「乙女はお姉さまに恋してる(TVアニメ動画)」

総合得点
65.0
感想・評価
341
棚に入れた
1991
ランキング
3453
★★★★☆ 3.6 (341)
物語
3.6
作画
3.5
声優
3.6
音楽
3.4
キャラ
3.8

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ネタバレ

ダレイオス さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

貴子はなんていい人なんだと思ってしまいました。

エロゲー原作のアニメで原作エロゲーは持ってないのですが
これもDVDで持ってるんですよね。
6年位前なので当時は中身よりも見た目重視だったころに気に入って購入しました。
自分はエロゲーはしないけどエロゲー原作アニメは好きだったんだなと思いながら
あらためて見直してみました。

祖父の遺言で、強制的に転校(学院だからから転院かな?)して女学院に通うことになってしまった。
主人公の瑞穂の物語、見た目が女の子ぽくて性格は普通の男の子が
女の子いっぱいのお嬢様学校に女の子として通う設定であります。
設定的にはご都合主義ですね。法的に男子生徒が私立であっても
女子生徒として通うのは不可能ではないだろうかと思ってしまいます。
おそらく無理でしょう。
またいくら女の子ぽいといえども、男の子の体と女の子の体は作りが違いすぎるので
フィクションでなければ基本バレると思います。
なぜそんな、特殊な設定なのかといえば
やっぱり制作者側がハーレムぽいものと百合ぽものを
やりたいという事情があるんでしょうね。
というわけで下心が丸見えなアニメでもあります。

しょっぱなから主人公ある瑞穂は転校初日から容姿端麗で成績優秀なためか
女子生徒に持ち上げられたり
開始からおおむねのキャラから主人公マンセーになってます。
そしてこの学校の先輩生徒には後輩が付き人で世話をするという設定があるおかげで
好意的に見られている瑞穂との
百合ぽいシチュエーションがあったり軽いスキンシップが見られたりで
女の子達の可愛らしい姿が見られます。
ただ、良識のあるお嬢様学校であったり、あくまで女の子同士での立場のイチャつきなので
エロい感じではなくて友達感覚で今でいう日常系アニメに近いです。
瑞穂は男の子であるため、女の子の中に入って戸惑ったり
女の子を見てドキドキしたりの心理描写は中々良い。
男の子とバレる定番でもあるトイレの便座をあげてしまうことに気を付けるなど
手堅いネタではあるが、その手堅さゆえ面白いと思える場面は多かったです。

ストーリー序盤はエルダーという、全校生徒から手本となる
学院の代表シスターを全校生徒から投票から選ぶのが軸になっています。
人気のあるため、エルダーの候補になった瑞穂とそれを阻止しようとする
生徒会長の貴子との対立で進みます。
瑞穂側には幼馴染のまりや、と前年のエルダーで留年してしまった紫苑が
ついていてサポートする形になっています。
紫苑はエルダーながら選ばれてすぐに病気で留年してしまい。エルダーとしての役目を果たせなかったキャラで
エルダーの重みを持たせるキャラとして十分に役割を果たしていました。
まりや、も幼馴染ということで面倒見が良くて、瑞穂にたいして良くしてくれる
優しいお姉さん的存在であり、キャラは好感は持てました。
貴子はいきなり現れた、どこの人かもわからない。
瑞穂をマンセーする雰囲気をおかしいのではないかと釘を刺すのも
当然といえば当然でストーリーの流れ的には違和感はないです。
生徒会長ということで独特の正義感の強い所もあったりで
主人公のライバルとしてキャラが立っているのも良かったです・

ただ投票はあっさり終わり、瑞穂が意外にも綺麗な形でエルダーになってからの
中盤以降は、意外にも無難な作りでした。
1話完結型のストーリー構成で各話の繋がりは薄いですね。
幽霊の子の回とかどちらかといえば、日常系のギャグ要素が強いものになって
貴子と瑞穂との対立はいったんお休みになります。
面白いといえば面白いけど、単に笑える作りで
ストーリー的には瑞穂の母親の掘り下げとか、あるにはありますが
大きな動きはありませんね。
貴子もみんなの投票でエルダーになったこと自体を尊重しすぐに受け入れ
瑞穂のことを心底敬意を示したり、流石お嬢様学校の生徒会長らしく
実に誠実でアニメのキャラなのにこの人、なんていい人なんだろて思ってしまいました。
それに、どちらかというと瑞穂に非があるケースが多くて、説得力のある展開も良いですね。
瑞穂は貴子に叱られて当然でしょうね。
そのため悪意のある明白な対立とかは無いので無難な作りといえば無難です。

