「信長協奏曲(TVアニメ動画)」

総合得点
67.5
感想・評価
481
棚に入れた
2154
ランキング
2358
★★★★☆ 3.7 (481)
物語
4.0
作画
3.4
声優
3.9
音楽
3.7
キャラ
3.8

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 2.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

既存の戦国タイムスリップ物の常識を覆した異色作

現代の若者が戦国時代にタイムスリップ,戦国武将と入れ替わって活躍する。
といえば使い古された王道ジャンルなのですが…
本作は既存のこのジャンルのどの作品とも異色の切り口と雰囲気を持っていて非常に面白いです。


{netabare}『物語』
一見、ありがちな戦国タイムスリップ系?と思いきや。
主人公の高校生サブローは、超おバカだった!
歴史知識皆無なので、この手の主人公最大のアドバンテージである未来知識生かしての有利な立ち回りという伝家の宝刀を全く使わない!
…なのに、いつの間にか見事に織田信長を演じていく、摩訶不思議な展開。
「信長は若い頃奇行が目立ちうつけと呼ばれていた」と言う史実と結果的に合致している。
現代っ子(から見ても自由奔放すぎるのだが)のサブローの奇行に織田家家臣や妻の帰蝶らが翻弄される、しかもそれが史実通りの大うつけ!
なるほど、まさかこんな信長の描き方があろうとは…
この発想は目から鱗でした。作者の発想力の勝利でしょう。

奇跡的なバランスで現代のアホ少年と戦国が交わるハラハラ感と可笑しさ、帰蝶とのラブコメの微笑ましさで目が離せない。
…ところが本作はコメディーではなく、存外本格派の歴史戦記でもあり。
アホかと思われたサブローは実は天才的素質があるようで、桶狭間などの難局を鮮やかに切り抜けていく。
お前本当にアホの子だったのか!?
そこはあまり深く考えず、とにかくサブロー信長の破天荒にして実は凄い手腕を楽しむのが吉か。
戦の細かい展開は極力省かれるのも特徴で、ダイジェスト感が否めず、戦記としてのカタルシスはあまり無い。
が、本作の醍醐味はサブローの見事な信長っぷりなので、戦の戦術面は無視すべきなのだろう。
平手政秀の切腹の真相など、史実とのすり合わせが絶妙、戦国戦記として侮れない。

サブローの他にも現代出身者が居たり、本能寺に至る展開など、この先どうなっていくのか!?
史実をなぞりつつも、常に続きが気になる吸引力がある。
惜しむらくは10話と中途半端な終わり方な事。
本作は初めからメディアミックス展開が前提でアニメは宣伝の意味合いが強い模様、そこがちと残念です。
4.5あげたい面白さだけど、やや減点しました。


『作画』
風景描写は中々綺麗。
キャラ作画はややクセがあるも、作風に合っている。

『声優』
サブローの一見おバカで飄々としているが実は天才肌な感じを、宮野真守さんが好演。
帰蝶の水樹奈さん、お市の悠木碧さんも独特の持ち味発揮。
全般に、声優陣は非常に豪華です。
清川元夢さんの平手政秀の今際の際の演技は胸打たれます。

『音楽』
主題歌がかなりスタイリッシュな感じ。破天荒な本作のイメージには合っている気が。
生憎と私は横文字のオシャレな曲調が嫌いなので、高評価出来ないです。

『キャラ』
現代っ子でありながら戦国に全く動じず飄々と信長を演じてみせたサブローが希有な主人公だった。
君、実は天才だろ!?
情報戦や調略や朝廷工作も見事にこなしたり、凄すぎるぞ現代っ子!

帰蝶とお市がかなり可愛いのもポイント高し。
お市は兄ラブで勝ち気という、他作品でもよくあるイメージ通りだが、加えて可愛さと強さを兼ね備えた良ヒロインでした。

恒ちゃんこと池田恒興や、本来の信長であったミッチーら、サブローを支える家臣団も面白い。
もう一人の現代人、松永秀久など意外な人物も。
平手政秀が実はサブローを認めていた事、秀吉が実は腹に一物ある等々、武将のポジションがユニークだった。

『総評』
平均点は低めに付けましたが、特筆に値する作品なのも確かかと。
非常に面白かった。一見の価値があるアニメでした。{/netabare}

投稿 : 2014/11/06
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