然起伏はあるだろう。
でもなんだ..........ちょっとだけダルくなってきたかも(笑
物語上の設定とはいえ、字幕で読まされる会話が多いのも好きじゃないわ。
しばらくはずっとこんな感じで進むんかな?

・第11話
え? 1クール目はここで終わり? しかも次回は夏期?
2クール立て続けにやるものだと思ってたわwwwww
もし2期以降もあるとすれば、やっぱ1年以上間が開いたりするんかいな?
そのうち物語シリーズのような公開状況になったりして..........。
まあ始まれば必ず見ると思うので待ちますよ(笑

投稿 : 2024/04/27
♥ : 17

82.9 6 魔法で仲間なアニメランキング6位
この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説(アニメ映画)

2019年8月30日
★★★★☆ 4.0 (480)
2271人が棚に入れました
交通事故(!?)によりあっけなく人生の幕を閉じるはずだったゲームを愛するひきこもり・佐藤和真(カズマ)は、ひょんなことから、女神・アクアを道ずれに異世界転生することに。「RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ!めざせ勇者!」と舞い上がったのも束の間、転生したカズマには厄介なことばかり降りかかる。トラブルメーカーの駄女神・アクア、中二病をこじらせた魔法使い・めぐみん、妄想ノンストップな女騎士・ダクネスという、能力だけは高いのにとんでもなく残念な3人とパーティを組むことになったり、借金で首が回らなくなったり、国家転覆罪の容疑で裁判にかけられたり、魔王軍の幹部を討伐したり、たまに死んだり……。そんなある日、駆け込んできた紅魔族の少女・ゆんゆんの爆弾発言にカズマたちは凍りつく。「私、カズマさんの子供が欲しい!」事情を聞けば、めぐみんとゆんゆんの生まれ故郷「紅魔の里」が、滅亡の危機に瀕しているという。里を救うために旅立ったゆんゆんを追いかけて、紅魔の里へ向かうカズマたちだが――!?カズマたちパーティを襲う最大の危機!平凡な冒険者カズマが過ごす、異世界ライフの未来はどっち!?

声優・キャラクター
福島潤、雨宮天、高橋李依、茅野愛衣、堀江由衣、豊崎愛生
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

なんだろねこの安定感

原作未読 1期2期視聴済

“伝説”ってここ30年くらいで一気に安っぽくなった単語じゃないですかね。にょろにょろ伝説…って見ただけでプークスクス不謹慎な私。
知らんうちにTV版があにこれランキングのTOP5位以内に。まぁそのうち収まるところに収まることでしょう。乱高下しているあにこれの歴代順位はどこ吹く風。外野の喧騒をよそにわりと堅実に作られたコメディの劇場版90分です。

2期まで放送済。その間、主人公カズマはフル稼働。パーティメンバーはそうでもないらしい。2期ではダクネスとアクアをしっかり掘り下げて、やや薄めむしろ一発芸担当だっためぐみん(CV高橋李依)が今回の主役。しっかり段階を踏んでますね。
めぐみんのペアというか同族のゆんゆん(CV豊崎愛生)もTV放送にて慣らし運転を完了するレディーパーフェクトリーぶり。彼女らの一族は紅魔族(こうまぞく)と呼ばれる魔術に長けたチート集団という設定。その紅魔族の皆さんは…


 {netabare}俺が見えないのか すぐそばにいるのに{/netabare}


あ、悲壮感みたいなのはありませんよ。隣人すら見ないか見えてないのかとにかく自由過ぎる人達でした。事前に楽しみにしてたのは3点、

1.声出して笑うところ1個でもあればOK

 ⇒ありました。充分×2

2.密かに進んでるアレはどう?

 ⇒{netabare}魔王軍の腹心がうっかり討伐されてるお約束。物語は匍匐前進してます。{/netabare}

3.劇場版ならではの…

 ⇒きっと映えますよね。爆裂魔法の作画。素晴らしかった。
 ⇒さらに舐めたようなぐだぐだな画を劇場で!と。この点は微妙…


ファン必見の劇場版でしょう。
パーティメンバーで今回めぐみんに白羽の矢があたりこれで仲良くみんな掘り下げられました。今後はアクア、めぐみん、ダクネスとその掘り下げられてきた人物像・家族・過去を使ってコントを作っていけばよいと妙に安心できる良作でございました。

おそらく今後はマンネリとの闘いになると思います。
そういえばTV版のレビューで、『このすば』は古典で王道のお笑いルールを踏襲、と述べてました。


 マンネリか? それとも 定番なのか?


やや後者寄りだと思ってます。「飽きたー」とかいいながら無ければ寂しい。知らんうちに紅…じゃなかった、、、『このすば』に染まってるのです。
そうやって染まったあなたをなぐさめるやつはもう…(自主規制)



※閑話休題

■受け継がれる駄女神

豊崎さんここで修行して『慎重勇者』に繋げたんだろうなぁ(適当)



視聴時期:2020年4月

-----


2020.05.16 初稿
2020.08.12 修正
2020.12.08 修正

投稿 : 2024/04/27
♥ : 69

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

我が名はけみかけ!映画『このすば』の魅力を伝えし者!!一見してハーレムに見えども、決して煮えきれないヘタレに訪れたモテ期を語ろうぞ!!!

2016年冬期に第1期、2017年冬期に第2期がアニメ化された所謂“なろう系”異世界転生ラノベシリーズの初の劇場版
原作第5巻を題材にしつつテレビアニメと変わらぬスタッフが再集結
元請け制作はDEENからJ.C.STAFFに変更されました


事故死から異世界へ転生させられた引きこもりの少年カズマ
彼が転生先に特典として選んだのは、転生を司る水の女神アクアそのもの
神を旅の道連れにすることに成功したカズマだったが、実はこのアクアがとんでもないクセモノ
素行が悪く、口も悪いトラブルメーカーで、危機的状況をさらに悪化させるフラグを平気でバンバン立てる上でおまけに酒乱ときてる
能力が低いカズマは冒険を有利に進めるべくさらに仲間を集める
が、揃ったのは敵味方関係なく周囲をまるごと吹き飛ばす【爆裂魔法】しか使えない上に一発限りで行動不能に陥る女魔術師、めぐみん
打たれ強い強靭な肉体を持つが実はドMで敵に陵辱されることを妄想して全く剣が通らない女騎士、ダクネス
本来ならば魔王討伐の冒険を進める一行だが、実際は始まりの街に居座り続け、金儲けや私利私欲を満たす目先のクエストにしか興味が無い
稼いだ資産は毎夜豪遊しては散財、増えるのは借金ばかり
たまに生死を賭けた大きな戦いを制したかと思えば、国家転覆罪で裁判に掛けられる有様
そんな彼等がめぐみんの出身地である紅魔族の里へ、めぐみんを里帰りさせることからこの映画の物語は始まる…


今作冒頭の“マグロ漁船のクエスト”は金崎監督がコンテまで描き切ったのに尺の都合上お蔵入りになったそうですw
その苦渋の決断のおかげもあり、今作は非常にハイテンションなギャグがハイテンポに続くコメディ映画となっています
ギャグやコメディを映画化するのって難しいですよね
『プリズマファンタズマ』がボロクソにつまらなかったことからも良く解りますw
逆に『えいがのおそ松さん』は良く出来てた、あれもハイテンポでずっと笑ってられました


さて、『このすば』において一番大切な要素はシリーズ構成の上洲さんも仰ってますが【カズマ一行を恋仲にしてはイケナイ】ことです
一見してカズマは美女に囲まれたハーレムの真っ只中にいますが、実際のことろ彼女達は大方トラブルの原因か、もしくはトラブルを悪化させる要因となって世間的には厄介モノなんです
そんな彼女達とカズマがパーティーを組み続けるのは、単に【気の合う仲間だから】というところに尽きるでしょう
そこにガチの恋愛要素を絡めてしまうと“気の合う仲間と面白おかしく暮らすgdgd感”というモラトリアムを破壊してしまうわけです
歳を追うごとにわかりみが深まってくるのですが(笑)現実的には美女と付き合うのはメンドクサイw
気の合う仲間と戯れるのが、現代の現実的にはベストなのでは?という提案を剣と魔法の異世界ファンタジーに持ち込んでしまったのが『このすば』の魅力なのです


ところが今作冒頭、カズマにおもわぬ“モテ期”が到来します
モテてはイケナイ作品で、モテ期が発生するという矛盾がまず面白いのですがw実際には今作のクライマックスでカズマが最も惚れさせてしまい相思相愛の関係になる人物というのがとてもとても意外な人物
そのまさかのオチには度肝を抜かされ…いや、爆笑必至でしょうw


オチに選定されたキャラに僕が大好きな、とある大物声優が選ばれているのも仕掛けの1つ
彼女にしかこの役は出来ないんだ!という金崎監督の強いご指名だそうで、GJ!といわざるを得ません


あと今作の作画クオリティに関しては2019年公開の数多の映画でも“最高”と謳って問題無いと思う出来栄えです
とにかくテンションの高いお話である為、キャストの芝居もノリノリに盛り上がっていく
ですので、アフレコ後の芝居にリップシンクロするように作画リテイクを加えたそうで非常に手間と時間が掛かっています
崩すところ、動かすところ、纏めるところのバランスも完璧です


以前のテレビシリーズで描かれた細かなキャラ設定やサブキャラ達を覚えていると笑いどころはとても多くなるのですが、単純にボケとツッコミの応酬を剣と魔法の異世界ファンタジーでやる、っていうのが面白い作品ですので初見の方もこの機にチェックされることをオススメします

投稿 : 2024/04/27
♥ : 15
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

この素晴らしい世界に笑いを!

原作未読 約90分

この素晴らしい世界に祝福を!1期・2期を事前に観ることをオススメします。

めぐみんとゆんゆんが出身の紅魔族の里でのお話です。もちろん、パーティーメンバーのカズマ・アクア・ダグネスも一緒です。

2期ではアクアのアクシズ教やダグネスの家のお話がありましたが、今回は紅魔族のことが色々と分かりますね。{netabare}(ポーズをとって名乗ったり、凄い武器を物干し竿にしたり、紅魔族の誕生秘話も適当すぎましたねw){/netabare}

最後はお約束でしたねw 今回の印象に残った言葉は、{netabare}「モ・テ・キ」「ス・キ」{/netabare}でしたw

色々なシーンで笑いが起こり(私も笑いました)、終始飽きさせないギューと詰まった楽しい90分でした。

主題歌はテレビ版OP/EDと同じで、前半Machikoさん、後半はアクア(雨宮天さん)、めぐみん(高橋李依さん)、ダクネス(茅野愛衣さん)が歌っていました。

最後に、本日朝8:40の回に観に行きましたが、ほぼ満員でしたね。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 36

73.2 7 魔法で仲間なアニメランキング7位
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 深章 厄災篇(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (249)
781人が棚に入れました
悪夢は終わらない。 絶望は破滅を誘い、厄災は惨禍を招く。 ジャガーノートとの闘いのさなか、奈落に消えたベルとリュー。 行き着いた先は、全ての冒険者が恐れるダンジョンの深淵――『深層』。 満身創痍、孤立無援、迫り来る厄災の脅威。 迷宮決死行の渦中、五年前の後悔に苛まれる妖精はかつての仲間を追憶する。 一方、ベル不在のパーティの前に現れたのは、双頭の巨竜アンフィス・バエナ。 破壊の化身が吐き出す凶悪な炎流が全てを呑み込む。 希望も光明も失われた迷宮で、冒険者達が辿る運命は幕切れか、それとも…… これは少年と妖精が押し寄せる死に抗う、過酷に満ちた【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】――。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ダンジョンRPG視点で見て、良い感じでカビ臭くなってきた

引き続き原作ライトノベルは未読。

【物語 4.5点】
これぞ迷宮(ダンジョン)。
展開はハードで、お気軽異世界ファンタジーが量産される昨今のトレンドからは外れており、人は選ぶが、ダンジョンRPG好きには断然オススメ。

2期、3期と、意外と迷宮に潜らなかったので、ヤキモキさせられました。
ですが、一方で、ここまでダンジョンRPGの諸要素を巧く設定・シナリオ化しているとの手応えもあり……。

例えば……
{netabare} ・迷宮を巡るパーティー間競争→ファミリア間の抗争、駆け引き。
・倒されたモンスターが転生しながら無限POPする迷宮の異様→「人造迷宮ークノッソスー」建設者の狂気。
・迷宮内の“友好的なモンスター”への対応を巡る相対的な善と悪→冒険者たちから迫害される「異端児-ゼノス-」を助けることにした【ヘスティア・ファミリア】{/netabare} etc.……

そこにダンジョン愛を感じることができていれば、「迷宮決死行ーデスパレートー」となるこの4期分割2クール目は、迷宮の醍醐味を収穫できる至福のひと時となる。
信じて視聴し続けて本当に良かった。


構成は、満身創痍で「深層」に落ちた主人公ベル・クラネルと“疾風“のエルフ、リュー・リオン。2人の脱出サバイバル。
「下層」にて“英雄”ベルを失いパーティー瓦解の危機を抱えながら、ベル救出か撤退かの狭間で揺れる仲間たち。
かつてリューを襲ったパーティー壊滅の悪夢の回想。
3本柱のプロットで迷宮(ダンジョン)とは何かを徹底的に思い知らされる最悪で最高な{netabare} 四{/netabare} 日間。

中級以上のパーティーにとって一番恐ろしいのは落とし穴(シュート)からの格上モンスターによる数の暴力(また、そういう敵に限って仲間を呼ぶんですよw)

本作の決死行には、次エンカウントしたら絶体絶命。一歩進むのにも手に汗握る。
迷宮の緊張感が見事に再現されており、私も『Wizardry』シリーズ等でやらかした時のトラウマも思い出し悶えながら視聴しましたw


ダンジョンRPGで最も脳汁が出る瞬間と言えば、
パーティー全滅の危機を、普段は気にも留めないアイテムやシステムをフル活用して切り抜けた時。

この観点からグッと来たのが、{netabare} ヴェルフ即席の鍛冶による《魔剣》生成と反抗。{/netabare}


【作画 4.0点】
アニメーション制作・J.C.STAFF

率直に『ダンまち』も視聴者の選別も進み、1期に比べたら話題性も収益性も落ちているはず。
それでもアニメ化し続けてくれる同スタジオ。この律儀さが有り難いです。

「深層」“白の迷宮”のムードを演出した、くすんだ色彩選択も印象的。
ここもまたグラフィックの変化と共に緊張感が増す迷宮の魅力を伝えていました。

ドロドロ、ネバネバな迷宮サバイバル食の数々。
大体ダンジョンに飯テロを求めるなんて間違っているんですよ。
{netabare} 腐った死体から漁った傷んだポーションでも、スライムの粘液{/netabare} でも、飲める物は何でも啜(すす)って生き残らなければなりません。
(でも{netabare} リューさん先輩面して、絶叫するベルくんにゲテモノ喰らわせておいて、結局、自分は口付けませんでしたよねw{/netabare} )


そして、ベルくんとリューさん。装備大破して裸同然となった男女の脱出劇。
ある意味、豪奢な大鎧より難しそうなボロを纏ったキャラを粘り強く描写し、サバイバル感を盛り上げる。

それにしても、こんな危機的状況でもラノベ的ラッキースケベに遭遇してしまうベルくんw
第21話。{netabare} 肌を密着して濡れた身体を温め合う2人{/netabare} の描写には不謹慎ながら欲情しそうにw
ただ、あの場面はリューを縛り付けていた恐怖と贖罪意識が淡い恋慕により溶解する重要なカット。
決して安直なサービスシーンではなかったです。


【キャラ 4.0点】
“例の紐”も“ヴァレン某(なにがし)”もまともに登場しない。
メインヒロイン飛車角落ちで大丈夫か?となった4期。

ヒロイン枠のリューも終盤まで謎だらけでヘスティアやアイズには遠く及ばない印象。
ですが「深層」を彷徨い、リューの過去が深掘りされる内に、
ベルくん争奪戦でも強力なヒロインに化ける。

リューが過去に所属した【アストレア・ファミリア】のメンバーたちも、モブではなく確立され、リューの人格に深みを与えていました。
“正義”に関する問答が、上述のダンジョンにおける相対的な善悪とも混じり合って味わい深かったです。


モンスターでは迷宮(ダンジョン)の仕組みを脅かす輩に災厄をもたらすジャガーノートの異端性。
まるで『不思議のダンジョン』の死神みたいな番人ぶり。
期待する目的から外れた冒険者たちの言動は許さない。抵抗する間もなく瞬殺する寒々しさ。
大迷宮を創造した者の強烈な意志と狂気を想起させられる手強い一体でした。


【声優 4.5点】
リュー役の早見 沙織さん。
トラウマが積み重なった人格を好表現。
「深層」より深い人間表現ができる。その上デレると、とびきり可愛い。
清楚ボイスだけじゃない。はやみん流石です。

ベル・クラネル役の松岡 禎丞さんは今回も良く叫びました。
痛恨の一撃に、毒味に、不可抗力的スケベシーン。何でも叫べる。
「貴方は尊敬に値するヒューマンだ」


【音楽 4.0点】
劇伴担当は1期以来の井内 啓二氏。
本格的に迷宮の絶望を掘り下げる深章に合わせて選曲も重厚化。
リューが諦めて贖罪にかこつけた自己犠牲に逃避しようとする度に、
手を差し伸べるベルを奮起させるように鳴り響く「英雄願望」のメインフレーズ。
シビれました。

OP主題歌はリュー役・早見沙織さんの「視紅」
ED主題歌はsajou no hana「切り傷」
いずれもリューの心境を捉えたバラード。

“一緒に帰ろうって決めた 優しい陽だまりへ”

投稿 : 2024/04/27
♥ : 27

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

悪夢は絶望へと続く――迫り来る厄災の脅威 妖精の脳裏に蘇る追憶の光景 間違った私に「正義」はもう…… 過酷な「現実」に抗う少年と妖精の決死行

この作品の原作は未読ですが、アニメ版は本編、劇場版、OVAと一通り視聴済…
かと思ったら、第3期のOVAは未視聴でした。

本来なら、OVAは円盤を購入した方への特典なのでしょうけれど、最近は配信サイトでOVAが視聴できるようになっています。
第3期のOVAもdアニメストアで配信されていましたので。

まぁ、棚の目につくところに置いておけば、そのうち気になって視聴するでしょう。
自分のことながら、この安直さに時折辟易することもありますが、きっとこればかりはもう治しようもないと思いますので^^;


悪夢は終わらない。
絶望は破滅を誘い、厄災は惨禍を招く。

ジャガーノートとの闘いのさなか、
奈落に消えたベルとリュー。

行き着いた先は、
全ての冒険者が恐れるダンジョンの深淵

――「深層」。

満身創痍、孤立無援、迫り来る厄災の脅威。
迷宮決死行の渦中、
五年前の後悔に苛まれる妖精は
かつての仲間を追憶する。

一方、ベル不在のパーティーの前に現れたのは、
双頭の巨竜アンフィス・バエナ。

破壊の化身が吐き出す凶悪な炎流が
全てを呑み込む。

希望も光明も失われた迷宮で、
冒険者達が辿る運命は幕切れか、
それとも……

これは少年と妖精が押し寄せる死に抗う、
過酷に満ちた【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

振り返ってみると新章・迷宮篇だって相当過酷な展開の連続でした。
でも今回の深章・厄災篇を見てしまうとこの印象は大きく変えられることになります。

満身創痍、孤立無援、迫り来る厄災の脅威。
公式HPのINTRODUCTIONには、少年と妖精の置かれた状況をこの様に表現していました。
ですが、目の前に繰り広げられる惨劇は、こんな言葉に置き換えられるほど
易いモノなんかじゃありませんでした。

時間の経過に伴い、どんどん死に引っ張られているのを身体全部で感じざるを得なくて…
1分1秒…その場に留まる時間が長引くほど恐怖が加速度的に増していく…
きっとこれまで、これほどの身の危険を感じたことは無かったのではないでしょうか。

ですが、こんな人生の最後を迎えるような状況であるにも関わらず、悠長な感傷に浸る暇なんて二人には微塵もありませんでした。

「殺らなければ殺られる…」

そのために存在するのがこの深層なのですから…
だから、例えここで二人の冒険が終わってしまったとしても少しも不自然じゃありませんでした。

主人公は死なない…
そんな暗黙のルールが通用する様な甘い場所じゃありませんでしたので。

だから考えるのは、次の瞬間のその一手…
自らの身を挺して仲間を逃がす…そのためなら何をも厭わない鋼鉄の意志の赴くままに動く…
かつての仲間に自分がして貰ったように、今度は自分がその役目を追う番だとはっきり認識できる。

でも、ダメなんです…
もう一人が二人で一緒に帰るんだの一点張りで、握った手を放してくれないんです。
それに、未だ早いとかつての仲間も認めてくれず門前払いでしたので…
色んな思いや願いが幾重にも繋がって、人間の生へと続いているのを実感します。
だから人は生に執着するのかもしれません。

身体中が痛くて前に進むのが苦しい…
誰でもこういう場面には遭遇すると思います。
ですが、途中で諦めてしまったら、もっと違う痛みと苦しみに苛まれることになるのを、無自覚で無意識ですけれど私たちの本能が知っているのかもしれません。
これだけでも十分に頑張る理由になると思うんですけれど…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、はやみんによる「視紅」
エンディングテーマは、sajou no hanaさんによる「切り傷」
歌い手さんが新章のオープニング・エンディングと入れ替えになっていました。
最近、ちょいちょいはやみんの楽曲を耳にする機会がありますが良きですね~
今度の楽曲も大好きでした。

1クール全11話の物語でした。
視聴には痛みと苦しみを伴いましたが、それ以上に仲間の絆と信頼を感じることができたと思います。
人には変わらない部分と変わる部分が存在していて、その案配は人それぞれで決して否定するモノではないことを実感させて貰いました。

続編…は私が心配することではありませんよね。
必ず制作されると確信していますので^^
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 26

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

求めたつもりはなかったろうが、ダンジョンで出会ってしまった…。

オラリオのダンジョンには「吊り橋効果」があるらしい(笑)。

完全にヤラれてしまっているリオンさん。
そしてまったく出番がないヴァレン某さん…。

シリーズを通して見るとⅢのテーマの堅苦しさはどこへ行ったのかと思うくらいにわかりやすい冒険と恋の物語。依存の逆転の過程がとても良いです。

1期目から観ていないとあんまり面白くないかもしれませんが、エンターテインメント性はシリーズ1高い気がします。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 28

69.9 8 魔法で仲間なアニメランキング8位
マッシュル-MASHLE-(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (240)
712人が棚に入れました
ここは、魔法界。 ここは、魔法が当然のものとして使用される世界。 そんな魔法界の深い森の中で、一人筋トレに励む少年。 その名はマッシュ・バーンデッド──彼の秘密は、魔法が使えないこと。 家族との平穏な暮らしを望む彼だったが、ある日、突然命を狙われ、 なぜか魔法学校に入学し、トップである「神覚者」を目指すことに。 彼の鍛え抜かれた筋肉は、精鋭の魔法使いたちに通用するのか…!? 鍛え抜かれたパワーがすべての魔法を粉砕する、アブノーマル魔法ファンタジー堂々開幕──!!

さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ONE先生版ワンパンマンとハリポタの悪魔合体

ワンパンマンをファンタジー世界にぶち込んできた的な感じの作風っぽい?
しょうもないけどクスッとくるようなギャグがそこそこ面白い。現段階じゃそこそこ笑える程度でめっちゃ面白いかと聞かれたら微妙ではあるけどキャラが揃ってから面白くなるらしいし継続して見るかな?

5話まで追記
メインキャラらしき人物が揃ってきてかなり面白くなってきた感。物理で魔法の常識をぶち壊す的な痛快な作風がすごく面白い。

8話まで追記
マギアルプスという悪役集団が現れていよいよ物語が本格的に動き出してきた感じ?

最終回まで追記
かなりキリの悪いところで終わったけど2期やるのか。2期は試験編だけど面白いかな…?

投稿 : 2024/04/27
♥ : 5

N(ヤバめ) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

午前もしくはゴールデンタイムレベルだが、内容はそれなりに良い、おすすめ度★★★★☆

ブッ壊すしかないでしょ、グーパンで。

ジャンプ系アニメの中では売上198枚と大爆死した分類で原作自体もかなり賛否が別れているが、面白さとしては上位に入ると感じる。

脱力系のギャグがとにかく笑いを誘う。無表情仏頂面な主人公マッシュの異常な筋力から繰り出される脳筋ギャグの数々は単純ながら笑いを誘う。

キャラについても魅力的で、マッシュは普段はスカしていて無表情だが友達思いで心根は優しく、マッシュを取り囲む友人も一癖二癖あるメンツでインパクトが感じられた。

一方で個人的に物足りなかったのは、マッシュ以外のバトル描写。目立っていたのはドットとランスくらいで、レモンはともかくフィンはただのリアクション要因くらいにしかならなかったのが惜しかった。

また、シリアス面以外での展開が少しワンパターンになりがちだったのも、個人的にはややマイナス気味。

とはいえ総合的に見て楽しめたのは事実ではある。来年冬から続編がやるようなので、そちらも追うつもりではある。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 0

くまさん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

シュークリームが好きです。

はじめの方は、面白く見させていただきました。
俺、強ぇ系なアニメです。

魔法ありの世界で魔法の素質が全く無し。けれども、筋肉ならある!
バトルも学校の課題も、筋肉で解決!

それも筋肉で解決かよ?そうはならんだろう笑と
とても可笑しく、笑って見られるアニメです。最初のほうは・・・

後半からちょっとシリアスっぽくなるのですが、
そのあたりから、うまく入り込めなかったです・・残念。

マッシュの性格を心地よく感じられれば、見ていられるかも。

EDの「シュークリーム・ファンク」な感じで本編も軽快だったら、
最後まで楽しめたのかな?

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

68.7 9 魔法で仲間なアニメランキング9位
Lv1魔王とワンルーム勇者(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (157)
506人が棚に入れました
かつて魔王を倒した英雄にも関わらず、人間社会の繁栄に埋もれて腐ってしまった勇者マックスと、マックスを倒すために蘇った魔王の交流を描く現代風異世界ファンタジー
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

良い意味で予想の斜め上

<2023/10/9 初投稿>
原作は未読。
7月に1話だけ見て、その後録り溜めして今日一気見しました。
"勇者"のその後をコメディタッチで描いた作品です。

これは面白いですね。
設定も先の見えないストーリー展開もしっかりしていて、全話だれることなく没頭できました。

あにこれの評価も高くないし、ネットであまり評判にもなってないようなので隠れた良作、という感じ。

ただ楽しむには越えなければならないハードルが二つありまして。

一つが変なキャラ。
変なのは魔王様とゼニアなのですが。
魔王は性格は至極まともだけど、
{netabare}性別がどっちなのか(もしくは性別の概念がない?){/netabare}よくわからないし、
おそ松さんを彷彿とさせる幼児のようなキャラデザイン、
大人の姿の時の痴女のようなセーラー服
とか情報も多すぎて飲み込んで消化するのが大変です笑

そしてゼニアは服装がJapanese HENTAI寄り笑

二つ目は設定。
ドラクエ的中世ヨーロッパのような世界観の中で勇者御一行が魔王を討伐して10年。一気に文明が進みなぜかほぼ現代日本のような世の中に変容してます。
10年でこうはならんやろ笑
現代日本へ転送されたわけじゃないんだと理解し、ギャップに慣れるのに時間かかりました。

まぁでもこの二つに慣れてしまえば後はストーリーを楽しむだけです。

内容はコメディメインではありますが、
冒頭「はたらく魔王さま」的なノリのように見せて、話が進むにつれ中身が変わっていく感じ。
勇者御一行のその後の関係性に焦点当てているところなんかは寧ろ「葬送のフリーレン」の方が近いかも、とか言ったらフリーレンファンに怒られそう。


あと声優さんが豪華ですね。
主人公の勇者マックスは五条悟他で飛ぶ鳥を落とす勢いの中村悠一さん。イケメンじゃない役が珍しいという声もありますが、ゴブリンスレイヤーではドワーフの爺さん演ってて演技の幅広い方です。
魔王は宇崎ちゃんとかの大空直美さん。
準レギュラーも日笠陽子さん、松岡禎丞さん、下野紘さん、小清水亜美さん、小林ゆうさんなどなど豪華。

他にもそんなに出番多いわけじゃない王国九大臣に、堀内賢雄さん、置鮎龍太郎さん、大塚明夫さん、玄田哲章さん、井上麻里奈さん、草尾毅さん、谷育子さん、土師孝也さん、そして田中真弓さん。
まぁすごいメンツ。

長々と声優さんのこと書いたのは、こういう実力も実績もあるメンバー揃えるとやはり作品は締まるなぁ、と。
一人一人のキャラが立つんですよね。
なのでお話も頭に入りやすい。

クセ強なキャラと設定がヘーキという方にオススメしたい作品です。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 16

原作見ない人 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

萌え絵好きには合わないかも

■物語の評価
「まおゆう」や「はたらく魔王さま」とか設定がかぶってる~
とは言われたりしてますが、
物語は毛ほども似ていません。
バックグラウンドのストーリーが進みながら
落ちぶれたオッサン勇者と幼女になった魔王の成長?を見守る感じですね。

■声優の評価
豪華声優陣!と言うかまーた同じような声優陣なので
特に声優さんの遊びが入ってる訳でもないので
安心して見れる以外には特にないです。

■キャラの評価
一番割れる所だと思いますが、かわいいキャラクター、美少年とかを見慣れてしまっている人には絵が古いと感じてそれだけで評価が低くなると思います。
ですが、おっさん達が主人公な上に、紅一点が特に可愛くもない3頭身の幼女
という中 キャラの書き分けがしっかりとしており非常に濃い。
美男美女しか出てこないアニメが多い中、ある意味リアルな感じがします。

■作画の評価
キャラの方でも少し触れたのですが古い感じがする。
と感じる人も多いと思いますが、作画めっちゃいい!
細かい絵でないから簡単なんだろって思うことなかれ、表情・表現の一つ一つが細かい。背景も世界観を崩さない安定さ
シーンやカットごとに違和感が出る事なく統一されていて昨今の
ぶっつけ消費作品とは違うのが非常に気持ちいい!

■音楽の評価
特にここの音楽かっこいい!
とかこのシーンにはこの音楽だよね!
は無いのですが、世界観的に必要ないきもする…

■感想
評価がほぼ感想みたいなものですが
だらっと、安心して見れるアニメを久しぶりに見れた気がします。
知的な物・知ってる人だけが笑えるネタなどを仕込まず
王道の馬鹿展開とおっさんの駄目さと苦悩を楽しめるアニメでした。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

dakiramk3 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

意表を突かれた展開

 てっきり本作品のぱっと見の既視感から、出オチに近い日常系かと思ったら、意外とそういった作品群からは距離を置いている独自性が発揮されているとは思った。

 原作者の癖が詰まった……一般的には特殊性癖な腹筋キャラとか異様なまでのケツ推しの部下といい、あれこれ尖ってはいるが、描いているのは必ず存在するであろうが無視されがちな、ヒーローのその後の描写が、作品世界がモロ現代日本なので若干引き付けにくいところはあるものの、描写自体は概ね説得力があった。
 ……ただし個人的に求めているものとはちょっと違ったけど。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 8

60.1 10 魔法で仲間なアニメランキング10位
異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます。(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (74)
189人が棚に入れました
…秋津みどり(享年27)、過労死したら異世界へ!?神様から能力を与えられ、異世界に転生した私。そのスキルは。えっ? 人間にはモテないかもだけど、もふもふたちには愛されちゃうってことだよね?うわあぁぁ、白虎やドラゴンにも触り放題――!スペック高い貴族のおうちの末娘ネマに生まれ変わった私、今日も「もふもふ」「なでなで」しつつ、人類存続(?)のためにがんばります。「小説家になろう」発、異世界もふもふファンタジー!!!

Lovesing さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

癒しと可愛さを求めて

原作を読んでいる人間なので、ストーリーは知っていました。
これをアニメ化するには作画問題やストーリー構成など色々不安がありましたが、漫画版に寄せた作画でした。
後ストーリーは終始ニヤニヤする感じで個人的には好きでした。
しっかり異世界なので多少のバトルは入ってますがそのバトルも雑ではないのでストーリー進行に必要なぐらいで特に気にはなりませんでした。
後ちょいちょい良い声優使ってて私的には良かったかな!
個人的には続きをアニメ化したら嬉しいかな

投稿 : 2024/04/27
♥ : 0

こま さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

もふもふ無双開幕!

2023年1月時点でシリーズ累計発行部数が170万部を突破している大人気作品。
一言で言えば何時ものなろう。毎回言うけど展開次第かな。

コレだけは言いたい!!
ノーもふもふ!ノーライフ!
もふもふ道を貫いて欲しい。毎回思うがコレ系は特化してこそだと思ってる。
転生前主人公がどこまで動物好きだったか?によるがコレだったら最後まで観れる。
もふオタである事を心から願う…。

何時もの過労死来たー!玄関で力尽きて神様のもとに。
「死に方を選ばせてあげよう」とか発言が斬新だなw
願いを叶える代わりに転生したらこの世界を滅ぼすか決めて欲しい!だと!?
ヤバい頼みで草なんだ。

転生特典付けるけど何が良い?瞬間移動!とか必殺技!とか欲しくない?

人間以外の生物に好かれる力!「人間以外」ここ重要!
考え得る限りの生物だよやったね!

公爵家の赤ちゃんに転生!してトラに抱きつく主人公!が可愛い!
さて年齢に引っ張られてるかフリをしてるのか…どっちだろうね?
ただ、言葉も発音がまだ出来ないのは確か。
あいがとう!考えてる事は大人のそれだけど。

絵面が凄いなw大きいトラにちっちゃな幼女w
魔法に精霊術がある世界と。
なるほどね契約した相手にしか懐かないなら見られるとまずいよね。
…果たして27歳のこの人は理解しているのだろうか?大丈夫だよね…?

記念すべき1回目のテヘなんかやっちゃいました?
とにかくもふもふしたい主人公を自由と言う名で釣る王子。この人ド…。
黒い目なぁ。コレ系も多いなホント。
ここでも発音がアレwヴィウ?
見た目レッドドラゴン召喚!次回も私何かやっちゃいました?テヘペロ(๑˃̵ᴗ˂̵)
ただアレはしょうがない気がするけども。

うーん…まあ次どうなるのか分かりやすい…のは良いんだけど、コレ観てるとお菓子思い出すんだよなぁw…頭が悪くなるのだけはまじ勘弁()

で気になったのが人間以外とか言ってたけど人間にも普通に好かれてるんですが?
…デレデレなんですが?
神様のなんかやっちゃいました?とか直近で見たんだけどコレもか?

この作品の良いところと言えば、ちゃんと毎回お礼言ってるのは好感持てるね。
主人公の見た目が可愛いのも良い。動物?もたくさん出て来るだろうし。
やっぱりもふもふ可愛いは正義!

余程の事がない限りは視聴継続しようとは思ってる。余程の事がない限りは…。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

タイガー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

『こちとら中身アラサーの幼女だぞ』

過労死したOLがある力を手に入れて転生したゆるもふストーリー

前半ゎ意外と好きだった。気軽に見れる幼稚園ストーリー

後半ゎただもふもふしたいだけじゃ生き物ゎ生きていけない。と考えてしまう少し話が中学生の道徳ぽくなった

前半だったら主人公も幼女でよかったけど後半ゎキャラ幼稚すぎて疲れたかな。

op.edゎ結構かわいくて好きだった

転生できるのにもふもふの力か…とおもった作品w

投稿 : 2024/04/27
♥ : 0

90.3 11 魔法で仲間なアニメランキング11位
この素晴らしい世界に祝福を!(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (3247)
15533人が棚に入れました
ゲームをこよなく愛するひきこもり・佐藤和真(カズマ)の人生は、交通事故(!?)によりあっけなく幕を閉じた……はずだった。
だが、目を覚ますと女神を名乗る美少女・アクアは告げる。

「ねぇ、ちょっといい話があるんだけど。異世界に行かない? 1つだけあなたの好きなものを持って行っていいわよ」
「……じゃあ、あんたで」

RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ!めざせ勇者!
……と舞い上がったのも束の間、異世界に転生したカズマの目下緊急の難問は、
なんと生活費の工面だった!

声優・キャラクター
福島潤、雨宮天、高橋李依、茅野愛衣、原紗友里、稲田徹、諏訪彩花、安元洋貴、江口拓也、堀江由衣

らいむぐりーん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

2期決定で沸くこのすばファン。あそこはアドリブだったのかー!!

