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「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(アニメ映画)」

総合得点
73.5
感想・評価
38
棚に入れた
167
ランキング
1012
★★★★☆ 3.9 (38)
物語
3.8
作画
4.1
声優
3.8
音楽
3.9
キャラ
4.0

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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

teji さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

おもしろかった

おもしろかった

投稿 : 2024/06/02
閲覧 : 34
サンキュー:

0

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

衝撃作です。青春と正義と災害を描いた壮大な日常系本格SF。追記 2回目見ました。

 インデペンデンスデイ、ニーアアンダー7、ヒドゥン、デスノート、マイケルサンデル、ゴジラ、時をかける少女、311、機動戦艦ナデシコ、タコピーの原罪、ドラえもん…の要素が入った日常系です。
 他にもあるでしょうが、要するに要素が多いです。それぞれの視点で分解する難易度は高くないです。

 いや、すごかったですね。上映時間120分らしいですが、体感時間は80分くらいかな。情報量は180分くらいのが圧縮されている感じです。ジェットコースターの様でいてのんびり女子だけ(ではないですが)青春ものでもあります。

 浅野いにお氏の作品は「うみべの女の子」が好きで何度も読んでいますが、それ以外はどうも性が合わず本作も1話を試し読みかにかをして切っていたと思います。ただ、本作を見てやはりマインドは一緒かな…と。読んでみたくなりました。結末は違うと公言されているみたいですし。

 大人になる意味、現実社会に生きる思春期の精神の中身といえばいいのでしょうか。進路、恋愛、性、親、天才と凡人、いじめ、正義、友人…そういうものが襲い掛かってくる小学校から高校時代の生きづらさをSF的表現で見せたような感じです。

 災害のオマージュとして、日常と非日常のシームレス感あるいは断絶感が同時に存在するような作品ではありますが、一方でこの思春期に襲ってくる精神的なクライシスのオマージュとも見えます。

 テーマは結末を見ないと何とも言えませんが、ストーリーとしての結末は分かりませんけど、思春期の落としどころになるのかなあ、という気はします。

 特筆すべきは映像がすごい…というと語弊がありますかね。2次元アニメ的なアニメ表現ですが明らかに3DCGですよね。見やすいのなんの。エフェクトだよりでなく、戦闘シーン頼りでもないです。それでいて構図はいいんです。

 脚本も詰め込んだなかに映像表現で上手く補完しているので、結構頭を使わなくても話の筋は素直に読めます。伏線とか考察とかそういうのを無理にする必要がない分かりやすさです。考察系とエンタメ系の要素のいいところが上手く組み合わさっています。演出も面白さと迫力と緊迫感と上手く表現できていたと思います。

 むしろ頭を使うのは別のところですね。頭がクラクラします。SFと書きましたけど表題がデーモンなので…まあ、それは後半ですね。

 稀にみる名作になる可能性を秘めています。後半次第ですけど。私は絶対に行きます。
 で、映画で一儲けした後でいいので、120分×2で240分です。つまり20分×12で1クール行けますよね?広く世間に公開してはどうでしょう?

 私平日に見ましたが、サービスデイなのに2人しかいませんでした。この作品が埋もれるのはもったいないです。



追記 無理無理時間作って前章も見てきました。

 後章がもう始まっていますが、なんとか上映館を見つけ無理無理見てきました。やはり面白いのは前章、感動・深さは後章という印象です。

 前→後→後→前という順番で見ました。

 で、2回目を見て気が付きました。この作品は「これからどうなるの?」がとても素晴らしい構成にまとめられています。ですので、面白さで言えば1回目が圧倒的に面白かったです。

 ただ、後章をみてから前章を見ると、ああ、そういうことか…とか、微妙な伏線に気が付いたり、意味が重層的になったり見方が変わったりという深堀りができるようになります。

 まこととふたばがなんで田舎から出てきたの?とか東京という意味が分かってくると味方が変わります。
 あるいは、前章の小学生の門出の正義と、後章のシップと小比類巻の正義の対比の構造とか面白いですね。
 イソベやんはもちろん「トモダチ」ですが「未来」「正義」「便利道具」などなどいろんな意味を後→前で見ると感じました。

