「はねバド!(TVアニメ動画)」

総合得点
73.1
感想・評価
505
棚に入れた
1991
ランキング
1030
★★★★☆ 3.5 (505)
物語
3.2
作画
3.8
声優
3.5
音楽
3.5
キャラ
3.4

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Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

わたしのすべてを、このコートに…!!

この作品の原作は未読です。
でも正直バドミントンを題材にする作品をアニメ化する、というのは若干の抵抗がありました。
何故ならバドミントンって最速のスポーツなんです(wikiによると打球の最速初速は493㎞/h)。

新幹線が束になっても叶わないスピードのスポーツをアニメ化する…
作画が崩れれば、バドミントン特有の躍動感が大きく損なわれてしまいます。
でもそのチャレンジ精神は嫌いじゃありません。
アニメーション制作はライデンフィルム…
これまでの制作した作品の抜粋は以下の通りです。
「アルスラーン戦記」「シュヴァルツェスマーケン」「恋と嘘」「キリングバイツ」
結構動きのある作品を多く手掛けられているので一安心…といったところです。
でも完走して振り返ってみると、バドミントンの躍動感が損なわれることは決して無かったと思います。

この物語は1年前の全日本ジュニアで、北小町高校主将である新垣なぎさは、とある少女に1ポイントも取ることなく惨敗したところから始まります。
部の主将であること…全国まで昇りつけたこと…
新垣にとってはどちらも自信に繋がるモノだったと思います。
それが1ポイントも取れずに惨敗…間違いなく本人が一番ショックだったと思います。
ですが、半年後に北小町高校に、とある少女が入学してきて物語が大きく動いていきます。
その少女が、本作品の主人公である羽咲 綾乃だったのでした。

羽咲綾乃はバドミントンの経験者…でも只の経験者ではありません。
幼少時から英才教育を受けてきた天才少女だったんです。
不思議なのは、それだけの実力を持っているなら続けたいと思うのは必然かと思っていたのですが、バドミントンがあまり好きという感じがしないばかりか、入部の勧誘すら快く思っていなかった始末…
どうしてバドミントンに対する情熱が歪んでしまったのか…視聴を進めることで伏線が回収されていきます。

物語は、神奈川県のインターハイ予選を通じて羽咲綾乃の心情の変化を中心に構成されています。
入学当初はバドミントンに興味無いような素振りを見せていましたが、彼女を知る人、ライバル視している人による触発を受け、予選にも徐々にエンジンが温まってきた…という感じです。

こうして予選が始まるや否や、羽咲の如実な変化に面食らった人も多いのではないでしょうか。
かく言う私もその一人です。
確かに勝敗のあるスポーツなので、勝負にはトコトン拘って然るべきだと思います。
だって、そのために1年間苦しい練習を乗り越えてきたんですから…

何のためにスポーツをするのか…?
上手くなりたいから…
試合に勝って、お金じゃ買えない思い出が欲しいから…
私はこれまでここで葛藤することはありませんでした。

羽咲のこれまで歩んできた道程は決して楽な道のりじゃなかったのかもしれない…
思い通りにならなくて何度も下唇を噛み締めたのかもしれない…
けれども、バドミントンがこんなにも身体に染み付いているのを一番よく知っているのは自分自身…
何のためにバドミントンをするのか…?
一番シンプルな答えが真実なんだと思います。

でもこの作品を見て1点だけ引っ掛かっている点があります。
羽咲が挑んだ物語の中でのラストゲーム…
彼女は本気で戦っていたのでしょうか?

確かに最後の相手は強かったと思います。
けれど、インターハイ予選の前にデパートの屋上で見せてくれたプレイ…
あのプレイはラストゲームでも出し切っていたのでしょうか?
体力を限界まで酷使してプレイしているのは見ていれば分かります。
でも、自分に枷を課しているように見えてしまったのは、私の目が節穴なせい?

羽咲の如実なメンタル面の変化は最後までどんでん返しの繰り返しでした…
スポーツマンシップの精神などの軸で切ると、彼女の言動には一貫性がなくスポーツマンらしからぬ面もあったのは否めません。
でも、逆に羽咲は精神的にそうなるまで追い込まれていたのではないでしょうか。
自分で自分の殻を破るために、初手からなぞり直す必要があったとか…
でもここのメンタルの部分は、物語の中でも核の部分だと思うので、もう少し尺を取って描いて貰った方がより分かりやすかったと思います。

オープニングテーマは、YURiKAさんの「ふたりの羽根」
エンディングテーマは、大原ゆい子さんの「ハイステッパー」
どちらもノリの良いアップテンポの曲でしたね。
オープニングはアニメの躍動感が良い相乗効果を出していたと思います。

1クール全13話の物語でした。
羽咲に絡みついていた色んなしがらみは、綺麗さっぱりなくなったと思います。
私は天才少女としての全力全開のプレイが見たくて仕方ありません。
続編で羽咲の更なる飛躍を目の当たりにできるのを期待しています。

投稿 : 2018/10/06
閲覧 : 223
サンキュー:

30

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