個人的にに一番良かったのは奏の大きなリボンのことで貴子と議論することになったエピソードですね。
この回、奏の大きなリボンが風紀を乱すということで貴子がクレームを付けるのだが
校則には明確なリボンの大きさの規定は無く、あくまでも貴子の主観での校則違反ではないかの主張である。
おそらくは、身に付ける装飾品についての記載はあり風紀を乱すものは駄目だという
記載があるのだろうけど、明確な規定が無い以上揉めるという奴です。
まあ、私が中学生の時は結構風紀の面で校則違反かどうかで先生と揉めてた生徒が結構いたので
かなり現実的な問題だとは思いますね。
それに対して瑞穂側がとった行動は、それは貴子の主観であくまでも校則違反ではないという
ことで、校則の規則に生徒会の決定に不服があればその決定に対して
抗議出来るという権利を行使しする展開である。
これは中々興味深いエピソードでした。
これまで貴子の行動は結構正義感にあふれたものが多くて、貴子は悪くない展開が殆どだったのですが
その意味がようやく生かされる展開でした。
とにかく登場人物達も述べていますが悪い人がいないんですよね。
大きなリボンだって冷静に考えれば校則違反だと言われればしょうがないかと思いますし
それを注意したのは生徒会長として責務を果たしたとも見えなくは無い。
それは今回だけでなく、今までの対立もよく考えてみたら、悪い人はいなかったですね。
みんなその時その都度、最善を考えて答えを出した結果であり
本作のテーマは「悪い人はいない」というのに異論が感じられず
これは見事な展開だとしか言えずこの回はかなり素晴らしかったです。
解決の仕方もかなり、コロンブスの卵的なナルホドなアイデアで
これは一見の価値はあると思いました。
瑞穂も奏を守るためにカッコいい行動を示したり、この回は異常にカッコよく見て素敵でした。

終盤は一転して恋愛ものになりましたね。
幼馴染のまりあ、と貴子の同時進行で同時に複数進むもので
同時に複数進むあまりないタイプの進行だったので結構楽しめました。
まりあ、の方は今まで世話ばかりしていて男としてみてなかったけど
だんだんエルダーとして成長して自分が世話するまで無くなってしまい
男として意識しだすやつですね。
理屈としてはわかるのですが、幼馴染キャラは
どうしてもオーソドックな展開になりますね。良いとは思いますが
貴子は瑞穂と創造祭(学園祭にあたるものかな?)の演劇をいっしょにやることになって
体を触れ合うなどの練習をいっしょにやっている内に
恋人として意識してしまうやつです。
こっちの方はあくまでの貴子は女性としてみているので背徳感をいだいたりして
そういった心の葛藤が見られたりそういう場面は見所でした。
貴子はそれ以外にも、瑞穂を意識してしまってテレたり
恋する乙女の可愛げのある仕草などはかなり可愛かったし
タイトルの「乙女はお姉さまに恋してる」を思わせる見事な展開だけに
上手くまとめたかなと思います。

最後は世界観に似合わない凶悪犯がいきなり出てきて
ビックリしましたけどキリのいい所で終わったかな
これ以上見たい気はするけどこれ以上続けても
「乙女はお姉さまに恋してる」からは微妙に話がズレそうなので
納得はしました。

作画は当時としてはまずまずでしょう。比較的作画は安定していたと思います。
キャラは可愛く描かれていて魅力的に見えたので満足はしています。
ただ、それ程演出が優れているわけでもなく、動かした方がいい場面でも1枚絵だったり
もう少し工夫が見られてもいい感じはしました。

声優さんは瑞穂役の堀江さんは特に演技力が高いようには聞こえませんでしたが
男の子役としての演技は出来ていてまずまず満足しています。
貴子役のたかはしさんは、可愛げのある演技やしっかりとした生徒会長の演技の切り替えも上手く
ハマリ役だったのではないでしょうか、このアニメの声優では一番合ってました。
まりや役の浅野さんも、世話焼きなお姉さんの演技は出来ていたと思います。
瑞穂を叱ったりしする演技はかなり上手かったのでその場面は好きでした。

設定はご都合主義ですが
キャラの心理描写がかなり良くて、ストーリーも良いエピソードは多かった。
特に大きなリボンの回はかなり良く出来た話なので
そのエピソードのおかけで物語は高評価ですね。
全体的に見てもストーリーの流れは筋が通っているのもポイントで
良く出来たアニメでした。
DVD購入した時は見た目重視派だっただけに
再視聴時内容はあまり期待していなかっただけに(6年前に見たのであまり覚えていません。)
意外に出来が良くてビックリしました。

投稿 : 2015/02/25
閲覧 : 294
サンキュー:

3

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