 で、あとはアメリカで12巻まで含めたであろう、配信版が始まったらしいですね。コミックスで確認しているので、マストではないですが、見たいものです。

 あと、EDのANOさんという声優の人の曲の入りは本当に良かったです。(いやもちろんANOさんという人の名前と顔くらいは知ってますけどね。歌手だったんですね)

投稿 : 2024/05/29
閲覧 : 269
サンキュー:

11

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

後章前夜に一挙轟音上映をやるだってぇ〜!!??。(お金は何処からも貰っておりません)

 まだ前編なので評価は確定できませんが、評判通りの次が楽しみな意欲作です!。


 原作は読んでないし、浅野さんの作品は弟が中2期に「プンプン」にはまっていたのを横目で見ていたくらいであんまり縁がなかったですが、本作は「地球外少年少女」を制作した新鋭のProduction +hが手掛け、脚本はお馴染み吉田玲子さんと私の興味を引く要素が揃い、信頼がおける方々の評価も高いので見に行っちゃいました(監督さんの前作が評判悪いから二の足を踏んでたのですが)。



 第一声としては、やはり「セカイ系」はこういうダークな破滅へ向かう話のがイイネ!ということに尽きます。新海さんの「君の名は」以降の作品や「シンエヴァ」も、独りよがりなくらいにセカイ=自分であるが故に現実の世界や他者に対する恐怖だったり不安だったりがダイレクトに出ていた、歪だからこその魅力だったのに作家性を捻じ曲げて無難な大衆性に着地しちゃった感が物足りなかった。


 しかし、本作はちょっと直接的過ぎなくらいだけど、社会というトンネルのカナリアとも言える作家が3.11後やコロナという不安を感知して描いた作品として非常に社会性が高い。だから立派で価値がある!なんて言いませんが凡百の作品より遥かに興味深く、かなり風呂敷も謎も広がっているのでどう収拾するのか?或いはケンイシカワの如くぶっ壊して終わるのか?。とにかく続きへのヒキが素晴らしい。


 アニメーション全般としては、浅野さんのとは少し違うかもだが背景とキャラが非常に上手く調和していて、主張し過ぎないが実に良い「雰囲気の魔術」を産み出せてるし、タレント声優ともいえる主役の二人も非常にはまっている!。デブ過ぎるがイケメンな諏訪部さんのお兄ちゃんも良かった。ただ、声優といえばまさか本作がTARAKOさんの遺作とは知らず驚きました。イソベヤン、漫画の中だと杉田さんなんだから劇中でも杉田さんの方が良かったのになぁ…ってもあります。


 まぁ、後半で力を得たあの子がああなっちゃうのはちょっと展開に無理ないか?とか、親が毒親なのもなんか作為的な毒親感で少々不満もあった。これからはわかりやすい明白な毒親より、全然悪人じゃなくて一般的には良い親なくらいなんだけど根本的に大切なことに対して無力だったり思考停止してたりするリアルな駄目親の方が描かれて欲しい。


 繰り返しになっちゃいますが、結局まだ前編なので評価は保留な感じですが、とにかくこの物語やキャラがどんな結末に行き着くのか見たくてたまらなくさせてくる作品ではあることは間違いないでのオススメです!。子供時代のオンたんだけで個人的には良し!。

投稿 : 2024/05/23
閲覧 : 202
サンキュー:

12

ネタバレ

fuzzy さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

才能ある人が多すぎて才能があふれてこぼれてるるるる。。。

浅野いにおさん
おやすみぷんぷんだっけか?
素晴らしいが鬱展開すぎたイメージがあり記憶から除去されてしまってました😅

本編主人公はかわいく
馬鹿女子高生の日常などでギャグも好み
だが、やはりなにかキーワード的なものが見えるとどん底鬱展開に一気になるかとビクビクしてましたが。

よくわからない異星人の母艦が₍空を占拠。
それも3日続けばじゃないが、見慣れてしまえば大事なのは馬鹿馬鹿しく生きる日常的な女子高生

親友が死んでから一気に戦いへ。。っと期待したがパラレルかループ?の小学生編に

謎はコウヘンヘツヅク。。ですかね。

ほぼ中学生日記的で最後に後編グロくなりそうだが衝撃展開で
さすが浅野いにおさん。。で才能がひとつ

そしてあのちゃん
最初はキャラの声というよりあのちゃんがちらつく
しかし徐々に馴染んで主人公の声そのものになってる
声も浮いてなくすごいなぁと
さらに最後にかっこいいエンディングの唄
どんだけ才能あんのよ。。脱帽

