「な」 さんの感想・評価
2.5
物語 : 2.5
作画 : 2.5
声優 : 2.5
音楽 : 2.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
ジャンプにありそう
未来を担保にして金を調達する金融街という裏社会(異世界)のお話。
現在を救うためには未来を犠牲にして資金を使わなきゃいけないし、逆に未来を救うためには現在を切り捨てなきゃいけない。
そういうジレンマに立ち向かう人々を描いた作品。
金融街に招待された人間はアントレと呼ばれ、自分の資金(未来)がアセットというキャラクターとして目の前に現れ、共に戦闘を行う。戦いに負けると、資金(未来)を失い、いたはずの人間がいなくなる(担保にしていた未来が失われた)など現実世界でも悪影響が及ぶ。
公麿(主人公)
主人公はジャンプにいそうな熱血系主人公。実質不死身で傷も直ぐに回復するアセットに大丈夫?ってめっちゃ聞く。
明るい未来を求める故、未来を担保にする金融街には否定的。
『未来>現実』
三國さん(ライバル)
金融街のマネーで多額の財産を築く。日本の金融街のドン。
妹を病気で失くす。その経験から「世の中には未来の無い人間だっている。だから現実を守るために生きる」みたいな考え。現実の危機を救うためには躊躇無く未来を切り捨てる。その結果何人の未来が失われようとも。
『現実>未来』
といった感じに主人公とライバルが対照的なんだけど、どちらも幸せを願っている。その形が違うだけ。設定はメチャ面白い!
なんだけどキャラの魅力が弱い。三國さんはともかく、他のキャラ(主人公を含め)の魅力がほぼ無い。というか主人公と三國さんの描写が多すぎて描かれてない。
そのせいで脇キャラの破綻したことによる心情の落差があまり感じられず、つまらん。というか「破綻しても自分の責任だししょうがない。(主人公に対して)気にするな!」というスタンスの奴しかいないせいでそもそも落差が無い。
主人公については未来を守るたいう名目はあるものの、深い理念があまり感じられず、三國さんという悪を倒すだけの形式的な正義の主人公に成り下がっている。
自分が負かした相手を現実で見てショックを受けることはあっても、そこから何か考えが変わる…なんてことがほぼほぼ無い。招待された時から金融街に対して否定的なのがあまり良くないかな。変化が無い。
キャラの回想なり描写なりが明らかに足りないし、説明不足な点が多すぎる。
1クールじゃなくて2クールくらいでゆっくり進めた方が感情移入もできて良かったのでは?
総じてこの話はキャラの変化を見るアニメではなく、未来とは?幸せとは?みたいな問いについての啓蒙アニメになっている。(バビロンみたいな)
なんで時間があって、考えるのが好きな人は見てみてください。
純粋に物語を楽しみたい人にはオススメしません。