2期製作決定おめでとー!!!!
円盤が飛ぶ前に決定したみたいですね。
これも視聴者のチカラ(/・ω・)/

スタジオディーン製作の
残念系異世界冒険ファンタジーですね。
元ネタはラノベみたいです。
イラスト担当が雑誌「えつ」御用達の三嶋くろね。
軸中心派SHOPや博多神絵祭で見かけていたイラストレーターが
ついに、アニメ制作に一筆下ろすということで、
個人的にめっちゃ注目してました。
(カントクやブリキにならぶ好きな絵師さんなんです)


いざ放送が始まると、キャラのパッと見の雰囲気は据え置きなんですが、
やはり動くアニメとなると、思っていたのと少し違う。う~ん
アクアもめぐみんもダクネスも可愛いんやけど...
今まで見てきた三嶋くろねさんのキラキラ感というか透明感は、
静止画ならではの特徴だったのかな?
(当人は絵心ZEROなのであくまで客観的感想)


1月にアニメ放送が始まって原作ラノベが増刷しまくりの3倍増しだと。
アニメを見て好きになった視聴者が原作に興味を持って購入。
すばらしいループですね。
実際、博多のメイトやゲマズやメロンでは、
必ずラノベコーナーの前面に出てきてまして
勢いの凄さが見てとれた今期でした(^^♪


ストーリーは、とにかく残念系コメディのジャンル。
かわいいんですけど、駄女神やったり、中二病やったり、ドМ変態やったり
出てくるキャラクターがいちいち残念すぎて笑えますので「僕は友達が少ない」に
キャラ構成がとても似てました。同作が好きな方にもお勧めですね。
(このすばは日常が舞台ではないのであしからず)

OP「fantastic dreamer」
歌 - Machico
CDに収録されているMonday Afternoon Ver.が意外と良曲!
ボサノヴァ調で、夕暮れのカフェで聴きたくなるようなゆるMIX。
なにより歌い手の歌唱力が高めなのにビックリ( ゚Д゚)
本家よりこっちばっか聴きようかもw

ED「ちいさな冒険者」
  歌 - アクア雨宮天、めぐみん高橋李依、ダクネス茅野愛衣
好きな曲ランクインしました。スロービートでアコギの旋律で
やんわり癒されます。歌詞もダメダメ御一行を象徴したもので
聴いてて愛着がわきますね。B面には3人それぞれのソロVer.も収録されてます。


CMに入る前のアイキャッチで、「このすば!」とタイトルコールが入りますが、
ほとんどが、声優さんらのアドリブで収録されてます。(監督 金崎貴臣 談)
何も知らない最初はふざけてんのかなーとか思いつつも、マジ笑えますwww
こういう細かいとこまでこだわってる秀逸な作品でした。

2期も観ます。
原作買おうかなー....(/・ω・)/

投稿 : 2024/04/27
♥ : 94

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

華麗なるキャベツ泥棒

原作未読。

この期の作品としては初めは全くノーマークでしたが、人気があったので見てみたら、最後まで安定感のある面白さでした。

ジャンルとしては『異世界RPG+コメディ』といったところでしょうか。
物語のテンポと登場人物のキャラ設定が秀逸です。

ヒロイン(?)3人組役の雨宮天さん、高橋李依さん、茅野愛衣さんが、とにかく弾けています。

最終話、OP曲がBGMとして流れた場面では、少し、感動さえしてしまいました。
(騙されるな!決して感動するような作品ではない筈だ!)←私の心の叫び

疾走感のあるOP曲、ほのぼのとしたED曲とも最高。この作品の魅力を引き立てていたと思います。

唯一の難点は、演出とは無関係に、時折乱れる作画と、全10話と少し短かった事くらいでしょうか・・・。
しかし、そんな事が気にならないくらい、とにかく面白い作品でした。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 179
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

このすご!

・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:


「この凄く楽しい作品に祝福を!」

略して

「このすご!」

はい、感想タイトル通りこの作品、すご〜く楽しかった。
うん、めちゃくちゃ楽しかったです。

第1話からぐいぐい引き込まれちゃって10話があっという
間でした。

もの凄〜く簡単なあらすじとしては、
ひょんな事故?(事故なのかどうかわかりませんが…
とってもバカバカしいです…いきなり笑えました)
で亡くなった主人公が天界で出会った女神に異世界で
魔王を倒したら1つだけ望みが叶えられると持ちかけられ、
次々と加わる仲間と共に異世界で起こる出来事を乗り越え
ていくドタバタギャグコメディかな。

私はこの作品は全くの前知識を持たずに見たので

「この素晴らしい世界に祝福を!」

というタイトルに何故か、
「これ絶対感動する作品だ」、「泣けちゃう作品だ」
と思って見てしまったので、第1話での私の勝手な作品への
思い込みとのギャプが凄いでした。
このギャプがある意味「はたらく魔王さま」と似た感じが
あって凄く嬉しかったかな。

RPGの様な世界でおバカなキャラがワイワイガヤガヤ。

作品の世界観やキャラ設定は今までの作品でもありがちと
言えばありがちみたいな作品なんだけど、こういう世界観
の作品で細かいツッコミとネタで最後まで笑えるのが凄く
なんだか新鮮な感じがしました。

キャラデは私的には「おっー!」って思うほど綺麗でも
可愛いくも無く逆に崩れてない?って思う時もあるけれど
基本ギャグ路線なので逆にそこが良かったりする感じ。

妙に合ってたりして…

お話が進むに連れてキャラの設定やおバカな世界観に
マッチした楽しい雰囲気に溶け込んでいく感じが不思議。
だんだんキャラが可愛くなって愛おしくなっちゃう感じ。
そんなデザインです。

ゲームとかあまり分からない私にもRPGの世界ってこんな
感じなんだなぁって、楽しみながら理解出来るのが嬉しい
ですね。

制作は「地獄少女」「Fate/stay night」「ひぐらしのなく
頃に」「薄桜鬼」「昭和元禄落語心中」などなど人気作の
多いスタジオディーンさん。

監督はアニメーターで「これはゾンビですか?」「東京レ
イヴンズ」「ルパン三世 princess of the breeze 〜隠され
た空中都市〜」などで監督を務めた金崎貴臣さん。

そしてシリーズ構成・脚本に上江洲誠さん。
もう私でも知っている方なので有名ですね。
「瀬戸の花嫁」「刀語」「宇宙兄弟」「結城友奈は勇者で
ある」「暗殺教室」「アルスラーン戦記」などなど、
私的には「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」が
最近では1番印象的な脚本家さんです。

声優さんでは私の最近視聴した作品の中では久しぶりに
雨宮天さんが出演されていたのが嬉しかったかな。
この雨宮さんのアクアの演技が楽しくて可愛くて。

茅野愛衣、堀江由衣さんは言うまでもなく、「俺ガイル」
のヒッキーこと江口拓也さん、「アルペジオ」刑部蒔絵
ちゃん役の原紗友里さんなど意外におっ!って思っちゃう
役者さんが楽しいです。

そしてそして何と言っても昨年あたりから活躍が目覚ましい
めぐみん役の高橋李依さん。
がっこうぐらし!の直樹美紀、それが声優の一ノ瀬双葉、
乱歩奇譚 Game of Laplaceのコバヤシなどなど主役、
準主役級に多数抜擢。
今年も当作品のめぐみんをはじめ魔法つかいプリキュア!
でも主人公:朝日奈みらいを演じるなどこれから凄く楽しみ
な声優さんなんです。
今年の3月に行われた第10回声優アワードで新人女優賞を
上坂すみれさん、田中あいみさんらと共に受賞。
私的にこれから要チェックな声優さんです。

オープニングテーマ「fantastic dreamer」を歌うのは
ホリプロで田所あずささんと同期のMachicoさん。
アップテンポな曲が楽しいオープニングアニメーションと
マッチしていて、見る前からワクワクさせてくれます。
オープニングの途中でお話しのタイトルが出るのもなんだ
か斬新でいいですね。

エンディングテーマ「ちいさな冒険者」を歌うのは
アクア:雨宮天さん、めぐみん:高橋李依さん、ダクネス:
茅野愛衣さんのヒロイン3人。
凄〜くのんびりした曲でいっぱい笑った後にこの曲を聴く
ととっても癒されます。
一回リセットしてまた新たな楽しみがあるみたいな。
最後は「ほけっー」とした気持ちにさせてくれるのが嬉し
いですね。
劇中でのBGMもシーンに合わせての細かい演出がとっても
ストーリーの魅力をアップしてくれてたと思います。

全10話で軽く笑えながら最後まで視聴出来ますので興味の
ある方は第1話だけでも視聴して欲しいな。
ハマる方は第1話でいきなりハマっちゃうと思います♪

私のハートを鷲掴みにした逸品。
早速、2期も決まっているみたい。
楽しみです♪


・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:


【作品DATE】
{netabare}
《staff》
{netabare}
原作 - 暁なつめ
原作イラスト - 三嶋くろね
監督 - 金崎貴臣
助監督 - 吉田俊司
シリーズ構成 - 上江洲誠
キャラクターデザイン - 菊田幸一
美術監督 - 三宅昌和
美術設定 - 藤井一志
セットデザイン - 青木智由紀(第6話 - )
色彩設計 - 吉田沙織
撮影監督 - 浜尾繁光
3D監督 - 今垣佳奈
編集 - 木村佳史子
音響監督 - 岩浪美和
音楽 - 甲田雅人
音楽制作 - 日本コロムビア
アニメーション制作 - スタジオディーン
製作 - このすば製作委員会
放送局 - TOKYO MX、BS11ほか
放送期間 - 2016年1月 - 3月
話数 - 全10話
{/netabare}

《cast》
{netabare}
佐藤和真(サトウ カズマ) - 福島潤
アクア - 雨宮天
めぐみん - 高橋李依
ダクネス - 茅野愛衣
ウィズ - 堀江由衣
クリス - 諏訪彩花
ルナ - 原紗友里
荒らくれ者 - 稲田徹
デュラハン - 安元洋貴
ミツルギ - 江口拓也
{/netabare}


《songs》
{netabare}
オープニングテーマ
「fantastic dreamer」
作詞・作曲・編曲 - 園田智也 / 歌 - Machico
第1話ではエンディングテーマ。
第10話では挿入歌として使用。

エンディングテーマ
「ちいさな冒険者」
(第2話 - 第10話)
作詞・作曲・編曲 - 佐藤良成 /
歌 - アクア(雨宮天)、めぐみん(高橋李依)、ダクネス
(茅野愛衣)
{/netabare}
{/netabare}

【mio's café】
ここからはネタばれですので
視聴済みの方だけ見てね♪

{netabare}
もう1話目からスっごく笑っちゃいました。

このお話し、ストーリー云々よりもキャラの魅力、セリフ
の魅力が8割方を占める作品だったかなって感じ。

カズマの死に方の滑稽さもさることながら、
(医者にも親にも笑われながら亡くなるって…
ある意味幸せ?)
女神・アクアの毒舌能天気ポンコツキャラに一目惚れ♡
私、こういうキャラやっぱり好き。
雨宮さんの演技が凄くいいですね。
声を聞いてるだけでウキウキしちゃう感じ。
声にならない絶叫してるところとかもう…

カズマCV:福島潤さんとの絡みが最高。
会話の間とテンポが凄く良くて笑いが止まりません。
変わり者が多いとされるアクシズ教の御神体。
変な意味で恐れられているのがなんとも…
職業はアークプリースト(上級職)で強気の発言でわがまま。

でも駄女神呼ばわりして突き放すカズマに最後は
必ずすがってしまうかまってちゃんぷりも可愛い。
誰かに似てるなって思ったら強気でワガママな性格と
スタイルバツグンで青くて長いロングの髪。
そうアルペジオのタカオちゃんだぁって思ったの私だけ?
タカオちゃんよりもっとポンコツキャラなんだけど…。
そんな2人の絡みだけでも充分楽しいのにこの2人に割って
入る様に登場しためぐみん。

凄いですね、魔法の威力もさることながらこのキャラの
魅力の破壊力。
魔法能力が高いと言われる紅魔族の中でもトップクラスの
実力を持つ天才魔法使い。
爆発系最上級魔法「爆裂魔法」の使い手で職業は
アークウィザード(上級職)。

「爆裂魔法しか愛せない」

なんとも…

1日1発しか撃てない「爆裂魔法」への愛情はただならぬ
ものがあり、中二恋のあのキャラを彷彿させる中二病ぷり
にさらにおバカ値を+10足した様ななんとも言えない
愛すべきキャラ。

登場した第2話からいきなり爆裂魔法を使った後動けなく
なってパタリ…。
「ヤバイです。喰われます。」
「すみません、ちょっと助けて…うっ、くぱっ…」
ってカエルに食べられるし、
「カエルの中って臭いけどいい感じに温いんですね。」
とか凄く笑っちゃいました。
って言うかセリフの1つ1つとキャラの表情、高橋李依さん
の演技がとても楽しくて笑いが止まりません。

これこそ、エクスプロージョン!

こんな3人にこれでもかととどめを刺す様に加わったのが
職業クルセイダー(上級職)でありながら、皆の盾になる事を
異様に好むドMの騎士、ダクネス。

最初は見た目と裏腹なそのキャラクターに目を奪われちゃ
ったけど途中からはちょっとドMキャラに飽きた感じも
したかな?
でも茅野愛衣さんの演技がアドリブも含めて本当楽しい!
デュラハンとの戦い、最終話での役所とても楽しかっ
た。彼女が高貴な貴族の娘っていうギャップも良かったで
すね。

そして後半で登場のウィズ。
堀江さんの演技もさることながら、そのキャラが私的には
結構ツボでした。
えーっと、なんだっけこのアクアとウィズの絡み、どっか
で見た事あるなぁって思ったら、ハルヒとみくるちゃんの
絡みみたいだぁって思っちゃった。
弄られまくり…。
過去の出逢いのお話をすっ飛ばしての登場だったから
??ってなっちゃう部分があったけど楽しかったです。

10話のバトルシーンなんだか凄くカッコ良く見えちゃう
不思議。
ウィズとめぐみんのダブル爆裂魔法!
バトルの途中で初めてOPが流れる王道的な演出や作画も
これが最後だと言わんばかりに気合いが入っている様に
見えたのはエクスプロージョン効果でしょうか…
初の1日2発目の爆裂魔法。

「エクスプロージョン!」

この作品を通して見てやっぱりギャグ、コメディのアニメ
ってテンポと間が凄く大事なんだなぁって思いました。
そしてこれだけの魅力的な女性キャラの中で空気にならな
かったカズマのキャラ立ち。

私の中ではカズマが「MVP」です。

まさに彼がこの作品の監督であるかの様に周りにいる魅力
的な女性キャラクターを上手く使って演出した様にも感じ
ました。
プレイイングマネージャーって感じ?

上げるところは上げる、落とすところは落とす。
毒舌で弄りながらも周りのキャラクターの魅力をアップ
させ、自身の存在感もさりげなく主張するツッコミが
楽しかったです。

そして助演男優賞はデュラハン‼︎
いいですねー!
特に私が好きなセリフが「きっちぃー!」です♪
アドリブのエピソードを聞いて思わず笑っちゃいました^ ^

2期もカズマを中心としたドタバタ、楽しみにしています♪
{/netabare}


【おまけ】
やっぱりこの作品の魅力大半ははおバカ?なセリフ数々。
名言?迷言⁇
2期放送開始を記念して言葉だけでもシーンが蘇る私の
お気に入りのセリフをピックアップ!
お気に入りといってもどのセリフも楽しいからいっぱいに
なっちゃったw
セリフを忠実に抜き出すのって大変ですね。でもこのすば
もう1回じっくり見れて楽しかった♪
かなり長いのでお時間と興味のある方は見てね♪
とりあえず5話まで。


{netabare}
(第1話)
{netabare}
カズマ「は?じゃあ何?俺の死因はトラクターに耕された
ってこと?」
アクア「いいえ。ショック死ですけど。トラックに轢かれ
たと勘違いして。」
カ「ショック死〜!」
ア「プッ!あっははははぁ、あははははぁ!
あたし長くやってきたけど、こんな珍しい死に方したのは
あなたが初めてよ。プークスクスクスクス!」
カ「初対面でなんだろう…この子…。」
ア「あなたは轢かれそうになった恐怖で失禁!
気を失い近くの病院に搬送。医者や看護師に笑われながら
心臓麻痺ぃ!」
カ「やめろぉぉぉ!聞きたくない!聞きたくない!
聞きたくなぁぁぁーい!」
ア「あなたの家族が病院に駆けつけ、その死因に家族さえ
も思わず吹き出し…。」
カ「あーやめて!やめてぇーーーへぇっーー!」
ア「さて、私のストレス発散はこのくらいにしておいてぇ…♡」
カ「コイツ…。」

*これだけのセリフで私のハートは鷲掴み!
このやりとりだけで視聴決定したと言っても過言ではない
ですね。
特に「プークスクス」が最高でしたw

ア「その世界は長く続いた平和が魔王の群勢によって
脅かされていた!
人々が築き上げてきた生活は魔物に蹂躙され、魔王軍の
無慈悲な略奪と殺戮に皆怯えて暮らしていたぁはぁっ!
いたぁはぁっ!」

ア「副作用として運が悪いとパァになるかもだけれど、
だからあとは凄い装備か能力を選ぶだけね。」
カ「今重大な事が聞こえたんだけどぉ、パァがなんだって
ぇ?」
ア「言ってない♡」
カ「言ったろ」

ア「ねぇ〜早くしてぇ、どうせ何しても一緒よっ。
引きこもりのゲームオタクに期待はしてないからっ。」

カ「コ、コイツ〜。ちょっとばっかり可愛からって調子に
乗りやがってぇ〜っ!」

ア「うっ、嘘でしょ!いやいやいやぁ〜っ!
ちょっと、あの…お、おかしいからぁ!女神を連れてく
なんて反則だからぁ〜。無効でしょ〜こんなの無効よねぇ
ー!待ってぇ!待ってへへぇぇぇぇぇ〜。」

カ「ふふふふふっ、散々馬鹿にしてた男に一緒に連れて
いかれるってどんな気持ちダァ?
あっははははぁ、あんたは俺が持っていく物に指定された
んだぁ。女神ならその神パワーとかでせいぜい俺を楽させ
てくれよぉ!」
ア「いやはぁぁぁぁー!
こんな男と異世界行きなんて、いやはぁぁぁぁーっ!」

カ「さようなら、引きこもり生活!
こんにちは、異世界!」

カ「見ろよこの格好。ジャージだよ。せっかくの
ファンタジー世界なのにジャージ一丁ですわぁ〜。
ここは必要最低限の装備…」
ア「あゔぇぇへっへっ…あゔぇぇへっへっへっー」
ーPAUSEー
「あゔぇぇへっへっ…あゔぇぇへっへっへっー」


ア「なっ、ゲームオタクの引きこもりだったはずなのに
何故こんなに頼もしいの?」

ア「女神なのよ、そんな下々のことイチイチ知るわけ無い
でしょ。」
カ「コイツ使えねー。」

ア「あっ、待って!こんなに出来る男の感じなのになんで
彼女も友人もいない引きこもりのオタクだったの?
なんで毎日閉じこもってヒキニートなんかやってたの?」
カ「ヒキニートはやめろ。クソビッチ!
引き篭もりとニートを足ぁすな!」

ア「いきなり頼り甲斐が無くなったわねぇ。
まぁしょうがないわね、ヒキニートだもんね。」
カ「ヒキニート言うな。」

ア「そこのプリーストよ!宗派を言いなさい!私はアクア。
そう、アクシズ教団の崇める御神体、女神アクアよぉ!
汝!もし私の信者ならば……お金を貸してくれると助かり
ますっ!」
プリースト「エリス教徒なんですが。」
ア「なゔぁっっ…!」
カ「なぁっっ…!」

ア「えふっふふふふ…。女神だって信じてもらえなかった
んですけど…。
ついでに言うとエリスは私の後輩の女神なんですけど…。
私後輩の女神の信者の人に同情されてお金貰っちゃったん
ですけどぉ……。」
カ「おっ…おうぅ…。」

カ「そういうイベントは俺に起こるんじゃぁ?」
ア「さぁ、今日から冒険者生活よぉ!カズマ!」
カ「お前心底嫌がってただろ。」
ア「そうだったかしら♡?」

カ「って、ちがーーーう!」
{/netabare}

(第2話)
{netabare}
カ「最低賃金?労働基準法?なにそれおいしいの?」

カ「あーーーっ!助けてくれアクア〜!ふぁっ!ふぁっ!
助けてくれ、うわっ!」
ア「プークスクス、ヤァばい!ちょーウケるんですけど!
カズマったら顔真っ赤で涙目でちょー必死なんですけどぉ
ぉぉ!」
カ「あいつ後で埋めて帰ろう!」
ア「助けてあげるわよヒキニート、そのかわり明日からは
崇めなさい!」

カ「喰われてんじゃねーーー!」
ア「うぇっっ…うっうっう…。
あっ、ありがとうカジュマー…ありがとぅ、ありがとうね
ーーーうぇっっへっへっへっへ…」
カ「生グセーーー!」

ア「私はもう汚されてしまたわぁ…。
今の汚れた私をアクシズ教徒が見たら信仰心なんてダダ下
がりよぉー!これでカエル相手に引き下がったとか知れた
ら美しくも麗しいアクア様の名が廃るわぁー。」
カ「日頃大喜びでおっさん達と汗まみれになって、風呂上
がりの晩飯と酒を何よりも楽しみにし、馬小屋で涎垂らし
て寝ている奴が汚されたとか今更…。」

ア「ウゥゥァァァァァーーーーーーーー!
神の力思い知れっ!私の前に立ち塞がった事、そして神に
牙を剥いた事、地獄で後悔しながら懺悔なさいっ!
ゴッドブロオオォーー!」
カ「おおぉっ!」
ア「ゴッドブローとは女神の怒りと悲しみを乗せた必殺の
拳っ!相手は死ぬっ!」
ア「クッ…。カエルってよく見ると可愛いと思うの〜♡
キャッ!」

ア「このあたしがいるんだがらながまなぁ…。」
カ「飲み込めー!飲み込んでから喋れ。」
ア「んっんっ、プハァーー!わたしは最上級職のアークプ
リーストよぉ。どこのパーティも喉から手が出るくらい欲
しいに決まってるわぁ!そんなわたしがちょろっと募集か
ければ、お願いです連れてって下さいっていう輩が山ほど
いるわぁ。わかったらカエルのから揚げもう一つよこしな
さいよ!はむっ!」
カ「へぇーーえ。」

ア「急募!アットホームで和気藹々としたパーティです♪
美しく気高きアークプリーストアクア様と共に旅をしたい
冒険者はこちらまで。
『このパーティーに入ってから毎日がハッピーですよ。
宝くじにも当たりました。』
『アクア様のパーティーに入ってから病気も治って
モテモテになりましたぁ♡』
採用条件、上級職の冒険者に限ります。」

めぐみん「募集の張り紙見させてもらいました。
ふっふっふっ、この邂逅は世界が選択せし定め。
わたしはあなた方のような者達の出現を待ち望んでいた!
我が名はめぐみん‼︎アークウィザードを生業とし最強の
攻撃魔法、爆裂魔法を操る者‼︎」
カ「えっと………。」
め「ふふんっ、あまりの強大さ故、世界に疎まれし我が
禁断の力を汝も欲するか。」
カ「ハァァァ?」
め「ならば我と共に究極の深淵を覗く覚悟をせよ!
人が深淵を覗く時、深淵もまた人を覗いているのだぁ。」
カ「冷やかしに来たのか?」
め「ちっ、ちがうわーいっ!」

カ「その眼帯はなんだぁ。怪我してるならコイツに治して
もらったらどうだ。コイツ回復魔法だけは得意だから。」
ア「だけぇっ⁈」
め「フッ…これは我が強大なる魔力を抑える、まずぃっく
あいてむぅ!もし外される事があればこの世に大きな災厄
がもたらされるであろう。」
カ「封印…みたいなものかぁ!」
め「まぁ、嘘ですがぁ。単にお洒落で着けてるだけ。」
カ「んーん‼︎
め「あぁ!ごめんなさい!引っ張らないでください!
やめ、やめろぉーーーっ!」

め「あぁぁ、ちょっとやめて下さい。今手を離したら…。
いいですか、ゆっくりですよ、ゆっくりいけば、
ちょっと、あぁーっ!いったい!目がぁーーっ!」
カ「悪い。からかってるのかと思った。訳の分からない事
ゆうしー、変な名前だしー。」

カ「因みに両親の名前は?」
め「母はゆいゆい、父はちょいざぶろーー!」

ア「見てなさいカズマぁ!今日こそは女神の力見せて
やるわぁーー!
震えながら眠るがいい!ゴッドレクゥイエムッ!
ゴッドレクイエムとは女神の愛と悲しみの鎮魂歌。
相手は死ぬっ‼︎やばっ…。」
カ「さすがは女神。身を呈しての時間稼ぎか。」

め「黒より黒く闇より暗き漆黒に我が深紅の混淆を望みた
もう。覚醒のとき来たれり。無謬の境界に落ちし理。無行
の歪みとなりて現出せよ!踊れ踊れ踊れ、我が力の奔流に
望むは崩壊なり。並ぶ者なき崩壊なり。万象等しく灰塵に
帰し、深淵より来たれ!これが人類最大の威力の攻撃手
段、これこそが究極の攻撃魔法、エクスプロージョン‼︎」

カ「めぐみん!一旦離れてっ‼︎えっ……?」
め「プッ!我が奥義である爆裂魔法はその絶大な威力故、
消費魔力もまた絶大。要約すると限界を超える魔力を使っ
たので身動き一つとれませぇん。」
カ「へぇぇぇーー。」
め「近くからカエルが湧き出すとか予想外です。
やばいです。食われます。すいません、ちょっと助けて…
うっ、クパッ…!」
カ「お、お前らー喰われてんじゃねーーー!」

ア「なまぐしゃいよぉ〜なまぐしゃいよぉ〜。」
め「カエルの中って臭いけど、いい感じにぬくいんです
ね」

カ「爆裂魔法魔法は緊急の時以外は禁止な。
これからは他の魔法で頑張ってくれよぉ。」
め「使えません。私は爆裂魔法しか使えないんです。
他には一切魔法は使えません。」
カ「マジか…」
め「まぁじです。」

め「私は爆裂魔法をこよなく愛するアークウィザード。
爆発系統の魔法が好きなんじゃないんです。
爆裂魔法だけが好きなんです!
もちろん他の魔法も覚えれば楽に冒険が出来るでしょう。
でもダメなのですっ‼︎私は爆裂魔法しか愛せないっ‼︎
たとえ1日1発が限度でも魔法を使った後に倒れるとして
も!それでも私は爆裂魔法しか愛せないっ‼︎
だって私は爆裂魔法を使う為だけにアークウィザードの
道を選んだのですからぁっーーーー‼︎」
ア「素晴らしい!素晴らしいわぁー‼︎非効率ながらも浪漫
を追い求める姿に私は感動したわぁー!」
カ「まぁーずい、この魔法使いはダメな系だぁ。
よりによってアクアが同調しているのがその証拠だ。
俺はこの2回の戦いでどぉーもこの女神ちっとも使えないん
じゃないかと疑っている。
はっきり言ってこれ以上問題児は…。」

め「我が望みは爆裂魔法を撃つことのみ。なんなら無報酬
でもいいと考えています。
そう、アークウィザードの強力な力が今なら食費と雑費だ
けでぇ…。
これはもう長期契約を交わすしかないのではないだろうか
っ…。」

め「どぉんなプレイでも大丈夫でぇすからぁー‼︎
先ほどのカエルを使ったヌルヌルプレイだって耐えてみ
せ…。」

カ「年上の美人相手ということで緊張し若干上擦った声に
なってしまったぁぁ。長い引き篭もり生活の弊害だぁ。」
ダクネス「んっはぁ〜///私の名はダクネス、ク、クルセイ
ダーを生業としているものだ。んっ、はぁ〜はぁはぁは
ぁ…是非私を、是非この私をっ///パッ、パパパパパパパー
ティーにーー‼︎///」
{/netabare}

(第3話)
{netabare}
ダクネス「さっきのドロドロの2人はあなたの仲間だろ。
一体何があったらあんな目にっ!///」
カズマ「あーいえー、ジャイアントトードに捕食されて
粘液…」
ダ「なぁはっ‼︎想像以上だ…///」

ダ「ちょっと言いづらかったのだが…私は力と耐久力には
自信があるのだが、不器用で…その、攻撃が全く当たらな
いのだ」
カ「やはり俺のセンサーは正しかったらしい…」
カ「あーわかった…こいつも性能だけでなく、中身も駄目
な系だぁ…」

アクア「あっ見て見てカズマ。どぉーよ、新しく習得した
スキル。水の女神たる私にふさわしいと思わなーい?」
カ「宴会芸じゃねえか、この駄女神」

めぐみん「さあ!私と一緒に爆裂道を歩もうじゃないです
かっ!んんっ!」
カ「あぁ、顔が近い…。」

カ「ちょっ、おち、落ち着けロリっ子。つか今3ポイント
しかないんだがぁ…」
め「ロリっ子………」
カ「あれっ?」
め「プッ……このわれがロリっ子……」

カ「宴会芸のくせに5ポイント!高ぁーーー!」

カ「おぉ!当たりも当たり!大当たりだぁーー‼︎」
クリス「いっ、いやぁー!パ、パンツ返してぇーー‼︎///」
カ「いーやっはぁーはっははぁー!うわぁーはっはぁー
ー‼︎」
ダ「何という鬼畜な所業…。やはり私の目に狂いはなかっ
たぁーーっ‼︎///」!

ク「財布返すだけじゃダメだって、じゃいくらでも払うか
らパンツ返してって頼んだら自分のパンツの値段は自分で
決めろって…」
カ「待てよっ!お、おい!待てぇー!間違って無いけど。
本当待てぇーー!」
ク「さもないともれなくこのパンツは我が家の家宝として
奉られることになるってぇ…」
カ「ちょーっ、まわりの女性冒険者達の目まで冷たいもの
になってるから、本当に待てって!」
ク「べぇ♡///」

め「なんですか、Lvが上がってステータスが上がったか
ら、冒険者から変態にジョブチェンジしたんですか?
あの…スースーするんでパンツ返して下さい///」

カ「特にダクネス。女騎士のお前なんて魔王に捕まったり
したら大変だぞぉ。それはもうとんでもない目にあわされ
る役所だっ!」
ダ「あぁ、全くその通りだ。昔から魔王にエロい目にあわ
されるのは女騎士の仕事と相場は決まっているからな。
それだけでも行く価値はある!///」
カ「えっ、あれっ?」
ダ「なっ、なんだ。私は何かおかしな事を言ったか?」

カ「緊急クエストってなんだ、モンスターの襲撃なの
か!?」
ア「言ってなかったっけ?キャベツよキャベツ!」

ダ「倒れたものを見捨てるなど…できる、ものかー!」
ダ「見られている。むくつけき男達が私の肌を見て興奮
しているっ!
何という辱しめっ‼︎///汚らわしいっ!どうだっ‼︎///」
カ「悦んでるッッ!」
冒険者「あんなになってまで人を守るなんて!」
冒険者「俺も騎士として見習わなければ。」
カ「ちがーう!みんな誤解してるぞ!」

め「我が必殺の爆裂魔法の前において何者も抗うことなど
叶わず。」
カ「ここにもややこしい奴がぁーーーーっ‼︎」
め「ふふふふふ、あれほどの敵の大群を前にして、爆裂魔
法を放つ衝動が抑えられようかぁ………いや、ないっ!」
カ「いやあるよぉーーーーっ‼︎」
め「光に覆われし漆黒よ。夜を纏いし爆炎よ。紅魔の名の
もとに原初の崩壊を顕現す。終焉の王国の地に、力の根源を
隠匿せし者。我が前に統べよ!エクスプロージョン‼︎」

ア「あの鉄壁の守りにはさすがのキャベツたちも攻めあぐ
ねていたわ」

ダ「それではカズマ。これからも遠慮なく私を囮や壁がわり
に使ってくれっ、うっふっ♡///」
カ「こいつはアレだ。ただのドMだ…。」

ダ「パーティーの足を引っ張るような事があれば、強めに
罵ってくれっ!なんなら捨て駒として見捨ててもらっても
いい。
うっ…そ、想像しただけで武者震いが…///」
{/netabare}

(第4話)
{netabare}
ダ「カズマはどんな時でも容赦ないな…へへっ…///」
カ「今はかまってやる余裕はないぞぁ。お前を超えそうな
勢いのそこの変態をなんとかしろよ。」
め「ハァッ///ハァッ///魔力溢れるマナタイト製の杖の
この色艶っ…ハァッ///ハァッハァッー///」

ア「カーズーマーさん?今回のクエストの報酬わぁ、
おいくら万円?」

ア「カ、カズマ様~!前から思ってたんだけど、
あなたって、その…そこはかとなく良い感じよね!」
カ「特に褒めるところが思い浮かばないなら無理すんな
ぁ!」
ア「かじゅまさ〜ん!私、今回の報酬が相当な額になるっ
てふんで持ってたお金全部使っちゃたんですけどぉーー!
ていうか大金入ってくるって見込んでこの酒場に10万近い
ツケまであるんですけどぉーーー‼︎」
カ「知るか!今回の報酬はそれぞれの者にって言い出した
のお前だろ!」
ア「だって私だけ大もうけできると思ったのよぉ!」
カ「最低ぇーだな…。」

ダ「ハァッ!免疫まみれっ!///」
カ「お前今興奮したろ」
ダ「してない…///」

め「紅き黒炎、万界の王。天地の法を敷衍すれど、我は万
象昇温の理。崩壊破壊の別名なり。永劫の鉄槌は我がもと
に下れ!エクスプローーージョン!」
め「燃え尽きろ、紅蓮の中で………はぁっ…
最高…デェス」

め「エクスプロージョン!」
め「ロージョン!」
め「ジョン!」
カ、め「ばっくれつ!ばっくれつ!ばっくれつ!」
め「ン!」

カ「ナイス爆裂!」
め「ナイス爆裂!カズマも爆裂道がわかってきましたね
ぇ。」

カ「この宴会芸しか取り柄のない穀潰しがっ!」

ア「いやぁぁーーっ!回復魔法だけはいやよぉぉぉ!
私の存在意義をうばわないでよぉぉぉー!私がいるんだか
らいいじゃないーーっ!」
め「カズマは結構エゲツない攻撃力がありますから遠慮
なく本音をぶちまけると大概の女性は泣きますよ。」
ダ「ストレスが溜まっているのなら代わりに私を口汚く
罵ってくれても構わないぞっ///」

デュラハン「ハァッ…ハァッ…毎日毎日毎日っ!
おぉっ、俺の城に毎日欠かさず爆裂魔法を打ち込んでく
る、あぁ、あ、頭のおかしい大バカはどぅあれだぁーー
ー‼︎」

デ「お前が…お前が毎日毎日俺の城に爆裂魔法をぶち込ん
でくる大バカ者かぁー!俺がぁ魔王軍の幹部だと知ってい
てケンカ売ってんなら堂々と城に攻めてくるがいい。
その気がないなら町で震えてるがいいー!
ねぇ?なんでこんな陰湿な嫌がらせすんのぉー?
どうせ雑魚しか居ない町だと放置しておれば調子に乗って
毎日毎日ポンポン!ポンポン!ポンポン!ポンポン!
打ち込みに来おって!
あったまおかしいんじゃないのか貴様らーー!」
め「我が名はめぐみん!アークウィザードにして爆裂魔法
を操る者っ‼︎」
「…………」
デ「めぐみんってなんだぁ?馬鹿にしてんのかっ!」
め「違うわいっ‼︎」

め「無理です。紅魔族は日に一度、爆裂魔法を撃たないと
死ぬんです」
デ「おーい!聞いた事がないぞそんな事!適当な嘘をつく
なよ!」

め「余裕ぶっていられるのも今の内です。
先生ぇーーっ!お願いしますっ‼︎」

ダ「なんて事だ…。つまり貴様はこの私に死の呪いを
かけ、呪いを解いて欲しくば俺の言う事を聞けと…
つまりはそういう事なのかっ‼︎」
デ「はっ⁈」
カ「ダクネスが何を言ってるのか理解したく無い」
ダ「呪いくらいではこの私は屈しはしない。
屈しはしないが、ど、どーしよぉー!カズマーー!///」
カ「はい、カズマです。」
ダ「見るがいい。あのデュラハンの兜の下のイヤラシイ目
をっ!
あれは私をこのまま城に連れ帰り呪いを解いて欲しくば
黙って言う事を聞けと凄まじいハードコア変態プレーを
要求する変質者の目だっ///」
ダ「この私の身体は好きに出来ても心まで自由に出来ると
は思うなよっ!城に囚われ魔王の手先に理不尽な要求を
される女騎士とか…
あーどーしよぉー!どーしよぉーカズマ///」
カ「はいはい、カズマです」
ダ「予想外に燃えるシチュエーションだぁ!
行きたくはない!行きたくはないが仕方がない‼︎
ギリギリまで抵抗してみるから邪魔はしないでくれー///」
ダ「では、行ってくりゅー///」
デ「きっちぃー!」
カ「やめろ行くなー!デュラハンの人が困っているだろぉ
ー!」

カ「勝手に盛り上がっていた俺とめぐみんのヤル気を
返せぇ…」

ア「よっ!勝利の花鳥風月!」
{/netabare}

(第5話)
{netabare}
ア「もぉー限界!借金に追われる生活!クエストよ!
あのデュラハンのせいでキツいクエストしか無いけど受け
ましょう‼︎お金が欲しいのっ‼︎」
ダ「わ、私は構わないが…///」
ア「おっ、お願いよぉーー!もう商店街のバイトは嫌なの
よっ‼︎コロッケが売れ残ると店長が怒るの!頑張るから!
今回私全力で頑張るからぁーハァッハァッハー!」
カ「惨めだ……この自称女神……」

ア「あたし、今から売られていく希少モンスターの気分
なんですけど…」

カ「決して使えない女神を湖に投棄しにきたわけでは
ない。」

ア「あたし、ダシをとられてる紅茶のティーバッグの気分
なんですけど…」

カ「水に浸かりっ放しだと冷えるだろうー。トイレー、
行きたくなったら言えよぉー!」
ア「うぅっ…アークプリーストはトイレなんか行かないし
ーー!」
め「なんだか大丈夫そうですね。
ちなみに紅魔族もトイレなんか行きませんからっ!」
カ「お前ら昔のアイドルかっ!」
ダ「わ…私もっ…///くぅるせいだぁーだからぁ…///
トイレはぁ…トイレはぁ…///うっ…ぬぬっ…///」

ア「檻がぁー!
檻が変な音立てているんですけどぉーーーー‼︎」

ア「ヒァーッ!メキっていったぁ!
今、檻から鳴っちゃいけない音が鳴ったぁぁぁ!」

ダ「あの檻の中ちょっとだけ楽しそうだな…///」
カ「行くなよ。」

カ「お…おーい。いい加減檻からでろよぉー。もうワニは
いないからぁー。」
ア「このまま連れてって……。」
カ「なんだって?」
ア「檻の外の世界…怖い…このまま街まで連れてって…」

ア「るーるーるるる♪でーがらーしーめーがみが
運ばれてーくーよー♪
きーっとーこーのーまーま売られていーくーよー♪」
キョウヤ「女神様ぁーーーー‼︎」

ア「さぁ!女神の私に何の用かしらっ♪
あんた誰ぇ?」

カ「言いたい放題だなぁ、この野郎。アクアの事ろくに
知りもしないくせに。」

ダ「おい!いい加減その手を離せ!礼儀知らずにも程があるだろっ!」
め「ちょっと撃ちたくなってきました…」
カ「って、それはやめろ。俺も死ぬ。」

カ「だいたいこいつらが優秀?そんな…片鱗…
一度も…見たことが…なぁいんだがぁっ‼︎」

ア「ちょっとヤバいんですけど…
あの人本気で引くくらいヤバいんですけどぉ…
ナルシストも入ってる系で怖いんですけどぉ…。」
ダ「どぉしよぉ…あの男は生理的に受け付けない…
攻めるより受けるのが好きな私だが、あいつだけは無性に
殴りたいのだが…。」
め「撃っていいですか?撃っていいですか?」

カ「真の男女平等主義者な俺は女の子相手でもドロップキ
ックを喰らわせられる男…。
手加減して貰えると思うなよ…
公衆の面前で俺のスティールが炸裂するぞ!」
カ「ぬっ…へへへへへへへっ…さぁどうする…
ぬぁっははははぁー!ほほほーれっ…ほほほーれっ…
あっ…いや…」

ア「あの男!今度会ったら絶対ゴッドブロー喰らわして
やるんだからっーー!」

キ「探したぞ!サトウカズマっ‼︎」
「君の事はある盗賊の少女に教えてもらったよ。
パンツ脱がせ魔だってね!他にも女の子を粘液まみれに
するのが趣味だとか噂になっているそうじゃないか。
鬼畜のカズマだってね‼︎」
カ「おーい!待てっ‼︎
誰がそれを広めたのか詳しくぅーー‼︎」
キ「アクア様。僕は必ず魔王を倒すと誓います。
ですからこの僕と同じパ………」
ア「ゴッドブローォォォォォォォォーーーー‼︎」
キ「はぁぁぁぁぁぁぁーーーー‼︎」
ア「ちょっとあんた、壊したオリの修理代払いなさいよ!
30万よ‼︎30万‼︎」

カ「さっき20万って言ってなかったかぁー?」

デュラハン「きっさまらぁー。なぁーぜ城にこないのだぁ
ー!このぉっ!人でなしどもがぁぁぁぁーー‼︎」
カ「はぁいっ⁇」
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 112

95.3 12 魔法で仲間なアニメランキング12位
この素晴らしい世界に祝福を! 第2期(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (2179)
11672人が棚に入れました
不慮の事故により異世界に転生した、ゲームを愛するひきこもり・佐藤和真(カズマ)は、「RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ!めざせ勇者!」という夢はイマイチ叶わないものの、なんとかそれなりに、異世界での日々を送っていた。転生特典として道連れにしてきた女神・アクア。一日一発しか魔法を撃てないアークウィザード・めぐみん。攻撃が当たらないクルセイダー・ダクネス。能力は高いのにとんでもなく残念な3人のパーティメンバーたちとも、なんとかそれなりに、クエストをこなしていた。―――そんなある日。機動要塞デストロイヤーの脅威からアクセルの街を救ったカズマたちに、王都からやって来た使者は言い放った。「冒険者、サトウカズマ。貴様には現在、国家転覆罪の容疑がかけられている!」……平凡な冒険者・カズマが過ごす異世界ライフの明日はどっち!?