そしてアニメ映画としては遺作なのかなTARAKOさん
唯一無二な声でした

タコピーの原罪なのかなと思う感じもありましたが
※どちらが先かは不明だがそんなに稀有な発想ではないか。

ドラえもん丸パクリからのオマージュで藤子不二雄イズムも出しつつ
水木しげるさん的キャラもありつつ

大半が中学生日記的でしたが
色んな方の才能あふるる作品かなと。

今更気づいた好きなスペースダンディと有頂天家族で主要キャラの諏訪部さんもいい役でした

エンドロールの第一原画らしきところに浅野いにおさんの名前あったのは同姓同名?浅野さん原画描いた?っとw

ギャグは好きだったなぁ
後編も楽しみデデデデです


※YouTubeのあのちゃんオフィシャルのED曲のPVもGOOOOD!
※キホちゃんはフリーレンかw

投稿 : 2024/05/05
閲覧 : 80
サンキュー:

2

みゃー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

普通に面白かったが全ては後編次第

原作漫画は2022年の文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞を獲得してるらしい

[作品の評価]☆3.5

[キャラの評価]☆3.5

[作画の評価]☆4.0

[声優の評価]☆3.5
主演の二人、声優経験はほぼ皆無のはずだけど思いのほか良かった。さすがに感情を乗せるような場面では本業の方には及ばないが、全然浮いてなかったしキャラにも合っていたと思う。

[主題歌]☆4.0
曲が強い。TK節が心地よい。出来ればアイナジエンドあたりの歌唱で聞いてみたかったかも。

投稿 : 2024/05/02
閲覧 : 80
サンキュー:

5

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

意外と新しい感覚? かな!

先ほど観終わりました。
原作は未読です。
先ずは、前半部分まで。

面白かったです。ワクワク。
少しも飽きませんでした。
必ず、後半も観ます。

あ、EDの後も観てくださいね。





あんまり面白いので、原作コミックに手を出しています。
なるほど、この絵を動かしたのか。
あ、アングルが少し違ってる。
間の取り方の計算が絶妙。
そんな発見がいくつもありました。

でも後半部分の購入は手控えます。
私的には、やはり映像から入りたい気持ちです。
ぜひ、前章(本作)をご覧になってみてください。
そして後章をご一緒に楽しみませんか?

投稿 : 2024/04/01
閲覧 : 253
サンキュー:

12

ネタバレ

既読です。 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 1.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

後編を観ないと解らないと思う。

まずは「第9地区」を思い出しました。

東京上空にだけ謎の巨大宇宙船。
宇宙船が出現して3年経ったみたいだがその間、
何かコミュニケーションはとってみたのか
そこには一切触れられておらず、何故一方的に
人間側が徹底して攻撃しているのか理由が不明。

この異常な状態が常態化している日常、
普通の高校生が普通の日常をエンジョイ
してるかと思ったら急に災難に遭ったり。

かと思えば、急に過去回想に突入。

え?

いじめられっ子が宇宙人の武器を手に入れ
義憤故の逆襲が世界に災いをもたらし、
気付けば自責の念から・・・

では、今生きている門出は何者?

いつの間にか周りにに宇宙人が紛れ込んでいる?
それが解ったから人類は彼らを侵略者とみなして
攻撃しているのかな?

