「だれかのまなざし(アニメ映画)」

総合得点
67.0
感想・評価
304
棚に入れた
1385
ランキング
2570
★★★★☆ 3.9 (304)
物語
4.0
作画
4.3
声優
3.7
音楽
3.8
キャラ
3.7

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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

「ほんの少し」

新海監督作。

一人の女性の人生を走馬灯のように、子供から大人になるまでをザーっと流した映像。ただそれだけ、ただそれだけが、こんなにも心に灯をくれる。

ナレーションの語りが子守唄のようにあったかく、父親との距離が幸せな羽衣に包まれたような、微笑ましい光景だった。それは大切な時間を共に過ごした家族からでた、まなざしの言葉だからだろう。人が社会人になるまでの、親子のふとした瞬間の映像を切り取って教えてくれる。

移り変わる四季の映像に合わせて時が移ろってゆく。
新芽のように祝福された綺麗な桜は、目に移るモノが全て新鮮で、無邪気に笑うのを許されていた。
かっとした初夏のひざしは外へと届き、その笑いが家族以外の人達に変わってくる。
絵の具で塗ったような落ち葉は、様々な色で変化をもたらし、やがて悲しいことや辛いことの方が増えてくる。
季節は冬。檻のような寒さが、社会人になってひしひしと感じる頃。幸せなことなんて、「ほんの少し」になってくる。

めぐりめぐって季節は春。その頃ようやく、親子は「ほんの少し」を分かち合える関係になれるのだろう。

結婚式で新婦がお父さんに感謝の言葉を綴るように、やっと角が取れた親子の光景ほど安堵をくれるものはない。お互い不器用にも過ごしてきた日々が、不器用な間柄をまだ匂わせながらも「ほんの少し」の幸せを「ほんの少し」の七分間で、押し付けがましくない「ほんの少し」だけを伝えてくれる。少しである分、受け取り方しだいで多くの、自分の中にもある少しの幸せを想いおこさせてくれる、そんな作品。

投稿 : 2015/03/03
閲覧 : 341

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