声優・キャラクター
福島潤、雨宮天、高橋李依、茅野愛衣、原紗友里、稲田徹、堀江由衣、豊崎愛生、諏訪彩花、江口拓也、生天目仁美、西田雅一

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

2期も面白かった

原作未読。

2期も相変わらず面白かったです。
1期が面白いと2期は失速・・・ってアニメが多い中で、2期も変わらず面白いのは素晴らしいことだと・・・。

この作品を見ると、『声優さんって凄いなぁ』と感心させられます。
よくもまぁ、これだけ個性的かつ喜怒哀楽の激しい面々を演じられるものだと・・・。

この勢いで第3期も期待したいところです。

この作品の最大にして唯一の問題点は作画。
1期もそうだったけど、いい時と悪い時の落差が激しすぎ。
OP/EDの作画も個人的には首を傾げたいところ。
もう少し安心して、集中して視聴させて欲しいものです。
それでも、1期よりはマシになりましたけどね

投稿 : 2024/04/27
♥ : 102
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

どうやら祝福されたらしい

原作未読 1期は視聴済


1期に続きそのまま2期突入。後追い組は待つことを知りません。
1期と変わらず全10話の短尺に拍手!色気を出しても誰も文句言わなかろうにブレることはありません。
ついでにやや大雑把な作画具合もブレてはおりません。

大きな失点は無し!ノーマークだった昨シーズンで優勝し、他チームのマークも厳しくなってるのに連覇しちゃいました。そんな感じでしょうか?連覇の難しさはおおよそ想像はつくでしょう。
アニメ作品ならファンの期待値、制作側の気負い。おのずとハードルは上がってしかるべしの状況下、

 {netabare}“変わらない君でした”{/netabare}

うむ、手堅い・・・

1期では、
“笑点”“欽ちゃん”“ひょうきん族” 古典にして王道のコメディと評しました。すなわち、

笑点 : お題(クエスト)での珍回答
欽ちゃん : ウケてる間は同じボケを被せ続けること
ひょうきん族 : ED曲にクールダウンのしんみり曲

2期でも話数、作画もさることながら屋台骨を支える哲学がブレてないので、新ネタ{netabare}(逮捕~裁判、お見合い、温泉旅行){/netabare}を挟んでも安定感があります。
1期からの人気コーナーも健在でした。いやお笑い番組ではないんですけどー
{netabare}・蛙に飲み込まれるアクアさん達(しかも芸の幅が広がってる)
・爆裂ソムリエの日課(しかも威力も作画も強化されとる)
・カズマ死亡(しかも良い意味で死因が雑になっとる。エリス登場回数増え俺得!) etc{/netabare}
ちゃっかり底上げされるかたちでマイナーチェンジ。手堅さの中に改善も施されてるといったら言い過ぎでしょうか。

1期から観るにこしたことないですが、2期からの参戦でもさしたる問題はないでしょう。
2年目(2作目?)のジンクスを普段着野球で乗り越えました。連覇はマンネリと紙一重。その手前で踏みとどまった印象の本作は笑いの土台があるのでシリーズ化していけば、V9の巨人軍(生まれてないけど・・・)のようになるかもしれません。一時期のアントラーズ、箱根の青学に置き換えてもOK!
強すぎてつまらないと言われた先にリスペクトが生まれる可能性を秘めております。
そんな良作コメディの続編でした。


そして物語はあいかわらず進みません。{netabare}・・・と思いきや気づかないうちに匍匐前進してましたね。{/netabare}

※以下2期ネタバレ所感
■ルーツが明かされる主役たち
{netabare}ダクネスとアクアです。
ダクネスは名門ララティーナ家ご令嬢として描かれる回がけっこうありました。パパ(CV:井上和彦)も絡んでのキャラ掘り下げです。「自由に育てたら娘こんなんなっちゃった」って違うだろ!とこの父にして娘ありです。
アクアはそういえばこの人女神だったwwと思い出されるシーンが後半8話以降、随所にありました。ギャップ(落差)で人を笑わせるのに長けた人は泣かせることも容易だったり。たまに良い話が挿入されるので本作は侮れません。{/netabare}
{netabare}残りのめぐみんは自称ライバルゆんゆん登場はあったもののルーツ描写は希薄です。このへんは劇場版をお楽しみに!ということなんでしょうね。爆裂娘好きは“おあずけ”状態です。{/netabare}

■そもそも魔王討伐じゃなかったっけ?
{netabare}不可抗力とはいえ魔王軍幹部を個別撃破し続けてるんですよね。本人たちにその気がなくてもうっかりゴールまで辿り着いちゃうのではなかろうか。{/netabare}


ちょっと再評価したもの
■アクシズ教団の信徒たち
{netabare}1期で「あそこの教徒ってちょっとおかしい人が…」とまで言わしめた面々が満を持して登場。
とにかく営業が下手っぴ過ぎてツボでした。詐欺師ならもう少し上手くやりますもん。お馬鹿でも根はいい人そう。祀ってる女神様同様に憎めない信徒たちとそれを大切に想って行動するアクアに多少なりとも神々しさを感じた終盤です。{/netabare}

■「ララティーナって呼ぶな!」
{netabare}第1話アバンがふっかつのじゅもんの入力画面。ラストに「Thank you for playing」のドット文字。まんまですね。古き良きRPGへの敬意を感じます。{/netabare}
{netabare}結局ダクネスがララティーナ呼びを断固拒否してたのは4文字で私を呼んでってことだったのかな?
ゲームや競技を「する」「遊ぶ」を表す「play」。スタッフも作品で遊んでたように見えます。
(一緒に)遊んでくれてありがとう!って意味ならなかなか素敵だと思います。{/netabare}


お笑いには好き好きあれど、周回される方がぼちぼちいらっしゃることは、インパクトだけ一過性の作品でないことの証左でもあります。

未見の方はどうぞどうぞ。

個人的には、ダクネス知人の盗賊娘の登場時間が減らされてたのが残念で仕方ありません。



視聴時期:2019年3月 それと4月~6月の再放送

-----
2019.08.08追記
《配点を修正》+0.1(作画分)
 ※作画乱れを作品の特長としたことを評価


2019.03.21 初稿
2019.08.08 追記
2020.12.08 修正

投稿 : 2024/04/27
♥ : 99

こた さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

もちろん選ぶのは『続く』で!

通称『このすば!』で御馴染み、この素晴らしい世界に祝福を!の第二シリーズ。全10話。
この作品に2期があるのは紛れもなく、キャラクターが愛されたからだと思う。
なんで?と聞かれれば正直答えに詰まるけれど…(^^;
カズマ、アクア、めぐみん、ダクネスのこの4人、絶妙なバランスだと思いませんか?(;´∀`)二期はとくにアクアが何かと問題起こしていたような気もしなくもないですが、割とすぐ謝るし憎めないやつ(笑)
恋愛的な要素は取り除かれていて、カズマ(主人公)が率いるパーティとしての成長がメインといった感じ。
必ずどこかのタイミングで誰かがポンコツやらかすのは日常茶飯事で、想定内であり計算内。
ダサく見られがちだけど、一期からカズマはけっこう体張ってる
それでいても、ヒロインに恋愛感情は一向に芽生えず、相変わらず哀れみや慰めの目を向けられる始末w「クズマ」「カスマ」という扱い(笑)
そうしていくうちに、チームワークはどんどん素晴らしくなっていってる模様。
いかに個々の能力を生かすかということに考えを巡らせて、とにかく知恵で勝つ!というスタイルが出来てきている。
魔王討伐も夢のまた夢だったのが、意外に渡り合えるのでは?と期待を抱いてしまうほど。順調にいけばの話(^^;

作画は「このすばクオリティー」といえばいいのか、気の抜けた作画が目立つ(^^;
それでも、その浮いた分の予算があってかOPに本編にはない完全オリジナルアニメーションを付けたのは良かった。よく動いていて、何度見ても楽しめるし、一期よりさらにハツラツとした曲で余計盛り上がる(#^^#)
他の作品にこういう作画部分があれば問答無用で点数下げるんだろうけど、このすばなら許せるというか、逆に作品として良くなる不思議。

声優の演技は素晴らしいと思う。
とくにダクネスの、変態なんだけどどこか上品さもちゃんと持ち合わせた感じという演技がまさに。「エクスプロージョン!」も相変わらず(笑)

きっとこれからも、愛されるキャラとともに、"多くのアニメファンから愛され続ける作品"としての階段を一歩ずつ昇っていくのではないでしょうか^^

投稿 : 2024/04/27
♥ : 67

89.3 13 魔法で仲間なアニメランキング13位
ノーゲーム・ノーライフ ゼロ(アニメ映画)

2017年7月15日
★★★★★ 4.1 (851)
5111人が棚に入れました
それは一切の争いが禁じられ、全てがゲームで決まる
《盤上の世界(ディス・ボード)》が
創造されるはるか以前の出来事。
世界を統べる唯一神の座をめぐり、終わりの見えない大戦が続いていた時代。
天を裂き、地を割り、星さえも破壊し尽くさんとする凄惨な戦争は、
戦う力を持たない人間たちに理不尽な死を撒き散らしていた。
強大な力を持つ様々な種族に追いやられ、
存亡の危機に瀕する人間を率いる若きリーダーの名はリク。
一人でも多くの人間が明日を迎えるために心を砕き、
擦り減らす日々が続くある日、リクは打ち捨てられた森霊種(エルフ)の都で
機械仕掛けの少女・シュヴィと出会う。
機械には持ち得ぬ心に興味を持ってしまったことでエラーを起こしてしまい、
仲間たちから廃棄されてしまったシュヴィは、エラーを修正するため、
リクに《人間の心》を教えてほしいと頼むのだが……。
これは六千年以上もの昔に紡がれた
《最も新しい神話》へと至る《最も古き神話》。
記録にも記憶にも残らない、誰にも語られることのない物語が今、幕を開ける——。

声優・キャラクター
松岡禎丞、茅野愛衣、日笠陽子、田村ゆかり、井口裕香、能登麻美子、沢城みゆき、釘宮理恵
ネタバレ

みむう さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

みんなジブリール嫌いにならないであげてね(´・ω・`)

僕は小説でも読んで映画でも見ました。
{netabare}神が生まれる前のお話なので空白の二人が出てこないと聞いていたので「つまらないんじゃね?」と思いながら小説を読んでみるとあらビックリ
面白さがあるいつものノゲノラでした。そこにシュヴィとの別れのシーンで感動という要素が入りとても良い作品だなと思いました。
映画では声優さんが演じているのでより臨場感あふれるものに。大スクリーンで見るのと小説で読むのはまた違った面白さがありました。
あとシュヴィ倒したからってジブリールを嫌いにならないであげてね!
今はいいやつだから!{/netabare}
2期が来ることを期待します!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 9

くまくまちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

涙が止まりません・・・

 映画館は苦手で、暗いとすぐ眠くなり、過去には気付いたら終わっていたなんてことも度々あり、行くかどうしようか悩んでいました。
 最初の20分間ぐらいは、睡魔との戦いです。2度ほど落ちかけましたが、主人公リクとオートマタの少女との出会いからは、眠気が飛んでしまいました。
 舞台挨拶で松岡さん達が「ネタバレできないけど、とにかく泣ける。スタッフ達は4回見ても泣き続け涙が止まらない。」と言っていました。ノーゲームには、楽しくコミカルなイメージしかなかったので、何を言っているのか、さっぱり分かりませんでした。ポスターの雰囲気ではなんとなく戦闘シーンとかあるんだろうなとは思っていましたが、とてもシリアスで切ない恋物語で純愛ストーリーでした。
 恥ずかしいから絶対に泣かないと決意して観ていましたが、後半は、とにかく涙が溢れ出て、ハンカチがビショビショになりました。隣の男性は鼻水垂らして泣いているし、隣の女性もすすり泣いているし、とにかく館内の皆が同じ気持ちを共有しているんだなとヒシヒシと感じられる素晴らしい時間でした。
 素敵な作品に出合えて感謝です。ヨガに行ったときに感じる、心洗われるような気分に浸れる秀作だと思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 24
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

私の「感動したら負け」クリード(信条)を易々とクリアされてしまった!

この劇場版を見るまでは、異世界ファンタジー/異世界召喚ものジャンルで一番出来の良い作品は、『ソードアート・オンライン』シリーズで、対抗馬は『Re:ゼロから始める異世界生活』、そして『ノーゲーム・ノーライフ』は3番手かな、と何となく思っていたのですが訂正します。

①キャラクター&世界観設定の練り込み具合
②シナリオ自体の面白さ&作品から受ける感動ないし感銘の度合い

・・・を総合して考えると、同ジャンルでは、劇場版までを含めた『ノーゲーム・ノーライフ』が№1と考えます。

なお、上記3シリーズはいずれも原作未完(※アニメももちろん未完)であり、今後の展開次第で私の個人的評価もまた変わってくると思いますが、現時点で制作・放送(ないし配信・上映)されたアニメ作品を視聴した限りでは、個人的には本シリーズの今後に一番のポテンシャルを感じました。
というのも・・・

◆《トンデモ異世界ファンタジー》の顔をした《想定外の感動作》

本作は榎宮祐氏のラノベが原作ですが、アニメ制作スタッフは本年(2018年)の話題作『宇宙よりも遠い場所』(略称『よりもい』)とほぼ同じ方々です(監督・シリーズ構成・アニメーション制作会社が同じ)。
以前レビューした通り、その『よりもい』は“感動する”作品と事前に何度も聞いており、それなりに期待して視聴を始めたのですが、途中から「あれ?これハズレだな・・・」と気づき始めて、結局そのまま視聴し終えてしまいました。

因みに、英語表現だと“楽しむ”は have fun もしくは enjoy と能動態ですが、“感動する”は be moved と受動態となるのが通例で、私の場合も、アニメ作品は確かに大いに「楽しみたい」(※能動態)のだけれども、「はい、ここ泣くところですよ」みたいな制作側の誘導に簡単に引っかかって「感動させられ」(※受動態)たくないな・・・という拘(こだわ)りが以前からずっとあります。

⇒個人的に、これを「感動したら負け」クリード(信条)と呼んでいます笑。

私がアニメを見るときに一番大切にしている信条で、この「感動の壁」を超えるシーンに思いがけず出くわしてしまうと、その作品の個人評価が ★★ 4.5 を超えてきて、私の「お気に入り」作品の座に昇る可能性が出てきます。
(※実際には、この後さらに、その感動が「一時的なもの」に過ぎないのか、それとも「今後も継続的に感動できるもの」なのか、という厳格審査を実行するので、結局 ★ 4.2~4.4 程度の個人評価に留まる作品が大半ですが)

・・・で、本作なのですが、TVシリーズの時の視聴経験から、「はっちゃけた面白さには十分期待できると思うけど、感動できるタイプの作品ではないだろう・・・」と、さほど期待せずに見始めたところ、全体の2/3くらいを見終えたところで、思いもかけない《こころの震え》を覚えてしまい、「え?こんな作品に感動しちゃっていいの?」とビックリして、見終えて直ぐに、それが果たして正当な感動なのか、更に数回繰り返し視聴して自分に問いただしてみました。

結論からいうと、やっぱり本作は、

<1> よくあるような、音楽や演出などの技巧を凝らして視聴者の一時的な感動を喚起するタイプの作品(=一過性の感動しかない作品)ではなくて、
<2> 一見フザケた装いにも拘わらず、視聴者の感動が一時的なものでは決してない(=繰り返し見てもやはり確りと感動出来るくらいに)緻密に計算された設定&シナリオを備えた作品である、

・・・と思いました。

※なお、この「感動」には、前作であるTVシリーズ『ノーゲーム・ノーライフ』(※但し時系列的には劇場版の6.000年前の話)の事前視聴が、絶対必要とはいわないまでも、やはりある方がずっと良いと思うので、以下、併せて同TVシリーズの各話も再評価します。

《まとめ》
とにかく本作については、前作となるTVシリーズの、とくに第2-3話で、主人公たちの悪フザケに閉口して視聴を打ち切ってしまう方が多く発生している感じですが、そのTVシリーズが急に面白くなるのが第6話(ジブリール回)で、そのあとは最終話まで休みなしに駆け抜ける痛快さをもった《面白作》、そしてこの劇場版までくれば、視聴前は思ってもみなかった心の震えに出遭える《感動作》と思うので、これから初めて本シリーズを見始められる方は、何とか我慢してこの劇場版迄たどり着いて欲しいです。


◆制作情報
{netabare}
原作ラノベ      榎宮祐(『MA文庫J』2012年4月-刊行中)
監督         いしづかあつこ
シリーズ構成     花田十輝
脚本         花田十輝、あおしまたかし、下山健人、榎宮祐
キャラクターデザイン 榎宮祐(原案)、大舘康二(TVシリーズ)、田﨑聡(劇場版)
音楽         SUPER SWEEP(TVシリーズ)、藤澤慶昌(劇場版)
アニメーション制作  MADHOUSE{/netabare}


◆作品別評価

(1) 『ノーゲーム・ノーライフ』(TVシリーズ)  ★ 4.4   (2014年) ※計12話
(2) 『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』(劇場版) ★★ 4.7  (2017年) ※約1時間45分(4~5話相当)
----------------------------------------------------------------------------
  総合                    ★★ 4.5         ※計16~17話相当


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============= ノーゲーム・ノーライフ (2014年4-6月) ==============
{netabare}
第1話 素人《ビギナー》 ★ 対テト戦(チェス)
第2話 挑戦者《チャレンジャー》 ☆
第3話 熟練者《エキスパート》 ☆ 対クラミー戦1(チェス)
第4話 国王《グランドマスター》 ☆ 続き
第5話 駒並べ《ウィークスクエア》 ☆
第6話 一手《インタレスティング》 ★★ 対ジブリール戦(具象化しりとり)
第7話 死に手《サクリファイス》 ★ 希望の鍵
第8話 起死回生《フェイクエンド》 ★★ 種の駒、※特殊ED
第9話 解離法《スカイ・ウォーク》 ★ 対クラミー戦2(オセロ)
第10話 指向法《ブルー・ローズ》 ★★ 対いづな戦(テレビゲーム)
第11話 誘導法《キリング・ジャイアント》 ★★ 続き ※OP「おねがい☆すにゃいぱー」
第12話 収束法《ルール・ナンバー・10》 ★★ 続き、対巫女戦(コイン・トス){/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)5、★(良回)3、☆(並回)4、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.4

OP 「This game」
ED 「オラシオン」


============= ノーゲーム・ノーライフ ゼロ (2017年7月) ===========

全1話 ★★ 4.7 {netabare}TVシリーズより6,000年前に星杯(スーニアスター)を巡る古き神々&15種族の戦争を終結させた人類(イマニティ)の少年(リク)と機械種族(エクスマキナ)の少女型個体(シュビ)の物語{/netabare} ※1時間45分

主題歌 「THERE IS A REASON」

投稿 : 2024/04/27
♥ : 29

85.6 14 魔法で仲間なアニメランキング14位
ゴブリンスレイヤー(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (1035)
4972人が棚に入れました
「俺は世界を救わない。ゴブリンを殺すだけだ。」
その辺境のギルドには、ゴブリン討伐だけで銀等級(序列三位)にまで上り詰めた稀有な存在がいるという……。
冒険者になって、はじめて組んだパーティがピンチとなった女神官。
それを助けた者こそ、ゴブリンスレイヤーと呼ばれる男だった…。

声優・キャラクター
梅原裕一郎、小倉唯、東山奈央、井口裕香、内田真礼、中村悠一、杉田智和、日笠陽子、松岡禎丞
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

現実の魔物退治ってこういうことだよね・・・

原差悪未読。最終話まで視聴。

【衝撃的な第1話】
すでに多くの方がレビューされているので、詳しくは語りませんが・・・。

{netabare}衝撃的でしたね。
インパクトがありました。
ここで引いちゃう方には、残念ながら向かない作品と言うことになるんでしょうか。
そして、エロさとともに強調されたのがグロさ。

魔物退治って、現実にはこんな感じなんだろうなって思いました。
どこかファンタスティックに描かれることが多い魔物退治ですが、現実ってこうなんだろうな、っていう・・・。{/netabare}

【決して最強とはいえない主人公】
{netabare}かなり苦戦してましたね。
力で圧倒するというよりは、『知恵で勝つ』戦闘。

数で圧倒するゴブリンに苦戦するとか、結構リアル。
ここでも、現実の魔物退治を感じることが出来ました。{/netabare}

【ほのぼのほっこり日常パート】
{netabare}対照的に、日常パートは、ほのぼのほっこり!
平和な日常にホッとします。

ほのぼの日常パートと陰惨な戦闘パート。
このギャップが、この作品の魅力の一つかと・・・。{/netabare}

【物語を盛り上げる豪華声優陣】
小倉唯、井口裕香、内田真礼、東山奈央、中村悠一、杉田智和、松岡禎丞、日笠陽子・・・。
贅沢な声優陣ですよね!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 63
ネタバレ

dbman さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

想像力は武器…それがない奴から死ぬ

原作:ラノベ小説/放送期間:2018年10月-12月/全12話

最下級モンスターであるゴブリンのみを狩る冒険者・ゴブリンスレイヤーを描いた物語。

第6話まで溜まったので視聴しはじめたところ、「1話みたら止まらなくなる」状態で時間を忘れて一気に最新話まで観てしまった。

第1話からいきなり目を背けたくなるような残酷な描写が続くため、合わない方はここで脱落してしまうかもしれない。しかしながらそれ以降に登場するキャラクターたちにより作品全体の毛色が明るくなってくるので、早々に見切ってしまうのは勿体ないと記しておきたい。

{netabare}主人公のゴブリンスレイヤー(声:梅原裕一郎)は、言葉少ない孤高の戦士ゆえにその世間ズレした感性でちょくちょく笑わせてくれる。強い信念を持っているが、ロリっこ女神官とエルフからの指摘に素直に従うなどかわいい一面も。かと思えば、ひとたび戦闘になるとその格好良さが際立つ魅力溢れるキャラクターだ。

ロリっこ神官(声:小倉唯)はこのパーティーにおいて唯一経験未熟な新人冒険者なので今後どう成長していくのか楽しみ。

2000歳というエルフ(声:東山奈央)は、ちょうどいいツンデレさで物語を盛り上げてくれる。100歳のドワーフ(声:中村悠一)との絡みは冒険においてちょっとした束の間の癒しだ。

そしてリザードマンの蜥蜴僧侶(声:杉田智和)はその言い回しや戦闘スタイルがいちいち格好良く、一方で大好物となったチーズを手にした際の歓喜する姿は愛らしい限り。

これらのメイン5人だけでもお腹いっぱいになってしまうほど愛すべきキャラだらけなのだが、ギルドの受付嬢(声:内田真礼)や残念なイケメン槍使い槍使い(声:松岡禎丞)、怪しい雰囲気を纏う魔女(声:日笠陽子)などなどキャラクターだけをとっても飽きさせることがない。

また、もうひとつの冒険ストーリーといっていいのかわからないが、まだまだ未熟な新米戦士と見習聖女、ふたりの今後も気になるところ。{/netabare}

▼第8話
{netabare}前回あのような終わり方だっただけに、どうなってしまったのかとwktkしながら蓋を開けたら…。大した説明もなく復活していたことに少々戸惑ってしまったけれど、リザレクションという名のえっちしたら復活したいうことなのだろうか? そもそも死んだのか重傷だったのか。原作ではその辺りもっと詳しく説明されているのだろうか。ん~ん、ワカラナイネエ。{/netabare}

▼第9話
{netabare}剣の乙女とのシーン、夢の中でもゴブリンを倒しに行くというくだり、中々に痺れました。そんな無責任なこと言って大丈夫かとも思ったけど、ゴブスレならやってくれそうだw そしてシリアスからのゆるゆるシーン。前回登場したアイスが気に入ったのか氷菓子を作りたいだなんて、ゴブリン以外にも興味を持ったようで微笑ましかったw{/netabare}

▼総評
{netabare}序盤はゴブリンスレイヤーさん(以下、ゴブスレ)で幾度も笑わせてもらいましたが、次第に笑えるシーンは薄れていきました。ストーリーがストーリーなので仕方ないけれど、シリアスの中に挟まれる癒しの笑いが好きだったので素直に残念にも思ってしまった。

作中ではなかなか胸に突き刺さるセリフもあり、なかでも第2話でゴブスレが発した「想像力は武器だ…。それがない奴から死ぬ」というセリフには痺れました。この言葉って人生においても当てはまるなあなんて思ったり。

して、皆さんのレビューのなかにはレイプ描写がNGとの声もみられ、その辺り、当たり前に思ってしまうのは漫画や映画、海外ドラマなど観過ぎてしてしまっている弊害なのか…。この作品はあくまで、ゴブリンによって人生が狂ってしまった、あるいは殺されてしまった者たち…。兎角ゴブリンの醜悪さを伝えるためにもああいったレイプ描写が必要不可欠なものだったと思われます。

そういったものだからこそ、作中でも小バカにされているが、そんなことはどうでもいい、「で、ゴブリンはどこだ」とゴブリンしか眼中にないゴブスレの心情も伝わってくるし、大変魅力あるキャラとして目に映るものとなっていたように思います。

物語終盤での、自ら頭を下げてゴブリン退治を願い出るシーンは、予定調和だなあなんて多少穿った目で見てしまいながらも、それでも次々と冒険者たちが立ち上がっていくさまには、結局のところ心温まりながら顔が綻んでしまうものとなっていました。

冒険者たちの力を借りて見事ゴブリンの軍勢を打倒し、大円団とばかりに酒場での宴会を迎えるわけですが、兜を外すも視聴者側には見せないまま終えるラストは良かったと思います。そもそもこの作品、登場する人物の誰一人として名前がないんだものw レビュー書きにくかったわ!

ここで、槍使いが「なんかどっかで見たような…、クソッ! なんか気になる」と意味深なセリフ。そして最終最後ではマーベル映画シリーズを彷彿とさせる「ゴブリンスレイヤーは帰ってくる」の文字。これらから見るに続編は明らかなので、私としてはまだ先が観れるということが最高に嬉しい限り。そのまま、なにもないケースもあるので期待しすぎるのは禁物だけれど。

ちなみに、蜥蜴僧侶を杉田智和さんが演じていたことは分かったけれど、鉱人道士は最後まで中村悠一さんが演じているとは思えなかったw これまで観て来た作品に中村さんが出演しているものも相当数あったけれど、あのような別人にしか思えない声色での演技も出来るのね。中村さんの演技幅に感服させてもらいました。またラスボスとして登場したゴブリンロードは、まさかのにゃんこ先生w スタッフロールなどで知らなかったら井上和彦さんとは気づきませんでしたわ。
{/netabare}

▼キャスト
ゴブリンスレイヤー:梅原裕一郎
女神官:小倉 唯
妖精弓手:東山奈央
牛飼娘:井口裕香
受付嬢:内田真礼
鉱人道士:中村悠一
蜥蜴僧侶:杉田智和
剣の乙女:遠藤綾
魔女:日笠陽子
槍使い:松岡禎丞
ナレーション:悠木碧

▼作品情報
アニメーション制作:WHITE FOX
原作:蝸牛くも/小説:既刊8巻
監督:尾崎隆晴
脚本:黒田洋介
キャラクターデザイン:永吉隆志

▼主題歌
オープニングテーマ「Rightfully」歌:Mili
エンディングテーマ「Within」歌:Mili(第12話)

投稿 : 2024/04/27
♥ : 58

のか さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

異世界転生無双作品に飽きた人にお薦めですかね^^

原作(コミカライズ版のみ)既読 全12話

あらすじ
最弱のモンスター、ゴブリンのみを狩る冒険者のお話し

では感想を
グロいですね^^;
まあ、原作(コミカライズのみ)を読んでいましたので耐性は出来ましたけどwww

コミカライズの方がもう少しグロかったかな^^

女性への暴行シーンが沢山あります。
耐性がない人は要注意アニメです。

私は大丈夫でした(^_^)v
TL漫画の方がもっと凄い描写もありますのでwww

TL(ティーンズ ラブの略)漫画を知らない人はググってください。
簡単に言えば女性向けのえっち~本です
(〃^∇^)o_彡☆あははははっ

王道ファンタジー、主人公の成長物語です
最近流行りの主人公無双系ではありません

主人公が悩み、傷つき、倒れ、仲間たちと成長する物語
個人的意見ですが、かなり硬派なファンタジーアニメだと思います。


作画は気になる所はありません。
よく動いていたし、崩壊とか無かったです。
ただただグロい!

