「機動戦士ガンダムSEED DESTINY[シードデスティニー](TVアニメ動画)」

総合得点
75.2
感想・評価
1312
棚に入れた
6548
ランキング
816
★★★★☆ 3.7 (1312)
物語
3.4
作画
3.7
声優
3.9
音楽
4.0
キャラ
3.6

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二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

残念な点は否定しませんが、総括として名作

ガンダムSEEDの続編作品。
実は世界観が一緒で~とかではなく正統な続編で、SEEDの2年後の世界が舞台となっており、SEEDで生存したキャラクターはほぼ引き続き登場となります。
批判の声が特に多く、結果駄作認定され易い作品です。
斯く言う私も本放送は途中で辛くなって切ってしまった経緯があり、本作にはいい印象がないです。
改めて通しで見てみましたが、悪くなかった、というか後半は加速して想定外に面白かったです。
今までガンダム作品は戦争という手段を取ることに対して様々な答えを提示してきましたが、本作の出したそれは、ある意味では抛棄とも取れる解です。
ですが、個人的にはストンと落ちたというか、最も正解に近いのではないかと感じました。宇宙のすべての答え?それは42だよ!みたいな。
序盤から中盤は観るのが辛いところもあるのですが、SEEDを見たらば本作の視聴もおすすめします。

前作とは異なり、単純にコーディネーターvsナチュラルの図式になっていないところが特徴です。
家族とともにオーブに居住していたシン・アスカは、先の戦争時に眼の前で両親と妹を失ってしまう。
その後、戦争は一旦の終結を見せ、世界は和平の道を歩み始めたかに見えた。
キラはラクスたちとオーブの僻地で静かな生活を送り、アスランは名前を変えてオーブ代表となったカガリをサポートしていた。
カガリとアスランは非公式の会談のためプラントの最高評議会議長ギルバート・デュランダムの元を訪れるが、そこでザフトが開発していた新型MSが強奪される事態となる。
モビルスーツを奪還するため、ザフトの隊員となっていたシン・アスカはインパルスで出撃し、混乱の最中、アスランはカガリを守るためにザクウォーリアに乗り込むが3体の新型モビルスーツを前に苦戦し、新型の戦艦ミネルバに避難する。
3体のモビルスーツを取り逃したインパルスもミネルバに乗り込み。ミネルバはそのまま強奪されたモビルスーツを追って宇宙へ出撃する。
SEEDの続編で、前作のエピソードも挟まるため、本作視聴前にSEEDの視聴は必須です。
逆にSEED以外は見なくても問題ないですが、宇宙世紀のガンダム作品のオマージュともいうべき表現が度々あるので、特に初代、機動戦士ガンダムは見たほうが楽しめる部分があります。
宇宙世紀とは繋がりのない作品ですが、ザクやドムが登場し、3体のドムが光り輝いてジェットストリームアタックを放つシーンもあります。

割と終盤まで何と戦争をしているのかがわからなかったです。
確かに登場人物は正義で行動していて、あからさまな「悪」といえるキャラも登場するのですが、それであっても何故すれ違い、友と戦ってしまうのか。
流れを追って視聴していて尚それが見えず、良く言えば細工がうまい作品、悪く言えばわかりにくい作品です。
また、視聴中は呼びかけるだけで何も言わないみたいなシーンが多かったように思えます。
アスラン「シン!」 シン「………」 アスラン「おいシン!」 ルナマリア「アスランさん…。」のように、何かがおかしい、だけどそれが何かがわからない、だけど間違っていることがわかる、指摘したいけど表現できないをアニメの間で表現した結果だと今ではわかるのですが、このやりとり視聴中は結構イライラします。最後まで言えよ!ってなります。
この行動は彼らが抱えているジレンマから来ているとわかるようになるまで、後半まで我慢が必要だと思います。
また、主人公のはずのシン・アスカがかなり嫌なキャラで、こいつが調子付く度にフラストレーションが溜まります。
視聴者を不快にする主人公ってどうなのでしょう、おまけに中盤辺りからはほとんど主役交代したように見える部分があります。
仮面の男が仮面をかぶっている理由の説明がなかったり、新キャラのほとんどが何もしないまま死んだりと、ブレブレの脚本だったことも事実です。
個人的に気になったのは、“不可抗力”により若い女性が艦長となり、クルーも若く、素人の少年がガンダムパイロットをせざるを得なかったアークエンジェルと違い、ミネルバはなぜか最初から若いメンバーで構成されているところです。
どう考えても経験豊かな壮年の男性の方が艦長としては適任だし、大事な任を追う船ならばオペレーターもそしてモビルスーツのパイロットも熟練の者を採用すべきでしょう。
全体的にアニメとしての見栄え、裏事情を優先し整合性やストーリー性を疎かにしたところが感じられたのが残念でした。

ただ先にも言ったとおり決して駄作ではなく、何と戦うのかなぜ戦うのかという答えをだすのが難しい問いに見事な解を示した作品と感じました。
苦しみながら戦い、かつての仲間を討つ苦悩、それに理由をつけて自分を騙しながら戦いを続ける描写も見事に思います。
振り返ると、熱い、そして何より悲しい物語と思います。
見ずに批判するにはもったいない作品です。残念な点は否定しませんが、総括として名作だと思います。

投稿 : 2018/06/09
閲覧 : 621
サンキュー:

5

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