ワドルディ隊員 さんの感想・評価

3.0
物語 : 2.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 1.5 状態：観終わった

死亡フラグに定評のあるミステリーホラーアニメ

このアニメは、綾辻行人氏の小説「Another」
を原作とした作品である。
小説は読んだことがないため、コメントできない。

※このレビューは、スプラッターコメディという
単語が出てくるが、それに関しては、エルフェンリートの
レビューで記載しているのでそちらを見て頂きたい。

この作品の大きな特徴は、バリエーション豊かな
死亡シーンである。
死亡シーンを考えた方は、相当想像力
豊かな人物であることは間違いない。尊敬の意を表する。
徐々に発狂していきながら包丁を喉に差し込むシーンや
スタイリッシュなコード巻き、ブリッ死もなかなかの
ものであるが、一番印象に残っているのは
傘＋落下による死に様。
これは明らかに狙ってやったとしか思えない。
スプラッターコメディとしてみれば、中々レベルが高い。
この点に関しては誠に感服した。
というか見所はそこにしかなかったような気がするが。
「Anotherなら死んでいた」の意味がやっと理解できた気がする。

気になった点もいくつかある。
まず、たいていの登場人物の記憶がガバガバである点。
なにか聞かれたら「う～ん」と必ず悩むのは定番。
このクラスのメンバーのほとんど、学校の試験は赤点
だらけではないのか。心配になる。

後、クラスのメンバー隠しすぎ。主人公も無闇に突っ込みすぎ。
この展開が、中盤まで続くためため息がでる有様。
本当に困ったクラスである。
そのうえ、終盤における主人公の無鉄砲っぷりが凄まじい。
自殺願望があるのではなかろうか。助けたい気持ちは
よくわかるのだが、やめたほうがいい。マジで。

対策の一つとして、いない人方式を採用しているようだが
明らかにいじめているようにしか見えない。
しかも、今回の件に関しては、悪化している。
早期に辞めるべきだったのに、あまりにも固執しすぎだろう。
その方式をやめてからも、その件の謝罪は一切なし。
さすがに失礼すぎる。そのうえ、約1名はどうしても
ヒロインに罪をなすりつけたいようで死ぬまで執着している。
もはやストーカー。なんでこんなやつが委員長に
なったのだろうか。可哀そう。

そして、これでもかと言わんばかりに、過去の話について
延々と語りたい登場人物があまりにも多いために
だれやすい。正直、くどいのだ。「さっさと進めよ！」と
憤りを感じた視聴者もいたに違いない。

終盤で、みなが疑心暗鬼になり殺し合いをする場面は
面白かったのだが、それ以外はいまいちだと
いう印象がぬぐえない。
というか、もはや笑いを取るために死人を増やしている
のではないだろうか？
その手の映画は、何本か見ているので嫌いではないが、
ストーリー展開はいまいちだったということもあり
私自身そこまで盛り上がれなかった。

個人的には、ホラーアニメの登竜門として考えれば
それなりに面白かったと思う。
ただ、ホラー物に精通している方が見ると相当がっかりする
可能性が高い。その方々には、スプラッターコメディの
シーンだけで十分だと思われる。