声優さんですが豪華でした!
めっちゃキャラに合っていると思いました。

音楽は作風に合っていて神秘的って感じですかねwww

キャラは普通です^^
主人公が個性的で後の冒険者さんたちは見た事あるタイプって感じです^^


グロい事さえなければかなり良作アニメだと思います。
でも確かに女性(10代)向けではないですねwww

でも私は視聴しましたwww
大人の女ですから(爆笑)

個人的意見ですが、主人公最強系ではないと思います。
最近、よくある無双状態アニメを期待すると裏切られますよ。

王道ファンタジーですが、視聴者を飽きさせない構成になっています。
最終話などはかなり良い感じです^^

グロ系に耐性があるのであれば、ぜひご覧ください
2期がありそうなアニメなので、私は追っていきたいと思いますwww



では最後に一言
絶望した~!派手さのないアニメに絶望した~!
この手のアニメは感想が非常に書きづらいんですよ!
派手な演出がない分、物語の深さを読み取らないといけないんですよ~!
でも、そこが良いから絶望するんです!
このアニメの良さを伝えられない自分の文章力に絶望した~!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 43

76.6 15 魔法で仲間なアニメランキング15位
転生したらスライムだった件(第2期) 第2部(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (417)
1773人が棚に入れました
主人公リムルと、彼を慕い集った数多の魔物たちが築いた国
<ジュラ・テンペスト連邦国>は、近隣国との協定、交易を経ることで、「人間と魔物が共に歩ける国」というやさしい理想を形にしつつあった。リムルの根底にあるのは元人間故の「人間への好意」……
しかしこの世界には明確な「魔物への敵意」が存在していた。その理不尽な現実を突き付けられた時、リムルは選択する。
「何を失いたくないのか」を―― ファン待望の転生エンターテインメント、暴風の新章に突入!
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

けじめの行方

(2021.7.6初投稿, 2021.9.24更新)

 ◎ 閑話1話 + 本編全12話(第37話~第48話)

❰第2期 第2部前半(第37-42話)迄視聴して❱
{netabare}
 GEM Partners株式会社がAmazonプライム・ビデオやNetflixなど様々な定額制動画配信サービスを横断して調査した結果(調査期間2021年4月3日~9日、4月10日調査日)、1位『呪術廻戦』2位『進撃の巨人』3位『転スラ』の結果となった。

 さらにその調査期間2021年1月2日~6月25日の結果では『転スラ』は6位になったが相変わらずベスト10入りで大したものだ。(因みにアニメだけでなく世界中のドラマやバラエティーも含んだ上でのランキングで、ベスト20の内日本のアニメが15タイトルを占めた)

 原作の累計発行部数は2021年5月時点で2,500万部突破。二期BD初動売上4,500枚。転スラは今が旬か。円盤売り上げ実績はそこそこ。だが圧倒的な原作売り上げと配信実績から転スラ3期制作の可能性は高いかもしれない。

 転スラのアニメは会話劇ばかりでスカッとしない、と特に2期になってから視聴者の不満の声はネット上でよく見かける。小説と漫画とアニメは違う、アニメはアニメらしく緩急自在に、バトルの見せ場たっぷりでテンポも良く、という意見もよく理解出来る。

 しかし私は転スラではアニメ現状肯定派。残り6話の時点では、会話重視で戦略の面白みが残る原作準拠の現状。これはアニメ3期制作を前提にしていると好意的に捉えている。

 これからテンペストを取り巻く外国勢力はさらに表面化する。軍事力と外交力は車の両輪。戦力だけ目立たせても片手落ち。短期で終わらせず長期シリーズにするなら、外交と安全保障の強みを会話劇でしっかり描く必要があると思う。

 私にとっては本作の物語の顛末は原作既読で既知であり、アニメではキャラのスポットの当て方、声優の演技による新たなキャラの魅力の発見などが楽しみ。2期後半でもそこは健在で魅力的。キャラクターが新鮮に輝き続ける限り、転スラのアニメは原作同様これからも応援し続けたい。
{/netabare}

❰第2期 全24話視聴して❱
{netabare}
 最後には視ている側も自然と笑顔になれるような締めくくりでとても好かった。第2部に関しては、放映前はオール4.0の作品評価からスタートしたが、3話目で一度評価上げて以来、一定以上のクオリティは保たれていて、最後まで変動する事はなかった。

 今期のOP「Like Flames」は、英語歌詞と激し過ぎないオーバードライブしたギターが印象的で、今までの優しさが前面に出ていたOPと違い、ロックビートに程よい緊張感と反骨精神が感じられて今期の物語に相応しく、初回から最終話までとても心地よかった。EDの落ち着きのある曲調の楽曲もじわじわその良さが伝わってきた。

 最終話放映後に、2022年秋に劇場版公開予定の発表あり。劇場版制作発表を9ヶ月の転スラ祭りの後に持ってくるとは、鉄は熱い内に打てとばかりの商業戦略の巧妙さに関心する。

 ただ、それは無いと信じたいが総集編のようなものだけは勘弁して欲しい。1期は2クールで書籍4巻分、2期が2クールで2巻分と原作消化ペースが半分に激減したので、ヒナタとの決着迄は描かれなかった。第1部でヒナタとの激闘が描かれた以上、そこはスッキリしていない。また、ラミリスのテンペスト移住の棚上げも気になる。第48話の最後、”to be continued”とあったこともあり、そこらあたりを補うための劇場版になる可能性は高いと思う。いずれにしてもどんな作品になるのか、今から非常に楽しみだ。
{/netabare}

❰原作既読視点の各話レビュー❱
{netabare}                (2021年 TOKYO MX 初放送日時)
★#00『第36.5話 閑話:ヴェルドラ日記2』(6月29日 23:00 - 23:30)
{netabare}
<総集編 + α>

 第1期第24.5話以来、久しぶりの『ヴェルドラ日記』第2段。平和で長閑な「転スラ日記」、そして抗争の世界の「転スラ2期」の後半の本編スタート直前、転スラ日記最終話の翌週に転スラ2期前半を主にする総集編に当たる今回が放映された。

 2021年1月からスタートした転スラ祭りだが、緩急自在でよく考えられた構成と思えて好印象。今回は基本的に過去の振り返りなので9割以上はバンク映像で構成されているが、若干の新規作画あり。アバンタイトルの40秒、Bパート半ば以降の、ラファエルとヴェルドラたちの会話の約90秒は新規と思われる。

 一部を除き、ほとんどがヴェルドラとイフリートの台詞で構成される今回。脚本家の労力は通常のエピソード時と変わらない。今回の主役となるヴェルドラ役の前野智昭氏はもちろん、イフリート役の八代拓氏にとって有意義で有難いエピソードだろう。特にイフリートは、本編だとまだあるかもわからない3期以降相当のエピソードまで出番ないはずなので、非常に貴重な出番と言えそうだ。

 今回の閑話は脚本上、よく出来ていたと思う。ヴェルドラとイフリートの会話は、約2年ほどリムルの胃袋中に閉じ込められていた二人のしばしの別れの前ということもあり、中々の深みがあった。またイフリートはシズに対する懺悔の台詞もあり、しみじみと味わうことが出来た。
{/netabare}
★#01『第37話 訪れる者たち』(7月6日 23:00 - 23:30)
{netabare}
<あらすじ>

 復活した暴風竜ヴェルドラを伴い首都に戻ったリムルは、早速皆に人型になったヴェルドラを紹介。そしてリムルは住民の注目下、ベニマルと一緒にシオンの手料理を食べることに...それは意外にも戦勝の慶びの味わいだった。

 その後、テンペストの危機に盟友として駆け付けた、自由組合ブルムンド支部のギルドマスターのフューズ、武装国家ドワルゴンのガゼル王。そしていきなりの未知の他国の重鎮の訪問。国を代表する彼らは、当然の如くリムルとテンペスト幹部達の会議に参加すると表明。面倒臭い話になりそうな予感。リムルの気苦労は戦時より戦後のこれからが本番になりそうだ。

<うざいほど騒々しいヴェルドラさん、シオン Ver.2、そして裏番長エレン>

 今回は、アニメ36話との整合性とテンポ重視のため相応に原作から改変されている。原作者に遠慮なく脚本家の個性が強く反映されている感があるが、そこに原作者と脚本家との信頼の強さが窺えた。

 アニメは原作小説や漫画と比べて色合いが全く異なった。特に台詞が原作と全く異なることが多いオリジナルな印象で新鮮で楽しかった。個人的には漫画版が一番好きだが、アニメ版も悪くない。何より色鮮やかな画と動きが多少の物足りなさを吹き飛ばしてくれる。

 シオンの料理ネタは個人的にはあまり好きではない。が、今回そこにたっぷり尺を取ったのは良かったと思う。テンペストの平和な日常が戻った象徴であり、一皮剥けたシオンを強調することで、新生テンペストの誕生を暗示するから。

 また、第1部終盤から転スラ日記に掛けて存在感が爆上がりのエレンだったが、今回ついにキャラクターとしての存在感は、テンペスト幹部級にかなり近づいたと思う。
{/netabare}
★#02『第38話 人魔会談』(7月13日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 リムルに敵対する魔王クレイマンの黒幕がユウキと明確化。テンペストが二度と他国に侵攻されないよう、仇なす者たちへのけじめの第一歩スタート。

<あらすじ>

● イングラシア王国、自由組合本部にて。

 自由組合グランドマスターのユウキに、中庸道化連のラプラスは、神聖法皇国ルベリオス(西方聖教会)潜入調査の報告を上げていた。そこにはユウキの秘書カガリも同席。実は彼女は、嘗て魔王レオンによって亡ぼされた魔王カザリームの、ユウキによって復活した姿。カザリームは中庸道化連会長でありラプラスとは200年ぶりの再会だった。どうやら良からぬ陰謀が水面下で進展しているようだ。

● ジュラ・テンペスト連邦国、首都リムルにて。

 ファルムス王国との戦後の対応のため、テンペスト史上初めての人魔会談が行われた。人類国家側は、武装国家ドワルゴン、ブルムンド王国、魔導王朝サリオンの代表が参加。そして魔物国家側はテンペストの幹部以外は、獣王国ユーラザニアの幹部らが参加。さらに新生ファルムス王国を担うヨウム達、この度の関係者となったエレンなど、かなりの参加者となった。

 会議開始早々にその場にヴェルドラ参入。その波紋と混乱で休憩の事態に。その休憩の間はリムルの執務室にてリムルとガゼル王、サリオンの全権委任大使エラルドとの実りある三者会談が行われた。

 テンペストは魔王と竜種が共存する世界随一の脅威の国と三か国にバレた。が、ガゼルとエラルドに知られたのは、むしろ最大の幸運。事実を都合良く改竄して、色々と上手く立ち回る知恵を与えてくれることとなった。

 またリムルとラファエルは、状況からヒナタ来襲の黒幕がユウキだと結論付けたのだった。

<優しいだけでは、人も魔物も生きていけない>

 今回、テンペストの明るい未来を暗示するかのように、屋外に用意した会議場がとても美しく見えた。

 最後、ラミリスが一期以来久しぶりの登場。登場の仕方は原作を超えた面白さ。アニメスタッフは、キャラの魅せ方を心得てる。個人的に、ミリムとラミリスは同列で大好きなキャラなので次回が楽しみだ。

 ディアブロ、シオン、ヴェルドラ、リムルによる、ヒナタ絡みのやり取りもアニメならではの演出で楽しかった。

 キャラクターがかなり増えた。EDのキャスト一覧で確認した限りの今回の出演声優は18名。今回は場面では登場してても、ベニマル、ソウエイ、ゲルド、カビル、ハクロウ、ゴブタ他多数は、物語上、台詞不要なので声優の出番は一切ない。脚本上当然だが少々寂しかった。
{/netabare}
★#03『第39話 ラミリスの報せ』(7月20日 23:00 - 23:30)
 音楽以外全ての評価4.0→4.5
{netabare}
<あらすじ>

 その後の会議にて、最重要な懸案の具体的解決策が次々と決定した。リムルの決断にはラファエル以外に、ガゼル王やエラルドと言った為政者の大先輩の叡智が大いに役立った。

 リムルがクレイマンと直接対峙する時は刻々と近づく。この場で友好国への根回しの手間も省け、友好国の後ろ楯の確約も取り付けた。諸外国に対する工作活動内容と役割分担も、間もなくつつがなく決定するだろう。一丸となった前進が始まろうとしていた。

 一方、魔王クレイマンの居城にてクレイマンはラプラスと会談中。そこでクレイマンはリムルを滅ぼすための策謀を語っていた。ラプラスはクレイマンに同意しつつも、クレイマンは誰かに踊らされているのではないか、と違和感を感じる。いずれにせよ、ミューランが存命中なのをクレイマン側の誰も知らない時点で、既に策謀には綻びが生まれていた。

<『第39話 ラミリスの出落ち』>

 前回に引き続き今回も素晴らしい。カット割の工夫、キャラの配置、台詞の掛け合いの組み合わせ、どれもが絶妙。トップ同士の会談は会議同様、一歩間違えれば単調で詰まらなくなる場面。今回も視聴者に会談の多くの決定事項を、飽きずに、なおかつ誤解無く伝える工夫も抜かりない。あっという間の24分だった。

 キャラに相応しい微笑ましいカット。ヨウム等の男気あるシーンも良かったが、居眠りゴブタの和みカットを挟むタイミングの絶妙さが特に印象に残った。今回の21名のキャストを、無駄なく無理なく適材適所で使いこなせてたと思う。

 ラミリスは、アバンタイトルの2分ちょっと、一方的な大言壮語の長台詞の後、勝手に気絶して出番終了。益ある事もなし。ラミリスらしくて愉快愉快。ラミリス役声優のJKギャルっぽい演技が嵌まってる。特にラミリスの"そよ風竜"発言が印象的。ラミリスがどんなにヴェルドラをディスろうと、始終漫画に没入してアウトオブ眼中のヴェルドラもいい味出てた。

 今回のサブタイトル『ラミリスの報せ』はラノベ第6巻第2章と同じタイトルだが、アニメ内容は第1章『人魔会談』の続き。

 つまりラミリスは第2章冒頭の、会議終盤のまとめ段階に会議場に現れるのが原作の流れだが、アニメではラミリスの登場を前倒しした。しかしラミリスは話の最後まで気絶中で、お報せ内容は不明のまま。

 結果として、ラノベや漫画でも味わえない独特の可笑しさが生まれた。アニメ制作者たちはセンスがいい。

 以上から今回、音楽以外の評価を満遍なく上方修正した。
{/netabare}
★#04『第40話 会議は踊る』(7月27日 23:00 - 23:30)
{netabare}
<あらすじ>

 ラミリスにより貴重な情報がもたらされた。

 ワルプルギス(魔王達の宴)と言われる十大魔王の会談が3日後に開催されるが、今回はクレイマン発議で、議題は『ジュラの大森林に新たな勢力が誕生しその盟主が魔王を騙った』とし、カリオンの裏切りがその背後にある、とクレイマンが主張するつもりとのこと。

 またクレイマンは配下の魔人たちに軍事行動を命じたとのこと。

 そしてソウエイ達の諜報活動にて、クレイマン配下No.1とされる魔人ヤムザの指揮下、軍勢3万がミリムの領地にて編成中と判明。

 そこからリムルとラファエルは、クレイマンの目的を見極める。

 既にミリムによって王カリオンは亡ぼされ、首都も消滅した獣王国ユーラザニア。その避難民はユーラザニア国内に散らばっている。そこにクレイマンはさらに軍を侵攻させ、その住民全てを生け贄として狩り尽くし、覚醒魔王に進化するつもりだと。

 ファルムス王国の戦後処理は、ヨウムと共にディアブロを派遣することで対処することになった。

 現状は、ユーラザニアの幹部と戦力の半分はテンペスト領内に駐留している。後手には回ったが、駒の配置を抜かり無く調整。テンペストとユーラザニア連合で反撃の時は近づく。

<浴衣柄 心豊かに 鮮やかに 和む主に 惹かれくる友>

 ラミリスのテンペスト移住の野望はいつ達成出来るのだろうか。

 今回、ここしばらく派手なアクションが全くないこともあり、作画も細部に目が行き届いて充実していた感。アニメ独自の高級旅館での和食の晩餐シーンが彩り豊かでとても和む。

 スイカ柄のラミリス始め、リムル、シュナ、ベニマル、ヴェルドラ、トレイニー姉妹の浴衣のデザインセンスが良く皆よく似合ってる。繊細で高級な美味しそうな料理と共に美しいハーモニーを奏でていた。

 大浴場シーンも久しぶりの登場でほっと一息。湯船でラミリスを接待するトレイニー姉妹はアニメ独自で新鮮。

 ヴェルドラやラミリスも巻き込んだクレイマンとの争い。戦闘はこれからだが戦略上はクレイマンは既に詰んでる感。今回は戦勝の前祝いのささやかな宴のようだった。

 私は原作の持ち味を損なわない丁寧さを望む派なので、今期の会議の尺を冗長と捉えるより丁寧で適切と捉える。原作の政治の駆け引きの面白さが必要十分に再現できてるので現状は満足。

 原作のラミリスとシオンの残念描写を適度に拾い上げ、アニメ独自に構成。その政治話の堅苦しさをやわらげる工夫も好印象。

 全体的に視覚においても脚本においても彩り豊かで楽しかった。

 ここまで視聴して制作陣は、アニメは原作よりもテンポ重視で、ということも考慮しつつも、それ以上に累計発行部数2,500万部の読者を裏切らない構成を心掛けていると感じた。
{/netabare}
★#05『第41話 会戦前夜』(8月3日 23:00 - 23:30)
{netabare}
<あらすじ>

 食後のひととき、デザートを前にしても楽しんではいられないリムルたち。

 このままではテンペストからだとユーラザニア国内への進軍は間に合わない。しかしその窮地にあって、ラファエルは安全かつ効率的な転送魔法の術式を完成させていた。

 これでクレイマンの裏をかくことができる。リムルにゆとりが生まれた。そこに、シオンの脳筋な発言がヒントで、リムルにワルプルギスの場でクレイマンと直接対峙するアイディアが閃く。

 ラミリスに問うと、リムルのワルプルギス参加は問題なさそうとのこと。そして魔王1名の随行者枠は2名で、シオンとランガがリムルの付き添いに。リムルの味方ラミリスにはベレッタに加え、自ら志願したトレイニーが付き添うことに。

 いよいよクレイマンへの反撃が動きだす。

 会議翌日早朝迄にユーラザニアの住民全てを、テンペストの受け入れ地点へ1人残らず転送して保護する。

 同日の日中、広場にて出撃準備を終えた軍勢一同がリムルの御前に集う。

「「「「「「勝利を御身(リムル様)に!!!」」」」」」

 リムルは、ユーラザニア1万とテンペスト1万の連合軍を、たった一度の転送でユーラザニア国内に送りだす。それは後手から先手に変わった瞬間。戦略上勝利は目に見えていた。

 クレイマン軍を待ち受けるのは、かよわい民草たちから、したたかな軍勢に化けたのだ。

<先手必勝の夜明け>

 ラファエルのアニメ解説は相変わらず解り易くていい。

 勝利を確信する総勢2万の軍が一同に揃った様が壮観。色彩豊かな画で、これは視覚的に原作では絶対味わえない醍醐味。勝利の予感にとてもワクワクした。

 次回、重要な新キャラの登場は間違い無いだろう。ベテランの石田彰氏他、新キャストがどんな演技で魅せてくれるか楽しみ。
{/netabare}
★#06『第42話 魔王たち』(8月10日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 新キャラに心踊り、ミリムの行動の謎の一部が明かされる重要回。特に、ギィ(cv石田彰)、ヴェルザード(cv井口裕香)、レオン(cv福山潤)の共演が見所。豪華キャストの演技は見応えあってとてもよかった。

<あらすじ>

● 魔王クレイマンの居城にて

 クレイマンはユーラザニア侵攻中の軍総指揮官ヤムザから、ユーラザニア国内に殺害対象の住民が一人も見つからないとの報告を受ける。暴風竜ヴェルドラの復活の噂もクレイマンの耳に入った。しかし頭の中はワルプルギスのことで頭が一杯のクレイマン。情報に対する冷静な分析を欠く。本来用心深いはずの彼だが、過信により己が策に酔いしれ既に勝った気でいた。

● 数ヶ月前の魔王"天空女王"フレイの居城にて

 仲のいい魔王ミリムがマブダチのリムルからのプレゼントを自慢しにフレイの居室に突然来訪。そこでクレイマンに借りがあるフレイは、クレイマンから預かったネックレスをプレゼントとだと偽りミリムに装着した。そのネックレスは支配の宝珠でそれを首に掛けた途端に禁呪法が発動、ミリムはクレイマンの操り人形になった。しかしフレイは何故かミリムでなくクレイマンを憐れむ。

● 最強最古の魔王"暗黒皇帝"ギィ・クリムゾンとその相棒の白氷竜ヴェルザードの居城"白氷宮"にて

 呼び出しを受けた魔王"白金の剣王"レオン・クロムウェルが来訪。ギィはレオンをワルプルギスに誘うがレオンは既に参加を決めていた。そこで話し合う様々なこと。特にレオンから初めて聞かされたヴェルドラ復活の情報は、ヴェルドラの姉であるヴェルザードには非常に関心高く、普段は魔王間のことには無関心なのに珍しく二人の会話に彼女も加わる。

 話し合いの中で存在感の増すリムル。ワルプルギスはクレイマンの発議以上に、リムルの参加の方がギィ達には興味深いものとなった。

<魔王リムルに暴風竜あれば、魔王ギィには白氷竜あり>

 リムルとヴェルドラも強いが上には上がいる。主人公の強さはチートのようでも勝ち目のない存在がミリム含めまだまだいるということ。それもまた転スラの魅力。

 転スラは、キャラの関係性と対立が生み出す政治戦略ドラマも見所で、特に今期で描かれる部分の原作は会話劇が主で戦闘は従。1期のテンペストがまだ少国だった頃とは訳が違う。特に今期の2部は残りも戦闘には期待しない方が無難だろう。

 ワルプルギスなど今後に必要な会話はまだたっぷりあるはず。戦闘も既に大方は気付いてる通り結果は始めから見えている。嫌な奴ざまあな快感はあれど、スリリングな見せ場はおそらくない。

 ここまでは思った以上に原作通り。下手にアニメで原作を大幅に改変して、アクション重視でその分会話を省略するなんてつまらない。この調子で最後までいって欲しい。

 今回は、ラノベ第6巻の丁度真ん中、第3章『会戦前夜』と第4章『因縁の地』の間に位置する幕間『魔王達』を基に構成された。

 前回のアニメのサブタイトルは『会戦前夜』、そして今回のサブタイトル『魔王たち』と、大まかでもラノベ原作通りの流れなのは興味深い。

 今回、細部は改変あるものの場面展開は幕間と全く一緒だった。これで第1期はコミックからが主にだったが、今期、特に後半は主にラノベからアニメ化されてるのがよく分かる。アニメは今期内でコミックの内容を追い抜くであろうから、ラノベを基本に構成するのは当然の流れか。

 転スラのアニメは、今までは始めから中盤までは割と原作に忠実でゆっくりでも、終盤でいきなり飛ばす傾向があった。ゆえに残り6話で原作のどこまでアニメ化するのかは予想出来そうで出来ない。今は3期に繋がるいい終わり方をしてもらいたいと祈るのみだ。
{/netabare}
★#07『第43話 開宴の合図』(8月17日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 初めての戦闘回で幕開けの2部後半。OP映像が一部改定。テンペスト幹部達のカットと魔王達のカットなど一部差し替えられた。ラノベ第6巻 第4章『因縁の地』の内容スタート。コミックでは第17巻が終わり、2021年7月8日に発売されたばかりの最新刊第18巻の内容に突入。

<あらすじ>

 リムルはワルプルギス参加の準備中。ラミリスの従者となるトレイニーに世界中自由に活動できるように体を与えた。

 ソウエイとハクロウはリムルに新たな進言を。ワルプルギス参加で主不在中のクレイマン城は攻略に最高の機会だと。結果、攻略はシュナも志願し3名で赴くことに。

 まさかのシュナの参戦に戸惑うリムルは笑顔固まる。

 その夜、ベニマルを総大将とするテンペスト軍の快進撃が始まった。

<巫(かんなぎ)シュナはある意味最強か>

 肉体と精神が極限まで追い込まれる戦争。戦場で明確に浮き彫りなるキャラたちの魂の本質が戦い方に現れる。

 戦争の勝敗を分けるその本質。王らしく泰然自若なリムル。大将らしく冷静沈着なベニマル。縁の下の力持ちらしい真面目で質実剛健なゲルド。天才だがヘタレのゴブタ。いかにも卑怯者らしいクレイマン軍のラムザ。戦闘ジャンキーその他大勢。

 しかし今回最も意外なのはシュナ。満面の笑顔に勝利の女神感漂う。怒るほどにおっとり笑顔の輝くシュナ。彼女ある限りテンペストは不敗なのではと考えてしまった。

 それは強運をもたらすという意味で。運も実力の内ではなく運こそ実力。シュナは将来結婚すれば、表面上は旦那を立てるだろうが、本質的にはかかあ天下になりそう。そしてその笑顔ある限り、旦那はいつも元気で嫁ぎ先の一族の繁栄は約束されそう。妻の明るい家庭は旦那が暗くても繁栄するという。その逆で妻が暗いと旦那の明暗関わりなく衰運を招くとも。よく言われる"勝利の女神が微笑む"とは、テンペストでは"シュナの笑顔が絶えない"ということと同義かもしれない。

<天然ゴブタはある意味最強か>

 原作によれば、ゴブタの辞書の"正々堂々"とは、敵に求めるものであり自分が守るものではない、とのこと。コミックリリーフの一翼を担うガビルも変わり身の達人のゴブタのコミックぶりには敵わない。格好良く登場してすぐにヘタレるゴブタ。ゴブタらしくて可笑しい。緊張感をぶち壊す相変わらず憎めないキャラだ。今回のゴブタ登場シーンは、漫画版は簡略されてるがアニメはラノベに忠実で漫画よりアニメの方が笑えた。
{/netabare}
★#08『第44話 因縁の地で』(8月24日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 原作通りで丁寧。前回にひき続きラノベ第6巻 第4章『因縁の地』の内容。コミックでは18巻の第80話『大妖の再来』と第81話の前半の一部相当。今回はアバンタイトル抜き。クレイマン軍との戦場での三つの戦闘描写のみで、この場に居ないリムルやクレイマン他は出番一切無し。

<あらすじ>

 クレイマン軍との戦いは大詰めを迎えていた。固有スキルにより戦場全体を俯瞰出来る指揮官ベニマルは、敵の中でもやっかいそうな強者に幹部たちをピンポイントでぶつけたがそれも決着に近づく。

 アルビスとゴブタvs敵指揮官ヤムザ、ゲルドとフォビオvs中庸道化連フットマンとティア、スフィアとガビルvs竜を祀る民たち。

 一番の危機的状況はヤムザがやっかいな災害級の存在に変異したこと。だがベニマル介入により事なきを得る。リムルに連なる者は、等しくリムルが魔王に進化した恩恵を実感する。手痛い敗北もあったが味方の命は落とさず。ヤムザを討ち取り最終的には戦争は大勝利。獣王国の戦士たちにも有意義な戦いだった。

<踊る道化師ティアはある意味最強か>

 前回はゴブタがシリアスブレイカーだったが、今回のシリアスブレイカーであり、全体的にも存在感においてMVPキャラだったのはティア(cv本渡楓)。アニメの絶妙な動きと声によって原作では味わえないキャラ立ちがあった。緊張感ゼロのおふざけ言動がユニークで異彩を放つ。フットマンも同類だがティア程の存在感は無かった。今回登場のキャラはバトルジャンキーがほとんどで尚更ティアが光った。話の流れと台詞のほとんどが原作通りでも、アニメでの動きと声の演技は新鮮な発見があって面白い。

 次に、ミリムを崇めている竜を祀る民最強の神官長ミッドレイ。コミックでも魅力あったがアニメでもなかなかの存在感だった。

 転スラは毎回キャラが多いため声優たちの競演が楽しい。次回は新キャラがまたもや登場するよう。どんな演技かとても楽しみだ。
{/netabare}
★#09『第45話 示指のアダルマン』(8月31日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 またしても新キャラに主役級声優複数採用。今回は死霊の王アダルマン(cv杉田智和)と”眠る支配者”魔王ディーノ(cv小林裕介)。今回はアバンタイトルたっぷりでEDは抜き。シュナの活躍と魔王集合の件、なかなか見応えあった。

<あらすじ>

 テンペストのリムルの執務室にて待機中だったリムル、シオン、ランガ。そしてラミリス、トレイニー、ベレッタ。そこに突如現れる転移門。迎えに現れたのは魔王ギィ・クリムゾンのメイドである原初の悪魔の一人ミザリー。彼らは門に繋がった先のワルプルギス会場に向かう。

 一方シュナは、ハクロウとソウエイと共にクレイマンの城の攻略に向かう。その途上に立ちふさがるのは、死霊の王アダルマンとその配下たち。配下たちの魂は主アダルマンの中にあり、アダルマンを滅しない限り何度倒して配下はすぐに復活してしまう。そこでシュナは、ハクロウとソウエイに配下の足止めを任せる。そしてシュナ単独でアダルマンに立ち向かうことになった。

 シュナはアダルマンの全ての攻撃を全て防ぎ圧勝した。しかし、シュナの判断により彼は消滅を免れる。実はアダルマンは束縛されてクレイマンの命令に従わざるを得なかっただけ。その結果、彼は拠点防衛機構としての兵器だった存在から解き放たれ自由の身になった。

 以後は自分を自由にしてくたれシュナに敬服し恭順する。しかも彼はリムルとの謁見を望み、敬う以上の信仰対象としてリムルに仕えたいという。なんとも想像の斜め上の展開。ディアブロと同類のアダルマンにシュナは苦笑せざるを得なかった。

 リムル達が到着した時、会場にいたのはギィのみ。そして続々と到着する魔王達。ミリムとラミリス以外は初対面。とりあえず、リムルとラファエルは魔王達の魔素量(エネルギー)を推し量ることで今後に備えるのだった。

<粉骨砕身して仕えてくれそうな配下ゲット>

 ハクロウやソウエイの強さも霞むほどのシュナ。たまたま敵との相性が良かったのかもしれないが、いつもの女性らしい姿からは想像出来ない肝の据わった強さ。原作読んでて流れ知っててもアニメの演出に惚れ惚れする。腕力を一切使わないスマートで美しい攻撃。リムルと共に進化した巫女姫の格の違いをアニメで一層堪能出来た。

 そしてアダルマンの配役を杉田氏にするとは面白い。アダルマンはその服従の暑苦しさが可笑しさを醸し出すタイプ。今回もその片鱗が伺えたが、アニメに来期あるなら杉田氏の演技の妙味を一層楽しめそう。

 クレイマンに向けるリムルの"楽に死ねると思うなよ"の今回の表情、コミックを基に作画されたよう。いつものリムルと違うギャップが効いててなかなか格好いい。

 次回は魔王オールキャストによる競演劇が楽しめそうだ。
{/netabare}
★#10『第46話 魔王達の宴(ワルプルギス)』(9月7日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 今回はOP抜きのたっぷり尺。原作では味わえないダイナミズム濃厚回。

<あらすじ>

 クレイマンの弁論からワルプルギスが始まった。それを黙って聴く魔王たちと従者たち。彼の虚偽の主張にはリムルは心底呆れ、怒りのボルテージはますます高まった。

 次にリムルの反論が始まったが、リムルは完全にクレイマンを論破。そもそも主張だけで証拠もないのに持論を押し通すクレイマンに他の魔王の誰も賛同する者なし。

 その後、リムル、シオン、ランガは、クレイマンとその配下2名との3対3の戦いでクレイマンを叩き潰すつもりだった。だがクレイマンは、自分たちが戦うより先に精神支配しているミリムをリムルにぶつける。

 3対4でも不利なのに規格外の強さのミリム参戦で焦るリムル。ギィは戦いの場に結界を張った。他の魔王もラミリス以外は彼らの戦闘に不介入で傍観するのみ。そのためリムルはぎりぎりの攻防で戦闘は膠着状態に。

 しかしその渦中、結界内に現れた仲間が二名あり。一方はラミリスの命によってベレッタ参戦で大歓迎。もう一方は、この場では本来歓迎できないのだが、来ちゃたものはしょうがないと諦めるしかないリムルだった。

<魔王認定試験はバトルで>

 声優演技とバトル作画のマッチングが素晴らしく、今のところ第2期全体の中で一番スカッとして面白かった。場面での登場キャラは多いが、声をあてるキャラは厳選の上で最小限にしたよう。そしてバトル演出に見所たっぷりだったことが功を奏した感。最後の引きは可笑しさも加味されてて巧い。

 今回の声優の出演者の中でも、特にリムルの岡崎美保の演技が見事に嵌まって格好いい。まだ20代前半の彼女だが、一期の頃より確実にリムルとの一体感が増して役になりきってる感。子安武人の演じるクレイマンのゲスぶりはさすが。巨人族の"大地の怒り"魔王ダグリュールに小山力也とは出番少なく贅沢だがいいチョイス。ギィの石田彰もベテランらしく場面を引き締めてくれた。

 転スラのアニメは、一期のハクロウの大塚芳忠から始まり今回に至るまで、キャラの年代に相応しいキャリア豊富な声優を要所要所でキャスティングしてくれるので、視てて非常に安心感がある。次回も楽しみだ。
{/netabare}
★#11『第47話 起死回生』(9月14日 23:00 - 23:30)
{netabare}
<あらすじ>

 結界内に突如現れたヴェルドラ。タイミング良くリムルの代わりにミリムにぶん殴られ、リムルのピンチを救う。以降、ミリムの相手はヴェルドラが担当。

 その後、ベレッタはクレイマンの操り人形のヴィオーラを解体。シオンはクレイマンの反撃を全て無効化してクレイマンをボコボコに、いつの間にか誰が勝者か確定していた。そして、ランガに任せたキツネの魔物ナインヘッドは、リムルがクレイマンの支配の呪縛を解くことで解放した結果、リムルに懐く始末。

 ミリムを暴走させてその場の全員を抹殺させようとしても、そんな命令は無視されるクレイマン。もはや勝ち目のないのは明らかで、彼の必死の悪足掻きに周りの目はますます冷えきっていく。
 
<クレイマンの油断と傲慢、それは後悔と悪足掻きへ>

 コメディ演出、特にBGMが少々大袈裟でいまいちだったが、最後3分位からのクレイマンのしみじみとした回想が話を引き締めて全体のバランスが良かった。ラファエルの嘆息も話のいいアクセントになってた。

 憐れクレイマン。一方的にやられっ放しで、弱い者いじめ感があって少し可哀想だった。しかしどんなに追い詰められても仲間を売らぬ矜持は立派だ。
{/netabare}
★#12 (第2期第2部 終)『第48話 八星魔王(オクタグラム)』(9月21日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 思った以上に原作に忠実で、丁寧に描かれて2期の終わりを迎えた。1期の半分のスローペース。なんと第2期第2部は全12話で書籍第6巻『八星輝翔編』の一冊の内容のみで終了した。

<あらすじ>

 ミリムは演技でクレイマンの支配下にあったことが判明。カリオンも存命だった。フレイもミリムの状況を察しクレイマンに従ったふりをしていただけ。

 結果、誰一人味方するものなきクレイマンはリムルによって完全に消滅した。

 そしてヴェルドラとミリムは、リムルとマブダチだということも全ての魔王に知れ渡り、リムルの魔王としての立場はもはや不動に。

 そのリムルの新参魔王の初仕事は、10+1-3=8名になった魔王たちの呼称の命名。そして誕生した名は、八星魔王(オクタグラム)。リムルはその一員として以降、"新星(ニュービー)"の二つ名で呼ばれることとなった。

 そして、ワルプルギスからテンペストに戻ったリムルたち。そこには住民たちの笑顔が満ち溢れていた。

<俺の名はリムル=テンペスト、一匹のスライムである>

 以下にある通り、アニメは一期と二期で同じようなリムルのモノローグの台詞で話を締めくくった。この脚本のセンスは素晴らしいと思う。

 どんなことがあってもリムルたちは変わらない。どれだけ強くなろうが自分は所詮、一匹のスライムにすぎないんだと語るリムル。

 どんなに己自身が強くなっても、配下も進化し軍事面、経済面で国力が上がっても、増長すること無く、国作りの原点を忘れていない為政者であれば、徳高くして国はますます発展する。

 国を愛する=国民を深く慈しむ。そんな王である主人公。配下が常に"さすリム"なのは当然と言えよう。そこがブレないから、話がワンパターンになっても転スラは愛され、原作もアニメも売れ続けるのだと思う。このワンパターンであっても少しずつ進化してる台詞が、3期の最後でまた聴けることを願いたい。視聴者の中には、本作のワンパターンを馬鹿にする向きもあるが、普遍的な本質がそこにある以上、ワンパターン上等である。アニメがどこまで続くかはわからない。出来れば原作の結末まで描いて欲しいものだ。

第23話、リムルの最後のモノローグ

 "なんということもない、普通の人生を歩むはずだった男は、通り魔に刺されて死亡し、異世界に転生を果たした。暴風竜ヴェルドラ、そして一人の女性の想いと姿を受け継ぎ、幾度もの危機を乗り越え、様々な種族の魔物をまとめて、国を作り、子供たちを救った。その名はリムル=テンペスト、一匹のスライムである。"

第48話、リムルの最後のモノローグ

 "なんということもない、普通の人生を歩むはずだった俺は、通り魔に刺されてスライムとして異世界に転生し、魔物たちの国を作った。(しばしの間)...仲間を救い、敵を倒し、遂にはオクタグラム、8人の魔王の一人となった。俺の名はリムル=テンペスト、一匹のスライムである。"
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 7
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

横綱相撲

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
説明不要のビックタイトルの、本編としては4クール目。

まあ、世間的はあまり人気でない展開かなと思いつつ、個人的にはかなり好きでした。レビューでは、その理由と、今後期待することを。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
序盤からかなり長々と会議をやってて退屈だという意見もあるだろうけど、うちの会社の会議に比べればだいぶ面白い(笑)

というのは事実だけど冗談として、私はあれを「横綱相撲」だなと思った。たかだかこの程度の退屈さでは人気が揺るがないという自信があるからこそ、丁寧に原作を消費できるんだろうな。あんな会議、その気になれば1話にスッキリと収められるでしょ。

私は「建国モノ」と「戦記モノ」が大好きです。その両方の要素がある本作が楽しくないわけありません。

「建国モノ」で好きなのは、仲間や施設が充実していく過程。これ多分、ガキの時に「幻想水滸伝」をやりまくっていたせいです(笑)

転スラ、特に本作の中盤~後半はサブキャラ達のバトルが見られて楽しかった。個人的には、ベニマルとゲルドが好き。ゲルドは「転スラ日記」で特に好きになったキャラ。私の場合、ラブコメもサブヒロイン萌えだし、バトルも副将燃え(四天王とか好き)なんで、サブキャラが魅力的なのは大事です(笑)

「戦記モノ」で好きなのは、世界地図を大きく見ていくような展開。「戦術」ではなく「戦略」の話。これはまあ、「銀河英雄伝説」の影響が大きい。4話目の国家間の思惑も良かったし、最終話でミリムに2ヶ国が従属するのも熱かった。

あとはまあ、「英雄譚」も好き。当然「ロードス島戦記」の影響がでかい。リムルはどんどん出世するけど、「英雄」とは少し違う感じ。むしろ怒っていたり残忍になったりする時の方が魅力的に感じる。3クール目の後半からの(魔王になった)リムルは好きです。どうせチートなら、初期の頃のようなヘナチョコじゃなく、スッキリ最強でいてくれた方が好み。

個人的には、この作品の分水嶺になるのは、オクタグラム内のパワーバランスだと思います。

現状、リムル・ギィ・ミリムが、個人としても勢力としても三強で、どうせリムルが最強になるんでしょうけど、これが、「リムル 対 残りのオクタグラム全員」でもリムル(ジュラ・テンペスト連邦国)が勝つようだと、もう魅力がなくなると思います。誰が味方につくか敵につかでどんどんパワーバランスが変わってくる展開なら、まだまだ楽しめそうです。

次は劇場版ですか。この作品とは、長く付き合っていきたいので、本作のようなスローな展開でも、個人的には歓迎できます。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
アルティメットスキルが4つて、どんだけ強いんだよ(苦笑) 1つでもあれば、魔王クラスという解釈で良いんだよな? ベルドラ、明るいキャラで目立つな。ユニークスキル、料理人。個性を失ってないか? まずはワクワク感があるスタート。

2話目 ☆3
会議。かなり地味な展開も、自信の現れか。

3話目 ☆3
会議だけで2話またぐなんて、珍しいアニメだよな。

4話目 ☆4
そうそう、私が好きなのはこういう大きな話なんだよね。

5話目 ☆3
軍隊丸ごと転送はエゲツナイな。

6話目 ☆4
戦力の充実と分散。まあ、基本だな。これだけテンポ落として成立するのが凄いよな。

7話目 ☆4
バトル始まるとやっぱり面白いね。

8話目 ☆4
日常系? シュナ、強ぇな。もっとじっくり見たい相手、バトルだったな。アンデットが仲間になりたそうにこちらを見ている(笑) キャラ変わりすぎだろ(笑) 怒るリムル、良いね。

9話目 ☆4


10話目 ☆


11話目 ☆4
サザンアイズ(笑) CAPCOMに怒られるぞ(笑) ミリム、操られていなかったか。魔王という役目。カザリームが黒幕。クレイマンも、死に際にキャラが立ったな。あくまで利己的に、どこまでも純粋に。

12話目 ☆4
クレイマン、見せ場なくだな。一匹狼だったミリムの配下が増強され、国を持つか。胸熱の展開。魔王、、、モドキとはいえ、1の配下が瞬殺か。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 32

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「魔王」がいっぱい(笑)!→ 劇場版決定おめでとうございます!