原作読んでないからとにかく謎だらけの2時間。
後章を観ないと何も解らない。

吉田玲子脚本に誘われて鑑賞したが
意味不明で全然面白くなかったです。

投稿 : 2024/03/31
閲覧 : 78
サンキュー:

1

ネタバレ

てとてと さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

311後の憂鬱が下敷きにありそうな?セカイ系?ジュブナイル?後編が楽しみ

ビッグコミックスピリッツのSFジュブナイル?漫画原作で通称「デデデデ」
劇場アニメ前後編で前編は120分。
…原作未読で全然知らないので、5月24日からの後編が楽しみ。

【良い点】
(多分?)311後の漠然とした鬱屈や社会・政府への不信感などを題材に、日常系に見せてかなり挑戦的・挑発的な作風。
新海監督の「天気の子」や「すずめの戸締り」とは全く異なる視点で表現を試みていて面白い。
ファーストコンタクトSFで日常系、過去作だと「学園戦記ムリョウ」とか「絶対少年」も思い出す。
絶対少年後半とか、上空に飛行物体居座る状況での日常系だったし。
「天体のメソッド」みたいに円盤反対もあった。

セカイ系ジュブナイルぽい作風から、表向き平穏で退屈な日常謳歌しつつ水面下での異常事態・違和感を巧みに描いていた。
戦争の影と、日常が続き感覚麻痺している嫌な感じも、近年の情勢踏まえ風刺的。

女子高生たちのキャラや言動が尖っていて、掛け合いに独特な魅力を感じる。
掛け合いだけで飽きさせず、本音で向き合ったり、無遠慮に見えて互いに気にしたりの距離感を繊細に描いていた。
キホとの恋愛絡みの遠慮会釈の無い掛け合いとそれでも本当の友人な感じが大変良かった。
それだけに悲劇もインパクトある。
カドデとオウランの割と危ういユウジョウ関係も、百合好きとしては大変萌えた。

ストーリーや構成も、次第に主要キャラの本性や謎が展開していき目が離せず。
どう落着するか予想が付かないが、学園戦記ムリョウみたいに人類が試されてる?

キャラデザは一般的な萌え美少女絵から外しているが、オウランはかなり好み、かわいい。
声優陣は素人多いがキャラに合っており特有の魅力感じた。
故・TARAKO氏の遺作でもあり。


【悪い点】
反戦的な作風に見えるが、政府の防衛対応や米軍の主権侵害など違和感が多い。
後者は日本の創作あるあるとして、前者はリアリティーに欠ける。(セカイ系でもリアリティー大事)
また、宇宙人?はカドデたちと翻訳機でコンタクト取る手段があるのに、何故地球人首脳部と交渉しないのか疑問。
本作のファーストコンタクトでの悲劇はほぼ宇宙人側に非があるので、迎撃や掃討されて犠牲出ても自業自得。
ただ、そこ含めて本作の世界観の根幹かも知れないので、判断は後編待ち。

【総合評価】後編待ち、今のところはとても良い寄りの「良い」
セカイ系。ジュブナイル・風刺?いずれも挑戦的で面白かった。
違和感覚える要素も多々あるものの、そこも含めての魅力の可能性感じる。
5月下旬が待ち遠しい。

【余談】
まるで作風は違うけれど「BRIGADOON まりんとメラン」も想起した過去作の一つ。
昭和的なキャラデザ(特にいじめ女子筆頭)や、ファーストコンタクトと日常系からの謎多き後半危機展開など…
主人公眼鏡っ娘、いじめ受けていた、宇宙人との交流、危険な力を誤って行使など、思い返すとまりんとめらんと意外に共通する。
70年代舞台のまりんとメランに対し、デデデテは2000年代?な情勢の差異も。
まりんとメランは正直ニガテだけど名作、デデデデも相通じる名作の予感。

投稿 : 2024/03/29
閲覧 : 117
サンキュー:

8

ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

クソやばい地球人の青春に遭遇した宇宙人には同情を禁じ得ません

3年前“8.31の悲劇”以来、宇宙からの“侵略者”の巨大<母艦>に覆われる東京。
その下でハイテンション女子高生ライフを送る主人公少女らの日常と、
<母艦>という非日常が混ざり合う中で、やがで開示されていく真相と共に、日常と世界の破滅が示唆される同名コミック(未読)の劇場アニメ化作品の前半部。


【物語 4.5点】
作風は青春の一頁が世界の一大事とシンクロするセカイ系の再生産。
2014~2022年連載作ということで東日本大震災後、コロナ禍の世相も取り込んだ人間&世界模様が描かれる。


