「 DEVILMAN crybaby[デビルマン クライベイビー](Webアニメ)」

総合得点
76.0
感想・評価
308
棚に入れた
1000
ランキング
670
★★★★☆ 3.9 (308)
物語
4.0
作画
3.9
声優
3.9
音楽
3.9
キャラ
3.9

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ネタバレ

Fanatic さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

本当の悪魔を、まだ誰も知らない

永井豪さんの画業50周年を記念してサイエンスSARUが制作。
監督は湯浅政明さん。
「映像研には手を出すな!」や「夜は短し歩けよ乙女」と同じ組み合わせです。

基本は原作である漫画版の展開に寄せながら、舞台やキャラクターだけが現代風にアレンジされた、名作「デビルマン」。
1972年にアニメ化されていたヒーロー物の同名作品は、永井豪さん原案の世界観を基に作られた別物で、漫画版のアニメ化としては、87年と90年に制作されたOVA二作が挙げられます。
ただし、OVA版はシレーヌ戦までしか作られておらず、完結まで描かれたのは今回の湯浅版が初。

湯浅さんが監督された「四畳半神話体系」が大好きで、その繋がりでこちらも視聴してみたのですが、OPからなんだか鳥肌が立つような気味の悪さ。
本編も、中盤以降から急速にダークで重い雰囲気に。

本編は、湯浅さん独特のアルカイックな演出が緩衝材となって観やすくなっていましたが、通奏低音のような暗い空気にどこか息苦しさを感じます。
エログロ表現もかなり多いですが、サイケな色彩で上手くオブラートに包まれていて、下品な印象は受けませんでした。

主人公は、悪魔アモンと合体しながらも、強い精神力でアモンの意識を抑え込み、悪魔の体と人間の心を併せ持つ存在「デビルマン」となった不動明。
人間と共存の道を模索してゆく明でしたが、悪魔の存在が公になると、人間たちは恐怖からパニックに陥り、やがて恐るべき行動を取り始める……という内容。

悪魔を排除せしめんとする人間たちと、それに抗う明やその仲間たち。
終盤は、明たちに感情移入して観ている視聴者にとっては、どちらが悪魔なのか分からなくなるほどの激しい対比描写。
「本当の悪魔を、まだ誰も知らない」というキャッチコピーは、そのままストレートに本作の主題を表していました。
特に9話は、本作で初めてデビルマンに触れる方にとってはトラウマ展開となるかもしれません。

{netabare}しかし、原作を読まれていた方にとっては、もしかすると湯浅版の解釈は救いとなるかも?
原作版の牧村美樹から感じられた、人間に対する恐怖や憎悪という感情は、本作においては、慈愛や赦しといった形に置き換えられているようにも感じました。{/netabare}

細かいことを言えば、人間たちの極端すぎる群集心理や、SNSに迂闊なことを書き込む美樹のなど、所々腑に落ちない演出もありました。
しかし、10話と言う限られた尺の中で、重厚なテーマの原作版をテンポよくラストまで描ききってくれた本作は、やはり一見の価値はあったと思います。

気軽にお勧めできる作品ではありませんが、今から五十年も前にこのテーマで漫画を描かれた永井豪さんの非凡さに、改めて感嘆させて頂きました。

投稿 : 2020/11/17
閲覧 : 214
サンキュー:

4

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