タック二階堂 さんの感想・評価

4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態：観終わった

異世界モノも、こういう方向性なら…

詳細は公式でも見てください。

異世界の魔王・サタンが勇者に追われ、ゲートに逃れた先は現代日本でした。そこでは魔力が弱まるため、当面は日本人として目立たぬように暮らしながら、魔力を溜めて捲土重来を期すというお話。

う～ん、こう書くとダークファンタジーのようなイメージになってしまいますが、何のことはない、魔王がファーストフード店でバイトしながら、追っかけて来た勇者・エミリアとのドタバタ日常コメディということになるんですけども。

日常コメディ要素が非常に面白く軽妙。
付き従ってきた悪魔大元帥・アルシエルとの6畳一間の貧乏暮らしや、マグロナルドなるバイト先でマジメに働いて時間帯責任者になるといった展開がとても面白おかしいです。さらに勇者エミリアが少しずつ魔王の性格や生活態度などを見て、考えが変わりつつも父親を殺された恨みは忘れたくないという葛藤など、いろいろ練られたストーリーです。

中盤、部下だったルシフェルがオルバと結託して、魔王とエミリアの命を狙うあたりは、なんだこういう方向に行くのかと思いましたが、しっかりと仲間に戻して共同生活の日常が始まっていくので安心しました。

後半は異世界エンテ・イスラの大法神教会側および大天使サリエルとのバトルという流れになって、まあフィナーレに向けてまとめにかかるかなという展開です。ただ、どうしても尺が足りない印象が拭えません。面白いだけに、これは2クールぐらいでじっくりとやっても良かったなあと思いました。

ともあれ、すべての面で高いレベルにあり、安定して楽しめる作品だと思います。