大抵のセカイ系でイタいのは主に思春期主人公の周辺になりますが、
本作の場合は災害、事故での犠牲者ニュースをも、スマホゲーのイベントと並行してコンテンツとして高速消費して、飽きたらもうオワコンだと使い捨てていく情報過多社会の病理。
マスコミを不信する余り、ネット上の陰謀論界隈に沼る母親。
個体ごとの正義を絶対化し、SNS上でマウントを取り合うまででも十分イタいのに、武器を持って傷つけ合うまでエスカレートする人類の異様。
など、東京及び日本、地球全体がイタくて終わってる感が、痛いトコロをマシンガンのように撃ち抜く台詞回しによって醸し出されています。

大体、宇宙からの“侵略者”として<母艦>に防衛利権の匂いをプンプンさせながら、大仰なレーザー兵器で攻撃を仕掛けているわけですが、
彼らの目的が侵略かどうかなどは真剣に議論されることはなく。
そもそも実は{netabare} “侵略者”が直接手を下した犠牲者はゼロなのでは?とすら思います。
8.31の被害は<母艦>を<A爆弾>により攻撃した米軍によるものですし、
作中での犠牲者も小型&中型船への“防衛行動”の巻き添えを食ったものなのではないでしょうか。{/netabare}
リスクをあると決め付けた人間社会のおぞましさ、滑稽さの炙り出しも上々です。


人間視点のSFとして挑むと、全体に日常がとっ散らかった感、
後半、主人公少女2人の青春が事の発端と結びついた回想という、世界がひっくり返るシナリオ転換などに振り回される危険性もあります。

が、私の場合は冒頭から、これは地球人を観察する宇宙人の視座で俯瞰した方が折り合えると割り切って観たので何とか付いて行けました。

特に産業革命以後、200年程度という宇宙から見れば瞬きする間に、
文明を急発達させ、爆発的に増殖し、地球を壊す勢いで戦争や大量虐殺(ジェノサイド)を繰り返して来た人類。
この原爆を持ってしまった猿の如きキモい地球人。
果たして心の成熟は伴っているのだろうか?
ちょっと“イソベやん”の“内緒道具”を渡して裁定してみよう。

前章終わった段階で世界は一層波乱含みですが、
後章に向けて、命綱となるテーマは提示されていると思うので、
手応えを感じながら後半戦に挑みたいです。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・ Production +h(プラスエイチ)

個人的に、初代『ガンダム』、今敏監督の方の『パーフェクトブルー』など、
人間の顔ってちゃんと観察すると美形一辺倒ではなく、
時に昆虫の如く気持ち悪くもある。
そこを再現できている人物デザインに対しては点数を盛る傾向にありますが、本作も同様。
私は特に、おむすび顔に円な瞳のメガネ娘・出元亜衣のデザインが好きです。

<母艦>周辺に揺らめくレタリング?が、
ゴシック体で打ち出される作中テロップの生成、解体過程でも垣間見えるのも意味深。

観察者視点に一歩引かせる地球人デザインと、テロップのレタリングが、
私を冒頭から宇宙人視点に誘導した主因。


細部の背景美術にも社会風刺などを含んだ表現が散りばめられ情報量は多め。
私の脳裏に焼き付いているのは、8.31以降は数える程しか出ていない“侵略者”への防衛行動での民間犠牲者。
それをトップニュースで大騒ぎする傍らで映し出される交番の看板。
<母艦>関連を遥かに凌ぐ数の交通事故死傷者数。
この辺りも騒ぐと決めたニュースばかり取り上げるメディアと、
反発して陰謀論に囚われるネット民という両極端を想起させられジワジワ来ます。


総じて巨大<母艦>の大技だけではない、地球人のイタい所を表現する小技も効いた刺激的な作画です。


【キャラ 4.5点】
主人公の眼鏡っ子・小山門出(かどで)
ロングツインテールの中川凰蘭(おうらん)こと“おんたん”
メイン2人に、恋愛リア充を目指す栗原キホ、出元亜衣、
無口な長身黒髪ロング・平間凛。
JK5人グループが頭のネジが外れた掛け合いを繰り広げて、
<母艦>の非日常に対峙する日常世界を構築。

