どらむろ さんの感想・評価

3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態：観終わった

思い…出した！綴る！2015年冬ラノベ四天王随一のネタアニメw

2015年冬期やたら多かったラノベ異能バトル系の一角。
まーた凡庸なラノベ枠かよ…
と思いきや！？
とんでもなく低いクオリティーから繰り出される、シュールなギャグ（本人達は真面目かもだが）！

「思い…出した！」はネタ的に使い勝手バツグン、ニコ動の他アニメでも多用されてる模様。
※私の評価は、極めて不真面目なので参考にはならんかも。
私的に2014年度の「幕末Rock」の後継者的な認識ですｗ


{netabare}『物語』
系統としては、主人公無双系です。
「魔法科高校の劣等生」には及ばないが、主人公が最強の力で無双する。
一方で、妹と他ヒロイン達に好かれまくるハーレム系でもあり。
ここまでは、極めてありがちな凡庸なラノベバトル系なのですが…。

とにかく全編に渡り、シュールさが際立ちました。
何がシュールかって、説明し辛いのですけど。
主人公達は「前世の記憶」を持っており、この前世次第で異能の強弱が決まる設定。
主人公はいくつもの強力な前世を持っており、バトルで苦戦→（前世を）思い…出した！→覚醒して無双！
というパティーンを繰り返します。
いや、この説明だけではありがちな中二病設定としか思えんでしょうけど！
作中の展開や経緯があまりにも雑過ぎて、逆にこの「思い…出した！」がシュールな笑いを産んでしまうのです。
この他にもストーリーは全般に雑極まりないのだけど、一応は目的が分かり易いし、何やかんやで主人公・灰村諸葉が予想の斜め上の無双で解決してくれる、妙な安心感がｗ

ラブコメパートはハーレムというよりは、ギャグコメディー路線が目立つ感じ。
この為、エロや萌えよりも、コメディー寄りでした。

…本作は基本主人公無双ですが、諸葉は思い出せば強いが逆に見ると思い出さないと左程強くは無いのもポイント。
その為、意外に他の仲間達も活躍の余地があった。
終盤の皆で共闘するバトルは意外と盛り上がった（ような気もする）。
…真面目に見ると色々とおかしいのだが、意外と破綻はしていない。

総じて
説明が難しいが、「大真面目に中二病を頑張った」けれど「色々とクオリティーが残念」なのが化学反応を起こして「オンリーワンなギャグ」に昇華されてしまった感じ。
その意味では「魔法科高校の劣等生」と同系列なのだが…
本作はあまり血なまぐさく無い（モブに優しい）のと、コメディーっぽい雰囲気故か、より気楽に笑えた印象。
全般的に不快な場面が無いのも、ネタアニメとして良し。
※私の評価基準は「客観的なクオリティーよりも、主観的に楽しめたか否か」ですので例えば悪名高い「チャージマン研」に5点満点出しちゃう不真面目な採点です。

『作画』
客観的に見ると、2010年代のアニメとは思えんレベルの低クオリティー。
説明が難しいが…色々な意味でヤバいｗ
バトルシーンはあまりの低クオリティーに唖然とする。
キャラデザは妹がチープで左程美少女ではないのだが、これはこれで可愛げがあって好き。
全般的に女性陣の可愛さ的には問題無し。

本作で特筆すべきは「綴る！」
魔法詠唱シーンで空中に文字を書く、これをアニメで大真面目に描写した結果…絵面がとんでもなくシュールにｗ
いや、多分アニメスタッフは頑張って真面目に描写したのかもだがｗ
この他にも作画を手抜きして中割省きまくった結果…
普通ならクオリティー低下は作品の質低下に直結するハズなのに、逆に笑える珍場面を多数生みだしてしまっている！

この他、バトル面で僅かだが見せ場があったり、構図を（精一杯？）工夫が見られたり、悪く無い面も。
※本作の笑えるのは作画（演出）も（意図的か否かはともかく）欠かせない
要素なのは確実。
客観的クオリティーよりも、主観的に楽しめませてくれた点を高評価せずにはいられない！

『声優』
松岡さんが同期ラノベ枠の主人公独占した中、石川界人さんが気を吐いた。
「思い…出した！」は名セリフでしょう。
竹達彩奈さんのアホっぽい妹キャラが中々ハマリ役、悠木碧さんの正妻お嬢様キャラも意外な好演でした。
マヤの小倉唯さんは、流石のあざとさ！「！すでのな」
マヤの萌え分のかなりの部分小倉唯さんボイスによるもの。
小林ゆうさんのセクハラお姉さんも良い感じ。
小見川千明さんも、小見川千明さんにしか聴こえない…ｗ
ロシア人のジェーニャさんのネイティブなロシア語も印象的。
すまねぇ、ロシア語はさっぱりなんだ…

全般的に声優陣が優秀で、この稀有なネタアニメを盛り上げていた感。

『音楽』
OP「緋ノ糸輪廻ノGEMINI」がとにかく印象的。
ニコニコ動画では空耳で「赤いぷよぷよ～」「美しい飯屋にな～れ～」と言われてたｗ
飯屋はメシアだと分かるが赤いぷよぷよとはいったい…？何度聴いてもそうとしか聴き取れん！
EDも意外と良い印象。

主題歌だけでなく、作中の演出にもBGMが効果的に使われていた点を評価。
いや効果的とはつまり、よりシュールな笑いを演出と言う事ですけど。

『キャラ』
主人公・灰村諸葉は、劣等生のお兄様程の無双感は無く、前半は結構苦戦もあった感じ。
「思い…出した！」は名セリフだが、彼本人のカリスマは劣等生のお兄様には及ばない印象。
ちなみに灰村といえば「断栽分離のクライムエッジ」の灰村切くん思い出す。

妹はアホっぽくて可愛い。静乃良き正妻キャラでした。
ロシア娘もテンプレなチョロインで良い感じ。
小早見さん演じる英国のエージェントがキャラ的には一番可愛かった。
マヤは艦これの電ちゃんと同じ口調、あざとい萌えを感じる！
俊足の先輩が奥ゆかしくて意外に可愛かった。

何気に男性陣も捨てキャラにしない点が好感持てる。
最初にカマセになった（ニコ動では「オッサン」と呼ばれ妙に大人気だった）キャラ（実はストライカーズ隊長の弟だった！）も終盤しれっと再登場してたり、友人達も最終決戦では地味に活躍していたり。
主人公無双させつつ、他のキャラも悪くは無いのも、本作の評価好意的になります。
しかし、抜きん出て魅力感じる程でもないので、全般的に好意的とはいえ4.0には届かない感じ。{/netabare}