「はねバド!(TVアニメ動画)」

総合得点
73.1
感想・評価
504
棚に入れた
1991
ランキング
1027
★★★★☆ 3.5 (504)
物語
3.2
作画
3.8
声優
3.5
音楽
3.5
キャラ
3.4

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6
物語 : 1.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

シリアス寄りにした結果?

 原作は未読。
 まず序盤のバドミントンの作画の凄さに引き込まれた。
 タイトルの印象とは異なり、随分とシリアスな雰囲気に驚いたが、原作は序盤と中盤で作風が
異なるために大幅な改変をしたとのこと。
 作者の心境の変化で方向性やテイストが変わることはままあることで、それをアニメ化に際して
統一感が出せるなら、むしろ結構なことじゃないかと思っていたが、展開自体は重たく
シリアスな色合いを強くしながら、やけに能天気なコメディ要素が突然に顔を出したりして、
随所にちぐはぐなものを感じさせる。
 シリアスとコメディが同居する作品は他に幾らでもあるが、本作に関してはそのブレンド
具合やバランスが凄く下手な印象。

 本作は全体としては「才能と努力」や「バドミントンをやることへの意義」などが感じられ、
そこから「勝利以外の価値」や「才能なき者がバドミントンを続けることの意味があるのか?」と
いったものが導かれていたように思えた。
 キャラの心情や行動はこういったテーマ性には則していたように思えたが、ストーリー性の方に
注視するとどうもちぐはくな感が最後まで感じられた。
 なんか制作側の見せたい部分が点として各所に存在して、それを整合性や流れを考えずに強引に
線で結んでいったような印象で、キャラはそれに合わせるために無理矢理動かされていたみたいな
感じ。
 この強引なストーリー性に合わせたせいか、多くのキャラが不快感を感じさせるようなものに
なっており、「よくここまで多くの不快キャラを出せたな」と思うぐらいの不快キャラの
オンパレード。

 あと構成のバランスもあまり良くないような印象があった。
 本作は一般部員のエピソードも盛り込んでおり、一種の群像劇のような形になっている。
 これは作品のテーマに関するサンプルケースとしては充分に意味があったとは思うが、その
一方で羽咲 綾乃のような特異性の強いキャラを主軸としたストーリーも同じく1クール内に
押し込んだために結果としてはどっちつかずの散漫なものになってしまったように思えた。

 もう一つ構成で気になったのは、綾乃と荒垣 なぎさを並び立つ存在のように扱っていながら、
綾乃は家庭問題、なぎさは膝の故障の問題といった自身のことばかりに目が向いており、二人の
関係性を描いたような描写が少なかったこと。
 なぎさの方はかって勝てなかった相手という意味では意識していたようだが、綾乃という
個ではなく、単にトラウマ払拭のための壁としての意識みたいな感じ。
 そのため最後の県大会決勝は綾乃となぎさが戦うことで綾乃の心が動くという大事な試合で
ありながら、心情的に向き合っている感があまり感じられなかった。

 スポーツものでありながら、バドミントンの魅力そのものもあまり感じられなかった。
 こういったメインモチーフ自体を魅力的に描くのは、単に視聴しての面白さだけではなく、
作中キャラがそれを続ける、始める、一度止めた者が戻ってくることなどへの説得力に
繋がってくる。
 なまじ作画が良かっただけに余計に勿体なさを感じた。

2018/10/20
2018/10/20 誤字修正
2121/11/15 加筆修正

投稿 : 2021/11/15
閲覧 : 426
サンキュー:

7

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