「終末のイゼッタ(TVアニメ動画)」

総合得点
74.9
感想・評価
795
棚に入れた
3900
ランキング
839
★★★★☆ 3.6 (795)
物語
3.5
作画
3.7
声優
3.6
音楽
3.5
キャラ
3.6

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ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

宗教関係者の意見も聞いてみたかった

魔女が銃器に跨がり、戦闘機を剣で弁慶状態にして撃墜していく等、
ぶっ飛んだ設定の架空大戦物。
こだわりを感じる兵器設定、情報戦、メディア戦など、
リアルっぽい味付けもあり、私としてはまずまず楽しめた本作。

{netabare}魔法で地べたを無残に転がされても、空中に巻き上げられ砲弾代わりにされても、
ドイツの戦車はやっぱり格好いいですw{/netabare}

個人的にはもう一押し、宗教の視点も欲しかったかな?と思います。
折角、魔女狩り、十字軍といった歴史を持つ、
ヨーロッパを元にしつつ中世の雰囲気も残す、
架空世界で魔女を暴れさせているのですから、
異端審問官くらい出しゃばって来ないと勿体ないと感じました。

思えば、現実でも先の大戦は、
当時、一神教が古より数多予言して来た最終戦争とも恐怖された絶望。
最後の魔女、あの人のイゼッタ以外に
宗教による「終末」の定義付けもあれば、
世界観はさらに深化したかもしれません。

最後、{netabare}列強代表たちが集った会議も、
姫様と身を挺した魔女が各国首脳を見事喝破したとも取れますが、
私には信仰が失われた近代にて、領土争奪に血道を上げる世俗のトップたちが、
魔女だの魔法だの専門外の話をふっかけられて
対処に困っているようにも見えましたw

オブザーバーとしてバチカンの教皇くらい呼んでおけば、
魔女伝説に関する歴史文献の宗教面からの突き合わせ等、
より立体的な議論が白熱したのでは?と思います。
そもそも{netabare}本当は怖い白き魔女伝説も元を辿れば、
教皇の破門を恐れた公国による裏切りによるもの。
私としてはバチカンの末裔にも責任取って是非、会議にご列席願いたかったです。{/netabare}{/netabare}


あれこれ要望点は出てくるものの、私としては、
オリジナルアニメを自由に思いっ切り作ってやろうという熱意は感じた作品。
最初、一話様子見気分で眺めた自分を
完走させるだけのエネルギーはあったアニメだったと思います。

特にフィーネ様は毎週会うのが楽しみな金髪公女様でした♪

スタッフ一同には懲りずにまた是非オリジナルアニメに挑戦して欲しいと思います。
その際、願わくば{netabare} ドイツの戦車にも名誉挽回の機会をお与え頂けたら嬉しいですw{/netabare}



以下、【六話折り返し感想】魔女と情報メディア戦略
{netabare}
本作は架空の大戦物でありながら、
魔女という前近代と、二次大戦という近代戦。
突き合わせる二つの要素をよく咀嚼している。
という初回の好印象から数話。
その認識と期待は私の中でさらに大きくなっています。

史実の第二次世界大戦というのも、
{netabare}新聞に加え、ラジオの普及、宣伝映画、テレビの実用化など、
メディアの発達により、プロパガンダ合戦がより重要となった転機でした。

本作はこうした情報戦激化の流れもよく把握して物語に反映できています。
その極致が、第五話「いつわりの奇跡」での魔法無効地帯での、“演出”だと思います。

さらに、虚像を含んだ魔女のイメージを飛ばして大戦に挑む以上、
魔女にまつわる機密は時に一個師団をも凌駕する重要性を持つこととなります。

時に個人の命より重いと判断されかねない、
自らの魔女としての虚像の重みにイゼッタが耐えられるのか?

悲劇への伏線も感じつつ、最後の魔女と大戦の行方を見守りたいと思います。{/netabare}


お気に入りのキャラはフィーネ様……“男気”があり過ぎて、
姫様~~!!と叫びたくなる今日この頃ですw{/netabare}


以下、【一話感想】これは凄まじい初回電撃戦♪

長くなるので折りたたみw
{netabare}
架空のパラレル二次大戦物×魔女という設定に時めいたものの、
ありきたりか?とも感じ、スルー予定でしたが、
つかみが良くて期待できるとのレビューや評判を見聞きし、
慌てて列車に飛び乗りましたw

いや、しかし……初回からぶっ飛ばしてましたね~♪凄かった。

{netabare} 外交の思惑が同乗した列車から飛び降り、
ヒロインのシャワーシーンを見せ、
オペラ劇場にて政略結婚を絡めた会談が破談し、
拉致されて、機上のピンチで、魔女が復活して、空に投げ出される。{/netabare}

これだけの見せ場が正味わずか20分強の間に炸裂した。
ヒトラーもビックリな電撃戦(笑)
個々の要素は視聴者をつかみに行く典型的な押しの一手ですが、
ここまでのフルスロットルは最近の『007』何かでも、滅多にお目にかかれませんw

これなら確かに昨今流行っている一話切りの黒魔術は封印できそうですが、
1クールでもアニメ制作は短いようで長い。
8話辺りになると、独ソ戦並の持久戦で倒れる作品も数知れず……。
この先、戦線を維持するだけの武器・弾薬が
本作にあるのか?ちょっと心配になりますw

ただ、本作には自分たちの設定の利点は何か?
熟考の跡が垣間見えて期待はできます。

架空の第二次大戦と狩り残された前近代のコラボは典型的ですが、
本作の場合は近代戦に中近世のイメージを重ねただけで満足していない。
近代と中近世の配合でどんな見せ場を作ることができるか
設定を突き詰めた好印象も随所で残りました。

これなら、万が一、作画、展開面が初回でピークになったとしても、
練り込まれた設定からの補給が続けば、最後まで楽しく完走できそうです。
そんな手応えも感じつつ、視聴を継続したいと思います。{/netabare}

投稿 : 2017/01/26
閲覧 : 335
サンキュー:

37

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