「特例措置団体ステラ女学院高等科C3部(TVアニメ動画)」

総合得点
59.3
感想・評価
688
棚に入れた
3094
ランキング
6176
★★★★☆ 3.1 (688)
物語
2.8
作画
3.3
声優
3.2
音楽
3.3
キャラ
3.0

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ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0
物語 : 1.0 作画 : 1.0 声優 : 1.0 音楽 : 1.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

分かりやすく迷走

[文量→大盛り・内容→酷評系]

「青春×機関銃」「さびけぶっ!」などが好きな方は合うかもしれません♪

【総括】
一時期流行った、サバイバルゲームを題材にしたアニメ。部活モノ。内容は結構攻めていて、「賛否両論、主に否」という評価を受けている様子。キャラデザや作画自体はなかなか良かったと思う。

【視聴終了(酷評)】
{netabare}
出だしは悪くなかった。キャラはぶっ飛んでいる人ばかりだが、登場から自己紹介の流れはテンポ良く進み、キャラデザもよく、結構期待した。しかも、「サバゲー」という、「存在は知ってて興味はあるけれど、ちょっと敷居が高くてはじめにくい」というものを題材に扱っているので、みんな結構期待したと思う。

けれど、思えば第1話がクライマックスだった。結果的に、「サバゲーの印象は悪くなり」「視聴者は楽しく視聴できず」「円盤売り上げは爆死して制作は儲けられず」「原作のPRにもならず」、いったい、誰が得をしたのだろうか、というアニメになってしまった。

まず、中盤から主人公が闇落ちするのだが、その展開自体を悪いとは思わない。「楽しければ良い」「勝つことが大事」という、相反する(わけでは、ホントはないのだが)二つの感情のぶつかり合いは、部活モノとして考えた時にはむしろ王道であり、その際に主人公が多少暴走しちゃうのはアリだと思う。

でも、なんというか魅せ方がねぇ~。まず、闇落ちが長い。闇落ち期間は1話か2話で良かったと思う。次に、主人公の傍若無人で理不尽なキレ方についていけない。「主人公の言い分にも一理あるよね」っていうポイントがあればまた違ったと思う。そして何より、闇落ちは、立ち直った時のカタルシスにこそ価値があるのに、なんか意味不明な理由(オカルト)で戻ってきた挙げ句、謝罪もなしにいけしゃあしゃあと活動している。挙げ句、わけのわからん水着回でラストを閉めるというお茶の濁しっぷり。分かりやすく迷走していたと思う。主人公の闇落ち中の葛藤を描き、戻ってきた時に鼻水でもたらす勢いで謝ってくれればまだ可愛げもあった。

と、書いていてふと思ったが、最高の闇落ちとは、「ONE PIECE」の{netabare}ゴーイングメリー号からサウザウントサニー号に乗り換える際の、ウソップ{/netabare}ではないだろうか。あんな闇落ちなら誰もが納得するし、確かな感動があった。まあ、日本歴代1位の売り上げを誇る尾田さんと、新人アニメ監督を比べるのは酷というか、失礼ですらあるのだけれどね。

さて、ステラの話に戻ると、闇落ち以外にこの作品が大きく酷評されるのは、「サバゲーにリアルさがなく、醍醐味を伝えきれていない」という点だ。リアルなサバゲー経験者ほど強く酷評しているのは、やはり作品に問題があったのだろう。サバゲーでのルール違反やマナー違反も多々あったと聞く。そもそも制作には、「サバゲー」と「ガンアクション」と「戦争」の区別がついていないように感じる。私も門外漢なので偉そうには言えないが、サバゲーの面白さって、「戦略性」や「なりきり感」にあると思う。それを、壁走りで突破されたら、戦略性なんて意味を持たなくなる(ガンアクションになってしまう)し、あんなにも(なんか戦争でPTSDにでもなっているのかというくらい)、精神世界に突入してしまうなんて、サバゲーのレジャー性、娯楽性をぶち壊しているとしか思えない。誰が、高い金を払ってまで、苦しい思いをしたくなるのだろう? このアニメを観て、それでも「サバゲーやりたい!」って思う初心者は、やや変態だと思う(苦笑)

監督はサバゲーを、「武道のような精神修養の一環」と定義付けてこの作品を作り始めたらしいが、多分それが間違いのもと。サバゲーも武道も理解してないんじゃないかと思う。サバゲーに関しては前述の通りだし、うちら(武道を嗜む人間)にしても、別に滝に打たれて修行しているわけではない。この辺、語り始めると更にクソ長くなるのでやめるが、まず誰が見ても、武道とサバゲは違うものだと思う。「スタッフ、誰か指摘してやれよ」と思う。

まあ、普通に可愛いキャラでキャッハうふふと、サバゲーを遊ばせて、少しマニアックなミリネタを入れ込めば、平均点以上にはなったと思うが、新人監督で、「なんかスペシャルなことをしたい」とか、「ガイナックスらしい深みを加味したい」なんて思っちゃったのかな。その姿勢は嫌いじゃないけど、それをまとめきるだけの経験が足りなかったと思う。

自分も、酷評レビューを書くときはドキドキする。好きな方もいるわけだし。普通に、どんな作品にでも良さを認め、褒められる方は凄いと思う、自分には出来ないから。だからせめて、酷評レビューを書くときは、丁寧に酷評しようと思っている(からこんなに長くなるのだけれど)。それで伝わっているかはさておき、まあ、あえて道を踏み外す時はそれなりの覚悟とリスクを背負わないといけないということで。
{/netabare}

【余談 監督は初の、そして最後の? 作品】
{netabare}
まあ、新人監督を据え、シリーズ構成を置かず、原作と大きく異なる展開にした上に酷評を受け、その後に(多分)監督としては作品を作らせてもらえていない(のか自分から身を引いたのかは知らんが)、という、アニメ内容外の出来事からも、作品の評価が推し量れると思う。
{/netabare}

投稿 : 2017/05/20
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サンキュー:

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