例えば門出は担任教師の渡良瀬を慕っていますが、
この教師と生徒2人の会話も、ちゃんとした型に収まり切らない人間と青春を示唆していて不謹慎で面白い。

あとは、おんたんのイケメンメタボな兄で“ネット監視員”(ニート)のひろしが挑む、
SNS空間に広がる“情弱”どもの“総意”とか。

全体に、情報社会に監視されることを前提として、
火を点けられないように社会が強いた役割を仕方なく演じてやってる倦怠感が滲み出ており、
これもまた地球人のオワッてる感を濃厚にします。


【声優 4.0点】
主演・小山門出役にはYOASOBIのボーカルとしても活躍する幾田 りらさん。
相方の中川凰蘭役には、あのさん。
メイン2人にアーティストをオーディション選出して周りをアニメ声優で固める布陣。

“ナチュラル”なボイス素材を求めてのアーティストの主演起用。
確かにおふた方とも、地声が高音スウィートなアニメ声で天然素材としては上質。
ですが、私はやはり自然体を求めるにしても、演技力を磨き上げた声優にナチュラルな演技をさせるのがベストと考えるので、この点数が上限。

ただアーティスト2人でと決めた以上は、
下手に声優の枠にはめずに、2人の表現者としての感性に任せるという判断は、素材を活かす上ではベターな選択。
掛け合いシーンでは同じ歌手ならではの波長が合い、
仲良く喧嘩する良いリズムが生まれていたそうで。
声優陣も交えたJK5人組のバカ騒ぎの空気感もスムーズに出ており心地良かったです。

原作者いわく、アフレコ時は、主演おふた方とも作品世界に入るための準備はしてくれていたとあって、
宣伝目的で起用した俳優・タレントを“お客様”扱いする劇場アニメ作品よりは良好な仕上がりだったと感じました。


EDクレジットの最後には、
門出が愛読する作中漫画でシナリオにも深く関わる黒い『ドラえもん』?wこと「イソベやん」にて、
イソベやんに“内緒道具”をせびる自堕落女子・デベ子を演じたTARAKOさんへの追悼コメントが表記。
『ちびまる子ちゃん』のさくらももこ役など、だらけた演技も天下一品の楽しいお方でした。
ご冥福をお祈り致します。


【音楽 4.5点】
情報過多な東京の日常社会に溢れる生活音、
そこを切り裂く<母艦>絡みの非日常の異音、放たれるレーザー兵器の発射音など、
立体的に表現された音響は、本作劇場鑑賞の一番の意義と言っても過言じゃありません。

主題歌は主演アーティストのお二人が担当。

前章はano feat. 幾田りら「絶絶絶絶対聖域」
作編曲を凛として時雨のTKが担当。

曲調はテンション高めの無邪気な作風ですが、
歌詞世界は“地球オワタ”“地球が壊れたよ”などとシッカリ病んでいるので油断は禁物ですw

投稿 : 2024/03/27
閲覧 : 411
サンキュー:

20

ネタバレ

メガマインド さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:----

衝撃の映像体験!!SF!?女子高生の青春!?ジュブナイルいや、これはセカイ系だ!!

原作未読

やたら長いタイトルで

通称デデデ (某任天堂のキャラを思い出した)