== [下記は第4話まで視聴終了時のレビュー: 以下、追加あり。] ==
『転生したらスライムだった件』1期目(2クール)+ 2期目前半クールの続きです。ここまでの本編を観ていないと、お話し的にはさっぱり意味不明なはずです。スピンオフの「転スラ日記」を観ていなくても大丈夫ですが、本編を観ていない人はとりあえずさようなら…。



主人公のリムルはネタ的にモンスターとして最弱クラスの例に挙げられがちな「スライム」に転生していますが、本作開始時点ではスライムなのは完全にネタで、作中でもリムルが最強というわけではないにしろかなり強いです。

1期目でのゴブリンの集落の拡大から周辺の魔物たちを取りまとめての「ジュラ・テンペスト連邦国」の設立やいくつかの既存国家との国交樹立、2期目前半クールでの首都リムルおよび街道の整備などの勢力拡大に伴うファルムス王国との摩擦からの開戦を経て、本作はその戦争の後始末から始まります。

ここまでのお話で作中世界には「魔王」と呼ばれる存在が複数いて、リムルと直接面識があるのがラミリス、ミリム、カリオンの三名、名前を知っているのがシズさんの一件で名を聞いているレオンと直接敵対しているクレイマンの二名、そして別途作中で名前が出ていたフレイの六名が出てきています。

他にも「魔王」がいるらしいのですが、それらは一体何者なのか…?


……ということでちょっと気になったので、今だと「ピッコマ」でアニメ化部分以降も含めて結構原作を読むことができるので、2期目前半クール終盤くらいのところから何となく読み始めてしまったのですがこれが面白くて、たぶん今期アニメ化される以降まで読んでしまっています。

転スラは確かにバトル要素もあるんですが、今期のように(世間では不評との噂も聞く)バトルしていない時期の方が、個人的には好きだったりします。ということで、なかなか話が進まないとじれている向きもあるかとは思いますが、私はけっこう毎週楽しみに観ています。
== [第4話まで視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.9.22追記:
第12話(最終話)まで視聴終了しました。

当初レビューで書いた通り、現存の魔王達が勢揃いする形でキリ良く終わりましたね。クレイマンの「小物界の大物」感が素晴らしかったですね。仲間たちとの回想で盛り上げるのはズルい(笑)。まるで、主人公のようだ…。

魔王であることは絶対的な強さの指標ではなく、魔王という地位なのだということが印象付けられるこのクールでしたね。

劇場版は普通にここまでのストーリーの続きとして制作するなら「聖魔対立編」+α的な内容になるのでしょうかね?

投稿 : 2024/04/27
♥ : 32

76.6 16 魔法で仲間なアニメランキング16位
陰の実力者になりたくて!(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (439)
1346人が棚に入れました
『我が名はシャドウ。陰に潜み、陰を狩る者……』 みたいな中二病設定を楽しんでいたら、まさかの現実に!? 主人公でも、ラスボスでもない。 普段は実力を隠してモブに徹し、物語に陰ながら介入して密かに実力を示す「陰の実力者」。 この「陰の実力者」に憧れ、日々モブとして目立たず生活しながら、力を求めて修業していた少年は、事故で命を失い、異世界に転生した。 これ幸いと少年・シドは異世界で「陰の実力者」設定を楽しむために、「妄想」で作り上げた「闇の教団」を倒すべく(おふざけで)暗躍していたところ、どうやら本当に、その「闇の教団」が存在していて……? ノリで配下にした少女たちは勘違いからシドを崇拝し、シドは本人も知らぬところで本物の「陰の実力者」になっていき、そしてシドが率いる陰の組織「シャドウガーデン」は、やがて世界の闇を滅ぼしていく――。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

面白いですが作品の評価は2期が来るかですね。追記2期決定ですね。

 キャラや演出で魅せてくれました。かなり面白かったと思います。それぞれのエピソードについてちゃんと数話ごとに完結していく構成なので、飽きなかったんだと思います。

 冒頭のスタートからはアルファを初めハーレムものになるかと思いきや随分変わった展開の仕方でした。「ワンパンマン」的といえばいいのでしょうか。すべての努力を相対化してしまう、滑稽な部分に面白さがあるのでしょう。

 主人公ではなく、どうやらアルファの正体とか裏の歴史に謎があるようで、その部分を楽しみにしていますが、終わってしまいましたね。

 面白さでは評価できると思いますが「作品」としての評価は難しいですね。アニメとしての完結は放棄した感じです。ただ、20話を初めからやるのだから、勝算があっての事でしょうし2期の期待も出来そうですので「作品」評価はまた後程ですね。

 ですので、アニメとしての評価はストーリーは割り引くしかないですね。キャラは非常に良かったです。出てくる女性キャラたちの苦悩がもう少し深掘りできていれば、すべてを無意味にしてしまう主人公との関連でテーマ性が出たかもしれませんが、そこは機能せず、むしろギャグになってしまいました。

 EDの曲は良かったですね。やっぱりアルファの声がいいかなあ。止め画がちょっと手抜き感がありました。本編の映像の使いまわしでいいので動かしてほしかったかなあ。


追記 2期決定したので評価少しあげます。なお、原作の小説の方、全部買っちゃいました。オバロくらいあるのかと思ったらまだ05までなんですね。それでも、話の展開が意外すぎてかなり面白かったです。なろう、ではもっと先まであるんでしょうか。ただ、やっぱり紙の本が読みやすいので新刊どんどんだしてください。

 で、1期のOPって…ひょっとして…???



4話 面白過ぎて草。演出もいい。異世界という分類を越えて良作の予感。

{netabare} いや、構成も演出もキャラ作りも最高です。1話1話の話の展開が明確でそれぞれのエピソードに見せ場もあるので、本当に見ごたえがあります。1話の入り方も良かったですね。「世界最高の暗殺者…」的構成でグッと物語に引きこまれます。

 設定は開き直って、中世といいながら20世紀後半でなぜか電気がないという風情ですが、気になりません。舞台がストーリーにあまり関係ないからでしょう。

 そして3話から4話ですね。プリンセスの妹さん。最高ですね。劣等感とプライド、性格造形が見事に素晴らしいキャラを作っています。今のところ感情的に乗れるのはこの子ですね。姉に対する妹・弟、平凡な武術と言う面での主人公との共通性が今後どう活きてくるのか楽しみです。

 そしてシャドウガーデンという組織の再登場のカタルシスもかなりのものでした。主人公の勘違い設定があまりしつこくなければいいのですが、これでずっと行くのでしょうか?

 演出で瞳のアップを使うのが一貫しているのがいいですね。低予算対策かもしれませんが、効果的に瞳で感情や思惑を表現していますし、演出の力量を感じました。
 背景がペラペラな感じで低予算ぽいとはいえ、作画は丁寧だし、キャラデザはそれぞれのキャラに個性がありますし、演出が上手いので、全体としてはストーリーを楽しむ分には十分な画面作りが出来ていると思います。

 これだけの良作です。小説とコミカライズからのアニメ化ということで連載ものの欠点で、どんどん薄まってゆく危惧はあります。是非アニメ版での完結で構成させてほしい。続きがあるにせよ、1期で一応の目標を完結させてほしいです。

 OPがちょっと面白いですね。本当にストーリーに関係するんでしょうか。現世にシャドウガーデンが来たら面白そうです。イメージだけかな?{/netabare}


5話 「ルルーシュ」+「魔王学院の不適合者」そこに「オバロ」のプレアデスがくっついた感じでしょうか。つまり、面白いです。

{netabare} 配信時間が楽しみな作品は久しぶりというより、初めてかもしれません。ちょっとはまってしまいました。

 背景美術が安っぽいかと思ってましたけど、改めてみるといいですね。低予算かと思いましたけど、結構いい感じです。実際、止め画は多いので潤沢に予算があるとも思えませんけど、細かい演出に見るべきところが多いです。
 王女様(妹)が落ちる剣を掴むシーンとか心象映像としてなかなか見せていました。なかなかの画作りだと思います。EDも止め画ですけど演出で魅せてますので、工夫が上手いんでしょうね。

 その、EDとかOPなんですが、王女様が登場してないということは、ゲストキャラなんですかね。モブでもいいので絡んでほしいなあ。

 それにしても「アイアム〇〇〇ッ〇」は大笑いです。この外連味は「魔王学院の不適合者」を思い出します。印象としてはキリト君っぽいですけど、ルルーシュの「ゼロ」のほうがイメージが近いですね。
「ぷれぷれぷれあです」的なスピンオフもいつの間に始まっていましたので、「オバロ」のプレアデスは意識はしていると思います。

 スピンオフは下手をすると作品世界がメタ的になってしまい、本編の真面目な部分が楽しめないので、もうちょっとずらしても良かった気がします。{/netabare}


10話 やっと本性が現れました。本作はエロギャグアニメですね。

{netabare} キャラ作りのための少しシリアスな展開もありますが、ここまでやられるとさすがにわかります。そう、つまり本作は真面目にやっているように見せかけたエロギャグアニメということでしょう。時代考証とかやる意味はゼロです。何でも有りですね。

 やっぱり作品のコンセプトはオバロと似ている気がします。ただ、オバロより更に、エロギャグが強めということで。俺TUEEEがオチになっているのもオバロっぽいです。
 本作はそれに加えて、各ヒロイン毎のエピソードが面白くできているのが、いいですね。

 本作は真面目に考察してはいけない、エンタメ作品の位置付けで楽しませてもらいます。10話はちょっとふざけすぎですけど。{/netabare}



13話 あれ?続くの?アルファが重要な役みたいですね。

{netabare} なんか続く感じですね。かげじつが作られてたので力は入っていると思ってましたが…なんか、作画もいいし、キャラも女ばっかりなのにあまり混同しないし。
 あれだけ複雑な髪型の作画が破たんしないのは、CG技術?最近ほとんどのアニメの作画ってモデリングになったのかなあ???それにしては、遠景でも破綻がありません。うーん。やっぱり単なるCGペイントっぽい感じです。いずれにせよ、本作の髪の毛の作画は本当に良いです。「明日ちゃん…」みたいな動きのレベルの高い良さではないですけど。13話、イプシロン良かったです。デルタもいいですけど。

 最後の赤い画面の演出も、出崎演出(低予算アニメを逆手にとった止め画の演出。予算関係なく意図的にも使います)っぽくて良かったですけど、そこは線画で行こうよ、という感じもしました。

 この先続くと思わなかったので、2022年のベスト10に入れませんでしたが…うーん。どうしよう?エンタメとしては優秀でも深みがなあ。アレクシア王女の深掘りが出来ていればなかなか、良かったと思いますが、どちらかといえばギャグよりですからねえ。

 アルファがなんかありそうですね。前から出番がもっとないかなあ、と思ってましたけど、あのツンがいいです。アルファの過去に何かあったとしても、うーん、物語上の展開は楽しみだけど、深みにつながるか…あるいはエンタメ極振りでいくか。{/netabare}


17話 なんか中世世界みたいな設定を守る気が無くなってて草。話が進むたびに現代的になってる?

{netabare} 宿泊施設はビジネスホテルだし、道路にセンターラインはあるし、化粧品のコンパクト、地下鉄、グランドピアノ…って挙げるのが恥ずかしくなるくらい現代じゃんという感じです。完全に遊んでますね。話が進むたびに現代的になっている気が…

 これもギャグだとしたらなかなかのセンスです。それにしてもキャラがいいなあ。王女様かわいい。{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 22
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

中二病を極めし者

【紹介】
古代文字とか、二つ名とか、古の遺跡とか、黒マント集団とか、コロシアムとか、戦ってる最中に雷鳴とか、炎に包まれるとか、選ばれし血とか、アトミックとかエモいよね・・・?
横文字の言葉とか、それっぽく発音できたら超カッコいいよね?
そんな中二病の男子が憧れる「カッコいい」が詰まったアニメ

【感想】
最初は中二病の夢の塊に話を後からくっつけた感じっていう印象だったけど、実は中二病の本質をよくとらえた作品で、突き抜けたこだわりが感じられて良い作品でした

主人公は中二病から卒業できず周囲から浮いていることに寂しさを感じているところがあって、彼の夢が現実になったファンタジー異世界にきても浮かれっぱなしってこともなく、周りが中二病設定に合わせてくれていると勘違いしているなど、どこか現実的な思考を捨てきれてない部分があるんです、でも周りが合わせてくれてるんじゃなくて、自然と中二病的においしい展開になっているだけ
この中二病にツゴウノイイ世界は、中二病を拒絶する世界に寂しさを感じている主人公へのプレゼントみたいなものなのかなって思った

私には中二病の感覚がわからなくて主人公の気持ちに共感できないし、まったくカッコいいと思えないけど、主人公のアイデンティティがぶれずにしっかりしているのは凄いと思ったし、まじめとふまじめの緩急がちょうどよくて面白いアニメでした!

【主人公が陰の実力者にこだわる意味とは?】{netabare}
陰の実力者って主人公のアイデンティティを作るのに結構よく考えられた設定だと思いました

まず、なんで主人公が「影の実力者」にこだわるのかっていうと、自分に自信がないからなんですよね

中二病男子は妄想の世界では最強・・・でも現実世界ではだれにも注目されないただのモブ・・・つまり現実の自分に自信がなくて物語の主人公になる度胸が彼にはないのです

人々からの賞賛を、ヒロインからの愛を、敵からの憎悪を、真正面から受け止める自信がない、人と向き合うのが怖くて仕方ない、みんなの中心に立って主役になる自分がイメージできない、だから影の実力者じゃないとダメなんです

女性キャラの扱いにも主人公の劣等感が見えている部分があって・・・

シャドーガーデンは掘り下げがほとんどされてない地味な主人公の手下、彼女たちの役割は人々に知られないモブ主人公の活躍を見届けること、目立つのは嫌だけど、ちゃんと見てくれる人がいないと心が満たされないのでしょうね

これに対して姫様達の役割は主人公のステータス、勲章っていうのかな?
「姫」「強い」「美少女」「高嶺の花」と絵にかいたような「勝ち組」で「ハイスペック」、たくさん掘り下げてとても魅力的に描いていますが、そんな魅力的な女性が主人公に惚れて、でも主人公は特に興味を示さないことでそのハイスペックな女性を踏み台にして主人公の立場・価値が高くなっているんですよ、これで両想いになったら「対等」になってしまいますから

「美少女と両想いになってイチャイチャしたい」
男性なら誰もが思い描きそうな夢

だけど彼は女の子とのイチャイチャよりもカッコいい自分が優先だった
え?それってただ子どもなだけなんじゃないの?

違うんですよ

彼は第一話から「周りはどんどん中二病を卒業していったけど自分だけは中二病のまま」っていうことをモノローグで語って寂しがっていました

つまり彼はまだ子どもなんじゃなくて、それが彼の価値観なのです
それが中二病にどっぷりつかった彼の生き様だった
そういう確かな自分を持った主人公を一貫して描き切っているところが個性的で素晴らしい作品だと思いました

わたしにも中二の心があればもっと楽しめてたかなー?
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 31
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

シャドウ様の叡智にテンプレの嗜み方を諭される

同名原作小説(web版、ラノベ版共に未読)の連続アニメ化作品の1期目(全20話)

【物語 4.0点】
常に視聴者の存在を意識してキャッチボールを成立させるための思案が重ねられる。
視聴者がま~たテンプレかwと呆れる前に、一歩先回りして、
シャドウ様の妄想ロールプレイにより、ポジティブに転換する仕掛けが巧妙。


異世界の魔剣士学園や、武術大会の裏で暗躍する勢力による一騒動だの、
もう何度目の再提供か?ってくらいのお約束展開。

新鮮味を与えるのが、転生の原因が{netabare} 魔法など未知なる力の体得を探求した末の交通事故死{/netabare} などという、
狂気を感じる位ピュアな中二病主人公少年・シャドウことシド・カゲノウ。

転生異世界にて起こる数々のテンプレを、ここが“陰の実力者ムーブ”を決める絶好機。
或いはカモフラージュたる華麗な“モブムーブ”を見せてやる。
などと待ってました~♪とばかりにお約束をエンジョイする主人公の姿を眺める内に、
コイツ頭おかしいだろうwと私も不思議と笑顔にさせられますw


【作画 4.0点】
アニメーション制作・Nexus

舞台設定は剣と魔法の封建貴族社会や教会が残る近代化前後といった風情。
が、一方で“悪魔憑き”に関する、高度な魔法科学技術に基づく薬剤が裏で流通していたり。
我々の世界の常識に照らしても、馬車と列車が共存するこの異世界が、
いびつな文明発達をしてきたことが作画、背景からも伝わって来て、
技術を秘匿する闇の勢力の野望など陰謀論が盛り上がりますw

シャドウ様が転生前の現代社会の知識を“陰の叡智”と称して“シャドウガーデン”配下の美女たちに“テキトーに”(※テキトーなのが肝w)伝え、
それが“ミツゴシ商会”のデパート風店舗などに具現化して一人歩き。
その文化侵略の様子も明快に伝わって来ました。

アクションシーンなども高密度で上々。
黒、白、赤、あとは“例のあれ”の美しい?紫など、
見せ場では、敢えて色彩を絞って表現する演出も◯


【キャラ 4.0】
主人公シャドウことシド・カゲノウは無双ハーレム主人公の一種。
この異世界を裏で支配する黒幕を闇に葬り去る俺という妄想を配下にテキトーに吹聴する内に、
異世界裏社会の方がシャドウの妄想設定に追い付いてしまうのがポイント。

シャドウ様がぶち上げた陰の組織・シャドウガーデン。
だがシャドウが組織立ち上げ時に行ったのは、最初に助けた悪魔憑きの美少女にアルファと命名した上で妄想の概要を伝えたくらい。
あとはシャドウガーデンも、ベータだのガンマだの“七陰”と呼ばれる幹部の美女も、
“ナンバーズ”と呼ばれる美女も、
アルファたちがシャドウ様の“叡智”を拡大解釈して、いつの間にか拡大、増殖していく。

連れてくる美女もまたことごとく巨乳ばかりでw
スタイル抜群の美女たちが、スライムの黒スーツ(破壊や魔力喪失で消滅するw)を身にまとい居並ぶ姿は壮観。
(いや、一部、スライム虚乳もいたような……。いえ何も見てません。抹殺しないで下さいw)


シャドウガーデンの女キャラたちは数が多すぎて覚えきれませんがw
これもキャラ濫造、掘り下げ不足との不満を抱く前に、
知らぬ間に増えたハーレム美女という形で、シャドウ様の妄想ストーリーが大事になって行く演出の補強材料へとポジティブ転換されてしまう。
これもまた視聴者心理の先を読んだ妙手。


シャドウガーデンの広がりと共に、王室、貴族のプリンセス、令嬢も絡み、
ツンデレコンプレックス属性に、クーデレ属性にと、ハーレムは一層たわわに。

ラスト。オリアナ王国の王女ローズが、{netabare} ナンバーズの666番に転落する衝撃もまたプリンセス転落劇の定番ですが、
美女666人もおるんかいwとの笑撃に上書きされ美味しく頂けました。
表と裏両方を知ることになる彼女。{/netabare}
今後の視点の興味深さという意味では一番注目したいヒロインです。


【声優 4.5点】
主人公シャドウ役の山下 誠一郎さん。
異世界転生後の赤子ボイスから、モブに身をやつした軽口から、
威厳のある陰の実力者プレイボイス、ここがロールプレイの好機と色めきだつモノローグまで。
幅広い演技で、シリアスにもコメディにも貢献する大車輪の活躍。

普段は{netabare} 金貨にワン!と飛びつく{/netabare} など小物感丸出しのモブなシド・カゲノウなのに、
シャドウ様として決める時は{netabare} 「アイ・アム・アトミック」{/netabare} などとキザに囁く。
あとは、{netabare} 自称最強に真の最強とは何かを教え諭す時の「レッスン1、レッスン2」とかw{/netabare}
見せ場で英語の発音が流暢でノリノリなのが、ホント可笑しかったですw

一方シャドウ様がモブ剣士として変身した{netabare} ジミナ・セーネン(ドエム・ケツハットほどじゃないがテキトーなネーミングだw){/netabare} 役には、緑川光さんのリリーフも仰ぐ。
ただ、ここもモブの裏に見え隠れする凄みなどもカバーする好リリーフ。
今後もどんな変身バリエーションを、どのキャストが救援するのか、楽しみな要素です。


シャドウがモブの隠れ蓑に活用したダチの“天然モブ”同級生剣士コンビのヒョロとジャガ。
特にこれまで数々の無双ハーレム主人公を演じて来た松岡 禎丞さんが、
ヒョロ役で{netabare} ギャンブル転落劇{/netabare} という合せ技も絡めながら、見事なモブプレイを決めているのがツボでしたw


【音楽 4.0点】
劇伴担当は末廣 健一郎氏。
ストリングスとコーラスによるダークな楽曲群でシャドウ様の陰の実力者プレイを好アシスト。
ここも重たくなり過ぎず、電子音もアレンジすることで視聴者もプレイをエンジョイできるエンタメ性を確保。

BGMで一番インパクトがあったのはベートーヴェン「月光」
何だかんだ{netabare} 17話の「月光」を奏でるシャドウ様のプレイが一番カッコよかったですし。{/netabare}


OP主題歌はOxT「HIGTEST」
サビの裏声が入り混じった大石 昌良さんのボーカルに表と裏の二面性を感じるテクニカルな楽曲。

OxTは『オーバーロード』シリーズの主題歌も担当していますが、
『陰実』放送前に『オバロ』とのコラボ画像を公開したプロモーションが印象的。
『陰実』とか『オバロ』のパクリでしょ?との声がデカくなる前に、
シャドウ様とアインズ様の蜜月ぶりをアピールして、共通点がある異世界転生物としてポジティブに上書きする、これまた先回りの妙手。
本シリーズには企画プロデュースにも実力者がおられるようで。
OxTには今後も両シリーズの主題歌提供で盛り上げて欲しいです。


ED主題歌はキャラソン「Darling in the Night」を、
シャドウガーデン・七陰の面々が持ち回りで担当。
明るい曲調でシャドウ様への感謝の意を伝える。

正直、私は、EDや、“逆転生学園物”風のOPアニメーションで、
シャドウガーデンにはこんな美女キャラもいたんだ
と確認、整理していた面も多々ありw

投稿 : 2024/04/27
♥ : 23

71.9 17 魔法で仲間なアニメランキング17位
月が導く異世界道中(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (325)
1084人が棚に入れました
平凡な高校生だった深澄 真は、とある事情により“勇者"として異世界へ召喚された。しかしその世界の女神に「顔が不細工」と罵られ、“勇者"の称号を即剥奪、最果ての荒野に飛ばされてしまう。荒野を彷徨う真が出会うのは、竜に蜘蛛、オークやドワーフ…様々な人ならざる種族。元の世界との環境の違いから、魔術や戦闘においては常識外な力を発揮する真は、様々な出会いを経て、この世界でどう生き抜くのか…… 神と人族から見捨てられた男の異世界世直しファンタジー開幕!

声優・キャラクター
花江夏樹、佐倉綾音、鬼頭明里
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

みにくい白鳥の子

(2021.5.2初投稿, 2021.9.24更新)

 ◎ 略称『ツキミチ』1クール全12話
  ※ 最終話後、第2期制作発表あり。

🌕 ❰全話試聴して❱
{netabare}
 本作は原作ファンとして今期の期待作のひとつだった。ゆえに期待を込めてアニメ評価は最初はオール4.5からスタートして視聴中に修正。最終的には、原作を100点とするなら80点の満足度でとても楽しかった。

 主人公と従者達を主軸にして話の寄り道をせず、キャラの登場を制限したことが吉となったと思う。コメディ演出でライトな作風だったことも結果的によかった。作画は彩り豊かな亜空風景が印象深い。とりわけ優秀な作画という訳でもないが、作風との相性が良く、見せ場に相応のリソースが割けていたので不満は全くない。

 最終話後に2期制作も発表されて頼もしい。2期で主人公は、人と魔族との戦争にどのように対応していくのか。主人公とある意味同じ立場の新キャラ2名が、主人公とどう関わるのか。

 1期は原作にあった上記の新キャラに纏わるサイドストーリーは潔くカットされた。それを2期に持って来ることは間違いないだろう。そこに構成の妙を感じる。1期が亜空建国が主軸なら、2期は主人公の亜空外での商売上の人間ドラマが主軸に、と色合いが明確になりそう。

 必ずしも原作通りに進むとは限らないだろう。場合によっては、1期では省略された豪商レンブラントの真実の深堀りも描かれるかもしれない。2期が実に楽しみだ。
{/netabare}

以下、放送前投稿 (2021.9.23推敲)
{netabare}
 原作は、2012年2月から2016年8月迄『小説家になろう』にて連載された。現在、なろうアカウントは無くなった。

 2013年5月からアルファポリスより書籍が刊行。2021年7月時点で既刊17巻(本編16巻+番外編1巻)、コミカライズ既刊9巻。2021年4月時点でシリーズ累計発行部数170万部突破、アニメ放送直前には200万部突破と勢いある作品。

 アルファポリスサイトで無料で読める小説は、書籍のダイジェスト版。漫画は最新の一部のエピソードは無料で読めるよう。

 本作は2020年10月に「2021年アニメ放送決定」のニュースがあった。それがきっかけでコミックを読み始め非常に気に入った。その後ラノベも読み始め現在2周目突入中。

 2021年4月28日、昨秋の特報に次ぐPVが公開され、そこで本作が同年7月放送開始と初めて告知された。

 同時期放送作には、大好きなラノベ原作異世界ファンタジー作品が多い。本作以外では、「はめふら2期」「転スラ2期第2部」「現国」「精霊幻想記」と合計5作品もある。個人的にアニメに費やす時間がますます増えそうだ。

 上記の中では最も遅い告知となった本作、PVを視聴してお笑いの真打ち登場の感。キャストが豪華で皆さんの演技が楽しそう。PV最後の劇伴がツボだった。以上の中でコメディ要素は「はめふら」といい勝負だろう。日本神道の神様が登場したり、日本の時代劇かぶれの主人公の配下がいたり、と他作品とは一味違った日本推しがなかなかユニーク。

 監督は『ログ·ホライズン』『FAIRY TAIL』などの長期シリーズが代表作の石平信司氏。ファンタジーにコメディを馴染ませ長期人気を保った実績がある。本作でも期待している。
{/netabare}

❰主人公について❱
{netabare}
 17歳の高校2年生の深澄 真(みすみ まこと)は、両親と神との昔の契約で理不尽にも勇者として片道切符で異世界に召喚させられた。

 彼は異世界では日本での年格好のまま。配下の多いカリスマ最強主人公となるが、飾らない人柄で天然。だが、ある事情で勇者にはならなかった。それでも異世界での彼の魔力量が人外。戦闘力もチート。さらに周りの助力も大きく、商材にも恵まれ彼の立ち上げた商会はどんどん大きな存在となる。彼はその甲斐性と性格の良さから、ハーレムも可能なほどの財力と地位をじわじわ築くがその気が全くなく特定の異性との色恋とも無縁。

 そんな所は転スラのリムルによく似ている。但し容姿が日本基準では平均、本作の異世界基準ではブサイクという設定で、人型時の美形なリムルより親近感がある。

 個人的に真に魅力を感じるのは、弓道で一芸に秀でている所。所属していた高校の弓道部では彼は副部長だった。弓道の才能以外は全てにおいて平均的だが、地道な努力家で面倒見も良く彼を慕う美人の部員が二名いた。しかし鈍感で恋愛には不器用。女性から告白されてもギクシャクするのが関の山。弓道があるので恋愛優先になることはなかった。ありのままの自然体で、まだ若いのにどこか落ち着いてる彼。しかし道理や礼節を弁えない存在は、たとえそれが神様であろうと堂々と立ち向かう。そんな鷹揚な雰囲気と反骨精神を持つ主人公像が好ましい。

 弓は異世界で彼の戦闘手段として最大の武器となる。彼は召喚後も、時間があれば無心に的を射る鍛錬を欠かさず、弓道を精神修養の一貫として続けている。そこに禅定の静寂美が感じられるが、弓道ならではの魅力だろう。一芸に秀でその道を極めんとする彼。普段は一切の力みが無いが、いざという時は極限の集中力を発揮して敵を討つ彼。なかなか格好いいと思う。
{/netabare}
❰配役について❱
{netabare}
 初回は声優の配役で、シン(巴)の声に個人的にかなりミスマッチ感があったので評価を下方修正。

 美女になってからの巴の外見上の声はあやねるでも合ってるが、竜体の声は誰ともわからない下手な物真似を聴かされてる気分で失笑した。まあ竜体の声は1話以外は出番ないだろうし、アニメは原作よりギャグ主体で作風が軽い。その内に忘れて気にならなくなるかもしれないが初回はがっかりだった。

 巴は外見が美女に変化して後、ヲタクで残念な部分もある。が、本質はこの世界を管理する女神も干渉できない何千年も生きている最強の上位竜の一柱である。その賢さと強さは半端ない。原作中、マコトは巴を頼りになる兄貴のようだと表現したことがある。やはり相応の落ち着きと滲み出る風格も感じられる演技とそれに合う声を期待する。

 姉御肌感が自然に滲みでる声優に演じて貰いたかった。女性らしい声のみならず、時に男前でドスも効く声色が出せる、例えば沢城みゆき、本田貴子、田中敦子あたりの幅広い演技力ある声優が理想。

 その後、巴役の佐倉綾音の演技は田中敦子に似てる感あり。しかしまだ若い。滲みでる年輪が足りない。やはり人生経験豊かな30代半ば以上の声優演じる巴が望ましい。

 それ以外のキャスティングは概ね満足。特にハイランドオークのエマ役の早見沙織。キャラの透明でキラキラの瞳以外は早見沙織の声に全く合わない、というのがギャグとして笑える。

 2話から登場の災害の黒蜘蛛の化身の澪の声は巴ほど違和感なくていいと思う。世界的大ヒット作『鬼滅の刃』の炭治郎と禰󠄀豆子兄妹コンビがそのまま真と澪の主従コンビに。大ヒットの験担ぎか。ネタとしても悪くない。炭治郎と真はすぐに同一声優と気付くが、禰󠄀豆子と澪はキャラクターが違い過ぎて、声を聴いただけでは同じ声優とは気付きにくいと思う。共通点はどちらもかけがえのない家族であること。炭治郎と禰󠄀豆子は血縁者で家族なのは当たり前だが、巴と澪は真にとって恋愛対象でなく家族同然の関係性で愛情と信頼を深めていくから。

 また『神様になった日』の主人公とヒロインのキャストが本作の真と巴になってたが、そちらは視て無いのでインパクトゼロだった。
{/netabare}

❰原作既読視点の各話レビュー❱
{netabare}       (2021年 TOKYO MX 初放送日時)
🌑第一夜「勇者…失格」(7月7日 23:00 - 23:30)
 物語4.5→4.0, 声優4.5→3.5
{netabare}
 漫画第1巻(第一夜『勇者…失格\(^o^)/』第二夜『「世界の果て(ピリオド)」のその先で...!?』第三夜『フラグは立つか立たざるか』第四夜『おしかけドラゴン』)より

〈異世界の 水戸黄門に なり得るか〉

 原作からのバイアスが掛かったため、予想以上に大袈裟なギャグシーンの多用と軽すぎる作風に初回は馴染めず戸惑ったため評価は若干下げた。しかしもう一度視て、コメディアニメとしていい線いってると思い直した。作風にもっと馴れたらまた評価上げるかもしれない。

 一番ウケたのはEDテーマ。まさかまんまの水戸黄門...やってくれる、いいセンスだ。時代劇の勧善懲悪+ファンタジーコメディのエンタメとして割り切った方向性か。今後も石平監督の手腕に期待。

 OP映像の登場キャラでラノベ第3巻(漫画第6巻)迄をアニメ全12話で描くと予想。果たしてどうなるか楽しみ。

 原作の『ツキミチ』は『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』同様、小から中の山場の積み重ねで、成り行きまかせでも主人公の強運とチート能力がじわじわと主人公の立場を引き上げる系の物語。それではアニメの1クールから2クール程度の尺では話をどこで切っても間違いなく中途半端になる。

 『ツキミチ』は主人公が三枚目であり、特に漫画版は、ギャグネタ豊富でコメディに徹底できる資質が『デスマ』以上。ならばストーリーで魅せようとするより、視聴者に「ストーリーは中途半端だったけど楽しかった」と思ってもらえれるようコメディに振り切って、キャラの魅力を耀かせた方が成功しそう。

 この初回のノリが最終的に吉となり、2期が生まれることを祈りたい。次回も非常に楽しみだ。
{/netabare}
🌘第二夜「災害の黒蜘蛛」(7月14日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第1巻(第五夜『おとぼけ侍』第六夜『「災害の黒蜘蛛』第七夜『ディープラバー🖤』)より

 いいテンポで話は進む。作風の軽さも少し馴れてきた。

〈亜空間 なつかし夢の 秘密基地〉

 本作の魅力の一つは、子供の頃に秘密基地を作って遊んだワクワク感を呼び戻してくれること。ただ秘密基地といっても亜空はスケールが違い過ぎる。

 彼の記憶にある日本の原風景がモデルの亜空は、水があり自生する自然の恵みありの全ての生き物が生活出来る1つの大地。真はその力をコントロールする事は出来ないが、規模も徐々に成長し拡大し続ける。その力を与えたのは日本神道の神様。当に天地創造の神業。

 アニメで非常に楽しみだった一つがこの彩り豊かな亜空を拝むことだった。異世界の中の異世界、この原作者の発想は素晴らしい。

 また亜空は避難(逃亡)先。この異世界で何でも好き勝手出来てしまう両刃の剣。夢がある反面、テロリスト、サイコパスや世界征服の野望ある者には絶対に渡してはいけない危険な存在と言える。そこが真のこの異世界での立位置に大きく影響していくが、それがどうなるかアニメでも楽しみだ。

〈制作に 遊び心が キラリんと〉

 水戸黄門のテーマは初回のみの特殊EDだったようで出落ちのネタだった。本作は鬼滅兄妹の声優採用など、他にも探せばネタがいくつか仕込んでるかもしれない。これは楽しみだ。
{/netabare}
🌗第三夜「ヒューマンショック」(7月21日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第2巻(第八夜『シム亜空!?』第九夜『人外大移動』第十夜『理解不能』第十一夜『ヒューマンショック』)より

〈あらすじ〉

 マコトが巴と契約した時に生まれた亜空に、マコトを領主と認め忠誠を誓う住民が一気に増えた。初めての縁あったエマを筆頭とするハイランドオーク族おおよそ100名にプラス、エルダードワーフ族たち、上位竜の巴とその眷属のミスティオリザードたち、元災害の黒蜘蛛の澪とその眷属のアルケーたちだ。

 その後、マコトは残酷な現実を受け止めざるを得なくなった。亜空の住民には崇敬に近い愛され方をされたので油断してたら、まさか同族のはずのヒューマンと呼ばれるこの世界の人類には露骨に見下され、さらには魔物認定され討伐を仕掛けられた。しかも他の言語は自由に使いこなせるのに、ヒューマンの使う共通語だけ不自由だった。読み書きと聞き取りは努力で可能になっても、発音は努力虚しく身に付かなかった。

