「リズと青い鳥(アニメ映画)」

総合得点
85.8
感想・評価
548
棚に入れた
2286
ランキング
215
★★★★★ 4.1 (548)
物語
4.0
作画
4.3
声優
4.0
音楽
4.2
キャラ
4.1

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

とても深く、そして緊張感のある作品

初視聴です。タイトルに惹かれて見ました。

最初はみぞれが言った「私がリズで、希美が青い鳥」だと、何の疑いもなくそう思っていました。
それにしても「水槽を泳ぐミドリフグ」を眺めるみぞれのシーン、一体何の意味があるんだろう、
何の関係があるんだろうと、ずっと引っ掛かっていました。

その後「籠の中の青い鳥」と重ねて、束縛では無く、居心地の良い場所を意味していると思い、
青い鳥は希美ではなく、みぞれの方じゃないかと意識した時は、正直驚きを隠せませんでした。
みぞれの思いとして先入観を植え付けられ、真実とは全く逆を信じていたことになります。
みぞれと先生との会話でそれが確信に変わり、同時に二人のことを思い少し目が潤みました。

先生が言っていた「第三楽章はオーボエとフルートの架け合い」という言葉。
第三楽章。それはヌエット。つまり舞曲であり自由な演奏・・・そう、自由。
翼を取り戻した青い鳥が自由な空へ羽ばたく為に、この楽章「愛ゆえの決断」が存在する訳です。

覚醒したみぞれを見た希美が強い嫉妬と疑心を抱き、そして気持ちをぶつけ合った二人の会話は、
感傷に陥るとても辛いシーンです。希美にとって、それは決してハッピーエンドでは無かった。
だから希美はみぞれに抱きつかれても、きちんと受け入れることが出来なかったんだと思います。
それでも、その後に気丈に振る舞おうとした希美の気持ちが胸に刺さります。

籠の扉を開いたがゆえの自由と哀しみ。とても切ない物語です。

最後に初めて見ることが出来た「しっかりと向き合う二人」。これならきっと大丈夫でしょうか。
この先、たとえ互いが別々の道を歩むとしても、今までの様に近い存在であって欲しい。
そう願わずにはいられません。


作画は言うまでもなく、童話の世界と現実を重ねるところはとても幻想的で、
エンドクレジッツ「girls, dance, staircase」と非常にマッチしていると思います。

ただ、登場人物の会話や動きだけじゃなく、ちょっとした間と空間にまで伏線を張っていて、
その上、常に緊張を強いられる状態なので、見終わった後は少しだけ疲れました。(笑)

良く調べると「響け! ユーフォニアム」のスピンオフ作品という位置づけだったんですね。
全く知りませんでした。(学が無くてすみません)

正直どちらを見ようか迷ってこちらを選んだけど、すごくいい作品で見て良かった。
これで安心して本家の方を見ることが出来ると思うと、逆に良かったかなという気持ちです。

投稿 : 2019/07/25
閲覧 : 283

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