いきなり上空に巨大な飛行物体に出現して

都会の街に飛行物体!?爆弾を落とされる


なんだこの作品はSF的な導入から、さわやかな女子高生のキラキラドロドロ

な青春群像劇が始まっ

たかと思

いきや謎のイケメンに衝撃の事実をつきつけられてから

過去にいきなりとばされて、かどでとおんたんの主役二人の

小学生の過去の話が展開される

その過去の話というのは飛行物体に乗っていた謎の宇宙人の一人に遭遇して



タケコプターとかドラえもんでありそうな秘密道具をつかって

面白半分で遊ぶが

のび太みたいにどんどんそれを悪いほうに使っていく。

そして取り返しのつかない事態を招いていく

過去と現在が複雑に交錯していくなか

謎を多く遺して後章へ続く


特にこの作品観ていて

おんたんの正体、やたら長い過去の話の最後はどうなったの!?とか

現在の話も含めて謎を多すぎて、

次回へ続くものだから


こんなの気にならないわけないじゃない。

ずるい。続きがみたすぎる。


浅野いにお先生の不細工キャラや美少女まで描くキャラクターデザインの

センス、幅もすごかったけど



あのちゃんと幾田りらという今旬のインフルエンサーを起用していく

流れもさすがだし、二人の演技も女子高生らしさがでて上手いと思いました

主題歌も二人が歌う絶絶絶絶対聖域も電波的でありながら

物語にとても合う素晴らしい曲に仕上がっている。

また新しい才能をみせてくれた二人だと思いました。

TARAKOさんが亡くなる前に作中にでてくるドラえもん的な立ち位置のマスコ

ット作品である

イソベやんのとあるキャラを収録したということ

で実質の遺作となったのでご冥福お祈りいたします。


この作品、ジャンルはおそらくセカイ系だろうな。(間違っていたらごめん)

セカイ系というのは
 若い男女の恋愛関係を典型とする狭小な人間関係が世界の危機や終末を左右するといった極端なファンタジーに基づく物語構造のことらしい。

愛は世界を救うとかそういう感じ。

ところどころエヴァやserial experiments lain、ドラえもんがはいっていたり

後まどマギがちょうど流行っていたことも忘れずに。

浅野いにお作品は人を選ぶというかサブカル好きに好かれる傾向が強い



後上空の巨大な飛行物体が出現して現在に至ってもずっととどまっているの

も幼年期の終り

というSF小説を沸騰させる展開だし、

311とか他国とかいろんなメタファーを含んで

そうである。

これを連載していたときはちょうど311とか10年代で世の中が

とても混乱していた時代だったのでその残り香を感じた。


男子高生が左翼っぽくなるのも風刺っぽくてぞくぞくさせられる。

最後に男の娘がでてきたけど、最近多いな男の娘


世界的潮流なのか!!((笑)


マイノリティについて叫ぶ

カルト作品だと思ってしまいつつ女子高生やジュブナイルの日常ものとして

ほほえましくなる画も多くみられ好きになりました。


前章は主題歌の言葉にある通り革命前夜って感じで

まだ導入部分、本番は後章って感じで

めちゃくちゃ面白くなりそう。



最終的評価は後章みるまで全然わからないけど、

地球終了するその日まで拝みにいきたい

とにかくすごいものみせられたから、気になる人はぜひ

みてほしい。

衝撃の映像体験を約束しよう!!!!!

投稿 : 2024/03/26
閲覧 : 70
サンキュー:

6

双真 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 2.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

★★☆☆☆☆

おもしろくなかった。

投稿 : 2024/03/25
閲覧 : 114
サンキュー:

1

お鶴 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/09/14
閲覧 : 0

kuronotuki さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/09/01
閲覧 : 4

御宅忍者 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/08/02
閲覧 : 4

kkkkk54 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:途中で断念した

投稿 : 2024/07/26
閲覧 : 5

Ricky さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/07/13
閲覧 : 6

ネムネムサラダ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/07/01
閲覧 : 13

サテン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/06/20
閲覧 : 13

メタルジャスティス さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/06/08
閲覧 : 13

xmnBQ21439 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/06/08
閲覧 : 12

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/06/02
閲覧 : 13

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/05/25
閲覧 : 16

たかし さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/05/24
閲覧 : 19

ナイフ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:----

投稿 : 2024/05/16
閲覧 : 13

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/04/26
閲覧 : 14

kuroneko さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:----

投稿 : 2024/04/14
閲覧 : 17

ネコだワン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/04/13
閲覧 : 17

moonlight さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/04/01
閲覧 : 22

ナルユキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/03/31
閲覧 : 23

ソース さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:----

投稿 : 2024/03/30
閲覧 : 17
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のストーリー・あらすじ

東京で女子高生ライフを送る小山門出と中川凰蘭。学校や受験勉強に追われつつも毎晩オンラインゲームで盛り上がる2人が暮らす街の上空には、3年前の8月31日から、突如現れた巨大な宇宙船「母艦」が浮かんでいた。異様な光景は日常に溶け込み、当たり前となっていたが、ある夜、東京で悲劇が起こる。(アニメ映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2024年3月22日

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