 しかしマコトは従者と共に逞しく生きていく。天敵の女神に対し、さらに怒りを蓄積しながら。

 そしてマコト、巴、澪の三名は、諸国漫遊する豪商の息子と従者という設定で、亜空産の果物を馬車に大量に積み込み出発。初めてたどり着いた街は"絶野"と呼ばれるヒューマンの住まう最果ての地だった。

〈理不尽な 神の仕打ちに 凹む日々 心安きは 人外のみか〉

 無尽蔵な魔力が源の神レベルのチートな能力と、(異世界基準の)不細工なルックスの主人公。これくらいの絶妙なバランス感覚が原作の売れている要因の一つなのかもしれない。

 アルケイの初期移住者は原作は4名のみだが、なぜかアニメではミスティオリザード(ラノベ原作では108名)並の数になってたり、僅かなカットと流れ等の細かい違いはあれど、ここまでほぼ漫画に忠実。そのため新鮮な面白みは少なく物足りなくなってきた。が、アニメならではのネタが時折顔を覗かせ新鮮でアニメも悪くない。

 今回笑えたのはBGMがいい仕事した悪代官と廻船問屋ネタ。

 あと巴が飯抜きで荷物番となった際、原作では「お、鬼ですか若ー!!!」の台詞が、アニメでは「あーっ、鬼ですかー!」で、そこはクスッと。

 台詞をマコト1人から、花江夏樹と鬼頭明里演じるマコトと澪の2人への語りへと微妙に変更。これはネタとしてよりわかりやすくするための変更かもしれない。
{/netabare}
🌖第四夜「あとのまつり」(7月28日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第2巻(第十二夜『ざわめきの夜』第十三夜『姉妹の事情』第十四夜『あとのまつり/(^o^)\』)より

 今回は水戸黄門エンディング第二段が実に楽しい。曲調をオリジナルからよりロック寄りに、歌い手を主人公からヒロインへ、ソロからデュエットへ、と第一段と趣をがらっと変える工夫がいい。第三段をかなり期待。もしあるなら今度はどうアレンジするんだろうか。

 ここまで視聴して言えること。どうやらアニメ2話で漫画版1巻分(エピソード7話)消化、という制作の基本方針があるということ。そしてアニメは堅実で動くカラー漫画として優秀。作風の軽さも味方してテンポが実に良く、今回では水戸黄門風一件落着シーンの演出、特殊ED2などの独自ネタもあってとても楽しかった。

〈あらすじ〉

 マコトと澪が宿へ戻る途中、リノンという名の一人の少女が泣きながら接触してきた。聞けば、行方不明の姉を探してさ迷っていたという。マコトはその姉トアが弓道部後輩の長谷川と外見が瓜二つと知り、リノンの接近がたとえ罠でもこのまま放っては置けなくなった。

 そして巴が望む勧善懲悪道中の始まりは、リノンの姉の救出劇となるのだが...。

〈格さんは 当てる言の葉 核となる 街消え去りて 虚しき荒野(あれの)よ〉

 最後のマコトのアニメの台詞「バレたら隠せないし。ああっ、もうっ、日本語が変だ」が妙に心に残った。世直し道中の最初が一つの街の壊滅というトンデモなオチ。なんとなく大掛かりな舞台セットを用いる懐かしのドリフの全員集合コントを思い出した。

 アニメがギャグコメディに振り切ってるのは正解。そうでないとツッコミたくなる。

 街の破壊中、住人は関係者以外は全く出てこずぼかしてるが、状況的に巴と澪の所業は住人の大量殺戮をもたらすはず。住民の安否確認すらしないマコト。普通はシャレにならないが、おばかなギャグと思えばスルーできる。

 まあ魔物が横行してる命の軽い異世界のこと。マコトも不慮の事故としてドライに割り切って、やっちゃたものはしょうがないと、犠牲者のことはそれほど気にしてないのだろう。犠牲者はヒューマン族で、知り合い以外はマコトが大切にしたいと思える存在でもないし。

 マコトは本気出したら巴も澪も敵わないという。アニメでのマコトの実力発揮はまだまだこれからだろうがこの3名の所属する亜空は既に、この異世界唯一の核兵器保有国、と言っても問題なさそうだ。
{/netabare}
🌕第五夜「よくばり馬車の旅」(8月4日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第3巻(第十五夜『よくばり馬車の旅』第十六夜『グロリアス·ディナー』第十七夜『亜空改造計画』第十八夜『ファンキー·コート』)より

〈あらすじ〉

 マコトは"巴と澪は混ぜるな危険"と判断。巴を武者修行の名目で別行動させた。その後マコトと澪はトア姉妹と偶然救出した冒険者3名を馬車に乗せツィーゲの街を目指す。

 ひとつの街の壊滅という不祥事は魔物来襲のせいにしてごまかし、冒険者として、また商人として、マコトと従者はしたたかにその歩みを続ける。

〈異世界の 男のロマン 冒険者 旅は道連れ 友は増えゆく〉

 道中遭遇した魔物を討伐しながら進む道のり。同行冒険者の生々しい獲物の解体にドン引きしたり、憧れの漫画肉を堪能したり、場違いなほどハイテクな冒険者ギルド発行の冒険者カードに感動したり。

 マコトは、残念な外見と言葉の不自由、という欠点を抱えつつも、いつでも戻れる安全で快適な亜空があって、いざとなれば自身の底知れぬ力があって、頼れる多くの家族のような仲間もいる。

 なんだかんだあっても、マコトの異世界道中は刺激的で楽しそう。今回もアニメの原作再現度は高く安定して面白い。原作未読の方が新鮮でもっとワクワクしそうだ。
{/netabare}
🌔第六夜「ナイスミドルの憂鬱」(8月11日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第3巻(第十九夜『情に厚い人格者(ナイスミドル)の憂鬱』第二十夜『商人ギルド加入試験...!?』第二十一夜『いカニも美味!』), 漫画第4巻(第二十二夜『あの夏の記憶』)より

 今回は漫画4話分のエピソードを無駄を省くことでアニメ1話に巧くまとめていた。巴の分体の柿のつまみ食いはアニオリ。原作のどこかにあるかもしれないが少なくとも今回の漫画の該当部にはなかった。そのセンスはポイント高し。どうやら漫画では出てなくてもアニメでは毎回分体の出番を作るつもりなのかもしれない。同じくアニオリの蜃気楼都市の解説演出もグッド!

 名も無き巴分体は本作では希少の、いやかわ(癒しの可愛い)キャラ。その推しは物語上もとても大切。今後も亜空シーンでは分体を出来るだけ登場させて欲しい。

〈あらすじ〉

 まだFランクのマコトが冒険者ギルドの掲示板でたまたま見つけたSランクの依頼。それはその求める素材が手元にさえあれば特殊ランク扱いで受けられる依頼だった。たまたま自身が既に持つ魔物ルビーアイの瞳が使える。

 依頼主はツィーゲの街随一の豪商。その商会に出向き、主パトリック=レンブラントと直接面会して素材提供。泣くほど感謝されるマコト。それは依頼達成と同時に商会立ち上げの志あるマコトに強力な後ろ楯が現れた瞬間であった。

 その後商人ギルドの登録と食堂での食事も済ませ、人心地ついた後亜空に戻ったマコトに巴から緊急に念話での呼び出しがあった。

 行ってみれば巴と澪はやはり混ぜると危険だった。澪もアニメや特撮のヲタクに目覚め、仲間には相変わらず気苦労が絶えないマコトだった。

〈商人(あきんど)は 清濁飲んで 進む道 右腕無くば 叶わぬ道よ〉

 まさに人生を語る水戸黄門のテーマソング『あゝ人生に涙あり』の歌詞こそが、この世界に生きるマコトには良きバイブル。

 商人としてド素人のマコトには商会運営のノウハウを教えてくれ、後ろ楯ともなる有力者が必要だったが、運良く街一番のパトリック商会に取り入ることに半ば成功した。

 パトリックは敵も多くやり手商人なのは誰でも分かるが人格者と言えるだろうか。実は漫画では、パトリックの美化された過去の伝聞を商人ギルドの受付嬢がマコトに滔々と語る。アニメではそれをカット。マコトはその話の先入観でパトリックを評価してしまう。

 まだ17歳のマコトは人を信じやすく見る目が甘い。が、さすがな巴。普段の暴走キャラとは裏腹。大人の洞察力で何かに気付いたよう。実に頼もしいマコトの右腕だ。

 軽いコメディでも人間描写はかなりシビアなのが本作の魅力のひとつ。強欲ではないお人好しキャラはマコト以外はかなり少数派。特にヒューマン族はそのほとんどが欲望に忠実でしたたかなキャラばかり。

 鏡のように悪意には相応の反撃で応えるマコト。時に情け容赦がない。しかし彼の本質は日本人らしく平穏を愛する17歳の高校生の甘ちゃん。それを補う従者との関係性はとても魅力的に思う。アニメでは今の所戦闘力以外は悩みの種に見える澪も、きっと巴とはまた違う方向でマコトの良きサポーターに成長していくだろう。
{/netabare}
🌓第七夜「秘薬精製」(8月18日 23:00 - 23:30)
 物語4.0→3.5 キャラ4.5→4.0
{netabare}
 漫画第4巻(第二十三夜『秘薬精製』第二十四夜『今日から僕は!!』第二十五夜『世直し劇場』第二十六夜『わけありトップランカー』)より。
 [第二十七夜『二つの顔』第二十八夜『裏道の小石』はカットされ今回で4巻終了]

 原作は今回のあたりから人間の暗黒面を赤裸々にする傾向がより強くシリアスでハードな部分が今まで以上。アニメの今後はコメディ路線を守るためどうするかに注目。

〈あらすじ〉

 マコトは絶野で知り合ったレベル114のアルケミーマイスターのハザルと共にレンブラント宅を訪れる。そこでマコトはハザルの秘薬精製を見学することに。ルビーアイを主原料とするそれは呪病の特効薬。レンブラント氏の妻と二人の娘がその病で絶望的だったがその薬さえあれば助かる。

 ハザルは難なく秘薬を作りだし投薬段階へ。しかしうっかり八兵衛も真っ青のハザルにマコトの苦労は続く。が、なんとか試練を乗り越えミッション完了。

 その後マコトは帰宅途中に巴と澪に合流。すると数十人の刺客の集団来襲。巴とマコトのみで難なく刺客はほぼ全員半殺し。事情を問えばレンブラントを恨む呪術者に嵌められ誤解があっての襲撃と判明。結果マコトは彼らを全員赦すことにした。

 刺客のリーダーは冒険者トップランカーのライム・ラテ。彼は贖罪として冒険者を引退した。しかし心根に男気溢れるライムは将来に見込みありと巴に評価される。そして巴の配下となり密偵として新たな人生のスタートを切ることになった。

〈弥七殿 八兵衛殿も あらわれて 世直しごっこ まことあわれに〉

 BGMがしっかり水戸黄門してた。弥七ポジションの役者も揃い巴は楽しそう。一方の若は体を張った苦労とご老公の定番台詞の羞恥でうち震えるのみ。なんとも哀愁漂う憐れさよ。

 巴とライムとの件は、往年の人情豊かな時代劇のオマージュとして成立するほど巧く演出してたと思う。マコトの柔道による捕縛の作画もなかなか様になっててよかった。巴分体がワンカットだけだが登場したのも好い。

 ただし人間の醜い部分がクローズアップされるエピソードゆえ、コメディとしては若干の不完全燃焼感あり。巴によるレンブラントの実像暴露とその対処を原作からかなり端折った。コメディに水を差ささない程度のシリアスに収める配慮か。レンブラントの本質は原作でもマコトは知らないままなのでそれもありか。

 おかげで巴の智恵の深さと度量の大きさが原作ほど伝わらなくなってしまった。原作未読なら気にならないだろう。しかし原作知るとやむを得ないとは言え物足りない。ゆえに今回は作品評価とキャラ評価を下げた。

 今までは簡略化されることはあってもエピソードを丸々カットすることはなかったが、次回は漫画第4巻の残りの2話と第5巻の前半の4話分をすっ飛ばすのは確実。そして5巻の後半の第三十三夜からスタート。話の流れ自体は自然に繋がりスキップしても問題は全くない。だが、特に5巻の4話分(第二十九夜~第三十二夜)の扱いに関しては今後どうするか非常に気になる。
{/netabare}
🌒第八夜「亜空ランキング」(8月25日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第5巻(第三十三夜『きっかけはオーク』第三十四夜『亜空ランキング』第三十五夜『シャドウテイル·ハンター』)より

 前回は原作の大幅カットでレンブラントの実態をぼかしたことで栄養不足だったが、今回は栄養に十分配慮してる健康的なダイエットに成功してる感。カットしても先々に問題ない部分は躊躇なく原作からすっぱりと。それでも原作の持ち味をアニメで申し分なく再現していた。

〈あらすじ〉

 亜空に戻ったマコトと巴と澪にエマからの問題提議があった。亜空の戦士の戦闘訓練で参加者は完敗が続くため、マコト達との実力差に凹み自信喪失中とのこと。そこでマコトは参加者を調査した結果、訓練に関する種族間の情報交換の少なさに気付く。

 その実状から巴は対策を立てる。それは全種族参加の個人戦を七日に一度開催してランクづけすること。それはお互いの秘術をぶつけ合い切磋琢磨することが目的だった。またランクづけは戦士としての適性を見極めることができ、別の道で亜空に貢献してもよいという弱者救済策でもあった。

 その後、マコトが冒険者ギルドに赴くといつものギルド嬢から依頼があった。レベル1,000超えの巴と澪に、ライム・ラテの後継となるトップランカーを育成して欲しいと。そこでマコトは巴を派遣して顔見知りのトアのパーティを鍛えることに。そしてトア達は巴のスパルタ式の指南により、否が応でもトップランカーとして羽ばたく基礎を身に付けることになった。

〈巴こそ 師とするならば 道極む 長き年月 生きる智恵ゆえ〉

 何千年も生きてる上位竜巴は全体を見ながら的確な判断を下せる参謀にして武の最高指南役。元災害級の魔物の澪は相変わらずマイペースでマコトと食にしか関心がない。そのコンビが絶妙で面白い。

 しかし澪は今回のトマトの件がきっかけで、巴とは別の道で亜空での貢献が始まりそうだった。少しずつ亜空は発展し、その住民も成長していく。そして、適材適所で亜空はこれからますます発展していくんだろうな、と思う話だった。

 亜空が磐石な存在になるほどに、駄女神の管理する弱肉強食のハードな世界に身を置かずともマコトは人外の仲間とだけで幸せに生きて行ける。だが、いつも面倒事を引き当てるのが彼の宿命。お人好しにも亜空外との人々とも付き合い続けざるを得ない。

 毎回のマコトの川柳の心の嘆き、それは逆にどんな時も前向きな彼の器の大きさの表れ。常人は嫌なこと面倒なことが降りかかっても嘆く前に放り出すのが一般的。しかし彼は一旦関わった以上は好き嫌い関わらず最後まで責任を持つのだ。

 主人公の特技が"弓道"という設定がここで生きる。弓道で培った集中力と忍耐力で的を射た結果を最後は達成してしまうのが彼の真骨頂。常に己はニュートラルで自力も他力も自在に活用できるマコト。彼は若くて甘ちゃんに見えて実は達人かも。でなければ多くの実力者を従える彼の人望の大きさは生まれようがない。

 さて、個人的に原作で好きなキャラが今回最後に登場。次回アニメでどう描かれるか楽しみだ。今の所はアニメは別キャラ中心のサイドストーリーを挟まぬ方針のようで、主人公マコトと従者中心のエピソードが続く。原作は群像劇としての旨味もあるが、アニメも回が進めばその味わいも楽しめるだろう。ぜひアニメ第2期を制作して欲しい。

 今期は残り4話。原作とアニメそれぞれの味わいを楽しもう。
{/netabare}
🌘第九夜「喰うか喰われるか」(9月1日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第6巻(第三十六夜『人外大宴会』第三十七夜『深澄神!?』第三十八夜『喰うか喰われるか』)より

 アニメでようやく登場のツッコミとボケのお笑いコンビ、スポーツ飲料アクアエリス。いつも一緒で天然ふしぎちゃんに振り回される常識人の真面目ちゃん。他の類似作品ではいそうでいないコンビ。特にエリスが好きでアニメ登場が楽しみだった。電波系の独特なキャラで原作では一人ぶっ飛んでて存在感が抜群だったが、アニメでどこまでその妙味を再現出来るか楽しみだ。

〈あらすじ〉

 ツィーゲでの商会設立の祝いの宴で盛り上がる亜空。マコトは屋外の壇上の玉座に在って住民たちとの交流を楽しんでいた。

 そこで澪の配下のアルケーのアキナから報告を受ける。万能の秘薬素材として希少種のアンブロシア。マコトは澪にその花の群生地を調査してもらっていたが、ついに見つかったとのこと。それはティナラクの森にあるという。しかし、その地にはアンブロシアを管理する種族が住んでいるらしい。

 その他にも様々な報告があったが万事順調そうで安心のマコト。その夜、彼は弓の修練に時を忘れて没頭する。するとマコトの気配の変化に慌てる巴と澪。それはマコトが死んだかのようで、巴と澪は心配のあまりマコトの側に駆けつける。

 そこで、巴の分析により衝撃の事実が判明。射に集中する度に、マコトの魔力の保有量が膨大に上がり、同時に亜空も拡張し続けると。マコトは理解不能のその事実に落ち込んだ。澪はマコトの無事に泣いた。そして巴は、もはや神業としか言い様がないマコトの力の前に、ただ笑うしかなかった。

 その後、ツィーゲでの逗留先での一騒動などもあり、マコトは澪のご機嫌取りも兼ねて、アンブロシアの群生地の視察に二人きりで向かう。その道すがら、見ず知らずのヒューマン三人の冒険者たちがマコトたちを尾行していた。マコトは界の探知で彼らは無害と判断、澪に蜘蛛の糸で足止めだけさせてとりあえず無視。そして現場に無事到着。するとそこには、アンブロシアの保護者が二人待ち構えていた。

〈亜空こそ 生きる喜び 育む大地 主(あるじ)加護満つ 寄る辺なるかな〉

 万事順調の陰にマコトあり。天地創造の神業は、マコトを貶めた駄女神でも出来ない。日本の神様がマコトの守護神だからこそ、亜空の存在とその維持も際限なく可能なのだろう。気候は穏やか。自然の恵みも豊富で、外界で食べらない種類豊富な自生の果物がある。農作物もすくすく育つ。ドワーフの生活技術が行き渡り、巴あって最高の武芸向上環境がある。当に楽園。住める民は幸せだ。

〈まちづくり 主違えど 人外の 民似てくるは 不思議なるかな〉

 『ツキミチ』マコトと亜空の住民は、たまたま同期で放送中の『転スラ』リムルとジュラ・テンペスト連邦国の住民の関係と非常に似ている。

 リムルとマコト。性格は世代設定は違えど結構似てる。だが、強さと見た目はそれぞれ独特のものがあるため意外に被る印象は少ない。とは言え、リムルは困難を乗り越える度に、その世界の生きる者の頂点を目指すかのような進化が続く。対してマコトは、自ずとその能力は世界の創造神に近づいていく。その意味ではマコトの方が突き抜けてユニークで面白い。
 
 ついでながら『ツキミチ』と『転スラ』の主人公の配下は、役割や外見上でなどで被るキャラが多いと思う。たまたまなのか意図したものかは不明なれど、キャラ被りは探すと結構沢山いて、ネタとして面白い。

 キャラ被り濃厚なのはエマとシュナ(正反対な外見はギャグか)。澪とシオン。巴は複合性強く、大賢者とヴェルドラが主成分でベニマル、ハクロウ、ソウエイの隠し味ありか。
 
 外見上もろ被りは、エルダードワーフのベレンはカイジン。ミスティオリザード上位戦士のリディはガビル。ハイランドオークの上位戦士アガレスはゲルド。そして今回登場のアルケーの進化した姿の白衣姿のミナトはベスター、修験者の法衣着用のホクトは初期のクロベエ。

 そしておそらく次回登場予定のガイコツさん。アニメ同時期で、僅か一週間の誤差で初登場の転スラのアダルマンと丸被り。よほどご縁があるようだ。

 また、アキナと転スラのハルナも、出番少なく地味ながら同じ立位置で結構似てるキャラ。本作のアキナは澪の配下で助手のアルケー、ハルナはカイジンのお手伝いでシュナに師事し織物勉強中のゴブリナ。種族や外見こそ違えど、どちらも内外共に可愛く存在感あり。

 以上、同時期放送で視聴中ということもあり、つい転スラと比較してしまったがどちらもお気に入りの作品だ。一番の共通点はどちらの作品も都市開発ゲームの魅力があり、主人公は仲間を家族として非常に大切にすることか。

 なろう発表開始時期が1年遅い転スラの方が、本作を参考にした可能性があるかもしれない。だがパクリとは思わない。設定上で多少の類似性があっても話には独自性があり、面白さに甲乙は付けられないからだ。


 さらにアニメのネタとして、マコトと転スラのユウキは同一声優であることから、穿った想像も成り立つ。例えば、リムルのライバルのユウキは、リムルのせいで世界征服の目的果たせず、宿命として死して後、無意識にマコトに生まれ変わることで、別な異世界で再び覇権に挑むってこと。

 今生は世界征服は懲り懲りのユウキの魂。それよりも、リムルを参考に権力自体には興味無く、仲間を守ること優先で周りから自然に後押しされる形で不動の地位を得ることが天命だったりして。特技は別として、マコトとユウキは外見上、小柄な黒髪日本人な所とか似てるし、そんな妄想するのも楽しい。


 ところで今回、アンブロシア(保護する種族はこの花を紅蓮華と呼ぶ)の群生地で澪を妹扱いして手を繋ぐマコト。そして次回のアニメのサブタイトル(漫画の第三十九夜と同一タイトル)。

 以上から『鬼滅の刃』思わせるもの複数浮上。本作はどんだけネタがあるのやら。もう今回の巴同様に笑うしかない。
{/netabare}
🌗第十夜「鬼の隠れ里」(9月8日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第6巻(第三十九夜『鬼の隠れ里』第四十夜『嵐の前触れ』第四十一夜『しょんぼりアンデッド』)より

 この調子だと、コミカライズ第7巻の最後がアニメ今期の描く範囲になりそうだ。

〈あらすじ〉

 マコト達と、澪の蜘蛛の糸をかいくぐって付いて来たヒューマンの冒険者3名は、アンブロシアの保護者アクアエリスコンビに泥棒とみなされ攻撃を受ける。その時、澪は怒りで冷静さを欠き頼りにならず。そこで、攻撃に巻き込む危険がある冒険者達をなんとかしてもらおうと、仕方なく念話で巴に救援を要請した。

 そして足手まといな冒険者達は全員、巴により亜空内の蜃気楼都市に転送する。そこで一転、マコトと澪は反撃に。勝負は一瞬で決まり、アクアエリスを拘束して彼女たちの住む里に向かった。

 アンブロシアをヒューマンから守っていた種族は森鬼と呼ばれるエルフに似た種族。里の長老たちにアンブロシア収奪の誤解を解くため事情を話すマコト。

 とりあえず表面上は理解され歓待される流れになったが、その後、思わぬ出逢いとトラブルがマコトに降りかかることとなった。

〈出逢いには 亜空の未来 変える鍵 あると思えば 全てが吉よ〉

 マコトと亜空に起こるいろんな変化がアニメでも面白い。ただ、アニメのエリスは全体的にコメディ演出が多いためか、雰囲気に埋もれて原作ほど存在感がなかったのは少々残念だった。

 今回から登場の新キャラ、森鬼(もりおに)のモンドに大塚明夫、そして新従者のリッチは津田健次郎、と渋い声のキャスティングで少し意外だった。主役が明るいテノールで、上記二人は落ち着きと深みあるバスバリトンの声域と声質。既に登場のレンブラントの井上和彦も同類で地声はバリトン系。

 以上、若者主人公と彼を取り巻く同性の年長者は、コントラストがはっきり。キャラが絡んだ時、ハーモニーとしてとても味わい豊かだ。
{/netabare}
🌖第十一夜「さようなら」(9月15日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第6巻(第四十二夜『さようなら』)、第7巻(第四十三夜『亜空改造計画 Season 2』第四十四夜『ととさま』第四十五夜『人ではないナニカ』)、第8巻(第五十三夜『深澄真の消失』第五十四夜『気まぐれ女神の御使い』)より

[上記は、第四十二夜以外は、内容の一部でもアニメで描かれたものを含む。第7巻(第四十六夜~第四十九夜)、第8巻(第五十夜、第五十一夜)は完全カット]

 予想から外れ、原作が大幅アレンジされエピソードは大胆にスキップ。アニメは最終話に相応しいドラマチックなエピソードを選択したためと思われる。

 そのため、Aパートは第四十二夜の内容がほとんどだが、Bパートはそれ以降のエピソードをかなり簡略化して、今回の最後への繋がりのため必要最低限の内容にとどめていた。アニメ最終話のサブタイトルは、漫画第四十九夜と同一だが、内容は全く違うだろう。

〈あらすじ〉

 亜空で原因不明の爆発が起こり、巴が血反吐を吐いて倒れ意識不明になった。マコトは巴の介抱は澪に任せ、新従者のリッチと共に亜空に戻ると、爆発現場は惨憺たる状況で死傷者多数。

 そこに、蜃気楼都市に招待した冒険者の生き残り一名の記憶がマコトの頭の中に流入。そのためマコトはすぐにこの惨禍の原因が冒険者達にあったことを突き止める。そして悪意と傲慢で亜空の住民を殺した冒険者の生き残りを処刑するマコト。彼は初めての自身の殺人の罪を冷静に受け入れた。が、その後感情が爆発。殺人は後悔はせずとも犠牲者の死に慟哭した。

 その後、気持ちの整理をつけたマコトは、反省し今後の蜃気楼都市の改善策を講じ、新従者を"識"と命名。そして彼を伴い学園都市ロッツガルドに、レンブラント氏の後ろ楯で自身の商会の支店設立と留学のため向かうことになった。

 ところがその道中、女神にマコトは見つかり彼は単独で見知らぬ地へ突然転送される。そしてその先で思わぬ未知の強敵に襲われることになった。

〈新しき 骨太配下 加わりて 識と歩むは 人の道かな〉

 ”識”は、元リッチでアンデッドだったが、生前はヒューマン。ヲタク趣味もない同性の求道者同士。マコトより年上だが従者の中で一番マコトと気が合いそう。

 そして人間の常識で分かり合える仲間が増えたマコト。識は、この世界で商売する上でも、実務上この上なく頼もしい存在になるだろう。

 原作者の作りだすキャラは、役割分担をよく考えた上で巧妙に配置されてると思う。

 今回はシリアス多めでコメディに徹底出来ない状況になり、マコトの心の川柳はなし。今回、亜空の王として脱皮したマコトには愚痴のような川柳は場違いだからだろう。

 今回のメインエピソードは個人的に好きな所で、Aパート全体の作画と演出は秀逸。モノクロ演出で血を強調して殺人の罪を象徴するセンスもいい。そして、原作とは違うアニメの予想外の展開は新鮮で、個人的にはこれはこれであり。果たしてどんな最終話になるのか非常に興味深くなった。

 原作未読のアニメ視聴組でこの作品が気に入った方は、ぜひ漫画版だけでも読んでアニメとの違いを味わって欲しい。原作には、より複雑な人間模様が描かれ、アニメと違う楽しみが必ずあるはずだ。

 ところで、今回初登場の新キャラのソフィアの声優は、沢城みゆきが担当。❰配役について❱で書いたが、個人的に本作では巴役のベスト筆頭は彼女。意外、まさか彼女が別の役で出演するとはびっくり。それなら、キャリア違いのギャラの差で予算が上がるかもしれないが、巴とソフィアは声優を入れ替えて欲しかった。

 そうすれば、人生と声優キャリアの差により、滲み出る風格がアップして、巴の存在感は今以上になったと思う。佐倉綾音も実力派で、田中敦子の声にやや似ている感の巴の演技は、決して悪くはない。だだ比較すると、ソフィア役の方がより相応しいと思う。
{/netabare}
🌕第十二夜 (終)「月が導く...」(9月22日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第8巻(第五十四夜『気まぐれ女神の御使い』第五十六夜『変態頂上決戦』)、漫画第9巻(第五十七夜『青い光』第五十八夜『痛み分け、あるいは勝者なき朝』第五十九夜『おかえりなさい!』)より、AパートとBパートの冒頭迄。以降は第7巻と第8巻から最終話に相応しい部分を抽出してエピローグとして構成。

〈あらすじ〉

 マコトと対峙したのは、ヒューマンと魔族との戦争で魔族側についた冒険者最強とされる"竜殺し"ソフィア=ブルガと、巴と同じく上位竜が人の姿になった”御剣(みつるぎ)”ことランサー。そこは戦場で、彼らはマコトを女神が寄越したヒューマンの加勢とみなし問答無用に命を狙い攻撃する。

 嘗てない強敵にマコトは間一髪で攻撃を躱すが不利な戦いが続く。そこで最後にマコトは指輪による魔力の封印を全解除して反撃。結果、神業級の魔法が発動し、その威力は核攻撃か天変地異の如くとなった。そして、その大地の抉られた跡地には巨大な湖が誕生。ソフィアとランサーはかろうじて生き長らえたものの、戦場の兵士の犠牲者多数となる大災害となった。

 マコトは亜空の自室のベッドの中で目が覚めた。澪によって既に傷は跡形もなく癒やされ、再び順調な日々を取り戻す。そして、マコトが代表で識が実務補佐、新たに巴がスカウトした森鬼たちやドワーフを従業員とするクズノハ商会のツィーゲ店がオープン。マコトのヒューマンの世界での躍進がいよいよ始まった。

〈クズノハの 勢い誰も 止められぬ 国はもとより 女神だといえ〉

 ということを2期に暗示した今回、核撃級バトルアクションになかなかの見所あって面白かった。構成が絶妙で、今期の主要キャラは僅かながらでもほぼ全員登場。最終話に相応しいまとめ方だ。

 巴の分体推しが僅かでも毎回必ずあったので、コモエが登場することは想定済みだったが、いいタイミングで登場した。最後のマコトの独白と、上げて下げる心の川柳二首もセンスいい。

 ひとつ残念だったのは黄門ED第3段は無かったこと。ひそかに"識"歌唱によるそれを期待していた。来期でもあったら嬉しいが、ネタとしては賞味期限切れでさすがにそれは無いか。

 今期の第七夜から原作と構成が異なり始めた。そして最後の二話はアニメ独自の流れになったので、2期は原作とアニメの構成の多くは一致しないと思われる。今回ちょっとだけ登場した勇者二名とその仲間たちのエピソードも盛り込まれ、マコトたちがあまり登場しない回もあるはず。2期制作は既に発表済み。どんな続きが視られるのか、今から楽しみだ。
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 12
ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

量産型異世界物

2021/10/30 投稿

説明不要かと思いますが異世界物です。

率直に言えばB級です。それ以下とも言えるのですが
印象としてはチープ,良く言えば,手作り感がある異世界物です。
国作りなどからか,転スラと比較される事が多いように思われる本作ですが
自分の印象としてはむしろ
「魔王様、リトライ!」←自分としては印象が最も近いと感じる作品
「ありふれた職業で世界最強」
「たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語」
に近いような気がします。
有象無象の一つです,勝手に量産型異世界物と括らせてもらいます。

ここまで,全然褒めていませんが結構面白かったです。
原作が優秀なのか,割と軽く視聴できて,先が気になるので結構なハイペースで見終わりました。軽く視聴できたのは,水戸黄門を意識したらしい(あまり似ていないけど・・・)勧善懲悪を基本としたストーリーのためでしょうか。{netabare}そして,1話と何話だったかのEDはちょっと衝撃でした。{/netabare}また,もっとも惹き付けられた点は,巴と澪のキャラクターだと思います。


一方,若干違和感を感じるところもありました。

まず,エマさんのキャラクターデザイン。ちょっと気持ち悪かったです。具体的に言うと,手足と目。もっとカワイイ感じにして欲しかった。アルケーも気持ち悪かったのですが,こちらはヒューマン形態に変身したのであまり気になりませんでした。

もう一つ,気になったのがネーミングセンスの悪さ。巴と澪の名前が序盤なんか居心地が悪い気がして仕方がありませんでした。途中で慣れたけどw

総合的に言って,すごいアニメとは思えないし,良い作品とも思えないんだけど,面白かったです。面白かったので,これでいいんだと思います。
うん!これでいいのだ!!(続けて読んじゃダメ^^;)

投稿 : 2024/04/27
♥ : 21

むす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

そこそこ楽しめる

異世界物。 冒険者チート+開拓物。ある程度テンプレだが主人公がやりたい放題なわけじゃないから
そこそこ楽しめる。話が進むにつれ開拓部分がおろそかになってるのが気になる。
初期設定がある程度細かく ゲーム寄りじゃないから自然。しかし細かすぎてあとから矛盾がでないか 回収できるか心配。
とくに主人公だけ不細工設定や後輩激似のキャラは偶然で済ませたらいけないし、主人公が高校生なのにあらゆるものに詳しいのも理由付けがないと不自然。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 6

68.5 18 魔法で仲間なアニメランキング18位
精霊幻想記(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (296)
953人が棚に入れました
前世と現世が交錯――二つの記憶を持つ少年が運命に立ち向かう!!幼い頃、母を殺され孤児となったリオはスラム街で必死に生きていた。ある日、幼馴染との再会を夢見て事故死した《天川春人の記憶》と《強大な魔力》がリオの中で覚醒し、剣と魔法の異世界に転生していたのだと気づく。さらに、偶然出くわした王女誘拐事件の解決に貢献したことで、貴族の子女が集う名門学院に入学することに……。階級社会の最底辺から這い上がるリオは、出会いと別れを重ねながら過酷な運命を打ち砕いてゆく。

声優・キャラクター
松岡禎丞、諏訪彩花、藤田茜、桑原由気、楠木ともり、原田彩楓、鈴代紗弓、本渡楓、金子彩花、浜田賢二、田丸篤志、遊佐浩二、東山奈央、新田ひより、首藤志奈、西明日香

U-yan さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

松岡さんにピッタリなストーリー&キャラ設定!

SAOを観た人ならわかると思いますが、これぞ松岡さん!と思いました。
キリトと被るのは仕方ないと思うけど、ストーリーは別物なので文句はありません。転生、最強、ハーレム、萌えキャラが好きな方にはお勧めです。最終話の終わり方はとても気になります。最終話まで観た人は間違いなく2期を期待していると思います。上からで申し訳ないのですが、円盤売り上げ等は関係なく、あのような終わり方をしたからには2期も必ず制作して欲しい!!!

追記

2期制作決定発表ありましたね!うれしいっす!

さらに追記

2023.3月
何故かもう一度観たくなって視聴。
この手のアニメの中では1番好きかもです。
やっぱキャラデザがいいからかな。
あと再視聴したら音楽が良い事に気付きました。
ラストの衝撃の再会からどういう展開になるんだろ~。
2期が待ち遠しいです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 6

大重 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

とてもちゃんとした異世界転生物。ちゃんとしていて普通に面白いです。

私、本来は異世界転生ものって大好物なんですよ。

ところがなろう系のせいで、なんか普通じゃない異世界転生ものが流行りすぎているんですよね。
・主人公が全く苦労も苦戦も何もしない無味乾燥な話
・主人公がやれやれ系で全く感情移入できない
・面白みもひねりもなにもないチート最強能力
・ヒロインが魅力が全くなく、ただ主人公を賛美し続ける
といった、私にとって全く面白いとも魅力的だとも思えない要素で味付けされた異世界転生ものが多すぎて、異世界転生もの自体が嫌になりかけてしまいます。

もちろんそうじゃない転生ものもいくらでもあるわけで、なろうでも無職転生とかね。全部を嫌いになるのは早計過ぎるわけですが。

本作も、そうじゃない異世界転生ものですね。いや、それが普通なのですが。
主人公は普通に苦難にあいます。
そのままでは死んでしまう絶体絶命のピンチでチート能力に目覚めるなら、応援もできます。目覚めなきゃ死にますからね。
ちゃんと事前に魔力の才能がある、と伏線も貼っているので、事前に期待もできる。こういうのは物語作りとしてちゃんとしていると思います。

ヒロイン達も優しそうな人、性格が悪そうな人、色々揃っていて今後が面白くなりそう。
というわけで、これで良いんだよ、と言いたくなる、私が好きな異世界転生ものです。
作画も良いですし、これは視聴継続。先がとても楽しみです。

全話感想
1話感想に書いた通りですがとても素直な作りで楽しめました。
別にテンプレチートものではあるのですがちゃんと最低限のピンチがあるだけでちょっと違うのですよね。
まあ中盤以降はチートっぷりが激しくなって周りが対抗できなくなってしまい、面白さが減っていきましたが…。
でもヒロイン達はそれぞれに可愛かったので。
内容的には全く終わっていないですが、2期をやる気はあるのでしょうか。
ゲームが人気が出れば続くのでしょうかね。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 7

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

前世と現世が交錯する――異世界転生ファンタジー

この作品の原作は未読です。
主人公のCVが松岡さんで、藤田茜さん、桑原由気さん、楠木ともりさん、原田彩楓さん、鈴代紗弓さん、本渡楓さん、金子彩花さん、奈央ぼう、西明日香さんという強力な布陣を見たら気にもなりますよね^^


前世と現世が交錯——二つの記憶を持つ少年が運命に立ち向かう!!

