「幕末機関説 いろはにほへと(TVアニメ動画)」

総合得点
60.6
感想・評価
114
棚に入れた
761
ランキング
5670
★★★★☆ 3.5 (114)
物語
3.4
作画
3.6
声優
3.5
音楽
3.6
キャラ
3.5

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ネタバレ

無毒蠍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ある宿命を背負った剣客が旅一座と出会い彼女たちの仇討に助太刀することで幕を開ける伝奇時代劇アクションアニメ。運命に翻弄された役者たちが揃い踏み…一世一代の大芝居ここに開幕

世に混沌をもたらすと言われてる「覇者の首」
その首を封印することこそがこの物語の主人公、秋月耀次郎の使命なのです。
幕末や新撰組など日本の歴史に覇者の首という伝奇設定を加えた時代劇アニメですが
意外と内容は硬派で類似作品では骨太な感じがしますね。
印象としてはバジリスクとY十Mを混ぜ合わせて伝奇要素を強めた作品かな。

秋月が覇者の首を追う旅路で出会ったのが赫乃丈一座という芝居一座で
遊山赫乃丈という本作のヒロインが束ねる一座です。
しかし一座とは仮の姿、というわけでもありませんが彼女たちには仇討という目的があります。
覇者の首と一座の仇討にはちょっとした関連性があり、
序盤は秋月が一座の仇討に協力しながら覇者の首を狙う展開になってます。

主人公の秋月は寡黙です、中盤以降からセリフも増えますが序盤は一座と打ち解けてないということもあるのか
余計なことは一切喋らず、自身の目的、宿命についても語ろうとはしません。
しかし一座において秋月のことや覇者の首に関して唯一事情を把握してた人物がいました…
彼の名は茨木蒼鉄、芝居の劇作者で秋月同様に謎の多い人物です、敵か味方かわかりにくいキャラクターですね。
中盤以降からは彼の動きも目立ってくるのでその目的もはっきりしてくるのですが
それは目先の目的のことであって最終的な目的ではありません、
結局何が目的だったのかというのは最後まではっきりしませんでした。
それはたぶん茨木蒼鉄が何者だったのか最後まですっきりするような説明がなかったからでしょう。
一つだけ言えるのは彼もまた秋月とは違った宿命を背負っており、
それから解き放たれたかったんだろうなぁ、ということです。

一座の芝居と仇討を絡ませる演出はお見事。
本人役を本人が演じるということで仇役は仇が演じるという一世一代の大芝居でした。
芝居の中で悲願を達成させるという演出はアニメーションの枠、そして娯楽作品として面白い手法だと思います。

キャラクターや歴史上の出来事を硬派に脚色してるので歴史に興味がないと面白くないと思います。
時代劇エンターテインメントとしての雰囲気を大切にしてるんだとは思いますが
興味ない人にはその雰囲気が淡々としすぎてて退屈に感じてしまうかもしれません。

秋月みたいに寡黙な主人公はどうかな?と最初思ってたんですが悪くなかったです。
むしろ秋月の何があっても覇者の首を封印し己が宿命を全うするという信念には好感を持ちました。
よく~を背負うという言葉がありますが秋月は本当に言葉の通り背負ってましたね。
秋月に迷いのような感情がなかったのが良かった、
何度失敗しても執拗に覇者の首を追う姿に拍手をおくりたいです。

中盤からは覇者の首を追い一座を離れ旅に出る秋月と赫乃丈を中心に物語は展開していき、
そこに国家のため覇者の首を利用する者や狙う者たち
それぞれの思惑が入り乱れる殺伐とした雰囲気が漂ってきますがその渦中にいるのはやはり秋月と赫乃丈。
秋月と赫乃丈が背負う宿命が終盤ではお互いにぶつかり合う諸行無常の物語…

秋月と赫乃丈はもちろん何も背負ってない人間など誰一人としていない…
そんな時代の熱き漢たちを描いた時代劇娯楽作品です。

【B+75点】

投稿 : 2014/12/31
閲覧 : 293
サンキュー:

3

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