「銀河英雄伝説 Die Neue These 邂逅(TVアニメ動画)」

総合得点
70.4
感想・評価
280
棚に入れた
866
ランキング
1529
★★★★☆ 3.5 (280)
物語
3.5
作画
3.7
声優
3.5
音楽
3.4
キャラ
3.5

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ネタバレ

ミュー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

人間関係の考察、自由惑星同盟と銀河帝国の両者の視点から見る歴史観に感動しました!

元のアニメは未視聴です。
あまり昔のアニメを見ていない自分にとっては
とても入りやすいイラストだったので
昔のこんな素晴らしいアニメを見ることができて
良かったです。それでも戦争史、歴史、政治的に
シリアスで濃い内容でした。

子供の頃は漠然と民主主義は善で
専制政治は悪というようなイメージしか
ありませんでしたが、もちろんそれは
ある意味では正しいのかもしれません。
{netabare}
ですが、だからといって専制政治下にあった民が
簡単に秩序を持って民主主義を構築していけるのか?
という問題やヤンウェンリーのいう恒久平和は有り得ない
という歴史の考察などは感慨深かったです。
結局、力のあるものが民主主義や平和を正義という
大言壮語、大義名分で支配していったところで
腐敗したり、また内部分裂やクーデターが起こり
同じ歴史を繰り返すだけというのは人間の現実の一面について
先生には失礼な言い方かもしれませんが機械的な歴史の授業よりも
ずっと深い歴史の本質的な勉強をしているような気持ちになりました。

民主主義と民衆、軍隊の関係も考えさせられました。
他の方が元のアニメのセリフが削られていたというような
レビューも拝見しましたが、そういう意味では
あまりゴリゴリな歴史や政治に対しての物言いは避けて
大衆受けや低年層やアニメ初心者にも見られやすいように
あるいはイラストの関連からも削られたのか?は分かりませんが…
それでもポピュリズムであったり、選挙のための戦争など
民主主義の一時期の人気や風潮に左右されて長期的な戦略や
判断を見誤る危険性や欠点というのを改めて考えさせられた
ように感じました。今の時代はおそらく政治に無関心な時代だと
思いますが、昔は良くも悪くも政治に関心のある人たちが
多くいた時代だったのかもしれませんが、結局のところ
どちらに偏りすぎるのもあまり良くないというか
本当にバランスというのは難しいんだろうなと思いました。
現実とアニメを完全に重ね合わせることはあまり現実的でなく
妄想チックかもですが、アニメから色々な知見と関心を持てるように
なった自分としてはついついそういう風にまた考えてしまいました。

また、上役の無理難題な命令や作戦での複数の提督達の言い争う
シーンや、戦争肯定派の弁舌をヒロイズムと批判したり、反対派をヒューマニズムと
批判したりした場面からは、結局なところ
言葉もその使いようによってどのようにでも正義と悪を入れ替えられて
しまえるような怖さと空疎感、経験やリスクによる
充分な判断や意見が通らない現実のジレンマなども感じました。
実際、ヤンウェンリーが軍に必要とされ続けるように
そもそも平和というのが何なのか?一方的な平和を行使したところで
他の勢力がそこに漬け込んで反勢力側に加担したり仲介して
利己的な利益を得たりするというようなこれも歴史の問題のような
他のアニメでもよく語られるシーンなのかもしれませんが
答えが出るはずもなく、ですが日本の比較的平穏な生活を
させてもらっている身では日々の虚無感を取っ払ってくれるような
誇大妄想だと揶揄されそうですが何かと考えさせられましたが
不快ではない気持ちになれました。(にわか)
{/netabare}

投稿 : 2020/06/21
閲覧 : 397
サンキュー:

5

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