幼い頃、母を殺され孤児となったリオはスラム街で必死に生きていた。

ある日、幼馴染との再会を夢見て事故死した
《天川春人の記憶》と《強大な魔力》がリオの中で覚醒し、
剣と魔法の異世界に転生していたのだと気づく。

さらに、偶然出くわした王女誘拐事件の解決に貢献したことで、
貴族の子女が集う名門学院に入学することに……。

階級社会の最底辺から這い上がるリオは、
出会いと別れを重ねながら過酷な運命を打ち砕いてゆく。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

完走して思うこと…
まず松岡さんの演技…まんまSAOのキリトの様に思えたのは私だけでしょうか^^;?
別に嫌な訳じゃありませんでしたが、気になってしまいました。

キリトに思えたもう一つの理由…
この作品もリオを中心としたハーレム構成がちゃんと出来上がっていたこと…
旅先で立ち寄ったところの美少女を次々と陥れていくところなんでそっくりじゃありませんか。
リオにその気がないのに、いつの間にかその構図が出来上がっているところとか、羨ましい限りなんですけどっ…

この作品はどのヒロインを推して視聴するかで評価が変わりそうなんですけど、今回はそれぞれのキャラがそこまで深掘りされませんでしたね。
もう少し尺をとってそれぞれのヒロインを掘り下げていくと、もっと違った魅力が見えてきそうですね^^

wikiをチラ見して知りましたが、本作品のメインヒロインは藤田茜さん演じるセリア・クレール、楠木ともりさん演じるラティーファ、そして原田彩楓さん演じる綾瀬 美春の3人なんだそうです。
綾瀬 美春は最終話で少し顔を見せただけですので、主人公争奪戦は未だ序盤といったところなんでしょうね。

そう言えば友人も言っていましたが、最終話の終わり方がムッチャ気になる感じでしたよね。
東京リベンジャーズの終わり方とそっくりではありませんか…
巷の噂によると東京リベンジャーズの2期は可能性が高いとのことでしたが、ネットをググってみると続編の可能性が結構高いと記載されている記事をいくつか目にすることができました。
そうですよね…ここじゃ終われないですよね。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、高野麻里佳さんによる「New story」
エンディングテーマは、大西亜玖璃さんによる「Elder flower」
どちらも通勤中に聞いている楽曲です。
個人的にはオープニングのC/Wの「さよなら星空」も大好きな楽曲でした。

1クール全12話の物語でした。
個人的には毎週の視聴を楽しみにしていた作品でした。
続編制作の発表を楽しみに待ちたいと思います。
しっかり堪能させて貰いました!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 13

70.8 19 魔法で仲間なアニメランキング19位
ゴブリンスレイヤー GOBLIN’S CROWN(アニメ映画)

2020年2月1日
★★★★☆ 3.6 (176)
819人が棚に入れました
ゴブリン退治に出向いて消息を絶った令嬢剣士を探して欲しい。剣の乙女からの依頼を受け、北方の雪山に向かうゴブリンスレイヤーたち一行。襲撃される寒村、謎の礼拝堂と、今回のゴブリンの群れの行動に違和感を覚えるゴブリンスレイヤー。「取り戻す…、失った物、全てを! 」囚われの令嬢剣士を救うため、雪に囲まれた古代の砦を舞台に、圧倒的な強さを誇る“何者"かに統率されたゴブリンたちとゴブリンスレイヤーたちが激突する! !

声優・キャラクター
梅原裕一郎、小倉唯、東山奈央、井口裕香、内田真礼、中村悠一、杉田智和、日笠陽子、松岡禎丞

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

失った誇りを取り戻せ

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ版第1期は視聴済です。
TVアニメ版の内容は鮮明に記憶に残っています。
放送が2018年と比較的最近だったこともありますが、ゴブリンの執拗さや残忍狡猾なやり口は簡単に忘れられるモノではありません。
唯ちゃんと奈央ぼうがパーティーに加わっていたのも大きかったかな^^


“ゴブリン退治に出向いて消息を絶った令嬢剣士を探して欲しい。”
剣の乙女からの依頼を受け、北方の雪山に向かうゴブリンスレイヤーとその一行。
だが、襲撃される寒村、謎の礼拝堂と訪れるにつれ、今回のゴブリンの群れの行動に違和感を覚えていく。

囚われの令嬢剣士を救うため、雪に囲まれた古代の砦を舞台に、
圧倒的な強さを誇る“何者”かに統率されたゴブリンたちと、ゴブリンスレイヤー一行が激突する。


KINENOTEのあらすじを引用させて頂きました。

物語は見たことないパーティーがゴブリン狩をしているところから始まります。
いきなりゴブリンスレイヤーや神官・弓使いが颯爽と登場するとばかり思っていたので一瞬あれっと思いましたが、その心配も杞憂ですぐ「いつものメンバー」が集結してくれました。

その見たことのないパーティーを率いていたのが、捜索依頼の出ている令嬢剣士だったんです。
令嬢剣士率いるパーティーは、万全の準備をしてゴブリンの巣穴に向かい、凡そ万全と思える方法でゴブリンの首を絞めあげていきます。

彼らもこれまでそれなりのゴブリンを相手にしてきたんでしょう。
決してゴブリンを侮ってなどいませんでした。
だから、今回の狩りも戦歴が一つ増えて終わる筈だった…

ですが、ゴブリンってそんな生易しい相手じゃなかったんです。
きっと彼らの取った戦法は間違いじゃなかった…
但し、途中まで…でしたけれど。
今日首尾良く出来たから、明日も同じ方法でうまくいくとは限らないんです。
きっとゴブリンスレイヤーですら目の当たりにしたのは初めてだったのではないでしょうか。
そんな相手と対峙したパーティーの末路なんて…一つしかありませんよね。

そしてそんな惨状を見てゴブリンスレイヤーが黙っている訳…ありませんよね。
ゴブリンスレイヤー一行と小鬼聖騎士(ゴブリンパラディン)率いる大量のゴブリンとの全面戦争に発展するのに、そう時間は掛かりませんでした。

ゴブリンスレイヤー一行の個々の個々のスキルにも圧倒されますが、それより驚かされるのはゴブリンたちがしっかり統率されていることです。
しかも群れを率いていた小鬼聖騎士は更なる目論見を企んでいたようですし…
改めてゴブリンって怖い存在だと思いました。
その分見応えは半端ありませんでしたけどね^^

主題歌は、Miliさんの「Static」
幻想的な序盤から一気に激しさを増す中盤以降の曲調が本作品の作風ピッタリだったと思います。

上映時間が約60分の作品でした。
相変わらずの殺伐とした世界観はしっかり堪能できたと思います。
TVアニメ版は原作の第1巻~第2巻の内容が映像化されたんだそうです。
そして現時点での既刊発刊数は12巻…
続編を制作するのに十分過ぎるくらいのストックが溜まっているのではないでしょうか。
続編…制作が決定するのを楽しみに待っていますね。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 20
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

うん。。期待を裏切らない緊迫感は健在

 
本編第一話の効果が大きいのでしょうね。

■エピソード

~{netabare}
ゴブリンによるパーティー敗北・・・
男性はその場で首を落とされ、女性は連れ去られたりその場で・・
そんなことは日常茶飯事と、一期第一話で言ってましたが・・
いやホントにナゼ女性がゴブリン退治に行きますかねw

まー底辺の冒険家や一部の村民レベルの被害に手が回らないほど、魔王を倒す方が大変・・と思うことにしましょう。

雪崩に巻き込まれて無事って・・
雪国の人間にとっては、ちょっと雪崩を舐めすぎのような。
窒息をケアして正解ですが、圧死も対策しないと。
あ、ゴブスレさんは鎧だからOKかな?でも他の人は・・・

でも今回、凌辱系の表現は抑えられていましたね。
やはり内外からの何かがあったのかな・・
あ、R12の劇場版だから・・とかかな。
{/netabare}~

きっちり冒険、してました。
やはり緊迫感ハンパない・・・
面白かったです。

今思えばなんであんなに一話目を否定したのか思い出せない部分もありますが・・
きっと昔の知り合いの体験談を思い出したんでしょう・・ご容赦を。

 制作:WHITE FOX
  刀語、シュタゲ、ご注文はうさぎですか?、
  うたわれるもの2期、リゼロ、少女終末旅行、
  慎重勇者
 公開:2020年2月
 視聴:2020年10月

■キャスト
今さらですが、個人用メモとしてキャストもおさらい・・

~{netabare}
ゴブリンスレイヤー:梅原裕一郎
 慎重勇者の聖哉でした(なるほどw)
剣の乙女:遠藤綾
 らき☆すた(高良みゆき)
 凪のあすから(潮留みをり)
 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(カトレア・ボードレール)!

以下の方はキリがないので出演作は省略w

女神官 :小倉唯
受付嬢 :内田真礼
妖精弓手:東山奈央
鉱人道士:中村悠一
蜥蜴僧侶:杉田智和

牛飼娘 :井口裕香
槍使い :松岡禎丞
魔女  :日笠陽子

本作のヒロイン?的なキャラは・・
令嬢剣士:上坂すみれ

最後酒場で、これでもか的にキャラを出してきましたね。
{/netabare}~

藤井ゆきよさんは今回出ていなかったようで残念・・
ゆかちの声が聴けたのは良かったw
 

投稿 : 2024/04/27
♥ : 21

65.4 20 魔法で仲間なアニメランキング20位
100万の命の上に俺は立っている 第2シーズン(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (177)
614人が棚に入れました
合理的で単独行動が好きな中学3年生四谷友助は、
ある日ゲームじみた異世界に転送された―。

すでに転送されていたクラスメイトの新堂衣宇、箱崎紅末とともに
3人目のプレイヤーとなった彼は、命を懸けたクエストに挑むことに。

感情論を排してすべての要素をフラットに、
時には仲間の命すら駒として扱う冷酷な四谷。

襲い来る魔物、厄介な事件、そして暗躍する強敵からパーティの全滅を防ぎ、
このゲームをクリアすることができるのか?

声優・キャラクター
上村祐翔、久保田梨沙、和氣あず未、小市眞琴、斎藤千和
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

やはり面白かった

<2021/7/31 初投稿>
原作漫画は未読。
見始めなので評点はデフォルトの3.0です。

一期は結構好きだったんですが実質評価保留みたいなレビューになりました。
お話自体は実は渋いんじゃないかと感じていて、これからの展開次第で面白くもつまらなくもなりそう、と感じたので

というわけで16話見ました。
やはり段々と面白くなってる。
勇者たちのレベルアップの仕組みはまるでゲームのそれですが、{netabare}異世界は仮想ではなく、現実に存在し、そこに住んでいる人も実際に生きている{/netabare}ということがわかった前作

それを踏まえて勇者たちは訳のわからない、やたら困難なクエストに取り組んでいきます。

最新16話では{netabare}オークとの切羽詰まった生々しい殺し合い{/netabare}の最中{netabare}島の突然の噴火と津波に見舞われ大混乱{/netabare}となります。
そんな状況でも相変わらず目的達成に向け、最も効率的・確実性の高い行動を取ろうとする主人公

そしてさらに{netabare}噴火口からは謎のラドンみたいな鳥?{/netabare}が・・・

という畳み掛けの上に更に畳み掛ける展開

やはり面白いのか?

<2021/8/7 追記>
第17話まで見ました

面白いですよ、この作品
ようやく胸を張って言えるようになったかも
一期で多くのアニメファンを怒らせてしまい、見る人が減ってしまったので隠れた作品になりつつありますが

私は好きです。

相当に捻くれた内容なので、
私のような捻くれ者とは相性が良いのかも 笑

とりあえず中間評価点付けてみました。

今期、「死神坊ちゃん」「桃太郎」と本作は毎週楽しみになってます。

<2021/9/24 追記>
最終話まで見終わりました。

面白かった。
物語もキャラクターも上手くできてる。

1期はトリッキーなことやってて「ふざけてんのか」とお怒りのアニメファンも多数。
ただ今考えると1期の内容はプロローグ。
だから限られた予算内でいろいろ工夫してというのもしゃーない、と思います。

2期は物語が展開し、主人公たちの立ち位置や課せられた本当の目的{netabare}「ドラゴン復活の阻止」{/netabare}が見えてきて、ゆっくりと、確実に盛り上がってきました。
最終話では「100万の命」の意味にも触れてます。
チャラい意味じゃなかった 笑

最終話のゲームマスターの今後の展開を暗示するような台詞。
大塚芳忠さんだったので、より重さが響いてきました。

惜しむらくはアニメーションの動きに全く迫力がないこと。
派手な演出は邪魔になるというタイプの作品ではあるけど、それにしても重要なシーンだけでも良いからもうちょっと丁寧に描いて欲しかった。

この作品、これから先の展開が気になります。
3期がほしいなぁ。
難しいのかな。
原作追いかけようかな。、

投稿 : 2024/04/27
♥ : 31

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

1期目より面白い(1期目がつまらないとは言ってない)

相変わらずの原作未読です。勇者として転送された「ゲーム」の世界と現実との関係が1期目最終回で明かされたのを受けての2期目となります。原作はまだ継続しているみたいですね。

1期目を観ていないと2期目の話は良くわからないと思いますので、未見の方はここでさようなら…。



さて2期目の本作ですが、1期目同様に作中の1クールでクエストは2周(ジフォン島編/ザグロス村編)し、それぞれのクエスト冒頭から新しいプレイヤー(転送先の世界では「勇者様」と呼ばれる)が加わります。

向こうの世界の住人で1期目ではヒロインムーブをかましていたカハベルさんは、この2期目ではほとんど出番がありません。出番がない理由は、けっこう切ないです…。

1期目で主人公の四谷友助(よつや ゆうすけ)が参加しての3周目のクエストからメインの作戦立案者は友助、4周目ではたまに時舘さんが友助の相談に乗るといった感じでしたが、2期目の6周目のクエストでグレンダさんが加わって、友助とは違った視点での有能な作戦担当として活躍していました。

人としての倫理観に必ずしも囚われずにクエストの本質を見抜きクリアに邁進する友助と他のメンバーとの感情的なすれ違い、普段はヘタレ気味でもここぞという時になぜか火事場の馬鹿力的な活躍を見せる時舘さん、直情的な行動でパーティーを簡単に危機に陥れる啓太、友助とは違ったアプローチでパーティーの危機を救うグレンダさん、といったあたりでかなり楽しめました。

けっこう面白かったです。

余談: 勇者の死亡からの復活システムはどうやって実現されているのかさっぱりわかりませんが、これを深く気にしだすと本作は楽しめなくなってしまうかも?

投稿 : 2024/04/27
♥ : 22

58.2 21 魔法で仲間なアニメランキング21位
レベル1だけどユニークスキルで最強です(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★☆☆ 2.7 (131)
377人が棚に入れました
「小説家になろう」で日間・週間・月間・四半期1位を獲得した人気タイトルが、待望のTVアニメ化! ブラック企業に勤めるサラリーマン・佐藤亮太は、ある日ふと気がつくと、見知らぬダンジョンの中にいた……! そこは、あらゆるものがモンスターからドロップされる不思議な世界だった。 偶然出会った少女・エミリーの助けで自身のステータスを確認するも、体力や魔力などのステータスはすべて【F】(最弱)! さらにレベルは固定で【1】(最低)! 絶望の淵に立たされた亮太だったが、最強のユニークスキル【ドロップスキル・オールS】の持ち主であることが判明!! はたして亮太は、この不思議な世界で生き延びられるのか!? 最弱で最強の冒険が、今始まる──!

68.2 22 魔法で仲間なアニメランキング22位
マッシュル MASHLE 神覚者候補選抜試験編(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (90)
371人が棚に入れました
誰もが魔法を使い、その優劣が全てを決める魔法界。人里離れた森の中で、日々筋トレの鬼と化す少年・マッシュの秘密は、魔法が使えないこと。その秘密を他人に知られた時、日常は一変!! なぜか魔法学校に入学し、トップを目指すことに…!? 鍛え上げた筋力とパワーで、全ての魔法を粉砕するアブノーマル魔法ファンタジー、ここに開幕!!

サルモネラ菌 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

うーん

ジャンプの連載1話目からマッシュル見てた人だけど
マッシュルは面白いとは思う。けど、全世界で大バズりするほどの物語ではないかなと思う。鬼滅と同じ。例えばドラゴンボールが全世界で大ヒットしたのは必然だと思う。でもマッシュルはopの力でヒットしたという感じ。もちろんマッシュルという作品はおもしろいと思ってるし、結構好きだけど、過大評価かなと思ってる。アニメあんまり見ない人が見たら
面白く感じると思う。
・マッシュの人外戦法(褒めてる)が面白い
・キャラへの感情移入が少しできない
・ギャグが時々寒い
・ストーリーに深みがない
・どんどん上へと行くワクワク感がいい
と言う感じで良いところもあり、悪いところもある
というかんじ

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

lostmemory さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

個人的には好きな作品

魔法使い達を魔法が使えないマッシュが力で物理的に
ぶっ倒していく今の時代の作品とは思えないくらい
シンプルな内容。ストーリーもあってないようなもの。
なんだろう。男塾とかあのあたりの時代の作品みたいだ。

でもだからこそ自分みたいなアニメを長年見てきている
人間には割と刺さる。特に最近のはやたら設定が難し
かったり内容が意味不明だったりする作品が多いので。

若い人には受けない作品だろうけど個人的には好き。
懐かしさがあるし。ワンパンマンと似ていると
思った人もいるだろうが、そうでも無いと思う。

ワンパンマンはサイタマが強すぎるので出番が
少ないし出番があるとワンパンで敵を倒してしまう
ので正直つまらない。でもこっちはマッシュは強いが、
相手も結構強いので割と頭脳戦で戦ったりして見ていて
楽しめる。

海外で凄い人気らしいが、結局海外って力こそ全て。
みたいな作品大好きだよね。キャラデザが独特かつ
日本人っぽさが全く無いのも要因かも。

いずれにせよ私はこの作品を評価する。
少なくともつまらないラノベアニメを見るよりは
遥かに面白い。なんだかんだ王道のジャンプ作品
だよ。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 0

四ツ谷ミツル さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

邪王道ボーイにはグーパンがよく似合う

一期と同じく懐かしきジャンプの王道が心地良い。これだよこれ。
主題歌が鬼のようにバスッている本作だが、内容もちゃんと面白い。
やはり試験を受けて、仲間と友情努力絆グーパンで突き進む姿は爽快感あって非常に良い。
アクションシーンもちゃんと動くし、一試験ほぼ一話で終わるのでテンポも良い。
自分はマッシュルのシリアスになりそうな雰囲気をぼっきり折ってギャグに走る所も結構好きなのでライトに楽しむ分には十分おすすめ出来る。

作画は厚塗りっぽい所からギャグ感満載なシーンが交互に来るので飽きずに楽しめるし、見やすいと思う。
OPの中毒性は言わずもがなだし、EDもなんで東京やねんwwみたいなツッコミ所はあるがマッシュルらしいシュールさで良かった。

声優陣は一期に引き続き有名所が多く、新キャラも役に合っていて良かった。
(ゴニョゴニョした後の)マーガレットなんか見た目がかなりタイプで逆に天を仰いだ(?)
んだよカワイイじゃねぇかよ…!
主人公のマッシュは一期と同じであまり感情の起伏が無い感じの声なのだが、二期のバトルシーンではちゃんと声量大きかったり、ハキハキしてくれるのでメリハリがあって良かった。

お話的にはひと段落着いて区切り良く〆たが、マッシュルの夢はまだ道半ばといった所だろうか。
マッシュルのアニメはこの二期で終わりな気もするが、良作ジャンプアニメなので個人的にはもっと続きが見たい。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 0

65.0 23 魔法で仲間なアニメランキング23位
最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (117)
307人が棚に入れました
スキル至上主義の異世界オートグズ。前世の記憶を持つ気弱で優しい魔物使い<テイマー>の少女・アイビー(5歳)は星なしの最弱ランクがために、故郷の村から追い出されてしまう。おまけに唯一テイムできたのはゴミを食べる最弱の魔物・崩れスライムのソラ。最弱同士の2人(匹)には魔物が蔓延る異世界は過酷……と思いきや、その道中は愛されまくりの可愛いがられまくりで幸せ!?ひたむきで愛らしい彼女に魅入られ、異世界住民たちの親切と寵愛をその身に受けるばかりか、可愛い魔物にも囲まれて癒しの日々が続いていく!更にはソラに病気や怪我を治す能力が開花し──!? 可愛い2人(匹)があなたの心を虜にする、ほのぼのサバイバルファンタジー開幕!

声優・キャラクター
アイビー:鈴木愛奈
ソラ:田村睦心

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

プープ プップッ、プープ プップッ、プープ プップッ、プ〜

クリーピーナッツ風に乗せちゃってくださいな^ ^。

詳しいことは分からないのですが、第一話の作画クオリティと演出の素晴らしさ、そして何より最終回、それもCパートの感動は、絵本童話の世界から抜け出してきたかのようで、語らずとも訴えかけてくるスライムの思いに、思わず涙がこぼれそうに…。

そう、無理ゲーなんて概念は、“可愛い”の前では意味を為さないのです。
星なしテイマーと崩れスライムのお話は、今期の中でも特にお気に入りの作品となったわけでありまして…。
まあ、こんな可愛い子に、
一人になると 息が吸えるの♪
誰もいない世界にほっとした♪
…なんて言われて、胸ががキュッとしないおじさんはいないはず。
カル◯ス育ちなら尚のことではありますが…。

あと、丁さんが謳い上げるエンディングがまたイイ。

(独り言)
“最弱ゲーマー”の生きる道は、なんといっても“ゴミ拾い”、一見役立ちそうに無いものであっも拾っておくことであります。
前世者と言う役割を担い、ピンを鳴らして語りかけ、見守り続けるプレーヤーは私たち自身でありましょう。
(海外ドラマ的蛇足)
それでも、ヘクター・サラマンカ(演)のように、ベルを鳴らし続けてはいけません。
彼女は、決して“ブレイキング・バッド”に陥ることなく、あるいは“ベター・コール・アイビー”と、手元に置きたがる面々(調査兵団似?)に対しては、適度な距離を取ることのできる賢い子なのです。

演 - マーク・マーゴリスさん、昨年お亡くなりになっていたのですね(合掌)。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 12

ぽこ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

刺さる人には刺さる最高のアニメ

最初に言っておきますが、これはよくある量産型のなろう系アニメとは一線を画したクオリティです。
人情に触れる温かさが、日々の荒んだ心を癒してくれる。そんなアニメです。
「魔女の旅々」みたいな、人との関わりの中で主人公が変わっていく様をみるのが好きな人は絶対に刺さるアニメだと思います。
マジでタイトルだけ読むと面白くなさそう(ごめんなさい)ですが、内容とのギャップで完全に心を持ってかれました。
作画もレベル高いし。
数は少ないですが私が観てきたアニメの中でも、トップクラスに良かったです。
ただ一つケチをつけるなら、前世のワタシと干渉できる設定は要らないのでは?と思いますね。
なんだか、別に作中世界の主人公自身でも気づけるような問いばかりでした。
ただ、そのおかけでストーリー展開がスムーズに進んだ点もあるし、尺の都合もあるのでしょうがないのですかね。
なんにせよ、素晴らしいアニメでした。
最終回の終わり方も完璧で、正直続きは全く気にならないのですが、作者さんへの感謝の気持ちを込めて3冊くらいは原作を買おうと思います。
そんな気持ちにしてくれる、とても温かいアニメでした。
この殺伐としたコンテンツ消費社会にこそ観てほしい作品です。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 3

AGFHE11237 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

サンドイッチ話法で前半の暗い展開をプロローグにしてしまう

原作読んでる人なら存分に楽しめる第1話でした。
説明なしで話を進めたり前後させたりと、読み手に
勘の良さや推理力を求めたりするのが原作でもコミック
でも手法として使われており頻繁に読み返しさせられますが
書き手様の伝えたいことに気づくと思わずぐっときちゃいます。
が、この第1話は初見さんには伝わらなさすぎです。
2つのPVすら物語の進行に入れ込んできてますので
ご覧になってない方は早めに目を通されることをお勧めします。
作画に関しては、かねてよりスタジオマスケット様が一画入魂を宣言されて
いましたので、期待通りの優良作画でした。
音楽は夢見クジラ先生です。てげごいすーです。
アイビーの声は邪神ちゃんですねー。
内容が難しく主人公はとても弱くて貧乏で、1話切り2話切りされる方も
いるでしょうが、少しでもアイビーを応援したくなった方は
頑張って見続けていきましょう。

と、書いていましたが、謝罪と訂正を
原作の主人公の身の上を3話から盛り込んできました
嫌な話を後に回し、視聴者に鬱スタートによる1話切りを
軽減させるテクニックは見事
7話時点まで見てますがコミック3巻くらい
この進行速度だと2クールを予定してる可能性があるので
原作読んでいない方は びっくりするよな展開が待ってますよ

投稿 : 2024/04/27
♥ : 4

87.3 24 魔法で仲間なアニメランキング24位
色づく世界の明日から(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1131)
4824人が棚に入れました
物語の始まりは数⼗後の⻑崎。⽇常の中に⼩さな魔法が残るちょっと不思議な世界。主⼈公の⽉白瞳美は17歳。魔法使い⼀族の末裔。幼い頃に⾊覚を失い、感情の乏しい⼦になった。そんな瞳美の将来を憂えた⼤魔法使いの祖⺟・⽉白琥珀は魔法で瞳美を2018年へ送り出す。突然、⾒知らぬ場所に現れとまどう瞳美の視界に鮮烈な⾊彩が⾶び込んでくる…。

声優・キャラクター
石原夏織、本渡楓、千葉翔也、市ノ瀬加那、東山奈央、前田誠ニ、村瀬歩
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

アズライト

色が見えない少女がタイムスリップするお話。

1話
{netabare}
主人公の月白 瞳美は色覚異常で周囲と馴染めません。
周囲が夢中になれる風景であったりを共有できない。
人と馴染めない分、周囲のイメージと違って、瞳美は純粋。
本作がテーマとして扱っている「色」について、
色が見えないから、哀しい、と言うわけではなく、
哀しいから、色が見えないように感じました。
母親との別離、年数の経過、友人の欠如、そういったことから色が見えないのかな。

瞳美は魔法なんて大嫌いという。魔法使いという自分の家系に対するものか、「一人でも大丈夫」という魔法を使ってしまう、自分の心の弱さに入り込むからだろうか。
葵 唯翔の絵(デジタルで・・・)により、瞳美の世界に色が戻る。

今作が瞳美の色を取り戻すためには、何が必要であるのか、それを追っていくことは必要でしょうね。
その中で、心が純粋で脆い瞳美の、細やかでいじらしい感情の動きを期待しています。

サブのポイントとしては、自分の元々持つ、魔法使いと言う血筋や、一人でも大丈夫となってしまった現状で友人の存在について、どのように肯定していくのか、と言う部分を重視してます。

それにしても、瞳美の髪が銀色なのは外人の血でも入ったのだろうか。琥珀ばあちゃんもしくは瞳美の親は外人と結婚したのかな(笑)
キービジュでは、色はそんなに銀色じゃなかったから、アニメ的表現だろうか。
{/netabare}

2話【モノクロ】
{netabare}
二話で多用された瞳美のモノクロの世界と色のある世界の一瞬の切り替え。

モノクロ写真は、色、という情報が抜け落ちて、過去の事象(写真の中に収めた物)をみています。
その時、私は、写真を取った時の時間の流れよりも、自分の生きている時間の流れが、はやいような気がするのです。
なので、瞳美の世界は、私の生きる時間とは少し時間の流れが違うような、そういう錯覚を覚える印象を受けました。

また、色のある世界から、モノクロの世界に変わるシーンは、私の感じる世界がこう見えて、瞳美の世界がこう見えてしまうのか、そういうショッキングさが感じられて、瞳美の抱える色覚障害というものが、瞳美に与える影響の大きさを納得してしまいましたね。

{/netabare}

3話【暗示】
{netabare}

今回は瞳美に対して暗示によってどうなるか、というアプローチがなされていましたね。
ポッキーを杖代わりにした時も(ポポッキーとかいってたかな?)、
曾祖母である瑠璃が「初心者はこういうものをつかったほうがやりやすい」
という事を言っていましたね。
つまり、魔法使いのオールドなイメージ、大きな帽子に杖を携えたような、そんなイメージで、なりきった気分になったほうが使えるということかもしれません。
それは、私は魔法が使える、という思い込み、自己暗示を掛けやすくなるための一つの手助けでしょうね。

そのほかにも、水色の星砂を撒いたので水の上を歩けると思い込んだ瞳美の思い込み、
人に色が見えないことを隠す理由にある、他人への思い込み、
モノクロ写真なら自分にもできるかもしれないという、希望のような思い込み、自己暗示。

彼女が色が見えないことや魔法が使えないことは、彼女自身が自分にアレができるコレができると思い込めるような自己肯定によって、解決されるのかもしれません1ね。


{/netabare}

【魔法が解けるとき】
{netabare}
二話で瞳美が「魔法なんて大キライ」という言葉を、前篇と後編で使い、その心境の変化を、表情や声色で表しましたね。
この言葉を自己暗示のように繰り返していた瞳美。
「一人でも大丈夫」という言葉の小さな魔法、思い込みのように、この言葉も小さな魔法なのかもしれません。
それが二話の後半で言った「魔法なんて大キライ」という言葉はどこか魔法が解けかけたような…そんな印象になりました。
{/netabare} 

4話【世界】

{netabare}
一人のか弱い少女のお話と見ていましたが、世界との向き合い方、セカイ系っぽいお話をするかもしれません。
「魔法の力を与えてくれたこの世界に恩返しがしたいの」
そういった60年前のババ…(ゲフンゲフン)琥珀は、瞳美からみて、大人に見える、もしくは先を見ているように見えたでしょう。

琥珀が作品中で悩みであったりとかを抱えるかどうかは、作品の最終回に深く関わってくるでしょうね。

琥珀は世界を肯定しており、作品世界の理の一部である「魔法」を肯定しています。
つまり、瞳美は、世界の理である魔法の力を有していながらにして、否定していることが、色が見えない原因になっているのだと、今回感じました。
潜在的な瞳美の魔法の力が琥珀の魔法によって引き出されたことからも、彼女の心によって色が見えないことを、彼女の中に内在する魔法が作り出しているのでしょう。
でもそれって…少しおせっかいな世界かなと、思いもするんですよね。

また、写真部の皆の恋や物語も平行して進んで言っていますが、一つ一つの物語に意義があり、それぞれの物語が最終的に帰結する場所へ意味があることを期待させて頂きます。

{/netabare}

5話【魚】
{netabare}

今週は写真部の女性メンバーのあさぎの恋を回収する話も絡めてましたね。
あさぎの恋が、あさぎを成長させる要因として作用する方向に持っていったのは素晴らしいと思います。
ただ、主人公である瞳美をあさぎの成長の間接的な原因としたポジションにおいたままだったため、瞳美とあさぎの距離は縮まっていないことが気がかりです。

さて、今回は瞳美が葵に渡した星砂(懐かしい思い出の星砂)、それをつかうことによってあおいが金色の魚を見るという展開がありました。
ひとみが魚をみたときは、あおいのデジタル絵を見たときです。
つまり、星砂が魔法の類であるならば、あおいのデジタル絵は、別の魔法がかかっているのかもしれません。それは、あおいが絵に込めた思いが、魔法として絵にかかっているということであってほしいですね。


{/netabare}

6話【写真】

{netabare}
今回は色々転換点になりそうですね。

まずはあさぎの恋ですが、部長との関係を「小学生時代の関係のままで良い」から、変えたいと思ってあのように部長の手を振り払った。あさぎの拙さが残るコミュニケーション方法にとても青春を覚えますね。

次に、あおいの絵の中に瞳美が入ってしまったことについて。
情報が多いので整理しましょう。
①絵の中に入る時、アズライトがモノクロの世界で光っているように見えた
②絵の中の奥には、死んだ金色の小魚、死んだ大きな金色の魚がいた。
③瞳美が絵の中の奥で立っていた場所は瞳美曰く「荒れた場所」
④絵の中には渦まきが中心にあるような湖(もしくは海)があって魚はそこにながれた。
⑤渦巻きの中心に行こうとする魚を、網のような物を持って捕まえようとしていた人がいた。
⑥絵の中の事を聞かされたあおいは、なにか思うことがありそうだった。

では、内容を考えてみましょう。
まず①については、絵に入ったのは瞳美の魔法によるものであるという事の裏づけでしょうね。アズライトは魔法の力を増幅させるような意味合いを持ち、それを描いたものです。
②について、これについての疑問点は誰の心の内を描いたものであるのかという事。
これはあおいの心の内を描いたものであるのか、それとも瞳美の中なのか。
というのも、⑥のようにあおいは自分の絵に対しての迷いを描いているように見えつつ、後半で瞳美に色が見えるようになるとき、彼女の心の変化によって大きい魚の状態が変化することがあることが、この描写の疑問点です。
この疑問点については保留しておきたいですね。④と⑤を理由として解釈すると、小魚はあおいの心のもの、大魚は瞳美の心のものであるかもしれません。

③番についてですが、瞳美があおいに、瞳美のために絵を描くから見てほしいという言葉で、荒れた場所に色がついたことから、瞳美のポジションを表現したように見えます。

さて、絵の中についてはこれくらいにして、瞳美の世界に色がもどったことについて考えます。
あおいの干渉によって瞳美の心が変化したために色が見えるようになった、ということは、誰が見ても間違いないでしょう。
なぜ色が見えるようになったかについては、色が見えるようになったとき魚が登場したため、色の見える見えないは魔法の関係していることは明らかかと思われます。
色が見えるようになったときに死んだ大魚が金色になり蘇った事については、瞳美の心の中での変化をえがいたものでしょう。
あおいの干渉というのが、「君のために絵を描くから、君に完成した絵を見てほしい」というのですが、魔法を作り出しているのは瞳美であるために、瞳美の心の内がいまどうなっているのか、という事が重要なのです。
色が見えないのは瞳美が世界を肯定できないせい、と以前書きましたが、
あおいの干渉で、瞳美が世界に肯定できるものが出来た、と考えると、
おのずと今後の展開が見えて来るような気がします。

それと、魔法写真美術部が仮装をして写真を取りにいったとき、瞳美が道のブロックの写真を取っていることが非常に印象的に見えました。
その残った写真は他の人が見ればただブロックを取っている物にしか見えないかもしれない。ですが、写真を取った瞳美がその写真を見れば、この時どういう思いで写真を取ったのか、他に心躍るような景色はそこにあったのに、ブロックを取った理由。写真という映像を保存する媒体が、人の記憶や感情を呼び出す装置になるというのが、とても面白い描写でした。

{/netabare}

7話【好き】
{netabare}
今回は胡桃回でしたね。個人的には胡桃に共感をもてた良回のだけれど、進路の話と捉えるととたんに面白くないと感じる方もいるかもしれません。
私は今回は、「好き」を強く意識させられる回だったと感じています。
その「好き」とは恋愛感情におけるものではなく、物事に対しての「好き」ということ。

物語を考える前に、少し胡桃の状況を整理しましょう。
①胡桃は人生をかけるほどの好きなものが無いことに悩んでいる。
②胡桃の姉が好きなものを仕事にしたことをすごいと思いつつ、①の自分と比較して、劣等感を感じている。
③劣等感を感じていた胡桃であったが、千草によって自分の好きをあせらずに見つけることを気付かされた。


私が共感を感じたのは、胡桃の姉への感情。姉へ尊敬を見せていると同時に劣等感にさいなまれている彼女に、未発達な高校生としての悩みとして適当であることを感じました。
物語としてのこの悩みへの解決について、千草という部内でも胡桃に近い存在であり、お調子者的な性格である事が、よい解決を迎えた理由だと思います。

私なんかは胡桃に対し、自分は自分、他人(姉)と自分を比べるな、と、彼女の好きが見つからないことに対する回答とは別の頓珍漢なことを言いたかったのですが(まあそれは、胡桃の姉に対する劣等感に対しての意見なのですが)、千草は、ひとによって好きの度合いは違う、好きなものはいつか見つかる、あせることはないと、いつもの調子で言い、胡桃を救い上げました。これが胡桃の側にいて、そして高校生であり、お調子者である千草の考え方であり、登場人物の性格の提示がとても上手くいっている回だと思われました。


