たわし（爆豪） さんの感想・評価

4.2
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 3.5 状態：観終わった

子供向けじゃない。

はたまたP.A.worksのレビューである。

レイトン教授シリーズのゲームはやったことないが、この劇場版は「子供向け」の皮をかぶった非常に大人に訴求力のある成熟した脚本センスを感じる。

ネタバレになってしまうが、ラストにおける本作の黒幕がとるある行動は、非常に感動的であり切なく悲しい結末が待っているので、小学校低学年くらいだと理解できないだろう。

しかし、人生にある程度の経験をした大人であると、ラストの展開に自然と涙が溢れるような感動的なシーンが待っている。

よく、感動ポルノというものは好きではないが、業にまみれた人間社会で、自分の運命を「受け入れる」ということは一体どう言うことなのかを今一度考えられる良作アニメ映画である。

本作は劇場公開時には全く客が入らず、興行的に失敗してしまったみたいだが、ミステリーらしい謎解きと、意外な展開、ラストの結末も含めて非常に文学的な思慮に富んだ作品だった。脚本家はこういったものをお手本にシナリオを書いてもらいたいが、この日本社会は売れるアニメは「ポケモン」や「妖怪ウォッチ」にどうしてもなってしまうので、なかなか文学性のある作品が生まれないのが今の現状である。