「ギョ うごめく不気味(OVA)」

総合得点
53.2
感想・評価
116
棚に入れた
420
ランキング
7599
★★★☆☆ 2.9 (116)
物語
2.8
作画
3.3
声優
2.7
音楽
2.9
キャラ
2.9

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ネタバレ

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3
物語 : 2.0 作画 : 2.5 声優 : 2.5 音楽 : 3.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

典型的なモンスターパニックアニメ

この作品は、伊藤潤二のホラー漫画「ギョ」を原作とした
OVAである。なぜか一番最初にアニメ化が決定した
伊藤潤二作品でもある。
ぶっちゃけ、この作品を最初にアニメ化しようとしたのかが
私には理解できなかったので、完璧に説明できる方がいれば
是非教えて欲しい。

内容を一行で言い表すと、お魚を題材とした
モンスターパニック物だ。見終わった後、原作についても
調べていたのだが変更点も多いようだ。
気になった点をいくつか示す。

漫画版
{netabare}
華織は感染し、最終的には新型歩行器の実験台にされてしまう。
忠は感染しない。
小柳には助手の芳山がいる。ちなみに、この芳山は
アニメでは登場しない。
{/netabare}


アニメ版
{netabare}
忠は感染し、最終的には新型歩行器の実験台にされてしまう。
華織は感染しない。
華織の性格がかなり丸くなっている。
白河というフリーカメラマンが登場する。役割は芳山に近い。
華織の友人が二人登場する。
漫画版における忠や華織での役割が二人に
それぞれ一部ずつ与えられている。
{/netabare}

見終わった感想としては笑える部分はあったものの、
変更した箇所が多すぎたのが災いし、かえって
つまらなくなっているように感じられた。
終わり方も納得のいくものではなかったし。
原作通りそのまま描いていこうとはしなかったのか。

とはいっても、それなりに良かった場面はあったので
それについても書いていこうと思う。

華織に友人がいるという設定を付け加えたことにより
女同士の醜さというのが際立ったように感じられた。
只、こういった要素は他のパニック映画で既に
取り入れられているので目新しいものではない。恐らく、
モンスターパニック映画に精通している
スタッフがいたことが理由としてあげられる。

後は、コメディをそれなりに取り入れていたところか。
ヒロインが、最初に遭遇したギョを駆除し、ゴミ袋へ密封した後
ゴミ箱へ捨てるのだが、なぜか1日と立たずに自ら
ゴミ袋から抜け出すのである。
しかも醜悪な臭いの力によって。これには度肝を抜かれた。
その時の光景で、私が腹筋を壊したのは言うまでもない。

終盤で出てくる謎のサーカス集団もそれなりに笑いを
提供してくれた。ぶっちゃけ、ストーリーとは何の関係もないし。
あーだーこーだ説明してかっこつけているのは分かるのだが、
なぜ感染者をサーカスの一員として加えているのか理解できない。
明らかに臭そうなのに、全く持って動じない非感染者の
サーカス団員には尊敬の意を表する。恐らくあのサーカス団長は
伊藤潤二本人だと推察される。
彼の笑いのセンスには心底恐れ入った。誠に感服した。

それ以外に褒められた部分は一切ない。
そもそも設定に問題があるのだ。細菌が原因なのは分かるのだが、
死体に付属している歩行装置の説明はしっくりこない上に、
意思を持つ毒ガスは流石に無理がある。意思を持たせるぐらいなら
いっその事放射能にすれば良かったのでは?
まあ、それはそれで恐ろしいことが起こりそうだが。

華織もやたら頑丈だしね。しかも、ほぼ無傷という有様。
もはや人間を辞めているとしか言いようがない。
感染していない件に関してだが、ギョから受けた傷とは
別の物ではないかと思われる。

この作品を見ていて思い出したのは
ピラニア、殺人魚フライングキラー等のお魚系パニック映画である。
モンスターパニックの中で一番知名度の高い鮫パニック映画程
日本では余り知られていないが(作品をきちんと選べば)
それなりに見ごたえのある作品があったような気がする。

とはいっても、個人的には比較的新しいサメ映画である
ロストバケーションをお勧めするのだが。
(なんせお魚系パニック映画を見たのは相当昔なのでどんな
内容なのか忘れてしまっているのだ。仕方なかろう)

はっきり言って、伊藤潤二ファン以外は見ないほうが良いと思われる。
ストーリー展開もそこまで卓越したものではないし。
ネタアニメとして見るのならありだと思う。

投稿 : 2018/09/09
閲覧 : 624
サンキュー:

7

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