「電光超人グリッドマン boys invent great hero(Webアニメ)」

総合得点
57.7
感想・評価
29
棚に入れた
67
ランキング
6748
★★★★☆ 3.4 (29)
物語
3.3
作画
3.7
声優
3.2
音楽
3.6
キャラ
3.4

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ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

夢のヒーローの影を追って

1993年~1994年にかけて放映された、円谷プロ制作の特撮テレビ番組「電光超人グリッドマン」の後日譚に当たる短編アニメ。
{netabare}
「電光超人グリッドマン」最終話にて、コンピューターワールドの魔王カーン・デジファーと決別し、改心した藤堂武史が、22年後の世界で壊れかけの"ジャンク"を見つけ、グリッドマンシグマとして戦う事を決意する!
{/netabare}
初公開は2015年1月16日「日本アニメ(ーター)見本市」にて。「SSSS.GRIDMAN」の放送を記念して、現在公式ページにて2018年12月26日まで、限定再公開中。

本編5分半くらい。「SSSS.GRIDMAN」と同じく、制作はトリガー、監督は雨宮哲さん。

冒頭と〆のシーンを除き、内容はほぼ実写版「電光超人グリッドマン」のバトルシーンのアニメリメイクダイジェスト。美麗さよりも動きで魅せるのはトリガーの十八番。作画は流麗かつ大胆、躍動感満点! グリッドマン、カーンデジファー、怪獣達に、新たな命が吹き込まれたかの様。グリッドマンやサポートメカのおもちゃ感(笑)や当時のCG表現の再現など、遊び心もいっぱい!

劇判として、ジャンクを通して映し出される回想シーンには、「電光超人グリッドマン」からEDテーマの「もっと君を知れば」が、終幕からスタッフロールにかけてはOPの「夢のヒーロー」が採用されており、選曲や演出からも、製作者の方々の原作リスペクトの精神がひしひしと伝わってきます。{netabare}なりたかった自分に辿り着いた武史の頭上を舞う黄色い紙飛行機に涙腺の緩んでしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか?{/netabare}

単純に、活劇ものとして見ても非常に良く出来た作品になっていると思います。


ミッシングリンクとして(「電光超人グリッドマン」と「SSSS.GRIDMAN」6話までのネタバレあり)
{netabare}
"ジャンク"が全ての作品に登場している事からも想像出来ますが、「電光超人グリッドマン」のみならず、本作と現在放送中の「SSSS.GRIDMAN」の世界観にも、やはり繋がりがある様です。

「SSSS.GRIDMAN」第5話の冒頭近くの電車内シーンで、窓外の霧が濃くなり、祐太くんと内海くんが突然居眠りを始めてしまう描写がありましたが、祐太くんの夢の中に、大槍を持つ人物と、それに刺し貫かれる人物の影があった事を覚えている方はいらっしゃるでしょうか?

初見では、わたしは予知夢の類かと思って、特に気にも留めず、そのままスルーしてすっかり忘れてしまっていたんですけど(笑)本作視聴後に、このシーンを再視聴すると、何ともはや、両者の頭部のデザインが、アレクシス・ケリヴ(※1ネオ・カーンデジファー?)とグリッドマンシグマに似通っている事が確認出来たのでした。

この夢の風景は、武史が戦いに敗れてしまった事を意味するのでしょうか? そして、祐太くんはグリッドマンを通して、その記憶の一部を引き継いだのでしょうか…? 記憶喪失との関連も気になります。

それでは、グリッドマンとして戦えなくなった武史はその後一体どうなったのでしょう?

ウルトラシリーズでは定番ですが(内海くんのマネ笑)ウルトラマンと合体した人間は、たとえ怪獣との戦いに敗北しても、命は失わず(ただし再び変身する事は適わず)普通の人間として生きていくというケースがちらほらあります。

話は少し逸れますが、※2初代アノシラスを真似て、ニセアノシラスを製作した過去を持つ武史は、もしかしたら怪獣少女アノシラス(2代目)の生みの親なのかも知れません。グリッドマンシグマとして戦う力を失った武史が、現実世界から新しい(祐太)グリッドマンのサポートプログラムとして送り出したのが2代目アノシラスで、演出等から何となく兄妹らしさが滲み出る(笑)※3シノビラーと酷似した外見を持つアンチ君もまた、アカネちゃんの創造物ではなく(製作風景が一切無いし)、実は武史の手によるものという可能性も考えられます。新世紀中学生の製作者(※4馬場一平とか)も外の世界にいたりして…。

※1:1994年5月号から11月号まで小学館の幼年誌「てれびくん」にて連載されたスチール連載(写真付きの小説)『電光超人グリッドマン 魔王の逆襲』に登場した敵役で、前作のラスボス魔王カーンデジファーの弟だそうです。弟!?(笑)デジタル世界の話なのでアップグレードバージョンという位置付けでしょうか。

※2:「電光超人グリッドマン」に登場。コンピューターワールドに住む心優しい怪獣。製作者は不明。武史はこの怪獣を洗脳しグリッドマンと戦わせた事がある。後にそのデザインをコピーしたニセアノシラスも誕生させている。

※3:「電光超人グリッドマン」に登場。オートインテリジェンス(AIのようなもの?)怪獣。日本語を話す。武史の手によって幾度も再デザインされ、グリッドマンを苦しめた。

※4:「電光超人グリッドマン」に登場。主人公トリオの一人。グリッドマンと、その全てのアシストウェポンのデザインをしたスゴイ人。PCパーツの調達もお手の物。でも学校の勉強はまるでダメ(笑)
{/netabare}
現実と虚構が重なり合い、シャッフルする「SSSS.GRIDMAN」、本作「電光超人グリッドマン boys invent great hero」には、その秘密の一端が隠されている!?

かつて武史の歩んだ紆余曲折の道を共に行き、怒って泣いて笑った方なら感動必至。

夢のヒーローを目指した少年の勇姿、刮目してご覧あれ!

投稿 : 2018/12/08
閲覧 : 399
サンキュー:

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