鸐 さんの感想・評価

3.7
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態：観終わった

ブレ幅が大きい

この作品、物語と作画のブレ幅が大きいので、どこを基準にするかで評価は全然変わるような気がします。

物語について
あまり深く考えないで、1話1話を楽しめればいいかなと思います。
端的にこの物語はこんな感じです！と言いたかったのですが、考えれば考えるほど、まとまらなくなっていくので、考えることを止めました(笑)
全体を通してみれば主人公レオンの成長が描かれていることが分かるのですが、1話毎の話にギャグ回、番外編的な回、シリアス回と転々としていて一貫性が無いので、最後まで観ないと混沌としているように見えます。

レオンの成長については、黄金騎士になって自分の意思で戦う事すらままないところから、恋の経験を積んで、取り返しのつかない過ちを犯して、それでもなおおのれと向き合って着実に成長していくさまが描かれています。

濡れ場、中世ヨーロッパのような舞台、魔物、戦争、主人公の成長のキーワードで一致する「ベルセルク」「純潔のマリア」と似ています。
濡れ場やグロシーンについては、ベルセルクの劇場版よりはだいぶ抑えられていますが、苦手な方は注意が必要です。


声優について
声優について印象強かったのはゲスト声優です。
魔導輪ザルバは影山ヒロノブさん、そしてなんと15話で登場したブルーノの声を担当したのは、何と漫画家の桂和正先生でした！
お二方とも聞き始めこそ違和感はあるのですが、話が進むにつれてどんどんなじんでいくので、スルーしていたのですが・・・まさか！ですよ。歌手は可能性として上がっても、漫画家なんて全く想像がつかないじゃないですか。エンドロールを見たときは興奮して、もう一巡しながら「えっ!本人？」とすごいを繰り返してましたね。

この15話は前後の話が関係なく観られる物語になっているので、私と同じで名前にそそられた方は15話だけでも見てみるといいかもしれません。

ちなみに影山ヒロノブさんはJAM ProjectでOPを歌われていますね。
1期と2期どちらのOPも、昭和のアニソンのような熱いロックに現代的なオシャレ感を出した面白い曲です。
OPムービーも手描きのような荒々しくて勢いのある絵でかっこいいなと思いました。荒々しすぎて何が描かれているのか分からない部分もあるかもしれませんが、見続けているうちにコレか！とわかってくるのでまた面白いですね。


キャラと作画について
シャーマンキングの武井宏之先生がキャラクターデザイン協力しているのですが、放送時の評判を観ていると、絵が合わないという方も多かったようです。なんだか、寂しい気分です。
懐古心を抑えてもレオンとエマさんのデザインはかっこいいと思うのですが…
ただ、デザインは良くても特に前半はキャラの顔が崩れることが多くて残念だった部分はありますね。

しかし、一度戦闘シーンに入ると、12話までは3DCGが、
12話以降は手描きで、凄くかっこいい描写が観られるのでアクション好きとしては満足のいく内容でありました。
造り手のこだわりが見えてとても面白い作品だと思います。