ちなみに「ヴィーナスの重荷」というタイトルから、荷物を置いて、走りだす胡桃や千草のシーンを考えると、ヴィーナス=胡桃であり、胡桃にとって、好きなものがなければならないというような、足かせのような考え方を重荷と考え、それを置いて走り出すことが、胡桃の悩みの解決シーンとしてさわやかさを演出していましたね。

{/netabare}


8話【光】
{netabare}
さて、いよいよ来ましたね。今まで世界を祝福してきた琥珀のアイデンティティを脅かそうとする展開が。

瞳美の「(未来に)帰りたくないなあ、ここにいたいなあ」という発言が琥珀の気持ちを大きく揺り動かしました。

では、琥珀がなぜその発言で動揺してしまったか。
琥珀は、世界を自分に魔法を与えたことを肯定しており、感謝しており、恩返ししたいと考えています。
その恩返しの手法として、魔法で人を幸せにしたいということで、人の願いを魔法で叶えるために、魔法の勉強にまい進してきたわけです。
瞳美に対しても、いつか帰りたくなるだろうと思い、自分が未来から送ったこともあり、その願いを叶えるために、時間遡行魔法の練習を積み上げていたわけです。
しかし、瞳美の今の思いは異なりました。この時間にいたいという瞳美の願いに対して、モノローグとして「私は魔法で人を幸せにしたい、でも魔法で人を幸せにするのは本当に難しい」と語ります。
琥珀の中に流れた感情を整理しましょう。
①瞳美が幸せだと思うことを叶えてあげたい。
②未来に帰すことは瞳美の幸せだと勝手に思っていた(瞳美は未来に帰りたい?という琥珀の問いは、琥珀自身なら帰りたいと思うエゴイスト的質問だった)
③瞳美のここにいたいという気持ちを、全肯定できない。
④瞳美のこの世界に留まらせることは、瞳美のためになるのか、それとも、幸せになるのか
つまり、琥珀は瞳美は元気になったら帰りたいだろうという、琥珀視点で考えていたのですが、そうではなかったため、瞳美を幸せにする方向性が見えなくなってしまったことが、動揺した理由だと見ています。

この状態に入ったことで、琥珀は瞳美の幸せにすることがどういうことか、自分が魔法で人を幸せにしたいと思っていたがその具体的方法を考えるようになるのはかもしれませんね。
その過程の中で、現状魔法写真美術部のグループの中で誰に支えられることなかった琥珀が、グループの中でのやり取りを通して変化していく展開が見られるんじゃないかと期待しています。

そして、その問いの中に、琥珀が上手くいっていない時間遡行魔法に必要なものが存在しているんじゃないかなと、考えるばかりです。


さて、本筋以外の話から読み解きますが、今回では瞳美の取る写真が雰囲気が変わった事を部内の皆に指摘されていましたね。光の意識が出てきたと。
この作品は色づきを大事にすると共に、光による煌きが重要視されていますが、それを強調するのと同時に、光の当たらない闇の部分を見ることもあるということです。

以前の瞳美は、「光なんていらないという写真が多かった」と部内の人間から言われています。では、瞳美がどこを見ているか、という視点で考えると、部内の人に色が見えないことを告白していない時は、彼女は闇を見ていました。それが告白後は、光を見ている。

つまり、瞳美が今の時間にいることで、色が見えるという希望の光に囚われているならば、光の当たらない闇の部分は、瞳美の目に入っていないもの、魔法写真美術部に依存し、彼女の自立という部分の視点が、瞳美には見えていないという指摘が、琥珀の動揺のシーンにはあるのかもしれません。



追記です。ここからは、琥珀という登場人物について、やはり考えなければだめだろうということを感じています。
私の琥珀に対するイメージは、本音をぶちまければ酷いものですが、
瞳美に対する、私は経験あるからわかるよ感
琥珀の大人びた仕草についているニセモノ感
思春期を経験していないかのような家族との関係
まあ、他にもいろいろ言いたいのですが、それは上記のものと類似事項になりそうなので控えます。
上記のものからもわかるように、琥珀を非常に大人びて見せていますが、素人目にもわかる、うそ臭さ。
この感情を悪いように考えるのではなく、製作者の意図するものだとしたら?
現に8話、あの冒頭で琥珀が「世界にありがとうといいたい、世界に恩返しすることに決めた」なんて、普通の人ならありえないほど世界を最初から肯定するわけです。意図して一般人と乖離、もしくは他の登場人物との差を示しているようにしか見えません。
つまり、この8話から、琥珀の性格が、周りの高校生と乖離しているように見せきったところから、いやいや、彼女にも、弱くて、同年代の子に支えてもらいたい事や変わる事ができるんですよって事を示してくれるんだと、期待しています。
{/netabare}

9話【時間】
{netabare}
今週を告白回と捉えるか、ショウ回と捉えるかそれが問題だ!
はい、ということで、今回はショウ(部長)という人に焦点を向けた回だと思っております。
一番印象深いシーンはあさぎと一緒にショウが撮った写真を見ながら会話するシーンで、ショウが写真で取ったその時間について語っているときです。
日々流れていく人の営みを眺めて、その日常を肯定、愛おしいと思っているのではないかと感じさせてくれます。
同時に、その写真が瞳美と一緒に行きとったものであり、ショウが瞳美を意識していることからも、未来に帰ってしまう瞳美に対する、今一緒にすごしている時間が一瞬かもしれないという辛さを含んでいることも伺えるのかもしれませんね。
{/netabare}


10話【友達】
{netabare}
意外にもあさぎと瞳美のすれ違いはすぐに終わりましたね。
あさぎと瞳美の距離感が埋まっていないことは以前の回に書きましたが、今回の事でかなり近づいた事から、方向性は間違っていません。ただ、物語の構成として、重大なことに見せかけて次の回であっさり解決させてしまうのは、正しいのか、少し疑問です。

さて、今回瞳美の親について、触れられました。
瞳美がショッキングな出来事により色が見えなくなったことは、1話で書いたときにも触れましたし、作品内で瞳美自身が色が見える時期があった事は匂わせていました。
幼少期の瞳美を置いて出て行ってしまった瞳美の母親、ようはネグレクトというものですが、この出来事は母親だけが問題ではないことは、あおいが瞳美を励ます時にいったとおりです。瞳美の母親がネグレクトした原因は、様々な原因に寄るものです。
今回のネグレクトの事案について、琥珀自身はどう考えているでしょうか?
魔法の力を与えてくれた世界に感謝したい琥珀、その琥珀の子供は魔法の力を有さない。という事は、琥珀の子育ては、容易ではなかったはず。
世界に祝福された人間が、祝福されていない人間を育てるようなものです。
どこかで琥珀とその子供の歯車が食い違い、子供の性格に影響を与えたと考えます。瞳美という子供が母親に自分の魔法の力を見てもらい喜んでもらおうとすることに、喜びの感情を得られなかったとするなら、それは瞳美の母親の人格を形成した環境に原因があります。
正しく、いや、100%正しいなんて事象は存在しませんが、もし魔法が使えない母親が、魔法が使える子供が喜んで使う姿を見たときに、その母親が経験してきた、魔法が使えなくて苦しんだ経験を、子供は経験しなくて済むんだと、安堵と喜びを覚えるのが、ゆがんでいない人間です。
そのゆがみがこの瞳美の母親には存在し、周囲の環境、親である琥珀を含め、そういったところからネグレクトの芽は生まれているのだと感じました。
瞳美が色が見えなくなったのが母親のネグレクトだけが原因とするなら、ネグレクトするような母親を作ったのは、琥珀だという事が言えますね。

そしてその話題について、作品内で琥珀に自分の子がネグレクトをする未来が打ち明けられるか?という疑問が出てきます。
シュタインズゲート曰く、世界線の収束により、そのことが伝えられても、琥珀は瞳美へのネグレクトの発生を止めることは出来ないでしょうね。
もしくは、タイムパラドックスの回避のために、そのこと自体が伝えることが出来ないという事になるかもしれません。伝えたらネグレクトが発生しなくなるので、瞳美が過去に来る未来がなくなり、過去にいる瞳美は消滅もしくは帰還するかもしれません。

ラストシーンに瞳美が過去に来た理由を考え始める描写があります。
瞳美は自発的に過去に来ていないという事を含めると、過去の琥珀にその理由を尋ねるところから始まるかもしれません。
しかし、未来の琥珀は「いけばわかるわ」という言葉から、誰かに教えてもらうようなことではないことであるのは明確です。
個人的な考えですが、写真部の人間との会話の中から考えると、この写真の時はこんな事があったよねということを思い出せる、だとか、非常に仲間内での出来事を重要視している事が伺えます。
瞳美が写真部の友達たちと共有した時間の中から、過去に来た答えは瞳美自身により導かれるのではないかな。

それと、今回の見所は、瞳美が泣きじゃくりながら、自分に怒っているシーンですね。ないている内容についてはいいとして、悲しんだり怒ったりする感情の爆発が、瞳美には必要なんだと表現してくれたシーンでした。
つまり様々な感情が彼女の世界の色付きを形成してくれるということなのかもしれませんね。
{/netabare}

11話【琥珀】
{netabare}
他のレビュワーさんのレビューを見る限りでも、良い印象ではない回であることは確かです。
私も、この回について、違和感が感じた事があるのでそれを整理します。

まず、前回までに何も触れていない時間魔法に対する世界の修正力がいきなり出てくる。これは単純にダメですね。
つぎに、前回で過去に来た意味を瞳美が考え始める描写があったが、今回はそれに全く連続性が無い。
これは個人的な感想に入るかもしれませんが、琥珀のおしつけがまさMAX。世界が瞳美を消しちゃうんだからしょうがないといって、グループの意見を納得させることを1話の中で消化するという、急ぎ足で無理やり話をまとめた感を出しています。瞳美の意思と、琥珀の意思がまだ反している演出があるところは、まだ琥珀に期待したいですね。

そして、瞳美とあおいの恋愛については、紙飛行機を追いかけていったら、二人が出会うのはまだわかるけれども(あおいの元へという魔法がかかっているため)、あった瞬間抱き合う、そんな関係まで発展していたっけ?という、物語の急変ぶりにショックを受けました。

この11話で残念なのは、やはり琥珀について、舞台装置化してしまいそうな不安が残ります。
今回の琥珀は、時間魔法が成功させることができるかどうかについてばかり不安にしていて、瞳美の心に気づけていない、瞳美がここに来させた意味を考えていないという描写であればいいのですが。つまりこの回を、琥珀の失敗回と捉えて、来週が琥珀の成長回と期待できなくはないわけです。
もし、本当に琥珀が時間魔法をするだけの存在であり、瞳美の心を考える友達のポジションを持っていないなら、琥珀は物語の舞台装置であるという、残念な役回りしか与えていなかったという評価になってしまうでしょうね。


前回の感想で、タイムパラドックス回避のために、瞳美が消滅・もしくは帰還するかもしれないということは書いたけど、今回とは全く文脈が違います。琥珀がネグレクトを発生させないようにしたら、瞳美が過去にくるか?という文脈で話しました。

今回出てきた世界の修正力は、二つの発生の理由が考えられます。(作り手のご都合というものを排除した場合)

まず、琥珀が過去に行かなくて済む未来になったから働いた、というのが物語を良心的に見た場合の感想になります。

次に、琥珀の言ったとおり、本当に世界が元通りの世界にしようと修正するために発生したという理由。こちらが本当になると、魔法という力に向き合って、変化してきた瞳美の成長を描いてきた物語が、なかったことにすべきという力であるわけですが、この方向で本当に物語を進めるか不安ですね。
好意的に見れば、瞳美の取り巻く世界は瞳美を祝福しているようには見えないわけです。しかし、琥珀は自分に力を与えた世界を感謝しており、瞳美に対してあまりにも残酷な運命を突きつける世界に対して、世界を愛する琥珀が、世界に何を思うのか、それが気になりますね。


{/netabare}

【幸せ】
{netabare}

瞳美の色が戻った時、母親と見たときの花火や、過去に行く直前に見た花火を思い起こさせて、とても色彩のあるシーンでした。

琥珀については魔法の神様に瞳美がもう少しこの時間にいることを神頼みしたり、未来に変える直前に瞳美に謝っていたりと、琥珀の無力感が際立ったいました。
同時に、瞳美の心に生まれた気持ちを、「それって幸せってことなんじゃない?」と、言い当ててしまう辺り、琥珀は大人なのか、それとも若者なのか、微妙なポジションに立っています。

今回、「幸せ」が宿ることで、瞳美は色が見えるようになったような、そういう印象を受けました。母親と一緒に見た花火の時は、瞳美のなかに幸せがあったのでしょう。1話に瞳美が「誰かと見ても楽しめない」といった沈んだ気持ちを吐露する場面を拾ってきたのが幸せを強調していました。
その為、やはりストーリーの中で、瞳美の変化を出した表現というのは、作品を見る人に大きな感動を与えてくれたと思います。

最終回への次回予告が「私の色は何色なんだろう」という一言で、アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」を思い出して、空気も読めずクスリとしてしまいました。

それと、先週から引き続いた瞳美とあおいのハグについて、今週見ればわかるとおり、まだ瞳美もあおいも自分の好意を伝え切れていないように見えました。あのような熱いハグをしておいて恋人関係まで発展しない所が、この二人らしいですね。

最終回を前に少しおさらいといいますか、拾われているかわからなかった描写について。
あおいについて。最初に瞳美があおいの絵の中に入った時、大きな渦の中心に導かれる魚と、それを捕まえようとする影。この描写はあおいの悩みを含んでいたと考えるのが良いでしょうね。あおいの悩みが解決されたと同時に、この描写が示していたことは提示されたのだと思います。
あの金色の魚は、あおいが幼い頃に書いた絵ですが、瞳美との関係は、最終回、明らかにされるのでしょうか?楽しみですね。

それと私がずっとイメージしてきたこの作品の作品像について。
OPの映像で、魔法写真美術部のメンバーが揃って同じ方向を見て並んでいるシーンがあります。同じ時間を共有し、様々な悩みや青春を共に助け合い語り合い経験し、そして繋がりが強くなった友達を得ることが、この作品に求めていたことでした。
だから、琥珀だけが、その輪の中に入りきれていないのが、はがゆかった。
私は、琥珀がもっと魔法写真美術部に、精神的に心をおいてほしかったのだと思います。魔法がうまくいくように、部の皆の協力を得る、ではなく、琥珀自身のメンタルに仲間の存在があって欲しいと思い続けていました。

最終回、どのような物語になっても、私はこの作品を好きでいられると思います。

{/netabare}

13話 【色】
{netabare}
ほぼすべての伏線の回収回なので、非常にすっきりした部分が多いですね。
まず、色について。今作品は陰影による表現を活かしていましたね。光によって照らし出される明るい色と、その光によって生まれる暗い色。明るい色も暗い色も、どちらも併せ持って自分を好きになってほしいと、あおいは瞳美に言い残しました。それは、色とは、瞳美の持つ様々な感情の部分であり、それを肯定することで、瞳美は自分を好きになれる、もしくは母との離別に対する後悔や自責の念に向き合うことができるのだと感じました。

次ですが、未来の琥珀が人生の後悔について語ります。彼女が近くの人を幸せに出来なかったこと、このことについては、琥珀の娘について、魔法が使えないことについて、親族からの目から守ることが出来なかったことや、そして瞳美についてもそれによって色を見えなくしてしまったこと、その後悔が含まれていましたね。
つまり、作品内で17歳の琥珀という人間が成長しない理由は、
60年後にようやく過去の後悔を吐露する未来が決まっていたからでしょうね。
つまり、琥珀が家族に対して省みる力は、60年前の琥珀にはなかった。琥珀が60年前の時点でただの青年であった事を示したのではないでしょうか。

以下、最終話で気になった事。
魔法写真美術のお別れの言葉を言い合うシーンがリアルすぎる。
あおいの絵だけ色が見えることの理由。ずっと好きだった絵本だから、ということなのかな。世界を肯定しているか、の話と絡めると、あおいの絵、または絵本の中の世界が瞳美は幼い頃から好きだったから、色が見えたのかな。

色が見えるようになった理由。これは瞳美の気持ち、世界に色が溢れているという、世界に対して好きになれること、この辺りの問題提起を解決してくれたと思う。
60年後の琥珀が仕掛けた魔法が、琥珀の気持ちを汲み取る魔法であった事。今の琥珀には気持ちを汲み取る力が欠けているので技術的に無理というより人間的に無理なのだろう(ちょっと琥珀に厳しすぎる見方かな?)。



{/netabare}

まとめ
{netabare}
技術的なことや芸術的なことはわかりません。わかりませんというのは、人によって美しいと感じるものは人それぞれだと考えているためです。
特定の色に弱い色覚障害を持った人に、その色を美しいよねといっても、共感が得られない疑問にぶつかってきました。華やかだよね、という言葉ひとつとっても、それぞれの華やかへの定義が違う事に悩んでいました。

この作品において私は、モノクロによって強調された世界であったり、日の当たり方、世界の時間の流れによって作り出された美しいワンシーンであったり、人の感情が抑えきれない時の姿を、直感的に美しいと感じることは出来たと思います。(ただ、私は作品内で色鮮やか、といわれるシーンの一部が、何が素晴らしいのか、よくわかりませんでした。それが人と私の違いだと思います。)
どうやったらこの作品の作画を述べることができるのか、ずっと考えてきました。
ですが、私はアニメの技術的なことは素人であり、直感的に感じた事を、何かしらの言葉にするしかないという考えになりました。それは、美しいと感じた時の感情、喜び、ときめき、わくわく、そういった私の中から生まれる1次的な感情を、性格の違う他人にロスなく伝え、共有したいと考えました。それらの感情を得た時に初めて、作画が良いと、言うことができるのだと私の中での定義ができました。時には、感情が異なりぶつかり合うこともあるけれども、その事象ですら、私はこの作品では悪いものだとは思わなかったです。それは押し付け合いではなく、相互の感情への理解によって生まれるのだと感じています。

この作品は、仲間と共有する時間、時間そのものは世界にある物として、その時間の中で共有した感情の愛おしさを、感じさせてくれる作品でした。

{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 60
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

全13話+“60年”の時の重みに思いを馳せてみる

2019.01.02記


P.A.WORKSによるオリジナルアニメ


前評判の良さとキービジュアル。数年前旅行で訪れたお気に入りの街“長崎”が舞台とあって、スルーする理由が見当たりません。
“眼鏡橋”“グラバー園”観光スポットもそうですが、地味に“石橋”行の路面電車や“思案橋”の信号機なんかも懐かしいですね。また行きたいです。
そして1話EDクレジットに島本須美さんの文字が! 断念する理由も無くなりました。


最初から最後までただひたすら美しい作品でした。作画や音楽だけではなくストーリーもです。棘の無いやや起伏に乏しい物語は物足りなさという弱みと裏返しでしたね。

見える風景がモノクロになり、自分の殻に閉じこもっている月白瞳美が主人公。「高校時代のあたしに会って・・・」と説明もそこそこに祖母である月白琥珀の時間魔法で60年前の過去へと飛ばされた後、高校生の琥珀とその友人たちと交流を重ねていくお話になります。
魔法/魔法使いが社会に受け入れられているのはファンタジーで、その魔法も私たちが想像するような仰々しいものではなく、“頭がすっきりする”“そこにない風景が見える”“ちょっと物体が動く”といったもの。祖母琥珀が使った時間魔法は上位魔法で習得難度が高いという設定はあるものの、普段使いの魔法は他愛のない、琥珀に言わせれば、

“日常を彩るサプリみたいなもの”

であり、魔法が全面にでてくるかというのとはちょっと違い、綴られた物語は高校生の青春です。
・なぜ祖母の琥珀(77歳)は孫の瞳美(17歳)を過去に送ったのか?
・なぜ瞳美は色を失ってしまったのか?
謎というほどではないかもしれませんが、{netabare}『瞳美が色を取り戻していく物語』{/netabare}作品のテーマとなります。


繰り返しになりますが、ただひたすら美しいです。

OP「17才」ED「未明の君と薄明の魔法」、2018年秋クールの中でも群を抜いてました。OPED両方とも一話たりとも飛ばさなかった唯一の作品です。
{netabare}最終話で「17才」イントロ流れた瞬間、歌詞の「虹がかかるよ」が頭に浮かび涙腺が・・・ 二番も良い歌詞です。{/netabare}
{netabare}モノクロから始まり、街灯のオレンジ色から街の夜景へと繋がるED画も神秘的でやなぎなぎの曲調もしっくりきます。{/netabare}

高品質な作画も最後まで安定してました。夕暮れ、夜景、太陽の照り返し、光の滲み具合。色使い・彩度の加減は下手な劇場版より綺麗かもしれません。モノクロと豊かな色彩の対比が物語の柱でもあるため、気合が入ってました。
{netabare}序盤第2話:夕暮れ時の校舎の風景作画は引き込まれました。岩崎良美「青春(タッチED)」がよく似合います。※年寄りは付いてきてね。{/netabare}
それと舞台が長崎ということで背景作画のハードル上がってたんじゃないかしら?
少しばかりの平地を除いて丘・山そして海。小高いところに建造物が立っている坂が多い街。風景絵が田舎なら青空+雲、都会なら定規でひけるビル群とかで済みそうなところが、そうはいきません。特に夜景は、空の黒と山間の黒そして海の黒とに区別つけた上で、適度に生活の灯りを散らさなければなりません。路地は曲がりくねった石畳ですし、作画班はほんとにお疲れ様でした。


肝心の物語は薄めです。キャラも心情描写をしっかり見せるわけでなく物足りなさを感じるほど。どちらかというと心象風景を見せる感じ。いかんせんヒロインの瞳美がわかりづらいし反感買いそうなキャラ。作画だけの作品なのね…残念、、、途中までの印象です。
風向きが少し変わったのが{netabare}11話と{/netabare}終盤で、最終13話の出来が良かったので少し考えをあらためました。
{netabare}この物語は、途中経過や最終話の締め方も含めて、いろいろ余計なものを付け加えると野暮になってた気がします。むしろあの程度と抑えめで良かった。{/netabare}


■最終話を観終わって ※以下ネタバレタグは視聴済みの方向け
良く出来た最終回です。そこに至るまでの過程に起伏があればさらに良しとしたことでしょう。ただしちょっと待ってください。これって完走後に、

{netabare}『瞳美が2078年に戻ってからの魔法写真美術部員の60年を想像して補完する』楽しみが残されてますよね。{/netabare}

全13話で完結というより描かれてない空白部分がむしろ重要で、そこの受け取り方で評価が別れるんだろうと思います。

{netabare}60年後、瞳美と魔法写真美術部員との再会がなかったことが空白部分を考えるきっかけでした。物語の舞台が2018年。自分に置き換えても2078年には生きていないでしょうから余計にそう思わせるのかもしれません。
瞳美が去った後、琥珀は、唯翔は、あさぎは、胡桃は、将は、千草はどんな人生を送ったのでしょう?瞳美がやってきたことでどんな変化を彼らにもたらしたのでしょう?

●琥珀:魔法の能力に目覚めた幼少期から「私は魔法でみんなを幸せにしたい」が信条だったのに、一番近しい人たちを救えなかったことは身を引き裂かれる思いだったことは想像に難くありません。娘の失踪と孫が色を失った理由はそれぞれその時に知ったのではないでしょうか?10話で瞳美は唯翔にだけ事情を話してますが、あの唯翔が琥珀に話すとはどうしても思えないのです。
瞳美が帰る時に自分の時間魔法の未熟さを実感して、以降腕を磨こうと研鑽を重ねただろうし、そのために最適な伴侶を選びました。瞳美がいなくなった後になぜ未来の自分が瞳美を遣わしたのかを考え続けた人生なはずです。
孫が帰還し一緒に母を探すと言ってもらえてどれほど嬉しかったことでしょうか。
「幸せになっていいんだよね?」孫から言われた時に70年越しの琥珀の思いが報われた気がしました。

※12話での瞳美「あれ?おじいちゃん?」の控えめリアクションが微笑ましい。
※年齢って英語でLEVELと表記するかは知らんが、「あんたはまだまだよ」的なエールは三つ子の魂百までの茶目っ気を感じる。すなわち“LEVEL17 vs LEVEL77”

●唯翔:瞳美は唯翔から、唯翔は瞳美から大事なものを受け取りました。彼が愛する女性に対してできること。“色を失った理由を直接聞いた(10話)”“魔法の中で幼少期の瞳美に会った(10話)”“幼少期一冊だけ色が見えてた絵本があったと直接聞いた(8話)”
「あの時俺が小さな瞳美に伝えたかったこと 自分を閉じ込めてほしくなかった 諦めないでほしかった」
必ず瞳美に届けたかった執念の絵本だったはずです。唯翔なら爺さんになって再開し思い出話に花を咲かせる気などさらさらなかったでしょう。進路も絵の道には進んだでしょうが、職業替えしたかもしれないし、結婚したかもしれないですが些細なことだと思います。
心を閉ざした“小さな瞳美”に伝えたかったことを伝える役目を果たした時に彼がどんな表情をしてたのかを想像するととても切ないものがあります。

※墓参は瞳美一人でした。琥珀が気を利かせたのだと思います。もしもお世話になった曾祖母ら月白家の墓なら琥珀は一緒に行ったでしょう。

●あさぎ-将くん:占い外れたみたいでなによりです。 “うさぎさんは犬さんのとなりに立って海のにおいをかいでます”

●胡桃-千草:不明。だけどお似合いでした。{/netabare}


{netabare}色を取り戻した瞳美はどんな人生を送るのでしょう?
最終話EDで、同級生二人に自ら声をかけ、その一歩を踏み出した瞳美。この二人、髪の色とかリアクションからしてどこかしらあさぎと胡桃らしき面影がありましたね。きっと孫娘なんでしょう。
彼女らは第1話で、浴衣姿で瞳美に声をかけてた二人でもあります。両シーンとも彼女らは瞳美に親しげです。受け取る瞳美側の心の持ちようが第一話と最終話では違うという対比にもなってます。{/netabare}


{netabare}“葵”“琥珀”“山吹”“あさぎ”“胡桃”“千草”、全て色を表す言葉。六色がもたらすものは、これまで“誰にも愛されてないと感じた夜”を幾重にも重ねてきた少女の心を溶かしました。物語としてはこれで万事めでたしめでたしです。
さらに、瞳美が色を取り戻す前の彼らと過ごした半年の時間でさえ、月“白”と合わせて七色の虹は架かっていたのです。この七人にとっての色褪せることのない大切な時間でした。唯翔が絵本を通して瞳美に残したかった想い。未来でも笑ってられますように、と。{/netabare}

やはり、美しい物語でした。
空白の60年間に想いを馳せると時の重みに切なさや愛おしさを感じる良作です。


しかしよくよく考えると、夏休みの最終日に宿題をあわてて片付けたと言えなくもない。



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2019.06.13追記
《配点を修正》


未来のお話って別世界の話として見る向きがあったのですが、本作は現在との繋がりを強く意識させるものでした。2078年には自分は退場しているはずでしょうが、孫かひ孫あたりの世代に自分の想いは伝わっていて、って素敵だと思ったわけです。

加点しときます。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 91
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

色々な事を想像させてくれるエンディングが光る作品

P.A.WORKS制作のオリジナルアニメ。

魔法使いの家系で色覚異常の少女が、祖母の魔法で、60年前の過去に飛ばされて・・・。

【まずは高評価ポイント】
何はともあれ、『エンディングが良かった』というのが率直な感想。
多くを語るのではなく、視聴者に想像させてくれるエンディングが高評価です。
{netabare}
2078年のKOHAKU LEVEL77から2018年の琥珀に届いたメッセージから始まるエンディング。
{netabare}《重度のネタバレを含みますので、未視聴の方は飛ばして下さい!》
{netabare}瞳美は唯翔のお墓参りに行った。
瞳美が学校で話しかけた2人組は、2018年の魔法写真美術部員の親族。
2078年の写真美術部員の中にも親族がいる。
琥珀おばあちゃんと一緒にお茶している人=おじいちゃん=貸本屋の一柳さん。
(こう考えると、第12話で琥珀から一柳さんを紹介された時の瞳美の表情も絶妙ですよね!){/netabare}
{/netabare}{/netabare}
これが私の予想です。
予想というより、こうであって欲しいという願望に近いかも知れませんけど(笑)。

作画はとても良かったです。
特に背景。
色を題材にした作品ですから、ここがイマイチだと、おかしなことになってしまいますからねぇ・・・。


【問題点を少々甘口で】
まずは、序盤。主人公・瞳美がとても暗いこと。
そして、写真美術部員の個性が薄いこと。
これらのせいで、第4話に琥珀が登場するまでの物語が、あまりにも味気なさ過ぎる。
{netabare}
序盤は、薄暗い灰色のイメージ。
中盤は、徐々に明るくなるイメージ。
終盤は、恋愛要素も加わり、更にカラフルなイメージ。
{/netabare}
例えば、こんな演出だと思えば理解出来なくないけど、それにしても序盤が暗すぎる(笑)。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 74

66.0 25 魔法で仲間なアニメランキング25位
黒の召喚士(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (218)
676人が棚に入れました
「初めてですよ、神である私に配下になれとおっしゃった方は」 ケルヴィンは目を覚ますと異世界に転生していた。しかも、ガイド役としてその世界の女神を配下に従えて。 前世の記憶を引き換えに、高ランクすぎる召喚スキルと魔法スキルを得たケルヴィンは、冒険者としての生活を始めるが、強敵を求めたがる性格と、新人レベルを遥かに越えたステータスによりすぐに注目を浴びてしまう。 黒のローブに身を包み、戦闘狂な主人公が、仲間を集めてトップ冒険者へと成り上がる、爽快バトルストーリー開幕!
ネタバレ

しゆん@異世界 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

異世界系でもTOP3には入るくらい面白い

総評
控えめに言って神アニメ。(異世界系には甘い)
異世界転生系って飽和状態でマンネリ化してるんだよね。
でもこの作品は斬新な展開や設定で飽きが来ない。
それに圧倒的俺TUEEE系で負けそうな描写が全くないのも安心感がある。
続きを原作で読みたいレベル。

1話
{netabare}
主人公は女神を口説いて異世界に連れてきちゃった。某駄女神と一緒だな。
主人公は召喚士でチートらしい。
エルフの奴隷に目をつけた。可愛い奴隷の子を仲間にする展開好きなんだよな〜。
滑り出しとしては良さそう。
{/netabare}

2話
{netabare}
確信した。このアニメ面白いわ。
新人狩りは噛ませだったな。
戦士長との戦闘シーンはCGがすごかった。
スピード出世にも程があるw
この調子でどんどん契約して仲間を増やす流れか。いいね。
{/netabare}

3話
{netabare}
ギルド長が只者ではない。声優も。
呪い持ちの奴隷を仲間に。結構可愛い。
{/netabare}

4話
{netabare}
奴隷とギルドの人とデート。二人とも華があるな。
悪魔が封印されてて、S級モンスターが強そう。
{/netabare}

5話
{netabare}
S級モンスター討伐。でも、回想によると凄く優しいキャラだったから悲しい。
魔王の娘を仲間にした。どんどん仲間が増えて賑やかになってるね。
{/netabare}

6話
{netabare}
セラの海でのシーンが綺麗で感動した。
勇者と戦うために、わざと敵になりすます作戦は面白いな。
主人公一行がもはや悪魔じゃんw
{/netabare}

7話
{netabare}
主人公vs勇者一行
向こうも強かったけど、主人公やっぱチートだわ
戦闘中に魔術作成とか狂ってる
こういうのが見たかったんだよ!
{/netabare}

8話
{netabare}
勇者育成・お米
A級冒険者が勇者一行を指導とか面白いな
外国行くときに和食が恋しくなる感覚だよな
{/netabare}

9話
{netabare}
マイホーム購入・女神召喚・勇者召喚
女神は期待以上の美人だった
主人公が勇者召喚とか新鮮で面白いな
その勇者が僕っ子でいいわ〜
メイドエルフ、魔王令嬢、女神、美人親子、妹勇者
夢見たいなパーティーで羨ましい限りだ
{/netabare}

10話
{netabare}
妹勇者と使用人親子の育成
経験値共有とか強すぎでしょw
自宅の警備が勇者とかセコムよりも安心だわ
なんか隣国が戦争始めるのか
主人公にボコボコにされる未来が想像できて待ちきれないな
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

ダリア さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

飢えている 手に汗握る、命を賭した強者との戦いを渇望している

かなり前になろうで読んだ作品がアニメ化されていて驚きました
時代やね……
『黒の召喚士』は玉石混交のなろう産の中でも原作が面白い方の作品なので、商業的な成功を密かに祈っている
売れるといいね

以下、PRIME VIDEOで2話まで視聴後の感想

☆商業的に本気
内山昂輝君に上田麗奈という本気キャスティングもさることながら、作画も悪くないです
悪くない、というのは手の抜き所が分かっているという事
常に素晴らしい作画である必要はなくて、最低水準を維持しながら、戦闘や重要なシーンではしっかりと枚数を重ねて凝った演出で魅せる、という事ができているな、という印象があります、テンポも良いし
枚数を重ねる、というか戦闘パート入ったら主人公もCGモデルで動き始めてめちゃビビった ガンダムじゃないんだからさ
昔は手描き背景にCGモデルを配置すると画的にどうしても浮いてしまうから、アニメとしての作画に拘るなら新海誠ばりに労力を割くか、諦めて手描きで描くか、という時代だったんですよ、本当に
今のアニメってこんなにCG使って戦闘シーン描くものなの?
モデルのライティングもそれ程違和感ないし、驚いちゃった
老人なので、、、

☆主題歌良すぎ問題
OP、かいりきベアで驚きました
変なリフの曲ばっか投稿してたから、作家仕事の時はこんなキーボードマシマシの曲描くんだ……と思う等
EDも鈴木みのりだし、フライングドッグが劇伴の版権握ってるアニメなので、多分コネじゃなくてコンペ勝ち上がって採用された曲っぽい
ボカロで名を馳せた人間が作家としても幅を利かせ始めるの、嫌いではないです
実力で才能を証明して欲しい

OPの映像についての話を少しすると、なろう産原作の量産クソアニメを期待して視聴すると想像より中々お洒落で驚くと思います
多分この監督、岸誠二作品好きなんだろうな……という、神様ドォルズやペルソナシリーズに影響受けまくりのアートワークですが嫌いじゃないです
少なくともなろう産アニメ、という言葉から受ける印象よりは大分垢抜けている

ED、鈴木みのりですがしっとりしたシティーポップ(?)でびっくり
h-wonderや北川勝利等のフライングドッグ系の作家じゃない曲は新鮮
こういう曲って意外とワルキューレでもなかったかもしれない
昨今流行りのニューレトロ、ヴェイパーウェイヴ的雰囲気漂う良い曲です

楽曲の強みを最大限生かした雰囲気重視の映像も丁寧
キャラ画とCG処理の背景を掛け合わせた、弧を描くような軌道で動くカメラワークも工夫を感じます(この演出って何かの作品で既出だったりしますか、有識者教えて下さい、、、)


総じて、なろう産、と馬鹿にはさせんぞ、とスタッフが各々心血を注いで丁寧に仕事を重ねているアニメです
主人公に変な嫌味がなくて、原作も割と面白いのでなろう産作品に抵抗がなければ拝読をお勧めしますよ
Webで無料で読めるし是非

投稿 : 2024/04/27
♥ : 6
ネタバレ

しろにゃま さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

あなた様

アニメ勢。
ゆる~~く見られる感じが大好きですね。

アニメって集中して見るのって一回くらいで、サブスク系で何度もBGV的に流しています。そんな時は隠し要素・伏線とかは要らないんですよね。もちろん周回してるから内容は分かっているんですがなにせ現代のアニメ放送数って膨大で、見直しがいがあります。
なので太郎も次郎も好きですよ。見易くて。『まるで将棋だな』も「へ~将棋なんだぁ」くらいには受け入れてます。


黒の召喚士も突っ込みどころは多いです。
急に「バトルジャンキー」が仲間内で認知されていたり、、凄く違和感感じましたね。急に作画が落ちる、でも良いんです!予算が時間が無かったんでしょう?
数多あるなろう作品群からアニメ化されるんです!面白くないわけがない。
制作チームが予算、時間が限られたなか精一杯作ったんです。
監督が誠実に向き合えさえしていれば、アニメ化してくれて感謝!しかありません。
あとは個人的嗜好に合う萌要素があれば、私にとっていい作品ですね。
そんな要素
{netabare}
・うえしゃまの「あなた様、、、」、、、ありがてぇありがてぇ
・ビクトールは良い奴だった
・召喚巫女~くぎゅ 和国の女王~伊藤静、分かってる配役
・石見ちゃんは頑張った、、、うん、、、
・EDは至高、毎回飛ばさずに聴くこと。声優が声優として歌ってるEDではない。
・4人の召喚勇者PTの行方も気になるねぇ{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1
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