animeneko さんの感想・評価

3.5
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態：観終わった

吸血鬼＋逆ハーレム＋耽美＋苦悩

２００８年の作品。全１３話だけど、分割二期の一期目のみ視聴
少女漫画原作でLalaに連載。

キャラデザと作画監督が西田亜沙子氏、（ラブライブとかシムーンの人ね）で美麗、美キャラの作画を目指している。
シリーズ構成が岡田麿里。しかしその割にはドロドロしてなかったか。
監督が佐山聖子。

吸血鬼物ということで耽美、退廃、淫美な雰囲気を楽しむ作品かな。
設定は、全寮制学園の日中に人間、夜間に美形の吸血鬼たちが通う学園でのドラマ。
時代は現代らしいが携帯電話出てこないし、街の様子が中世ヨーロッパなのに、なぜか日本風のラーメン屋があって塩ラーメンが食えるｗ

ストーリー的には、各話のメリハリがあり、それぞれのキャラもよく立っていたという気がする。お話にツッコミどころが少なくて設定の破綻敵なものが少ないかな。吸血鬼という設定さえ受け入れればストーリー上の矛盾はあんまりなかった。お話の進み方も遅いように感じる時もあるが、お話のメリハリを考えてあり、それぞれの人物の心情をよく描いていることを考えると、遅いとはいえないと思う。、当初はコメディ的な演出が目立ったが後半はシリアス調となり、死んでしまう吸血鬼も出てくる。この手のお話は中盤、お話がダレてしまうものだけど、無駄なエピソードは少なくてキチンと構成は考えられていたと思う。逆ハーレム物ということで物語がドロドロした人間関係を描いていくようなイメージがあるが、このアニメの登場人物たちはわりあいサバサバとしていて、あんまり陰湿な人物がいなかったようだ。意味もなく他人に意地悪するような人物が出てこないのは好感が持てる。

主人公の少女・ユウキについて。生い立ちの謎が明かされないままだったけど、それなりに魅力的なキャラだった。ゼロのために自らの血を差し出したりとか、やることが飛んでいるような気がした。好きな男が、カナメなのかゼロなのかはっきりせず、どっちともとれる行動ばっかりで優柔不断だけど、この程度の優柔不断ならハーレムアニメでよく見かける男に比べれば全然普通に見えた。

ユウキと幼なじみであるゼロは、吸血鬼に血を吸われたため、自我を失い人を襲うレベルEの吸血鬼になる運命と戦うところがポイントで、この苦悩との戦いがこのドラマの一つのポイントになっている。必死に人間性を保とうと苦しむ姿を描くのが第一期でのドラマのキーだろう。

もうひとりの中心人物・純血の吸血鬼・カナメは吸血鬼たちに崇められる存在であるが、何か秘密の目的を持っているらしい。

この他の登場人物たちもいろいろ出てくるがそれぞれ魅力的に描かれていたんじゃなかろうか。

逆ハーレムだから登場人物たちはキスしまくりのエロ行為しまくりかと思ったが、抱きしめあうとかは頻繁にあるけど、キスシーンはなかったな。エロ行為もなし。もちろんその代わりに吸血行為をバンバンやってしまうわけだけどね。そこがエロいといえばエロい。
男同士でのBL愛とかも明確には出てこない。

そういうわけで女性向けに見える作品だけど、男性が見ても楽しめるアニメだと思う